音楽業界のこれから

音楽業界のこれから
=== アナログからデジタルへ ===
寺西
翔
杉村
恵里
宮脇
智子
深井
慎太郎
釜鳴
正樹
目
次
第一章 : まえがき
〔宮脇 智子〕
P3
第二章 : 音楽業界の歴史
〔深井 慎太郎〕
P4〜9
第三章 : 携帯媒体の変化
〔宮脇 智子〕
P10〜12
第四章 : 固定音楽媒体の変化
〔寺西 翔〕
P13〜17
第五章 : 商品売買
〔杉村 恵里〕
P18〜21
第六章 : 世代交代から見る音楽業界の未来
〔釜鳴 正樹〕
P22〜25
第七章 : あとがき
〔深井 慎太郎〕
P26
P27〜28
第八章 : 参考文献
-2-
第一章
ま
え
が
き
宮脇
智子
音楽は、今や私たち現代人にとってなくてはならないものであると言っても過言ではな
いほどに私たちの生活の中に根付いている。しかし、この音楽の流通形態は近年著しく変
化しつつある。その媒体はアナログレコードから始まり、カセットテープやCD、MDと
いうように変化してきた。この様な変化について、今までの音楽業界の歩みをふまえた上
で流通媒体の変化や流通方法、また販売方法の変化などについて調べ、これからさらに激
化すると予想される音楽業界がどのような変化をなし、さらにはこれから先どのような可
能性を秘めているのか考察していく。
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第二章
音
楽
業
界
の 歴
史
深井
慎太郎
日本には多種多様の音楽が国内で生産され、海外からも多くの音楽が輸入されている。
そしてそれは、至る所で流れていて、周りに音楽が流れていない場合は自ら媒体を手にと
って聞くことも少なくはないであろう。そして昔から人々を魅了し続ける音楽のほとんど
はレコード(現在では CD と呼ばれるもの)で販売され、今日では誰でも簡単に手に入れるこ
とができる。それでは、日本でレコードがいつ頃売られるようになり、音楽業界はどのよ
うな歴史をたどり現在に至ったのだろうか。今回のレポートは音楽業界がこれまでどう広
がり、ここでは、どのような戦略を使っていたのか、レコードが日本に来てから 1980 年代
までを振り返って考えたいと思う。
明治時代〜大正時代
もともと日本にとってレコードというものは海外から輸入したものを、レコード会社を
通して販売されていて、日本国内でレコードが作られ販売され始めたのは、明治後半から
大正時代に遡る。この頃の時代背景としては、後に流行歌と呼ばれる新しいジャンルの音
楽が生まれ、大衆は新しい音楽への関心に大きく動かされていた時期になる。しかし、こ
の頃はインポート物が主流で国内の音楽をレコード化することには関心が低かったようで
ある。そのことは以下の三点から覗える。
① レコードの生産は曲が舞台などで発表され、ヒットした後から、録音を開始し、発売す
るという形であったこと。
② 当時、流行歌のはしりとなる曲が発売されたのが、大手の企業ではなく、新興で弱小企
業から発売されていたこと。
③ 宣伝活動は発売を新聞に掲載しただけであった。
ここからわかるように、大正時代にはレコードを作ることに精力的ではなかったようだ。
そういった点を踏まえて大正という時代は、レコード会社にはたいした結果も発展もない
時代であった。しかし、この時代はレコード会社があまり関与していないにしても、後の
宣伝版の中心となるラジオや映画、舞台などにより大々的に宣伝されていたため、音楽業
界は先が見込める業界であることを予測できる時代でもある。
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昭和初期
時代は昭和に入る。先ほど述べたように、大正時代のレコード会社には現代のような機
能はなかった。しかし、昭和に入り業界は一変する。日本自身の一番のきっかけになった
要因は 1923 年に起こった関東大震災である。この被害から経済を復興させるために日本は
国産品を奨励する政策をとり、その一環として海外製の高級品に高い関税を課した。当時、
高級品とされていた蓄音機やレコードには 100%の関税が定められたことにより、ビクター
などの海外レコードの販売権を持っていた業者は、現物の直接輸入を辞め、原盤だけを輸
入して国内でレコードを生産することを考えだした。そして、海外側ではちょうどこの頃、
アメリカで電気録音が開発され、レコードの音質が飛躍的に上がったことで、経済が向上
傾向にあった日本で本格的にマーケットを広げたいという思惑があったようだ。こうして
海外のレコード業界は日本のレコード会社を吸収、合併などをして日本へ進出し、日本で
も多くのレコードが生産されるようになった。これは日本にレコードが広がるという喜ば
しいことでもあるが、逆に日本のレコード業界が海外の外資系企業に参入を許し飲み込ま
れた、とも考えられる。そのことは、海外から日本の大手レコード企業(日本蓄音機商会…
etc)を吸収して参入した外資系企業の三社(ビクター、コロムビア、ポリドール)が大正時
代に設立された中小レコード企業をどんどん吸収、統合などをして、昭和前半の日本のレ
コード産業をリードしていたことからも明白な事実である。
先にあげた三社が日本の音楽業界を独占していたといっても過言ではない。しかし、こ
の中で最初に抜け出したのはビクターである。この頃から海外で録音された原盤による洋
楽だけではなく、流行歌を始めとする日本独自の音楽である邦楽のレコードも精力的に作
られ始めた。当時は、一曲一曲、会社は人気歌手と契約する形を採っていて、企業と歌手
が個別の存在であった。つまり、個々の会社から同じ歌手が曲を出せるという事だ。しか
し、ビクターは、その頃一番、人気があった歌手を自分の会社の社員として入社させ、自
社の専属歌手とする契約を作り出した。この専属制は、他社も次第に採用していき、現在
の音楽業界にも引き継がれていく。この契約とは、レコード会社はアーティストたちに、
毎月定額の専属料を支払い、アーティストたちにその見返りとして、他社での仕事は一切
引き受けないという、鎌倉時代の御恩と奉公のような契約である。これは時としては、作
詞家や作曲家にも適用されていた。後にビクターは、コロムビアに並ばれるが、その要因
は、歌手の問題や衣装などの問題であったので、ここではあまり触れないでおきたいと思
う。
このように音楽業界が地盤を固めつつあった昭和初期という時代だが、それをより強め
たのが、ラジオや音付きの映画といったメディアが誕生したことだ。この二つのメディア
産業は音楽に深い関わりのある業界であったため、レコード会社と二つの業界の間に強い
つながりが生まれた時代でもあった。このつながりは、形は変われど現在でも続いている
関係である。
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ここで、当時のレコード会社はどのような機能をしていたのでしょうか。当時のレコー
ド会社の内部のメカニズムについて触れてみたいと思う。そもそも、音楽がレコードとい
うものに商品化され、ユーザーの手に渡るには六つのプロセスが必要である。その六つと
は、音楽の①製作、②宣伝、③販売、④録音、⑤製造、⑥配送の六つである。この中で①
〜③のプロセスは商品として扱うもので企画系にあたる分野になる。これに加えて④〜⑥
は商品の生産、物流に関わる分野である。基本的にレコード会社を経営するうえで、この
六つのプロセスを遂行するための機能を持たなければならない。もちろん他の会社にプロ
セスを委託するなどして会社を経営することは可能である。昭和初期に時代をリードした
外資系三社とその後すぐに参入した二社(キング、テイチク)の五社はこのすべての自社に
備えていた。
ここまでの昭和初期の解説からわかるように、音楽の生産、宣伝の役割がレコード会社
の手に移り始めたのが、この昭和初期という時代である。これは音楽業界が大きく躍進し
た時期だといえる。しかし、ここから日本は世界恐慌や第二次世界大戦といった厳しい時
期を迎えることになる。このとき音楽業界は、現在の財団法人日本レコード協会の前身で
ある、日本蓄音機レコード文化協会を設立し業界が団結してこの時期を乗り越えていく。
そして、海外との合併解消、中小企業の吸収をすることにより、業界から海外からの力追
い出し、先に述べた五社と 50 年代以降にできる二社(東芝レコード、CBS ソニーレコード)
を加え日本の音楽業界は、本格的に新興レコード会社が参入してくる 80 年代まで、この七
社の寡占状態になる。
60 年代の出来事
ここから 60 年代に入る。60 年代は音楽の製作機能の分散があり、業界の商品化プロセス
が変化した時代である。
60 年以降になると、先に挙げた七社以外にもレコード会社が誕生していく。しかし、そ
れらは主要七社のようにすべての機能を備えた会社はなく、足りない機能は主要の会社に
委託する形を取っていた。例えば 65 年にできた、ポニー・キャニオンは「製造」するため
の工場を有していなっかたし、一番機能が少ない会社(東京レコード)では「製作」と「宣
伝」の機能の二つしかなく、以外の機能はビクターに委託する形を採っていた。しかし、
どんな小さい会社でも「製作」機能を持たない会社はなかったようだ。それは昭和に入っ
てから流行歌の製作という行為がレコード会社に集中し、レコード会社が歌の流行を取り
仕切るようになっていたからである。ところがある時期からいくつかのレコード会社で、
しかも一番の売れ筋の流行歌の分野で、自社の製作機能で作られた音源ではない、外部で
製作された音源を使ってレコードを販売する傾向が見られるようになってきた。それは、
どのような企業の手に移り、どうしてこのようなことになったのか、その経緯と要因はな
んだったのであろうか。
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まず、音楽制作機能がどういった企業の手に移っていったのか。最初に製作機能がレコ
ード会社の手を離れたのは、いずれも音楽産業内であった。
① アーティスト・プロダクション
② 楽譜出版社系音楽出版社
③ 放送局系音楽出版社
これらの三つの業種の企業への分散が端緒とされ、60 年代に相次いで生じている。ここで
は、①〜③に音楽制作が移った要因を、事例を踏まえて説明していきたいと思う。
まず、①のアーティスト・プロダクションというのはアーティスト・マネージメントを
本業とする会社で今回の事例の場合渡辺プロダクションだ。なぜこの会社に音楽制作を行
ったのかというと、1961 年、渡辺プロダクションの社長が、同年に開始したテレビ番組「シ
ャボン玉ホリデー」により人気をはくしていた植木等に目をつけ、植木等のキャラクター
をそのまま生かした曲(ズータラ節)を作れば必ずヒットするという確信の元、直ちに行動
に移し、渡辺自身が実質的なプロデューサーとして曲の製作を指揮した。それは従来まで
のように、テレビ番組で歌われる歌としてのみ作られるものではなく、レコードとして販
売することも視野に入れたものであった。しかし、いくらアーティスト・プロダクション
がレコードの原盤を作ったとしても、それを製造、販売、配給する機能を持つレコード会
社にそれを受け入れてもらわなければならない。それを受け入れたレコード会社が東芝レ
コードである。当時、東芝レコードは参入したばかりで、洋楽の部門では順調にスタート
していたが、邦楽では戦前から伝統を持つ競合他社に大きく遅れをとっている状況であっ
た。邦楽強化の課題が残る東芝レコードに渡辺プロダクションから「ズータラ節」の原盤
契約を持ちかけられた時、東芝レコードでは当然のことながら邦楽の分野に原盤契約制を
持ち込むことについての可否が問題となった(洋楽では基本が原盤契約)。しかし、最終的
に、東芝レコードはこの契約にサインをした。この要因としては、新興のレコード会社で
あったがゆえに、業界の習慣へのこだわりが少なかったことと、原盤契約の料率が 8%と、
当時の洋楽の原盤印税率と比べてもリーズナブルであったからだと考えられる。
次に②の楽譜出版社系音楽出版社について入る。まず、ここでいう音楽出版社とは、作
曲家、作詞家が持つ音楽著作権の管理や運用を代行して行うことを主とする企業で、60 年
代になってから行われるようになり、音楽書籍出版社や、アーティスト・プロダクション、
放送局、などが参入していた。音楽出版社の中でも音楽書籍出版を本業とする新興楽譜出
版社の音楽出版事業部門であった。それは 1966 年にポリドールの依頼により、新興楽譜出
版が製作して原版を提供したジョニー・ティロットソンの「涙くんさようなら」という曲
である。このようになった経緯を説明すると、ポリドールとジョニー・ティロットソンの
マネージャーとの間で、坂本九のヒット曲「涙くんさようなら」をジョニー・ティロットソ
ンに日本語で歌わせて、レコード販売することになったのが発端であった。この時ジョニ
ー・ティロットソンは海外のアーティストになるので、ポリドールでは洋楽部の担当にな
るが、当時の洋楽部は原盤を海外から輸入していたので、原盤を作るノウハウがなかった
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ようだ。ポリドールにはもちろん、邦楽部もあり、音楽を録音する技術があったが、組織
内に壁があったため邦楽部には依頼しなかったようだ。そこで海外との音楽ビジネスに通
じていた新興楽譜出版に話が回ってきたのである。しかし、ここで重要となるのは、新興
楽譜出版は原盤の制作費を負担しているため、新興楽譜出版が原盤を保有することになっ
たことだ。しかも、このレコードの大ヒットにより、ポリドールは多額の原盤印税を新興
楽譜出版に支払うことになる。これは本来レコード会社が得るはずの利益大きな部分を、
原盤の制作費を負担した新興楽譜出版に譲ってしまったことになる。このことで新興楽譜
出版は原盤制作費を大きく上回る利益を得て、レコード会社は原盤製作の流出とともに、
利益体質の悪化をまねく大きな要因となった。この頃、ビクターではフィリップス・レー
ベルを立ち上げ、専属制にこだわらず、原盤の保有を報酬にして、音源を調達しようと試
みられた。このやり方は、今までのレコード会社の利益体質とは大きく異なるのは言うま
でもない。
最後は③の放送局系音楽出版社だ。そもそも放送局系の出版社とは、ラジオという音楽
の宣伝媒体を持つ放送局が、そのメリットを生かすため、著作権などの楽曲に関わる諸権
利を持ち、それを管理するという目的のため作られたものであった。最初に設立されたの
は、1965 年にできた TBS の日音で、日本のレコード会社の専属制に関わりの無い海外の曲
の著作権の管理を始め、やがてフリーの邦楽作家の曲も扱うようになる。さらに、外国の
中小レーベルの原盤を日本で販売する権利を確保し、日本のレコード会社にサブライセン
ス1する業務をしていた。放送系の出版社に原盤保有が生まれたのは、このような洋楽を扱
う業務の延長線上にあると言えるであろう。
ここまで解説した三つの事例から、わかるように 60 年代はそれまでレコード会社がほぼ
独占してきた音楽制作機能が、レコード会社の外へ流出するというレコード会社を含む、
日本音楽産業の歴史の中ででも、重要な意味を持つといえる。そして、これは一時的なも
のではなく、それ以後、年月が経つにつれて少しずつ拡大していったからである。それを
踏まえて、70〜80 年代をまとめていきたいと思う。
70〜80 年代の動向
60 年代にアーティスト・マネージメントを基盤に、音楽制作や著作権管理などのビジネ
スで成功した渡辺プロダクションを模倣するように、70 年代に入るとホリプロダクション
などのアーティスト・プロダクションが事業拡大に力を入れ始められる。これを企業型プ
ロダクションと呼び、企業型プロダクションによる原盤製作はどんどん広がりを見せてい
く。このような企業型プロダクションの音楽制作は、現在に至るまで脈々と続いている。
一方、60 年代後半から芽が出始めていたフォークソングが、70 年代に入ると本格的な隆
1
海外のレコード会社と日本のレコード会社の間の原盤契約のことをライセンス契約といい、そ
の間に入り契約の代行をすること。
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盛期に入っていく。そこにロックなどの新しい流れが加わり 70 年代後半のニューミュージ
ックに繋がっていき、それは 80 年代に入ると音楽市場の中心的存在へとなる。それらの音
楽の内容の形式は多様ですがその共通項は、それらの多くが、アーティストが自分で曲を
作り、自ら演奏し、自分で歌う音楽である、ということである。そして、それは必然的に
レコードの原盤製作もアーティストやアーティスト・マネージメントの手で行われること
が多くなり、場合によってはレコードの配給、販売まで自らの手で行うこともみとめられ
るようになった。そんなアーティストを中心に URC レコード2や、フォーライフレコード3な
どの会社が立ち上げられた。中にはフォーライフレコードのように、日本レコード協会に
加盟するほど拡大したものもある。
このようにレコード会社とアーティスト側は完全に別々のものになり、アーティストは
レコード会社と原盤のライセンス契約を結び、印税という利益を得る、レコード会社はそ
のレコード販売と宣伝をするという形になり、この形は現在にも大きく引き継がれ、さら
に拡大していく。
まとめ
レコードが輸入され始めた当初は原盤輸入が中心で、自国の歌をレコードとして生産、
販売することには積極的ではなかった日本だが、昭和に入り経済的問題と流行歌の人気の
上昇から、レコード産業が本格的に力を入れ始める。しかし、この時に日本既存のレコー
ド会社の多くは外資系企業にのまれてしまう。会社は外資系中心のレコード業界だったが、
当時の流行の音楽の大半はレコード会社の手によって作られた。しかし、昭和初期〜50 年
代までレコードの生産のすべてを担っていたレコード会社だが、60 年代に入り音楽製作の
分野で、他の音楽関連企業に分散していく。要因はメディアの介在、邦楽と洋楽の融合、
専属制に限界がきていたなど、いろいろ言われているが、その分散どのどん拡大していき、
最終的に音楽制作の分野は、企業系プロダクションや、アーティスト個人に任せる形がほ
とんどになり、それが現在まで引き継がれていく。
2
1969 年設立。会員制のレコードクラブで、大手のレコード会社が販売を拒否したフォークソ
ングをレコード化し、会費を支払った会員に配布するというものである。
3 1975 年設立。URC レコードから会員制をなくし、より多くの人に聞けるようにしたもの。
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第三章
携
帯
媒
体
の 変
化
宮脇
智子
はじめに
音楽が一般的に世の中に流通し出してから、その流通形態は様々なかたちに変わってき
た。この章では、その変化を主にポータブル機器について述べたいと思う。
ポータブル機器の変化と流れ
まず、人々が最初に音楽を持ち運んで家の中以外で聴くようになったのはカセットテー
プとそのウォークマンの普及が大きな要因であるだろう。カセットテープとは、主に音声
を保存できる磁気テープを小型のケースに入れて録音再生装置に差し込むだけで使用でき
るようにしたものである。気軽に使うことが出来る保存媒体なため、長い間使いやすいオ
ーディオツールとして世界中で使用されてきた。私たちの世代の人ならば、誰でも1度は
カセットテープに触れたことがあるのではないだろうか。しかし、このカセットテープは
何度も繰り返し聴いていると磁気テープが伸びたり、切れてしまうという問題点を持ち合
わしているために長期的な保存・記憶には向いてはいなかった。
その問題点を克服し、新たに普及したのがCDである。CDとは、世界的に規格が統一
されている光ディスクのひとつであり、片面にデジタル化された音声・画像・文字などの
信号が記録されている。信号の読み出しにはレーザー光を用い、ディスクとピックアップ
とが接触しないため寿命が長い。このCDの登場は、追加生産の容易さ、輸送コストの低
さ、また省スペース性などの特性により流通面にも大きな影響を与えることとなった。そ
の結果、1つのものを大量に生産することが可能となった。それと共に多品種少量販売も
実現された。これは消費者にとっても音楽ソフトの入手が容易になるという利点を生み出
すこととなり、音楽ソフト業界は拡大をみせることとなった。それにより音楽は私たちの
生活により身近なものとなり、消費者にとって音楽を聴くスタイルがCDを中心として確
立されることとなった。これに伴いポータブルCDプレイヤーが発売され、私たちは好き
な場所で、好きな曲を、好きな時に、より良い音質で聴くことが可能となった。このポー
タブルCDプレイヤーは今やあらゆるメーカーから数多く商品化されている。
この次に普及したのが今でも多くの人が使っていると思われるMDである。MDとは、
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デジタル信号を圧縮技術によってCDの約5分の1に圧縮したもので、最大80分のデジ
タル録音・再生が可能である。さらに大音量で、高音質のHi‑MDと言うものもある。小
型・薄型で持ち運びに便利なため、普及率が非常に高い。このMDのポータブルプレイヤ
ーを持っている方は非常に多いのではないのだろうか。こちらも先ほどのポータブルCD
プレイヤーと同じくあらゆるメーカーから様々なデザインのものが出されている。色や形
はもちろん、ヘッドフォンにも各メーカーごとにさまざまな工夫をほどこしている。他メ
ーカーの商品といかに差をつけるかが問題なのだろう。
これまで挙げたCDプレイヤーや、MDプレイヤーは落とし込む音楽の根元は自身で買
ったCDやレンタルショップで借りた曲をディスクに落とし込んだものであるというのが
定番であっただろう。しかし、近頃インターネットがかなり高い確率で普及したことによ
ってこのスタイルにも変化がみられるようになった。インターネットを利用した音楽配信
が実現したのである。MP3が世の中に出回ることによって、自宅で直接曲をダウンロー
ドすることも可能となったのだ。これによって音楽の利用範囲はかなり広がったのではな
いだろうか。
ここで、MP3について少し説明を入れたいと思う。
MP3とは、映像データ圧縮方式のMPEG4−1で利用される音楽圧縮方式の一つであ
る。MP3フォーマットを使えば、音楽CD並の音質を保ったままデータ量を約1/11に
圧縮することができるのである。このMP3のプレイヤーは、記録の仕方により大きく2
つに分けられる。フラッシュメモリに記憶するタイプと、HDD5に記録するタイプである。
フラッシュメモリタイプの特徴としては、小型で軽量、振動に対して音とびが発生しない、
といったことが挙げられる。HDDタイプは大容量だが、やや大きくて重くなるという特
徴を持つ。また振動やショックに対して損傷の可能性もあるが、CDやMDよりは音飛び
もしにくく、振動にも強い。
CDにしろ、MDにしろ、プレイヤーの中でディスクを回転させて音を出すと言うこと
は、衝撃には弱く、ディスクとの摩擦による劣化は防ぎようがない。さらに、やはりいく
らディスクを小型化したとは言っても数が増えればかなりの量になり、場所もとることに
なる。これらの問題点を解決した商品が先ほど説明したMP3などのデジタルオーディオ
プレイヤーである。
デジタルオーディオプレイヤーのメディアには、「内蔵フラッシュメモリ」「外部フラッ
シュメモリ」
「内蔵ハードディスク」の3種類があり、これらは音楽を格納する場所を示す
ものである。それぞれ、内蔵フラッシュメモリは小型、軽量であるが、小容量で割高。外
部フラッシュメモリは小型、軽量、安価であるが、別途デジカメ用メモリカードの購入が
必要。内蔵ハードディスクは大容量で割安で、写真表示や動画表示や動画表示など多機能
モデルもあるが、やや大きくて重い、といった特徴がある。
4
5
映像データの圧縮方法の一つで、MPEG規格の一部
ハードディスクの読みとり装置
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近頃話題となっているアップルコンピュータ社のiPodは小型のハードディスクを内
蔵したもので、500枚、1000枚分のオーディオデータを入れることができる。他社
のハードディスク搭載プレイヤーは大きい上に重く、再生時間も短かったため、実際には
携帯に不向きであったが、iPodはこれらの欠点を克服した最初の製品となった。それ
までのMP3プレイヤーの多くは容量が少ないため、所有者の音楽コレクションのうち、
選び抜かれた一部の曲を持ち歩くというスタイルが主流であった。しかし、このiPod
の登場により、手持ちのCDを全て持ち歩くといった昔では考えられなかったようなこと
が可能となったのである。
では、その膨大な量のデータをどの様に記録するのかというと、ハードディスク搭載の
デジタルオーディオプレイヤーの場合は、パソコンでCDを一度MP3などに変換してプ
レイヤーに転送してしまえば良く、あとはいつでも好きな時に聴くことができる。しかし、
いくらCDの1/10〜20に圧縮したとはいっても、音楽データの量は膨大である。ア
ルバム1枚が30〜70MBになるのが一般的である。曲をまとめて転送しようと思えば、
1GBや2GBになることもしばしばであり、高速なUSB6 2.0を使うのが一般的であ
る。最近はUSBマスストレージに対応していれば、ソフトのインストールなしでケーブ
ルを差し込めばドライブとして認識するようになってきた。もっとも2〜30曲しか保存
できない従来のデジタルプレイヤーと違い、ハードディスクプレイヤーは一度転送すれば
それっきりという場合が多いので、転送速度や転送環境にそれほど神経質になる必要はな
いというのも嬉しいところだ。あとは新しいCDを手に入れた時に転送するだけとなる。
・ポータブル機器のこれから
近年、HDDの低価格化などから大容量のMP3プレイヤーが増えてきている。また、
低価格化、小型化も進み、近頃ではFMラジオが聞けるMP3プレイヤーや、ボイスレコ
ーダー搭載などの多機能製品も出回っている。この様に、デジタルオーディオプレイヤー
は現在各社からさまざまな商品の展開がなされており、多くの人の注目を集めている。そ
の新製品において注目すべきは、各製品ともに音楽を聴くことだけにとどまらず、+αの
進化を模索している点である。これから先、デジタルオーディオプレイヤーがさらなる発
展を遂げるであろうことは言うまでもない。この様に、音楽のポータブル機器の変化はま
だまだ大きな可能性を秘めている。私たちはその変化からますます目を離すことができそ
うにない。
6
キーボードやマウスなどの周辺機器とパソコンを結ぶデータ伝送路の規格の一つ
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第四章
固 定 音 楽 媒 体 の 変 化
寺西
翔
『音楽』という言葉は世の中に知らない人はいないのではないだろうか。音楽として聴か
れる音を作り出したり、知覚したり、演奏したり、それに反応する多くの人々、と世の中
のいたるところに音楽は存在している。10代の平均的な音楽消費時間は平均2時間以上
にもなるのである。音楽は人間の生活の中で様々な機能を果たしているが、そのほとんど
は本質的には社会的機能、つまりコミュニケーションを行っているのである。世界中の異
なった国・地域に住んでいる人々が、互いの言葉をまったく理解していなくても、音楽を
通じて近づいたりできることもあるのである。音楽は人間の内部の奥深い感情を呼び起こ
し、このような感情は全く異なった地域の人々の間で共有体験になるかもしれない。現在
では音楽と消費者行動の関係が大きく研究されている。消費者は店の雰囲気などを視覚と
同時に聴覚でも判断しているのである。どういうことかというと、スーパーやお店に入っ
て音楽がかかっていないことを体験した人はいるだろうか。おそらくほとんどのお店は音
楽がかかっているであろう。そこには、音楽と消費者の行動に大きな関係があるのである。
スーパーなどではテンポの速い曲で消費者の購買時間を短縮させるのに対し、レストラン
ではゆったりとした音楽を流し、食事の時間を長くするのである。衣料品に関して言うと、
25歳以下を対象にした店ではゆったりとした音楽で消費者を長時間店内に留めるのに対
し、家庭の対象にした店では速いテンポの曲で店内にいる時間を減らすのである。
また、優れた音楽を作り演奏するのに、理論的裏づけを持つ高度な訓練や教育はかならず
しも必要ではない。民衆は伝統的価値観や枠組みにとらわれない新しい響きや歌詞を支持
する。このような民衆の声に対し、レコード録音・販売・放送を行う企業が音楽を供給し、
これにより、商業基盤に乗った音楽が、異なった国・地域を乗り越えて全世界に普及する
こととなったのである。
「先進国」で生まれた音楽・音楽家は、それらの国を規範として発
展を目指す多くの国で、広く受け入れられることが多い。
こういう風に音楽が身近になった現在であるが、それまでには様々な媒体の変化があった。
その中でも店・家庭で多く使われている固定の音楽媒体の変化を、レコードプレイヤー・
ラジオカセットレコーダー・CDプレイヤー・MDプレイヤーといったものを取り上げて
その変化を説明しよう。
・説明する前に録音技術にも変化があった事を少し説明したい。
エジソンが発明したレコードの普及につれて録音技術は発達し、より優れた録音や便利に
なった記録媒体・再生機器によりさらなるレコードの普及を加速するという相乗効果を生
- 13 -
んできた。しかし、1960 年代頃から録音機器、シンセサイザー7の普及がポピュラー音楽の
製作手法を根本的に変えた。1990 年代はデジタルレコーディングが普及し加工された音楽
の技術的な可能性が広がったのである。
レコードプレイヤー
レコードプレイヤーは、レコード用の再生装置のことで、一般には、レコードを載せて回
転させるターンテーブル、レコード表面の音溝の振幅を電気信号に変換する針と、これを
支えるトーンアーム、そしてこの電気信号を外部に出力する機構を一体化したものをさす
場合が多い。レコードプレイヤーは1960年代あたりまでは「電蓄」という呼ばれ方も
した。針などは消耗が激しい上にレコードも繰り返し聞くことにより音が悪くなるために
徐々にカセットにシェアを取られていった。現在ではほとんど市場に出まわっていない。
テープレコーダー
テープレコーダーとは、磁気テープを用いて音声信号を記録・再生する装置である。「テ
レコ」と呼ばれることもあった。磁気テープは紙またはポリエステルなどのプラスチック
製テープに金属酸化物などの磁性体を塗布し、さらに磁性体の向きを揃える磁気処理を行
った媒体である。テープレコーダーはこれを用いて、電気信号を記録・再生する装置で、
音声を記録する録音再生機器の一種である。日本では1950年に東京通信機工業(現在・
ソニー)が紙テープ式のモデルを発売したのが最初である。
信号の録音・消去が簡単、長時間録音に適するという長所がある。また、アナログテープ
レコーダや一部の固定ヘッドデジタルテープレコーダでは、「手切り編集」8が可能である。
ディスク等は管理領域が論理的・物理的に壊れると内容が事実上全て失われるが、テープ
は生き残った部分だけでも再生できる利点もある。
一方で、使い続けていくにつれて磁性層の劣化、テープの伸び・切断などが起こるほか、
ランダムアクセスが難しいなどの欠点があり、後続の新技術にシェアをとられている。か
つてカーオーディオなどはほとんどテープであったが、現在ではテープがついていない車
も少なくない。
ラジオカセットレコーダー
ラジオカセットレコーダーは一般的にラジカセとも呼ばれ、テープレコーダーに(テレコ)
7
シンセサイザー(synthesizer)とは、一般的には主に電子的手法により楽音等を合成
(synthesize:シンセサイズ)する楽器「ミュージック・シンセサイザー」の総称。
8
テープを直接切断して編集すること。電子編集に対する用語
- 14 -
にラジオチューナーを内蔵した音響機器である。ちなみに短縮形で「ラジカセ」と世間に
広めたのは音響機器メーカーのパイオニアである。日本では日立製作所が1963年にオ
ープンリール9式テープレコーダーにトランジスタラジオを搭載した「ベルリーナ」が最初
と言われている。その後、コンパクトカセットが登場して、1970年代には各家電メー
カーが相次いで商品を投入した。1995年頃からはカセットの変わりにMDデッキを搭
載した「MDシステム」も登場している。
コンパクトカセット
コンパクトカセットは、オランダの電機メーカーであるフィリップス社が1962年に開
発したオーディオ用磁気記録テープ媒体の規格である。通常「カセットテープ」と呼ばれ
るものは、このコンパクトカセットテープを指す。このコンパクトカセットテープは、フ
ィリップス社が互換性厳守を条件に基本特許を無償公開したため、多くのメーカーの参入
を得て事実上標準規格となった。初期はテープ幅の小ささによる制約から音楽用よりは会
議録音など業務用のメディアと考えられていたが、1960年代後半以降に性能改善が著
しく進んだため、1970年代以後は携帯の容易な音楽用メディアとして広く一般に普及
した。現在ではMDにシェアを奪われてしまったが、元々の普及台数が非常に多く、MD
に比べて値段が安い上に、長時間の録音に適しているために現在でも利用されている。し
かし、MDがMDLPなどで進歩してきたため今後はさらに苦しいと思われる。
ミニコンポ
ミニコンポとはオーディオシステム(ステレオ)の一形態である。登場当時と現在ではそ
の意味するところに違いがある。元々はレコードプレイヤー、アンプ、スピーカーなどが
独立した製品として提供されるコンポーネントステレオに分類され、19インチラック実
装のプロ用オーディオ機器を元とした「フルサイズコンポ」の横幅を3/4程度に縮小した
サイズの製品群をミニコンポと称した。同時に各コンポーネントがシリーズ化され、セッ
ト販売されるようになった。現在では、サイズにこだわらずスピーカーが分離できるオー
ディオシステム全体を指すことが多い。
CDプレイヤー
9
オープンリールは、テープを巻いたリールが単体で存在する形態をいう。リールが剥き出しに
なっており、記録・再生の際には利用者が直接リールを操作する。リールに巻き取られたテープ
を記録装置に装着し、記録/再生用のヘッドやテープ送り機構を経由して巻き取り側のリール
巻きつけてからでないと使えない。普通テープを取り外すときは、テープを全て巻き戻し
てから取り外す。コンパクトカセットなどに比べて取り扱いが面倒であった。
- 15 -
CDプレイヤーは、コンパクトディスク(CD)を再生する装置である。CD−DA(オ
ーディオCD)上に記録されているデジタル音声データを、スピーカーで再生可能なアナ
ログ情報へ変換する。現在でも多くのシェアを支配しているが、その売れ行きは昔に比べ
て著しく低下している。その原因として、今ではCDを購入しなくてもレンタルが可能で
ある上に、録音技術の進歩によりMDやDMPなどでも音に遜色が無いことがあげられる。
MDプレイヤー
MDプレイヤーは、ミニディスク(MD)を再生する装置である。ミニディスク (MiniDisc)
とは、ソニーがアナログコンパクトカセットを代替するために 1992 年に発表したデジタル
オーディオ記録用の光学ディスク媒体およびその規格である。MD とも呼ばれる。
ディスクには再生専用ディスクと録音用ディスク、ハイブリッドディスクの 3 種類が規定
されているが、2000 年代において流通しているディスクはほぼ録音用ディスクのみとなっ
ている。再生専用ディスクは CD と同様の構造で、当初は CD のように既成曲の入ったパッ
ケージメディアが発売されていたが、普及しないまま姿を消した。
普及に失敗した原因としては、ふつう以下の要素があげられる。
・ 圧縮により CD と比べて音質が劣るためマニア層に問題外扱いされた。
・
初期はポータブル機から普及が進んだため、据え置き型の MD プレイヤーや MD デッ
キ内蔵コンポが相対的に普及していなかった。そのため一般層が再生専用ディスクを
購入しても、外出時と在宅時で使いまわしできなかった。
・
多くの人々に「MD は CD をコピーして外に持ち出すことのできるメディア」として認
識されたため、CD でも発売されているタイトルをわざわざ MD で購入するメリットを
与えることができなかった。
MD では曲名の入力が可能である。これはコンパクトカセットでは不可能な機能であり、
MD ユーザーを増やした要因の一つである。2000 年より導入された MDLP (MiniDisc Long‑Play
mode) は、従来の音楽 MD に比べて 2 倍、4 倍の長時間録音モードを可能にした商品である。
MDLP はメーカー・ユーザーのいずれからも喜ばれ、登場から数年で、市場において従来型
の音楽 MD 機器を置き換えるに至った。追加録音モードはそれぞれ LP2 モード、LP4 モード
とよばれ、従来のステレオモードのそれぞれ 2 倍、4 倍の録音時間が確保できる。さらに、
2001 年には MDLP グループという機能が登場した。これは、ディスク内の各曲を幾つかのグ
ループに振り分けることで簡単な分類を行う機能である。MDLP の導入で 1 ディスクあたり
の録音可能曲数が増えたことにより、トラックの見方の低下を招いていたため、グループ
機能の導入はこの問題に対する解決策となった。
- 16 -
このように、音楽を聴く媒体も様々な変化をして来ている。何の苦労も無く民衆に普及し
たと思われているカセット・CD・MDも発売当初には利用者のニーズに応えるために様々
な工夫をこなしてきたのである。そして、MDで一段落するかと思われたが、技術の発展
が著しい現代では更なる技術の向上が望まれておりこのMDの人気も薄れ始めている。そ
の対策としてソニーは、技術の発展が著しい現代では更なる技術の向上として、Hi―M
Dと呼ばれるものも出てきている。このHi―MDでは音楽のみならず写真なども取り込
めるようにしたものである。しかし、現代ではMD離れが起こっているために厳しい状況
である。その大きな原因の一つが iPod を代表とするDMP(Digital Music Player)の
普及である。DMPはパソコンやコンポなどから直接音楽を取り込めるだけでなく、その
小ささやデザイン、容量の大きさなどが魅力でシェアを広げつつある。この DMP によって
固定の音楽媒体にも少なからず影響がでてきている。それは、DMP はパソコンなどから音楽
を直接取り込むため従来のようにコンポやラジカセなどを通じて録音することが不要にな
りつつあるのである。また、家などで音楽を聴きたいときには、CD・MD などを用意しなく
てもパソコンから直接聴くことができ、さらに、DMP 用のスピーカーも販売されているため
それだけを購入するだけで従来に比べて気軽に少ないスペースでスタイリッシュに音楽を
聴けるようになるのである。
『音楽』は世界の至るところに存在しているが、技術の進展や利用者の好みは変化しやす
い。こうした利用者の時代によって変わるニーズにいち早く応えるため、新しい流行を生
み出すために各メーカーは新しい技術の開発・新しいデザインの模索など常に新しいこと
に挑戦し続けるのである。音楽業界の更なる技術の発展に期待したい。
- 17 -
第五章
商
品
売
買
杉村
恵里
アナログ式記録による音声再生メディアとしての原点は、エジソンが 1877 年に発明し、
記録と再生共に可能なものであった円筒式レコードを原点とする。その後テープ・CD・MD・
DVD といった『パッケージメディア』と呼ばれる商品は何千億円のマーケット規模を持つも
のとなり、現在のレコード業界はこの「パッケージメディア」のセールスによって形成さ
れ、ヒット曲に冠せられる
ミリオンセラー
という称号も、この「パッケージメディア」
の売り上げ枚数をそのまま表したものである。しかしパッケージメディアの 9 割を占める
CD の売り上げ枚数が近年減少の一途をたどっている。CD が発売されたのは 1982 年である
が、売り上げ枚数は 1998 年にピークを迎え、その後シングル CD が特に減少の一途をたど
っている。下のグラフは 1996 年〜2005 年の CD 生産数量である。1998 年をピークに減少し
ているのがはっきりとわかる。
(千枚)
CD生産数量
CD生産数量
19
96
19 年
97
19 年
98
19 年
99
20 年
00
20 年
01
20 年
02
20 年
03
20 年
04
20 年
05
年
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
図5-1
CD の売り上げ枚数の減少の要因として考えられることは色々とあるが、違法コピー・ダ
ウンロードやレンタル CD ショップの充実化・増加、消費者や時代の変化などが考えられる。
今までシングル CD は若年層をターゲットとしていた。しかし近年、携帯電話の普及・少子
化・趣味の多様化といったことにより、若年層があまり CD を購入しなくなっているようで
- 18 -
ある。その代わり中高年層の人口が増えたこともあり、中高年層が CD を購入する傾向が強
くなっており、それらの世代をターゲットとした昔の歌手やフォークソングなどのリバイ
バル商品が非常に増えてきている。しかし全体的には、やはり CD の売り上げ枚数もミリオ
ンセラーも非常に減少している。ミリオンセラー数の推移は次のグラフにまとめている。
ミリオンセラー数の推移
作品
35
30
25
20
15
10
5
0
19
95
年
19
96
年
19
97
年
19
98
年
19
99
年
20
00
年
20
01
年
20
02
年
20
03
年
20
04
年
20
05
年
アルバム
シングル
図5-2
次にレンタル CD ショップであるが、店舗数はどんどん減少してきている。しかし、1店
舗あたりの面積は増加している。このことから小規模店舗は撤退し、大規模店舗の進出が
進んでいることが予測できる。店舗を大きくすることで CD だけでなく色んなジャンルのも
のを置き集客を増やし、尚且ついっぺんに CD などを安価でレンタルすることが可能なので
レンタルする消費者が増えると思われる。しかも大規模店舗となると、ヒットしている CD
は大量に置いていたりするので人気がなくなってくるとその CD の一部は中古コーナーへと
移動するので、そこも CD の売り上現象に繋がっていくと考えられる。
最後に違法コピー・ダウンロードについてである。違法コピー・ダウンロードは MP3 と
いう圧縮技術が普及するに伴い増えてきている。MP3 は(MPEG‑1 Audio Layer‑3)のことで、
デジタル化された音声を 1/10 に圧縮しパソコンなどに保存・再生出来るという点が最大の
特徴である。97 年後半、CD から音楽データを MP3 方式に変換するアプリケーションソフト
が開発されたことにより音楽データがインターネットを通じて無料もしくは非常に安価で
提供され、米国を中心に個人ユーザー間における MP3 技術の利用が急速に広まり、結果的
にインターネット上で高品質な音楽の配布を実現する技術として MP3 が注目されることに
なった。問題は MP3 の技術を利用して無許可で CD 収録曲を配布する違法サイトも増加して
いったことだ。しかし MP3 に違法性があるわけではない。使用方法に問題があるのだ。個
人的に MP3 に方式に圧縮し聴くことにはなんら問題はないが、Winny や WinMX といったファ
- 19 -
イル共有ソフト上で不特定多数に配布する行為などは著作権法違法となるのである。ファ
イル共有ソフトの利用者がかなり多く日本音楽著作権協会や日本レコード協会、レコード
会社は不正コピー・ダウンロードや海賊版によって CD 売り上げが落ちていると主張してい
る為、不正利用対策に力を入れている。
しかしそうとも言えない研究発表が最近あった。デジタルコンテンツの著作権保護につ
いて研究発表した慶應義塾大学経済学部助教授の田中辰雄氏が、「Winny による音楽ファイ
ルのダウンロードは CD の売り上げに悪影響どころか、むしろいい影響を与えている」とす
る研究結果を発表した。どういうことかと言うと、調査した結果 Winny でダウンロードさ
れている曲ほど CD が売れるという結果が出たそうだ。きっとダウンロードして、良い曲だ
と思えば買うといった宣伝効果が得られたのであろう。他にも、とある団体がしたアンケ
ートでは対象となった 2200 人あまりの消費者のうち 23%が「インターネットをはじめ、無
料で音楽を入手する手段があるので、CD の購入を差し控えた」と回答したが、違う世論調
査機関の調べによれば、対象者全体の 81%が「インターネットで音楽を聞き始めてからも
CD の購入回数は減っていないし、場合によればむしろ増えている」と回答したという。更
に全体の 47%が、「最近買った CD の中には、インターネットが無ければ知ることがなかっ
た音楽がある」と回答したという。このように、ファイル共有ソフトが及ぼす影響は一概
には言えないし、色んな見方ができるであろう。
MP3 が音楽業界に与えた影響は悪いものは決して多くないと思う。MP3 によって可能とな
ったビジネスも多い。例えばポータブルプレーヤー。今では MD プレーヤーや CD プレーヤ
ーなどに代わって MP3 プレーヤーがメジャーとなってきて、電気店などで店頭のメインに
並んでいる。次に、MP3 プレーヤーが普及したことで MP3 プレーヤーの所有者をターゲット
とした新ビジネスが出てくる。MP3 を使った英語学習ソフトなども発売されているし今発売
されている第5世代の iPod は映像も再生出来るので今後これを利用した色んなビジネスが
出てくるだろう。今では携帯電話でも MP3 に限らないが音楽が聴けるようになっている。
日本の携帯普及率は7割を越えているそうだ。仮にその携帯が全て音楽を聴けるものであ
り、所有者が携帯で、もしくは MP3 プレーヤーで音楽を聴くようになり身近にインターネ
ット環境が整っているとする。そうなると、もう CD といったものはベストやよっぽどのこ
とがない限り発売されなくなるかもしれないし、アーティストやレコード会社が直接 HP な
どにアップロードし販売するといった時代がくるかもしれない。そうなると CD を作るコス
トもかからなくなるし、セールスプロモーションもネット上でほとんどまかなえるように
なるかもしれない。実際に、USEN は携帯ユーザーからお金を取らない、『どこでも USEN』
という事業を行っているようだ。これも一種のセールスプロモーションであり、携帯ユー
ザーが楽曲リストからワンクリックで情報を保存したりダウンロードしたりできるもので
ある。ユーザーからお金を取らないところから見て、気に入った曲を着うたでダウンロー
ドしてもらう事に繋げるセールスプロモーションであろう。
- 20 -
このように MP3 技術の世界的な普及により、今までは閉鎖的であった音楽業界が解放さ
れ、思いもつかなかった色んなビジネスの問題が今後展開されていくであろう。しかし著
作権の保護、ファイル共有ソフトによる個人情報・国家機密レベルの情報の流出など色々
と解決すべき問題は多いので、こういったことを最優先で解決していかないといけないと
思う。
- 21 -
第六章
世 代 交 代 から見 る音 楽 業 界 の未 来
――― デジタル化への移行 ―――
釜鳴
正樹
20 年以上も市場を独占していた CD に異変が起こっている。
コピーコントロール CD
(以下、
CCCD)が登場してしばらく経つが、この時点で音楽業界の歯車がおかしくなっていたと思
われる。音が劣化し、再生できないプレイヤーが出てきて、これまでは可能だったさまざ
まな聴き方を制限される。また、パソコン業界も CD のリッピングとか CD‑R の利便性をう
たってきたのに突然不可能になってしまった。
現在、ほとんど全ての会社で CCCD は採用されている。CCCD を導入する理由はユーザーの
パソコンを使った違法コピーが横行し、CD の売上が危機を迎えているからだされている。
ユーザーだけが嘆いているのではなく、「こんなものを使わなくてはならない世の中が情
けない」と漏らす関係者もいる。また、アナログ時代を知る人も、レコードから CD への移
行のときと同じように「最初は音がひどくてガッカリした」そうだ。
音楽を聴く人の媒体も変化していると思われる。一昔前は、音楽コンポで聴いていた人が
ほとんどであったはずだが、PC で音楽を聴く人が全体の6割を超えるようになってきた。
PC で聴くというのは、CD から取り込む方法とインターネットに接続し、さまざまな音楽サ
イトからダウンロードする方法と2つある。そのユーザーたちの意思を背くように CCCD は
使用されている。
結局は音楽業界自身があぐらをかいていたのだと言うこともできるが、逆に言えば、その
ずさんな体制のおかげでリスナーは、どんどん新たな便利さを追求してきた。だから、少
し制限されただけで大げさに厳しくなったと思ったのかもしれない。
しかし、CD の音楽業界はユーザーにいい音楽を聞いてもらい、音楽で魅了することが目
的であるはずだ。なのに、今やユーザーを敵対視しているようにも見える。これでは、ユ
ーザーも反発し、CD の売上が目に見えて落ちていくのも分かる気がする。
音楽業界側も売上を伸ばすために CCCD を導入したが、さらに売上が減っていったとなる
と、回復するのは非常に難しいのかもしれない。
しかし、ただ衰退を見守っているだけではない。ユーザーが CD を買う以上のメリットを
見出して、スムーズにデジタル化をしないと次はないと感じているはずだ。また、「この危
機を乗り越えるためにとる手段・行動は何なのか見極めなさい」というのがテーマである
- 22 -
とも考えているはずだ。さらに、著作権保護の問題は売上の問題とは別にやっていかなけ
ればいけないことだとも思う。ユーザーに見限られた
楽の作品性や価格戦略
売り上げだけを考えて作られた音
も見直さないといけない。
極論かもしれないが、コンテンツの価値とイコールの映像を CD につけ商品として成立さ
せる、もしくは CD のケースの価値を高めるという方法もあるかもしれない。いずれにせよ
それは音楽を聴くという音楽そのものの商品性の本質とは離れてしまうから、一度消費し
たら残らないものに移行するしか生き残る道はないのかもしれない。オリジナルに限りな
く近いデジタルコピーを大量に売り、利益を上げるというビジネスは、終わりを迎えてい
るとも言える。
しかし、やはり音楽を愛するファンはたくさんいて、少しでも楽しく、いろいろな方法で
音楽と触れようとしている人もいる。
「自分で楽器をひくこと」、
「作曲をすること」はコアなファンしか踏み入れない領域だと
思われていた。しかし、
「音楽を楽しむ」ことは、何もメジャーが提供する音楽を聴くこと
だけではない。演奏を楽しんだり、自分で曲を作ることも音楽の楽しさの1つであると思
う。そして、今、多くの人がこうした「新しい」音楽の楽しみ方に目覚めつつある。ここ
では、2つの例をあげてみたいと思う。
1つめは「演奏したい」というニーズに応えようとしているのが、BEGIN の比嘉栄昇氏が
プロデュースした『一五一会』という楽器である。この楽器の仕組みは非常に単純で、三
線は本来3つしか弦がないが、4弦にしてあるギターである。弾くのが簡単で、ギターを
弾いたことがない人でも3分もあれば1曲マスターできる。この楽器は発表と同時に注目
を集め、生産が追いつかないヒット商品となり、急遽廉価版も開発されたほどである。楽
器業界も音楽業界の不況のあおりを受け、状況は明るくない。そんな中、こういう新しい
コンセプトの楽器がヒットしたのは興味深いと思う。今後 CD 会社をはじめとする音楽業界
が進むべき1つの方向を示しているのではないだろうか。
2つめは、パソコンやインターネットの世界で、「作曲したい」というニーズを満たす、
アップルコンピュータの『Garage Band(ガレージバンド)』というソフトである。これは
難しい音楽理論を知らない初心者でも簡単にプロ並みの作曲を低コストでできる。そして、
このソフトで作られた曲がインターネット上で共有されたり、リスナーたちで曲を共同創
作するサイトである。つまり、1つの楽曲を多数の方法・人で使用できるという点で人気
が出ている。この類のサイトがたくさん登場し、ヒットしていることも注目されるところ
である。出来上がった作品を一カ所に集めて掲載する「オンライン・コミュニティ」と呼
ばれるサイトも人気が出ている。その中の 1 つ、MacBand.com ではメンバー間での共同制作
を促すために、サイトに掲載された楽曲に、曲全体を改変しない形なら自由にコピー可能
等のライセンスが適用される。だから、著作権の問題にもならない。今必要なのは、人々
に楽器演奏の楽しさを伝えたり、自分で曲を作ることの楽しさを伝えることであると考え
られる。自分で演奏したり、作曲することの大変さを経験したら、違法コピーを軽々とす
- 23 -
る人が減るだろうし、優れたクリエイターが育つ環境もできてくるはずである。メジャー
に縁のないマイナーなアーティストの作品がネットから火が付いて数百万枚の大ヒットに
なる。そんな現象が日常的に起きるようになるかもしれない。必ずしも「CD」というパッ
ケージじゃなくても、「良い音楽を聴きたい」と思ったときに、できるだけ「良い音」で聴
きたいだけではないのか。
上記以外のサイトの Mac Jams、そして iCompositions なども人気のコミュニティ・サイ
トで、開設されてわずか半年ほどで数千曲の楽曲が掲載され、データの共有やリミックス
による新たな音楽の創造空間・たまり場となりつつある。
Garage Band の詳細を見てみよう。ユーザー同士が互いに意見を活発にやり取りし音楽を
共有できるウェブサイトであり、現在約 1,500 曲の楽曲が登録され、もっとも進化したオ
ンライン・コミュニティになっている。会員数は約 3,000 人。会員数、登録楽曲数ともに
順調に増加中である。楽曲は、曲のタイトルや楽曲ファイルの URL を書き込んだオンライ
ン登録申請フォームを送り、管理者が1曲ずつ聴いて確認しながら Mac Jams に掲載してい
る。
このようなウェブサイトで問題になりやすいのが、著作権侵害に関してだが、これまで一
切起きていない。楽曲を Mac Jams に登録する際には、わかりやすい著作権ポリシーを提示
している。もし誰かが、他人の楽曲の権利を侵害するような楽曲を Mac Jams に掲載した場
合、その人物に勧告を行ったうえで、適切な措置を取るようになっている。Garage Band で
作られた音楽だけを流す世界初のインターネットラジオ局「MUG radio」というものも作ら
れている。
これらの大きな流行を生み出しているのは、iPod と iTunes Music Stores を手がけてい
るアップルコンピュータである。音楽をすべてデジタル化し、保存、編集、転送すべてに
おいて現在のデジタルブームに乗っている。また、ダウンロード購入の動きも加速させた。
自宅にいながら、メジャー発売直後の曲を手に入れることができ、一部は発売前に手に入
れることもできる。楽曲はコンピュータのハードディスクとモバイルデバイスに収められ
るようになり、携帯電話と同じくらいの媒体に、数千曲入れることが出来る。
なぜ、ここまで、デジタル機器を擁する業界あるいは、なじみやすい楽器を提供する会
社がブームになったのだろうか?
それには、3つのキーワードがあると思われる。
1つめは、「簡単」である。デジタルという言葉だけで、難しいイメージがあったはずだ
が、以外に簡単で初心者にもやさしいことで広まった。人は、便利なものに弱くその心理
をうまくつき利用者を増やしていった。
2つめは、
「オシャレ」である。デジタル機器を扱うのは若者で男性だけ。という固定概
念が少なからずあったはずだが、デザインのおしゃれ性で、女性・中高年の男性にまで広
まった。
3つめは、
「相互交換」である。これが、一番大事な点である。もし、このデバイスを使
- 24 -
いオンライン・コミュニティを使用すると、簡単に他のユーザーと楽曲交換をすることが
できることである。現在のネットワークを十分に使った戦略であると思われる。
また、ある程度の利用者が集まってから、このシステムを作ったこともよかったと思われ
る。そして、まだ、使用していない人には、既存のユーザーがたくさんいることをアピー
ルするだけで利用者が増える。いわば、芋づる式にユーザーが増えるのである。今後もし
ばらくはこのような形で増えていくだろうし、新たなアイデアも出てくるだろう。
しかし、CD を擁する音楽業界もまだ終わったわけではない。これから、インターネット
とうまく絡ました戦略で立て直して出てくれば、チャンスはあるはずである。
過去の栄光を引きずる CD 業界と、未来を見据えたデジタル業界を見れば、次の時代の主
役は、おのずと分かるような気がする。時代は、さらに大きくデジタル化へと進んでいる。
- 25 -
第七章
あ
と
が
き
深井
慎太郎
今回私たちのグループは、音楽業界のこれまでの動向とこれからの発展を各自調査、研
究してきたが、音楽は遥か昔から人間が生活していく上で切り離せないものである。そし
て、それはこれから先も変わることがないでしょう。そして、音楽業界はその時代ごとに、
その時代にあった音楽を製作や販売方法を実践し我々に提供してきた。しかし、20世紀
に音楽業界の中心となっていた、CD 産業は現在多くの問題を抱えています。ですが、これ
は歴史的に見ても、入れ替わりの時期といえるでしょう。このまま、CD 産業はこのまま衰
退していくかもしれないが、音楽業界はこれから新しい技術により、21世紀も新しい発
展を見せてくれることが予測できる。それは、デジタル音源の音楽であり、この先、これ
まで考えもしなかった技術や音楽を提供してくれるでしょう。それを考えると、音楽業界
は中心が移り変わっても、これからも発展し続ける業界である。
- 26 -
第八章
参
考
文
献
深井
参考文献
生明
俊雄
頸草書房
河端
「ポピュラー音楽は誰が作るのか
〜音楽産業の政治学〜」
茂
2004年出版
教育社
「レコード業界」
水越
1977年出版
伸
岩波書店
「デジタル・メディア社会」
2002年出版
宮脇
参考文献
ジョーシンホームページ
http://www.jp.joshin.co.jp/report/dap/
フリー百科事典Wikipedia
http://www2k.biglobe.ne.jp/ t̲muto/mp3/description.htm
http://homepage1.nifty.com/office̲s/w̲knowledge.htm
IT用語辞典 http://e‑words.jp/
寺西
参考文献
ディビット・J・ハーグリーヴズ/エイドリアン・C・ノース編
訳:磯部二郎・沖野成紀・小柴はるみ・佐藤典子・福田達夫
音楽の社会心理学「人はなぜ音楽を聴くのか」
東海大学出版会
2004年出版
広辞苑
岩波書店
第三版
- 27 -
小百科事典
商工中金創立50周年記念
フリー百科事典「ウィキペディア」
http://ja.wikipedia.org/wiki/
杉村
参考サイト
どこでもUSEN
http://www.usen.biz/docodemo/
INTERNETWATCH
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2005/03/08/6754.html
ネットワーク音楽配信革命
http://www.it‑aru.com/seminar/20050224/glocom̲2005‑0224.pdf
釜鳴
参考サイト
これからの音楽業界
http://blog.livedoor.jp/planet̲blog/archives/50228372.html
コピーコントロールCDについて
http://e‑words.jp/w/.html
アップルコンピューター(ガレージバンド)
http://www.apple.com/jp/ilife/garageband/
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