Untitled

至高の階段 目次
4
空間に感じる身体の歓び ─1960年代の二つの階段 北 典夫
第一生命新大井事業所 竹中工務店
8
安全・安心・親切の観点から見た階段の設計(ユニバーサルデザイン) 井田卓造+原 利明
大分県運転免許センター 久米設計
11
火災安全設計の観点から見た階段の設計 井田卓造
刈谷豊田総合病院東分院 透析センター 竹中工務店
14
階段を構成する基本要素 宮前行成
竹中工務店東京本店社屋 竹中工務店
16
階段を構成する基本寸法 宮前行成
KKベストセラーズ 本社ビル 山本良介アトリエ
19
階段と手摺の基本構成 宮前行成
日本橋セントラルスクエア 清水建設一級建築士事務所
日産自動車 グローバル本社 竹中工務店
国際文化会館本館保存再生 三菱地所設計
森林技術総合研修所 林業機械化センター 展示棟 アルセッド建築研究所
江東メモリアル 宮崎浩/プランツアソシエイツ
21
直進階段
今治市伊東豊雄建築ミュージアム/スティールハット 伊東豊雄建築設計事務所
虎屋京都工場 KAJIMA DESIGN
福岡銀行黒門支店・社員寮 三菱地所設計
87
立教大学新座キャンパス 6号館 日建設計
ミズレイコ カラート 71 葉デザイン事務所
六花亭三○工場 三菱地所設計
IL TEMPO 矢板久明/矢板建築設計研究所
RENGO DMS 連合設計社市谷建築事務所
建築スタジオ 日建設計
武庫川女子大学
立教大学マキムホール(15号館)
日建設計
さん まる
トヨタ自動車日進研修センター T-HILLS 日本設計/西山雅彦+佐藤真紀
ホキ美術館 山梨知彦+中本太郎+鈴木隆+矢野雅規/日建設計
ハービス ENT 梅田阪神第 2ビルディング 竹中工務店
ルネサステクノロジ 北伊丹事業所 IA棟 三菱地所設計
富山市総合体育館 山下設計
森林技術総合研修所 林業機械化センター 展示棟 アルセッド建築研究所
明星大学日野キャンパス 29号館(理工学部棟)
KAJIMA DESIGN
ホテルコンソレイユ 芝 東京 竹中工務店
金刀比羅宮プロジェクト 鈴木了二建築計画事務所
サントリー美術館 隈研吾建築都市設計事務所+日建設計
明治神宮外苑研修棟 中本太郎・矢野雅規・深尾紀彦/日建設計
かづらせい・寺町 岸和郎+ K.ASSOCIATES/Architects
E計画 竹中工務店・日立建設設計設計監理共同企業体
東京建物八重洲ビル 竹中工務店
hhstyle.com 妹島和世建築設計事務所
パークコート学芸大学デュアルプレイス KAJIMA DESIGN
ロックペイント相模原独身寮 竹中工務店
59
東洋文庫 三菱地所設計
螺旋階段
物質試行 47
折返し階段
安中市(旧松井田町)立九十九小学校 アルコム
テクニカハウス 竹中工務店
グラスオフィス・ヒロシマ 新川電機中国支社 横河健/横河設計工房
多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)
伊東豊雄建築設計事務所
GC Corporate Center KAJIMA DESIGN, 谷口吉生(設計監督)
95
回り階段
竹中技術研究所・耐火実験棟 竹中工務店
清水建設技術研究所 安全安震館 髙橋 一/ SFS・21+清水建設
新フランス大使館 竹中工務店/ ADPI
103
111
矩折れ階段
ステージ階段
慶應義塾日吉キャンパス 協生館 環境デザイン研究所・三菱地所設計設計監理共同体
ADK松竹スクエア 三菱地所設計,デザインパートナー/隈研吾
表紙写真撮影/畑 拓 表紙・扉・ブックデザイン/間野 成
階段を構成する基本要素
宮前行成
Ⅰ
壁から段板が跳ね出す
壁の一部が段板になる
壁支承1
段板を跳ね出す
段板と蹴込み板を一体化する
段板材が一体化する
壁支承2
段板を掛け渡し蹴込みを透かす
段板を掛け渡し蹴込みを塞ぐ
側桁支承
段板を掛け渡し蹴込みを透かす
段板を掛け渡し蹴込みを塞ぐ
トラス状の側桁
壁支承3
突出した壁の上に段板が乗る
蹴込みに化粧板を取り付ける
端部に沿って地覆を付ける
ささら桁支承1
段板を乗せて蹴込みを透かす
段板を載せて蹴込みを塞ぐ
稲妻形のささら桁
ささら桁支承2
段板を乗せて蹴込みを透かす
一体の段板と蹴込み板を乗せる
段板を浮かせて乗せる
吊支承1
段板の端部を2点で吊る
一体の段板と蹴込み板を端部で吊る
吊支承2
トラス状の手摺に段板を吊る
板状の吊り材に段板を吊る
段板が浮遊する
壁が階段になる
Ⅱ
図 1 階段の四つの原風景
片側を吊る
側桁
ささら桁
両側を吊る
ささら桁
ささら桁
Ⅰ. 壁から跳出して支えられる
Ⅱ. 壁(側桁)に挟まれて支えられる
Ⅲ. 壁(ささら桁)で下から支えられる
Ⅳ. 張弦材で上から吊り支えられる
図 2 段板支承の系統
階段を構成する基本要素を,まずは「段
上下の床や段差の梁間に梁(登り桁)を架
といえる。これらの図からも容易に推察で
板」
「手摺」
「ささら桁」そして「蹴込み板」
け渡し,段板はこれに載せて取り付けるこ
きるが,階段のデザインを方向付ける大き
としておこう。というのは,もしも“階段”
とが必要となってくる。段板の両端部に
な要因として,段板とその支承の仕方があ
を単に上下の層や段差を人が上り下りする
あって,登り桁と同じ役割を担い,段板を
る。一方,上下の隣り合う段板の隙間には,
役割だけでよいとし,しかるべき大きさの
側面に差し込んで支える直線状の板を「側
場合によっては「蹴込み板」が取り付けら
面(踏面)をもつ段板が適当な段差(蹴上
桁」といい,段板を載せて取り付けるため
れる。蹴込み板は,時には桁(側桁または
げ)で連続的に配置されていれば,それだ
に上端が段形に切り込まれた形状のものは
ささら桁)の間に張り渡された段板のたわ
けで“階段”として事足りてしまうからで
「ささら桁」と呼ばれる。したがって冒頭
みを抑える役目を担う部材であったり,隙
ある。例えば,壁から堅固に跳ね出しただ
で階段の基本要素の一つに「ささら桁」を
間から物が落ちるのを防ぐ堰板や,段裏下
けの段板をイメージするか,あるいは壁か
挙げたが,段板を支承する仕方次第では,
地の内部を隠す化粧板の役割を果たす要素
ら稲妻状(ささら形)に壁の一部分が飛び
「側桁」ないしは「ささら桁」と正しく呼
であったりもするが,透明感のある階段を
出して連続した段を考えてみればよいだろ
び分けておく必要がある。いずれにしても,
デザインする上では,この蹴込み部分の要
う(図 1)
。
段板を中空に浮かせて支えるためには,階
素の扱いがポイントとなる。以上が,階段
こうした階段は,住宅などではいくらで
段に欠かせぬ基本要素として「側桁」ある
を構成する最小限の基本要素についての考
も実例があり,屋外であれば,山道の崖に
いは「ささら桁」が位置づけられてくる。
察であるが,これに形態上の要素として位
沿って設えられた何気ない階段がまさにそ
話を段板に戻そう。段板と壁,あるいは
置付けられる踊り場の扱いや,段裏の設え,
れにあたる。そして必要があれば,跳ね出
登り桁である側桁またはささら桁との構造
段鼻のあしらい方などが加わって,
“階段”
した「段板」の先端には,上り下りする人
的な支承の関係を系統化し(図 2)
,概念
全体としてのデザインの可能性が無限の広
が転落しないように,安全の図られた「手
的な様相を図式化してみると,図 3 のよう
がりを見せることとなる。
摺」が添えられ,崖に沿ってつくられた石
に整理される。
ちなみに,階段の中間部に設けられる踊
段には,山側の岩壁に手繰ることのできる
Ⅰ . 壁から跳出して支えられる
り場には,昇降途中での休息,危険防止,
鎖状の「手摺」が取り付けてあったりする。
Ⅱ . 壁(側桁)に挟まれて支えられる
階段の昇降方向を転換するなどの基本的機
こうして,
「手摺」が階段の基本要素の一
Ⅲ . 壁(ささら桁)で下から支えられる
能があり,法的にもその寸法,形状が担保
つに加えられ,転落防止のための“安全”
Ⅳ.張弦材で上から吊り支えられる
されているが,空間の中で“魅せる”階段
の機能とともに,人の動きを“誘う”役割
これらの四つが基本的な様相となろう。
に仕立てるための大切な脇役であることを
を担うこととなる。
実際は,これらの基本形か,あるいはその
忘れてはならない。
次に,段板を支える壁がもしもなければ,
組合せでほとんどの階段が成り立っている
14
Ⅲ
Ⅳ
張弦材の中間に段板を吊る
図 3 支承のあり方と構成
15
異種構造にまたがる鋼板跳出し階段
今治市伊東豊雄建築ミュージアム/スティールハット 伊東豊雄建築設計事務所
構造設計/佐々木睦朗構造計画研究所 施工/大成建設 主要用途/美術館 構造・規模/ S 造 一部 RC 造・地上 2 階 階段製作/萩浦工業 手摺製作/興和金属 竣工/ 2011 年 3 月
所在/愛媛県今治市 撮影/畑 拓
吹 抜
ROOM3
テラス
ROOM2
ROOM1
エントランス
ホール
A部
下部がコンクリート打放し,上部が鋼板による折半構造という異なる構造
にまたがって取り付けられている。こういった場合,
意匠を統一しながら,
2 階平面 1 / 200
屋上階平面 1 / 200
それぞれの構造下地への取付け方法を工夫する必要がある。鋼板に取り付
ける部分では,鉄製の段板は直接溶接されているが,コンクリートに取り
テラス
付ける部分では,打ち込まれた下地に溶接されている。この下地は,現し
外壁
St PL-6
遮熱性ふっ素樹脂塗装
となることを意識して円盤状のものが採用され,さらに打込み時の誤差を
B
しいことは何事もなかったようにでき上がっている。こういった工法は熟
と楽しさを味わう至福の時であったに違いない。
5
600
協力を得て,満足行く結果が得られたときこそ,設計という仕事の醍醐味
1
40
の意図はこうした協力者の助けなしには実現しないものである。こうした
10
76
練した施工者や職人の知恵の上になりたっていると言ってもよく,設計者
17
15
禁止表示
手摺
St FB-40 9
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
230 40
270
B
外壁
コンクリート打放
高耐候性水性ふっ素樹脂
カラークリア塗装
3,680(230 16 段)
手摺子
St FB-40 9
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
600
外壁
St PL-6
遮熱性ふっ素樹脂塗装
17
二重シール
段板
チェッカープレート 厚 6
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
アンカープレート
St PL-6 φ120
段板
チェッカープレート 厚 6
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
段板受け材
St PL-9
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
二重シール
5
300
100
D13
600
C
アンカープレート
St PL-6 φ120
40
補強材
St PL-6 r=25
段板溶接後切落し
120
4
44 6
50
アンカープレート
St PL-6 φ120
外壁
コンクリート打放
高耐候性水性ふっ素樹脂
カラークリア塗装
100
1
215
横桟
St φ9
ふっ素樹脂塗装
215
500
6
内壁
構造用合板
厚 12
PB 厚 12.5 EP
段板受け材
St PL-9
溶融亜鉛めっきの上,ふっ素樹脂塗装
5
300
300
手摺高さ=1,100
270
手摺子
St FB-40 9
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
215
215
下地材
St □-75 75 2.3
下地材
St □-75 75 2.3
300
手摺高さ=1,100
10
下地材
St □-75 75 2.3
215
手摺子
St FB-40 9
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
外壁
St PL-6
遮熱性ふっ素樹脂塗装
230
100
15
215
230
C
7
手摺
St FB-40 9
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
段板
チェッカープレート 厚 6
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
230
40
600
横桟
St φ9
ふっ素樹脂塗装
3,440(215 16 段)
横桟
St φ9
ふっ素樹脂塗装
手摺まで 500
手摺高さ=1,100
300
300
500
外部階段 A 部平面 1 / 50
100
狂いを調整しながら取り付けたという。完成後この半月板は除去され,難
1,216
吸収するために,円盤下部に半円形のガイドが取りつけられ,水平方向の
段板
チェッカープレート 厚 6
溶融亜鉛めっきの上,
ふっ素樹脂塗装
100
3,680(230 16 段)
階段立面 1 / 50
22
600
100
6
補強材
St PL-6 r=25
段板溶接後切落し
階段 B-B 断面詳細 1 / 10
段板受け材
St PL-9
溶融亜鉛めっきの上,ふっ素樹脂塗装
230
270
40
階段 C-C 断面詳細 1 / 10
23
聖域から吊り下ろされた軽やかな吊り階段
蹴込 St PL-19
30
10
金刀比羅宮プロジェクト 鈴木了二建築計画事務所
物質試行47
構造設計/オーク構造設計 施工/清水建設 主要用途/神社周辺施設(授与所,社務所)
構造・規模/ S 造(階段部分)
・地下 1 階,地上 1 階 竣工/ 2004 年 5 月
所在/香川県仲多度郡 撮影/畑 拓
柱
St FB-19 125
30
275
手摺子 St FB-12 25
段板 St PL-19
9
1,200
踏板
透明強化ガラス 厚 6
ノンスリップ加工
1,300
吊プレート
St PL-9
SUS L-50 50 6
カット加工 HL
SUS FB-12 32 HL
50
9
50
1,000
100
109
50
50
1,200
125
階段 D 部平断面詳細 1 / 8
A
床
御影石 厚 50
50
プレート上端は天井に溶接
柱上端は天井に溶接
15
吊プレート St PL-9
22
EPS
1,200
850
E
F
踏板
透明強化ガラス 厚 6
ノンスリップ加工
SUS 皿ビス止
50
階段 B 部断面詳細 1 / 8
540(270 2 段)
275
10
20
柱 St FB-19 125
PS,EPS の
方立と階段
蹴込板を溶接
柱
柱 St FB-19 125
(方立)St FB-19 125
5
C部
540
3
1
A
1,200
1
▽B1FL
SUS FB-12 32 HL
床
タイルカーペット
125
斜めのささら桁を使用せずに,あくまで,蹴込み・段面とも 19mm の折板構
1
造として階段を成立させ,踏面も 6mm のノンスリップ加工された透明の強化
ガラスをステンレスでほぼ直付けしているため,見付けは極小に抑えられてい
床
OA フロアの上,
タイルカーペット 厚 6.5
段板 St PL-19
る。
しかし,
消えるような線材の姿でありながらも,
その存在感は圧倒的である。
踊り場については,支柱をなくし鉄板現わしの天井に直に溶接された 9mm プ
レートで吊り下ろすことで,地震の横力を負担させるとともに,他の階段と同
様に最下段は下階から切り離すことに成功している。上部の神域に属するこの
階段の1段目と床との隙間は,わずか 50mm であるが,人々がこの階段を上
125
平 面 1 / 60
SUS □-10 10
階段の背景となる半透明のガラススクリーンのフラットバーのマリオンを支柱
50
3
10
100
109
として,蹴込みプレートを溶接で固定し,跳ね出した片持ち鉄骨階段である。
ブチルゴム 厚 2 φ20
15
段板 St PL-19
段板 St PL-19
階段 E-E(上)
,F-F(下)断面詳細 1 / 8
SUS FB-12 32 HL
270
4,100(178.3 23 段)
3,300
1,200
吊プレート
蹴込 St PL-19
1,200
19
D部
50
2
B部
5
9
178.3
12
800
22
1,200
3
1,200
32
5,130(270 19 段)
F
1,100
柱(方立)St FB-19 125
10
23
踏板
透明強化ガラス 厚 6
ノンスリップ加工
16
3
▽1FL
SUS L-50 50 6
カット加工 HL
SUS 皿ビス止
吊プレート
St PL-9
SUS L-50 50 6
カット加工 HL
PS
床
御影石 厚 50
柱
St FB-19 125
270
4
270
5,130(270 19 段)
柱 St FB-19 125
吊プレート St PL-9
蹴込 St PL-19
(270 2 段)
50
手摺子 St FB-12 25
178.3
19
SUS FB-9 38 HL
ノンスリップ加工
E
50
25
手摺 SUS φ25
ブラストガラス
厚 12
6,870
プレート上端は天井に溶接
23
ビルト柱 120 500
A-A 断面 1 / 100
階段 C 部断面詳細 1 / 8
り下りするときに結界を強烈に認識する,途方もない空隙となっている。
51
開放的な吹抜けを演出するシンプルな側桁階段
ラウンジ
GC Corporate Center KAJIMA DESIGN,谷口吉生(設計監督)
構造設計/ KAJIMA DESIGN 施工/鹿島建設 主要用途/事務所 構造・規模/ S 造・地下 1 階,地上 9 階 階段およびステンレスノンスリップ,蹴込み部分ルーバー製作/横森製作所 手摺笠木 ,ささら幕板製作/墨田建築工業 竣工/ 2011 年 1 月 所在/東京都文京区 撮影/畑 拓
1,300
DN
F
A/C
F
A/C
505
E部
2,775
300
ラウンジ
7,910(305 22 段+1,200)
上部トップライト
9 階平面 1 / 600
E 部平面 1 / 200
DN
F
UP
A/C
テラス
1,300
モデルルーム
A/C
F
テラス
505
2,775
300
モデルルーム
D部
トップライト
8,215(305 23 段+1,200)
8 階平面 1 / 600
D 部平面 1 / 200
ガラススクリーン
5,180
トレーニングルーム
UP
1,200
休憩室
DN
F
C部
1,300 977.5 1,300
502.5
300
トレーニングルーム
ロビー
F
7,910(305 22 段+1,200)
7 階平面 1 / 600
C 部平面 1 / 200
9,740(205 28 段+1,200)
5,180
4,380
床空調吹出
UP
DN
F
B部
800 800
2,350
3,900
6 階平面 1 / 600
〃
3,900
1,300
502.5
472.5
シュミレーション
ルーム
2,105
シュミレーションルーム
4,150
F
2,025
287.5
B 部平面 1 / 200
幅木空調
レクチャールーム
防火防煙シートシャッター
5,180
1,200
ロビー
1,300
502.5
ロビー
UP
A部
2,977.5
レクチャールーム
F
F
22,150
5 階平面 1 / 600
68
A 部平面 1 / 200
69
都市の中で光と緑を開放的に取り入れる極薄吊り階段
40
22
日本橋セントラルスクエア 清水建設一級建築士事務所
2 階階段ささら
St PL-22 SOP
プロジェクトマネジメント/シンプレクス・インベストメント・アドバイザーズ 構造設計/清水建設一級建築士事務所 施工/清水建設 主要用途/事務所 構造・規模/ S 造・地上 8 階
階段製作/横森製作所 石材工事/ハシモ 竣工/ 2010 年 2 月 所在/東京都中央区 撮影/畑 拓
40
3.2
St φ30 =30
ねじ切り加工 M12 SOP
ナット M12
段板
St PL-3.2 SOP
吊り材
St φ13 SOP
上下ねじ切り加工 M12
38
手摺
SUS FB-12 38
バイブレーション仕上
25
手摺受材
St PL-9 SOP
85
816
@200
φ21.7
手摺補強材
St φ21.7 1.9 SOP
蹴込
砂岩(S-007)厚 26
水磨きの上,撥水剤塗布
200
ささら
St PL-9 SOP
踏面
砂岩(S-007)厚 26
水磨きの上,撥水剤塗布
吊受け
St φ25 SOP
1,285
15
2,250(250 9 段)
踊り場
FL
▽
踊り場段板
St PL-25 SOP
10
手摺補強材
St φ21.7 1.9 SOP
B部
風除室
エントランスホール
850
5
段板
St PL-9 SOP
3
6,400
エントランスホール平面 1 / 150
9 5 26 20
40
踏面
砂岩(S-007)厚 26
水磨きの上,撥水剤塗布
間柱
St H-150 150
7 10
3,250(吊材 @250 13)
455
6,400
階段 A-A 断面 1 / 60
30
30
ガセットプレート
St PL-16
60
ささら
St PL-9 SOP
81
M16
60
80
中規模のテナントオフィスビルである。通常オフィスビルでは,縦シャフトを
できるだけ効率的に設計し,レンタブル比を上げることに腐心するものである
が,ここではそれだけに留まらず,避難階段をエントランスロビーの演出にも
参加させ,裏方である避難階段をロビーという表舞台の主役にすることに成功
段板
St PL-9 SOP
5
している。避難階段といえば,防火区間された階段であることが必要で,閉鎖
的な思考になる傾向が強くなるが,むしろここでは積極的に開放性を高め,透
過する緑化スクリーンによって,公共スペースに光りを導き,豊かな開放感を
獲得している。吊ることで,
究極的に薄く軽い階段を実現しているのであるが,
C
1FL
▽
踊り場段板
St PL-25 SOP
20 26 5 9
5
10
St PL-22 SOP
踊り場枠
St PL-9 SOP
70
25 5 25 15
蹴込
砂岩(S-007)厚 26
水磨きの上,撥水剤塗布
ディテールの要となる,段板と吊り材の接合部は,杖当てとなるフラットバー
40
200 200
1
壁
SUS カットパネル 厚 3
バイブレーション仕上の上,
クリア塗装
床
砂岩(S-003)厚 30
ジェットバーナー仕上の上,
撥水剤塗布
2
80
1,240
13
12
手摺
SUS FB-12 38
バイブレーション仕上
排水溝
SUS グレーチング
踊り場床
砂岩(S-007)厚 25
水磨きの上,撥水剤塗布
シール
200
12,095
段板
St PL-9 SOP
壁
SUS カットパネル 厚 3
前面道路
踊り場
60
9 5 26 20
200
EV ホール
踊り場
踏面
砂岩(S-007)厚 26
水磨きの上,撥水剤塗布
200
20
ポストレスシャッター
2FL
▽
200
蹴込
砂岩(S-007)厚 26
水磨きの上,撥水剤塗布
250
エントランスホール
段板w=1,328
吊り材
C
St φ13
上下ねじ切り加工 M12
SOP
手摺補強材
St φ21.7 1.9 SOP
2,000(200 10 段)
22
吊り階段(避難階段)
壁
SUS カットパネル 厚 3
バイブレーション仕上の上,
クリア塗装
踏面w=1,222
250
EV
4,400(200 22 段)
A
9
211
手摺部吊元 C-C 断面詳細 1 / 6
2,400(200 12 段)
A
吊り材
St φ13
上下ねじ切り加工 M12
SOP
44
9
82
22
廊下
強化ガラス 厚 12+12
9 15 9
33
ユニット式壁面緑化
シール
段板
St PL-9 SOP
2 階階段ささら
St PL-22 SOP
手摺高さ=850
9 32
15 9 20
44 12
50.9
手摺支持材
St PL-9
φ14 孔明け加工 SOP
上部高速道路
49.7
6.5
踏面
タイルカーペット張
支持材
St PL-22
φ18 孔明け加工 SOP
ねじ切り =140
30 10
22
12.3 50
200
St φ30 =50
ねじ切り加工 M12 SOP
ナット M12
座金 厚 2.3
の立ち上がりの中に吊りボルトを隠すという洒落た技も駆使されているのであ
905
250
踊り場 B 部断面詳細 1 / 6
る。階段構成からディテールに至るまで,実用と美学が見事に両立した,まさ
に「建築」がここに建ち現れている。
81
外装・構造を一体で解釈したダイナミックな中空階段
この階段のポイントは 20m 近い外装
カーテンウォールの風圧をパイプ状の
新フランス大使館 竹中工務店/ADPI
ファスナーを介して,鉄骨階段の1本
構造設計/竹中工務店 施工/竹中工務店 主要用途/事務所 構造・規模/ S 造,基礎免震構造・地下 1 階,地上 5 階,塔屋 1 階 階段製作/横森製作所
集成材製作/TAKリビング 竣工/ 2009 年 10 月 所在/東京都港区 撮影/畑 拓
梁(キール)に受けさせている所にある。
その結果,カーテンウォールのバックマ
リオンの見込みを最小に抑え,ファサー
ドの透明性と階段の浮遊感を両立させる
ことに成功している。なお,この階段の
逆三角形の梁は少々断面が大きく感じる
が,これは,建物の東西ウィングをつな
ぎ止める構造梁も兼用しているからであ
る。主体構造,階段,外装の二次的な構
造部材を一体的にデザインしたことがこ
の階段の大きな魅力となっている。
階段全体の印象は,踏板や手摺等,人が
直接触れる部分に木を使っているため,
全体はシャープでありながら温かみのあ
る階段となっている。欲を言えば,アル
ミ・木部と鉄部の塗装色の関係が整理さ
れると,より一体感のあるダイナミック
屋根
アスファルト防水 断熱工法
パラペット高さ
▽
RFL
▽
900
900
700
700
なものになっていたと思われる。
3,800
3,800
2,900
2,900
天井
石膏ボード EP
EV ホール
EV
(165.2
(165.2 14)
14)
4FL
▽
2,250
3,705 (285 13 段)
2,733
(165.2
(165.2 9)
9)
775
2,313
2,313
(165.2
(165.2 9)
9)
踏面
オーク材 厚 30
A
踊り場
90
床
カーペット敷 厚 7
1,
02
1, 0
20
0
1
90
防煙シャッター
壁
石膏ボード EP
廊 下
複層ガラス
飛散防止
フィルム張
2FL
▽
PS
女子トイレ
(165.2
(165.2 9)
9)
EV ホール
力桁
St PL-16 SOP
踊り場
C部
力桁
St PL-16 溶接加工 SOP
EV ホール
B部
1FL
▽
EV ホール
床
カーペット敷
厚7
手摺子
2-St FB-9 60
SOP
踊り場
手摺
オーク材 φ40
2,313
2,313
1,487
1,487
PS
3FL
▽
踏面
オーク材 厚 30
踊り場
3,450
3,450
2,300
2,300
手摺
オーク材 φ40
h=1,110
3,800
3,800
88 段
段
)
)
2288
55
22,,22
8800
(
(
9
壁
PC 版 研出し仕上
撥水剤塗布
段板
St PL-12 SOP
EV ホール
B1FL
▽
免震ゴム
免震ピット
自動販売機
基準階階段室平面 1 / 80
100
複層ガラス
飛散防止フィルム張
5
EV ホール
EV
3355
55
手摺子
2-St FB-9 60
SOP
吹 抜
1,150
1,150
5,100
5,100
EV
横桟
St φ13 SOP
(165.2
(165.2 14)
14)
10
〃
〃
15
1,487
1,487
20
22,,55
2266
..44
23
90
90
1,200
1,200
1,020
1,020
A
振止め
St ロッド φ16
(164.3
(164.3 7)
7) (164.3
(164.3 14)
14)
複層ガラス
飛散防止フィルム張
90
90
600
600
外壁
PC 版 研出し仕上
撥水剤塗布
(165.2
(165.2 14)
14)
1,487
1,487
2,575
〃
〃
2,313
2,313
踊り場
階段室 A-A 断面 1 / 150
101