コンデンサ・インダクタ・EMCの 基礎知識 for Windows ご覧になりたい項目をクリックしてください。 コンデンサの“いろは” 実際のコンデンサのインピーダンス特性 コンデンサのインピーダンス等価回路はRLC直列モデルになる 周波数変化 インピーダンス ESR 成分変化 インピーダンス コンデンサの各成分 ESR:大 周波数 周波数 インピーダンス ESL インピーダンス 周波数によらず一定 周波数 周波数 インピーダンス インピーダンス 周波数の増加と共に増加 容量 ESL:小 容量:大 周波数 周波数の増加と共に減少 直列接続したときのインピーダンスは??? 周波数 実際のコンデンサのインピーダンス特性 ○成分の違いによるインピーダンス ○直列接続のインピーダンス 100 100 1 0.1 0.01 0.001 0.001 10 インピーダンス [Ω] 10 インピーダンス [Ω] ESLで決まる インピーダンス 容量で決まる インピーダンス 共振点 0.01 0.1 ESRで決まる インピーダンス 1 10 周波数 [MHz] ・共振点では容量、ESLのインピーダンスはない (ESRのインピーダンスのみ) ・共振点の周波数は容量、ESLで決まる 100 容量:大 1 0.1 ESL:小 0.01 共振点 →容量:大、ESL:大 0.001 0.001 0.01 0.1 1 周波数 [MHz] ESR:小 10 各成分の大きさで特性が変わる 100 実際のコンデンサのインピーダンス特性 ○コンデンサの種類による周波数特性 ○ESRは周波数によって変化する Impedance,ESR Freq.-Temperature Characteristic 100 1000 R 100 10 Z インピーダンス・ESR [Ω] Impedance,ESR[Ω] Ta 47μF ESR Ta 47μF Z NEO 47μF ESR NEO 47μF Z SPCAP 47μF ESR SPCAP 47μF Z MLCC47μF ESR JM432BJ476MM ESR MLCC47μF Z JM432BJ476MM Z SDK47μF ESR SDK47μF Z 10 1 0.1 1 0.1 0.01 0.01 0.001 0.1 1 10 100 1000 Frequency[KHz] 10000 100000 RLC直列モデル→ESRが周波数によらず一定 実際は変化する 0.001 1 10 100 1000 周波数 [kHz] 10000 100000 コンデンサの材料、構造、形状でRLCが異なる コンデンサの種類によって特性が異なる 特にESR 積層コンデンサの信頼性 1.回路使用条件比較 アルミ電解コンデンサ 《リード付》 電解コンデンサとは 極性 積層コンデンサ ディレー ティング 無し ◎ リプル 電流制限 ◎ 半田 耐熱性 ◎ 対溶剤性 負荷試験 Al foil Al foil ◎ ◎ Al foil 電解紙 誘電体 (Al2 O3 ) 《面実装》 タンタル電解 有り × △ × △ La 有り × *レイアウト時の考慮 *定格電圧の 70~50%程度 実用上の問題点 *実装時の管理 での使用制限 × △ *対リプル制限を *リフロー半田付 考慮し余分な の制限と 容量の設定 劣化の促進 *自己発熱による *逆電圧への配慮 × Da Dk Ca Ck Ra Rk Da,Dk;陽極、陰極の酸化皮膜による整流作用 △ La,Lk:+,-リードのインダクタンス R ;電解紙と電解液の抵抗 Ra,Rk;陽極、陰極酸化皮膜の順方向内部抵抗 *アルミ電解 電解液の損失等 積層コンデンサ による容量抜け *タンタル電解 以外は必ず Agの拡散、絶縁層 溶液等の進入発生 の劣化によるショート 6 *モノリシック形の タンタル電解コンデンサ 《リード付》 信頼性の低下 誘電体 (Ta2O5 ) セラミックコンデンサ タンタル 《面実装》 MnO2 グラファイト 銀ペースト ハンダ Da La 誘電体:チタン酸 バリウム Lx Ca,Ck;陽極、陰極の静電容量 ヨコ型 アルミ電解 電解液 タテ型 × Al foil 電解紙 Ca Lx Ra 破壊電圧(V) 500 コンデンサ別 破壊電圧レベル比較 定格10V品 積層コンデンサ 400 300 200 100 タンタルコンデンサ 0 正方向 電極:Ni 逆方向 10uF 212F475 4.7uF 316F106 10uF 212BJ105 1uF 316BJ225 2.2uF 各種コンデンサの特性比較 ○周波数特性 100 Ta 47μF ESR Ta 47μF Z NEO 47μF ESR NEO 47μF Z SPCAP 47μF ESR SPCAP 47μF Z MLCC47μF ESR JM432BJ476MM ESR MLCC47μF Z JM432BJ476MM Z SDK47μF ESR SDK47μF Z インピーダンス・ESR [Ω] 10 1 ESRが種類により大きく異なる Al>Ta>機能性Ta>機能性Al>積層 0.1 低ESRであるほど高周波の インピーダンスが低くなる 0.01 Al>Ta>機能性Ta>機能性Al>積層 0.001 1 10 100 1000 周波数 [kHz] 10000 100000 積層コンデンサはインピーダンス、ESRの周波数特性が非常に優れている 大きなメリット 各種コンデンサの特性比較 ○リップル電流特性 ○各種コンデンサのリップル電流特性 リップル電流対部品温度上昇の比較 Temperature rise characteristic due to ripple current 100 抵抗に電流が流れると熱が発生する コンデンサ 熱 リップル電流 ESR Temperature rise (degree) 熱 積層コン47μF M LCC47uF Tant.Cap47uF タンタル47μF POSCAP100uF POSCAP100μF 10 1 0.1 0 ESL 容量 コンデンサにリップル電流 (交流電流)が流れると発熱する (直流電流はほとんど流れない) 熱はコンデンサの寿命を縮める 0.5 1 1.5 2 2.5 3 リップル電流(Arms) Ripple current(Arms) 3.5 4 同じ発熱量に対して積層コンは低ESRなので 多くのリップル電流を流すことが出来る ・積層は発熱10℃以内での使用(太陽推奨) 積層コンは許容リップル電流の規定はない ・電解は発熱5℃以内での使用(カタログ規定) 電解コンの許容リップル電流は各社で規定 回路に関する知識 バイパス(デカップリング)コンデンサの働き ○バイパスコンデンサの役割 ノイズ+負荷電流 電源ライン ○バイパスコンデンサに必要な特性 負荷電流 ノイズ電流 インピーダンス(電流の流れにくさ)が低い IC 電流がよく流れる ラインのノイズを グランドに落とす ノイズ電流を効率よくグランドに落とすことが出来る ノイズ低減効果が大きい ○バイパスコンの動作原理 ・直流電流は流さない(インピーダンス無限大) 直流電流はすべてICに供給 ノイズ電流:大 ノイズ電流:小 低インピーダンス 高インピーダンス ・交流(ノイズ)は流す 交流電流(ノイズ)はグランドへ流れる ノイズ除去→ICの安定動作 インピーダンス 小 大 ノイズ低減効果 効果大 効果小 バイパス(デカップリング)コンデンサの働き ○コンデンサの選択基準 ○バイパスコンにおけるTa置換 品名を MLCC+容量表記 に変更 10 Impedance,ESR Freq.-Temperature Characteristic Impedance,ESR[Ω] R Z Impedance(Ω) ノイズ除去効果上がる 100 10 ノイズ除去効果下がる 1 インピー ダンスの比較 100 1000 タン タル1 0 μF タン タル4 7 μF LMK212F475ZG LMK316F106ZL LMK212BJ225KG EMK325BJ106KN 1 0.1 0.01 0.001 10 0.1 ノイズ除去効果最大 0.1 1 10 100 1000 Frequency[KHz] 10000 1000 Frequency(kHz 10000 100000 10kHzから100kHz以上では積層コンの インピーダンスは非常に小さい 0.01 0.001 100 100000 ノイズ電流の周波数は様々 除去したいノイズの周波数によって容量を選択 積層コンデンサは高周波ノイズの 低減効果がTaコンより優れている Taコンより小さな容量で 積層コンデンサに置換が可能 バックアップコンデンサの働き ○高速負荷変動時の電源ライン ○ICへの負荷電流 ICへの負荷電流は一定ではない IC 低速動作時 負荷電流:大 IC ライン電圧が維持できなくなる 電圧がドロップする 急激にICの速度が変わる(低速→高速)と 急激に大きな負荷電流が必要になる 負荷電流 IC ライン電圧 IC 高速動作時 ○高速負荷変動 低速動作 ライン電圧 電流がすぐに来ない 高速動作 電圧降下 ライン電圧 IC ライン電圧、 負荷電流 負荷電流:小 急激に大きな負荷電流が必要 低速動作 高速動作 ICの最低 動作電圧 時間 ライン電圧がICの最低動作電圧を下回る 時間 ICの動作が停止する バックアップコンデンサの働き ○バックアップコンデンサの役割 ○実際のコンデンサの動作(等価回路で考察) (簡略化のためESLは考慮しない) 電圧降下 IC ライン電圧を コンデンサ放電電流 低速動作 ESR 電流が流れて 電圧降下が発生 容量 放電により 電圧降下が発生 IC 維持 ライン電圧 ライン電圧、必要負荷電流、 不足した電流を補う 高速動作 ライン電圧降下 ・充電時にも電圧変動が起こる ICの最低 動作電圧 ESRによる降下 ライン電圧 電流がすぐに来ない 放電に よる降下 充電による上昇 ESRによる上昇 時間 IC最低動作電圧を下回らない 安定動作 容量とESRで電圧降下量が決まる バックアップコンデンサの働き ESRと容量の影響 オシロスコープへ 試験回路 負荷抵抗 R=5Ω R=1Ω LMK432BJ226MMのリップル電圧 タンタル100μFのリップル電圧 ESR による電圧変動 電流 プローブ 評価 コンデンサ パルスジェネレータ 1945(NF) 20mV/Div 2SK2684 20mV/Div 電源電圧 =5V 容量による電圧変動 積層コンデンサ 47μF*7 スイッチング周波数=100KHz 1μS/Div ESRの比較 1μS/Div ESRの比較 10 積層コン22μF タンタル100μF ESR(Ω) 1 高容量 低ESR ライン変動幅が小さくなる 0.1 積層コンのメリット 0.01 Taコンデンサよりも小さな容量で 0.001 0.1 1 10 100 周波数(KHz) 1000 10000 100000 Taコンデンサと同等以上の電圧変動抑制効果 アプリケーション例 - バックアップ3 22uF LMK432BJ226MM(積層コン デン サ22μF) タン タルコン デン サ10μF 2.5μS/Div OSコン 10μF 2.5μS/Div 50mV/Div OSコン 47μF OS-CON 22uF OSコン 100μF OS-CON 47uF 50mV/Div 2.5μS/Div タン タルコン デン サ100μF 2.5μS/Div OSコン 22μF 50mV/Div 2.5μS/Div 2.5μS/Div タン タルコン デン サ47μF 2.5μS/Div OS-CON 10uF 50mV/Div OSOS-CON JMK550BJ107MM(100uF) 2.5μS/Div タン タルコン デン サ22μF 50mV/Div 50mV/Div タンタル JMK550BJ107MM(積層コン デン サ100μF) JMK432BJ476MM(47uF) 2.5μS/Div 2.5μS/Div JMK432BJ476MM(積層コン デン サ47μF) 50mV/Div 50mV/Div 50mV/Div JMK325BJ226MM(22uF) 50mV/Div JMK316BJ106ML(10uF) 100uF 50mV/Div MLCCLMK325BJ106MN(積層コン デン サ10μF) 47uF OS-CON 100uF 50mV/Div 10uF 2.5μS/Div 2.5μS/Div 電源回路に関する知識 シリーズレギュレータ(3端子レギュレータ) ○負荷電流変動時 入力電圧を下げて一定の 出力電圧を出力する 負荷電流 制御素子(トランジスタ) 入力電圧 出力電圧 入力電圧 制御素子(トランジスタ) 出力電圧 ○回路の動作(水のモデル) 負荷電流 水位を一定に保つように 水門を制御 制御素子で負荷電流を制御 降圧型電源 出力電圧を一定に保つ シリーズレギュレータ(3端子レギュレータ) ○回路の構成 入力電圧 > 出力電圧 ○入力コンの効果 入力電圧にわざと交流分を加えて 入力コン有無の際の入力電圧を測定 レギュレータ IC 入力コン IC 出力コン IC IC、入力コン、出力コンで構成 ○入力コンの働き 負荷電流 ノイズ電流 ラインのノイズを グランドに落とす コンデンサなし IC 入力電圧 Vin ノイズ+負荷電流 コンデンサあり(MLCC) 2000 2000 1000 1000 0 0 -1000 -1000 -2000 -2000 -1 0 1 -1 0 縦軸:mV、横軸:μsec バイパスコンと同じ働き 入力コンの挿入により入力電圧安定 1 シリーズレギュレータ(3端子レギュレータ) ○出力コンの効果 ○出力コンの働き 出力コンの有無で負荷変動時の電圧変動を測定 不足した電流を補う 200 負荷電流 Iout 電流をすぐに 供給出来ない 電圧降下 IC IC ライン電圧 ライン 150 100 50 0 -10 電圧を維持 -5 0 IC 急激な負荷変動に対して電流を バックアップコンと同様の働き 10 IC コンデンサあり(MLCC) コンデンサなし 出力変動 ΔVout 供給して電圧変動を抑える 5 1000 1000 0 0 -1000 -1000 -2000 -2000 -2 -1 0 1 2 -10 -5 0 5 出力コンの挿入により出力電圧安定 10 ステップダウン(降圧型)コンバータ スイッチング電源の制御素子は ONかOFFのどちらかのみ ○回路の動作(水のモデル) 制御素子を制御することで入力電圧を スイッチ動作 下げて電圧を出力する スイッチの開閉動作で出力電圧を制御 ONする周期 → 一定 出力電圧 入力電圧 制御素子(トランジスタ) PWM方式 ONしている時間 → 変化 負荷電流 ONする周期 → 一定 PFM方式 ONしている時間 → 一定 制御素子(トランジスタ) 制御 出力電圧 入力電圧 スイッチをONする周期 →スイッチング周波数 負荷電流 ON 制御 ON PWM ON 時間 ON ON PFM ON 時間 ステップダウン(降圧型)コンバータ ○入力コンの動作 ○回路の構成 チョークコイル リップル電流が リップル電流 入力コンに流れる FET1 コントロール IC 熱 熱 FET2 FET (2個) ESRにより発熱 ○入力コンの必要な特性 入力コン 大きな許容リップル電流 出力コン 例:部品の許容リップル電流が1A(回路のリップル6A) 入力電流 ○入力側の電流 リップル電流:6A 6個 1A FET1 FET1 FET1 ON ON ON 1A 1A 1A 1A 1A 削減 例:コンデンサの許容リップル電流が2A 時間 リップル電流:6A 3個 交流分を含んだ電流(リップル電流)が大きく流れる 2A 2A 2A @EDGB<KN&O?KFMA ( '4 ( 4 CHM=?;J $"128IC4'4':! LIDGJ'3.)/ ' ' ' ?K ' ON ON ON ' ' IDGJ'4: #3-8 L$"3.)/ % @;DCK>367 '+ 328 % ' CHM=?;J1 ?K0,98 ' IDGJ'+598 $"368 '&:*8 ステップダウン(降圧型)コンバータ ○負荷急変による電圧降下を決める要因 ○リップル電圧を決める要因 スイッチON、OFFの繰り返し 負荷急変時の動作 出力コンは充放電が繰り返される 電流の出入りにより電圧が変動 バックアップコンと同じ リップル電圧 ○負荷急変のコンデンサに必要な特性 充電時 ・大容量 放電時 充電電流 →高い電荷供給の能力 ESR ・低ESR 電圧上昇 放電電流 繰り返し ESR 充電 →電荷供給時の電圧降下を小さくする 容量 容量 電圧上昇 大容量積層セラミックコンデンサ 大容量・低ESRがリップル電圧を低減 適している 電圧降下 放電 電圧降下 チャージポンプ(昇圧型) ○チャージポンプの動作(イメージ) ○チャージポンプの回路構成(例:2倍昇圧) 2つのコンデンサを別々に充電 充電 In 入力コン V C1 Out 充電 V V C2 IC 出力コン V 充電用のコンデンサ 出力コン(平滑コン) C1 ○コンデンサに求められる特性 V 接続 2V C2 負荷 V 充電されたコンデンサを接続 充電用と出力コン 充放電による電圧変動を下げる バックアップコン、 ステップダウンの出力コンと同じ 入力の2倍の電圧が出力 出力コンで平滑(スイッチング→2倍出力が途切れ途切れ) 大容量、低ESRが必要 接続するコンデンサの数で出力電圧が決定(整数倍) まとめ 入力コンとしての各種コンデンサ比較 縦軸 mV、横軸μsec コンデンサ未挿入 ○入力ラインに正弦波を加えて入力コンのノイズ吸収性と そのノイズに対する出力電圧変動を確認 2000 Regulator Vs 7.5V Z2 ΔVin IC 100 0 0 -1 0 0 0 -50 -2 0 0 0 ΔVout 出力変動 ΔVout 50 1000 Z1 Vs:1Vrms 入力変動 ΔVin -100 -1 0 1 -1 0 1 1Vrmsの入力変動 → 35Vrmsの出力変動 入力コンを挿入 使用IC:NJM78L05(JRC) 使用コンデンサ: LMK212BJ105KG、Ta1μF、Al1μF Z2 Δ Vin = Vs Z1 + Z 2 入力コンデンサ挿入時の入力変動 ΔVin Al電解1μF 500 (Z1:ラインインピーダンス) コンデンサ(Z2)が低インピーダンス 縦軸 mV、横軸μsec Ta電解1μF 500 250 250 0 0 0 -250 -250 -250 -500 250 -500 -1 0 -500 -1 1 積層1μF 500 0 1 -1 →ノイズ除去効果:大 0 1 積層コンのノイズ吸収性が優れている(低インピーダンス) IC入力電圧安定 縦軸 mV、横軸μsec 各 種 コ ン デ ン サ 周 波 数 特 性 ( 1 μ F) 入力コンデンサ挿入時の出力変動 ΔVout 10000 Z・ESR [Ω] 1000 Al電解1μF 20 Ta電解1μF 20 100 10 10 10 10 0 0 0 -10 -10 - 10 ML R ML Z Ta R Ta Z Al R Al Z 1 0 .1 0 .0 1 -20 - 20 -20 -1 0 1 積層1μF 20 -1 0 1 -1 0 IC入力電圧が安定するため出力変動が小さくなる 0 .0 0 1 1 10 100 1000 Fre q. [kHz] 10000 100000 積層コンは広範囲にわたってTaより低インピーダンス 入力コンには積層セラミックコンデンサが適している 1 まとめ 出力コンの動作解析 出力電圧変動 Iout Regulator IC Vout 負荷電流 Iout mA 200 出力電圧変動の観測 150 100 50 0 -10 -5 0 5 時間 μsec 波形観測:Iout、Vout (出力コンの種類別に観測) 使用IC:R1112N331B(リコー) 入力コン:LMK212BJ225KG 入力電圧:5V スイッチング周波数:100Hz 負荷電流:150mA Taコンと積層コンのESR-周波数特性比較 1000 JMK212BJ475KG Ta4.7μF ESR [Ω] 100 10 出力電圧変動 ΔV mV 負荷電流波形 2000 未挿入 Ta 4 .7 μ F JM K 2 1 2 B 4 7 5 K G 0 -2000 -4000 -10 -5 0 5 時間 μsec 出力電圧変動 Δ V Ta 4.7 μ F JMK212BJ475KG 50 50 0 0 -50 -50 -100 -100 -150 -150 -10 -5 0 5 ESR の変動分:大 ESR:大 10 -10 -5 0 5 10 ESR の変動分:小 ESR:小 縦軸:mV、横軸:μsec 10 1 ESRが小さい出力コンを用いると負荷変動時の 出力電圧ドロップが小さく押さえられる。 0.1 0.01 0.001 1 10 100 1000 Freq. [kHz] 10000 100000 10 出力コンにはESRの低い積層セラミックコンデンサが有利 積層商品群の開発方向とご提案 市場の要求 回路区分 コンデンサ用途 区分 求められる性能 インピーダンス,ESR特性に重点 回路のノイズ対策に代表される用途で デジタル回路に非常に多く使用されている。 低インピーダンス,低ESR特性が重要 0.1~10uFの積層F特性コンデンサが最適。 デジタル回路 デカップリング用途 アナログ回路 バックアップ用途 平滑用途 増幅回路 演算回路 発振回路 変復調回路 デジタル回路 電源回路 ロジック回路 高周波回路 電源回路 音声回路 その他回路 高耐圧用途 フィルタ用途 カップリング用途 時定数、共振用途 実効容量や温度,バイアス安定性に重点 CPUに代表される負荷変動の大きい回路で、 電源の安定、ICの保護などで用途が拡大。 低ESR,低ESL,低インピーダンス特性が重要 1~10uFの積層のF、B特性が最適。 電源回路の入出力に使用される用途で、 機器の小型化に伴い、採用が急激に拡大。 実効容量,低ESR,低ESL,低インピーダンス特性 に加え、定格電圧、信頼性が重要 1~数10uFの積層のB特性が最適。 増幅、発振、変復調回路やフィルタ回路で、 容量の温度、バイアス安定性が重要 積層の温度補償用コンデンサが最適。 (CFCAP、TC系積層) バイパスコンデンサにおける御提案 大容量Ta or Al電解+積層0.1μF 置換提案 電解コン22μF+積層0.1μFのインピーダンス特性 よく行われる事例 タンタル or 電解 積層0.1μF インピーダンス [Ω] 10000 電解コ ン22μF+積層0.1μF 電解コ ン22μF 積層0.1μF 1000 100 10 1 0.1 0.01 0.001 1 10 100 1000 10000 周波数 [KHz] 100000 高周波のインピーダンスが下がる → 高周波特性向上 大容量積層コンデンサのインピーダンス特性 大容量積層コン1個で置換 大容量積層 コンデンサ インピーダンス [Ω] 10000 電解コ ン22μF+積層0.1μF 積層コ ンF特4.7μF 積層コ ンF特10μF 1000 100 10 1 0.1 0.01 0.001 セラミックコンデンサ1個で置換が可能 1 10 100 1000 10000 100000 周波数 [KHz] 並列使用の場合より低インピーダンス領域が広範囲 インダクタの“いろは” インダクタとコンデンサのインピーダンス“誘導性リアクタンスと容量性リアクタンス” ●オームの法則: (交流電圧)=(インピーダンス)×(交流電流) ●純粋なインダクタのインピーダンス:誘導性リアクタンス:周波数とともに増加。 交流電源 周波数:f 電圧振幅:V0 V=V0・exp(jωt) 電圧、電流とインダクタンスの関係式 を解くと、純粋なインダクタのインピー ダンスは、周波数とインダクタンスに 比例することが求められる。 V=L・di/dt これを解くとV0=j2πf・L インピーダンスは、Z=XL=2πf・L インダクタンス 大 インダクタンス 中 インピーダンス インダクタンス:L インダクタンス 小 周波数 周波数:f 電圧振幅:V0 V=V0・exp(jωt) 交流電源 静電容量:C 電圧、電流と静電容量の関係式を解くと、 純粋なコンデンサのインピーダンスは、 周波数と静電容量に反比例することが 求められる。 V=1/C・∫idt これを解くとV0=1/(j2πf・C) インピーダンスは、Z=Xc=1/(2πf・C) インピーダンス ●純粋なコンデンサのインピーダンス:容量性リアクタンス:周波数とともに減少。 静電容量 中 静電容量 大 周波数 静電容量 小 インダクタとコンデンサの利用 “ローパスフィルタとハイパスフィルタ” ●インダクタのインピーダンス:周波数が上がると上がる。 ●コンデンサのインピーダンス:周波数が上がると下がる。 ●ローパスフィルタと特性例 ●ハイパスフィルタと特性例 OUT IN 周波数が低いとき インダクタ低Z :GNDに落ちる コンデンサ高Z :とおせんぼ 周波数が低いとき インダクタ低Z:通過 コンデンサ高Z :GNDに落ちずに 通過 周波数 GND 周波数が高いとき インダクタ高Z :GNDにおちずに 通過 コンデンサ低Z :通過 Gain Gain GND 周波数が高いとき インダクタ高Z :とおせんぼ コンデンサ低Z :GNDに落ちる OUT IN 周波数 インダクタとコンデンサの“直列回路・直列共振と並列回路・並列共振” ●インダクタのインピーダンス:周波数が上がると上がる。 ●コンデンサのインピーダンス:周波数が上がると下がる。 ●純粋なインダクタとコンデンサ ●純粋なインダクタとコンデンサ の直列回路:直列共振 の並列回路:並列共振 直列 :基本的には 足し算 切り替わり (共振周波数) では、ゼロ 直列回路の インピーダンス インダクタの インピーダンス 周波数 並列回路の インピーダンス コンデンサの インピーダンス インピーダンス インピーダンス コンデンサの インピーダンス 並列 :基本的には 低い方を流れる インダクタの インピーダンス 切り替わり (共振周波数) では、無限大 周波数 インダクタとコンデンサの利用“バンドパスフィルタとトラップフィルタ” ●直列回路のインピーダンス :共振周波数で最小。 ●並列回路のインピーダンス :共振周波数で最大。 ●トラップフィルタと特性例 ●バンドパスフィルタと特性例 OUT IN 直列:共振周波 数で低Z:GND に落ちる 並列:共振周波数 で高Z:GNDに落ち ずに通過 GND Gain Gain GND OUT IN 周波数 周波数 インダクタの実特性 “自己共振特性” ●実在インダクタのインピーダンス特性例 ●積層インダクタ LCR並列接続回路のインピーダンス特性に類似 例えば、内部電極と外部 電極との間に浮遊容量 が存在する。 インピーダンス ●巻線インダクタ 周波数 例えば、折り返して巻かれ た線と線の間に浮遊容量 が存在する。 低周波側ではインダクタ 高周波側ではコンデンサ 共振点では有限の抵抗値 インダクタの自己共振特性の利用例“ローパスフィルタでのトラップ形成” ●ローパスフィルタ例 ある周波数で 鋭いピークをもつ特性 インダクタ:B インピーダンス特性 インピーダンス GND インピーダンス OUT IN インダクタ:A インピーダンス特性 周波数 純粋なインダクタでの フィルタ特性 インダクタンスは同じだが Zのピークが低い特性 周波数 インダクタA使用時 インダクタB使用時 周波数 鋭いピーク を利用して トラップ形成 周波数 Gain Gain Gain トラップ がない 透過特性も 変形 周波数 フィルタ回路では、インダクタの自己共振特性を積極的に利用している場合があり、代替品提案や ダウンサイズ化に際してはこれにも注意が必要。 インダクタの実特性 “損失成分とQ特性” ●積層インダクタ ●巻線インダクタ ●インダクタのQ値 純粋なインダクタのインピーダンス :誘導性リアクタンス 抵抗成分 (損失の総和) R コア材料のシートに 導電体を印刷して積層 コアに 導電線を巻く コア材料では、 ヒステリシス損失、渦電流損失、誘電体損失など 導電体(導線)では、 直流抵抗、表皮効果による高周波での抵抗損失 などが実在する。 損失が小さいほど純粋なインダクタに近い。 Q= XL 誘導性リアクタンス 抵抗成分 インダクタのQは、 純粋なインダクタへの近さを 示す値。 Qが大きいほど、回路上では 純粋なインダクタとして機能 する。 インダクタのQ特性とフィルタ特性“Q特性差がトラップフィルタ特性に与える影響例” ●トラップフィルタ例 インダクタとコンデンサの直列共振 インダクタ:A Q特性 インダクタ:B Q特性 Q Q OUT IN Qが低い GND 純粋なインダクタでの フィルタ特性例 インダクタB使用時 Gain インダクタA使用時 Gain Gain 周波数 周波数 トラップ が弱い 周波数 周波数 周波数 コンデンサとの共振回路を組む場合、一般にインダクタのQ特性が与える影響は大きい。 インダクタのQ特性とマッチング特性“Q特性差がマッチング特性に与える影響例” ●マッチング回路例 Q 純粋なインダクタでの マッチング設計例 最後にインダクタで規格Z (チャートの中心)にマッチング インダクタ:B Q特性 Q インダクタ:A Q特性 アンプとアンテナのマッチング 周波数 Qが低い 周波数 インダクタA使用時 インダクタB使用時 ほぼ設計どおり チャートの中心 からズレている アンプの特性 :スタート地点 マッチング回路においては、一般にインダクタのQ特性が与える影響は大きい。 みちくさ “インダクタのQとコンデンサのtanδ” ●インダクタのQ値 ●コンデンサのtanδ値 インダクタには損失がある。 コンデンサにも損失が実在する。 純粋なコンデンサのインピーダンス :容量性リアクタンス 純粋なインダクタのインピーダンス :誘導性リアクタンス 抵抗成分 (損失の総和) 抵抗成分 (損失の総和) R Q= R XL 抵抗成分 誘導性リアクタンス 抵抗成分 インダクタのQは、 純粋なインダクタへの近さを示す値。 Qが大きいほど、回路上では純粋な インダクタとして機能する。 Xc tanδ = 容量性リアクタンス コンデンサのtanδは、 純粋なコンデンサへの遠さを示す値。 tanδが小さいほど、回路上では純粋 なコンデンサとして機能する。 インダクタの実特性“直流重畳特性・磁気飽和特性” 直流重畳に 強い特性例 直流重畳に 弱い特性例 周波数 インピーダンス インダクタンス コアが例えば磁性体の場合、磁気飽和 特性があるのでDCバイアス電流を大きく するとインダクタンスは低下する。 ●インピーダンス特性例 インピーダンス ●インダクタの直流重畳特性例 バイアス電流 周波数 磁気飽和が生じてイ ンダクタンスが低下 するとインピーダン スも低下する。 直流重畳に強いイン ダクタは高いインピー ダンスを維持する。 弱いものは、大きく 低下する。 使用条件下で要求 されるインダクタンス やインピーダンスが 維持または残ってい る製品が一般には 選択されやすい。 電源チョーク用途でのインダクタ直流重畳特性の影響例 ●電源チョーク回路例 インダクタ:B インピーダンス特性 アップ インダクタ: インピーダンスで ブロック バイパス改善 直流重畳に強く 高いインピーダ ンス維持。 周波数 コンデンサのみでの バイパス特性例 インピーダンス インピーダンス ON・OFF ノイズ 負荷変動 IC インダクタ:A インピーダンス特性 高周波で インピーダンス コンデンサ:GND へバイパス 直流に弱くインピー ダンス低下。 周波数 インダクタA使用時 インダクタB使用時 高周波側の バイパス特性 を改善。 バイパス特性 が劣る。 電源チョーク用途では、インピーダンス特性をバイパス回路の形成に利用する。直流重畳によってそれは 劣化するため使用条件下で要求値が残っているかを自己共振特性と合わせ注意する。 スイッチング電源回路用途でのインダクタ直流重畳特性の影響例 ●昇圧電源回路例 インダクタンス:L ●直流重畳特性とIsとの一般的関係 インダクタンス DC出力 Vout DC入力 Vin Is Vs スイッチングICのVsがONになっている間 ICにIsが流れ てインダクタで昇圧。OFFになったときそれが入力に足さ れ出力へアップコンバートされる。 バイアス電流 IC 破損 電流はON時間とともに上昇、インダクタンスが小さいと急 上昇。時間内で許容電流を超えないようインダクタを選定。 Is 及び Vs Vs:ON OFF ON OFF ON ICを流れる電流:Is VsがONするとVin=L・dIs/dt これを解くとIs=Vin/L・t 電流が増えてイン ダクタンスが小さく なると、もっと電流 が流れてインダクタ ンスはどんどん小 さくなって、ついに は許容電流を超え て最悪破損・・・・・ インダクタンスが絶 対に不変である必 要はないが設計上 の要求値がある。 時間 Is 時間とともに上昇。 Lが小さいと上昇も速い。 時間 電源ICが高周波化するとスイッチ時間が短くなるの で大きなインダクタンスは不要になる。また必ずしも まったいらな直流重畳特性が万能なわけではない。 ICと電源の設計に合わせた特性が要求される。 みちくさ “コンデンサの充電、放電” ●コンデンサの充電 電荷増加 +Q 電圧上昇 -Q 電流 コンデンサ 電池 ●コンデンサの放電 電荷減少 +Q 電圧降下 -Q 電流 コンデンサ 電流は電荷量の時間的変化 -i=dQ/dt 静電容量は電荷量と電圧の比例定数 Q=C・V 電圧、電流と静電容量の関係 -V=1/C・∫idtまたは-i=C・dV/dt (インダクタの相当関係式は-V=L・di/dt) コンデンサの両端に電圧をかけると電荷が 蓄積される。一方、電荷が蓄積されたコンデンサ の両端を短絡すると放電される。 電荷の量は、電圧に比例する。 (インダクタの場合は、電流で磁束発生。磁束の 量は電流に比例。) コンデンサの静電容量は、電荷量と電圧の 比例定数。(インダクタの場合は、インダクタンス は磁束と電流の比例定数。) 充電時や放電時の電流は、電荷量の時間的 変化である。(インダクタの場合は、電圧が磁 束の時間的変化。) EMCの“いろは” 主なノイズの種類 内容 対策部品 輻射ノイズ 電磁波として外に漏れるもの。発生源は信号ラインや 電源ライン。各国で規制値あり(VCCI, FCC, CISPR, EN など)。 主に積層ハイロスインダクタ・BK(積 層フェライトビーズ)、角チップビーズ インダクタ・FBMのフェライト商品。抵 抗やコンデンサでも対策可能。 伝導ノイズ DC電源ラインを伝わってくるもの。発生源はDC/DC 電源など。スイッチングノイズなどが伝わってくる。 DC/DCなどでは、SMDインダクタ・NP、 巻線チップインダクタ・LBなどのフェラ イト製品とコンデンサが中心。 リップル 電圧(電流) IC駆動時に発生する電圧降下による変動。CPUなど の消費電力の大きい電源ラインで問題となる。 主にコンデンサ。 静電気 摩擦による帯電などによっておこる放電現象。素子の 破壊や誤動作の原因になる。 主にチップバリスタやダイオード。コン デンサやビーズも可。 瞬間的に起こる高電圧・高電流。雷などの自然現象 から、ケーブルの抜き差しによるものなど。 スパークギャップやバリスタ。電圧の 低いものはビーズ・抵抗など。 (雑音端子電圧は除く) サージノイズ ') 9CISPR 9VCCI class278 .24/9FCC part15 365019EN55022 $))!9CISPR-(-#%", VCCI&*30:1000MHz+&) - $)* 高周波帯のEMI規制例(GHz帯のノイズ規制強化) 1.CISPR11 グループ2 ClassB (1999 工業、化学、医療用) 内蔵周波数400MHz以上の機器対象 規制周波数:1~2.4GHz帯 規格値:70dBμV/m以下(3m電界強度) 2.CISPR22 CIS/G/210/CD (2001 IT機器) 内蔵周波数200MHz以上の機器対象 規制周波数:1~2.7GHz帯 規格値:平均50dBμV/m以下、最大70dBμV/m以下(3m電界強度) 3.FCC Part15 (IT機器) 108~500MHz動作では、2GHzまで測定必要 500~1000MHz動作では、5GHzまで測定必要 輻射ノイズのメカニズム1 スペクトラム デジタル波形 測定器:スペクトラムアナライザー 測定器:オシロスコープ ( ノ 電 イ 圧 ズ ・ 電 流 ) フーリエ変換 電 圧 ( 電 流 ) 時間軸から周波数軸への変換 時間 ノイズ規格はアンテナ受信 したこれを規制している 周波数 デジタル波形は色々な周波数の集まり 電 圧 ( 電 流 ) スペアナ 周波数 シ オ ロ 時間 輻射ノイズのメカニズム2 電界 直流だけでは磁束のみ発生 電流 交流では磁界と電界が発生 電流 磁束 電圧 電圧 電界 磁界 電流 電流 0V 0V 磁界 0A 0A デジタル波形から輻射される ノイズ クロック ノイズ デジタル信号 Vcc 高調波の漏れ IC ・ ・ ・ IC Vcc 輻射ノイズのメカニズム3 磁界 磁界 電界 磁界 磁界 電界 電界 アンテナ 電界 交流信号源 ・近傍界では磁界が支配的 ・遠方界では電界が支配的 輻射電界測定(オープンサイト・電波暗室) スペクトラム・ アナライザ アンテナ 直接波 EUT 反射波 ノイズ規格はここで受信し た値を規制している スペクトラム・ アナライザ 輻射ノイズのメカニズム4 リンギング発生 電 圧 電 圧 波形が乱れるとスペ クトラムも変わる。 時間 時間 レベルも変わる ノ イ ズ ノ イ ズ 周波数 周波数 原因:伝送線路のミスマッチング 定在波=進行波+反射波 反射波 進行波 伝送線路パターン 定在波の発生により、デジタル 波形を形成している周波数の振 幅が大きくなりノイズの増加につ ながる。 インピーダンスのミスマッチング Fin.
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