高尿酸血症・痛風の診断・治療 -最近の話題を踏まえて-

高尿酸血症の治療方針
~高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版~
高尿酸血症
血清尿酸値>7.0mg/dL
痛風関節炎または痛風結節
あり
なし
血清尿酸値<8.0mg/dL
血清尿酸値≧8.0mg/dL
*:腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、
糖尿病、メタボリックシンドロームなど(腎障害
と尿路結石以外は血清尿酸値を低下させて
イベント減少を検討した介入試験は未施行)
合併症*
あり
なし
血清尿酸値<9.0mg/dL
血清尿酸値≧9.0mg/dL
生活指導:高尿酸血症の発症に関連する生活習慣を改善する
(肥満、高血圧、糖・脂質代謝異常など)
薬物治療
薬物治療
薬物治療
痛風患者、高血圧合併例は血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持するのが望ましい
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版 p80改変
高尿酸血症治療薬の作用機序
プリンヌクレオチド
代謝
阻害作用
刺激作用
キサンチン
キサンチン酸化酵素阻害剤:
アロプリノール(ザイロリック®)
フェブキソスタット(フェブリク® )
アラントイン
尿酸
ウリカーゼ:
ラスブリカーゼ
(ラスリテック® )
腎排泄
消化管排泄
血中の過剰
な尿酸
尿酸排泄促進薬:
ベンズブロマゾン
(ユリノーム® )
尿酸尿
抗炎症薬:
NSAID, コルヒチン,ステロイド,
インターロイキン-1阻害薬
尿酸沈着
痛風結節
インフラマゾーム活性化による
急性痛風発作
Christopher M Burns et al.:Lancet 2011:377:165-77を改変
高尿酸血症とメタボリックシンドロームの関係
尿酸産生亢進と排泄抑制の両面から高尿酸血症に関与する可能性
内臓脂肪蓄積
インスリン抵抗性
高インスリン血症
腎臓
肝臓
骨格筋
遊離脂肪酸
TG
尿酸生成
VLDL放出
脂質異常症
尿酸排泄
尿酸生成
高尿酸血症
「メタボリックシンドロームにおける高尿酸血症の意義とその管理」p66改変(フジメディカル出版)
痛風関節炎の発症機序
尿酸結晶
マクロファージ
+
NALP3
インフラマゾーム
プロインターロイキン-1β
+
C5b-9
腫瘍壊死因子α
インターロイキン-6, 8
など
インターロイキン-1β
血管内皮細胞
または 滑膜細胞
インターロイキン-1
受容体
好中球の動員,活性化
炎症性物質の放出
接着分子
ケモカイン
Tuhina Neogi. N Engl J Med 2011;364:443-52.を改変