仮想化技術を活用したクラウド時代のOCNホスティングサービス

エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
特集
NTTグループのSaaSビジネス戦略
NTTコミュニケーションズ
しかし、共用型サーバサービスは複
は、共用サーバでありながら、利用
数のユーザーでサーバを共用してい
者ごとに独立して OS、プロセスが
るため、低額での利用が可能だが、
動作するため、あたかも専用サーバ
インターネットのブロードバンド
他のユーザーの影響を受けやすく、
のように利用できることである。
化が進み、社会インフラとして定着
カスタマイズの自由度も低い。一方、
するに連れて、企業におけるメール
専用型サーバサービスは、他のユー
仮想専用サーバサービスとして、
サーバやウェブサーバの運用アウト
ザーの影響を受けにくくカスタマイ
OCN ホスティングサービス「メー
ソーシングが進展している。その目
ズの自由度も高いが、共用型に比べ
ル & ウェブ Pro」を業界に先駆け提
的の多くは、運用コスト・負担を軽
高額でユーザーの運用負担が大き
供している。
減するとともに、インフラとしての
い。これらの問題を解決すべく、近
「メール&ウェブ Pro は、『フェア
高い信頼性や機能、品質、快適さを
年、いわば両者の“いいとこどり”
シェアスケジューリング』技術によ
確保するためである。
ともいえる中間的なメニュー「仮想
り、CPU やメモリといったサーバ
これに呼応して、サービスプロバ
専 用 サ ー バ ( Virtual Private
リソースを同一サーバ内の複数のユ
イダも様々なホスティングサービス
Server : VPS)サービス」の利用
ーザーに対して平等に振り分け、ま
を充実させてきた。これまでの主流
が進んでいる。
たサーバ混雑時は余剰リソースを振
ホスティングサービスの潮流
り分ける機能も備えているため、負
は、1台のサーバを複数のユーザー
で利用する共用型サーバサービス
と、1台のサーバを自社だけで利用
する専用型サーバサービスだった。
安定した利用環境と
自由度の高いカスタマイズ性
荷を効率良く分散し、ストレスなく
仮想専用サーバサービスの特長
コミュニケーションズ㈱ ブロード
◆仮想専用サーバ
◆フェアシェアスケジューリング
プロセス(メール、
ウェブサーバ)がユーザー毎
に独立して動作するので、他のユーザーの影響
を受けにくい。
サーバリソースを同一サーバのユーザーに対し
て平等に振り分け、他のユーザーの影響を受け
にくい。
お客様 お客様 お客様
お客様
お客様
お客様
同一サーバ内
高負荷ユーザー
インターネット回線
ハード、 ハード、 ハード、
OS
OS
OS
共用サーバ
独自アプリ
サーバハード:専用
アドオンソフト
メール、Web:専用
ディスク領域:専用
Web サーバ、
メールサーバ
安心と信頼の
ディスク領域
OCNサービス提供体制
独自アプリ
独自アプリ
アドオンソフト アドオンソフト
Web サーバ、 Web サーバ、
メールサーバ メールサーバ
Web サーバ、 ディスク領域 ディスク領域
メールサーバ
などのAP
CPU、メモリ サーバハード:共用
ディスク ディスク ディスク
メール、Web:専用
VPS
領域 領域 領域
ディスク領域:専用
CPU、メモリ
由度
共用サーバ
能、自
金、性
サーバハード:共用 料
メール、Web:共用
ディスク領域:専用
お客様 お客様 お客様
メ
ー
ル
&
ウ
ェ
ブ
P
r
o
A
A
B
C
B
D
分散処理により
高速安定稼働
ユーザーA、ユーザーB、
ユーザーCが利用して
いたが、ユーザーBの
利用がない場合の
リソース配分
ユーザーBの
利用なし
C
図 1 OCN の仮想専用サーバ(VPS)の特長
30
NTT コミュニケーションズでは、
A
B
利用できるのが特長です。」(NTT
バンド IP 事業部 VoIP サービス部
担当部長 五十嵐彰彦氏)
このように「メール & ウェブ Pro」
では、サーバリソース配分をコント
ロールする仮想専用サーバ技術によ
り、他のユーザーの影響を受けにく
C
リソースが空いて
いれば必要に応じて
他のユーザーに自動的
に振り分ける
い、安定した利用環境を実現するこ
とが可能である(図1参照)
。
また、用途に応じて柔軟にサーバを
カスタマイズできることも「メール&
ウェブPro」の大きな特長である。
ビジネスコミュニケーション
2008 Vol.45 No.12
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
NTTコミュニケーションズ
「メール & ウェブ Pro では、サー
社内
バの管理者(Root)機能を提供し
どのPCからでも
企業ドメインで
メールを送受信
ています。これにより管理者として
サーバにアクセスできるため、ログ
OCNホスティングサービス
解析ツールやデータベースといった
外出先
私どもが用意したアプリケーション
外出先で携帯から
企業ドメインのメール
を送受信
だけでなく、ユーザーが利用したい
メール
ボックス
インターネット
メール
監査
アプリケーションを自由にインスト
自宅
ール/カスタマイズすることがで
き、業務内容に合わせた様々なサイ
Web
メール
自宅PCから
企業ドメインで
メールを送受信
トが運用できます。」(NTT コミュ
スパム
フィルタ
隔離
アーカイブ
ウイルス
チェック
外部からの攻撃を防御
内部からの漏洩を防止
今後提供予定
ニケーションズ㈱ ブロードバンド
図 2 付加価値を付けるサービスラインナップの拡充:メール高度化
IP 事業部 VoIP サービス部 担当課
長 八木秀俊氏)
り、導入も容易になる。
更なるスケーラビリティ、柔軟性を
備えた新 VPS サービスと今後の展開
NTT コミュニケーションズでは、
ールを簡易に検索できるメール監
さらに、同社では、仮想化技術を
査・アーカイブ機能や、社外からも
活用し、より高品質で柔軟なホステ
安全に社内メールを利用できる
ィングサービスの充実を目指して、
Web メールサービスを提供予定だ
様々な取組みを進めている。
(図2参照)。これにより、ユーザー
OCN ホスティングサービスの新た
まず、メール&ウェブ Pro2 のオ
企業の様々な利用シーンに対応し
なラインナップとして、業界最大規
プションサービスの拡充として、メ
た、ICT サービスのワンストップ提
模の 40GB から最大 200GB の大容量
ール機能を高度化していく。既にオ
供を強化していく。
ディスクスペースが利用できる「メ
プションサービスとして提供してい
加えて仮想化技術を用いた SaaS
ール&ウェブ Pro2」を 2009 年1月
るウイルスチェックサービスや迷惑
対応も強化していく予定だ(図3参
に提供開始予定である。メール&ウ
メールフィルタリングサービス等の
照)。仮想化技術により、マルチテ
ェブ Pro2 のサーバ OS には Red Hat
セキュリティサービスに加え、今後、
ナント化されていないアプリケーシ
Enterprise Linux を採用し、利用
送受信されるメールを監査したり、
ョンもそのままの形で SaaS 的に提
できるアプリケーションの幅が広が
蓄積した過去のメールから特定のメ
供することが可能となる。
今後も、高い信頼性と柔軟性に加
◆マルチテナントアプリケーションの利用
◆VPSの利用
SaaSアプリケーション自体がASP提供モデルに
沿ったデザイン・設計である必要がある。
ユーザーが導入したい市販アプリケーションを
そのままの形でSaaS的に提供可能。
え、先進的な技術の導入により、ま
すます進化していく OCN ホスティ
ングサービスから目が離せない。
<お問い合わせ先>
NTT コミュニケーションズ㈱
図 3 既存アプリケーションを仮想化技術で SaaS 化
ビジネスコミュニケーション
2008 Vol.45 No.12
ブロードバンド IP 事業
VoIP サービス部 ホスティング担当
TEL : 03-6700-8679
E-mail : [email protected]
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