Untitled - 地球惑星科学専攻

[表紙]
2010 年 2 月に地惑専攻に導入された表面電離型質量分析計、TRITON puls(ThermoFisher 社)。Sr・Nd・Pb・Os・U・Th などの同位体測定に用いられ、元素によっては分
析誤差 0.001%を切る超高精度測定が可能である。地球外物質や種々の地質試料に適用し、
その形成年代の決定や起源の特定、更には元素合成等に由来する同位体異常の検出といっ
た研究が行われている。右上は装置のイオンソース部。約 1800℃に加熱されたレニウムフ
ィラメントにより、目的元素のイオン化が行なわれている。
(横山哲也)
巻
頭
言
毎年3月、卒業式とともに多くの学生が専攻・学科を去っていく。この3月には、加えて本
藏先生が定年退職され、河村先生が岡山大学へ転任された。3月11日の大地震と教室発表会の
延期などのため、教室として十分な歓送をできなかったことが心残りである。
大地震被災地域のみなさんには心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を
願っている。本専攻では3・11大地震による直接的被害はほとんどなかったが、組織としての
リスク管理・対応はもとより、緊急時の思考・心理・行動についても身をもって考えさせら
れた。考えると言っても、行動の是非を問うことではなく、そのときの自分の意識の流れを
理解することである。
本専攻のある石川台2号館は旧字体の木製表札がかかっているほど旧いものであるが、適切
な旧さ故に鉄筋コンクリート三階建屋の耐震性は問題ないとされている。これまでに実施し
た安全対策から、ほぼ全ての本棚、ロッカーを壁にボルトで止めてある。地震発生時、私は
二階の専攻秘書室にて職員の人たちと話をしていた。
P波到達とともに、半自動的に頭の中で危険度を予測し始めたが、いつもと異なりS波並み
の強さであった。強い揺れに職員の人たちは不安そうに立ち上がり、一人が逃げましょうか
と言い始めた。あいにく秘書室はリニューアルの最中であり、通常より安全度がやや落ちて
いた。私はそのうちおさまるだろうと答えたものの、とりあえず落ち着いてもらおうと思っ
たにすぎず、あまり根拠はなかった。なぜならば、P波の割には始めからかなり強かったこと、
震動周期の特徴にしてはP波継続時間が長いことから、震源位置の見当がつかなかったからで
ある。一般の人からすると妙なことを考えていると思うかもしれないが、地球物理学分野の
者ならば誰でもこの程度のことを瞬時に検討する。稲妻と雷鳴から雷の遠近・危険度を察知
することと同じである。しかしながら、すでにP波の段階で、3・11大地震は私の経験・知見
を超えるものだった。
主要動のピークが過ぎさった中、火の元の安全確認と教職員・学生の避難誘導を行った。
二階、三階の学生室を一通り見回ってから一階に降りると、石川台2号館の住人たち数十名が
集合していた。揺れはおさまっており、大きな損壊は無いこと、けが人がいないことを確認
した。
震度5では多くの人が身の危険を感じるとされる。私にとって、恐怖感を伴う揺れは初め
てであった。後日に地震動時とその直後を振り返ると、自分の思考回路は幾つかのポイント
で明確に動いたものの、それ以外は半ば直感的な判断と行動のつながりであった。無意識と
いうよりは、ある種の大枠的判断基準・優先順位、それも公私合わせたものが全体背景とし
て働いており、未知の危険ゾーンに入ったときの行動パターンとはこういうものかと思う。
作用する大枠は人、場所、時によって異なる。もちろん想定外の事態は避けたいが、想定外
に陥ったときどのように行動してしまうのかということもまた認識しておくべきであろう。
3・11という日は、私だけでなく多くの人たちが素の自分を感じとった日でもあったと思う。
2010年 度 地 球 惑 星 科 学 専 攻 長
綱川秀夫
目
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
次
地球惑星科学教室の概要
1.1. 教 室 構 成 員 ----------------------------------------------1.2. 学 部 学 生 一 覧 --------------------------------------------1.3. 教 職 員 の 着 任 ・ 転 出 等 -------------------------------------1.4. 教 室 行 事 ------------------------------------------------学部・大学院教育の概要
2.1. 学 部 教 育 ------------------------------------------------2.2. 宇 宙 地 球 科 学 基 礎 ラ ボ 2 ・ 地 惑 巡 検 ------------------------2.3. 大 学 院 教 育 ----------------------------------------------2.4. 博 士 論 文 ・ 修 士 論 文 ・ 学 士 論 文 ----------------------------2.5. 修 了 者 等 の 進 路 ------------------------------------------教室研究発表会
3.1. 開 催 概 要 ------------------------------------------------3.2. 授 業 評 価 ------------------------------------------------研究教育交流
4.1. 地 惑 セ ミ ナ ー 開 催 ----------------------------------------4.2. 関 連 シ ン ポ ジ ウ ム 等 開 催 ----------------------------------4.3. 国 際 研 究 集 会 等 へ の 参 加 ----------------------------------4.4. 研 究 員 等 の 受 け 入 れ --------------------------------------4.5. 非 常 勤 講 師 等 の 引 き 受 け ----------------------------------4.6. 学 外 活 動 ------------------------------------------------4.7. 研 究 施 設 一 覧 --------------------------------------------教室運営
5.1. 教 室 会 議 申 し 合 わ せ --------------------------------------5.2. 教 室 予 算 ------------------------------------------------5.3. 科 学 研 究 費 補 助 金 の 交 付 ----------------------------------5.4. 委 任 経 理 金 等 の 受 け 入 れ ----------------------------------5.5. 学 内 委 員 の 分 担 ------------------------------------------5.6. 学 部 授 業 等 の 分 担 ----------------------------------------5.7. Sabbatical Year 制 度 -------------------------------------5.8. 職 員 研 修 ------------------------------------------------将来構想案
6.1. グ ロ ー バ ル COE
「 地 球 か ら 地 球 た ち へ : 生 命 を 宿 す 惑 星 の 総 合 科 学 」 ----------研究成果
7.1. 公 表 論 文 リ ス ト ------------------------------------------7.2. 受 賞 な ど ------------------------------------------------7.3. 教 室 発 表 会 に お け る 研 究 報 告 -------------------------------
1
2
2
2
4
5
13
14
17
19
20
25
25
26
29
30
30
32
36
36
36
40
40
41
44
45
46
57
73
74
1.地球惑星科学教室の概要
1.1. 教 室 構 成 員
2011年 3 月 1 日 現 在 の 構 成 員 は 以 下 の 通 り 。「 研 究 員 等 」の 欄 の カ ッ コ 内 は 日
本 学 術 振 興 会 特 別 研 究 員 等 の 身 分 を 、無 印 は 学 部 あ る い は 修 士 課 程 修 了 相 当 の 研
究 生 等 を 示 す 。な お 、「 4 年 生 」は 地 球 惑 星 科 学 科 に 所 属 す る 学 士 論 文 研 究 生( 卒
研生)である。
講座
名
地球
惑星
物理
学
宇宙
探査
学
教 授
准教授
助 教
松島 政貴
長井 嗣信
岡元 太郎
今村祐子
(事務職員)
高橋 太
工藤 恵
(教務職員)
綱川 秀夫
地球
惑星
進化
学
研究員等
D3
D2
D1
渡辺志緒
浅井佳子(学振)
山本伸次(地球史)
河合研志(学振)
李 毅兵(科研)
敬
駒林 鉄也
関口さつき
(補佐員)
浅川典子
(補佐員)
運天 瞳
佐藤雅彦
石川智子
澤木佑介
吉屋一美
山田健太郎
佐藤寿年
田中瑛生
西村 佳
坂井友香
福田明里
吉崎もと子
斎藤拓也
田畑美幸
岡田吉弘
五味 斎
工藤祐樹
小笠博貴
菊本亮平
鈴木和恵
力石祐介
中根布美子
武田光隆
今田沙織
加藤仁哉
太田健二(学振) 杉村恵実子
小澤春香(JAMSTEC)
Dai Lidong (学振)
榊 洋子(研究生)
岩森
光
朴 泰澔(科研)
上木賢太(産学)
宇野正起
山田晴輝
鈴木佑允
鈴木遼平
須田 好
野口正直
佐々木文豊
鈴木敏弘(IFREE)
横山 哲也
井田 茂
生駒 大洋
中本 泰史
佐々木貴教(学振) 堀 安範
荻原正博
武藤恭之(学振)
竹内 拓(科研費) 加藤真理子
土居政雄
佐藤文衛
宇宙
探査
学
理学
流動
機構
富士田洋之
宮川 剛
高橋 栄一
太
陽
系
創
世
学
桝本 悠
佐藤 毅
辻野典秀
今井崇暢
潮田雅司
津曲祐衣
則竹史哉
山崎絵里香
深海雄介
伊藤伸朗
岡林識起
岩井貴弘
永井友一朗
明星邦弘
中西奈央
森智比古
國友正信
鈴木貴之
中島美紀
立浪千尋
松倉大士
田中 圭
松本侑士
細野七月
黒川宏之
久保領一
中島 静
荒木健友
関根康史
鐵紘由紀
原川紘季
渡辺圭亮
鈴木滋徳
櫻井 萌
佐藤 泉
田中大允
奥井 航
高橋宏和
渡辺龍哉
黒崎健二
瀧 哲朗
尾花勝太
山崎布由香
本園晋作
大貫裕史
長沢真樹子
加藤 学
(連携教授)
坂谷尚哉
北村 良実
(連携准教授)
明石俊哉
畔上健太
藤本正樹
(連携教授)
地
中村仁美
川島てるみ
殻
浜田盛久 ((地殻流体補佐員)
流
佐久間 博
体
(特任助教)
GCOE
中澤 清
大森 聡一
舘野繁彦
竹山桃子
地球 (特任教授) (特任准教授) (特任助教) (GCOE補佐員)
たち
小川 康雄
火山
流体
4年
上野雄一郎
河村 雄行
宇
宙
探
査
学
M1
松本明樹
(地球史補佐員)
廣瀬
地
球
惑
星
進
化
学
M2
栗城麻由
チュライ カヤ
樋口有理可
(教務補佐員)
丸山 茂徳
地
球
惑
星
物
理
学
職 員
本蔵 義守
神田 径
吹野浩美
野上 健治
1
佐藤俊也
上記の4年次学生の外、本学科4年次に在籍し、総合理工学研究科環境理工学
創造専攻の研究室に卒研所属している者の一覧は以下の通り。
吉川・波岡研(渡辺幸佑)
原科・錦澤研(出浦大誉、芹沢由尚)
山中研(加藤圭、堤若菜、大石規弘)
木内研(八木綾子)
梅干野・浅輪研(中尾泰斗、本田友里香)
1.2. 学 部 学 生 一 覧
2010年 度 本 学 科 3 年 次 に 在 籍 し て い た 学 生 は 以 下 の 通 り で あ る 。
青山 慎之介 浅野 健太
井形 瑛梨
石川 みなみ 伊藤 祐一
今枝 隆之介 上田 翔士
遠藤 美朗
大川 あやね 大橋 聡史
落合 裕道
金澤 恵太
高本 秀太
越田 渓子
小林 敦
佐藤 大輔
佐藤 直紀
佐藤 みずほ 関川 真智子 返町 雄一
千葉 紀奈
津田 彩花
寺田 卓馬
友政 拓也
中山 純平
平田 辰太郎 藤崎 渉
星 朋子
三島 郁
武藤 靖秀
横田 直美
和田 義輝
伊勢野 将太 井上 雄次
川上 祐史
谷口 幸禎
武田 浩平
仲宗根 恵心 富士田 祥之 日野原 侑
齋藤 学
佐藤 直
1.3.
教職員の着任・転出等
上 野 雄 一 郎 [准 教 授:2010.8.1着 任( 東 工 大 グ ロ ー バ ル エ ッ ジ 研 究 院 テ ニ ュ
アトラック助教より)]
佐藤文衛
[准 教 授:2010.8.1着 任( 東 工 大 グ ロ ー バ ル エ ッ ジ 研 究 院 テ ニ ュ
アトラック助教より)]
長 沢 真 樹 子 [准 教 授( 理 学 研 究 流 動 機 構 ):2010.8.1着 任( 東 工 大 グ ロ ー バ
ルエッジ研究院テニュアトラック助教より)]
高橋 太
[助 教 : 2010.8.16着 任 ( 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 研 究 員 よ り ) ]
本蔵義守
[教 授 : 2011.3.31離 任 ( 定 年 退 職 ) ]
河村雄行
[教 授 : 2011.3.31離 任 ( 岡 山 大 学 環 境 学 研 究 科 ・ 資 源 循 環 学 講
座教授へ)]
今井志保
[補 佐 員 ( 教 室 系 ) : 2010.10.31離 任 ]
関 口 さ つ き [補 佐 員 ( 教 室 系 ) : 2010.11.1着 任 ]
1.4. 教 室 行 事
2010. 4. 6
4. 7
4. 9
4.16
6. 5
8. 6
8.17
8.19
9.27~ 30
新2年生オリエンテーション
新入教職員学生ガイダンス「地惑の歩き方」
新1年生に対する研究室公開
新2年生歓迎会
修士課程入学希望者への専攻説明会
卒業論文発表会(9月修了)
修士課程入学試験(筆答試験)
修士課程入学試験(口頭試験)
宇宙地球科学基礎ラボ2巡検(草津・糸魚川・神岡)
2
12.21~ 24
2011. 1.12
2. 3~ 4
2.10
2.25~ 3.4
3.14~ 15
3.28
博士論文発表会
卒研ガイダンス
修士論文発表会
卒業論文発表会
地惑巡検(アメリカ西海岸)
教 室 研 究 発 表 会 ( 予 定 し て い た が 延 期 し 、 6.22( 水 )
に開催した)
学位記授与式
地球惑星科学専攻
地球惑星科学科
西3号館
地球史資料館
石川台2号館
石川台実験棟1
石川台6号館
3
2.学部・大学院教育の概要
2.1. 学 部 教 育
2.1.1. 学 部 カ リ キ ュ ラ ム
*
は非常勤講師を、★は集中型講義を示す。
2年次
前
時
限
月
火
水
木
金
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
講
義
学
期
名
担当者
文系科目
電磁気学演習第一C
長沢
惑星科学序論
中本
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーションⅠ
地球惑星物理化学第一
電磁気学第一
物理数学演習第一C
文系科目
地質学野外実習
解析力学演習C
講
後
学
義
名
期
担当者
地球惑星物理化学第二
文系科目
量子力学演習(地惑)
国際コミュニケーションⅡ
量子力学(地惑)
地球惑星物質学序論
熱統計力学演習第一C
横山
地球惑星物理学序論
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーションⅠ
長井・綱川
中澤*
中澤*・高橋太
廣瀬
井田
河村
長井
生駒
文系科目
上野
生駒
地惑巡検
廣瀬・岩森
3年次
時
限
月
火
水
木
金
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
1,2
3,4
5,6
7,8
講
前
学
義
名
期
担当者
講
後
学
義
名
期
担当者
地惑実験
地惑実験
各教員
各教員
地球惑星物理化学実験
地球惑星物理化学実験
舘野・浜田
舘野・浜田
宇宙化学
地惑実験
地惑実験
横山
各教員
各教員
地惑内部物理学
地惑応用実験
地惑応用実験
本蔵
綱川・河村
綱川・河村
総合科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
総合科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
地球惑星電磁気学
数値地球惑星科学
数値地球惑星科学
地球史
流体・弾性体力学序論
丸山
井田
地球物質学
地球惑星物理化学第三
火山学
高橋
岩森
生命環境学
高橋・野上・小川 地 惑 演 習
4
綱川・長井
井田・篠原*
井田・篠原*
小宮*
各教員
4年次
時
限
1,2
月 3,4
5,6
7,8
1,2
火 3,4
5,6
7,8
1,2
水 3,4
5,6
7,8
1,2
木 3,4
5,6
7,8
1,2
金 3,4
5,6
7,8
集
中
講
前
学
義
名
宇宙プラズマ物理学
期
担当者
講
後
学
義
名
期
担当者
長井
文系基礎科目
文系基礎科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
国際コミュニケーション選択教職科目
Cutting-Edge Topics in 本 蔵
EPS 1・ 3
各教員
地惑コロキウム第一
Cutting-Edge Topics in 本 蔵
EPS 2・ 4
北村*
地球惑星科学特論C
地惑コロキウム第二
各教員
2.1.2. 学 部 特 別 講 義
地球惑星科学特論C
開 講 日 : 11月 10日 、 17日 、 24日 、 12月 1日
講 師: 北村良実(宇宙航空研究開発機構、連携准教授)
2.2. 宇 宙 地 球 科 学 基 礎 ラ ボ 2 ・ 地 惑 巡 検
本 学 科 で は 、学 生 が 直 接 自 然 に 触 れ る こ と が 重 要 と 考 え 、1 年 次 に お い て 宇 宙
地 球 科 学 基 礎 ラ ボ 2 を 、ま た 、2 年 次 に お い て 地 惑 巡 検 を カ リ キ ュ ラ ム に 組 み 込
んでいる。本年度実施した巡検の概要は以下の通り。
2.2.1. 宇 宙 地 球 科 学 基 礎 ラ ボ 2 ( 1 年 次 )
日 程 : 9 月 2 7 日 (月 )~ 9 月 3 0 日 (木 ) 3 泊 4 日
実 習 地:国 立 天 文 台 野 辺 山 宇 宙 電 波 観 測 所 、ス ー パ ー カ ミ オ カ ン デ 、カ ム ラ ン ド 、
フ ォ ッ サ マ グ ナ ミ ュ ー ジ ア ム 、電 気 化 学 工 業 、青 海 川 、ひ す い 峡 、糸 魚
川―静岡構造線、草津白根山
交通 :貸し切りバス
集合・解散場所:東工大大岡山キャンパス
宿 泊:流葉荘、権現荘
参 加 者 : 宇 宙 地 球 科 学 基 礎 ラ ボ 2 受 講 者 23名
引率者:廣瀬敬教授、丸山茂徳教授
TA
: 今 田 沙 織 (M1)、 加 藤 仁 哉 (M1)
5
スケジュール:
9/27 ( 朝 ) 貸 し 切 り バ ス に て 東 工 大 発
(午前)野辺山宇宙電波観測所の見学
(午後)岐阜県飛騨市へ移動
(宿泊)神岡 流葉荘
9/28 ( 午 前 )ス ー パ ー カ ミ オ カ ン デ 、カ ム ラ ン ド 等 の 見 学 、新 潟 県 糸 魚 川 市 へ
移動
(午後)フォッサマグナミュージアム
(宿泊)柵口温泉権現荘
9/29 ( 午 前 ) 電 気 化 学 工 業 、 青 海 川 河 川 敷
( 午 後 ) 糸 魚 川 周 辺 の 地 質 体 の 見 学 ( ひ す い 峡 、 糸 魚 川 -静 岡 構 造 線 )
(宿泊)柵口温泉権現荘
9/30 ( 午 前 ) 草 津 白 根 火 山 の 見 学
(午後)東京へ
経費:
[収 入 ]
学生負担分
学 生 負 担 分 (欠 席 者 )
大学補助分
974,390円
505,540円 ( 21,980円 ×23名 )
350円
468,500円
[支 出 ]
974,390円
(学生負担分)
(参加学生)
旅行保険料
旅行保険料(欠席者分)
権現荘宿泊費
流葉荘宿泊費
博物館入場料
昼食代
(大学補助分)
バス代負担
8,050円
350円
322,000円
138,000円
9,200円
28,290円
(
350円 ×23名 )
(
350円 ×1名 )
( 7,000円 ×23名 ×2 泊 )
( 6,000円 ×23名 )
(
400円 ×23名 )
( 1,230円 ×23名 )
468,500円
( 理 学 系 間 接 経 費よ り )
その他(学科負担)
TA旅 費
教員旅費
43,980円
95,200円
TA2名
教 員 2名
(担当教員:廣瀬
宇宙地球科学基礎ラボ2随行TA報告(加藤
仁哉 廣瀬研M1)
初日
朝東工大に集合し、バス移動。
国立天文台野辺山宇宙電波観測所へ行く。北村研の学
生から電波天文台に関する説明を受ける。学生は興味
6
敬)
津々といった様子であった。特に、45m電波望遠鏡
は圧巻であった。天気が悪くバス内で昼食をとる。
飛騨高山へ移動。初日ということもあり、学生た
ちは元気である。夜、流葉荘へ。食事、温泉。そ
の後、引率教授によるレクチャーを受ける。
2日目
いよいよ本巡検の目玉といえる、神岡鉱山へ。
途中、鉱山バスに乗り換え、坑道に入る。その前
で記念撮影。今回は「スーパーカミオカンデ」「カ
ムランド」を見学した。スーパーカミオカンデはニュートリノ観測のための装置で、地下1000m
の場所に5万トンの純水タンクを設置、その周りに大量の光電子倍管を配置し、シンチレーショ
ン光と呼ばれるものを観測するものだ。今回はタンクの内部を見ることはできなかったが、ここ
を訪れた研究者たちの言葉が書かれた扉を見ることが
できた。
カムランドは旧カミオカンデ装置を改造したもので、
現在は東北大学の施設となっている。放射壊変により
地球内部からくるニュートリノを観測できるなど、地
球科学的に注目すべき施設である。神岡施設見学が終
わり、糸魚川市へ。フォッサマグナミュージアムにて
レクチャーを受ける。夜、権現荘へ。引率教授による
レクチャーを受ける。
3日目
セメント工場、電気化学工業(デンカ)へ。糸魚川周辺は良質の石灰岩が採れるらしい。その後、
青海川の河川敷へ。河原の石を観察し、火成岩などに関するレクチャーを受ける。また、ハンマ
ーやルーペの使い方についてもレクチャーされる。
昼食後、ヒスイ峡へ向かう。
本巡検中はほとんど太陽が顔をのぞかせることはなかっ
たが、幸い天候が
回復した。
ヒスイ峡へは舗装
された山道を1時
間ほどかけて到着
した。
その後、糸魚川―
静岡構造線付近の
地質を調査。
下は、ユーラシア
プレート(左)と北
アメリカプレート
(右)図である。
夜、権現荘へ。
7
引率教授によるレクチャーを受ける。
学生たちはだいぶ打ち解けてきた様子である。
4日目
草津白根山へ。
この日も天候は良くなく、霧が非常に濃く出て
いた。レクチャーを受けた後、湯釜を見学。
しかし、霧の影響でよく見えなかった。
雨が激しくなってきたため早々に下山。
一路東京へ。
この巡検を通し、学生たちが地球惑星科学に一層興味を持ってくれたら幸いである。
2.2.2
地惑巡検(2年次)
「地惑巡検」授業について
担当教員
廣瀬
敬
巡検に行く前の事前演習として、今年度はグランドキャニオン、メテオクレー タ、デスバ
レーの3カ所につき、英語の地質巡検案内書を読んできてもらい、それぞれにつきテストと
解説を行った。さらに、ローウェル天文台、スタンフォード大学、サンフランシスコ周辺に
露出する付加体の地質につき、講義した。
以前は、同様の巡検案内書を3人程度のグループ毎に読ませ、日本語の案内書に作り替え
るという演習を行ってきた。しかし、グループのメンバーの中で仕事量に差が出てしまう可
能性があること、一カ所の案内書しか作成していない(読んでいない)という問題点があっ
た。今回は自分たちでまとめ直すという作業が含まれていないものの、必ず自分で読む必要
がある、より多くの巡検先の勉強をさせるという意味でよかったのではないかと考えている。
日
程:平成23年2月25日~3月4日
参加学生:37名
引 率 者:廣瀬 敬教授、岩森 光教授
TA:岡田吉弘(M2)、今田沙織(M1)
スケジュール:
日
1
2/25
(金)
2
2/26
(土)
3
2/27
(日)
4
2/28
(月)
発着地・訪問先
成田発 フェニックス着
フェニックス発
グランドキャニオン着
グランドキャニオン国立公園
移動
内
容
空路
専用バス
専用バス
グランドキャニオン発
フラッグスタッフ着
専用バス
フラッグスタッフ発
ラスベガス着
専用バス
宿泊地
グランドキャニ
オン
国立公園見学
Bright Angel Trail のハイ
キング
サンセットクレーター見
学、ローウエル天文台見学
グランドキャニ
オン
フラッグスタッ
フ
メテオクレーター見学
ラスベガス
8
5
3/1
(火)
ラスベガス発
サンフランシスコ着
空路
デスバレー国立公園見学
3/2
(水)
サンフランシスコ
専用バス
スタンフォード大学見学
6
3/3
(木)
3/4
(金)
サンフランシスコ発
空路
7
8
サンフランシス
コ
サンフランシス
コ
機中泊
成田着
経費
[収入]
学生負担分
学科負担分
理学系(間接経費)
創造性育成科目経費
[支出]
学生負担分内訳
旅行会社支払
学科・学部負担分内訳
旅行社支払
教員旅費
TA旅費
解散
\6,947,060
\5,168,900
\139,700×37名
\1,528,160
\250,000
\6,947,060
\5,168,900 航空運賃、宿泊・保険・国立公園入園料等
\139,700×37名
\953,000 バス借り上げ補助
\545,760 教授1名(295,760円)教授1名(250,000円)
\279、400 修士課程学生2名
レポート
2 月 25 日
14 時に成田に集合。特に問題もなく、日本を出国することが出来た。ロサンゼルス空港到着。
急いで、国内線でフェニックスへ。約 10 時間の空の旅で、学生たちはくたくたな様子を見せ
ていたが、これから始まる一週間のアメリカ巡検での日々に期待しているようだった。
陸路、グランドキャニオンへ。約 6 時間のバスでの移動である。到着したときは 21 時を過
ぎており、真っ暗であった。真っ暗な闇の中、雪が降っていた。
2 月 26 日
宿に近いカフェテリアで、めいめい朝食
をとる。夜明けになり、グランドキャニオ
ンの全貌を目にした学生から、歓声があが
った。あいにく天気は雪がぱらついていた
が、この日以降の天候雪の予報のためブラ
イトエンジェルトレイルを行けるところま
で行くことにする。このトレッキンコース
は高低差 1600m、片道 14km の往復八時間
コースである。雪がすでに積りはじめてお
り足元に注意が必要なためゆっくりと下っ
9
ていく。写真のように大きく切り立ったとこ
ろであり岩石の変化が見やすくなっている。
所々で立ち止まりそれらを見ながら、岩石の
特徴や成因について解説を行いながらコース
を進んでいった。天候が徐々に悪化していっ
たので、全体の 3 分の 1 ほど進み昼食後はコ
ースを戻ることにした。
2 月 27 日
予定ではグランドキャニオンの展望台に行く
ことになっていたが、天候が悪いため明日の
訪問予定のメテオクレーターにこの日行くこ
とにした。8 時にホテルを出発し、フラッグス
タッフ郊外にあるメテオクレーターに向かう。
このクレーターは約 5 万前に形成されたもの
で直径 1.2~1.5km、深さ 170m である。クレ
ーターに隣接して博物館があり、このクレーターの成因などの解説を中心とした展示を行って
いる。まず、解説員の方から映像を用いた
解説を英語でしていただき、その後に学生
による質問を行った。英語での質問に学生
が四苦八苦していたが多くの学生が積極的
に質問していた。
その後の自由時間では学生たちは展示や実
際のクレーターの見学を行った。例年であ
れば、クレーターの端の部分を歩いて解説
員の方に案内していただくのだが、この日
は風が強いため中止となってしまった。昼
食ののち、ローウェル天文台に向かった。
この天文台は、冥王星が発見されたところ
でありそのほかには火星の研究がローウェ
ルによって行われてきた天文台である。こ
ちらでもまず、解説員の方から講義室にて
ローウェル天文台で現在行っている研究や
これまで行ってきたことについてレクチャ
ーを受けた。そののちに、展示物やいくつ
かの望遠鏡を実際に見せてもらいながら説
明を受けた。
閉館間際まで滞在したのちに、夕食は全員
でメキシコ料理を食べ、フラッグスタッフ
のホテルで宿泊。メキシコ料理の量が多く半分近く残している学生も見受けられた。
10
2 月 28 日
天候が回復したので、先日行く予定だったグ
ランドキャニオン国立公園展望台へ見学に行
く。前日、前々日とは打って変わって快晴で
ありグランドキャニオンを一望することがで
き学生はひたすら写真を撮っていた。ビジタ
ーセンターにはグランドキャニオンの縮小し
模型がいくつか展示してありそれを用いてグ
ランドキャニオンの形成について説明を行っ
た。
快晴で、本当に幸運だった。
いくつかのビューポイントを訪ねたのちラスベガスへ向かう。6 時ごろにラスベガスに到着。
就寝。
3月1日
早朝 6 時に、ホテルを出発。デスバレーへ向かう。
砂丘の砂を踏みしめ、砂丘の形成史を学ぶ。靴の中、
靴下の中まで砂でじゃりじゃりにさせながら、学生た
ちは楽しそうに先生の話を伺う。巡検も折り返し地点
を過ぎ、学生たちは、2 年生、3 年生共々打ち解けた
ようだ。TA にも心を開いてくれたようでなんだか、
うれしい。そのまま、バッドウォーターへ。見渡す限
り、真っ白な塩である。皆、そのしょっぱさを舌で味
わい、結晶の様子を観察する。
「ここが海抜 0m より下なんて!信じられない。
」バッ
ドウォーター
をながめなが
ら、各自昼食
をとる。昼食
後は、急ぎで
ラスベガス空
港へ。そのまま、サンフランシスコへと向かう。
21 時にホテルに到着。
11
3月2日
朝 8 時に、ホテルを出発。9
時にスタンフォード大学に到
着。午前中は、スタンフォー
ド大学の Professor Wendy
Mao のお話を伺い、実験室等
を見せていただく。丁寧にお
話をしてくださったので、英
語での講義であったが、学生
たちも理解が出来たようだ。
学生から、活発に質問の声が
あがる。とてもうれしい。そ
の後、スタンフォード大学全
体を自由に見て回った。
日本の大学ではありえない荘厳な教会から聞こえるゴスペル。広大な敷地。留学してみたい
と思った学生も多かったはずだ。バスに乗り、ゴールデンゲートブリッジへ。
フランシスカンの付加体を見学するものの、悪天候のため、さっくりと済ませる。それでも、
皆、ずぶぬれになり、寒がっていた。
フィッシャーマンズワーフへ。自由行動。アメリカの風俗に親しめたことであろう。お土産の
袋をたくさん提げて、バスに乗り込んできた。ホテルに戻って、ささやかな打ち上げ。学生た
ちとのアメリカでの日々が、明日で終わりだと思うと、ほっとするよりも、なぜかさみしい。
この子たちのなかで、自分たちの研究室に所属するものもいるのだ、と思うと、感慨深い。
名残惜しみながら、就寝。
3月3日
朝 8 時にホテルを出発。サンフランシスコ空港に到着。お土産を見たり、カフェに行ってみた
り、学生たちは英語でどんどん交流を図る。1 日目の、発音を気にして声が小さく聞き取りづ
らい恥ずかしがり屋な彼らは、どこに行ったのだろうか。
空路、成田へ。
3月4日
15 時、成田空港着。体調不良のものもおらず、皆元気に帰国することが出来た。先生からレポ
ート課題について、お話をうけ、諸注意のあと、解散。
やはり、帰国がうれしいのだろう。笑顔で帰ってゆく。レポートを忘れるなよ!と、心で思い
ながら、彼らと別れる。
地惑巡検は、2 年生の参加がほとんどである。彼らが、地球惑星科学を研究したいと思ってく
れる、お手伝いが出来たのなら、嬉しい。
文責
12
丸山研究室 D1 岡田吉弘
廣瀬研究室 M2 今田沙織
2.3. 大 学 院 教 育
2.3.1. 大 学 院 カ リ キ ュ ラ ム
以 下 に は 本 年 度 開 講 の 地 球 惑 星 科 学 専 攻 の 講 義 の み 掲 げ る 。な お 、各 教 員 の 下
で 行 わ れ る 特 別 演 習 、 講 究 な ど は 挙 げ な い 。 *は 非 常 勤 講 師 を 示 す 。
時限
1,2
3,4
月
5,6
7,8
1,2
3,4
火
5,6
7,8
講
前
学
義
名
期
後
担当者
名
担当者
高橋
中本
神田
火山流体化学
野上
MM地 惑 核 物 理 学
太陽系探査学
太陽系科学第一
中澤*
加藤
井田
放射性同位体地球化学
電波天文学
横山
北村
MM地 惑 物 性 化 学
河村
MM地 惑 無 機 化 学
Cutting Edge Topics in ESP2,4
MM国際アカデミックインターンシップ1,2
GCOE地 球 た ち コ ロ キ ウ ム
GCOE地 球 た ち ス テ ー タ ス リ ポ ー ト
GCOE地 球 た ち イ ン タ ー ン シ ッ プ
GCOE地 球 た ち 特 別 講 義 2
GCOE地 球 た ち 国 際 講 義 2
GCOE地 球 た ち インターナショナル
GCOE地 球 た ち チ ュ ー ト リ ア ル
GCOE地 球 た ち ア ウ ト リ ー チ
平田*
本蔵
綱川
井田・大森
井田・大森
井田・大森
吉 田・*阿 部
1,2
3,4 MM地 惑 電 磁 気 学
木
5,6
7,8 MM地 惑 核 物 理 学
綱川
中澤*
1,2
3,4 地 球 テ ク ト ニ ク ス 第 一
金
5,6 宇 宙 空 間 物 理 学 第 二
7,8
2.3.2.
義
期
マントル物質学
MM地 惑 惑 星 形 成 物 理 学
物理探査学第二
1,2
3,4
水
5,6
7,8
集
中
等
講
学
Cutting Edge Topics in ESP1,3
GCOE地球たち 特別講義1
GCOE地球たち 特別講義3
GCOE地球たち 特別講義5
GCOE地球たち 国際講義1
廣瀬
長井
本蔵
井田・中本
丸山
太田・丸山
*M.S.Johnson
D.P .M ck en zi e
中本・大森
井田・大森
井田・大森
大学院特別講義・集中講義
講義名
開講日
講師
MM地 惑 無 機 化 学
2011/2/21,22,23
平田岳史(京大)
GCOE地 球 た ち 特 別 講 義 1
2010/9/29,30
井田茂、中本泰史
GCOE地 球 た ち 特 別 講 義 2
2010/11/1,15
吉田尚弘、阿部彩子(東大)
GCOE地 球 た ち 特 別 講 義 3
2010/6/2,9
丸山茂徳
GCOE地 球 た ち 特 別 講 義 5
2010/6/23,30,7/7
太田宏之
GCOE地 球 た ち 国 際 講 義 1
2010/4/20,21
Matthew S. Johnson(Copenhagen大)
13
2.4. 博 士 論 文 ・ 修 士 論 文 ・ 学 士 論 文
2.4.1. 博 士 論 文 (課 程 博 士 )
氏
名
指導教員
健二
廣瀬
敬
Electrical and t hermal conduct ivit y of t he
Eart h’s lower mant le
井田
茂
Formation and Interior Structures of Gas
Giants with Small Cores
正博
井田
茂
加藤真理子
井田
茂
澤木
丸山茂徳
太田
堀
安範
荻原
佑介
杉村恵実子
廣瀬
土居
中本泰史
2.4.2.
氏
五味
榊
2.4.3.
氏
政雄
敬
論文題目
修了年月
H22.9
(早期修了)
H23.3
Accret ion of Rocky/Icy Bodies near t he Disk
Inner Edge: Eccentr icit y Trap of Super-Earths
H23.3
and Applicat ion to Satellit e Format ion
Format ion of a quasi-steady pressure bump
induced by t he magnetorotat ional inst abilit y and
H23.3
it s implicat ion for planet esimal for mat ion in
protoplanetar y disks
Surface environment in Ediacaran and Cambrian
H23.3
: Evidences from Sr and Ca isotope rat ios.
Volume and ionic conduct ivit y of H2O ice at
high pressure and temperature: I mplicat ions for H23.3
superionic ice in giant icy planet s
Format ion of Cosmic Spherule: Chemical
Analysis and Theory for Shapes, Composit ions,
H23.3
and Text ures
修 士 論 文 ( 修 了 年 月 : H22.9)
名
指導教員
論文題目
斎
廣瀬
敬
Electrical conductivity
static pressure
measurement of iron at high
洋子
廣瀬
敬
Phase relations in Fe- FeSi at high pressure
修 士 論 文 ( 修 了 年 月 : H23.3)
名
指導教員
明石
俊哉
北村良実
畔上
健太
北村良実
荒木
健友
伊藤
伸朗
岩井
貴弘
潮田
雅司
岡田
吉弘
岡林
識起
論文題目
A 13CO(J=1-0) Survey of Low Densit y Clumps in t he
L1551 Cloud wit h t he Nobeyama 45 m Telescope
Discover y of t hree collapsing cores in the Lupus1 wit h
the Nobeyama 45m and ASTE 10m telescopes
Grid-Based Radiat ive Transfer S imulat ion of Polarized
Light
In search of nucleosynt het ic Sr isotope anomalies in
横山哲也
chondrites
Development of At mospher ic Plasma Soft Ablat ion
横 山 哲 也 met hod(APSA)for high sensit ive and non-destruct ive
analysis of surface adhesion mat erials
A Study on Magma P lumbing System of Miyakejima
高橋栄一
Volcano based on High Pressure Experiment s
Zirco n U-Pb dat ing of t he Early Cambr ian Yanjiahe and
上 野 雄 一 郎 Zhujizquing Format ions, Sout h China and nitro- gen
isotopic study of relat ed Ediacaran microfossils
Iron isotope signature for ordinary chondrit es using laser
横 山 哲 也 ablat ion in liquid (LAL) sampling-ICP-MS technique
中本泰史
14
氏
名
指導教員
工藤
祐樹
廣瀬
敬
栗城
麻由
神田
径
坂井
友香
綱川秀夫
関根
康史
中本泰史
田中
瑛生
綱川秀夫
津曲
祐衣
高橋栄一
紘由紀
中本泰史
西村
佳
綱川秀夫
吹野
浩美
神田
径
細野
七月
井田
茂
松本
侑士
井田
茂
中島
静
鐵
中本泰史
論文題目
Sound velocit y measurement s of CaSio3 perovskit e under
lower mant le pressures
Characterist ics of frequency response funct ion bet ween
electric field and ground velocit y for natural and
art ificial eart hquakes
Preliminar y study on non-linear stabilit y of numer ical
dynamo in a rotat ing spherical shell: Implicat ions for
terminat ion of planet ary dynamo
From Hadley Cell to Superrotat ion:effect s of
axisymmetric equator-off heat ing on t he transit ion of
at mospheric circu lat ion
Mapping of lunar magnet ic anomalies using t he Kaguya
low alt itude data
Growt h process of Fe melt s in part ially molten
per idot it es :Toward an understanding of shock melt ing
process at the t ime of planet ary accret ion
Gravitat ional Collapse of Filamentary Molecular Clouds:
Transit ion from Isothermal to Non- Isot hermal Phase
Paleomagnet ism of 2.5 Ga granit e in Minnesota River
Valley, North Amer ica
Three-dimensional crust al resist ivit y struct ure around t he
Onikobe caldera, revealed by magnetotellurics
High-resolut ion simulat ions of giant impacts of
terrestrial planet s using a tree-Godunov-SPH met hod on
GPU
The Orbit al Stabilit y of P lanet s Trapped in Mean- Mot ion
Resonances
Planet esimal Bow Shocks: A Heat ing Mechanism for
Chondrule Format ion
2.4.4. 学 士 論 文 (修 了 年 月 : H22.9)
氏
山田
名
指導教員
晴輝
丸山茂徳
論文題目
スバルバード諸島北東島のエディアカラ紀堆積岩
の 炭 素 、 酸 素 と Sr同 位 体 変 動
2.4.5. 学 士 論 文 ( 修 了 年 月 : H23.3)
氏
名
指導教員
敬
論文題目
High-temperature equat ion of state of (Mg,Fe)S iO3
perovskite
佐々木文豊
廣瀬
田中
大允
高橋栄一
部分融解カンラン岩の粘性率
佐藤
俊也
綱川秀夫
月周回衛星搭載ガンマ線分光計の軌道上性能評価
鈴木
滋徳
高橋栄一
富士火山宝永噴出物のメルト包有物
瀧
哲朗
井田
原始惑星系円盤の非一様密度分布とダスト集積
茂
15
氏
名
指導教員
論文題目
本園
晋作
中本泰史
短周期地球型系外惑星における大気加熱による質量
放出の可能性:
渡辺
幸佑
吉川邦夫
ポ リ ス チ レ ン の 熱 分 解・水 蒸 気 改 質 ガ ス 化 に 関 す る 研
究
出浦
大誉
原科幸彦
中等教育の教科書における環境アセスメントの記述
奥井
航
横山哲也
始原的隕石のストロンチウム安定同位体分析
尾花
勝太
中本泰史
木星トロヤ群形成に対する土星成長の影響
加藤
圭
山中浩明
黒崎
健二
櫻井
萌
高橋栄一
佐藤
泉
野上健治
佐藤
毅
河村雄行
鈴木
佑允
丸山茂徳
鈴木
遼平
丸山茂徳
須田
好
丸山茂徳
芹澤
由尚
原科幸彦
高橋
宏和
横山哲也
堤
若菜
山中浩明
中尾
泰斗
梅干野晁
野口
正直
廣瀬
井田
茂
敬
大岡山キャンパスにおける微動及び地震動のアレイ
観測による地下構造の推定
ホットネプチューンの質量と平均密度の関係に対す
る系統的理解
FTIRを 用 い た マ ン ト ル 鉱 物 間 の 水 分 配
桜島火山南岳における火山噴火様式と火山灰水溶性
成分
圧 力 そ の 場 X線 回 折 に よ る モ ン モ リ ロ ナ イ ト 粘 土 鉱 物
の膨潤挙動の解析
Tectonic development of Buchan met amorphic unit in NE
Scot land,UK: Int erpretat ion of detrit al zircon ages from
met asedimentary rocks.
雲の性質変化が気候にもたらす影響
陸 上 蛇 紋 岩 熱 水 の 水 素 お よ び メ タ ン の 起 源:白 馬 地 域
温泉の溶存ガス分析
広域的景観形成における法定景観協議会の役割~木
曽川景観協議会を事例として~
隕 石 の 147S m-143Ndお よ び 146Sm-142Nd年 代 測 定 法 の
開発
地震波干渉法によるグリーン関数合成に関する基礎
的研究
戸建住宅の緑と居住者意識の変化との関連性に関す
る事例研究
Stabilit y and equat ion of state of magnesit e in t he lower
mant le
地上型レーザースキャナを用いた都市空間における
樹木の三次元情報の取得
領 域 気 象 モ デ ル WRF の 流 域 ス ケ ー ル 降 雨 予 測 へ の 適
用性に関する研究
本田友里香
梅干野晁
八木
綾子
木内
渡辺
龍哉
横山哲也
始 原 的 隕 石 の 238U/235U同 位 体 比 異 常 検 出 の 試 み
山崎布美香
中本泰史
化学反応を含めた衝撃波の流体シミュレーション
豪
16
2.5. 修 了 者 等 の 進 路
2.5.1. 博 士 課 程 修 了 者 ・ 退 学 者
日本学術振興会特別研究員(東工大)
日本学術振興会特別研究員(国立天文台)
学術振興会研究員(名大)
IHI
日本学術振興会研究員(海洋研究開発機構)
日本学術振興会研究員(東工大)
オネスト
2.5.2. 修 士 課 程 修 了 者
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
新日本製鐵
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
ヤフー
JSOL
キヤノン
東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 博 士 課 程( 環 境 理 工 学 創 造 専 攻 )
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
京都大学大学院理学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
インターフェイス
ウェザーニュース
日本ユニシス
法科大学院
未定
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
みずほ証券
富士通
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程(地球惑星科学専攻)
野村総合研究所
2.5.3. 学 部 修 了 者
東京計装株式会社
トヨタ自動車
東京大学大学院理学系研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京大学大学院理学系研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
土木管理総合試験所
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
簡保生命保険
未定
川口市立在家中学校
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院社会理工学研究科修士課程(価値システム専攻)
17
東 京 工 業 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 研 究 科 修 士 課 程( 環 境 理 工 学 創 造 専 攻 )
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程(環境理工学創造専攻)
東京大学大学院理学系研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程(環境理工学創造専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(国際開発工学専攻)
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程(地球惑星科学専攻)
東京計装株式会社
18
3.教室研究発表会
3.1. 開催概要
3.1.1. 開催日時等
恒例の地球惑星科学教室発表会を2011年3月14日、15日に開催すべく準備していた
が、3月11日に起きた東日本大震災のため開催を中止した。2011年度に入ってから、
規模を縮小して下記のとおり開催した。
開 催 日:
開催場所:
3.1.2.
2011年6月22日(水)
東京工業大学石川台2号館318号室
研究発表会プログラム
座長
6月22日
綱川秀夫
地球・月・惑星磁場探査-2010 年度版-
09:50-10:05
10:50-11:10
高橋 太
松島政貴
岡元太郎
長井嗣信
地球らしいダイナモとは何か
月の電磁探査と内部構造
沈み込み帯浅部超低周波地震ほか
宇宙空間物理学の課題
11:10-11:30
長澤真樹子
スリングジュピターとホットジュピターと
11:30-11:50
佐藤文衛
系外惑星の観測的研究
11:50-12:05
生駒大洋
系外短周期スーパー地球の起源と構造
13:20-13:40
井田
系外惑星:ケプラーの発表と理論研究
13:40-14:00
中本泰史
ダスト加熱・輻射輸送計算
14:00-14:20
横山哲也
初期太陽系の安定同位体不均質
14:20-14:40
廣瀬
廣瀬研のこの一年
14:55-15:10
舘野繫彦
最下部マントルの融解
15:10-15:25
駒林鉄也
地球深部物質の相平衡実験
15:25-15:45
岩森
地球の物質分化と循環
15:45-16:00
大森聡一
10:05-10:20
10:20-10:35
茂
敬
光
鈴木 敏弘
09:30-09:50
河合 研志
挨拶
上木 賢太
専攻長
武藤 恭之
09:25-09:30
沈み込み帯をめぐるシステム:
温度構造について その2
変成岩
中村:天然試料で捉える地殻流体の挙動
地殻流体
浜田:長石-メルト間の水素の分配を決定するためのマグ
16::35-1655
上野雄一郎
還元的な地球初期大気
16:55-17:15
丸山茂徳
地球史から宇宙史解読研究へー展望と見通しー
17:15-17:35
学生有志
もし地惑のD3が「もしドラ」を読んだら
17:35
専攻長
挨拶・終了
発表の内容は7章に掲載した。
19
拓
マ融解実験
竹内
16:15-16:35
3.2.授業評価
地球惑星科学科では毎年「学生による授業評価」を行っている。アンケート結果
は授業担当者(教員)にフィードバックするとともに、年度末に行われる教室発表会
において学生による発表を行っている。2010年度は教室発表会が中止となったため、
2011年4月21に行われた新2年生歓迎会において発表が行われた。
以下は授業評価委員によるまとめである。とりまとめにご尽力いただいた授業評価
委員の皆様に感謝する。
3.2.1 学部学生による授業評価
2010 年度授業評価委員
3年
2年
寺田卓馬
加藤千恵
和田義輝
幸野淑子
1. 授業評価の目的
・ 授業についてのアンケートによる学生の意見をもとに、改善点を先生方にフィード
バックする。
・ 例年は楽しい授業やわかりやすい授業が高評価を得ていたが、今年度はそれだけで
はなく、「学生にどれだけ興味を持たせ、勉強させたか」を評価のポイントとした。
・ 今年度の最大の特徴は、自由記述欄で学生に「良い授業とはどのような授業か」と
いう質問をしたことである。それらを授業評価委員なりにまとめたので、先生方に
は今後の参考にしていただければ嬉しい限りである。
2. 授業評価の方法
・ 授業評価アンケートは前期と後期の授業終盤に実施した。
・ アンケートの内容は大きく分けて以下の 4 つの項目に分けられる。
Ⅰ.教員の指導能力の項目別評価
Ⅱ.学生の学習態度の自己評価
Ⅲ.授業の総合評価
Ⅳ.先生へのメッセージなど
・以上の項目を次のような計算で 100 点満点として得点をつけ順位付けした。
Ⅰ.教員の指導能力 平均点×6 (30 点満点)
Ⅱ.学生の学習評価 平均点×2 (10 点満点)
Ⅲ.授業の総合評価 平均点×12(60 点満点)
合計 100 点満点
3. 授業評価結果
授業全体の得点分布は以下のようになった。
平均点 75.46
最高点 88.78
最低点 58.21
全体的に大きな差は見られないが、平均点以下の8授業が厳しい評価を受けているよう
である。
20
4. 評価の低かった授業について
<電磁気学第一>
学生の声
・ 板書が速い。
・ 黒板を消すのが速い。
・ 板書が行ったり来たりする。
・ 数式に日本語を補ってほしい。
・ 例題が少ない。
・ ベクトル解析が大事だとわかった。
・ 字が綺麗。大きい。
・ 最後のまとめがよかった。
分析:電磁気学は板書の量(特に数式)が多いので、追いつけない学生が多いようである。
板書の字や、最後のまとめは高評価である。
<地球物質学>
学生の声
・ 一回のプリントの量が多く、講義で消化しきれていない。
・ プリントの説明が演習の助けにならない。
・ 相平衡図についてもっと詳しく説明して欲しかった。
・ 学生の理解度を把握出来ていない。
・ 宿題の設問が分かりにくい。
分析:プリントを配り、演習の課題を出す形式は高評価だが、プリントの内容と演習が
つながっていないと感じた学生が多かったようである。
<地球史>
学生の声
・ 休講が多い
・ 早く終わる。
・ 内容が少ない。
・ 学生に質問させすぎ。
・ 計画的に授業を行ってほしい。
・ 学生に考えさせるスタイルがよかった。
21
分析:学生と議論するスタイルは高評価だったが、その分計画的な授業が行われず、内
容に満足できない学生が多かったようである。
5. 評価のよかった授業について
<物理数学演習・解析力学演習>
学生の声
・ わかりやすい授業だった。
・ 配布物が分かりやすくて自習しやすかった。
・ 毎回小テストがあるからモチベーションを保つことができた。
・ 先生がフレンドリーなので質問しやすかった。
・ 手が止まっていると声をかけてくれた。
・ 時間の使い方が適切だと感じられた。
・ 解答の間違えが多かった。
分析:毎回の小テストやわかりやすい配布資料で、学生の自主的な学習を促していたよ
うである。また、学生とコミュニケーションを取ることで、理解度の把握をして
いたようである。
<地惑巡検>
学生の声
・ 実学なので、座学みたいには眠くならないし、行って見てみるというのは、やはり
身に付き方が違う。百聞は一見に如かず。
・ アメリカをじかに感じられた。
・ 質問がしやすい環境であり、学生の自発性が促されていた。
・ すごく楽しかった。興味がわいた。
・ 全部。
・ アメリカの文化が分かった。英語のモチベーションが上がった。
・ 先生が頼りになる!
分析:巡検で学生の興味を引き出しながらの授業だったようだ。楽しく学べたという学
生が多数だったようだ。
<地球惑星物理化学第二>
・ パワポの 2 刀流がよかった。
・ 復習してみるとわかりやすい。
・ 書く量が多すぎて説明をあまり聞けなかった。
<惑星科学序論>
・ 最先端の研究にも触れていて良い。
・ 学生参加型だった。
・ 先生がこの分野を好きだということがわかった。
<地球惑星物理化学第三>
・ 学生が理解出来ないときは、理解できるように噛み砕いて説明していた。
・ 毎回のレポートは為になった。
6. 良い授業とは
最初に述べたように、今年度の授業評価の最大の目的は「良い授業とは何か」を考え
ることである。今回、この質問に対する解答は非常に多数寄せられた。まずは、その中
の一部を紹介したいと思う。
学生の声
22
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
難しいが、わかると面白い。
単位がくる。
学生と先生が対話する。
教科書または配布資料があり予習して臨める。例題や練習問題で発表に触れられる。
勉強の良きペースメーカー
どんな内容にせよ、先生が人として尊敬できること。
学生間でも議論ができて、先生にも質問しやすい。
先生と学生が共に考え、学生が質問しやすい。ほぼ学生によって能動的に作られる
授業。
「この先生の話をもっと聞きたい」と思えるような。
一日に一つテーマがある。
疑問をもつことができる授業。
ノートを見返して理解できる板書。
そんなものはない。
勉強したら新しい世界が開けそうだ!というワクワク感がある授業。
先生が学生の理解度を考慮して話をしてくれる授業。(一方通行ではない授業。)
専門性に長けていて、知的好奇心を刺激するような授業。
以上の学生の声をまとめて授業評価委員では以下のような結論を出した。
まず、私たちは良い授業とは学生が「のめり込める授業」であると考える。その上で
必要な3要素を、「理解度把握」「疑問」「信頼」と定めた。
ひとつずつ見ていくと、「理解度把握」とは学生の理解度を把握することである。学
生からの質問を受け付けたり、学生の発言を促すこと学生の理解度を把握すれば、より
適切な指導ができると考えた。次に「疑問」とは学生に疑問を持たせるということであ
る。課題や発展的内容を提示したり、教材を充実させることで学生の予習を促せば、学
生は授業内容に疑問を持つ機会が増え、自発的に学習をすると考えた。最後に、「信頼」
とは学生との信頼関係を築くということである。先生が熱意のある授業をしていたり、
学生が質問したときに丁寧な対応をしてもらえれば、学生との信頼関係が築け、授業に
取り込みやすくなると考えた。
以上の3要素の充実で「のめり込める授業」=「良い授業」が作られるというのが私
たち授業評価委員が出した結論である。
23
7. まとめ
今年度は大きなテーマを「良い授業とは」に絞って活動してきた。その結果、私たち
なりに「良い授業」についての結論を出したが、これは「良い授業」についての結論の
1つでしかない。別な考え方もあるだろう。しかし、この1年間を通して考えてきた結
論を先生方の今後の授業の参考にしていただければ、私たち授業評価委員としても嬉し
い限りである。よろしくお願い致します。
24
4.研究教育交流
4.1. 地 惑 セ ミ ナ ー 開 催
第 330回
平 成 22年 6 月 23日
沖 野 郷 子 (東 京 大 学 ・ 大 気 海 洋 研 究 所 )
海洋デタッチメント断層:大規模正断層は海底拡大プロセスと熱
水循環系を支配するか?
第 331回
平 成 22 年 6 月 30 日
寺崎英紀(東北大学・地球惑星物性学分野)
高圧下における鉄合金融体の物性
第 332回
平 成 22年 7月 7 日
中沢弘基(物質・材料研究機構)
生命起源の地球史的必然性
第 333回
平 成 22年 7 月 14日
町田正博(国立天文台・理論研究部)
分子雲コアからの円盤形成とガス惑星の形成可能性
第 334回
平 成 22年 10月 13日
奥住 聡(名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻)
原始惑星系円盤における塵の帯電と惑星形成への影響
第 335回
平 成 22年 10月 20日
櫻庭 中(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)
地球ダイナモは再現できたか:コアのねじれ振動のシミュレーシ
ョン
第 336回
平 成 22年 11月 10日
中島淳一(東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測セ
ンター)
フィリピン海プレートの沈み込みと関東地方の地震テクトニクス
第 337回
平 成 22年 12月 15日
内 田 麻 理 香( サ イ エ ン ス コ ミ ュ ニ ケ ー タ ー /東 京 大 学 大 学 院 情 報 学
環・学際情報学府)
社会への理解を目指す科学技術
4.2. 関 連 シ ン ポ ジ ウ ム 等 開 催
本専攻教員が主導的立場で企画・開催したシンポジウムのみを挙げる。
井田 茂
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, Ishigaki, Japan, 6月20日~26日
岩森 光
日本地球化学会 "Geofluids:地球内部流体とその役割"、立正大学、9月7日、
世話人:岩森光、横山哲也、小木曽哲
高 橋 栄 一 First International Symposiuim on Geofluids, Tokyo, Japan, 東工大ディジ
タル多目的ホール、 3月17日~19日
横 山 哲 也 First International Symposium on Geofluids: Geofluid processes in
subduction zones and mantle dynamics、東工大ディジタル多目的ホール、3
月17日~19日、世話人:高橋栄一・岩森光・横山哲也
(震災により口頭発表・ポスター発表は中止となったが、完成した予稿集を参
加者全員に配付し、ネットを介した議論を行なうことで、会議は成立した)。
25
4.3. 国 際 研 究 集 会 へ の 参 加
4.3.1. 教 員 の 国 際 研 究 集 会 へ の 参 加
生 駒 大 洋 An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, Ishigaki, Japan, 6月20日~26日
Exo Climes 2010, Exeter, U.K., 9月6日~13日
In The Spirit of Lyot 2010, Paris, France, 10月24日~31日
井田 茂
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, Ishigaki, Japan, 6月20日~26日
International Astronomical Union, Torino, Italy, 10月9日~19日
Planetary Population Synthesis: The Predictive Power of Planet Formation
Theory, Ringberg, Germany, 11月29日~12月5日
岩森 光
Western Pacific Geophysics Meeting, Taipei, Taiwan, 6月22日~25日
Dynamic Earth and Heterogeneous Structure, Tohoku University G-COE
Symposium, Sendai, Japan, 7月13日~15日
上 野 雄 一 郎 Goldschmidt Conference, Knoxville, USA. 6月18日~24日
岡 元 太 郎 GPU Solutions to Multiscale Problems in Science and Engineering、ハルビ
ン、中国, 7月27日~29日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
小 川 康 雄 20th Electromagnetic Induction Workshop, Giza, Egypt, 9月18日~24日
加藤 学
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~18日
河 村 雄 行 2010 Sea-CSSJ-CMS Trilateral Meeting on Clays, Seville, Spain, 6月6日~
11日
駒 林 鉄 也 American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
佐 藤 文 衛 Astronomy of Exoplanets with Precise Radial Velocities, PA, USA, 8月16
日~19日
5th Annual EAPSNET Workshop, Weihai, China, 8月23日~25日
8th East Asian Meeting on Astronomy Symposium, Shanghai, China, 10月10
日~15日
佐 久 間 博 2010 Sea-CSSJ-CMS Trilateral Meeting on Clays, Seville, Spain, 6月6日~
11日
21st IUPAC International Conference on Chemical Thermodynamics
(ICCT-2010), Tsukuba, Japan, 8月1日~6日
高橋 太
Study of the Earth’s Deep Interior, Santa Barbara, CA, USA, 7月19日~
7月23日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~18日
舘 野 繁 彦 20th General Meeting of the International Mineralogical Association,
Budapest, Hungary, 8月21~27日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13~17日
綱 川 秀 夫 Western Pacific Geophysics Meeting, Taipei, Taiwan, 6月22日~25日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
26
長井
嗣信
中本
泰史
浜田
盛久
廣瀬
敬
松島
政貴
丸山
茂徳
横山
哲也
月14~17日
Earth-Sun system exploration variability in space plasma phenomena, Kona,
U.S.A., 1月17日~21日
AGU Chapman Conference on relationship between auroral phenomenology and
magnetospheric processes, Fairbanks, U.S.A., 2月28日~3月4日
Computational Star Formation, Barcelona, Spain, 5月31日~6月4日
Evolving Theory for Planet Formation, Ishigaki, Japan, 6月20日~25日
Lunar and Planetary Science Conference, Houston, USA, 3月7日~11日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
First International Symposium on Geofluids, Tokyo, Japan, 3月17日~19日
20th General Assembly of International Mineralogical Association (IMA),
Budapest, Hungary, 8月21日~27日
The 12th Symposium of Study of the Earth's Deep Interior, Santa Barbara,
U.S.A.. 7月18日~23日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
The 5th Kaguya (SELENE) Science Working Team Meeting, Tokyo, Japan, 1
月17日~19日
International workshop Geodynamic Evolution, Tectonics and Magmatism of
the Central Asian Orogenic Belt, アルタイ,ロシア, 7月29日~30日
42nd Lunar and Planetary Science Conference, The Woodlands, USA,3月8
日~12日
First International Symposium on Geofluids: Geofluid processes in
subduction zones and mantle dynamics, Tokyo, Japan, 3月17日~19日
4.3.2. 研究員、院生、学生等の国際研究集会への参加
石 川 智 子 2010 Geological Society of America, Denver, USA, 10月30日~11月4日
今 井 崇 暢 American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
今 田 沙 織 American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
上 木 賢 太 American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
宇 野 正 起 American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
太 田 健 二 American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
岡 田 吉 弘 Goldschmidt 2010, Knoxville, USA, 6月12日~19日
岡 林 識 起 10th European Workshop on Laser Ablation, Kiel, Germany, 6月29日~7月1日
荻 原 正 博 An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
加藤真理子
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
27
河合
研志
工藤
祐樹
國友
正信
黒川
宏之
五味
斎
坂井
友香
佐々木貴教
佐藤
佐藤
寿年
雅彦
竹内
拓
立浪
千尋
田畑
田中
美幸
圭
Tulay Kaya
辻野 典秀
土居
中島
政雄
静
中島
美紀
原川
紘季
2010 Western Pacific Geophysics Meeting, Taipei, Taiwan, 6月20日~7月1日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月13日~17日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~19日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
5th Annual EAPSNET Workshop, Weihai, China, 8月23日~25日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
42nd Lunar and Planetary Science Conference, The Woodlands, USA,3月6
日~13日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~19日
The 12th Symposium of Study of the Earth's Deep Interior, Santa Barbara,
U.S.A.. 7月18日~23日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
Asia Oceania Geosciences Society’s 7th Annual Meeting, Hyderabad, India,
7月5日~9日
AOGS 2010, Hyderabad, India, 7月3日~11日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~19日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~17日
Goldschmidt 2010, Knoxville, USA, 6月12日~20日
Computational Star Formation, Barcelona, Spain, 5月31日~6月4日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
The Origin of Stellar Masses, Tenerife, Spain, 10月16日~10月24日
20th Electromagnetic Induction Workshop, Giza, Egypt, 9月17日~10月10日
American Geophysical Union 2010 Fall Meeting, San Francisco, U.S.A., 12
月12日~19日
AOGS 2010, Hyderabad, India, 7月4日~11日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
28
吹野 浩美
樋口有理可
堀
安範
松倉
大士
松本
侑士
武藤
恭之
山本
伸次
20th Electromagnetic Induction Workshop, Giza, Egypt, 9月17日~10月10日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
AOGS 2010, Hyderabad, India, 7月4日~11日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~26日
Dynamics of Astrophysical Disk, Beijing, China, 5月9日~22日
An Ishigaki International Conference on Evolving Theory for Planet
Formation, 石垣島, 日本, 6月20日~25日
2010 Annual Convention of the International Association for Gondwana
Research, Chintao, China, 9月25日~10月2日43
4.4. 研 究 員 等 の 受 け 入 れ
4.4.1. 客員研究員
Renata Wentzcovitch (Univ. Minnesota)
Razvan Caracas (CNRS, Lyon)
[廣 瀬
[廣 瀬
敬]
敬]
4.4.2. 日本学術振興会外国人特別研究員
Dai Lidong(中 国 科 学 ア カ デ ミ ー )
[廣 瀬
敬]
4.4.3. 日 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究 員
浅 井 佳 子 (RPD)
河 合 研 志 (PD)
佐 々 木 貴 教 (PD)
佐 藤 桂 (PD)
太 田 健 二 (PD)
[長 井 嗣 信 ]
[丸 山 茂 徳 ]
[井 田 茂 ]
[高 橋 栄 一 ]
[廣 瀬 敬 ]
4.4.4. 日 本 学 術 振 興 会 特 別 研 究 員 (DC)
石 川 智 子 ( DC1)
今 井 崇 暢 ( DC1)
宇 野 正 起 ( DC2)
太 田 健 二 ( DC1)
荻 原 正 博 ( DC1)
小 澤 春 香 ( DC2)
加 藤 真 理 子 ( DC1)
斉 藤 拓 也 ( DC1)
澤 木 佑 介 ( DC2)
杉 村 恵 実 子 ( DC2)
立 浪 千 尋 ( DC2)
田 中 圭 ( DC1)
[丸 山 茂 徳 ]
[高 橋 栄 一 ]
[岩 森 光 ]
[廣 瀬 敬 ]
[井 田 茂 ]
[廣 瀬 敬 ]
[井 田 茂 ]
[丸 山 茂 徳 ]
[丸 山 茂 徳 ]
[廣 瀬 敬 ]
[井 田 茂 ]
[中 本 泰 史 ]
29
辻 野 典 秀 ( DC1)
堀 安 範 ( DC2)
山 田 健 太 郎 ( DC2)
吉 崎 も と 子 ( DC1)
[高 橋 栄 一 ]
[井 田 茂 ]
[丸 山 茂 徳 ]
[丸 山 茂 徳 ]
4.4.5. 留 学 生
Tulay Kaya (ト ル コ ・ 国 費 留 学 生 )
[小 川 康 雄 ]
4.4.6. 受託研究員
4.4.7. その他研究員
鈴 木 敏 弘 ( IFREE固 体 地 球 統 合 フ ロ ン テ ィ ア 研 究 機 構 派 遣 研 究 員 )
Taeho Park( 科 学 研 究 費 教 育 研 究 支 援 員 )
上木賢太(産学官教育研究支援員)
李 毅兵(科学研究費教育研究支援員)
山本伸次(特別教育研究プロジェクト研究員)
[高 橋 栄 一 ]
[岩 森
光]
[岩 森
光]
[丸 山 茂 徳 ]
[丸 山 茂 徳 ]
4.5. 非常勤講師等の引き受け
(非)、(謝)は非常勤講師、謝金講師を、無印はそれ以外を示す。
岩森 光
京都大学(非)『地球の物質分化とダイナミクス』」
神戸大学(非)『地球のマントル対流』
筑波大学(非)『地球内部の物質分化と循環』
京都大学(非)『沈み込み帯の流体過程』
上 野 雄 一 郎 朝日カルチャーセンター(謝)『小惑星衝突と恐竜の絶滅』
岡元太郎
玉川大学・工(非)『地球科学』
独立行政法人建築研究所 客員研究員
神田 径
東京大学・地震研究所(非)『電磁気学的手法による水蒸気爆発発生場の
研究』
廣瀬 敬
お茶の水女子大学(非)
中本泰史
東京大学・教養(非)『惑星地球科学Ⅱ』
横山哲也
都市大学東京・大学院理工学研究科(非常勤)『化学特別講義I』
4.6. 学 外 活 動
井田 茂
生駒大洋
岩森
光
上野雄一郎
日本惑星科学会会長(H22.12.31迄)日本惑星科学会副会長(H23.1.1~)
日本惑星科学会総務委員、日本惑星科学会編集委員、日本惑星科学会学会
賞選考委員
Associate editor of Geochemical Journal、日本地質学会地質学雑誌副編
集委員長、日本地球化学会「地球と宇宙の化学事典」編集委員、日本地球
惑星科学連合理事、日本地球惑星科学連合固体地球サイエンスセクション
ボード、国際陸上掘削計画(ICDP)審査委員、京都大学防災研究所客員教
授、文部科学省学術調査官、文部科学省地震及び火山噴火予知研究計画準
備委員
連合大会コンビーナ、Goldschmidt Conf. コンビーナー、進化学会LOC、
30
岡元太郎
小川康雄
河村雄行
神田 径
高橋栄一
綱川秀夫
長井嗣信
長沢真樹子
中本泰史
浜田盛久
廣瀬 敬
本蔵義守
丸山茂徳
横山哲也
International Symposium on Isotopomer SC
日本地震学会代議員
地震予知連絡会委員、東京大学地震研究所糸魚川静岡構造線断層帯調査研
究運営委員会委員、東京大学地震研究所神縄・国府津―松田断層帯調査研
究運営委員会委員、(財)地震予知総合研究振興会サイスモテクトニクス研
究会委員、地球惑星科学連合学会教育問題検討委員会委員、地震予知火山
噴火予知研究協議会火山噴火準備過程ワーキンググループ委員、国際地学
オリンピック日本委員会運営委員 理事、日本原子力研究開発機構研究嘱
託、産業技術総合研究所地質情報研究部門客員研究員、産業技術総合研究
所地圏資源環境研究部門 外部評価委員、IAGA working group 1.2主席
日本分子シミュレーション研究会会長、コンピュータ化学会理事、日本化
学会 計算化学デビジョン幹事
地震・火山噴火予知研究協議会人材ワーキンググループ委員
日本学術会議・地球惑星科学委員会・連携会員、地球惑星科学連合・大学
大学院教育委員会・委員長
地球電磁気・地球惑星圏学会大林奨励賞委員
(財)理工学振興会専門委員会委員、日本学術会議電気電子工学委員会URSI
分科会プラズマ波動小委員会委員
日本惑星科学会総務専門委員、同学会賞選考委員、同選挙管理委員
日本惑星科学会運営委員,同財務専門委員長、Earth Planet and Space誌
編集委員、日本地球惑星科学連合プログラム局副局長、文部科学省教科用
図書検定調査審議会臨時委員
日本科学者会議東京支部幹事
Science Member of the Board of Reviewing Editors
Physics of the Earth and Planetary Interiors Editor
地球電磁気・地球惑星圏学会評議員
日本学術会議地球惑星科学委員会委員、地学雑誌編集委員会委員、科学研
究費委員会専門委員、日本地質学会評議員
Chemical Geology誌Associate Editor
31
4.7.
研究設備一覧
設備名
型式
電 気 炉 -1( 丸 型 )
自作
電 気 炉 -2( 角 型 )
自作
電気マッフル炉
アドバンテック
KM-13021
乾 燥 炉 110℃
イ ス ズ ATS-13
真 空 乾 燥 炉 220℃
ヤ マ ト DP33
マルチアンビル
SPI-1000
マルチアンビル
KAT-D
ピストンシリンダ
ー( Boyd-England)
ピストンシリンダ
ー ( Kennedy)
ピストンシリンダ
ー ( ET型 )
内熱ガス圧装置
HIP2000
内熱ガス圧装置
HIP5000
内熱ガス圧装置
HIP8800
トライエンジニア
リ ン グ 荷 重 1000t
トライエンジニア
リ ン グ 荷 重 1000t
神 戸 製 鋼 300ト ン
神 戸 製 鋼 600ト ン
トライエンジニア
リ ン グ 荷 重 1000t
神戸製鋼所2000気圧
神戸製鋼所5000気圧
神戸製鋼所8800気圧
顕 微 FTIR装 置
日本分光(全真空型)
IRT5000
小型旋盤
コ ス モ L-7000
精密ボール盤
自作(型番なし)
小 型 NC加 工 機
CAMM-3
精密切断機
ISOMET
工具顕微鏡
ミ ツ ト ヨ MF
EPMA装 置
日 本 電 子 JXA8800
マイクロフォーカ
ス XRD装 置
レーザーラマン分
光光度計
蛍光X線分析装置
-1
蛍光X線分析装置
-2
リ ガ ク
RINT2000
JASCO
電
部屋
管理者
石実1
108
高橋栄一
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
気
NRS-2000C
Rigaku 3550
Rigaku RIX2100
32
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石実1
108
石2
107
石2
107
石2
107
石2
107
石2
107
高橋栄一
高橋栄一
その他
1 気 圧 1600 ℃ ま で
の酸素雰囲気制御
実験
1 気 圧 1400 ℃ ま で
の雰囲気制御実験
1 気 圧 1100 ℃ ま で
の実験
高橋栄一
乾燥保存
高橋栄一
乾燥保存
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高 圧 実 験 20GPa
2000℃ ま で
変 形 実 験 20GPa
2000℃ ま で
高 圧 実 験 3GPa
2000℃ ま で
高 圧 実 験 3GPa
2000℃ ま で
高 圧 実 験 2GPa
1500℃ ま で
高 圧 実 験 0.2GPa
1500℃ ま で
高 圧 実 験 0.5GPa
1500℃ ま で
高 圧 実 験 0.88GPa
1500℃ ま で
鉱物やガラス中の
H2O、 CO2な ど の 定
量分析ほか
セラミクス金属
材料加工
小型試料への穴
あけ
小 型 試 料 の 3次 元
加工
高橋栄一
小型試料の切断
高橋栄一
試料の採寸
高橋栄一
高橋栄一
鉱物やガラスの局
所定量分析など
鉱物および鉱物粉
末の局所X線回折
丸山茂徳
鉱物相同定
丸山茂徳
・岩森光
丸山茂徳
・岩森光
岩石試料主要元素
濃度測定
岩石試料主要元素
濃度測定
設備名
紫外フェムト秒レ
ーザーアブレーシ
ョン装置"
マイクロドリリン
グ装置
クリーンルーム
クリーンルーム
表面電離型質量分
析計
四重極型誘導結合
プラズマ質量分析計
ウルトラマイクロ
天秤
オートスチル
(蒸留装置)
型式
サイバーレーザー社
IFRIT+ SHG/THG
ユニット
部屋
GEOMILL326
Class 100、 ク リ ー
ンベンチ, クリーン
ドラフト他
Class 100、 ク リ ー
ンベンチ, クリー
ンドラフト他
ThermoFisher
TRITON-plus
ThermoFisher
X-series II
メ ト ラ ー XP2U
(最 小 : 0.1µg)
管理者
その他
石2
110
岩森光
微小領域サンプリ
ング
石2
110
岩森光
微小領域サンプリ
ング
石2
109
岩森光
試料化学処理・分
析準備
石2
119
横山哲也
試料化学処理・分
析準備
横山哲也
高精度同位体測定
大型遠心分離器
コクサン
H-103(250mLx4)
石2
110
石2
110
石実1
105
石実1
105
石実1
105
ガスクロマトグラ
フ 質 量 分 析 計
(GCMS)
Agilent
7890A + 5975C
石実1
102
上野雄一郎
有機・無機ガスの
定性・定量
光化学チャンバー
自 作 ( D2ラ ン プ /
SSチ ャ ン バ ー /
VUV分 光 光 度 計 )
石実1
102
上野雄一郎
真空紫外分光・反
応実験
真空ライン各種
自作(ステンレス・ 石実1
ガラス)
102
安定同位体比質量
分析計
ThermoFischer
AT253+GC-isolink
石実1
102
パ ッ ク ド カ ラ ム GC
( TCD+PDD検 出 器 )
GL Science
GC-4000 TCD/PDD
Fritsch 4 連 遊 星 型
ボールミル(メノ
ウ )/WCミ ル /ビ ー ド
サ ン プ ラ ー /マ ッ フ
ル炉
Maruto 岩 石 カ ッ
ター(大型・中型・
小型)/ ジョークラ
ッ シ ャ ー /ダ イ ア モ
ン ド ソ ー /マ ル ノ コ
Maruto
小型カッ
タ ー・プ レ パ ラ ッ プ
( x 2) ・ グ ラ イ ン
ダ ( x 2)
SS ミ ル ・ WC ミ ル / 椀
か け /重 液 遠 心 分 離
/磁 選 装 置 /顕 微 鏡
石実1
105
無機ガス分取・分
上 野 雄 一 郎 離 ・ 精 製 ( CO2,
CH4, SF6等 )
高精度安定同位体
上 野 雄 一 郎 計 測 ( H, C, N, O,
S)H23導 入 中
無機ガス定量・分
上野雄一郎
離・精 製 H23導 入 中
本館
142
丸山茂徳
岩石の粉末化、乾
上野雄一郎 燥処理
本館
142
丸山茂徳
岩石試料の切断、
上野雄一郎 粉砕
本館
B05
丸山茂徳
岩石薄片の作成
上野雄一郎 (切断・研磨)
本 館
B03D
丸山茂徳
鉱物分離
上野雄一郎
粉末試料調整室
試料切断室
石工室
鉱物分離室
YAMATO WG203
33
横山哲也
微量元素濃度分析
上野雄一郎
微量サンプルの秤
量
上野雄一郎
化学抽出処理・鉱
物分離
上野雄一郎 蒸留水の常時供給
設備名
鉱物分離室
試料調整室
イオンスライサ
スパッタ装置
型式
SSミ ル ・ WC ミ ル /椀 か
け /重 液 遠 心 分 離 /磁
選 装 置 /顕 微 鏡
ドラフト
クリーンベンチ
JEOL
ION
SLICER
EM-09100 IS
QUICK
COATER
SC-701HMC II
Nd:YAGレ ー ザ ー
YLFレ ー ザ ー
CO2レ ー ザ ー
ラマン分光光度計
JASCO DSH-785
マイクロスコープ
システム
ア ク シ ス プ ロ APS-S1
実体光学顕微鏡
Nikon SMZ1500
LEICA M205C
OLYMPUS SZX12/16
マッフル炉
ISUZU Muffle Furnace
真空オーブン
Vacuum Oven ADP 200
デジタルマルチメ
ータ
セミミクロ分析天
びん
ADCMT 6581
Keithley Model 2000
透過型電子顕微鏡
部屋
丸山茂徳
鉱物分離
上野雄一郎
本 館
B03D
石2
123
石2
123
石2
123
石2
123
石2
123
石2
123
石2
123
丸山茂徳
岩 石・粉 末 試 料 の
上野雄一郎 化学処理
電子顕微鏡観察
廣瀬敬
用試料の薄膜化
金 属 (Pt,Au 等 ) の
廣瀬敬
成膜
微小試料の加熱
廣瀬敬
微小試料の加工
石2
123
石2
123
石2
123
石2
123
JEOL
2010
transmission
electron
microscopy + Oxford
Inca Energy-dispersive
analytical
system
ダイヤモンドアン
ビルセル
廣瀬敬
微小試料の加熱
廣瀬敬
微小試料の加熱
廣瀬敬
廣瀬敬
微小試料観察
廣瀬敬
微小試料観察
廣瀬敬
廣瀬敬
廣瀬敬
廣瀬敬
廣瀬敬
石2
123
廣瀬敬
磁気シールド室
約 2. 3m立 方 、 残 留 磁
場 = 20~ 50nT
石2
118
綱川秀夫
振動試料型磁力計
( VSM)
Princeton
Measurements
石2
118
綱川秀夫
帯磁率計
Bartington
石2
114
綱川秀夫
石2
114,
118
綱川秀夫
スピナー磁力計
( 2台 )
MS2
夏原技研
34
その他
本 館
B03D
石2
123
SHIMADZU AUW220D
管理者
高圧発生
無磁場中の実験・
測 定 。ク リ ー ン 度 、
ク ラ ス 10万 可 能
キ ュ リ ー 点 、磁 気
履歴曲線の測定。
最 大 磁 場 1 T、10K
~ 1000K。
岩石等の帯磁率
測 定 。直 径 1 イ ン
チ以下試料用。
火山岩の磁化測
定。手動。
設備名
型式
部屋
管理者
スピナー磁力計
AGICO
石2
114
綱川秀夫
交流消磁装置
夏 原 技 研( 最 大 140mT)
石2
118
綱川秀夫
その他
火山岩から堆積
岩 の 磁 化 測 定 。調
整中。
ARM, OARM着 磁 可 。
手動。
最 大 180mT 。 交 流
消磁と残留磁化
を自動的に測定。
火 山 岩 向 き 。ARM,
OARM着 磁 可 。
室 温 ~ 700 ℃ の 電
気 炉 。残 留 磁 場 <
20nT 。 0 ~ 100μ T
の直流磁場の印
加可能。
地磁気レベル以
下の弱磁場測定
用 。 1軸 。
地磁気レベル以
下の弱磁場モニ
タ 用 。 3軸 。
地磁気レベル以
上の強磁場測定
用。
自動交流消磁スピ
ナー磁力計
夏原技研
石2
114
綱川秀夫
熱 消 磁 炉 (2台 )
夏原技研
石2
114
綱川秀夫
フラックスゲート
磁力計
Bartington MS1
石2
114
綱川秀夫
フラックスゲート
磁力計
国際電子
石2
114
綱川秀夫
ホール素子磁力計
東陽電子
石2
114
綱川秀夫
パルスマグネタイ
ザ
イ ギ リ ス 製 (Magnetic
Measurements)
石2
114
綱川秀夫
最 大 10T。
望遠鏡
MEADE
LX200-ACF30
( 口 径 30cm)
石2
屋上
佐藤文衛
天体観測
MEADE
LX200-ACF30
( 口 径 30cm)
MEADE 8” Schmidt
cassegrain Telescope( 口 径 20cm)
Vixen
SXD-ED103S
( 口 径 10cm)
Vixen BT-80A
( 口 径 8cm)
石2
313
綱川秀夫
天体観測
石2
313
綱川秀夫
天体観測
綱川秀夫
天体観測
綱川秀夫
天体観測
望遠鏡
望遠鏡
望遠鏡
双眼鏡
古地磁気サンプリン
グツール
テレビ会議システム
石2
313
石2
313
夏原技研製
石2
114
綱川秀夫
フィールドでの
1” コ ア 岩 石 試 料
の採取
SONY PCS-1他
石2
115,
315,
石6
404B
井田 茂
大森聡一
セ ミ ナ ー・講 義 等
中継
35
5.教室運営
5.1. 教 室 会 議 申 し 合 わ せ
5.1.1. 博 士 学 位 早 期 取 得 申 請 に 関 す る 申 し 合 わ せ
博 士 論 文 研 究 と し て 卓 越 し た 研 究 成 果 が あ り 、か つ 、下 記 の 要 件 を 満 た す 場 合
指導教員は博士学位早期取得を専攻長へ申請することができる。
(1)本 専 攻 大 学 院 担 当 教 員 3 名 ( 指 導 教 員 、 副 指 導 教 員 を 含 む ) の 推 薦 が あ る
こと。ただし、推薦教員3名のうち1名以上は、本専攻専任教員であるこ
と。
(2)申 請 者 の 第 一 著 者 と な っ て い る 論 文 が 国 際 学 術 雑 誌 に 3 本 以 上 掲 載 あ る い
は受理されていること。
( 平 成 22年 6 月 16日 地 惑 専 攻 会 議 に て 承 認 )
5.1.2.助 教 再 任 審 査 申 し 合 わ せ 改 訂
旧 :教 員 会 議 は ,速 や か に 再 任 審 査 委 員 会( 以 下「 委 員 会 」と い う 。)を 設 置
しなければならない。
新 :教 員 会 議 は ,速 や か に 再 任 審 査 委 員 会( 以 下「 委 員 会 」と い う 。)を 設 置
し,学系長及び理学系教授会に報告しなければならない。
# 助 手 → 助 教 に 変 更 に な っ た 際 に 、人 事 選 考 委 員 選 出 が 理 学 系 投 票 を 経 る こ と
となった。
#再任審査委員についても、系長経由で教授会へ報告し(投票はしなくとも)
了承を得る。
( 平 成 22年 9 月 15日 地 惑 専 攻 委 員 会 に て 承 認 )
5.2. 教 室 予 算
教室予算については別途記す。ここには積算当校費以外の費目のみ挙げる。
(単位 :千 円)
特別予算費目名
金額
代表者
主要支出項目
間接経費(理学系)
5,700
専攻長
・巡検授業への支援
・非常勤講師雇用
・教員室整備
・ pubnet敷 設
系長特別経費
700
専攻長
・防犯カメラ設置
全学科目配分
2,600
専攻長
・全学科目学生実験拡充
5.3. 科 学 研 究 費 補 助 金 等 の 交 付
[]内 は 交 付 金 額 ( 直 接 経 費 ) 、 『 』 内 は 研 究 課 題 を 示 す 。
井田 茂
基 盤 (A)( 代 表 ) [9.300千 円 ]
『系外惑星系の主星重元素比依存性』
井田 茂
基 盤 (S)( 分 担 ) [1,600千 円 ]代 表 : 平 木 敬 ( 東 大 )
『ルビーによる高生産な超並列・超分散計算ソフトウエア基盤』
岩森 光
基 盤 (A)( 代 表 ) [2,000千 円 ]
『 沈み込んだ海嶺の地震学的構造探査:大陸成長機構の解明に向けて』
36
岩森
光
岩森
光
岩森
光
岩森
光
上野雄一郎
上野雄一郎
上野雄一郎
大森聡一
大森聡一
河村雄行
河村雄行
佐久間博
佐藤文衛
佐藤文衛
高橋栄一
高橋栄一
高橋栄一
高橋
太
舘野繁彦
基 盤 (A)( 代 表 ) [33,200千 円 ]
『 沈 み 込 み 帯 マ ン ト ル の 不 均 質 性 の 解 明 :地 球 化 学 ト モ グ ラ フ ィ
ーに向けて』
新 学 術 ( 代 表 ) [46,600千 円 ]
『地殻流体の発生と移動のダイナミクス』
基 盤 (S)( 分 担 ) [200千 円 ] 代 表 者 : 加 藤 泰 浩 ( 東 大 ・ 工 )
『画期的な海底鉱物資源としての含金属堆積物の包括的研究』
二 国 間 交 流 事 業 ( 日 独 ) [2,500千 円 ]
『 沈 み 込 み 帯 の 流 体 プ ロ セ ス の 解 明:二 相 流 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ
ンと観測からの制約』
若 手 (A)( 代 表 ) [12,400千 円 ]
『波長依存同位体効果による古大気組成の解読』
基 盤 (A)( 分 担 ) [700千 円 ]代 表 者 : 高 井 研 ( JAMSTEC)
『 極 限 環 境 微 生 物 代 謝 に よ る 生 体 元 素 同 位 体 分 別 ・平 衡 効 果 の 体
系的研究』
先端研究助成基金助成金(最先端次世代研究開発支援プログラ
ム ) ( 代 表 ) [110千 円 ]
『安定同位体異常を用いた地球大気硫黄循環変動の解析』
基 盤 (C)( 代 表 ) [1,200千 円 ]
『 原 生 代 の 温 暖 化: 下 部 地 殻 岩 石 に 見 る 大 規 模 脱 二 酸 化 炭 素 イ ベ
ントの証拠と表層環境変動』
基 盤 (B)海 外 学 振( 分 担 )[100千 円 ]代 表 者:市 来 雅 啓( 東 北 大 学 )
『日豪共同長基線電場観測による大陸上部マントル標
準マントル電気伝導度モデルの構築』
基 盤 (C)( 代 表 ) [1,200千 円 ]
『鉱物結晶表面の構造と水和』
新 学 術 ( 分 担 ) [6,710千 円 ]代 表 者 : 中 村 美 千 彦 ( 東 北 大 )
『地殻流体の形態と物性』
若 手 (B)( 代 表 ) [900千 円 ]
『表面誘起分子組織化による固体表面間の液晶の潤滑に関する研究』
若 手 (B)( 代 表 ) [600千 円 ]
『視線速度および測光観測に基づく中質量星の惑星系の研究』
特 別 推 進 ( 分 担 ) [3,000千 円 ]代 表 者 : 田 村 元 秀 ( 国 立 天 文 台 )
『赤外線新技術による太陽系外惑星研究の展開』
基 盤 (A) (代 表 ) [5,800千 円 ]
『地球内部進化に果たすマグマの役割』
新 学 術 ( 代 表 ) [10,900千 円 ]
『地殻流体:その実態と沈み込み変動への役割』
新 学 術 ( 分 担 ) [2,200千 円 ]代 表 者 : 小 木 曽 哲 ( 京 大 )
『地殻流体の起源と化学』
若 手 (B)( 代 表 ) [1,500千 円 ]
『 高精度ダイナモシミュレーションスキームの開発:超低粘性ダイナモの実現』
若 手 (B)( 代 表 ) [2,200千 円 ]
『核マントル境界領域におけるマントル物質の融解関係と元素
分配の決定』
37
綱川秀夫
中本泰史
長井嗣信
廣瀬
敬
廣瀬
敬
廣瀬
敬
松島政貴
松島政貴
丸山茂徳
横山哲也
竹内
拓
竹内
拓
山本伸次
河合研志
河合研志
浅井佳子
石川智子
今井崇暢
太田健二
基 盤 (C)( 代 表 ) [1,800千 円 ]
『月磁気異常の詳細解析に基づく古月ダイナモ検証』
基 盤 (C)( 代 表 ) [1,100千 円 ]
『コンドリュール形成理論の新展開:宇宙塵との比較を用いて』
基 盤 (C)( 代 表 ) [1,100千 円 ]
『地球放射線帯の相対論的エネルギー電子の加速メカニズムの
観測とモデルからの解明』
若 手 (S)( 代 表 ) [9,600千 円 ]
『 超 高 圧 地 球 科 学 :最 下 部 マ ン ト ル ・ 中 心 核 の 物 質 学 』
基 盤 (A)( 分 担 ) [1,500千 円 ] 代 表 者 : 松 井 正 典 ( 兵 庫 県 立 大 )
『高温における圧力スケールの確立と地球内部地震波不連続面
への適用』
基 盤 (S)( 分 担 ) [4,000千 円 ] 代 表 者 : 平 田 岳 史 ( 京 都 大 学 )
『超高圧地球化学:地球中心核の化学進化』
基 盤 (B)( 代 表 ) [3,500千 円 ]
『地震波と地球磁場の共鳴による電磁場生成』
基 盤 (B)( 分 担 ) [1,000千 円 ] 代 表 者 : 田 中 聡 ( JAMSTEC)
『地球内核境界の構造とダイナミクス− 半球構造の成因− 』
基 盤 (A)( 代 表 ) [配 分 11,200千 円 ]
『固体地球・表層環境・生命の共進化』
若 手 (B)( 代 表 ) [1,300千 円 ]
『プレソーラー粒子の高精度同位体分析による重元素合成プロ
セスの解明』
基 盤 ( C) ( 代 表 ) [800千 円 ]
『ベガ型星の観測により検証可能な微惑星形成理論の構築』
萌 芽 ( 分 担 ) [300千 円 ]代 表 : 林 祥 介 ( 神 戸 大 )
『原始惑星系降着円盤の運動構造に関する地球流体力学的考察』
基 盤 (B)海 外 学 振 ( 分 担 ) [50千 円 ]代 表 者 : 市 来 雅 啓 ( 東 北 大 学 )
『日豪共同長基線電場観測による大陸上部マントル標準マント
ル電気伝導度モデルの構築』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( PD) [900千 円 ]
『最新のアレイデータと波形インバージョン手法による最下部
マントル構造推定とその起源』
日 本 学 術 振 興 会 優 秀 若 手 研 究 者 海 外 派 遣 事 業 [ 1,335千 円 ]
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( RPD) [1,000千 円 ]
『人工衛星の直器観測データに基づく地球放射線帯の変動モデ
ルの開発』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [700千 円 ]
『後期原生代〜顕生代カンブリア紀の表層環境解読』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [700千 円 ]
『地球マグマオーシャンの化学分化解明に向けた実験的研究』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [600千 円 ]
『地球深部物質の電気伝導度測定』
38
荻原正博
小澤春香
加藤真理子
佐々木貴教
佐藤
桂
齋藤拓也
澤木佑介
杉村恵実子
Dai Lidong
立浪千尋
田中
圭
辻野典秀
堀
安範
武藤恭之
山田健太郎
吉崎もと子
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [600千 円 ]
『低質量星まわりのハビタブル・ ゾーンにおける地球型惑星形成』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC2) [800千 円 ]
『 地 球 中 心 核 条 件 に お け る 超 高 圧 超 高 温 実 験 : 鉄 -軽 元 素 合 金 の
融解相関係の決定』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [600千 円 ]
『磁気回転不安定性の非一様な成長による原始惑星系円盤ガス
の回転速度変化と微惑星形成』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( PD) [800千 円 ]
『 地 球 型 惑 星 一 般 に お け る 惑 星 大 気 の 初 期 進 化 と 、そ れ が 惑 星 表
層環境へ与える影響の評価』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( PD) [1,000千 円 ]
『大陸衝突帯の変成作用プロセスの実験岩石学的検証と記載岩
石学的解析』
特 別 研 究 員 奨 励 費 (DC1)[700千 円 ]
『熱水性石英中流体包有物を用いた古海水組成の推定』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC2) [900千 円 ]
『原生代後期の地球表層環境変動の解読』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC2) 700千 円
『 氷 の 高 温 高 圧 電 気 抵 抗 測 定 と 密 度 測 定 に よ る 天 王 星 ・海 王 星 の
磁場と内部構造の研究』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( 外 国 人 ) 800千 円
『 ブリルアン散乱測定による下部マントル鉱物の弾性波速度決定』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC2) 700千 円
『系外地球型惑星の内部ダイナミクス、熱進化と表層環境進化』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) グ ロ ー バ ル COE[700千 円 ]
『大質量星形成:輻射圧を克服する質量降着メカニズムの解明』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [800千 円 ]
『下部マントルのレオロジー解明に向けた実験岩石学的研究』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC2) [700千 円 ]
『 エ ン ベ ロ ー プ の 重 元 素 量 の 起 源 と コ ア 質 量 か ら 木 星 ・土 星 の 形
成過程の解明』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( PD) [1,000千 円 ]
『現実的な惑星形成理論の構築および系外惑星の観測に向けた
円盤・惑星相互作用の解明』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC2) [700千 円 ]
『 南中国三峡地域の原生代/顕生累代境界層から抽出した分子化石』
特 別 研 究 員 奨 励 費 ( DC1) [700千 円 ]
『超苦鉄質岩の熱水変質による水素発生過程の解明』
39
5.4. 委 任 経 理 金 等 の 受 け 入 れ
5.4.1. 委 任 経 理 金
新規無し
5.4.2. 受 託 研 究 費
岩森 光
JSPS[1,000千 円 ]
河村雄行
長 崎 窯 [301千 円 ]
河村雄行
大 林 組 [1,050千 円 ]
河村雄行
原 子 力 環 境 セ ン タ ー [3,835千 円 ]
5.4.3. 共 同 研 究
河村雄行
ト ヨ タ 自 動 車 [3,150千 円 ]
河村雄行
日 本 板 硝 子 [231千 円 ]
5.5. 学 内 委 員 の 分 担
5.5.1. 全 学 委 員 会 等
委員会等の名称
理学系長
評議員
I類 主 任
宇宙地球科学実施委員長
学内施設等委員会
委員会等の名称
火山流体研究センター運営委員会
学生相談室相談員
省エネサポーター推進責任者
理学部高真空・高分解電子顕微鏡運営委員会
バイオ研究基盤支援総合センター運営委員会
留学生センター・留学生相談員
2009年 度
---高橋栄一
---中本泰史
2010年 度
---高橋栄一
---中本泰史
SY加 点 数
2.0
2.0
2009年 度
本蔵義守
河村雄行
横山哲也
廣瀬 敬
横山哲也
高橋栄一
丸山茂徳
2010年 度
岩森光
---横山哲也
廣瀬 敬
横山哲也
---丸山茂徳
SY加 点 数
----------
岩森光
岩森光
上野雄一郎
2009年 度
綱川秀夫
河村雄行
高橋栄一
綱川秀夫
井田 茂
丸山茂徳
横山哲也
2010年 度
綱川秀夫
高橋栄一
河村雄行
綱川秀夫
井田 茂
丸山茂徳
横山哲也
5.5.2.
アジアアフリカ生物多様性・バイオテクノロジー研究センタ
ー運営委員会
電子波デバイス研究システム運営委員会
情報系教育研究機構運営委員会
ホームカミングデイ実行委員会
5.5.3.
学部内委員会等
委員会等の名称
学科長・専攻長
理学系・理学部運営委員会
理学系評価室委員
拡大代議員構成員
理学流動機構運営委員会
理 学 系 建 物 WG
40
SY加 点 数
4.5
理学部ヴァンデグラフ粒子加速装置運営委員会
放射線同位元素等委員会
理学系教育委員会
理学部教育委員会
全学科目実施委員会
助言教員(2・3・4年次)
1類クラス担任
理学部学生支援室
理学系ホームページWG
情報倫理委員会
理学系広報室
専攻内委員等
委員会等の名称
執行部委員
執行部委員
実験委員長
地惑安全室長(兼建物委員長)
地惑総合教育検討委員長
地惑セミナー委員
長井嗣信
---中本泰史
中本泰史
中本泰史
河村雄行
丸山茂徳
中本泰史
河村雄行
駒林鉄也
---井田 茂
廣瀬 敬
横山哲也
中本泰史
中本泰史
中本泰史
河村雄行
岩森光
長井嗣信
河村雄行
2009年 度
井田 茂
河村雄行
河村雄行
横山哲也
中本泰史
岡元太郎・
駒林鉄也
岡元太郎・
生駒大洋
井田 茂
河村雄行
2010年 度
井田 茂
河村雄行
河村雄行
横山哲也
中本泰史
駒林鉄也・
松島政貴
生駒大洋・
松島政貴
井田 茂
河村雄行
松島政貴
5.5.4.
ネットワーク管理委員
年報編集委員
就職担当教員
5.6. 学 部 授 業 等 の 分 担
5.6.1. 科 目 別 担 当 者 一 覧
*
印は非常勤講師を示す。
学期
授 業 科 目
1 宇 宙 地 球 科 学 B (a)
宇 宙 地 球 科 学 A (b)
宇 宙 地 球 科 学 B (c)
宇 宙 地 球 科 学 A (d)
宇宙地球科学基礎ラボ1
宇宙地球科学基礎ラボ2
理学特別講義(Fゼミ)
2 宇 宙 地 球 科 学 A (a)
宇 宙 地 球 科 学 B (b)
宇 宙 地 球 科 学 A (c)
宇宙地球科学基礎ラボ3
2009年 度
丸山・井田・廣瀬・綱川
衣笠・田村・山中
波 岡・中 村・吉 田
中本・本蔵
綱川・岡元・樋口
丸山・廣瀬
中本
丸山・井田・廣瀬・綱川
岩森・横山
中本・小宮
中本・佐藤・中島*
41
SY加 点 数
2.0
2.0
0.5,
0.5
0.5,
0.5
2010年 度
岩森・井田・廣瀬・中本
衣笠・田村・山中
波 岡・中 村・吉 田
長井・丸山
岡元・樋口
丸山・廣瀬
--廣瀬・岩森・井田・中本
河村・佐藤
綱川・長沢
中本・佐藤・日下部*
備考
3
4
5
6
7
8
生駒
生駒
---綱川
中本
河村
廣瀬
------井田
廣瀬
綱川
横山
岩森・上野
井田
丸山
横山
高橋
横山・駒林・松島・河村・横山
河村
高 橋・小 川・野 上
井田・篠原*
本蔵
大森・舘野
綱川
各教員
綱川・河村
小宮
長井
---各教員
Cutting Edge Topics in Earth and
本蔵
Planetary Sciences 1
Cutting Edge Topics in Earth and 本 蔵
Planetary Sciences 3
地球惑星科学特論B
---地球惑星科学特論C
北村
地球惑星科学特論D
---地惑コロキウム第二
各教員
Cutting Edge Topics in Earth and
本蔵
Planetary Sciences 2
Cutting Edge Topics in Earth and
本蔵
Planetary Sciences 4
解析力学演習C
物理数学演習第一C
電磁気学第一
電磁気学演習第一C
惑星科学序論
地球惑星物理化学第一
地質学野外実習
量子力学(地惑)
量子力学演習(地惑)
熱統計力学演習第一C
地球惑星物質学序論
地球惑星物理学序論
地球惑星物理化学第二
地惑巡検
流体・弾性体力学序論
地球史
宇宙化学
地球物質学
地惑実験
地球惑星物理化学第三
火山学
数値地球惑星科学
地惑内部物理学
地球惑星物理化学実験
地球惑星電磁気学
地惑演習
地惑応用実験
生命環境学
宇宙プラズマ物理学
地球惑星科学特論A
地惑コロキウム第一
42
生駒
生駒
長井
長沢
中本
河村
上野
中 澤 *・ 高 橋 太
中 澤 *・ 高 橋 太
井田
廣瀬
長井・綱川
横山
廣瀬・岩森
井田
丸山
横山
高橋
駒林・大森・松島・横山・中村
岩森
高 橋・小 川・野 上
井田・篠原*
本蔵
舘野・浜田
綱川・長井
各教員
綱川・河村
上野
長井
---各教員
本蔵
本蔵
---北村
---各教員
本蔵
本蔵
H22よ り
H22よ り
H22よ り
開講せず
開講せず
開講せず
5.6.2. 教 員 別 科 目 担 当 一 覧
科 目 名 の あ と の( )内 の 数 字 は 分 担 コ マ 数 を 示 す( 但 し コ マ 数 1 の 場 合 は 略 )。
ま た * 印 は SY点 に 加 点 し な い こ と を 示 す 。
担当者名
生駒大洋
SY加 点
2.0
井田
茂
3.0
岩森
光
3.5
前期担当科目
物理数学演習第一C
解析力学演習C
宇 宙 地 球 科 学 B (a)(0.25)
流体・弾性体力学序論
宇 宙 地 球 科 学 B (a)(0.25)
地球惑星物理化学第三
地質学野外実習
地 惑 実 験 (2)
宇宙地球科学基礎ラボ1(2)
地球惑星物理化学第一
上野雄一郎
大森聡一
岡元太郎
河村雄行
2.0
2.0
2.0
2.0
駒林鉄也
佐久間 博
佐藤文衛
2.0
2.0
1.0
地 惑 実 験 (2)
地 惑 実 験 (2)
高橋栄一
1.5
地球物質学
火 山 学 (0.5)
高橋
太
1.0
舘野繁彦
綱川秀夫
0.5
2.0
中村仁美
中本泰史
0
2.0
長井嗣信
2.5
長沢真樹子
浜田盛久
1.5
0.5
廣瀬
敬
4.0
宇 宙 地 球 科 学 B (a)(0.25)
宇宙地球科学基礎ラボ2(0.5)
本蔵義守
3.0
Cutting Edge Topics in Earth and
Planetary Sciences 1, 3
松島政貴
2.0
後期担当科目
宇 宙 地 球 科 学 A (a)(0.25)
熱統計力学演習第一C
数 値 地 球 惑 星 科 学 (0.5)
宇 宙 地 球 科 学 A (a)(0.25)
地 惑 巡 検 (2)
生命環境学
宇 宙 地 球 科 学 B (b)( 0.5)
地 惑 応 用 実 験 (0.5)
宇宙地球科学B(b)(0.5)
宇宙地球科学基礎ラボ3(0.5)
量子力学(地惑)(0.5)
量子力学演習(地惑)(0.5)
地球惑星物理化学実験(0.5)
宇 宙 地 球 科 学 A (c) (0.5)
地 球 惑 星 物 理 学 序 論 (0.5)
地 球 惑 星 電 磁 気 学 (0.5)
地 惑 応 用 実 験 (0.5)
地 惑 実 験 (*)
宇 宙 地 球 科 学 B (a)(0.25)
惑星科学序論
宇 宙 地 球 科 学 A (d)(0.5)
電磁気学第一
宇 宙 プ ラ ズ マ 物 理 学 (*)
電磁気学演習第一C
地 惑 実 験 (2)
43
宇 宙 地 球 科 学 A (a)(0.25)
宇宙地球科学基礎ラボ3(0.5)
地 球 惑 星 物 理 学 序 論 (0.5)
地 球 惑 星 電 磁 気 学 (0.5)
宇宙地球科学A(c)(0.5)
地球惑星物理化学実験(0.5)
宇 宙 地 球 科 学 A (a)(0.25)
地球惑星物質学序論
地 惑 巡 検 (2)
地惑内部物理学
Cutting Edge Topics in Earth and
Planetary Sciences 2, 4
丸山茂徳
2.0
横山哲也
4.0
宇 宙 地 球 科 学 A (d)(0.5)
宇宙地球科学基礎ラボ2(0.5)
地球史
地 惑 実 験 (2)
宇宙化学
地球惑星物理化学第二
5.7. Sabbatical Year 制 度
5.7.1. 本 年 度 の Sabbatical Year
無し
5.7.2.
次 年 度 の Sabbatical Year 候 補 者
氏名
期間
高橋栄一
H23.4.1~ H24.3.31
出張先
5.7.3. S Y 持 ち 点 加 算
本年度のSY持ち点加算の基準は下記の通りである。
授 業 等 担 当 ( 1 学 期 1 コ マ ) 1.0 ( 註 : 大 学 院 、4 年 次 及 び 全 員 が 担 当 す る 授
業は含まない)
専攻長
4.5( 2008年 度 よ り ;卒 論 ・修 論 ・博 論 も 担 当 +0.5)
評議員
2.0
地 惑 教 育 総 合 検 討 委 員 長 2.0
地惑安全室委員長
2.0
その他妥当と思われる委員等: 本人の申し出による
これらに従い下表の加点を行う。
S-行 列
氏名
2010SY点
学部教育
加点
委員等加点
2011SY点
順位
井田
茂
47.0
3.0
50.0
④
岩森
光
2.5
3.5
5.5
⑪
上野雄一郎
1.0
2.0
3.0
⑫
大森聡一
0.5
2.0
2.5
⑬
河村雄行
22.5
2.0
24.5
⑦
佐藤文衛
0.5
1.0
1.5
⑮
高橋栄一
54.0
1.5
評 議 員 :2.0
57.5
②
綱川秀夫
56.5
2.0
専攻長・学科長: 4.5
63.0
①
中本泰史
13.0
2.0
地惑教育総合検討委員長: 2.0
17.0
⑨
長井嗣信
16.5
2.5
19.0
⑧
1.5
1.5
⑮
長沢真樹子
廣瀬
敬
46.0
4.0
50.0
④
本蔵義守
41.0
3.0
44.0
⑤
44
丸山茂徳
26.5
2.0
28.5
⑥
横山哲也
10.0
4.0
16.0
⑩
2010SY点
学部教育
加点
2011SY点
順位
▲ 0.5
⑦
27.5
②
▲ 3.0
⑧
1.0
1.0
⑤
0.5
1.0
⑤
中村仁美
2.0
1.0
⑤
浜田盛久
0.5
0.5
⑥
地 惑 安 全 室 長 :2.0
J-行 列
氏名
生駒大洋
▲ 3.0
2.0
岡元太郎
25.5
2.0
駒林鉄也
▲ 5.5
2.0
高橋
太
舘野繁彦
0.5
委員等加点
ネ ッ ト ワ ー ク 委 員 : 0.5
地 惑 セミナー委 員 :0.5
ネ ッ ト ワ ー ク 委 員 : 0.5
35.5
①
地 惑 セミナー委 員 :0.5
( 注 )サ バ テ ィ カ ル 行 使 に よ り 持 ち 点 か ら 教 授 、准 教 授 、助 教 各 々 、30、20、10
点を減点する。
松島政貴
5.8.
32.5
2.0
職員研修
佐藤文衛
平 成 22年 度( 第 4 回 )東 京 工 業 大 学 FD研 修 、11月 22日 ~ 23日 、湘 南 国
際村センター
45
6.将来構想案
6.1. グ ロ ー バ ル COE「 地 球 か ら 地 球 た ち へ : 生 命 を 宿 す 惑 星 の 総 合 科 学 」
平 成 21年 度 ~ 25年 度 の 期 間 、表 記 プ ロ ジ ェ ク ト が 採 択 さ れ て い る 。下 記 に 平 成
23年 に 行 わ れ た 中 間 評 価 に 関 す る 報 告 の 一 部 を 抜 粋 し て 掲 載 す る 。
「 グローバルCOEプログラム」(平 成 21年 度 採 択 拠 点 )
進 捗 状 況 報 告 書 ・拠 点 形 成 計 画 調 書 (中 間 評 価 用 )
機 関 名
機関番号
東京工業大学
拠点番号
12608
K03
1.機関の代表者
2.申 請 分 野
3.拠点のプログラム名称
学長 伊賀 健一
K <学 際 、 複 合 、 新 領 域>
地 球 から地 球 たちへ:生 命 を宿 す惑 星 の総 合 科 学
(英訳名)
Fro m the Ea rth to “Earths”: Interdisciplinary study on habitable planets
研究分野及び
キーワード
研究分野:地球惑星科学
キーワード:(惑星形成・進化)(地球史)(地殻・マントル・核)(理論天文学)(ゲノム多様性)
4.専 攻 等 名
大学院理工学研究科 地球惑星科学専攻、化学専攻、大学院生命理工学研究科 生命情報専攻、生体シス
テム専攻、大学院総合理工学研究科 環境理工学創造専攻、化学環境学専攻(H23/4/1追加)
5.連 携 先 機 関 名
東京大学 大学院理学系研究科地球惑星科学専攻、大学院総合文化研究科広域科学専攻、海洋研究
所(H22/4/1大気海洋研究所に改組)、気候システム研究センター(H22/4/1大気海洋研究所に改組)
6.事 業 推 進 担 当 者
ふ り が な <ロ ー マ 字 >
氏
名 (年 齢 )
(拠 点 リ ー ダ ー )
IDA SHIGERU
井田 茂
FUJ IMO TO MA SA KI
藤本 正樹
KUROKAWA KEN
黒川 顕
TA KA HASHI EIIC HI
高橋 栄一
YOSHIDA N AO HIR O
吉田 尚弘
O HTA HIROY U KI
太田 啓之
HIR OSE KEI
廣瀬 敬
MARUYAMA
SHIGENORI
丸山 茂徳
TSUN A KAWA HID EO
綱川 秀夫
NA KAMO TO TA ISHI
中本 泰史
YO KOYAMA
TE TSUYA
横山 哲也
KITAM URA YO SHIM I
北村 良実
SHIBUYA KA ZU HIKO
渋谷 一彦
MASUDA SHINJ I
増田 真二
IWAMO RI HIKARU
岩森 光
HON GOU YU IC HI
本郷 裕一
計 31名 拠点となる大学に所属する事業推進担当者の割合[67.7%]
所 属 部 局 (専 攻 等 )・ 職 名
現在の専門・学位
大学院理工学研究科・地球惑星科 惑星物理学・理学博士
学専攻・教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・連携教授(JAXA)
大学院生命理工学研究科・生命情
報専攻・教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・教授
大学院総合理工学研究科・化学環
境学専攻・教授
(2010/12/1所属変更)
大学院生命理工学研究科・生体シス
テム専攻・教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・教授
割
分
担
全体統括(運営委員)・天文班統括
宇宙プラズマ物理学・理学博
運営委員・研究推進担当・天文班
士
ゲノム科学・博士(薬学)
運営委員・研究推進担当・生命班
実験岩石学・理学博士
運営委員・若手人材育成担当(教育主任)
・地球内部班
環境化学・理学博士
運営委員・国際化担当・大気-気候班統括
植物生化学・農学博士
運営委員・若手人材育成担当(教育主任)
・生命班統括
実験岩石学・博士(理学)
運営委員・国際化担当・地球内部班統括
大学院理工学研究科・地球惑星科
地質学・理学博士
学専攻・教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
地球電磁気学・理学博士
学専攻・教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
天体物理学・博士(理学)
学専攻・准教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
宇宙地球化学・博士(学術)
学専攻・准教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・連携准教授(JAXA)
大学院理工学研究科・化学専攻・
教授
大学院生命理工学研究科・生体シス
テム専攻・准教授
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・教授
(2009/8/16所属変更)
大学院生命理工学研究科・生体シス
テム専攻・准教授
(2009/9/1追加)
役
研究推進担当・地球史班統括
庶務担当・地球内部班
広報担当・天文班
国際化担当・地球史班
観測天文学・理学博士
若手人材育成担当・天文班
大気物理化学・理学博士
若手人材育成担当・大気-気候班
植物生化学・博士(理学)
庶務担当・生命班
地球物質科学・理学博士
研究推進担当・地球内部班
微生物生態学・博士(理学)
国際化担当・生命班
46
6.事 業 推 進 担 当 者
ふ り が な <ロ ー マ 字 >
氏
名 (年 齢 )
UENO Y U IC HIR O
上野 雄一郎
SATO U BUN EI
佐藤 文衛
NA GASAWA MA KIKO
長沢 真樹子
O GAWA YA SU O
小川 康雄
AIZAWA YASUN OR I
相澤 康則
NA GA HAR A HIRO KO
永原 裕子
IKEUCHI MASA HIKO
池内 昌彦
KOM IYA TSUYO SHI
小宮 剛
A BE YU TA KA
阿部 豊
YO KOYAMA
YUSU KE
横山 祐典
ISO ZA KI YU KIO
磯崎 行雄
SATO NAO KI
佐藤 直樹
A BE AYA KO
阿部 彩子
MASUDA TATSURU
増田 建
WADA HAJ IM E
和田 元
KAWAMURA
KATSUYUKI
河村 雄行
MOGI KENIC HIRO
茂木 健一郎
計 31名 (続 き )
所 属 部 局 (専 攻 等 )・ 職 名
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・准教授
(2010/11/1追加)
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・准教授
(2010/11/1追加)
大学院理工学研究科・広域理学講
座・准教授
(2010/11/1追加)
火山流体研究センター・教授
(2010/11/1追加)
バイオ研究基盤支援総合センター・講
師
(2010/11/1追加)
東京大学大学院理学系研究科・地
球惑星科学専攻・教授
東京大学大学院総合文化研究科
・広域科学専攻・教授
東京大学大学院総合文化研究科
・広域科学専攻・准教授
(2009/11/1所属変更)
東京大学大学院理学系研究科・地
球惑星科学専攻・准教授
現在の専門・学位
分
研究推進担当・大気-気候班
恒星天文学・博士(理学)
研究国際化担当・天文班
担
理論天文学・惑星物理学・博
若手人材育成担当・天文班
士(理学)
固体地球物理学・理学博士
若手人材育成担当・地球内部班
ゲノム科学・博士(薬学)
若手人材育成担当・生命班
惑星物質科学・理学博士
植物生化学・理学博士
東大側統括(運営委員)・若手人材育成担
当(教育主任)
・天文班
運営委員・若手人材育成担当(教育主任)
・生命班
地質学・博士(理学)
運営委員・庶務担当・地球史班
惑星進化科学・理学博士
若手人材育成担当・地球内部班
庶務担当・大気-気候班
地質学・理学博士
広報担当・地球史班
植物ゲノム科学・理学博士
国際化担当・生命班
東京大学大気海洋研究所・准教授 気候変動学・Ph.D.
東京大学大学院総合文化研究科
・広域科学専攻・准教授
(2010/11/1追加)
東京大学大学院総合文化研究科
・広域科学専攻・教授
(2010/11/1追加)
大学院理工学研究科・地球惑星科
学専攻・教授
(2011/4/1辞退)
大学院総合理工学研究科・知能シス
テム科学専攻・連携教授
(2010/4/1辞退)
割
生物地球化学・博士(理学
東京大学大気海洋研究所・准教授 気候変動学・Ph.D.
東京大学大学院総合文化研究科
・広域科学専攻・教授
東京大学大学院総合文化研究科
・広域科学専攻・教授
役
国際化担当・大気-気候班
植物分化生物学・博士(理学) 研究推進担当・生命班
植物生科学・理学博士
国際化担当・生命班
鉱物物性学・理学博士
若手人材育成担当・地球内部班
脳科学・理学博士
広報担当・内部レビュ-
47
機関(連携先機関)名
拠点のプログラム名称
中核となる専攻等名
事 業 推 進 担 当 者
東京工業大学(東京大学)
地球から地球たちへ:生命を宿す惑星の総合科学
大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
(拠点リーダー)井田 茂・教授
外 30名
[拠点形成の目的]
○地球惑星科学から天文学、生命科学に結ぶ学際研究の推進 ― 新たな世界観の創成に向けて
ケプラー宇宙望遠鏡などによる大量の太陽系外の大型地球型惑星の発見は、我々の地球(the Earth)以外にも宇
宙には生命の存在可能な(ハビタブルな)多様な惑星、地球たち(“Earths”)、が遍在することを示す。我々は、生命
進化に視点をおいて地球史45億年を実証・多角的に解読し、
「地球」の徹底・総合的理解をもとに、
「地球たち」で
生命が様々なレベルに進化するための条件を探求し、太陽系外生命に対する天文観測的検証に向けた基礎研究を
推進する。最終的には、惑星-生命の一般性・多様性の科学的理解および宇宙という俯瞰的視点を持つ、新たな
地球-生命の科学的理解にもとづく世界観の創成を目指す。
○先端研究参加をベースとした人材育成 ― アカデミックマイスター教育
日本の大学研究室の「信頼関係にもとづいたチームによる人材育成」は世界でも個性的であり、若手自身が先
端研究に参加する中で実行力を獲得するものである。我々は、この旧来の垂直方向の関係に学際性・国際性を重
視した特別教育コースの提供や東工大・東大連携という水平方向の連結を強化して、 “アカデミックマイスター
教育”と呼ぶ、日本オリジナルの現代的教育へ発展させる。その中で、新たな地球-生命の世界観を持ち、学際的
・国際的視野で活躍する次世代研究者のみならず、科学リテラシのもとに地球規模の問題の解決に取り組む人材
など、社会の広い分野で活躍しうる人材を育成する。
[拠点形成計画及び進捗状況の概要]
○ハビタブルプラネット国際教育研究機構/特別教育コース [http://www.gcoe-earths.org/institute/]
東工大・東大にまたがる教育研究機構を設立し、博士学生30〜50人に対し、学際性、実行力、国際性の涵養を
目指した、特別教育コースを実施している。
① 国際性:
「アカデミックマイスター教育」により、学生の研究を早い段階で世界水準に持ち上げることが第一
で、それは着実に進行している。並行して、国際的活動の手助けとなる英語クラスや国際講義を提供し、海外
渡航費の補助も行っている。予算削減のため、長期派遣は制約され、当初計画にあった国際室設立やPD研究員
ローテーション制度の実施、滞在型ワークショップの開催は断念した。
② 東工大・東大連携:現代の急速な学問の広がりや変化に対応した分野開
拓のためには、異なる専攻・大学の学生を含む研究者が実際に顔を合わ
せて刺激しあうことが有効と考え、キャンパス間の至便アクセスを活用
した、東工大・東大連携による人材育成を実行している。定常的学生セ
ミナー、実質的な共同研究指導は実現している(事務的認定は今後の課
題)
。単位互換制度も確立した。
○若手と開拓する先端学際研究の実施
博士学生、若手研究者の研究環境整備に加え、事業推進担当者が各専門
分野の世界最先端で活躍するとともに学際研究を積極的に拓き、その中で
若手人材を育成する。以下のような具体的テーマをたてている。
①太陽系外の大型地球型惑星(スーパーアース)を徹底解析し、地球-生命の
理解を一般化して「地球たち」の存在確率や各進化レベルの生命の存在
条件を導出し、天文観測による実証可能性を追求する。
②超高圧実験による地球深部の実証的データのもと、地球内部活動と表層
(大気-海洋)変化を多方面から理解する。
③ 地球史の実証的重点解読(20億年前、6億年前)から、地球-生命共進化そして宇宙環境変動とのリンクを解明す
る。
④ メタ・個別ゲノム解析により地球環境と生命進化の関係を遺伝子の角度から解明する。
⑤ 高精度同位体計測、数値気候モデルから、地球史スケールの大気組成・宇宙線・気候変化を解明する。
これらの研究は着実に進み、地球コアに達する超高圧実験、スーパーアースへの切り込みなどの若手中心の成果、
極限温泉環境における新しい微生物の発見の可能性という世界的インパクトのある結果も出始めた。今後も、予
算削減の有無に関わらず、本拠点活動の生命線である学際的分野開拓への投資は継続する。
○推進体制
東工大・東大4キャンパスの運営委員が月一回実際に集まって現状を検討して方針を立て、特任准教授が中心
となって教育プログラムの実際的運営を行っている。アドバイザーの特任教授は教育研究機構長を兼任するとと
もに、内部レビューを行っている。
○パブリック・アウトリーチの推進
本拠点では新しい地球-生命の理解にもとづく世界観の創成を目指しており、他分野や一般コミュニティへの
発信も重要である。教育コースの日本科学未来館コミュニケータ研修に多くの学生が参加し、学生企画イベント
も計画・実施している。学生の学際的視点の涵養とともに、キャリアパス拡大にもつながる。
48
2. 拠 点 形 成 全 体
・国際的に卓越した教育研究拠点形成計画全体の当初目的に沿って、計画は着実に進展しているか
・拠点形成のための運営マネジメント体制が組まれ、拠点として機能しているか
・国際競争力のある大学づくりに資するための取組みを行っているか
・他の大学等と連携した取組みについては、拠点形成において、その連携が必要不可欠なものとして有効に機能しているか
について、具体的かつ明確、簡潔に記入してください。
[当初目的に対する進捗状況]
新たな地球-生命観を持ち国際的視野で活躍する次世代研究者や、地球規模の問題など、社会の広い分野で活躍
しうる人材育成のために我々は以下の戦略をとっている。
1. 他の研究費ではカバーされにくい学際的・野心的研究の開拓を本プログラムの骨格にし、博士学生をその最先
端研究に巻き込んで高水準の実体験の中で教育するという研究と一体となった教育を推進する。
2. 研究室毎の研究費状況に左右されずに、全ての博士学生に対して、国際的に活躍するチャンスが開かれる仕組
みを作る。具体的には、審査採用によるRA雇用や国際会議・国際共同研究の旅費補助である。
3. 新分野開拓への挑戦や東工大・東大交流の
仕掛けを作り、博士学生が一研究室内の狭
い研究分野に閉じこもらないようにする。
上記の1.については、学際的・野心的研究を
まずは教員レベルで始め、若手研究者や学生が
そのプロジェクトの中心に入っていくという
流れができ、順調に進んでいる(内容例は3.
②参照)
。学際研究の開拓は、インフォーマル
なミーティングだけでなく、年1回のGCOE全体
研究発表会(右図)および複数班合同のワーク
ショップ(年数回開催)で議論し、全体で共有
している。
本GCOEの前身の21世紀COEプログラム「地球
:人の住む惑星ができるまで」(以下、21COE
「地球」)の努力の結果、本拠点の異分野の研究者間では言葉が通じるようになっており、分野融合による議論は
GCOE発足時から機能している。
2、3については、東工大・東大にまたがる特別教育コースを設立して、それを束ねるバーチャルな教育研究機構
を構築した。その結果、東工大・東大の博士学生がお互いの研究を発表しあう定常的なセミナー(隔週で東大本
郷開催)や、東工大・東大双方で実際に指導を受ける学生がすでに出てきている(4-2参照)
。
[運営マネジメント体制]
新たに雇用したマネジメント特任准教授、および特任教授(全般的アドバイザー、ハビタブルプラネット教育
研究機構長)が、スムーズな運営実現のための役割を果たしている。運営委員会は毎月開催され、4キャンパス
の委員(特任准教授、支援職員を含む)が実際に会合して運営に関する検討、決定を行っている。比較的コンパ
クトでシンプルな運営体制により、天文学、地球惑星科学、環境科学、生命科学の広い分野をカバーしながらも、
密なコミュニケーションと柔軟な対応が可能となった。
[国際競争力のある大学づくりに資するための取組み]
拠点が国際的競争力を持つことは、世界トップ水準の研究成果を継続的に生産することであり、特に博士学生
や若手研究者がその中心にいなければならない。それを実現するための本拠点のポリシーは、日本の伝統的強み
を現代版に発展させ、欧米研究社会のとりえない仕組みを構築することである。
教授・准教授から助教、研究員、学生までの様々な階層のメンバー間の信頼関係に基づく密接な指導は日本独特
の教育法であり、欧米型個人主義では実現が難しく、欧米研究者から高く評価されている。本拠点では、旧来の
講座制教育における垂直方向の関係だけでなく、特別教育コースの提供や東工大・東大の連携という水平方向の
連結強化によって閉鎖性を払拭したチーム体制で学生を支援し、先端研究に巻き込んで成長を促すという現代的
アレンジを推し進めてきた(“アカデミックマイスター教育”)。
[他の大学等と連携した取組みについては、連携の有効性(運営マネジメント上の実施体制を含む)]
現代の急速な学問の広がりや変化の速さに柔軟に対応して、新たな分野を開拓するためには、大学院学生を含
む研究者が複数の専攻・大学間で実際に顔を合わせて議論し、半日常的に刺激しあうことが有効であり、それを
実現しうる物理的環境が必要となる。東工大の大岡山・すずかけ台キャンパスと東大の本郷・駒場キャンパス間は
至便な公共交通で結ばれており、相手キャンパスにフルタイムで一定期間の滞在、または週何日かの継続的通学
が可能である。東工大・東大合同で博士学生が自身の研究を発表し合う定常的セミナー(隔週で東大本郷で開催)
が定着し、数人の博士学生については東工大・東大にまたがる複数スタッフ指導が実質的に実現できている。こ
のことは学生の流動性を高め、将来の国際的共同研究の準備ともなる。さらに、受け入れ側・指導側に対しても大
学をまたぐ共同研究、学際的研究をいっそう促すことになっている。
49
3.当初計画に対する改善点及び今後の展望
①今後、拠点形成を進める上での改善点を検討し、適切で、妥当な改善を期待できるかについて、具体的かつ
明確、簡潔に記入してください。
・ 実 際 に 運 営 してみて 判 明 した 具 体 的 な 問 題 点 や 当 初 の 想 定 と 異 な る 状 況 につ いてど の ように 分 析 した か
・ その 分 析 を 踏 まえ 、 拠 点 の 掲 げ る 目 的 の 達 成 の 観 点 から 、 どの ように 計 画 の 修 正 を 行 う のか
・ 補 助 金 を 含 む 事 業 規 模 の 変 更 に 対 し てどの よう に 対 応 す る のか
1. 現状分析:GCOEプロジェクト全体への批判
平成21年度採択拠点は、募集時から予算の制約が大きかったが、採択後に2年続けて事業仕分けで予算削減さ
れ、プロジェクト縮小を余儀なくされている。事業仕分けでは、短期的な費用対効果の面からGCOEに対して「大
学院学生へのバラマキだ。昨年度に比べてどれくらい成果が上がったのか?」という厳しい批判が続き、同じ若
手支援の学振特別研究員制度は「税金で博士の生活保護をするわけにはいかない。PD研究員は自然淘汰されれば
いい」という批判を受け、博士学生やPD研究員にショックを与えた。このような批判は世間の考えを代表してい
るはずであり、誤解と偏見によるものと簡単に受け流すことはできない。とりわけ、本拠点のような、極めてア
カデミックな目標を掲げている拠点においては、研究も人材育成も短期的な費用対効果の考えとは合致せず、重
くのしかかる。
2. 若手人材育成における本拠点の役割:新分野開拓精神と科学リテラシをもつ人材育成
現在、学問の変化は速くなり、新分野開拓の必要性は増している。しかし、18歳人口の減少に対応して常勤大
学教員の数が減っているため、大学では既存分野の維持が優先されがちで、新しい分野開拓や野心的な研究を目
指す若手研究者が職を得ることは厳しく、その結果、そういう学生の育成も難しくなっている。その中で、分野
開拓を担う若手研究者や学生の受け皿となれるのは、GCOEのようなプロジェクトである。このような意味で、本
拠点で目指しているようなアカデミックな新規分野開拓において、GCOEの果たす役割は大きい。
短期的費用対効果にもとづく批判に対しても、反論していくべきと考える。世界一線の基礎科学研究を経験す
ることで学生が得る分野開拓精神は、明らかに産業界でも重要である。また、同じ経験から得られる「データを
正確に評価・解析し、それをもとに論理的に議論を構築する」という科学リテ
ラシは、現在深刻な福島原発問題や世界経済に影響している地球温暖化
などの地球規模の問題の解決において必須のものである。このように科
学リテラシを備えた人材の育成は急速に重要さを増している。
3. 科学による世界観の構築とパブリック・アウトリーチ
短期的費用対効果にもとづく批判に対して、別の観点もある。本拠点
では、新たな宇宙-地球-生命観の構築へつながる研究を指向している。
これまでの人類の歴史では、宗教的世界観が地域に根ざし、人々の心を
支え、文明を作ってきたと言えるだろう。だが、グローバル化が進行し
続ける現代においては新たな世界観も必要となり、その一つの可能性
が、本拠点で目指すような(グローバルな相互理解を基礎にした)科学
による世界観であり、その意味でもアカデミックな研究の推進は重要な
のだと我々は考える。本拠点では、学生・事業推進担当者によるパブリ
ック・アウトリーチを強化して発信していきたい。
4. 学生支援のあり方
学生支援は最も重要であり、RA採用により普段の研究活動に対して経済的にも支援し、国際経験や成果発表の
機会を十分に得られるように旅費補助を行っている。しかし、博士学生に対しては他にも様々な経費支援があり、
もし支援方法が不適当であれば、学生に「経費支援されるのは当たり前」という意識や基礎研究に「対価」を求
める意識が芽生えて、スポイルしてしまう危険性もある。我々は「研究室毎の研究費状況に左右されずに全ての
博士学生に均等に機会を」というポリシーは保ちつつも、「自分の将来のためには身銭を切る」という感覚を身
につけてもらうように、支援方法をより工夫していく予定である。
5. 新分野開拓、野心的研究推進の堅持
GCOEには今後も厳しい風当たりが予想されるが、分野開拓の研究活動は止めない。本拠点は、世界最先端レベ
ルを維持する研究活動に学生を巻き込みながら、
(業績評価の強化や事務作業の増加により、普段では力を注げ
ない)学際研究の開拓を推進するものであり、新しい野心的な研究へのチャレンジこそが生命線だからだ。そのた
め、若手研究者の雇用や他では手当されない野心的研究への投資は、他の経費、たとえばRA経費や学生の旅費補
助を多少削ってでも(上記の4.も参照)
、維持していくつもりである。
6. その他の問題点:大学を超えた取り組みの事務手続きの困難
本拠点では、東工大・東大にまたがった複数指導制などの導入を通して、日本全体で未来を切り開く若手を育
成しようとしている。しかしながら、そのような大学の枠を超えた取り組みに対する制度改革は、一定の手続き
を踏む必要がある。本拠点の採択を機に、これまで協定がなかった、東工大と東大駒場キャンパス間の単位互換
制度を新設した。すでに実質的な複数指導制を数人の学生に対して行っているが、正式な学務的承認を可能にす
る規則等の整備は不完全である。今後、そのような制度改革にも努力していく(③④参照)
。
50
②COEとして、研 究を 通 じた人 材 育 成の評 価、国 際 的 評 価、国 内の関 連 する学 会での評 価、産 学 官
連携の視点からの評価、社会貢 献等が期 待できるかについて、具体 的かつ明確、簡潔に記入してく
ださい。
繰り返しになるが、本拠点は、世界最先端研究に学生を巻き込み、学生の成長とともに新分野開拓をしよう
とするものである。したがって、どれだけ高い研究レベルを維持し、どれだけ野心的な研究への挑戦が始まり、
そこでどれだけ学生や若手研究者が活躍しているかが鍵となる。
本拠点に集まった研究者の各専門分野での世界的評価は定着している。また、5-1で述べるように、博士学生
や特任助教が次々と Natureや Scienceといった有力誌に論文を発表している。
このようなことをベースにして、本拠点発足以来、どれだけ野心的な学際研究をスタートしたのかが重要であ
る。ここでは、1. 温泉ゲノム計画、2. スーパーアース計画について述べる。
1.は地球環境と生命進化の関わりを、ゲノムの観点で明らかにしようとする、地球史・生命・大気気候の3つ
の班合同の取り組みである。日本の温泉環境は多様で、それを過去の地球環境のモダンアナログとし、その環境に生
息する微生物をゲノム解析するという斬新なアイデアであ
る。すでに、地質学的に4カ所の温泉で微生物サンプルの採
取およびゲノム解析を実施し、太古代の深海熱水環境を模して
いる温泉環境において、ゲノム系統樹の根元に近い始原的ゲノ
ムを持つ、これまで未検出の微生物を発見した。極めて画期的
な発見であり、現在、追サンプリング・追解析を計画してい
る。
2.はケプラー宇宙望遠鏡などで多数存在が確認された太陽
系外の大型地球型惑星(スーパーアース)に対して、地球内
部班による世界最高レベルの高温超高圧実験と、系外惑星探
査計画で世界的に引用されている天文班の惑星形成モデル、
赤外線天文観測計画を組み合わせて、居住可能性も含めた総
合的解明の試みである。低質量の赤色矮星のまわりのハビタ
ブルなスーパーアース(右図;想像図)も対象とし、さらに
生命班も合流して、そのような惑星での光合成生物の存在可
能性および観測可能性の議論も始めた。
これらの研究の端緒を作ったのは事業推進担当者であるが、実際に中心で研究を引っ張っているのは若手の特
任助教やPD研究員、そして博士学生であることを強調しておきたい。
③補 助 事 業 が終 了 した後 も、国 際 的 に卓 越 した教 育 研 究 拠 点 としての継 続 的 な教 育 研 究 活 動 が
自 主 的 ・ 恒 常 的 に行 われるための具 体 的 な支 援 を 考 慮 しているか、または、すでに着 手 している
かについて、具 体 的 かつ明 確 、簡 潔 に記 入 してください。
GCOE補助事業継続中は野心的研究への投資をできる限り継続し、ある程度の見通しが立ち成果が出始めたとき
に、大型科研費を申請する。そこでは、博士学生も含む若手研究者を研究活動の中心に据えることを計画してい
る。
新規に入ってくる学生に対する継続的教育システムとしては、GCOE経費を主財源として設立された東工大・東
大をまたぐ「ハビタブルプラネット国際教育研究機構」を利用していく(機構長は、GCOEのアドバイザーの中澤
清・特任教授)
。今後は他資金も順次導入してGCOE以降は独立機関として機能させ、地球惑星科学、環境科学、
進化生物学、アストロバイオロジー、天文学が交差する研究および若手育成の国際的拠点へ発展させることを目
指す。
この機構は現状ではバーチャルなものであるが、さらに発展させて実体的なものにするために、東工大・東大
共同でリーディング大学院プロジェクトのタイプ3(オンリーワン型)へ応募することを検討している。
④他の大学等と連携した取組みについては、事業終了後の連携のあり方等について考慮されているかについ
て、具体的かつ明確、簡潔に記入してください。(1ページ目に連携先機関を記入している場合のみ記入して下
さい。)
上記のように、東工大・東大共同でリーディング大学院プロジェクトのタイプ3(オンリーワン型)へ応募す
ることを検討している。前頁で述べたように、本拠点では、東工大・東大の連携と実質的複数指導制のもとに、
最先端研究と一体となった大学院学生の教育を行い、広い視野をもち実行力に富んだ若手研究者の育成を行って
いる。しかしながら、現状では学務的に正式な制度としての大学間複数指導制にまでは至っていない。リーディ
ング大学院プロジェクトの趣旨によれば、東工大・東大双方で実際的に研究に携わる博士学位コースを新設する
ことが可能と思われ、制度的にも整備された環境で学生を教育することで、学際研究の推進と質の高い大学院教
育をいっそう発展させることを検討している。
51
4-1.人 材 育 成 面
・学生が将来、有為な人材として活躍できるよう、必要な指導体制、教育プログラム等を措置し、機能しているか
・若手研究者がその能力を十分に発揮できるような仕組みを措置し、機能しているか
・国際的に活躍できる人材を育成するための工夫をし、機能しているか
・他の大学等と連携した取組みについては、連携が有効に機能しているか
について、具体的かつ明確、簡潔に記入してください。
[指導体制、教育プログラム等の措置]
東工大・東大をまたぐハビタブルプラネット国際教育研究機構 [http://www.gcoe-earths.org/ institute/ ] では、
学生に対して以下のような支援を行っている。
1.特別教育コース [http://www.gcoe-earths.org/education/]:チュートリアル、国内・国際インターシップ、学際セ
ミナー、学際講義、英語・国際授業や外部講師による英語ディベートのクラスの他、日本科学未来館における
科学コミュニケーター研修やイベント開催をベースとしたパブリック・アウトリーチ活動を、正式に大学が認
定した特別教育コースの一環として提供している。
2.若手支援:研究活動をRA活動として認定して経済的支援を行い(H21年度東工大18名、東大14名;H22年度東工
大25名、東大21名)
、国内外の研究会・学会や共同研究のための旅費支援も行っている(H21年度東工大のべ15
名、東大17名;H22年度東工大のべ42名、東大24名)
。RA採用、旅費支援については、運営委員による申請書審
査を経て採用を決め、活動報告など事後のレポート提出も義務づけている。
[若手研究者が能力を十分に発揮できるような仕組み]
本拠点では「アカデミックマイスター教育」を推進している。チーム教育の中で、学生が主体的に推進する研
究を世界最先端レベルに持ち上げるだけではなく、学生が独力で推進することが難しい面もある野心的な学際研
究をスタッフが先陣を切って開拓することにより学生を導いている。
また、野心的な学際研究を行う若手研究者を積極的に特任助教、特任研究員として雇用している。GCOEの事務
作業はリーダー、マネジメント特任准教授と支援職員で処理し、若手研究者の特任助教や特任研究員には極力、
運営に関わる事務作業がまわらないように配慮し、研究に専念できる環境を作っている。また、限られた予算の中
でも、特任助教・研究員が自由に使える予算(50~80万円/年)を確保している。
[国際的な人材の育成]
本拠点では「アカデミックマイスター教育」により、
学生の研究を早い段階で世界水準に持ち上げることで
国際化を図っている。世界水準の研究を持つことで国
際会議において注目され、若いうちから国際共同研究
の経験を積むことで、一層の国際競争力を身につけら
れる。
それと並行して、国際的活動の手助けとなる英語ク
ラスや国際講義を提供し、海外渡航費の補助も行って
いる。東工大の英語クラスは大学院GPで外部業者(ベ
ルリッツ)と協同のもとに成功したシステムを発展さ
せたものであり、また東大の英語クラスは東大21世紀
COEプログラム(「多圏地球システムの進化と変動の予
)のものを継承したものであって、ともに十分な実施経験を持ち極めて
測可能性」
;東大21COE「地球システム」
有効に機能している。
予算削減により学生の海外派遣は制約を受けているが、外国人研究者を積極的に招聘(H21年度20名、H22年度
36名)するとともに国内における国際研究集会(2回)や国際セミナー(4回)を積極的に開催し、多数の学生
が国際感覚を養う場、海外研究者との共同研究の芽をつかむ機会を与えている。2010年に石垣島で開催した
”Evolving Theory for Planet Formation"は、厳しい予算の中、招待講演者にすら渡航代のサポートはしなか
ったが、魅力的な会議内容のため世界11カ国から外国人研究者23名が集まり、出席者総勢77名の盛況な国際会議
となった(写真)
。
[他の大学等と連携した取組みについては、連携による有効性]
東工大の大岡山・すずかけ台キャンパスと東大の本郷・駒場キャンパス間は至便な公共交通で結ばれており、学
生が実際に各キャンパスを行き来する連携教育研究が可能となる。多くの学生は住居変更なしに相手大学にフル
タイムで一定期間、または週何日かの継続的通学が可能でとなる。
実際、東工大・東大の博士学生が自分たちの研究を発表し合う定常的なセミナーが継続し(隔週、東大本郷開催)
、
実質的に東工大・東大双方で指導を受ける学生が何人も出てきた。指導する側でも人事交流が進み、いっそう連携
教育を促進している。このように東工大・東大の連携教育は活発に機能しており、今後フォーマルな制度として
確立するために、東工大・東大共同でリーディング大学院プロジェクトのタイプ3(オンリーワン型)へ応募す
ることを検討している。
52
4-1(2).人材育成計画
拠点を形成する際に実施される人材育成関係の取組み計画における、将来的に見た研究人材等の創出の見込み、博士課程等若手研究者の流
動性(このプログラムにより成果をあげた若手研究者及び学生のうち、他大学等で活躍している者の活動状況)等も視野に入れた、これまでの計
画、その成果及び今後改善すべき事項等について。
アカデミックマイスター教育による学生、若手研究者の高い研究アクティビティ
本拠点では「アカデミックマイスター教育」により、教授・准教授から助教、研究員、大学院生まで一体となっ
た垂直方向の信頼関係とキャンパス間の連携による水平的な展開をはかるチーム教育の中で、学生が主体的に推
進する研究を世界最先端レベルに持ち上げること、学生が独力で推進することが難しい面もある野心的学際研究
をスタッフが先陣を切って開拓すること、に重点を置いてきた。また、早い段階で学生の研究を世界水準に到達
させて国際共同研究のチャンスを広げるという有効的な国際化戦略に取り組んできた。
その成果は着実に現れてきており、博士学生や特任助教が Nature や Science などの有力総合誌や各分野の
一流専門誌に研究論文を続々と発表している。
また、学振特別研究員にも多く採用者されている。学振DCは、H21年度に東工大12名(47名)
、東大3名(47名)
、
H22年度に東工大15名(37名)
、東大3名(45名)である。人数は、事業推進担当者が指導教員となっている学生
の数で、括弧内は関連専攻全体のもの。学振PDはH21年度に東工大5名(12名)
、東大3名(26名)で、H22年度に
「アカ
東工大6名(12名)
、東大1名(14名)である。他にも、海外機関から共同研究へのオファーも増えており、
デミックマイスター教育」は若手研究人材の創出についてうまく機能していると考えられる。
博士取得者の進路
本拠点は始まったばかりで博士課程修了者はまだ多くはないが、その中から以下のように他の大学や研究機関
でPD等に採用されている:首都大学東京(特任助教), 海洋研究開発機構(学振PD)、名古屋大学(学振PD), 国
立天文台(学振PD)理化学研究所(学振PD)、産業総合研究所(研究員)、東京農工大学(研究員)。他にも1
名が東工大博士課程の中途からカリフォルニア工科大学の大学院に入学している。
問題点および改善策
(1)人材養成に関わる日本の大学の構造的問題
これまでの「アカデミックマイスター教育」の成果は、もともと若手スタッフが充実していた研究室に偏って
いる傾向がある。1つの原因として、現在の日本の大学の教授や准教授は学内外の各種委員会、研究費獲得・研
究プロジェクト、教務などの作業等に忙殺されて、学生を指導する時間が少なくなっており、学生を直接サポー
トする若手スタッフがいないと綿密な教育が機能しにくいということがあげられる。この点については、学生サ
ポートの水平的展開を強化することで新たな解決方向を見いだしうるだろう。
若手スタッフの雇用を増やすことも難しい。常勤大学教員の数が減っているため、日本の大学では既存分野の
維持が優先されがちであり、新分野開拓や野心的研究を目指す「活きの良い」若手研究者が職を得るのは厳しい
という現状がある。この解決は一朝一夕にはいかないが、我々としては、多くの研究室の学生が活躍するチャン
スを得るように努力し、国内だけではなく世界に通じる研究者を養成することが、現時点における最善の方法と
考える。また、3.でも述べたように、極めて高水準の研究経験で培った開拓精神と科学リテラシを活かして、研
究者以外のキャリアパスも開きうる高度な人材の養成を志している。
(2)分野間融合の促進
本拠点の1つの目標である宇宙・地球・生命の科学的理解に基づく世界観の創成には、異なる研究分野の融合
が必要となる。グランドストーリー(5-1(2)参照)に向けた地球史学と生命科学などいくつかの融合的テーマは
進展しつつあるが、その他はまだ萌芽状態である。今後は、特別教育コースの継続と野心的研究の奨励により、
多くの博士学生が異分野間でも通じる科学的共通言語を身につけて、既存の分野から抜け出す融合的研究の重要
な担い手になることを目指していく。
53
5-1.研 究 活 動 面
・国 際 的 な研 究 活 動 が実 施 されているか、または、我 が 国 固 有 の 分 野 もしくは、諸 外 国 に例 を 見 ない独 創 的 な研 究
アプ ロー チで、 諸 外 国 に 積 極 的 な 情 報 発 信 が 行 われて い る か
・ 拠 点 形 成 計 画 に 参 画 し た 研 究 者 が 、 実 質 的 に 協 力 ・ 連 携 し 、 拠 点 形 成 に 向 け て 十 分 貢 献 で き る 体 制 と な って い る
か
・ 研 究 活 動 に お いて、 新 たな 学 術 的 知 見 の 創 出 や 特 筆 す べ きことが あっ た か
・ 他 の 大 学 等 と 連 携 し た 取 組 み に ついて は 、 連 携 が 有 効 に 機 能 して い るか
具体的か
確 簡潔
くだ さ
[国際的な研究活動]
我々の拠点では以下のような研究戦略をとっている。
1. GCOEという枠組みを利用して、野心的学際研究を推進する。このような研究には多くの研究者が興味を持ち、重
要性を認識していても、近年の業績評価の強化や事務作業の増加により普段では力を注ぎづらい。
2. その学際研究に博士学生や若手研究者を巻き込み、中心に据えることで育成(アカデミックマイスター教育)を行
いながら、学際研究を若手の力を借りて推進する。
3. 野心的研究にチャレンジしつつも、学生や雇用した若手研究者が成果を得て、将来のキャリアパスにつなげら
れるように、別途、堅実なテーマも用意して、二段構えにする。このような配慮は、挑戦するだけではなく研究を
まとめる経験も学生や若手には重要だからである。
本拠点は研究と若手教育が一体になったユニークなプロジェクトであり、
「自由に学際研究に投資」ができて上
記の1、2が可能となる。より厳しい実現可能性が要求される諸外国の研究グラント(文科省科研費も同様)では
そのような投資は難しい。また、本拠点はコンパクトな組織であるにもかかわらず、宇宙から地球、生命という広い分
野をカバーしており、思い切った学際研究が可能となっている。特に、日本のお家芸である地球史解読、超高圧実
験、惑星形成論などを組み込んだ世界的にもユニークな研究が強力な軸となっている。また、博士学生や若手研究
者による論文が、Nature、 Science のような有名雑誌に受理されており、すでに国際会議を二回開催し、成果を世
界的にアピールしている。
[実質的な協力・連携体制]
学際研究は始めるまでの敷居が高いが、いったん成果が出始めれば実質的な協力・連携は半ば自動的に継続す
る。その実現のために、専攻創設以来の実績のある東工大地球惑星科学専攻の研究室間交流(教室研究発表会、
学生による定期的セミナー等)を軸にして、近接したキャンパスという地理的特長を活かした人的交流をより密
に行うこととした。GCOE全体研究発表会の各キャンパスによる輪番企画・実施、綿密な議論を行う運営委員会の
毎月開催などである。また、特別教育コースにより異分野間研究交流は当然という感覚を学生が持つことで、そ
の指導者同士も必然的に交流して融合的な研究を実践するというフィードバックを行っている。予算的には、若
手支援を中心としつつ野心的な学際研究に重点的に投資する方針をとることで、研究者間の実質的な協力・連携を
強力に後押しする体制ができている。
[新たな学術的知見]
我々は、1. 温泉ゲノム計画、2. スーパーアース計画など(5-1(2) 参照)、野心的
学際研究を開始している。1.は地球史・生命・大気-気候班合同の取り組みであ
り、多様な温泉環境を過去の地球環境のモダンアナログとし、その環境に生息する微
生物をメタ・詳細ゲノム解析する。地球史班の解析により選んだ4カ所の温泉のう
ち、太古代の深海熱水環境に最も近いと推定された温泉で、16SrRNAゲノム系統樹
の根元に近い始原的ゲノムを持つ微生物を発見した。追試検証されれば地球生命
の進化の重大な手がかりとなるものであり、現在、追サンプリング・追解析を準
備中である。
2.は天文・地球内部班の共同の取り組みで、若手の成果が次々に出てきている。
他にも、
生物進化のカンブリア大爆発に着目し(地球史特異点研究)、南中国での大規模なボーリング調査の結果、
リンなどの海洋栄養塩濃度の急上昇が動物出現を引き起こした可能性を見いだした。
[他の大学等と連携した取組みについては、連携による有効性]
本拠点で連携している4キャンパスは、研究分野だけでなく研究設備、研究手法、研究条件も異なる集団である。
それらが共同して密な人的交流に基づいた研究・教育を進めることにより、各研究者にとって新たな視点を実感
する機会が日常的に増え、従来あった垂直方向のスクール的研究スタイルに水平方向の横断的研究スタイルを織
り合わせたものになりつつある。その結果、これまでに述べた融合的研究の進展はもとより、将来的な生命惑星
学の展開を目指して、大学をまたぐ新たな学際研究プロジェクトに向かう議論が出てきている。
54
5-1(2).研 究 拠 点 形 成 実 施 計 画 ( 平 成 23~25年 度 )
(平成23年度からの3年間の拠点形成にあたり、実施する具体的な研究計画、拠点形成を今後進めるにあたっての課
題及び、その課題に対して検討している解決策(研究計画、方法)
前頁で述べたように、我々の戦略は、学際研究
の推進を基本とし、そこに学生や若手研究者を
巻き込むことである。
学際的グランドストーリー
生命の進化は、大気組成、気候、海といった惑
星表層環境と深くつながり、その表層環境は、
マントル対流やコアの流動による磁場などの惑
星内部構造・進化によって規定され、構造・進
化は惑星形成過程で決まる。また、表層環境へ
の銀河環境の影響(宇宙線など)も無視できな
い。一方で、ハビタブルな(海を持ち、生命を
育むことが可能な)スーパーアースが続々と発
見されて、天文学からの地球外生命の存在・検
証可能性の議論は加速しており、それは生命居
住可能性の概念の一般化を迫っている。
我々は、このような大きな学問的背景を強く
意識しつつ、堅実にデータを積み上げて実証的に
「グランドストーリー」を組み上げることを目指す一
方で、一点突破的な野心的研究にも投資するとい
う二段構えのテーマ設定をしている。
野心的研究 1. 温泉ゲノム計画
まずは「太古代の深海熱水環境に対応すると推定される温泉において、16SrRNAゲノム系統樹の根元に近い始原
的ゲノムを持つ微生物を発見した可能性」の徹底的な追試を実行して、世界に強烈なインパクトを与えるこの発
見の真偽を確認することが最も重要である。次には日本の様々な環境の温泉を地質学手考察のもとにリストアッ
プして、同様の解析を系統的に行い、環境と「遺伝子プール」の関係を明らかにすることを目指す。この課題に
は十分な予算を回したいが、2年連続のGCOE予算削減により若手研究員、支援スタッフ、RAの雇用費用の確保で
精一杯になり、研究予算の捻出が難しくなってきている。成果が出てきたら、科研費など他資金への申請を考え
ていかなければならないであろう。
野心的研究 2. スーパーアース計画
超高圧実験、惑星形成理論は日本のお家芸であり、それぞれ堅実に結果やデータは出ている。別のお家芸の赤外
線天文観測でも、他資金を使って、ハビタブルなスーパーアース観測用の高分散分光装置開発を行っている。ス
ーパーアースは天文学で現在最もホットな分野のひとつで、世界中で様々な取り組みが進んでいる。本拠点では、
上記の日本の強みを組み合わせた切り込みをおこなう。しかしながら、現時点ではその道筋はまだ明確にはつい
ていないことも課題である。天文班と地球内部班の議論を継続するとともに、生命班も合流して、スーパーアー
スの光合成生命の観測可能性の議論など別の切り口も模索していく。
野心的研究 3. 宇宙線強度と気候変動
全地球凍結という激しい気候変動は地球史の中で20億年前、6億年前の2度しかなく、そのタイミングで真核生物、
陸上生物への大進化がおきている。10億年以上の時間間隔を地球自体や太陽系の現象に求めるのは難しく、時間
スケールの長い銀河環境の変動を考える。作業仮説は、銀河における爆発的星形成による宇宙線フラックス増大
が、雲発生による温度低下を導くとともに急速なゲノム進化を促すというものである。課題は検証可能性である。
恒星の観測データの解析や銀河進化シミュレーションから爆発的星形成の時間間隔や星形成率の変動幅を見積も
るとともに、地質データの同位体異常から宇宙線フラックスを読み解く方法を開発する。後者では、液中レーザ
ーサンプリングとTIMSによる測定方法を検討している。
堅実なデータ積み上げ
ある程度見通しがたっている実現可能性が高い計画の詳細は5-1(3)で述べる。課題は、その膨大なデータをいか
に「グランドストーリー」に組み上げていくかである。本拠点で目指すようなアカデミックな研究では、
「グラン
ドストーリー」を作ることで、初めて社会への発信につながる。最終年度には、個々の研究を進めるよりもその
総合化のために、複数の班でのインフォーマルミーティングや全体集会を数多く開く予定である。
55
6.その他
学内外に対しどのようなインパクト等を与えたか。
学内へのインパクト
本拠点の中心専攻は東工大の地球惑星科学専攻なので、ここでは東工大の学内へのインパクトについて記す。
東工大において、GCOEは9拠点採択されている。4拠点は工学のみの拠点で、残り5つに理学系専攻が関わって
いるが、物理、化学、生命はテクノロジーを指向した拠点であり、数学は情報科学の拠点に一部入っている形態
であり、それらは産業界や一般社会からのニーズに応えた拠点形成をしている。したがって、本拠点のみが極め
てアカデミックな研究目標を中心に据えている。現代の大学において、産業界や一般社会からのニーズに応える
ことは重要なことであり、理学系の多くがそちらを向くことは必要であろう。しかしながら、全てが向く必要は
なく、基礎科学を堅持する拠点形成も重要と我々は考える。
地球惑星科学における一般社会からのニーズは、環境問題や防災である。それに応えることは科学者の義務で
あり、日本の多くの大学の地球惑星科学専攻は、その方向性に舵を切っている。だが、環境問題や防災そのもの
を研究目標とした場合、歴史的かつ哲学的な問いを考え「真理の追求」を掲げてきた基礎科学の方向性との間に
齟齬が生まれることを、我々は恐れる。哲学的な問いや真理の追求の結果として得られた知見は、環境問題や防
災に応用すべきである。しかし、日本の全ての地球惑星科学がその応用を目的化すべきではなく、人類文化の発
展に直接的に貢献することも必要と、我々は考える。
本調書の3.①欄にて述べたように、急速にグローバル化が進む現代においては、
宗教など従来の世界観に加えて、
基礎科学が人の心を支える世界観(世界を見る視点、世界の中で自分を位置づける視点)を与えるべきだと考え
る。環境問題や防災に比べて、そのような哲学的問題は間接的であり見えにくいが、地球惑星科学のもたらす世
界観への視座は極めて重要なものではないだろうか。
東工大は「工業大学」であり、全体として産業界や一般社会からのニーズに応えるという指向性があり、GCOE
においても9拠点のうち、程度の差はあるものの8拠点がその指向性に沿ったものになっている。その中で、極め
てアカデミックな方向性をもった本拠点がGCOEに採択され、野心的学際的研究の成果をあげていることは、大学
における研究教育の多様性の確保という側面においても重要である。また、東工大の中にも、ある一定の割合で
存在する、アカデミックな指向性を持つ学生にもアピールできていると考える。GCOEだけの影響ではないと思う
が、学部2年時の学科分けで、H19~23年度(5カ年)の地球惑星科学科への第一志望者数はそれぞれ、21、22、24、
23、27名と増加してきている。また、以前は2、3年間に1名程度だった転学科による転入生も最近数年間は毎年
のように複数名の希望者があり、その理由は宇宙・惑星・地球のアカデミックな研究をしたいというものが大部
分である。
学外へのインパクト
H20年度にGCOEの <数学、物理学、地球科学> 分野の公募が行われたが、そこで採択された14拠点のうち、地球
惑星科学関連拠点は、東北大学、神戸大学、愛媛大学の3つだけであり、さらに地球惑星科学を研究する多数の
大学院学生を抱える大きな大学の多くが抜け落ちた。このことは地球惑星科学コミュニティに「分野の危機」と
してショックを与えた。H21年度の <学際、複合、新領域> 分野では、本拠点の他にも、名大・環境、京大・防災
研の拠点が採択され、地球惑星科学コミュニティは安堵した。
名大・環境、京大・防災研の拠点は、もちろん環境問題や防災を強く指向したものである。その一方で、本拠
点は地球惑星科学と天文学、生命科学を結び、
「宇宙における生命」というアカデミックな方向性を掲げるもので
ある。このことは、地球惑星科学コミュニティに対して、地球惑星科学が進むべき道は環境問題や防災だけでは
ないということを強くアピールすることになった。
本拠点は最先端研究を推進する中で教育するという戦略をとっているので、必然的に学会などでは東工大の大
学院学生や若手研究者が目立つこととなる。地球惑星科学分野においては「東工大の学生はとにかく元気がいい」
という評価を得ている。実際に、学生や若手研究者が Nature, Scienceといった総合科学誌や、各分野の有名専
門誌に数多く論文を発表していることも、その評価をいっそう確固としたものにしている。
海外からは、もともと各分野での高いアクティビティから、それぞれの分野では認知度が高い。若手研究者の
短期招聘などを精力的に行って、本拠点若手の海外共同研究を促進する努力もしている。しかしながら、当初予
定していた交換留学、PD研究員ローテーションプログラム、滞在型研究会といった国際的にアピールするプログ
ラムを毎年の予算削減によって断念したことにより、新たな学際研究拠点としての海外からの認知度は上がって
いないと認めざるを得ない。今後、温泉ゲノム計画や他の計画でも画期的な学際研究成果を論文公表や国際会議
発表によって世界に発信することで、海外にも大きなインパクトを与えていきたいと考える。
56
7.研究成果
7.1. 公表論文リスト
本専攻構成員によって著され、本年度に印刷・公表された研究論文、解説、国際研
究集会報告等を挙げる。
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[井田
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72
[横山哲也]
Kuritani, T., Yokoyama, T., Kitagawa, H., Kobayashi, K., Nakamura, E.,Geochemical
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7.2. 受賞など
[今井崇暢]
日本地球化学会、ポスター賞、2010.05.25
[岡林識起]
2010年度日本地球化学会第57回年会 若手発表賞(口頭発表)「元素・同位体分析
を目的とした液中レーザーアブレーション法(LAL)の開発」2011.9.10
[岡元太郎]
岡元太郎、竹中博士、中村武史、『GPUチャレンジ2010』自由課題部門3位入賞、『GPU
による地震波伝播シミュレーション』、
先進的計算基盤システムシンポジウム(SACSIS2010、情報処理学会・電子情報
通信学会の関連研究会主催)併設企画、2010年5月27日
[深海雄介]
2010年度日本地球化学会第57回年会 若手発表賞(口頭発表)「タングステン安定
同 位 体 組 成 か ら み た IIIAB 鉄 隕 石 と パ ラ サ イ ト メ イ ン グ ル ー プ の 関 連 性 」
2011.9.10
[松倉大士]
科学技術振興機構主催サイエンスアゴラ、サイエンス・プレゼンテーションコンテ
スト優勝
73
7.3. 教室発表会における研究報告
以下に掲げる報告内容は教室発表会での研究成果報告をまとめたものである。なお、発表
会における順とは異なり、研究内容に依拠して掲載した。
7.3.1. 綱川秀夫
74
75
7.3.2. 高橋 太
76
77
7.3.3 松島政貴
78
79
7.3.4 岡元太郎
2010 年度の 研究活動
1.
紀伊半島沖超低周波地震の解明

海洋研究開発機構グループとの共同研究
(観測は海洋研究開発機構による。データ解析を共同で実施。
)
2.

世界で初めて、浅部超低周波地震活動を震源近傍で観測

浅部超低周波地震のモーメントテンソル、震源位置を決定

震源時間関数も決定(世界初)
GPUを用いた大規模並列地震波シミュレーション

東工大学術国際情報センター・九州大学・海洋研究開発機構との共同研究として、
スーパーコンピュータ世界第5位(TOP500)のTSUBAMEを利用
3.
4.

GPUチャレンジ2010

学際大規模情報基盤・共同利用課題採択(2010、2011)

社会貢献活動:
「企業を牽引する計算科学高度技術者の育成」講演(神戸大学)
自由課題部門第3位
震源過程解析結果の検討

建築研究所・九州大学・筑波大学との共同研究

異なる手法間での解析結果の比較により、信頼性・ロバスト性を検討
月・惑星地震探査計画への参画

宇宙科学研究所・地震研究所・他、との共同研究

月地震探査のフィージビリティを検討
紀伊半島沖超低周波地震につ いて
(2010年地震学会秋季大会予稿集より引用)
広帯域海底地震計記録で捉えた紀伊半島沖超低周波地震の
2.5 次元差分法によるモーメントテンソル解析
#
岡元太郎(東工大)・中村武史・杉岡裕子・石原靖・伊藤亜妃・尾鼻浩一郎・小平秀一・
末次大輔・木下正高・深尾良夫(海洋研究開発機構)
はじめに
2008 年 7 月から 2009 年 10 月にかけて紀伊半島沖に設置した 3 台の広帯域海底地
震計により、超低周波地震の群発活動を震源近傍で捉えることに成功した(尾鼻他、本大会講
演)。データの中には近地項と解釈できるような波形も含含まれている(石原他、本大会講演)。
80
本研究では、これらのデータをもとにして超低周波地震震源のモーメントテンソル、震源時
間関数、点震源位置を推定する。
解析手法と結果
今回の記録は震源近傍で得られたものであり、観測地点も海底面という
不規則な境界面である。そこで観測点付近の海底地形や堆積物などを考慮した不均質地殻構
造モデルを作成し(中村他、本大会講演)
、Okamoto(2002)の 2.5 次元差分法を用いて海底面で
の理論波形を計算した。そして Okamoto & Takenaka (2009)の非線形インバージョン法を適
用して点震源のモーメントテンソルと震源時間関数とを推定した。さらに 3 次元格子探索に
よって残差最少となる最適点震源位置を決定した。データは、尾鼻他(本大会講演)による
発震時から 120 秒間の地動速度(3 成分)である。波形には長周期のフィルター(8-50 秒)を
かけた。いくつかの成分については、より長周期(50-400秒)の波形も生成して合わせて用い
た。
これまでに 4 つの超低周波地震を解析した(図1)。
いずれの地震でも低角(または高角)の節面を持つ逆
断層型のメカニズムが得られた。最適点震源の深さは
6km から 8km、Mw は 4.1 から 4.5 である。さらに、今回初
めて浅部超低周波地震の詳細な震源時間関数を求める
ことに成功した(図2)。得られた震源時間関数の主要
部分は 20 秒から 40 秒程度の幅を持つ。また、主要部分
の前または後に緩やかなモーメント解放が続いている
可能性もある。これらの継続時間はM4クラスの地震
図1
モーメントテンソルの分布
としては異常に長く、震源時間関数からも超低周波地震の特徴が裏付けられる。
図2 2009年
3月 24 日 11 時 27 分のイベン
ト(Mw4.1、深さ 6km)。DATA
は観測波形、SYN な理論波形、
H1,H2 は水平動成分、DU は上
下動成分である。STF が震源
時間関数を示す。
謝辞 本研究は科学研究費補
助金(学術創生研究費)
(19GS0211)の助成を受けま
した。差分法計算には東大地
震研地震火山情報センターの
計算機を利用させていただき
ました。
81
7.3.5.長 井 嗣 信
74
75
7.3.6
長沢真樹子
76
77
7.3.7
佐藤文衛
78
79
7.3.8
生駒大洋
80
81
7.3.9.
井田
茂
82
83
7.3.10
中本泰史
84
85
7.3.11
横山哲也
86
87
7.3.12.
廣瀬
敬
88
89
7.3.13
舘野繁彦
90
91
7.3.14.
駒林鉄也
92
93
7.3.15
岩森
光
94
95
7.3.16
大森聡一
96
97
7.3.17
中村仁美
98
99
7.3.18
浜田盛久
100
101
7.3.19
上野雄一郎
102
103
7.3.20
丸山茂徳
104
105
編集後記
巻頭言で綱川専攻長が3.11のことに言及していますが、3.11そしてそれに引き続く原発事故に
よる放射性物質汚染は、一般国民のひとりとしてだけではなく、地球惑星科学専攻に属している
研究者としても、われわれにとって、とても大きなことです。
地球惑星科学関連学協会はこの震災と原発問題に関して、2011/06/30に共同声明を発表しまし
た (http://www.jpgu.org/whatsnew/110630_311state.pdf)。その声明文に中には、
- 今回の地震・津波が発生する可能性について十分な認識に至っていなかったことを真摯に反
省し、今何ができるかを模索しました。地震や防災に強く関わる学協会だけではなく、広く
地球惑星科学に関わる学協会も問題分析に加わり、原子力発電所の安全性確保の困難性も含
めた災害を取り巻く科学・技術と社会の関わり、科学のあり方に至るまで意見を交わしまし
た。
- 地震発生予測には限界や不確定性もあり、特に地震の「直前予知」に関しては、現在の科学
・技術の到達水準では、一般に極めて困難な状況であることも事実です。こうした現状を踏
まえて、地震発生予測に依存しない防災体制や、災害に強い土地利用・社会基盤の確立が重
要です。
- 原子力発電の安全性と将来性に関しては、根本的な段階から検討をし直す必要があります。
という文言があります。専門家集団の地震学会や活断層学会を含む地球惑星科学関連学協会によ
る声明だと考えれば、とても大きな意味を持つと思います。過去の例では、巨大地震は数十年と
いう時間スケールで続けざまにおこっており、日本周辺はそのようなテクトニック活動期に入っ
た可能性があり、これまでの静穏期に形成された理論モデルではそのような巨大地震の予知は難
しい。つまり、これからはいつ何時、日本のどこでも巨大地震が再び襲う可能性があるという前
提で、原発の問題を含めた防災体制を整えよ、ということです。しかしながら、記者発表をした
にも関わらず、この声明はマスコミから完全無視されました。ネットでもほぼ黙殺されているよ
うです。
メディアやネットでの意見を見ていると、どうも政治経済系の人たちには「それでも原発を推進
することが知的なこと。原発を恐れるのは教養のない人がすること」という感覚があるようです。
僕にとっては、とても不思議な話です。本年報50ページにグローバルCOEプログラムの若手人材
育成に対する考えとして
「『データを正確に評価・解析し、それをもとに論理的に議論を構築する』という科学
リテラシは、現在深刻な福島原発問題や世界経済に影響している地球温暖化などの地球
規模の問題の解決において必須のものである。このように科学リテラシを備えた人材の
育成は急速に重要さを増している。」
とありますが、そのことを痛感します。
(年報編集委員 井田 茂)
東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻及び理学部地球惑星科学科
は、地球・惑星・宇宙の複雑な自然科学現象の中から、その奥にひそむ数理的
・物質科学的な基本過程を読み取り、地球や惑星、宇宙の仕組み、成り立ちに
ついて知見を深めることによって、人類の文化的発展に寄与することを目標と
している。
地球惑星科学専攻
地球惑星科学科
太陽系・太陽系外惑星、月、宇宙空間プラズ
マから地球の表層、火山・地震、地球磁場、地
球内部構造などのナノからテラスケールの時空
進化を、数学、物理学、化学、地質学、生命科
学の手法を駆使してその解明にあたっている。
本専攻は上記の空間的、時間的、手法取り払
ったインターディシプリナリな研究教育方針と
し、地球惑星物理学、地球惑星進化学、太陽系
創 世 学 、 及 び 宇 宙 探 査 学 ( JAXAと 連 携 ) の 講 座
構成とした。その後、本学火山流体研究センタ
ーの協力も得て、現在に至っている。地球惑星
科学専攻教員が中心となって設立した本学の
「地球史資料館」は、運営を行うとともに研究
教育活動の拠点としている。
講座構成と研究内容
地球惑星物理学講座:
地球惑星電磁気学、地球惑星内部物理学、地
震学、宇宙空間物理学
地球惑星進化学講座:
火山学、岩石鉱物学、高圧地球科学、地球化
学、地球史、地球テクトニクス、同位体年代
学、分析化学、物質地球化学
太陽系創世学講座:
天体物理学、惑星物理学、宇宙化学、観測天
文学、
宇宙探査学講座:
月・惑星探査、固体惑星科学
2、3年次には数学、物理学、化学などの基
本的な専門科目とともに、広く地球惑星科学を
理解するため序論、室内実験、野外実習、計算
機実習などが用意されており、広い視野から地
球惑星科学を理解する学力を身につけることが
できる。
主な専門授業科目
講義・演習科目
物理数学 解析力学 電磁気学 量子力学
熱統計力学 流体・弾性体力学 惑星科学
地球惑星物理化学 地球惑星物理学 宇宙化学
地球史 地球物質学 生命環境学 地球惑星電
磁気学 地惑内部物理学 宇宙プラズマ物理学
実験・実習科目
地惑巡検 地惑実験
地質学野外実習
火山学 数値地球惑星科学 地惑応用実験
地惑巡検は2年次学生を対象に大規模な地質現
象を体感するため海外(アメリカ、ハワイ等)
における現地野外観測を実施している。また地
惑実験(必須科目)では3年次学生を対象に安
全教育、顕微鏡実習、電子回路、化学実験など
バランスのとれた基礎教育を行っている。
4年次学生は地球惑星科学専攻及び一部は大
学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻の研
究 室 に 所 属 し 、地 球 科 学 、天 文 学 、宇 宙 物 理 学 、
地質学、物質化学など最先端のサイエンスに触
れながら卒業論文研究に取り組んでいる。
地球惑星科学専攻の特色あるシステム
地球惑星科学専攻は教室発足当初より下記のような特色あるシステムを取り入れてきた。
・学生による授業評価
・サバティカル制度
・教室研究発表会(評価システム)開催
・教職員一体となった教室運営、年報発行
・専攻専任助教の任期制導入
これらのシステムを今後も継続して、常に最先端の研究を維持していく。
地球惑星科学専攻2010
発行日
2011年 8月31日
発行責任
井田 茂
印刷所㈱ ダイヤモンドグラフィック社