2006 年度日本文理大学ラグビー部 ニュージーランド遠征レポート

2006 年度日本文理大学ラグビー部
ニュージーランド遠征レポート
作成者 :監督 永野 裕士
作成日 :2006 年 3 月 18 日
参加者 :総勢 13 名(選手 10 名、マネージャー2 名、監督)
ラグビー部遠征活動報告
1.実施スケジュール
活動内容
DATE
2 月 23 日(木)
早朝 6:00 大学出発、福岡国際空港からシンガポール経由でニュージーランドへ出発(終
日飛行機と空港にて過ごす)
2 月 24 日(金)
正午クライストチャーチ空港到着。3 班に分かれ、街中散策後、ホームステイと面会
2 月 25 日(土)
午前:練習、午後:ホームステイファミリーと活動
2 月 26 日(日)
午前:試合見学、午後:クライストチャーチ市内散策
2 月 27 日(月)
午前:練習、午後:各自ウェイトトレーニング後フリー
2 月 28 日(火)
午前:練習、午後:SRFC 合同練習
3 月 1 日(水)
トレーニングキャンプ(トレッキングコースラン、プール)
3 月 2 日(木)
トレーニングキャンプ(トレッキングコースラン、プール)
3 月 3 日(金)
トレーニングキャンプ(トレッキングコースラン、プール)
3 月 4 日(土)
午前:プールリカバリー、午後:プロリーグ試合見学
3 月 5 日(日)
終日フリー(ホームステイファミリーと過ごす)
3 月 6 日(月)
午前:練習、午後:課題研究
3 月 7 日(火)
午前:練習、午後:SRFC 合同練習、親睦パーティー
3 月 8 日(水)
終日フリー
3 月 9 日(木)
14:00 帰国、クライストチャーチ空港からシンガポール経由で福岡国際空港へ(終日飛
行機と空港にて過ごす)
3 月 10 日(金)
8:00 福岡国際空港到着、バスで大学へ移動し解散
2.ニュージーランドへ向けて
早朝 6 時に大学集合後、バスにて福岡国際空港へ移動。
空港にて搭乗手続きを済ませ、シンガポールへ出発。午後 4 時シンガポール空港到着。
トランジットの為、空港内で待機。
3 グループに別れ、1 時間以内に食事と空港内で 5 件以上の施設周りを指示。
始めて生の英語を話すという事で少し緊張気味も、難なくクリアした模様。少しは自信がついたようだ。
その後、約 11 時間かけてニュージーランドへ。
クライストチャーチ空港到着後、検疫にて 1 年生有田が検疫官の目を見て応対しなかった事から、特別検査
場へ連れて行かれるというハプニング発生。
挙動不審の仕草から、麻薬等の所持の疑いがかけられたものの、ラグビーの遠征という事と、恥ずかしがり
やの性格であることを説明し、予定より 30 分遅れで開放された。
学生の日記より
2 月 23 日日本時間午前 6 時 15 分、私たちは New Zealand へ出発しました。バスの中ではうまく英語が通じ
るのか、そのことで頭の中がいっぱいでした。中略、6 時間の長旅を追え、飛行機は Singapore 空港に到着
しました。
次の Christchurch 行きの飛行機に乗るまで、約 3 時間の自由時間。もう何をするにも英語しか使えません。
単語を並べながら、日本円をドルに換金し、食事、ショッピングを楽しみました。また、国際電話やオイル
マッサージにも挑戦。オイルマッサージでは、ディスカウントにも成功し、心も体も大満足し、明日もまた
頑張っていこうと思いました。
明日は、いよいよニュージーランドに到着。そしてホストファミリーとご対面です。ワクワクドキドキでな
かなか眠れませんが、明日のためにひとまず就寝zzz。
経営経済学部
福岡国際空港にて搭乗前にくつろぐも少し緊張
シンガポール空港にて食事。
女子マネージャー2 人はオイルマッサージなどで、トランジットの時間を満喫。
いざNZへ向け出発
まだリラックスムードも、この後の検疫でハプニング発生
2年
三浦美恵
3.ラグビートレーニング
いよいよNZにて本格的なラグビートレーニングを開始。
シャーリーラグビークラブの全面的なサポートにより、グラウンド、用具、ロッカー、シャワールーム等を
無料で貸与頂いた。見渡す限り、一面の芝生のグラウンドに、学生は大喜び。いつもより新鮮な気持ちでト
レーニングに取り組む面々。
学生の日記より
今日はニュージーランドに来てから始めての練習だったが、まだ時差ぼけしているのかミスが多く、途中か
らラン中心のメニューに変わった。今度の練習はミスがないように頑張っていきたい。
工学部
2年
小出優一
今日の午前中は練習だった。芝で練習できて心地よかった。丸 1 日体を動かしていないのもあって、コンデ
ィションをベストに持っていくのに多少時間がかかったが、100%で練習できたのでよかった。ベストコン
ディションの持っていき方もニュージーランドで学びたいと思う。
経営経済学部
1年
山ノ内卓也
今日は Shirley RFC の練習に参加さえてもらいました。自分達の練習メニューと大きく変わりませんでした
が、コーリング(指示)の声の大きさが全く違いました。アタックもディフェンスも声を出し指示しあう事で、
ぜんぜん違ってくるので、練習でしっかりとコーリングし、試合でコミュニケーションが取れるように頑張
ろうと思います。
工学部
芝生一面のグラウンドで走り回る選手達
練習の説明を受けるも全て英語
2年
兼瀬保幸
クラブ所属、州代表選手と記念撮影
実戦さながら白熱した練習に学生は集中
4.トレーニングキャンプ
3 月 1 日より 3 日間の日程で、クライストチャーチ市から車で 2 時間のハンマースプリングスという温泉地
にてトレーニングキャンプを実施。英語の研修とチーム団結力を高める為、キャプテンを中心に、学生だけ
で 3 日間過ごすこととなった。もちろん、宿舎やバスの手配から現地でのトレーニングにいたるまで、全て
学生のみで実施。費用はOBの支援金(オリジナルウェアの販売等)を充当した。監督は緊急時のみ急行でき
る体制をとり、周辺で待機。チケット手配は、中心街のインフォメーションセンターにて、キャプテン後藤
が代表で行った。英語でのやり取りに悪戦苦闘しながらも、バス時刻の確認、宿舎の手配等、約 30 分程度
で無事終了。監督の私は、バウチャー(チケット)を確認しすべて予約が完了している事を確認。キャプテ
ンの責任感に敬服するばかりだった。
トレーニングキャンプ中は、延べ 30 回以上の連絡のやり取りを行い、状況を確認。引率者としては、同行
したほうが容易である事を痛感する。(次回への反省)
最終日、帰りのバスが故障し、約 2 時間のタイムロスを除けば、大きなハプニングもなく無事終了できた。
この合宿では、キャプテンを中心に選手だけで一致団結し、困難な状況を乗り越え、チームワークを強固な
ものに出来た有意義な時間であった。
学生の日記より
Hummer Springs へ 2 時間かけてバスで移動。その間、運転手が色々とバスガイドをしてくれた。
ニュージーランドの広大な大地に、とても惹かれてしまう(心が)ぐらい、魅力的な景色だった。
Hummer Springs に着いてからは、食事の調達と温水プールに行った。夕食の調達は、でかいハムが 2.5kg
でとても安く、買おうと肉調達班の面々でよく見てみると、ドッグフードだった。
経営経済学部
1年
平田一城
今日はみんなでハイキングに行きました。道中は色々な木々や木の実、きのこなどを見かけました。全てに
おいて、日本の植物より大きい感じがしました。
夕食作りは、昨日より今日のほうが協力してやっていたのでとても良かったし、ラグビーは日常生活のこと
がそのままプレーに反映されるスポーツなので、今日の夕食の準備でのチームプレーは素晴らしかったです。
工学部
1年
安藤隆行
今日は Hummer 最後の日。9 時に起床したのは良かったが、10 時がチェックアウトだったので慌てて部屋
の掃除をした。結構散らかっていたが、自分が指示を出すと皆積極的に行動し、約 30 分で全ての掃除を終
わらせてしまった。以前に比べ、要領よく行動できていた。帰りのバスはどうやら調子が良くないようで、
動いては止まりを繰り返していたが、とうとう止まってしまった。修理に 1 時間半かかり、再出発後は 30
分でクライストチャーチに到着した。
自分達で行った今回の旅は、最後は少しトラブルもあり焦ったが、総合的に見て成功といえるだろう。皆が
まとまって行動できた事が、今回の成功のキーになった。この経験は、今後必ず自分達にとってプラスにな
るだろう。
広大な景観の広がる自然
工学部
共同作業による食事の準備
巨大な松ぼっくり
2年
後藤真一
5.世界最高峰のラグビーリーグ観戦
今遠征の目玉の一つである、世界最高峰のラグビーリーグのライブ観戦が実現した。
通常、チケットを手配するのも困難な試合であるが、シャーリーラグビークラブ
ディレクターのスティー
ブ氏の計らいにより、特別にチケットを入手頂いた。
南半球のラグビー強国ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの 3 カ国から、計 14 のプロチーム
が参加し行われる SUPER14 ラグビーは、世界でも最高水準のパフォーマンスが繰り広げられる。
その中でも、滞在しているカンタベリー州の代表チームは、ニュージーランド代表選手を多く擁す強豪チー
ムで、試合は常に超満員状態、熱烈なサポーターでスタジアムが埋め尽くされる。
今回は、レベルの高い試合を観戦し、スキル向上に役立てると共に、海外のプロスポーツの運営等について
も、日本との違いや、ビジネスとしての可能性等を多く学んでほしい事を選手に伝えた。
試合前の入場やアトラクション、ハーフタイムショーや販売グッズなど、試合のみならず試合会場を楽しめ
る工夫については、多くの学ぶべき点があったといえる。
学生の日記より
19:35 キックオフの SUPER14の試合、クルセーダーズ対ブルースを観戦した。
日本のラグビーと違い、ファンと試合の一体感があるのは初めてだった。結構、客席はヒートアップして紙
くずを投げたり、やじったりしていた。世界最高峰の試合なので、スピード感やテクニックが日本と比べも
のにならない。
経営経済学部
2年
平田一城
スタンドに座ると、グラウンドがとても綺麗で、熱狂的なファンも沢山いた。試合前のセレモニーもかなり
派手でびっくりした。試合が始まってからは、タックルもキックも物凄いプレーの連続で、興奮しまくりだ
った。こんなすごい試合を観たのは初めてだし、良いプレーを沢山観たので、真似できるところはまねして
いきたい。自分もいつかあのグラウンドで試合が出来ればいいなあと思う。というか、試合がしたい!
経営経済学部
1年
山ノ内卓也
今日は楽しみにしていたSUPER14の試合観戦の日だ。夕食で時間をかけすぎてしまったので、キック
オフギリギリにスタジアムに到着してしまった。スタジアムに入ると、選手が入場してきた。そして、いよ
いよキックオフ。場内は大歓声に包まれた。試合は、ミスはありながらもやはりプロだけあって、プレーの
一つ一つがすごく勉強になる。やっていることは自分達とほぼ同じだが、スキルの高さや状況判断において
はサプライズの連続だった。キックを蹴りこむ場所、キックチェイス、パスをつなぎギャプを突く。素晴ら
しいプレーの数々に、ただただ圧倒された。この試合観戦で、またラグビーに対する意識が高まった。自分
もいつかこのスタジアムでプレーできるような選手になりたいと思った。
観客の大歓声に包まれたスタジアム
工学部
2年
真剣に試合に見入る後藤選手と安藤選手
後藤真一
6.休暇の過ごし方
今回は、日曜日を終日休みとし、ホームステイファミリーと過ごす時間に設定した。
残念ながら、何軒かのホームステイ先では、仕事の関係などから、一緒に時間を過ごす事ができず、個人で
の観光等になってしまったが、基本的には、ホームステイファミリーの案内での観光や、アクティビティー
を楽しむ事が多い。通常、日中は練習などですれ違いも多いが、一日一緒に過ごす事で、より親交を深める
事ができるほか、現地人しか知らない穴場のスポットなどを体験できる点は、通常の観光旅行では味わえな
い思い出作りとなる。
学生の日記より
今日は一日オフだったので、ホームステイファミリーとアカロアという避暑地に行きました。素晴らしい景
色が広がり、言葉が出ないくらい本当に綺麗な場所でした。私たちはそこでボートに浮き輪をつけて引っ張
る遊びをしました。ウェットスーツを着て浮き輪に乗り、いざ出発。最初はホームステイの人が挑戦しまし
たがスピードの速さにびっくりで怖くて逃げたくなりましたが、覚悟を決めて挑戦しました。持てる全ての
力で浮き輪につかまり飛ばされないようにしましたが、最終的には飛ばされてしまいました。こんな体験は、
日本では簡単にする事ができないので、とても良い思い出になりました。
経営経済学部
2年
福富宏美
今日はニュージーランドに来て初めてのオフ。朝から監督が車で迎えに来てくれて、市内観光をしてくれた。
はじめに行ったのは、海で、その景色はまるで別府湾って感じで、日本が懐かしくなったけど、その波はと
ても荒い波だった。ニュージーランドはヨットが盛んで、朝からヨットがいっぱいだった。海外に来たと実
感した。次に、海の上にある山に行った。途中ガードレールのない断崖を進み、落ちたら間違いなく死ぬで
あろうと恐怖感を覚えたが、その先の頂上の景色はエメラルドグリーンの海が太陽の光に降り注がれ、絶景
だった。
経営経済学部
2年
新地貴史
今日は海に行き、そして日本の観光ツアーでは行く事ができない名所を巡った。キウィバードのいる動物園
では、金銭面の関係上、キウィを見ることが出来なかった。
夕食にはステーキを食べた。日本とは違い、ボリュームと肉の厚みが比べ物にならない。味に関しては、コ
メントを差し控えさせてもらう事としよう。
経営経済学部
1年
平田一城
天然記念物のキウィを見に行った。ちょっとした動物園みたいなところでサルや鳥、巨大豚、羊などがいた。
見たことのない動物もいたので、ちょっと興奮した。でも、一番興奮したのは天然記念物のキウィだった。
毛がフサフサしていて気持ちよさそうだった。鳥を見てこんなに興奮したのは初めてだった。
経営経済学部
エメラルドグリーンの海
絶景
ボート遊びは最高に面白かった
1年
山ノ内卓也
車にかかった海水を綺麗に掃除
7.親睦パーティーの開催
3 月 7 日(火曜日)の練習終了後、シャーリーラグビークラブのクラブハウスにて、両クラブの共催による親
睦パーティーが開催された。このパーティーは、シャーリークラブ側からの歓迎の意が込められ、NBUラ
グビー部からの受入及び用具やグラウンドの無償貸与、ホームステイの斡旋などへの感謝の意を込めて、両
クラブで共催をする形で実施された。
パーティーには、カンタベリーラグビー協会幹部をはじめ、クラブ幹部、元NZ代表選手、ホームステイフ
ァミリー、現地で色々とサポートくださった方々を招き、盛大に行われた。
また、日本の社会人ラグビー神戸製鋼で活躍されている高森選手なども、急遽駆けつけて頂き、学生と親交
を深める事ができた。パーティーは、終始和やか且つ賑やかなムードで進み、開始から 4 時間後の 11 時半
に閉会した。来年度以降も、本学の遠征に際しては、本年度と同様のご協力を頂ける事をお約束頂いた。
監督日記より
今日は一日忙しかった。朝はラグビーパークでクルセーダーズの練習見学。その後、色々と用事を済ませて 6 時か
らシャーリーとの合同練習。終了後にはパーティーだった。
パーティーでは、協会やクラブの幹部に沢山出席頂き、正直驚いてしまった。また、これまでお世話になったホーム
ステイファミリーの皆さんとも色々と話が出来てよかった。更に、日本人の友人たちも駆けつけてくれて、学生とNZに
ついて話をしてくれた。学生にとっては良い経験になったと思うし、なにより、両クラブの友好関係が構築できた事が
収穫であった。キャプテンの後藤はスピーチで一生懸命お礼の意を表現してくれた。普通は恥ずかしがって嫌がる
はずなのに、進んで引き受けてくれたことに心から敬意を表したい。
うまく英語が話せずに苦労した学生も多いと思うが、それなりの 準備期間はあったし、活動も行ってきた。しっかり準
備してきた面々は、それなりに 片言ながらコミュニケーション を取れていた。英語の辞書も持参しないで参加した
面々は、それなりであったろう。世の中そんなに甘くないという事を、心の底から実感してくれたと思う。とはいいなが
らも、学生が日に日にたくましく成長する姿を見ていると、引率の気苦労も吹っ飛んでしまうのが不思議だ。
カンタベリー協会ミッチェル氏
ホームステイファミリーとの歓談
ホームステイファミリーとの記念撮影
シャーリークラブ
スティーブ氏
遠征メンバーのみでの記念撮影
8.代表チーム練習見学
この日は、先日観戦した SUPER14 のカンタベリークルセーダーズの練習見学を行った。
兼ねてから交流のある、ニュージーランド代表フィットネスコーチで、クルセーダーズでもコーチを務める、
アシュリー・ジョーンズ氏の計らいにより、特別に練習見学をさせて頂いた。(試合前ということで一般公開
禁止日だった)私も学生たちも、目の前に先日の試合で、フィールドで活躍していた選手達が練習をしている
事に、興奮を憶えた。練習の内容を必死にメモに取る学生や、食い入るように見つめるまなざし、まるで子
供のようだった。練習終了後に始まった個人練習も、学生にとっては良い勉強になったと思う。
全ての練習が終了した選手がロッカールームに戻るとき、学生達は一斉にサインや写真をとりに行った。
ちゃんとお願いできるのかな?と心配したが、何とか通じているようだ。私は知り合いのコーチと、代表メ
ンバーである元チームメイトと話をして、色々とトレーニングの情報を集める事ができた。
練習後の疲れたときでも、いやな顔一つせずにサインや写真に応じる代表選手達に、学生は更なる感動と尊
敬を憶えたようであった。
学生日記より
今日はラグビーパークでクルセーダーズの練習を見学した。スキル練習、ディフェンス練習を見ましたが、
スピード、パワー全てにおいて、圧倒されました。その後、サインと写真を撮ってもらいましたが、クルセ
ーダーズの選手達は、何一ついやな顔をせず、私達に振舞ってくれました。日本の有名な選手はうぬぼれて
しまう事が多いですが、彼らは初心を忘れていないと思います。私はその様な、心のコントロールが出来て
いることがすごいと思いました。
工学部
1年
安藤隆行
ニュージーランド12 日目。残り2 日。今日は 9 時から軽く練習を行い、その後クルセーダーズの練習を見学した。
シーズン中ということでコンビネーションや確認が多かった。やはり、クルセーダーズの選手達は、練習中によく声を
出していた。特にWTBの選手が一番声を出していたと思う。世界最高峰のチームがこうして声を出しているのだか
ら、自分達はもっと声を出さなければいけないと思った。
経営経済学部 1 年 羽川武蔵
クルセーダーズ練習風景
白熱した練習の模様
最後は全員でミーティング
NZ代表カーター選手と記念撮影
NZ代表キャプテンと安藤選手
NZ代表コーチ
アシュリー氏
9.帰国
3 月 9 日、いよいよ帰国の日がやってきた。
各々に、朝から荷物をまとめ、ホームステイファミリーとの最後の朝食を摂り、別れの挨拶をしたのち、車
で空港まで移動。
ここで、新たな問題が浮上。出国に際しては、空港利用税 25 ドルが必要になるのであるが、監督さえも知
らずにいたため、急遽現地にてみんなの有り金をかき集め、何とか対応する事となった。(後日返却)
そして次なる問題が浮上。海外旅行では、帰国の際にはお土産などで荷物の重量が往路より確実に重くなる
のである。この際に、航空会社によっては重量制限オーバー1kgに対し高額の超過料金を課してくる。
殆どの学生が重量オーバーであるため、何とかすり抜ける方法をみんなで考えた。
とりあえず、荷物の分散を行い、一人当たりの重量を軽減して、更に、団体でチェックインする事で厳しい
重量チェックをすり抜ける作戦を取った。
ところが、何とか団体カウンターへ進むことが出来たものの、一人ずつのチェックインとなってしまい、結
局、都度重量をカウントされる事となった。万事休すである。しかし、ここで神風が吹いた。一人目の学生
がラグビークラブのバックを持っていたため、受付のNZ人が反応したのである。そう、ここは国技がラグ
ビーの国である。そのあとは、最後の学生がチェックインを終了するまで、延々とラグビーの話をして盛り
上げた。受付けも事務的に処理をする傍ら、ラグビーの話に熱中し、重量の事など頭にない。
実に運が良い出来事であった。危うく、総額 10 万円以上の超過料金を支払うピンチを、ラグビーバッグが
救ってくれたのである。
こうして、約 13 日間のNZ滞在を無事に終え、シンガポール空港を経由して、翌朝 8 時に福岡国際空港へ
到着。学校バスにて学校に到着したのが、午後 1 時頃であった。
総括
2 週間とは言え、初めての海外生活は、学生に沢山の経験を与えてくれた。
正直、入国間もない頃には、ホームステイファミリーとの接し方がわからず、意思疎通も取れないことから、
日本に帰りたいと漏らす者も少なくなかった。食事になじめずに、日本食レストランに足を運んだものもい
た。どういうつもりか、英語の辞書さえも持参せずに遠征に参加した者もおり、結果的に大変な苦労を強い
られる事となった。また、全ての移動には公共の交通機関であるバスを利用させた。
ニュージーランド到着と同時に、学生だけで空港から街中までバスで移動させた。その後、街中からグラウ
ンド、ホームステイ先からグラウンドなど、極力英語を使って移動するよう指示をした。
結果、3 日目あたりから、ショッピングモールのフードコートで食事を注文し、買い物、市内のバス移動、
道に迷ったときの対応なども身につけることが出来るようになり、少し自信がついたのかラグビーに集中で
きるようになった。現地クラブチームとの合同練習もかなり刺激的だったようで、日本では見ることの出来
ない好奇心に満ち溢れた表情で練習に取り組む選手の姿を見られたことは、監督として非常に勉強になった。
今後、ラグビー部として発展する為の大きな一歩であったと共に、継続してゆく事で、学生にとっては将来
的に価値ある経験になる事は間違いない。更に、この活動を一般の学生にも展開できるよう、可能性を追求
する事が、日本文理大学の発展に寄与して行くものと考える。
遠征中は学生に日記を書かせ提出させた。携帯メール世代という事もあり、文章も支離滅裂で誤字脱字も多々
あり、これから胸を張って社会に送り出す為の苦労を実感した。この日記は、コメントを書き、コピーをと
って保護者へ郵送する事とする。保護者にも学生の成長や苦悩を把握して頂くためである。
最後に、この遠征の成果を、競技成績ばかりでなく、学生の人格形成、ラグビー部の学生募集活動など、あ
らゆる面で活用していきたいと考える。