Fieldwork _ このたび IZU PHOTO MUSEUM は、 ヨヘン・レンペ ルト ( 1958 年ドイツ・ メールス生まれ ) の 個展を日本国内 の 美術館としてはじめて開催します 。 ドイツ・ハンブ ルクを 拠点 に写真家とし 10 年以上にわたる生物学研究を経て、 て 活動 するレン ペ ルトは 、動物 や 植物、昆虫、人間といった 多様 な生きものと自 これまで 一貫してモノクロフィルムを用 いて作品制作 然現象をモ チーフとして、 を行ってきました 。 自身によりフィルムからプリントされ 、アナログの 質感 が 保 たれ た 作品 は、 科学的知見に支えられた 精緻 な記録 であるだけでなく、生を受 けた ものたちへの 温 かな眼差しを感じさせます 。 写真表現 を 牽引してきたドイツで 新 たな表現 を 確立したレン ペ ルトが つくり出 す ユ ーモアあふれる構成と独特 の 直貼り手法 により、作品 たちが 展示空間 で 有機的 に 絡 み 合 い 、私 たちの 暮らす 地球 の 成り立ちにおける複層的 な「 せ か と い」 「 つながり」を自由に連想 する楽しさを教えてくれます 。 本展 では 、絶滅した 海鳥 を 記録し続 ける代表作 の《 オオウミガラスの 表皮》 (1990−2016) 、生態系 でのつながりと共存 を 示唆 する《 ベラドンナ 》(2013) 、 さら 生きものの 多様 なフォルムを 収 めた《対称性と身体構造》(1995−2016) 、 に 顔 つきをモ チ ーフとした《顔相学的試行》(2002)まで 、最新作も含 めた 100 点を超える作品を展示します 。 Jochen Lempert ヨヘン・レンペルト 1958 年ドイツ・メールス生まれ 。1970 年代後半 からおよそ10 年間にわたりシュ メルツダヒン ( Schmelzdahin )の 一員として、映像制作・パフォーマンスを 行 い、 写真 を用 いた 制作活動 は 1990 年代前半より始 める。並行して 1980 年より ボン 大学にて生物学を学 び 、 10 年以上にわたり研究活動を行うなど自然科学 に精通した 作家 である。 ドイツ・ハンブ ルクを 拠点 に 活動。近年 は 、バンクー バ ー 現代美術館 現在 は 、 ( カナダ 、2016 )、シンシナティ美術館(米国、2015 )、ハンブ ルク市立美術館 ミッドウェイ・コンテンポラリー・アート ローチェス (ドイツ、2013 )、 (米国、2012 )、 ターアートセンター(米国、2012 )、ルードヴィヒ美術館(ドイツ 、2010 )ほか 世 フォルクヴァンク美術館(ドイツ ) ドイツ 連邦共和 、 界各地 で 個展 が 開催され 、 国現代美術コレクション(ドイツ )、国立造形芸術 センター(フランス)、ハイス・ マ ルセイユ 写真美術館( オランダ )ほか 多数 の パブリックコレクションにて 作 品 が 収蔵されている。2014 年 には 国際的 に 最も評価 の 高 い 現代写真賞 のひ とつであるドイツ証券取引所写真賞にノミネートされている。 2 本展 の 見どころ 国内の美術館として はじめての個展を開催 生物学の知見に基づいた 独特の世界観 ユニークな展示構成と インスタレーション ドイツ・ハンブ ルクを拠点に活動 するヨヘン・レンペ ルト。 ドイツや 米国 の 美術館 での 個展をはじめ 、近年世界各地 で 展覧会を 開催 するレン ペ ルトの 作品 が 紹介 されるのは、 日本国内 の 美術館 では 初となります。 バラエティに 富 む 対象 が 撮影された 作品 は 、 科学的 な理解に基 づいた 精緻 な記録 であるだけでなく、生 きものに対 する温 かなまなざしと人間を含 め 生きものを捉える広 い 視点を備えた 独特 の 世界観 が 反映され ています。 レンペルトが 手 がける展覧会は、 額装されていないバライタ紙をテープで直接壁に貼付ける手法で制作されま す。撮影時期も生物種も異なり一見関連性のない被写体の収められた作品たちが、 展示空間のなかで互いの この地球の成り立ちにおける複層的な 境界線を飛び 越え、 有機的に絡み合います。展覧会において鑑賞者は、 と 「せかい」 「つながり」の存在の可能性を自由に連想するという体験へと導かれます。 主な展示作品 の 紹介 《ベラドンナ》2013 年 ベラドンナの 実とリスを 撮影した2枚組 の 作品。 ベラドンナの 実 は 眼を 模した 毒性 のあるもので 、 ある種 の 動物 はその 実 を 見ると顔と認識し、 その 実 を 食してしまうと言 わ れています 。長 い 期間 を 経 てそれぞれに 組 み 込まれたプログラムが 互 い 《オオウミガラスの表皮》1990−2016 年 19 世紀中頃に絶滅したオオウミガラスの 剥製を 撮影したシリーズ 。か つて 北大西洋 および 北極 海 に 広く分布していたこの 海鳥 は 、体長約 80 セ に進化し、 地球上にあらゆる生きものが 共に暮ら この 作品 は 生態系 で すことを 可能 にしています 。 の 相互 のつながりと共存を 映し出 す 典型的 な例 であると言えるでしょう。 《顔相学的試行》2002 年 多様 な生きものの 顔 つきを 撮影したシリーズ 。似 ンチ 、重さ約 5 キロほどで 、見 た目も動作もまるで たような外観を 持 つ 1 組 の 作品を 観察 すると、全 レン ペン ギンのようであったと言 わ れています 。 く異種 の 被写体 が 組 み 合 わ せられていることに この 剥製 を 収蔵 する各国 の自然史博 ペ ルトは 、 気付 かされます(参考図版 のモ チーフは 馬 の 顔 物館 に出向き、頭部を同じ方向 から撮影 する活 と蛾 の 羽)。造形的 な 類似性 をきっかけとして 、 動 を 現在も続 けています 。すでに 50 体近くの 標 これまで 視覚的 な 面白さが 紡 が れると同時 に 、 本を 撮影し、中立的 な観点 から行 われた 記録と 想像したことのなかった 生きもの 間 におけるつな シンプ ルなフォ いう博物学的 アプロー チにより、 がりを連想させます。 ル ムの 美しさが 際立 つと同時 に 、嘴 や 色 などの 微妙な差異による多様性 が 浮き上 がります。 《主観的写真》2011 年 《対称性と身体構造》1995−2016年 日常生活 を 含 め目にすることのできるあ 「寝そべりながら、胸 の 上にカメラを置き、長 い 露 らゆる物 体 の 体 つきを 撮 影したシリー 光時間をかけて、星 の 光 で自分 の 呼吸 の 動きを ズ 。生 を 受 けたものだけでなく、工業製 記録」したフォトグラムによる作品。作品名 から、 品 でさえも構成 に 加 わり、次々と繰り広 1950 年代 にドイツから国際的 に 広まった「主観 げられるフォルムの 奏 でるリズムにより、 主義写真(もしくは 主観的写真)」の 影響 をも連 彩り豊 か な 独特 の 世界 が 小宇宙 のよ 想させます が 、前 述 のレン ペ ルトによる解 説 か フォルムの バラエ うに 立 ち 上 がります 。 ら、 自己 の 思想 や 哲学 を中心 に 据えるのではな ティと面白さを 再発見 すると同時 に、何 く、他 の 生きもの 同様 に 呼吸活動 を 行うという特 気 ない 毎日の 生 活 に 潜 む 豊 かさに 気 徴 から人間を捉える視点を示 す 作品 です。 付 かされます。 3 関連イベント アーティストトーク 特別レクチャー ヨヘン・レンペ ルト本人による作品解説のほか 、 参加者 の方 からのご 質 レンペルト作品の魅力や 現代の写真表現などについて伺 います。 問にお 答えします。 ゲスト :松井 みどり (美術評論家) 日時:2月26日 (日)14 : 30 _ 16 : 00 場所:クレマチスの 丘 ホール(予定) 日時:10月29日 (土)14 : 15 _ (当館受付カウンター前集合、約 50 分間) 料金:当日の入館券 のみ 、要申込 料金:当日の入館券 のみ 、申込不要 申込方法:電話によるお申込(Tel. 055 - 989 - 8780) 学芸員によるギャラリートーク 親子向けギャラリートーク 本展担当学芸員が展覧会と作品についてわかりやすく解説します 。 展示作品を一緒に読 み解きながら展覧会を楽しむイベントです 。 日時:毎月第 2 土曜日 14 : 15 _ 対象:小学校 1 _ 3 年生と保護者 の方 日時:3月18日 (土)14 : 15 _(当館受付カウンター 前集合、約 40 分間) (当館受付カウンター 前集合、約 30 分間) 料金:当日の 入館券 のみ 、申込不要 、 申込不要 料金:当日の 入館券 のみ(小学生無料) 展示風景〈植物採集箱〉2014 年 関連書籍 基本情報 (限 定 1,000 部) 『ヨヘン・レンペ ルト』 開館時間: [ 10・2・3月]10:00 - 17:00[ 11・12・1月]10:00 -16:30[ 4月]10:00 -18:00 *入館は閉館 30 分前まで 国内 の 美術館 における初 の 個展開催を 記念 する限定版写真集 発売日:2016年10月下旬 (予定) 予価:2,000 円 (税別) 休 館日:水曜日 (祝日の場合は翌日休) 、12月26日- 1月6日 、高・大学生 400 円( 300 円) 、中学生以下無料 入館料:大人 800 円( 700 円) * ( ) 内は20 名様以上の団体料金 発行:IZU PHOTO MUSEUM 発売:NOHARA クレマチスの丘 展覧会情報 主催: IZU PHOTO MUSEUM 後援:ドイツ連邦共和国大使館 ヴァンジ 彫 刻 庭 園 美 術 館 生きとし生 けるもの アクセス 会期:2016 年 7月24日 (日)_ 11月29日 (火) ベ ル ナール・ビュフェ 美 術館 ● お 車の場合 東京方面より:東名裾野IC→R246経由、沼津方面 へ 10km ロベ ー ル・ドアノーと時 代 の肖像 ― 喜 び は 永 遠 に 残る 会期:2016 年 9月15日 (木)_ 2017 年 1月17日 (火) 名古屋方面より:新東名長泉沼津ICあるいは東名沼津IC→ へ 、長泉IC出口右折→R246経由5km 伊豆縦貫道(無料区間) ●電車の場合 JR東海道線三島駅下車、 お 問合 せ 北口 (新幹線口) 発無料シャトル バスにて約25分 展覧会担当: 國田( [email protected]) 広報担当: 岸( [email protected]) 〒411 - 0931 静岡県長泉町東野クレマチスの丘 347 - 1 Tel. 055 - 989 - 8780 Fax. 055 - 989 - 8783 www.izuphoto -museum.jp 4 広報用画像 本プレスリリース内 でご 紹介しましたイメージについて画像貸出しをしております( デジタル データのみ )。 ご 希望 の 場合 は 必要事項をご 記入 の 上、FAX または Eメール にてお申し込 みください 。 *ご 希望 の 画像番号にレ点をお 入 れください 。 *キャプション 及 び ©Jochen Lempert. Courtesy BQ, Berlin and ProjecteSD, Barcelona を表記願 います 。 *恐 れ 入りますが 、掲載紙 1 部をご 送付頂きますようお 願 い申し上 げます 。 《対称性と身体構造》 より 2005 年 《ベラドンナ》 より 2013 年 《北海航行》 より 2009 年 《アンテロープ》2013 年 《オオウミガラスの表皮》 より 1990‒2016 年 《顔相学的試行》 より 2002 年 《主観的写真》2011 年 《無題(インテリジェントプラント)》2013 年 貴媒体名 掲載号 発売日/放映日 年 月 日 貴社名 ご担当者様 Tel. Fax. E-mail @ ご住所 資料お届け期限 年 月 日 までにご希望 送信先 IZU PHOTO MUSEUM 広報担当: 岸 宛 Email : kishi@clematis-no- oka.co. jp 〒411- 0931 静岡県長泉町東野 クレマチスの 丘 347 - 1 5 FAX : 055 - 989 - 8783
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