第 5 回低燃費タイヤに関する実態調査

報道発表資料
2014 年 1 月 28 日
(株)日本能率協会総合研究所
第 5 回低燃費タイヤに関する実態調査

低燃費タイヤ購入経験率は着実にアップ、購入理由としては「低燃費性能」と「価格の手
頃さ」が二大理由となっている。

低燃費タイヤ未購入・購入意向層において、低燃費タイヤの購入促進要因としては「低燃
費性能に伴う経済性向上」が最大要因である一方、「価格が高そう」「低燃費タイヤのこ
とが良く分からない」等イニシャルコストとランニングコストの関係性が十分理解されて
いない消費者も数多く存在しており、昨年度調査結果同様、普及促進の課題となっている。

低燃費タイヤは、現状では経済性が重視されているが、昨年度調査結果同様、環境面で良
さはあまり理解されておらず今後の課題と言える。
株式会社日本能率協会総合研究所(本社:東京都港区 代表取締役:加藤 文昭)は、2010 年 8 月、
2011 年 2 月、2012 年 2 月、2013 年 1 月に引き続き第 5 回目となる「”低燃費タイヤ”に関する実態調
査」を実施し、調査結果をまとめました。
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調査の目的
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日本能率協会総合研究所は、2010 年 1 月の「低燃費タイヤラベリング制度」運用開始に伴う
後付タイヤ市場の変革に着目し、2010 年 8 月に第 1 回の調査を実施しました。
今回は、「低燃費タイヤラベリング制度」運用開始から丁度 4 年間が経過し、時系列的変化を
確認する目的で、一般消費者調査を実施すると共に、後付低燃費タイヤの主要購入チャネルと
なっているカー用品店量販店での状況を調査しました。
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サマリー
1.
2.
自家用車保有者 7,856 名の「エコタイヤ」「低燃費タイヤ」等の購入経験率は 15.8%。
「低燃費タイヤラベリング制度」の認知状況は、「”低燃費タイヤ”の内容・条件を知っている」は
5.9%と低位に留まる。
「低燃費タイヤラベリング制度」認知者 5,207 名の「低燃費タイヤ」購入経験率は 45.9%で前回
(39.8%)に較べ着実にアップ。
低燃費タイヤ購入者 500 名の購入重視点としては「低燃費性能」
(45.4%)と「価格が手頃」
(40%)
が 2 大要因となっているものの、どちらも微減傾向。
低燃費タイヤの購入チャネルは、「カー用品量販店」が 42%で最も多い。また大手カー用品店にお
ける 2013 年のメーカー別販売本数シェア上位 3 社は、ダンロップ、ブリヂストン、ヨコハマで拮
抗状況。なお商品別販売本数シェアでは、ダンロップのエナセーブ EC202、ブリヂストンの
NEXTRY、ヨコハマの ECOS ES31 という状況。
低燃費タイヤ購入意向者の低燃費タイヤの魅力は「経済性」が圧倒的。
同上意向者の非購入理由は、「価格」(36.8%)「低燃費タイヤがよくわからない」(28.8%)。
低燃費タイヤの情報入手の場として「タイヤ販売店(店頭・店員)」が最も多い(購入者 39.2%、
購入意向者 41%)。
3.
4.
5.
6.
7.
8.
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1.
「エコタイヤ」「低燃費タイヤ」等の購入経験率は 15.8%でほぼ前年と同じ

自家用車保有者のうち”エコタイヤ””低燃費タイヤ””省エネタイヤ”等の購入経験率は 15.8%
(前回 15.2%)で、前回調査と同水準。一方、「わからない」が増加しており、普及に伴って
認識・関心の低下が窺える。
2. “低燃費タイヤ”の認知率(内容・条件まで認知)は 5.9%で、低位に留まっている

自家用車保有者では「内容・条件を知っている」は 5.9%(前回 6.1%)、「名前のみを知って
いる」が 60.4%(前回 58.8%)で、低燃費タイヤの認知・理解は進んでいるとは言えない状
況が窺える。
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3. “低燃費タイヤ”の購入経験率は 45.9%で夏用タイヤの半分に迫る

「低燃費タイヤの内容・条件を知っている」及び「名前のみを知っている」との回答者 5,207
名の、2010 年 1 月以降の「低燃費タイヤ」購入率は 45.9%で、低燃費タイヤは着実に普及が
進んでいる。

特に 2013 年は、メーカー各社の低燃費タイヤの品揃えが充実し選択肢が増えたことが、
低燃費タイヤの着実な普及を促したことが窺える。
低燃費
タイヤ非購入者
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4.
“低燃費タイヤ”の二大購入重視点は「低燃費性能」(45.4%)と「価格の手頃さ」(40%)で変
わらず

2010 年 1 月以降に低燃費タイヤを購入した 500 名の購入重視点としては、「低燃費性能が優
れている」が 45.4%(前回 46.4%)、「価格が手ごろだから」40%(前回 41.2%)が上位理
由となっているものの、「販売員の説明」と合わせていずれも低下傾向が見られる。

他方で、「メーカー(ブランド)が好き」は下げ止まりの傾向にある。
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5. “低燃費タイヤ”の購入チャネルは「カー用品専門店」が最も高く 42%を占め拡大傾向

低燃費タイヤの購入先としては、「カー用品量販店」が 42%(前回 40.2%)で最も多く、ま
た高まっている。

「タイヤメーカー系タイヤ専門店」「タイヤ専門店」がやや低下傾向にある中、「ガソリンス
タンド」がやや巻き返した。

一般消費者が後付タイヤとして「低燃費タイヤ」を購入する際の主要チャネルとなっている、
大手カー用品店における「低燃費タイヤ」の販売状況について、2013 年の大手カー用品店(タ
イヤ取り扱い)上位 2 社でのメーカー別販売本数シェアは、トップがダンロップ、次いでブリ
ヂストン、ヨコハマと続く。低燃費タイヤラベリング制度制定後の 4 年間、シェアに変動はあ
るもののシェア順位に変化は無く、4 年間の累計シェアでも順位は変わらない。ただし、大手
3 社は拮抗している。
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また 2013 年は、メーカー各社の新商品投入により、低燃費タイヤを選び購入しやすい環境が
整った年でもあったが、その商品別販売本数シェアでは、トップがダンロップのエナセーブ
EC202、次いでブリヂストンの NEXTRY、ヨコハマの ECOS ES31 と続き、メーカー別の順位
と同じであった。なお、低燃費タイヤラベリング制度制定後の 4 年間でも、ダンロップ以外は
主力銘柄に変更があるものの、ダンロップのエナセーブ EC202 がトップとなっている。
2013年
合計
ダンロップ計
EC202
その他
ブリヂストン計
構成比
2012年
100.0% 合計
2011年
構成比
100.0% 合計
構成比
2010年
100.0% 合計
構成比
100.0%
31.8% ダンロップ計
36.3% ダンロップ計
38.7% ダンロップ計
51.2%
22.3%
EC202
23.4%
EC202
23.5%
EC202
36.9%
9.4%
その他
12.9%
その他
15.2%
その他
14.4%
30.0% ブリヂストン計
31.7% ブリヂストン計
25.9% ブリヂストン計
22.8%
NEXTRY
16.4%
SNK2
15.8%
EX10
12.7%
EX10
18.6%
その他
13.6%
その他
15.8%
その他
13.2%
その他
4.2%
ヨコハマ計
29.3% ヨコハマ計
21.3% ヨコハマ計
25.9% ヨコハマ計
21.2%
ECOS ES31
12.5%
AE-01
10.4%
AE-01
11.2%
Earth-1
15.5%
その他
16.8%
その他
10.9%
その他
14.7%
その他
その他メーカー計
8.9% その他メーカー計
10.8% その他メーカー計
6
9.5% その他メーカー計
5.7%
4.8%
報道発表資料
6.
“低燃費タイヤ”未購入・購入意向者にとっての購入促進要因は「経済性」が 95%で極めて大
きい

過去 5 年間「低燃費タイヤ」購入意向者にとって、低燃費タイヤの「燃費がよく経済的」が最
大の魅力となっている。

一方、「環境」関連の要因を中心に殆どの要因は低下傾向にあり、「経済性」以外のベネフィ
ットの啓蒙の必要性が窺える。また、「エコカーに乗っている」ことも、低位にあるものの、
購入動機となることが窺える。
7. “低燃費タイヤ”未購入・購入意向者にとっての購入阻害要因は季節要因を除くと「価格が高
そう」(36.8%)、「低燃費タイヤのことがよく分からない」(28.8%)が大きい

購入意向者を有していてもが購入に至らない理由としては、物理的な時期の問題(「夏用タイ
ヤの交換時期ではない」)を除くと、「価格が高そう」(今回 38.6%、前回 39.4%)「低燃
費タイヤのことがよくわからない」(今回 28.8%、前回 28.6%)が引き続き二大理由となっ
ている。

低燃費タイヤが着実に普及している反面、「低燃費タイヤのことがよくわからない」とする層
は増加傾向にあり、今後の課題と言える。
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8.
低燃費タイヤの情報は「タイヤ販売店の店頭・店員」「メーカーの WEB サイト」「クルマ専門誌」
が購入の有無に関らず 3 大情報源。「クルマ専門誌」は購入への寄与がやや高い

購入者・非購入者間で「クルマ専門誌の記事・広告」の格差が比較的大きく、購入への寄与度
が高いことが窺える。
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【調査概要】
調査名
低燃費タイヤに関するアンケート
調査内容
調査1
「エコタイヤ」等購入履歴、「低燃費タイヤ」認知状況、購入状況・意向
調査2
「低燃費タイヤ」購入理由、購入時期、購入先、情報入手先
調査3
「低燃費タイヤ」購入意向理由、非購入理由、情報入手先
サンプル属性
調査1
自家用乗用車を家庭に持つ全国の 18 歳以上の男女合計 7,856 名
調査2
調査1回答者のうち、「低燃費タイヤ」を認知し購入した 500 名
調査3
調査1回答者のうち、「低燃費タイヤ」を認知、低燃費タイヤ以外を購入、
低燃費タイヤの購入意向のある 500 名
実施期間
2014 年 1 月 11 日(金)~1 月 13 日(日)
調査方法
オンライン調査
【日本能率協会総合研究所について】
日本能率協会総合研究所は、経営革新の推進団体である社団法人日本能率協会のシンクタンク部門
が独立し、1984 年に設立されました。官公庁の政策立案・計画立案のための調査研究事業と、民
間企業のマーケティング、コンサルティングを行う調査研究事業、および、会員制のビジネス情報
提供サービス事業を行っております。
マーケティング調査においては190万人の良質なモニターを組織化しており、「インターネット
調査」、「FAX 調査」等の定量調査、「グループ・インタビュー」、「パーソナル・インタビュー」
等の定性調査のいずれにも対応可能です。また、一般生活者だけではなく、慢性疾患患者/予備軍
や医療従事者、ビジネスーパーソンなど、出現率が低く調査対象とすることが難しいモニターを事
前にパネル化しており、低コストかつスピーディーに調査を実施することができます。
日本能率協会総合研究所 URL: http://www.jmar.co.jp/
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