ECL WesternBlotting Guidebook ECL ウェスタンブロッティングガイドブック 71-1289-07 They're EXCELLENT. Time after time. That Excellence you can count on. 発売以来ECLウェスタンブロッティングシリーズは 世界中で多くの研究者にご使用いただいており、 また、多くの論文で引用されてまいりました。 その理由は、10年以上の年月をかけて証明されて きたECLケミルミネッセンス試薬とHybondメン ブレンそしてECLケミルミネッセンス二次抗体の 感度、早さ、そして汎用性の実績があるからです。 今日ではGEヘルスケア バイオサイエンスのECLシ リーズにはECL Advance、ECL Plusが加わり、 研究者の皆様からのより幅広いご要望にお応え するための選択肢を拡げています。 ECL関連製品マップ Electrophoresis Blotting Labelling Membranes Hybond-P (PVDFメンブレン) ● ニトロセルロースメンブレンに比べ 高い物理的強度 ECL Acce Rainbow Marker (有色分子量マーカー) ● 電気泳動経過確認やブロッティングの転写確認に ● 各バンドが異なる色素で着色済 ECL DualVue Western Blotting Ma ● 7種類のS-tagged組換えマーカータンパク質をEC ● 3種類の着色済みタンパク質によりブロッティング ミニゲル用電気泳動装置 Hybond-ECL (ニトロセルロースメンブレン) ● HRP標識ストレプトアビジンとあわせて使用する HRP標識二次抗体 miniVE / SE 260 ● ゲルサイズ8×9 cmで同時に2枚 の泳動が可能 ● miniVE は、ブロットモジュール (別売)でブロッティング装置と しても使用可能 ECL Western Blotting Molecular We セミウェット式ブロッティング装置 miniVE タンク式ブロッティング装置 ECL Detection Kit ● ECL Advance TE 22 ● 最大9×10 cmのミニゲルを同時に 4枚転写可能 ● ECL Plus スタンダードゲル用電気泳動装置 TE 42 / TE 62 SE 600 Ruby ● 15 × 21 cm の ゲ ル は 4 枚 ま で 、 7×10 cmのゲルは16枚まで同時に 転写可能 ● TE 42はヒートエクスチェンジャー TE 62は恒温循環装置と接続 により、 し冷却可能 ● ECL ● ゲルサイズ 16x16 cm で同時に 4枚の泳動が可能(デバイダー プレート使用時) ● 恒温循環装置との接続で、ゲル 全面を冷却しスマイリングを防止 ● ECL Phosphorylation ● ECL Glycoprotein セミドライ式ブロッティング装置 TE 70 / TE 77 ● TE 70は最大14×16 cm, TE 77は 21×26 cmのゲルを転写可能 ● 発熱によるゲルのゆがみやタンパク 質の変性を抑え、少量のバッファー で転写可能 ゲル・メンブレン自動検出処理装置 MultiProcessor ● ゲルの染色およびメンブレンの検出用溶液 交換を自動化 Detection essories Analysis 検出用X線フィルム / カセット Hyperfilm-ECL に ● 自動現像が可能 ● 無 色 透 明 な フィルムベース両 面 に エマルジョンが塗られているので裏表 区別なし arkers L化学発光検出 グ状態のモニタリング可能 ight Markers ることでECL検出時に同一メンブレン上で検出可能 ECL Mini-Camera ● ECLをインスタントフィルムで検出、 暗室不要でその場で手軽に検出 ● ミニゲルサイズのメンブレン (93×74 mmまで)に対応 画像解析システム ImageMaster 2D Platinum ● 二次元電気泳動ゲルの画像解析システム 検出装置 ImageScanner II ● 可視サンプルのアプリケーション全般に 最適な高解像度スキャナー Typhoon 9400 / 9410 / Trio ● 蛍光をはじめ、RI、化学発光検出を1台 で行えるシステム CONTENTS ECL関連製品マップ 2 第1章 ECLの原理と特徴 5 1.1 反応の概略 6 1.2 原理と特徴 7 第2章 実験プロトコール 9 2.1 ウェスタンブロッティングの操作の流れ 10 2.2 ECL Advance ウェスタンブロッティング検出プロトコール 11 2.3 ECL Plus ウェスタンブロッティング検出プロトコール 14 2.4 ECL ウェスタンブロッティング検出プロトコール 17 第3章 検出条件の至適化 21 3.1 最適抗体濃度の決定 22 3.2 時間短縮のためのプロトコールガイド 24 3.3 ECL Plus 検出法からECL Advance 検出法へ移行するためのアドバイス 24 3.4 ECL 検出法からECL Plus 検出法へ移行するためのアドバイス 26 3.5 発色法(DAB 検出法)からECL Plus 検出法へ移行するためのアドバイス 26 3.6 ECL Mini-Camera とHyperfilm の感度比較 27 3.7 ブロッキング条件の至適化 28 3.8 過酸化水素によるホースラディッシュペルオキシダーゼの不活性化 30 第4章 検出方法 33 4.1 検出方法の種類と特徴 34 4.2 ECL Mini-Camera による検出 35 4.3 Hyperfilm による化学発光検出(露光から現像まで) 37 4.4 バリアブルイメージアナライザーTyphoon による検出 39 付録:冷却式CCD カメラシステムによるタンパク質の定量化 40 第5章 ケミフローレッセンスによるECL Plusの検出 41 5.1 プロトコール 42 5.2 バリアブルイメージアナライザーTyphoon による検出 43 第6章 関連製品プロトコール 45 6.1 miniVE ミニゲル用電気泳動装置/ブロッティング装置 46 6.2 TE70 / TE77 セミドライブロッティング装置 48 6.3 MultiProcessor ゲル・メンブレン用自動検出処理装置 50 第7章 アプリケーション例 53 7.1 二次元電気泳動およびECL Western Blotting を用いた培養生殖細胞上清からのmetallopeptidase の同定 54 7.2 2D DIGE / ECL Plus Western Blotting を使用したチロシンリン酸化タンパク質の検出 第8章 トラブルシューティング 57 65 8.1 トラブルシューティングガイド 66 8.2 トラブルシューティング参考例 73 付録 各種溶液の調製 75 References 85 ECLウェスタンブロッティングシリーズ製品一覧表 86 ECLウェスタンブロッティングシリーズ関連製品一覧表 88 1 1 第1章 2 実験操作を行う際にその手法の原理・特徴を知っておくことはそ の実験を成功させるための有効な手だての一つです。この章では、 ECLによる化学発光の原理について解説します。 3 1.1 • 反応の概略 ECLの原理と特徴 1.2 • 原理と特徴 4 5 6 7 8 ▲ 1.1 反応の概略 ECL (Enhanced ChemiLuminescence )ウェスタンブロッティング検出システムは、メンブレンに固定(ブロット) したタンパク質をHorseradish peroxidase (HRP )標識抗体と反応させて化学発光により検出するシステムです。検 出原理の概略を下図に示しました。 ECL Advance /ECL Plus ECL Advance基質 または ECL Plus基質 HRP標識二次抗体 光 タンパク質 H2O 一次抗体 O22 Hybond-P PVDFメンブレン Hyperfilm ECL ECL 過酸化塩 N2 + 3-アミノフタレイト HRP標識二次抗体 光 O22 + 2H2O タンパク質 ルミノール + エンハンサー 一次抗体 Hybond-ECL ニトロセルロースメンブレン Hyperfilm ECL ―6― ▲ 1.2 原理と特徴 発光は、励起状態にある基質が基底状態に戻る際に光を放出する現象またはその光を指します。化学発光は、化学反 応により生じたエネルギーが光に変換されて起こるもので、ルミノールのようなcyclic diacylhydrazides の化学発光 は、化学分析で幅広く利用されており( 文献1, 2) 、またその研究も進められています。そのなかでも特に、アルカリ条 件下におけるHRP と過酸化水素(H 2O 2)によって触媒されるルミノール酸化反応について詳しく解析が進められてい ます( 文献3,4) 。ルミノールは酸化されると直ちに励起状態となり、基底状態へと減衰する過程で光を放ちます。 ECL 反応( 文献2) は、フェノール環を持つ化合物などのエンハンサーの存在下でHRP によってルミノールが酸化された ときに起こります。これにより、光の放出が約1,000 倍高まり放出時間も長くなります。 一方、ECL Plus では、基質がHRP により酸化されると、アクリジニウムエステルを生成します。このエステルは、ア ルカリ条件下、過酸化物と反応して化学発光を生じます。光の放出は酵素によりアクリジニウムエステルが生成される 限り続きます。 さらに、ECL Advance は、新規の基質を用いることで、ECL Plus と同様の発光原理をもちながら、より高感度の検出 を実現します。 以下にECL Advance 、ECL Plus およびECL ウェスタンブロッティング検出システムの主な特徴を示します。 ウェスタンブロッティング化学発光検出試薬 ECLシリーズ選択ガイド ECL Advance ECL Plus ECL 最高感度の化学発光検出 ターゲットタンパク質や一次抗体の量が 少ない場合に 高感度化学発光検出 - 化学発光だけでなく、化学蛍光 でも検出できるので、蛍光スキ ャナーによる解析可能 - 発光持続時間が長いので多検体 処理でも余裕を持って実験可能 一般的化学発光検出 ECL Plusに対して最高10倍の高感度 ECLに対して20倍の高感度 10 -12 gまで検出可 抗体使用量 非常に少量 少量 普通 一次抗体 1 : 100,000 1 : 20,000 1 : 10,000 二次抗体 1 : 500,000 1 : 200,000 1 : 15,000 推奨アプリケーション 感度 ブロッキング剤 ECL Advance 専用 Blocking Agent(キッ トに含まれます) リプロービング ◎ 推奨メンブレン 発光の持続時間 一般的な試薬(5 %スキムミルク、0.1 % PBS-Tなど) ◎ ◎ Hybond-P / Hybond-ECL Hybond-P Hybond-ECL 4∼6時間 24∼48時間 1∼2時間 X線フィルム (Hyperfilm ECL) X線フィルム (Hyperfilm ECL) X線フィルム (Hyperfilm ECL) インスタントフィルム インスタントフィルム インスタントフィルム (ECL Mini-Camera) (ECL Mini-Camera) (ECL Mini-Camera) CCDカメラ CCDカメラ CCDカメラ 化学発光用スキャナー 化学発光用スキャナー 化学発光用スキャナー 検出方法* 蛍光Scanner Typhoon 9400, Trio, Storm860 ( ) * 最良の結果を得るためにはサンプルごとに条件検討を行って至適抗体濃度を決定する必要があります。(第3章 参照) ―7― ■ 高感度 ECL ウェスタンブロッティングシステムは、発色検出系に比べ、10 倍以上も高感度です。このため、抗リン酸化チロシ ン抗体を用いたECL ウェスタンブロッティング(文献7-9 )や、ビオチン化試薬で修飾した膜タンパク質を免疫沈降後、 ECL ウェスタンブロッティングにより検出(文献10,11 )した例など、多くの実験例が報告されています。 ■ 経済性 1 pg 以下のタンパク質を短時間で検出できるこのシステムでは、従来の発色法による検出系よりも一次抗体またはHRP 標識二次抗体を希釈して使用することができます。したがって、貴重な抗体を有効に利用できます。 ■ 低バックグラウンド 検出試薬中のエンハンサーは、HRP の働きによって生じる化学発光のみを強く増強し、バックグラウンドの原因となる 他の光の反射を抑えます。したがって、シグナルとバックグラウンドとの比が高まり、より良い結果が得られます。 ■ 結果の保存性 フィルムに結果が得られるので、発色に見られるようなメンブレン上での時間経過による退色がなく、保存性に優れて います。スライド、写真の作成も容易になると共に、デンシトメーターによる定量化も可能です。 ■ 安全性 DAB (diaminobenzidine tetrahydrochloride )やラジオアイソトープを使用しませんので、通常の実験室で容易に 取り扱えます。 ■ 簡単な操作 2 種類の検出試薬を混ぜ合わせ、その混合液にメンブレンを浸して室温でインキュベートします。後はフィルムと一緒 にカセットに入れて露光するだけでシグナルが得られます。 ■ ブロットの再利用 異なる動物種で作製した一次抗体を用いる場合は、初めに使用した抗体をはがさずに他の抗体を反応(リプロービン グ)できます。それ以外は、メンブレン上のタンパク質の抗原性を失活させずに、抗体のみを除去しリプロービングが 可能です。 ―8― 2 1 2 3 4 第2章 実験プロトコール この章では、3種類のECL製品(ECL Advance, ECL Plus, ECL)に ついて、それぞれ詳しい実験操作法をご紹介します。 2.1 • ウェスタンブロッティングの操作の流れ 2.2 • ECL Advanceウェスタンブロッティング検出プロトコール 2.3 • ECL Plus ウェスタンブロッティング検出プロトコール 2.4 • ECLウェスタンブロッティング検出プロトコール 5 6 7 8 ▲ 2.1 ウェスタンブロッティング操作の流れ SDS-PAGE 電気泳動によりタンパク質を分子量の差によって分離 ミニゲル用電気泳動装置:miniVE 、SE260 ゲルバンド検出 分離したタンパク質を検出(CBB染色・銀染色) ブロッティング 分離されたタンパク質をゲルからメンブレンへトランスファー セミドライブロッティング装置:TE 70 / 77 ゲル・メンブレン用自動検出処理装置: MultiProcessor(ゲル染色モードで使用) 染色用試薬: PhastGel Blue R メンブレンのブロッキング、洗浄 PlusOne Silver Staining Kit, Protein 非特異的な吸着を防ぐ ブロッキング剤:ECL Blocking agent ゲル・メンブレン用自動検出処理装置: MultiProcessor(ブロットモードで使用) 抗体反応 目的タンパク質を特異的に検出 一次抗体との反応 ビオチン化二次抗体 との反応 HRP標識二次抗体 との反応 HRP-ストレプト アビジンとの反応 ECL Advance、ECL Plus、 ECL検出試薬との反応 フィルムへの露光、機器による検出 目的タンパク質を化学発光で検出 X 線フィルム:Hyperfilm ECL, Hyperfilm MP ECL Mini-Camera/ インスタントフィルム、CCD カメラなど ― 10 ― ▲ 2.2 ECL Advanceウェスタンブロッティング検出プロトコール 1.電気泳動 Note: ・ミニゲル用電気泳動装置(miniVE)のプロトコールは第6章を SDS-PAGE でタンパク質を分離 参照してください。※1-1 ※1-1 miniVE電気泳動装置は、ブロットモジュールを追加することで、ブロッティング操作も行うことができます(第6章 参照) 。 2.ブロッティング Note: SDS-PAGE によって分離したタンパク質をHybond-P または Hybond-ECL へトランスファー※2-1 ※2-1 ・ミニゲル用セミドライブロッティング装置(TE 70/TE 77)の プロトコールは第6章を参照してください。 すぐに検出を行わないメンブレンは、風乾後、デシケーター中で2∼8℃で3ヶ月まで保存できますが、感度は低下します。使用の際、ニトロセ ルロースメンブレンは湿らせる必要はありませんが、PVDFメンブレンは100%メタノールによる親水化処理が必要です。 3.ブロッキング ブロット Note: ↓+2 % ブロッキング剤(ECL Advance Blocking Agent ) ・ブロッキングバッファーの調製方法は、付録を参照してください。 ・メンブレン1 cm2 あたり0.2 mlのブロッキング剤を使用します。 in PBS-T or TBS-T ↓室温、1 時間(振とう)または4 ℃、一晩 ・PBS-T or TBS-T のTween 20濃度およびブロッキング時間、 温度は実験ごとに至適条件が異なるので、必要に応じて検討し てください。※3-1 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください(メンブレン (2 分間×2 、5 分間×1 ) ※3-1 1 cm2 あたり4 mlのバッファー量を目安にしてください) 。 メンブレンはブロッキングバッファー中に4℃で一晩浸しておくこともできます。 4.一次抗体反応 Note: ↓+2% ECL Advance Blocking Agent in PBS-T or TBS-T で 希釈した一次抗体 ・一次抗体濃度は10,000∼100,000倍を目安に検討を始めてくだ さい。一次抗体の特性は抗体ごとに大きく異なるため、結果に 応じて希釈倍率を検討する必要があります。※4-1 ↓室温、1 時間(振とう) ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (2 分間×2 、15 分間×1 、5 分間×3 ) ※4-1 このための実験にはドットブロッティングが適しています(第3章 参照) 。 ― 11 ― 5.二次抗体反応 Note: ↓+2% ECL Advance Blocking Agent in PBS-T or TBS- ・二次抗体の希釈倍率は、バックグラウンドとシグナルの比 (S/N比)が最も高くなる条件に設定します。X線フィルムの露 T で希釈したHRP 標識二次抗体 光を10分間とする場合、200,000倍希釈を目安にしてください。 ・ECL DualVue Markerを同時に検出するには、二次抗体反応時 にHRP標識S-proteinを反応させます(79ページ参照) 。 ・バックグラウンドを下げるために十分に洗浄してください。 ↓室温、1 時間(振とう) ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (2 分間×2 、15 分間×1 、5 分間×3 ) ・感度が低下するおそれがあるので、ブロッキング剤は使用しな いでください。 【ビオチン化抗体の場合、またはECL Western Blotting Molecular Weight Marker 使用の場合、以下の操作を続けて行 ・HRP標識ストレプトアビジンは、100,000∼500,000倍希釈を 目安にしてください。 います】 ↓+PBS-T or TBS-T で希釈したHRP 標識ストレプトアビジン ・インキュベート時間は適当な条件に変えてください。 ↓室温、15 分間(振とう) ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (2 分間×2 、15 分間×1 、5 分間×3 ) 6.検出 Note: ↓(☆)メンブレンをラップ上に置き、調製しておいた検出 試薬をかける ECL Advance SolutionA:ECL Advance SolutionB =1 :1 で混合 ・検出試薬はあらかじめ室温に戻しておきます。 ・メンブレン1 cm2あたり0.1 mlの検出試薬が必要です。 ・混合液は2∼8℃の暗所で1ヶ月保存可能です。 ↓5 分間、静置 ・メンブレンの角をピンセットで軽くつまんで取り出し、反対の ↓検出試薬を除去し、ラップに包む (フィルムカセットにHyperfilm ECL をセットする) 角をキムワイプなどに載せて余分な検出試薬を除去します。 ・気泡が入らないよう注意してください。 ・赤色安全光の下で作業してください。 ↓ブロット面をフィルム側にして置く※6-1 ↓30 秒∼数分間露光 ↓ ・目的タンパク質の量が微量であったり、シグナルが弱い場合は、 。 露光時間を長くしてください(5分間以上露光) ・全体にバックグラウンドが見られる場合は、メンブレンをPBS- フィルムを現像 T あるいは TBS-Tで10分間2回洗浄した後、再度検出してくだ さい(☆から繰り返し) 。非特異的なバンドが見られる場合は、 一次あるいは二次抗体(ビオチン-ストレプトアビジン)の希釈 倍率を検討し直す必要があります。 ※6-1 メンブレンのサイズが9×7 cm以下の場合、ECL Mini-Cameraを使用してインスタントフィルム上での検出も可能です。 ― 12 ― 7.リプロービング ブロットを再利用することで、結果の再確認を行ったり、分析するタンパク質が少量あるいは貴重な場合にサンプル を有効に利用できます。異なる動物種由来の一次抗体を用いる場合、以下の方法で繰り返しリプロービングができま す。検出後のメンブレンは、濡れた状態でラップ等に包み2 ∼8 ℃で保存してください。 検出後メンブレン Note: ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・あらかじめ、メンブレンをフィルムに露光して前回の発光が消 (10 分間×2 ) えていることを確認してください。 ↓+2 % ブロッキング剤 in PBS-T or TBS-T ・「3.ブロッキング」を参照してください。 ↓室温、1 時間(振とう) ↓4. ∼6 . (11 ∼12 ページ)に従い、イムノディテクション 8.抗体除去とリプロービング 下記の方法でブロットから一次抗体および二次抗体を完全にはがすことができます。 検出後メンブレンは、濡れた状態でラップ等に包み2 ∼8 ℃で保存してください。 メンブレン Note: ↓+抗体除去バッファー※8-1 ・抗体除去バッファー: 2% SDS, 100 mM 2-mercaptoethanol, 62.5 mM Tris-HCl, pH 6.7 ・より厳しい条件が必要であれば、70℃でインキュベートしてく ↓50 ℃、30 分間(振とう) ださい。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (10 分間×2 ) ↓3. ∼6.(11 ∼12 ページ)に従い、イムノディテクション ・メンブレンをECL Advance 検出試薬で処理し、フィルムで露 光して、抗体除去が完了していることを確認してください。 ※8-1 抗体除去は、0.2 M glycine, pH 2.8溶液を用いて室温30分間、あるいは7M guanidine HCl, 50 mM glycine, pH 10.8, 0.05 mM EDTA, 0.1 M KCl, 20 mM 2-mercaptoethanolで室温10分(振とう)でも行えます。 ― 13 ― ▲ 2.3 ECL Plus ウェスタンブロッティング検出プロトコール 1.電気泳動 Note: SDS-PAGE でタンパク質を分離 ・ミニゲル用電気泳動装置 (miniVE)のプロトコールは第6章を 参照してください。※1-1 ※1-1 miniVE電気泳動装置は、ブロットモジュールを追加することで、ブロッティング操作も行うことができます(第6章 参照) 。 2.ブロッティング Note: SDS-PAGE によって分離したタンパク質をHybond-P (または Hybond-ECL )へトランスファー※2-1, ※2-2 ※2-1 ※2-2 ・ミニゲル用セミドライブロッティング装置(TE 70/TE 77)のプ ロトコールは第6章を参照してください。 最良の結果を得るために、メンブレンはHybond-P(PVDFメンブレン)またはHybond-ECL(ニトロセルロースメンブレン)の使用をおすすめ します。Hybond-C extraも使用することができます。 すぐに検出を行わないメンブレンは、風乾後、デシケーター中で2∼8℃で3ヶ月まで保存できますが、感度は低下します。使用の際、ニトロセ ルロースメンブレンは湿らせる必要はありませんが、PVDFメンブレンは100%メタノールによる親水化処理が必要です。 3.ブロッキング ブロット Note: ↓+5 % ブロッキング剤(ECL Blocking agent : ・PBS-T or TBS-T のTween 20濃度およびブロッキング時間、 RPN2125 )または 5 % スキムミルク in PBS-T or TBS-T 温度は実験ごとに至適条件が異なるので、必要に応じて検討し てください。※3-1、※3-2 ↓室温、1 時間(振とう) ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください(メンブレン 10×15 cm2あたり600 mlのバッファー量を目安にしてくださ (2 分間×2 、5 分間×1 ) ※3-1 ※3-2 い) 。 ニトロセルロースメンブレンの場合、Tween 20の濃度は0.05∼0.1%が一般的な推奨濃度です。他のブロッキング条件については第3章、第8章 を参照してください。 メンブレンはブロッキングバッファー中に4℃で一晩浸しておくこともできます。 4.一次抗体反応 Note: ↓+PBS-T or TBS-T で希釈した一次抗体 ・一次抗体濃度は0.02∼0.05 µg/mlを目安に検討を始めてくださ い。一次抗体の特性は抗体ごとに大きく異なるため、結果に応 じて希釈倍率を検討する必要があります。※4-1 ↓室温、1 時間(振とう) ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください。 (2 分間×2 、10 分間×1 、5 分間×2 ) ※4-1 このための実験にはドットブロッティングが適しています(第3章 参照) 。 ― 14 ― 5.二次抗体反応 Note: ↓+PBS-T or TBS-T で希釈したHRP 標識二次抗体※5-1 ・二次抗体の希釈倍率は、バックグラウンドとシグナルの比 (S/N比)が最も高くなる条件に設定します。X線フィルムの露 光を10分間とする場合、25,000倍希釈を目安にしてください。 ・ECL DualVue Markerを同時に検出するには二次抗体反応時に HRP標識S-proteinを反応させます(79ページ参照) 。 ↓室温、1 時間(振とう) ・バックグラウンドを下げるために十分に洗浄してください。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (2 分間×2 、10 分間×1 、5 分間×2 ) 【ビオチン化抗体の場合、以下の操作を続けて行います】 ↓+PBS-T or TBS-T で希釈したHRP 標識ストレプトアビジン ↓室温、40 ∼60 分間(振とう) ・インキュベート時間は適当な条件に変えてください。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください。 (2 分間×2 、15 分間×1 、5 分間×3 ) ※5-1 HRP標識二次抗体を使用する場合、ECLタンパク質分子量マーカーを同時に検出するためにはHRP標識ストレプトアビジン(RPN1231、 1:1,500)を二次抗体希釈液に加えてください。 6.検出 Note: ↓(☆)メンブレンをラップ上に置き、調製しておいた検出 ・メンブレン1 cm2あたり0.1 mlの検出試薬が必要です。※6-1 試薬をかける SolutionA :SolutionB =40 :1 で混合 ↓5 分間、静置 ↓検出試薬を除去し、ラップに包む ・気泡が入らないよう注意してください。 (フィルムカセットにHyperfilm ECL をセットする) ・赤色安全光の下で作業してください。 ↓ブロット面をフィルム側にして置く※6-2 ↓30 秒∼数分間露光 ↓ ・目的タンパク質の量が微量であったり、シグナルが弱い場合は、 露光時間を長くしてください(5分間以上露光) 。 ・全体にバックグラウンドが見られる場合は、メンブレンをPBS- フィルムを現像 T あるいは TBS-Tで10分間2回洗浄した後、再度検出してくだ さい(☆から繰り返し) 。非特異的なバンドが見られる場合は、 一次あるいは二次抗体(ビオチン-ストレプトアビジン)の希釈 倍率を検討し直す必要があります。 ※6-1 ※6-2 混合時に検出溶液が白濁しますが問題ありません。 メンブレンのサイズが9×7 cm以下の場合、ECL Mini-Cameraを使用してインスタントフィルム上での検出も可能です。 ― 15 ― 7.リプロービング ブロットを再利用することで、結果の再確認を行ったり、分析するタンパク質が少量あるいは貴重な場合にサンプル を有効に利用できます。異なる動物種由来の一次抗体を用いる場合、以下の方法で繰り返しリプロービングができま す。検出後のメンブレンは、濡れた状態でラップ等に包み2 ∼8 ℃で保存してください。 検出後メンブレン ↓PBS-T or TBS-T で洗浄(10 分間×2 ) Note: ↓+5 % ブロッキング剤または、5 % スキムミルク in PBS-T or TBS-T ・「3.ブロッキング」を参照してください。 ↓室温、1 時間(振とう) ↓4. ∼6.(14 ∼15 ページ)に従い、イムノディテクション 8.抗体除去とリプロービング 下記の方法でブロットから一次抗体および二次抗体を完全にはがすことができます。 検出後メンブレンは、濡れた状態でラップ等に包み2 ∼8 ℃で保存してください。 メンブレン Note: ↓+抗体除去バッファー※8-1 ・抗体除去バッファー: 2% SDS, 100 mM 2-mercaptoethanol, 62.5 mM Tris-HCl, pH 6.7 ↓50 ℃、30 分間(振とう) ・より厳しい条件が必要であれば、70℃でインキュベートしてく ださい。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄(10 分間×2 ) ↓3. ∼6.(14 ∼15 ページ)に従い、イムノディテクション ※8-1 抗体除去は、0.2 M glycine, pH 2.8溶液を用いて室温30分間、あるいは7M guanidine HCl, 50 mM glycine, pH 10.8, 0.05 mM EDTA, 0.1 M KCl, 20 mM 2-mercaptoethanolで室温10分(振とう)でも行えます。 ― 16 ― ▲ 2.4 ECLウェスタンブロッティング検出プロトコール 1.電気泳動 Note: SDS-PAGE でタンパク質を分離 ・ミニゲル用電気泳動装置(miniVE)のプロトコールは第6章を参 照してください。※1-1 ※1-1 miniVE電気泳動装置は、ブロットモジュールを追加することで、ブロッティング操作も行うことができます(第8章 参照) 。 2.ブロッティング Note: SDS-PAGE によって分離したタンパク質をHybond-ECL (またはHybond-P )へトランスファー※2-1, ※2-2 ※2-1 ・ミニゲル用セミドライブロッティング装置(TE 70/TE 77)の プロトコールは第6章を参照してください。 最良の結果を得るために、メンブレンはHybond-P(PVDFメンブレン)またはHybond-ECL(ニトロセルロースメンブレン)の使用をおすす めします。Hybond-C extraも使用することができます。 すぐに検出を行わないメンブレンは、風乾後、デシケーター中で2∼8℃で3ヶ月まで保存できますが、感度は低下します。使用の際、ニトロセ ルロースメンブレンは湿らせる必要はありませんが、PVDFメンブレンは100%メタノールによる親水化処理が必要です。 ※2-2 3.ブロッキング ブロット Note: ↓+5 % ブロッキング剤(ECL Blocking agent : ・PBS-T or TBS-T のTween 20濃度およびブロッキング時間、 RPN2125 )または 5 % スキムミルク in PBS-T or TBS-T 温度は実験ごとに至適条件が異なるので、必要に応じて検討し てください。※3-1、※3-2 ↓室温、1 時間(振とう) ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください(メンブレン 10×15 cm2あたり600 mlのバッファー量を目安にしてください) 。 (2 分間×2 、5 分間×1 ) ※3-1 ニトロセルロースメンブレンの場合、Tween20の濃度は0.05∼0.1%が一般的な推奨濃度です。他のブロッキング条件については第3章、第8章 を参照してください。 メンブレンはブロッキングバッファー中に4℃で一晩浸しておくこともできます。 ※3-2 4.一次抗体反応 Note: ↓+PBS-T or TBS-T で希釈した一次抗体 ・一次抗体濃度は0.04∼0.1 µg/mlを目安に検討を始めてくださ い。一次抗体の特性は抗体ごとに大きく異なるため、結果に応 ↓室温、1 時間(振とう) じて希釈倍率を検討する必要があります。※4-1、※4-2 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (2 分間×2 、10 分間×1 、5 分間×2 ) ※4-1 ※4-2 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください。 このための実験にはドットブロッティングが適しています(第3章 参照) 。 通常、ポリクローナル抗体100∼1,000倍以上、モノクローナル抗体の場合ハイブリドーマ上清で10∼100倍以上、マウス腹水で1,000倍以上を 目安に希釈してください。 ― 17 ― 5.二次抗体反応 Note: ↓+PBS-T or TBS-T で希釈したHRP 標識二次抗体※5-1 ・二次抗体の希釈倍率は、バックグラウンドとシグナルの比(S/N 比)が最も高くなる条件に設定します。X線フィルムの露光を10 分間とする場合、10,000倍希釈を目安にしてください。※5-2 ↓室温、1 時間(振とう) ・ECL DualVue Markerを同時に検出するには、二次抗体反応時 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 にHRP標識S-proteinを反応させます。 (79ページ参照) (2 分間×2 、10 分間×1 、5 分間×2 ) ・バックグラウンドを下げるために十分に洗浄してください。 【ビオチン化抗体の場合、以下の操作を続けて行います】 ↓+PBS-T or TBS-T で希釈したHRP 標識ストレプトアビジン ↓室温、40 ∼60 分間(振とう) ・インキュベート時間は適当な条件に変えてください。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 ・洗浄には十分量のバッファーを使用してください。 (2 分間×2 、15 分間×1 、5 分間×3 ) ※5-1 HRP標識二次抗体を使用する場合、ECLタンパク質分子量マーカーを同時に検出するためにはHRP標識ストレプトアビジン(RPN1231、 1:1,500)を二次抗体希釈液に加えてください。 HRP標識Protein Aは1,000∼5,000倍希釈、ビオチン化二次抗体1,000倍、HRP標識ストレプトアビジン(RPN1231)は1,500倍、HRPストレ プトアビジンコンプレックス(RPN1051)は5,000倍希釈を目安にしてください。 ※5-2 6.検出 Note: ↓(☆)メンブレンをラップ上に置き、調製しておいた検出 ・メンブレン1 cm2あたり0.125 mlの検出試薬が必要です。 試薬をかける Detection Reagent1: Detection Reagent2 =1 :1 で混合 ↓1 分間、静置 ・気泡が入らないよう注意してください。 ↓検出試薬を除去し、ラップに包む (フィルムカセットにHyperfilm ECL をセットする) ・赤色安全光の下で作業してください。 ↓ブロット面をフィルム側にして置く※6-1 ↓30 秒∼数分間露光 ・目的タンパク質の量が微量であったりシグナルが弱い場合は、 。 露光時間を長くしてください(1分間以上) ↓ フィルムを現像 ・全体にバックグラウンドが見られる場合は、メンブレンをPBS- T あるいは TBS-Tで10分間2回洗浄した後、再度検出してくだ さい(☆から繰り返し) 。非特異的なバンドが見られる場合は、 一次あるいは二次抗体(ビオチンストレプトアビジン)の希釈 倍率を検討し直す必要があります。 ※6-1 メンブレンのサイズが9×7 cm以下の場合、ECL Mini-Cameraを使用してインスタントフィルム上での検出も可能です。 ― 18 ― 7.リプロービング ブロットを再利用することで、結果の再確認を行ったり、分析するタンパク質が少量あるいは貴重な場合にサンプルを 有効に利用できます。異なる動物種由来の一次抗体を用いる場合、以下の方法で繰り返しリプロービングができます。 検出後メンブレンは、濡れた状態でラップ等に包み2 ∼8 ℃で保存してください。 Note: 検出後メンブレン ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (10 分間×2 ) ↓+5 % ブロッキング剤または、5 % スキムミルク in PBS-T ・「3.ブロッキング」を参照してください。 or TBS-T ↓室温、1 時間(振とう) ↓4. ∼6.(17 ∼18 ページ)に従い、イムノディテクション 8.抗体除去とリプロービング 下記の方法でブロットから一次抗体および二次抗体を完全にはがすことができます。 検出後メンブレンは、濡れた状態でラップ等に包み2 ∼8 ℃で保存してください。 メンブレン Note: ↓+抗体除去バッファー※8-1 ・抗体除去バッファー: 2% SDS, 100 mM 2-mercaptoethanol, 62.5 mM Tris-HCl, pH 6.7 ・より厳しい条件が必要であれば、70℃でインキュベートしてく ↓50 ℃、30 分間(振とう) ださい。 ↓PBS-T or TBS-T で洗浄 (10 分間×2 ) ↓3. ∼6.(17 ∼18 ページ)に従い、イムノディテクション ※8-1 抗体除去は、0.2 M glycine, pH 2.8溶液を用いて室温30分間、あるいは7 M guanidine HCl, 50 mM glycine, pH 10.8, 0.05 mM EDTA, 0.1 M KCl, 20 mM 2-mercaptoethanolで室温10分(振とう)でも行えます。 ― 19 ― 3 1 2 3 第3章 検出条件の至適化 より良い実験結果を得るためには検出条件の検討が不可欠です。 未定量のサンプルや同定されていないサンプルの場合、検出条件 をどのように絞り込み実験を行うかによりその結果は大きく左右 されます。この章では実際に実験を行う際に検証すべき条件につ いて解説します。 3.1 • 最適抗体濃度の決定 4 3.2 • 時間短縮のためのプロトコールガイド 3.3 • ECL PlusからECL Advance検出法へ移行するための 5 アドバイス 3.4 • ECL検出法からECL Plus検出法へ移行するための 6 アドバイス 3.5 • 発色法(DAB検出法)からECL Plus検出法へ移行するための アドバイス 7 3.6 • ECL Mini-CameraとHyperfilmの感度比較 3.7 • ブロッキング条件の至適化 8 3.8 • 過酸化水素によるホースラディッシュペルオキシダーゼの 不活性化 ▲ 3.1 最適抗体濃度の決定 ECL Advance 、ECL Plus 、ECL のような非常に感度の高いウェスタンブロッティング検出では、最良の結果を得るため に最適抗体濃度を設定することが重要です。一般的に、ECL ウェスタンブロッティングシリーズを使用すると、発色法 と比べてより少量の一次抗体または二次抗体で、感度の良い鮮明な結果が得られます。高感度な検出結果を得るために は最適抗体濃度の決定が必須であり、同時にブロッキングや洗浄の条件を検討することも重要なポイントとなります。 3.1.1 ECL Advance検出で力価のはっきりしない一次抗体/抗血清を用いる場合 ECL Advance を使用する場合には、希釈倍率の設定に注意する必要があります。抗体濃度の検討には、ドットあるいはスロッ トブロットが効果的です。以下の方法で抗体濃度をご検討ください。 1 )サンプルをメンブレン上にスポットし、乾燥させます。希釈率の異なる一次抗体それぞれに対して1 枚のブロットを用意し ます。PVDF メンブレンを使用する場合はあらかじめ100 %メタノールによる親水化処理が必要です。 2 ) ECL Advance 用ブロッキングバッファー(付録参照)を調製し、室温で1 時間ブロッキングします。 3 ) 洗浄バッファー(PBS-T またはTBS-T )で軽く2 回すすぎを行います。 4 ) 系列希釈した一次抗体溶液中で(例:1/10,000 、1/25,000 、1/50,000 、1/75,000 、1/100,000 )、室温で1 時間振 とうします。 5 ) メンブレンを洗浄バッファーで2 回軽くすすいだ後、15 分×1回、5 分×3 回洗浄します。 6 ) 希釈した二次抗体溶液中で、室温で1 時間振とうします。二次抗体の希釈濃度はX 線フィルムで10 分間露光する場合、 1/200,000 を目安に希釈してください。 7 ) ステップ 5 )と同じ要領で、メンブレンを洗浄します。 8 ) 検出試薬でインキュベート後、フィルムに露光してシグナルを検出します。 3.1.2 ECL Plus/ECL検出で力価のはっきりしない一次抗体/抗血清を用いる場合 抗体の最適希釈率を設定するにあたって、ドットあるいはスロットブロット法は迅速で効果的な方法です。以下に、 ECL Plus およびECL を使用する際のプロトコールを示します。 1 ) 1 ∼5 µg のサンプルタンパク質をHybond-P (PVDF メンブレン)またはHybond-ECL (ニトロセルロースメンブレン) 上にスポットし、乾燥させます。希釈率の異なる一次抗体それぞれに対して1 枚のブロットを用意します。PVDF メンブレ ンは100 %メタノールによる親水化処理が必要です。 2 ) ブロッキングバッファー(例:5 % スキムミルクを含むPBS-0.1 % Tween 20 (PBS-T ))を用い、室温で1 時間ブロッキ ングします。 3 ) 洗浄バッファーで2 回ブロットをリンスした後、それぞれ新しい洗浄バッファーで、10 分間1 回、5 分間2 回洗浄します。 4 ) 一次抗体を希釈後(例:1/100 、1/500 、1/1,000 、1/5,000 、1/10,000 )、室温で1 時間メンブレンをインキュベート します。 5 ) ステップ3 )にならってメンブレンを洗浄します。 6 ) 二次抗体を希釈後、室温で各メンブレンを1 時間インキュベートします(露光時間を10 分間とする場合、ECL Plus では 1/25,000 、ECL では1/10,000 を目安に希釈してください)。 7 ) ステップ3 )にならってメンブレンを洗浄します。 8 ) プロトコールに従って、ECL Plus /ECL 検出試薬とインキュベート後、フィルムに露光してシグナルを検出します。 ― 22 ― 3.1.3 力価のわからない二次抗体を用いる場合−ECL Advance / ECL Plus / ECL検出 1 ) 3.1.1 または3.1.2 のステップ1 )、2 )と同様にドットあるいはスロットブロットとメンブレンのブロッキングを行います。 2 ) 一次抗体を希釈後、室温にて1 時間メンブレンをインキュベートします。 3 ) 3.1.1 または3.1.2 のステップ3 )にならってメンブレンを洗浄します。 4 ) 二次抗体を希釈後(例:1/3,000 、1/5,000 、1/7,500 、1/10,000 、1/25,000 )、室温で各メンブレンを1 時間インキ ュベートします*。 5 ) 3.1.1 のステップ5 )または1.2 のステップ3 )にならってメンブレンを洗います。 6 ) プロトコールに従って、ECL Advance /ECL Plus /ECL 検出試薬とインキュベート後、フィルムに露光してシグナルを 検出します。 * ECL Advanceを使用する場合には、希釈率に注意する必要があります(7ページの選択ガイドを目安に設定してください) 。また、二次抗体の希 釈倍率を決定する場合は、一次抗体の希釈倍率を固定して二次抗体の至適濃度を検討します。 3.1.4 力価が明らかな抗体を用いたブロット検出−ECL Advance / ECL Plus / ECL検出 ● 高いバックグラウンドが検出された場合 HRP 標識抗体をさらに2 倍以上に希釈して用いることで、結果が改善されることがあります。希釈倍率を極端に高くする とシグナルが検出されなくなることがあります。2 倍から徐々に希釈倍率を上げてください。ビオチン−ストレプトアビ ジンシステムを用いている場合は、ビオチン化二次抗体とHRP 標識ストレプトアビジンの両方をさらに同じ倍率で希釈し ます。 ● バックグラウンドは観察されなかったものの、非特異バンドが検出された場合 一次抗体をさらに2 倍以上に希釈して用いることで、結果が改善されることがあります。 ― 23 ― ▲ 3.2 時間短縮のためのプロトコールガイド HRP 標識抗体を使用する検出を、通常より大幅に時間短縮するための実験ガイドを紹介します。以下のガイドを参考 に実験操作をスムーズに行うことで、第2 章に示した検出プロトコールを約2 時間まで短縮できます。 1 )メンブレンのブロッキング ・高濃度のブロッキング剤を用いることで時間短縮が可能です。弊社のブ ロッキング剤(ECL Blocking agent :RPN2125 )10% を含むPBS-T ま たはTBS-T を用いると、10 分間のインキュベートで十分な効果が得られ る場合があります(室温、振とう) 。スキムミルクをブロッキング剤とし て用いる場合も同様です。ECL Advance を使用する場合にはプロトコー ルどおりに検出してください ・ブロッキング時間の短縮には、高品質なHybond-P (PVDF メンブレン) およびHybond-ECL (ニトロセルロースメンブレン)が適しています。 2 )一次抗体の反応 ・ブロッキング後のメンブレンの洗浄時間は短縮することができます。こ の場合、PBS-T またはTBS-T 中で15 秒間ブロットをすすぎ、その後バッ ファーを交換してさらに15 秒間をすすいでください。 ・一次抗体濃度を上げることにより、感度を下げることなく一次抗体反応 時間を20 分程度まで短縮できます。インキュベーション時間に合わせて 抗体濃度を再検討してください。 ・一次抗体の洗浄はできる限り多量の洗浄バッファー(PBS-T またはTBST )を用い、3 回以上ブロットをリンスした後、室温で10 分間洗浄して ください。 ・抗体によっては4 ℃あるいは37 ℃でインキュベートすると時間を短縮で きる場合があります。 3 )二次抗体の反応 ・二次抗体濃度を上げることにより、感度を下げることなく時間短縮がで きます。目安として、4 倍濃度で15 分間インキュベート(室温、振とう) することで同等の感度を得られます。この場合、バックグラウンドを抑 えるために、メンブレンの洗浄は十分に行ってください。 ・一次抗体の洗浄同様、できる限り大量の洗浄バッファー(PBS-T または TBS-T )を用い、3 回以上ブロットをリンスした後、室温で10 分間洗浄 してください。 4 )検出 ・一次抗体および二次抗体濃度を上げると、露光時間を短縮できます。 ・ECL Mini-Camera を使用すると、現像時間が省略されるので、X 線フィ ルムによる検出に比べ大幅に時間を短縮できます。 3.3 ECL Plus検出法からECL Advance検出法へ移行するためのアドバイス 注意:ECL Advanceは非常に高感度な検出試薬のため、 ECL PlusやECLで検討した抗体濃度をそのまま用いると、 バックグラウンドが高すぎてX線フィルムが真っ黒になってし まうことがあります(右図) 。高感度な検出結果を得るために は最適抗体濃度の決定が必須となります。 ― 24 ― <実験例1> 50 ng から等倍希釈したBSA をHybond-P (PVDF メンブレン)にスロットブロットしました。抗BSA モノクローナル 抗体とHRP 標識抗ラビット抗体(NA934 )をそれぞれ反応させ、ECL Plus/ECL Advance 検出試薬を用いて検出しま した。X 線フィルム(Hyperfilm ECL )へ5 分間露光しました。 (ng) ←50 (ng) ←50 ←25 ←25 ←12.5 ←12.5 ←6.3 ←6.3 ←3.1 ←3.1 ←1.5 ←1.5 ECL Advance 一次抗体 1:50,000 ECL Plus ←0.8 二次抗体 1:200,000 結果 GUIDE ←0.8 一次抗体 1:5,000 二次抗体 1:100,000 ECL Advance ではECL Plus と比較して、一次抗体を10 倍、二次抗体を2 倍に希釈することでほぼ同程度の検出感度 が得られることがわかりました。 ECL Plus からECL Advance へ移行する場合は、まず二次抗体濃度をECL Plus の場合の2 ∼4 倍希釈に固定してから、 一次抗体濃度をECL Plus の場合の4 ∼10 倍希釈の範囲でご検討ください。 <実験例2> 80 ngから等倍希釈したBSAをSDS-PAGE後、Hybond-P(PVDFメンブレン)に転写しました。一次抗体として抗BSA抗 、二次抗体としてHRP 標識抗ラビット抗体(NA934 、1:200,000 )を反応させました。ECL Plus/ECL 体(1:20,000 ) Advance検出試薬を用いて検出し、X線フィルム(Hyperfilm ECL)へ10分間露光しました。 5 80 40 20 10 5 2. 2 1. 6 (ng) 0. ECL Advance 結果 GUIDE 5 80 40 20 10 5 2. 2 1. 6 (ng) 0. ECL Plus 抗体濃度を同条件で反応させた場合、ECL Advance はECL Plus より8 倍以上高感度な結果が得られました。 ECL Plus と同条件の抗体希釈率で検出を行った場合、希釈濃度によってはバックグラウンドが非常に高くなる場合 がありますのでご注意ください。 ― 25 ― ▲ 3.4 ECL検出法からECL Plus検出法へ移行するためのアドバイス <実験例> 20 ng から等倍希釈したBSA をSDS-PAGE 後、Hybond-P (PVDF メンブレン)に転写しました。抗BSA 抗体(ウサ ギ)と抗ウサギHRP 標識二次抗体(NA934 )をそれぞれ反応させました。ECL Plus/ECL 検出試薬を用いて検出し、X 線フィルム(Hyperfilm ECL )への露光は10 分間行いました。 20 10 5 2.5 1.2 0.6 0.3 (ng) 20 10 5 2.5 1.2 0.6 0.3 (ng) A)一次抗体は2,000倍希 釈、二次抗体は10,000倍 希釈でそれぞれ反応させ、 ECL検出試薬を用いて検 出しました。 B)一次抗体は8,000倍希 釈、二次抗体は25,000倍 希釈でそれぞれ反応させ、 ECL Plus検出試薬を用い て検出しました。 X 線フィルムへの露光時間を10 分間とし、上記の条件でウェスタンブロッティングを行いました。その結果、ECL に 結果 比べECL Plus では、一次抗体を4 倍、二次抗体を2.5 倍に希釈することでほぼ同等の感度が得られました。また、この 際バックグラウンドもほとんど見られませんでした。 GUIDE ECL からECL Plus へ移行する場合、ECL の至適化条件に対して二次抗体濃度を2 ∼4 倍希釈に固定したうえで、一次 抗体濃度を2 ∼10 倍の範囲で検討してください。 ▲ 3.5 発色法(DAB検出法)からECL Plus検出法へ移行するためのアドバイス <実験例> 2 % BSA を含む大腸菌懸濁液を10 µ g から等倍希釈してSDS-PAGE 後、Hybond-P (PVDF メンブレン)に転写しま した。抗BSA 抗体(ウサギ)と抗ウサギHRP 標識二次抗体(NA934 )をそれぞれ反応させ、ECL Plus 検出試薬およ びDAB 発色試薬を用いて検出しました。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 結果 GUIDE 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 A)一次抗体は1,000倍希釈、二 次抗体は1,000倍希釈でそれぞ れ反応させ、DABを用いて検出 しました。DABの発色時間は15 分間としました。 B)一次抗体は20,000倍希釈、 二次抗体は10,000倍希釈でそれ ぞれ反応させ、ECL Plus検出試 薬を用いて検出しました。X線 フィルム(Hyperfilm ECL)へ の露光時間は10分間としまし た。 レーン1:10 ng レーン2:5 ng レーン3:2.5 ng レーン4:1.2 ng レーン5:0.6 ng レーン1:10 ng レーン2:5 ng レーン3:2.5 ng レーン4:1.2 ng レーン5:0.6 ng レーン6:0.3 ng レーン7:0.15 ng レーン8:0.07 ng レーン9:0.03ng レーン10:0.01ng レーン6:0.3 ng レーン7:0.15 ng レーン8:0.07 ng レーン9:0.03ng レーン10:0.01ng ECL Plus を用いた結果では、DAB 発色法に比べて一次抗体を20 倍、二次抗体を10 倍に希釈することでほぼ同等の感度が 得られました。2 % BSA を含む大腸菌懸濁液を等倍希釈してサンプルとしているため高濃度側で多少のバックグラ ウンドが見られますが、ECL Plus の結果はDAB に比べ明らかにS/N 比が高いことがわかります。 発色法からECL Plus へ移行する場合、一次抗体濃度は20 ∼50 倍希釈から検討してください。二次抗体は、HRP 標 識抗体を用いて露光時間を10 分とする場合、10 ∼20 倍希釈から検討してください。 ― 26 ― ▲ 3.6 ECL Mini-CameraとHyperfilmの感度比較 ECL Mini-Camera は化学発光の検出チェックをインスタントフィルムを使用して行うカメラです。 通常、化学発光はX 線フィルムやCCD カメラ等を搭載した画像解析装置を使用して検出を行いますが、このECL Mini- Camera を用いることによって、化学発光をインスタントフィルムに簡便に検出することができます。メンブレンサイ ズ 74 ×93 mm までの検体はこのECL Mini-Camera で検出できますので、暗室に行かずに実験台の上で検出のチェ ックを行うことができます。 ECL Mini-CameraとHyperfilmの検出感度の違いは? <感度比較実験> 1 ×10 5倍から等倍希釈したHRP 標識抗ウサギ抗体(NA934 )をそれぞれ100 µl ずつスロットブロットした後、ECL Plus およびECL 検出試薬、DAB 発色試薬でそれぞれ検出しました。ECL Plus とECL の露光時間は5 分間、DAB の発色 時間は15 分間としました。X 線フィルムはHyperfilm ECL 、ECL Mini-Camera はISO3000 相当のインスタントフィ ルムを用いました。 Mini-Camera Mini-Camera 1×105 希釈 1×105 希釈 2×105 希釈 2×105 希釈 4×105 希釈 4×105 希釈 8×105 希釈 8×105 希釈 16×105 希釈 16×105 希釈 32×105 希釈 32×105 希釈 64×105 希釈 64×105 希釈 128×105 希釈 128×105 希釈 256×105 希釈 512×105 希釈 DAB 発色法との感度比較(5 分間露光) 検出試薬 検出フィルム DAB 発色法に対して ECL ECL ECL Plus ECL Plus Hyperfilm ECL Mini-Camera Hyperfilm ECL Mini-Camera 16 倍 8倍 64 倍 16 倍 ※ BCIP/NBT発色試薬はDAB発色試薬に比べ、4倍程度高感度です。 ※ 上記の結果は5分間露光による検出ですが、ECL PlusおよびECL検出試薬を用いた場合、露光時間を延長することによってより高い感度を得ることがで きます。 ― 27 ― ▲ 3.7 ブロッキング条件の至適化 抗体濃度の至適化とブロッキング条件の至適化は、ECL シリーズのような高感度な検出系で、バックグラウンドが低 く、良好なS/N 比の結果を得るための重要なポイントです。 タンパク質をメンブレンにトランスファーした後に、抗体や他のプローブが非特異的に結合しないよう、非特異的な結 合部位をあらかじめ飽和させておく必要があります。効果的なブロッキングがおこなわれないと、高いバックグラウン ドをもたらします。 目的タンパク質の性質は個々のタンパク質によりさまざまです。また、抗体との結合性も、抗体の種類や抗原タンパク 質との組み合わせにより異なります。したがって、すべてのタンパク質に対して最良の結果をだすプロトコールという ものはありません。以下に、ウェスタンブロッティングでよく用いられるブロッキング溶液とその特徴をご紹介します。 これらのブロッキング剤は、ECL シリーズに用いることができます。 通常ブロッキングは、室温30 分∼1 時間、あるいは4 ℃一晩でおこないます。 ブロッキング剤濃度、反応温度を上げることで、効果が改善される場合もあります。 ■ ECL Blocking agent(コード番号:RPN2125) ECL およびECL Plus 専用のブロッキング剤です。高感度な検出系に至適化したブロッキング剤で、バックグラウンドの 低い良好な結果が得られます。 注意)ECL Advance で検出する場合は、キットに付属の専用ブロッキング剤をご使用ください。 ■ スキムミルク/Tween 20 安価で効果の高いブロッキング剤です。通常5% スキムミルクと0.1%Tween20 をPBS またはTBS に加えて使用します。 多くの場合、バックグラウンドの非常に低い良好な結果が得られますが、抗原によっては、抗体結合部位までマスキン グされる場合があります。ECL 、ECL Plus の推奨ブロッキング剤のひとつです。 ■ スキムミルク タンパク質実験操作で最も一般的なブロッキング剤です。非常に安価であり、多くの場合、バックグラウンドの低い良 好な結果が得られます。通常5% スキムミルク濃度になるよう、PBS またはTBS に加えて使用します。スキムミルクの 欠点は、保存が利かないため、用事調製の必要があることと、抗原までマスキングしてしまうことがある点です。この ような場合、スキムミルク濃度を1% まで下げることにより、シグナルが強くなることがありますが、改善されない場 合は、他のブロッキング剤を試します。 ■ Fish Gelatin(コード番号:RPN416) フィッシュゼラチンは動物由来のものより水素結合を形成するアミノ基が少ないため、低バックグラウンドになります。 通常2% 濃度で用いられ、溶解性もよく、この濃度であれば、4 ℃でもゲル化しません。欠点は、抗原によってはマス キングされてしまう点と、ビオチンのような競合する物質が含まれる点です。また、比較的高価な試薬になります。 ■ BSA 価格もそれほど高価でなく、良好なシグナル強度が得られます。通常PBS に0.3 ∼3% の濃度でPBS に加えて使用しま す。炭水化物の夾雑物があるので、レクチンをプローブに用いた場合、バックグラウンドが高くなる可能性があります。 リン酸化チロシンの抗体による検出では、2%BSA がブロッキング剤としてよく用いられます。 ■ 血清(ウマ血清あるいはウシ胎仔血清) 0.02% アジ化ナトリウムを添加した10% 血清としてよく用いられます。このブロッキング剤は高価で、潜在的に交差 反応を引き起こす免疫グロブリンを含んでいるという欠点があります。二次抗体やProtein A をプローブとして用いる 系には向きません。 ― 28 ― ■ 界面活性剤 NP-40 やTriton のような界面活性剤は、メンブレン上のタンパク質と効率よく置換されてしまうので、使用は避ける べきです。Tween-20 は使用できますが、濃度を0.3% 以上にするべきではありません。一般的には0.1% 濃度で5% ス キムミルクと組み合わせて使用します。 ■ ブロッキング剤のミックス 複数のブロッキング剤を組合わせて使用することで、良好な結果が得られる場合があります。 例) ・1% ECL blocking agent (RPN2125 )、 0.5% BSA ・3% Fish Gelatin (RPN416 )、10% スキムミルク in PBS a) b) 図3-1 ブロッキングバッファーの違いによるバックグラウンドの比較 ラット肝臓サンプルをSDS-PAGEし、メンブレンにブロットしたものを、抗リン酸化チロシン抗体PY20で検出 しました。 ブロッキングバッファー:a)BSA in TBS-T b)スキムミルク in TBS-T スキムミルクにはリン酸化タンパク質が含まれるため、リン酸化タンパク質の検出には適しません。 ― 29 ― ▲ 3.8 過酸化水素によるホースラディッシュペルオキシダーゼの不活性化 ECL ウェスタンブロッティング検出システムは、高感度で簡便な化学発光検出試薬です。ここでは、 ● HRP 標識二次抗体を用いた抗原の標識と検出 ● HRP の不活性化 ● 最初に検出したタンパク質による妨害のない別のタンパク質の標識/検出 について行った実験を紹介します。 1) ラット腎臓溶解液(20 µg/lane )を電気泳動し、Hybond-ECL にエレクトロブロッティングします。 2 ) メンブレンは10% スキムミルクを含むPBS-T (Tween0.1 %)で1.5 時間室温でブロッキングをおこなった後、PBS-T で5 分×3 回洗浄します。 3 ) メンブレンを2 つのセクションに切り、別々に処理します。 メンブレンⅠ:抗アクチンマウスモノクローナル抗体と抗βチューブリンマウスモノクローナル抗体を各々1 :3,000 希釈PBS 中にて1 時間反応 メンブレンⅡ:抗アクチンマウスモノクローナル抗体を1 :3,000 希釈PBS 中にて1 時間反応 4 ) メンブレンⅠ、ⅡともPBS-T で5 分間×3 回洗浄します。 5 ) HRP 標識二次抗体を反応させます。 メンブレンⅠ:抗マウスIgG-HRP 標識二次抗体と抗マウスIgM-HRP 標識二次抗体をPBS-T に1 :3,000 希釈で30 分反応 メンブレンⅡ:抗マウスIgM-HRP 標識二次抗体をPBS-T に1 :3,000 希釈で30 分反応 6 ) メンブレンⅠ、ⅡともPBS-0.3%Tween20 で5 分間×3 回洗浄します。 7 ) メンブレンⅠ、ⅡともPBS-T で5 分間×3 回洗浄します。 8 ) ECL で1 分間反応後、ラップに包み、Hyperfilm に30 秒露光します。 9 ) PBS-T あるいはPBS-0.3%Tween20 で10 分×2 回洗浄し、検出試薬を除去します。 10 ) メンブレンⅡを15%H 2O 2 in PBS (30%H 2O 2とPBS を1:1 で混合)に30 分インキュベートし、HRP を不活性化します。 メンブレンⅠはPBS 中で一晩保存します。 11 ) メンブレンⅠ、ⅡともPBS-T で5 分間×3 回洗浄します。 12 ) メンブレンⅡをECL で1 分間反応後、ラップに包み、Hyperfilm に1 分露光します。 13 ) PBS-T で10 分×2 回洗浄し、検出試薬を除去します。 10 ) メンブレンⅡを抗βチューブリンマウスモノクローナル抗体 1 :3,000 希釈PBS-T で30 分インキュベートします。 15 ) PBS-T で5 分間×3 回洗浄します。 16 )抗マウスIgG-HRP 標識二次抗体をPBS-T に1 :3,000 希釈で30 分反応させます。 17 )PBS-0.3%Tween20 で5 分間×3 回洗浄後、PBS-T で5 分間×3 回洗浄します。 18 ) メンブレンⅠ、ⅡをECL で1 分間反応後、ラップに包み、Hyperfilm に1 分露光します。 HRP の不活性化に必要なペルオキシドの濃度は、HRP の量やインキュベート時間によって異なります。このサンプルでは 15% のペルオキシドが必要でしたが、これによるメンブレンの損傷や処理後の抗体反応への影響は見られませんでした。 この方法を使うことで、検出系を変えることなく、別のタンパク質に関する情報を得ることができました。 ― 30 ― 図3-2 Rat Kidney Lysate を 20 µg/ レーンで泳動し Hybond-ECL ニトロセルロースメンブレン (RPN202QD)にブロットした。 ブロッキングは0.1% Tween 20を含むPBSに10%スキムミルクを加えたバッファーを用いた。 ブロッキング後、メンブレンは2つに分けて以下の条件下で抗体反応を行った。 (メンブレン )抗チューブリン抗体と抗アクチン抗体を含む反応液で1時間インキュベートし た後、メンブレンを洗浄し、二次抗体抗-mouse IgG-HRP(Sigma)と IgM-HRP(Cappel)を 含む反応液でさらに30分インキュベートした。 (メンブレン )抗アクチン抗体で1時間インキュベートした後、メンブレンを洗浄し、二次抗 体 抗-mouse IgM-HRP で30分間インキュベートした。 各メンブレンは ECL 検出試薬で1分間の反応後、Hyperfilm ECL(RPN2103)に露光した。 図3-3 メンブレン は15%のH2O2を含んだPBS中で30分間インキュベートした後、ECL 検出試薬に 1分間反応させて Hyperfilm ECL に 1分間露光して検出した。 メンブレン は PBSに一晩漬けて保存した。 図 3-4 メンブレン は抗チューブリン抗体で1時間インキュベートした後、Anti-mouse IgG-HRPで 30分間インキュベートした。 メンブレン とメンブレン ( PBS で一晩保存したもの)を ECL 検出試薬 による反応後、 Hyperfilm ECLに30 秒露光して検出。 ― 31 ― 4 1 2 第4章 検出方法 化学発光の検出では、多くの場合、感度が重視されておりますが、 実際の実験では、定量性、経済性、便利性などが必要になる場合 も多くあります。この章では、現在使われている代表的な検出方 法の例をあげて、それぞれの検出方法の特徴について解説します。 3 4.1 • 検出方法の種類と特徴 4 4.2 • ECL Mini-Camera による検出 4.3 • Hyperfilmによる化学発光検出(露光から検出まで) 5 4.4 • バリアブルイメージアナライザーTyphoonによる検出 付録:冷却式CCDカメラシステムによるタンパク質の定量化 6 7 8 ▲ 4.1 検出方法の種類と特徴 ECL の検出は大まかに分類すると2 つに大別されます。 ①フィルムによる感光 フィルムを感光させて検出する方法です。もっともオーソドックスな方法で、高い感度での検出ができます。従来のフ ィルムの場合、暗室での現像作業が必要でしたが、ECL Mini-Camera の様なポラロイドフィルムを用いたインスタン トカメラタイプでの検出の場合、暗室操作も不要で、手軽にECL の検出ができます。 ② 検出用機器による検出 フィルム露光に変わる方法として利用されている方法には、冷却式CCD カメラによる検出があります。冷却式CCD カ メラによる検出は暗室が不要であること、またデジタルデータとして取り込まれるため、定量解析にそのまま用いるこ とができるという利点があります。最近では多目的画像解析装置の高感度化により、一部のスキャナーでは化学発光 を直接検出することができます。これらのスキャナーの場合、ケミフローレッセンス(化学蛍光)法による検出も可能 なシステムもあります。 ECL Mini-Camera Hyperfilm 冷却式CCD カメラ スキャナー 感度 ○ ◎ ○ △ 暗室 不要 必要 不要 不要 ◎ △ ○ ○ △ △ ○ ◎ △ ○ △ ◎ 手軽さ 定量性 * 他アプリケーションでの応用 *蛍光検出、放射性同位元素(RI )検出など ― 34 ― ▲ 4.2 ECL Mini-Cameraによる検出 ECL Mini-Camera とは... ポラロイドCB-103 フィルムホルダーをベースにしてデザインされた化学発光検出器です。ECL やAlkPhos Direct, Gene Images をはじめとした、タンパク質や核酸の化学発光検出すべてに使用することができます。 <推奨フィルム> インスタントフィルムは、8.5 ×10.5 cm サイズ、 ISO3000 相当の感度のものを推奨いたします。 <対応メンブレンサイズ> 2 種類のボートとメンブレンホルダーにより、 7.7 ×5.2 cm あるいは9.3 ×7.4 cm までのメンブレン をセットすることができます。 <ミニゲルホルダーを用いた操作方法> 1 ) フィルムカートリッジをカメラ本体のフィルムホルダーにセットします。黒い紙(遮 光紙)と白タブは外に出した状態にします。 2 ) 白タブがカメラ本体の内部に巻き込まれていないことを確認します。 3 ) フィルムホルダーのふたを閉めます。 4 ) 遮光紙を引き出すと自動的に白タブが引き出されます。フィルムのセットはこれで 完了です。メンブレンホルダーのふた側を上にして安定した机の上におきます。 5 )化学発光検出試薬をメンブレンにかけて反応させた後、余分な検出試薬を除去して からブロット面を下にしてメンブレンをラップの上にのせます。ラップは30 ×30cm 四方を目安として、机などの平面にラップを広げます。この際、できるだけラップに しわがよらないように注意します。 ― 35 ― 6 ) メンブレンにあわせて、ミニゲルホルダーを置きます。 7 ) ラップとメンブレンの間に気泡が入らないように注意して、メンブレンとホルダーを まとめてラップで包みます。 8 ) カメラ本体のメンブレンホルダー側のふたを開け、ラップで包んだメンブレンとミニ ゲルホルダーをカメラ本体にセットし、ふたを取り付けます。 9 ) シャッターを静かに開けて露光します。露光時間はシグナル強度とフィルム感度に よりますが、通常は1 分間程度の露光からはじめてください。露光が終了したら、シ ャッターを静かに閉めます。シャッターが完全に閉められていることを確認してくだ さい。 10 ) タブを引いてフィルムを引き出します。フィルムを室温で静置して現像を待ちます。 ― 36 ― ▲ 4.3 Hyperfilmによる化学発光検出(露光∼現像まで) <準備> 現像液や定着液のマニュアルを参照して溶液を調製します。試薬の温度は結果に大きく影響するので、温度が推奨条件に なるよう調整します(20 ℃が一般的です)。温度変化が激しいと容器が結露したり、現像ムラがおきやすくなります。X 線 フィルム(Hyperfilm など)やフィルムカセットも温度変化により結露することがあります。暗室の温度を20 ℃前後に安 定させて、試薬や容器、フィルムも使用前にその温度になじませておくことをお奨めします。 1 )(白色光下)ラップに包んだメンブレンを、ブロット面を上(ブロット面がX 線フィルムと接するよう)にしてフィルムカセッ トに置きます。 2 )(セーフティーライト下)X 線フィルムを箱から取り出し、フィルムカセットにセットします。フィルムがメンブレンの上で動 くと、画像ブレが起こりますのでご注意ください。フィルムカセットの蓋を閉め、1 ∼5 分露光します。発光が強い場合は露光 時間を短くすることで画像の濃さを調整できますが、露光時間が1 分以下の場合、セッティングの際の画像ブレの影響が出や すくなります。カセットが閉まっている間は、部屋の白色光を点灯させてもかまいません。 3 )(セーフティーライト下)カセットを開けてフィルムを取り出します。画像ブレが起こらないよう、速やかにフィルムとメン ブレンを離します。 4 )(セーフティーライト下)フィルムを現像液に浸します。フィルム面に気泡がないようにし、全体が均一に浸るようにします。 20 ℃で5 分を目安に現像します。現像時間を変えることでも画像の濃淡を調整できますが、現像ムラが起こりやすくなったり、 操作によるばらつきが大きくなります。温度と時間を一定にすることが、安定した画像を得るポイントです。 5 )(セーフティーライト下)フィルムを水道水を満たしたバットに移し、流水中に30 秒ほど置き、現像液を洗い流します。 6 )(セーフティーライト下)フィルムを定着液で満たしたバットに移します。フィルム面に気泡がないよう注意します。20 ℃で 3 分以上、乳剤が溶けてフィルムが透明になるまで十分に置きます。フィルムが透明になったら白色光をつけて定着ムラがな いか確認します。定着ムラが見られた場合はさらに定着液に浸して乳剤を除去します。 7 )(白色光下)流水中に10 分以上置き、定着液を洗い流します。 8 )(白色光下)水中からフィルムを取り出し、室温で風乾します。 ― 37 ― <Hyperfilm ECLによるタンパク質の定量化> ECL により発せられた光に対して、Hyperfilm ECL はリニアに感光することが示されています( 文献14) 。したがって、 フィルム上に得られたシグナルを、デンシトメトリーを用いて定量化することが可能です。また、フィルムがリニアに 感光する範囲は、プレフラッシングを行うことにより拡大され、より低レベルのタンパク質の定量化も正確に行えるよ うになります。以降に未知量タンパク質の定量化のガイドラインを示します。 1 ) 未知量タンパク質と既知量の同一抗原(スタンダード)サンプルの両方をウェスタンブロッティングします。少なくとも スタンダードは、5 段階の異なる希釈をとることをおすすめします。各希釈段階は10 倍以下に設定してください(下記の 実験例を参照) 。定量すべきタンパク質量がスタンダードレンジに入るよう調製することが重要です。そのために、異な る希釈倍率で未知量サンプルを何点かとることを考慮してください。 2 ) フィルムは、プレフラッシングして用いた方が良い結果が得られます。照射距離の目安を示したストロボ(Sensitize RPN2051 )を用いれば、この操作を比較的容易に行うことができます。 3 ) ECL ウェスタンブロッティングのプロトコールに基づいて検出を行います。正確に定量するためには、発せられる光量が フィルムのリニアに感光する範囲内であることが重要です。そのため、露光時間を変えて何枚かフィルムを感光させ、最 も低量のスタンダードによるシグナルがフィルム上でわずかに見えれば、他のスタンダードの何点かがリニアレンジに入 ってくるはずです。 4 ) フィルムをデンシトメーターでスキャンして、スタンダードのタンパク質量に対してピーク値をグラフにブロットします。 未知タンパク質量は、このグラフとブロット時の希釈から導き出すことができます。 ※ CCD カメラやスキャナーなどの化学発光・蛍光検出装置を使用することで、より簡単にタンパク質の定量化を行うことができます。 ■ 実験例 −ECLを使用− ニワトリ砂嚢ミオシンを10 µl 泳動バッファー中に、600 ng 、450 ng 、300 ng 、150 ng 、60 ng 含むスタンダード サンプルと60 ∼600 ng の範囲の検定用サンプルを2 種類調製しました。 すべてのサンプルを電気泳動し、Hybond-ECL にブロットしました。イムノディテクションは、抗ミオシン重鎖モノク ローナル抗体(1:20 )とHRP 標識抗マウス抗体(NA931 、1:3,000 )で反応後、ECL 検出試薬で検出しました。露光 時間を変えて数枚Hyperfilm ECL を感光させ、60 ng のスタンダードがわずかに見えるフィルムをデンシトメトリーで 解析しました。 UltraScan XL Laser densitometer *を用いてフィルムをスキャンし、スタンダードミオシン量に対してピークOD 値 をグラフにプロットしました。 検定用2 サンプルの量を、スタンダード直線から算出しました。 * 米 ※ UltraScan XL Laser densitometer の販売は現在は行っておりません。 (左から) 2.5 ミオシン600, 450, 300, 150, 60 ngと検出サンプル1, 2 Peak area (OD units ) 泳動後、Hyperfilm ECLを用いて15秒間露光しました。 ミオシン重鎖→ (200 kDa) Peak area (OD units) 計算値 実測値 検出用サンプル1 0.865 235 ng 240 ng 検出用サンプル2 0.476 125 ng 120 ng 2 1.5 1 0.5 0 60 150 300 ng myosin ― 38 ― 450 600 ▲ 4.4 バリアブルイメージアナライザーTyphoonによる検出 発光の検出は以下の操作手順を順番に行ってください。操作のポイントでは各工程での実際の操作を図で示していま す。合わせてご参照ください。 〈発光サンプルの準備∼操作手順〉 1 ) 発光サンプルを準備します。 発光基質で反応を行ったサンプルを準備します。 2 ) 発光サンプルのセッティングを行います。 反応を行ったメンブレンを 下図のような形で無蛍光ガラスに挟みこみます。 サンプル面のガラスにはカプトンテープを両端に貼り、少し浮いた状態にしてガラスとガラスがくっついてしまわ ないようにします。 Typhoon 本体のガラスステージ上に蒸留水をかけてカプトンテープを貼ってある面を下に向けて空気が入らない ように置きます。 Typhoon の蓋を閉めます。 3mm厚ガラス板 3mm厚ガラス板 Typhoonガラスステージ カプトンテープ メンブレン (サンプル面が下) 蒸留水 〈発光サンプルのスキャン〉 1 ) Typhoon の準備 Typhoon 本体及びPC の電源を入れ、デスクトップの画面からTyphoon ScannerControl を立ち上げます。 2 ) スキャン設定を行います。 scan acquisition mode からChemiluminescence を選択します。Setup でSensitivity をhigh にPMT voltage を950V に設定し、OK をクリックします。グリッドエリアを選択し、Pixel size 、Sample orientation 、Press sample 、focal plane 、Image analysis ソフトウェアを選択します。 3 ) スキャンを始めます。 Scan ボタンをクリックします。ファイル名を入力し、Save をクリックします。 4 ) 結果の確認を行います。 ImageQuant ソフトウェアを立ち上げ、画像の確認を行うことができます。 5 ) スキャン後のクリーンアップ サンプルを取り除き、Typhoon 本体をクリーンアップします。 ― 39 ― 本文 付録:冷却式CCDカメラシステムによるタンパク質の定量化 ■ 実験例 −ECL Advanceを使用− BSA をHybond-P に200 、100 、50 、25 、12.5 、6.3 、3.1 、1.6 、0.8 、0.4 、0.2 ng スロットブロットし、 抗BSA モノクローナル抗体(1:50,000 )、HRP 標識抗ラビット抗体(NA934 、1:200,000 )で反応後、ECL Advance 検出試薬で検出しました。冷却式CCD カメラ(ImageMaster-CL *)を用いて検出し、バックグラウ ンド補正後のボリューム値(補正後のシグナル強度の和)とBSA 添加量をプロットしました。低濃度側8 ブロ ット(0.4 ∼50 ng :閾値以上)のデータポイントに対する近似直線と対応するR2 値を示しました。 * ImageMaster-CLは現在販売しておりません。 30,000,000 Volume 25,000,000 20,000,000 15,000,000 10,000,000 R2=0.9978 500,000 0 0 50 100 150 200 250 BSA(ng) 結果 冷却式CCD カメラによる化学発光検出装置を使用することで、より簡単にタンパク質の定量化を行うことが できます。この系では、0.4 ∼50 ng の範囲で統計学的に有効な直線性が得られました。 ― 40 ― 5 1 第5章 2 ECL Plus には化学発光反応中に中間生成物として、蛍光物質を生 3 4 ケミフローレッセンスによるECL Plusの検出 産する特性があります。 この特性を利用することで、ケミフローレッセンス(化学蛍光) 法での検出可能です。ケミフローレッセンス法はバリアブルイメ ージアナライザーTyphoonなどの蛍光検出用画像解析装置で検出 でき、データのデジタル化(=数値化)が可能です。 この章ではECL Plusを用いたケミフローレッセンス法についてご 紹介します。 5.1 • プロトコール 5 6 7 8 5.2 • バリアブルイメージアナライザーTyphoonによる検出 ▲ 5.1 プロトコール 1. 準備と一般的な取り扱いについて 基本操作は化学発光検出と同じですが、蛍光検出の際には下記の点にご注意ください。 ・蛍光検出の成功の秘訣はバックグラウンドを低く抑えることにあります。ブロッキングや洗浄時は十分量のバッファ ーを使用します。 ・使用されるメンブレンは乾かさないようご注意ください。 ・洗浄時のバッファー量はメンブレン1 cm 2あたり2.5 ml 以上使用することをおすすめします。メンブレンが十分入 る大きさの容器を準備します。使用する容器は必ず水とエタノールで洗浄し、メンブレンを取り扱う際にはパウダー フリーのグローブを使用します。 2. インキュベーション 1 )平面に置いた清潔なハイブリダイゼーションバッグ(またはラップフィルム)の上に、洗浄したメンブレンをサンプル面を 上にして置きます。 2 )ECL Plus 基質を、製品添付書に従って調製(Detection Reagent A とB を40 :1 で混合)します。メンブレンを1 cm 2 あたり100 µl のECL Plus 基質で完全に覆い、室温で5 分間インキュベートします。 3 )清潔なピンセットでメンブレンをつまみ、余分な試薬を軽く切り、3 mm 厚の無蛍光ガラス板に載せて挟みます。メンブレ ンとガラス板の間に気泡が入らないようご注意ください。 4 )画像検出までに時間をおく場合はメンブレンを遮光し、スキャンを行うまで室温にて保存してください。 表5-1.ケミフローレッセンス基質から得られる蛍光物質の最大励起、蛍光波長と 検出時に用いられる酵素 ケミフローレッセンス基質 励起波長 (nm) *1 蛍光波長 (nm) 酵素 ECL Plus 430 503 HRP*2 ECF 440 560 AP*3 DDAOphosphate 646 660 AP*3 *1 ケミフローレッセンスとケミルミネッセンス検出に用いることができる。 *2 Horseradish Peroxidase *3 Alkaline Phosphatase ― 42 ― ▲ 5.2 バリアブルイメージアナライザーTyphoonによる検出 1 )Typhoon のステージに汚れが無いことを確認し、サンプルを設置する際に、サンプル面側のガラス板にカプトンテープを 貼ります。 2 )サンプル面を下向きにしてメンブレンを挟んだガラス板を設置します。バックグラウンドを抑えるためには、メンブレンを 乾かさないようにすることが重要です。メンブレンとガラス板の間に気泡が入らないようご注意ください。Typhoon でECL Plus をケミフローレッセンス検出する場合、457 または488 mm 光源で励起します*。 3 )「Press Sample 」を選択します。Focal Plane は+3 mm 、Pixel Size は100 µm 、Sensitivity はNormal に設定しま す。また、PMT ボルテージの推奨値は450 ∼800 V です。 * 蛍光ウェスタンブロット検出のための励起、検出設定は蛍光試薬ごとに至適化が必要です。感度を最高にするための励起波長/検出フィルタ ーの組合せは、使用する蛍光色素の最大励起、蛍光波長と必ずしも一致しません(表5-1)。 表5-2.Typhoon 9400でのケミフローレッセンス用いたβ-チューブ リンの検出限界 3mm厚ガラス板 検出限界* (β-tubulin) 基質 ECL Plus 0.5 ng ECF 2∼4 ng DDAO phosphate 1∼2 ng カプトンテープ * 検出限界値はチューブリンを目的タンパク質として検出を行った際の結果。 検出限界値とはバックグラウンド修正後のS/N比が3以上を保つ限界。 GUIDE Typhoonガラスステージ メンブレン (サンプル面が下) 蒸留水 主に非特異的な抗体の付着によってメンブレンのバックグラウンドノイズが大きくなる可能性があります。感度を最大 限に得るために、検出条件の至適化をおすすめします。 <結果> 図5-1a 、b にTyphoon で検出した蛍光ウェスタンブロッティングの検出例を示します。各種の蛍光ウェスタンブロッ ト検出を用いたβ- チューブリンの検出限界を表5-2 に示します。化学発光法の場合の8 分間のフィルム感光の結果と同 等であり、4 倍以上の広いリニアダイナミックレンジが得られました。Typhoon は5 オーダーのダイナミックレンジを 持っています。 a) 図5-1.ケミフローレッセンス法と蛍光標識法によるウェスタンブロッティ ング b) GUIDE a) ECL Plus基質を用いたケミフローレッセンス法によるウェスタンブロッティング。 β-チューブリンは等倍希釈を行い、レーン左より16、8、4、2、1、0.5 ng添加。 b)フルオレセインを用いた蛍光標識法によるウェスタンブロッティング。β-チューブ リンは等倍希釈を行い、レーン左より32、16、8、4、2、1 ng添加。 対応機種:Typhoon 9410 、9400 、Trio (488 nm のみ) ― 43 ― 6 1 2 3 4 第6章 関連製品プロトコール どんなに化学発光の操作をきれいに行っても、電気泳動・ブロッ ティングという一連のウェスタンブロッティング操作が上手くい かなければ、良いデータを得ることができません。この章では代 表的な電気泳動とブロッティング装置の操作についてご紹介しま す。また、煩雑なウェスタンブロッティングの各反応を自動化す るためのシステムもあわせてご紹介します。 6.1 • mini VEミニゲル用電気泳動装置/ブロッティング装置 6.2 • TE70 / TE77セミドライブロッティング装置 5 6 7 8 6.3 • MultiProcessorゲル・メンブレン用自動検出処理装置 ▲ 6.1 miniVE ミニゲル用電気泳動装置/ブロッティング装置 miniVE とは... 泳動、ゲルキャスティング、ブロッティングを1 つのユニットで行うことができる一体型の縦型電気泳動装置です。 6.1.1 ゲルモジュールの準備 ゲルサンドウィッチ 1 )ゲルサンドウィッチ(ノッチ付きガラスプレートおよびガラスプレート のセット)を作製ゲル枚数分準備します。 2 )ゲルサンドウィッチをゲルモジュールに設置し、クランプで挟みスクリ ューをしっかり締めます(図6-1 ) 。 クランプ スクリュー 3 )シーリングプレートを起こし、つまみをしっかりとはめ込みます。シー リングプレートのガスケットがゲルサンドウィッチの底辺に密着してい ることを確認してください。 シーリングプレート 図6-1 6.1.2 ゲル作製 1 ) ゲル溶液を準備します(枚数、厚さによって溶液量が異なります)。 必要なゲル溶液量(2枚分) ゲル厚(mm ) 分離ゲル(ml ) 濃縮ゲル(ml ) 0.75 15 3.35 1.0 20 4.47 1.50 30 6.70 ※バッファー組成、ゲル溶液の調製については付録を参照してください。 2 )10% 過硫酸アンモニウム、TEMED を加えた分離ゲル溶液をゲルサンドウィッチへ流し込み、n- ブタノール飽和水溶液を 重層して1 時間以上重合させます。 3 )n- ブタノール飽和水溶液を除き、濃縮バッファーで分離ゲル表面を洗います。 4 )濃縮ゲル溶液を重層して静かにコームを差し込み、1 時間以上重合させます。 ウェル深1 mmあたりのサンプル量(µ l) 6.1.3 サンプル添加 1 )ウェルを崩さないようにコームをはずし、泳 動バッファーでウェルを洗浄します。 2 )ウェルに泳動バッファーを満たし、サンプル を添加します。 ウェル数 5 9 10 15 18 ― 46 ― ゲル厚 0.75 mm 1.0 mm 1.5 mm 9.5 12.7 5.8 4.8 2.9 2.9 19.1 − 3.6 2.2 − − 7.2 4.4 − 6.1.4 泳動槽の準備 1 )シーリングプレートのつまみを下段の窪みにはめ込み(図6-2 )、下部バッ リッド ファータンク内にゲルモジュールを設置します。 2 )上部バッファーチャンバーに泳動バッファーを満たします。ノッチ付きプ レートの3 ∼5 mm 上までバッファーを注ぎ入れてください。 ゲルモジュール 3 )下部バッファータンクの「MIN 」の表示より上、「MAX 」の表示の下まで 泳動バッファーで満たします。必要なバッファー量はゲル(ゲルモジュー 下部バッファー タンク ル)により異なります。 6.1.5 泳動 図6-2 1 )リッドを被せ、電極コードをパワーサプライに接続します。 2 )定電流もしくは定電圧で泳動を始めます。SDS-PAGE では、10 ∼20 mA/ ゲルで泳動します。 3 )色素がゲル下端に達する直前に泳動を終了します。 6.1.6 泳動終了 1 )電源を切り、リッドをはずします。 2 )ゲルモジュールを逆さにして泳動バッファーを捨て、ゲルサンドウィッチを取りはずします。 3 )プレートからゲルをはがし、染色もしくはブロッティングを行います。ブロッティングを行う場合、ゲルをトランスファー バッファーに浸して平衡化します。 6.1.7 Blot Module(オプション)の取り扱い 1 )ゲルモジュールの陰極、陽極の縁にガスケットをはめ込みます。 2 )ゲルと同じサイズのブロッティングペーパーを準備し、トランスファーバッファーに浸しておきます。 3 )メンブレンをゲルと同じサイズにカットします。ニトロセルロースメンブレンは蒸留水につけた後、PVDF メンブレンはメ タノールで親水処理を行った後にトランスファーバッファーに浸しておきます。図6-3 のようにダクロンスポンジ(a,f ) 、 ブロッティングペーパー(b,e ) 、ゲル(c ) 、メンブレン(d )を重ねます(メンブレンとゲルの間に気泡が入らないように します) 。 4 )陰極の上にa ∼f をのせ、Blot Module を300 ∼350 ml のトランスファーバッファーで満たします。 5 )Blot Module を下部バッファータンクに設置します。下部バッファー タンクを1.2 ∼1.7 L の室温もしくは4 ℃に冷却した蒸留水で満たしま す。 f 6 )リッドを被せ、電極コードをパワーサプライに接続します。 c 7 )定電流でブロッティングを行います。Towbin Buffer を使用する場合、 300 ∼400 mA で1 ∼2 時間の条件で行います。 b a 陰極 図6-3 ― 47 ― d e 陽極 ▲ 6.2 TE 70 / TE 77セミドライブロッティング装置 TE 70 / TE 77 とは... TE 70 、TE 77 は、低電流・低電圧下で発熱量を最小限におさえながらタンパク質をゲルからメンブレン上にすばやく 転写できる装置です。 6.2.1 転写の準備 1 )陽極、陰極の各電極板を脱イオン水ですすぎます。 2 )ウェル部分と濃縮ゲルを除いたゲルサイズを測定します。 泳動後のゲルは必要に応じてトランスファーバッファーで平衡化します。 3 )測定したゲルサイズより各辺2 mm 程小さい“窓”をマスク中央に開けます(マイラーマスク)。このマスクを陽極電極板 上におきます。 4 )4 ∼6 枚のブロッティングペーパーをゲルと同じサイズにカットし、2 ∼3 枚×2 組に分けてトランスファーバッファーに浸し ます。 5 )メンブレンをゲルと同じサイズにカットします。ニトロセルロースメンブレンは脱イオン水ですすいだ後、PVDF メンブレ ンはメタノールで親水処理を行った後にトランスファーバッファーに浸します。 6 )以下のようにブロッティングペーパー、メンブレン、ゲルを陽極電極板上に重ねていきます(下図)。 a :4 )のブロッティングペーパー1 組を軽くバッファーをきり、陽極電極板においた マイラーマスク上に“窓”を覆うように重ねます。 b :5 )のメンブレンをa )に重ねます。 c :2 )のゲルをb )に重ねます。 d :4 )の残りのブロッティングペーパーをc )に重ねます。 ブロッティングペーパー 2-3枚 ゲル メンブレン ブロッティングペーパー 2-3枚 7 )カバーをセットし、電極コードをベースの接続口に差し込みます。 マイラーマスク 8 )複数枚のゲルを転写する場合は、電極の接触をよくするために カバーの上に1 kg の重しをのせます。 6.2.2 ブロッティングの実行 1 )パワーサプライの電圧値を50 V に設定します。 2 )電極コードをパワーサプライにつなぎます。(赤:陽極、黒:陰極) 3 )ゲルサイズに対し、0.8 mA / cm 2に電流値を設定します。 4 )ブロッティングを開始します。(通常、1 時間以内に終了しますが、高分子タンパク質やNative 状態のタンパク質を転写す る場合はさらに時間をかけたほうが転写効率が上がります。ただし、2 時間以内に終了してください。 ) 注意:ブロッティング中、電圧値が以下のような場合、サンプルやユニットにダメージを受けることがあります。 ・ 電圧が20 V以上になる:イオン強度が不適当→バッファー濃度を確認してください。 ・ 電圧が10 V以上変動する:バッファー不足→トランスファーバッファーに浸したブロッティングペーパーを増やしてください。 ・ カバーの温度が上がった場合にもトランスファーバッファーに浸したブロッティングペーパーを増やしてください。 ― 48 ― 6.2.3 ブロッティング終了後 1 )パワーサプライのスイッチを切り、電極コードをぬきます。 2 )カバーから出ている電極コードをベースからぬき、カバーをはずします。 3 )メンブレンを取り出します。 注意: ・ユニットは、脱イオン水ですすぎ乾燥させます。オートクレーブ、自動洗浄装置は使用しないでください。 ・セイフティーインターロック部と電極コードはぬらさないでください。 ・ユニットを水につけ込まないでください。 ― 49 ― ▲ 6.3 MultiProcessor ゲル・メンブレン用自動検出処理装置 MultiProcessor とは... ウェスタンブロッティングにおけるメンブレンの検出用溶液の交換およびゲルの染色、脱色を自動的に行う装置です。 <ブロットモード> ブロットプロトコールを行うには、最初にブロット用トレイと試薬を準備します。ブロット用トレイをトレイサポー トにのせ以下のセットアップ操作をしてください。 ・ ペリスタルティックポンプのチューブをトレイリッドにつなぎます。 ・ トレイの水平調節を行います。 ・ ポンプのキャリブレーションを行います。 (トレイサイズを変えるときは、必ずトレイの水平調節を行ってください) ■ ブロット操作 1 4 ブロットしたメンブレンをブロット面が上になるようにトレイに 選択したプロトコールに従って、溶液の添加、振とう、排出を のせ、リッドをセットします。試薬チューブをあらかじめ準備 自動的に行います。実行中のプロトコールを変更したり、ステ しておいた抗体や洗浄用ボトルに正しく差し込みます。 ップを追加することもできます。 2 5 メンブレンをセットしたチャンバーのバルブ(リッドに設置さ マニュアル操作でECL シリーズ検出試薬をメンブレンに添加し れています)を開きます。使用しないチャンバーのバルブは閉 ます。 (発色法の場合、発色試薬を自動添加します) じていることを確認してください。 6 3 使用後は、チューブの洗浄を行います。 プログラミング済みブロット用プロトコール プロトコール、メンブレン数およびトレイサイズを選択し、ス タートボタンを押します。ECL または発色法によるウェスタン ブロッティング検出用プロトコールがあらかじめ入力されてい ますが、自分でもプログラムすることができます。 ― 50 ― プログラム 用途 1.ECL Plus ECL Plus 検出キット用 2.ECL ECL 検出キット用 3.Standard 一次抗体および二次抗体による免疫検出 4.Enhanced 一次抗体およびビオチン化二次抗体とスト レプトアビジン化合物による免疫検出 5.Clean チューブ、バルブおよびボードの洗浄 <ゲル染色モード> ゲル染色プロトコールを行う前に、トレイと試薬を準備しま す。ゲル染色用トレイをトレイサポートにのせブロットモード 3 同様に以下のセットアップ操作をしてください。 ・ ペリスタルティックポンプのチューブをトレイリッドにつ なぎます。 ・ トレイの水平調節を行います。 ・ ポンプのキャリブレーションを行います。 (トレイサイズを変えるときは必ず、トレイサイズの選択、トレイの水平調 節を行ってください) プロトコールを選択し、スタートボタンを押します。 あらかじめ9 つの染色プロトコールが入力されています が、さらに14 種類の染色プロトコールをプログラムする ことができます。 ■ ゲル染色操作 実行中のプロトコールは、ステップの時間のみ変更する ことができます。 1 4 染色試薬を準備します。吸引パイプのついたチューブ を試薬ボトルおよび廃液ボトルに正しく差し込みます。 染色されたゲルをトレイから取り出します。 特に銀染色の場合は、廃液処理を簡便に行うために銀 溶液を別のボトルに回収することをおすすめします。 5 排出先に間違いがないように確認してください。 2 廃液を処分します。 ゲルをトレイにのせ、ガラスリッドをセットします。 6 使用後、チューブおよびトレイの洗浄を行います。 注意:標準の染色トレイはステンレス製です。 プログラミング済みゲル染色用プロトコール プログラム 用途 1.DNA 銀染色 DNA ゲル 2.タンパク質銀染色 SDS, Native 3.タンパク質銀染色 SDS, Native IEF SDS, Native 4.タンパク質銀染色 5.タンパク質CBB 染色 6.タンパク質CBB 染色 1.0 mm 厚支持板なしゲル 0.5 mm 厚支持板付きゲル 0.75 および1.0 mm 厚支持板なしゲル 0.5 mm 厚支持板付きゲル Immobiline DryPlate 1.5 mm 厚支持板なしゲル 0.5 および1.0 mm 厚支持板付きゲル 1.0 mm 厚支持板なしゲル 0.5 mm 厚支持板付きゲル 0.75 mm 厚支持板なしゲル 1.5 mm 厚支持板なしゲル 0.5 および1.0 mm 厚支持板付きゲル 8.タンパク質CBB 染色 SDS, Native SDS, Native IEF 9.Clean チューブ、バルブおよびポートからの試薬の洗浄 7.タンパク質CBB 染色 ― 51 ― 7 1 第7章 2 ECL製品は検出用の試薬ですので、他の実験・手法と組み合わせ 3 4 アプリケーション例 ることで、さまざまな研究にご利用頂くことができます。この章 では実際にECLを用いた実験例をご紹介します。 あわて、実際にECLによるウェスタンブロットを行う際の至適化 や前処理によるデータの改善例をご紹介します。 7.1 • 二次元電気泳動およびECL Western Blottingを用いた培養生殖 細胞上清からのmetallopeptidaseの同定 7.2 • 2D DIGE / ECL Plus Western Blottingを使用したチロシンリン 酸化タンパク質の検出 5 6 7 8 ※7章の参考文献情報は各項目ごとにご紹介しています。 Identification of metallopeptidases from germ cell conditioned medium using pH gradient 2-D electrophoresis and ECL immunodetection 二 次 元 電 気 泳 動 お よ び ECL Western Blotting を 用 い た 培 養 生 殖 細 胞 上 清 か ら の metallopeptidaseの同定 本報では、精細胞由来のタンパク質をサンプルとして二次 元電気泳動を行い、その後ECLによるウェスタンブロッティ ングによって特定のタンパク質スポットを同定した二次元ウ ェスタンブロッティングをご紹介します。二次元電気泳動後、 実験方法 培養生殖細胞からの培養上清の調製 Pineau SD 5 メンブレンにタンパク質を転写し、metallopeptidaseに対する GCCM 抗体を用いてウェスタンブロッティングを行いました。これ らの解析によって、 N-arginine dibasic convertase、 amino- 一次元目電気泳動:等電点電気泳動 peptidase B、thimet oligopeptidaseを含む既知の生殖細胞由来 GCCM metallopeptidaseを同定することができました。 50 µg 8M 400 µl 0.5 % Triton X-100 0.2 % DTT 0.5 %(v/v) Pharmalyte 3-10 Orange G はじめに Immobiline DryStrip 3-10 NL 18 cm) 10 MultiTemp III 1 4 EPS 3500XL Multiphor II 1 二次元目電気泳動:SDS-PAGE ECL GCCM N- arginine dibasic (NRD) convertase (narlysin, EC 3.4.24.61) aminopeptidase B (ApB, EC 3.4.11.6) thimet oligopeptidase (TOP, EC 3.4.24.15) Immobiline DryStrip 6M 2 % SDS 10 % 0.5 % DTT 50 mM Tris-HC(pH 6.8) 10 2% SDS DryStrip 10% 6M 4.5% 50 mM Tris-HCl(pH 6.8) 10 SDS-PAGE XL 12-14 ExcelGel SDS Gradient ECL Western Blotting 1 Molecular Weight Marker 使用した製品 表7-1.電気泳動条件 Step IEF 1 2 3 SDS-PAGE 1 2 3 ― 54 ― Voltage (V) Current (mA) Power (W) 500 500 3,500 1 1 1 5 5 5 5h 5h 9.5 h 1,000 1,000 1,000 20 40 40 40 40 40 45 min 5 min 2 h 40 min Time m (kDa) 90 – 80 – 70 – 60 – 50 – 40 – 30 – 20 – 15 – 3.6 4.4 5.2 5.6 6.0 pH (non-linear) 6.4 7.0 8.0 図7-1.銀染色を行ったGCCMの二次元電気泳動 GCCMから回収したタンパク質 50 µgをIPG DryStrip 3-10NL(一次元目 電気泳動)およびExcelGel SDS gradient 12-14%(二次元目電気泳動)に より二次元電気泳動を行いました。GC特異的に発現している metallopeptidaseのウェスタンブロッティング検出にはECLを用いました。 銀染色と金コロイド染色 図7-2.ECLウェスタンブロッティング(A)ならびに金コロイド染色(B) を用いて検出したGCCM中のthimet oligopeptidaseのスポット 6 PVDF 実験は図7-1と同様の方法で行い、ウェスタンブロッティングによって検 AuroDye Forte Kit 出されたタンパク質のスポットを長方形の枠で囲っています。Standard Spot Number 7210のタンパク質スポットは以前にN末端アミノ酸シーク エンシングによってtesticular phoshatidylethanolamine binding protein と同定されたタンパク質のフラグメントです。右側のレーンには ECL Western Blotting Molecular Weight Markerを泳動しています。サイズは 上から、97,400、68,000、46,000、31,000、20,100、14,400 Daにな タンパク質のメンブレンへの転写 PVDF Novablot 1 cm2 ります。 0.8 mA 1 ECLを用いたWestern blotting 0.1%(v/v) Tween 20 / TBS ECL deglycosylated SDS-PAGE 1% BSA 0.1%(v/v) Tween 20 / TBS 1 1D 1/8,000 3% BSA 2 deglycosylated TBS 50 mM Tris-HCl (pH 7.6) 150 mM NaCl HRP 1/3,000 1 ECL Hyperfilm 4 表7-2.ECLウェスタンブロッティングにより検出されたmetallopeptidaseの特性 タンパク質 Standard Spot Number m(kDa) pI thimet oligopeptidase 4907-4913-5915-5916-5917 74.4-75.2 5.46-5.59 NRD convertase 3402-3405-3417-3418-3422-3423-4402 23.5-25.4 5.05-5.31 aminopeptidase B 1004-1008-1010-1109 11.3-11.9 4.60-4.62 ― 55 ― 1 2 1 thimet oligopeptidase ECL ECL 2 3 ECL Western Blotting Molecular Weight Marker 図7-3.ストリッピングによるウェスタンブロッティングのシグナルの影響 NRD convertaseをウェスタンブロッティングにより検出しました。一次 抗体には抗NRD convertase抗体、二次抗体にはHRP標識抗ウサギ抗体を 用いました(A)。メンブレンを本文中の方法によってストリッピングし、 thimet oligopeptidaseのウェスタンブロッティング検出を行った後に再度 。 メンブレンをストリッピングし、NRD convertaseの検出を行いました(B) 結論 ECL metallopeptidase リプロービング 100 mM / 2%(w/v) SDS / 62.5 mM Tris-HCl(pH 6.7) 50 30 0.1 %(v/v) Tween 20 / TBS deglycosylated mM NaCl 10 2 3% BSA TBS 50mM Tris-HCl (pH 7.6) 150 参考文献 1. Boitani, C. et al., Cell Differentiation 9, 41-49 (1980). 2. Kramer, J. M. and Erickson, R. P., J. Reprod. Fert. 64, 139-144 (1982). 1 3. Jutte, N. H. P. M. et al., J. Exp. Zool. 233, 285-290 (1985). 4. O' Brien, D. A., Biol. Reprod. 37, 147-157 (1987). 結果と考察 GCCM metallopeptidase ECL 5. Pineau, C. et al., J. Androl. 14, 87-98 (1993). 6. Heukeshoven, J. and Dernick, R., Electrophoresis 9, 28-32 (1988). ― 56 ― Detection and identification of tyrosine phosphorylated protein 2D DIGE/ECL Plus Western Blottingを使用したチロシンリン酸化タンパク質の検出 本報では、チロシンリン酸化タンパク質のプロテオーム解 析に二次元ウェスタンブロッティングを利用した例をご紹介 します。まず、二次元電気泳動後のタンパク質をPVDFメン ブレンに転写し、イムノブロット解析によりチロシンリン酸 処理 サンプル コントロール サンプル 化タンパク質を検出しました。つづいて、このイムノブロッ 内部標準 ト解析の結果を、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳 動解析(2D DIGE)により検出された発現差異データ、およ Cy3標識 Cy2標識 Cy5標識 びタンデムマス解析(MS/MS)によるタンパク質同定結果と 関連づけて解析しました(図7-4、7-5) 。 標識サンプルを 混合して泳動 Ettan DIGEシステムは、内部標準を利用したプロトコール を用いることで、キトサン処理/未処理 Arabidopsis thaliana 画像の取込み Cy2/Cy5 同時検出&標準化 (シロイヌナズナ)抽出サンプルにおいて、リン酸化チロシン スポットの3D表示 抗体により検出されたタンパク質スポットならびにチロシン リン酸化されていないタンパク質の発現差異を明らかにしま す。ウェスタンブロッティングにより検出された87個のタン パク質をMS/MSによる質量分析のために切り出し、また、発 Cy2/Cy3 同時検出&標準化 現差異のみに基づいて92個のタンパク質を選択しました。こ DeCyder DIAによる画像解析 の結果、4個のチロシンリン酸化タンパク質で発現量に有意 な変動がみられました。 DeCyder BVAによる ゲル間マッチング& 統計解析 はじめに 図7-4. 2D DIGE解析のワークフロー P 32 thaliana 7-5 A. thaliana 130 Mb A. thaliana 4 PY20 1 4G10 2D DIGE Ettan DIGE Differential Gel Electrophoresis 2 CyDye 2 Cy2 Cy3 3 Cy5 CyDye ECL Plus Western Blotting Detection Reagents 5 2D DIGE A. thaliana Arabidopsis ― 57 ― Cy5染色ブロット ②ゲルから PVDFメンブレン への転写 コントロール ③Cy5-NHSによる ブロット染色 処理サンプル ①二次元電気泳動 ④ECL Plusによる 免疫検出 HRP標識 抗リン酸化 チロシン抗体 ⑤画像の取込み Dithiothreitol 17-1318-02 Tris 17-1321-01 Sodium Dodecylsulfate (SDS) 17-1313-01 Glycerol 17-1325-01 TEMED 17-1312-01 Ammonium Persulfate 17-1311-01 Agarose 80-1130-07 Glycine 17-1323-01 Bind-Silane 17-1330-01 器具・機器 ⑥Cy5/ECL Plus 同時検出 Multiphor II Electrophoresis System 18-1018-06 SE 600 Standard Vertical Electrophoresis Unit*1 ⑦DeCyder DIAによる画像解析 Dual Gel Caster 80-6175-00 EPS 3501 XL Power Supply 18-1130-05 Glass plates, 18 × 16 cm, low fluorescence 80-6442-14 ⑧DeCyder BVAによる ブロット-ゲル間マッチング Ettan Spot Picker * 図1の2D DIGEワークフロー参照 Cy3/Cy5 ゲルイメージ* Cy5/ECL Plus ブロットイメージ 問合せ Reference Markers 18-1143-34 Ettan DIGEシステム基本パッケージ 問合せ 図7-5. チロシンリン酸化タンパク質の解析ワークフロー ウェスタンブロッティング試薬 チロシンリン酸化タンパク質はHRP標識抗リン酸化チロシン抗体で検出 Hybond-P し、また、ブロット上の全タンパク質をCy5で染色しました。その後、2D ECL Plus Western Blotting Detection Reagents RPN2132 DIGE解析結果と組合わせて解析を行いました。 RPN2020F ECL Phosphorylation module RPN2220 Cy5 mono-Reactive Dye Pack PA25001 その他の試薬・機器 SYPRO Ruby protein gel stain (Invitrogen) Sequencing Grade Modified Trypsin (Promega) PepMap C18 column (LC Packings) Tween (ICI Americas Inc.) Investigator ProGest (Genomic Solutions) 2D DIGE Q-ToF tandem mass spectrometer CapLC capillary chromatograph, MaxEnt 3 (Micromass Ltd.) 使用した製品 *1 SE 600 Standard Vertical Electrophoresis Unitは現在販売してお りません。同等品としてSE 600 Ruby(80-6479-57)を販売してお ります。 2D DIGE専用試薬 CyDye DIGE Fluor Cy2 minimal dye, 25 nmol 問合せ CyDye DIGE Fluor Cy3 minimal dye, 25 nmol 問合せ CyDye DIGE Fluor Cy5 minimal dye, 25 nmol 問合せ Pharmalyte pH 3-10 17-0456-01 Immobiline DryStrip, 18 cm, pH 4-7 17-1233-01 Immobiline DryStrip Reswelling Tray 80-6371-84 Immobiline DryStrip Cover Fluid 17-1335-01 実験方法 ■ 2D DIGE解析 サンプル調製 A. thaliana 1 6 50 µg/ml 10 24 10 mM Tris-HCl pH 8.8 1 mM サンプル調製試薬 Urea 17-1319-01 CHAPS 17-1314-01 EDTA 2 mM DTT ― 58 ― 10,000 g 10 80% -20 1 B 6 M urea 2 M thiourea 50 mM Tris pH 8.8 9 M urea 2 M thiourea 4% CHAPS 30 mM TrisHCl pH 8.5 30% glycerol 10% SDS 4.8% iodoacetamide 15 Bradford Dual Gel Caster 18 16 cm 1 mm 12.5% サンプルの標識 SDS Immobiline DryStrip CyDye DIGE Fluor minimal dye Dimethylformamide 192 mM Aldrich 1 nmol/µl glycine 0.2% [w/v] SDS 25 mM Tris 5 50 µg 2 µl 400 pmol SE 600 Standard Vertical Electrophoresis Unit 7-3 1 1 25 mA 30 40 mA Cy2 CyDye DIGE 画像の取込み Fluor minimal dye Cy3 Cy5 7 30 10 mM lysine Fluor minimal dye 400 pmol CyDye DIGE 1 µl 10 二次元電気泳動 7-3 Typhoon 9400 2 9 M urea 2 M thiourea 4% CHAPS 20 mg/ml DTT Cy2 488 nm excitation wavelength 520 nm bandpass (BP) 40 nm (520 BP 40) emission filter Cy3 532 nm excitation wavelength 580 BP 30 emission filter Cy5 633 nm excitation wavelength 670 BP 30 emission filter 4% Pharmalyt pH 3-10 100 µm 150 µg 350 µl Immobiline DryStrip Reswelling Tray Immobiline DryStrip pH4-7, 18 cm 8 60,000 80,000 Immobiline DryStrip Cover Fluid PMT Multiphor II Electrophoresis System ImageQuant Tools version 2.3 20 1 500 V for 1,000 Vh 2 3,000 Vh gradient from 500 V to 3,500 V 3 70 kVh at 3,500 V Ettan DIGE A 6 M urea 2 M thiourea 50 mM Tris pH 8.8 30% glycerol 10% SDS 1% DTT Immobiline DryStrip 15 画像解析 DeCyder Differential Analysis Software version 4.00 DeCyder Cy2 Cy3 Cy2 Cy5 表7-3. 2D DIGE によるBVA解析の実験デザイン ゲル Cy2 CyDye DIGE Fluor minimal dye 1 内部標準 Cy3 CyDye DIGE Fluor minimal dye 10 min control ARA 59*2 2 内部標準 10 min control ARA 57 10 min treated ARA 57 3 内部標準 10 min control ARA 57B 10 min treated ARA 57B 4 内部標準 10 min control ARA 69 10 min treated ARA 69 5 内部標準 24 h control ARA 1 24 h treated ARA 1 6 内部標準 24 h control ARA 3 24 h treated ARA 3 7 内部標準 24 h control ARA 65 24 h treated ARA 65 *2 ARAの番号は、異なるプレート由来のA. thaliana 培養細胞が使用されたことを示します。 ― 59 ― Cy5 CyDye DIGE Fluor minimal dye 10 min treated ARA 59 3% BSA TBS-T 1,000 PY20 3,500 HRP ECL Phosphorylation module 1 ECL Plus Western Blotting Detection Reagents Typhoon 9400 DeCyder Biological Variation Module BVA Cy5 ECL Plus ECL Plus 457 nm excitation wavelength 505 nm long-pass filter Cy5 ECL Plus Cy2 7-5 landmark イムノブロットの画像解析 DeCyder ECL Plus Paired Student's t-test protein of interest p 7-5 0.05 ■ 質量分析とタンパク質同定 proteins of interest A. thaliana 500 µg ■ ウェスタンブロット解析 Immobiline DryStrip 二次元ゲルのウェスタンブロット解析 25 mM Tris 200 mM 20% 140 kVh Hybond-P 2D PlusOne Bind-Silane 150 µg 2 fluorescent reference marker 30 V 4 SYPRO Ruby Invitrogen 7-5 Hoefer TransPhor 10% 6% units 4 Typhoon 9400 SYPRO Ruby 532 nm excitation wavelength 610 BP 30 emission ブロットの染色 DeCyder filter monofunctional Cy5 0.1% Tween 20 ICI Americas Inc. PBS 10 mM , pH 7.4 PBS-T 2 1 x-y PBS-T 100% 10 Pick List Ettan Spot Picker 2 mm 3 96 9 10 11 Typhoon 9400 633 nm Investigator ProGest Genomic Solutions excitation wavelength 670 BP 30 emission filter 7-5 12 抗リン酸化チロシン抗体による免疫検出 TBS-T DTT 10 mM Tris-HCl pH 7.5 100 mM NaCl 0.1% Tween 20 150 ml 3% BSA 1 50 mM iodoacetamide Promega 25 mM 6.5 ng/µl 10 µl 4 TBS-T 60 ― 60 ― 37 1 25 mM 結果と考察 5% 7-3 0.1% Micromass CapLC capillary chromatograph Q-ToF Cy2 Micromass MS/MS Cy3 0.1% µm 6 µl PepMap C18 column 300 0.5 cm LC Packings Cy5 0.1% 3 1 µl/min DeCyder 2D DIGE 3,132 data acquisition SYPRO Ruby 0.1% 500 µg 5 70% 3 20 3,315 Master 3,500 V 1,000 2 3 540 Master 4 Master Data-dependent acquisition 2D DIGE MS/MS 7 マスターゲル collision gas 1,937 collision voltage 18 45 V 10 MS/MS 24 MaxEnt 3, Micromass 10-min control/treated 24-h control/treated Student's t-test Paired 10 SwissProt/TrEMBL p 0.05 94 miss cleavages 1 1 initial mass tolerance ppm 50 52 24 p 0.05 MS/MS 39 10 NCBI nr BLAST 24 unpaired p 0.05 13 25 7-4 表7-4. コントロール/処理サンプル間の発現差異 ゲルの種類 統計解析結果 総数 増加 減少 10-min control/treated Paired < 0.05 52 29 23 24-h control/treated Paired < 0.05 39 11 28 Unpaired < 0.05 25 12 13 N/A 87 - - 10-min control/24-h control Phosphorylated ― 61 ― 7-6A Cy3 Cy5 A 7-6A 7-6B Cy5-NHS ester HRP PY20 30 mM HRP PY20 10 B 8 7-7 ECL Plus ECL Plus 図7-6. A. 処理から10分後のCy3標識非処理コントロール(赤)とCy5標識処 理サンプル(青)のイメージを重ね合わせたもの。B. DeCyder BVA画面。 図A左に、発現が抑制されているスポット(スポットが赤に近い)を拡大表 示しました。拡大図中で点線で囲んだスポットの統計結果をBに示しました。 8 3,420 1,799 Cy5 A B 7-8 ECL Plus DeCyder BVA C D 7-9 10 2D DIGE g h i 2D DIGE 図7-7. A. 全タンパク質のCy5染色の疑似カラーイメージ。キトサン処理から 10分後のサンプルのウェスタンブロットをCy5で染色しました。 B. ECL Plusシグナルの疑似カラーイメージ。Aのウェスタンブロット でリン酸化チロシンの検出を行った後にECL Plusを検出しました。 C. 全タンパク質染色とイムノブロットイメージの重ね合わせたもの。 D. Cの一部を拡大したもの。 ― 62 ― 2 f MS/MS Cy5 Cy5染色ブロット マスターゲル ECL Plus標識ブロット コントロール タンパク質の同定例: a. Glutamine synthetase、 cytosolic isozyme b. Serine acetyltransferase c. Thioredoxin reductase 2 d. Glutathione S-transferase ERD13 e. Putative epimerase /dehydratase f. 複数のタンパク質を含む スポット g. 5-methyltetrahydropteroyltriglutamatehomocysteine methyltransferase キトサン処理 図7-8. マスターゲルと免疫検出されたリン酸化チロシンのマッチング h. Tubulin beta-4 chain i. Adenosine kinase 1 Cy5による全タンパク質染色イメージを重ね合わせることによりマスター ゲルと免疫検出されたリン酸化チロシンのマッチングを行いました。 179 7-4 図7-9. キトサン処理から10分後のコントロール/サンプルのECL Plusウ Q-ToF MS/MS 87 ェスタンブロットの検出 60 表7-5.DeCyder BVAにより得られた典型的なタンパク質同定結果およびその統計解析データ タンパク質名 BVAで検出された変動 5-methyltetrahydropteroyltriglutamate- 10-min control/treated homocysteine methyltransferase 1.26倍増加 Putative thioredoxin (probable protein 24-h control/treated disulfide isomerase 2) 1.20倍増加 Tubulin beta-4 chain 10-min control/treated p値 チロシンリン酸化の有無 0.0049 有 0.0047 無 0.02 有 * 0.0067 有 * * 1/1.40倍増加 Adenosine kinase 1 10-min control/treated 1/ 1.16倍増加 control 10-min/control 24-h 0.039 1.6倍増加 Translationally controlled tumor 10-min control/treated protein-like protein 1.28倍増加 Heat shock protein 81-2 control 10-min/control 24-h 4.57倍増加 * 図7-9参照。 ― 63 ― 1.20 × 10-5 無 0.0028 有 * 22 5 2D MS 92 DIGE 31 12 49 7-5 参考文献 1. Chivasa, S. et al. Electrophoresis 23, 1754-1765 (2002). 2. Ducret, A. et al. Electrophoresis 21, 2196-2208 (2000). 3. Leimgruber, R. M. et al. Proteomics 2, 135-144 (2002). まとめ 4. Kaul, S. et al. Nature 408, 796-815 (2000). ECL Plus Western Blotting Detection reagents 5. Tonge, R. et al. Proteomics 1, 377-396 (2001). 6. May, M. J. and Leaver, C. J. Plant Physiology 103, 621-627 (1993). Cy5 Typhoon 9400 Cy5 7. Unlu, M. et al. Electrophoresis 18, 2071-2077 (1997). 8. Sanchez, J. C. et al. Electrophoresis 18, 324-327 (1997). 9. Jeno, P. et al. Anal. Biochem. 224, 75-82 (1995). DeCyder DeCyder 10. Wilm, M. et al. Nature 379, 466-469 (1996). Cy5 11. Shevchenko, A. et al. Anal. Chem. 68, 850-858 (1996). 12. Wait, R. et al. Electrophoresis 22, 3043-3052 (2001). 2D DIGE 13. Altschul, S. F. et al. Nucleic Acids Res. 25, 3389-3402 (1997). Ettan DIGE More information can be obtained in the Ettan DIGE system section at: http://proteomics.amershambiosciences.com/proteomics. 謝辞 University of Durham Slabas Stephen Chivasa Durham Toni Bongani Ndimba Imperial College of Medicine London UK ― 64 ― UK Robin Wait 8 1 2 第8章 トラブルシューティング 実際に ECL 製品をお使い頂きましていかがでしたでしょうか? この章では実際にECLユーザーの皆様から寄せられる代表的なお 問合せ内容を元にトラブルシューティング例をご紹介します。こ れから実験を始める方にとっても、有用な情報が満載です。 3 8.1 • トラブルシューティングガイド 4 5 6 7 8 8.2 • トラブルシューティング参考例 ▲ 8.1 トラブルシューティングガイド 現象 1 )シグナルが見えない。 考えられる原因 解決策 1.1) ゲルからメンブレンへの 1.1.1) ブロッティング操作を再確認してくださ タンパク質のトランスファーが い。 うまくいっていない。 ・ トランスファー効率をチェックするためにゲル やメンブレンをタンパク質染色試薬を用いて染 めてください。 ・ ブロッティング時間、電流( エレクトロブロッテ ィングの場合) が最適かどうかを、目的タンパ ク質の分子量範囲を満たすマーカーを用いてチ ェックしてください。分子量やストークス半径 (Stokes' radius) はトランスファーの効率に影 響します。 ・ 有色分子量マーカーを用いると( 例:Rainbow マーカー、付録82 ページ参照) 、トランスファ ーのチェックを容易に行うことができます。し かし、正確なトランスファー効率を求める場合 は、前述の方法をおすすめします。 ・ ブロッティングの際にゲルとメンブレンがしっ かり密着しているか確認してください。気泡が ゲルとメンブレンの間に混入している場合、ゲ ル・メンブレン表面上を滅菌したピペットかガ ラス棒を転がして取り除いてください。 ・ 電極に対してゲルとメンブレンの位置は正しく セットされているか確認してください( 文献15) 。 抗トランスフェリン抗体とECLを用いて検出し たK562細胞破砕物のウェスタンブロット。ゲ ルとメンブレン間に気泡があるため、タンパク 質のトランスファーが阻害されてシグナルが全 く見られない箇所があります。 ・ ブロッティング中の温度が高すぎないか確認し てください。温度の上昇は気泡やゲル・メンブ レンの歪みの原因となります。ブロッティング 時間が4 時間以上の場合、冷却が必要です。 ・ ゲル中にSDS 以外の界面活性剤が高濃度で含 まれていないか確認してください。NP40 など はメンブレンへのタンパク質のトランスファー を阻害します。また、0.01%SDS をブロッテ ィングバッファーに加えるとゲルからのタンパ ク質の溶出効率は上がりますが、ニトロセルロ ースメンブレンの場合は特に、タンパク質の結 合能が低下します。 ・ SDS 、尿素、熱などの影響により電気泳動中 に抗原性が変化していないか、処理前と処理後 のサンプルのドットブロットによる比較対比で チェックしてください。変性条件により抗原抗 体反応が阻害されている場合、未変性の条件下 で電気泳動を行ってください。 ― 66 ― 現象 考えられる原因 解決策 1.1.2) 高分子タンパク質(>150 kDa) の場合、ブ ロッティング時間を延長してください。ゲルから の溶出効率を高めるため、ゲル中のアクリルアミ ド濃度を下げてください。 1.1.3) 低分子タンパク質(<15 kDa) の場合、適 切な分子量マーカーを使用し、ブロッティング時 間を至適化してください。ニトロセルロースメン ブレンより高いタンパク質結合能を持つHybondP (PVDF メンブレン)の使用をおすすめします。 1.2) 検出前にタンパク質が分 1.2) 新しい泳動用試料を用いて泳動し、ブロッテ 解してしまっている。 ィングしてください。 1.3) メンブレンにタンパク質 1.3.1) タンパク質がゲルからトランスファーされ ていることを、1.1) に従って確認してください。 が保持されていない。 1.3.2) 新しいメンブレンに親水処理を施して使用 してください。 1.4) 検出系がうまくいってい 1.4.1) ドットブロットを行い、一次抗体の結合能 ない。 をチェックしてください。 1.4.2) 一次抗体の濃度、反応処理時間、反応温 度について、最適条件を検討してください。 1.4.3) 一次抗体の親和力が弱い場合は、Tween なしのバッファーを使用してください。 1.4.4) 目的タンパク質に合わせて、抗体濃度、イ ンキュベーション時間の最適条件を設定してくだ さい。 1.4.5) 検出試薬に問題がないかチェックしてくだ さい。 ・ ECL 検出試薬、 ECL Advance 検出試薬の場 合、少量(0.5 ml ずつ) の検出試薬1 と検出試薬 2 を混合したものに、暗室中で1 µl のHRP 標識 抗体を加えると、青光が見えるはずです。 ・ ECL Plus 検出試薬の場合、SolutionA 1 ml にSolutionB 25 µl を混合し、同様に試してく ださい。 ― 67 ― 現象 考えられる原因 解決策 1.5) 検出前にルミノールが急速 1.5.1) 泳動するサンプルタンパク質量を減 に消費されてしまっている。 らしてください。 1.5.2) HRP 標識二次抗体量を減らしてくだ さい。 1.5.3) 検出試薬をかけたメンブレンをできる だけはやく露光してください。 1.6) 発光量が多すぎて、フィル 2 )シグナルが弱い。 1.6.1) 泳動するサンプルタンパク質量を減 らしてください。 ムのソラリゼーションが起こって いる。 ※バンドが白く抜けて(反転し て)見えることがあります。 さい。 2.1) 上記1) を参照 2.1) 上記1) を参照 2.2) ゲルにアプライしたタンパ 2.2) より多くのサンプル量をアプライしてく ク質量が不十分であった。 ださい。 2.3) 発せられた化学発光が弱 2.3.1) フィルムをプレフラッシュすることに い。 より検出感度と感光特性を向上させることが できます。プレフラッシュはバックグラウン ドレベルも上げるので注意が必要です。 1.6.2) HRP 標識二次抗体量を減らしてくだ プ レ フ ラ ッ シ ュ と は 、ご く 短 時 間 ( ∼1msec) 光を当てることによりフィルムを 高感度化す る も の で す 。 Pre-flash Unit (RPN2051) をご使用ください。またはディ フューザーをWratten6B フィルターで減光 したストロボを用い、現像時の540 nm にお ける吸光度がノーマルフィルムよりも0.15 上 がる距離で行ってください。 2.3.2) フィルムへの露光時間を長くしてく ださい (1 ∼2 時間) 。 2.3.3) サンプルに不純物が混在していない か確認してください。アジ化ナトリウムは HRP 活性を阻害しますので、バッファーには 加えないでください。 3 )シグナルの拡散が激しい。 3.1) ゲルにアプライしたタンパ 3.1) ゲルにアプライするサンプル量を減らし ク質が多すぎる。 てください。サンプルを順次希釈してくださ い。 ― 68 ― 現象 考えられる原因 解決策 3.2) 電気泳動により目的タン 3.2) 電気泳動の条件を再検討してください。 パク質がうまく分離されてい ない。 ・ ゲルのアクリルアミド濃度は、目的タンパク質 の分離度に応じて検討してください。 ・ バッファーの組成、調製法に問題がないか確認 してください。 4 )不規則でまだらなしみが検 出される。 3.3) 抗体濃度が高い。 3.3) 至適抗体濃度の検討をしてください。 ( 第3 章 参照) 3.4) 使用する各試薬の力価が 3.4) 検出試薬は使用前に調製し、よく混合して用 落ちている。 いてください。 4.1) ブロッティング操作が不 適切である。 4.1) 先述1 )参照 4.2) メンブレンの親水処理が 4.2.1) 新しいメンブレンを使用してください。ま 不十分である。 た、メンブレンの湿り方が不均一であった場合に も新しいメンブレンを使ってください。 4.2.2) インキュベーションの間、ブロットが十分 バッファーに浸っていることを確認してください。 5 )バックグラウンド高い。 4.3) メンブレンに指紋やケラ チンなど不純物が吸着してい る。 4.3) メンブレンには直接触れないでください。取 4.4) 検出試薬の除去が不十分 である。 4.4) メンブレン上の過剰な検出試薬をラップの上 から押し出して除いてください。 4.5) 二次抗体が凝集してい 4.5) 凝集した二次抗体がメンブレンに吸着する る。 と、斑点状のシミとして検出されます。二次抗体 をφ0.2 µm フィルターでろ過するか、軽く遠心し て上清を回収することで、凝集体を取り除いてく ださい。 5.1) 用いた抗体濃度が高い。 5.1) 一次抗体/ 二次抗体共に高い濃度で用いた場 り扱いの際は、手袋を着用するか先が平らなピン セットを用いてください。このような汚染は、非 常に感度の高いECL 検出システムでは特に問題と なります。 合、バックグラウンドの原因となります。抗体濃 度の最適条件を検討してください。( 第3 章 参照) ラット脳抽出物のウェスタンブロット。ECLを 用いてβ-チューブリンを検出しました。二次 抗体濃度が高すぎるため、バックグラウンドが 高くなっています。 ― 69 ― 現象 考えられる原因 解決策 5.2) ブロッキングに使用する器 5.2) 汚れのない、きれいな器具を使用してく 具が汚れている。 ださい。 5.3) バッファーに不純物が混在 5.3) バッファーは使用前に、新しく調製する している。 ようにしてください。 5.4) ブロッキングが不十分であ 5.4.1) ECL Advance での検出の際は必ずキ ット専用のブロッキング剤をご使用ください。 ブロッキングおよび抗体反応時のブロッキン グ剤濃度は2% 、液量は0.2 ml/cm 2 でご使 用ください。 る。 5.4.2) ブロッキングバッファーの組成に問題 がないか確認してください。 5.4.3) 新しく調製したブロッキングバッファ ーを使用してください。 5.4.4) ブロッキング試薬の濃度を上げてくだ さい( 最初は10% 程度で検討してください) 。 5.4.5) 使用するバッファーにTween 20 が含 まれているか確認してください。 5.4.6) Tween 20 濃度を上げてください。特 に親和性の弱い一次抗体を使用している場 合、抗体の結合力が極端に低下することがあ るので注意してください。 5.4.7) ブロッキングの反応時間を長くする か、温度を上げてください。 5.4.8) 他のブロッキング剤をお試しくださ い。 例) 1 ∼10% ウシ血清アルブミン 0.5 ∼3% ゼラチン 1% ポリビニルピロリドン(PVP) を 含むTBS-T あるいはPBS-T ・ アルブミンやゼラチンを用いた場合のイン キュベーション時間と温度は、個々に検討 する必要があります。1 時間室温、オーバ ーナイトで37 ℃あるいは50 ℃などの条件 があります( 文献15-23) 。 5.5) メンブレンに問題がある。 ― 70 ― 5.5.1) メンブレンが完全に溶液に浸っている か、特に洗いの操作について確認してくださ い。また、メンブレンの親水処理およびバッ ファーによる平衡化を十分にしてください。 現象 考えられる原因 解決策 5.5.2) 高品質のメンブレンを使用してください。 Hybond-P 、Hybond-ECL が適しています。 5.5.3) メンブレンの傷が原因で、検出試薬の非特 異的な吸着が起こることがあります。メンブレン の取り扱いには、手袋を着用するか、先の平らな ピンセットを用いて十分に注意してください。 5.5.4) 洗浄後のメンブレンの扱いには、きれいな ピンセットを使用してください。 抗トランスフェリン抗体とECLを用いて検出し たラット脳抽出物のウェスタンブロット。メンブ レンの切断部に傷があったために、かなりの非 特異的な検出が見られます。 5.6) 洗いが不十分である。 5.5.5) 洗浄後のメンブレンの扱いには、きれいな ピンセットを使用してください。 5.6.1) 洗浄バッファーの量や洗いの回数を増やし たり、洗いの時間を長くしてください。また洗浄 の際は、バッファー中でメンブレンを十分に振と うさせてください。 5.6.2) 洗浄バッファー中のTween 20 濃度または 塩濃度を上げてください。Tween 20 の濃度を上 げるとバックグラウンドは低くなりますが、抗体の 結合に影響することがあるので注意してください。 5.7) 検出試薬に問題がある。 5.7.1) 洗浄バッファー中で10 分間の洗いを2 度繰 り返し、再検出してください。 5.7.2) フィルムカセットにメンブレンをセットす る前に、ペーパータオル等で余分な検出試薬を除 いてください。しかし、拭き取り過ぎると反応が 極端に弱くなるので注意が必要です。 5.8) 露光時間が長すぎる。 5.8.1) フィルムに露光する時間を短縮してくださ い。最初は、15 秒間で試してください。しかし、 露光時間があまりに短い場合は検出系として適当 でないので、抗体濃度の最適条件を検討すること をおすすめします。( 第3 章 参照) 5.8.2) フィルムに再露光する前にメンブレンを5 ∼10 分間カセットに静置しておいてください。こ の操作によってシグナルが減衰します。 注意:サンプル中にヘムタンパク( 例えば、血清サ ンプル中のへモグロビン) が含まれる場合、ルミノ ールが特異的に反応し偽バンドとして検出される ことがあります。 ― 71 ― 現象 6) 目的タンパク質以外のバンド 考えられる原因 6.1) 抗体の濃度が高い。 が検出される場合 解決策 6.1) 抗体の濃度が高いと、非特異的な結合 が検出されやすくなります。抗体の濃度をさ らに希釈して用いてください。 6.2) サンプルの添加量が多い。 6.2) 含有量の高いタンパク質のバンドは非特 異的な結合が検出されやすくなります。サン プルの添加量を減らすことで、特異的な結合 のみを検出することができます。しかしなが ら、目的タンパク質の含有量が、全タンパク 質に比べて非常に少ない場合、目的のバンド も見えなくなることがあります。SDS-PAGE 後のゲルを染色し、タンパク質の含有量を確 認してください。 6.3) サンプルにヘムタンパクが含 まれる場合。 ― 72 ― 6.3) ヘムタンパク(例えば血清サンプル中 のヘモグロビンなど)は、ルミノールが特異 的に反応し偽バンドとして検出されることが あります。あらかじめ抗体反応をおこなわず に検出試薬で反応させることで、このような 偽バンドを確認することが可能です。 ▲ 8.2 トラブルシューティング参考例 8.2.1 エキストラバンドが観察される場合は、HRP標識二次抗体をさらに希釈する。 C 6ラットグリア細胞におけるβ-tubulin の検出 12% SDS-PAGE によって分離したタンパク質を、 Hybond-ECL へ転写後、抗β -tubulin モノクローナル抗体 (1:1,000) 、ビオチン化抗マウス Ig(RPN1001 、1:500) と異なる希釈の HRP ストレプトアビジンコンプレックス (RPN1051) を用い、ECL ウェスタンブロッティング検出システムにより15 秒間の露出でHyperfilm ECL 上に検出しま した。 1,000倍希釈 8.2.2.1 1,500倍希釈 5,000倍希釈 高バックグラウンドな結果に際し、メンブレンを再洗浄して再検出する。 C 6ラットグリア細胞におけるβ-tubulin の検出 12% SDS-PAGE によって分離したタンパク質を、Hybond-ECL へ転写後、抗β -tubulin モノクローナル抗体 ’ 1:1,000 )とHRP 標識抗マウスIg 抗体(NA931 、1:1,000) を用い、イムノディテクションを行いました。 同一メンブレンをPBS-Tで10分間ずつ 2回洗い、再びECL検出試薬を用いて、 Hyperfilm ECL上に露光時間15秒で検 出しました。 ECL検出試薬を用いて、露光時間15 秒でHyperfilm ECL上に検出しました。 ― 73 ― 8.2.2.2 高バックグラウンドな結果に際し、一次抗体をさらに希釈する マウス十二指腸腸管粘膜上皮細胞に存在するビタミンD レセプターの検出 マウス腸管粘膜上皮細胞を5 mM DTT リン酸バッファー中で可溶化し、超遠心により得られた核分画を11% SDSPAGE で分離後、ニトロセルロースメンブレン ( バイオ・ラッド社) に10 V/cm の条件下で20 分間転写しました。この メンブレンを1% スキムミルクを含むPBS でブロッキングし、ラット抗ニワトリビタミンD レセプター抗体、ビオチン化 抗ラットIgG 、アビジン- ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体とECL 検出試薬を用いて、プロトコールに従ってフィルム 上に検出しました。 ←ビタミンDレセプター ラット抗ニワトリビタミンD レセプター抗体 0.06 mg/ml ラット抗ニワトリビタミンD レセプター抗体 6 mg/ml (大阪大学 医学部小児科学教室 松本百合子先生 提供) 8.2.2.3 高バックグラウンドな結果に際し、二次抗体をさらに希釈する ヘム代謝に関するタンパク質の検出 1 ×10 6 cells に相当するヒトHeLa 培養細胞を1% SDS で可溶化し、15 ng 相当量のタンパク質を含むセルライセート を12% SDS-PAGE で分離後、イモビロンP (ミリポア社)に10 V/cm の条件下で2 時間転写しました。このメンブレ ンを5% スキムミルクを含むTBS を用いてブロッキングし、そこに1/300 容のウサギ抗ヘム分解酵素血清 (IgG:30 µg/ml )およびウサギ抗ヘム合成酵素血清(IgG:30 µg/ml )混合液を加えて1 時間振とう後、新しいTBS-T で洗浄を 10 分間4 回繰り返し、二次抗体反応を1 時間行いました。さらにTBS-T で10 分間の洗浄を4 回繰り返した後、ECL 検出 試薬を用いて、露光時間3 分でフィルムに検出しました。 ←ヘム合成酵素 ←ヘム分解酵素 HRP標識抗ウサギIgG (カッペル社、コード 2412-0081) 30,000倍希釈 HRP標識抗ウサギIgG (カッペル社、コード 2412-0081) 100,000倍希釈 (関西医科大学 衛生学教室 竹谷茂先生 提供) ― 74 ― 付録 付録 各種溶液の調製 1 • 泳動バッファー 2 • ブロッティングバッファー 3 • 検出システムバッファー 4 • タンパク質分子量マーカー 5 • 染色 1. 泳動バッファー Laemmli 不連続バッファーシステム(文献24) ゲル溶液 分離ゲル 濃縮ゲル モノマーストック溶液(溶液1) X ml X ml 4×分離ゲルバッファー(溶液2) 2.50 ml − 4×濃縮ゲルバッファー(溶液3) − 1.25 ml 10% SDS(溶液4) 0.10 ml 0.05 ml 蒸留水(D.W.) Y ml Y ml 10% APS(溶液5) 50 µ l 25 µ l TEMED 5 µl 2 µl 総溶液量 10 ml 5 ml X ml:アクリルアミド濃度に応じて調製してください。 Y ml:モノマーストック溶液(溶液1)の量に応じて調製してください。 ※ 調製するゲル溶液量はゲルの枚数、ゲル厚に応じて調節してください。 ※ 10% APS、TEMEDはゲルサンドウィッチに流し込む直前に加えてよく混ぜてください。 溶液1 モノマーストック溶液(30% T, 2.7% C) PlusOne Acrylamide PAGE PlusOne N, N'-Methylene-bisacrylamide →D.W.で200 mlに調製 60.0 g 1.6 g ※ 調製後の溶液は、遮光・4℃で3ヶ月保存可能です。 溶液2 4×分離ゲルバッファー(1.5 M Tris-Cl, pH8.8) PlusOne Tris 36.3 g →150 mlのD.W.に溶解 →HClでpH8.8に合わせた後、D.W.で200 mlに調製 溶液3 4×濃縮バッファー(0.5 M Tris-Cl, pH6.8) PlusOne Tris 3.0 g →40 mlのD.W.に溶解 →HClでpH6.8に合わせた後、D.W.で50 mlに調製 溶液4 10% SDS PlusOne SDS →D.W.で50 mlに調製 5.0 g ― 76 ― 溶液5 10% 過硫酸アンモニウム(APS) PlusOne Ammonium Persulphate →D.W.で1 mlに調製 0.1 g ※ 用事調製:D.W.を加えた時にパチパチという音がすることをご確認ください。 溶液6 溶液7 n-ブタノール飽和水溶液 イソブチルアルコールとD.W.を1:1の比でよく攪拌します。上層、下層に分かれたところで下層 の溶液を捨てます。上層の溶液をさらに攪拌して下層の溶液を捨てます。この操作を数回繰り返し、 上層を使用します。 サンプルSDS処理バッファー 1. 2×SDS処理バッファー (0.125 M Tris-Cl pH6.8, 4% SDS, 20% グリセロール, 10% 2-メルカプトエタノール) 4×濃縮ゲルバッファー(溶液3) 2.5 ml 10% SDS(溶液4) 4.0 ml PlusOne Glycerol, 87% 2.0 ml PlusOne Mercaptoethanol * 1 ml PlusOne Bromophenol Blue 0.2 mg →D.W.で10 mlに調製 * 2-メルカプトエタノールの代わりに、0.31 gのジチオスレイトール(DTT)を添加することもできます。 ※ 一般的に、サンプル溶液に等量以上の2×SDS処理バッファーを加えます。 よく混合し95℃で3∼4分ボイルして処理します。 ※ 作製後、1 mlずつに分注し、-40∼-80℃にて保存可能です。 2. 6×SDS処理バッファー (0.35 M Tris-Cl pH6.8, 10% SDS, 30% グリセロール, 9.3% DTT) 4×濃縮ゲルバッファー(溶液3) 7.0 ml PlusOne SDS 1.0 g PlusOne Glycerol, 87% 3 ml PlusOne DTT 0.93 g PlusOne Bromophenol Blue 1.2 mg →D.W.で10 mlに調製 ※ サンプル濃度が低い場合に用います。 サンプル溶液5容量に対し、6×SDS処理バッファーを1容量加えてよく混合し、95℃で3∼4分ボイルします。 ※ 1 mlずつ分注し、-70℃にて保存可能です。 溶液8 10×泳動バッファー(0.25 M Tris pH8.3, 1.92 Mグリシン, 1.0% SDS) PlusOne Tris 30.28 g PlusOne Glycine 144.11 g PlusOne SDS 10.0 g →D.W.で1.0 Lに調製 ※ pH調整は必要ありません。 ― 77 ― 2. ブロッティングバッファー Towbin バッファーシステム(25 mM Tris pH8.3, 192 mM グリシン, 20% v/v メタノール*1 ) PlusOne Tris PlusOne Glycine メタノール PlusOne SDS →D.W.で1.0 Lに調製 3.0 g 14.4 g 200 ml *1 1.0 g *2 ※ pH調整は必要ありません。 *1 メタノールはメンブレンへのタンパク質結合効率を上げたい場合に有効です。10∼20%(PVDFメンブレンの場合≦15%、ニトロセルロー ス≦20%) 程度加えてください。 *2 SDSは通常添加不要ですが、高分子タンパク質のゲルからの溶出効率を上げたい場合に、0.01∼0.1%(w/v)程度でバッファーに加えてく ださい。 3. 検出システムバッファー PBS (Phosphate buffered saline )pH7.5 (80 mM Na 2HPO 4, 20 mM NaH 2PO 4, 100 mM NaCl ) Na 2 HPO 4 NaH 2 PO 4 NaCl →D.W.で1Lに調製、pHチェック 11.5 g 2.96 g 5.84 g TBS (Tris-bufferd saline )pH7.6 (20 mM Tris, 137 mM NaCl ) Tris NaCl 1 N HCl →D.W.で1Lに調製、pHチェック 2.42 g 8 g 3.8 ml PBS-T (PBS-Tween )あるいは TBS-T (TBS-Tween ) 洗浄と抗体の希釈に用います。Tween 20の濃度は0.05∼1% が一般的な推奨濃度です(ニトロセルロー スメンブレンのECLによる検出には0.1% Tween 20が適しています)。実験ごとに至適条件が異なりますの で、必要に応じて検討してください。Tween 20の濃度が高いと抗体の結合力が低下します。 ※ 調製後のバッファーは、少なくとも3ヶ月は安定です。微生物の繁殖を防ぐため2∼4℃で保存してください。アジ化ナトリウムはHRPの 活性を阻害するため、添加はおすすめできません。 ブロッキングバッファー ● ECL Advance で検出する場合 ECL Advanceキットに付属のECL Advance Blocking Agentの容器を軽く振って、溶液が均等に混ざ るようにします。必要量を計ってPBS-TまたはTBS-Tを添加し、2%(w/v)溶液を調製します。メンブレ ン1 cm 2 あたり0.2 mlの2%ブロッキング試薬を使用します。 ※ 調製後すぐに使用しない場合、2∼8℃で保存可能です。ただし、24時間以内に使用してください。 ― 78 ― ● ECL Plus /ECL で検出する場合 5% のブロッキング剤(ECL Blocking agent:RPN2125)あるいは5% スキムミルクを含むPBS-T あるいはTBS-Tをおすすめします。ブロッキングが不十分ならば、スキムミルクの濃度を10% まで上げるこ とができます。また、他のブロッキング剤としてBSA(3%) 、ポリビニルピロリドン(1%)、ゼラチン(3%) を試してください。 ※ スキムミルクはリン酸化タンパク質を多く含むので、リン酸化タンパク質検出システムにはBSA等リン酸化タンパク質を含まないブロッキ ング剤を用いてください。 4. タンパク質分子量マーカー 4.1. ECL DualVue Western Blotting Marker ECL DualVue Western Blotting Marker は、電気泳動・ブロッティング状態の目視確認用の3 種類の着色済みタンパク 質と、化学発光検出が可能な分子量測定用の7 種類のS-tagged 組換えタンパク質がプレミックスされた分子量マーカーで す(次ページ図参照)。抗体反応液に、キット付属のS-Protein-HRP を添加するだけで、マーカー(S-tagged 組換えタン パク質)を目的サンプルと同時にECL 化学発光検出することができ、より正確に分子量測定がおこなえます。(ECL Plus を用いた化学蛍光検出では検出できませんのでご注意ください) 使用方法 1 ) 使用直前にECL DualVue Western blotting markers を室温に戻します。−15 ℃∼−30 ℃保存により、マーカー溶液中の SDS が沈殿する場合があります。沈殿が溶けにくい場合は、37 ℃で短時間温めて沈殿を溶解させます。 2 ) マーカー溶液をよく混合し、マーカー溶液5 µlに対して、10% β-メルカプトエタノールを含む1×SDSサンプルバッファーを 5 µl 加えて混合します。β- メルカプトエタノールの代わりに、同量の還元剤を含むSDS サンプルバッファーも使用可能です。 溶液をゲルのウェルあたり10 µl 添加して泳動します。 3 ) 電気泳動後、タンパク質をHybond-ECL (ニトロセルロースメンブレン)あるいはHybond-P (PVDF メンブレン)にエレク トロブロッティングします。ブロッティングの条件は、お使いのブロッティング装置のマニュアル等に従ってください。転写 後、着色済みマーカーがメンブレン上に目視で確認できます。 4 )ブロッキングと一次抗体反応を、サンプルに適した条件でおこないます(注:検出試薬の種類に応じて次ページの表をご参照 ください) 。 HRP 標識二次抗体の反応液にキット付属のS-protein-HRP conjugate を、ECL 検出試薬の種類にあわせて次ページの (注:ECL 表1 の希釈倍率になるよう加えます。シグナルが十分に得られるよう室温で30 分以上インキュベートします。 DualVue Marker はS-tag に対するS-Protein の特異的な結合を利用しています。目的サンプルがS-tagged 組換えタン パク質の場合は、交差反応が起こりますので、分子量マーカーのレーンだけを切り離し、別々のイムノディテクション 操作を行ってください。最後にECL 検出試薬との反応後、切り離したものの位置をあわせてフィルムの露光をおこなっ てください。S-Protein とS-tag の結合の原理については以下の文献をご参照ください。 Richards,F.M and Wyckoff, H.W. (1971) in The Enzymes, Vol. IV (Boyer, P.D. Ed ) p.647-806, Academic Press, New York. Kim,J. S. and Raines, R.T. (1993 ) Protein Sci. 2, 348-356) 5 ) 定法に従ってメンブレンを洗浄します。 6 ) ECL 化学発光検出システムのプロトコール(注:検出試薬の種類に応じて次ページの表をご参照ください)に従い、化学発光 検出をおこないます。Ⅹ線フィルムでの検出の場合、露光時間は1 ∼2.5 分での検出をお奨めします。 ― 79 ― 表1.S-Protein HRP conjugateの希釈条件(X線フィルムによる検出) Hybond-ECL/ 化学発光検出試薬 Hybond-P/PVDF メンブレン使用 ニトロセルロースメンブレン使用 ECL 1/5000 1/10,000 ECL Plus 1/10,000 1/20,000 ECL Advance 1/100,000 1/200,000 CCDカメラで検出する場合は、感度に合わせてS-Protein conjugatesの希釈濃度を検討します。X線フィルムの場合の10倍濃度を目安に検討してください。 Mr(×103) A B Mr(×103) 150 100 100 75 50 35 A)4∼20 %ゲルでSDS-PAGE後、Hybond-ECLニトロセルロース 25 メンブレンにトランスファーした状態。3本のシャープな着色バン ドが目視確認できます。 B)A)のブロットをS-Protein-HRPとECL Western blotting detection reagentsを用いて検出した結果(Hyperfilm ECLに1分間 露光)。7本のS-taggedタンパク質のバンドが検出されています。 16 15 (ECL DualVue Western Blotting Markerのカラー表示につきまして 15 は、巻末の『ECLウェスタンブロッティングシリーズ関連製品一覧 表』をご参照ください) ― 80 ― 4.2. ECL Western Blotting Molecular Weight Markers ECL Western Blotting Molecular Weight Markersには、ビオチン化された6種類のタンパク質が含まれて います。HRP標識ストレプトアビジンでブロットをインキュベーションし、ECL検出試薬を用いて検出することによ り、それぞれの分子量に相当する位置に同じ濃さのバンドが得られます。 1)1 µlの分子量マーカーを、1×サンプルバッファ ー(5 % 2- メルカプトエタノールを含む)で 10 倍に希釈します。 ・ 分子量マーカーは用時調製し、サンプルバッファーを加えた状態では保存しない でください。 2 )100 ℃、4 分間加熱後、サンプルは直ちにゲ ルにアプライしてください。短時間ならば氷 ・ 熱変性させた分子量マーカーは、保存・再利用できません。 冷保存可能です。 ・ 10 µl泳動し、Towbinの方法(文献25)で30Vオーバーナイトでエレクトロブロ 3 )ウェルあたり10 µl アプライします ッティングした場合、15秒の露光で十分なバンドが得られます。 4) 電気泳動後、Hybond-ECL(ニトロセルロース メンブレン)にトランスファーし、プロトコール に従いイムノディテクションの操作を行います。 ECL Plus/ECLで検出する場合は、HRP標識二 次抗体の反応液にHRP標識ストレプトアビジン (RPN1231, 1:1,500)を添加してインキュベ ートします。 ・ HRP標識ストレプトアビジンのインキュベーションバッファーは、スキムミル クや ECL Advance Blocking Agent を含まないもの(例えば PBS-0.1 Tween20 )を使ってください。スキムミルクやECL Advance Blocking Agentには内在性ビオチンが含まれていることがあり、ECLで得られる分子量 マーカーのシグナルが極端に弱くなることがあるためです(文献26)。 ・ HRP標識ストレプトアビジンと、ブロット上のタンパク質との交差が見られる場 ECL Advanceで検出する場合は、HRP標識二次 合は、分子量マーカーのレーンだけを切り離し、別々のイムノディテクション操 抗体の反応・洗浄後にHRP標識ストレプトアビジ 作を行ってください。最後にECL検出試薬との反応後、切り離したものの位置を ンを添加してインキュベートします。希釈濃度に 合わせて、フィルムの露光を行ってください。 は注意してください。1:100,000∼500,000に希 釈し、15分間インキュベートします。 5 )ブロット洗浄、ECL 検出を行います。 ・検出試薬の種類に応じて、第2章を参照してください。 6 ) 良い結果を得るために用いるマーカーの量は、 ・ 通常15秒の露光で十分なバンドが見えるはずです。15秒の露光で十分な感度が得 エレクトロブロッティングやイムノディテク られない場合、メンブレンへのトランスファーが効率よく行われていないことが ションの条件と、フィルムの露光時間に依存 考えられます。トランスファー条件を検討し直す必要があります(第6章 参照) 。 します。 ・ バンドが濃すぎたり、より長い露光時間の方が便利な場合は、分子量マーカー をさらに希釈してください。 ― 81 ― ECLの検出感度が高いため、分 子量55、43、30、16.7 kDaの位 置にマイナーバンドが検出される ことがあります。 1.0 Phosphorylase b(97,000) (rabbit muscle) Bovine serum albumin(66,000) 0.9 Electrophoretic mobility (Rf) 9 µlの泳動バッファーに1 µlの 分子量マーカーを加え、12% ポリアクリルアミドゲルで150 V1時間泳動し、Hybond-ECL へ30 Vオーバーナイトでブロッ ティングしました。HRP標識ス トレプトアビジン(RPN1231、 1:1,500)を使用し、ECLウェス タンブロッティングプロトコー ルに従い検出しました。 Hyperfilm ECLへの露光は15秒間 行いました。 Ovalbumin(45,000) (hen egg white) Carbonic anhydrase(31,000) (human erythrocyte) 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 Trypsin lnhibitor(20,100) (soybean) Lysozyme(14,400) (hen egg white) 0.1 0.0 4.0 4.2 4.4 4.6 4.8 5.0 Long molecular weight Trailing Edge Leading Edge 4.3 Full-Range Rainbow Molecular Weight Markers Full-Range Rainbow Molecular Weight Markers(RPN800) バンドの色 分子量(kDa ) 青 250 赤 160 緑 105 黄 75 紫 50 青 35 オレンジ 30 緑 25 青 15 赤 10 Full-Range (RPN800) kDa kDa 250→ 220→ High-Range 高分子用 (RPN756) 160→ 105→ 97→ 75→ 66→ 50→ 45→ kDa 45→ 30→ 30→ 20.1→ 20.1→ 14.3→ 14.3→ 6.5→ 3.5→ 35→ 30→ 25→ 溶液状態で供給され、そのまま添加できます。 ※ CBB染色の場合、1ウェルあたり10 µl添加してください。 ※ 凍結融解の繰り返しを防ぐため、チューブなどに分注して-20℃で 凍結保存します。 ※ 分子量の推定に使用できます。 分子量の測定には、LMW Marker Kit(低分子:17-0446-01) 、あるいは HMW SDS Marker Kit(高分子:17-0615-01)をご使用ください。 Low-Range 低分子用 (RPN755) 15→ 10→ Multiphor II用プレキャストゲルExcelGel SDS Gradient 8-18を用 いてSDS-PAGEを行った結果。 Note: このゲル濃度で泳動した場合、Rainbowマーカー(低分子 用)では検出されないマーカー( 2.4 kDa ) があります。 ― 82 ― 4.4 High-Range/Low-Range Rainbow Molecular Weight Markers(高分子用、低分子用) Rainbowマーカー(高分子量、低分子量) バンドの色 分子量(kDa) 青 茶 赤 黄 オレンジ 青 赤紫 青黒 青 220 97 66 45 30 20.1 14.3 6.5 3.5 高分子量 (RPN756) ● ● ● ● ● ● ● 低分子量 (RPN755) ● ● ● ● ● ● 溶液状態で供給されます。サンプルバッファー*と1:1の割合で混合して使用します。 * 2-メルカプトエタノールが終濃度5%となるように加えてください。 ※ CBB染色の場合、1ウェルあたり5 µl添加してください。 ※ 凍結融解の繰り返しを防ぐため、チューブなどに分注して-20℃で凍結保存します。 ※ 分子量の推定・測定にはご使用になれません。 ― 83 ― 5.染色 5.1.CBB染色 <染色液>(0.1% CBB 、30% メタノール、10% 酢酸) Coomassie Tablets, PhastGel Blue R-350(17-0518-01) 1錠に対しD.W. 80 mlを加えて約10 分間強く攪拌します。メタノール120 mlをさらに加えて3分間攪拌してろ過し、これをストック溶液とします。 使用前にストック溶液に対して等量の2%酢酸を混合します。 ※このストック溶液は4℃下で3週間保存可能です。 <脱色液>(30% メタノール、10% 酢酸) メタノール 酢酸 →D.W.で1 Lに調製 300 ml 100 ml 5.2.銀染色 Silver Staining Kit, Protein(17-1150-01)を用いる場合 ※ 用事調製してください。 ※ (*)印をつけた試薬は使用直前に加えてください。 <固定液> エタノール 氷酢酸 →D.W.で250 mlに調製 <増感液> エタノール グルタルジアルデヒド(25% w/v)* チオ硫酸ナトリウム(5% w/v) 酢酸ナトリウム(17 g) →D.W.で250 mlに調製 <銀溶液> 硝酸銀溶液(2.5% w/v) ホルムアルデヒド(37% w/v)* →D.W.で250 mlに調製 100 ml 25 ml 75 ml 1.25 ml 10 ml 1 packet 25 ml 0.1 ml <現像液> 炭酸ナトリウム(6.25 g) 1 packet ホルムアルデヒド(37% w/v) 0.05 ml →D.W.で250 mlに調製(よく攪拌する) <停止液> EDTA-Na 2 ・2H 2 O(3.65 g) →D.W.で250 mlに調製 <保護液> エタノール グリセロール(87% w/w) →D.W.で250 mlに調製 1 packet 75 ml 11.5 ml ― 84 ― References 1) ISACSSON, U. and WATERMARK, G., Anal. Chim. Acta, 68, pp.339-362, 1974. 2) WHITEHEAD, T. P., et al., Clin. Chem., 25, pp.1531-1546, 1979. 3) ROSEWELL, D.F. and WHITE, E.H., Methods in Enzymology,. 57, DELUCA, M.A.(Ed). Academic Press, New York, pp.409-423, 1978. 4) MOTSENBOCKER, M.A., J.Biolum. Chemilum., 2, pp.9-16, 1968. 5) AKHAVEN-TAFTI, H. et. al., Clin. Chem., 41, pp.1368-1369, 1995 6) AKHAVEN-TAFTI, H. et. al., Biolum. And Chemilum. Fundamentals and Applied Aspects, pp.199-202, Chichester, 1994 7) ELIOR, PELES. and SALAH, S. BACUS., Cell., 69, pp.205-261, 1992 8) XIN-YUAN, FU., Cell., 70, pp.323-335, 1992. 9) PAUL, L. STEIN. and HON-MAN, LEE., Cell., 70, pp.741-750,1992 10) KATHLEEN, A. SIEMERS. and RACHEL, WILSON., Science, 260, pp.550-556, 1993. 11) T, MEIER. and S, ARNI., Anal. Biochem., 204, pp.220-226, 1992. 12) KAUFMANN, S. H. et al., Anal. Biochem., 161, pp.89-95, 1987. 13) RUFF-JAMISON, S, et. al., Science, 261, pp.1733-1736, 1993 14) LIFE SCIENCE., 7, pp.12-13, Amersham International plc, 1992. 15) JOHNSTONE, A. and THORPE, R., Immunochemistry in Practice., Blackwell Science Publications, 1982 16) GERSHONI, J. M. and PALADE, G. E. Anal. Biochem., 131, pp.1-15, 1983 17) TOWBIN, H. and GORDON, J., J. Immunol. Meth., 72, pp.313-340, 1984. 18) PELUSO, R. W. and ROSENBERG, G. E., Anal. Biochem., 162,pp.389-398, 1987. 19) GERSHONI, J. M. and PALADE, G. E., Anal. Biochem.,124, pp.396-405, 1982 20) BURNETTE, W. M., Anal. Biochem., 112, pp.195-203, 1981. 21) BITTNER, M., KUPFERER, P. and MORRIS, C. F., Anal. Biochem., 102. pp.457-471, 1980. 22) LIN, W. and KASAMATSU, H., Anal. Biochem.,128, pp.302-311, 1983. 23) ANDREWS, A.T., Electrophoresis: Theory, Thechniques and Biochemical and Clinical Application, Second Edition in Monographs on Physical Biochemistry, edited by A. R. Peacock and W. R. Harrington, Oxford Science Publication, 1986. 24) LEAMMILI, U.K., Nature., 227, pp. 680-685, 1970. 25) TOWBIN, H.STAEHELIN, T. and GORDON, J., Proc. Natl. Acad. Sci (USA), 76, pp.4350-4354, 1979 26) HOFFMAN, W.L. and JUMP, A.A., Anal. Biochem., 181, pp.318-320, 1989. ― 85 ― ECLウェスタンブロッティングシリーズ製品一覧表 製品名 包装 コード番号 ECL検出試薬 ECL Advance Western Blotting Detection Kit 1 Kit(for 1,000cm 2 membrane) RPN2135 ECL Plus Western Blotting Detection Reagents for 1,000 cm 2 membrane RPN2132 ECL Plus Western Blotting Detection Reagents for 3,000 cm 2 membrane RPN2133 ECL Western Blotting Detection Reagents 2 RPN2109 2 for 1,000 cm membrane ECL Western Blotting Detection Reagents for 2,000 cm membrane RPN2209 ECL Western Blotting Detection Reagents for 4,000 cm 2 membrane RPN2106 ECL Western Blotting Detection Reagents 2 for 6,000 cm membrane RPN2134 1 Kit 72-AS00-47 for 1,000 cm 2 membrane RPN2132 スターターキット ECL Plus Western Blotting Starter Kit Full II (内訳) ECL Plus Western Blotting Detection Reagents ECL Plus Reagent Pack (HRP標識二次抗体抗マウスと抗ラビットそれぞれ100 µl,ブロッキング剤 5g) RPN2124 Hybond-P(PVDF) 20×20 cm, 10 sheets RPN2020F Hyperfilm ECL 18×24 cm, 25 sheets RPN2103K ECL DualVue Western Blotting Markers 25 gel loadings RPN810 1 Kit 72-AS00-46 for 1,000 cm 2 membrane RPN2132 ECL Plus Western Blotting Starter Kit Core II (内訳) ECL Plus Western Blotting Dtection Reagents ECL Plus Reagent Pack (HRP標識二次抗体抗マウスと抗ラビットそれぞれ100 ECL DualVue Western Blotting Markers µl,ブロッキング剤 5g) 25 gel loadings RPN2124 RPN810 ECL関連システム ECLタンパク質ビオチン化システム 手持ちの抗体あるいはタンパク質サンプルのビオチン化が簡単に行え、ECLウェスタンブロッティング検出システムにより高感度な検出が可能です。 スペーサーアームが組み込まれた合成N-hydorxysuccinimide ビオチンエステルを用いますので、抗原抗体反応性やその他の物理的性質を ほとんど変化させることなくリシンε-アミノ基、あるいはN末アミノ基をビオチン化することができます。 ECL Protein Biotinylation System ECL Protein Biotinylation Module *2 (for 2,000 cm 2 membrane and 25 reactions) 25 reactions RPN2203 *1 RPN2202 *1 RPN2202 とRPN2209 のセットになります。 *2 別途ECL Dtection Reagents が必要です。 ECLチロシンリン酸化タンパク質検出システム HRP標識抗リン酸化チロシン抗体(PY20)によるウェスタンブロッティングをECLにより検出するシステムです。 ECL Phosphorylation Module * for 25 blots RPN2220 * 別途ECL Dtection Reagents が必要です。 ECL糖タンパク質検出システム タンパク質サンプルによる糖鎖修飾の有無を、簡便・迅速かつ高感度に検出できるシステムです。過ヨウ素酸酸化により水酸基をもつ隣り合った炭 素間結合を切断後、生じたアルデヒドをビオチン-ヒドラジンでビオチン修飾します。検出は、HRP標識ストレプトアビジン複合体とECLウェスタ ンブロッティング検出試薬を用いて、化学発光によりフィルム上にシグナルを検出します。 ECL Glycoprotein Detection Module * * 別途ECL Dtection Reagents が必要です。 25 membrane reactions RPN2190 製品名 包装 コード番号 ECL関連試薬 ECL Blocking Agent ECL Streptavidin-HRP Conjugate and Blocking Agents 40 g RPN2125 (HRP標識ストレプトアビジン)500 µl RPN2195 (ブロッキング剤)40 g HRP標識二次抗体 Anti-Human Ig, HRP-Linked Whole Ab (Sheep) Anti-Mouse Ig, HRP-Linked Whole Ab (Sheep) * 1 ml NA933 1 ml NXA931 Anti-Mouse Ig, HRP-Linked Whole Ab (Sheep) 1 ml NA931 Anti-Mouse Ig, HRP-Linked Whole Ab (Sheep) 100 µl Anti-Mouse Ig, HRP-Linked F(ab')2 Fragment (Sheep) Anti-GST HRP Conjugate 1 ml 75 µl NA931-100UL NA9310 RPN1236 Anti-Rabbit Ig, HRP-Linked F(ab')2 Fragment (Donkey) 1 ml NA9340 Anti-Rabbit Ig, HRP-Linked Whole Ab (Donkey) 1 ml NA934 Anti-Rabbit Ig, HRP-Linked Whole Ab (Donkey) 100 µl NA934-100UL Anti-Rat Ig, HRP-Linked F(ab')2 Fragment (Goat) 1 ml NA9350 Anti-Rat Ig, HRP-Linked Whole Ab (Goat) 1 ml NA935 Anti-Human Ig(Whole Ab, Sheep) 2 ml RPN1003 Anti-Mouse Ig(Whole Ab, Sheep) 2 ml RPN1001 Anti-Rabbit Ig(Whole Ab, Donkey) 2 ml RPN1004 1 pack(25 loadings) RPN2107 * スクリーニングに適しています。 ビオチン標識二次抗体 ビオチン化タンパク質分子量マーカー 毒 ECL Western Blotting Molecular Weight Markers 毒 ECL Protein Molecular Weight Markers with HRP-streptavidin 1 pack RPN2280* 250 g 17-1302-01 * RPN2107 とRPN2195 のセットになります。 PlusOne電気泳動試薬シリーズ Acrylamide PAGE Acrylamide PAGE 1 kg 17-1302-02 N, N'-Methylene-bisacrylamide 25 g 17-1304-01 N, N'-Methylene-bisacrylamide 100 g 17-1304-02 Tris 500 g 17-1321-01 Sodium Dodecylsulphate (SDS) 100 g 17-1313-01 Ammonium Persulphate 25 g 17-1311-01 TEMED 25 ml 17-1312-01 1L 17-1325-01 Mercaptoethanol 25 ml 17-1317-01 Bromophenol Blue(BPB) 10 g 17-1329-01 Dithiothreitol (DTT) 1g 17-1318-01 Dithiothreitol (DTT) 5g 17-1318-02 Glycine 500 g 17-1323-01 TWEEN 20 500 ml 17-1316-01 Coomassie Tablets, PhastGel Blue R-350 40錠 17-0518-01 Silver Staining Kit, Protein 1 kit 17-1150-01 Deep Purple Total Protein Stain 5 ml RPN6305 Glycerol, 87% 染色試薬 ECLウェスタンブロッティングシリーズ関連製品一覧表 製品名 包装 コード番号 kDa kDa 250→ 160→ 220→ 105→ 97→ 75→ 66→ 50→ 分子量マーカー 45→ 35→ 泳動・ブロッティング効率のモニターに最適。10∼250 kDaの幅広い分子領域をカバーし、還元処理済な のでそのままゲルに添加可能。組換えタンパク質なのでシャープなバンドで分子量推定も可能*。 Full-Range Rainbow Molecular Weight Markers 500 µl RPN800 High-Range Rainbow Molecular Weight Markers 250 µl RPN756 Low-Range Rainbow Molecular Weight Markers 250 µl RPN755 10 vials, 575 µg / vial LMW Marker Kit 30→ 30→ 20.1→ 20.1→ 14.3→ 6.5→ 3.5→ 30→ 25→ 15→ 10→ kDa 45→ 14.3→ RPN800 RPN756 RPN755 kDa 17-0446-01 94→ 67→ * 分子量測定には標準タンパク質を用いたLMW Marker Kitをご利用ください。 43→ 30→ 20→ 14.4→ 着色バンドでブロッティング効率のモニタリング、さらにECL化学発光時にサンプルと同時検出可能なウェス LMW Marker Kit タンブロッティング用多機能マーカーです。 ECL DualVue Western Blotting Makers 1 Pack (25 gel loadings) RPN810 kDa kDa 150→ 100→ 100→ 75→ メンブレン 50→ 35→ タンパク質ブロッティングのために作られたメンブレンシリーズ Hybond-P(PVDF) Hybond-P(PVDF) 20×20 cm 10 sheets 30 cm×3 ml roll Hybond-ECL Hybond-ECL 6×8 cm 50 sheets 30 cm×3 ml roll 25→ RPN2020F RPN303F RPN68D RPN303D ゲル・メンブレン用自動検出処理装置 ECL検出に伴う液交換・振とう作業を自動化し、省力化と高い再現性を実現。また、銀染色や発色法に よるウェスタンブロテッィング検出など、これ1台で様々な用途に応用可能。 MultiProcessor 72-AS00-39 (内訳) MultiProcessor本体(Processor Plus) 80-6444-04 ブロットトレイセット 80-6444-23 染色トレイ小セット 80-6444-80 検出用X線フィルム 自動現像が可能。無色透明なフィルムベースの両面にエマルジョンが塗られているので、表裏の区別なし。 Hyperfilm ECL 18×24 cm 25 sheets RPN2103K Hyperfilm ECL 18×24 cm 75 sheets RPN3103K Hypercassette 18×24 cm クリーム色 RPN11642 Hypercassette 18×24 cm レッド RPN12642 Hypercassette 18×24 cm ブルー RPN13642 検出用X線フィルムカセット 検出器 ECLをポラロイドフィルムで検出するため、暗室不要でその場で手軽に検出。結果がでるまでわずか10分。 ミニゲルサイズのメンブレンに対応。 ECL Mini-Camera RPN2069 16→ 15→ ECL DualVue Western Blotting Makrers 15→ S-proteinHRP バリアブルイメージアナライザーTyphoonは放射性同位体や蛍光、ケミルミネッセンスを用いてゲルやメン ブレンまたはマイクロアレイスライド等、さまざまなサンプルの定量・解析を簡単に行うことができます。さ らに目的にあわせてソフトウェアを選択することにより、高度なプロテオミクス解析を行うことができます。 Typhoon 9410 問合せ 問合せ タンパク質電気泳動&ブロッティング装置 製品名 +本文 包装 コード番号 ゲル作製から電気泳動とブロッティングをオールインワン miniVE + Blot Module + EPS 301(or EPS 2A200) miniVE─ミニゲル用縦型電気泳動装置/ブロッティング装置─ ● ゲル作製から電気泳動、ブロッティングが1台で可能 ● 最大9×10 cmのゲルサイズに対応 ● わずか300 mlのバッファー量で、2枚同時にブロッティング可能(EPS 301+ブロットモジュール1セット使用) ● 4枚同時にブロッティング可能(EPS 2A200+ブロットモジュール2セット使用) miniVE, Complete(アクセサリー付 )* Blot Module 1台 80-6418-77 1セット 80-6418-96 EPS 301 ( 300 V / 400 mA / 80 W ) 1台 18-1130-01 EPS 2A200 (200 V / 2000 mA / 200 W ) 1台 80-6406-99 *Blot Moduleは含まれません。 コーム、スペーサーなどのアクセサリーについてはお問い合わせください。 ミニゲル電泳動装置 ブロッティング用モジュール パワーサプライ + + miniVE Blot Module EPS 301 EPS 2A200 標準サイズのタンパク質電気泳動と短時間ブロッティング SE 600 Ruby + TE 77 + EPS 1001 SE 600 Ruby─スタンダードゲル用縦型電気泳動装置─ ● ゲルサイズ 14×16 cmまたは16×16 cmに対応 ● 1度に2枚のゲルを泳動。デバイダープレートを用いれば4枚同時に泳動可能 ● 恒温循環装置で冷却しながら泳動可能。均一なバッファー冷却機能によりスマイリング防止 TE 77 ─セミドライブロッティング装置─ ● 少量のバッファー、0.8 mA/cm2の低電流で短時間転写 ● 最大21×26 cmのゲル1枚、ミニゲルなら4枚を同時に転写可能 SE 600 Ruby, Complete(アクセサリー付) 1台 80-6479-57 TE 77 Semi-Dry Transfer Unit 1台 80-6211-86 EPS 601 ( 1000 V / 400 mA / 100 W ) 1台 18-1130-02 コーム、スペーサーなどのアクセサリーについてはお問合せください。 スタンダードゲル電泳動装置 セミドライブロッティング装置 + SE 600 Ruby パワーサプライ + TE 77 EPS 601 www.gehealthcare.co.jp/lifesciences GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社 本 社 〒169-0073 東京都新宿区百人町 3-25-1 サンケンビルヂング お問合せ:バイオダイレクトライン TEL : 03-5331-9336 FAX : 03-5331-9370 e-mail : [email protected] ISO 9001:2000認証取得 Home Page http://www.gehealthcare.co.jp/lifesciences 掲載されている製品の名称、仕様、価格などは、予告なく変更される場合がありますのであらかじめご了承ください。 掲載されている社名、製品名は各社の商標または登録商標です。 この印刷物は、再生紙を使用し大豆インキにて印刷しています。 04.12.50(NS)
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