脳科学研究で利用される 大学共同利用機関及び共同利用・共同研究

資 料 3
脳科学研究で利用される
大学共同利用機関及び共同利用・共同研究拠点等
1.大学共同利用機関(中期計画等に脳科学研究の実施が記載されている機関)
自然科学研究機構新分野創成センター
自然科学研究機構生理学研究所
自然科学研究機構基礎生物学研究所
2.共同利用・共同研究拠点
(平成23年度実施計画書上、脳科学(神経科学)に関連する研究分野が明確に
位置づけられている拠点)
東北大学
加齢医学研究所
東北大学
電気通信研究所
新潟大学
脳研究所
3.脳科学に関連する共同研究等が実施されたことがある主な大学・大学共同利用機関
(公開情報をもとに抽出)
〔大学共同利用機関〕
情報・システム研究機構国立遺伝学研究所
情報・システム研究機構統計数理研究所
情報・システム研究機構国立情報学研究所
〔大学の研究機関〕
東京医科歯科大学
難治疾患研究所
群馬大学
生体調節研究所
富山大学
和漢医薬学総合研究所
京都大学
霊長類研究所
京都大学
再生医科学研究所
京都大学
ウイルス研究所
徳島大学
疾患酵素学研究センター
九州大学
生体防御医学研究所
熊本大学
発生医学研究所
慶應義塾大学
Keio-Med Open Access Facility(慶應医科学開放型研究所)
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等
1.大学共同利用機関
○自然科学研究機構新分野創成センター
自然科学研究機構の新分野創成センターにおいて、新しい脳科学推進のため、
「ブレインサ
イエンス研究分野」を設置し、我が国の脳研究者コミュニティの合意形成を図りながら、ブ
レイン・サイエンス・ネットワークの構築を進め、脳科学研究を推進する。また、推進にあ
たっては、当該分野に関する新たな大学共同利用機関あるいは共同利用の施設の設置に向け
た調査研究を行うとともに、今後の我が国における研究推進体制の在り方を検討し、新しい
学問分野「ブレインサイエンス」の創成を目指す。
(第二期中期計画より抜粋)
Ⅰ 研究機構の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置
1 研究に関する目標を達成するための措置
(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標を達成するための措置
② (略)新分野創成センター(ブレインサイエンス研究分野、イメージングサイエンス研
究分野)等を含む分野間連携事業において、予算獲得や予算配分など予算面における機
構長の裁量を拡大し、新たな学術研究の成果を上げる。
(2)研究実施体制等に関する目標を達成するための措置
③
新分野創成センターにおいては、ブレインサイエンスネットワークを構築し、そのネ
ットワーク拠点である本機構の研究活動に全国の関連する研究者が一定期間参画できる
体制を確立する。
○自然科学研究機構生理学研究所
生理学研究所は、唯一の人体基礎生理学研究・教育のための大学共同利用機関であり、
人体の生命活動-特に脳と人体の働き-の総合的な解明と、そのための国際的研究者の
育成を究極の目標とする。即ち、生理学研究所は、
「ヒトのからだと脳の働きを大学と共
同して研究し、そのための研究者を育成している研究所」である。そのために、最先端
の研究技術や最高度の研究機器を開発すると共に、それらを共同利用研究に供する。
(第二期中期計画より抜粋)
(生理学研究所)
①
生体の働きを担う機能分子の構造と動作・制御メカニズム及び細胞機能への統合、生体
恒常性維持の遺伝子・分子・細胞的基盤、脳神経情報処理機構の構造的及び分子・細胞的
基盤等の解明を目的とする研究を行うとともに、これらの病態への関わりを研究する。
②
視覚・注意・随意運動等の認知・行動の脳内メカニズム、心のメカニズムや社会的行動
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等の神経科学的基盤の解明に迫る。また、脳神経系障害による病態及びその代償・回復メ
カニズムの基礎的研究を進める。
③
脳-人体の働きとそのしくみについて、分子から個体を統合する空間的及び時間的イメ
ージングを行う。また、そのための革新的な技術の開発・改良を行う。
共同研究事例:
・凍結割断法を用いた一次嗅覚路の解析
・遺伝子改変サルモデルを用いた大脳基底核の機能と病態の解明
・人工神経代替装置によるニューロリハビリテーション法の開発
基盤的研究機器、施設、リソース、及び関連事業等:
・超高圧電子顕微鏡 (HVEM)、3 テスラ磁気共鳴装置(Allegra、シーメンス社製、平
成12年度導入、Verio 2 台、シーメンス社製、平成21年度導入)
、視聴覚刺激提示
装置、画像解析システム、脳磁場(脳磁図)計測装置、極低温位相差電子顕微鏡、多
光子励起顕微鏡、網羅的行動テストバッテリー、近赤外線トポグラフィー、質量分析
を用いた小動物用エネルギー代謝及び行動量同時測定装置(アルコ社)
、マイクロダイ
アリシス(エイコム社)
、脳波筋電図測定睡眠解析装置(キッセイコムテック)、単一
ニューロン活動記録装置、慢性実験テレメトリー自動計測システム、オリンパス
FV1000、ブレインビジョン MyCAM
・ナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」
○自然科学研究機構基礎生物学研究所
基礎生物学研究所は、生物現象の本質を分子細胞レベルで解明することをめざし、細
胞生物学、発生生物学、神経生物学、進化多様性生物学、環境生物学、理論生物学、イ
メージングサイエンスの 7 つの研究領域にわたる幅広い研究活動を行っている。また基
礎生物学研究の中核拠点として全国の研究者に共同利用・共同研究の場を提供する。
(第二期中期計画より抜粋)
(基礎生物学研究所)
①
基礎生物学分野の基盤的研究を強化発展させ、細胞の構造・機能、発生・分化、外
部環境に対する生物の応答、行動や神経系の働き、生物共生・生物進化等の機構を解
明するとともに得られた成果を統合することにより、生物の基本原理の解明を目指し
た独創的で世界を先導する研究を推進する。
②
モデル生物を中心とした基礎生物学分野における高水準の研究基盤を作るために、
新たな研究手法を開発し解析装置と生物資源の一層の充実を図る。
共同研究事例:
・鳥類の光周性を制御する脳内光受容器の作用スペクトル
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・霊長類および齧歯類の周嗅皮質と TE 野において共通に異なる発現をする遺伝子の検
索
・メダカの社会性行動及び情動に関わる遺伝子及び遺伝子座の検索
基盤的研究機器、施設、リソース、及び関連事業等:
・世界最大の超大型分光照射設備、DSLM (Digital Scanned Light-sheet Microscope)、
次世代 DNA シーケンサ(SOLiD5500x1 4(ライフテクノロジーズ社)1 台、HiSeq2000
(イルミナ社)1 台)、ライブラリ調整やデータ解析のための設備
・ナショナルバイオリソースプロジェクト「メダカ」
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2.共同利用・共同研究拠点
○東北大学・加齢医学研究所
拠点名:加齢医学研究拠点
代表者:福田
寛
研究分野:加齢医学、実験動物学、腫瘍学、認知科学、神経科学一般、医用生体工学・生
体材料学、基礎ゲノム科学、分子生物学、細胞生物学、発生生物学、病態医化
学、人体病理学、免疫学、内科学一般、消化器内科学、放射線科学、胸部外科
学
共同利用・共同研究拠点の概要:
加齢モデル動物を公募型プロジェクト共同研究により戦略的に開発することで加齢研
究の中心軸を構築する。これに沿って加齢の基本的メカニズムを解明するとともに、加
齢を制御・修飾する生体防御機構の解明、加齢に伴う認知症などの脳・神経疾患や難治
性がんの先端的診断・治療法の開発を進める。これらの成果を人への応用展開、ならび
に国民の健康寿命の延伸、そして身心の健康寿命を全うするスマート・エイジングの実
現につなげる。
共同研究事例:
・パーキンソン病モデルショウジョウバエを用いた加齢依存的神経変性メカニズムの研
究
・パートナー選択に関わる脳神経基盤の解明
共同利用・共同研究に利用される研究施設・設備、学術資料・データ等:
超高磁場磁気共鳴画像装置、小動物用デジタル MRI 装置、動物実験施設腫瘍分室、日
本人脳画像データベース、日本トロトラスト症データベース
等
○東北大学・電気通信研究所
拠点名:情報通信共同研究拠点
代表者:中沢
正隆
研究分野:情報通信領域(通信・ネットワーク工学、電子デバイス・電子機器、知能情報
学)
共同利用・共同研究拠点の概要:
本研究所は、
「高密度及び高次の情報通信に関する学理並びにその応用の研究」という
設置目的の実現のため、人と人との円滑なコミュニケーションのみならず、人間と機械
の調和あるインターフェースまでを包括した「人間性豊かなコミュニケーション」の実
現を目指した学理並びにその応用研究を、研究者コミュニティと連携して推進する。そ
のため、研究者個人からの提案に基づく共同プロジェクト研究と、組織間連携に基づく
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共同プロジェクト研究を公募により実施する。
共同研究事例:
・ナノ・バイオの融合による新規バイオデバイスに関する研究
・生体情報インターフェース創生のためのフォトニクス研究
共同利用・共同研究に利用される研究施設・設備、学術資料・データ等:
多目的大規模回路用マスク作製電子ビーム露光装置、化合物系半導体薄膜結晶作製装
置、超高真空表面界面分析システム①(金属用)
、超高真空表面界面分析システム②(半
導体用)
、MRAMテストチップ用超高真空スパッタ装置、メモリ素子開発用半導体結晶
成長装置、ナノ・スピンメモリ回路用電子線描画システム、蛍光X線元素分析システム、
電子ビーム描画装置、イオンビーム加工解析装置、図書、雑誌
等
○新潟大学・脳研究所
拠点名:脳神経病理標本資源活用の先端的共同研究拠点
代表者:高橋
均
研究分野:神経科学
共同利用・共同研究拠点の概要:
・脳神経疾患の病態解明・治療法開発、ひいてはこころの理解に向けて、脳神経病理標
本資源を活用した多種多様な先端的ヒト脳科学共同研究を推進する。
・脳神経病理標本資源(剖検脳・生検脳、脳疾患ゲノム、脳疾患動物モデル)とそれに
関わる専門的な知識・技術を基に、多種、多様な共同研究を創出、推進すると共に、
将来の脳神経病理学を含むヒト脳科学を担う若手研究者を教育、育成する。
共同研究事例:
・脳ゲノム解析に基づいた疾患脳解析による統合失調症の病態解明
・中枢神経原発悪性リンパ゚腫に対するゲノム情報を基盤とした新たな診断学、治療学の
展開
共同利用・共同研究に利用される研究施設・設備、学術資料・データ等:
遺伝子解析装置、電子顕微鏡システム、脳疾患標本リソース
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等
3.脳科学に関連する共同研究等が実施されたことがある主な
大学・大学共同利用機関
〔大学共同利用機関〕
○情報・システム研究機構国立遺伝学研究所
生命科学研究の基盤をなすゲノム関連情報の産生やデータバンクの構築・整備を行う
とともに、学術研究用生物系統の整備と提供を通じて共同利用・共同研究に資する。
共同研究事例:
・神経回路のリモデリングと維持を支える機構
・新規遺伝子変異マウスのバレル発達、および、αキメリン変異マウスの神経回路の研
究
・ゼブラフィッシュを用いた機能的脳神経回路形成の解析
基盤的研究機器、施設、リソース、及び関連事業等:
DNA データバンク(DDBJ)事業、系統保存(生物遺伝資源)事業、生物遺伝資源デ
ータベース事業、DNA シーケンシングセンター
○情報・システム研究機構統計数理研究所
統計数理のもつ横断的特性を生かした共同研究を推進するとともに、先進的統計数理
研究資源を提供する。
共同研究事例:
・神経スパイク発火の揺らぎを利用した情報処理の原理と応用
・異なる時空間解像度を持つマルチモダリティ計測データによる階層神経モデルの構造
推定
・認知課題難易度の量的変化に伴う前頭前野脳活動の推移に関する研究
基盤的研究機器、施設、リソース、及び関連事業等:
・統計科学スーパーコンピュータシステム
○情報・システム研究機構国立情報学研究所
研究連携体制の構築及び強化並びに情報の集約により、我が国の情報分野の中核的研
究拠点としての役割を果たす。
大学等の学術研究及び教育におけるネットワーク需要の急激な増加に対応するため、
大学等及び学協会等との連携を強化し、我が国の学術研究・教育活動に不可欠な最先端
学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ:CSI)の一層の整備を
推進し、情報学のみならず、全ての学問分野の学術活動を支える情報基盤を構築・提供
する。
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共同研究事例:
・脳磁界逆問題における連立代数方程式の数値解析
・マルチモーダル対面コミュニケーションの脳内機構
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・研究系サービスソフトウェア(バイオポータル、バイオキャスター等)
・最先端学術情報基盤(NII 学術コンテンツ・ポータル等)
・学術情報ネットワーク(SINET4)
〔大学の研究機関〕
○東京医科歯科大学・難治疾患研究所
代表者:北嶋
繁孝
研究機関の概要:
・難治疾患の病因・病態形成機構解明と診断・予防・治療法開発の基盤形成に資する共
同利用・共同研究拠点構築を目的とする。
・
「疾患バイオリソース」
、
「疾患モデル動物」
、
「疾患オミックス」の3つの難治疾患研究
リソースを活用した公募型の戦略的難治疾患克服共同プロジェクトを推進する。
・国内外の研究者に、上記のリソース群へのアクセスや現有する先端解析支援施設の利
用機会の提供を行ない、本邦の難治疾患研究の広範な発展に貢献する。
・難治疾患研究に携わる若手研究者の育成・支援システムを整備する。
・シンポジウム等の開催により、難治疾患研究の啓発と最先端情報の発信に努める。
共同研究事例:
・核酸結合蛋白質を標的とした神経変性疾患研究:ショウジョウバエモデルを用いた解
析
・CASK 異常を原因とする小脳脳幹部低形成の病態発現機構の解明と治療法の開発
基盤的研究機器、施設、リソース等:
難治疾患モデル動物・組織リソースバンク、難治疾患バイオリソースバンク、難治疾
患オミックスデータベース
○群馬大学・生体調節研究所
代表者:小島
至
研究機関の概要:
・メタボリック症候群など社会的に要請の高い内分泌・代謝疾患の共同研究課題を遂行
し、創出基盤技術等を共同利用に供することを目的とする。
・共同研究として次の2つに分類される研究課題を推進する。病因解析では、生活習慣
病の感受性遺伝子群の探索などに加え、
「環境負荷による生活習慣病の発症とエピゲノ
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ム解析」研究を行い、機能解析では研究所の所有するイメージング技術、種々の代謝
機能活性測定や内分泌・代謝系などに異常のある動物を用いて、生活習慣病に関連し
たトランスレーショナルリサーチを行う。
・内分泌・代謝学における国際水準の共同研究創出拠点として機能するとともに、研究
者コミュティーの学術活動に貢献する。
共同研究事例:
・視床下部-下垂体系の Rab ファミリー低分子量 G 蛋白質の機能と作用機構の解析
基盤的研究機器、施設、リソース等:
研究所の機器、研究のリソースである遺伝子改変動物や細胞、抗体などを本研究所内
の共同研究者の指示のもとに原則として自由に使うことができる。
なお、昭和キャンパスには共同施設として本研究所を取り囲むように動物実験施設、
ラジオアイソトープ (RI) 研究棟、電子顕微鏡等のある機器センター、医学図書館があ
り共同研究者は学内研究者と同等にそれらを利用することができる。
○富山大学・和漢医薬学総合研究所
代表者:門田
重利
研究機関の概要:
・膨大な経験知を背景に持つ和漢医薬学について、先端科学の研究手法による科学的エ
ビデンスの集積とその共有化を通して、和漢薬の基礎及び臨床科学基盤を形成し、経
験と科学を融合させた新しい医薬学体系の構築と全人的医療の確立に貢献することを
目的とする。
・天然薬物資源の確保と保全及び和漢薬の標準化、和漢医薬学の基礎研究の推進及び西
洋医薬学との融合、和漢医薬学研究の中核的情報発信拠点の形成を重点課題として共
同利用・共同研究を推進する。
・我が国で深刻化している疾患や難治性疾患等に対する画期的新薬の創出や、西洋医薬
学との融合による個人の「体質」や「生活習慣」に適化した新しい医療体系の構築に
寄与することを目指す。
共同研究事例:
・Diosgenin の記憶改善作用に関する研究
基盤的研究機器、施設、リソース等:
生薬由来化合物セット、生薬エキスセット、和漢薬データベース、民族薬物データベ
ースおよび証類本草データベース
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○京都大学・霊長類研究所
代表者:松沢
哲郎
研究機関の概要:
・本研究所に蓄積されてきた霊長類に関する総合的研究の実績を基に、国内のみならず
国際的な共同研究を進めることにより、我が国の霊長類学のさらなる発展を目的とす
る。
・学内外の委員から構成される運営委員会のもと、ヒトを含む霊長類を様々な分野・観
点から研究する国内・国外の霊長類学者の要望を反映した公募型共同利用・共同研究
を実施するとともに、霊長類の観測拠点や所内飼育個体の提供を行うことで、研究者
ネットワークの国際的・学際的拠点を形成する。
・全国各地の大学、研究所、研究施設などの霊長類を対象とする研究者の受け皿となり、
霊長類に関する様々な研究の推進拠点としての役割を果たす。
共同研究事例:
・ヒト、チンパンジー、ヒヒ、マカクにおける脳形態の発達的変化に関する比較研究
・霊長類味覚受容体の同定と味覚修飾物質による甘味増強・酸味抑制機構の解明
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・1) 血液、唾液、精液などの体液、2) 臓器、3) 筋肉、4) 毛皮、5) 歯牙、骨格、6) 排
泄物、7) DNA、RNA など、8)その他本研究所が認定したもの。
・研究所に設置されている大型設備(MRI、CT など)の利用も可能。
○京都大学・再生医科学研究所
代表者:坂口
志文
研究機関の概要:
従来の再生医学研究の枠組みを超えて新たに再生医学・再生医療の研究に参加する多
くの研究者の要望に応えるべく、これまでの活動により再生医科学研究所に蓄積された
再生医学の知識・技術を基に、多様な先端的・学際的共同研究を推進する。
再生医学・再生医療研究に関する公募型の共同研究を実施するとともに、再生医学研
究に係る研究資源、技術の共同利用、分配、標準化を推進する。また、技術指導から倫
理講習にまたがる講演会、講習会を開催し、再生医学・医療の啓発と人材育成に努める。
共同研究事例:
・マシン―ブレインインターフェースを活用した神経ネットワークの構築
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・神経幹細胞維持生育技術の習得
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○京都大学・ウイルス研究所
代表者:影山
龍一郎
研究機関の概要:
・ウイルス感染症に対処するために生命科学に裏付けられた遺伝子から細胞・個体レベ
ルに至る先端融合的研究を推進することが強く求められている。本研究所で築き上げ
られてきたウイルス生命科学の技術・知識・設備を基に、多様な共同研究を推進する
ことで我が国のウイルス研究の飛躍的な発展に寄与することを目的とする。
・学内・学外委員によって構成される運営委員会のもと、
「①霊長類 P3 感染実験」、
「②
マウス P3 感染実験」、
「③遺伝子・細胞レベルのウイルス・生命科学研究」の3テー
マについて、研究課題を全国公募し研究者コミュニティの要望を踏まえ共同利用・共
同研究を実施する。
・本研究所は、設立されて以来、大規模なサルおよびマウスの P3 感染実験施設を設置
して、個体レベルの感染実験に取り組んできた。このような本研究所が蓄積してきた
研究手法や感染実験施設を広く研究者コミュニティに提供する。
共同研究事例:
・胎生期脳への新規移植技術を用いた多能性幹細胞の組織内細胞核運動および神経新生
の解析
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・霊長類及びマウスの P3 感染実験施設
○徳島大学・疾患酵素学研究センター
代表者:木戸
博
研究機関の概要:
・我が国唯一の酵素学の研究施設として、基礎医学研究者コミュニティと広範な医学応
用を望む研究者コミュニティとが、酵素学を共通のキーワードとして、生命科学と医
学応用の領域で共同利用・共同研究することで、社会的要請に応えることを目的とす
る。
・拠点では、1)ゲノム情報に対応した網羅的酵素・蛋白質の機能解析(プロテオミク
ス解析)と情報の統合(メタボローム解析)
、2)病態解明と創薬に向けた応用研究を
推進し、3)酵素・蛋白質の機能解析の解析方法、ノウハウ等の情報提供を行う。
・世界屈指のプロテオミクス解析装置を用いた共同研究の実施、酵素・蛋白質の構造解
析に基づく創薬新理論の開発、酵素学の知識と技術の提供を通じて研究者の基礎的研
究能力を充実させ、医学応用研究の発展に貢献することを目指す。
共同研究事例:
・脳内におけるインスリン受容体の役割
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・てんかん病態における脳内D-セリンの機能解明
基盤的研究機器、施設、リソース等:
質量分析装置を中核とした様々なプロテオミクス関連設備、X 線結晶解析装置
(Rigaku 社製 FR-E SuperBrigh)、SPR(ビアコア社製ビアコア 3000)、共焦点顕微
鏡(Zeiss 社製 LSM510)、蛍光分光光度計(日本分光 FP-6300)、組換えタンパク質自
動精製装置(GE ヘルスケア AKTA Crystal)
○九州大学・生体防御医学研究所
代表者:吉開
泰信
研究機関の概要:
・ゲノムから個体レベルまでの多階層の技術と情報を共同研究者に提供することによっ
て、生体防御領域の学術研究の発展に寄与する。
・ゲノム、プロテオミクス、構造生物学、発生工学の新規技術開発のための共同利用・
共同研究を推進し、得られた多階層情報を明確に体系化して提供することによって、
生体防御システムとその破綻による疾患メカニズムの解明、さらに生体防御再構築に
よる新規治療法の開発のための共同研究を推進する。
・多階層レベルの新規技術開発の共同研究と技術指導を行い、相互にインタラクティブ
な研究環境を提供することによって、生体防御システムを統合的に把握できる研究者
を育成し、その学術研究を支援する。
共同研究事例:
・成熟マウス・ラット DRG ニューロンにおけるガレクチン-1 の機能解析
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・プロテオミクスのための試料調整、質量分析計(イオントラップ型質量分析計、ハイ
ブリッドTOF型質量分析計、3連4重極型質量分析計、MALDI-TOF型質量分析計、
MALDI-TOF/TOF型質量分析計)
・次世代シークエンサーによる DNA シークエンシング解析
・タンパク質の結晶化スクリーニングのための、自動セットアップ装置による高効率セ
ットアップと自動観察、実験室系 X 線回折計による X 線結晶解析、NMR スペクトル
の測定と立体構造解析、電子顕微鏡による単粒子像解析とトモグラフィー解析、高感
度滴定型マイクロカロリメータ、表面プラズモン共鳴測定装置
・遺伝子改変マウスの開発とマウス及びゼブラフィッシュを用いた発生工学的手法(胚
盤胞への ES injection、受精卵への DNA injection、体外受精~凍結授精卵作製など)
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○熊本大学・発生医学研究所
代表者:小椋
光
研究機関の概要:
・発生学の視点から生命現象とヒト疾患の解明を目指す国際レベルの共同研究を賦活化
することで、我が国における発生医学分野の研究基盤を確立し発展させることを目的
とする。
・発生医学の先端的研究、恒常的視野に立った人材育成、国内外の連携ネットワークの
活用により、発生医学の共同利用・共同研究を推進する。
・胚形成から個体形成に至る様々な発生過程の仕組みを分子、細胞、組織、器官、個体
へと連続する観点から解明することで、様々な発生異常やヒト疾患の病因を明らかに
し、診断法や予防法の確立を目指す。さらに、再生医療等の安全で有効な治療法の確
立を実現する発生医学分野の我が国における共同研究の中核となることを目指す。
共同研究事例:
・間脳のパターン形成と視床の神経回路形成との統合的理解
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・細胞自動解析分離装置(BD FACS Aria)、ヒストプロセッサー(HISTOS 5)、今日焦
点レーザー顕微鏡(ZEISS LSM710)、細胞切片自動作成装置(クラボウ AS-200H)
等
○慶應義塾大学・Keio-Med Open Access Facility(慶應医科学開放型研究所)
代表者:岡野
栄之
研究機関の概要:
幹細胞研究領域における世界トップレベルの研究推進とその実績・ノウハウを活かし、
iPS 細胞研究施設、幹細胞医学教育研究センター、ヒト代謝システム生物学センター、
医学部共同利用研究室の 4 つの組織を統合し、より機能的な組織を形成し、幹細胞研究
における世界に冠たる共同研究の場を形成する。
学内研究者との共同研究を中心として、広く国内や海外からの共同研究者を受け入れ、
研究インフラの開放、研究者の交流、研究支援の拡充を推進する。
共同研究事例:
ヒトおよびマウス iPS 細胞の培養(維持、分化誘導)
、腫瘍形成などの安全性の確認実
験、疾患特異的 iPS 細胞の樹立と解析について指導的な立場に立ち、全国の共同研究者
に技術指導や実験計画のコンサルテーションを行う。
基盤的研究機器、施設、リソース等:
・形態解析装置群
実験動物用 3D マイクロ X 線 CT(Computed Tomography コンピュータ断層撮影装
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置)、MRI(Magnetic Resonance Imaging 磁気共鳴画像装置)、共焦点レーザー顕微
鏡(TCS SP5; Leica、LSM 510; Carl Zeiss、FV10i; OLYMPUS)、透過型電子顕微
鏡(Transmission Electron Microscope; TEM)、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron
Microscope; SEM)、実体蛍光顕微鏡(M205FA; Leica)、レーザーマイクロダイセクシ
ョン装置(PALM-MB IV; Carl Zeiss)、質量分析装置(Autoflex III; BRUKER &
FlexImaging 解析ソフト)、2 光子レーザー顕微鏡(OLYMPUS)、高感度蛍光、化学
発光イメージング装置(Typhoon trio+; GE Healthcare)、高精細スキャナー(BIO
RAD)
・オミクス(網羅的生命分子情報)解析装置群
マイクロアレイ解析システム(Affymetrix, Agilent)
、Protein array system (質量
分析装置, Autoflex III; BRUKER & ClinProTools 解析ソフト)
・疾患モデル施設
総合医科学研究センター6 階の 6S7 動物飼育室
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