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アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
梅澤 貴典
抄録:私立大学図書館協会国際図書館協力委員会の第2回海外派遣研修生として,イリノイ大学モーデンソ
ンセンターの国際図書館プログラムに参加した。世界各国17名の図書館司書が集まってアメリカの図書館運
営を学んだ。また参加者の関心と希望に応じて個別インタビューなども行えたので,電子専門司書や電子情
報参考係に面談し,電子化など多様化する大学図書館の環境作りと,司書の専門性をいかに育むかに重点を
置いて学んだ。
キーワード1イリノイ大学,モーデンソンセンター,国際図書館プログラム,図書館情報学大学院,TeaCh−
ing aSSiStant,司書育成
1.はじめに
私はこのたび私立大学図書館協会国際図書館協力
て招耳薯して,図書館経営戦略(組織化・ネットワー
委員会に派遣していただき,イリノイ大学(Uni−
Webデザインなど,大学・公共・専門の区別なく
図書館運営全般にわたって学ぶ。また,学内の各専
versity of I11inois at Urbana−Champaign・略称
UIUC)にある国際図書館司書研修機関モーデンソ
ンセンター1コで開催された研修プログラムに参加す
る機会を得た。同委員会からの派遣は前年の2003
年に始まり,私で2人目である。期間は,2004年9
月13日から11月5日までの8週間であった。
このレポートでは,プログラムで学んだ内容を紹
介し,日本の大学図書館に何が応用できるかを考察
した。
ク・資金調達)・電子情報環境・障害者サービス・
門図書館・Champaign市立図書館・イリノイ州立
図書館やアメリカ図書館協会など各機関を見学して
質問や意見を交わし,国際的視野を持った司書を育
成する。
参加者は先進的な知識を学ぶ一方,各国の代表と
してその国の現状や抱えている問題を発表して,そ
れぞれの視点からの意見も頻繁に交わすため,受講
するだけではなく白国に関する情報の収集発信も求
められる。そのためのプレゼンテーション能力育成
も行われる。
2.参加目的
以下の2点を中心に学びたいと考えた。
1)アメリカにおける大学図書館の現状。中でも電
全プログラムを修了して帰国した後に,周囲の図
書館員をトレーニングできるような人材を育成する
子情報環境で,日本に応用できる点について。
事も大きな目的の一つである。
2)図書館司書の専門性。アメリカでは格段に高い
今回の参加者はヴェトナム(図書館学教員1名・
と言われるが,日本において向上を目指すにはどの
専門1名),ウガンダ(大学1名),ケニヤ(大学1
ようにすれば良いのか。どこまで可能なのか。
3.モーデンソンセンター国際図書館プログラム
名),コロンビア(公共1名・大学1名・中央銀行
所属3名),南アフリカ(公共2名・大学2名・医
学専門1名・教育文化部門の州公務員2名),日本
(Mo汽enson Center for lnternat−onal Llbrary Pr◎一
(大学1名一=筆者)の計17名であった。(コロンビ
gramS)
アでは中央銀行が図書館などの国立教育機関を統轄
イリノイ大学図書館内にある機関で,卒業生の化
しているため,中央銀行所属の図書館司書がいる。)
学者Wa1ter Mortenson氏の200万ドルの寄付金で
1986年に設立された。その目的は,世界各国の図書
館員を集めて様々な事例から学ぶ研修プログラムを
行う事により「国際平和・教育・理解の促進のため
センター長(Manager)である元アメリカ図書館協
に世界中の図書館と図書館員の国際的な絆を強める
会会長(ALA)のBarbaraFord氏によって,ALA
現会長など多忙な講師の招聰などが実現し,プログ
ラムがデザインされた。氏の努力と使命感の強さに,
大変感謝している。
こと」である。
プログラムでは,図書館情報学大学院の教授やイ
リノイ大学図書館に勤める専門司書などを講師とし
40
4.資金調達(Fundraising)
アメリカにおいて司書の持つ最も大きな役割の一一
大学図書館研究LXXIV(200518)
つは,資金の調達である。日本と違って寄付金は
堂々と獲得するものであり,どれだけ調達できるか
は大学と司書の実力を表している。また,資料に限
卒業生の事業家Grainger氏が設立したGrainger
Foundationが1,870万ドル(約20億円)を寄付して
る。
建てられた図書館である。残りはイリノイ州が750
万ドルを負担したほか卒業生寄付金などによって負
担され,コンピュータ設備はHew1ett−Packard社や
イリノイ大学は,学生数が3万8千人で,教員・
技術専門家・職員数が計1万人の州立大学である。
IBM社などにより寄贈された。
スポーツなどの大イベントとの関わりも大きな資
2003年度の大学全体予算は約12億2千万ドル(約
金源となる。例えばイリノイ大学の場合,私の滞在
1,342億円)であった。そのうち図書館予算は約2
期間中に開催されたフットボール試合のハーフタイ
千950万ドル(約32億5千万円)だが,州からの補
助金だけで全ての支出を賄いきれているわけではな
く,現在は全体の20%に満たない。そのため財団
などへの教育助成金申請により毎年の予算を獲得し
ているので,それぞれの研究活動目的に見合った助
成金を探して申請書(Proposa1)を書くことは司書
にとってたいへん重要な業務なのである。特に図書
館長は仕事時間の50%は図書館外で活動を行い,
30%を資金調達に費やしているという。また,募金
ムに「本日の収益金のうちいくらが図書館に寄付さ
らず事業企画や設備に対する補助を求める場合もあ
を専門に行う0fficeofDeve1opmentand Pub1ic
Affairsハという部署もあり,卒業生や関係者に
LibraryFriends(友の会)入会を呼びかけている。
れたか」のアナウンスがあり,観客からはそれに対
して大きな拍手があった。また,シーズン中には
「Library Day」が設けられ,イリノイ大学出身のス
ター選手に「図書館と,それを支えることの大切さ」
のスピーチをしてもらうなどの努力が行われてい
る。ALパ=では,野球・バスケットボールなどの
スター選手やハリウッド俳優などに無償で協力を依
頼し,その写真を使って「Read」と読書を呼びか
けるポスターやしおりを販売して収益を得ている。
公共図書館でさえも税金収入のみに頼るのではな
く,Library Friendsを募集して寄付金を募ってい
今回のプログラムではMicrosoft社会長のBi11
る。Champaign市立図書館は寄付金額によって会
Gates氏が設立した財団Bi11&Me1inda Gates Foun−
員をMember(10ドル),Supporting Member(25−
dation3=からG1oba1Libraries Program担当者を講
ているかをうかがった。同財団はチリ共和国の図書
99ドル),Patron(100ドル)など階層分けしてい
るが,特に高額出資者に貸出冊数などの特権が与え
られる訳ではなく,大抵は会報に寄付者名簿が載る
館コンピュータ化・ネットワーク化支援と情報リテ
程度である。それでも市民の「図書館へ奉仕したい」
ラシー講師派遣など多くの図書館に関わる助成活動
という意識は強い。金銭面以外でも,例えばハロウ
師として招聰し,どのような観点で助成活動を行っ
を行ってきた。
申請上のよくある間違いとして,「なぜ・どれだ
け金が不足しているか」という説明がなされること
が多いが,学術支援の場合は財政状況よりも「優れ
ィンの飾り付けや子供への読み聞かせイベント,宅
配サービスなどは多くの市民ボランティアによって
行われており,地域の一員として社会貢献する場と
なっている。また,公共でも大学でも本の寄贈が多
た教育効果が得られるかどうか」を支援の基準にす
く行われ,重複本は年1回Book sa1eを開催して新
るので,「この資料(または企画)がこういう理由
たな資金にする。
で必要である。このように活用し,これだけの効果
営利企業が宣伝を目的として寄付する場合もあ
が得られるので,いくらの助成金を申請する。」と
いう形式での申請が求められる。
る。ある公共図書館では大手ハンバーガー会社から
40,O00ドル(約440万円)の寄付金を得る代わりに
申請の評価基準として重要視されるのは,1.簡
潔で短く,2.明確で具体性があり,3.指針に従
その店の大きなキャラクター人形を子供図書室に置
くという条件を受け入れた。また,什器の不足して
って体裁が整っており,4.実現性と将来性があり,
いる国々にはアメリカの大手飲料会社からの自社ロ
5.現実的な計画コストが示されており,6.独白
性と創造性があって,7.影響・効果が期待できる
ことである。
ゴ入りテーブルの寄付が増えている。企業広告は賛
否が分かれるケースだが,利用者の立場から見れば
それによって現実に図書館と資料が充実する利点は
財団に限らず,アメリカ国民(市民・卒業生・篤
否めない。日本の大学では学納金や補助金以外にこ
志家)は図書館へ自分の力が寄与することを名誉に
感じており,大学や地域社会への帰属意識が強い。
こまで徹底的に外部資金を求める例はまだ一般的で
はないが,少ない予算で高い水準の教育環境づくり
イリノイ大学で最も新しい図書館GraingerEngi−
を行うためには新しい資金調達の方法を探るのは一
neering Librarジは,建設費3,400万ドルのうち,
考の価値があろう。
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アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
もちろんその方法は慎重に選択するべきだし,使途
「Goa1(目標)」を貼り出し,どのような図書館を目
も考えなければならない。財団へ申請して得た補助
金や目的を指定された寄付金は当然その通りに使う
指して資料収集や利用者サービスを行っているのか
制約があるが,それ以外の寄付金も毎年金額が不安
援に力を注いでいるか,どんな条件が必要かを調べ
位置的にもMain1ibraryは全キャンパスの中心に
建てられ,図書館前でバスを降りることから学生の
一日が始まり,授業問の移動・食事・帰宅などあら
ゆる時に図書館に立ち寄ることができる。ホームペ
ージ上でも,入学案内や学部紹介よりも上にあるト
ップ5項目(他には「Campusunits(a−z)」「E−
る必要がある。その際は,The Foundation Center直〕
mail」「Find peop1e」「Maps」)の中に表示されてお
のホームページに多くの情報が集まっているので参
り,大学において図書館がいかに重要視されている
考にしていただきたい。
かがうかがえた。
5.愛される図書館であるために
(10ドル),トレーナー(15ドル)などのグッズも
6.日本の図書館環境についての発表
プログラム期間中,シカゴで1週間に渡って開催
されたイリノイ州図書館年次総会において,モーデ
ンソンセンターの参加者全員が,各国の図書館の現
売られており,売り上げが図書館の収入になってい
状と問題点,解決策について発表した。
る。
私はまず日本の国土面積と人口密度をアメリカと
それらが商品として売れるのは,図書館が資料提
比較して保管場所の欠如を挙げ,長引く不況と少子
供以外の部分でも利用者に親しみを持ってもらうた
化によって日本の大学が経済的に厳しい状況にあ
めの努力をしていることが大きい。
り,資料購入予算維持が難しいのにも関わらず利用
まず,秋には新入生向け図書館ガイダンスである
しibraryfestiva1が開催される。手作りで本を作る体
者の要求はますます多様化していることを紹介し
た。解決策としては,まず人口が密集して土地がな
い反面,地理的に近接して収書方針や二一ズの近い
大学が多い都心の大学が相互利用協定を組んだ「山
手線沿線私立大学図書館コンソーシアム」,そして
電子ジャーナルおよびデータベース価格と契約の交
定なため自由には使えないので,学術雑誌費など恒
常的なものよりもまとまったコレクションの購入費
などに使う場合が多かった。
寄付金申請には,どの財団がどのような活動の支
ALAのグッズ販売例を紹介したが,イリノイ大
学図書館でもリストバンド(2ドル)やTシャツ
験イベントや,補修専門部署7iによる本のダメージ
についての展示,DC分類項目名を使ったピンゴに
勝つと文房具がもらえるなどのゲーム,さらには魔
女に扮した司書の学問占いなどが行われる。各専門
を明確に示していた。
図書館を巡るスタンプラリーを終えた参加者には図
渉を目的とした「私立大学図書館コンソーシアム
書館のロゴが入ったフリスビーやキーホルダーがプ
レゼントされる。参加した学生は自然に図書館の配
PULC(Private University Libraries Consortium)」
置や活用法を学べるようになっているが,いわゆる
利用ガイダンスにとどまらず,本の大切さを知り司
書に親しむことで図書館への愛着心を高められる内
容になっている。
利用者へのホスピタリティーも,大きな要因であ
る。Festiva1が終わって通常開館日になっても司書
は笑顔を絶やさずにいつでも質問を受けることを態
の2例を挙げて説明した。次にタイトル削減に関連
して,日本では学術論文複写が有料(アメリカでは
複写取り寄せや相互貸借が無料で行われるケースが
多い)だが,国立情報学研究所が料金相殺サービス
を始めて手数料負担と事務負担が大幅に軽減された
例を挙げた。なるべくアメリカとの違いが顕著な例
を選び,日本は情報先進国と見なされているのに図
書館整備と学術情報の流通に関してはこれから多く
度で示しており,図書館業務がサービス業であるこ
を改革していかなければならない現状を説明した。
とを強く自認しているのがうかがえた。図書館が単
日本についての発表は,シカゴからイリノイ大学
なる資料の置き場ではなく,学術情報を有機的に活
用できて納得がいくまで質問できる場であることは
に戻ってからも図書館情報学大学院生を対象に2度
行い,見学訪問したイリノイ・ウェスリアン大学で
利用者も良く理解しており,その信頼関係は,後述
も図書館司書20名を集めて行った。
する司書の専門性の高さに強く支えられている。
Opinion board(掲示板)にはいつも多くの質問や
要望とそれに対する詳しい回答が貼り出され,双方
の意思疎通の場となっていた。また,各専門図書館
はそれぞれの「Mission(使命)」「Policy(方針)」
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7.電子資料の導入
イリノイ大学図書館は1867年の設立以来,1,OOO
万冊を越える蔵書を集めてきた伝統があり,Har−
vard,Ya1eに次いで全米3番目の規模を誇る。学術
大学図書館研究LXXIV(2005.8)
雑誌購入費は前述の図書館予算のうち1千100万ド
ル(約12億1千万円)で,そのうち電子費は1割
強の120万ドル(1億3千万円)である。学術情報
を確実に蓄積する使命が重要視されていることもあ
って紙媒体資料の比重はまだ高いが,電子資料も
次に業務内容について聞いた。各学部の予算を電
子資料に使う場合もあるが,全学的に導入する場合
様々な方法で効果的に導入・提供されている。
は大学全体で一つの予算枠である。それを1名のE−
図書館ホームページには二つの検索ツールがあ
る。一つは,紙媒体用の「UIUC Library On1ine
resource1ibrarianが統括している。ただし接続トラ
開講の予定があるという。この司書も他の専門司書
と同様に教壇で専門科目を教えることを希望し,準
備している。
Cata1og」君コである。そして電子資料用の「0n1ine
ブルなどに対応できるように,事務スタッフを含む
8名のチーム体制で管理に臨んでいる。
Research Resources」}は,「記事索引と抄録」,「学
電子ジャーナル購読価格は,当該誌に関係のある
術雑誌と新聞」「レファレンスツール」「全て」に分
学科のみのFTE(Fu11Time Equiva1ent=常勤教職
員・研究者・学生数)の人数で決まる。また,イリ
類され,それぞれにキーワード検索機能,アルファ
ベット順タイトルリスト,主題別リストがある。コ
ンソーシアムなど団体購読のものと無料雑誌,オン
ラインのみの資料および新聞を含め,集計すると現
在30,000タイトル以上が閲覧できる。
検索結果からはProQuest,Science Direct.
SpringerLinkなどへのリンクがはられており,フル
テキスト閲覧できる。有料のものは目的の論文にた
ノイ大学にはUrbana−Champaign以外に数百km離
れているChicagoおよびSpringfie1dの3つのキャン
パスがあるが,請求書の送付先を1カ所にすれば全
キャンパスが一つの大学機関として扱われる。私が
数年前に日本でいくつかのアメリカの会社と電子購
読契約をした時には,学部や研究科全体の人数を
FTEに数えられたり,自治体の異なる市区町村に
どり着くと全構成員に個別付与されるユーザID・
パスワード認証を求められる。そのため,大学のIP
あるキャンパスは別契約とされたりする例は多かっ
アドレスレンジ外の自宅でもアクセスでき,e−
1eamingの学生などは遠隔地からでも利用可能であ
アメリカと同じような実情にあった契約条件に改善
されてきた。ただし,アメリカでもコンソーシアム
る。検索結果には「Print or microform coverage」
契約に関しては,窓口校一校に請求書を送って按分
の欄があり,所蔵がある場合はOPACへのリンクが
はられ,電子のみの場合は「None−on1ine on1y」と
作業は大学側でやらなければならないのに割引率は
低いなど厳しい面もあった。
表示される。
このような契約条件については,交渉しようにも
電子化が進み,利用者の二一ズも変わって来てい
個々の大学だけでは企業に対する発言力が弱い。そ
る。図書館は既存の紙媒体資料と電子化された資料
こで,イリノイ大学では電子資料購読に関しては
Ohio.IndianaなどBig10と呼ばれる中西部の大規
模大学を中心に組んだ学術協力団体CIC(Commit−
の提供を同時に行い,利用者がそれらを複合的に使
う形の研究活動が主流になっていくだろう。日本で
も学術情報の流通は従来の商業出版社主導型だけで
たが,ここ数年の問に日本図書館界の努力によって
tee of Institutiona1Cooperation)11「を結成して契約
はなく,国立情報学研究所のCiNii川コのように公的
方針を決めている。これにより,単体では持ち得な
機関が統合したプラットフォームを作ったり,大学
い交渉力が生まれている。
がネットを通じて直接発信したり,ますます多様化
このように,大学同士がより安価での電子資料購
していくだろう。その際には,電子環境に強い図書
入と運用についての方針と展望を持って交渉し,コ
館司書の必要性がより重要になる。
ンソーシアムを組んで,統合検索できるシステム作
モーデンソンセンターでは,用意されたプログラ
ム以外にも学びたい分野に応じて,その専門スタッ
りを行い,利用者が簡易により多くの資料に到達で
きるよう努力がなされている。
フに個別インタビューなどを行えるので,私も特に
日本でも,先述のPULCの例など目的に応じた協
希望して電子資料司書(E−resource1ibrarian)に話
力体制がますます必要となっていくだろう。
を聞く事ができた。この仕事に求められる資質とは
「電子資料の特性を熟知していること」「IP,Java,
そのための知識と技術も不可欠である。日本では
Proxyなどのコンピュータ知識」,そして最も重要
なのが「人間好きで利用者や業者との交流ができる
こと」であるという。最終的に情報を利用するのは
人問であるからだ。イリノイ大学の図書館情報学大
学院には電子資料に関する専門科目はまだないが,
電子資料を担当業務の一つとして扱う場合が多いだ
ろうが,その場合も含めて今後E−resource1ibrarian
の担う役割と重要性はますます大きくなっていくと
予想される。
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アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
8.既存資料の電子化(Digitization)
まれる本の病院のような役割を担っている。ここに
Grainger図書館内にある電子化専門部署Digita1
Services and Deve1opment Unit’2コから講師を招き,
は圧着用大型機材や特殊接着剤などが並び,貴重で
壊れやすい装丁の資料は,和装本の秩(ちつ)に似
「Introduction to digitization」と題した講座が設け
た厚紙のケースに入れて修理・保存していた。作業
られた。貴重資料や写真のアーカイヴに関する知識
を学ぶ内容で,画像保存フォーマットの違いや目的,
量・人件費・補修費・保管場所ともに膨大なものに
モノクロ・カラー・文字データの効果的な保存方法
なるので,歴史的価値や稀少性のあるもの以外の学
術資料は,これからますます受け入れの段階から電
などを学び,最後に実際の資料撮影やスキャンの現
子媒体が選択されていくだろう。ただし電子資料も
場であるThe Digita1Media Resource Centerユ3〕を
完全な恒久性は保証されていないので,紙媒体・マ
見学する。9月21日に講師から1時間の導入説明
があり,最後11月3日に実習と見学を行うまで,
要があるという点は,この研修中にもよく指摘され
この講座に関しては全てID・パスワード認証によ
るe−1eamingで行われた。ぽぽ毎日2時間ほどが受
講生に与えられ,図書館内あるいは学内随所にある
コンピュータで学習する。その時間にインタビュー
など他の用事が入っている時は夜などに学んでも構
わないが,2日に一回程度締め切りのあるテストが
あるため,その日のうちに見るのが基本ルールであ
った。講師に質問する場合はe−mai1で行い,意見交
換用の受講者掲示板などもあるものの毎日膨大なレ
ジュメを読むのは負担が大きく,プログラム全体を
振り返るアンケートでも改善案が多く出されたクラ
スであった。内容自体は非常に興味深く役立つもの
だったが,やはり講師と受講生が顔をつきあわせ,
意見や質問を交わしながら進んでいく意義は大き
く,e−leamingの難しさをはからずも学んだ。
イクロフィルムなどを場合に応じて選択していく必
た。
9.Webとコンピュータの活用
イリノイ大学図書館ホームページ川は懇切丁寧
で,書誌・所蔵・スケジュールに始まり大抵の情報
はこれを見る事によって得られるようにできてお
り,学生たちもその価値を知っていて非常に良く利
用している。それでも分からないことは,電話・e−
mai1・訪問により詳しく質問できるが,チャットに
よるリアルタイムレファレンス’引も行っている。参
考係が常時返答するためかなりの負担が課せられる
が,重要なツールとして活用されている。電子情報
参考係(Digita1services and information desk
coordinator)によれば,1年間で5万件の質問が寄
せられているが,電話が20%,チャットが12%,
見学したThe Digita1Media Resource Centerは
e−mailが7%であり,残りが来館によるものである。
Grainger図書館内にあり,高精度のデジタルカメラ
を専用台に固定して壊れやすい資料を上から撮影す
日本でも言われている事だが,参考業務の目的は
る機材や地図など幅1.2mまでの大型資料を読み取
れる特殊スキャナなどの設備があり,貴重資料や地
図などの電子化が進んでいる。ここでは,先述の講
師が電子化専門職としてアルバイトを使って1ぺ一
ジずつ撮影作業を進め,画像にメタデータを付与し
ていた。イリノイ大学には図書資料のほかアメリカ
法を教えて利用者が次回以降には自力で調査できる
ただ毎回の質問に答えるのではなく,情報の利用方
能力を与える事である。オンラインデータベースの
普及と利用者の情報検索スキルの向上によりレファ
レンス件数はここ数年減少傾向にあるという。
Webぺ一ジ作成は図書館員の重要な役割である
という認識から,このプログラムでも「Web
の代表的作曲家J.Pl Sousaのオリジナル楽譜や絵画
design」の講座が設けられた。ホームページ作成の
など美術品のコレクションも多く,学内の美術館に
ための特定ソフトウェアを使うのではなく,HTML
タグを使って基礎から作る方法を学んだ。講師は本
職のWeb masterとして働きながらイリノイ大学の
図書館情報学大学院引に在籍し,モーデンソンセン
はエジプト出土品からルネッサンス絵画,浮世絵に
いたるまで収集展示されているため,電子化の需要
は高い。
電子化は傷みやすい資料を高画質で保存し自由に
ターからの依頼を受けて講師を勤めており,イリノ
閲覧できるようにする事が目的であるが,一方で紙
イ大学図書館の常勤職員ではない。先述の電子化ク
の資料を寒暖差や湿気や虫食いなどから守る事も重
ラスとは対照的に,講師が直接細かく親切な指導を
要である。イリノイ大学は四季によって寒暖の差が
とても激しく,図書館本館の地下にトルネードの待
行い様々な質問にも答えてくれて,最後に教材で使
避シェルターがある事からも分かるように気候条件
は厳しい。Library festivalの項で紹介した補修専門
からホームページを充実していかなければいけない
国のメンバーなどに大好評のクラスであった。
部署は,大学全体から破損・老朽化した本が送り込
大学内の46図書館・室にはそれぞれに数台∼数
44
った資料をCD−ROMにして配布してくれた。これ
大学図書館研究LXXIV(2005.8)
十台のPCが設置されており,一般用に250台・職
員用に500台ある。図書館以外の居住区の施設をあ
わせると3,000台を数える。利用者はID・パスワー
ド認証によりログインし,e−mai1の確認・Web閲
覧・ファイル作成保管ができる。不正アクセス防止
のため,ID認証をしない一部の端末は図書館資料
検索専用として館員の目の届くところに配置するな
どの対策が取られていた。また,図書館周辺やカフ
ェなどの多くは無線LANスポットになっていて,
IDを取得すれば自分のノートPCから24時間無料で
接続できる。図書館は平日なら夜中の3時まで開い
ているが,週末は夜7時で閉館してしまうためカフ
ェにノートPCを持ち込んで調べ事の続きを行う学
生をよくみかけた。私は,最初の10日間ほどはこ
のIDが無いために情報収集と文書の作成が困難で
ノートPCを持ち歩いていたが,一度付与されれば
広大なキャンパスじゅうどこでも自分のデスクのよ
うに使えて非常に便利であった。図書館がインター
学全体では他館への貸出を年間約9万件依頼する
が,そのうち5万件以上がILLNET−On1ineでの申
し込みであった。ILLINET−On1ineに無い資料は,
OCLC Wor1d Catで検索する。こちらも検索結果か
らそのままILLを申し込めるが,メンバー以外への
依頼となるのでこの場合は図書館員が申し込み手続
きを行う。
ILLINETの中に,以下のようなより高い基準に
基づく65の大学図書館をメンバーとする学術コン
ソーシアムILCSO(II1inois Library Computer Sys−
tems Organization)1日「がある。
1)North Central Association Commission on
Institutions of Higher Education1=”によって公認を
受けている大学であること。
2)I11inoisBoardofHigherEducation!1=によって
学位授与機関に認定されていること。
研究団体の場合,非営利の図書館または学校等が
あること。
ネット・カフェと化するのを懸念する声は常にある
3)イリノイ州内に3万タイトル以上の印刷物を持
が,電子資料の項でも述べたように図書館内にPC
がある事で紙資料を見ながらネットからも情報を得
ち,うち50%が貸出可能であること。
られる利点は大きく,学生もそれを望んでいる。日
ありMARCフォーマットであること。また,75%
本でも図書館とコンピュータ部署を統合して情報セ
ンターと改称する大学が多いが,紙資料とネットを
にバーコードが貼られていること。
同時に使える環境があって初めて融合的な機能が生
1ibrary science・略称MLS)を持つ常勤司書が少な
4)貸出可能資料の90%がOCLCデータベース内に
5)図書館情報学大学院の修士号(Master of
まれるはずなので,名称だけにとどまらない環境づ
くとも1名は居ること。(アメリカ図書館協会公認
くりが大切であろう。
校が望ましい)
10.図書館協力・コンソーシアム
イリノイ州には電子資料の共同購入・共有コンソ
ーシアムとして,IDAL(I11inois Digita1Academic
Library)17=がある。約30タイトルのe−jouma1が閲
覧できるが,州機関であるため公費で運営され,利
用者の費用負担は無い。アメリカでは,州ごとの連
ILCSO設立の目的は,機関同士の協力によって広
域な情報へのアクセスを強化する事である。このよ
うに目的に応じて様々な学術コンソーシアムが組ま
れているが,単に資料共有や価格交渉を行うだけで
なく,水準を守りながらメンバーを選び,購読契約
にあたっては団体としての方針を立てて有利な交渉
をするなど効果的に運営されていた。
帯意識が強く,このように州単位のコンソーシアム
や契約が多く見受けられた。貧富や税収の格差が州
11.司書の専門性
により大きく異なるのも,国家主体だけでなく州に
よる教育基盤整備が活発な理由のひとつであろう。
前述のコンソーシアム(ILCSO)加入の条件の5)
IDALは電子資料の共有が目的だが,本など紙媒
体資料共有のためのコンソーシアムにはILLINET
というイリノイ州内4,000以上の図書館を擁する資
料共有ネットワークがある。ILL申し込み機能の付
いた全メンバー校共通の検索プラットフォーム
件があったが,アメリカにおいて大学図書館の専門
(ILLINET−On1ine■^1)を持っており,図書館間貸借
に「図書館情報学修士号を持つ常勤司書」という条
スタッフになるには通常この資格ともう一つ自分の
専門とする分野の修士号が求められる。そのため,
図書館情報学の大学院生たちは既に法学・化学など
の修士号を取得した後に入学し,その分野の専門司
書を目指していた。ロースクール卒や博士号取得者,
は無料となっている。貸借依頼はILLINETが自動
的に選んだ相手館に直接届き,在籍校の図書館司書
既婚者も多く,年齢は25歳∼40歳程度まで幅広い。
の手は経由しない。受け取り場所を在籍校以外のメ
とんどの大学院生は教育補助者(Teaching assis−
ンバー校に指定することも可能である。イリノイ大
tant〕制度を使って大学で働いており,それが経済
先述のWebデザイン講師など有職者も多いが,ほ
45
アメリカの大学団害館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
的に安心して研究できる大きな助けになっている・
図書館情報学大学院生は,それぞれ自分の専門とす
明確にした専門の部署を一つ新しく立ち上げてしま
る主題分野の図書館で働き,専門的な質問にも答え
る。大学側から見ても,ある程度専門能力が高く若
分の判断で仕事ができる権限の代わりに目標達成の
い,高い知識と技術を持つスタッフを確保して,自
い人材を相場より安い賃金で確保できており,双方
責任を負わせ,結果によっては数年単位で雇用継続
を再検討する。そのようにして国際的な競争力を持
にとってメリットのある制度と言える。このように
つ研究機関となり得るのだ。利用者・研究者にとっ
して,1.図書館情報学修士号,2.それ以外の専
門学位,3.実務経験,の3つ全てを持った司書が
て「頼れる図書館・頼れるスタッフ」という認識を
高めていくために,取り入れていける点は多いと感
育つ。
じた。
イリノイ大学を始めとして,アメリカにおいて司
ここでは,1)Teachingassistantの活用,2)
書は教員職位(Facu1ty)であることが多く,図書
館学や自分の専門分野の授業を持っている。例えば
「金曜日の1時限目は学生に資料分類法を教えるの
で図書館には居ない」という勤務形態である。歴史
の授業を持って,附属博物館の学芸員を兼務する司
「専門業務」と「一般事務」の業務棲み分け,3)
共同人材育成 の3点について提案したい。
1)Teaching assistantの活用
書も居た。
アメリカの図書館で行っているような,学問専門
分野に関するレファレンスを行うにはどうしたら良
総合的に事務全般を担う事務員は別に居て,司書
いだろうか。「学問的な質問は教員へ」という構え
(Librarian)に対してLibrary staffと呼ばれる。職
では,頼れる図書館にはなれない。現状では利用者
務上の棲み分けは図書館の規模が大きいほどはっき
り行われており,司書は資金調達や長期的図書館計
が図書館にそこまで期待していない点は否めない
が,中期的展望として「図書館に行けば答えが見つ
かる」という意識を持ってくれれば利用者との関係
はより良いものになるだろう。しかし司書が資料や
データベースに限らず学問の分野でも幅広い自己研
鐘することは難しいし,将来的には院卒者を専門司
書として採用するとしても一般的になるのは少し先
画,専門性の高い質問への対応などをし,Library
staffは経理処理や受け入れ整理などを行う。
イリノイ大学の司書たちは図書館の目的や利用
者・業務内容に応じでどのような力が必要かという
視点で厳しく自己研鐙を行っていた。そ札でも,採
用後の5年程度は解雇の可能性のある試用的期間で
あり,その間の勤怠や発表した研究論文などにより
ようやく終身雇用権(Tenure)が与えら札る。も
ちろんここで自己研鐘が終わるのではなく,発展研
修プログラムUIUCLibraryStaffDeve1opmentand
だろう。
そこで,現役大学院学生のTeaching assistant
(以下TA)制度をもっと活用してはどうだろうか。
アメリカでは大学院生は単に学ぶだけでなく,
様々な形で大学業務に携わり大きく寄与している事
Training22コを組んで積極的に切磋琢磨していた。定
は先述した。日本では,まだ大学院生が学生扱いさ
期的に行う会合には私達17名も招待さ札,活発に
情報と意見を交換する現場を見学できた。ここでは
各図書館員で構成された委員会が変遷の激しい情報
環境に応じて最も必要とされる訓練プログラムを企
画・実行・評価しており,新人司書の訓練も行う。
イリノイ大学では,優れた学術専門職能開発プログ
ラムにはProvost(学務担当副学長)が設立した
Academic Professiona1Deve1opment Fund捌とい
れ過ぎているのかも知れない。彼らの多くが非専門
的なアルバイトをしているのはとても残念に思う・
現在の日本でTAは授業補助が中心的な役割だが,
図書館スタッフとして雇用すれば利用者の要望に答
えられる幅が増える。将来的には主題の質問に対応
できるTAとして院卒の中でも司書志望者を雇用す
るのが理想だが,今の日本には大学院修了後に
MLSを目指す学生はまず居ない。だから図書館に
う基金(年間予算50,000ドル)から1人年1回
とってアメリカの例ほどのメリットが出てくるのは
1,000ドルを上限に会合・出張・印刷・通信費用の
先になるが,TA(主題)と司書(専門業務)の知
識を互いに与えあって相乗効果で図書館を高めてい
けば司書が専門性の高い職業として認識され各分野
補助金が出る。そのような支援体制も自己研鐙に役
立っている。
の院卒者が目指すようにもなり得る。
12.日本への応用
今回アメリカで特に強く感じたことは,司書の専
門性とプロ意識の高さ,そして権限と責任の重さで
あった。大学は,必要とあれば目的と方針と目標を
46
インターンシップなどにはどの大学でも力を入れ
ているが,このような場で学内でも実務経験を持っ
た人材育成ができれば,大学院生にとっては知識を
活かした仕事で貴重な社会経験にもなり,大学は社
大学図書館研究LXXIV(2005.8)
会からの評価向上につながり得る。
究機関を目指すなら重要なのは司書を専門業務に集
中させて一般事務を効率化することであろうから,
2)「専門業務」と「一般事務」の業務棲み分け
どの分担方法が本当に最適なのかは熟考の必要があ
先述したように,アメリカではレファレンスや長
る。業務内容が細分化されていて,外部委託にする
期運営計画など図書館の知識が必要な「専門業務」
とかえって業務が滞る上に高くつく場合もあるだろ
をLibrarianが,経理処理などそれ以外の「一般事
う。
務」をLibrary staffが担当するという業務棲み分け
によって研究機関としての専門性を高めていた。司
図書館ではこれまでも「司書とジェネラリスト」
「専任とパート」「内部と外部」という多くの要因を
書が専門業務に集中できるのは,Library staffを信
考慮して人材配置されて来たが,効率や人件費削減
用して問題が起きた時に対応を判断できる基準と権
だけではなく「司書の専門性を向上させ,頼れる研
限を与え,質問対応などで手を煩わされないからで
究機関を目指す」という目標に力点を置いて業務棲
み分けを考えてみてはいかがだろうか。
あろう。
日本の大学では司書を専門職として雇用するので
はなく総合的事務職として雇った専任職員の中から
配属する場合が多いので,資格の有無や自身のキャ
リアデザインに関わりなく図書館で働く職員も多
い。特に小規模大学では完全な業務棲み分けは難し
い。しかし今後,専門性の高い研究機関を目指すな
ら,図書館を熟知して長期計画ができる専門業務に
3)共同人材育成
さて,司書が専門性の高い分野を担当するとして,
どのようにそのための研鐘を行えば良いだろうか。
日本では,まず先述の図書館情報学大学院のよう
な制度をそのまま応用するのは確かに難しい。情報
系の専門知識を持った人材を求める場は他に多くあ
特化した人材育成が必要であろう。
り,修士学位を二つ持つような司書を使いこなす環
そこで,アメリカのように司書の専門性を向上さ
境もなく特別な厚遇をする用意もない。実際に,図
せることを前提として,可能な範囲でこの業務棲み
分けを取り入れることを提唱したい。
書館情報学の学位取得者はIT関連など民間企業へ
専門業務に関しては精通するのに時間と経験が要
大学で取得する学生も就職希望者も多いにも関わら
るので,せっかく学んでも数年おきに移動するジェ
ず,求人数が非常に少なく近年は募集があっても嘱
ネラリスト職員ではなく,有資格者または長期的に
れば無駄が少なくメリットが大きい。一般事務は図
託や臨時職員,契約職員としての職位も多い。知
識・能力・労働意欲を持つ人々とそれを求めている
場があるのに,上手く結びついていないように感じ
書館以外の仕事にも応用が利くので,司書志望では
る。
ないジェネラリスト職員を,担当・監督できるプロ
司書は専門知識を仲はして将来図書館を発展させ
として配属するのが効率的だろう。
る役割を担うべきだが,多くの組織の意志決定機関
からは「資料を分類整理して提供する」ということ
図書館で働くキャリアデザインを持った者を配属す
小規模図書館の場合は専任職員を司書とジェネラ
リストに分けるのは確かに難しいので,専門業務と
就職するケースも多い。図書館司書資格についても,
しか期待されていないのではないだろうか。現状で
一般事務を専任職員とパート職員などで分担する方
はせっかくの学位や司書資格が価値と必要性を持た
法も併用する必要が出てくるが,パート職員に権限
と責任を与えるには待遇面に問題が出てくる。アメ
ず,専門職としての魅力を失ってしまい人材が育た
ない。研究機関として図書館の重要性を認識してい
リカのLibrary staffにも学部学生アルバイトのレベ
れば,情報の形態が激しく移り変わっていくこれか
ルから担当業務に関する専門知識を期待される職位
らの時代に備えて,それに対応できる専門知識と向
まで様々な段階があるので,可能なら専任とパート
学心を持つ人材を確保しなければならないのは自明
との中間的な職位を設けて熟達した者を昇給させる
の理であろう。
などある程度長期勤務を前提とした雇用制度を整え
では,図書館情報学大学院を多く持たない日本に
ることも,頻繁な入れ替わりに歯止めをかけて育成
に時間を取られない対策として考えられる。また,
おいて,司書がより高い知識と技術を持つためには
どうすれば良いだろう。イリノイ大学の図書館員た
マニュアルを徹底し,発生した問題と対応例を集積
して専任・パート職員双方の意見を採り入れつつ随
ちが委員会を組んで発展研修プログラムを企画運営
している例を紹介したが,日本では,個々の図書館
時更新すれば,引継ぎの効率化につながる。
で司書を教育するのは資金も人材も乏しい。まして
休職させて大学院へ行かせる時間を与えることは難
しい。また、大学院の教育内容がそのまま現場で望
各図書館の事情によって外部委託を始めとする
様々な業務分担が行われているが,専門性の高い研
47
アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
まれているスキルに直結しているわけではなく,む
広くなっていく。そのような時代に,このプログラ
しろ0JTの方が重要視される場合が多いのも事実
ムに参加できたことをたいへん有り難く感じてい
である。
る。
そこで,目的を同じくする大学図書館が資金を出
し合って講師を招聰し,場所を提供し合って研修プ
ログラムを作るのはどうだろうか。司書と図書館学
の専門家が少なく大学同士が密接した日本では,イ
リノイ大学のように一つの機関で行うよりも共同開
発のほうが効果が大きいはずだ。
注記
文中の為替レートは,2004年10月現在の概数で,
1ドル=110円で計算した。
参考文献
司書業務の基幹となる部分に関しては国立情報学
研究所の教育研修事業24〕でも効果的におこなわれて
鷹尾道代.アメリカにおける大学図書館員の専門性
いるが,例えば「電子ジャーナルの価格体系と展望」
際図書館プログラムに参加して.大学図書館研究.
など,今まで司書それぞれが時間をかけて事例から
No.71.2004,p.17−32
学ばなければならなかった事や,判例・理工医学情
宮本智佳子・宮本美帆子・杉本昌彦.2004年度海外
報など大学図書館特有の専門業務内容を体系だった
集合研修報告書、(私立大学図書館協会国際図書館
講座として学べれば新任の司書も取りかかりやす
協力委員会への報告書).2004
についてイリノイ大学モーテンソン・センター国
い。その際は受講生一人一人を教育する事を最終目
標にするのではなく,国立情報学研究所の総合目録
データベース実務研修25〕のように修了した司書がそ
れぞれの図書館で周囲を教育できるような内容を目
指せば,全員が受講しなくても効果が増大する。
私立大学図書館協会では様々な業務内容に応じて
分科会を行っているが,例えばあるテーマで講師を
招聰して講座を開いたり見学会を行ったりする際
に,分科会員以外の図書館員への広い参加呼びかけ
を強化するのも教育効果を高める一つの方法であろ
う。
脚注(参考URL)
1)Mortenson Center for Intemationa1Library Pro−
grams.(online),avai1able from〈http://www.
1ibrary.uiuc.edu/mortenson/>,(accessed2005−04−
26)
2)Office of Deve1opment and Pub1ic Affairs。
(on1ine).availab1e from〈http:〃www,1ibrary.uiuc.
edu/friends/〉,(accessed2005_04−26)
3)Bi11&Me1inda Gates Foundation.(on1ine),avai1−
ab1e from<http=//www.gatesfoundation.org/〉,
(accessed2005_04−26)
今から実際に図書館学校を設立することが難しい
日本では,そのように貴重な研修活動ひとつひとつ
を有機的に結びつけることによって「ヴァーチャル
図書館学校」として大学図書館司書全体の能力を上
げていくのが現時点では最も効果的ではないだろう
4)Grainger Engineering Library.(oniine).avai1ab1e
from<http=〃web.library.uiuc.edu/grainger/〉,
(accessed2005_04−26)
5)The American Library Association(ALA).
(on1ine),avai1able from〈http://www.a1a.orgノ〉,
か。
(accessed2005−04−26)
13.終わりに
今回の研修にあたっては国際図書館協力委員会を
http:〃wwwjdncenter.org>,(accessed2005−04−26)
6)The Foundation Center.(on1ine),avai1ab1e from〈
始めとし学内など多くの方にご負担をおかけして,
2ヶ月という長期に渡って多くの得難い経験をさせ
ていただいた。
7)Book Repair and Pamph1et Binding Unit.(on1ine),
avai1ab1e fromくhttp:〃www.1ibrary.uiuc.edu/pre−
serve/〉, (accessed2005−04−26)
8)UIUC Library On1ine Cata1og.(on1ine),availab1e
アメリカ図書館界で様々な経験を積んだモーデン
ソンセンターの方々を始め,イリノイ大学各図書館
fromくhttp://www.1ibrary.uiuc.edu/cata1ogノ>,
の専門司書,訪問先機関のスタッフ,各国参加メン
9)On1ine Research Resources.(on1ine),avai1ab1e
バーなど多種多様な図書館司書と深い交流が持てた
from 〈http://www.library−uiuc.edu/orr/>,
事も未来につながる大きな財産となった。
(accessed2005−04−26)
今後の課題は,日本特有の図書館環境に応用する
方法を考えて実現する能力を培うことである。
<http:〃。i.nii.acjp/cinii/pages/out1ine一.htm1>,(参
これからも学術情報のあり方はますます大きく変
月貴2005−04_26)
わっていくであろうし,図書館司書の役割も当然幅
48
(accessed2005−04−26)
10)国立情報学研究所CiNii.(オンライン),入手先
11)CIC(Committee of institutiona1cooperation).
大学図書館研究
LXXIV
(2005.8〕
(on1ine),avai1able fromくhttp:〃www.cic.uiuc.
nization).(on1ine〕.avai1able from〈http=〃www.
edu/>, (accessed2005−04−26)
i1cs0.uiuc.edu>, (accessed2005−04−26)
12)Digita1Services and Deve1opment Unit.(on1ine),
20)
North Central Association Commission on Institu−
avai1able fromくhttp:〃images」ibrary.uiuc.edu/〉,
tions of Higher Education.(on1ine).avai1ab1e
(accessed2005_04_26)
from〈http=//www.ncacihe.org〉,(a㏄essed2005−
13)The Digital Media Resource Center.(on1ine),
04−26)
avai1ab1e from〈http=//images.1ibrary.uiuc.edu/
21)
I11inois Board of Higher Education.(on1ine).avai1−
dmrc/index.htm〉,(accessed2005−04−26)
able from<http:〃www.ibhe.state.u.usノ〉.(accessed
14)UIUC(University of I11inois at Urbana Cham−
2005−04−26)
paign)1ibrary.(on1ine).avai1ab1e fromくhttp:〃
22)
www.library.uiuc.edu/indexlhtm1>,(accessed
(on1ine),avai1ab1e from<http://www.1ibrary.uiuc.
2005_04−26)
15)Chat with a Librarian On1ine1.(online〕,avai1ab1e
UIUC Library Staff Deve1opment and Training.
edu/training/training.htm1〉.(accessed2005−04−26)
23)
Academic Professiona1Development Fund、
from〈http:/ノwww.1ibrary.uiuc.edu/rex/ref1ib−
(on1ine).avai1ab1e from〈http:〃www.provost,
form.htm1〉,(accessed2005−04−26)
uiuc.edu/departments/grants.html#apdf〉,
16)The Graduate SchooI of Library and Information
Science.(online).available fromくhttp:〃www.1is.
(accessed2005_04−26)
24)
17)IDAL(Illinois Digital Academic Library).
(on1ine).avaiIab1e fromくhttp=〃www.ida1.minois.
国立情報学研究所の教育研修事業.(オンライン)、
入手先くhttp://www.nii.ac.jp/hrd/index.htm1〉、
uiuc.edu〉, (accessed2005−04−26)
(参照2005−07−19)
25)
総合目録データベース実務研修.(オンライン)、入
edu/>. (accessed2005−04−26)
手先くhttp=〃www.nii,ac,jp/hrd/HTML/Db/>.
ユ8)ILLINET−On1ine.(onIine).availab1e fromく
(参照2005−07−19)
http=//1ibrary.ilcso.i11inois.edu!i1csoノ>. (accessed
2005_04−26)
19)ILCSO(Illinois Library Computer Systems Orga一
<2005.4127 受理 うめざわ たかのり
中央大学図
書館都心キャンパス事務室司書>
UMEZAWA,Takamo㎡
Libm町m8皿8gomo皿t im Umit6d St団tos or Ame㎡ca:
A re叩血。f p㎜寸ioi岬tiom im“Mo血。msom Cemtor
rorImtemati㎝81Libmrypro阻ams”
Abstmot The author was the second person awarded an overseas study grant by the Comm1ttee on
Intemationa1Library Cooperation of Japan Association of Private University Libraries to participate in
the Mortenson Associates Program at the Mortenson Center for Internationa1Library Program.Universi−
ty of I11inois.Seventeen1ibrarians from around the wor1d1earned about American1ibrary operations.A1so.
participants were ab1e to conduct persona1interviews according to their persona1interests.The author
chose to focus his research on digita1issues in academic1ibraries.conducting his individual interviews
with digita11ibrarians and1ibrarians specia1izing in digita1reference,and considers how best to train pro−
fessiona1Iibrarians.
Keywords:University of I11inois at Urbana−Champaign/Mortenson Center for International Library Pro−
grams/Associates Program/Graduate Schoo1of Library and Information Science,University of I11inois
at Urbana−Champaign/Teaching assistant/1ibrarian training
49
アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
【参考資料・研修スケジュール】
291Undergraduate Library
1=00−2:30Introduction to On1ine Cata1og
MORTENSON CENTER FALL2004SCHEDULE
Jaclyn Bedoya,Graduate Assistant,Mortenson Center
September13−November5
509ACES(Agriculture,Consumer and Environmen−
taI Sciences Library)u01South Goodwin
Monday,September13
3:00−5:00Country Presentation Meetings
9:00a.m.Meet at Mortenson Center
Mortenson Center Seminar Room
Tour of the Main and Undergraduate Libraries
Barbara Ford and Susan Schnuer
11:00a.m.E−maiI a㏄ess
3:00−3:30■Vietnam/Japan
1:00−1:30Country Presentation Overview
3:30−4:00−Uganda/Kenya
(Mortenson Center Seminar Room)
4:00−4:30−Colombia
Susan Schnuer and Barbara Ford
4:30−5=00−South Africa
1:30p.m.Individua1Meetings with Barbara and Susan
Mortenson Center O冊。e
Friday,September17
6:45a.m.Depart Orchard Downs(Haze1wood Court)
Tuesday.September14
for SPringfie1d,I11inois
8:45a.m.Tour of the Library Science Library
Reaching Forward South Conference
Sue Searing,Head
4:00p.m.Return to Champaign
Meet at Mortenson Center Office
1O=OO−11:30Library Associations and homework for
Monday,September20
ILA and Reaching Forward South
8=30a.m.Meet at Mortenson Center to walk t0
Grainger
Barbara Ford and Susan Schnuer
291Undergraduate Library
12:40p.m.Individua1Meetings with Barbara and
Susan
9:00−11:OO Communication Styles
Susan Schnuer
Grainger Commons,2nd F1oor
Mortenson Center O冊。e
1:30−3:30Tour of Linco1n Trai1Libraries System,a
3=30p.m.Depart from Library Main Parking Lot for
multi−type1ibrary consortia
Storyte11ing at Champaign Pub1ic Library.Doug1as
Depart from Main Library Parking Lot at1:30
Branch
Michae1McCarty
Retum to Main Library Parking Lot at3:30
5=00p.m,Retum to campus
6=30−8=00Dimer with Librarians from University of
3:30−6:30Introduction to Digitization Class
Toront0
Wednesday,SePtember15
8=00a.m,Meet at Mortenson Center
Levis Facu1ty Center,Second F1oor,919West I11inois
Street
8:30−12:00Pomoja.an international simu1ation game
(some Friends may join us)
Tuesday,September21
407Levis
9=00a.m.Meet at Mortenson Center Office
12:00−1:00Lunch with Mortenson Friends
Amy Maroso,Instructor for Digitization C1ass
Levis Center,Music Room
289Undergraduate Library
2=OO p.m.Meeting with Charlene Mi1es.IntemationaI
1O1OO−12100Powerpoint Presentation
Facu1ty and Staff Affairs
Chong−Hwey Fee,Mortenson Center Project Coordina−
Meet Dixie at the Mortenson Center at2=OO and bring
tOr
a11documents
289Undergraduate Library
3:00p.m.Meet at Mortenson Center to go to Facu1ty
1:30−3:00Library Management Series Networks
Meeting
Terry Weech,Professor
3:30p.m.Library Facu1ty Meetin9
at the Graduate Schoo1of Library and Information Sci−
407Levis
enCe
291Undergraduate Library
Thursday,September16
4:00−6:OO Introduction to Digitization
9:00−11=00Library Management Series
Da1e Si1ver,Assistant Dean
Wednesday,September22
Graduate School of Library and Information Sciences
8:00−1O=00Introduction to Digitization
50
大学図書館研究
10:00−12:00Powerpoint Presentation
LXXIV
(2005.8)
8:00−12:00Web Design C1ass−Assessment Groups
Chong−Hwey Fee
Eric Sizemore,Instructor
509ACES
022ACES
1:00−4:00RehearsaI of Country Presentations
1:15p.ml Depart from Main Library Parking Lot
Grainger Commons,2nd Floor
1=30−3=00Illinois Fire Service Institute Library
4:30−6:30ALA Internationa1Committee We1come
Lian Ruan,Library Director
131GSLIS
3:00p.ml Retum to Campus
4:00−5:30ALA Student Chapter Meeting−Country
Thursday,September23
Presentations
9:00−4=00Strategic Planning
291Undergraduate Library
Bev Obert,Consultant for Ro11ing Prairie Library Sys−
tem
Wednesday.October6
(Lunch will be provided)
Introduction to Digitization
291Undergraduate Library
9:00−12=00Web Design Ciass−Group A
4:00−6:OO Introduction to Digitization
Eric Sizemore
289Undergraduate Library
Friday,September24
9:00−10:00Tour of minois Researcher Information Ser−
9:00−12:00Fina1rehearsal for Country Presentations
vice−Group B
291Undergraduate Library
Susan Harum.IRIS Director
Afternoon Introduction to Digitization
1280bservatory
Sunday,September26
Susan Schnuer/Barbara Ford
8:00a.m.Depart Orchard Downs for Chicago
428Library
(Please bring smau suitcasesムChicago is co1der than
3=30p.m,Meet at Mortenson Center
Champaign)
3:45p.m.Reception at Graduate Schoo1of Library and
1=30−3:30Library Advocacy Strategies
Information Sciences
Monday,September27
East Lobby with facu1ty of the schoo1
Visit American Library Association and Chicago Tri−
bune Newspaper
Thursday,October7
Tuesday.September28−Friday October1
9:00−11=00Library Management Series−Organizing
I11inois Library Association一一Chicago
Da1e Si1ver
Introduction to Digitization
329Grainger
Friday.October1
12:00−3:OO Web Design Class−Group B
Return to Champaign
Eric Sizemore
2:00p.m.Retum to Champaign from Ho1iday Inn Hote1
509ACES
12:00−1=OOTourofIRIS−GroupA
Monday,0ctober4
Susan Harum.IRIS Director
Introduction to Digitization
1280bservatory
9=00−10=00Undergraduate Library and Diversity Ser−
3:00−4:OO Microsoft Office−Assistive Features
ViCeS
Jac1yn Bedoya
Dana Wright.Diversity Librarian
029ACES
291Undergraduate Library
10100−12:00Peop1e First Services to Disab1ed Users
Friday,October8
Susan Schnuer
8:15a.m.Depart from Orchard Downs(Haze1wood
291Undergraduate Library
Court)to Arthur
2:00−3=OO Re1ationship Marketing and Management
Barbara Ford wi11 accompany
Becky Smith,Head of Business and Economics Library
9:OO a,m.Visit to Arthur Pub1ic Library
329Grainger
1O:30a.m.Tour of Amish Interpretative Center
A1ice Cisna,Library Director
Tuesday,October5
12=00noon Amish Mea1
Introduction to Digitization
1=30−2=30Amish Farm Tour
51
アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
3=00p.m.Shopping at Tusco1a Out1et Ma11
6:45p.m.Leave for I11inois State Library
5:30plm.Return to Champaign−Urbana
7:00p.m.Program Harriet Tubman Speaks=What was
the Underground Rai1road?
Saturday,October g
Re−enactment by Ms.Kathryn Harris,Division Manag−
Introduction to Digitization(Comp1ete c1ass on Satur−
er for Library Services
day,since you wi11not have time on Friday)
Abraham Linco1n Presidentia1Library and Museum
9:00p.m.Leave for Springfie1d Hi1ton
Sunday,October10
5:00p.m.Pickup at Orchard Downs at Haze1wood
Wednesday,October13
Court
8:45a.m.Leave for Linco1n Library
5:00−8:00Pizza Party at Barbara Ford’s
9:OO a.m.Tour of Linco1n Library,The Pub1ic Library
8:00p.m.Return to Orchard Downs
of Springfie1d
Nancy Hunt1ey,Director,Linco1n Library
Monday,October11
9:45a.m.Leave for the Dana House
9:30−11=30Tour with Jennifer Hain Teper,Head of Con−
1O=OO a.m.Tour of the Dana−Thomas House State His−
SerVatiOn
toric Site
44Main Library
Fo11owing Tour,Introduction to Preservation,Tom
11:00a.m,Leave for I11inois State Library
11:15a.ml Boxed Lunch at I11inois State Library
Teper,Head of Preservation
12:00p.m.Meeting,Spring日e1d Commission on Interna−
291Undergraduate Library
tionaI Visitors
1:00−5=OO Web Design C1ass
Iuinois State Library
Eric Sizemore
1=30p.m.Leave for ISL Talking Book&Brai11e Service
509ACES
ユ=45p.m.Tour of Ta1king Book&Brai11e Service
1:00−3:00GroupA
Sharon Ruda,Associate Director,I11inois State Library
3:00−5:00Group B
Talking Book&Brai11e Service
2=45p.m.Leave for Linco1n Presidentia1Library
Tuesday,October12
3:00p.m.Tour of the Abraham Lincoln Presidential
7:30a.m.Depart for Sprin虹ie1d,I11inois,from Hazel−
Library
wood Court at Orchard Downs
Kathryn Harris,Division Manager for Library Ser−
SpringfieId−I11inois State Library
ViCeS,
9:45a.m.Leave for the I1hnois State Museum
Abraham Linco1n Presidentia1Library
1O=OO a.m.Tour of the“Changes”exhibit at the I11i−
4:00p.m.Leave for Springfie1d Hi1ton
nois State Museum
5100p,m.Leave for Caro1Jean’s
Dr.Bonnie Sty1es,Associate Director.I1Iinois State
5:30p.ml Host Dinner Reception aピ’Carol Fraase’s
Museum
Farm”
Discover other exhibits and the’‘I11inois State Muse−
7:30p.m.Leave for Sprin虹ie1d HiIton
um Gift Shop”on your own
12:00p.m.Leave for1unch
Thursday,October14
12:15p.m,Lunch at“Two Olives&A Pepper}
8=45a.m.Leave for I11inois State Library
1:15p.m,Leave for I11inois State Library
9:00a,m.We1come to the“I11inois State Library’’
1=30p.m.We1come to the“I11inois State Library”
Jean Wilkins,Director,I11inois State Library
Jean Wi1kins,Director,I11inois State Library
Presentation on the‘‘Mortenson Center for Intema−
Tour of the I11inois State Library
tiona1Library Programs”
B1aine Redemer,Head of Reference,Iuinois State
Library
Barbara Ford,Director,Mortenson Center
2:45p.m.Leave for Old State Capit01
Country Presentations−Mortenson Associates
Susan Schnuer,Assistant Director,Mortenson Center
3100p.m.Tour of O1d State Capito1State Historic Site
10130a.m.Parting Comments
3:30p1m,Leave for Linco1n’s Home
Barbara Ford,Director,Mortenson Center
3:45&3:50Tour of Linco1n Home Nationa1Historic
Susan Schnuer,Assistant Director,Mortenson Center
Site
4:15p.m.Leave for the Sprin敏e1d Hi1ton
Host Visits
Dinner on your own
Raphae1Aregu and Pau1Mwanzi1o: John Stierman,
52
一大学図書館研究
LXXIV
(2005.8)
Westem I11inois University
3:304:30Fo11ow the Book Tour−Technica1Services
GIadys Rodriguez Guzman:Tammy Debonye,Beard−
Lisa German,Head of Acquisitions
stown Houston Memorial Public Library
Acquisitions Office.12Library
Nga Vu Duong Thuy and Hanh Thi Nguyen:Greg
Green.Northem I11inois University
Wednesday,October20
Rirhandzu Sharon Mhinga:Chery1Bushne11,Lincoln
Introduction to Digitization
Land Community Co11ege Learning Resource Center
9:00一ユ2:00Web Design C1ass−Group B
Mariam Nata1wa11a:Kathryn Harris,Abraham Linco1n
Presidentia1Library
Eric Sizemore
A1vina Matthee:Connie Poo1e and Fran Kovach,
12:30p.m.Depart for Linco1n Trai1
289Undergraduate Library
Southem I11inois University Schoo1of Medicine
1=00−5:00FISH−Exce11ent Customer Service
G1oria Maria Parra Mora and Gonza1o Rincon Gomez:
Linco1n Trai1Libraries System
Dr.A11en Lanham,Eastern I11inois University
Jan Ison,Director
Ingrid Thomson:Jane Treadwe11,University of I11inois
Amy Weber,Consu1tant
at Springfie1d
5=00p.m.Retum to campus
Nomabhaso Ramugondo:Jane Sharka.Napervi11e Cen−
tral High Schoo1Library
Thursday,0ctober21
Therese E1s:B1eue Benton,Oak Park Pub1ic Library
Introduction to Digitization
Takanori Umezawa:Sue Stroyan,I11inois Wes1eyan
UniVerSity
9:30a.ml Meet in Library Parking Lot to1eave for Lin−
Rone11e Van Vouenhoven:Cynthia Jones.East St.Louis
Jac1yn wi11 go with the group
coIn Trai1
Pub1ic Library
10:00−12:30Market Research on a Dime
Adriana Maria Betancur=Carolyn Anthony,Skokie
Linco1n Tria1Libraries System
Pub1ic Library
2=OO−3=OO Microsoft O舶。e
Johon Javer Garibe11o Loaiza:Ron Stoch,Eisenhower
Jac1yn Bedoya
Pub1ic Library District
029ACES
4=00p.m.Ro1e of Library Director
Saturday.October16
Pau1a Kaufman
Return to Champaign−Urbana
428Library
Monday.October18
Friday,October22
Introduction to Digitization
Introduction to Digitization
9=00−12:00Web Design C1ass−Group A
10:00−12:00Fundraising Strategies
Eric Sizemore
Susan Schnuer
289Undergraduate Library
291Undergraduate Library
1=30−3=30Library Management
Free time for meeting with Mortenson Friends
Terry Weech
329Grainger
12Main Library
Saturday,October23
10:OO a,m.Seminar on Pub1ic L三braries:A Discussion
with Boyd Rayward.GSLIS Professor,about pub1ic
Tuesday.October19
1ibraries both in your countries and the U.S.
Introduction to Digitization
GSLIS,Room109
10:00−12=00Fundraising Strategies
Susan Schnuer
Monday,October25
291Undergraduate Library
9:00−11:00Library Mamgement−Directing
工:30−2:30Managing E1ectronic Resources
Dale Si1ver
Wendy She1burne,E−Resources Librarian
428Library
291Undergraduate Library
12:30Meet at Mortenson Center to wa1k to Un1versity
High Schoo1Library
3:00p.m.Mortenson Center Advisory Committee
1:00−1130Tour of University High School Library
Meeting
Frances Harris,Head of Library
Mortenson Center Seminar Room
1:45−3:00Youth Policies and the Internet
53
アメリカの大学図書館運営
一モーデンソンセンター国際図書館プログラム参加報告一
Frances Harris
Group B:2=00−4:OO p.m.
329Grainger
6:00p.m.Mortenson Distinguished Lecture Dinner
Monday,November1
Levis Facu1ty Center,Reading Room
8:30−9:450verview of Virtua1Reference with Kath1een
Tuesday,October26
Kern
109GSLIS
9:00Meeting with Caro1Erickson from the Bi11and
10:00−1100GSLIS Socia1Justice C1ass
Me1inda Gates Foundation
109GSLIS
509ACES
2:00−5:00Web Design C1ass−Group A
10:30−12:00Meeting with ALA President,Caro1Brey
Eric Sizemore
Casiano
509ACES
GSLIS109
1:00−3:00Library Management
Tuesday,November2
Terry Weech
291Undergraduate Library
9:00−10=30Deve1oping International Partnerships
4=00p.m.Mortenson Distinguished Lecture
329Grainger
126Graduate Schoo}of Library and Information Sci−
n:00−12:00Microsoft Office
enCe
Jac1yn Bedoya
501East Danie1Street
289Undergraduate Library
Uja1a Satgoor/Susan Schnuer
12:45p.m.Group A departs from Main Library Park−
Wednesday,October27
ing Lot
9:30−12:30DISC−Leadership Trait Assessment
1=00p.m.Tour of Urbana Free Library−Group A
Cindy Ke11y,Head of Human Resources
2:45p.m.Group B departs from Main Library Parking
291Undergraduate Library
Lot
Aftemoon Time to start preparing workshops/ta1ks
3:OO p.m.Tour of Urbana Free Library−Group B
for return home
Wednesday,November3
Thursday,October28
9:00−4:00Digitization Hands−on Workshop
9:00−4=00Strategic P1anning
Amy Maroso
Bev Obert,Ro11ing Prairie Library System Consultant
Room to be Announced
291Undergraduate Library
6:30p.m,Graduation Dinner
(Lunch wi11be provided)
Thursday,November4
Friday,October29
8:00−10:30Web Design C1ass−Group B
9:30−11:00Library Advocacy from a Government View−
Eric Sizemore
point
289Undergraduate Library
Bridget Lemont,Vice Chair of the U.S−National Com−
10130a.m.Depart for Virtua1Rea1ity Cave with Jac1yn
mission on Libraries and Information Science
11:00−12=00Virtual Rea1ity Cave Visit
428Library
3510Beckman Institute
12=OO−4:00Web Design C1ass
Eric Sizemore
Friday,November5
289Undergraduate Library
Free Day/Departures
Group A:12=OO−2:OO p.m.
54