新汎用コンピュータシステム ―第 2 報

北海道大学大型計算機センターニュース
Vol. 33, No. 4, pp. 17-29, Dec. 2001.
新汎用コンピュータシステム ―第 2 報―
研 究 開 発 部
大 宮
システム管理掛
林
学
卓也
伊 藤 和 彦
システム運用掛
相 良
劯
ネットワーク掛
大 島 雅 明
杉 浦 孝 博
1. はじめに
平成 14 年 3 月 1 日からのサービス開始を目指して,
新汎用コンピュータシステムの調
達作業を行ってきた.新汎用コンピュータの導入に関する背景および目的,さらにシス
テムの主要構成と機能についてはすでに前号のセンターニュース [1]で詳しく説明を行
っている.その後,新汎用コンピュータシステムが決定したので,本稿において,機種,
システム,ソフトウェアおよびサービス内容について詳しく報告する.
ギガビット
ネットワーク
計算サーバ
センター運用システム
100Base-TX
多目的サーバ
ファイルシステム
* ホスティングサーバ
ネットワークシステム
* Webサーバ
* ASPサーバ
プリンタ装置
データベースサーバ
端 末装 置
図 1.新汎用コンピュータシステム構成図.
2.新汎用コンピュータシステムの構成と主要機能
新汎用コンピュータシステムは,本センターにおける計算サービスおよびネットワー
ク接続サービスの大規模化と高度化を図ることを目的としている.新汎用コンピュータ
− 17−
システムは図 1 に示すように,計算サーバ,多目的サーバ,データベースサーバ,ファ
イルシステム,ネットワークシステム,プリンタ装置,端末装置およびセンター運用シ
ステムから構成される.それら装置はギガビットネットワークまたは 100Base-TX によ
り相互に接続される.以下においては,新汎用コンピュータシステムの構成および主要
機能について述べる.
2.1 計算サーバ
本センター利用者のプログラム開発・実行を支援するために計算サーバシステムを導
入する。今回導入する計算サーバシステムは,図 2 に示す HITACHI 9000V シリーズ
Enterprise サーバ Superdome で,32 CPU,主記憶 32 GB で構成されている。処理能力に
ついて SPECint_rate2000 は 140,SPECfp_rate2000 は 112 であり,現スーパーサーバを上
回る処理能力を有している。計算サーバシステムは,現在稼動しているスーパーサーバ
のオペレーティングシステム(以下,OS と略称 )である HP-UX 11 をインターネット向け
に機能拡張した HP-UX 11i を採用している最新鋭のコンピュータシステムである。
現在,
スーパーサーバの計算処理においては利用率が高く,充分なレスポンスが得られなくな
りつつある。今回導入される計算サーバシステムは既存のスーパーサーバと同一のアー
キテクチャを有し,同一の実行ファイルが利用でき,相互に負荷分散可能である。
図 2.計算サーバシステム
(HITACHI 9000V シリーズ Enterprise サーバ Superdom
32 CPU,主記憶 32 GB ,SPECint_rate2000 が 140,SPECfp_rate2000 が 112)
− 18−
計算サーバシステムには,FORTRAN90 コンパイラ,C コンパイラ,C++コンパイラ
および数値計算ライブラリが備えられている。さらに,数式処理,図形画像処理,構造
解析,流体解析,分子解析,統計解析および可視化支援のために以下に示すアプリケー
ションソフトウェアを備える。
2.1.1 メッセージ通信ライブラリ,数値計算ライブラリ
および数値計算/数式処理ソフトウェア
(1) MPI バージョン 1.2 に準拠したメッセージ通信ライブラリ
(2) 数学計算・統計解析用 FORTRAN サブルーチンライブラリ Visual Numerics 社 IMSL
(3) 数値演算ライブラリ MLIB
(4) 行列ベクトル演算ライブラリ BLAS,線形計算ライブラリ LAPACK,科学技術演算
ライブラリ SCILIB,高速フーリエ変換 FFT(一次元(2, 3, 5 基底)および二次元(2, 3, 5
基底))の各ライブラリ
(5) 汎用数値解析プログラム
MathWorks 社 MATLAB バージョン 5
Simulink , Real-time Workshop , Stateflow , Stateflow Coder , Optimization Toolbox ,
Statistics Toolbox, Extended Symbolic Math Toolbox,Spline Toolbox, Signal Processing
Toolbox ,Image Processing Toolbox ,Control System Toolbox ,Nonliniear Control Design
Blocket を含む
(6) 数式処理・数値計算統合型ソフトウェア Wolfram Research 社 Mathematica バージョン
4
(7) 数式処理システム Waterloo Maple Software 社 Maple 6
2.1.2 図形画像処理ソフトウェア
三菱総合研究所社 PLOT-WSX
2.1.3 構造解析ソフトウェア
(1) 日本エムエスシー社 MSC.NASTRAN バージョン 70 (4 ジョブライセンス)
(2) 日本エムエスシー社 MSC.PATRAN バージョン 8.0
(3) ANSYS 社 ANSYS バージョン 5
2.1.4 流体解析ソフトウェア
(1) FLUENT 社 FLUENT/GAMBIT バージョン 5 (NO x モデルオプションを含む)
(2) Adaptire Research,a Division of SIMUNET 社 CFD2000 バージョン 3
− 19−
2.1.6 分子解析ソフトウェア
(1) Gaussian 社 Gaussian98
(2) 富士通株式会社 MOPAC2000 バージョン 1.3
2.1.7 統計解析ソフトウェア
SAS Institute 社 SAS バージョン 6 (BASE SAS, SAS/STAT ,SAS/GRAPH,SAS/ETS,
SAS/IML ,SAS/ACCESS ORACLE 版を含む)
2.1.8 可視化支援ソフトウェア
(1) Advanced Visual System 社 AVS/Express Viz
(2) ダイキン COMTEC 社 SpaceFinder (Gaussian98,MOPAC2000 ,NASTRAN,ANSYS お
よび FLUENT 用ソルバーインタフェース,モルモデラおよび Web ランチャオプショ
ンを含む)
2.2 多目的サーバ
多目的サーバは,次に示す 3 つの用途およびサーバで構成される。
(1) 利用者がインターネットサービスを自主管理運営するためのホスティングサーバ
(2) 利用者がホームページを公開するための Web サーバ
(3) 利用者がネットワークを介してアプリケーション機能を利用する ASP (Application
Service Provider)サーバ
図 3.ホスティングサーバ
図 4.Web サーバおよび ASP サーバ
(IBM 社 e-Server Xseries 330,
(IBM 社 e-Server Xseries 340,
Pentium III/1 GHz×2,Red Hat Linux)
Pentium III/1 GHz,Red Hat Linux)
− 20−
2.2.1 ホスティングサーバ
ホスティングサーバとして,
図 3 に示す IBM 社 e-Server Xseries 330 を 50 台導入する。
ホスティングサーバ Xseries 330 は 1 CPU,主記憶容量 384 MB で構成されている。Intel
Pentium III ( クロック周波数 1GHz) プロセッサが搭載され,SPECint_rate2000 は 441,
SPECfp_rate2000 は 304 である。また,これらホスティングサーバを制御する監視用サー
バ Xseries 340 が 1 台導入される。
ホスティングサーバは利用者が自由にユーザ登録および環境設定を行って利用する
計算機で,利用者がホームページの開設,メールサーバの開設および利用者独自のネッ
トワークサービスを行う機能を有している。ハードウェア管理およびソフトウェアの更
新は本センターが集中的に行う。また,ホスティングサーバへの外部からのクラッキン
グおよび不正アクセスに対してセキュリティを確保するため,DoS および DDoS の防御
機能とパケットフィルタリング機能を有するファイアウォールを備えている。
次に,各ホスティングサーバにインストールされる基本ソフトウェアを示す。
・ オペレーティングシステム Red Hat Linux 6.2J
・ SSL 対応の HTTP サーバソフトウェア Apache バージョン 1.3
・ スクリプト処理言語ソフトウェア Perl Source Kit バージョン 5 および JPerl バ
ージョン 5
・ メールサーバ機能 sendmail 8.10
・ C コンパイラ gcc 2.9
2.2.2 Web サーバ
Web サーバとして,図 4 に示す IBM 社 e-Server Xseries 340 を 1 台導入する。Web サー
バ Xseries 340 は 2 CPU,主記憶容量 512 MB で構成される。Intel Pentium III (クロック周
波数 1 GHz) プロセッサを SMP 構成している。SPECint_rate2000 は 7.90 である。Web サ
ーバは,利用者のホームページを構築・公開するためのサーバである。センター利用者
が個人でホームページを開設し,情報発信を行うことを目的とする。
次に,Web サーバにインストールされる基本ソフトウェアを示す。
・ オペレーティングシステム Red Hat Linux 6.2J
・ SSL 対応の HTTP サーバソフトウェア Apache バージョン 1.3
・ スクリプト処理言語ソフトウェア Perl Source Kit バージョン 5 および JPerl バ
ージョン 5
・ データベースインタフェースモジュール DBI バージョン 1.06
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・ Oracle ドライバモジュール DBD-Oracle バージョン 0.59
2.2.3 ASP サーバ
ASP サーバとして,
IBM 社 e-Server Xseries 340 を 1 台導入する。
ASP サーバ Xseries 340
は 2 CPU,主記憶容量 1.5 GB で構成されている。Inte l Pentium III ( クロック周波数 1 GHz)
プロセッサを SMP 構成している。SPECint_rate2000 は 7.90 である。ASP サーバは,計
算サーバ上で動作するアプリケーションソフトウェアを,ネットワークを介して利用者
がブラウザを使用して実行できる機能を提供する。
次に,ASP サーバにインストールされる基本ソフトウェアを示す。
・ オペレーティングシステム Red Hat Linux 6.2J
・ SSL 対応の HTTP サーバソフトウェア Apache バージョン 1.3
・ スクリプト処理言語ソフトウェア Perl Source Kit バージョン 5 および JPerl バ
ージョン 5
・ X Window 環境 Xfree86 バージョン 4.0
・ GUI デスクトップ環境 KDE バージョン 2.0
・ 統合ビジネスソフトウェア オフィススィート Koffice バージョン 1.0
・ 日本 Tarantella 株式会社 Tarantella Enterprise 3.1
・ Web ブラウザソフトウェア日本語版 Netscape 6
2.3 データベースサーバ
データベースサーバとして,図 5 に示す HITACHI 9000V シリーズ L3000 を 1 台導入
する。データベースサーバ L3000 は 2 CPU,主記憶容量 4 GB で構成される。 SPECint_
rate2000 は 8.88 である。データベースサーバは,本学の研究者情報,研究業績情報およ
びシラバス情報をデータベース化した「研究業績データベース」のサービスを行う。
図 5.データベースサーバ HITACHI 9000V シリーズ L3000
(2 CPU,主記憶容量 4 GB,SPECint_rate2000 が 8.88)
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次に,データベースサーバにインストールされる基本ソフトウェアを示す。
・ オペレーティングシステム HP-UX 11i
・ オラクル社 Oracle 8i Enterprise Edition,Oracle Context Cartridge および Oracle
Internet Application Server Standard Edition
・ データベースソフトウェア Oracle Web Application Server Advanced Edition
・ データベースソフトウェア PostgreSQL バージョン 7
・ HTTP サーバソフトウェア Apache バージョン 1.3
・ スクリプト処理言語ソフトウェア Perl Source Kit バージョン 5 および JPerl バ
ージョン 5
・ データベースインタフェースモジュール DBI バージョン 1.06
・ Oracle ドライバモジュール DBD-Oracle バージョン 0.59
なお,本センターユーザはデータベースサーバを研究目的等で直接利用することはで
きない。
2.4 ファイルシステム
ファイルシステムは NFS サーバ,磁気ディスク装置およびテープライブラリ装置で構
成される。NFS サーバとして,IBM 社 e-Server Pseries 660 を 1 台導入する。NFS サーバ
Pseries 660 は 4 CPU,主記憶容量 1 GB で構成され,SPECint_rate2000 は 11.3 である。磁
気ディスク装置として,IBM 社 ESS2105-F20( ディスク容量 2TB)を 1 台導入する。また,
テープライブラリ装置として,ソニー社 DMS-B35 システムを 1 台導入する。容量 7 TB
の DTF テープ 35 巻を収納可能な装置である。
2.5 プリンタ装置
プリンタ装置として,図 6 ∼8 に示すモノクロレーザプリンタ,カラーレーザプリン
タおよび大判カラープリンタの 3 種の装置を導入する。
2.5.1 モノクロレーザプリンタ
富士ゼロックス社 DocuCentre 505CP を 1 台導入する。印刷速度は両面印刷で毎分 50
枚である。
2.5.2 カラープリンタ
富士ゼロックス社 DocuPrint C2220 を 1 台導入する。印刷速度は毎分 22 枚である。600
dpi の高解像度を実現し,写真やグラフィックスを含め,高画質な印刷が可能である。
− 23−
2.5.3 大判カラープリンタ
日本ヒューレット・パッカード社 HP DesignJet 800ps を 1 台導入する。印刷速度が A0
サイズのカラーイメージ印刷で 3 分程度という高速印刷が可能である。 2400 dpi の超高
解像度により精細画像や写真の高画質印刷に対応している。さらに,線画,レタリング
および写真等のイメージが混在するような図面も印刷可能である。
図 6.モノクロレーザプリンタ
図 7.カラーレーザプリンタ
(富士ゼロックス社 DocuCentre 505CP)
(富士ゼロックス社 DocuPrint C2220)
図 8.大判カラープリンタ
(日本ヒューレット・パッカード社 HP DesignJet 800ps)
2.6 端末装置
本センター内に端末装置として以下の 3 種類のパソコン端末を設置する。ただし,そ
の外観を図 8 に示す。
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(a) マルチメディア端末装置
HITACHI FLORA 430
(b) 端末装置
HITACHI FLORA 330
図 8.端末装置
2.6.1 日本語版 Windws98 パソコン端末 HITACHI FLORA 330×20 台
・ CPU:Intel Pentium III / 1 GHz
・ 主記憶容量 512 MB,ハードディスク容量 40 GB
・ SXGA(1280× 1024) 対応 18.1 インチ液晶ディスプレイ
・ CD-R/RW 装置
I-O DATA 社 CDRW-i1610B/USB
・ CCD カメラ(WEB 用カメラ)
Intel 社 PC Camera Pack
・ ヘッドセット ELECOM 社 MS-NB50CRG( ネックバンドタイプ )
・ メモリスティック,コンパクトフラッシュ,SD メモリカードリーダ/ライタ
Logitec 社 LPM-CA30MSU
・ X Window エミュレータソフトウェア 日立製作所 X サーバエミュレータ V3
・ ビジュアライゼーションソフトウェア Advanced Visual System 社 AVS/Express
Viz および富士通株式会社 WinMOPAC バージョン 3
・ 統合ビジネスソフトウェア マイクロソフト社 Office XP Professional
・ フォトレタッチソフトウェア アドビ社 Photoshop Ver. 6.0
・ ドローイングソフトウェア アドビ社 Illustrator Ver. 9.0
・ ホームページ作成ソフトウェア マクロメディア社 Dreamweaver 4,Fireworks 4
・ テキストエディタソフトウェア ビレッジセンター社 Wz エディタ 4
・ 文書システム アドビ社 Acrobat Ver. 5
・ 日本語フォント 100 書体
なお,本パソコン端末は Linux (Red Hat Linux 6.2J) 端末として使用することもできる。
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2.6.2 英語版 Windows98 パソコン端末 HITACHI FLORA 330×2 台
・ CPU:Intel Pentium III / 1 GHz
・ 主記憶容量 512 MB,ハードディスク容量 40 GB
・ CD-R/RW 装置 I-O DATA 社 CDRW-i1610B/USB
・ SXGA(1280× 1024) 対応 18.1 インチ液晶ディスプレイ
・ 統合ビジネスソフトウェア マイクロソフト社 Office XP Professional
・ 文書システム アドビ社 Acrobat Ver. 5
2.6.3 日本語版 Windws2000 マルチメディアパソコン端末 HITACHI FLORA340×1 台
映像,オーディオ,CG など各種マルチメディアコンテンツの製作および編集を支援
するハードウエアおよびソフトウェアを備える。
・ CPU:Intel Pentium III / 1 GHz×2 CPU
・ 主記憶容量 1 GB ,ハードディスク容量 36 GB
・ SXGA(1280× 1024) 対応 18.1 インチ液晶ディスプレイ×2 台 (デュアル表示)
・ 14 インチカラーモニタ SONY 社 PVM-14N5J
・ CD-R/RW 装置 I-O DATA 社 CDRW-AB1610B
・ DVD-RAM ドライブ装置(片面 4.7 GB /両面 9.4 GB)
・ メモリスティック,コンパクトフラッシュ,SD メモリカードリーダ/ライタ
Logitec 社 LPM-CA30MSU
・ ビデオキャプチャ装置 カノープス社 DVRex-RT Professonal および映像用ハー
ドディスク装置 Canopus 社 HDV-140UA (記憶容量 73 GB)
・ A4 サイズペンタブレット
ワコム社製 intuos I-900USB
・ DVD-R/RW 装置 PIONEER 社 DVR-S201
・ DVR-7000,DVD オーサリングソフトウェア ダイキン工業社 ReelDVD Ver.2.0
・ 1.3GB を読み書き可能 3.5 インチ MO ドライブ装置 I-O DATA 社 MOA-i1300
・ A3 対応イメージスキャナ
エプソン社 ES-6000H
・ デスクトップフイルムスキャナ
キャノン社 CanoScan FS4000US
・ 統合ビジネスソフトウェア マイクロソフト社 Office XP Professional
・ ビデオ編集ソフトウェア アドビ社 Premiere バージョン 6
・ 映像エフェクトソフトウェア アドビ社 AfterEffect バージョン 5 およびディス
クリート社 combustion バージョン 1
・ フォトレタッチソフトウェア アドビ社 Photoshop Ver. 6.0
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・ ドローイングソフトウェア アドビ社 Illustrator Ver. 9.0
・ 3D CG および CG アニメーションソフトウェア ニューテック社 LightWave3D
バージョン 6.5,ディスクリート社 3ds max4 およびディスクリート社 character
studio バージョン 3
・ 文書システム アドビ社 Acrobat Ver. 5
・ 日本語フォント (100 書体)
・ 著作権フリーデジタル素材 データクラフト社素材辞典 Vol. 1∼Vol. 90,および
音辞典 Vol. 1∼Vol. 11
その他の設備として,DVD レコーダ装置 PIONEER 社 DVR-1000,DV・D-VHS・S-VHS・
VHS 形式の録画再生ビデオ装置 VICTOR 社 HM-DH 30000,デジタルビデオ装置 SONY
社 DSR-11,AV セレクタ装置 VICTOR 社 JX-S777 等を設置する。
2.7 ネットワーク装置
2.7.1 ダイアルアップ PPP 接続サービス
ダイアルアップ PPP 接続サービスでは,新たに PHS(外線) からの接続が可能になる。
また,従来モデム接続用または INS64 用と分けていたアクセスポイント電話番号を下記
3 本の新しい電話番号に統合し,同時アクセス接続数を全体で 72 回線に増加する。それ
ぞれ 3 本の電話番号のいずれでもモデム,INS64,PHS および携帯電話から接続できる。
表 1.ダイアルアップ PPP 接続
新しい電話番号(2002 年 3 月 1 日から)
011-708-7125
011-708-7126
011-708-7127
接続方法
・ モデム接続(V.32bis, V.34, V90 規格モデム)
・ INS64 同期 64 kbps )
・ PHS 電話(64 kbps ,32 kbps)
・ 携帯電話(9600 bps)
(注) モデムの相性,PHS・携帯電話の機種,
利用場所の電波状況等により接続できない
場合がある。
従来の電話番号から新しい電話番号への切り替えは平成 14 年 3 月 1 日を予定している.
現在ダイアルアップ接続設定で使用している電話番号を変更されたい。
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(a) HINET 専用線サービス Cisco7513
(b) リモートアクセスサーバ Cisco AS5300
図 9.ネットワーク装置
2.7.2 HINET 接続 (SINET)
北海道内の各大学,高専および研究所等の本センターコンピュータシステムおよび
SINET とのインターネット接続については,現在の接続方法のまま移行する。短時間の
切り替えが発生するが,切り替えの日時等は各大学等と直接連絡をとって対応する予定
である。
2.8 センター運用システム
現有の汎用コンピュータシステムおよびスーパーコンピュータシステムを利用して
いる利用者情報は,現有汎用コンピュータシステム上の利用者管理機能で管理運用して
いる。さらに,利用者が利用したサーバの課金情報を蓄積し,あらかじめシステム管理
者によって設定された予算額や利用期限に従って利用制限を行う予実算管理ならびに課
金請求に関連する帳票の作成および印刷を行う課金管理機能を有している。センター運
用システムは,業務サーバおよび業務クライアントを利用して現有の利用者管理機能,
課金管理機能および自動運転システムの機能を継承する。
3.むすび
平成 14 年 3 月 1 日からサービス開始を予定している新汎用コンピュータシステムにつ
いて具体的に示した。新汎用コンピュータでは従来行ってきたサービスを継承かつ機能
強化することはもちろんのこと,新たにホスティングサービス,ASP サービスおよび大
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判カラープリントサービスを開始する。これら Web サービスは本学大型計算機センター
における新しい試みである。
すでに,設備の搬入・組み立てが行われており,今後徐々にその全容が明らかになる。
本センターにおいては,新汎用コンピュータの導入に際してカラーパンフレットの作
成・配布等を行い,広く利用を喚起していく。
参考文献
[1]
大宮
学,伊藤和彦,相良
劯,杉浦孝博,“新汎用コンピュータシステム”,北
海道大学大型計算機センターニュース, vol. 33, no. 3, pp. 38-49, Sep. 2001.
[2]
北海道大学大型計算機センター,
“汎用コンピュータシステム仕様書”
,Jul. 2001.
[3]
株式会社日立製作所,
“北海道大学 汎用コンピュータシステム技術仕様書”
,Aug.
2001.
− 29−