ドイツと日本における皮膚挽状結核 臨床像の相違について

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昭和41年12月20日
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ドイツと日本における皮膚挽状結核
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臨床像の相違について
本 田
光 芳,新 田
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陣 男*
Ctttisin Deutschland
Mitsuyoshi Honda
und Takuo
und Japan
Nitta
皮膚現状結核に関する本邦とドイツの文献を比較検討
と関係なく脊部に初発するものである.この型の皮膚現
すると,その好発部位と感染様式の著しい相違か認めら
状結核は手あるいは指背に生じた本症と同様外傷などに
れる. Volk", HamelおよびHoede2)によればこのよう
よる外界からの結核菌感染か主である.他方症例4のよ
な相違は臨床上の意義か少ないとされている.しかし本
うに肛門周囲から発生し遠心性に拡大する症例がある.
症を接種皮膚結核として疫学的に観察するならば,両国
このような場合既往に肺結核,腸結核,肛門周囲膿瘍あ
における本症の臨床像の相違について検討を加えてみる
るいは痔麿などを証明することか多い.
ことも無駄ではない.
Gottron3)によればこの臨床像はすでに形態的に疵状
著者らは最近15年間,日本医科大学皮膚科教室にて経
尋常性狼療であり,病因的には潰瘍性粟粒性皮膚結核に
験した21例, Fachklinik Ha us Hornheideにて経験した
近いとされている.
60例の皮膚現状結核を詳細に検討し興味ある症例5例を
における現状の皮膚結核は血行性に生じた尋常性狼拾と
選び,その臨床像,感染様式について考察し,さらに本
診断すべきであると述べ,さらにArzt-Zieler=>のHand-
邦とドイツにおける文献の検討を併せて行ない新しい知
buch中図17は尋常性狼瘤であるとしている.著者らの
見を得たので報告する.
症例4もこのような見地から当然尋常性狼癒と診断され
写真1,
3,
5,
6,
8にみるように皮膚涜状結核は
Riehl"は躯幹,四肢あるいは粘膜
るべきがあると考える.
特定の好発部位を有する.とくに欧米においては症例1
症例5は本邦における本症の特徴を示している.すな
のように指あるいは手背における尋常性現ぜい状皮疹が
わち膝部の典型的皮疹,職業と関係なく外傷後に発生,
本症の典型的臨床像とされている.このような場合また
結核感染源が不明などの点である.Jordan6)はこのよ
組織像においてもその特徴である角質増生,
うな症例においては生活周囲の開放性結核患者による感
Akanthose,
表皮の深部への侵入などか著明に認められる.症例1,
染が多いと強調している.
2,8からも明らかなように,ドイツにおいては屠殺業
Kalkofr>は皮膚現状結核の診断は単発性の,外因性に
者が本症罹患の大部分をしめる.感染様式は職業上の外
生じた,形態的に典型的皮疹にのみ下されるべきである
傷により,多くの場合病巣から牛型結核菌を証明する.
とし,単に疵状皮疹であっても躯幹,あるいは躯幹に近
症例2はINH内服半年後の病像である.本例のように
い病巣に対してはGottrc
すでに抗結核剤を使用した症例では硝子圧診によりしば
「)同様本症の診断をさけるべ
きであるとしている.
しば狼癒斑を認め尋常性狼癒との鑑別が困難となる.
旭8)は本邦における本症の特徴について述べ小児,青
症例4は皮膚現状結核としてはその皮疹大きくまた現
年,労働者に好発すると報告し,また旭8),平野9)によ
状の角化傾向に乏しい.瞥部に発生する本症は2つの型
れば本症の好発部位は膝部,脊部,足背,手背の順に頻
に分類することができる.すなわち,その一つは肛門部
度か高いとされている.
*日本医科大学皮膚科教室(主任 丸山千里教授)
昭和41年8月29日受付
−723−
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第76巻 第12号
日本皮膚科学会雑誌
724
725
昭和41年!2月20日
写真2
写真]皮膚症状結核.症例1.
39才リJ,屠殺業.16
皮膚現状結核組織像.症例1.
Obj. 6
C)c.10, Tab.
HE染色,
1 ,25.
年前業務中にヤ于介を受傷.ル于介部の典
聖的皮疹Oニレ・人柄例).
写貞3 皮膚現状結核.症例2.5L}リj,屠殺栗.
右于関節卜心け側ら牝状皮疹(INH療法
6ヵ月施行後).硝自Tミ診により狼療斑を認
写真4 皮膚傀状結核組織像.症例2.組織片培養
および動物接種により牛型結核菌を証明.
HE染色, Obj. 6, Oc. 10, Tab. 1,25.
め,現状尋常性.狼療に近い皮疹万ある(ド
イッ人症例).
写真5 皮膚症状結核.症例3
. 42才丿,jχ殺業.
5年前業務小に右肘部か受傷.右肘関節部
写真6 沈状尋常性狼癩,症例4.
52才男,労働者.
既往症として肺結核,痔厘を有する.轡部
仲側の典型的皮疹(ドイツ人症例),
の現状皮疹(ドイッ人症例).
726
日本皮膚科学会雑誌 第76巷 第12号
写真7
現状尋常性狼癒組織像.症例4.衣皮索の
真皮侵入は認められなト.組織片培養およ
び動物接種により人型結核菌を証明HE
染色Obj.
6, Oc. 10, Tab. 1,25.
写真8
皮膚疵状結核症例5.
29才男,会社員.8
年前ベニャ板で右膝部を受傷.右膝関節部
仲側の皮疹.組織片培養により結核菌拡証
明(目本人症例).
ける木症は同様の傾向を有すると述べている.日本医科
疹を認める.
大学皮膚科における木症例21例をみると,職業.1……プd,乙4
以上辻本邦における皮膚現状結核の特異性心示す牛,の
た吋例はかく,氷児,若年者に多く初発し,七白10例こ
で丿丿八木症の好発部位の差は両国におけご木乍感愉様
膝部に,5例け腎部に,3例は足部に,3例け下肢に皮
式口相違に原因すると考えら,八る.
文
献
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Haut-
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