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資料 1-2
リコール制度の強化・拡充に関する評価と課題
(消費生活用製品に関する施策について)
評価
1.前進面
消費生活用製品安全法(以下、消安法とする)の迅速な改正や、製品安全に係る体
制の整備を図っていることは評価できる
- 消安法において、製造・輸入事業者に、重大事故の国への報告義務を位置付け、
その情報を国が消費者に公表する制度を新設した。
- 体制の整備として、製品安全に係る定員を 29 名増員した。
2.課題
○消安法の着実な運用について、今後の取組みをより明確に。
○諸外国における事故情報の活用
○製品事故を防止するための、消費者啓発の具体化
追加すべき項目
下記の点を今後の取り組みに追加していただきたい。来年度の施策として新たに設
定し、施策を継続して実施することが必要である。
①事故情報の収集
・ 警察・病院・消防などが把握する情報について、他省庁との連携を強化し事故情
報の収集を行うこと。
・ 諸外国との連携については、欧州との連携について明確にし、事故情報の収集を
行うこと。
・ 国土交通省の自動車不具合情報ホットラインや、東京都くらしの安全情報サイト
(http://www.anzen.metro.tokyo.jp/)のように、消費者が、容易に事故情報や
ひやりハット情報を書き込みできるサイトをつくるなどの仕組みを構築すること。
②事故情報の公表
・ 経済産業省・NITE の事故情報を公表するサイトは、消費者が事故情報を検索しや
いように工夫すること。
・ 多様なメディアを通じた政府広報を行うなど、事故情報の公表について、より広
範な消費者に届くように工夫すること。
・ 軽微な事故や、消費者の誤使用が疑われる事故であっても、重大事故につながる
可能性の高いものや、事故件数の多いものについては、積極的に消費者に注意喚
起を行うこと。
(NITE の事故情報の公表のあり方について、より容易に消費者が
見ることの出来るよう工夫すること。)
・ 海外の事故情報について、海外で事故が起こっており、日本でも一般に使用・販
売されている製品などについては、消費者に積極的に情報提供・注意喚起を行う
こと。
③事業者の監視・指導の強化
・ 収集した事故情報をもとに、事業者の監視を強め、報告義務を怠っていると疑わ
1
れる事業者については、消安法に基づいて、報告徴収やプレス発表、体制整備命
令を着実に執行すること。
・ 事業者の監視・指導の強化によって、事業者が自発的に事故情報を報告するよう
な仕組みをつくること。
・ 事業者が、製品の使用方法などについて、消費者にわかりやすく情報提供をする
よう指導すること。
④消費者啓発
・ 消費者が製品安全に関する問題への意識を高め、事故情報やひやりハット情報な
どを必要な機関に寄せることができるようになるため、消費者啓発の具体的な施
策を行うこと。とりわけ、事故情報を書き込むことのできるサイトは効果的であ
り、実現していただきたい。
・ 主務大臣に対しての申し出制度は、消費者も活用できることを周知すること。ま
た、消費者がこの申し出制度を容易に活用できる仕組みを構築すること。
その他の関連課題
①
建築基準法で定める、遊具などの工作物やエレベーターなどの建築設備について、
近年多数の問題が起きている。これらの問題について緊要なトラブルへの対応とし
て次年度以降の新たな具体的施策に追加し、原因究明・再発防止策について検討を
すすめること。
こういった工作物・建築設備の安全基準、検査・保守・点検ルールについて総点
検を行い、問題点の洗い出し・対策が必要である。
②
製造物責任法施行後 10 年が経過することを踏まえ、現在、施行状況の評価と課
題整理が行われているが、以下の 3 点の問題点も含め、早期に改正を図ること。
(詳
細は参考資料)
・ 損害賠償の請求権の期間について
・ 推定規定について
・ 欠陥の定義
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参考資料
◇製造物責任法の問題点について
・ 損害賠償の請求権の期間について
現在、損害賠償の請求権は、製造物を引き渡した時から 10 年となっているが、
松下電器産業の石油温風暖房機やパロマ湯沸かし器の一酸化炭素中毒事件でも、10
年以上前の製品で事故が起きており、損害賠償の請求が難しくなっている。期間の
延長について検討すべきではないか。
この1年の消費生活用製品に関する回収等の社告のうち、製造から10年以上経
過している製品に関するものが20件もある。(表-①)。
・ 推定規定について
過去の製造物責任法の裁判においては、「欠陥の存在」や「損害との因果関係」
の立証責任が大きな壁になっている。欠陥製品による消費者被害が公正・迅速に救
済されるために、推定規定を設ける必要がある。電気ストーブに関する東京高等裁
判所平成18年8月31日判決や、洗車台(脚立)に関する京都地方裁判所平成1
8年11月30日判決でようやく裁判官も「推定」を活用するようになったが、ま
だまだ小数である。
・ 欠陥の定義
最近は、同じ製品で消費者の「誤使用」とされる事例が複数件集積される事案が
多い。複数の人が同じように「誤使用」を繰り返すような製品は、それ自体「欠陥」
と見ることが可能である。このような考え方が浸透するよう「欠陥の定義」に、
「同
一の製品で使用者の誤使用が繰り返された場合も、当該製品の欠陥と見ることを妨
げない。
」という趣旨の一文を付加する。
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表-①
長期使用製品による事故
(ア) 国民生活センターホームページより 最近1年間の回収・無償修理等のお知らせ一覧か
ら、10年以上経過した消費生活用製品に関するものを抽出(2006 年 2 月~2007 年 2 月)
製造(販売)期間
1975~1975年
1980~1989年
1981~1985年
1982~1984年
1984~1996年
1987~1997年
1987~2006年
1988~1994年
1988~1995年
1988~現在
1990~1993年
1990~1994年
1990~2001年
1990~2004年
1991~1996年
1993~1994年
製品
電機温水器
ガス湯沸かし器
ガス湯沸かし器
石油ファンヒーター
フラワーボックス
複写機
暖房機
コンパクトカメラ
除雪・融雪設備
太陽熱温水器
複写機
24時間風呂
誘導灯
ガス栓
ガス湯沸かし器
OA タップ
メーカー名
東芝機器
パロマ工業
ハーマン
トヨトミ
YKK AP
キャノン
ダイキン
オリンパスイメージング
JFE スチール
日本電気硝子
キャノン
荏原シンワ
東芝ライテック
桂精機製作所
東京ガス
オプティマ
東陶機器、長州産業、
1995~1999年
石油直圧式給湯器
ネポン、高木産業
1995~2006年
工具・熱風加工機
太陽電機産業
1996~2004年
ガス衣類乾燥機
ツナシマ商事
1997~1999年
プリンタ
アルプス電気
1997~2000年
抗菌デスクマット
コクヨ
1997~2001年
石油直圧式給湯器
ノーリツ
出典
http://www.kokusen.go.jp/recall/recall.html
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社告掲載年月日
2006 年 12 月 12 日
2006 年 7 月 29 日
2006 年 8 月 7 日
2006 年 12 月 21 日
2007 年 2 月 26 日
2006 年 9 月 13 日
2006 年 9 月 21 日
2007 年 2 月 21 日
2006 年 11 月 1 日
2006 年 3 月 29 日
2007 年 1 月 19 日
2006 年 12 月 12 日
2006 年 2 月 21 日
2006 年 8 月 26 日
2007 年 2 月 12 日
2006 年 2 月 6 日
2006 年 12 月 4 日
2006 年 9 月 29 日
2006 年 12 月 5 日
2007 年 1 月 30 日
2006 年 10 月 11 日
2006 年 12 月 5 日