「就職動向把握プロジェクト」:調査項目最終案(参加校共通) 2012/4/1 法科大学院協会職域委員会 趣旨説明 (1)就職動向調査の趣旨・目的 就職動向調査は法科大学院協会の修了生職域委員会の任務と密接に関わっており、そ の目的は、全国の修了生の就職状況をデータ化することにより、①司法制度改革審議会 の提言に照らして法科大学院が多様な法曹をどの程度育成できているかを客観的に把 握することを通じて、法科大学院教育の成果を測定することにあるとともに、②法曹三 者に限らず、高度法律学修者(広い意味での法律専門家)としての修了生を含めて、彼 らの進出が今後期待できそうな職域がどこにあるかなど、新たな職域開拓の手がかりを 探り、そのような職域のニーズを勘案しながら法科大学院教育の今後のあり方を再検討 する材料とすることにある。 そのような努力はまずもって各法科大学院の責務であるといえるが、ことは全国的規 模での問題であり、修了生の数が増加するにつれて各法科大学院による自主的な個別対 応には限界があることは明らかであるし、同種の就職動向調査作業を各校が負担するこ とは非効率的でもあるので、各法科大学院が費用面で協力し合ってIT技術を活用して そのような作業を統一化することにより各校の労力の大幅な削減を図るために、職域委 員会がオンラインでの「就職動向把握プロジェクト」を発案し、理事会・総会でこれを 任意参加のプロジェクトとして承認し、協会が経費の補助や業務委託を行った。 (2)調査項目について――参加校・非参加校の調整 上記のような目標を達成するためには、一定のレベルまで統計的な分析ができるよう な具体的なデータを取得する必要がある。前記のオンライン・プロジェクトは、法科大 学院側や修了生にとって質問・回答・取りまとめの労力を大幅に低減することができる ので、この趣旨に適する方法といえる。以下に掲げる項目案は、オンラインでのアンケ ート調査項目としては長くもなく短くもなく、修了生は自分に該当する項目だけ回答す れば足りるので、さほどの手間はかからない。この調査項目の内容は、オンライン・プ ロジェクト参加校の意見による協議の結果である。 オンライン・プロジェクトの調査結果と、非参加校の独自調査の結果とを統合して初 めて、全国規模の調査になる。統計分析のためには調査項目を共通にすることが望まし いので、非参加校には参加校の共通項目のうち採用できる部分は採用してもらうことが 1 望ましいが、各非参加校の方針・調査方法・労力負担との関係で、調査項目やデータ提 供方法等が一致しなくなることがあってもやむを得ないと思われ、非参加校の独自調査 については、今後さらに詰める作業が必要になると思われる。 (3)個人の特定に結びつかない調査 調査項目や回答選択肢の選定にあたっては、修了生個人の特定(および就職先の特定) に繋がらないよう配慮する必要がある。以下に掲げる調査項目や選択肢は、各法科大学 院のみがアクセスできる別の調査項目(純然たる個人情報)の閲覧がなければ、個人の 特定に至らない内容になっている。 オンライン・プロジェクトにおける就職情報の入力呼びかけおよび情報取得の主体は 各法科大学院である。就職動向の調査項目については協会による調査に提供することお よび匿名性が守られることを入力画面に明示するものとする(入力者は同意の上で入力 することになる) 。 ここでは、調査項目相互の関係をクロス集計して傾向の分析をすることのできる調査 を想定している(例えば、関東地区や近畿地区の法科大学院の修了生を抽出して彼らがどの程 度その他の地方に就職しているか(あるいはその逆の関係)をみる<Ⅰ-7とⅡ-2-2の相関 関係>とか、司法試験合格者のうち修習を辞退した者を抽出して彼らがどのような方面に就職し ているかをみる<Ⅱ-1-2、Ⅱ-1-5、Ⅱ-3-3、Ⅱ-3-7等の相関関係>など) 。従 って、修了生A、修了生B、修了生C・・・という匿名の個人別フォーマットで参加校 からデータを提供してもらうことを予定する(オンラインによるデータの場合、そのよう な形式にすることは容易である)。 オンライン・プロジェクト非参加校の場合は、各校の実施する調査方法がまだ不明で あるので、調査結果をどのようなフォーマットで提供することが可能であるかについて は、スケジュールも含めて、今後協議が必要である。 なお、前述のような匿名の個人別のフォーマットでのデータ提供方式を採る場合も、 その他の種々の要素から個人の特定に結びつかないように配慮しなければならない。但 し、データ提供主体=出身法科大学院の特定は、職域委員会には可能である(この点は、 これまでの協会における各種委員会の調査と同様である)が、調査結果の報告書を理事会に 提出する段階では、共通調査項目から得られるデータしか使えないという制約により、 おのずから法科大学院の特定はできない資料形式になる。従って、法科大学院単位の分 析まで報告することは想定しておらず、職域委員会による調査・分析はあくまで全国的 なそれにすぎない。 -------------------------------――― 2 調査項目(案) (回答者に対してオンライン上の入力画面で次のような趣旨の説明を示す。) 下記の調査項目の回答データは、回答者が修了された法科大学院だけでなく、法科大 学院協会による全国的な就職動向調査のためにも使用されます。協会へのデータ提供は あくまで個人が特定できない匿名の形式でなされ、 調査結果が公表される場合も全体的 な傾向についての報告にとどまります。ここで回答された場合は、このような調査のた めのデータ提供に同意いただいたものとして取り扱わせていただきます。いずれの項目 も回答は任意ですが、 法科大学院修了生の今後の職域開拓に資するという調査の公共的 な目的をご理解いただき、できる限り協力くださいますようお願い致します。 [注]下記の項目以外に、別ページで、氏名、住所、連絡先電話、メールアドレス等、 純然たる個人情報にかかる調査項目がある(法科大学院別の調査項目) 。これらの項 目の回答は、回答者の出身法科大学院が指定した特定の担当者だけが閲覧すること ができ、当該法科大学院からの連絡用など所定の目的のためにのみ使用され、協会 には絶対に提供されない旨を、付記する。なお、各修了生の新司法試験の成績デー タは、法務省から各法科大学院に対して提供されることになり、調査の必要性は薄 れたので、このプロジェクトでは調査項目としない方向で考える。 *赤字の注意書きは、準備段階のものであり、調査項目の最終確定時には、削除する。 次の各項目について、質問にお答えください。いずれの項目も、回答は任意です。 回答は、選択肢の該当する番号をクリックして選択するか、または、必要に応じて語 句・数字を入力してください。 Ⅰ.基礎情報 [全員] Ⅰ-1 あなたの性別をお答えください。 1.男性 2.女性 Ⅰ-2 あなたの属する年代層についてお答えください(回答時点を基準とする) 。 3 1.25 歳以下 2.26 歳~30 歳 3.31 歳~35 歳 4.36 歳~40 歳 5.41 歳~45 歳 6.46 歳以上 [*これまでの散発的な情報によると、性別や年代は就職にかなり影響している可能性が あり、就職情報とつきあわせて検証する方がよいと思われる。西暦の年代別にする案 もあったが、わかりやすさを優先して年齢を採用する。] Ⅰ-3 法科大学院(複数の法科大学院を修了した場合は最初のもの)への入学前の社会 人経験の有無をお答えください。 1.あり Ⅰ-4 2.なし 法科大学院(複数の法科大学院を修了した場合は最初のもの)への入学時の既修 者・未修者区分をお答えください。 1.既修者 2.未修者 [*社会人経験等が、就職の関係で有利に働くのかどうかを検証する。 ] Ⅰ-5 出身学部の種類をお答えください。 1.法学部 2.法学部以外の文系学部 3.理工系学部 4.その他(____) [*既修・未修の区別と出身学部の区別は必ずしも対応しないので、別途、就職への影響 の傾向を探る。学部特性と就職状況の関係は法科大学院制度の将来を考える際の基礎資 料になりうる。 ] Ⅰ-6 法科大学院(複数の法科大学院を修了した場合は最初のもの)の修了年をお答え ください。 西暦(____)年 [*経年変化・年度比較を想定している。] Ⅰ-7 出身法科大学院(複数の法科大学院を修了した場合は最終のもの)の所在地域を お答えください。 1.北海道・東北 2.関東 3.中部(北陸・新潟を含む) 4.近畿 5.中国・四国 6.九州・沖縄 [*出身法科大学院の地域と就職地等との関連性の程度を検証する(例えば、地元の弁護 士になる傾向の有無) 。法科大学院が 1 校しかない県もあるので、法科大学院の特定を避 けるため、より大きな括りの地域ブロックとする。複数の法科大学院を修了した者に関 しては、この調査の趣旨が調査時の最新の就職との関連性をみるということであるので、 <最終のもの>とした。 ] Ⅱ.修了後の情報 Ⅱ-1 司法試験受験状況等 4 Ⅱ-1-1 司法試験(旧司法試験も含む)のこれまでの受験回数をお答えください。 (5 年以内の受験かどうかを問わない。 ) 1.0回 2.1回 3.2回 [全員] 4.3回 5.4回以上 [*三振後の予備試験や再度の入学を想定して、4回以上の選択肢を設定する。 合否だけでなく、受験状況と就職状況との関係も検証できるようにする趣旨。 ] Ⅱ-1-2 司法試験に合格しましたか。 1.はい Ⅱ-1-3 か。 [全員] 2.いいえ 前問(Ⅱ-1-2)で、2.を選択された方は、まだ受験勉強を継続しています [該当者のみ] 1.はい 2.いいえ Ⅱ-1-4 司法試験に合格した場合、合格年をお答えください。 [該当者のみ] 西暦(____)年 Ⅱ-1-5 司法修習を終了した方は、修習期と修習地をお答えください。 [該当者のみ] 修習期(___)期、 修習地(_____) [*経年変化・年度比較を想定。修習地と就職の関連性] Ⅱ-2 就職年・勤務地 Ⅱ-2-1 直近の就職年または転職年(現在の就職先・職種に直結するもの。法科大学 院入学前からの就職先に予定通り復帰・復職した場合は入学前の就職年)をお答え ください。 西暦(____)年 [無職者以外ほぼ全員] [法科大学院修了後、回答時までに転職した可能性もあるので、直近という聞き方をする。 また、法科大学院入学・修了の前後を通じて同一企業等に勤めているケースも、この回 答で把握できる。 ] Ⅱ―2-2 現在の勤務地(弁護士の場合は登録地)を都道府県単位でお答えください。 (____) (都道府県名) Ⅱ-3 現在の職種等 [転職前の職業は、混乱を避けるために調査対象外とする。 ] Ⅱ-3-1 職種(法曹三者かそれ以外かの区別)をお答えください。 [全員] 1.裁判官 2.検察官 3.弁護士(登録して法律事務所以外に就職している場合も含む) 4.いずれでもない Ⅱ-3-2 裁判官・検察官以外の方は、さらに詳しい職種をお答えください。 [ほぼ全員] 5 1.法律事務所の経営弁護士 パラリーガル 2.法律事務所の被雇用弁護士 4.裁判所書記官・事務官 5.検察事務官 3.法律事務所職員・ 6.司法書士 7.官公 庁職員 8.地方自治体職員 9.企業従業員 10.大学・研究機関の教育・研究職 11.その他の職(_____) 12.無職 [*職種の把握のための基本項目] Ⅱ-3-3 前問(Ⅱ-3-2)で、7、8または9と回答した方は、職種が法律関連職か否 かの分類に応じて、次のいずれかの設問にお答えください。 (なお、法律関連職であるか否 かは、業務量の過半数が法律に関連するか否かにより、判断してください。 ) Ⅱ-3-3-1 法律関係職の場合 [該当者のみ] 1.法務部門 2.知財部門 3.内部統制・コンプライアンス 4.調査・研究 5.その他 (_____) Ⅱ-3-3-2 非法律関連職の場合 1.営業 2.財務・経理 [該当者のみ] 3.総務・人事 4.労務・厚生 5.企画・開発 6.調査・研究 7.その他(_____) [*修了生が法曹三者以外に就職した場合、法律関係職かそうでないか、また修了生 がどのような部署で活用されているかは、人材ニーズを探る上で重要ではないかと 考えられる。新しい職域での法科大学院修了生の活用方法の根本に関連する。] Ⅱ-3-4 い。 法律事務所に就職した方は、当該事務所の規模・属性についてお答えくださ [該当者のみ] 1.国内系法律事務所(自分含め弁護士 21 名以上) 2.国内系法律事務所(自分含め 弁護士 4~20 名) 3.国内系法律事務所(回答者含め弁護士 2~3 名) 4.国内系単 独法律事務所(回答者のみ) 5.外資系法律事務所 [*わが国の法律事務所は、3 名以下が大多数であることを踏まえ、このような括りで 法律事務所への就職の実情を把握してはどうか。なお、単独事務所は、必ずしも即 独者を意味しない。即独弁護士の人数については日弁連の推計データがある。] Ⅱ-3-5 法律事務所に弁護士として就職した方は、ご自身の取り扱い分野についてお 答えください。 (複数回答可) 1.一般民事 2.一般刑事 法・商事法事件 [該当者のみ] 3.少年事件 7.知財法関係 不正競争防止法関係 4.行政訴訟 8.労働事件 11.医療問題 5.家庭事件 9.倒産事件 12.消費者問題 6.会社 10.独占禁止法・ 13.環境問題 14.渉 外事件 15.その他(_____) [*現段階ではまだ専門分野の形成には至らないかも知れないが、今後の調査を見据 えて入れておいてはどうか。 ] 6 Ⅱ-3-6 企業に就職した方(弁護士登録者を含む)は、当該企業の規模(従業員数) についてお答えください。 [該当者のみ] 1.~100 名未満 2.~300 名未満 Ⅱ-3-7 3.1,000 名未満 4.1,000 名以上 企業に就職した方(弁護士登録者を含む)は、当該企業の業種について、次 のいずれかの設問にお答えください。 Ⅱ-3-7-1 製造業の場合 1.電気・情報機器・精密機器 5.食品・農林・水産 [該当者のみ] 2.自動車・輸送用機器 6.化粧品・医薬品・化学 3. 機械 4.石油・ゴム 7.衣料・繊維 8.鉄鋼・金属 製品 9.建設・住宅 10.その他製造業 (_____) Ⅱ-3-7-2 非製造業の場合 1.マスコミ・出版・広告 チ 2.人材・教育・コンサルタント・シンクタンク・リサー 3.情報・通信・同関連ソフト 険その他金融 [該当者のみ] 6.電力・ガス 4.商社・卸売業・小売業 7.外食・中食・ホテル 5.銀行・証券・保 8.運輸・倉庫 9.その 他サービス業 (_____) [*法廷弁護士が飽和状態に近づきつつあるとすれば、司法試験の合否を問わず、民 間就職も法科大学院修了生の重要な選択肢であり、どういう業種で人材ニーズがあ るか、その傾向を探ることは今後の職域開拓を進める上で重要であろう。 ] Ⅱ-4 Ⅱ-4 その後の修学状況 法科大学院(複数の法科大学院を修了した場合は最初のもの)を修了後、大学、 大学院、その他各種の学校に進学した場合(現在在籍中かすでに卒業したかは問いません) 、 該当するものを選択してください。(複数回答可) [該当者のみ] 1.大学院博士前期課程 2.大学院博士後期課程 3.法科大学院(2つめ以降) 4.法科大学院以外の専門職大学院 5.大学(学部) 6.海外留学(外国の学校) 7.司法試験予備校 8.その他(_____) [これらも就職に間接的に関連するので、現在在籍中かすでに卒業したかを問わず、 法科大学院修了後の就職動向調査に含めて調査したい。 ] Ⅱ-5 Ⅱ-5 就職のための情報 就職のためにどのようなタイプの情報提供が有益でしたか。個人的な経験を中心 に、修了生一般の立場も加味してお答えください。 (5つまで回答可) [全員] 7 1.就職セミナー 2.マナー講習 3.企業による説明会 4.官公庁による説明 会 5.大学(法科大学院)による求人情報提供 6.弁護士会による求人情報提 供 7.公的機関による求人情報提供 8.ジュリナビ等による求人情報提供 9.教員による個人的な斡旋 10.先輩等による個人的な斡旋 11.その他(_ ____) [単純に複数回答可とすると、ほとんどすべてになってしまうおそれがあり、調査の 意味がないので、優先順位を付けてもらう意味で 5 つまで選択可とした。 ] 以 <ご協力ありがとうございました。> 8 上
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