2016.3.11 【RAPICOM appliance 機能一覧】 *の記載がある部分は、モデルおよびライセンスにより利用可否、機能追加の可否が異なります。 詳しくは諸元表をご確認ください。 アクセラレーション機構 RAPICOM appliance では、3 種類のアクセラレーション機構を提供します。TCP の最適化には 「mTCP」「xTCP」、RTP の最適化には「optRTP」が利用可能です。 ■xTCP(eXtend TCP) xTCP アクセラレーションは、遅延やロスの大きいネットワーク環境において、通常の TCP と比 較し、極めて高いスループットを実現します。また、対向機器が xTCP アクセラレーション動作す る環境か否かを自動判定し、複雑な設定を行うことなく利用可能です。TCP パケットをそのまま 最適化することで高い透過性も実現します。 <xTCP Load Balancer> xTCP Load Balancer は、xTCP アクセラレーションで最適化機能を稼働させた状態で、通信 の負荷分散を加えた機能です。大量のクライアントがサーバに同時に接続してくる場合等、 高速化と負荷分散を同時に実現し、効率的な回線利用を実現します。一連の通信は同じ回 線で伝送され、その判断は、MAC アドレス、IP アドレス、UDP/TCP ポート番号を識別子とし た「セッション」によって判断されます。負荷分散方式は、送信元及び送信先の MAC アドレス、 IP アドレス、ポート番号を元に計算したハッシュ値により分散する方式と、通信負荷が少ない 回線を使用する 2 種類の方式を選択できます。ハッシュ値による分散方式は、利用回線の 帯域がほぼ同じ場合に効果的です。また、使用回線は特定のトラフィックフィルタを使用し、 目的により選択可能で、プロトコル毎の使用経路の選択や、トラブル発生時のみに使用する 回線の選択といった幅広い運用が可能です。 <Incoming トラフック帯域上限設定> 入力トラフィックに対して、セッション毎の帯域上限を指定することができます。通常は送信 側の RAPICOM の設定値に依存しますが、1 カ所の設定値で集中的にコントロールすること が可能となり、多接続が発生するセンター側において通信帯域を効率的にシェアできます。 ■mTCP(Multiple channel TCP:Falcon) * mTCP アクセラレーションは、独自のセッション多重伝送技術によって、高速、かつ、安定した通 信を提供します。インターネットなどの帯域変動にも強く、他の通信との公平性を維持し最適化 2016.3.11 を実現します。また、最大 8 本の WAN 経路を束ねて帯域集約する機能 Traffic bundling を搭載 しています。 <Traffic Bundling> * Traffic Bundling は複数の物理経路を利用し大幅な帯域確保や、回線の冗長化を実現した い場合に利用できます。大幅な帯域確保が可能なため、大容量データのバースト転送等に 効果的です。使用回線は特定のトラフィックフィルタを使用し目的により選択可能で、プロトコ ル毎の使用経路の選択や、トラブル発生時のみに使用する回線の選択といった幅広い運用 が可能です。 ■optRTP(Eagle) * 回線品質の悪い(パケットロスが多発する環境)海外との TV 会議システム使用時等に発生す る、音声・映像の途切れ・ブロックノイズなどの問題が発生する利用シーンにおいて、品質の大 幅劣化、フリーズなどを防止し抑止するための技術です。メーカーの異なる TV 会議システム間 で、独自の機能が動作しない場合などにも利用できます。対象プロトコルは RTP / RTCP となり ます。optRTP には、FEC および ARQ が搭載されています。 <FEC(前方誤り訂正)> 前方誤り訂正モードをベースに独自の最適化を施した訂正を行います。最適化の自動適用 では、パケット損失率やパケット損失からの回復状態から、設定されているモードのうち最適 なものが選択されます。訂正モードは Single Parity Mode / Chain Mode / Multiple Parity Mode が用意されています。 <ARQ(Automatic repeat request)> RTP パケットの ARQ 自動再送要求機能です。一定の遅延時間内において受信側における RTP パケットの損失をパケットの再送信によって補完し、映像および音声の回復を試みます。 回線帯域が狭く、パケットロスが発生する環境に効果的です。 ~注意事項~ WEB 会議システム(HTTP 方式)に関しては、本アクセラーションはご利用いただけません。 xTCP/mTCP をお試しください。 2016.3.11 トラフィックコントロール トラフィックをコントロールするための各種機能が搭載されています。最適化を必要とするトラフィッ クのみをアクセラレーション機構へ引き渡し、かつ、必要な帯域のコントロールも同時に行うことが できます。 ■トラフィックフィルタ RAPICOM を通過するトラフィックに対してトラフィックフィルタ(特定条件を記載したフィルタ)によ り、目的に応じたアクセラレーション機構へ引き渡すための機能です。本機能は、接続先の IP、 ネットワーク、および TCP ポート等でフィルタリング可能で、細やかなトラフィックコントロールを 実現します。また、QoS と組み合わせて使用することができ、帯域の適切なコントロールも実現 します。 ■QoS(Quality of Service) 各インターフェースや特定の通信に対して帯域をコントロールするための QoS を提供します。 QoS では、上限設定、保証帯域設定が可能で、特定の通信に対して一定の帯域を必ず確保し なければいけない場合等にも利用できます。トラフックフィルタと組み合わせることにより、細や かな通信制御を実現します。設定は、物理インターフェース、ユーザ定義、管理ビルトインの 3 種類が存在します。 <物理インターフェース> インターフェースポート毎に上限帯域を設定することができます。 <ユーザ定義> ユーザが任意に設定します。階層構造となっており、2 階層まで指定できます。ユーザ定義 で行った設定をトラフックフィルタと結びつけることにより、目的の通信に対して、帯域シェー ピングを行うことができます。 <管理ビルトイン> RAPICOM に備わっている管理サービス及び ICMP 応答、通信路形成のための経路広告機 能に対して必要な帯域を確保し、監視や各種管理オペレーションを優先して行うための設定 を行うこと可能です。 ■Load Balancer * UDP によってトンネリングを行い、通信ごとに回線を選択し、負荷分散を行う機能を提供します。 一連の通信は同じ回線で伝送され、その判断は、MAC アドレス、IP アドレス、UDP/TCP ポート 番号を識別子とした「セッション」によって判断されます。 2016.3.11 負荷分散は、送信元及び送信先の MAC アドレス、IP アドレス、ポート番号を元に計算したハッ シュ値により分散する方式と、通信負荷が少ない回線を使用する 2 種類の方式を選択できます。 ハッシュ値による分散方式は、利用回線の帯域がほぼ同じ場合に効果的です。また、使用回 線は特定のトラフィックフィルタを使用し、目的により選択可能で、プロトコル毎の使用経路の選 択や、トラブル発生時のみに使用する回線の選択といった幅広い運用が可能です。 2016.3.11 拡張機能 IPv6 環境、VLAN で構成された環境への導入、また、L2 の同一セグメントの WAN を跨いだ延長を 必要とする場合など幅広い導入環境に適用するための機能を提供します。 ■IPtun * IPtun は、通常、拠点間で伝送されないパケット(フレーム)をトンネリングする機能です。WAN の最適化機能ではありませんが、L2 の同一セグメントを、WAN を跨いで延長することが可能で す。本機能により中継機器に変更を加えることなく L3 オーバーレイネットワークを構築すること も可能です。システムの稼働状態での移動等、一時的に必要となる L2 接続環境の実現にも利 用できます。 ■IPv6 RAPICOM は IPv6 に対応しています。 ~注意事項~ 管理インターフェースは IPv6 には未対応です。 ■vRoute(仮想経路) mTCP/IPtun の転送先の特定のために必要な機能です。本機能により、自拠点/対向拠点に 存在するホストの MAC アドレス、IP アドレス、ネットワークセグメント等の情報を交換し、 RAPICOM を経由した通信を実現します。 ■VLAN * VLAN で構成されたネットワーク環境にも導入可能です。 RAPICOM は IEEE802.1Q Tagged VLAN に対応しています。また、VLAN タグを 2 つ含む VLAN スタッキング(ダブルタグ、トリプルタグ)のフレームを扱うことが可能で、IEEE802.1ad による方 式に準拠しています。 ~注意事項~ VLAN スタッキング機能は mTCP/IPtun の通信には使用することができません。 ■RAPICOM シリーズとの相互接続サポート appliance 同士だけではなく、RAPICOM のソフトウェア RAPICOM seed との相互接続もサポー トしています。ソフトウェアとの接続を可能とすることで、機器導入が困難なクラウド環境等には RAPICOM seed、オフィスへは RAPICOM appliance など最適な選択が可能です。 2016.3.11 <クライアントコネクティビティの適用> クライアントコネクティビティの適用が可能です。 ライセンスがセットされていない RAPICOM seed からの通信接続に対して、ライセンスの一時 的な割り当てを行い、接続を許可するための集中管理を実現します。同時最適化数で接続 管理されるため、利用の可能性のある端末にソフトウェアを配布し、必要な場合にのみ利用 することができます。 2016.3.11 Fault Tolerance 障害発生時の各種 High Availability 機能を提供します。突然の物理障害や電源トラブル、ネットワ ーク障害に対して、トラブルを回避することが可能です。 ■Bonding * 物理ネットワークインターフェースを二重化させることにより耐障害性と負荷分散の機能を提供 します。 <Active-Backup> 2 つのインターフェースのうち、一方がアクティブなインターフェースとして通信を行い、もう一 方はバックアップとして一切通信を行わず、障害発生時にバックアップ側のインターフェース をアクティブに切り替える耐障害性を提供します。 <Link aggregation> 2 つのインターフェースをアクティブなインターフェースとし、耐障害性と負荷分散の機能を提 供します。負荷分散は、送信元及び送信先の MAC アドレス、IP アドレス、ポート番号等によ って分散させる方法や、全てのパケットを 2 つのインターフェース両方から送信する方法を提 供します。 ■High Availability * 同一の動作設定を実施した 2 台の RAPICOM を冗長に構成する機能を提供します。本機能に より、システム運用を継続した状態で、障害の復旧を実施することができます。冗長化は稼働 (Active) –待機(Standby)方式で提供されます。2 台の機器間ではハートビート(生存確認)が とられ、RAPICOM の障害を検知すると稼働(Active) –待機(Standby)が入れ替わる仕組みを 提供します。 ■Link Fault Pass Through 物理インターフェースのダウン検知に伴うリンクダウンをブリッジのもう一方のスレーブポートに 伝達して即座にリンクダウンを行う機能です。 STP 等と組み合わせせることで、障害発生時に速やかに異常伝達を行い、短時間で迂回経路 に切り替えることができます。 ■STP(Spanning Tree) ループ状に形成された LAN 内において、フレームが永久に回り続けることを回避するための STP に対応します。本機能の利用により、ネットワーク経路を冗長に構成し、障害発生時に迂 回経路を利用することが可能です。本機能は IEEE 802.1d に準拠しています。 2016.3.11 ~注意事項~ RSTP には非対応となります。 また、IEEE802.1Q Tagged VLAN による VLAN 環境内では本機能は正しく動作しません。 ■Bypass インターフェース 突然の機器故障等が発生した場合など電源が OFF の状態の際に、インターフェースの Bypass 動作が働く機能を提供します。本機能により、最適化動作は行われませんが、通信を継続する ことが可能です。ただし、最適化中の通信は一度切断されます。 ※ラックマウントモデルは設定で動作変更(ON / OFF)可能です。 ※デスクトップモデルは Bypass 動作が固定設定(ON)されており、動作変更(OFF)できません。 また、Bypass 動作時は、スループットが 100Mbps に制限されます。 ■ウォッチドッグタイマー RAPICOM のシステム内部の動作が異常状態に陥っていないかを監視する機能です。通信が 不能となるような緊急時には自動的にシステムを再起動し復旧を行います。 本機能により、通信不能時間を短縮することができます。 2016.3.11 状態監視とトラブルシューティング RAPICOM の状態監視や障害発生時のテクニカルサポートへの情報提供のためのロギング機能、 停電や瞬停などの電力トラブル時の UPS 電源管理機能などの管理機能を適切に利用することに より短時間での障害復旧、障害回避が可能です。 ■ログ機能 動作している各 WAN 最適化エンジン、機能モジュールに対して、動作中の状態を逐次記録し、 障害発生時の調査と記録を目的とし提供されます。ログは「起動ログ」「ブリッジ接続ログ」「各 種アクセラレーション機構通信ログ」「操作ログ」「管理機構ログ」等が提供されています。また、 長期間のログの保管に対応するため、外部 Syslog サーバへの送信機能も提供します。 ■サポート機能(必要情報一括取得機能) テニカルサポートの要求時に必要となる RAPICOM のファームウェア、および、ハードウェア情 報を一括で取得する機能です。ログ機能と本機能を利用することで、円滑にテクニカルサポー トを受けることができます。 ■SNMP(Simple Network Management Protocol) RAPICOM における稼働状況や統計情報を外部システムより監視・自動収集することを目的と した SNMP エージェント機能を提供します。本機能により RAPICOM の状態を定常監視し、異常 発生時に即座に状況を把握し対処することを可能とします。システム動作情報、インターフェー ス情報などの標準(標準 MIB)で取得可能な情報に加え、RAPICOM 製品情報、システム管理 情報、エンジンに関する情報など RAPICOM 固有の情報(独自 MIB)も記録します。また、内部 異常を検知した時などに、SNMP マネージャに向けて状態を通知する仕組みである SNMP トラ ップ機能も提供します。 ■Power Control(UPS 電源管理) UPS 機器(バッテリー付き常時給電型の無停電電源装置)との連携を実現する機能です。停電 や瞬停などによって電源障害が発生した場合に必要なタイミングで安全に RAPICOM 機器のシ ャットダウンを行うことができます。本機能により、RAPICOM 機器の電源に関わるハードウェア 障害を抑制することができます。 ■SFTP SSH で暗号化された通信路を使って安全にファイルを送受信する SFTP機能を提供します。本 機能により、ネットワークを経由し、ファームウェアパッケージの転送や、ログファイルの取得を 行うことができ、リモートによる一連のメンテナンス作業が可能となります。 2016.3.11 管理インターフェース/機能 利用者および利用環境により、GUI/CLI からご選択いただけます。 また、管理サービスへのアクセス権限を設定する機能も提供し、適切にアクセスコントロールする ことにより安全に RAPICOM を管理・設定することができます。 ■利用環境に合わせた管理インターフェース <GUI(日本語・英語対応)> 各種設定変更やトラフィックの状況を確認できます。GUI は日本語・英語に対応し、ユーザに より切り替えが可能です。GUI へは、HTTP/HTTPS で接続可能です。 <CLI> RAPICOM 専用の CLI コンソールを提供します。 CLI へは、シリアルコンソール接続、SSH/Telnet で接続可能です。 ■管理サービスへのアクセス権限のコントロール 管理サービスへのアクセス権限を設定する ACL(Access Control List)機能を提供します。本機 能にて適切にアクセスコントロールすることにより安全に RAPICOM を管理することができます。 サービスの ON/OFF、アクセス可能なネットワークの設定が可能です。 ■NTP RAPICOM のシステムクロックを正確に維持するために NTP(Network Time Protocol)を提供し ます。本機能により、正確な時刻を維持することができ、障害発生時の記録など正確な時刻を 刻むことができます。
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