デジタルカメラ達人への道 ∼現場写真入門編∼ DCの基礎知識 ーレンズの明るさ(F値)ー 焦点距離(ミリ) レンズの明るさ = レンズ有効口径(ミリ) (F値) 単焦点レンズの場合 レンズ 有効口径 6 (焦点距離) 2.14 焦点距離 ≒ 2.8(F値) (有効口径) 焦点距離 6mmの場合 ズームレンズの場合 *レンズの有効口径を2.14と仮定 12 (焦点距離) 2.14 ≒ 5.6(F値) (有効口径) 望遠側焦点距離12mmの場合 *レンズの有効口径を2.14と仮定 DCの基礎知識 ー被写界深度ー ピントを合わせた位置の前後に「 ピントが合って いるとみなせる範囲 」(ボケていない範囲)が有 り被写界深度といいます。 画角と被写界深度 望遠は浅く、 広角は深くなる 絞りと被写界深度 開くと浅く、 絞ると深くなる 距離と被写界深度 近いほど浅く、 遠いほど深くなる 望遠の場合 F2.8の場合 近距離の場合 広角の場合 F16の場合 遠距離の場合 DCの基礎知識 ー光と露出ー 撮影画像をCCD(撮像素子)に綺麗に写し込む には適正な光の量(Ev)が必要で、これは絞りと シャッタースピードで決まります。 Lv=Ev=Av+Tv Lv:被写体に降り注ぐ光の量 Ev:光を受けとめる量 Av:絞り量 Tv:シャッタースピード *Lvが低い(暗いところ)場合は要注意! 暗い 自動で絞りが開く シャッタースピードが遅くなる 手ブレがおこる ピントの合う範囲が狭くなる ピンボケがおこる DCの基礎知識 ー光の強さとコントラストー 強い明暗差(コントラスト)がある被写体は肉眼で は両方見えていても撮影すると、明るい部分が 白く飛んだり、暗い部分が黒く潰れたりする。 このような場合は 1.明るいところに露出を合わせたもの 2.暗いところの露出を合わせたもの と2枚とっておきましょう 明るいところに合わせた写真 暗いところに合わせた写真 基本的な構え方 ブレを防ぐ構え方 光量が少ないところでは三脚を使いましょう。 しかし、いつもあるとは限りません。そんな時は… 三脚があればベスト 壁や柱に押しつける・寄りかかる 手近にある棒を使って即席一脚 梁や台の上に置く・ひじをつく ピンぼけを防ぐ ー基本編ー ピントが合っている事を確認しましょう。 液晶画面の中央に十字のマークあります。 シャッターボタンを半押ししたときこのマークが 緑色になればこの位置にピントが合っています。 赤色の時は合っていません。 もう一度やり直してください。 * 機種によりフォーカス表示が異なります。 ピンぼけを防ぐ ーフォーカスロック (1)ー 撮りたいものが画面の中心からずれている 場合はどうでしょう。 下図のような構図では画面の中心にある遠くのビ ルにピントが合ってしまい、手前の黒板がボケてし まいます。 ピンボケになりやすい構図 黒板がボケてしまう * 機種によりフォーカス表示が異なります。 ピンぼけを防ぐ ーフォーカスロック (1’)ー ピントを合わせたいものにフォーカス表示を合わせ 半押しして緑色になったら、半押し状態のまま画面 をずらして構図を決めます。 そのままシャッターを押し込むと最初に合わせたも のにピントが合った写真が撮れます。 一度合わせたいものに十字 マークを合わせて半押し 半押ししたまま撮りたい構図 に戻します。 黒板にピント が合っている * 機種によりフォーカス表示が異なります。 フラッシュの基本1 フラッシュは届く範囲に気をつけて! 普通のデジタルカメラではフラッシュの届く範囲は 広角の場合 約0.3∼4m 望遠の場合 約0.5∼2.5m これ以上遠いところはフラッシュを使用しても暗く写り ます。 できるだけ近づいて広角側で撮るようにしましょう。 望遠の場合 2.5m 広角の場合 4m ホワイトバランス 夕日や電灯光の下で人物をフィルムカメラで撮る と、赤っぽく写ってしまうことがあります。 しかし、デジタルカメラなら光源の色温度を読み取 って、自動的に補正して自然な色にしてくれます。 これがオートホワイトバランス機構です。 赤味がかってしまった写真 オートホワイトバランスで 補正された写真 現場写真の撮り方 光の角度 被写体の背後方向に太陽がある状況を「逆光」 逆に被写体の前方から太陽光があたる状況を 「順光」といいます。 順光時の太陽 逆光時の太陽 逆光時の撮り方 順光に比べて、逆光では黒板の被写体は日陰に なってしまう。カメラは周りの明るさに露出を合わ せてしまい、肝心の被写体が暗く写ってしまうこと がある。 順光で撮った写真 逆光で撮った写真 逆光時の撮り方 −日中シンクロー 日中シンクロとは明るいところでも強制発光モード にしてフラッシュを発光させ、陰になってしまった被 写体を明るくする方法です。日中シンクロを使えば 背景も黒板(被写体)も適正露出で綺麗に撮れます 日中シンクロなし フラッシュ発光 逆光時の撮り方 −露出補正ー 露出補正をすれば逆光でも被写体が明るく撮れます。 露出補正なし +1 +2 暗くて遠い被写体を撮る –発光禁止モード(フラッシュOFF) 薄暗くてもフラッシュが使えないときや届かないとき は、「発光禁止モード」で撮るとまわりの明るさ(暗さ) に応じてシャッタースピードが長くなり、薄暗いとこ ろでも綺麗に撮れます。 手ブレを起こしやすい ので必ず三脚を使用 しましょう。 暗くて遠い被写体を撮る -増灯フラッシュ 被写体が暗くて遠いところにある場合は、増灯 フラッシュを活用しましょう。 近くのものと遠くのものを同時に撮る場合は、近くのものが白く飛んで しまうしまうことがあります。このような時は増灯フラッシュを天井に向 けてバウンスさせて、光を周囲までまわしましょう。 あらゆる現場でデジタルカメラの基本性能を 十分に発揮させることができるはずです。 これからもお仕事のパートナーとしてリコー の現場専用デジタルカメラをご活用ください。
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