Programat® P310, P510, CS2

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special
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09/2013
Programat P310, P510, CS2
®
新しい QTK2 マッフルテクノロジー、SiC 焼成テーブル、
二重バルブバキュームシステムを持つポーセレン ファーネス
IvoclarVivadent が発表した新世代プログラマットは、魅力的で機能的なデザインや簡単操作にフォーカスしています。また、操作性を
向上させる追加機能が、この新世代のポーセレンファーネスでは特長的です。我々は、それを” thenewphysicsoffiring(新焼成工学)”と
呼んでいます。この知的技術は、全ての新世代プログラマットに組み込まれています。
トピック:プログラマット P310、P510、CS2
- 新しい QTK2 マッフルテクノロジー、SiC 焼成テーブル、二重バルブバキュームシステムを持つポーセレン ファーネス
執 筆 者 :Dipl.-Ing.RudolfJussel,MSc,ExpertEquipmentDevelopment,IvoclarVivadentAG,Bendererstrasse2,9494Schaan,
PrincipalityofLiechtenstein
IvoclarVivadent による最新のポーセレンファーネスが、プログラ
マットP310、P510、CS2 です。ヒーティングマッフルテクノロジー
温度コントロール
の改良により、均一な焼成ができます。このため、より高品質な
物理的条件の変化に関係なく、様々な要件を満たして温度を調整
修復物の製作が可能となりました。
する必要があります。例えば、熱伝導性は温度領域によって変化し
ます。低温度領域では、熱伝導や熱対流が重要な役割を果たします。
温度と負圧は、セラミックス修復物の焼成をコントロールする重要
また、温度上昇によって、熱放射の重要度が過度に増加します。
な物理的パラメータです。ポーセレンファーネスは、速い焼成工程
温度上昇率や急速な負圧状態の変化が、適切な温度調整には大き
(歯科陶材:140℃ / 分までの温度上昇率)の場合でも、常に温度
な課題となります。新しいプログラマットは、与えられた状況に
を修復物に伝える必要があります。また、焼成サイクルごとに、
対して適切な方法を選択する、誘導制御機能を持った、PID 制御シ
高い再現性を持った正確な温度調整が求められます。この精度は
ステムを採用しています。このため、それぞれの温度領域で温度
サーモカップルの温度測定と温度校正によって決まります。
超過を抑え、精度が高い制御ができます。従来の焼成技術に必要
な工程で、温度調整を考慮し、適切な制御方法を選択します。誘導
制御機能を持った PID 制御によって、設定されている温度上昇率
を、より正確に実行します。
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温度分布
さて、新しいプログラマットには特長があります。SiC 焼成テー
均質な温度分布(例:セラミックス修復物へのより均一な焼成)は、
ミックス材で構成されています。前述の公式に従うと、この焼
特にロングスパン修復物の焼成で均一な結果を得るためにとても
成テーブルは絶縁材で製作された従来型の焼成テーブルよりも
重要です。特に低熱伝導でセラミックス材料を焼成する際、均質
2000 倍高い熱流量を示しています。床暖房と同じように、焼成ト
な温度分布は短時間の焼成工程中に得られないことが推測され
レイの底面にある低温の部分が熱せられます。熱は通常、焼成ト
ます。
レイの中央から、焼成トレイの上に置かれた修復物の下部にも伝
ある一定時間で材料に伝わる熱量は、熱流量として決められてい
わります。これは、ロングスパンブリッジまたは複数の修復物を
ます。
焼成トレイに一緒に置いて同時に焼成する際に、特に重要です。
ブルは、際立った熱伝導率、特に高い熱流量を持つ高性能なセラ
 T 
Wärmefluss
    Cp    
...熱流量
  
以前は、焼成結果にばらつきが見られましたが、新しいファーネ
スでは均一な結果を得られます。
我々は、Ivoclar Vivadent が指定する、または各々のシステム
密度
 ...
Dichte
Cp...固有熱容量
spezifischeWärmekapazität
熱伝導
...Wärmeleitu
ng
温度差
T...TemperaturDifferenz
に対応した焼成トレイの使用を推奨します。
壁の厚み(肉厚)
 ...Wanddicke
熱流量(密度 × 固有熱容量 × 熱伝導)は、材料とその定数によって
決定します。そのため熱流量は大きなばらつきがあります。
以下の表が主な素材の熱流量値です。
素材
  Cp  
ガラスセラミック
〜30
酸化ジルコニウム
〜65
貴金属
〜3000
IPS e.max キャド クリスタライゼーショントレイ
プログラマット 焼成トレイ
IPS e.max キャド スピードクリスタライゼーショントレイ
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新しい焼成テーブルは、熱分配や熱の均一性のような物理的特性
に加えて、その耐久性にも特長があります。摩耗に強く、耐熱衝
負圧(内部圧力が外部より低い状態)
撃性が高いので、焼成テーブルに付着した汚れは、ブラスティン
セラミックス修復物の焼成に重要な 2 つ目の物理的パラメータが
グ等によって簡単に除去できます。
負圧です。この点でも、新しいプログラマットは高性能な新機能
を採用しました。負圧の供給と持続や、様々な機能を持つ二重バ
新しいプログラマットは、投入温度に関して多くの点が強化され
ルブバキュームシステムを備えています。
ています。ヒーティングマッフル(QTK2)の新しい構造や大きさ
例えば、ファーネスヘッドを通して、焼成炉から直接空気を抜き
によって、熱線の耐久性が向上しています。熱線は、たとえ高い
ます。この機能は、冷却の加速だけでなく、燃焼で生じる排気物
温度上昇率で使用した後でも、ほとんど変形しません。
の排出を促進します。
通常、水分を含んだセラミックス修復物の乾燥工程では、排気の
ヒーティングマッフル(QTK2)の保証は、1500 時間に伸びま
効率は、ファーネスヘッドの位置だけでなく、乾燥させる修復物
した。
の数に大きく左右されます。しかし、新しいプログラマットでは、
燃焼で生じた残留排気物は、バキュームポンプによってファーネ
予備乾燥工程では、実績があるサーモショックプロテクション
スヘッドから排気されるため、効率的に排気ができます。
(TSP 機能)を既存の上位機種から採用しています。このため、焼
成開始温度がスタンバイ温度以外で行われた際、予備乾燥および
それだけではなく、効率的な焼成に必要な酸素が、ファーネス
ファーネスヘッドが閉まる間、高い安全性が確保されます。
ヘッド内の排気システムにより常に供給されます。酸素は、有機
徐冷中、開いたファーネスヘッド内のサーモカップルの位置で温
物の完全な焼成に重要です。新しいプログラマットでは、乾燥工
度が測定されています。従来のポーセレンファーネスと比較す
程や、ファーネスヘッドが閉じる工程中、より多くの酸素を供給
ると、新しいポーセレンファーネスは、焼成後にファーネスヘッ
できます。
ド内の温度をより短時間で下げられます。新しいプログラマット
では、サーモカップルはファーネスベース(プログラマットP200
燃焼で生じた排気物や蒸気は、Ivoclar Vivadent 製のバキュー
参照)ではなくファーネスヘッドに付いています。ファーネス
ムポンプを使用して、ポンプ出力から吸引装置や取り付けた
ヘッドが開いた状態で測定された温度は、必ずしも冷却速度また
ホースを通じて排出されます。ポンプの過熱を避けるために、
は焼成中の温度を表してはいません。冷却速度または焼成中の温
度は、ファーネスの構造、ファーネスヘッドが開いている位置や
角度によって異なります。ファーネスヘッドの温度とスタンバイ
温度が同じ状態でプログラムを始めることを推奨しています。
より優れた温度制御をするために、特別な赤外線技術がプログラ
マットP510 用に開発されました。この技術は、光学温度コント
ロールシステムに基づいています。
ポーセレン ファーネスとバキュームポンプは、長さ 1.6m 以上
(10m まで)のホースで繋いでください。
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ポーセレンファーネスの断熱材は、原則として吸湿性があります。
新しいプログラマットに装備されたバキュームシステムの確かな
つまり、室温または気候条件の変化で、断熱材が外気から湿気を
利点は、自動的に最低限の真空値までバキュームを行うことです。
吸収します。焼成中に“良好な” バキュームを妨げるのが、この湿気
バキュームが最低レベルになるとポンプは自動的に切れるため、
です。
最高の結果が得られます。これにより、不要な稼働時間、電力消費
二重バルブバキュームシステムは、突然電源が切れると、焼成炉
や騒音を抑えます。さらに、セルフテストによって、二重バルブバ
を自動的にロックし、焼成炉内に空気や湿気が入り込むのを防ぎ
キュームシステムの気密性を確認できるようになっています。
ます。それだけでなく、例えばファーネスを移動中に湿気が発生
した場合は、除湿プログラムを使用して、焼成炉とバキューム
システムから素早く効率的に湿気を取り除きます。この機能では、
焼成炉が閉じた状態でバキュームポンプが作動している間に、
ホースを“リンス” します。加熱ができず、焼成炉外での乾燥が
難しい凝縮した水分を、フリーホイールポンプメカニズム(自由
が利くポンプ構造)によって、バキュームシステムから効果的に
取り除きます。
焼成炉内の断面図
結論
“thenewphysicsoffiring(新焼成工学)” は、全ての焼成工程中、バックグラウンドで働いています。IvoclarVivadent が目指す
イノベーションは、高品質と効率性を生むことです。
プログラマット(ポーセレンファーネス)で楽しく作業しましょう。
一般的名称:歯科技工用ポーセレン焼成炉 / 販売名:プログラマット P510 / 届出番号:13B1X10049IVP510 / 一般医療機器
一般的名称:歯科技工用ポーセレン焼成炉 / 販売名:プログラマット P310 / 届出番号:13B1X10049IVP310 / 一般医療機器
一般的名称:歯科技工用ポーセレン焼成炉 / 販売名:プログラマット CS2 / 届出番号:13B1X10049IVPCS2 / 一般医療機器
製造販売元
Ivoclar Vivadent 株式会社
〒 113-0033東京都文京区本郷 1-28-24
TEL:03-6801-1301FAX:03-5844-3657
www.ivoclarvivadent.jp
[email protected]
VRP510U01