JNXセミナー2011 部工会における ビジネスインフラ対応について -中小企業EDI実証実験- 2011年11月9日 (社)日本自動車部品工業会 IT対応委員会 ビジネスインフラ対応コンソーシアム 1.コンソーシアム活動の背景 (1) 経済産業省「ビジネスインフラ整備」方針 世界レベルの産業構造変革に対応できる企業間情報連携基盤の構築 (健全性・業際性・国際性を備えたビジネスインフラの普及) 国際標準EDIへの準拠 国際性 業界EDI間での 相互運用性 業際性 異なる業界間の情報連携 ビジネスインフラ (情報連携基盤) 下請法に基づく取引き ガイドラインに則ったEDI ※ 健全性 中小企業へのEDI普及 ※公正取引委員会の留意事項(H13.3.30発表、H22.1.1改正) ウェッブのホームページを閲覧させる場合、ダウンロード機能を持ちせるなど下請事業者のファイルに 記録できるような方策が必要。 正当な理由なく、自己の指定するインターネットプロバイダー、システムサービス事業者等からの役務の 提供を受けさせることは下請法又は独占禁止法に違反する恐れがある。 ※素形材産業取引ガイドライン(H20.12改定) 業界標準に準拠していないWeb-EDIやEDI専用端末の導入を要求することは下請法に違反 する恐れがある。 1 1.コンソーシアム活動の背景 (2) JNX新規加入目標とリンクした中小企業EDI(健全性)展開 ■現在:JNXの加入会社数 全体 2,200社 ・内自動車関連 1,100社(加入率14%) ・その他 500社 600社 ・営業サービス ■将来(13年度末) 4,000社 2,400社(30%) 自動車部分品・付属品製造業(約8,000社) JAPIA(約450社) 自動車メーカー EDI 一次部品メーカー ※()内の%は母数8,000社 ※従業者4名以上の企業数(METI 工業統計最新版より) JAPIA会員以外(約7,500社) 二次部品メーカー EDI FAX メール ステップ2 ステップ1 ステップ3 二次部品メーカー 業界EDIを普及させ、 JNX拡大に寄与したい領域 FAX メール FAX メール 2 【参考】経済産業省統計資料からの市場分析 <マーケット規模の想定> 1300社の追加導入目標に対して、実際の自動車部品業界の企業数(マーケット規模)を確認する。 経産省の最新の工業統計調査によると、「輸送用機械器具製造」に属する企業は、およそ1万1500社。 その内、自動車関連は8200社前後あります。 産業別統計表(産業細分類別)より抜粋 従業者規模別統計表(産業細分類別)より抜粋 従業員が4名以上の事業所に関する統計表 従業員が4名以上の事業所に関する統計表 事業所数 従業者数 11,501 947,704 1000人以上 102 102 72 166,479 500~999人 148 250 198 15,513 300~499人 157 407 7,996 604,644 200~299人 237 644 29 7,926 100~199人 548 1,192 鉄道車両用部分品製造業 381 13,189 50~99人 866 2,058 船舶製造・修理業 576 37,190 船体ブロック製造業 278 9,579 30~49人 765 2,823 20~29人 1,028 3,851 輸送用機械器具製造業 自動車製造業(二輪自動車を含む) 自動車車体・附随車製造業 自動車部分品・附属品製造業 鉄道車両製造業 事業所数 JAPIA会員数 約450社 JNX加入者 約2200社 (内、自動車業界は1100社) 累計 舟艇製造・修理業 247 2,343 舶用機関製造業 624 22,596 10~19人 1,717 5,568 8 3,652 4~ 9人 2,698 8,266 60 6,515 その他の航空機部分品・補助装置製造業 237 31,445 フォークリフトトラック・同部分品・附属品製造業 124 7,479 その他の産業用運搬車両・同部分品・附属品製造業 193 4,903 自転車・同部分品製造業 210 7,627 他に分類されない輸送用機械器具製造業 268 6,624 航空機製造業 航空機用原動機製造業 経産省 平成23年1月28日発表 平成21年工業統計表確報(概要版)より http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2/h21/gaiyo/index.html 発注側企業 の想定規模 受注側企業 の想定規模 新規に1300社の導入を目指すには、この辺りの 企業規模への導入が必須となる。 ⇒経済産業省のビジネスインフラ整備の対象会社も 同様である。 経産省 平成23年4月14日発表 平成21年工業統計表確報(産業編)より http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kougyo/result-2/h21/kakuho/sangyo/index.html 3 2.これまでのコンソーシアム活動成果 (1) コンソーシアム体制と成果物 ※「中小業務モデル構築タスク」と「共通業務パッケージタスク」の成果物 ビジネスインフラ対応コンソーシアム ビジネスインフラ整備WG ASP間連携タスク ASP間の連携を協議 ASP:各種システムやサービスを提供する業者 標準EDI-WG(EDI部会) ※1 ※2 中小業務モデル構築タスク 業務要件を検討し、実証の監修を行う 共通業務パッケージタスク システム要件を検討し、標準EDIガイドラインを策定する 実証・普及検討タスク 普及の検討を行い、実証実験を行う ※1:業務モデル定義書 第1版 ・・・ 内示~受領までの中小企業がEDI対応 した場合の標準的な業務を定義した。 ※2:共通業務パッケージ 機能定義書 第4版 ・・・上記の業務モデルを実現するために必要 なシステムの機能を定義した。 4 2.これまでのコンソーシアム活動成果 (2) 実証・普及タスクが想定した中小企業EDIイメージ Web画面からの 発注も可能 専用線通信 Web型通信 SaaS型共通業務PKG SaaS型:自社内にシステムを置かずにネットワークを 介して必要な機能だけを利用する形態 ステップ2,3 JNX共有ASPサービス 中小からの発注 ステップ1 既存の通信システムにより 中小企業EDIが可能 JNX TDC等の既存ASP 大手の発注システム 大手の発注システム 全ての受注がワンインターフェース で処理できる。(多画面解消) 中小での受注 発注先の個別EDIシステムに対応 することも選択できる。 (主要仕入先との関係強化) 5 2.これまでのコンソーシアム活動成果 (3) 中小企業EDIのメリットと目指す姿 ◆受注会社(中小企業) ・主要取引き先以外の取引き先と”標準的”なEDIが実施できる。 ※展開中のEDIは否定しない。(中小企業に選択肢があることが重要) ・全ての取引き先とのEDIがワンインターフェースで可能となる。 但し、紙・FAXに代わる基本的業務モデルのみに対応。 ◆発注会社 ・これまで個別EDI対応してくれなかった小規模取引きの仕入先 にもEDIを展開できる。 ※業界標準EDIを求めることは下請取引適正化の趣旨に沿っている。 (P.1の素形材産業取引ガイドラインを参照) 自動車業界標準に準拠した共通業務PKGであることを保証し、 且つ安価に提供するために、JNX標準アプリケーションとしたい。 JAMA・JAPIA標準準拠 : JNX、標準メッセージ(XMLガイドライン)、標準帳票、Web-EDIガイドライン 6 2.これまでのコンソーシアム活動成果 (4) 共有ASPサービスの付随効果 他業界との連携が容易となる。 (先方との仕様対応が安価) 他業界のASP JNX共有ASPサービス (データ連携・転送機能) OEM JNX OEM TDC等の既存ASP 一つのASPだけでデータ授受 が可能となる。 (約250社での多端末解消) 大手の受注システム 大手の受注システム 7 2.これまでのコンソーシアム活動成果 (5) 実証実験の提案 11年10月~12年3月 先ずは、中小企業EDIシステムの実現性を検証したい。 ■SaaS型共通業務PKG機能 •業務モデル定義書及び機能定義書通りに中小企業の業務(内示~受領)が成立するか? ■JNX共有ASPサービス機能 •現ASPと連携して、JNXコアユーザ(発注者)とJNX-LAユーザがEDIできるか? 上記サービスの検証を行なうと共に、中小企業がJNX-LA料金を含め 概ね10,000円/月以下の負担で利用できるかどうかを確認する。 12年4月以降 検証結果を吟味して、最終的な実運用の判断を行なう。 8 3.実証実験計画 (1) 実証実験の機器構成 JNX網 共通業務PKG 実証サーバ JNX共有ASPサービス 実証サーバ 共通業務PKG データ振分け ASPサービス連携 共通業務PKG連携 データベース 既存ASP連携 XMLコンバータ 現ASP環境に構築予定 現ASP環境 ASP1 レーザ 受信端末 プリンタ レーザ 受信端末 プリンタ 実証用にレンタルを予定 ※実証先企業が借用可能ならレンタルは不要 発注端末 発注端末 ASP2 発注端末 発注企業に環境を借用予定 借用予定機器 調達予定機器 9 3.実証実験計画 (2) 業務の流れとシステム化対象 JNX標準 中小企業EDIシステム 受注側企業 受注 受注 生産 生産 発注側企業 発注 発注 発注者 BOX 受注者 BOX 認証 現品票 発注情報 荷揃え 指示書 JNX-LA 発注情報 集荷・荷揃え 集荷・荷揃え 荷揃え 指示書 出荷 出荷 受入・確認 受入・確認 現品票 出荷情報 出荷情報 納品書 受領書 納品書 納品書 受領書 共通業務PKG 物の流れ 帳票の流れ 情報の流れ 違算確認 違算確認 受領書 受領情報 受領情報 受領書 受領書 10 3.実証実験計画 (3) 検証すべき機能群 JNX標準 中小企業EDIシステム 受注側企業 内示・納入指示情報の 生産 生産 受信・検索 受注 受注 発注側企業 発注 発注 発注者 BOX 受注者 BOX 内示・納入指示情報の 作成・送信・検索 認証 現品票・荷揃え指示書の 現品票 印刷 発注情報 荷揃え 指示書 JNX-LA 発注情報 集荷・荷揃え 集荷・荷揃え 荷揃え 出荷情報の 指示書 登録・送信・検索 納品書・受領書の 印刷 出荷 出荷 現品票 情報の流れ 受領書 納品書 納品書 受領書 受入情報の 登録・送信・検索 違算確認 違算確認 受領書 出荷情報の 受信・検索 出荷情報 出荷情報 納品書 受入情報の 共通業務PKG 受信・検索 物の流れ 違算情報の 確認 帳票の流れ 受入・確認 受入・確認 受領情報 受領情報 受領書 受領書 11 3.実証実験計画 (4) 実証実験体制 <XML事前評価企業> <発注側企業> 社名 社名 株式会社デンソー 矢崎総業株式会社 NOK株式会社 アイシン精機株式会社 愛三工業株式会社 カルソニックカンセイ株式会社 株式会社ハイレックスコーポレーション 豊田合成株式会社 株式会社 東海理化電機製作所 日立オートモティブシステムズ株式会社 ボッシュ株式会社 <受注側企業> 社名 資本金 株式会社中部精機製作所 株式会社月星製作所 従業員数 主要営業品目 本社所在地 24百万円 100名 自動車メータシャフト,ディーゼル噴射ポンプ小物部品 愛知県名古屋市北区山田2-7-4 301百万円 300名 自動車用特殊精密部品 石川県加賀市永井町71-1-1 <実証グループ> グループB グループA デンソー デンソー NOK NOK デンソー デンソー 愛三 愛三 中部精機製作所 中部精機製作所 ハイレックス ハイレックス 東海理化 東海理化 日立AMS 日立AMS ボッシュ ボッシュ 月星製作所 月星製作所 <ベンダー・監修> 社名 担当 (株)デンソーエスアイ アプリケーション開発・実証サポート(現地) 日本情報通信(株) 共有ASPサービス接続(実証サポート センター) (株)トヨタデジタルクルーズ 共有ASPサービス接続(実証サポート センター) JNXセンター アドバイザリー 12 3.実証実験計画 (5) スケジュール概要 2011年 10月 11月 2012年 12月 1月 2月 3月 ▼実証先決定 ▼実証プロジェクト承認(JNX運営委員会) 報告会▼ ▼上旬 実証視察 ▼下期コンソーシアムキックオフ 実証詳細 シナリオ作成 仕入先 ・事前調査 ・環境調査 実証実験 実証評価 項目定義 データ準備 リハーサル 評価・まとめ 評価・まとめ 共通業務PKG 設計 共通業務パッケージ トライアル版開発 XMLトランスレータ 設計 マッピング・ 事前評価 共有ASPサービス 設計 実証環境構築 システム テスト 実証サポート PKG連携機能開発 設計 セット アップ データ準備支援 13 3.実証実験計画 (6) 予定成果物 ■SaaS型共通業務パッケージ ドキュメント名 概要 1 業務モデル定義書 第2版 中小業務モデルタスクで定義した業務モデル定義書を実証企業で精査を 行い、より実態に即したモデルへ改定したバージョンへ変更 2 機能定義書 第5版 共通業務タスクで定義した機能定義書を実証企業で精査した業務モデル に合わせ改定したバージョンへ変更 3 共通業務パッケージシステム仕様書 ・業務機能に関する定義を記載 ・運用を想定したシステム機器構成、運用体系を記載 4 実証実験報告書 実証を行った内容についての報告 ■JNX共有ASPサービス ドキュメント名 概要 1 JNX共有ASPサービス仕様書 ・業務機能に関する定義を記載 ・運用を想定したシステム機器構成、運用体系を記載 2 実証実験報告書 実証を行った内容についての報告 ※本番での中小企業へのサービス提供価格については、コンソーシアムにて継続 検討し、実証実験結果と共に提示する。 14
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