発行:神奈川県立川崎図書館 No.66(2015年2月) 人間のからだは、だれにとってもいちばん身近なものです。生まれてからずっと自分のから だとともに生きています。でも、自分のからだがどのようにできていて、中がどうなっている のか、見ることはなかなかできません。 人間のからだのなかには、ふしぎなことがいっぱいつまっています。今回は人間のからだに しょうかい ついての本を 紹 介 します。からだのふしぎやすばらしさを知ってみませんか。 自分と同じからだはどこにもない ちきゅう かみ け 地球には今、およそ70億人もの人がくらしています。そのなかには、髪の毛が黒い人や金 とくちょう せいかく 色の人、目の色が青い人や黒い人、のんびりした人やせっかちな人など、からだの 特 徴 や性格 がちがう、さまざまな人がいます。このように、からだや性格などについて、ある人だけがも どくじ こせい つ独自の特徴を「個性」といいます。 いでん きんにく けつえきがた 親からうけつぐ遺伝(筋肉のつき方や血液型など)と、経験やまわりの環境などが関係しあ って、その人だけの個性ができていくと考えられています。 かぞく ともだち 家族とも友達ともちがう自分だけのからだ、かけがえのないものなの だいじ で、大事にしたいですね。 人のからだがもつ、さまざまなしくみやはたらきについて、写真やイラス トとともにわかりやすく解説しています。 『人体(ポプラディア大図鑑 WONDA) 』 監修/坂井建雄 出版/ポプ ラ社 2014年 請求記号 491 1 からだはなにでできているの? こう にくがん からだの一部、たとえば手の甲をよく見てみてください。からだは、じっくり見ても肉眼で さいぼう は見ることのできない小さなつぶがあつまってできています。この小さなつぶを「細胞」とい けんびきょう います。細胞は顕微鏡でしか見ることのできないほど小さい、からだをつくる部品で、赤ちゃ ちょうこ んはおよそ3兆個、おとなではおよそ60兆個があつまってからだをつくっているそうです。 しゅるい 細胞は200∼300種類もあって、それぞれがちがうはたらきをしています。ひとつぶひ こきゅう えいよう とつぶが生きていて、呼吸をし、栄養をとり、いらないものを出します。種類によってサイク ばあい のうさいぼう い が い ルはちがいますが、おとなの場合はおよそ7年で脳細胞以外のほとんどの 細胞が入れかわるといわれています。 ふ し ぎ 自分のからだでそんなことがおこっているなんて、不思議ですね。 血管って青いの? 右利きと左利きはどうやって決まるの? など、Q&A 方 式でからだのふしぎを解説しています。 『からだの不思議がわかる!』 監修/山田真 出版/実業之日本社 2010 年 請求記号 491 からだの中をのぞいてみよう! しんぞう さんそ けつえき けっかん さいぼう 心臓から送りだされた酸素がいっぱいの血液は、あざやかな赤色をしています。血管は、細胞 えいよう こうそく ど う ろ けっかんもう にとって大切な酸素と栄養をからだのすみずみまで運ぶ高速道路です。一人分の血管網の長さ きょり はおよそ10万kmで、地球を2周半回る距離になるそうです。信じられない長さです! しょくどう い ちょう いどう べん 私たちが食べた物は、口→ 食 道 →胃→ 腸 と移動して、便として出るまでにおよそ9m移動 するそうです。 自分のからだの中のしくみですが、なかなか見えないのでわかりにくいですね。 がぞう せん け ん さ ちょうおんぱ そんな時、画像でからだの中を見る方法があります。エックス線検査、MRI検査、超音波検 査など、いろいろな方法で生きているからだのようすを見ることができます。 からだのすみずみまで通っている血管や、食道から腸へ旅する食べ物のよう かんしゃ すを見ると、休まずはたらくからだに感謝したくなります。 からだの様々な部分の画像から、それぞれのようすやはたらきがわかります。 『からだの不思議(子供の科学サイエンスブック)』 著者/石垣武男 出版/誠文堂新光社 2009 年 請求記号 491 2 ほね 骨はいくつあるの? 私たちのからだを支えてくれる骨。いくつくらいあると思いますか? ひとつずつばらばらにすると、200以上もあるそうです。 こっかく ささ さまざまな形の骨が組み合わさって骨格をつくり、からだを支えています。 せいちょう なんこつ 骨も 成 長 します。軟骨からかたい骨に変わっていきます。手は、赤ちゃんのころは手のひら ふきん 付近にしか骨がなく、大きくなるとともに軟骨が骨におきかわって、20歳ころにすべての骨が かんせい 完成するそうです。 骨格だけでからだを動かすことはできず、骨と骨とを結びつけている こっかくきん きんにく うんどう 骨格筋という筋肉があってはじめて運動ができるようになるのです。 きょうりょく みなさんのからだの運動は、骨格と筋肉が 協 力 しあって行われています。 ヒトのからだを動かす、骨と筋肉の名前とはたらきを紹介しながら、からだの動 きを解説しています。 『骨と筋肉大図鑑1 人体』 監修/阿部和厚・真鍋真 出版/学研教育出版 2012年 請求記号 481 おやゆび 親指はすごい! 指ずもうをしたことがありますか? むかいあった相手と親指以外の指をにぎりあい、親指をぴんと立てて、相手の親指を自分の 親指で10かぞえる間おさえつけることができたら勝ち、という遊びです。 かいてん 親指は左右に移動したり、ぐるぐる付け根を回転させたり、力強くおさえたり、いろいろな 動きができます。 実は、このような親指を持っているのはヒトだけなのだそうです。よく動く親指が、こまか のう しげき はったつ しんか い道具を作り、脳を刺激して発達させることで、ヒトはここまで進化してきました。 やくわり 足の親指も、ヒトが2本の足でしっかり歩くために大事な役割をはたし ています。 ふだん 普段なにげなく使っている親指に、実はすごいパワーがあったのですね。 ヒトはすごい親指をどうやって手に入れることができたのか。その進化の秘密 を探ります。 『ヒトの親指はエライ!』 著者/山本省三 出版/講談社 2011年 請求記号 491 3 どうしてまばたきするの? 私たちは起きている時、まばたきをしています。自然に何回もしていますが、どうしてか、 知っていますか? まばたきをするたびになみだが出て、そのなみだが目を守ってくれているのです。まぶたや どうぶつ まつ毛、まゆ毛も私たちの目を守ってくれていますが、まゆ毛がある動物は、人間以外にはほ とんどいないのだそうです。 き め “利き目”という言葉を知っていますか?利き手・利き足があるように、目にも右利き・左 利きがあります。遠くはなれたところにあるものを一つ決めて指さして、そのまま目を片方ず い ち つ閉じます。このとき、ものの位置が大きくずれないで見えるほうが利き目です。 目は、からだの中では小さな部分ですが、とても大きな役割をはたしています。 生活に必要な情報の80%を得ている目。そのしくみやはたらきをイラストや図 を使って説明しています。 『目のしくみ大研究』 監修/根木昭 出版/PHP研究所 2014 年 請求記号 491 か が く じ っ け ん きょうしつ か い さ い 科学実験教室を開催しました! 昨年11月29日に、小学生を対象とした科学実験教室を開催 さんせい すいようえき しました。テーマは「化学ペン」 。酸性・アルカリ性など水溶液の せいしつ ないよう 性質を学ぶ内容です。 あさがお ききゅう むしょく だいだい しゅるい し じ やく 朝顔やチューリップ、気球などの絵に、無色・赤・ 橙 ・黄色の4種類の“指示薬”を めんぼう こうし ひみつ えき 綿棒でぬっていきます。できたら講師に“秘密の液”をスプレーしてもらうと… むらさき かんせい 黄色や橙だった朝顔が青や緑や 紫 に大変身!子どもたちの歓声があがりました。 しょうたい たんさん 秘密の液の 正 体 はアルカリ性の炭酸ソーダ。酸性やアルカリ性で色が変わる水溶液 を利用してぬりえを楽しみました。 川崎図書館では、今後も科学実験教室を開催する予定です。次の教室もお楽しみに! 〒210-0011 川崎市川崎区富士見 2-1-4 TEL 044-233-4537 FAX 044-210-1146 図書館のHP:http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/ 4
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