室内空気汚染物質の測定・評価 学校環境衛生の基準 及び 厚生労働省生活衛生局長通知 に準拠した 室内空気汚染物質濃度の測定・評価を実施しています 気密性の高い住宅の普及に伴い,「新築・改築後の室内に入ると,目やのどが痛い,頭痛がする,喘 息発作がでる,アトピ−性皮膚炎が悪化する」といった様々な症状が出ることがあり,シックハウ ス症候群と呼ばれております。この原因となる物質(室内空気汚染物質)としては,建材,内装材 (接着剤,塗料など)などから放散されるアルデヒド類,揮発性有機化合物があげられます。その 他,家具,防虫剤,芳香剤,暖房器具,タバコの煙などにも室内空気汚染物質が含まれています。 株式会社 環境技術研究所は,「学校環境衛生の基準」及び「厚生労働省生活衛生局長通知」に準 拠して,室内空気汚染物質濃度の測定・評価及び対策のための発生源推定調査までを一貫して行 っています。 対象化学物質・室内濃度の指針値等 ○厚生労働省では,「シックハウス(室内空気汚染)問題に関 する検討会」において,室内空気汚染物質として 13 物質を 指定し,指針値を定めています。また, 総量抑制の観点から 1 項目(総揮発性有機化合物量:TVOC)の暫定目標値を提案 しています。[表 1 参照] ○文部科学省では,「学校環境衛生の基準」を改訂し,定期検査, 臨時検査(新築・改築・改修時)を行う場合,ホルムアルデヒド など 6 物質の室内濃度を測定することとしています。 ○国土交通省では,「住宅の品質確保の促進等に関する法律」 において,ホルムアルデヒドなど 5 物質の室内濃度を定めて います(性能表示を行う場合)。 表1 室内空気汚染物質の指針値 室内空気汚染物質 指針値 ホルムアルデヒド 100μg/m3 80ppb トルエン 260μg/m3 70ppb キシレン 870μg/m3 200ppb パラジクロロベンゼン 240μg/m3 40ppb エチルベンゼン 3800μg/m3 880ppb スチレン 220μg/m3 50ppb ※ クロルピリホス 1μg/m3 0.07ppb フタル酸ジ-n-ブチル 220μg/m3 20ppb テトラデカン 330μg/m3 40ppb フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/m3 7.6ppb ダイアジノン 0.29μg/m3 0.02ppb アセトアルデヒド 48μg/m3 30ppb フェノブカルブ 33μg/m3 3.8ppb 総揮発性有機化合物(TVOC) 暫定目標値 400μg/m3 ※:クロルピリホスの指針値は,小児対象の場合,上記 の 1/10 となります。 ○さらに,建築基準法の改正(平成 15 年 7 月)により,①ホルムアルデヒドを発散する建材の使用制限,② 換気設備の設置,③クロルピリホスの全面使用禁止が義務付けられました。 室内空気汚染物質濃度の測定方法 標準的測定手法として,厚生労働省が定めた「室内空気汚染に係るガイドライン」があります。この ガイドラインに基づく測定方法についてご説明します。 ①測定前の室内環境設定:測定対象の部屋の扉,窓などを開けて 30 分間換気した後,5 時間以上 密閉します。 ②汚染物質のサンプリング(捕集):アクティブ法又はパッシブ法により汚染物質を捕集します。 ・アクティブ法:吸引ポンプを用いて室内空気を強制的に捕集管に通気して汚染物質を捕集する方 法です。捕集する時間帯は,一般的に気温が高くなる午後 2 時∼3 時頃とします。捕集する位置は 部屋の中央部 1 箇所で,床面より 1.2∼1.5m の高さとします。 [写真 1 参照] ・パッシブ法:簡易方法とも呼ばれ,小型捕集剤を室内に 8∼24 時間暴露して汚染物質を捕集する方 法です。この方法は現地での捕集作業が容易なため,集合住宅など多地点で同時測定を行う場合に 用いられます。 株式会社 [写真 2 参照] 環境技術研究所 〒123-0872 東京都足立区江北二丁目 11 番 17 号 Tel.03-3898-6643 Copyright (C) Environmental Technical Laboratory LTD., All Rights Reserved. 捕集したサンプルは, 汚染しないように密封して試験室へ持ち帰ります。 ③濃度分析:試験室において専用の高性能分析装置(高速液体クロマトグラフ装置,ガスクロマトグ ラフ・質量分析装置)を用いて濃度分析を行います。 [写真 3 参照] ④報告:測定結果報告書をとりまとめ,納品します。 写真1 アクティブ法で用いる捕集装置 高速液体クロマトグラフ装 写真2 パッシブ法で用いる捕集剤 ガスクロマトグラフ・質量分析装置 写真3 高性能分析装置 調査・解析事例 これまで, 数多くの調査・分析を行っています。 対象 準拠法令 測定方法 ○公立小中学校の定期検査 学校環境, ガイド アクティブ法,パッシブ法 ○小学校の耐震工事に伴う臨時検査 学校環境, ガイド アクティブ法 ○保育園の新築に伴う 6 物質の濃度測定 基準法, ガイド アクティブ法 ○病院の増築・改修工事に伴う 13 物質の濃度測定 ガイド アクティブ法 ○病院におけるホルムアルデヒドの発生源追跡調査 ガイド アクティブ法 ○集合住宅の新築時又は居住後における測定 ガイド アクティブ法,パッシブ法 ○戸建住宅の新築時又は居住後における測定 ガイド アクティブ法,パッシブ法 準拠法令欄の正式名 株式会社 学校環境 :「学校環境衛生の基準」 基準法 :「建築基準法」 ガイド :「室内空気汚染に係るガイドライン」 環境技術研究所 〒123-0872 東京都足立区江北二丁目 11 番 17 号 Tel.03-3898-6643 Copyright (C) Environmental Technical Laboratory LTD., All Rights Reserved.
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