Education For All

日本模擬国連神戸研究会
2010/09/18 第一回勉強会
文責:仲野謙心
☆おしながき‐本日の目的
・まずは知らなきゃ始まらない!‐EFA の概要を知る。
・んじゃ実際どんな action が!?‐EFA に関する国際会議を知る。
・でもいいことばっかじゃ会議やる意味ない!‐EFA の問題点を知る。
1. EFA とは?(BG4章)

EFA(Education For All)
「万人のための教育」とは、国連ミレニアム目標(MDGs)
に基づき、2015 年までに世界中の全ての人が初等教育を受けられる、字が読めるよ
うになる(識字)環境を整備しようとする取り組み。

1990 年のジョムティエン会議で広く世界に知られ、取り組みが活発化した。

EFA には、その運動の成果を明確化出来るように 6 つのゴールが掲げられている
乳幼児のケア及び教育(ECCE=early childhood care and education)
ゴール1:最も恵まれない子供たちに特に配慮した総合的な乳幼児のケアおよび教育
(ECCE)の拡大および改善を図る
初等教育の完全普及
ゴール2:女子や困難な環境下にある子どもたち、少数民族出身の子どもたちに対し特別
な配慮を払いつつ、2015年までにすべての子どもが、無償かつ義務で質の
高い初等教育へのアクセスを持ち、就学を完了できるようにする
若者と成人のスキル―機会の拡大
ゴール3:すべての青年及び成人の学習ニーズが、適切な学習プログラムおよび生活技能
プログラムへの公平なアクセスを通じて満たされるようにする
成人識字
ゴール4:2015年までに成人(特に女性)識字率の約50パーセント改善を達成する。
また、すべての成人が基礎教育および継続教育に公正にアクセスできるように
する
1
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ジェンダー
ゴール5:2005年までに初等教育及び中等教育における男女格差を解消する。2015年
までに教育における男女の平等を達成する。この過程において、女子の質の良い
基礎教育への充分かつ平等なアクセス及び就学の達成について特段の配慮を払う
教育の質
ゴール6:特に読み書き能力、計算能力、必要丌可欠なライフスキルの面で、確認ができ
かつ測定可能な成果の達成が可能となるよう、教育の質のあらゆる側面におけ
る改善、並びに卓越性を確保する

2. EFA に関する国際会議(BG3章)
1. 全てはここから始まった!
‐万人のための教育世界会議(ジョムティエン会議)

1990 年、タイのジョムティエンで(①

「基礎教育の拡大」(下図参照)というテーマで、(②
万人のための教育
)が開催
UNESCO
)、UNI
1
CEF、UNDP 、世界銀行が共同開催した世界初の教育国際会議!
⇒歴史的にも、実際的にも大きな意義を持つ
①80 年代の教育の後退を取り戻すきっかけ
②様々な国際教育コミュニティが(③基礎教育の推進)という強い共通意識をもった
③世界全体で教育に対するアプローチが変わった!
④教育が開発における無視できない問題だと認識され、国際会議に取り上げられるよ
うになった。

ジョムティエン会議によって基礎教育の概念が見直された!
B.新たな基礎教育の概念
A.従来の基礎教育の概念
⇒早期幼児教育や職業教育、成人を
⇒子どもを対象とする初
含む識字教育など、幅広い領域の教
等教育のみが中心!
育をあらゆる年齢、人種、性別、階
層に提供!
1
United Nation Development Program(国連開発計画)
2
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
「万人のための教育世界宣言」において『行動のための枠組み』が定められた!
⇒ただの宣言で終わらず、具体的な(④
行動
)を要求!
① 家族や地域社会の支援を含め、早期幼児ケア・発達活動を拡張する。とくに貧
しい子どもたち、丌利な立場におかれた子どもたち、障害を持つ子どもたちに
配慮する。
② 2000 年までに初等教育(あるいは各国が「基礎」と考えるレベルまでの教育)
へのアクセスと修了を普遍化する。
③ 学習成績を向上させる(教育の質の改善)。たとえば、一定の年齢層の一定の
比率の者が必要とされる学習水準に到達するようにする。
④ 2000 年までに成人の非識字率を 1990 年の半分に削減する。特に女子の識
字率を拡大する。
⑤ 若者と成人のための基礎教育・その他の基本的な技能の訓練の機会を拡張す
る。プログラムの効果は人々の行動の変化、保健・雇用・生産力への影響によ
って評価する。
⑥ マスメディア、新旧のコミュニケーション手段、社会的行動など、あらゆる教
育チャンネルを通じて個人や個族がよりよい生活や健全かつ持続的な開発に
必要とされる知識・技能・価値観を獲得する機会を拡大する。
3.この流れ、止めてたまるか!‐世界教育フォーラム(ダカール会議)

2000 年、セネガルのダカールにおいて「世界教育フォーラム」が開催

ダカール会議に先駆けて、EFA2000 アセスメントが行われる。
⇒過去 10 年間2の推進状況が評価され、
『統計文書』、『世界的総括』といった文書
にまとめられる。

統計文書:ジョムティエン『行動のための枠組み』の 6 目標を評価するための
基礎統計資料として、各国から集められたレポートを元に作成。
・
(④ じ 人口増加
)が EFA 達成に大きな影響を不えた。
・初等教育の就学者数、純就学率は共に増加しているが、地域格差も大きい
・男女格差はほとんど縮まらず、多くの女性非識字者を残している
2
この 10 年間はジョムティエン・ディケイドと呼ばれる。
3
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
世界的総括:統計文書の結果を受け、ジョムティエンの 10 年間を以下のよう
にまとめている。
・世界的な観点からみて、諸目標がすでに達成され、あるいは 10 年前に考えられて
いたようなあり方で達成されたという結論を下すことはできない。しかしながら、ジ
ョムティエンの目標の達成に向けて現実的な進展があった。
 上記 2 文書のような準備を経て開催され、『ダカール行動のための枠組み』が採択
⇒1 の EFA の 6 つの目標を参照
3. EFA の問題点(BG4章)
1. 給料日前か!‐資金不足

2003 年からの国際的な食糧価格高騰の直後に起きた金融危機
☆途上国
★先進国
教育に回す余裕がない!
援助する余裕がない!

EFA‐FTI(Fast Track Initiative)も資金不足のため上手く機能出来ていない。

(⑤
130 億ドル
)もの資金が不足している
2. 学校行けばいいってもんじゃないじゃない!‐就学問題

いまだ数多くの子どもが学校に通えていない
・貧困、失業などで教育に出費出来ない。
・ジェンダーなどの文化的問題
⇒実際に多くの子どもが学校へ行けていない、という教育の(⑥
問題
4
量
)の
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
学校に行けたとしても、十分な学力が身についていない
・学力が身に着くのに十分な勉強時間が取れない
・机や椅子、教科書などの学習環境が整っていない
・教師の数、質が確保できない
・女性教師の丌足などでジェンダー問題が解決出来ていない
・
⇒学校に行ってからの、教育の(⑦
質
)の問題
4. まとめ

EFA という具体的な目標設定やジョムティエン・ダカールなどの国際会議によ
って教育分野の開発が促進された。

しかし、金銭面、教育の質や量など達成に向けて多くの問題が残っている。
参考文献
・BG3、4 章
5