目 次 はじめに 基本編 基1 基2 基3 基4 基5 基6 基7 基8 基9 基 10 基 11 基 12 給水設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−1 プール給水設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−3 消火栓設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−4 電気設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−5 下水道設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−6 空調設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−7 火災報知設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−7 防排煙設備について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−8 小荷物専用昇降機の管理について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−8 プール管理について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−8 循環装置の運転について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−9 校庭排水について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−10 事例編 施設 施1 施2 施3 施4 施5 施6 電気 電1 電2 電3 電4 水道 水1 水2 水3 水4 水5 水6 水7 水8 水9 施設管理は何から始めたらいいですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−11 ガスメーターの読み方は?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−12 ガス漏れです。どうしたらいいですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−13 建物管理の基礎知識について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−14 樹木管理の基礎知識について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−18 トラブル事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−18 電力メーターの読み方は?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−19 停電です。どうしたらいいですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−20 漏電です。どうしたらいいですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−21 漏電ブレーカーが切れたら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−22 水量メーターの読み方は?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−23 給水設備の基礎知識について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−24 排水設備の基礎知識について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−26 漏水を調べる方法は?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−27 水道の修理方法は?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−28 フラッシュバルブが止まらない!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−29 便器・排水管のつまり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−30 水道栓等の凍結防止について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−31 プールの水循環系統について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2−32 はじめに 学校には、フェンスや塀に囲まれた広い敷地内に、校舎や体育館・プールなどの施設及びそれらに付随 する電気・ガス・水道等の設備があります。これらは竣工した時から老朽化が始まるため、施設・設備が 持つべき本来の機能を「維持」しなくてはいけません。そのため、これらの施設・設備を管理する必要が 生じ、区市町村教育委員会により業者と施設・設備管理委託業務契約が締結されています。これにより施 設管理の目的であるライフサイクルコストの低減が図られていますが、学校における施設管理はこれだけ では十分ではありません。 「児童・生徒の安全確保」及び「円滑な教育活動の確保」が必要だからです。児 童・生徒の安全を確保するためには、 「壁や天井など落下しそうなところはないか」など日常的な点検が必 要になります。また、円滑な教育活動を確保するためには、 「コンセントに電気がきていない」などの緊急 時に対応する必要があります。 このように施設管理は学校運営上必要不可欠な業務でありながら、 「技術専門職員が配置されていない」 、 「 (管理責任者及び教職員に)専門知識がない」などの問題があり、敬遠されがちの業務でもあります。こ のような中で、効果的な施設管理を展開するためには、どうしたらよいでしょうか。何よりも大事なこと は「私たち個々が施設管理の知識を習得すること」です。しかし、空調燃料一つをとっても区市町村、中 には同じ区市町村内でも学校によって違うことがあり、そのうえ様々な事例があり、個人で知識を習得す るにはおのずと限界があります。給与や福利厚生等の業務は、マニュアルが作成されており、それにより 迅速で適切な処理ができます。同じように施設管理においても、迅速で適切な処理のためのマニュアルが 必要なのではないでしょうか。 私たち武蔵村山市小中学校事務職員会では、平成9年度から、本市教育委員会が作成した「基礎的な施 設・設備の管理方法マニュアル」を基に、施設管理において日々起こり得るであろう疑問や事故を想定し た「事例編」を作成しています。平易な文章を心がけ、できる限り図解を掲載し、緊急時に対処できるよ うにしています。今回この事例編を元に、小学校9校、中学校5校のメンバーで「施設全般及びガス・電 気・水道」の3班に分かれ、内容の再確認と発表のための事例の選択作業を進めてきました。 「学校におけ る施設管理」ですが、中には家庭でも応用できるものもあります。当日は本市特有の設備も合わせて紹介 する予定です。この研究が、日々の施設管理の一助になることを期待します。 基1 給水設備について 学校への給水は、公道に敷設された東京都水道局の本管より分岐し、校地内へ引き込まれています。 引き込み場所は、学校によって異なりますが、1箇所の学校と2箇所の学校があります。1箇所の 学校は、校舎用とプール用が同一経路で配管されています。2箇所の学校は、校舎用とプール用が異 なった配管で配管されています。 校地内に引き込まれ、バルブ(止水栓) 、次にメーター(量水器)が設置されています。 図1 1箇所の学校 本管 道 路 バルブ 隔測メーター(50mm 以上) メーター(量水器) 校舎及びプールへ 図2 2箇所の学校 道 路 隔測メーター(50mm 以上) 校舎へ 隔測メーター(50mm 以上) プールへ 2- 1 給水方式は、一般家庭では、都水道本管より直接給水される直結給水方式です。殆どの学校は、高 架水槽による給水方式です。受水槽に水を溜め、揚水ポンプで高架水槽に揚水し、各階に給水する方 式です。 高架水槽 図3 揚水管 配水管 受水槽 揚水ポンプ 給水管 ※ 児童・生徒1人が使用する1日当たりの平均水量は、40∼50リットルです。 ※ 夏休み期間中は、校舎棟の使用水量は極めて少なくなります。したがって、高架水槽の水の回転 が少なくなり、残留塩素が薄くなります。手洗い及び洗い物等には良いが、飲み水としては不適と 思われます。クラブ活動等飲み水を必要とする場合は、水筒等を持参したほうが良いでしょう。 漏水について 漏水は、主に地中埋設部分の揚水管及び給水管の漏水です。校舎内の大便器及び小便器・手洗い等 の漏水も多々あります。 漏水の発見の仕方 まず、1日の平均使用水量を把握することが大切です。清掃等で特別に水を使用していないにもか かわらず平均使用水量をオーバーしたら、漏水が考えられます。 まず始めに、受水槽及び高架水槽のオーバーフロー管から水が出ていないか確認します。水が出て いたら、受水槽及び高架水槽のフロート(浮子)が正常に動作していませんので、交換又は修理をし ましょう。 オーバーフロー管から水が出ていない場合、高架水槽の蓋を開け、高架水槽の水位を測定します。 次に各階の器具の水漏れがないか確認します。異常がなかったら、全階の給水管バルブを閉めます。 (全階のバルブを閉めても高架水槽の水位が下がる場合、消火栓系統の漏水です。 )1階ごとにバルブ を開けて高架水槽の水位を測定します。水位が下がった場所が、漏水のある系統です。授業等に支障 がない場合はバルブを閉めておき、修理を依頼します。 漏水個所が発見できなかったときは、早めに区市町村教育委員会へ連絡しましょう。 2- 2 基2 プール給水設備について プール給水は、直結給水であり、冬期は元バルブを閉め、水抜きバルブを開けて凍結防止対策を行 います。水抜きバルブの設置されていない学校では、一番低い場所の器具で水抜きをし、凍結防止対 策を行います。水抜きが終わったら、水抜きバルブまたは一番低い場所の器具を閉めます。 翌年度プール清掃時には、水抜きバルブ及び一番低い場所の器具が閉まっているのを確認してから 元バルブを開けてください。流し水のないよう注意してください。 図4 プ ー プ 本体バルブ 洗 ル サ ー 体 イ ド ル 槽 水抜きバルブ 洗体槽バルブ 元バルブ 2- 3 基3 消火栓設備について 校地内の給水本管より消火栓用受水槽へ受水し、消火栓ポンプにより送水し、放水する設備です。 消火栓設備は、受水槽(通常は機械室内地下に設置) 、消火栓ポンプ(通常は機械室内に設置) 、消 火栓ポンプ操作盤(通常は機械室内に設置) 、呼水槽(通常は消火栓ポンプと一体で設置) 、補給水源 水槽(屋上高架水槽の脇に設置) 、消火栓(各階廊下に設置) 、テスト弁(通常は屋上に設置)の設備 から成り立っています。 消火栓ポンプが作動したとき、自動的にポンプは停止しません。機械室内の消火栓ポンプ操作盤の 停止ボタンを押してください。消火栓ポンプは停止します。 高架水槽 図5 補給水源水槽 テスト弁 消火栓 消火栓ポンプ・呼水層 消火栓用受水槽 消火栓ポンプが作動したとき、地下埋設管に圧がかかり、老朽化している消火栓管は、漏水の恐れ があります。水道メーターを確認してください。 2- 4 基4 電気設備について 電柱(東京電力電柱)より1号柱(校地内)をとおり、受電設備(キュービクル)で受電し、これ を建物内の諸施設に配電する設備です。 キュービクル内には、動力盤と電灯盤があり、動力盤からは給水ポンプ・消火栓ポンプ・プールろ 過装置・暖房機等に配電されています。 電灯盤からは、各教室・屋内運動場等の電灯及びコンセントに配電されています。 電気を定格以上に使用した場合、または、異常があった場合は各階にある分電盤のブレーカーが切 れます。異常を解除してからブレーカーを正常の位置に戻すと通電されます。 キュービクル内に電力メーターがあります。毎月1日に指針し、数値を確認してください。 図6 分電盤(電灯) キュービクル 1号柱 分電盤(動力) 2- 5 東電柱 基5 下水道設備について 下水道の放流方式には、合流方式と分流方式があります。合流方式では、汚水と雨水を同一に流す ことができます。分流方式では、汚水と、雨水を同一に流すことができません。 武蔵村山市では分流方式を採用しています。したがって、汚水と雨水を同一に流すことができませ ん。原則として上水道で使用した水は下水道に放流されます。 構造は、水飲み場・手洗い場及び便所の配管から、屋外の枡を流水し公設枡を経て道路に埋設して ある汚水管渠に排水されます。 枡にはインバート枡と溜め枡があります。 インバート枡とは、 水の流れる溝が築かれている枡です。 溜め枡とは、土及び砂等が配管の中に流れ込まないよう泥溜めが築かれている枡です。 溜め枡は、昇降口・玄関・足洗い場等に設置されています。定期的に、清掃が必要です。 図7 道 汚水管渠 路 公設枡 インバート枡 校 プール 舎 溜め枡 2- 6 基6 空調設備について 武蔵村山市小・中学校の空調設備は中央方式であり、この方式は熱源設備・空気調和器設備等を一 つの機械室に配置し、処理された空気(熱風)をダクトにより各教室に導き、空気調和を行う方式で す。 暖房機の燃料は、A重油でありオイルタンクに給油しサービスタンクを経由して暖房機に送り燃焼 させます。 (現在は灯油燃料へ移行しています。 ) オイルタンクへの給油は、油の残量が10時間分になる前に行ってください。そうするとスラッチ (沈殿物)を吸い上げません。油がなくなったのを知らずに運転すると、エアーを吸い込んでしまい、 エアー抜きを行わないと点火しません。 暖房機の運転の仕方 ◎機械室内のスイッチを暖房に入れる。 ※スイッチを入れても暖房機が動かないときは、配電盤のスイッチが断になっているか、感震器が 作動しているか又は加熱保護装置が作動しているときです。 (いずれも正常に戻して、運転して ください。 )加熱保護装置は、機械本体に設置してあり、作動した場合は、異常ランプが赤色点 灯します。 ※燃料がないときは運転しないよう注意してください。 暖房設備稼働月報に流量計の数値を記入してください。 (稼動前の数値、稼動後の数値、稼働時間を 記入してください) ※業者による委託点検が、年3回行われます。 始業点検・・・夏用の運転から冬用の運転に切り替えます。 中間点検・・・正常に運転されているかを点検します。 終了点検・・・冬用の運転から夏用の運転に切り替えます。 できるだけ業者の委託点検に立ち会ってください。 (機械の構造及び運転の方法・異常個所の復旧方 法がよくわかります。 ) 基7 火災報知設備について 普通教室・特別教室等の感知器から警報盤に火災の場所を知らせます。 火災の場所にランプがつきます。その場所を確認し火災の場合は、学校の消防体制に基づいて行動 します。誤報の場合は、その場所の感知器が誤作動しているので、火災復旧レバーを復旧にすると、 正常な状態に戻り火災場所のランプが消えます。消えない場合は、感知器が作動したままの状態です ので、委託業者に連絡を取るか、感知器を取り外して清掃を行ってください。 自火報操作部には、消火栓作動・スイッチ注意・断線のランプがあります。正常時は、ランプが消 えています。ランプがついているときは異常等の場合です。 消火栓作動のランプがついている場合は、消火栓ポンプが作動しているのでポンプ室内の操作盤の 押しボタンスイッチをOFFにしてください。消火栓ポンプが停止します。 スイッチ注意のランプがついている場合は、レバーが定位にない場合ですので定位に戻してくださ い。 断線ランプがついた場合は、委託業者に連絡してください。 2- 7 基8 防排煙設備について この設備は、防火戸及びダンパーが火災のとき感知器と共に作動します。作動した場合は、その場 所にランプがつきます。その場所に行って確認してください。火災の場合は、学校の消防体制に基づ き行動してください。 誤作動等の場合は火災復旧レバーを復旧にするとその場所のランプが消えます。 消えると防火戸及びダンパーが元に戻ります。ランプが消えない場合は感知器が作動したままの状態 ですので、委託業者に連絡を取るか、感知器を取り外して清掃を行ってください。 夏休みに病害虫駆除消毒がありますが、その時は、移報連動スイッチを「停止」にしてから作業を 行ってください。作業が終わったら火災復旧レバーを復旧にし、ランプが消えたら移報連動スイッチ を定位に戻してください。ランプが消えない状態で移報連動スイッチを定位に戻すと防火戸及びダン パーが作動します。必ずランプが消えてから定位に戻してください。 基9 小荷物専用昇降機の管理について 定期的な点検は、業者が行っていますが、学校で行う項目は管理組織と運営です。ダムウェーター の管理責任者を明確にしておくことです。関係書類の整備・整理及び給食配膳室の鍵の管理・ダムウ ェーター運転キーの保管・管理を明確にしておくことです。児童・生徒に対する安全広報指導も大切 なことです。故障した場合、教育委員会及び給食センターに連絡すると共に点検委託業者にも連絡し てください。 基 10 プールの管理について 1 プール開始前の点検 (1) プールろ過循環装置の点検のとき、循環パイプの破損はないかを確認します。循環パイプは2 本あります。吹き出しパイプと戻りパイプです。設置してある場所は、機械室からプール本体吹 き出し口・戻り口までです。点検場所は、プールサイド下空間です。内部は暗いため、懐中電灯 等を用意してパイプの継手等を点検します。破損個所が見つかった場合、新しい水を入れる前に 修理を行ってください。 (2) 凍結防止対策のために水抜きを行っている個所の器具及びバルブが閉まっていることを確認し てから元バルブを開栓してください。 (3) プールメーターの設置してある学校は、プール開始前に給水申込手続きが必要です。 (4) 排水口及び循環水取入れ口の金具及び吸込口の金具が正常に止まっているか点検してくださ い。 2 プール閉鎖後の点検 (1) 元バルブを閉めて、凍結防止対策のため器具及びバルブの水抜きを行ってください。 ※ 元バルブを閉めないで水抜きを行うと流水してしまうので気をつけてください。 (2) プールサイド等で使用した備品は、清掃し付属室へ保管してください。 (3) プールメーターの設置してある学校は、給水休止届が必要です。 (4) 閉鎖後の事故防止のため施錠を完全に行ってください。 (5) プールサイド側面の通風口に蓋をしてください。 2- 8 基 11 循環装置の運転について 運転準備 ヘヤ−キャッチャーを開き、内部のバスケットを掃除し、プール水面より機械が低い場合は、原水 バルブを閉めて水が溢れないようにする。 運転開始 ① ヘヤ−キャッチャーを満水にして蓋を閉め、バルブを開けます。 ② スラリータンク層に水を2/3程度入れ、ろ過助剤を機械に合わせて投入します。 ③ 5方コックを「洗浄」にします。 ④ ろ過ポンプを始動させます。 ⑤ スラリーコックを開き、ろ過助剤の混合水を吸い込ませます。この時、空気を吸わないように 給水コックを開いて水を補給してください。エレメントのヘッダー上部にある空気抜き用Pコッ クを開き、水が出始めるまで空気を抜き去ります。 ⑥ 約1分間で、排出される洗浄水が清澄になるので、スラリーコック・給水コックを閉じ、5法 コックを矢印方向(時計と反対方向)に90度回転し矢印位置を「ろ過」にします。 ⑦ 滅菌機を使用している場合は、スイッチを入れ滅菌用薬液を注入します。 ⑧ 一方の圧力計が1.8Kg/cm2 になるまでろ過を続けます。 2- 9 基 12 校庭排水について 校地内に降った雨は、校庭周囲にある側溝を流れて、溜め枡から吸込み槽に入ります。大雨のとき は、校庭の砂も一緒に側溝に流れ込んでしまい、吸込み槽に土が入ると吸込み能力が低下し、排水機 能を果たさなくなります。それにより校庭に水溜りができてしまいます。定期的に、側溝清掃・溜め 枡の土上げを行う必要があります。また、校庭が荒れた状態のときは、トンボ掛けをし、整斉するこ とも必要です。 屋 内 運 動 場 プ 校 ー ル 舎 吸込み管 吸込み層 導水管 2-10 溜め枡 施1 施設管理は何から始めたらいいですか? 1.設置場所を確認する。 ◇給水設備 校舎及びプール用給水管の止水栓(バルブ) ・量水器(メーター) 高架水槽・受水槽・揚水ポンプ(ポンプ室) ・警報盤 ◇排水設備 プール用排水栓(水抜きバルブ) 校庭の溜め桝・吸込み槽 ◇電気設備 キュービクル(変電設備) ・電力メーター・分電盤 ◇ガス設備 ガスメーター・ガス栓・ガス漏れ警報器 ◇消防関係設備 屋内消火栓・消火栓ポンプ・煙感知器・防排煙設備 警報盤・連動操作盤・非常放送設備・ ◇空調設備 機械室(暖房機) ◇昇降設備 小荷物専用昇降機(給食配膳用) ◇漏電監視設備 絶縁監視装置 2.腰の軽い対応を ①落ちる →ベランダ・庇・屋上・階段・部屋の転落防止柵・部屋,廊下の壁,天井に取りつけた 物等 ②ぶつかる→廊下・踊り場・昇降口・扉・門・落下物等 ③滑る →床・階段・手,足洗い場・校庭・プールサイド等 ④挟まれる→扉・窓・小荷物専用昇降機・防火戸,防火シャッター等 ⑤すりむく→壁・廊下・校庭・門・コンクリート部分等 ⑥つまずく→段差・スロープ・引戸のレール・敷居・床コンセント等 ⑦切る →ガラス・流し台・窓サッシの端・紙類・機械類等 3.業者に密着 点検時,修繕時に業者に立ち会って一緒に見てまわることは、施設の構造等を理解でき、使用時 の問題点や日常の点検ポイント等を学ぶよい機会です。 日常点検 点検 自主点検 定期点検 性能検査 法定点検 定期自主検査 2-11 施2 ガスメーターの読み方は? ガスメーターの数値をそのまま記録する。 m 3 9 0 1 □ □ 1 5 3 6 □ 1000 100 10 1 都市ガス(石油系原料から製造) ① 水素・窒素・メタンが主成分。比重0.6→上部に換気設備必要。 ② 一酸化炭素含む→中毒の危険あり ③ 発熱量は5,000Kcal/m3くらい ガスの種類 天然ガス ① 一酸化炭素を含まない ② 比重0.7→上部に換気設備必要 ③ 発熱量は11,000Kcal/m3くらい LPガス(液化石油ガス→プロパンガス) ① 無色・無臭→市販品は、においを添加 ② 一酸化炭素を含まない→中毒の危険なし ↓ 但し、窒素や不完全燃焼による中毒の危険あり ③ 比重1.6→下部に滞留しやすい性質がある。 ④ 発熱量は26,000Kcal/m3くらい ◎都市ガスの種類 6A 6―カロリーの高さ→数字が大きいほど発熱量も大きい A―燃焼速度→AよりCの方が燃焼速度は速く、管内に火が入る恐れがあるため、それだけ速 くガスを送る必要があります。 ◎ガス漏れ警報器 ガス漏れをランプと警報音で知らせる装置で都市ガス用とLPガス用があります。 警報器は検知部と警報部からなります。 ※注意:誤作動を起こす可能性のあるもの ・殺虫剤等のスプレー ・シンナー,ペンキ等 ・味醂,醤油等の蒸気 ・タバコの煙 2-12 施3 ガス漏れです。どうしたらいいですか? ガス漏れ警報器が作動。もしくは異臭を感じたら・・・ 器具の火を止め、元栓を閉める。 窓やドアを大きく開け、換気。 原因を調べる。 (ガス漏れか誤作動か) 注意 警報器のブザーは自動的に止まるので、電源プラグは抜かない。 不明なときはガス会社に連絡。 用語 マイコンメーター→地震等の事故があった場合に、自動的にガスを遮断するガスメーター。 計量法に基づき7年または10年で交換。 遮断事由 ●地震 ●ガスの消し忘れ ●多量のガス漏れ ●器具の長時間使用 原因不明→ガス会社に連絡 ガスの遮断 原因確認→異常なし→復旧 マイコンメーターの復旧方法 器具のガス栓・元栓 → 閉める ガスメーターのガス栓 → 閉めない キャップを左に回転 → はずす 復帰ボタン → 止まるまで押す 表示ランプ(赤)点滅 → 手を離す 3分間待つ → 点滅消灯 → 復旧完了 *3分間以上点滅が続く場合は、器具のガス栓・元栓の閉め忘れがないか確認。 *正常に復帰しないときは、ガス会社へ。 ガス設備の点検→ガス使用量を前年度と比較して異常に増加した場合は、ガス会社に点検を依頼。 特にプロパンガスを使用している場合、空気より比重が重い(1.7 倍)ため、地中 埋設管の老朽化により地中や床下に漏れた場合、滞留して危険です。毎月のチェッ クを大切にしましょう。 2-13 施4 建物管理の基礎知識について [1]建物の管理 (1)普通校舎の管理 壁,屋上,床,窓ガラス,各部屋等 ①外壁構造に使用される材料 ・セメント モルタルやコンクリートの材料 ・モルタル セメントと砂を1:3の割合で水練りしたもの ・コンクリート セメントに砂と砂利(砕石)を1:3:6の割合で水練りしたもの ②鉄筋コンクリートについて ○分類 ・鉄骨鉄筋コンクリート(英語略 SRC) ・鉄筋コンクリート (〃 RC) ・鉄骨造 (〃 S) ○特性 ・長所 耐火性,耐久性,耐震性に優れている。 一体構造で自由なデザイン構成ができる。 ・短所 構造体の自重が大きい。 移築,解体が容易ではない。 現場施工のため工期が長くなる。 ③屋上防水の施工方法 種類 形状 特徴 用途 アスファルト アスファルトルーフィング 一般的な方法 屋上防水 層の張り合わせ 高分子ルーフィング シート状 重量が軽い 屋上 施工が容易 塗膜防水 樹脂被膜 施工性がよい 屋上・床 モルタル防水 モルタルに防水剤 施工性がよい ベランダ・地下室 ④天井の仕上方法 ・合板張り→生地仕上,化粧塗り仕上,ペイント吹付仕上,紙または布張仕上等 ・インシュレーションボード張り→直接張仕上,石膏ボード+吸音テックス張仕上 ・石膏ボード ・アルミニウム板張→アルマイト加工した板を取付け。不燃性 2-14 建物管理の基礎知識について(続き) ⑤床の仕上方法 ○板張 ・縁甲板張 側面をさねはぎ(凹と凸)加工した甲板を隠し釘で打ち張り。 檜,松,桜,楢材等を使用。 ・寄木張 下地板張の上に桜,楢,チーク材等を接着剤や隠し釘等で張付け。 ・フローリングブロック張 25∼30cm角単板をモルタル等で張付け。 ・複合フローリング張 基材に、化粧板,塩化ビニール含浸紙,塗装等を施し接着剤張付 け。 ○タイル張 ビニール系,アスファルト系,ゴム系,ピュアビニール系,陶磁器系等。 接着剤で張付け。 ○シート張 塩化ビニール系,リノリュウム系,ゴム系等。 タイルに比べ長尺,幅広で継ぎ目が無いためはがれにくい ○その他 石,レンガ,木レンガ等 ⑥日常点検の上で注意する項目 ○壁面 ・モルタル壁 亀裂(クラック)や剥がれがないか?雨水の浸入,シミはないか? ・スレート 破損しているところはないか? ・鉄板 錆や腐食がないか?取付金具の状態はどうか? ・塗装部分を小槌で軽く叩いたときペンキが剥がれないか? ・エキスパンションジョイント部,窓枠等から雨水が浸入していないか? ○雨樋 ・途中ではずれている箇所はないか? ・鉄管部分が錆で腐食していないか? ・支持金具が錆びていないか?壊れていないか?無くなっていないか? ・つまっていないか?雨水が流れていないところはないか? ○屋上 ※パラペットや庇の剥離,落下に注意! ・ルーフドレインの清掃 屋上の雨水を集める雨水立て管にゴミ等が入り込まないよう に設置された円筒形の目皿。ゴミが溜まると雨水が流れなく なり、雨漏り等の原因となります。 ・雑草の清掃 コンクリートの伸縮目地,排水溝,ルーフドレイン等に雑草が生え、放 置しておくと根が防水層を突き抜け、雨漏りの原因になります。 ・パラペット,庇 モルタルの亀裂や剥離がないか? ・手すり 錆びや腐食はないか?強度は大丈夫か? 2-15 建物管理の基礎知識について(続き) (2)体育館の管理 ①アリーナ ○風通しを良くする→床は木製フローリング材を使用しているため、湿気により材質が伸縮 しないように注意。 ○壁面の安全確保→衝突防止に防護マット等を設置しましょう。 ○床のたわみ,きしみ→床板を支えている「床つか」や「根太」が腐食するとたわみや軋み が生じます。ゆっくりと足踏みしながら床を点検してみましょう。 ○床の保護→樹脂ワックス(滑らない堅牢で光沢のある被膜)を使用しましょう。 ②屋根 ○縦樋,横樋の定期的な清掃 ③設備 ○照明器具(水銀灯の球切れ等)や幕(吊り具のたわみ等) ,放送設備等常時使用できる状 態にあるか点検しておきましょう。 (3)門や塀等の管理 ①ボルト類のゆるみはないか? ②支柱の基礎状態(強度・腐食)はどうか? ③塗装のはがれによる錆び,腐食はないか? ④ネットの破損はないか ⑤塀→亀裂やはがれはないか? [2]建物の管理(その他) ①塗装 ・色彩,光沢や保護(防食,防水,防汚,防錆,耐熱等)を目的とする。 木部 鉄部 モルタル 耐候 耐アルカリ 耐酸 耐油 耐水 油性 ◎ ◎ × ◎ × △ △ ◎ 水性 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎=最適 ○=適 △=やや適 ×=不適 2-16 建物管理の基礎知識について(続き) ②板ガラスの種類 ・普通板ガラス 最も多く使用されている板ガラス。透明板,すり板(くもり)がある。 一般窓ガラスに使用 ・磨き板ガラス 板ガラスの歪みをなくすために表面を研磨したガラス板。透明,半透明,不透 明がある。ショーウィンドウなどに使用 ・形板ガラス 板ガラスの表面に凹凸の模様をつけ、目隠しと装飾性を持たせた板ガラス。 模様は、ダイヤ,格子,しま,モール等。ついたて等に使用。 ・網入り板ガラス ガラス板に金網を入れた板ガラス。割れても飛び散らない。 防火用窓,天窓等。 ・合わせガラス 2枚以上のガラスを合成樹脂で張り合わせた板ガラス。割れても合成樹脂の中 間膜が破片の飛散を防ぐ。 ・強化ガラス 熱処理を加えて、曲げ強さと衝撃強さを数倍強くした板ガラス。割れても小豆 状の破片になる特徴がある。昇降口ドア,車のフロントガラスに使用。 ※学校の設置者とは ○設置者 地方公共団体 ○管理 教育委員会 ○校内 学校長が教育委員会から委任された権限の範囲内で施設管理を総括し所属職員に分掌さ せる。 2-17 施5 樹木管理の基礎知識について ①春の管理 ・防寒のための養生設備の除去、芝やコケの手入れ ・転圧(霜で持ち上げられた芝にローラー等で圧力をかける) 、芝の目土入れ等 ・庭木や生垣の手入れ,刈り込み、笹類の刈り込み、芝刈り、シダ類の古い葉刈り等 ・除草,施肥、病害虫(アブラムシ,テンマクケムシ等)駆除・予防 ②夏の管理 ・刈込み、芝刈り、草刈り、つる草刈り等 ・花木の落下後の手入れ、低木類の刈り込み、常緑広葉樹,落葉樹の枝透かし等 ・日除け,敷わら,冠水等 ・施肥、病害虫(アメリカシロヒトリ,チャドクガ,カイガラムシ等)駆除・予防 ③秋の管理 ・生垣の剪定,整姿,台風対策,芝刈り,針葉樹の整姿と剪定,除草等 ・熱帯植物等のフレームへの取込み等,防寒等の養生等 ④冬の管理 ・落葉掃除,落葉樹の剪定,針葉樹の剪定,整姿等 ・霜除け,防寒,雪害対策,施肥等 ・病害虫(カイガラムシ,テッポウムシ,てんぐす病,こうやく病等)駆除・予防 施6 トラブル等事例 ◎小荷物専用昇降機が動かない 全階のドア及びガイドシューを閉める 復旧方法 ①鍵を差し込む。 ②赤ランプが点灯→異常(作動しない) ③ドア及びガイドシュー(かごの防護柵)を閉める。 ④赤ランプ消灯 ⑤階ボタンを押す。→作動OK ↓ ⑥赤ランプ点灯,赤ランプ消灯せず→作動しない→点検委託業者に連絡 ◎教室のテレビが映らない(事例) ◇ケーブルの接続方法は正しいのに映像が出ない →『テレビ』⇒『ビデオ』への同軸ケーブル端子が折れていた。 ◎窓ガラスのフィルム貼付 ◇フィルムは「はめごろし側」 (固定されている側)に貼る。 →地震時、 「はめごろし側」は固定されているため、振動により割れる可能性が高い。 2-18 時間で表示が 電1 電力メーターの読み方は? 消える。 電力 メーター キュービクル内に設置 針 乗率 240 普通電力量計 (全日電力計)KWh この数値 を読む。 1 2 3 検 0619.18 現在時刻 (計量確定日) 8 時(月)23 分(日) No.023837 (計器番号) キュービクルに行く。 検針表示が消えるのを待つ。 普通電力量計の数値を記録。 解 説 ⇒ 電力メーターには、計量確定日【電力量計が毎月定められた日に、自動的に積算電力 量を計測する日で、地域により異なる。図の場合、毎月23日が計量確定日で、8月2 3日に計測された数値が8月分(7月23日∼8月22日)の当月指示数となる。 】がセ ットされており、メーター中央上部の表示窓が検針表示のとき、普通電力量計は前月2 3日に計測した数値を翌月の22日まで表示する。よって、現在値を計測する場合は、 検針表示のない時間におこなう。 表示と時間 ← 90秒 → ← 30秒 → ← 90秒 → 検 針 検 針 現在の数値 8月23日の数値 8月23日の数値 参 考 1 使用電気量の計算式 (当月指示数−前月指示数)×240[乗率] 2 電気料金の計算式 電力量料金 基本料金+ 電力量料金単価×1か月使用量± 燃料費調整額 燃料費調整単価×1か月使用量 ×1.05 用 語 キュービクル ⇒ 鋼板製の箱に覆われて、屋上や校内の一隅に設置された変電設備。電気使用量の 大きさを契約量といいますが、この量が50KW以上になると高圧受電となり変 電設備が必要となりなす。変電設備には「キュービクル」のほか建物内に専用の 「変電室」を設置する方法があります。学校では、電気主任技術者が不在のため 関東電気保安協会等の団体と委託契約をして、電気設備の安全管理をしています。 2-19 電2 停電です。どうしたらいいですか? 付近一帯が停電 最寄りの東京電力の営業所へTEL 電力会社の配線系統の事故(台風や落雷など)が考えられます。 検針票に記載されている営業所に連絡をしましょう。 校舎全体が停電 点検委託業者へTEL キュービクル内の事故(配線用遮断器(安全ブレーカー)の作動やヒューズ切断など)が考えられ ます。点検委託業者に連絡をし、区市の担当部署にも連絡をしましょう。キュービクルは、6,600V の高圧を受電しており大変危険ですから、勝手に扉などは開けないようにしましょう。 校舎の一部が停電 分電盤のブレーカー(遮断器)復旧 停電した場所に最も近い分電盤を開け、OFFになっているブレーカーをONにします。 (途中で 静止している場合は、完全にOFFにしてから、ONに戻します。 ) ブレーカーは電灯用・教室コンセント用などに分けられており、教室コンセント用がよく切れるよ うです。 電気の使いすぎ 各ブレーカーの電気容量(15Aなど)を超え て器具を使用した場合。電気容量の大きい器具の スイッチを切ってから、復旧しましょう。 ショートした 器具のコードがショートしていると、器具から 煙・異臭・火が吹出し、ブレーカーが切れます。 器具のプラグをコンセンから抜いた後、復旧しま しょう。 ブレーカーが 切れる原因 分電盤内部 (鉄板製のキャビネットに収納) N 20A 20A 教室電灯 N O コンセント 職員室電灯 O N 教室 コンセント OFF O OFF N 20A OFF O 20A 教室 OFF ←OFF ON→ 用 語 分電盤 ⇒ キュービクルからの電気を、各教室の電灯やコンセントにつながる配線に分ける(停電 の範囲を小範囲に限定するため)ための設備。 配電盤 ⇒ 鉄板などに開閉器、過電流しゃ断器、電気計器(電圧計・電流計・電力計・電力量計・ 力率計) 、継電器などを取り付けた設備で、キュービクルに設置。 2-20 電3 漏電です。どうしたらいいですか? 絶縁監視装置が鳴ったら点検委託業者 漏電 ⇒ 配線工事の不良・絶縁不良などにより、正常の電気回路以外の個所に電流が流れることを いい、火災や感電の原因になります。点検委託業者より提出される報告書はよく読み、不明 な点は検査員に確認しましょう。 絶縁監視装置 ⇒ 漏電(絶縁不良)を感知する装置。学校によって異なるタイプ(受信型・通報型) の監視装置が設置されています。どのタイプが設置されているか、確認しておきま しょう。 受信型 ⇒ 漏電感知のみ → ただちに点検委託業者へ連絡! 通報型 ⇒ 直接点検委託業者へ漏電感知が通報される → 点検委託業者より連絡あり One Point 壁や天井をコンクリート・モルタル等の材料で造った建物は、火災の延焼 を防ぐ効果があります。その一方で、下地材として鉄の網を使用するため、 天井など電気配線の多いところは漏電の経路になりやすくなっています。 用 語 電 流 ⇒ 1秒間に流れる電気の量。単位はアンペア(A)→15A、20A 電 圧 ⇒ 1秒間に電気を流す力。単位はボルト(V)→100V 電 力 ⇒ 1秒間に電気が仕事(消費)する大きさ。単位はワット(W)→60W 電力(W)=電流(A)×電圧(V) 100W=1A×100V 電力量 ⇒ 電気の仕事量(消費量) 。単位はワットアワー(Wh) 電力量(Wh)=電力(W)×時間(h) 1Kwh=1,000Wh=100W×10h 周波数 ⇒ 電力会社から送られてくる電気は交流(乾電池などは直流)と呼ばれ、プラスとマイ ナスが1秒間に何十回と入れ替わります。この入れ替わる回数を周波数といいます。 単位はヘルツ(Hz) 。静岡県富士川と新潟県糸魚川を境に、東日本は 50Hz、西日 本は 60Hzを使用しています。 単相3線式 ⇒ 3本の電線による屋内配線で、100Vと 200Vの両方の電気が使える利点がありま す。表示 →1φ3W 100V 200V 100V タコ足配線 ⇒ 一つのテーブルタップ(複数の差し込み口があるコンセント)に、いくつものプ ラグを差し込み、タコの足のように複数の電気器具を同時に使うことをいいます。 便利なようですが、テーブルタップの定格電流・定格電圧を考えないで使用すると、 器具やコンセントのコードが過熱して、火災の原因になります。 定格 ⇒ 電気を安全に使用するために、それぞれの電気機器やコードに定められた使用制限値を いいます。例えば、 [10A−125V]と表示されたテーブルタップの場合は、定格電流(流 せる限界の電流)が 10A・定格電圧(耐えられる限界の電圧)は 125Vまでで、これを超 える電流・電圧は使用しないでくださいということです。また、コンセントが15A、テ ーブルタップ・プラグが10Aの表示があっても、ビニールコードの定格電流が7Aであ れば、ビニールコードの定格に従う必要があります。 安全に電気を使うには、常に電流の合計を考えて使用しましょう! 2-21 電4 漏電ブレーカーが切れたら □単相3線式電灯分電盤 30A OFF OFF OFF OFF OFF OFF O N O N O N O N O N OFF OFF OFF O N O N O N 配線用ブレーカー O N OFF O N 漏電ブレーカー アンペアブレーカー 【契約(使用できる)アンペア数が記載】 ■応急処置(電気工事店に依頼するまで) ① アンペアブレーカーが入になっていることを確認する (アンペアブレーカーは60A以下の契約のみ設置) ② 配線用ブレーカーを全部【OFF】にする ③ 漏電ブレーカーを【ON】にする ④ 配線用ブレーカーを一つずつ【ON】にする ⑤ ④の動作をした時に漏電ブレーカーが切れたらその回路が漏電 ⑥ 漏電している配線ブレーカーを【OFF】にし漏電ブレーカーを【ON】にする。 ⑦ 漏電以外の配線用ブレーカーを【ON】にする ⑧ 故障している回線又は機器の修繕を依頼する 漏電ブレーカーが途中で停止した時はつまみを下 げてから上にあげる ② OFF O N ① ※漏電表示ボタン(黄・白)がある時は、ボタン を押し込んでからつまみを動かす。 ■POINT アンペアブレーカー・配線ブレーカーの切断 ⇒ 電気の使いすぎが原因。機器の数を減らしアン ペアか配線ブレーカーを入れる 漏電ブレーカーの切断 ⇒ 回線か機器の故障 2-22 水1 水量メーターの読み方? ● プール用(引込み配水管が1本の学校は、校舎用と兼用) 水量メーターで記録。隔測メーターで確認。 水量タコメーター使用量 ➩ 6879㎥ 350ℓ 隔測メーターへ 本 管 ➩プールヘ 隔測メーター (デジタル) 100 8 水量メーター (量水器) 7 制水弁か止水栓(バルブ) 7 8 10 9 0 1000 6 0 9 1㎥ 1 3 4 100ℓ 10000 ㎥ 0 0 6 8 7 9 75㎜ 5 10ℓ 100000 内部 外観 隔測メーター ➩ 給水管の径が50㎜以上の場合に設置されるデジタル表示の水量メーター。スチ ール製の箱に収納されています。フタを開けて中のメーターを確認します。㎥以上の数量を読むことが できます。㎥未満は量水器で確認しましょう。 ● 校舎用 タコメーターを記録する。 水量メーター使用量 ➩ 5578㎥ 210ℓ 水量メーター (量水器) パイロット ➩受水槽へ 本 管 ㎥ 0 5 5 7 8. 40㎜ 0.8−16 止水栓(バルブ) 2 パイロット ➩ 水量メーター内部にある回 転円盤で、水が流れると回転します。蛇口を全 部閉めても、パイロットが回転していれば(揚 水ポンプが屋上の高架水槽に揚水するために、 作動している時を除く)どこかに水漏れがあり ます。水量を記録する時には、パイロットが回 転しているか、いないか、注意して見てみまし ょう。 100ℓ 1 0 10ℓ 1ℓ 2-23 水2 給水設備の基礎知識について ■ 水の流れ ➩ 本管(都水道局)→配水管(本管より分岐)→止水栓(バルブ)→水量メーター→給水管 →受水槽→揚水管→揚水ポンプ (ポンプ室) →揚水管→高架水槽→給水管→各給水器具 (蛇 口) ■ 高架水槽方式(給水方法) ➩ 本管からの水をいったん受水槽に貯水した後、揚水ポンプによって屋 上の高架水槽に揚水し、使用箇所との落差から生じる水の重力によっ て、給水する方式。一戸建住宅などは、本管→給水管→蛇口の水道直 結方式。ほかに建物の建築状況によって、圧力タンク方式・ブースタ 方式などがあります。 メリット デメリット ① 断水時でも受水槽・高架水槽の水は使用できる。 ② 停電時でも高架水槽の水は使用できる。 ① 衛生管理や水の長期滞留(夏季休業等)に注意が必要。 ② 水槽設置の費用や北側日照の問題がある。 ■ 簡易専用水道 ① 都や市などから供給される水であること。 学校は、簡易専用水道の摘要 ② 飲料用専用であること。 を受け、水道法施工規則によ ③ 受水槽の有効容量が10㎥を超えること。 り管理される。 ■ 受水槽及び高架水槽 ➩ 地上(受水槽)および屋上(高架水槽)に設置された貯水タンク。 材 質 ➩ FRP(ガラス繊維強化プラスチック)軽量・錆びない・低価格 水面制御 ➩ フロート弁及び電磁弁電極棒併用方式 フロート弁方式 → ボールタップ(浮子)の浮沈みにより、 給水・給水停止をおこなう方式。浮子の位置が低いと弁が 開いて給水がはじまり、水位の増加とともに浮き上がり最 高の水位で自動停止する。家庭用トイレの便器洗浄用水槽 にも使用されている。 電磁弁電極棒方式 → タンク内に設置された長さの異なる 5本の電極棒が、水位の高低により減水警報(低)または 満水警報(高)を、警報盤に通報する方式。 自主管理 ➩ ① 周辺5m以内に、ゴミ・雑草が生えていないか確認しましょう。 ② オーバーフロー管の管端部分の防虫網[12メッシュ(網目の荒さが2ミリ 方眼) ]が破れていないか確認しましょう。破れていると、受水槽の中に虫が 侵入し、汚水の原因になります。 ③ 冬季時の防寒対策→給水・排水等の各バルブの保温に注意しましょう。 定期清掃 ➩ 年1回8月下旬(夏季休業中は、水が長期滞留しているため新学期に近い日ほど 良い。 ) 、専門業者が清掃します。 ■ 色のついた水 ➩ 夏季休業中は水の使用頻度が少ないため、生徒用の水飲み場の蛇口を捻ると、 赤みがかった水が出ることがあります。これは、水酸化第二鉄(さび)が水 に溶け出している状態で、飲料水には適しません。始業前に各蛇口の水を確 認しておきましょう。 ■ 中水道 ➩ 一度使用した水を再利用するために処理した水を『中水』といい「上水道」や「下 水道」と区別して、 「中水道」と呼んでいます。 2-24 ■ 配管材料 材 料 硬質塩化ビニル管 主な使用箇所 特徴・種類等 雨樋・校内の水飲み場の排水 使用温度が90℃以下で、水圧の低い下水 管・地中埋設管等 道に使用する。 VP:厚肉・屋内配水管 VU:薄肉・下水道管 硬質塩化ビニルラ 地中埋設管・揚水管や給水管 鋼管の腐食を防ぐため塩化ビニルでライ イニング鋼管 等 ニング(内張・外張)されている。 VA:内側・内配水 VB:外側・屋外配水 VD:両側・継手保護屋外配水 銅 管 ユニット給水・給湯配管等 耐久性・耐食性に優れているが高価であ る。 ス テ ン レ ス 鋼 管 屋内給水・給湯・悪土質の埋 耐久性・耐食性・衛生的に優れているが高 設管等 価である。 ダクタイル鋳鉄管 給水管・大口径の給水管等 耐食性・強靱性に優れる。 受水槽と高架水槽 受水槽 高架水槽 ② ① ① ② → ← ↓ オーバーフロー管 2-25 排水管 揚水管︵揚水ポンプより︶ ① マンホール ② 吸気口 ↓ 給水管︵各給水器具へ︶ ↑ ↑ 給水管︵本管より︶ オーバーフロー管 排水管 揚水管︵揚水ポンプへ︶ ↓ ↓ 水3 排水設備の基礎知識について ■ 排水の種類 ① ② ③ ④ ■ 排水の方式 ① ■ ■ ■ ■ 汚水(し尿) ➩ 水洗便所からのし尿を排水。 雑 排 水 ➩ 洗面所等からの排水。 雨 水 ➩ 雨水の排水。 特 殊 排 水 ➩ 工場、病院などの有毒・有害で一般に放流できない排水。 合流式 ➩ 雨水と汚水・雑排水を同一の系統で流す方式。経済的で、維持管 理は容易ですが、集中豪雨などで処理能力を超え、不処理水が河 川に直接放流される可能性があります。 ② 分流式 ➩ 雨水と汚水・雑排水を別系統で流す方式。昭和40年代公害によ る水質汚染が問題となり、公共水域の水質保全の見地から分流式 が計画されました。本市は、分流式を採用しています。 排水の流れ ① 汚水・雑排水 ➩ 校内器具→器具排水管→排水横枝管か排水立て管→排水横 主管(途中より屋外)→トラップ枡(溜め枡)→汚水枡(イ ンバート枡)→公設枡→汚水管(道路に埋設) ・・・上水道 は下水道へ ② 雨 水 ➩ 側溝(U字溝)→溜め枡→側溝→溜め枡→吸込み槽→地中 へ トラップ ➩ 器具等の排水溝に取り付けられ、内部に水を貯め(封水という)排水管の中で発 生するガスやねずみ・害虫が室内へ侵入するのを防ぐための器具又は装置。 代表的な例 P型管トラップ(洗面器等) ・ベルトラップ(流し台に使用。取外し自由なベル形 金具を排水口にかぶせたもの)等あります。 トラップ枡(溜め枡) ➩ 底部に150ミリ以上の泥溜めを設けて、排水中に混入した泥など を堆積させ汚水枡(インバート枡)や側溝に流れ込むのを防ぐため の枡で、定期的に清掃が必要です。 通気管 ➩ 排水管内の空気と外気を自由に流通させるための配管(S50年代以降設置) 。 ① 排水効率を高め、排水管内の衛生を維持する。 ② 水トラップの封水保護。 【機能】 ③ 臭気・有毒ガスの排除。 * 通気管設備にかえて各便所に換気扇を設置して換気をおこなっている学校もあります。 P型管トラップの構造 排水通気設備概念図 高架 水槽 洗面器 壁 外気へ 排水立て主管→ ↓通気横枝管 3F 封水⇒ ←通気立て主管 2-26 水4 漏水を調べる方法は? 毎日・定時に水量メーターを検針する。 漏水発見の第一歩は、水量メーターの検針から始まります。前日の水道使用料と比較して 1日の使用量に大きな差があり、事由が不明の時は、漏水の可能性がありますので、注意 しましょう。また、パイロットの動きにも注意しましょう。 点検個所 蛇 口 水 洗 便 所 高 架 水 槽 受 水 槽 壁 (配管部分) 地 表 (配管部分) 下 水 の 枡 (マンホール) 水抜きバルブ 漏水の見つけ方 蛇口から水が垂れている。 漏水の予防と対処 蛇口を閉める。閉まらない時は、無理に 閉めずにすぐ修理。 使用していないのに、水が流 使用前に水が流れていないか、調べる習 れている。 慣をつける。 使用していないのに、揚水ポ ひび割れ、亀裂がないか時々点検する。 ンプがたびたび作動する。 晴れているのに、雨どいから 警報盤(給水用)のブザーに注意。 水が流れている。 絶えず給水されている。 ひび割れ、亀裂がないか時々点検する。 受水槽の水があふれている。 警報盤(給水用)のブザーに注意。 配管してある壁や、羽目板が 発見が容易なように、配管が埋設された 濡れている。 場所には物を置かない。 配管してある付近の地面が濡 発見が容易なように、給水管が埋設され れている。 た場所に物を置かない。 いつもきれいな水が流れてい マンホールの蓋を時々開けて、調べる。 る。 プール周辺の排水設備を水が 水抜き終了後に、必ず閉めたことを確認 流れている。 する。 漏水の可能性が考えられるときは ■ 水量メーターから高架水槽までの系統 ① 夜間、受水槽・高架水槽を満水にする。 ② 揚水ポンプの電源を切る。 ③ 高架水槽給水管バルブを閉める。 ④ 翌朝、水量メーター・各水槽の水位を調べる。異 常 ! ⇒ 施 設 G に 連 絡 ■ 高架水槽から各階の給水系統 ① 高架水槽を満水にする。 ② 受水槽揚水管バルブを閉める。 ③ 各階の給水器具(蛇口等)を調べる。異 常 ! ⇒ 修 理 ④ 各階の給水管バルブ(便所内)を閉める。 ⑤ 1階ごとにバルブを開閉し、水位を調べる。異 常 ! ⇒ 施 設 G に 連 絡 止水栓・だれでも・すぐに・閉められる。 2-27 水5 水道の修理方法は? ■ 蛇口からポタポタ ☞ ゴムパッキンの交換 ① 止水栓を閉める(洗面器→下・校内水飲み場→各階給水バルブ・屋外→水飲み場周辺) 。 ② スパナでキャップナットをゆるめる(キズ防止にキャップナットにゴムバンドを巻く) 。 ③ ハンドルを回し、スピンドル(栓棒)を抜く。 ④ コマを点検→ゴムパッキンかコマを交換する(節水コマを使用しましょう) 。 ⑤ 復旧→水漏れがないかどうか確認。 ■ ハンドル下からの水漏れ ☞ 三角パッキンの交換 ① スパナでキャップナットを締めなおす(水が止まればOK。強締め注意!) 。 ② スパナでキャップナットをゆるめる(止水栓を忘れずに) 。 ③ 三角パッキンを交換する(水栓の種類により異なるので注意!) 。 ④ 復旧→水漏れがないかどうか確認。 ■ 水栓の付け根からの水漏れ ☞ シールテープを巻く ① 止水栓を閉める。 ② 水栓を取り外す(反時計方向にゆっくり回す。水栓取外しレンチがあると便利) 。 ③ シールテープを巻く(外した水栓の根元のネジ部分にシールテープを巻く) 。 ④ 元どおりにねじ込む(ゆっくりと慎重に作業する。失敗したら再度シールテープを巻き ましょう) 。 横水栓の分解 ネジ ハンドル キャップナット 分 解 三角パッキン パッキン受け スピンドル コマ 2-28 水6 フラッシュバルブの水が止まらない! ■ フラッシュバルブ ➩ ハンドルを押すことにより、給水管の水を便器内に流出させ洗浄する装 置で、小便器の押しボタン式も大便器と同じ機構です。 ■ 水が止まらない ☞ ゴミ詰まりかピストン弁の交換 ① 開閉ネジを閉める(時計方向にとまるまで回すと水が止まります) 。 ② レンチでフタを開ける(反時計方向にゆっくり回す) 。 ③ ピストン弁を取り出す(フタと一緒にとれます) 。 ④ ピストン弁に付着しているゴミを取る(網の部分はていねいに) 。 ⑤ ピストン弁が入っていた管内のゴミを取る。 ⑥ 復旧(フタをていねいに、十分締めてください) 。 ⑦ 止まらない→ピストン弁を交換してください。 ■ 水量の調節 開けすぎ 水量が多い 吐水時間が長い 閉めすぎ 水量が少ない 吐水時間が短い 開閉ネジ 調整ネジ 水の出が悪くなったら、開ける。 フラッシュバルブの分解 調整ネジ 開閉ネジ フタ 分 解 ピストン弁 B ← ← A ハンドル 左右に可動 ハンドルを押すとAが ← に動きBに当 たり、Bが ← に動いて水が出る仕組み。 ■ 備えておきたい修理道具 ① 両口スパナ(5∼7本組) ② モンキー(200㎜・300㎜) ③ ⑤ ⑦ ⑨ ⑪ ④ ⑥ ⑧ ⑩ プライヤー(200㎜) ハンマー カンツール(排水管掃除機) ウォータープライヤー シールテープ ドライバー(大・中・小) ピンセット(水栓コマ用) 吸引カップ 水栓取外しレンチ 2-29 水7 便器・排水管のつまり ■ 水の圧力でゴミを押し流す方法 ☞ 吸引カップかトイレ専用吸引カップ 洗面器流し台 ① 水をはります(フタがない場合は、カップをあててから) 。 ② カップ内の空気抜きをして、排水口にピッタリあてます。 ③ カップの柄をグッと押します。 ④ カップの柄を強くひっぱります。 ⑤ 一度でだめなら何回か繰り返しましょう。 * 洗面器のオーバーフロー(中央にある排水口)には、雑巾等の詰物をしておきましょう。 水が逆流してきます。 便器 ① トイレ用カップを排水口(小便器は、目皿をとって)にピッタリ当てます。 ③∼⑤は上記と同様です。 * 吸引カップの他に、空気を利用した強力な排水管掃除機もあります。 ■ ワイヤーでゴミを取除く方法 ☞ カンツール(フレシキブルワイヤー) ① 排水口にワイヤーを入れます。 ② ハンドルを回して、少しずつワイヤーを送り出します。 ③ ワイヤーが進まなくなったら、つまりの箇所です。 ④ 少し巻き戻します。 ④と⑤を繰り返します。 ⑤ 少し送り出します。 ⑥ 詰まりのひどい時には、一度全部巻き戻します。 ⑦ ワイヤーの先端に付着しているゴミを取除きます。 ⑧ 最初からまた行います。 ■ はずしてゴミを取除く ☞ トラップのU字部分→洗面器・流し台の下 ① 水口の継ぎ目ナットを外します。 継ぎ目ナット ② トラップの下にバケツを用意します。 ③ 管内のゴミを取除きます。 ④ 継ぎ目ナットに入っているパッキンは新品に交換しておきましょう。 ■ 排水管をつまらせないために ☞ 定期的にパイプ洗浄剤を流す ① つまる前に使用する(水捌けが悪くなった頃) 。→2∼3カ月に1度ぐらい。 ② 化学薬品は使用しない(即効性はなくても酵素微生物剤を使用すれば、無公害です) 。 ■ 水便器の点検表 故障の状態 原 因 漏 水 給水管からの漏水 (給 水) 洗浄弁を使用しないのに漏水 結 露 洗浄弁・洗浄管の結露 漏 水 洗浄弁を使用すると漏水 (排 水) 便器とタイルのすき間 対 策 給水管の弁を閉める。 給水管・各ナットの締め直し・継手の交換。 ふき取る(漏水と間違えないように) 。 各ナットの締め直し・排水管の修理。 防水剤等の注入。 2-30 水8 水道栓等の凍結防止について ■ 屋外水栓 ☞ 毛布等で凍結対策 ● コンクリート柱 ● 万能ホーム水栓等 毛布・発泡スチロール等 ダンボール ビニール 保温テープ 防寒テープ(防水仕様) ■ 高架水槽・受水槽・消火栓テスト弁 ☞ 毛布等で凍結対策 ③ 毛布等 ビニール ガムテープ ① バイパスバルブ (連通管バルブ) ① ④ ② 排水バルブ ③ FMバルブ ④ 給水バルブ ② 凍結事故に対する対応 ① FMバルブの破裂 → 給水バルブを閉める。 ② 給水バルブの破裂 → 止水栓(元バルブ)を閉める。 ③ ボールタップ(浮子)の凍結 → 揚水ポンプの電源を切る。 復旧 → 揚水ポンプの電源を手動に入れ、高架水槽が満水になったら、自動に 切り換える。 ■ プール ☞ 水抜き ① 止水栓(プール専用がある所では、時計と反対方向に閉める)を閉める。 ② 洗眼・シャワー・手洗い・腰洗い槽などの水栓の水抜きを行う。 ※水抜きバルブの有無に注意し、水抜きバルブから水を抜いた場合は、終了後に必ず 閉めたことを確認する。 ③ 循環パイプ(循環ポンプのバルブを開ける)の水抜き。 2-31 水9 プールの水循環系統について ● 水の流れ ➩ プール側面の環水口(吸込口)→ポンプにより吸引→ヘアキャッチャー(集毛 器:毛髪や木の葉などのゴミを除去する装置)→濾過機→滅菌機→環水口(浄 化水給水口) ● 循環浄化系統例 ① 環水口(吸込口) ④ 濾過機 ③ 循環ポンプ ⑥ 環水口(浄化水給水口) ② ヘアキヤッチャー(集毛器) ⑤ 滅菌機 機械室 → ⑥ プール ↑ ① → ⑤ → ② → → ④ ③ ← ← ← 循環浄化装置の運転については、基礎編参照。 2-32 ↑ ↓
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