あけぼのゝ大地しっかり踏みしめて 遠く我は呼ぶ祖国よ起てと

海外公演の趣旨
自然万象のことごとく、神様が宿ると云う信仰と、四季の変化に富み、折々の
祭りをもつ日本は、独特の文化風土と精神を生み出してきました日本の伝統文
化の始まりは神事から、それがいつしか娯楽となり、庶民の暮らしに根付き伝承
されてきました。
私どもは、こうした和を以って尊しとする日本人の情(こころ)を、世界の多くの方々
に観て聴いて体感していただき、より一層、日本への理解を深めていただきたい、
常々そう願っております。
演奏に用いる和楽器は、古来、外国から伝承したものが数多くあります。しかし乍ら
いつしか歳月とともに、日本の風土に和する音色を紡ぐ、民族固有の楽器となりま
した。伝統芸能はその国の文化です。文化は全ての人々の魂(こころ)に響き、感動
を呼び起こします。
この度、日本とシンガポール共和国との友好親善を目的とした事業に参加でき、少
しでもお役に立てるよう尽力できることは、誠に光栄なことであり、その実現にご尽力
をいただけました関係各位皆々様には、心より感謝を申し上げます。そしてなにより
貴国シンガポール共和国の弥栄を心よりお祈り申し上げます。
特定非営利活動法人 和文化交流普及協会
1.企画意図
”あけぼのゝ大地しっかり踏みしめて
遠く我は呼ぶ祖国よ起てと”
シンガポール共和国
戦後復興の昭和二十二年、宮内庁お歌会始のお題は「あけぼの」でした。
当時、海外移住の日本人は、戦いに敗れた遠い祖国に思いを馳せ、励まし
の力あるこの短歌を詠んでくださいました。以来、日本は長い間、平和と安
寧を保っておりました。
しかし乍ら、近年においては東日本大震災、九州熊本、大分地方大地震
と、種々の困難に直面し、未だその傷は癒されておりません。それでも私た
ち日本国民は、明日に向かって希望をもって歩んでおります。
そして日本が誇る伝統芸能の真髄と、力強く心に響く洗練された舞台を、
たくましく誇り高い貴国シンガポールの皆様へお届けにまいります。世界中
の国々から注目され人々が集まる貴国には、日本企業も数多いと聞いてお
ります。今回の公演で日本をより一層理解していただき、少しでも両国の絆
と友好を深めることの一助となることを、心より願っている次第です。
事業の内容及び目的
二十世紀、それは激動の時代でした。小国は大国に翻弄され支配されてきた悲しい
歴史があります。その影響は今なお続いています。しかしそれは、タブーとして口を
つぐむこと ではなく、歴史の事実 として各々が受け止め、その上でこの先の未来を
より良くしてゆくために、最も大切なことは何か。それは、お互いの存在を尊重し、理解
を深める努力をしてゆくことではないかと思っています。そして、このテーマを実現させ
るには、その国の民族性を知ること。その手掛かりとして互いの伝統文化を通じて、理
解を深めることは大いに有効ではないかと思い、私どもは常にこのテーマに向き合い、
微力ではありますが尽力してまいりました。近年では内外からの大変暖かいご協力もい
ただけるようになり、2012 年にはモンゴル、2014 年にはスペインにて助成金を拝受す
る形での公演を実現することができました。
そしてこの度、日本・シンガポール共和国外交関係樹立 50 周年という記念すべき折り
に、関係者を通じ在シンガポール日本大使館様よりお声がけをいただきまして、微力な
がら両国の友好親善のお手伝いをさせていただく機会を頂戴した次第でございます。
関係各位様に感謝するとともに、我が国にとって、とても大切な友好国であるシンガポー
ル共和国と、より一層の相互理解と友好を深めてゆくことの一助となることを願い、本公
演を実施する運びとなりました。古より伝わる日本の伝統文化は、内外に日本の精神(こ
ころ)を伝えるに、最も優れたテーマであると確信しております。
シンガポールには日系企業、日本人の方々も多くいらっしゃると聞きます。そして世界
一の金融マーケットとしても世界の知るところであり、特に都市部には様々な国、人種の
方々が生活をしていらっしゃいます。この点も踏まえ、今回の公演テーマは、最も日本人
の誇り(魂)を伝えやすい「武士=武人の心意気」と題した和楽公演を企画致しました。そ
してこのテーマを表現するものとして、音楽性とパフォーマンス性を併せ持った奏者・演
目にて構成いたしました。
JAPAN DISCOVERY
天に恵みを 日本の宴 地に平和を
~ 武人の魂 ~
一、津軽三味線 伊藤圭祐 山中 信人
伊藤ケイスケ氏、山中信人氏の両名による三味線ソロ演奏。
伊藤 ケイスケ:工藤菊詩城氏に師事
三重県鈴鹿市出身。1988 年 6 月 20 日生。中央大学法学部卒。楽器未経験なが ら三味線を始めて一年で数々の全国大会入賞。
更に一年後にはプロの和楽器ユニット AUN J クラシック・オーケストラに
サポートメンバーとして海外公演・全国ツアーに参加。
山中 信人(やまなか のぶと)
津軽三味線奏者「山田千里(やまだちさと)」の内弟子として4年間修業。
山田流師範となる。毎年青森県弘前市でおこなわれる津軽三味線全国・世界
大会にてC級B級連続優勝、最上級A級優勝、また津軽民謡の伝統的な唄付
けの技術を競い合う「唄付け伴奏部門」で3回の優勝を獲得。海外計20カ
国で演奏。2015年出雲大社、日光東照宮にておこなわれた「市川海老蔵
奉納舞踊公演」出演。現在はソロ奏者として演奏会、学校公演、講演会などで
活動中。洗足学園音楽大学非常勤講師。加須市観光大使。※2016年5月
第35回記念津軽三味線世界大会にて最上級A級チャンピオン獲得
二、殺陣田村 〈武人の太刀〉 滝 洸一郎
殺陣田村〈武人の太刀〉新国劇若獅子
新国劇から今に継承される、殺陣の本家本元による緊張感漲る太刀さばき
の演舞、女性殺陣師による優雅な舞い扇の演舞
殺陣一名、絡み役三名、女殺陣(舞扇)一名 計五名による演舞
演者:滝 洸一郎(たき こういちろう)
早稲田大学法学部卒
劇団「新国劇」入団(俳優部)
新国劇在団中に、第14期スワヒリ語留学生(在ケニア・星野スクール)
新国劇解散後、浅香光代劇団文芸部・俳優部
殺陣師・脚本家
三、尺八・和太鼓 「鼓神の響き」 鬼太鼓座
奏者:尺八 松田惺山 和太鼓 鬼太鼓座 四名 計五名による演奏
松田 惺山と鬼太鼓座で展開する感動の響き
松田惺山の力強く流れるような尺八の音色に、身体の芯に響く和太鼓の感動の
コラボレーション。和太鼓は日本独自の楽器であり、種類も多く奏法によって
種々の音色を表現します。特に大太鼓の、聴く人に強く優しく魂に響くその音楽
性、芸術性をより高めた芸術集団、それが「鬼太鼓座」です。
尺八の独特の音色と和太鼓の力強い響きのフュージョンは、今や世界中にファン
がおり、公演依頼を受けきれないほどの人気となっています。 企画・構成 小川 夏葉
構成・演出 松田 惺山
主 催 特定非営利活動法人 和文化交流普及協会
協 力 日本和太鼓集団 鬼太鼓座