OBB/BSS最新動向 −TeleManagement World-AP in Tokyo,Japanレポート− 去る 9 月 1 日と 2 日の 2 日間にわ たり、東京・品川のコクヨホールに になってきていることである。③は、 テレコム業界の市場動向 て、情報通信サービスの運用管理に 多くのサービスプロバーダーがブロ ードバンド化への対応を検討してい 関する国際的な業界コンソーシアム 情報通信業界は、他のIT 業界と同 るが、キラーアプリケーションを提 「TeleManagement Forum」の主催 様に厳しい状況が続いている。昨今 供できないまま単なるサービス提供 による「TeleManagement World- のテレコム業界の主な動向として、 を繰り返し、依然として付加価値の AP in Tokyo,Japan」(TMW A-P) 次のような事柄があげられるだろう。 ある新サービスの早期提供という課 が開催された。TMW A-P は、情報 ①サービス提供価格の低価格化 題を抱えていることである。そして 通信システムの効率的な運用管理を ②市場での競争激化 ④は、昨今、新規サービスプロバイ 実現するための OSS/BSS(オペレ ③ IP とモバイルへの対応 ダーが連携して新しいサービスを牽 ーション/ビジネス・サポート・シ ④バリューチェーンの拡大傾向 引していくなど、業種連携が活発化 ステム)と、OSS/BSS に関わる事 ①は説明するまでもなく、国内の 業判断責任者と専門家の勉強の場と ブロードバンドサービスの価格が飛 情報共有を目的としたイベントであ 躍的に安くなってきていることであ る。 る。②は、昨今の情報通信事業会社 していることである。 運用管理システムの問題点 ‐サービスプロバイダーの課題‐ ここでは OSS/BSS の最新動向と のサービスが、従来の音声サービス して、TM Forumの活動やTMW A-P からモバイルやブロードバンド、コ の概要とともに、今回の TMW A-P ンテンツ等へと多様化していること。 ビスプロバイダーの運用管理システ に参加した主な企業の出展内容を紹 この動きに伴い、同時に情報通信サ ムにさまざまな影響を与えている。 介する。 ービスプロバイダーの垣根がなくな まず、低コストかつ短期間で運用 りつつあることと、さまざまなサー 管理システムを構築することが必要 ビスでプロバイダー間の競争が激化 となっていること。管理システムが し、市場シェアの拡大に努めるよう 固定化していると新しいサービスに 100 このような動きが、情報通信サー 2004 Vol.41 No.11 即応できない。また、新しいサービ するような仕組みが必要である。 そして、料金システムに関しては、 スへの対応だけでなく、既存サービ スにおいても突然の業務量の増大に サービス対応ではなく顧客中心の統 即応しなければならない。そのため 合化した料金システムが必要である。 ク管理システムやサービス管理シス テムとの統合化に多額の費用と期間 を要するという問題点を抱えている。 には、市販パッケージを活用して実 現することが理想的であり、初期構 運用管理システムの問題点 築時だけでなく変更も安価かつ短期 ‐その他のプレイヤーの課題‐ 間で行えることも重要である。 問題点の解決に向けて 以上のような問題点を解決し、柔 軟な OSS/BSS を構築するためには、 次に、ビジネスの変化に追従して 一方、運用管理システムを構築す 運用管理システムも柔軟に変えてい る立場であるシステムインテグレー 次のような機能をもつことが有効な かなければならないこと。例えば、 ター、ソフトウェアベンダー、装置 解決策となるだろう。 アクセスプロバイダー、サービスプ ベンダーは、それぞれ次のような問 ロバイダー、コンテンツプロバイダ 題点を抱えている。 まず、OSS/BSS を構築するプロ セスの定義を行うこと。プロセスは、 ーの 3 種のプロバイダーが相互に連 システムインテグレーターの統合 実際の運用担当者と意識を合わせる 携して顧客にコンテンツを提供する 作業は、情報通信サービスプロバイ 上でも必要であり、基本となるプロ サービスを行う場合、サービスプロ ダー固有やそのシステム固有である セスやプロセスフロー、プロセス間 バイダー間でのサービスオーダー通 場合が多く、繰り返し適用できない のインタフェースを明確化すること 知や事業社間の料金精算、そして、 という問題点を抱えている。標準と は、オペレーターにも OSS/BSS 開 企業間のトラブルの切り分けといっ なる統合システム、あるいは 発者にも不可欠である。 た運用管理情報を相互に提供しなけ OSS/BSS アーキテクチャがあれば ればならない。そのため、さまざま よいが、サービスプロバイダーは、 インタフェースを明確にすることが な形態のバリューチェーンに対応で 実際にはそれを受け入れない場合が 有効である。それには、企業内既存 きる柔軟な運用管理システムが必要 多い。 OSS/BSSとの接続だけでなく、他社 ソフトウェアベンダーは、サービ であり、企業内と企業間の境界も明 確かつ透明でなければならない。 スプロバイダーとシステムインテグ 次に、OSS/BSSサブシステム間の の OSS/BSS と接続するためのイン タフェースの定義も重要である。 レーターがそれぞれ固有の枠組みを また、最近の OSS/BSS は単にサ 従来からある既存の運用管理機能と もち、共通性が存在しないという問 ービスや装置の監視や使用可能にす 連携する形で構築しなければならな 題点を抱えているため、商品の仕様、 るだけでなく、ROI を最大化するた い。例えば、あるサービスプロバイ 開発、販売が困難になっている。ま めに販売管理システムや経理システ ダーが新しいブロードバンドアクセ た、1 つの製品を大量に売るのは困 ム等と連携するような機能も求めら スサービスを提供しようとした場合、 難であることと、OSS/BSS の市場 れている。つまり、社内システムの そのサービスプロバイダーは、従来 が以前ほど大きくないことにも不満 アーキテクチャを構築する場合、従 からの既存料金システムをもち、電 をもっている。 来の TOM(Telecom Operations また、これらの運用管理機能は、 装置ベンダーは、装置を提供する Map)のように、OSS 個別に定義 新サービスでは、電話番号とは別の 際に、装置の運用管理システムであ するのではなく、経理システムや売 顧客IDを基に顧客管理を行うことが る EMS( Element Management 上管理システムなどの BSS も含め 考えられる。このような場合には、 Systems)も併せて要求される場合 た企業システム全体のアーキテクチ 運用管理システム間で顧客IDを変換 が多いく、EMSと上位のネットワー ャを明確化する必要がある。 話番号を基に顧客管理を行う一方で、 2004 Vol.41 No.11 101 OBB/BSS最新動向 OBB/BSS最新動向 −TeleManagement World-AP −TeleManagement in Tokyo,Japanレポート− World-AP in Tokyo,Japanレポート− そして、OSS/BSS 間で共有すべ ンダー、ソフトウェアベンダー、シ また、年 2 回の総会を欧州と米国 き情報モデル、データ項目を明確化 ステムインテグレーターなどが正会 で開催している。この総会には、毎 すること。OSS/BSS 間のインタフ 員(メンバー事業規模により会費は 回 1,500 ∼ 2,000 名が集まり、メンバ ェースを決めるだけでは、システム 異なる)として、情報通信ネットワ ー間の情報共有や TM Forum の活 全体で十分な相互接続運用性が確保 ークにおける効率的な運用管理の相 動内容を公開する場とともに、運用 できないので、それぞれの 互接続標準を策定するための国際標 管理に関わる業界のコンセンサスを OSS/BSS の前提となる情報モデル 準の確立や、運用管理業界の活性化 作成する重要な場になっている。 を明確にしておくことが、OSS/BSS に向けた検討活動を行っている。 連携のためには不可欠である。 TM Forum の活動の土台となっ 最大の検討分野「NGOSS」 このように、プロセスとデータと ているのは、メンバー企業から集め システムに焦点を当てる OSS/BSS られた技術者が約 20 のテーマに分 アーキテクチャは、サービスプロバ かれて、情報通信ネットワークの運 このTM Forumの最大の検討分野 イダーだけでなく OSS/BSS ベンダ 用管理のための相互接続標準の案を が、「NGOSS(New Generation ーや装置ベンダーに対しても、中長 作成しているチーム活動である。 Operations Systems and Software) 」 期的な経営戦略として極めて重要な ものになっている。 TM Forum 設立と活動内容 情報通信サービスの運用管理に関 TM Forum の特徴は、単なる標 である。これは、次世代OSS/BSSの 準案の策定だけでなく、開発した標 ためのアーキテクチャフレームワー 準案をそのメンバー企業内で実現 クや分析に基づいた基本原理と方法 し、その際に出てきた問題点を標準 論を提供するというものである。 案へフィードバックして、より現実 TM Forumでは、市販ソフトウェア に即した標準案の作成に取り組んで の一層の活用と、新しい通信サービ いるところである。 ス導入を可能にすることを目的に、 する国際的な業界コンソーシアム 顧 客 「TeleManagement Forum」(以下、 TM Forum)は、1988 年に NMF (Network Management Forum) という名称で設立された。設立当初 戦略、 インフラストラクチャと製品 戦略と約束 戦略と約束 インフラス ト ラク インフラス ト チャの生涯管理 ラクチャの生 涯管理 運用 運用支援と 運用支援と運 運用準備 用準備 製品の生涯管理 製品の生涯管理 要求実現 要求実現 マーケテ ィ ングと提供管理 マーケテ ィ ングと提供管理 顧客関係管理 顧客関係管理 サービス開発とサービス管理 サービス開発とサービス管理 サービス管理と運用 サービス管理と運用 品質保証 品質保証 料金請求 料金請求 は、情報通信サービスの運用・管理 に関して事業者間で共通の課題を検 討し、業界の共通認識を共有すると ともに実製品化と標準化を促進する ことを主な目的としていたが、業界 資源開発と資源管理 (アプリケーション、 コンピューティングとネットワーク) 資源管理と運用 資源管理と運用 (アプリケーシ コンピューティ (アプリケーショ ョン、 ン、 コンピューティングとネッ ングとネットワーク) トワーク サプライチェーン開発と供給管理 サプライチェーン開発と供給管理 ) サプライヤ/パー トナー関係管理 サプライヤ /パー トナー関係管理 と参加メンバーの関心の的が情報通 信ネットワークのサービス管理の実 現へと移行していくに従い、その名 称を TM Forum に変更した。現在 350 社以上の世界中の主要情報通信 企業体管理 戦略と企業体計画 戦略と企業体計画 企業リスク・マネジメント 財務管理と資産運用管理 企業有効管理 企業有効管理 利害関係者と渉外管理 利害関係者と渉外管理 知識と研究の管理 知識と研究の管理 人材管理 人材管理 サービスプロバイダー(NTT 等の キャリアと ISP)、情報通信機器ベ 102 図 1 eTOM(ビジネス・プロセス・フレームワーク) 2004 Vol.41 No.11 柔軟な情報通信網管理システムの構 TMW A-P 築に向けた検討を、次の項目別に進 ‐国内とアジア太平洋地域の活動‐ めている。 OSS/BSS の事業環境の理解と、広 く情報通信事業全体の動向を理解し てもらうことを目的とした講演が行 ① eTOM :情報通信サービス事業者 日本国内におけるTM Forum活動 われてきた。そして 2 日目は、1 日 の全ての業務プロセスを再整理した 関係者による団体として、TMF-JMT 目の講演を受けて、技術面でどのよ Business Process Map(改良した (TMF-Japanese Management Team) うな課題があり、どのように取組み、 Telecom Operation Map) がある。TMF-JMT は、TM Forum そのように実現しようとしているの *2004年、eTOM は、ITU(国際電 に参加しているメンバー有志により か、といったことに焦点を当てた講 気通信連合)の電気通信標準化部門 運営されており、主な活動は、年 6 演が行われてきた。 であるITU-TのM.3050シリーズ勧告 回のペースで開催される勉強会と本 今回の TMW A-P ではキーノート の承認を受けた。 会合による会議で、情報の共有と意 スピーチとして、Jim Warner 氏 ② SID :情報通信サービス事業者内 見交換、各種対処方針の相談協議な ( TM Forum President)、 Don で用いるシステム情報とデータモデ どが行われている。登録メンバーは、 Gibson 氏(Cramer Systems 社)、 ルを整理したShared Information& 主に国内の通信産業系のサービスプ 岡田忠信氏(NTT ネットワークサ Data Model ロバイダーとベンダーで構成されて ービスシステム研究所)による講演 ③TNA:各業務プロセスとそれを実 いたが、グローバル化の進展に伴い、 が行われた。中でも岡田氏は、NTT 現する各種ソフトウェアの動作条件 海外ベンダーの日本法人が新メンバ におけるブロードバンドサービス現 をCORBAやXML、Javaなどの特定 ーとして参加する傾向にある。 状や今後の展開など、国内のテレコ の技術に依存しない形で定義した そして国内およびアジア太平洋地 ム業界を展望する内容を紹介した。 Contract Interface & Technology 域の最大の活動となっているのが、 また 1 日目のビジネスセッションで Neutral Architecture 「Tele Management World Asia- は、OSS オブザーバーの Larry ④ Compliance Test :①から③の Pacific( TMW A-P)」 で あ る 。 Goldman 氏がアジア太平洋地域を NGOSS の基本フレームワークに沿 THF-JMT では、TM Forum 活動概 中心とした OSS/BSS 市場について、 ってできあがったソフトウェアの 要の紹介を目的とした「OSSセミナ マーケティング情報や OSS/BSS の NGOSSの適合性を評価する試験 ー」を1995年から開催してきた。そ 活用状況、課題などを紹介した。 ⑤ NGOSS Supporting Tools : の後、TM Forumの活動概要が国内 さらに TMW A-P では、講演に併 NGOSS を動作可能とする情報バス でも十分に浸透し、より詳細な TM 設する形で展示会を開催し、国内外 や情報モデルの蓄積(Knowledge Forum の活動内容を紹介しながら、 の主要企業から OSS/BSS に関わる Base)などの各種ツール群 OSS/BSS を巡る市場の動きや、ど 製品が出展されてきた。OSS/BSS その他、移動体系の OSS/BSS の のような製品が市場に提供されてい 製品に特化した展示会としては国内 検討、SLA/QoS の検討などの各種 るか、といった一歩進んだ形でのセ で唯一、最大であることから、 チーム活動が並行して行われてお ミナーの必要性が高まってきた。そ OSS/BSS と OSS/BSS に関わる事業 り、OSS/BSS に関する世界をリー こで2002 年から名称を「TMW A-P」 判断責任者と専門家の勉強および情 ドするフォーラムとして、さまざま に変更し、2 日間にわたる講演会と 報収集を行う場として活用されてい な活動が展開されている。 製品展示会の開催へと発展した。 る。今回の TMW A-P でも、各出展 TMW A-Pは、過去 3回、各2日間 企業から OSS/BSS に関連した製品 にわたり開催されてきた。1 日目は や技術、ソリューションなどが紹介 OSS/BSS のビジネス面を中心に、 された。 2004 Vol.41 No.11 103 OBB/BSS最新動向 OBB/BSS最新動向 −TeleManagement World-AP −TeleManagement in Tokyo,Japanレポート− World-AP in Tokyo,Japanレポート− 株式会社 SL ジャパン(http://www.sl-j.co.jp/) クリティカルな OSS/BSS 情報を可視化する SL-GMS と コンパクトで高速な OSS Java GUI ソリューション 米国 SL 社は、リアルタイムなイベントならびにプロセスの タリスト・ショーケースで、 監視制御と画面表示を専門とするダイナミック GUI(Java、 「リアルタイムなサービス保 C++ または.NET)でリードするソフトウェア・メーカーで、 証管理の可視化」を実演した TeleManagement Forum の HMI チームや各種カタリストの ものである。また、無比類な GUI 担当などで、積極的に活動している。 Java「シン」クライアント技 今回の TMW A-P には、カンファレンス・ノートパッド・ 術によるネットワーク管理 スポンサーとして参加し、SL 社の比類なくコンパクトで高速 GUI 開発ツール「SL-GMS な OSS Java GUI ソリューションを実演した。併設の出展者 J/Net」も紹介した。J/Netは、 セッションにおいても、「ネットワーク管理からサービス管 TMW Nice 2002 に お け る 画面表示イメージ 理まで、SL-GMS による OSS の可視化について」を提案した。 Fine Grain NGOSSカタリストでGUIを担当した製品である。 展示ブースでは、XML や SQL などのさまざまな OSS データ さらに、今回の TMW A-P の初日、SL 社とアジレント・テ に接続するだけで可視化して、すぐに運用できる、職務役割別 クノロジー社は、アジレント社が SL 社のソフトウェアを使い、 のカスタム・ダッシュボードとして「SL-GMS Enterprise サービスプロバイダーのユーザー向けに、強力な Web 化対応 RTView」を紹介した。これは、TMW Nice 2004におけるCDP の「NETeXPERT GUI」を開発することを発表した。 (カタリスト開発製品)ー PLM(製品ライフサイクル管理)カ ■お問い合わせ先 TEL : 03-3423-6051 アイログ株式会社(http://www.ilog.co.jp/) ネットワーク監視・管理の簡略化とコスト削減を支援する アイログの OSS / BSS ソリューション 通信業者は次世代 OSS/BSS システムの構築に大きな期待 用性を活かすことで統合作業の簡略化やコストの削減を実現 を寄せており、相互運用性を容易に可能にするソフトウェ するための支援を展開している。 ア・コンポーネントの組立て、およびカスタマイズに注目を ● ILOG JViewsTM 集めている。アイログは過去 15 年にわたり、テレコム業界に アイログの視覚化製品。ILOG JViews を基盤にしたソリュ 特化した Java と C++ のコンポーネントの開発およびパッケ ーションは、テレコム産業のデファクト・スタンダードにな ージ化を行ってきた。現在、世界の通信業者上位 20 社のうち っている。ILOG JTGO は、OSS のための GUI 用コンポーネ 15 社が、ネットワークおよびサービス管理システムにアイロ ントを付加した視覚化ツール。 グ・ベースのソリューションを採用している。 ● ILOG JRules TM BRMS(Business Rule Management アイログは、Java 技術の利点を活かした通信システム向け 共通 API の開発および仕様策定を目的とした、ワールドワイ Systems ビジネス・ルール管理システム) プロセスおよびイベント管理に反応性と柔軟性を組み込む ドの開発者コミュニティである OSS/J(OSS Through Java) ことにより、巨大なネットワークを管理することができるよ イニシアティブに参加している。また国内では、日本におけ うになる。また、課金や受注管理システムの効率化を図るこ る OSS/J の本格的な普及を目指した「OSS/J 協同検証プロジ とができる。 ェクト」を各社と協力して推進している。アイログは、この ■お問い合わせ先 ような活動を通じて、通信業界者が Java のオープン性や再利 104 Email: [email protected] TEL:03-5211-5770 2004 Vol.41 No.11 アドベントネット株式会社(http://www.adventnet.co.jp/) ネットワーク管理システム開発プラットフォーム 「AdventNet Web NMS 4.7」 ア ド ベ ン ト ネ ッ ト 社 は 、 今 回 の TMW A-P に お い て 、 後、実環境にインストールして利用することを前提に開発さ 「AdventNet Web NMS 4.7」の展示を行った。ネットワーク れたプラットフォーム製品で、機能拡張や設定変更が柔軟か 管理システムの開発プラットフォームである AdventNet Web つ容易にできることが特徴である。そのため、通信キャリア NMS 4.7 は、ネットワーク管理システムの開発、カスタマイ の厳しい管理ニーズにも適応でき、低コストでカットオーバ ズ、テスト、パッケージングのための各種ツールやウィザー ーし、その後、機能拡張をしながら長期的に利用していく、 ドをバンドルしており、効率よく短期間でネットワーク管理 といった運用が可能である。 システムを構築することができる。また、大規模ネットワー このような特徴から、OSS のネットワーク管理機能につい クの管理や信頼性の向上のための機能をあらかじめ提供して て、市販のポイントソリューションをそのまま適用するとい いるので、さまざまな管理ニーズに対応できる管理システム うアプローチとは異なる、OSS の一部に独自要件を持ったネ を構築することができる。さらに、多くの通信プロトコルを ットワーク管理システムを構築するというケースで、基盤製 サポートし、標準化された技術を利用しているので、他のシ 品として利用されている。 ステムとの連携が容易で、長期的に使用できるシステムを構 以上のような開発プラットフォームとしての長所を、来場 者に理解してもらうことをポイントとした展示を行った。 築することができる。 インストールと設定後に、すぐ使うという製品ではなく、 ■お問い合わせ先 管理ニーズに合わせて、プログラミングや各種設定を行った TEL: 045-412-5601 株式会社エクサ(http://www.exa-corp.co.jp/) 自社開発および海外有力ベンダーのソフトウェアを ベースとしたネットワーク管理システム(NMS)を提供 エクサは、システム基盤管理ソリューションの 1 つとして、 ことができる。また、ネットワーク・プロビジョニングシス 自社開発および海外有力ベンダーのソフトウェアをベースと テム、インベントリ管理システムや顧客管理システムなどと したネットワーク管理システム(NMS)の開発・販売を行っ 連携することで、障害の影響が及ぶネットワークおよびサー てきた。お客様の多岐にわたる要求を実現するため、専門的 ビスの範囲の特定、対応優先順位付け、根本原因解析などを なネットワーク管理ノウハウと、Web、Java 等を用いたアプ 行なうことができる。これらの機能により、ネットワークサ リケーション開発技術を駆使して、市販ソフトウェアの適用 ービスの運用コストを削減することが可能である。 から各種インテグレーションまで含めた、さまざまなソリュ ーションを提供している。 Web NMS は、高いカスタマイズ性を持つネットワーク管 理フレームワークを中心に、ネットワーク管理関連のさまざ 今回の TMW A-P では、特に通信事業者向けに、魅力的な まなニーズに対応した豊富な製品群を取り揃えている。製品 サービスを早期に提供するためのソリューションコアとし のほとんどは Java で開発されており、またオープンな技術を て、エクサが販売代理店契約を締結している Micromuse 社の 採用することにより、優れた柔軟性を実現している。 「Netcool 」および AdventNet 社の「Web NMS」を展示し R ○ た。各製品の特徴は次のとおりである。 Netcool は、複数のネットワーク管理システムを統合し、 ネットワーク・イベント全体を 1 つのコンソールで管理する 2004 Vol.41 No.11 ■お問い合わせ先 ユビキタスソリューション営業部 E-mail : [email protected] TEL : 044-540-2375 105 OBB/BSS最新動向 OBB/BSS最新動向 −TeleManagement World-AP −TeleManagement in Tokyo,Japanレポート− World-AP in Tokyo,Japanレポート− コンバージス・ジャパン株式会社(http://www.convergys.co.jp/) コンバージェント・ビリング・ソフトウェア 「InfinysTM GENEVATM Rating & Billing」 コンバージス社は、従業員約6万人を擁し、全世界でカスタ イベント主導型アーキテクチャとネットワーク環境からの独 マ・コンタクト・センター、データ・センターなどを持ち、サ 立性を組み合わせた独自の設計思想に基づく InfinysTM Rating ービスを提供している。コンバージス社の製品である InfinysTM & Billing は、あらゆるサービスのレーティングとビリングに GENEVA 対応し、業界を問わず全てのビジネス・モデルをサポートし TM Rating & Billingは、コンバージェント・ビリング・ ソフトウェアである。従来のビリング製品と違い、多大な時間 ている。 とコストをかけてソフトウェアのカスタマイズを行う必要がな また、InfinysTM GENEVATM Rating & Billing は、顧客と商品 くなるため、新しいサービスを市場に投入するまでの時間を短 の情報を総合的に把握することが可能であり、さらに、事業 縮し、顧客管理を改善することにより、キャッシュフローの最 拡大を効率的にサポートする構造的な柔軟性とスケーラビリ 適化を可能する。また、スタンドアローンシステムとしても、 ティを持ち、複雑な料金設定や階層設定、複数サービス、パ 低リスクで既存の OSS/BSS システムと統合できるモジュール ーナ間決済、複数通貨などにも対応しているので、TCO の削 型ソリューションとしても利用することができる。 減を実現することができる。 通信事業者など大規模システムにも対応可能なコンバージ ェント・ビリング・ソフトウェアの Infinys TM GENEVA TM ■お問い合わせ先 営業部 Rating & Billing は、次世代サービスに関する革新的な機能を E-mail : [email protected] 加えたことによって、次世代のビリングをサポートしている。 TEL : 03-5114-5670 SAP ジャパン株式会社(http://www.sap.co.jp/ 英文サイト http://www.sap.com/) OSS と BSS の垣根を越えた連携を実現する SAP のソリューション 2003 年に TM Forum への加入を果たした SAP は、2004 年 “Enterprise Management”領域の充実がある。TOM の時代 には、SAP ジャパンとして TMW A-P に出展を行なうなど、 より、SAP は Enterprise Management 関連の強力なリアルタ 精力的に TM Forum を意識した活動を展開している。 イムビジネス管理機能を備えており、初期ユーザーから絶大 伝統的な『ERP ベンダー』というイメージが先行しがちな な支持を獲得してきた。このような観点で、SAP は製品ベン SAP だが、世界各国の 500 を数える通信キャリアに、バック ダーとして、TM Forum の eTom モデルの実際的な裏打ちが オフィスシステムとして採用され、ドイツテレコム、MCI、 できると考えている。 Verizon、Telstra、SK テレコム、といった Tier1 キャリアに おいても、安定した稼動実績を誇っている。 また 2003 年は、グローバル CRM ベンダーとしては、シェ 通信キャリア各社のビジネスモデルが劇的に変化している 今日、即応する新たな OSS や BSS を廉価、かつ統合的に提 供可能な SAP への期待が高まっている。 ア第 1 位の評価を受け、コールセンタ・債権管理を含めた統 合的な BSS を包括的に提供できるベンダーとしての認識が、 ■お問い合わせ先 広く通信キャリアに定着してきた。 一方 OSS の領域においては、本来的な ERP の機能領域で E-mail : [email protected](中野正人) TEL : 03-3273-5223 十分カバーし得るものと考えているが、SAP ならではの付加 価値として、eTom モデルで示されているところの 106 2004 Vol.41 No.11 日本 BEA システムズ株式会社(http://www.beasys.co.jp/) 柔軟性と将来性に優れ、コスト効果の高い OSS/BSS 基盤を構築する 「BEA WebLogic OSS/BSS Platform Solution」 新サービスをタイムリーに投入し、顧客との関係を維持・ ントから構成され、各コンポーネントは、システム面から要 強化するには、OSS/BSS は通信事業者にとって重要な役割を 求される機能を備えており、柔軟性・拡張性の高い IT 基盤環 担っている。BEA システムズ社の通信業界向けソリューショ 境を提供する。一方業務実装レイヤーは、実現する業務単位 ン「BEA WebLogic OSS/BSS Platform Solution」は、通信 で実装が可能なレイヤーである。実装例として、サービスオ 事業者が直面している課題を解決するソリューションである。 ーダー(登録、開通、業務のフロースルー化)、トラブル管 BEA WebLogic OSS/BSS Platform Solution は、通信界向 理(故障発生時のプロアクティブな対応)、セルフケア、パ けに実績に基づいてデザインされた柔軟性・拡張性の高い ー ト ナ ー 連 携 ( B 2 B ゲ ー ト ウ ェ イ )、 シ ス テ ム 統 合 OSS/BSS 基盤ソリューションである。これまで独立して構 (OSS/BSS インテグレーション)などの業務があげられる。 築されていた各 OSS/BSS システムを有機的に連携し、将来 BEA シ ス テ ム ズ 社 で は 、 BEA WebLogic OSS/BSS の拡張性を考慮したアーキテクチャによる OSS/BSS 基盤を Platform Solution の導入のために、OSS/BSS アセスメント 構築し、顧客との関係を強化することで、顧客満足度の向上 サービス、OSS/BSS 基盤プロジェクト支援サービス、ミッ を確かなものにして、ビジネスパートナとの連携を密にした ションクリティカルサポートなどのサービスメニューを提供 迅速な対応を実現している。また同ソリューションは、IT 基 している。 盤レイヤーと業務実装レイヤーから構成されている。IT 基盤 ■お問い合わせ先 レイヤーは、ソリューションの技術基盤となる各コンポーネ 営業担当 E-mail : [email protected] TEL : 03-5545-8440 マイクロソフト株式会社(http://www.microsoft.com/japan/serviceproviders/) サービスプロバイダーの運用における敏捷性を向上させる 「Microsoft NGOSS Framework」 マイクロソフトは、長年にわたり TM Forum に参加し、現 イダーが SID モデルを ERM(Enterprise Reference Model) 在、XML および Web サービステクノロジを広範に使用した として活用する場合、必要に応じて“ビジネス エンティティ” NGOSS を実現するために、他の TM Forum 参加企業ととも (オブジェクト)や属性を削除することで制限したり、その に積極的に活動に参加している。OSS/BSS の領域では、 サービスプロバイダーに固有の属性を使用して拡張するな Microsoft .NET テクノロジを活用する情報通信事業者が増加 ど、レガシーアプリケーションの統合を容易に実現できるこ しており、導入と運用にかかるコストの削減や、柔軟性と生 とを証明した。また、2004 年 5 月にフランスのニースで開催 産性の向上という観点から、XML および Web サービスを使 された TMW Nice 2004 では、XML および Web サービスに基 用することの利点が実証されている。 づいた NGOSS の早期実装のデモンストレーションを BizTalk マイクロソフトでは、サービスプロバイダーが実際に Server 2004 上で行い、2 つの“Catalyst プロジェクト”を発 NGOSS をテスト・展開できるよう、NGOSS 仕様を調整し、 表した。マイクロソフトは、これらの取組みで培った経験を 有効なソリューションコンポーネントに具体化することに重 生かし、マイクロソフト製品で NGOSS ベースのアーキテク 点を置いた取組みを展開している。その最初の試みとして、 チャを評価・実装する際に非常に有効な機能を、一連のツー NGOSS SID(Shared Information/Data)モデル仕様(GB ルに統合している。 922)を、一連の XML スキーマ ファイルとして BizTalk XML ■お問い合わせ先 スキーマ エディタに実装した。これにより、サービスプロバ 2004 Vol.41 No.11 通信・メディアソリューション本部 TEL : 03-4523-3730 107 OBB/BSS最新動向 −TeleManagement World-AP in Tokyo,Japanレポート− マイクロミューズ・ジャパン株式会社(http://www.micromuse.com/) OSS / BSS を支える革新的な ネットワーク管理ソリューションを提供 マイクロミューズ社は、革新的なネットワーク管理ソリュ ーションを提供し、コアコンポーネントである「Netcool R ○ ●ビジネスサービスマネージメント マイクロミューズ社は、強力なイベント収集能力で集めた スイート」は、世界上位 20 社の大規模通信会社および 1,600 情報をもとに、ビジネスサービスマネージメント(BSM)の 社を超えるエンタープライズ企業で採用されている。その背 ソリューションをお客様に提供している。IT インフラストラ 景には、広範囲にわたる通信機器、デバイス、システム、ア クチャが個々のビジネスを支えていることは言うまでもない プリケーションをサポートしながら、卓越したイベント収集 が、旧世代の管理製品は閉じられたシステムの可用性を高め 能力を持っている。これにより、集めた情報をリアルタイム る目的のものが大半であった。マイクロミューズ社のネット にさまざまな視点で情報を表示し、問題をいち早く解決する ワーク管理ソリューションは、ビジネスの視点から、そのビ ことができる。 ジネスに関係しているネットワークを含めたシステムの状況 また、さまざまなシステム、ツールが複雑に存在する顧客 を把握することで、顧客はビジネスごとにパフォーマンスを の環境では、いかに統合的に、効率よく管理できるかが、コ 把握でき、可用性を維持しながら、障害によるそれぞれのビ スト削減、サービスレベルの維持、収益の確保につながる。 ジネスに与える影響を最小限にすることができる。 R マイクロミューズ社の Netcool ○ スイートは、その課題を解 決できるソリューションである。 ■お問い合わせ先 E-mail : [email protected] TEL : 03-5778-7624 セミナー開催のご案内 マイクロミューズ 「通信業界向けソリューションセミナー」 競争が激化している通信業界において、差別化と効率化を図るための新しいソリューションが求められています。 本セミナーでは、事例紹介を含めてマイクロミューズの新しいソリューションであるビジネスサービスマネージ メント(BSM)とパフォーマンスマネージメントの紹介をさせていただきます。 【開催概要】 ●日時: 11 月 22 日(月)13:30 ∼ 17:30 ●会場:東京コンファレンスセンター・品川 【プログラム概要(予定)】 R 1.オーストラリアの通信会社TelstraによるNetcool ○ を使用した 最新事例紹介(予定) (地図: http://www.tokyo-cc.co.jp/access_s.html) 2.ビジネスサービスマネージメント (BSM) ソリューションの紹介 ●定員: 70 名 ●参加費無料 3.Impact 3.1 新バージョンの紹介 【申込受付】弊社 Web サイトにて受付 http://www.micromuse.com/int/jp/events.html 4.InfoVista によるパフォーマンスマネージメント ソリューションの紹介 お問い合わせ先 マイクロミューズ・ジャパン株式会社 〒 107-0061 東京都港区北青山 3-6-7 青山パラシオタワー 11F TEL:03-5778-7624 FAX:03-5778-7676 E-mail:[email protected] URL:http://www.micromuse.com/ 108 2004 Vol.41 No.11
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