ロータリー平和センター - 国際ロータリー 第2580地区 Rotary

ロータリー平和センター:
ロータリアンのための
プログラムの手引き
国際ロータリーのロータリー財団
目次
目的
4
候補者の募集と選考
9
オリエンテーションと受け入れ
15
学友
16
リソース
17
補遺
0
ロータリー平和センター・プログラムの沿革
19
ロータリー平和フェローシップと国際親善奨学金の違い
20
本資料は、
「ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き」
(085)の2012年版です。本手引
きは、発行時において正確な情報を掲載していますが、諸事情により、ロータリー財団は記載情報を変更する権限を
有しています。最新情報は、www.rotary.org/rotarycenters(画面下の「日本語」をクリック)をご参照ください。
085-JA—(1212)
ロータリー地区は、ロータリー平和センター・プログラムを通じて、ロータリー財団が目指す平和推進と教育的活
動に参加することができます。この手引きは、プログラムの概要を紹介し、フェローシップ候補者の募集・選考手
続やプログラムの推進について説明しています。
申請希望者は、ロータリー平和フェローシップについてさらに多くのことを知り、このプログラムが自分のキャリア
目標とどのように関係するかについて関心を持っていることでしょう。フェローシップ小委員会と協力して候補者
を選考する際にも、本手引きをご活用ください。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 3
目的
ロータリー平和センターは、以下のような形で、
「健康状態の改善、教育への支援、および貧困の救済」という
ロータリー財団の使命達成を助長します。
•• 平和、親善、紛争の原因と世界理解の問題に関する研究、指導、出版、および知識の増進を図る
•• 現場で活動する人々と研究者との交流を通じて、能力、知識、技能を向上させながら、平和と寛容の文化を目
指して努力するよう人々を鼓舞する
•• 平和と紛争解決の分野において、国際的で高度な教育の機会を提供する
•• 世界理解と平和を達成するために、人々の間により効果的に寛容と協力の精神を促進する手段をロータ
リー財団とロータリアンに提供する
毎年、修士課程で学ぶロータリー平和フェローシップ最高60口と、専門能力開発のための修了証取得プログラ
ムで学ぶロータリー平和フェローシップ最高50口が提供されており、世界競争制でフェローを選出しています。
ロータリー平和センターは、独自の多様な学際的プログラムを通して、世界各地で紛争の原因となる諸問題の解
決のために平和フェローが主導的役割を果たせるよう、学問的かつ実践的な研修を提供します。
プログラムの選択肢
ロータリー平和センター・プログラムには、修士号取得プログラム(期間はセンターにより異なる)と専門能力開
発修了証プログラムの2種類があります。ロータリアンは、関心を持つ申請者に最善のアドバイスができるよう、
両プログラムの違いについて理解しておくようにしてください。
フェローシップ・プログラム
修士号取得プログラム
専門能力開発修了証プログラム
目的
将来のリーダーを育成
今日のリーダーを強化
期間
15~24カ月間(提携大学により異
なる)
3カ月
ロータリー平和センターの数
5
1
フェローシップの数
最高60口
(ロータリー平和センターに
つき12口まで)
最高50口
(1~4月コースと6~8月
コース、1コース25人まで)
実践・実地体験
夏季休暇中、2~3カ月間の実践的な
インターンシップ
カリキュラムの一環として2~3週間
の実習
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 4
ロータリー平和センター提携大学
世界の有名大学と提携して運営されるロータリー平和センターには、平和と紛争解決に関連する国際問題研究の
さまざまな側面に焦点を当てた独自の教育課程があります。学科は大学によって異なり、平和研究、紛争解決、国
際関係、国際開発対策、ジャーナリズム、環境問題、公共保健、教育、行政学およびその他多種が含まれます。プ
ログラムは、フェローに広範な学問的経験を提供することを目的としています。以下は、各提携大学で提供されて
いるプログラムの概要を簡潔に説明したものです。コースはすべて英語で提供されています。
チュラロンコーン大学(タイ、バンコク)
•• 平和と紛争研究の分野における専門能力開発修了証
•• 紛争解決と平和構築の分野の専門家が指導する3カ月集中コースでは、理論と実践の両方が重んじられ、
講師陣と参加者双方の多様な経験が生かされる
•• 世界観を広げ、交渉術を鍛えることを重視
•• 大学から直接入学許可を取得する必要なし
•• 年に2回のコース:1~4月と6~8月
デューク大学およびノースカロライナ大学チャペルヒル校(米国、ノースカロライナ州)
•• 両大学が合同で設置
•• デューク大学またはノースカロライナ大学チャペルヒル校の修士課程、ノースカロライナ大学国際平和と
紛争解決の分野における大学院修了証課程
•• ノースカロライナ大学にて国際開発の大学院修了証、またはデューク大学にて国際開発政策の修了証を取得
•• デューク大学:国際開発政策プログラム。このプログラムは、貧困緩和、管理改善、人権、環境マネージメ
ント、協調プロセスを通じての紛争予防を中心とする政策分析と維持可能な開発に関する学際的研究プロ
グラムとなっている
•• ノースカロライナ大学:幅広いプログラム。人類学、都市および地方計画、教育、地理、歴史、ジャーナリズ
ム、政治学、公共保健、ソーシャルワークなど
•• カロライナ学会誌(Carolina Papers Series)に修士論文を提出できる
•• 期間は、8月からの21カ月間
国際基督教大学(日本、東京)
•• アーツ・サイエンス研究科
•• 平和研究、行政学、国際関係のいずれかにおける修士号
•• 安全保障・紛争解決、開発、紛争と平和構築、平和と紛争解決の心理学、人権論
•• 国際法、開発、環境学、教育、識字の選択コースも受講可能
•• 国連大学のグローバルセミナーや合同大学院セミナーへの参加
•• 日本語能力は必須ではないが、日本語がわかれば本大学で提供されているさまざまな科目を受講できる
•• 期間は、9月からの22カ月間。7月から8月中旬まで、6週間の日本語集中研修プログラムに参加
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 5
ブラッドフォード大学(英国、ウェストヨークシャー州)
•• 人文科学修士課程、平和研究学部
•• 平和研究、紛争解決、アフリカにおける平和と紛争解決、国際政治ならびに安全保障、紛争防衛と開発研
究の分野のいずれかにおける修士号
•• ブラッドフォード大学職員と研究生は、国際安全保障研究グループ、政治および社会変革研究グループ、紛
争解決センターの3つの幅広い分野で研究を実施
•• 期間は、10月からの15カ月間
クイーンズランド大学(オーストラリア、ブリスベーン)
•• 政治学および国際問題研究科の国際関係(平和と紛争解決)修士課程
•• 研究分野:人権、倫理と世界政治、軍縮、世界の女性問題
•• 期間は、2月からの16カ月間
ウプサラ大学(スウェーデン、ウプサラ)
•• 平和・紛争研究学部の平和・紛争研究修士課程
•• 武力紛争の根源、拡大、解決を科学的方法で、考査、調査、分析する能力を習得
•• 地域、国、世界レベルでの戦争、平和、紛争解決の調査・研究における基礎的な課題(安全保障、民主主義
制度、経済開発、人権、性差別など)の系統的な理解を得る
•• 期間は、9月からの22カ月間
入学要件やカリキュラムは各大学によって異なるため、申請者は申請の前に、志望大学に関する情報を詳細に調
べることが重要です。
選考基準と申請資格
ロータリー平和フェローシップ申請者は、以下を備えていなければなりません。
•• 学士号またはそれに相当する学位(修士号取得プログラム)、あるいは職務経験(専門能力開発修了証プ
ログラム)
•• 有給・無給を問わず、関連分野において少なくとも合計3年間のフルタイムの職歴(修士号取得プログラ
ム)
•• 関連分野における中級職または上級職において、少なくとも合計5年間のフルタイムの職歴(専門能力開発
修了証プログラム)
•• 英語に堪能であること。さらに、第二外国語に堪能であること(修士号取得プログラムのみ)。国際基督教
大学(日本)への留学を申請する場合、日本語の語学力は必須要件ではありません。
•• 優れたリーダーシップ能力
•• 個人的活動や社会奉仕活動を通して、または学問上、職務上の実績を通して、国際理解と平和への専心を
実証
ロータリー財団は、大学卒業後直ちにロータリー平和フェローシップ・プログラムに申請することを奨励していま
せん。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 6
留学国。フェローは、自分が国籍または永住権を保持する国にあるロータリー平和センターで学ぶことはできま
せん。ただし以下の場合は例外となります。
•• 日本国籍の人(または日本に在住しているが、日本以外の国で学業を終えた人)が国際基督教大学のロー
タリー平和センターを志望する場合
•• タイ人(まはタイ在住の人)がチュラロンコーン大学のロータリー平和センターを志望する場合
申請者が自国以外の国の二重国籍または永住権を取得している場合は、そのどちらの国のロータリー平和セン
ターにも申請することはできません。
派遣ロータリー地区と関係のある外国籍の人、または母国で派遣してくれる地区を見つけることができない他国の
人を、フェローシップに推薦することも可能です。
大学からの入学許可。フェローは、指定されたロータリー平和センターへの入学許可を得なければなりません。
入学許可が得られなかった場合、フェローシップは無効となります。大学入学許可の決定権は、最終的には大学
側にあります。いかなる場合においても、選出された平和フェローのために、ロータリー財団が入学手続に関して
介入することはできません。ただし、チュラロンコーン大学のロータリー平和センターに指定された平和フェロー
に限っては、大学に入学許可を申請する必要はありません。
申請者は、ロータリー平和センター・プログラムを修了し、フェローシップ支給期間の終了時に修士号あるいは修
了証が取得できるよう、学業に励まなければなりません。
ロータリー平和センター提携大学で、フェローシップ期間中に博士号を取得することが可能な場合でも、博士号
課程のためにロータリー平和フェローシップを使用することはできません。修士号プログラムを修了し、博士号の
取得を希望している申請者は、平和フェローシップの候補者としてふさわしくありません。
申請資格。次に該当する人はロータリー平和フェローシップ(修士号取得プログラム)への申請資格がありません。
•• ロータリアン
•• 名誉ロータリアン
•• ロータリー・クラブ、ロータリー地区、国際ロータリー、ほかのロータリー関連組織の職員
•• 上記3点に該当する人の配偶者、尊属(血縁による両親または祖父母)、直系卑属(血縁による子または
孫、入籍している養子)とその配偶者
•• クラブを退会してから36カ月未満の元ロータリアンおよびその親族
ただし、上記に該当する人でも、例外としてタイのロータリー平和センターに申請することができ、参加者として選
出された場合は、プログラム関連経費、健康保険、航空券を自己負担することとなります。
ローターアクターや元ロータリー国際親善奨学生は、受領資格基準をすべて満たす限り申請資格があります。元
国際親善奨学生とチュラロンコーン大学ロータリー平和センター卒業生は、プログラムの終了後、ロータリー平和
センター修士号プログラムに申請するまで3年間待たなければなりません。また、既に修士号プログラムを修了し
たロータリー平和フェローは、チュラロンコーン大学でのプログラムに申請することはできません。
国際親善奨学金と同時にロータリー平和フェローシップを受領することはできません。
身体の不自由な人も、ロータリー財団の奨学金を受ける資格があります。派遣地区と受入地区の支援の下で、身
体が不自由な奨学生もこれまで大きな成果を上げてきました。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 7
申請数
ロータリー平和フェローシップは、世界競争制に基づき授与されます。1年に1度行われる世界選考審査に向け
て、各ロータリー地区および無地区クラブは、資格があると思われる申請者を何名でも推薦できます。全地区が
申請者を募集し、年1度の審査に向けて候補者を推薦するよう奨励されています。地区からロータリー財団への
寄付とは関係なく、地区は毎年候補者を推薦する資格があり、またフェローの選考も、地区による寄付とは関係な
く行われます。 申請手続
地元のロータリー・
クラブへ申請書が提出
される。
クラブが推薦する申
請書が地区へ送付さ
れる。
選考委員会により、
競争制に基づき、
フェ
ローが選出される。 地区が推薦する申請書
がロータリー財団に送
付される。
資金源
ロータリー平和フェローシップの資金は世界的な支援によりもたらされます。共同基金への地区財団活動資金
(DDF)の寄贈によって支えられており、この仕組みにより、世界競争制でフェローシップの提供が可能となって
います。
地区は、候補者を推薦するために、平和フェローシップの共同資金に寄付する義務はありません。ただし、すべて
の地区は、DDFの一部を平和フェローシップの支援に向けて配分するよう奨励されています。DDFの寄贈は最低
額も最高額も定められておらず、金額は問われません。毎年25,000米ドルあるいは隔年に50,000米ドルの寄付
を約束した地区は、ロータリー平和センター平和推進地区として認証されます。
ロータリー平和センター・プログラムのためにロータリー財団に寄せられる大口寄付は、大変重要な役割を果た
しています。ロータリアンやロータリーの支援者からの寄付によって、ロータリー平和センターの長期にわたる成
功が確かなものとなります。短期的には、ロータリー財団管理委員会が決定した資金がロータリー平和センター
の運営を援助し、DDFが平和フェローを支援します。将来的には、プログラム経費の大半を賄うために、個人の
ロータリアンからの支援が重要です。従って、ロータリー平和センター・プログラムを恒久的に支援するために、
ロータリー財団管理委員会は、2015年までに9,500万米ドルを確保することを目指したロータリー平和センター
大口寄付推進計画を承認しました。詳細はRIのウェブサイト(www.rotary.org/ja/contribute)にてご覧いた
だけます。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 8
候補者の募集と選考
ロータリー平和フェローシップの申請希望者を募集するために、独自の推進策を検討しましょう。
資格のある候補者を見つける
資格のある候補者とは、平和と紛争解決への専心を示す学歴、ボランティア活動や職務経歴のほかに、優れた指
導力と優秀な学業成績を実証している人物とされます。資格を備えた候補者は、次のような場や団体などで見つ
けられる可能性があります。
•• 人権、災害救援、救援物資配布、環境保護、難民問題、そのほか平和や国際協力に関連する問題に取り組
んでいる民間団体(NGO)
•• 国際機関や国際企業
•• 国務省や外務省をはじめとする政府省庁、ならびに外交団やその他の公務員グループ
•• 国際ボランティア機関
•• 軍隊、安全保障、法執行機関
•• 調停、仲裁、論争解決に従事する団体
•• 平和部隊ボランティアの帰国者会合
•• 大学の同窓会
•• 地元大学の国際研究学部、国際関係学部、政治学部、平和研究学部、紛争解決研究学部など
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 9
•• 国際問題、開発、平和推進、紛争解決などの分野で働く元ロータリー財団国際親善奨学生または研究グルー
プ交換参加者(現在地区外に居住する者を含む)
また、現在紛争が起きている地域や近年紛争が起こった地域のクラブや地区は、特にこのフェローシップの機会の
広報に力を入れるよう奨励されています。紛争地域出身の候補者は、ロータリー平和センターでの研究と研修を
通じて平和や紛争解決に大きな効果をもたらすことができます。
地区は適格な候補者を募集するため、次のような推進策を検討するとよいでしょう。
•• 説明会を開催する可能性について前記の団体に問い合わせる
•• 平和や国際理解に関連するテーマの講演会や討論会を主催する。前記の団体にこの機会を広報する
•• 現役のロータリー平和フェローや国際親善奨学生または学友を、ロータリアンやロータリアン以外の人々
のための説明会に招き、講演してもらう
•• 上記の団体の関係者の名前を調べ、その団体の学生、会員、顧客などにプログラムについて伝えてもらうた
めに「ロータリー平和フェローシップ・パンフレット」
(084)を送付する。この際、地区の連絡先を明記する
•• 地元紙や地域情報誌、地元の大学紙、ラジオ局、ケーブルテレビ局等にプレスリリースを発表する。プレスリ
リースには、ロータリーのウェブサイトアドレス(www.rotary.org/rotarycenters)を記載しておき、関心
のある人が詳しい情報を得られるようにする(プレスリリースの見本は、この手引きに掲載)
•• RIのウェブサイトのリンクを上記の団体のウェブサイトに加えるよう勧める
•• ロータリー平和フェロー候補者をこれまでに推薦したことのあるロータリー地区の指導者と連絡を取り、
広報と候補者募集の手法を尋ねる
ロータリー平和フェローは、キャリアを通して世界平和と紛争解決に最大の影響を及ぼすことができる能力に基
づき、広範な学歴や職歴を持つ人々から選出されます。申請者の学業成績と職場での功績を検討する際、申請者
の関心、職務経験、学歴、ボランティア活動の経験がプログラムの目標にいかに関連しているのかを判断するた
めに、小論文と面接を重視すべきです。各センターのプログラムに最も適格な候補者が平和フェローとして選ば
れますが、各ロータリー平和センターのフェローの多様性を確保するために、選考委員会は可能な限り、候補者
の職業的、学問的、地理的、文化的な背景を考慮に入れて、フェローを選出します。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 10
優れた平和フェロー候補者の例
政治や環境問題に関する地元の争いの調停を担当し、自国政府のためにより良い社会および環境に関する政策
と研修モデルを開発し、実施することを目標としている公務員
戦争で荒廃した国の貧しい人々に医療保健と研修を提供し、国際公共保健分野でキャリアを築く医療の専門家
サハラ以南のアフリカで、エイズで配偶者を無くした人々にマイクロクレジット(小口融資)を行うプログラムを開
設した経験を持ち、貧困緩和から経済発展を目指す人道的援助団体プロジェクト担当者
少年兵として徴兵された子供たちのカウンセラーとなった経験を持ち、将来、和解と寛容の研修プログラムを提
供する精神医療施設を地域に設置することで、紛争の回避をめざすソーシャルワーカー
国の軍備に紛争回避と解決方法論を組み込むための防衛計画に参加した職業軍人
異なる宗教や民族的背景を持つ若者たちの間で、お互いの理解を深め、将来の争いを回避するプロジェクトを推
進するために活動する教育者
申請者をクラブに紹介する
関心を寄せる申請者を地元のロータリアンに結びつけることは、申請過程の重要な部分です。このために、ロータ
リー財団は申請希望者を地区のロータリー平和フェローシップ小委員会委員長(フェローシップ小委員会委員長
が不在の場合は、地区ガバナーか地区ロータリー財団委員会委員長)に紹介します。
申請希望者から連絡を受けた地区リーダーは、希望者を適切なクラブに紹介し、地区の申請締切日を伝えます。
また、地区リーダーはクラブ・リーダーに申請希望者から連絡があった旨をあらかじめ伝えておきます。ロータ
リー平和フェローシップについての最新資料一式がクラブにない場合は、地区の平和フェローシップ委員長が必
要な情報と研修を提供します。この紹介システムにより、世界的な年次選考の対象となる優秀な候補者を集める
ことができます。
クラブの選考と推薦
ロータリー・クラブは、ロータリー平和フェローシップの資格を有すると思われる候補者を何人でも推薦できま
す。クラブの平和フェローシップ委員会は、申請書が地区の選考委員会へ送られる前に、すべての申請者にフェロ
ーシップの目的を説明し、面接を行います。
優れた資格を持つ申請者が面接に出席できない場合は、電話面接やテレビ会議、インターネットを使用したサイ
バー面接などの代替手段を手配します。
申請者が在住する地元のロータリアンとの面接を手配することもできます。このような場合は、申請者から、フェ
ローシップへの申請理由やロータリー平和フェローシップと自分のキャリアとの関連性、またその他の情報を伝え
る録画や録音テープを提出してもらうとよいでしょう。
「クラブ推薦書式」については、
「ロータリー平和フェロー
シップ申請書」
(083)を参照してください。
推薦クラブは、申請者がすべての申請用書類に漏れなく記入し、申請書に記した志願大学の入学許可を得るため
に必要な学業成績や試験結果などが添付されていることを確認します。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 11
地区の選考委員会と選考手続
ロータリー平和フェローシップには独自の選考基準と特別な主眼が置かれているため、申請者の面接は国際親善
奨学金申請者の面接とは別に行うべきです。
財団管理委員会は、フェローシップの申請書を審査する委員会として、平和フェローシップ小委員会委員長、現地
区ガバナー、直前地区ガバナー、ガバナー・エレクト、あるいは地区ロータリー財団委員長、ならびに、平和と紛
争解決、教育、市民活動や事業界でのリーダーなど各分野を専門とするロータリアンあるいはロータリアン以外
3名の人々から成る委員会を設けるよう推奨しています。また、国際関係や紛争解決の分野で職務経歴のある元
ロータリー平和フェローまたは元国際親善奨学生を委員会メンバーとして招請することも検討してください。可能
であれば、委員会には申請者の外国語能力を評価する言語力のあるメンバーを含めるべきです。
候補者の面接:どこに着目するか
フェローシップの候補者を選出する上で、選考委員会は、その人物がフェローになることによってプログラムの目
標がどれだけ推進されるかを検討し、各候補者が国際理解と平和への専心をいかに実証しているかという点を評
価する必要があります。さらに選考委員会は、申請者がこれまで実証してきた経験を基に、申請者が将来、政府、
企業、教育、報道関係、その他の分野においてリーダー的存在となる可能性があるかどうか、あるいはリーダーと
しての役割を発揮していく可能性があるかどうかを評価します。最終的には、生涯、仕事や奉仕活動を通じて、国
内外での協力、平和、紛争解決を推進していく指導力を備えた候補者を選出するべきです。
申請者の審査と面接の終了後、各ロータリー地区と無地区クラブは、世界選考に向けて、資格があると思われる
候補者を何名でも推薦することができます。
地区は各候補者について、
「地区委員会面接報告書」
(フェローシップ申請書の一部)を記入しなければなりませ
ん。申請者が海外に居住しており、個人面接が不可能な場合は、地区選考委員会は代替手段を手配する必要が
あります(「クラブの選考と推薦」を参照のこと)。地区は面接報告書に詳細かつ漏れなく記入し、候補者の紹介
文を添えて、ロータリー財団の選考委員会に提出します。
低所得国からの候補者募集
ロータリー財団は、低所得国からの申請者のために、大学への申請と出発前の準備にかかる費用を賄うための
2種類の資金を創設しました。
1)大学申請料:低所得国の申請者は、地区による選出が決定するまで、大学院進学適性試験(米国内の大学にて
必要)やTOEFLを受験する必要はありません。地区から候補者として選出された後、候補者に義務付けられてい
る試験とその試験会場までの交通費を地区が負担します。ロータリー財団が申請書、試験結果、所定の報告書式
を受理した後、候補者が最終的にフェローとして選ばれなかった場合でも、推薦地区は400米ドルまで経費の支
払いを受けることができます。
2)出発前の費用:申請者がロータリー財団により修士号プログラムの平和フェローとして選出され、指定のロー
タリー平和センターから入学許可を得た場合、ロータリー財団は出発前の費用を援助する助成金として、1,000米
ドルを支給します。この助成金は、健康保険、ビザ、パスポート、健康診断、大学の入学金などにかかる経費につい
てフェローの負担を補うものです。助成金は、可能な限り、フェローシップ期間開始前に給付されますが、それが不
可能な場合は、開始後となります。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 12
世界競争制の選考過程
ロータリー財団は、各プログラムの開始に先立つ年の7月1日までに、地区が推薦する候補者の申請書類を受理
しなければなりません。この申請書は記入漏れのないものとし、必要なすべての学業成績証明書、試験のスコ
ア、その他申請書に記入された希望大学への入学に必要な書類を添付する必要があります。記入漏れがあった
り、必須の試験結果を添付せずに送られた申請書については、選考委員会による正式な審査が行われません。
試験の要件に関する詳細は、
「ロータリー平和フェローシップ申請書」(083)を参照するか、個々の大学に直接
問い合わせてください。
平和フェロー候補者はロータリー平和フェローとして選出される前に、志望の大学に入学申請を行うことができま
すが、ロータリー平和センター提携大学への入学許可を得ても、それが平和フェローとしての選出を保証するもの
ではない点に留意するべきです。同様に、修士号プログラムの平和フェローに選ばれた個人は、指定のロータリー
平和センター提携大学への入学を保証されている訳ではありません。平和フェローに選ばれたものの、指定のロー
タリー平和センター提携大学への入学を許可されなかった場合、そのフェローは授与されたフェローシップを辞退
しなければなりません(修士号取得プログラムのみ)。最終的な入学許可は、大学側が決定します。フェローシップ
の最終候補者は、提携大学への入学許可が下り、すべての計画が最終的に決定するまで、辞職したり、計画を変更
したり、フェローシップに関わるスピーチなどを行うべきではありません。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 13
プログラムのスケジュールと締め切り
地区は申請用書類を各クラブに配布する責任があります。各地区は、クラブが地区選考に向けてフェローシップ申
請書を地区に提出する締切日を設けなければなりません。この際、地区推薦を受けた申請書のロータリー財団へ
の提出締切日が、プログラム開始前年の7月1日であることを念頭に置いてください。プログラム推進と候補者の選
出については、以下のスケジュールが推奨されています。また財団は、クラブと地区がこのスケジュールに柔軟に対
応し、フェローシップについて後から知った人たちにも申請の機会を与えるよう奨励しています。
プログラム開始前年
12月~2月
ロータリー財団から申請用書類
が地区に送られる地区は、
これを
クラブに配布し、地区の提出締切
日を通知する。地区とクラブは、
有資格の候補者を募集するため、
フェローシップの機会について広
報する。
3月~5月
クラブが候補者の面接と選考を
行ない、
クラブが推薦する申請書
を締切日までに地区に提出する。
5月~6月
地区がロータリー平和フェロー
候補者の面接と選考を行う。
地区
は候補者の申請書を7月1日まで
にRI世界本部に届くよう提出する
(複数の推薦可)。
7月~10月
ロータリー財団とロータリー平
和センター提携大学が申請書を
審査 し、最終候補者を選考する。
11月
選考結果が地区と候補者に通知
される。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 14
オリエンテーションと受け入れ
各ロータリー平和フェローには、派遣側のロータリアンが「カウンセラー」として指定されます。このロータリアン
は、フェローと派遣地区の間の連絡を行うとともに、留学前後および留学中にフェローを支援します。派遣側カウ
ンセラーは、フェローを支援し、ロータリーについて助言したり、相談に応じます。
オリエンテーション
ロータリー平和フェローが、ロータリー財団の使命、その使命を助長する上でのフェローの役割、またフェローシ
ップ終了後の学友としての責務を理解できるよう、派遣地区と受入地区は適切なオリエンテーションを実施する
必要があります。
オリエンテーションはロータリアンにも参加してもらい、フェローが、国際理解と平和を目指すロータリーの活動
について学べるようにします。
平和フェローと派遣側ロータリアンは、その地域で開催される国際親善奨学金オリエンテーション・セミナーに
参加するべきです。効果的にセミナーを行うために、主催者は、フェローシップの焦点と期待事項について説明す
る方法を検討します。また、フェローが地区リーダー数名と会い、フェローに与えられた責任や期待事項、ならび
に将来のプロジェクトや協力活動について話し合う時間を設けるべきです。
地域内でオリエンテーション・セミナーが開催されない場合、派遣地区は、これらの事柄を説明するため個別の
オリエンテーションを行います。派遣する平和フェローのためのオリエンテーションの指針は、ロータリー財団職
員から入手できます。また、オンラインのオリエンテーション学習は、フェロー全員に必須とされています。
受け入れ
各ロータリー平和センターには、周辺のロータリー地区によって構成される「ホストエリア」があります。ホストエ
リアには、毎年新しいロータリー平和フェローを受け入れるという特別な課題と機会があります。ロータリアンに
よる受け入れは平和フェローの成功に欠かせないものであるため、ホストエリアのフェロー一人ひとりにロータリ
アンのカウンセラーが割り当てられます。
さらに、各ロータリー平和センターには、ロータリー財団管理委員長によって任命されたホストエリア・コーディ
ネーターがいます。このコーディネーターは、通常、パスト・ガバナーあるいはロータリー財団地域コーディネー
ターの中から選ばれます。ホストエリア・コーディネーターは、ホストエリアのロータリアンとロータリー平和セン
ター所長の間の主要な連絡を担当します。またロータリー財団とともに、ロータリー平和センターの活動を推進
するほか、研修や情報提供のための行事を調整し、これらの活動や行事への参加をホストエリアのクラブと地区
に促します。
このような協力態勢を通じて、ロータリー平和センターへのロータリアンの参加の機会が広がり、平和フェローや
大学に重要な指導や助言を行うことができます。ロータリー財団は、ホストエリアがフェローの受け入れという役
割と責任に備えるための研修や指針を提供します。一方、ホストエリアは大学と協力してフェローの年次オリエン
テーションを企画します。
オリエンテーションの実施と受入側カウンセラーや地域のロータリアンの積極的な参加により、フェローとロー
タリアンの間に末永く密接な関係が築かれるよう期待されています。また、各地区が正式な受入ロータリー・クラ
ブを任命することで、クラブ全体がフェローとのつながりを築き、関係を深めることが可能となります。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 15
学友
ロータリアンはロータリー平和フェローに大きな投資を行っています。従って、平和フェローには、
キャリアに対する
固い決意と同時に、
ロータリーへ持続的に関与していくよう、大きな期待が寄せられています。
フェローの進路は多
岐にわたり、草の根で活動する地元の非政府組織、各国政府、軍事、警察をはじめ、国連、世界銀行、国際移住機関、
米州機構といった二カ国間組織や国際組織でも活躍しています。
平和フェローが、それぞれのキャリアを通じてロータリーとの密接な関係を保つ上では、派遣地区ロータリアンや
受入地区ロータリアンが重要な役割を果たします。またフェロー学友に、ロータリー平和センター・プログラムの
評価や候補者へのプログラムの推進に協力してもらったり、ロータリー平和センターの年次セミナーに参加しても
らうとよいでしょう。ロータリー財団と提携大学は、元フェローのキャリアを把握・記録管理し、国際関係や平和
における同プログラムの成果を測定しています。フェローへの詳しい期待事項については、
「ロータリー平和フェ
ローシップ申請書」
(083)をご参照ください。
学友の活躍については、RIウェブサイトに掲載されている「ロータリー平和センター学友パンフレット」
(092)
をご覧ください。また、すべてのフェロー学友に関する情報は、RIウェブサイトのロータリー平和センターのページ
(www.rotary.org/rotarycenters、画面下の「日本語」をクリック)に掲載されています。
学友とロータリアンの関係を維持するため、電子ニュースレター(リコネクションズ、Peace Netなど)やオンライ
ン・コミュニティーもご活用いただけます。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 16
リソース
ロータリアンと申請者はRIのウェブサイト(www.rotary.org/rotarycenters)から、ロータリー平和センターに
ついての情報を得たり、提携大学のウェブサイトへのリンクを利用するよう奨励されています。
人材
地区ロータリー平和フェローシップ小委員会委員長:平和フェローシップ・プログラムへのクラブと地区の参加を
推進し、平和フェロー候補者を選考を担当。中でも、推進および選考、オリエンテーション、フェローの受け入れ、
学友との関係維持に力を入れます。
ホストエリア・コーディネーター:各ロータリー平和センターにおいて、フェローの講演やロータリアンからのその
他の要請を調整するロータリアン。ロータリー財団職員(このセクションの最後部を参照のこと)を通じて、ホス
トエリア・コーディネーターと連絡を取ることができます。
ロータリー財団地域コーディネーター(RRFC)とRRFC補佐:地区リーダーに対してロータリー財団の情報を提
供できるロータリアン。平和フェローの募集・選考における地区の助言者として、RRFCのネットワークの力を借り
るよう奨励されています。
この手引きやRIウェブサイトに取り上げられていない質問がありましたら、世界本部ロータリー財団職 員
(Eメール:[email protected]、電話:1-847-866-3307、ファックス:1-847-556-2141)またはRI
日本事務局財団室(電話:03-3903-3192)までお問い合わせください。
申請用書類
ロータリー平和フェローシップ申請用書類は、RIのウェブサイトからダウンロードできます(www.rotary.org/
rotarycenters、画面下の「日本語」をクリック)。全申請者は英語で申請書を提出することとなっており、翻訳
された申請書式(日本語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語)はあくまでも参
照用です。毎年12月に申請書式の最新版が発行されます。
申請用書類には以下が含まれています。
•• 「ロータリー平和フェローシップ申請書」
(083):申請者が記入する書式
•• 「ロータリー平和フェローシップ・パンフレット」
(084):クラブや地区がプログラムを推進し、候補者にプ
ログラムを紹介するための資料
•• 「ロータリー平和センター・学友パンフレット」
(092):ロータリアンや候補者向けに、平和フェロー学友
の活躍や就職先を紹介する資料
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 17
ニュースリリースの見本
ニュースリリースは、ロータリー平和フェローシップの機会について情報を伝える手段の一つとなります。以下は、申請に関
するニュースリリースの見本です。各地の文化や報道の基準に合わせ、このニュースリリースを修正してご利用ください。
即日発行
連絡先:(氏名)
(電話/ファックス)
(Eメール)
ロータリー平和フェローシップの申請受付開始
(市町村)
(日付)―(クラブ名)ロータリー・クラブでは「ロータリー平和フェローシップ」の申請書式の希望者
への配布を開始しました。
このフェローシップは、1~2学業年度にわたる奨学金であり、往復の航空運賃・交通費、授業料・諸費、宿泊・食
事代、その他の限定経費を賄います。世界審査で選ばれるフェローは、6つの平和と紛争解決における国際問題
研究のためのロータリー平和センターのいずれかで、国際関係、平和研究、紛争解決とその関連分野で修士号を
取得、もしくは平和と紛争解決研究の分野で専門能力開発修了証を取得します。ロータリー平和センターは世界
各地の一流大学との提携により、ロータリー財団によって設立されました。
ロータリー平和フェローは在学中、平和、紛争原因、世界理解に関する諸問題の知識を深めます。
また、センターが開催するセミナーに参加し、国際関係、平和、紛争解決に関連するキャリアを目指して研究に従
事します。
詳しい情報やフェローシップの申請書式をご希望の方は、
〔ここに地元の連絡先(氏名、住所、電話番号)ならびに
申請書受付期日を挿入〕までご連絡いただくか、ロータリーのウェブサイト(www.rotary.org/rotarycenters)
をご参照ください。
以下の大学にロータリー平和センターが設けられています。
•• チュラロンコーン大学(タイ、バンコク)
•• デューク大学およびノースカロライナ大学チャペルヒル校(両大学が1つのロータリー平和センターを共同
開設)
(米国、ノースカロライナ州)
•• 国際基督教大学(日本、東京)
•• ブラッドフォード大学(英国、ウェストヨークシャー州)
•• クイーンズランド大学(オーストラリア、クイーンズランド州、ブリスベーン)
•• ウプサラ大学(スウェーデン、ウプサラ)
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 18
補遺
ロータリー平和センター・プログラムの沿革
世界の理解と平和の推進を目指すロータリー後援の学園を創設することは、ロータリアンの積年の夢でした。過
去25年にわたり、この夢を現実にするために、数々の新しい推進計画が提案されてきました。1996年、ラジェン
ドラ・サブー・ロータリー財団管理委員会委員長の指導の下、1947年に亡くなったポール・ハリスの逝去50周年
を記念して捧げる形で、教育センター、研究所あるいは大学を創設するという構想を検討するための委員会が結
成されました。高等教育を専門とする4名のロータリアンから成るこの委員会は、さまざまな教育機関のモデル
を検討し、最終的に世界中の数カ所の大学にポール・ハリス国際研究センターを創設するという案を推奨しまし
た。このセンターは、フェローが国際関係、紛争解決、平和などを中心とする分野で修士号を取得するものでし
た。財団管理委員会は基本的にこの案を採択し、この計画を練るためにロータリアンから成る委員会を任命しま
した。
以後2年がかりで、委員会は同センターの構想を描き、大学側の提案書を検討し、センター開設に関心を示す大
学を実地訪問しました。1999年、管理委員会は大学と提携し、
「平和および紛争解決の分野における国際問題
研究のためのロータリー平和センター」を創設する計画を承認しました。センターの名称は、ポール・ハリスの名
前がロータリーの外部ではあまり知られていないことを考慮に入れ、ロータリーの平和への専心を社会に広く理
解してもらう目的で付けられたものです。
ロータリー平和センター委員会は、100校以上の大学について検討を重ね、地理的多様性、ロータリー財団への
協力に対する大学の意欲、優れた教授陣と教科課程および国際関係、平和、紛争解決を教科の柱とする既存の修
士課程など、具体的な選考基準を基に管理委員会に最終推奨案を提出しました。こうして2002年、ロータリー
平和フェローが誕生し、ロータリー平和センターで修士号を取得するための就学を開始しました。
2006年、国際問題研究のためのロータリー平和センター・プログラムのもう一つのプログラムとして、短期的
な平和研究プログラムが試験的に開始されました。この短期プログラムは、修士号取得プログラムの代替オプ
ションとなるものであり、数カ月間しか職場を離れることのできない中級職や上級職の社会人を引きつけ、ロー
タリー財団の経済的負担を減らし、世界理解と平和に対するロータリーの投資効果を直ちにもたらすものでし
た。2008年、管理委員会は、ロータリー平和センター・プログラムの一部としてこの短期プログラムを恒久的に
設けることを承認しました。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 19
ロータリー平和フェローシップと国際親善奨学金の違い
ロータリー平和フェローシップ・プログラムは、国際親善奨学金プログラムの長所と成功を土台として築かれたも
のですが、奨学金の授与数、プログラムの推進や申請者募集の方法、奨学生の選考基準と選考手続、申請書類、
資金源などにおいて、この二つの奨学金プログラムの焦点と仕組みは異なります。2つのプログラムの違いを理解
することで、フェローシップ・プログラムに適した候補者を選出できます。 ロータリー平和フェロー
国際親善奨学生
フェローシップ期間を開始する前
に、既に学士号もしくはそれに相
当する学位を取得している。
学部または大学院レベルの学生
を含む。
紛争解決、調停、外交、国際関係、
または同様の分野において、重要
かつ関連深い仕事に就いていた
経験がある。
特筆すべき職歴がある場合も、
な
い場合も含む。
フェローシップ期間終了後に平
和および紛争解決に貢献するた
めのキャリアを追求していく意欲
を表明している。
あらゆる学問的・職業的分野にお
いて研究やキャリアを追及する。
ロータリー平和センター:ロータリアンのためのプログラムの手引き – 20
One Rotary Center 1560 Sherman Avenue Evanston, IL 60201-3698 USA
www.rotary.org/rotarycenters
085-JA—(1212)