【外灯用の各ランプの特長について】

第 141 回
平成 27 年2月号
【外灯用の各ランプの特長について】
上水施設などで夜間作業・点検等を行うため外灯を設置する場合がある。外灯で使用するラン
プにはいくつか種類があり、大きく分けて高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、LED
の3種類がある。高圧ナトリウムランプとメタルハライドランプは HID(高輝度放電ランプ)に分
類される。今回はそれぞれのランプの特長と利点・欠点について述べる。
高圧ナトリウムランプはガラス管に高圧ナトリウムガスを封入し、ガス中に放電を起こしてガ
スを加熱し発光させるものである。誘虫性が低くランプや取付器具が安価なので初期投資が小さ
いなどの利点がある。その一方、光色は演色性が低く橙色が強い。発光効率は約 70~100 ℓ m 程
度で機器寿命は LED と比較して短く(約 24000 時間)、始動時間が遅い(15~20 分)。またガスを加
熱して発光させるため発熱量が大きく熱ストレスが大きいため安定器は約 10 年に 1 回交換する
必要があるなどの欠点がある。光色に制約が無く初期投資を抑えたい場合に有効なランプである。
メタルハライドランプはガラス管に水銀とハロゲン化金属の混合ガスを封入し、高圧ナトリウ
ムランプと同様にガス中に放電を起こしてガスを加熱し発光させるものである。発光効率が高く
(約 100~110 ℓ m)、演色性は最も高く光色は昼白色に近い。その一方誘虫性が非常に高くランプ
や取付器具はやや高額である。機器寿命は LED と比較して短く(約 24000 時間)、始動時間が遅い
(10~30 分)。発熱量が大きく熱ストレスが大きいため安定器は約 10 年に 1 回交換する必要があ
る。寿命末期には光色が青緑色になるものがあるため青信号と誤認する恐れがあり道路灯として
の利用は少ないなどの欠点がある。なお水銀含有量が少ないため水銀ランプとは区別される。昼
白色光が必要で初期投資を抑えたい場合、紫外線が必要な場合などに有効なランプである。
LED は発光ダイオードを利用したランプで、電流の ON-OFF でランプを点滅できるため瞬時に点
灯でき始動時間は非常に短い。発光効率は高く(約 110~120 ℓ m)、演色性はメタルハライドラン
プほど高くはないが、白色光であり、発熱量は少ない。LED の最大の利点は、省電力で寿命が非
常に長く(約 60000 時間)、熱ストレスが小さいため電源ユニットもランプと同程度の寿命がある
ことが挙げられる。寿命が長いため機器交換回数が少なく、高所作業等の費用も抑制できる。初
期投資が高額でありランプのみの交換が出来ず誘虫性は高圧ナトリウムランプよりやや高いな
どの欠点はあるが、
弊社検討で初期投資と 60000 時間分の維持費(電気代や機器交換費)合計は LED
が最も低コストであることがわかった。消費電力が小さいため電気使用による二酸化炭素発生量
も最も少ない。初期投資に制約が無く維持管理費等を抑制したい場合に有効なランプである。
なお、水銀ランプはガラス管破損時に有毒な水銀が拡散する危険性があるため、国際条約で
2020 年以降は製造禁止となることが決定している。今後新規の使用は推奨できない。
光色による使用目的や光量、許容可能な初期投資費用等により、これらのランプを使い分ける
必要がある。ランプは上水施設のみでなく道路灯や工場、公共施設など様々な場所で利用できる
ものであり、本文は多くの分野の方にも役立つのではないかと自負している。本文が様々な分野
で照明器具を新規導入する際、参考の一助となれば幸いである。
株式会社 アクアプランニング
担当 庄
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