【385】コントロール用ブロックの保存管理アプリケーション開発と活用

385
コントロール用ブロックの保存管理アプリケーション開発と活用
◎中村 広基 1)
西尾市民病院 1)
【はじめに】
した。登録できる主な項目は、ブロック名称、診断、固定
免疫組織化学的染色や生体に通常存在しないものを対象と
時間、染色名とその染色態度などである。さらに、複数の
した特殊染色を施行する場合、染色の成否を証明する必要
染色で同じコントロールブロックを用いることができるよ
がある。このような internal
うに、TMA ブロックの作製を前提とした、入力情報のフ
control が存在しない標本の場
合には、既知の染色性を有する組織を用いたコントロール
ィルタ機能を付加した。また、多くの診断名やその染色パ
を同時に染色してその成否を確認する。コントロール用の
ターンをマスターとして登録したので、これを活用できる
組織は目的の染色に即した方法にて収集、保管されるが、
ように、経験した症例の陽性パターンの登録やその集計を
数が多くなるにつれてその管理も煩雑になり、せっかく採
可能とした。
り溜めた組織が何を目的としたコントロールなのか不明に
【まとめ】
なってしまうことも起こりえる。今回、その管理を目的と
2014 年 11 月現在、約 600 症例(1,000 個)のコントロール用
したアプリケーションを Microsoft Access にて作製し、併せ
ブロックを管理している。このシステムを活用することで、
て症例データの蓄積を目的とした機能を追加機能としてプ
新たに一次抗体を導入する場合など、簡便に多くの症例を
ログラミングしたので報告する。
用意することが可能となった。また、経験した染色パター
【方法】
ンの登録を行い、統計処理をすることで、公開情報と当院
当院では、多くの染色に対応できるようにブロックとして
の陽性率との比較が可能となった。今後、病理部門システ
保存する方法をとっている。当初、Excel にてそれらを管理
ムなど汎用のシステムに同様の機能を実装することで診断
していたが、管理対象のブロックが増大して管理不全を起
の簡便さにも活用できればと考えている。
こしたため、Microsoft Access 2003 を用いてデータベース化
連絡先 0563-56-3171