GradedDirectMethodAssociationOfJapan NewsB u l l e t i n 第 4 0号 1 9 8 8年 6月 4日 編集・発行・ GDM英語教授法研究会 事務局 〒1 1 2東京都文京区目白台 2 1 0 1 0佐藤由美子方 T E L. ( 0 3 ) 9 4 7 1 2 7 6 “1amhere" O GDM の 絵 永 東山 学習に於て視覚教材の役目は大である o 実物, 設備も特定場所も要らないし,安価で取扱いが容 模型,映画,写真,絵,グラフなど数え切れない 易であるなどの点である。 GDMの最初の授業を 程多くのものがある o 理科,社会,その他の学習 考えてみよう。 Theoryでも何度か云われている では,それら視覚教材を使って,ことば(母国語) i t u a t i o n が,まず視覚に訴えるものとして Lives で説明するのであるが,ことばの授業ではことば → Liveに近い色つきの写真→白黒のもの→写実 そのものが学習対象である o 的な絵→略画的な絵→線画きの絵を使う。しかし GDM と云えば線画きの絵と結びつく。 絵はことばに到るひとつの約束事であることが学 GDM の教科書である EnglishthroughPicturesの中で絵 習者にわかる頃には のないページを探すのに骨が折れるくらいである。 いて線画きの絵に移るようになる。具体性の多い Liveから中間のものを省 こんなに沢山の絵が本当に必要なのかとも思うし, ものから少しずつ抽象度を上げて文字に到る過程 たまには柔かい線で色のついた楽しいものをとも を経ることにより,ことばの学習がより効果的と 思うであろう。しかし絵は意味をもつのである。 考えられるからである。セミナーで苦心の絵が余 現実とことばの橋渡しの役目をもっ。外国語とし 計なものが多いとか絵の意味がはっきりしないと ての英語を教える GDMの授業では,模型,映画 いうコメントでごはんものどを通らず,眠れぬ夜 など殆ど使わない。それは簡易教材である絵が多 を過した経験をもっ人は少くない。 よい絵を効果的に画く例をひとつあげよう。 くの利点をもつからである o 絵を使う場合特別な 目次 GDMの 絵 . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . … .. ・ . ・ . . … . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ ・・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・..東山 H H H H H H H H 永… l H o m m u n i c a t i v eCompetenceの習得…....・ ・ . . . . . ・ ・ - 川上伊都子… 2 GDMにおける C H H 英語教育の不毛を変える...・ ・・・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・..……小高 一夫… 5 リーディング教材づくり経過報告・ ・・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ ・ … . . . ・ ・..……島谷 靖子… 6 H H H H H H H H H H H H ~ メディア史上の B a s i cE n g l i s h(3) 一心身訓練との平行関係….・ . ・..片桐ユズ Jレ… 1 0 H B a s i cE n g l i s hと変形文法:ー i n g形をめぐって..・ . ・ … ・・ … ・・ . . 原 田 H H H H 弘… 1 2 H 活動報告 ( 1 9 8 6 年 9月 -1987 年 8月) . . ・ ・ . . . . . ・ ・・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ . . . . . ・ ・ ・・ . . 1 5 H H H H H H H H H て ( 1 ) I t em“ p u t " に使えそう な写真。女の人が帽子を被ろう GDMにおける C o m m u n i c a t i v e C o m p e t e n c eの習得 としている。その表情もごく自 し,洋服,帽子の色もどぎつく ない。 ( 2 ) 写真に近い絵を色っきで 描いてみる o ( 3 ) T a k e .p u t( p p.1 4 .1 5 )の あたりでは色をつける必要はな いので白黒のものにする o ( → a) ( 4 ) 服装ージャケット,ボタ ン,ポケット, ベルトなどに気 aw ハハハ寸 {打h 然で,手の動きも感じられる 川上伊都子 コトパを communicationの道具として適切に使 いこなす能力を, Hymes (1971 .1972a)は “ communicativecompetence"と呼んだ。彼はこの 能力について, “ t h e r ea r er u l e so fu s ew i t h o u t whicht h er u l e so fgrammarwouldbeu s e l e s s " と述 べている o 又 , Tarone ( 1 9 8 1 ) の定義は次のも を引かれる o これらをとるとか a ssomeのである o “Communicativecompetenceh なりすっきりする o ( → b) t i m e sbeend e f i n e da st h eknowledgeo fhowt ou s e o n e 'sl i n g u i s t i csystema p p r o p r i a t e l yi nas i t u a t i o n . " S a v i g n o n ( 1 9 7 2 b ) も以下の様に定義している o ( 5 ) ベレー帽のようでもある し c a p とも云える o そこで 返さ “ Communicativecompetencemaybed e f i n e da st h e a b i l i t yt of u n c t i o ni nat r u l ycommunicatives e t t i n g h a tと迷わず云える形のものに 一 一 一t h a ti s .i nadynamic exchange i n which l i n - 直す。(→ c) g u i s t i c competence must a d a p ti t s e l ft ot h et o t a l . .. " Savignon は communicative i n f o r m a t i o ni n p ut ( 6 ) 絵の内容を p u tと帽子に i n g u i s t i ccompetence1) を区別して competenceと l 絞れば着ているものは単純なも おり,前者を communicationを可能にする能力, のということでこのような絵に 後者をそれとは別の言語的,文法的知識であると なる。(→ d) している o 言し、かえれば l i n g u i s t i ccompetence だけが習得されても communicativecompetence これでよし,とはし、かない。 T a k e .p u tどちら . . . . . . . . . . . . . . _ . . _ . . . . . . . . . . . . . . . . . _ . _ . . . . . . . . . . . . . . _ . _ . _ . . . . . . . . . _ . . . . . _ . . _ . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . u t t i n gの意味を表すの のひとこまであろうか。 P には, ,~.:. : .: wiUp u t .p u t (過去)の絵が前後になけ ればならない。少くとも 3枚の絵が要る o そして 〆って絵が正しい意味をもつようになる o 多分に 主観的意味をもっ形容詞などを表す場合 c o n t r a s t ー ー ー ‘ 』 は大事なもののひとつである o 画いた絵が充分役 目を果す為には,その大きさ,線の太さが,教室 のいちばん遠い席から見てどのようであるかを考 えなければならない。大事なものが画けていても, 不必要なものまであってはいけないし,状態,動 I ~ きの c o n t r a s tが必要なことはいうまでもない。 以上絵の作り方を述べたが,その絵の使い方, はじめて p u t t i n gの絵が生きてくる o つまり時の 何を,どこで,どのように,についてはまたの機 c o n t r a s tが要るわけである o この c o n t r a s tによメ 会にしたい。 内/﹄ が伴なわなければ,実際に communicationはでき て , ないと考えるわけである o コトパを意思疎通の手 a g . "とい うか,君のだったのか) “ T h i si s巴 笠 b 段と考えるならば “ T h a ti s! ! ! yb a g . "という D 教師は, (ああそ s i t u a t i o nに応じてコトパを うo 他の生徒達は,いつ先生が自分のを取り上げ 使い分けるこの能力は,不可欠であると言えるだ てくれるかと,ワクワクして待っている。早く自 ろうし,外国語学習もこの前提のもとになされる 分のだと言いたくてウズウズしてくる o 文,気の i n g u i s t i c べきであろう o が,現実の学校現場では l 短い生徒ならそれを待たず,自分から(コレポクのだ competenceの習得が偏重されがちである o 教師 よ) “ T h i si smyb a g . "と言って勝手に取りに行くか は文化的知識(語い的,統語的,形態的)ばかり も知れない。こんな単純な s i t u a t i o nと簡単な文に GDMの授業では l i n g u i s t i cknow- に留意し,生徒が外国語 (L2 ) を communication もかかわらず, の道具として使う機会をなかなか与えようとしな l e d g eだけではない「何か」がいつも存在するの い。‘Knowledge' ( コ トパを知識として知ってい である o それは,生徒の心の動きを正確につかむ る)と‘a b l i t yf o ru s e ' (それを使い こなす能力) 教師の能力によって引きおこされる, とは違うということをふまえた上で,外国語学習 「そうか君のか」という i n t e r a c t i o nの存在である。 を考え直す必要があろう o この結果として,代名詞の所有格が学習されたと さて, GDMに目を向けてみよう o GDMによ r コレ私の」 いうことなのである o る授業では,この c o m m u n i c a t i v ecompetenceを Whatの疑問文を教える時は,生徒に何だろう? 習得する工夫がなされているだろうか。文学習者 と恩わせることが第ーであるが,そのコトバの意 に L2を本当の communicationの手段として使う 味が分った時には,新しく習得したコトパを実際 機会を与えているだろうか。結論から言えば, G のc o m m u n i c a t i o nの手段として使える s i t u a t i o nを DMの 授 業 を 通 し て 学 習 者 は , 最 も 基 本 的 な 充分に用意することが必要である。すなわち, c o m m u n i c a t i v ecompetence2) 一一すなわち,自分 “ Whati si nt h ebox?"と生徒が言えば,中身を見 の意思を相手に伝える能力一ーを,習得できると せてやるか,文は, 私は考える。文,学習者に L2 を本当の communi- きちんと答えてやることである o このことを通し “ Ac o i ni si nt h eb o x . "などと L2による communicationの方法を習 c a t i o nの道具として,使わせることによってこそ, て,生徒は GDMの授業は成功すると考える o GDMにおけ 得していくのである。 GDMの授業では,常に生徒は仮説をたててい る communicativecompetence習得のためのいく る。教師(文は,他の生徒)の動作や指示と発話 つかの場面を見てみよう。 GDMの第 1時 間 目 は と Youから始まる。 から「どうもこういうイミらしい」とか「こんな この時教師は,生徒と向かい合い,自分自身の全 使い方もできるのかな」という推理をしている o 存在をかけて“I"と言い,相手をじっと見つめて そのために,教師の動作はあいまいさを極端に避 “ You"と語りかける。そうしなければこの Iと け Youは分らなし、。心から語りかけなければ,この 説をたて終えたころには,それをどんどん試させ c l e a rでなければならないのだが,生徒が仮 意味は伝わらなし、。代名詞の 1人称/ 2人称を教 る - -h y p o t h e s i st e s t i n gのための場面を用意し えるのだという心構えでは,とてもこの意味を伝 てやらなければならなし、。すっぽり袋の中に入っ えることができない。この第 1時間自の授業で, ているのが‘i n 'であるなら,袋の口から半分出て 生徒はコトパを発信する‘自分(I)'というも いるのはどうなのか,手の平にのってるのはどう のを知覚し,語りかける相手 (You)'の存在を なのか,生徒の頭の中の動きを察知して,教師 認識するのである。もう少しあとに出てくる my は様々な s i t u a t i o nを用意すべきである。生徒が /y o u rを練習する時は,生徒が教師に話しかけた “ H i sh e a di si nh i sh a t."などとよく言うのも, いウズウズとした衝動を待ちたい。例えば,教室 h y p o t h e s i st e s t i n gのあらわれである o この積極的 の前に,生徒達の本やカバンが集められている。 に仮説を試させることが その 1つを教師が持ち上げて(誰のものかなァ) p e t e n c eを上達させることにつながっていくので 。 円 という顔をする。生徒の 1人が自分のだと気づい ある。 c o m m u n i c a t i v ecom- 生徒の能力を充分に発揮させてやる場面を用意 はどうだろうか。学習することと c o m m u n i c a t i o n する重要性は,当然 l i n g u i s t i ccompetenceについ のために L 2 を 使 う こ と が 同 時 に 可 能 に な る ても同様である 6 文法的な文を生成する能力も, s i t u a t i o nが,教師によっていつも用意されていれ 生徒の頭の中でおこる内的なもので,目に見えな ば理想的である。 い。教師は生徒がそのコトパ(文)の意味が分っ c o m m u n i c a t i o nは,話すことのみでなく,書く たかどうか判断するためには,生徒がそれらを使 ことにおいても考えられる必要があろう。自由作 って全く新しい文を創り出すのを待つしかないの 文などにも工夫すべき余地がある 3)。文,教師一 である。例えば, ‘ t a k e- o f f(3時制),の文型 を机の上から本をとって導入したとする o (T) 生徒の間だけでなく,生徒一生徒聞の communic a t i o nも活発に行われることが望ましい。そのた “ 1t o o kmybooko f ft h et a b l e . "机やイスから本や めに g r o u pa c t i v i t y等を利用してはどうだろうか。 カバンを取って練習したのち,黒板にはつであ 生徒の発話量はさらに増えるはずである o る絵を教師が指す。すると生徒から“T h a ti sa p i c t u r e . ", “ Thep i c t u r ei sont h eb o a r d . "などの D u l a yとB u r f( 1 9 7 3 ) は,自然な c o m m u n i c a t i o n を産み出す s i t u a t f o nには c l e a rで 具 体 的 な 発言があるだろう o さらに教師が(この絵をはが r e f e r e n tが役に立つと言っている。教室の中に しますよ)という動作をすれば,すかさず生徒か そういう小道具があればある程,生徒は“f o r m " uw i l lt a k et h epi c t u r eo f ft h eb o a r d . "が出て ら “ Yo (教師の発話)から“mes 組幹"をよりたやすく推 くるだろう。この文は,全く生徒が自ら生成した 理できるというのである o G D Mの教師にとって 文である。彼らは今までに一度もこの文を聞いた も,生徒の負担を軽くするために ことがないのである。にもかかわらず,この文を 的な教材を用意することは 生成することが出来たのである。これは Chomsky 発にする上で,非常に重要である。 の言う l i n g u i s t i ccompetenceの習得を意味してい c l e a rで具体 c o m m u n i c a t i o nを活 生徒を c o m m u n i c a t i v eにするための他の要素と る。コトパは i m i t a t i o nや r e p e t i t i o nによって学習 して,教師の聞き手としての姿勢もあげておきた されるのでなく,学習者の l i n g u i s t i ccompetence い。一生けん命に聞いてくれる人がいる時,話し によって生成されるのである。この能力を習得さ 手は最も努力して自分の意志を伝えようとするも れれば,理論上は無限の文を作り出すことが出来 ので,教師は生徒の発話をささいな文法的まちが るわけである。生徒の立場にたてば. h y p o t h e s i s い等によってあまり遮ることなく,良い聞き手と t e s t i n gの結果自分自身で探り当てたルールや解 して徹するべきだろう o 読できたコトパ(文)は,使ってみたくて仕方が 矯正が必要な場合には,発話が終った後にすれ ないのである。新しい道具を手に入れた時,それ ば良いのであって,どんな文であろうと生徒が をなんにでも使ってみたくなるのと同じ気持ちで L2を使って communicateしようと挑戦すること ある o 教師はこの欲求を満たしてやる努力をすべ を,常に高く評価してやりたい。そうすれば,生 きであろう。そうして,生徒に「わかった!J と 徒からの積極的な送信を期待することができるだ いう達成感と共に,自分でコトパを使いこなす喜 ろう。 び,満足感をいつも充分に感じさせてやりたし、。 この場合も i n t e r a c t i o nの結果として, ‘ t a k e- 以上見てきた様に私達 G D Mの教師は,文型を 教え込もうとするのでなく,生徒の潜在的な言語 o f f (3時制),を学習したことになり,コトバを 学習能力を信じて,単にその能力を発揮できる適 使いこなす喜びが,その次の学習への大きな mo- 切で t i v a t i o nとなるのである。 c l e a rな s i t u a t i o nを 用 意 す る こ と に 努 力 し,熱心な聞き手にまわるべきだろう。生徒と この様に G D Mによる授業では,学習は教師と生 communicateすることを第一の目的とする授業は, 徒の i n t e r a c t i o nの結果として起ると考えたい。言 必ず生徒の c o m m u n i c a t i v ecompetenceの習得に a n g u a g e いかえれば,生徒を単に L2の学習者 (L 役立つであろう。吉沢美穂先生が l e a r n e r ) としてのみとらえるのではなく L2の えてはいけない,語りかけよ。」とおっしゃって 使 用 者 (l a n g u a g eu s e r) と し て と ら え て み て いたことが,今はっきりした意味をもって私の中 - 4- r コトパを唱 に響いてくる気がするのである o 英語教育の不毛を変える (注) 1) C a n a l eと S w a i n( 19 8 0 ) は communicative 小高一夫 competenceを構成する 4つの要素をあげてい るo こ の 中 に 狭 義 で の l i n g u i s t i c( g r a m m a t i c aI ) 英語教育ということが,ただ単に英語を指導す competenceが含まれている。他の 3つは s o c i o - ることだとしても,それは実にさまざまな条件の l i n g u i s t i c c o m p e t e n c e . d i s c o u r s e c o m p e t e n c e . 上で成り立っている o 今仮りに. 5 W1Hを基準 s t r a t e g i ccompetenceである。 にして条件の分類を試みても,その一つ一つの疑 2) c o m m u n i c a t i v ecompetenceには注 1) にあ 問詞について幾つも異なった場合を直ぐに予測す る通り様 々な面があるが,ここでは私が最も基 ることができる o ところが,巷の議論や著述の大 本的と考える面を取り上げた。すなわち,話し 半は論者や筆者がめいめいの思い込みで設定する 手が自分自身で場面を判断し,それに適した発 枠組の中で行われ,それはまるで別々の土俵で相 話を行い,その結果自分の意思を相手に伝える 撲を取っているように見える o 議論は果てしなく 能力についてである。 続くであろうが,実りある終結は得られまい。 3) w r i t i n gにおいても c o m m u n i c a t i o nは必要で 英語教育に携わる者なら誰でも納得する枠組, ある。このことについては. GDM西日本支部 即ちどんな条件の場合にも共通して大切なことと N o .204 ( 1 9 8 8 年3 . 4月号) は何か。それは先ず,英語の基本を修得させるこ ニューズレター に書いたので参照していただきたい。 とであろう。選別のための英語ではない,ことば としての英語の基本は,対応する日本語の暗記な 参考文献 どではなく,その語が指示する意味を実感と共に S a v i g n o n .S .1 982.communicativeCompetence 身につけることである o そして同時に,それを使 d d i s o n -Wesley Theorya n dC l a s s r o o mPractice~ A って仕事や生活が出来ることであろう。 P u b l i s h i n gCompany. 実感とは実際を体験して感じることをいうが, Tarone.E .1 9 81 . “ Somet h o u g h t sont h en o t i o no f ことばに限らず実感を伴わない判断や行動がいか 5: c o m m u n i c a t i o ns t r a t e g y . "JESOLQ u a r t e r l y1 に多くの誤りを生むかは言うまでもない。指導要 285-295. 領の「言語活動」を,現在のクラス人数,週当り D u l a y .H .a n d M. Burt .1 9 7 3 .“ S h o u l d we t e a c h 授業回数,そして検定教科書を使って,一体誰が 3:245c h i l d r e ns y n t a x ? "~an凪lage Learnin~s 2 達成できるのか,目標とはいえ,実際を知り,実 258. 際を尊重する人が書いたことばとは思うことがで きない。 さらに,仕事や生活をするために,受験勉強で 覚えるような難語句は不要だ。実際の言語生活で は状況や文脈によってことばは助けられるから, 初歩のうちは語数よりも語の種類や性質を考えた 選択が必要である o 即ち,一般性が大きく,状況・ 文脈によって他の語の代りができたり,その語を 基にどんどん語いの拡張ができるような基礎語を 学ぶのがよい。基礎というのはこのように,将来 に発展して行くものを言い. r 将来」は基礎を欠 いては成り立たないものである。 EP Book 3 それにしても,日本の英語教育の実状はどうで あろう。年間の授業時数の少なさもあるが,三年 EU 間学んだ中学卒業生の英語力などというものはそ の存在すら疑わしいのが現実ではないのか,穴埋 リーディング教材づくり 経過報告 め式のテストで得点することと,本物の英語力と は全くといってもいい程に違う。例えば,高校の 卒業生なら 自力で読める程度の英語の本が読み 終えたら,書かれてあったことを英語で言えなけ 島谷靖子 ればならない。書ければ,それはそれでもよい。 しかし,こんな簡単なことができる学生も,英語 リーディング教材研究会は 1 9 8 7年 1月のスター 1年余りの地道な活動を続けてまいりま の専攻生を別にしたら,果して何パーセントぐら ト以来 いいるのだろうか。極めて心細いかぎりである o して,今年の御殿場 2 0周年には,努力の成果を一 義務教育の時代から殆んど全員にほどこしている 冊の本として発表ができる運びとなりました。ま 英語の教育は,あまりにも実態にそぐわない非教 ず今回は EPの Book1と併用できる教材が中心 育的な行為であるといえる。 になりますが,これからもより恒久的な本の出版 ところで,前述の基礎語さえ充分に使えたら, かなり高度なことまで表現できるのだが,ここに 一つのネックがある。それは,基礎語を巧みに使 って内容を正しく伝えている英語に対して. r そ の英語は幼稚だ J . r アメリカではそんな表現は を目標に,長期的な展望に立って,質の良い作品 を蓄えていきたいと考えております。 各自が書いて持ちょった作品は 7 1点,内訳は次 9点. pp.34-42 のようになります o pp.1-33 1 1 3点. pp.43-55 3点. pp.56-64 1点 p p . 使わない」といった類いの完全主義と英米信仰だ。 65-74 2点. pp.75-83 5点. p p.84-95 法律の文書を見るまでもなく,たとい教養ある語 7, 点 . pp.96-105 7, 点 . p p .106-119 9, 点 , いを用い,何万語を使ってもなお,全てをことば Book2 で言い尽くすことは不可能だ。高級(?)な表現 5点,これらの作品をひとつひとつ読 み合って,内容の検討,書き直しを繰り返すとい を,美しい (?)発音でポツンと言って,あとは うのが活動の中心でした。これらの中から 30-40 無言でいるよりも,変化する状況に心を合わせ, 点ぐらいの作品を選び n a t i v ec h e c kを受けました。 自由に使える手持ちの英語を正しく使うことの方 そこで指摘されたことをふまえて,仕上げていく がどれだけ楽しく,しかもことばの機能をよりよ という過程を経ていますが,それぞれタイプの違 く果していることか。 う作品例を見ていただきます。 英語がもはや,英米人だけの所有物でないのは 常識だ。世界いたるところの文化が英語を通して 流れている o この中にあって我々は先ず最初に, -作品 1 Tomi sc o m i n ghomef r o mt h eh o u s eo fh i sf r i e n d. 自分の英語として基礎語を学び,英米人の英語と J a c k .Whenh ewentt oh i sh o u s e .J a c kwasn o ta t は異なっても英語としては間違わない運用力を身 h o m e .H i sm o t h e rs a i dt oh i m . “J a c k wentt ot h e につけたい。そのうえで,英米の文化理解の手掛 p a r kw i t hh i sf r i e n d s .Hew i l lcomehomea f t e rs i x . " u l lE n g l i s h)を学べばよ りとなる彼らの英語 (f Nowh eh a sn of r i e n dw i t h .Heh a sh i sh a n d si nt h e u l l い。そしてこの時あらためて,自分の英語と f p o c k e t so fh i sp a n t sa n di sg i v i n gak i c kt oas m a l l E n g l i s hが基礎と発展・応用の関係にあることを s t o n e . u l lE n g l i s hを身近かに感じること 認識すれば. f Hes e e sab u sa tt h ea p a r t m e nt .T h a ti sab o o k - ができるであろうし,その素晴らしさを素直に味 m o b i l e . "Whati sab o o k m o b i l e ? "I ti sab r a n c ho f わうこともできるであろう。 t h el i b r a r y .I th a ssomeb o o k soni t sb o o k s e l v e s .I t 我々が望む英語は,完全無欠な美しい英語であ るまえに,自分のことばとしての英語であって, スパイの英語でないことは確かだ。それはすぐ身 近かなところに転がっている。 i sg o i n gfromones t o pt oa n o t h e rw i t hthem a n d g i v i n gb o o k st op e r s o n s . Tomi sg o i n gt ot h eb o o k m o b i l e .Therea r esome b o y sa n dg i r l si nf r o n to ft h ea p a r t m e n t .Therei sa - 6- w o r n a nb e f o r et h e r n .Shei sg i v i n gas t o r yt ot h e r n . dt oh i r n .“1w i l lg i v e b o o k s .Whatw i l l1d o ? "She泊 i T o r ni st h e r ew i t ht h e r n .A f t e rs h eg a v et h es t o r yt o ac a r dt oy o u . You w i l lp u ty o u rn a r n ea n dy o u r t h e r n .t h e ywenti n t ot h eb u sa n dt o o ks o r n eb o o k s t .Thenyouw i l lg e ts o r n eb o o k sf r o r n a d d r e s soni f r o r nt h eb o o k s h e l v e s .T o r ni sg o i n gt ot h ew o r n a n t h el i b r a l y .Whenyouc o r n et ot h el i b r a r y .h a v et h e i l lh a v es o r n eb o o k s . Wh a tw i l l1 a n ds a y i n g . “1w c a r dw i t hy o u .p l e a s e .A l lr i g h t ? " He s a i dt oh e r . 1w i l lg i v eac a r dt oy o u . d o ? "Shei ss a y i n g .t oh i r n .“ “A l lr i g h t .Thanky o u . " Youw i l lp u ty o u rn a r n ea n dy o u ra d d r e s soni t .Then youw i l lg e ts i xb o o k sf r o r nt h el i b r a r y .Whenyou w i l lg e ts o r n eb o o k sf r o r nt h el i b r a r y . youw i l ll e t l l u ss e et h ec a r d .A l lr i g h t ? "Hei ss a y i n gt oh e r .“A r i g ht .Thankyou. " その結果 t e n s eを統一して s t o r yが流れない と解りにくいと指摘された。また Hew i l ln o tbe b a c kb e f o r es i x .は否定できているのでむずかしし、。 i c k i n gas r n a l ls t o n e g i v i n gak i c kt oas r n a l ls t o n eは k のほうが自然、。 b o o k r n o b i l eの定義は al i b r a r yi n 内容が良いので生かしたいということになった ab u sで Therea r er n a n yb o o k st h e r e .Shei sg i v i n g が,一つの s t o r yの中にさまざまな時制が同時に as t o r yt ot h e r nは r e a d i n gか t e l l i n gに 。 1w i l lh a v e 出ていることが問題で,これは他の多くの作品に s o r n eb o o k s .は 1wants o r n eb o o k s .p l e a s e .に,な も共通していた o 調べてみると, OxfordGraded R e a d e r s その他にも現在形で s t a r tした s t o r yが どが主な注意だ った。次の書き直しでは, b o o k - r n o b i l eの定義以外は過去形にして,最初の下線 過去形で話が進むというのはあって,読んでいる 部は Hew i l lb eb a c ka ts i x .にした。しかし数日後 人や聞いている人に解れば,それでも良いのだが, 読み返してみると J a c kが p a r kに行ったのなら ここでは無理。 s t o r yの流れに沿って数枚の絵が T o r nも行って遊ぶであろうと思われた o そこで 浮かぶが,それは読み手の自由なイメージにまか J a c kは c o u s i n 'sh o u s eに行ったことにして,帰っ せたいところなので絵はさし絵程度に留めたい。 てくる時間も変えて,全体の細いところも直して a t i v e 下記のように 1回目の書き直しをしたものを n 二度目の n a t i v ec h e c kを受けたのが以下である。 checkにかけた。問題となりそうな箇所はほかに もし、くつかあるが,かわいい表現がそのまま通る かどうかも知りたかった。 A f t e rs c h o o lT o r nwentt oJ a c k ' sh o u s e .b u th e wasn o ta th o r n e .J a c k ' sr n o t h e rs a i dt oT o r n .“ J a c k wentt oh i sc o u s i n ' sh o u s e . He w i l l be b a c ka f t e r A f t e rs c h o o lT o r nwentt oJ a c k ' sh o u s e .B u the t . " s e v e no re i g h J a c kwent wasn o ta th o r n e .H i sr n o t h e rs a i dt oh i r n .“ NowT o r nh a dnof r i e n dt op l a yw i t h .Heh a dh i s t ot h ep a r kw i t hh i sf r i e n d s . He w i l ln o tbeb a c k h a n d si nh i sp o c k e t sa n dwask i c k i n gas r n a l ls t o n e . b e f o r es i x Hesawab u si nf r o n to ft h ea p a r t r n e n th o u s e .I twas Nowheh a snof r i e n dt op l a yw i t h . Heh a sh i s ab o o k r n o b i l e . h a n d si nt h ep o c k e t so fh i sp a n t sa n di sg i v i n gak i c k Wh a ti sab o o k r n o b i l e ?I ti sal i b r a r yi nab u s . t oas r n a l ls t o n e .Hes e e sab u si nf r o n to ft h ea p a r t - Therea r eal o to fb o o k st h e r e .I t ~oes f r o r none r n e n th o u s e .T h a ti sab o o k r n o b i l e .w h a ti sab o o k - s t o pt oa n o t h e r . th a ss o r n eb o o k s r n o b i l e ?1 ti sab r a n c ho fal i a r a r y .I T o r nwentt ot h eb o o k r n o b i l e.Thereweres o r n e I tg o e sf r o r nones t o pt oa n o t h e r oni t sb o o k s h e l v e s, esawaw o r n a n b o y sa n dg i r l si nf r o n to ft h eb u s .H ( w i出 t h e r n ) . i nf r o n to ft h e r n .Shewasr e a d i n gas t o r yt ot h e r n . NowT o r ni sg o i n gt ot h eb o o k r n o b i l e .Therea r e A f t e rs h er e a dt h es t o r yt ot h e r n .t h e ywenti n t o s o r n eb o y sa n dg i r l si nf r o n to ft h eb u s .Hes e e sa t h eb u sa n dt o o ks o r n eb o o k sf r o r nt h eb o o k s h e l v e s . wornanb e f o r et h e r n .Shei s~ivin~ as t o r yt ot h e r n . T o r n went t ot h ew o r n a na n ds a i d . “1want s o r n e A f t e rs h eg a v et h es t o r yt ot h e r n .Theywenti n t o 1w i l lg i v eac a r d b o o k s .p l e a s e . "Shes a i dt oh i r n .“ t h eb u sandt o o ks o r n eb o o k sf r o r nt h eb o o k s h e l v e s . t oy o u .Youw i l lp u ty o u rn a r n ea n dy o u ra d d r e s son d .“ 1w i l lh a v es o r n e T o r nwentt ot h ewornana n d回 i t .Thenyouw i l lg e ts o r n eb o o k sf r o r nt h el i b r a r y . i - 7- Whenyoucomet ot h el i b r a r y,p l e a s eh a v et h ec a r d “A l lr i g h t . w i t hy o u .A l lr i g h t ? " He s a i dt oh e r, .Got h e r ew i t ht h i sd r e s son.I t Mother:A l lr i g ht Thanky o u . " o t h e r . J a n e:Thankyou,M こんどは Therea r eal o to fb o o k st h e r e .は t h e r e w i l lb er e a d yf o rt h ep a r t y . しかし,このまま受け入れるには,小ざい生徒 よりも i ni tのほうが言いやすいし,聞きやすい。 にはかえって難かしくなる部分もある o それに I tg o e sfromones t o pt oa n o t h e rは p l a c eのほうが J a n eが 1w i l lweart h ed r e s sn e x tS u n d a y .で は か 自然。 i nf r o n to fが三度出てくるので わいらしさが伝わらない o J a n ecamei n t ot h e Hesaw awomani nf r o n to ft h e m .は amongthemにしたら roomも 取 っ て し ま っ て , 書 き 直 し , 二 度 目 の どうかという意見だった。 n a t i v ec h e c kにかけたものが以下である。 -作品 2 J a n e:Whata r eyoud o i n g, 盟 旦t h e r ? 一 一 一 Janecamei n t ot h er o o m . r e s s . Mother:1ammakingad J a n e:Whata r eyoud o i n g,Mother? J a n e:Areyoumakingmyd r e s s ? Mother:1amm a k i n gad r e s s . Mother:Y e s .Weg o tt h ec l o t ha tt h ed e p a r t m e n t s t o r et o g e t h e r . J a n e:Ad r e s s ?Areyoumakingmyd r e s s ? Mother:Oh,y e s .T h i si st h ec l o t hw h i c hweg o ta t t h ed e p a r t m e n ts t o r et o g e t h e r . J a n e:W i l li tb er e a d yb yn e x tS u n d a y ? Mother:Wherea r eyoug o i n gn e x tS u n d a y ? J a n e:I tw i l lb eav e r ygoodd r e s s .1w i l lbev e r y o i n gt oB e t h ' sb i r t h d a yp a r t ya th e r J a n e :1amg u tt h i sd r e s sonn e x tS u n d a y ? h a p p y .W i l l1p h o u s e . Mother:A l lr i g h t .Got h e r ew i t ht h i sd r e s so n .I t e r ew i l lyoug on e x tS u n d a y ? Mother:Wh J a n e:Therew i l lbeB e t h 'sb i r t h d a yp a r t yi nh e r h o u s en e x tS u n d a y .Someo fh e rf r i e n d sa n d1 w i l lcomet oh e rh o u s e . w i l lb er e a d yf o rt h ep a r t y . J a n e:Thankyou,M o t h e r . 私たちは書き直しの時, Mother:Youw i l lg ot h e r ew i t ht h i sd r e s so n . J a n eは小学生だと決 めていたことを忘れていたのかも知れない。母へ J a n e:Thankyou,M o t h e r . の呼びかけは Momにとのこと。もっともである。 Weh a v eno“ c a n "o r“ s h a l l " .なので W i l l1 …?は I w i ll...にして,最後の部分は J a n e:Therew i l lb e B e t h ' sb i r t h d a yp a r t yi nh e rh o u s e . でとめて, 従って J a n e と Mr.S m i t hの対話文とする。もう 一つ最後の Got h e r ew i t ht h i sd r e s sonは Youw i l l b ea b l et oweari tonSunday.の ほ う が 優 し さ が Mother:A l lr i g h t .Got h e r ew i t ht h i sd r e s so n .I t a nはなくても a b l e 感じられる……と言われて c w i l lb er e a d yf o rt h ep a r t y .に直して n a t i v ec h e c k があることを思い出すべきだ った 。 を受けた。それを整理してみると次のようにな っ T こ 。 -作品 3 T h i si sap i c t u r eo fap o t a t op l a nt .P o t a t o e sa r e 一 一 一 Janecamei n t ot h er o o m . p a r to ft h ep l a n t ' ss t e m sw h i c ha r ei nt h ee a r t h . J a n e:Whata r eyoud o i n g,Mother? Thef l o w e r so ft h ep o t a t op l a n t sa r ew h i t e,y e l l o w Mother:1amm a k i n gad r e s s . u tt h e y o rp u r p l e .T h e i rf r u i ta r es m a l la n dg r e e n,b J a n e:Ad r e s s ?Areyoumakingmyd r e s s ? a r en o to u rf o o d . Mother :Yes.T h i si st h em a t e r i a l weg o ta tt h e d e p a r t m e n ts t o r et o g e t h e r . Thehomeo ft h ep o t a t o e si stheAndesm o u n t a i n s i nS o u t hA m e r i c a .Theycamet oEuropei nt h e1 6 t h J a n e:1w i l lweart h ed r e s sn e x tS u n d a y . c e n t u r y .Atf i r s tt h e ywerei nt h eg a r d e n so fr i c h Mother:Wherea r eYOUg o i n gn e x tS u n d a y ? p e o p l e .B u tt o d a yp e o p l ea l lo v e rt h ew o r l dh a v e J a n e :1amg o i n gt oB e t h ' sb i r t h d a yp a r t ya th e r themf o rf o o d . h o u s e . I nt h es p r i n g“ new"p o t a t o e scomet oo u rt a b l e s . - 8- Theyh a v eagoodt a s t e .b u tt h e ya r eh a r d .I nt h e Thehomeo fp o t a t o ei st h eAndesm o u n t a i n si n S o u t hA m e r i c a .P o t a t o e s came t o Europe i nt h e S p r i n ga n di nt h eo t h e rs e a s o n s we h a v e“ o l d " Q Q 1 宣t o e s .P o t a t o e sh a v es t a r c h .c a l c i u ma n dv i t a m i n 1 6 t hc e n t u r y .Atf i r s tt h e ywereo n l yi nt h eg a r d e n s Ci nt h e m .Theya r ev e r ygoodf o ro u rb o d y . o fr i c hp e o p l e .B u tt o d a yt h e ya r em a i nf o o do ft h e p e o p l ea l lo v e rt h ew o r l d . これは C h i l d r e n ' sB r i t a n i c aの p o t a t oの項を参考 new"p o t a t o e si nt h es h o p s . I ns p r i n gwes e e“ にr e w r i t e したもの。 3行 目 か ら を Thef l o w e r s Theya r ef r e s ha n dt h e yh a v eag o o dt a s t e .P o t a t o e s o ft h ep o t a t op l a n ta r ew h i t e .y e l l o wo rp u r p l e .I ts h a v es t a r c h .c a l c i u ma n dv i t a m i nC i nt h e m . They f r u i ta r es m a l la n dg r e e n . Theya r en o tgood f o r a r ev e r ygoodf o ru s . ns p r i n g“ new"p o t a t o e scomet o o u rf o o d . 3節目は I この作品には内容理解を確認するため Q u e t i o n s o u rt a b l e s . They a r ef r e s ha n dt h e yh a v e ag o o d t a s t e .で と め が用意しであるが紙面の都合上,省略。 P o t a t o e sh a v es t a r c h .c a l c i u ma n d v i t a m i nC i nt h e m . They a r ev e r y good f o ro u r リーディング教材の用途は目的に応じて b o d y .に書き直したものを n a t i v ec h e c kにかけた。 s t o r y に着目するか,文法などの t e a c h i n gp o i n tに焦点 そして下線部で e a tと grewが入っている o をおくか変ってくるが,実際に“書く"作業を進 めてきたり,いくつかを教室で使ってみた過程 T h i si sap i c t u r eo fap o t a t op l a nt .P o t a t o e sa r e で,①声を出して読み, p a r to ft h ep l a n t ' ss t e m sw h i c ha r ei nt h ee a r t h .The リズムの矯正に使う o ②h e a r i n gおよび r e a d i n gの力を養う o ③ R e p r o x p r e s s i o nの d u c t i o nに使用する。④ Grammarや E u e s t i o na n dAnswersの練習。⑥作文を 練習。⑤ Q させる際の m odel と し て 提 示 す る 。 ⑦ R e a d i n g f o ramusementなどが確認されています。今後, f l o w e r so ft h ep o t a t op l a n ta r ew h i t e .y e l l o wo r p u r p l e .I t sf r u i ta r es m a l la n dg r e e n .a n dwed on o t e a tt h e m . Thep o t a t o e sf i r s tgrewi nt h eAndesm o u n t a i n s i nS o u t hA m e r i c a .Theycamet oEuropei nt h e1 6 t h 使い方に関しての具体的な問題も多くの方々が使 c e n t u r y .Atf i r s tt h e ywerei nt h eg a r d e n so fr i c h 用してみて下さることで明らかになると思います。 p e o p l e .B u tt o d a yp e o p l ea l lo v e rt h ew o r l de a t ご報告,ご意見をよろしくお願いいたします。 ( h a v e )themf o rf o o d . この研究会の活動を通じて,お互いに書く力が伸 I ns p r i n gwee a t“ new"p o t a t o e s .Theya r ef r e s h e a d i n gができるように意 びたこと,各自が良い r a n dt h e yh a v e ag o o dt a s t e .P o t a t o e sh a v es t a r c h . c a l c i u ma n dv i t a m i nCi nt h e m .Theya r ev e r ygood 識的になったことなど実り多い勉強ができました。 f o ru s . 作業上,多量の記録やコピーが必要になりますが, また,何度も書き直しては,読み合わすという これをもとにもう一度練り直した。一節目の 近藤悠子さんが新機種のワープロを駆使して,情 a n dwedon o te a tt h e m .を削って,二節目は grew 熱的に取り組んで下さったことで仕事が大いに早 を使わずにすむように Thehomeo ft h ep o t a t o e s まり助かりましたこともご報告させていただきま i st h eAndesm o u n t a i n si nS o u t hA m e r i c a .はそのま 9名も す。そして,それぞれの人が多忙な中で, 1 ま , の方々が積極的に参加して下さり, Atf i r s tt h e ywereo n l yi nt h eg a r d e n so fr i c h リーディング 教材研究のたたき台になるものができればと,熱 p e o p l e .B u tt o d a yt h e ya r et h e main f o o do ft h e 、 心に集まってきて下さったことに深く感謝してお ns p r i n g p e o p l ea l lo v e rt h ew o r l d .として三節目は I ります。 wes e e ew"p o t a t o e si nt h es h o p s . と文章に変化 c h e c kにたずさわった n a t i v eも「自然な表現で a t i v ec h e c kを受けた。その をもたせて二度目の n g r a d i n gが素晴しい。楽しい s t o r i e sが多く,自分 結果,一節目がさらにすっきりした。 e l p f u lであった」と言っています。 にとっても h T h i si sap i c t u r eo fap o t a t op l a n tp o t a t o e sa r e 日本の私立校で小中高の英語一貫教育に専任教師 ts p a r to ft h ep l a n t ' ss t e m sw h i c ha r ei nt h ee a r t h .I として加わっており,日本の検定教科書や外国の f l o w e r sa r ew h i t e .y e l l o wo rp u r p l e .I t sf r u i ta r e 英語テキストを数多く使っている人の言葉ですの s m a l la n dg r e e n . で,少からず私たちを喜ばせました。 nud メディア史上の 人間についてのまったく新しい教育をすることに のりだした。 BasicE n g l i s h(3 ) その弟子のひとりシャーロット・セルバ一 C h a r l l o t t eS e l v e rはナチをのがれて 1938年にアメ 一一心身訓練との平行関係一一 リカにわたり,そこでギンドラーのおしえをつづ けたのだが,はじめは名まえがなかった。「 シ ャ 片桐ユズル ーロットさん,あなたのおしごとは?J とパ ーテ ィなどできかれて,シャーロ ッ トはうまく 言語化 ちかごろアメリカ合州国でキ リス ト教の F u n d a - で き ず , た だ ま っ か に な って , と に か くわたし m e n t a l i s t sといって,聖書を文字どおりにとって, のスタ ジオにきてみてください,という だけ だ たとえば進化論を学校でおしえたらし、かんとか, った。しかし, ここに,チャー jレズ・プ jレックス 政治的にもかたくななひとたちがふえたという。 C h a r l e sB r o o k sという男があらわれ,彼はニ ュー たとえば南部のパプテスト派などもその一派にか イングラ ン ドの名門にうまれ,父親は有名な文芸 ぞえられる o わたしのともだちには,それをこま 批評家であ ったが, シャーロ ッ トのいわくい いが ったことだとおもうひとが多くて,ある晩のこと 9 7 4 年に註竪旦Z たいしごとをたくみに言語化し, 1 話題になった。“だれそれさんはパ プテストだ" Awareness The R e d i s c o v e r yo fE x p e r i e n c i n zと とだれかがし、った。するとベッキーのおかあさん いう本があらわれ,このころから “ S e n s o r y が“ HowmuchB a p t i s ti sh e ? "といったので,さす 邦 Awareness"という名まえが定着しはじめた。 ( がと感心した。「程度」というかんがえをいれる 訳 , 伊 東 博 『 セ ンサリー・アウェアネ ス』誠信 ことで二値的態度をばらすことができる。 書房, 1 9 8 6年)。 形容詞をつかうときには「程度」はついてまわ ることが多し、 v e r yc o l d,n o tv e r yg o o d,l o n g e r, わたしがセ ンサリー・アウェアネスにはじめて 出あったのは 1 9 7 4年の一般意味論セミナ一・ ワー l o n g e s , te t c .しかし名詞をつかうときには,なか h a r l o t t e クショップで,シャーロ ッ ト・リード C なか程度の差にはおもいいたらない o た と え ば Readにより毎日 1時間半ずつ 2週間つづいたが, 「病気」は名詞だ。「あなたはガ ンです」という そのときはまだ名まえがなく, “ E x p e r i e n c i n g べきか,いわないべきか,たいへんなやむところ E x p e r i e n c e "とか呼んだりしていた。わけはよ く だ。しかしわれわれはみなすでに発ガン物質を体 わからないが,すごくさわやかな気分になるので, 内にとりいれているし,いつかは死ぬにきまって みんなよろこんでいた。 いるのだから,程度の差こそあれみんなガンでお 「センサリー・アウェアネス」について, G S そかれはやかれ死ぬのだ,むかしは肺結核が不治 的に位置づけをすれば,外界,内界から来る情報 9 1 0 年にドイツの若い体育教師 の病いであ った 。 1 をうけとるのに,まず一番はじめにする知覚が, l s aG i n d l e rは肺結核と診断 エルザ・ギンドラー E きちんと受けとれるようにする訓練とい ったらよ され,スイスにいって療養するほかはないと医者 いだろうか。なにしろ一番はじめのデータがおか にいわれた。しかしベルリンの貧しい階級出身の しければ,いくら途中の抽象の過程でがんばって 彼女にそんな金はなかった。 も,よい答えは出てこない。 (KJ法をやったひ しかしかんがえてみれば彼女の肺病は 50%なの とはたぶんおぼえがあるとおもうが,一番はじめ であった。彼女はある種の呼吸法をやっていたの のデータがいいかげんだと,途中でどんなに悪戦 で,良い方の肺だけで呼吸し,わるいほうの肺に 苦闘しても,まずしい結論しか出てこない。) は空気をいれないようにして休ませてみたらどう しかしセンサリー・アウェアネスにはそれ以上 だろう,とおもった。呼吸は特にからだ全体のう のものがあるようにおもった。シャーロット・セ ごきであるから,このこころみは彼女自身のあら ルパーがし、うように,人間は気づきさえすれば, ゆる感覚とうごきのすみずみまでを自覚すること あとは自然に良い方へむかっていく,あるいはエ になった。彼女は結核がなおったばかりでなく, ルザ・ギンドラーや,ギンドラーが晩年にいっし -1 0- ょにしごとをしたハインリッヒ・ヤコビ H e i n r i c h なくなり,医者もどうしてよいかわからなかった。 J a c o b iの信念によれば,人間は本来いろいろなこ 自分でなおそうといろいろがんばって,声をとり とができる才能があるものだが,それがおさえら もどし,そのときの方法は声だけでなく,心身の れていて発揮できないでいるだけだ。だから,み いろいろな問題の解決にも役立つことがわかり, ずからの実験により,おさえているものに気づい アレクサンダ-・テクニークとしてひとびとにお たら,しぜんに才能はうごきだし,発揮される。 しえはじめ,彼は 1 9 0 4年にオーストラリアからロ ヤコビの本のタイトル,才能と非才能とか,音楽 ンドンに出てきた。 的と非音楽的が,非ナントカというものはないの だという彼の立場を,暗示している。 n h i b i t i o n " おもしろいのはアレクサンダーが“ i (抑制)と呼んだことが,一般意味論のア Jレフレ 1 9 8 7年にモーシュ・フェルデンクライスの本を e l a y e da c t i o n " ッド・コージプスキーがすすめた“ d よんで,このギンドラーやヤコビの人間の可能性 行動するまえにちょっと待て,ということの良い に対する信頼と,一般意味論とのあいだに,より 練習になるのだ。アレクサンダーは,ある行動を 強力な橋わたしがみつかった。われわれは,自分 しようとおもうこと(地図)と,その行動そのも 自身はこういうもので,こういう動きをし,こう のを実行すること(現地)を区別しなさい,とい いうことができるが,こういうことはできない, った。アレクサンダーは鏡をつかって,自分の発 というような「自己イメージ」をもっている o 一 声の瞬間に首をちぢめる習慣に気づき,それと反 般意味論流にいえば,自分についての「地図」で 対に,頭・首・背中を良いパターンにととのえれ ある o それに対して,ほんとうの自分,すなわち ばよいことを発見した。しかし,それを自分がセ 地図」で描きつ 自分の「現地」には,いつも. i リフをいう瞬間に応用しようとすると,やはり昔 くせない部分がある。地図は現地そのものではな の悪い習慣が出てしまうので,こまってしまった。 いし,地図は現地のすべてをあらわすわけではな ついに,それを克服するには「セリフを言う」と い。ほんとうの自分と,自己イメージのずれ,に いう「観念」をもたずに,セリフを言えばよいの 気づくことで,一歩だけほんとうの自分に近づき, だ,と気づいた。それは「セリフを言う」という その分だけ動きが自由になる。 MosheFe l d e n k r a i s . 行為を,もっとこまかい過程に分けてしまうとい AwarenessThroughMovemen1 (Harper & Row. うことだ。たとえば,口をあげる,音を出す,こ 1 9 7 7 .安井武訳『フェルデンクライス身体訓練法』 とばにする,といったことだ。このひとつひとつ 大和書房. 1 9 8 2年)は,その気づきをさせるため の単位に集中することにより. i セリフを言う」 の,いろいろな実験を紹介した本である。 という観念を,忘れることができる。 9 0 4年ポーランド生まれ フェルデンクライスは 1 同様にフェルデンクライスにも,良い行動をす のユダヤ人で,ジョリオ・キュリーのもとで物理 るには,行動を「意図」から切りはなすことが必 学を研究していた。柔道で痛めたヒザを自分でな 要だといっている。その練習としてたとえば一一 おそうとしたことがきっかけで. iフェルデンク ライス・メソド」がはじまった。のちにイスラエ 椅子に座り,もうひとつの椅子の背をすぐ前 ルに移住し,ベン・グリオン首相の健康回復を成 におく 功させたことで有名になった。 上がろうと思わずに,お尻を持ち上げることだ o 目の前の椅子の背に両手をのせ,立ち センサリー・アウェアネスがし、ささか漠然とし けを考えながら立ち上がる o 立ったまま両手を て,とらえがたい印象があるとしたら,フェルデ 椅子の背にのせ,座ろうとは思わずに,お尻を ンクライスはじつに詳細かつ具体的である。アレ 椅子上におろすことだけを考え,それをよく念 クサンダ-・テクニークはこれらのエッセンスだ 頭において動きを行なう。 けをとりだし,最短距離として示している。これ お尻を椅子におくのが座るための手段であり, ら三つの方法のあいだに矛盾や葛藤はわたしには お尻を持ち上げるのが立つための手段である o 見えない。 こういうやりかたをすれば,行動の目的にでは F.M.アレクサンダーは俳優であったが声が出 なく,それを遂行する手段に注意、を集中するこ -1 1- とができる o 多くのひとはそういうふうにすれ ば,自分の行なっていることを考えることなく, B a s i cE n g l i s hと変形文法: 座ったり立ったりができるのである o 行動とい ー ing 形をめぐって ~l うものは,目的を考えているのか,それともそ の手段を考えているのかという区別がなくなっ たときに,はじめて正しく行われるのである o 原因 弘 (安井武訳『フェルデ ンクライ ス身体訓練法』 p p .1 l0-1 l1) B a s i cE n g l i s h~ 2 ( 以下 BEと略す ) では i n g 形について次のように説明する o 同じように,動作を,より細かい単位に分けて a s i cE n g l i s hは成立した。 A p p r o a c h, 考えることで B l e a v e,c l i m b,d e s c e n d,e n t e r,p e n e t r a t eという動調 は単位に分けて考えれば g oプラス方向をあら 300 o ft h e 600 nameso ft h i n g smayt a k et h e ,三旦亙己主立 t omakenewwordsh a v i n ga e n d i n g s,主r s t r a i g h t f o r w a r dc o n n e c t i o no fs e n s ew i t ht h e m . . .. わす n e a r,away,u p,down,i n t o,t h r o u g hという組 Thenameo ft h i n gi sformedbyt h ea d d i t i o no f D i s e m b a r k " みあわせであらわすことができる o “ 主r( p e r s o nwho,t h i n gw h i c h,d o e sac e r t a i na c t) , というような大きなことばは“ g e to f fas h i p "とい a n d: i ! ! &( int h ep r o c e s so fd o i n gt h ea c t)a n d主 昼 うふうにばらせばよい。このあいだ,いきなり ( h a v i n gu n d e r g o n et h ea c t) . …・ “ b o r r o w "は B a s i cでどういうのですか, と突然、た Thenameso fa c t sa r et h emosts t r a i g h t f o r w a r d . ずねられて,とっさに返事ができなかったが,あ h enameso ft h ep e r s o n Heret h e主 rformbecomest とでその場の指示物の状況をかんがえると,この i 盟 m akes o rt h i n gw h i c hd o e st h ea c ti nq u e t i o n;ニ ひとはテープレコーダーを友人からかりていたの t h e‘ a d j e c t i v e 'u s e da b o u tt h ed o e ra n dnameo ft h e で,“ 1am u s i n g my f r i e n d ' st a p e r e c o r d e r,"で a c twheni np r o c e s so fb e i n gdone;a n dt h e宝 昼 form もいいし,“ Myf r i e n dl e t sme h a v et h i st a p e - g i v e st h e‘ a d j e c t i v e 'o ft h ep e r s o no rt h i n gt ow h i c h r e o o r d e rf o rsomet i m e . "といってもよかったのだ。 t h ea c ti sd o n e .[ O g d e n( 1 9 6 8 )p p . 1 7 6 7 ] orrowt h i st a p e r e c o r d e rfromh e r, " と しカE し“ 1b かんがえたときに “ b o r r o w "という大きな概念の すなわち, Ogdenは分詞の i n gは形容詞とお カタマりになっていたので,うまくばらして,指 なじ種類のものであり,名詞 (nameso ft h i n g s) 示物にもどして考えることができなかった。しか から派生すると言う考え方を提案している o この o r r o w "という語が,まるで頭になかったと し“ b 考え方に関しては, したら,かえってすんなりといえていたかもしれ 象として考えていたので,学習者に余分な負担を ない。 与えないように文法ルールをできるだけ s i m p l e こんなところにも,心身についてもっとも先端 なものにしたことと関係がある o Ogdenの考え b o i , lb o i l i n g,b o i l e dの差は文法的機 的な実験をしているひとたちが達したところと, 方によると, 日常的ことばにおけるもっとも先端的な実験であ 能の差だけであって, a s i cE n g l i s hが 似 た よ う な 感 じ の と こ ろ へ 落 るB ちついてきていることがあらわれている,とおも う。(GSかわら版 1987年 5月号, r rからだには Ogdenが 外 国 人 学 習 者 を 対 b o i l 'という「根」とその ‘ 「枝葉」である‘ b o i l e d,b o i l i n g 'とは同じ「意味」 である o Ogdenはこの単語の中心的意味を‘ r o o t t r a i g h t f o r w a r d s e n s e 'と呼ぶ。上の引用文の中で‘ as rフェルデン 自分で気のつかない部分が多い J o c o n n e c t i o no fs e n s e 'とし、っているのはこのことを クライスによる地図は現地でない」に加筆訂正) さす。 BEには c o m f o r tはあるが c o m f o r t a b l eはない。 o m f o r t i n gを使う。 Ac o m f o r t a b l ec h a i r かわりに c は ac o m f o r t i n gs e a tとなる。これは不自然な言い 方だとか,意味が違うと言う人がいる。この点に -1 2- ついて Ogdenは次のようにいっている D という連鎖が作り出され,ムの中に t h e . w a t e r . b o i lという単語(辞書項目)が挿入され, Aboutaq u a r t e ro ft h e300i n gd e r i v a t i v e sa r e [ S[ Npt h ew a t e rN p ]Pres也 監 [vpb o i lvp ]S ] ngood S t a n d a r dE n g l i s h,b e f o r et h e n e v e ru s e d,i という深層構造になり,変形規則によって P r e s noun t h e yq u a l i f y,e . g .,r e q u e s t i n g,v i e w i n g . The +詮が i sになり担亙+b o i lが b o i l i n gに変えられ, r e a s o nf o rt h i si st h a tt h e s eq u a l i f i e r sh a v en o ty e t Thew a t e ri sb o i l i n gという表層構造になる。 become d i s s o c i a t e d from t h ep r e s e n tp a r t i c i p l e T h i si sb o i l i n gw a t e r .の場合は. [ St h i si sw a t e r f o r m sfromw h i c ht h e ya r ed e r i v e d . . . . .Minors o l e - [ swateri sb o i l i n gs ]s ]にR e l a t i v eC l a u s eF o r - c i s m sa r eal e s s e re v i lh e r et h a na ne x t r ar u l e s,a n d m a t i o n (関係詞節形成変形)がかかり. T h i si s i np r a c t i c et h es l i p sw o u l dp r o b a b l yben e g l i g i b l e . w a t e rw h i c hi sb o i l i n g .になり Many o ft h ed e r i v a t i v e si nq u e s t i o na r es e l d o m R e d u c t i o n u s e d .Theo t h e r swoulda l m o s ta l w a y sa p p e a rw i t ha P r e p o s i n g (修飾句前置変形)がかかって表層構 d i r e c to b j e c t,a n di nt h i sc a s et h en a t u r a li m p u l s e 造になる o w o u l db et op l a c e them a f t e rt h en o u n .[ O g d e n ( 1944)p p . 6 7 6 8 ] R e l a t i v eC l a u s e 関係詞節縮約変形)と M o d i f i e r 動名詞の場合は,変形規則によって生成される ものと,辞書目録の中にはじめから入っていて, B a s eR u l e sで直接生成されるものとがある o ここ 少しは不自然、でも 学習者にとってルールを増 では,前者のみ扱う o L e a r n i n gB a s i cE n g l i s hi s やすよりも害は少ないし,実際上,不自然な言い n o tah a r dw o r k .は [ s[ ssomeone l e a r nB a s i c まわしが起こることはあまりない。そして i n g ] i sah a r dworks ] の埋めこまれた文 E n g l i s hs 形を含む修飾語句を名詞のうしろにおけば問題は ( s)が ComplementizerPlacement ない,と Ogdenは考える o この点については後 配 置 変 形 ) などの変形規則によって でもう一度触れる o B a s i cE n g l i s hに変えられて生成される o この規則 以上 BEの側から i n g形を見てきた。次に変形 補文標識 l e a r n i n g は次のように定式化される。 (3では i n g形をどのように説明しているか 文法 ; sNP- Tns(M)ー し ] ー Z SD:X一 [ を見る。 現在分詞は B a s eR u l e sの中で完了相と列ぶア SC:1 スペクト ( 相) として. b e動詞とともに存在す f o r 3 Aux VP 4 5ー 令 4 5 t o mg 1 1s +2 t h a t 3 る。図式では, S→ NP 2 3 WH M)( 也盟主旦)( 並並g) Aux→ Tns( 先に述べた と表わされる。たとえば という文は Thew a t e ri sb o i l i n g . B a s eR u l e sによ って , ム ム くる文型に関しては,次のような言語事実がある。 ( 1 ) Wep i c k e du paboxc o n t a i n i n gsomeb o o k s . ( 2 ) ~\\\\\ /¥^ i n g形修飾語句が名調の後ろに *Aboxi sc o n t a i n i n gsomeb o o k s . 動詞 c o n t a i nは進行形になることができないので ( 1) の中に ( 2 )が埋め込まれているという分析には無 j 理がある o 筆者はこの言語事実に対して,次の変 形規則を提案する口約 ム -1 3- 参考文献 INGC l a u s eF o r m a t i o n (ING節形成変形) SD:ト NP-[ sNPー Tns(M)- Ys ]- z B u r t, M.K . 1971 Fromdeept os u r f a c es t r u c t u r e SC:1 2 3 4 5 6ー + 1 2 r ) i n g 5 6 H a r p e r& Row,P u b l i s h e r s .1965A s p e c t so ft h et h e o r yo fs y n t a x Chomsky,N TheM.1 .T .P r e s s c o n d i t i o n:2=3 .& E l g i n,S .H . 1973 ~uide t ot r a n s G r i n d e r,J f o r m a t i o n a lgrammarH o l t,R i n e h a r t& Winston, この規則は,名詞のすぐ後ろにある埋め込み文 I n c . の中の最初の NPが前の名詞と同じものを指すな ら,埋め込み文の中の NPを削除すると同時に .W.1942B a s i cp i c t u r et a l k sTheB a s i c L o c k h a r t,L E n g l i s hp u b l i s h i n gcompany Tense (Tns) を i n gに置き換えよ,と言うもの で ComplementizerP l a c e m e n tと R e l a t i v eC l a u s e .K . 1932 1he B a s i cd i c t i o n a r y Kegan Ogden,C ,l T rench,Trubner& C o .,L t d . Pau F o r m a t i o nの中間的なものである。この規則を仮 9形に関する全ての文型 定することによって引1 .K . 1933 ~asic bye x a m p l e sThe B a s i c Ogden,C E n g l i s hp u b l i s h i n gCo. , が説明できることになる o 文法規則を一つ増やす ことは文法体系にとってマイナスだが,ここでは, Ogden,C .K . 1937 ~asic Ogdenが i n g形の用法を,より制限の少ない, 盟主lTheO r t h o l o g i c a lI n s t i t u t e Ogden, C .K . 1944 ~asic Emdish Kegan Pau ,l ゆるやかなものにしたことと相通じるところがあ 以上本稿では Trench,Trubner& C o .,L t d . Ogden, C .K . 1968 ると筆者は考える。 ~asic En~lislKegan P a u l, Trench,Trubner& C o .,L td . i n g形をめぐって. BEと変形 文法を比較してきたが,意味のひろがりに重点を a n dg r a m m a t i c a l 巴色旦 S upplementt o 1he B a s i c News,J u l y, 逆に英語のーi n g形の持っている力強さ(生成能 力の大きさ)を示すものであり,このことは, En~lish .K . 1968 ~asic Ogden,C En~lish i n t e r n a t i o n a l おく BEの考え方と,統語論の形式化に重点をお a r c o u r t, B r a c e & Wo r l d, s e c o n d lan~a~e H く変形文法の考え方との接点を見つけ出すことが I n c .,NewYork できた。今後さらにこの方向で研究が進めば,よ Ogden,C .K .1 9 7 7 .121heB a s i cwords北星堂書庖 り広く意味論と統語論の関係の一般性を説き明か Q u i r k,R .e ta l1972 Agrammaro fc o n t e m p o r a r y すことができるかもしれない。 E n g l i s hLongman R i c h a r d s,1 .A .& G i b s o n,C . 1945Learnin~ B a s i c E 旦 足 並 ! !W.W.Norton& Company,I n c. (注) 1)本稿は 1987年 1 2月 6日の GDM英語教授法研 今井邦彦,ほか 井上和子,ほか にして書かれたものである o 2) C .K .Ogdenが1929-30年にイギリスで発表 したもの。室勝 ( 1 9 8 5 ) Ogden( 1 9 4 4 ) . ( 1 9 6 8 ) r 現代の英文法 第五巻 J 研究社 ( 文 I) 究会東日本支部月例会における口頭発表をもと 名詞』 升川潔 1 9 8 5 r 現代の英文法第六巻 研究社 1 9 7 5r P a n o p t i cE l i m i n a t o rと意味論」 『東京女子大学論集』第2 1巻1号 pp.137-150 参照。 3) Chomsky( 1 9 6 5 )のモデルを使う。松井千枝 升川 潔 1 9 7 1r 言語理論の生かし方』英語教育 ライプラリー ( 1 9 8 0 ) 参照。 4) 今井ほか ( 1 9 7 8 )は. R e l a t i v eC l a u s eF o r m a t i o n がかかった後 1 9 7 8 r e l a t i v eを削除し i n gを挿入 松井千枝 室勝 1 9 8 0 1977 第八巻開隆堂 r 英語学概論』 朝日出版社 r THEBASICWORDS解 説 及 び BASICENGLISH語表 J (TheB a s i cwordsに する方法を提案している o 付随するもの)北星堂書庖 室勝 門 』 -1 4- 1 9 8 5 r ベーシック 洋販出版 イングリッシュ入 L : : : ; 与、 ぷ. " . . . . ι " .ぷ.. . . 主 主 与 、. . " . . " . . " . 弘 、 . ・a : : : : . . : . : : 主 ' : . : ' : 主 ぷ_ . ぷ: : : . . : : : : : : : . . . : : : : : : : . . A : : : : : . . : : : = : : : . . : : : 与 ー ぷ . . . . . . . . . . . . . . ぷ 主 主 ぷi 与 ' . . . 主 ' ., , 怠 . " . , 言 語 _ . : : : : : : : -. : : : : . . . : : : : : : : . ぷ ' . . ' ふ . .. .. ぷ ぷ長 忌 と 与 . . . . 主 .' . " 与 . ぷ . -己 み -ぷ 譲 ゑ t i 表 怠 ゑ 込 主 急 忌 込 与 ι 元 k お と . . 九 吋 . . . ぷ ベ . . " 0 " ' J 与¥五疋三三三 三三三 ".._-'三".三.-_.-...-_... どど三 三乏-_.ご£会;主jお決ヨぷ二fさ三三主主 与ミ与0"jミ.-'ご :士1与ごご - と.三と. ---三こ 士ここ」こ二留十〉三会i _---. ごごご乏.-.",ゾ\会会議tL三~~;~:~;~ : :~ ;~i:\ペムス以?に::õ;ìtネグ以以叫ん:ヤ;~:~;~ :::~~;~{!::~~;~:~;~~:ミ| f:~~;~:~;~ : :~ ;~{:::~~;~:~;~ : :~ ;ふぶき三:ふゴミ乏しp.!~:~ ;: :~ ;~:t:-:~ ;~:~敬三;isifiLH45 ~ じいいふふ:::.ふさiifTL&J仏ふさぶ~. .-: jとど:~~;~:~;~ : :~ ;~ : I i - ぷ:ー王子 九 三 日 ' .-. ' . "三 争 点 凡 ぷ ゑ ・ ー ぷ : 己 . : : : : : .. : : : : : . . : : 弘 ぷf 玉、ぷ与_. " . 弘、去、.: : 弘 、 為、£弘、ぷ 与、£之 、 ぷ : : .. : : :九ぷ与、ぷ--点.-..京区ぷ' : : " . 三 台 : , . .. . . _ : . . 主 . . . 主" .ぷ九 五三 t : . _ : : : : : : : _ _ ' : 全 : : : : : : ι │ J 0 " " 月 GDM英語教授法セミナー(東西支部合同) 3月2 6日(木)-29日(日) 大阪 Y M C A六 甲 研 修 セ ン タ - 受 講 者5 5 名 8月 1 8日(火)-21日(金) 日本 Y M C A同盟東山荘 公開講演 例 '7'0 . : t t . 会 研 〈東日本支部〉 9月2 7日(土) 3:00-5:0 0 東京都教育会館 5 名 受講者 5 4 3 名 1.総会 会 l l . デモ く東日本支部〉 i l l . トーク s e e 井草まさ子 r 一般意味論」おもちゃ箱 第3 0回公開講演会 佐藤由美子 3日(土) 2: 3 0 -5: 0 0 6月 1 0 1 0月2 5日(土) 2:50-5:0 労 音 会 館 参 加 者1 7 3 名 デモ ① 「英語教育の原点一教えられたように,教 えるな」 ② rGDM.とは……」 「リチャーズの意味論」小川和子 近藤悠子 港区立新橋福祉会館 1.デモ 唐木田照代 百且 ③関係代名詞“ Which" rR e a d i n g教材について」 1 1月 1 5日(土) 2:50-5:0 0 島谷靖子 ②g oの 3時制 斎藤美沙緒 島谷靖子 山田初裕 i l l . 授業見学 ①i n . o n l l . トーク a n o t h e r 若林俊輔 I.第 1時間目の授業 アラビヤ語 4 5 名 豊島区立勤労福祉会館 1.講演 3 5 名 go 平沢佳子 a c r o s s 柳沢康司 トーク r“ B a s i cE n g l i s ha saS o r t i n g 山本佳子 M a c h i n e "を読んで B a s i cE n g l i s h について考える」 渋谷区立新橋区民会館 1:30-4:3 0 デモ: BKI 1 0ページ l l . レクチャー 神 戸 市 勤 労 会 館 参 加 者9 3 名 1.講 演 ① 「視聴覚の利用 J 矢ケ崎圧司 ② rGDMとは」 片桐ユズル l l . 体験授業:外国語 中国語 ドイツ語 スペイン語 吉沢郁生 田中 1.デモ 平井紘子 植田友子 I. トーク b e f o r e .a f t e r When(-?) w h a t( r el . ) 昆布孝子 make 近藤妙子 4 5 名 染宮宏 猪俣徳枝 rGDMの授業を見て Theoryに ついて考える」 中原敦 望 3月 1 7日(土) 3:00-5:0 0 番町グリーンパレス 鴻宏恩 36 名 r 基礎日本語の構想」 第 E回 i l l . 体験授業:英語 t a k e 勝 1 2月 1 3日(土) 3:00-5:0 0 く西日本支部〉 西日本支部公開講演会 1日 6月2 室 東山永 2月 1 4日(土) 3:00-5:0 0 渋谷区立勤労福祉会館 4 2 名 1.デモ: g o(子供のクラス) 本多吉則 l l . トーク:“ T e a c h i n gT e c h n i q u e " 阿部幸枝 3月 1 4日(土) 3:00-5:0 0 横浜アカデミー -1 5- 2 8 名 1.デモ w i l lb e(小学生クラス)相原美恵子 I I . レクチャー r 発音:その 3J 土居恵子 4月 1 8日(土) 3:00-5 :0 0 1.デモ 早稲田大学法学部 p u t 5 8名 佐藤昌子 BK 1, Iを終わった生徒を対象 2 . デモ 川上伊都子 0 1月 8日(日) 2:00-5 :0 緑地理数教室 1 . トーク 新井等 I. レクチャー r B a s i cE n g l i s hあれこれ」 2 9 名 o n e,t h eo t h e r(子供のクラス) 丸山百合子 I.レクチャー r R e a d i n g教材の活用」 山田初裕 7月1 8日(土) 3:00-5 :0 0 東京都教育会館 3 8 名 W i l lb e What( r e l a t i v e ) 菅生由紀子 埴田恵子 rGDMと検定教科書」 箕田兵衛 I I . トーク 〈西日本支部〉 9月2 8日(日) 2:00-5 :0 0 梅田第 2産経学園 大塩直也,原田 2 . デモ BKI pp.87-88 a u s e,e f f e c t ) (i d e a,mind,c ドイツ語 昆布孝子・植田友子 1 7名 rGDMの授業に於る“指示" 弘 花田千鶴子 小笠原曜子 r 人間の神経系・言葉・行動」 S e e (疑問文・否定文を含む) 斎藤直美 1 2月2 1日(日) 2:00-5 :0 0 京都イタリア会館 1 5 名 r 第 2言語習得理論から見た 1 . トーク GDMJ 平井紘子 昆布孝子 吉沢郁生 の働き」 g i v e 井上儀子 B a s i cS t e pb yS t e p “ ,N o i s e " 岩崎正春 2 . デモ 鴻宏思 7月1 1日(土) 2:30-5 :0 0 大阪市立北市民教養ルーム 2 . デモ P e o p l ei nL i v i n g s t o r !R e a d i n g4 岡谷よし子 1 1月2 7日(日) 2:00-5 :0 0 京都イタリア会館 1 1名 1 . トーク w h a t( r eI . ) 1 . トーク 1 0月2 6日(日) 2:00-5 :0 0 梅田第 2産経学園 1 6名 1 . トーク r 変形生成文法入門」 原田 山田和歌子 京都イタリア会館 2 3名 1. トーク rGDMで教えてみて」 竹内豊明 2 . デモ was 中村恵美子 S e c o n dWorkbooko fE n g l i s h, pp.1-2 片桐ヨウ子 5月1 7日(日) 2:00-5 :0 0 神戸市勤労会館 1 2 名 1 8 名 3 . 総会 What( r el . ) 藤井輝子 4月1 9日(日) 2:00-5 :0 0 1.デモ:中国語 c h a n g e 中原修子 2 . トーク r 升川先生の理論と B a s i cの 2 . デモ 弘,昆布孝子 k e e p- f r o m 平井紘子 2 :00-5 :0 0 京都イタリア会館 3 4名 1 . トーク r B a s i cあれこれ」 牧雅夫 1.デモ 接点をさぐる」 r B a s i c魅力再発見」 2月 1 5日(日 1.デモ 1.デモ 1 1名 2 . デモ臼, o f 牧雅夫 5月 9日(土) 3:00-5 :0 0 東京女子大学7 2年館 my,y o u r,h i s,h e r 新海みどり B a s i cP i c t u r eT a l k s “ ,s p r i n g " 佐藤正人 綱宅=---::=ー'ー=--=--モ---畠田.-ー=畠-ョ-ー-包~ー--百 GDMも B a s i cE n g l i s hも英語教育の関係者の間で は特別扱いされるようなところがあるが,今号を読 むと他の最新の言語習得論などとの関連で我々の理 論と実践がいかに普遍性に富んでおり有効であるか が少なからずわかる。昨年から進められているリー ディング教材開発の共同作業のなかで,ネイティプ r a d i n gが素晴しい」と言わしめた をして「自然で g ( p . 9 ) のも GDMならではと言えよう。(大塩) -1 6-
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