戦争遺跡のアーカイブと歴史教育おける活用

Akita University
秋 田入学 教育 文 化学 郡 教 育 実 践 研 究 紀 要
第3
0
号
2
0
0
8
年
戦争遺跡 のアーカイブと歴史教育お ける活用 †
一秋田県を事例 と して一
外地
智*
秋 田大学教育文化学部
0
年 を越 え る年 月を経 て,「ヒ ト」 か ら 「モノ」 へ,確実 に戦争 の記憶 や記
今 日,戦後 6
録,痕跡 が移行 してい く中,体験者 の持つ リア リテ ィーに迫 る理解 ・共感 可能 な学習 を ど
のよ うに展開 してい くのか は歴史教育 の重要 な課題 とな ってい る.本研究で は,戦争遺跡
に注 目 し, まず現在 の全国 における戦争遺跡 につ いて,特 に文化庁 を中心 と した 「近代追
跡調査」 による取 り組 みを整理す るともに, その類型 的分析 を試 みた. また,秋 田県 を事
例 に,同様 の類型的分析 を試 みた. さ らに, そ うした戦争遺跡 のその学校教育 における学
習材 としての活用 について,秋 田県を事例 に取 り上 げ,特 に土崎空襲 を題材 に した小 ・中 ・
0
年 (
土崎空襲 6
0
年) を機 に全面
高校 のそれぞれの実践,すなわち,文化祭 において戦後 6
的 に取 り上 げた秋 田中央高校,沖縄への修学旅行 と関連 させ,沖縄 と土崎 との比較研究 を
取 り入 れた下浜 中学校 ,「総合 的な学習 の時間」 で体系的 に取 り組んで いる土崎南小学校
と港北小学校 について検討 した.
キー ワー ド :戦争遺跡,近代遺跡調査,歴史教育,戦争学習,土崎空襲
1
. 本研究 の目的
本研究 で は, こうした現状 を踏 まえて,特 に学習
親や祖父母 な どの身近 な人 たちか らの 「
戦争」 の
材 と しての戦争遺跡 に注 目 してみたい.後 に詳述 す
語 り伝え,すなわち 「
語 り」 による歴史 (オー ラル
るが,戦争遺跡 とは,主 に近現代 の戦争 に関わる遺
ヒス トリー) の伝達 は,地域 や家庭 のいわば市井 に
跡, 遺構 の事 で あ る1
. 本研究 で は, 現在 の全国 に
おける歴史教育 と して戦争学習 の重要 な一翼 を担 っ
お ける戟争遺跡 につ いて,特 に文化庁 を中心 とした
0
年 を越 え る年月 を経
て きた. しか し,今 日,戦後6
「
近代遺跡調査2
」 による取 り組みを整理す るともに,
て,直接 の戦争体験 を もっ世代が年 ごとに減少 して
その学校教育 にお ける学習材 と しての活用 について
い くにつれ, そ う した身近 な人 たちか らの 「
戦争」
秋 田県 を事例 に取 り上 げ,特 に土崎空襲 を題材 に し
の語 り伝えは日々失われつつある.戦争の 「
語 り部」
た小 ・中 ・高校 のそれぞれの実践 について検討 して
い きたい,
の減少 の中,今後 の学校教育, とりわ け歴史教育 の
果 たす役 割 はます ます重要 で あ る. 「ヒ ト」 か ら
モノ」 へ,確実 に戦争 の記憶 や記録,痕跡が移行
してい く中,体験者の持つ リア リティーに迫 る理解 ・
共感可能 な学習 を どのよ うに展開 してい くのか, こ
れか らの歴史教育 の大切 な課題である.
2
0
0
8
年 1月2
8日受理
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第3
07
7-2
0
0
8
年
2
. 全国 にお ける取 り組み
(
1) 戦争遺跡の保存 と戦跡考古学
・
① 戦争遺跡 とは
Re
l
at
e
dSi
t
e
s
) とは, 級
戦争遺跡 (
戦跡 , W ar-
に取 り上 げる 「戦争遺跡保存全国 ネ ッ トワーク」 に
よれば,「近代 日本 の侵略戦争 とその遂行過程 で,
戦闘や事件 の加害 ・被害 ・反戦抵抗 に関わ って国内
外 で形成 され, かつ現在 に残 された構造物 ・遺構 や
跡地 の ことヨ
」 とされて い る. 具体 的 には, 以下 に
l
l
Akita University
して,検定 において文部省が これを史料 として認 め
挙 げるよ うな もので,非埋没 ・埋没資料 を問わず次
の 8種類 に分類 されている.
なか った ことについて,「沖縄戦 の戦争遺跡 や戦争
内
遺留品 とい う過去の物的資料 (
中略)を認識の手段
容
陸軍省 ・海軍省などの中央官衝 ・官庁,大本営,
師団司令部,連隊本部なとの地方官街 ・官庁,陸
軍病院,陸軍学校,研究所なと
軍事 的な要塞 (
墜塁 ・砲台),高射砲陣地,陸海
壕 (
飛行場 の格納庫),戦車壕,試射場,監視哨
(
空襲 に備えての敵機 の監視台),爆弾 ・毒 ガスの
埋納地 など
陸軍造兵廠,航空機製作工場 なとの軍需工場,荏
済統制を受 けた工場,地下軍需工場,鉱 山跡など
として沖縄戦の実相 にふれてい くとい うこと,その
ことも考古学研究者 の作業分野 として取 り組んで も
いいのではないか と考える5
」 として,「
戦跡考古学」
を提唱 している. 1
9
8
7
年 には 『
考古学 ジャーナル』
2
7
8
号 において 「
現代史 と考古学」 の特集が組 まれ,
さらに,1
9
9
3
年 には菊地実氏 (
群馬県埋蔵文化財調
査事業団主任専門員) によ り群馬県で 「
戦跡考古学
研究会」が発足 している.
沖縄諸島 ・硫黄島なとの戦闘が行われた地域,秦
など
(
2) 文化庁 による戦争遺跡調査 と指定 ・登録文化財
①文化庁 による戦争遺跡調査
州開拓村など
】⑥埋葬関係
陸海軍墓地,捕虜基地,忠魂碑 (
戦死者の記念碑)
原爆 ドーム (
広島市)の世界遺産登録 に先立 ち,
1
9
9
5
年 には 「
特別史跡名勝天然記念物及 び史跡名勝
天然記念物指定基準」が一部改正 (
文部省告示第 2
4
・
⑧ その他
航空機 の墜落跡,奉安殿 (
天皇の 「
御真影」を示
巳
る社),戦争 に関わ る学校,学童疎開所,二宮金
・戦争遺跡保存全国ネ ッ トワーク編 『日本の戦争遺跡』 (
平 凡社
新書,2
0
0
4
年),2
4
2
3
頁,十菱駿武 ・菊池実編 『しらへ る戦争遺
0
0
2年),1
5
1
7頁, 十菱駿武 ・菊池実編
跡 の事典』 (
柏書房 ,2
0
0
3
年),1
7
1
8
頁参照,
F
続 しらべ る戦争遺跡の事典』 (
柏書房,2
早) された.幕末か ら明治初年 まで とされて きた史
跡指定の対象が,第二次世界大戦終結時 までに拡大
し,政治,経済,文化,社会 などあ らゆる分野 にお
ける重要 な遺跡が史跡指定の対象 となったのである.
こうした文化財指定基準改正 を受 け,文化庁文化財
部記念物課 は 「
近代遺跡の調査等 に関す る検討会」
を設 けて (
委員 は1
0
名,下表参照),「
近代遺跡調査
②戦争遺跡の保存 と 「
戦跡考古学」
実施要項」 を定めた.
こうした戦争遺跡 に関す る調査 と保存 は,戦争体
「
近代遺跡の調査等に関する検討会」委員
験 ・戦争遺跡 の掘 り起 こし運動や戦争展 の展開によ
り始 まり,1
9
7
0
年代か らは生徒,教師による調査活
動や一般市民,民間団体の組織化が,広島や長崎,
東京,沖縄 などを中心 に進 め られて きた.そ して,
氏
…委員長
委
鳥 海
所
名
属
靖 1中央大学教授
員 ㌢中 風 秀 雄
お茶の水大学助教授
専
門
近代史
㌻近代史
1
9
9
7
年 には松代大本営の保存 をすすめる会,文化財
保存全国協議会,歴史教育者協議会 などが中心 とな
′ Lf
a 水 慶 一
国立科学博物館
科学史
東京大学助教授
近代史
十菱駿武両代表)が結成 され,全国の戦跡保存やそ
′
′
′
′
の活用 に関 して,毎年 シンポジウムが開催 されてい
・ ≠高 村 直 助 フェ リス女学院大学教授 ;近代史
り,「
戦争遺跡保存全国 ネ ッ トワーク」 (
村上有慶,
る. さらに, こうした団体の組織化が契機 とな り,
′
鈴 木
淳
鈴 木 博 之 1東京大学教授
建築史
′
中 岡 哲 郎
大阪経済大学教授
科学史
現在 は全国で多 くの市民団体が結成 され,各活動を
展開 している4.
また, こうした戦争遺跡 を中心的対象 とす る 「
戦
跡考古学」が,1
9
8
4
年 には当真嗣-氏 (
元沖縄県立
(
文化庁文化財吾陥己念物課 ,2
0
0
2
年),1
5
6
頁 よ り作成. 「
所属」
は掲載時の通 り
博物館長) によ り提唱 されている.当真氏 は,1
9
8
3
(
昭和 5
8
)年度版 の実教 出版 「日本史」教科書 の近
この要項 によれば,「
1
.
対象 とす る時期」 は 「
幕
現代史の記述 において,執筆者が 『
沖縄県史』 に収
末 ・開国頃か ら第二次世界大戦終結頃 まで とす る6
」
録 されている県民の戦争体験談 を取 り上 げたのに対
とされ,「
2.
対象 とす る遺跡 の分野 区分」 は,以下
1
4
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
の11区分 とされた.戦争遺跡 に関す るものは,基本
別では東京都が 8件で最 も多 く,続 いて神奈川県,
的に 「
⑨政治 (
立法,行政,司法,外交,軍事,政
広島県,山口県が ともに 4件,北海道,大阪府,良
治運動等)」 として区分 されている7
.
崎県が 3件である. 中には,「
東京湾防衛砲台群」
のよ うに千葉県か ら神奈川県 にわたるもの,「
西南
遺跡 の分野 区分
戦争関係遺跡」 のよ うに熊本県,大分県,宮崎県 に
わたるもの も含 まれている. こうした文化庁 による
詳細調査であるが,戦争遺跡 に関わ る民間団体や戦
史研究者か らは,重要 な史跡 に も関わ らず抜 け落 ち
ているとの指摘 も多 く1
1
,課題が残 されている.
②現在 (
2
007
年 8月現在)の指定 ・登録文化財
国や県,各市区町村 による文化財 としての指定 ・
990
年の 「沖縄陸軍病院南風原壕群 20
号」
登録1
2
は,1
(
沖縄県南風原町) の町指定 を皮切 りに,2
007
年8
そ して, この要項 に基づ き,1
99
6
年度か ら 3年間,
月現在で,国指定文化財 1
0件 (
7.
6%),県指定文化
同庁よ り各都道府県教育委員会が委託 を受 けて,近
財 7(
5.
3%)件,市 区町村指定文化財 63 (
47.
7%)
代遺跡の所在地や保存状況の調査が行われ,1
99
8年
件,国登録文化財48 (
36.
4%)件,市区町村登録文
には約 6,
0
00件 が報告 された. 2
002年 に公表 された
化財 4 (
3%) 件 の合 計 1
32件 が指 定 され て い る13
J
近代遺跡 (
戦跡) の所在調査一 覧」 で は,43都道
(
「
資料 2 全国の指定 ・登録戦争遺跡一覧」「
資料 3
4件 (
幕末 ・明治維新期 の2
4件 を含 む)
両県か ら54
各都道府県別指定 ・登録戦争遺跡数」参照).各
の戦争遺跡が報告 されている. この5
44件 は, さ ら
32件 の指定 の内,市
指定 ・登録文化財 で は,現在 1
に 「
近代遺跡の調査等 に関す る検討会」 により審議
区町村指定文化財が63件で最 も多 く,全体の半数近
され,全 国 11
6件 が A ラ ンク8 (
我 が国の近代史 を
くを占めている.都道府県別では,北海道が2
3
件と
理解す る上で欠 くことので きない遺跡) として報告
最 も多 く,その内訳 は国指定 2件,県指定 5件,市
された.同検討会 は, さ らに詳細調査対象 として50
区町村指定 1
4件,国登録 2件である.全 2
3
件 の内1
7
件を リス トア ップ している9 (
「資料 1 文化庁選定
による詳細調査戦争遺跡一覧 と類型化」参照,なお
件が屯田兵 に関わる遺跡で,7割以上を占めている.
次 は千葉県の1
7
件で, その内訳 は県指定 1件,市区
00
3年 か
資料 は全て論文末 に掲載).実際の調査 は2
町村指定 1
4件,国登録 2件である.全 17
件の内1
2件
ら着手 され,現在 まさに進め られている最中で,戟
が南房総市の 「
大房岬要塞群」で 7割を占めてお り,
争遺跡 に関 しては,今年度内での報告書刊行 を目指
全て 「
②軍事 ・防衛 関係」 の遺跡であ る14.3番 目
している1
0(
「
鉱山」部門だけが2
002
年 に刊行済).
は鹿児島県の1
3件で,その内訳 は市町村指定 2件,
資料 1に示 したよ うに,異体的内容 については,
国登録11
件である.全 1
3件の内 7件が瀬戸内町に代
「
①政治 ・行政関係」では,「
松代大本営予定地地下
表 される小学校の 「
奉安殿」で 6割を占めている.
4番 目は沖縄県の 8件 で,全て市 町村指定文化財で
壕」 (
長野県長野市) や 「旧海軍兵学校関係遺跡」
②軍事 ・防衛関係」
(
広島県江田島町) など 5件 ,「
ある.国や県の指定で はな く,全て市町村指定文化
では,「
大津島回天特別攻撃基地」 (
山口県徳山市)
990
年 に全国
財であることに特徴がある.前述 した1
や 「陸軍知覧飛行場関係遺跡」 (
鹿児島県知覧町)
で初 めて町指定を受 けた 「
沖縄陸軍病院南風原壕群
など39件,「
③生産関係」では,「旧陸軍砲兵工廠関
2
0号」 (
沖縄県南風原町) も含 まれている.
係遺跡」 (
東京都文京区)や 「
大阪砲兵工廠」 (
大阪
府大阪市中央区) など 6件で,「
②軍事 ・防衛関係」
さらに, こうした指定 ・登録文化財 を前述 した 8
つの類型で整理 した ものが 「資料 4 全国の指定 ・
が 8割近 くを占めている. 中には,「
小笠原村 にお
登録戦争遺跡類型化」 と 「
資料 5 全国の指定 ・登
ける戦争関係遺跡」 (
東京都小笠原村) や 「
舞鶴鎮
録戦争遺跡類型別数」 である.類型別 に見 ると,全
守府及 び舞鶴要塞関係遺跡群」 (
京都府舞鶴市) の
1
32件 の内, や は り 「②軍事 ・防衛 関係」 が 49件
ように複合遺跡群 も含 まれている. また,都道府県
(
37.
1%) で最 も多 く,次が 「
①政治 ・行政関係」
第3
0
号
2
0
08
年
l
.
;
_
、
Akita University
「⑧ その他」 が同数 で 2
2
件
たちlq』 (
1
9
7
8
年 ) や後述 す る土 崎空襲 関連文献,花
8
件
関係」 で 1
岡事件関連文献 な どを手 がか りに して,秋 田県下 の
(
1
6
.
7
%)
,次 が 「
⑤ 居住
(
1
3
.
6
%)で あ る.最 も多か った 「②
5
件,
軍事 ・防衛 関係」 の都道府県別で は,千葉県 の1
戦争遺跡 を リス トア ップ してみ た. それ らを前 述 し
北海道 の 8件,鹿児 島県 の 5件 の順 で多 く, 中で も
た 8つ の類型 で整理 した ものが 「資料 7 秋 田県 の
千葉県で は前述 した南房総市 の 「
大房岬要塞群」が,
戦争遺跡 類型化」 で あ る.秋 田市 で は 「
歩兵第 1
7
連
北 海道 で は陸軍 や屯 田兵 関連 遺 跡 が, 鹿 児 島 で は
隊 関係跡 地 (
3件 )」 「土 崎空襲 関係遺跡 (
1
3件 )」
(
1件)」「旧東北肥 料 (1件 )」 の 4
「陸軍知 覧飛 行場 関連 遺跡」 が多 くを 占めて い る.
「旧東 北 パ ル プ
続く「
①政治 ・行政 関係」 の2
2
件 は,全 国で平均 的
件 (
細 目1
8
件),男鹿市 で は 「
船川事件 関係遺跡 (
5
に見 られ るが, 「⑧ そ の他」 の2
2
件 で は鹿児 島県 が
件)
」「朝 鮮人 強制労働跡地 (1件 )」「元船越小学校
8件 で突 出 してお り, その内訳 は前述 した通 り瀬戸
御真影奉安 殿 (
1件 )」 の 3件 (
細 目 7件),大館市
内町 に代表 され る小学校 の 「奉安殿」 が多 くを 占め
で は 「花 岡事件 関係遺跡 (
1
5
件 )」 の 1件 (
細 目1
5
て い る. 4番 目の 「⑤居住 関係」 の 1
8
件 で は,北海
件),鹿 角市 で は 「尾去沢鉱 山捕虜収容所跡 (
1件 )
」
道 の 9件 が半数 を 占めてお り,前述 した屯 田兵 関係
の 1件, 仙北市 で は 「田沢湖姫観音 (
1件 )
」「生保
の遺跡 が多 い.
内発電 所 関係施 設 (
4件 )」 の 2件 (
細 目 5件) の
最後 に, こう した文化財 の指定 ・登録別 と類型 の
計 11
件 (
細 目4
6
件) で あ る.
相 関 を整理 した ものが 「資料 6 指定 ・登録 ごとの
戦争遺跡類型別数」 で あ る.国指定 で は1
0
件 の うち
(
2
) 秋 田県 の戦争遺跡 の類型化
5件 が 「①政治 ・行政 関係」 で, 全 国で は 「陸軍第
7師団倍行 社」 (
北 海道 旭川 市), 「陸軍 第 8師団借
「⑤埋葬 関係」 が最 も多 く1
4
件
8つ の類 型 別 で 見 て み る と, 資料 7の通 りで,
金沢市) の借行社 関連遺跡 が 目立 っ. また, こう し
(
3
0
.
4%), 次が 「③・
生 産関係」 で 1
2
件 (
2
6
.
1
%)
,3番 目が 「④戦 闘地 ・
戦場 関係 」 で11件 (
2
3
.
9
%)で あ る. 具体 的内容 と
た国指定文化財 の中 には,近現代 の戦争遺跡登録 の
して は,最 も多 い 「
⑤埋葬 関係」 で は,例 えば 「
土
行社」 (
青森県 弘前市),「陸軍金沢低行社」 (
石川県
火付 け役 とな った 「原爆 ドー ム」 (
広 島県 広 島市)
崎空襲 関係遺 跡」 の各平和記 念碑 や慰霊 碑 , 「花 岡
も含 まれ る. その他市 区町村指定 や国登録文化財 で
事件 関係 遺跡」 の友好碑 や供養塔 な どの石碑 関係 が
は, や は り 「
②軍事 ・防衛 関係」 が多 いが,特 に国
目立 って い る.次 の 「③生産 関係」 で は,「花 岡事
(
4
8
件) の内, 1
/
4
近 くを 占め る 「⑧ そ
件関係遺跡」 な どの鉱 山 に関連 す る強制労働関係 の
の他」 が 目立 ち, その内訳 は前述 した鹿 児島県瀬戸
跡地 や 「
生保 内発電所 関係施設」 が挙 げ られ る. そ
登録文化財
内町 を中心 と した 「奉安殿」 であ る.
して 「・
④ 戦 闘地 ・戦場 関係」 で は, 「
土 崎空襲 関係
遺跡」 の 「
新 日本石油秋 田油槽所 内被爆倉庫」 の よ
3. 秋 田県 にお ける戦争遺跡 とアーカイブ
(
1) 秋 田県 の戦争遺跡
うな空襲 の痕跡 を残す跡地 や,「
花 岡事件 関係遺跡」
や 「
船川 事件 関係遺跡」 の中国人 や朝鮮人 の強制労
秋 田県下 の場 合, 戦争遺跡 ・資料 関係 の アーカイ
ブに関 して は,全 県的 な組織 的取 り組 み はな されて
働関係遺跡 が挙 げ られ る.先述 した よ うに全国的 に
は 「
②軍 事 ・防衛 関係」 が4
9
件
(
3
7
.
1
%)で最 も多
お らず,文化財 と しての指定 ・登録 も全 くな されて
く,次 が 「
① 政治 ・行政 関係 」「⑧ その他」 が同数
いない状況 で あ る1
5
. また全 県 を網 羅 す る体 系 的刊
で2
2件
行物 も発刊 されて いない.
そ こで,文化庁文化財部 の主導 によ り1
9
9
0・1
9
9
1
(
1
6
.
7
%), 次 が 「⑤ 居 住 関 係 」 で 1
8件
(
1
3
.
6
%)で あ ったが, 秋 田県 で は 「② 軍 事 ・防衛
f
)
政治 ・行政 関係 」「
⑤居 住 関係」 は 2件 の
関係 」「C
(
平成 2・3)年度 の 2ヵ年 にわた り国庫補助 を受 け
みである.すなわち,秋 田県下 の場合,砲台や師団 ・
て な され た 「
近代化遺 産」 の報告書 であ る 『秋 田県
連 隊関連 施設 とい った 「
②軍事 ・防衛関係」 や,倍
文化財調 査報告 書第 2
1
8
集
秋 田県 の近 代化遺 産 -
行社 や連 隊本部 な どの 「
①政治 ・行政 関係」 のよ う
日本近代化遺産総合調査報告書 -⊥
6
』(
1
9
9
2
年) と秋
な当時 の遺構 を直接 的 に残 す戦争遺跡 で はな く,慰
田県教職員組合 の編集 による 『平和教育読 み物資料
霊碑 や記 念碑,銃後 を支 え た生 産関係 の よ うないわ
2集 1
9
9
0
年刊行,第 3集 1
9
9
4
年) や 『戦争
と教育 18』(
1
9
8
1
年), その他 で は 『戦争 の中 の教 師
ば間接 的戦争遺跡 が多 い ことが指摘 で きる.
集 17』 (
第
二
,
I
L
この こ とは, こう した戦争遺跡 を歴 史教育 の学 習
秋m大学教 育文化学部教 育実践研究紀要
Akita University
財 として活用す る場合,配慮が必要 となろ う.すな
わち,慰霊碑や平和記念碑 などは基本的 に この戦禍
山形県歴史教育者協議会 など1
7
5団体 ,5
,
1
4
0
人 に対
でな くな った方 を弔 うために建立 された ものである
して,花岡の地 で直接 フィール ドワークを展開 して
いる2
6
.
が,その主体が誰であ ったのか によ って戦争 を とら
え る観点が大 き く違 って くるとい うことである.例
4
. 土崎空襲 を事例 と した学習材 と しての活用
土崎空襲 関連遺跡」 にお ける慰霊碑 の場合
えば,「
(
1) 土崎空襲 の概要
は,米軍 による土崎空襲 で亡 くな った軍人 ・市民 の
方々であ り,必然的 に この戦争 の被害的側面が強調
される. しか し,逆 に 「
花岡事件関連遺跡」の場合,
こうした秋 田県下 の戦争遺跡 の うち, とりわ け土
崎空襲関係 の戦跡 は,学校教育 の中で積極的 に活用
され,小 ・中 ・高 それぞれの現場 で多様 な実践がな
この地 の慰霊碑 は事件 によ って亡 くな った中国人や
9
4
5
年 8月 1
4日午後 1
0時
されている.土崎空襲 は,1
朝鮮人の方 々のための ものであ り,強制連行 とい っ
半 ごろよ り翌 1
5日未明 にか けて約 4時間 にわた り行
た事実 か ら加害 的側面 が明確 にな るのであ る20.同
われた夜 間空襲 で,「日本 で最後 の空襲」 と呼 ばれ
じ,慰霊碑や記念碑 であ って も, それが どんな事件
ている.攻撃 目標 は, 当時 日本で最大 の産油量 をあ
と関達 し,誰 のための ものなのかを考慮す る時, そ
げていた雄物川河 口に立地 された 日本石油製油所 で
の性格が全 く違 って くる.実際の学習活動 において
9
あ ったが,近隣 の民家 も多大 な被害 を受 けた. B2
揺, この ことを踏 まえて これ らの戦争遺跡 を活用す
を中心 と した爆撃機 約 1
3
0機 によ り1
2
,
0
0
0発 を超 え
る必要があ る.
5フィー ト (
約1
1
m)間隔で投下 され (
国
る爆弾が3
内での空襲 で は,最大投下数 とも言 われて い る),
・
3) 市民運動 と してのアーカイブとフ ィール ドワー
目標 であ る日石 は壊滅 す るとともに,死者数 は非戦
3
名 (日石職員,市民,警察 な ど),兵士 の約
闘員9
ク
さて, これ らの戦争遺跡 のアーカイブに関 しては,
前述 したよ うに全県的な組織的取 り組 み はなされて
お らず,文化財 としての指定 ・登録 は全 くなされて
1
6
0
人 (
高射砲中隊員,機関銃隊員 な ど) の計 2
5
0
名
ほどに も上 った27.
この土崎空襲 に関わ る戦争遺跡 は,当時のまま残
いない状況 である. しか し,市民運動 として, 日中
存 しているものは極 めて限 られてお り, 日石関係 の
1
9
6
5
)が母体 とな っ
不再戦友好砕建立実行委員会 (
建築物で は唯一残存 している新 日本帝国石油秋 田油
971
年 に発足 した 「日中不再戦友好碑 をま もる会」
て1
槽所 内の被爆倉庫や雲祥院の首 な し地蔵などである.
(
佐藤守理事長,奥山昭五代表,富樫康雄事務局長),
しか し,「
土崎空襲被 爆市民会議」 で は,地域 に残
そ して1
97
5
年 の土崎港被爆3
0
周年 を記念 して組織 さ
2
箇所 を
されている供養塔や跡地 などを含 めた遺跡 1
れた 「
土 崎空襲被爆市民会議」 (
高橋茂会長) の二
整理 した 「ウォーキ ング ・マ ップ」 を作成 し,戦跡
っの団体 の活動 は突 出 している. これ ら二 つの団体
の保存,普及活動 を展 開 している.
か らは, 土 崎空 襲 関係 で は 『はまなす はみ た21』
(
1
9
81
年),
『
証言 ・土崎空襲 22』 (
1
9
9
2
年)『
新 はまな
また, こうした土崎空襲 に関わ る戦争遺跡 は,近
隣の学校 の中での社会科や地理歴史科 の教科教育や,
す はみた2
3
』(
2
0
02
年)が,花岡事件関係 に関 して は
「
総合 的 な学習 の時間」 の うち,地域学習 や戦争 ・
F花岡事件五十周年記念誌2
4
』(
1
9
9
5
年) や 『花 岡事
平和学習 の中で積極的 に活用 されている.例えば,
5
』(
2
0
0
5
年) などの体系的刊行物
件六十周年記念誌2
文化祭 において戦後 6
0
年 (
土崎空襲 6
0
年) を機 に全
も発刊 され,構成員 によるフィール ドワークも積極
面的 に取 り上 げた秋 田中央高校,沖縄への修学旅行
土 崎空襲被爆市民
的 に実施 されて い る.例 えば,「
と関連 させ,沖縄 と土 崎 との比較研究 を取 り入れた
会議」 の高橋茂会長 は,市 内の多数 の小中高校 に要
総合 的 な学習 の時間」 で体系的 に取
下浜 中学校 ,「
請 され ,「新 日本 石 油秋 田油 槽 所 内被 爆 倉庫 」 や
り組んでいる土崎南小学校 と港北小学校 などである.
「同受難碑」 な どの フィール ドワー クを実施 してお
これ らの学校 は,全 てその学習活動 の中 に土崎空襲
り,筆者が秋 田大学 で担 当 している 「
社会科教育内
の戦争遺跡である新 日本帝国石油秋 田油槽所内の被
容学」 や 「
地理歴史科教育内容学」 において も度 々
爆倉庫への フィール ドワーク実施 している学校 であ
案 内を して いただいて い る. また,「日中不再戟友
る. ここで は, こうした被爆倉庫 に焦点 をあて, そ
好碑 をま もる会」で も,今年 1
0月 までに岩手大学や
れぞれの学習活動 に取 り上 げている以上 4校 の実践
第3
0
号
2
0
0
8
年
1
7
Akita University
につ いて取 り上 げて,検討 してい きたい.
か らの体験談 の聞 き取 りと意図的 に多様 な資料 や調
査対象 を設定 し,多角的 に土崎空襲 を とらえ る工夫
(
2) 秋 田市立土崎南小学校 における実践
がな されている.前述 したよ うに,土崎空襲 に関わ
まず,土崎南小学校 は 「
総合的 な学習 の時間」 に
る戦争遺跡 は極 めて限 られてお り, 日石関係 の建築
おいてかな り多 くの時間をか け,土崎空襲 を取 り上
物 で は唯一残存 している新 日本帝国石油秋 田油槽所
げて いる事例 であ る2
8
.土 崎南小学校 は,所在 が被
内の被爆倉庫や雲祥院の首 な し地蔵 な どである, こ
爆地のす ぐ近隣にあり,当時は土崎高等女学校があっ
うした限 られた痕跡 を多角的資料 や体験者 の語 り,
た.被爆 日には第二救護所 と してた くさんの負傷者
そ して臨地的調査 などによ り, よ り臨場的 に事象 を
とらえ る工夫 を しているのであ る.
が校庭 に運 ばれ,従軍看護婦 の手 ほどきを受 けてい
た生徒 たちも救護 に当 った. しか し,医者 ・看護婦 ・
医薬費不足 の中, この地 で亡 くな った方 も多 く,覗
在 は校庭 内に 「
恒久平和 の碑」 が建立
(
1
9
8
8
年) さ
(
3) 秋 田市立港北小学校 における実践
港北 小学校 は,「総合 的 な学習 の時間」 と社会科
れている. こうした こともあ り,土 崎南小学校で は
の戦争学習を達関 して取 り上 げている事例であるが,
土崎空襲 につ いて積極 的 に取 り上 げ,特 に 「
総合的
「
総合 的 な学習 の時間」 での取 り扱 いの場合,土 崎
な学習 の時間」 において 「
平和 の大切 さを伝えてい
空襲 に焦点化 して取 り上 げてい るので はな く,地域
くために」 とい う単元 を設定 し,取 り組んでいるの
である.
への調べ学習 の- テーマと して取 り上 げている事例
である3
°
.
5
「
平和 の大切 さを伝 えてい くために」 は全部 で3
時間で構成 され ,「プ ロ ジェク ト1
5
5
年前 に何 が
1
2
時間),
起 きた ?∼土 崎空襲 につ いて知 る∼」(
港北小学校 も所在が秋 田市土崎地区 にあ り,土崎
南小学校 ほどで はないが被爆地 の近隣である.港北
「かが
小学校 において は,「総合的 な学 習 の時間」(
r
tl
∼土
「プ ロジェク ト2 土 崎空襲 を伝 え よ う Pa
や き」学習) と社会科 での戦争学習を関連付 けて土
崎空襲 コーナー に展示 す る資料 を作 成 しよ う∼」
崎空襲 を取 り上 げているが,特 に 「
総合的な学習の
(
1
6
時間),「プ ロ ジェク ト3 土 崎空襲 を伝 え よ う
Par
t2-校 内 に土 崎空襲 コーナ ーをっ くろ う∼」
(
1
6
時間) の 3部構成 にな って いる2
0
. 内容 は,「プ
46時間)
時間」 において は,大単元 「
土 崎新発見 」(
3時間) で
の うち 「この土 崎か ら平和 を願 って」 (
取 り上 げている.単元 の 目標 に 「
土崎の歴史を知 っ
ロ ジェク ト1
」 は,基本 的 に調 べ学 習 であ り,「プ
た り, そ こで生活 している人 たちの思 いや願 いに直
」 はそれを ま とめ表現 して い く構
ロ ジェク ト2・3
接触 れ た りす ることで,ふ るさとのよさを知 り,節
」(
1
2
成 にな って いる. とりわ け 「プ ロジェク ト1
たに見 っめなおそ うとす る」 とあ るよ うに,児童 た
時間)での調べ学習では,視聴覚資料 と して ビデオ,
ちに生活 圏であ り学習圏である土崎を知 ろ うとい っ
文献資料 と して新聞,臨地的調査 と して新 日本帝国
石油秋田油槽所内の被爆倉庫などへの フィール ドワー
た学習 の一環 として土崎空襲が位置付 け られて いる
5
時間をか けて設定 している前述 の土
のであ る.全 3
ク, そ してゲス トテ ィーチ ャーと して前述 の被爆市
崎南小学校 とは対照的である. しか し,3時間 とい
民会議 の高橋茂氏,被爆体験者 であ る浅野喜代 さん
う限 られ た時間で はあるが,被爆倉庫 の見学 や空襲
1
8
秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
時の衣服,爆弾 の破片 な どの実物史料 の活用, ゲス
トテ ィーチ ャー としてや は り高橋氏 を招 き体験談 を
などを見学 ・調査 している.
語 って もらうなど して多様 な観点か ら土崎空襲 を と
らえる工夫 を している.
(
5) 秋 田県立秋 田中央高校 にお ける実践
秋 田中央高校 は,文化祭の企画展 において,生徒
会執行部 の生徒 を中心 と してプ ロジェク トワークと
(
4)
秋 田市立下浜中学校 にお ける実践
して土崎空襲 を取 り上 げた事例 である3̀
1
.
下浜 中学校 は, 沖縄 へ の修学 旅行 の事 前学 習 と
「
総合的な学習 の時間」 を連 関 させ, その事前学習
の調べ学習 の- テーマで土崎空襲 を取 り上 げている
事例であ る3
. 下浜 中学校 は, ここで取 り上 げて い
る他の実践校 とは違 い,空襲 のあ った秋 田市土崎地
区か らは約 1
5km も離 れてお り,学習対象 であ る土
崎空襲関連 の戦争遺跡が生徒 たちの生活圏 にあ るわ
けではない. しか し,や はり 「
総合的な学習の時間」
(
「
SwAVE3
2
」 と呼 ばれてい る,全 7
0時間) におい
て,沖縄-の修学旅行 との関連 で土崎空襲 を取 り上
:
ナてい る. この 「
SI
WAVE」 は,「1 命 の学 習,
F
生 き方』 の学習」 (
1
0
時間),「
2 スキル学習」 (
1
0
時間),「
3 課題追究 の時間」(
5
0時間) の 3つの大
秋 田中央高校 もその所在が土崎地区 にあ り,被爆
地 のす ぐ近隣 に立地 している.同校 の生徒会執行部
単元 で構成 されてお り,課題追究 の時間で は 1- 3
は, 例年, 人気 の ビデオ上 映会 を行 って きたが,
年生 においてそれぞれのテーマ設定がなされている.
単元 Ⅰ ふ るさと
それぞれのテーマは,1年生 は 「
「
人 も来 ない し盛 り上 が らない」状況が続 いていた.
今年 は何か違 うもの
そ こで,4月の執行部会議 で 「
I 職業人 に学 ぶ」,2年生 は 「秋
探索」 と 「
単元 I
0
0
5
年 の土崎空襲 6
0
周年 を迎 え る
を」 と話 し合 い,2
田 ・沖縄比較 研究」,3年生 は 「
単元 Ⅰ 世界 の中
年 の文化祭であ るとい うことで,土崎空襲 の ことを
の 日本」 と 「
単元 Ⅲ 卒業研究 (
個人研究 )」 で あ
やれば地元 の人 も来 るので はないか と考 え企画 した
り, 特 に土 崎空襲 を取 り上 げて い るの は 2年生 の
のである.企画展 を実施す るため,生徒会執行部 の
I
秋 田 ・沖縄比較研究」 で あ る.下浜 中学校で は,
旅行の事前学習 と関連 させて, このテーマが設定 さ
2
5
人 と一部新聞部員 は,文化祭 の実施 (
6月2
4・2
5
日) まで に計 1
0
数回 に及ぶ 「
勉強会」 を実施 してい
5月2
3日) の 「勉強会」 で は,
る.特 に第 1回 目 (
2
0
0
5
年度 よ り修学旅行先が沖縄県 にな り, その修学
れたので あ る, 生徒 たち は,「
S-WAVE」 の 「
3
校 内勉強会 と し,同校 の近江谷正幸教諭 (
当時) に
課題追究 の時間」(
5
0時間) をあて,「秋 田 ・沖縄比
よ り土崎空襲 の基礎的学習 と被爆倉庫-の フイ-ル
較研究」 の個人 ごとの研究 テーマを決 め,課題研究
ドワークの事前学習 を実施 して いる.第 2回 (
5月
を進 めて い る. 2
0
0
6年度 で は,「沖縄 のお菓子 につ
2
5日) には,被爆倉庫 な どへ の フィール ドワークと
沖縄 はなぜ 日本一長寿国
いて」 や 「
沖縄 の方言」,「
不発弾等 の現物資料が残 されている国土交通省秋 田
9
件 の多様 な比較研究 テーマ
なのか」 などの全部 で1
港湾事務所 内資料室 の見学 を行 い,その後 は校内 に
の うち,「
沖縄 の戦争 につ いて」「ひめゆ り学徒 につ
戻 り,高橋氏 をゲス トテ-チ ャー トした体験談 の聞
沖縄 の戦争」「
沖縄 の地上戦∼ ひめゆ り学徒
いて」「
4日に
き取 りを実施 している.実際の文化祭で は,2
隊 ∼」 の 4つが戦争学習 に関わ るテーマであ った3
J
.
5日の
生徒会有志が 『はまなす はみた』 を群議 し,2
沖縄での戦争 を調べ学習 と して進 めるとともに, そ
一般公開 口には,調査 内容 をま とめたパ ネルや被爆
の比較研究 と しての秋 田の題材 と して土崎空襲 を取
市民会議か ら借 りた爆弾 の現物資料,犠牲者 の衣類
り上 げたので あ る.土崎空襲 に関わ る単元 は,各 自
など多数 を展示 し, その内容 はホームペー ジ上で も
のテーマ とは別 に全員参加で,半 日を 4時間分 と し
公開 している.執行部 の リー ダーであ った吉 田優香
て郊外学習 に当て,や は り高橋氏 と新 日本帝国石油
(
当時 3年生,現在本学教科教育実践選修 に在学 中)
秋 田油槽所佐 々木和彦所長 の案 内によ り,被爆倉庫
さん は,その後,光招 (
被爆地 で水 を求 めた被爆者
第3
0
号
2
00
8年
1
9
Akita University
らが集 まってその多 くが亡 くな った) を題材 に絵画
えば秋 田県下 の土 崎空襲 の場合,小学校 で は土崎南
(
縦7
3
c
m, 横 91
c
m) を描 いて い る. 被爆市 民会議
小学校 と港北小学校がそれぞれ取 り組 み方 に違 いが
0
年犠牲
の要望 を受 けて制作 した もので,土崎空襲 6
あ るものの 「
総合的な学習 の時間」 を中心 に調べ学
者追悼平和記念式典 で披露 された.
習 と して,中学校で は下浜中学校が沖縄 への修学旅
行 と関連付 けて沖縄 との比較研究 と して, そ して高
5
. 今後 の課題
校で は秋 田中央高校が文化祭 の企画展 と して取 り上
以上,本研究 で は,現在 の全 国にお ける戦争遺跡
げてお り,それぞれ多様 な取 り組 みで被爆倉庫 を中
について,特 に文化庁を中心 と した 「
近代遺跡調査」
心 とす る戦争遺跡 を活用 していた. それぞれ に多様
による取 り組 みを整理す るともに, その学校教育 に
な観点 か ら戦争遺跡 を活用 してお り, その取 り組 み
お ける学習材 と しての活用 について秋 田県を事例 に
は高 く評価で きよ う. しか し,例えば小学校 での実
取 り上 げ,特 に土崎空襲 を題材 に した小 ・中 ・高校
践 の場合,意欲的 に取 り上 げていた担 当教員が移動
のそれぞれの実践 に関 して検討 して きた. こうした
して しま うと総合 自体 のテーマが全 く違 った もの と
取 り組みの今後の課題 と して,以下 2点 を挙 げたい.
なって しまい,折角の蓄積があまり活用 されな くな っ
まず第 1点 目と して,早急 な複合的 ・総合的戦争
ている事実 を伺 っている. また,秋 田中央高校 の場
遺跡のアーカイブの必要性である.先述 したよ うに,
合 も,2
0
0
5(
平成 1
7
)年 の戦後 6
0
年,土崎空襲6
0
年
1
9
9
6
年 に文化庁 を中心 と して開始 された 「
近代遺跡
0の戦争遺跡
調査」 は現在進行 中であ り, とりわ け5
の企画展 であ ったか らこそ新聞やテ レビなどに も取
を焦点化 して調査が進 め られている. しか し,戦争
みの単発 的取 り扱 いにな ってお り, その後 の 「
総合
遺跡 に関わ る民間団体や戦史研究者 か らは,重要 な
的な学 習の時間」 や歴史学習での発展的取 り組 みが
り上 げ られ,注 目された実践 とな ったが, その時の
史跡 に も関わ らず抜 け落 ちているとの指摘 も多 く,
あま り見 られていないのは残念 な ことである.折角
よ り体系的網羅的な調査 とアーカイ ブが求 め られて
の実践 をその時だ けのイベ ン ト的単発的取 り扱 いに
いる. とりわ け秋 田県 の場合,被爆倉庫 のよ うな貴
せず,教科や総合での連関を工夫 しなが ら,発展的,
重 な戦争遺跡が存在す るに も関わ らず,行政的保護
批判的 に継承 し,取 り組みを恒常化す る必要がある.
は全 くなされてお らず,市民団体である被爆市民会
今 日,戦争 を系統 的流 れの中で位置付 け,歴史学
議 や在所 である新 日本帝 国石油 の社員の善意 によ っ
習 として学ぶだけではな く,かつて肉親や地域の人々
て, その保護 と公開が支え られているのが現状であ
の語 りが物語 っていた切実感,臨場感 も含 めた感性
る.加 えて, こうした戦争遺跡 その ものの アーカイ
的認識が必要 とされている. それ は,平和 や戦争 に
ブのみな らず, その戦跡 に関わ る体験談や語 りも含
対す る観念的,一般 的な知識 の獲得 に終始す るので
めたアーカイ ブも同時 に求 め られ ることを指摘 した
はな く,戦争 のよ り具体的諸相 に迫 る歴史教育が求
い.戦争遺跡 は,実物,有形 であ るが故 に,物言 わ
め られて いるとい うことであ る. そ うした意味で,
ぬ 「モノ」 と しての戦争 の リア リテ ィーを今 日に伝
戦争遺跡 は注 目すべ き題材 であ り,教科 や 「
総合的
えている特色がある. しか し, その戦争遺跡 に関わ
な学習 の時間」,行事 な ど多様 な学校教育実践 の中
る歴史 や様 々な事象, ス トー リーの語 り部がいるこ
とで, さ らに臨場感 あふれ る息づ いた ものになるこ
とも事実である.例えば,前述 した土崎空襲 の場合,
でよ り発展的 に多様 に活用 され得 る学習材である.
であるか らこそ, こうした戦争遺跡 に対す る,早急
で体系的 アーカイ ブが求 め られ る.
被爆倉庫や首 な し地蔵 な どの戦跡 は,高橋氏 の体験
談 や語 りが あることで, よ り実感 を持 った対象 と し
戦争遺跡保存全国 ネ ッ トワーク編 『
戦争遺跡か ら
て学習者 に受 け止 め られている.有形 の ものは指定
学ぶ』 (
岩波書店,2
0
0
3
年)
,6貢参照.
や登録 とい った手法で アーカイ ブされ ることが可能
「近 代 遺 跡 」 と して の調 査 は, 後 述 す るよ うに
であ るが, こうした無形 の体験談や語 りも含 めた複
1
9
9
6(
平成 8
)年 7月 よ り文化庁文化財部記念物
合的 ・総合的戦争遺跡 アーカイ ブを早急 に進 める必
要 がある.
駆 けて ,1
9
9
0・91 (
平成 2・3
)年 に同 じ文化財
次 に,第 2点 目と して学校教育 にお ける戦争遺跡
活用 の恒常化 の必要性 である.前述 したよ うに,例
2
0
課が中心的 に関わ っている調査 であ る. これに先
部 の参事官 (
建造物)が主導 し実施 された調査 は
「
近代化遺産」 と して調査 されて い る. この 「
近
秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
代化遺産」 に関わ る調査 は,実際には,各都道府
保護法の改正 において,建造物以外の有形文化財,
県の教育委員会が中心 とな り実施 され,報告書 も
まとめ られている (
秋 田県教育委員会編 『
秋 田県
有形の民俗文化財および記念物 に も登録制度が拡
日本近代化遺産総合調査報告書 -』 (
秋 田県教育
充」文化庁文化財部監修 『月刊
9
9
2
年)参照).本研究で取 り上 げるの
委員会 ,1
は,前者の 「
近代遺跡」 としての調査である.
第5
0
0
号 (
第一法規 ,2
0
0
5
年),2
5
2
8
頁参照). な
戦争遺跡保存全国ネ ッ トワーク編 『日本の戦争遺
0
0
4
年),2
3
貢.
跡』 (
平凡社新書 ,2
けて導入 されているところや末だ導入 されていな
充 された (
文化財保護法第三章第二節第 9
0
条,第
1
3
2
条,第 1
3
3
条関係,佐 々木利和 「
登録制度の拡
,4
0
4
3
貢参照.
前掲書 3
当真嗣- 「戦跡考古学 のすすめ
」『南東考古学 』
文化財五月号』
お,県や市町村 レベルでの登録制度 は,国 に先駆
いところ もあ り,秋 田県下では未だ導入 されてい
.
な
1
3
い
戦争遺跡保存全国ネ ッ トワーク第1
1回戦争遺跡保
第3
0
号 (
1
9
8
4
年).
存全国 シンポジウム東京大会基調報告 「
戦争遺跡
文化庁文化財部記念物課編 『
近代遺跡調査報告書 一
鉱 山 -』 (
文化庁文化財部記念物課 ,2
0
0
2
年),
保存運動 の到達点 と課題」 (
大 日向悦夫)配布資
料参照.
1
4
9
貢.
1
4
前掲書 6
,1
5
0
頁参照.
「
我が国の近代史 を理解す る上で欠 くことので き
千葉県の場合, この南房総市 の 「
大房岬要塞群」
の他,館山市の 「
海軍航空隊地下要塞赤山地下壕」
0ヵ所を数え,2
0
0
2
年 には市
を代表す る戦跡が約 5
ない遺跡 を A, 各地域 の近代史 を理解 す る上 で
が 「
平和学習の拠点」 を目指 し,戦争遺跡 の調査
特 に重要 な遺跡 を B, その他 の遺跡 を C とす る」
研究員会を作 っている.市民運動 として,戦跡 ガ
イ ドの NP
Oも結成 され,市民 レベルでのガイ ド
とされている. (
前掲 害 6
,1
5
2
頁)
や フ ィール ドワーク も盛 ん に展 開 されて いる.
0
0
5
年),1
5
貢,十菱駿武 ・
と研究』 (
青木書店,2
(
「みつめ伝え る街角の戦跡
『
平和学習』で街づ くり」朝 日新聞 (
2
0
0
4
菊池実編 『しらべ る戦争遺跡 の事典』 (
柏書房,
した
2
0
0
2
年),2
0
2
7
頁参照.
年 8月 1
4日),2
3
貢参照)
『
戦跡考古学』 に脚光
ど研究
軍需工場 ・壕 ・飛行場 な
1
5
足元の遺産今 に生か
秋田県下の戦争遺跡 については,秋田県教育庁生
国指定 しせ き目指 す動 き も」 朝 日新 聞
涯学習課文化財保護室 に直接確認 している. とり
(
2
0
0
7
年 8月 1日),2
9
頁参照.
「
文化庁選定 5
0の戦跡が史跡候補 に」朝 日新聞
(
2
0
0
2
年 8月 1
5日),1頁参照.
国による登録制度 は,1
9
9
6(
平成 8
)年 の文化財
わけ,先 の1
9
9
6(
平成 8
)の文化庁文化財部 によ
保護法の改正 によ り,指定制度 を補完す るもの と
る.
して導入 された.登録制 は,法令や条例 などによ
る 「
近代遺跡調査」への報告資料 も担当官 に確認
していただいているが,戦争遺跡 として リス トアッ
プされた ものは 1件 もなか ったとの確認 を得てい
1
6
秋 田県教育委員会編 『
秋 田県文化財調査報告書第
り規制が及ぶ指定制 とは違 い,届出制 と指導,助
言,勧告 を基本 とす る緩やかな保護措置を講 じて
合調査報告書 -』 (
秋 田県教育委員会 ,1
9
9
2
年).
所有者の自主的な保護 に期待す るものである.建
1
7秋 田県教職員組合平和教育推進員会編 『
平和教育
造物 について先行導入 されたが, これは建造物 は,
秋 田県教職員組合平和教
読み物資料集』第 2集 (
①開発の進展 に伴 う取 り壊 しの危機 に瀕す るもの
育推進員会 ,1
9
9
0
年),秋 田県教職員組合平和教
が多 いこと,②一定の対象物件が把握 されている
育推進員会編 『平和教育読 み物資料集』 第 3集
(
秋 田県教職員組合平和教育推進員会 ,1
9
9
4
年).
こと,などによるものである.建造物以外の有形
文化財 につ いては,引 き続 き保護手法の在 り方が
1
8
1
9
81
年).
検討 されて きた. いずれに しろ,直ちに既存 の指
定制度 による指定を行 うことは困難であるが,放
1
9
野添憲治 ・簾内敬司編 『
戦争 の中の教師たち一秋
2
0
花岡事件 については,本学社会科教育研究室 にお
田の太平洋戦争史 2
-』 (
秋 田書房,1
9
7
8
年).
置 してお くと消滅等の可能性が高 い ことか ら保護
が望 まれ る状況 にあるとの結論か ら, この文化財
第3
0号
2
00
8年
秋 田県教職員組合編 『戦争 と教育』 (
無 明合,
∴
Akita University
いて ,2
0
0
4
2
0
0
5
年度 にお いて, 附属 中学 校, 仙
Abl
l
i
t
yEmot
i
on,Expe
r
i
e
nc
e(
輝 く, 下 浜 の生
北市立神代 中学校で実践 している.拙稿 「
花岡事
徒が
喜んで取 り組 み
能力 を発揮 し 自主的 に
学習 し 感動 を得 る,経験 を もっ)」 の意 味 を こ
を受 け止 めた地域 の平和希求活動 を重視 して -」
め て命 名 され て い る, (
秋 田市 立 下 浜 中学 校 編
花岡事件六十周年記念誌編集委員会編 『
花 岡事件
『平成 1
9
年度 下浜教育』 (
秋 田市立下浜中学校,
2
0
0
7
年),4
5
4
9
貢参照).
3
3 秋 田市立下浜 中学校編 『
平成 1
8
年度 総合 的な学
WAVE第 4集 テーマ∼
習 に時間 レポー ト集 S「日本 ・ニ ッポ ン ・Nl
ppon」
』(
秋 田市立下浜 中学
0
0
6
年),9
3
1
貢参照
校 ,2
六十周年記念誌』 (
花 岡 の地 ・日中不再戦友好碑
0
0
5
年),2
5
0
2
6
9
貢参照.
をま もる会,2
21
土崎港被爆市民会議編 『はまなす はみた-土崎空
9
81
年)
.
襲 のはな し』 (
秋 田文化 出版社 ,1
2
2土崎港被爆市民会議,佐 々木久春編 『
証言 ・土崎
空襲 』 (
無明会,1
9
9
2
年).
3
4実践 の内容 に関 して は, 同高校 の石塚淳子教諭 に
2
3土崎港被爆市民会議編 『
新 はまなす はみた-語 り
聞 き取 りを実施 し,詳細 を伺 っている.
秋 田文化 出版社 ,2
0
0
2
年).
つ ぐ土崎空襲 -』 (
2
4花岡事件五十周年記念誌編集委員会編 『花岡事件
五十 周年記念誌』 (
花 岡 の地 ・日中不再戟友好碑
をま もる会 ,1
9
9
5
年)
2
5花岡事件六十周年記念誌編集委員会編 『
花岡事件
六十周年記念誌』 (
花 岡の地 ・日中不再戦友好碑
0
0
5
年)
をま もる会 ,2
2
6
花岡の地 ・日中不再戦友好碑 をまもる会案 内サー
o
.
7
9(
2
0
0
6
年)参照.団体数や
クル 『い しぶみ』N
参加人数 につ いて は,直接事務局長 の富樫康雄氏
に確認 している.
2
7秋 田市編 『
秋 田市史
第五巻
近現代 I
I通史編』
(
秋 田市,2
0
0
5
年),1
8
3
1
8
8
頁参照.
2
8
実践 の内容 に関 しては,同小学校 の竹内史子教諭
に聞 き取 りを実施 し,詳細 を伺 っている.
2
9さ らに, 「
今後 の学 習 の発展 と して考 え られ る展
開」 として 「プロジェク ト4 土崎空数を伝えよう
Par
t3-土崎空襲 の悲劇 を伝え る会 を開 こう∼」
「プ ロ ジェク ト5 土 崎空数 を伝 え よ う Pa
r
t4高清水小学校 の 6年生 に も伝 えよ う∼」 も構想 さ
れている.
3
0実践 の内容 に関 して は,同小学校 の鈴木勇幸教頭
に聞 き取 りを実施 し,詳細 を伺 っている.
3
1
実践 の内容 に関 して は, 同中学校 の吹谷え り子教
諭 に聞 き取 りを実施 し,詳細 を伺 っている.
3
2
Summar
y
Unde
rt
hec
i
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SwAVE」は,「
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秋 田大学教 育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
資料 1 文化庁選定 による詳細調査戦争遺跡一覧 と類型化
3
汁
汁
l
1
汁
1
1
汁
千須賀市
係遺跡
旧横碩賀鎮守府関
「
未
a
1
第 30号
2008年
1
4
3
J
1
3
.
堂.
隊
会.
校舎
23
Akita University
大阪桁(
3
)
大阪市中央区 跡
旧第 4師団関係遺
大阪市中央区 大阪砲兵工廠
;
和
歌
山
市
群
友
ケ
島
.
深
山
砲
台
鳥
取
市旧
歩
兵
4
0
連
隊
跡
市
高槻市 .茨城
和歌 山県(
1
)
鳥取県(
1
)
岡山県(
1
)
岡山市
○
未
未
大
地
下
阪に
お
け
る墓
旧
新
陸
軍
穀
関
係
需
地
下
品
壕孟貯未 計
北部
壕群
1
○
1
未
汁
⊂
)
国登録
1
計
広島 県(
4
)
山口県(
4
1
宮島町他
関係遺跡
旧陸軍広島湾要塞
末
○
呉市
防
l
び海軍⊥廠関係遺
R海軍呉鎮守府及
国 .市町村指定
⊂)
江 田島町
遺跡
旧海軍兵学校関係
国指定
竹原市
久野島砲台及
器製造所
陸軍造兵廠忠海兵
旧陸軍芸予要塞大
び旧
未
下関市
遺跡
陸軍下関要塞関係 兵舎壕,火の山砲台兵舎
跡,蓋井島砲台
司令部跡,霊鷺山砲台,
未
し
∩
ノ
計
豊北町
角島軍関係遺跡
台座,弾薬庫,倉庫
海軍望楼跡,陸軍監視所
未
○
海軍大浦水上飛行
機基地
兵舎,格納斜路,格納壕
末
○
徳 山市
撃基地
大津島回天特別攻
未
計
善通寺市
高知 県(
1
)
南
国
市
福岡県(
2
)
長崎県 (
3)
大J
J
洗町
係
旧陸軍第1
遺
1師団関
跡
前
浜
砲
台
碓重隊
倍行社,司令耶,兵器榛, 国指 定
汁
未
r
跡
大刀洗飛行場関係
跡
遺
掩
路
体
壕
燃
料
,
射
庫
撃
場
格
跡
納
,
庫,
排航
水
空廠倉庫跡,横
,
, 内鉄道
久留米市
隊関係遺跡
旧陸軍歩兵第 5
6
連.
未
四郎 ケ島台場
末
佐
世
保
市府
旧
防
海
軍
衛
砲
馬対
馬
宮崎 県(
熊本県,大分県,
1
)
佐世保鎮守
台群
き
の 砲台 群
西南戦 争 関係 遺 跡 群,
本営
田原有
跡,
坂栖
古官軍基
戦場,地
川征討
耳j
宮
殿
r
r
聖壕
下衡
計
汁
知覧町
汁
市町村指 定
係遺跡
陸軍知覧飛行場関
南風原町
臼海軍司令部壕
南風原陸
群
軍病院壕
j
陸軍病院壕群
C.
i
≧
1
⊇○
1
○
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2
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)
F
3
1
○
⊂)
未
汁
≡豊見城村
○
4
○
・
○
未
莱
計
沖縄 県 (
2)
?
○
末
長崎市
i
対
鹿児島県(
1
)
)
1 ⊂3
○
油谷町
香川庶(
1
)
○
2
○
未
遺
陸軍
跡 第 17師団関係 場
蛸
司重
令耶
隊第
, 砲兵
1
7
大第
隊本
2部
大隊,
.浴
2
1
○
未
市町村指 定
汁
F
【
1
○
⊂
)
11
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1
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2
0
81
8ht
m よ り作成
・表中の 「
匡I
指定」 は国指定文化軌 一
県指定」 は県指定文化財,「
市町村指」 は市区町村指定文化財,「国登録」 は国登録文化財 ,「
市町村登」市区町村登録文化
財を指す.
・「
類型_ につ いては,以下 の通 り.
「
①政治 ・行政」 政治 ・行政関係 で,陸軍省 ・海軍省 なとの中央官衛 ・官庁,大本営, 師団司令部,連隊本部 なとの地方官衛 ・官庁,陸軍病院,陸軍学校,研
究所 なと
「
雷・
軍事 .防衛」-軍事防衛関係 で,軍事的な要塞 (
堅塁 ・砲台)
,高射砲陣地,陸海軍 の飛行場,陸軍演習場,練兵場,通信所,軍港, カマなとの洞窟陣地,特
攻隊基地,待避嵐 掩体壕 (
飛行場 の格納庫),戦車壕,試射場,監視哨 (
空襲 に備 えての敵機 の監視台)
,爆弾 ・毒 ガスの確約地 なと
「
・
念生産」 生産関係で,陸軍造兵廠,航空機製作工場 なとの軍需工場 ,経 済統制 を受 けた工場,地下軍需工場,鉱 【
l
」
跡 なと
「
④戦闘地 ・戦場」 戦闘地 ・戦場関係で,沖縄諸 島 ・硫黄 島なとの戦闘が行 われた地域,東京 ・大阪 ・名古屋 なとの空襲被災地 広島 ・長崎のT
/
E
i
爆被災地,爆
弾の墜落地 など
「
⑤居住_ 居住関係 で,外国人強制連行居住地,防空壕,捕虜収容所,満州開拓村 など
「
寄埋葬」'埋葬関係で,陸海軍墓地,捕虜墓地,忠魂碑 (
戦死者 の記念碑) なと
「
C
Z
)
交通」-交通関係 で,軍用鉄道軌道,軍用道路 なと
「
⑧ その他」 航空機 の墜落跡,奉安穀 (
天皇の 「
衡真影」 を杷 る祉),戦争 に関わ る学校,学童疎開所, 二宮金次郎像,軍 ・労務慰安所,戦争忌避地 なと
・なお北海道 の 「旧陸軍第 7師団関係遺跡」や広島の 「旧海軍呉鎮守府及 び海軍工廠関係遺跡 .「旧陸軍芸予要塞大久野島砲台及 び旧陸軍造兵轍忠海兵器製造所」
のよ うな複合的遺跡 の場合 は,重複 を避 けるため 「
登軍事 ・防衛」 としている.
2
4
秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
資料 2 全国 の指定 ・登録戦争遺跡一覧 (
2
0
0
7
年 8月現在で 1
3
2
件)
・
′
,
㌫首.
.
:
.
L
l
.
札幌市
琴似屯田兵村兵屋
屯B
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.
⑤居住 地
兵屋
C
描
隊覆馬場
兵屋
衛
大隊本部
壕
兵岸
;深J
r
「
市
・深 川市
・美唄 市
美瑛 町
上富良野
剣淵 町 町
冒.行政
防衛
C
∩
兵屋
厚 岸町
室蘭市
士別市
北 見市
稚 内市
拓衛
俸 付 牛屯田第 4大隊第 1中隊本部被服糧株
書野
兵中隊本部被服精錬庫
陸軍演習場廠舎門柱
東中尋常高等小学
剣淵 屯田兵屋
校御宝影奉置所
青森市
青 森市
弘前市
弘削市
防衛
舎 門柱
影奉 置所
兵屋
川ー
】
台市
幸畑陸軍墓地
陸軍歩兵第 5連隊第 2大隊遭難記念碑
陸軍第 8師団慣行社
陸軍弟 8師団 目口
陸軍第 2師団歩兵第4
連隊兵舎
習志野市
館山市
弓南房総市
南房総市
遭難記念碑
僧行臼二
陸軍師団 H[
]
陸軍歩兵連隊倉笹
防空監視哨
長野原町
肖
行政
イ
丁政
汁
、
台.行政
、大房岬要塞 群
電所
南房総市
J
芳総市
書南
いずみ市
○
負
防衛
(
呈.
,砲口
防衛
衛
盟
板橋 区
東 京 都(
5)
7代 出区
神奈 川県 (
4) 横 須賀 市
第3
0
号
場変電所
原版
東.
近′
跡
庁舎
L空襲
弓陸軍
工場変電所
原版
少年飛行兵学 校正門跡
師団司令部 庁舎
海軍軍港水道走水水源 地 煉 瓦 造 貯 水 池
貯 水池
横 須賀 市
横
ト造浄水池
須賀軍港水道走水水 源 地 鉄 筋 コ ン ク リー
貯水池
相模原市
陸軍 通信学校将校集会 所 庭 園
2
0
0
8
年
○
…
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_
_
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1
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2
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○
弓
≡
汁
東大和市
八王子市
武蔵村山市
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○
防衛
衛
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衛
所
、
L
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一日
〇日
4
i
防衛
防衛
衛
C
2
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1
南 房総市
南 房総市
○ !
衛
i観浪l
所跡
所
所跡
1
忍軍事 .防衛
汁
砲台
丁所
南房総市
〇
1
庫
ム 跡 @.
\
J
1
2
⊂〕
【 1
1
・
箸軍事 .防衛
を防空監視哨
南 房総 巾
(
⊃
2
・
富.
軍事.防衛
計
場内園 壁
隊地 下 要 塞 赤 山 地 下 壕
南房総市
1
4
○
○
∂
言
十
宇
みどり市
〔
⊃【
白
臼
2
堕軍墓地
陸軍歩兵連隊兵舎
都
宮
市.陸軍第66歩兵連隊倉庫
弓○
○弓
事 .防衛
衛
大岬 海軍望楼
汁
青森麻 4ー
○
【○
口.行政
坊衛
怒 .行政
)
火薬帝
担
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滝川市
軍
J
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陣
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申
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市_
_
_
_
_
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_
_
_
_
_
_
_
旭
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狂 =a
○
ロ.行政
台.
計行政
≒・
:
5
3
居 住地
首席 住地
①政治 .行政
⊂
)
1
】
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○
5
5
∴
1
C.
L
J
○
l
l
:
・
Akita University
汁
石川県(
3)
金沢市
金沢市
金沢市
陸軍第 9師団兵器韓
陸軍第 9師団司令部庁舎
・
陸軍金沢僧行社
山梨 県仙
甲府市
甲府第4
9
連隊糧抹障
静岡県(
3)
静 岡市
清水l
xA
禅叢寺
本望扇額
名
古
屋
豊
橋
市
:
半
陸軍 師団兵器庫
陸軍師団司令部庁舎
僻 行社
愛知県 (
7
)
市
尾張旭 巾
犬山市
旧市
-犬山
市
瀬戸市
三重県(
3
)
津
市
鈴
鹿市
能野
市
糧禾
末
輩
常小学
門校奉安殿
乃木 倉庫
陸軍 第1
5師団司令部庁舎
丘庫県(
1
)
姫路市
鳥 取県 C
2)
浜 田市
・浜 田市
岡山県(
1
)
岡 山市
・
⑧
S その他
倉庫
陸軍 師団 司令部 庁舎
②軍事 .防衛
各政 治 .行政
・
忍生
・
丑政治 .行政
l昔生産
告政治 .行政
車匪
製作所衣糧
重器要畠本社
歩丘連隊兵舎
_
_
_ 倉事務横
庫
莞鐘
法案寺究鐘
兼松院被爆
墓
石 虜墓地
北伊勢陸軍
飛行場掩体
紀和 町英国丘捕
・
⑧ その他
計
1歩 丘第2
1
連隊雨覆練兵場
歩 丘 第2
2
連隊雨覆練兵場
雨覆
雨 覆
練兵場 (
浜 田高校 内 )
練兵楊 (
第一 中 学 校 内 〕
陸 軍第 1
7師団司令部衛 兵 所
陸軍衛 兵 所
原爆 ドーム
原爆
ド ー ム .歩 哨 所 . 日 銀
【T
日本銀行
r
I
語工場 広
海軍工 廠塔 時計
入船記念館東郡家住宅離 れ
海軍旦鎮守
村司令長
官官舎
宮
原浄水場低
区配 水池
香J
r
目
黒(
3ー
善通寺市
r善通寺陸軍第 11師団僧行社
善通寺市
善通寺陸軍 第 11師団兵舎
L
≠
E
l
○
1
l
校
学
1倍 虜収容 所
・
還居住地
審軍事 .防
梅
・
寄
登生産
軍事 .防
衛
計
②軍事 .防
衛
汁
② 軍事 .
防衛
忠 .
軍事 .防 衛
汁
② 軍事 .
防衛 ,
汁
;.
④戦闘地 .戦
場 (
⊃
p
僧行社
長崎市
長崎市
大浦天主堂
○
・
3)
生産
i
:
5
;
居 住地
≡
丑政治
.行政
..
富居
住地
・
⑧ その他
④戦闘地
普.
軍事 .防衛
.戦場
計
所
`些下卑
掩体壕 .燃料庫 .戦闘指揮
1
し
_
F
C.
2
6
蓮叢
火
水
槽
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海軍鎮守府水源地堰堤
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神崎赤煉瓦
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秋 田大学教 育文 化学部教 育実践研究紀要
Akita University
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所在地
戸内町
戸内町
垣戸 内 町
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須子
奉安殿
奉安殿
奉安殿
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奉安殿
奉安殿
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港.
その他
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渡嘉敷村
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歴 史資料館
忠魂碑
陸軍病院壕群
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壕
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≡笹戦闘地 .戦場
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⑧ その他
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○
○
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○
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・戦争遺跡保存全国 ネ ソトワ-ク第 11
回戦争追跡保存全国 シンポジウム東京大会基調報告 「
戦争遺跡保存運動 の到達点 と課題」 (
大 日向悦夫)配布資料 よ り作成
.1
3
2件の内訳 は,全国 2
8
都道府県で,国指定文化財 1
0
件,県指定文化財 7帆 市区町村指定文化財 6
3
件,国登録文化財 4
8
件,市区町村登録文化財 4件 である.
・表中の 「
国指定」 は国指定文化財,「
県指定」 は県指定文化 軌 「
市町村指」 は市区町村指定文化財,「国登録」 はE
g登録文化財 ,「市町村登ー 市区町村登録文化
Fを指 す
/ 類型一 については, 資料 1の通 り.
資料 3 各都道府県別指定 ・登録戦争遺跡数 (
2007
年 8月現在)
・戦 争 遺 跡 保 存 全 国 ネ ッ トワ - ク第 11L
g戦 争 遺 跡 保 存 全 国 シ ンポ ジ ウ ム東 京 大 会 基 調 報 告 「戦 争 遺 跡 保 存 運 動 の 到
達点 と課題」 (
大 日向悦夫)配布資料 よ り作成 .
・「
合計」 の (
)内は%
第3
0
号
2
00
8年
27
Akita University
資料 4 全国の指定 ・登録戦争遺跡類型化 (
2
007
年 8月現在で 1
32件)
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琴似屯田兵中隊本
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江別市
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滝川市
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7師団借行社
札幌市
旭川市
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市 大房岬要塞群砲台跡昔
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八王 子空襲 記 録 写 旦 原板
東 京 陸軍 幼 年 少 年 飛行兵学 校正門跡
市 町村指定
市 町村指定
市 町村登録
市 町村指定
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市町村指定
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秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
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京都
市
京都市
舞鶴
舞鶴
舞鶴
市
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市
浜 田市
甲府第49連隊糧楳庫
日起 第 2尋常小学校奉安殿
引佐 町凱 旋 記 門
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乃木 倉 庫
陸軍第 15師団司令 部庁舎
中島飛行場 半田製 作所衣糧倉庫
旭 丘器製造本社 事務棟
明治村名古屋衛成 病院
1明治村歩 兵第 6連 隊兵舎
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近鉄淀川橋梁
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舞 鶴海軍 兵
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廠
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戸 内町
戸 内町
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○
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・戦争遺跡保存全国 ネ ノトワーク第1
1
回戦争遺跡保存全国シンポゾウム東京大会基調報告 「
戦争遺跡保 存 運 動
・「類型」 につ いて は,資料1の通り
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1
到達点と課題」( 向悦夫)配布資料より作成O
資料 5 全 国の指定 ・登録戦争遺跡類型別数 (
2
007
年 8月現在 で)
・戦争遺跡保存全国 ネ ソトワーク第11
回戦争遺跡保存全国 シンポシウム東京大会基調報告 「
戦争遺跡保存運動 の到達点 と課題」 (
大 口向悦
夫)配布資料 よ り作成.
・「合計」 の (
)内は%
・「類型」 については,資料 1の通 り.
3
0
秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要
Akita University
資料 6 指定 ・登録 ごとの戦争遺跡類型別数 (
2
0
07
年 8月現在で)
・戦争遺跡保存全国ネ ッ トワ- ク第 1
1回戦争遺跡保存全国 シンポジウム東京大会基調報告 「
戦争遺跡保存運動の到達点 と課題」 (
大 日向悦
夫二配布資料 より作成
・ 合計」の (
)内は%
・ 類型」については,資料 1の通 り.
資料 7 秋 田県の戦争遺跡 とその類型化
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