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ニ.毒
総
性
括 ....................................................................................................................................... 26
Ⅰ.単回投与毒性 .................................................................................................................... 28
Ⅱ.反復投与毒性 .................................................................................................................... 28
Ⅲ.生殖発生毒性 .................................................................................................................... 29
Ⅳ.依存性 ............................................................................................................................... 34
Ⅴ.抗原性 ............................................................................................................................... 34
Ⅵ.遺伝毒性............................................................................................................................ 34
Ⅶ.がん原性............................................................................................................................ 34
Ⅷ.代謝物の単回投与毒性 ..................................................................................................... 34
Ⅸ.原薬中不純物および製剤中分解物の毒性....................................................................... 34
Ⅹ.考察 ................................................................................................................................... 35
ニ.毒性の項略号一覧表
名称・略号
化学名
カベルゴリン
(-)-1-[(6aR,9R,10aR)-7allyl-4,6,6a,7,8,9,10,10aoctahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carbonyl]1-(3-dimethylaminopropyl)3-ethylurea
構造式
由来
O
C 2H 5
NH
O
N
H
C H3
CH 2CH 2CH 2 N
CH 3
H
H
原薬
N
H
C H2
H
H
HN
O
FCE-27395
(脱メチル体)
1-[(6aR,9R,10aR)-7-allyl4,6,6a,7,8,9,10,10aoctahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carbonyl]3-ethyl-1-(3methylaminopropyl)urea
NH
O
N
H
C2 H5
C H2CH 2CH 2 N
H
C H3
H
H
N
代謝物
H
C H2
H
H
HN
O
FCE-21904
(脱ジメチルアミ
ノプロピル体)
NH
O
1-[(6aR,9R,10aR)-7-allyl4,6,6a,7,8,9,10,10aoctahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carbonyl]3-ethylurea
H
H
C 2H 5
NH
H
N
H
代謝物
H
CH 2
H
HN
副生成物
製剤中
分解物
ニ.毒性 ……………………………………………………… 添付資料ニ-1、参考資料ニ-1~5
毒性に関する資料はパーキンソン病治療薬としての承認申請時に提出しており、新たに追加
提出する毒性に関する資料はサルでのSeg.Ⅰ試験に関するもののみである。
総 括
表ニ-1 毒性試験一覧表
試験項目
単回投与毒性
投与経路
期間
動物種等
マウス
投与量
経口
0,150,250,400,700,1000
(mg/kg)
[カベルゴリン]
0,150,250,400,700,1000
(mg/kg)
♂:0,16.3,19.5,22.8
静脈内
資料
番号
試験結果
♂: 386.1
♀: 665.7
♂: 426.8
♀: 693.6
♂: 21.2
(mg/kg)
♀:0,19.5,22.8,27.3
(mg/kg)
ラット
経口
0,200,300,500,800
(mg/kg)
[カベルゴリン]
0,200,300,500,800
(mg/kg)
静脈内
サル
0,19.5,22.5,26.1
(mg/kg)
10,20 (mg/kg)
経口
♀: 24.4
LD 50値
あるいは
♂: 309.2
概略の致
♀: 448.7
死量
(mg/kg) ♂: 436.9
♀:
500<LD 50<800
♂: 22.2
♀: 22.2
>20
[カベルゴリン]
10,20 (mg/kg)
反復投与毒性
(4週間回復)
ラット
サル
経口
ラット
経口
サル
生殖発生毒性
Seg.Ⅰ
ラット
サル
13週間
(4週間回復)
12ヵ月
(8週間回復)
経口
♂:交配前10週間
~交尾成立
♀:交配前2週間
~妊娠20日
♀:交配前2週間
~分娩後21日
♀:交配前2月経
~妊娠20日
>20
0,50,500,5000
(µg/kg/日)
0,32.6,326,3260
(µg/kg/日)
無毒性量
0,360,1080,3240
(µg/kg/日)
(µg/kg/日)
[カベルゴリン]
0,360,1080,3240
(µg/kg/日)
0, 50, 400, 3200
(µg/kg/日) 無毒性量
(µg/kg/日)
0, 50, 250, 1250
(µg/kg/日)
0, 20, 80, 320
(µg/kg/日)
0,0.5, 1, 2
ラット
経口
妊娠7日~17日
経口
妊娠6日~18日
―
326
360
―
360
50
250
無毒性量
(µg/kg/日)
―
―
2
参考資料
ニー2
(µg/kg/日)
0,30,100,300,1000
(µg/kg/日)
無毒性量
(µg/kg/日)
0, 12.5, 25, 50, 100
(µg/kg/日)
無毒性量
(µg/kg/日)
催奇形性
作用
ウサギ
500
>320
催奇形性
作用
Seg.Ⅱ
―
0,5,50,500,2000,4000,
8000
(µg/kg/日)
無毒性量
(µg/kg/日)
催奇形性
作用
母動物: 300
児: 1000
なし
母動物:50
児:50
なし
参考資料
ニ-3
母動物:50
胎児:2000
なし
但し書きがない試験はカベルゴリン二リン酸塩で実施した。今回新たに実施した試験を網掛けで明示した。
‐26‐
ニ-1
参考資料
ニ-4
表ニ-1 毒性試験一覧表(続き)
試験項目
生殖試験
Seg.Ⅲ
動物種等
ラット
投与(処理)経路
期間
経口
妊娠17日~
分娩後21日
投与量または処理濃度
試験結果
無毒性量
0,1,3,10,30,100
(µg/kg/日)
(µg/kg/日)
資料
番号
母動物:3
新生児:3
参考資料
ニ-5
(生殖機能:10)
依存性
急性行動観察
サル
経口,単回
10,15,20 (mg/kg)
身体依存性
形成
サル
経 口, 4週 間投 薬1
週間休薬を2回繰
り返す
1.0 (mg/kg/日)
退薬症候抑
制
サル
20 (mg/kg)
精神依存性
形成
抗原性
サル
経口,単回,モルヒネお
よ び フェノバ ルビタ ール
で身体依存を形成
後
胃内
14日間自己投与
皮下(+FCA)
1週間間隔で3回
皮下(+OVA+FCA)
1週間間隔で3回
マウス
腹腔内(+Al(OH) 3)
1週間間隔で2回
0,10,100 (µg/animal)
ネズミチフス菌
直接法
0,8- 5000 (µg/plate)
陰性
大腸菌
代謝活性化法
直接法
代謝活性化法
0, 93.75-3000
(µg/plate)
陰性
遺伝毒性
復帰突然変
異
モルモット
0.025,0.05,0.1
(mg/kg/回)
0.1, 1 (mg/animal)
1 (mg/animal)
遺伝子突然
変異
チャイニーズハムスター
(V79細胞)
直接法
代謝活性化法
0, 250 - 4000 (µg/mL)
染色体異常
ヒト末梢血リンパ
球
直接法
0, 37.5 - 600 (µg/mL)
代謝活性化法
0, 75 - 600 (µg/mL)
マウス
経口、単回
小核
がん原性
マウス
ラット
代謝物2物質の
単回投与毒性
原薬中不純物
単回投与毒
性
復帰突然変
異
染色体異常
製剤中分解物
単回投与毒
性
復帰突然変
異
小核
ラット血清
ホルモン濃
度
マウス
経口
♂:97週間
♀:104週間
経口
104週間
経口
104週間
静脈内,単回
自発運動の亢進、興奮
(投薬24~72時間)
身体依存性を示さなかっ
た
―
退薬症候の抑制を示さな
かった
―
精神依存性を示さなかっ
た
―
能動性全身アナフィラキシー反応、
間接赤血球凝集反応、同種
受身皮膚アナフィラキシー反応、
Schultz-Dale反応、能動性
皮膚アナフィラキシー反応:陰性
異 種 受身 皮膚 アナフィラキシー反
応:陰性
―
0, 62.5 - 1000(µg/mL)
ネズミチフス菌
大腸菌
静脈内,単回
―
陰性
陰性
♂:0, 240 (mg/kg)
♀:0, 80 (mg/kg)
陰性
0,20,140,980
(µg/kg/日)
0,20,80,320(µg/kg/日)
陰性
―
精巣の間細胞腫の増 加、子宮
の悪性腫瘍のわずかな増加
―
血中プロラクチン濃度の減
少、黄体形成ホルモン(♂)・
エストロジェン(♀)の増加
―
0,20,80,320(µg/kg/日)
FCE-21904:0,10,20,40
♂:
LD 50
(mg/kg)
マウス
―
(mg/kg)
20<LD 50<40
FCE-27395:0,10,20,40
♀:
(mg/kg)
A体 *
0,20, 40 (mg/kg)
20<LD 50<40
LD 50(mg/kg) > 40
直接法
0,9.77 - 5000(µg/plate) 陰性
チャイニーズハムスタ
ー(CHL)
代謝活性化法
直接法
代謝活性化法
0,78.1 - 5000(µg/plate) 陰性
0, 5 - 160(µg/mL)
陰性
0, 40 - 320(µg/mL)
陰性
マウス
経口,単回
ネズミチフス菌
大腸菌
直接法
代謝活性化法
マウス
単回,経口
―
―
―
―
B体 *
100 (mg/kg)
LD 50(mg/kg) > 100
陰性
0, 781.3 - 25000
(µg/plate) 陰性
0, 5000 (mg/kg)
陰性
―
―
―
*:新薬情報提供時に加筆
‐27‐
パーキンソン病治療薬としての承認申請時に提出された雌ラットを用いた妊娠前およ
び妊娠初期投与試験(Seg.Ⅰ)において、使用された投与用量が予想される臨床用量に比
し相対的に低かった事実(本薬の薬理作用によりげっ歯類に特異的な着床阻害が発現する
ため、妊娠動物の確保の必要上、投与用量を下げざるを得なかった)に関連して、調査会
より、「今後一変申請などを行う際には、適切な動物種を用い十分に評価可能な投与量を
用いた生殖試験を実施し、その成績を提出すること」との指導事項が出された。
指導事項の背景を十分に検討した結果、サルではヒトと同様に妊娠の成立と初期の妊
娠維持に必要なホルモンが黄体形成ホルモンであることからプロラクチン低下による着床
阻害が予測されないこと、さらには評価のための十分な背景データがあると判断されたこ
とより雌サルを用いた受胎能および初期胚発生に関する試験を追加実施した(添付資料ニ
-1)。
新たな追加提出資料は本試験に関するもののみである。以下に追加試験を含めた毒性の
概要を示した。
カベルゴリンはフリー体で申請されているが、毒性試験は二リン酸塩で実施された。従
って、カベルゴリンと同二リン酸塩との毒性の同等性を確認するため、マウス、ラットお
よびサルでの単回投与毒性試験ならびにサルでの 13 週間反復投与毒性試験の 4 試験で両
物質の比較検討を行い、両者間に毒性学的な差異がないことを確認している。
Ⅰ.単回投与毒性
マウス、ラットおよびサルを用い経口投与により実施した。
マウスでは経口投与での LD50 が雄で 386.1mg/kg、 雌で 665.7 mg/kg、静脈内投与では
雄で 21.2 mg/kg、雌で 24.4 mg/kg であった。
ラットでは経口投与での LD50 が雄で 309.2 mg/kg、 雌で 448.7 mg/kg、静脈内投与では
雌雄ともに 22.2 mg/kg であった。
サルでは経口投与で 20 mg/kg を投与しても死亡例の発現は認められなかった。
比較のために実施したカベルゴリンの経口投与による LD50 はマウスの雄で 426.8 mg/kg、
雌で 693.6 mg/kg、ラットの雄で 436.9 mg/kg、雌で 500 mg/kg 超 800 mg/kg 未満、サルでは
20 mg/kg を投与しても死亡例の発現は認められない等、二リン酸塩との間に差は認められ
なかった。
Ⅱ.反復投与毒性
ラットおよびサルでの13週間反復経口投与試験を実施した。
ラット(0, 50, 500, 5000 µg/kg)では全投薬群に薬理作用に由来する所見ならびに肝薬物代
謝酵素の変動がみられた他、500 µg/kg 以上の雌雄で皮膚病変の発現および胸腺重量の減
‐28‐
少が、雄で尿素値の上昇が、雌で尿量の増加、副腎の腫大および同皮質過形成が、5000
µg/kg の雌雄で興奮、GOT および尿素値の上昇、尿量の増加、肝臓および腎臓の脂肪沈着
が、雌で摂餌量の増加および GPT の上昇等がみられた。4 週間の休薬により、薬理作用
による変化と推察される卵巣の腫大等を除き回復性が認められた。ラットでの無毒性量は
肝臓および腎臓への脂肪沈着ならびに神経刺激症状がみられなかった 500 µg/kg/日と考え
られた。
サル(0, 32.6, 326, 3260 µg/kg)では 3260 µg/kg の雌雄で死亡および切迫屠殺例が発現し、
赤血球数、血色素量、ヘマトクリット値および白血球数の減少、尿素窒素値、グロブリン
比およびカリウム値の上昇、総蛋白値の低下、副腎および肝臓重量の増加、副腎の束状帯
過形成等がみられた。他の用量では特記すべき異常所見が認められず、サルでの無毒性量
は 326 µg/kg/日と考えられた。
サル(0, 360, 1080, 3240 µg/kg)でのカベルゴリン二リン酸塩およびカベルゴリンの13週間
毒性比較試験では、両物質間に毒性学的な差異は認められなかった。
ラットおよびサルでの12ヵ月間反復経口投与試験を実施した。
ラット(0, 50, 400, 3200 µg/kg)では、全投薬群に薬理作用に起因したと推察される卵巣の
腫大等がみられた他、400 µg/kg以上の雌で一般状態の悪化が、3200 µg/kgの雌雄で血小板
数の減少および腺胃の出血性糜爛が、雌で体重増加抑制がみられた。4週間の休薬により、
卵巣および副腎等にみられた薬理作用に由来する変化以外は回復性が認められた。ラット
での無毒性量は、薬理作用による一連の所見を除けば、毒性学的に意味のある所見が認め
られなかった50 µg/kg/日と考えられた。
サル(0, 50, 250, 1250 µg/kg)では1250 µg/kgの雄1例が4日間の鎮静状態の後、昏睡状態と
な り 切 迫 屠 殺 さ れ た 。 そ の 他 の 投 薬 群 に 異 常 は 認 め ら れ ず 、 サ ル で の 無 毒 性 量 は 250
µg/kg/日と考えられた。
Ⅲ.生殖発生毒性 ………………………………………………添付資料ニ-1、参考資料ニ-1~5
ラットSeg.Ⅰ試験は雄投与試験(0, 20, 80, 320 µg/kg)と雌投与試験(0, 0.5, 1, 2 µg/kg)を実
施した。
雄投与試験では雄親動物の生殖機能および胎児・新生児に対する影響は認められず、
無毒性量は320 µg/kg/日超と考えられた。雌投与試験では雌親動物の生殖機能および胎
児・新生児に対する無毒性量は、2 µg/kg/日と考えられた。
雌カニクイザルSeg.Ⅰ試験(0,30, 100, 300,1000 µg/kg)では、生殖能および初期胚発生に
及ぼす影響を調べるとともに妊娠100日に帝王切開を実施し、胎児への影響についても検
討した結果、母動物に対する一般毒性学的無毒性量は、300 µg/kg/日と考えられた。しか
しながら、カベルゴリン投与による受胎能力および胚・胎児発生に及ぼす影響は1000
µg/kg/日でも認められなかった。
ラットSeg.Ⅱ試験(0, 12.5, 25, 50, 100 µg/kg)では、100 µg/kgで母動物に投薬期間中の体
‐29‐
重増加抑制と摂餌量の減少および初期流早産が認められ、自然分娩による出生児には低体
重推移がみられた。母動物での一般毒性学的な無毒性量、母動物の生殖機能に対する無毒
性量および次世代児に対する無毒性量はいずれも50 µg/kg/日と考えられた。催奇形性作用
は100 µg/kg/日でも認められなかった。
ウサギSeg.Ⅱ試験(0, 5, 50, 500, 2000, 4000, 8000 µg/kg)では、母動物において500 µg/kg以
上で被刺激反応の増加および体重、摂餌・摂水量の減少が、4000 µg/kg以上で胎児重量お
よび胎盤重量の減少が認められた。一般毒性学的無毒性量は50 µg/kg/日、胎児に対する無
毒性量は2000 µg/kg/日と考えられた。催奇形性作用は8000 µg/kg/日でも認められなかった。
ラットSeg.Ⅲ試験(0, 1, 3, 10, 30, 100 µg/kg)では、10 µg/kg以上で授乳期間中の母動物の
体重増加量および摂餌量の減少ならびに薬理作用による母動物の泌乳の減少に起因したと
思われる新生児体重の低値および発育分化の遅れがみられたが、学習行動、生殖機能検査
ならびにF2 に対する影響は認められなかった。母動物の一般毒性学的無毒性量および新
生 児 の 発 育 に 対 す る 無 毒 性 量 は 3 µg/kg/日 、 新 生 児 の 生 殖 機 能 に 対 す る 無 毒 性 量 は 10
µg/kg/日と考えられた。
雌カニクイザルでの受胎能および初期胚発生に関する試験
……………………………………………………………
添付資料ニ-1、参考資料ニ-1
一群10匹の雌カニクイザルにカベルゴリンの0, 30, 100, 300および1000 µg/kg/日を、交
配前2月経周期、交配期間最長3月経周期および妊娠20日まで経口投与し、受胎能および初
期胚発生への影響を検討するとともに、妊娠100日に帝王切開を実施し胎児への影響につ
いても検討した。投与量は雌カニクイザルを用いた用量設定試験(1000, 1500 µg/kg)(参考
資料ニ-1)の結果から、異常行動の認められた1000 µg/kg/日を最高用量とし、以下300,
100および30 µg/kg/日を設定した。
成績の概要を表ニ-2および表ニ-3に示した。
死亡は認められなかった。一般状態では、1000 µg/kg群において視線をそらす、ケージ
の格子を掴むあるいは欠伸を頻繁にするなどの異常行動が3例に認められ、このうち2例で
は投与期間中継続し、1例では散発的に認められた。体重および摂餌量においては本薬投
与による影響は認められなかった。
交配前および妊娠期間中の血清中17β-エストラジオール、プロゲステロンおよびプ
ロラクチン濃度の推移、月経周期、交尾率および受胎率に関しては、本薬投与による影響
は認められなかった。
妊娠期間中に実施した胎児観察において、300 µg/kg群の2例(妊娠33および 37日)および
1000 µg/kg群の1例(妊娠44日)に胚死亡が確認された。しかしながら、いずれの確認日も投
薬が終了して2週間以上が経過している時点であること、さらには試験実施施設における
1993-1999年の背景データでは、自然発生の流産および胚・胎児死亡は平均8.2% (最小-
‐30‐
最大値:0-20% )みられていること、また妊娠25日から40日にかけては最も自然発生の流
産の発現が多い時期であることより、本試験において認められた胚死亡は薬物投与による
影響とは考えられなかった。
妊娠100日に摘出した胎児はいずれも生存しており、胎児体重、胎盤、胎盤重量、胎児
の外形、内臓ならびに骨格所見にも本薬投与による異常は認められなかった。
トキシコキネティクス(TK)では、30 µg/kg群の血漿中濃度はほとんどが定量限界(0.02
ng/mL)未満であったためパラメーターの群平均値は算出できなかった。100, 300および
1000 µg/kg群のTmaxは1~2時間で、CmaxおよびAUC0-24hr は投与量の増加に伴い増大した。
予想臨床用量における曝露量との比較においても、生殖能および初期胚発生に対する無毒
性量の1000 µg/kg群では、Cmax (pg/mL)で46.9倍(1360 / 29(概要77頁、表ヘ-6))、AUC024hr
(pg・hr/mL)で15.3倍(6870 / 450(概要77頁、表ヘ-6))となり、十分な安全域が認められ
た。
以上の成績より、親動物に対する一般毒性学的無毒性量は300 µg/kg/日 、生殖能および
初期胚発生に対する無毒性量は1000 µg/kg/日 と判断された。
‐31‐
表ニ-2 雌カニクイザルでの受胎能および初期胚発生に関する試験成績
動物種、年齢、体重
投与経路・投与方法
投与量 (µg/kg/日)
カニクイザル、♀:4-11歳、2.55 - 4.49 kg
経口投与:カベルゴリンを二倍当量のリン酸溶液に溶解させ、精製水
にて希釈し経鼻用ゾンデを用いて強制経口投与した。対照群には精製
水を投与した。投与容量は5 mL/kgとした。投与期間は、交配前2月経
周期、交配期間最長3月経周期および妊娠20日までとした。
対照群
30
100
300
1000
10
10
10
10
10
死亡数
0
0
0
0
一般状態
–
–
–
-
0
異常行動
(3例)
/
–
–
-
–
/
–
–
-
–
/
NT
NT
NT
–
動物数
♀
親動物(♀)
体重
1)
摂餌量
1)
ホルモン濃度推移
月経周期
a),2)
1)
交尾率(%)
受胎率(%)
受胎率(%)の背景値
b)
/
–
–
–
–
100
100
100
100
100
90
90
70
90
70
63.6±13.1%(最小値:40%、最大値:80%)
胎児
途中死亡胎児数
0
0
0
2 (33,37日)
1 (44日)
観察胎児数
9
9
7
7
6
胎児体重(g)
c),1)
113.88±15.84
胎盤重量(g)
c),1)
42.86±7.62
47.92±6.99
44.29±9.95
54.21±14.34
49.28±13.15
胎児計測値
d),1)
/
–
–
–
–
1)
/
–
–
–
–
外形異常児数
0
0
0
0
0
内臓異常児数
0
0
0
0
0
骨格異常児数
0
0
0
0
0
胎児臓器重量
無毒性量
親動物
124.41±16.99 120.29±15.68 133.77±16.95 122.85±14.58
一般毒性:300 µg/kg/日、生殖毒性:1000 µg/kg/日
1000 µg/kg/日
胚・胎児発生
– : 特記すべき所見なし
/:有意差検定の対照
NT:測定していない。
a):交配前および妊娠期間中の血清中17β−エストラジオール、プロゲステロンおよびプロラクチン
濃度
b):
における
年の背景データ
c):平均±標準偏差
d):頭幅、眼窩間距離、頭臀長、尾長、前肢長、後肢長等
1):Bartlett法により等分散の検定後、Dunnett法あるいはKruskal-WallisのH検定
2):Wilcoxon検定
‐32‐
表ニ-3 雌カニクイザルでの受胎能および初期胚発生に関する試験の
トキシコキネティクス成績
投与量、動物数、
成
血漿中パラメータ
投与量 (µg/kg/日)
30
100
300
1000
5
5
5
5
Cmax(ng/mL)
NC
0.07±0.03
0.33±0.30
1.36±1.03
Tmax(hr)
NC
1.0±0.0
1.2±0.4
2.0±1.2
AUC0-24hr(ng・hr/mL)
NC
0.53±0.41
1.72±0.90
6.87±2.95
C1h (ng/mL)
NC
0.07±0.03
0.32±0.31
1.29±1.09
C2h (ng/mL)
NC
0.04±0.01
0.22±0.19
0.76±0.34
C1h (ng/mL)
NC
0.05±0.03
0.23±0.17
1.76±1.18
C2h (ng/mL)
NC
0.03±0.02
0.24±0.28
0.90±0.45
C1h (ng/mL)
NC
0.05±0.03
0.34±0.35
1.19±0.71 a)
C2h (ng/mL)
NC
0.02±0.02
0.28±0.30
0.59±0.34 a)
動物数
投与開始日
投与50日
妊娠20日
績
平均±標準偏差
投与開始日の投与前、投与後1, 2, 4, 8および24時間に、投与50日(初回交配前)および妊娠20
日の投与前、投与後1および2時間に採血し、LC-MS/MS法によりカベルゴリン濃度を測定し
た。
NC:5例中3‐5例において定量限界(0.02 ng/mL)未満であったため解析できなかった。
a):1例不妊であったため4例のデータ
‐33‐
Ⅳ.依存性
カニクイザルを用いて実施した。急性行動観察試験において、自発運動の亢進および
興奮が観察された。身体依存性の形成、退薬症候の抑制および精神依存性の形成は認め
られなかった。
Ⅴ.抗原性
モルモットおよびマウスを用いた抗原性試験において抗原性は認められなかった。
Ⅵ.遺伝毒性
細菌を用いる復帰突然変異試験、培養細胞を用いる遺伝子突然変異試験、染色体異常
試験およびマウスを用いる小核試験で検討したが、遺伝毒性は認められなかった。
Ⅶ.がん原性
マウスおよびラットを用いて検討した結果、ラットにおいて種特異的な反応と推察さ
れる精巣の間細胞腫の増加および子宮の悪性腫瘍のわずかな増加が認められた。
Ⅷ.代謝物の単回投与毒性
主要代謝物 2 物質(FCE-21904、FCE-27395)をマウスに静脈内投与して検討した。2
物質とも LD50 は 20mg/kg 超 40mg/kg 未満となり、その他の所見も含め、カベルゴリンと
の間に毒性学的な差は認められなかった。
Ⅸ.原薬中不純物および製剤中分解物の毒性
カベルゴリンの副生成物である A 体 * の毒性についてはマウスを用いた単回投与毒性試
験、A 体 * 添加原薬を使用しての細菌を用いる復帰突然変異試験および哺乳類培養細胞を
用いる染色体異常試験の 3 試験により評価した。A 体 * の毒性はカベルゴリンと同程度あ
るいはそれより低いものと推察された。
カベルゴリンの製剤中の分解物である B 体 * の毒性については、カベルゴリンの強制劣
化品を用いたマウスでの単回投与毒性試験、細菌を用いた復帰突然変異試験ならびにマウ
スを用いた小核試験の 3 試験により検討した結果、標準製剤との差は認められなかった。
*:新薬情報提供時に加筆
‐34‐
Ⅹ.考察
パーキンソン病治療薬としての承認申請時に調査会より、「今後一変申請などを行う際
には、適切な動物種を用い十分に評価可能な投与量を用いた生殖試験を実施し、その成績
を提出すること」との指導事項が出された。指導の背景には同承認申請に際し提出された
雌ラットを用いた妊娠前および妊娠初期投与試験(Seg.Ⅰ)での投与量が予想される臨床用
量に比し相対的に低い(0, 0.5, 1, 2 µg/kg)という事実があった。すなわち、本薬の薬理作
用であるプロラクチン低下作用に起因してげっ歯類に特異的な着床阻害が発現するため、
妊娠動物を確保する必要上、予想臨床用量に比し相対的に低い用量を設定せざるを得なか
った。これに対し調査会では、新たな適応症、特に産婦人科への適応拡大については当該
試験の投与量では安全性を十分に担保できない可能性があるとの懸念が示された。
本指導に従い、プロラクチン低下による着床阻害が予測されない雌サルを選択し、最高
投与量1000 µg/kgを用いた受胎能および初期胚発生に関する試験を実施した。その結果、
新規適応症での予想臨床用量(高プロラクチン血性排卵障害での最高投与量:1.25 mg/
週;体重50 kgとして25 µg/kg/週、産褥性乳汁分泌抑制での投与量:1.0 mg単回;体重 50
kgとして20 µg/kg)に比し十分な高用量である1000 µg/kgにおいても雌サルの受胎能およ
び初期胚発生には何らの影響も認められなかった。さらに、妊娠100日に帝王切開を実施し
胎児への影響についても検討したが、本薬投与に起因した影響は認められなかった。なお、
TK/PKデータでの比較においてもサルでの1000 µg/kg投与による曝露は、ヒトでの1.0 mg
投与時のそれに比べCmaxで 46.9倍(1360/29)、AUC0-24hrで15.3倍(6870/450)に相当する。加
えて、臨床では週1回投与あるいは分娩後1回投与であるのに対し、生殖試験は連日投与で
実施されており、曝露量での比較においても十分な安全性が示されたものと思われる。
以上より、パーキンソン病承認時の指導事項に基づいて追加実施した生殖毒性試験では、
適切な動物種であるカニクイザルを用いて、本薬の臨床における安全性が十分に評価可能
な投与量を用いて検討した結果、特に問題となる所見は認められなかった。このことから、
産婦人科領域への適応拡大申請にあたり、生殖発生毒性試験における安全性は担保できた
と考えられる。
‐35‐
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