7.txt エヴァ 2ndステージ 第1話「ルフラン」 作・専務さま

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エヴァ
■2ndステージ■
第1話「ルフラン」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- シンジは電車の中でボーっとしていた。
ただ、やる事が無いのではない。
いや・・・
彼はその世界が滅んでいる事を知っているのだ。
なぜ今自分が電車に乗っているのか?
なぜ、生きているのか・・・・肉体があるのか・・・
あの時綾波や、カヲル君と僕は一つになった。
大体の情報が頭の中に入ってきた・・・
補完計画の真相・・・
父さんの心・・・
綾波が僕の事を好きだった事・・・・・・
気が付くと電車は止まっていた。
不通になっていた・・・
自分の状況が把握できない・・・
外を歩いてみる。
VTOLが低空飛行していた。
巡航ミサイルも飛んでいる・・・
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しかし、今のシンジには理解できない。
今、自分はどんな状況に陥っているのか・・・
凄まじいブレーキの音が自分の周りを駆け巡っている・・・
バタン!
「早く乗って!」
「・・・・・・・・・・」
僕は乗っかった。
ただ、夢だと思った。
前と同じ状況が今自分の周りにある。
「私の事はミサトでいいわ。君がシンジ君ね?」
「・・・・・・・・・・ハイ・・・」
「あら?状況のわりに落ち着いているわね」
「・・・・・・・・・・・・」
何も反応できなかった。
量産型と戦う前のおとなのキス・・・
ずっと家族と思ってきた生活・・・
シンちゃんと呼んでくれたミサトさん・・・
その人が・・・シンジ君と呼んだ・・・
今は・・・何時なのだろうか?
僕は・・・なんでここにいるのだろうか?
・・・・・・・・・・どうなっているんだろう?
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ドォォーン!
ブオォォォ・・・
巡航ミサイルがこちらに飛んできた。
ルノーが転がる。
「いてててて・・・・あぁぁぁぁ!!!まだローンがあるのにぃぃぃぃ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「この服も高かったのよぉぉぉぉぉ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まったく・・・・・・」
ビルの間から巨人が飛び出す。
化け物をふっとばし、ひっくり返っている車を直す。
ミサトはそれに手を振って合図する。
二人はまた車に乗り、走り出す。
「・・・・・シンジ君って口数少ないの?」
「・・・・・・・・・・」
上の空だ。
「シンジ君!」
「・・・・・・・・」
ぼーっとしている。
「・・・・・・ミサトさん・・・」
「え?なに?」
「・・・・・・何でもありません」
首を傾げるミサト。
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その瞬間NN作戦の、N2地雷が作動した。
瞬間的に車が飛び、もう一度さっきのようにひっくり返る。
嘆いているミサト・・・
シンジはただボーっと見ていた。
「おっかしわねぇ~・・・この道でいいはずなのに・・・」
エレベーターが止まった。
「葛城一尉、なにをしているの?早く来なさいよ。時間も人員も少ないのよ」
頭をポリポリ掻きながら弁解する。
「ごっみぃーん!まだ慣れて無いのよねぇ・・・ここって広くて」
「さぁ早く!あ・・・この子がサードね?碇シンジ君」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「まぁいいわ・・・付いて来て」
「・・・・・・今は・・・2015年の六月ですか?」
ちょっと驚いている。
「あら?ちゃんと喋れるわね。そうよ、六月よ」
そうなんだ・・・
戻ってきたんだ・・・
僕がやる事は・・・なんだろう?
みんなと一つになった時・・・カヲル君は僕に聞いた。
「君はこの時間が嫌いかい?」
僕は答えなかった。
でも・・・やりなおしたいと思った。
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正直に、綾波を守りたいと思った。アスカも・・・トウジもケンスケも洞木さんも・・・
み
んな・・・
僕はやりなおせるのか?
消えていく過去を修正できるのか?
綾波を・・・・助けられるのか?
「シンジ、三年振りだな」
父さんだ・・・ムカツク。
「・・・・・・・」
「お前がこれに乗って使徒と戦うのだ」
「・・・・・・」
「お前が適任だ。いや、お前じゃ無いと無理だ」
「・・・・・・・・・・いいよ」
この素っ気無い言葉にそこにいた人はみんな硬直した。
命をかけろと言う事なのに、何の抵抗も無く了承しているからだ。
「そうか、乗り方を教えてもらえ」
「シンジ君、簡単にレクチァーするわ」
「シンクロ率・・・・・・0%・・・」
「やっぱり・・・オーナインだったから当然ね・・・」
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「シンジ君!集中して!」
僕は、ボーっとしていた。
「シンジ君!ちゃんと集中しなさい!」
「あ、すみません・・・」
僕は集中した。
下手に怪しまれても困る・・・
80%くらいでいいかな?
100%超えるわけには行けない物な。
「シンクロ率上昇・・・・・・え!?・・・・・83,5%で安定!」
「嘘・・・レイでさえ7ヶ月かかったのに・・・80%ですって?」
「作戦部長として・・・どうする?」
ミサトはゲンドウを見上げた。
「やりたまえ。あいつを倒さないと人類に未来はない」
「わかりました。エヴァンゲリオン初号機発進!」
Gが掛かる・・・
もう慣れていて心地いいかな?
できるだけ前と同じように倒さないと・・・
「シンジ君!歩く事だけ考えて!」
「・・・・・・・・・・・・」
歩き出した。
そのまま止まる気配はない・・・
使徒はATフィールドを展開した。
僕も同時に展開する。
僕は使徒のコアを叩き潰そうとした。
でも、使徒の光の矢で顔を貫かれる。
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同時に激痛が走った。
「フィードバック下げて!」
「信号拒絶!」
「そんな・・・パロットは?」
「反応あります!生きています!」
「怪我は?」
「・・・・・・外傷は・・・無いようです!」
僕は暴走した振りをしてみることにした。
どうせあまり解明されていないからわからないだろう・・・
「初号機!使徒に走っていきます!」
僕は使徒を攻撃を避けながらコアを殴り壊す。
自爆する寸前まで待ち、自爆させる。
「・・・・・・初号機の反応を確認!」
「パイロットは健在です!」
「そんな・・・無理よあんな動き・・・始めて乗ったにしては無理!レイもあんな動き出
来
ないわよ!」
「よくやったわ、病院で検査を受けてきてくれる?」
「・・・・・ハイ・・・・・・」
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僕は、検査を受けた。
問題は無し。
終わって廊下に出ると、ミサトさんが待っていた。
「あなたの住む家・・・ネルフが個室を用意したけど?」
「・・・・・・」
「申請すればお父さんとも住めるわよ?」
「いいえ、いいです・・・・・」
急に怖い顔をしだしたミサト。
「私・・・・暗い子見ていると許せないの・・・・・決まり!」
携帯を取りだし、かける。
「あ、リツコ?シンジ君は家で預かることにしたから!後はよろしく!」
(ミサト!なに言っているの!)
「大丈夫だって!中学生に手ぇ出すほど飢えていないわよ!」
(残業を押しつけるんじゃ)
プツッと一方的に切った。
「さ、行きましょうか?」
「・・・・・勝手になにやっているんですか?減給されても文句言えませんよ?」
「子供がそんな事心配しないの!」
「・・・・・・」
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上司の命令と言う事で、引きずられていった。
綾波には会わなかったな・・・・・
途中、展望台へ寄り道した。
「ここがあなたの守った町よ」
「町ね・・・どう考えても使徒迎撃用の兵器の塊ですね」
「鋭いわね、まぁ・・・・細かい事は言わない!帰るわよ!」
「そっちから寄り道したのに・・・・・」
睨まれた・・・・・・
ミサトさんの運転は、プロ級だ。
酔わせる方のプロとしてだが・・・
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エヴァ
■2ndステージ■
第2話「再会、そして変化」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- 僕はミサトさんの家に住むことになった。
部屋を片付けて料理を作ってあげた。
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「あなたって凄いわね・・・」
「そうですか?」
「ええ・・・家事全般任せようかしら?」
勝手にしてよ・・・
「そう言えば・・・僕のことをサードと言いましたね?少なくても後二人はいるはずで
すね?」
「察しがいいわね、明日ファーストチルドレンに会わせるわ。セカンドはドイツにい
るから会えないし・・・」
明日会う事になった。
どんな顔して綾波に会えばいいかな?
前と同じ性格に戻っているはずだね・・・・・・
普通でいいか・・・
今回は必ず綾波を人間にして見せる・・・僕を愛してくれた綾波に・・・
病院に向かった。
「綾波レイよ、この子はサードの碇シンジ」
「碇・・・・・・司令と同じ・・・」
「ええ、碇司令のご子息よ」
「・・・・・・」
「綾波さん、よろしく」
僕は普通に話しかけたが、案の定素っ気無かった。
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「彼女は誰にもああなの。気にしないでいいわ」
「いいえ・・・可愛そうな気がします・・・」
頷いていた・・・
僕はこれからEVAに乗る条件として綾波を隣に引っ越させてもらった。
「あらぁ、シンちゃん!レイが気に入っちゃったの?」
何て冷やかされたけど・・・苦笑して誤魔化した。
そのごまかし方がかわいいと言われてしまった・・・
2日後に引っ越してきた。
それからは毎晩夕食に誘う事にした。
「綾波は今まで何を食べていたの?」
変わらなかった・・・固形栄養食・・・
「美味しい?レイ」
「・・・・・・・・・わかりません」
「シンちゃんの料理はネルフの食堂に匹敵するわよ」
やっぱりあまり反応無かった。
「食べていると・・・心が温かくなるの・・・」
以外だった、向こうから喋ってくるなんて…
「レイ、それは美味しいのよ。よかったわねシンちゃん」
「ええ・・・」
食事が終わったら綾波は部屋に帰っていった。
「綾波、入るよ」
「・・・・・・ハイ・・・・・」
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はい?なんか変だな?
まぁ・・・・綾波だからね・・・
「なにか用?」
「いや、ただね・・・・・この部屋が・・・・寂しいからね・・・模様変えしようよ、
ね?」
「・・・・・必要無いわ・・・・・」
「いいや、あるよ。こんな所にいたら心がおかしくなるよ」
「・・・・・・心は必要ないわ・・・・・・」
だぁぁぁぁ!
まぁ・・・・・変わるだろう?
今日は転校初日だ。
お弁当をミサトさんと綾波の分も作る。
ミサトさんは、つつーっと涙を流しながら喜んでいた。
学校
「碇シンジです、よろしくお願いします」
「碇君の席は綾波さんの隣でいいですね」
綾波は軽く合図した。
「よろしく綾波さん」
「それは・・・何度も言う事なの?」
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「・・・・・・、まぁ・・・気にしないで」
トウジは来ていた。
妹さんは怪我をしなかったようだ。
「ワイは鈴原トウジや!よろしゅうな!」
「僕は相田ケンスケ、ケンスケでいいよ。トウジもね」
「よろしく、僕はシンジでいいよ」
初日に友達になった。
昼休み
「綾波、学校で昼を食べないって言うから作ってきたよ。一緒に食べよう」
「・・・・・・1日に必要な栄養は取っているわ・・・問題ないわ」
この会話を聞いていた女の子達が集まってきてしまったので、綾波の手を引いて屋上
まで駆け上がった。
そこにはトウジ達もいた。
「シンジ!綾波と仲いいんか?」
「これは・・・シャッターチャンスを逃した!」
洞木さんが二人を叱ってくれた。
親の仕事の関係で知っていると言っておいた。
「・・・・・・・・・・・・・・美味しい・・・」
「綾波さんがそういうの?・・・碇君!少し・・・頂戴!」
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「いいよ、どうぞ」
「・・・・・・・・美味しい・・・すごいわ・・・」
前と同じように驚いていた。
トウジとケンスケは泡を吹いて倒れていた。
よっぽどショックだったようだ。
綾波はどんどん食べていった。
「ええ・・・碇君の料理は美味しい・・・」
少しずつ変わってきているようだ。
それはいいとしよう・・・ただ・・・
ネルフ
「シンジ君友達が出来たみたいね」
「そうね、私との初対面があれだったから・・・友達が出来るか心配だったわ」
「平気みたいね・・・でも・・・始めてで80%は・・・」
「まだ疑っているわね・・・ただの中学生よ。家事が出来る・・・」
「中学生ならあなたよりは家事できるわよ・・・」
飽きれていた。
「レイがシンちゃんに少し反応するようになったわ」
「そう、私には関係無いわね」
「関係無いって・・・リツコ!」
こっちも飽きれている。
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エヴァ
■2ndステージ■
第3話「友達、そして、自分の危機」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- あれから2週間と少し経った。
綾波は少しずつ僕に心を開いて来ている。
僕がいろいろ教えているからだ。
「あれ?綾波いないの?」
僕は綾波の部屋に夕食が出来たから迎えに来ていた。
カラ・・・
「碇君?・・・・何?」
「あ、あ、あ、あ、あ、綾波ぃぃ!!」
「・・・・・・何かよう?」
「ふ、服を・・・着てくれないか?頼むから・・・」
「何か問題があるの?」
「うん、人の前に裸で出たらいけないんだよ。それは一般的な常識だからね」
「・・・・・・わかったわ・・・でも、タオルをつけているわ」
「そう言う問題じゃないんだよ・・・」
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前もこんな事あったな・・・
僕は体中冷や汗たっぷりだった。
「あら?シンちゃんどうしたの慌てて」
「何でもありません・・・はぁ・・・」
さすがに言えないよ・・・
「碇君…」
「あ、来たね、じゃあ夕食にしよう」
「レイ、あなた最近変わったわね・・・」
「・・・・葛城一尉・・・そうですか?」
「あなたはもはや家族と同じよ。私は名前で呼んで欲しいわ」
「・・・・・・・ミサト・・・さん」
ミサトさんは喜びのあまり泣いていた。
「綾波は・・・かわいいね」
しれっと言ってみた。
ミサトさんは固まった。
「・・・・・・・・なぜそう思うの?」
「だって・・・素直だもん。自分の言いたい事をしっかりと相手に伝える・・・正直でい
い
じゃないか」
「・・・・・・そう・・・なの?・・・・・・私にはわからないわ」
「これから判って行けばいいよ」
ミサトは再起動を果たした。
「シンちゃんって・・・プレイボーイ?」
思わず笑ってしまった。
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僕が?
そんなわけない・・・ただ正直に言ってみただけだ。
「・・・・・・教えて・・・これから・・・」
「うん、そうしようよ」
ミサトさんまた固まった。
九
<碇君ってあのロボットのパイロットなの?YES/NO>
「・・・・・・」
<YES>
僕はみんなに囲まれた。
質問攻めにあったけどどうにか切り抜けた。
「しっかし・・・シンジがパイロットだったなんて・・・僕は誇りに思うよ」
「ケンスケェ・・・実際命かけているんだから・・・」
「だって・・・機体が傷つくだけだろう?」
「・・・僕らはEVAと同調しているから機体が傷つけられたら、僕らもその場所に怪
我をするんだ・・・安全じゃないよ」
二人は固まっている。
バタン
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「碇君・・・非常呼集・・・行きましょう」
「え?あ、うん」
「非常呼集?」
ケンスケは校庭を見た。
「・・・ネルフの車・・・綾波も?」
「まさか・・・なぁ?」
二人は理解できないだろう・・・
十
ネルフ
「使徒が来たわ。シンちゃんが出て」
「ハイ・・・」
あの二人は・・・いるのだろうか?
いたら・・・助けるしかないな・・・
「ATフィールドを中和しながらパレットライフルを掃射!」
「はい」
効かないのはわかっている・・・
今度も、弾着の煙で使徒が見えなくなった。
「シンジ君!ちゃんと考えて撃って!」
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その瞬間、敵の鞭情の物がパレットライフルを切り、初号機の脚に絡み投げた。
ぼくは、山に激突した。
「・・・・・・トウジ!ケンスケ!」
演技だ・・・
「シンジ君の同級生?シンジ君!無視して戦って!」
「・・・いやです。助けます」
僕は、エントリープラグを半分ほど出して、外部スピーカーのスイッチを入れる。
「二人とも!早く乗るんだ!」
「?????行くぞトウジ!」
「わぁっとるわ!」
ドブン!ドブン!
「水やないけぇぇ!」
「カメラがぁぁぁぁ!」
「そんな物捨てろ!話し掛けないで!」
「シ、シンジ?」
「あれはほんまだったんかい・・・」
通信が来た。
「シンジ君!何やっているの!後退して!回収するわよ!」
「シンジ!逃げろ言うてるで!」
「そうだよシンジ!逃げよう!」
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「・・・・・・ミサトさん・・・だめです」
僕は走り出した。
前のように腹部に刺さる。
それを、さらに突き刺しながら使徒のコアにナイフを刺す。
「シンジ君!何考えているの?!」
「くっそぉぉぉぉぉ!!!」
腹部に激痛が走る。
「活動限界近いです!」
「・・・パターン青消えました!」
「・・・・・・シンジ君・・・あとでお仕置きね」
「ミサト・・・それどころじゃないわ」
僕はやっと力が抜けた。
「シンジ・・・大丈夫か?」
「シンジ・・・平気か?」
「つぅぅぅぅ・・・・クゥぅ・・・」
しばらくして、救急班が助けに来た。
ミサトさんは僕の顔を見るとすぐに平手打ちをしたが、僕はその場で倒れた。
「ミサト・・・アンタバカ?シンジ君の腹部・・・見なさい」
「・・・・血?」
「そうよ・・・90%超えていたから・・・貫通しているわ。早く病院へ!」
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「・・・・・・・・」
病室
「・・・・・・ン・・・・・」
「お目覚め?」
そこには、ミサトさんと綾波とトウジ、ケンスケがいた。
「あれ?あ、ああ・・・腹に穴が開いたんですね?痛かったなぁ」
「シンちゃん余裕ね・・・手術は二時間掛かったのよ」
「・・・・・・あ、そうか・・・ふぁ~あ・・・じゃあ入院ですね?お休み」
パン!
「まったく・・・いちいち叩かないでくださいよぉ。腹部に痛みが・・・あれじゃあ93%
は
出たかなぁ?」
「あたりよ碇君」
「・・・シンちゃん。あなたね・・・退院したら禁固3日ね」
「いいですよ。1週間でも」
「まったく・・・あなたがいないと家の食事はどうするの!」
味をしめたようだ・・・
「ミサトさん、僕が来るまでレトルトじゃなかったですか・・・それでいいでしょ?」
睨んできている。綾波が。
目で、ミサトさんのレトルトのカレーを食べたくないと訴えている。
「ごめんね綾波、夕食作れないで」
「・・・・・・・・・問題ないわ」
大有りの癖に・・・
「シンジ・・・すまんかった!」
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「ごめんシンジ・・・」
「いいよ、僕が命令違反しただけだから。でもね・・・あのまま帰ったらここはもう無
い気がしたんだ。体が勝手に動いたんだよ」
飽きれていた、
ミサトさんは僕のことを睨んで、病室を出ていった。
それに続いてみんなも。
廊下
「シンちゃん・・・話しているのも辛いはずなのに・・・」
「そんなに・・悪いんでっか?」
「ええ・・・腎臓は片方は半分取ったわ。あと腸を1mほど切除・・・喋ったら気絶する
ぐ
らいきついわよ・・・麻酔も切れているのに・・・」
そのとうりで、シンジは気絶していた。
「・・・・・・すんません!」
「すみません・・・」
「もう遅いわ・・・これですぐ使徒が来たらレイにやって貰うしかないわね・・・レイも
怪
我したらおしまいよ・・・」
「二人しか・・・いないんですか?」
「ええ・・・あれに乗れるのは・・・今のところ日本では二人ね・・・ドイツに一人・・
・」
「・・・・・僕が志願します!」
ケンスケが名乗り出た。
飽きれているのはミサト。
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「無理なのよ。適格者以外が乗ったら・・・死ぬわ」
固まっていしまった。
「私達は帰るわ。あなた達も早く帰りなさい」
十一
僕は二日間寝ていた。
ミサトさんも、あの後気絶したのを医師から聞いていたようだ。
1週間で退院できたけど、筋力が落ちていて歩きにくかった。
「ただいま、綾波」
「碇君!お帰り!」
元気がいい・・・
「・・・・・・・・・・この鍋・・・・・カレーが・・・ついている・・・・ごめん」
「・・・・・碇君が誤る必要はないわ・・・ミサトさんが悪いの・・・」
「・・・・・・・・・カレー・・・どうだった?」
「・・・・・・・もう食べたくない・・・絶対に・・・いや」
「そう・・・今から作るよ」
「・・・ええ」
「そう言う時はありがとうって言えばいいんだよ」
「・・・・・・ありがとう」
僕の禁固刑は、リツコさんのおかげで免除になった。
あのまま後退していたら、相手の移動の力なでの計算でジオフロントに多大なダメー
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ジを受けたと言うのだ。
ミサトさんも納得したようだった。
「やったぁぁ!シンちゃんの手料理!」
「悲惨だったようですね・・・綾波がもうカレーは食べたくないって・・・」
「レイ、酷いんじゃない?」
プシュゥ!
「あなたの料理のほうが酷いわ。ミサト」
「あら?どうしたのリツコ」
飽きれている。
「アンタがシンジ君の退院祝いに飲もうって言うから来たんじゃない!」
「あ、そうだったけ?ごみん!」
「あの・・・つまみ作りましょうか?」
「あなたが主役よ!動かないの!」
「でも・・・いるでしょう?」
頷いた。
僕は作りに行った。
「噂は本当だったわね・・・シンジ君に全て家事を押し付けているでしょう?」
「え?違うわよ。シンちゃんが勝手にやっているの」
かちゃん
「ミサトさん、僕はこれから料理も掃除もしませんので」
「シンちゃん!嘘よ!ごみん!お願いね!」
「・・・・作戦部長が情けないと思わないのミサト」
まったくだよ・・・
綾波はいつもより多く夕食を食べているし、リツコさんは、僕の料理に驚いて家に住
まないかって言ってくるし・・・
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ミサトさんは六本目行っているし・・・
ついて行けないよ!
「あら?レイも飲む?」
「・・・・(コク)」
「駄目だよ!ミサトさん!未青年ですよ!」
「あらぁ?いいじゃない?私も中学生で飲んでいたから」
「ミサトさんは特別ですよ!」
「・・・・・いりません・・・碇君がだめというなら・・・」
この言葉に一番驚いたのはリツコだった。
前に、シンジに心を開いて来ているというのは聞いていた。
しかし、ここまで言う事を聞くとは・・・レイにはありえないと考えているのだ。
「つまんないわね。まぁいいわ。シンちゃんを好きなのね」
「・・・好き・・・それは何?」
「レイ、難しい事よ。今度教えてあげるわ」
「お願いします」
ははは・・・疲れたかも・・・・退院してすぐこれだよ・・・
十二
その日、久しぶりに学校に行った。
「シンジ!もう大丈夫なのか?」
「あ、うん」
「禁固刑だって・・・」
「あれはね、あの状態で戻っていたら大変な事になっていただろうと言う事になって
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取り消されたよ」
まぁ・・・クラス中大騒ぎになっていた。
適当にごまかして、授業をやる。
前にやったものなので、簡単に覚えられる。
昼休み
「碇君・・・お弁当」
「あ、行こうか」
屋上
「シンジ・・・ワイを殴れ!」
「はぁ?やだよ。僕は友達を殴りたくなんて無いよ」
「シンジ・・・これがトウジの表現方法なんだよ。殴ってあげて」
「やだ」
「シンジ・・・ほんますまんかった!」
「僕はもう命をかけるつもりでやっているからね。これくらいの怪我だったら許容範
囲だよ」
実際凄く痛かったけど・・・
「・・・・・・・・すまん」
「もう謝らないでよ。ご飯食べよう」
トウジは、こんなスゴイ奴が友達と言ってくれた事がうれしかった。
「美味しいかい?綾波」
「・・・・・・ええ・・・」
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「そう、よかった」
「綾波さんって碇君にはちゃんと話せるわね」
「・・・・・・・そうかしら?」
「そうよ、もしかして・・・恋人?」
「恋人・・・それは何?」
「綾波、それはね、愛し合う異性のことだよ」
「愛し合う?」
「お互いを認め合い、守り合う。まぁ・・・その人と話していると胸が熱くなったり
ね」
みんな呆然としていた。
やっぱり僕がこんなこというと変かな?
「・・・・・・そう・・・私は・・・碇君の事が・・・好きなの?・・・・・・わからな
い・・・でも・・・」
「それとね、一緒にいると安心するとかね、楽しいんだ」
「・・・・・私は・・・碇君のことが・・・好きかもしれない・・・」
僕ら以外固まっていた。
洞木さんは、真っ赤になって口をパクパクしている。
「い、い、、い、い、い、いやぁんなかんじぃ!!!」
やっぱりか・・・
「シンジいいなぁ・・・綾波かわいいからな・・・うらやましいわ!」
「すぅ~ずぅ~はぁ~らぁ~!」
「すまんイインチョ!気にすんな!」
いいね、こう言うやり取り。見ていて楽しいよ。
自分で満足している僕は・・・・・・最低か?
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-------------------------------------------------------------------------------(update 2000/10/29)
エヴァ
■2ndステージ■
第4話「第五の使徒、ヤシマ作戦」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- 「綾波!いる?」
僕はミサトさんが渡し忘れたというので、IDカードを渡しに来ていた。
新しくなったのだ。
「あやなみぃ!」
「碇君?どうしたの?」
シャワーを浴びていたようだ。
シンジはビックリしてベッドに倒れこんでしまった。
「?どうしたの?」
「あ,あ,あ,あ,あ,あ,あ,綾波!服着てよ!駄目だよ!人の前に裸でいちゃ!」
「前にも言われた気がするわ・・・ごめんなさい」
「じゃあ早く着て!」
レイはシンジを指差した。
「はやくぅ!」
「・・・服・・・碇君の下・・・踏んでいるわ」
「あ!ごめん!」
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僕は、慌てて立ち上がった。
でも、脚がふらついて綾波の体に圧し掛かってしまった。
綾波は裸だ・・・
前にも・・・やってしまったことだ・・・
「あ!綾波!」
「・・・・・どうしたの?重いけど・・・嫌な感じはしないわ」
「ご,ごめん!」
「どうして誤るの?」
「女の子と裸で・・・圧し掛かっちゃって・・・」
「問題無いわ。むしろ・・・いい・・・」
なにがだ?
さすがに突っ込めない。
「・・・・・・なんで・・・平気なの?普通・・・いやがるよ」
「・・・・わからない・・・でも・・・嫌な感じはしないの・・・」
僕は綾波の上からどいた。
まだ、ドキドキ言っている。
綾波は全然動じていなかったみたいだ・・・
「碇君・・・嫌じゃなかったのにどうしてどくの?」
「これはね、僕達じゃまだ早い事なんだ。そうだね・・・18歳くらいからかな?」
「そう・・・わかったわ」
その時のレイの表情は暗かった。
シンジにはわかっていた。
自分が十八歳にならない事・・・サードインパクトを起こすために使われるからレイは
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18歳にはなれないのだ。
「何で暗い顔をするの?」
「・・・・・・」
「あ、カードはここにおいて置くよ。僕は下で待っているよ」
「・・・ここにいてもいいのに・・・」
「着替えるところは男に見せないものだよ」
「わかったわ・・・」
僕は、少し冷静になっていた。
待っている間、これからの事を考えていた。
今日は零号機の再起動実験・・・
第五使徒が来る日・・・
ATフィールドでは防げないだろう。
また死にそうになるのか・・・
「碇君・・・お待たせ」
「行こうか」
何を話せばいいか探していた。
「再起動実験は成功するよ・・・きっとね」
「ええ・・・」
「綾波は何でEVAに乗るの?」
「絆・・・・だから・・・」
「父さんとの?」
「・・・・・・前は・・・そうだった・・・今は・・・みんなとの・・・碇君との・・・
碇君はお父さんの
仕事を信じられないの?」
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「・・・・・そうだね、僕の知らないところで何かやっている気がする・・・危険なこと
を
・・・」
「・・・・・・・・・・・そう・・・・」
「それとね、綾波がいたからだよ。可愛そうだったんだ。君は笑いも泣きも怒りもし
ない・・・だから・・・守ってあげたかったんだ・・・笑い方を教えたかった。感情を・
・・呼び
覚ましたいんだ」
「・・・・・・ありがとう・・・」
どうしようか?
僕は・・・これから・・・
ネルフ
「碇、未確認の飛行物体だ。恐らく第五の使徒だろう」
「そうか」
「零号機はこのままつかえんのか?」
「ああ・・・戦闘にはまだ耐えられまい」
結局僕が行くことになった。
加粒子砲を食らい、心停止状態になる。
病院
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「碇君・・・起きて」
「ん・・・・・・」
「起きて碇君」
「ん・・・・綾波?」
「ええ・・・・」
「あ、そうか・・・・・・」
「はい、食事。60分後には出発だから・・・」
「・・・・・わかったよ・・・」
スケジュールは変わってなかった。
ご飯を食べて、プラグスーツを着る。
綾波は、僕から目を離さなかった。
「綾波さん?どうしたの?」
「見ているの」
「…男の着替えも女の子が見たら駄目だよ・・・」
「わかったわ」
病室から出ていった。
恥ずかしい・・・着替えを見られるなんて・・・・
どうすれば、綾波を傷つけないであいつを倒せるだろうか?
初弾を避けて、撃つか?
いや・・・リツコさんに怪しまれる・・・
「この盾は、敵の攻撃を二十四秒耐えられるわ」
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あれ?17秒だったはずじゃ・・・
「シンジ君のATフィールドで駄目だったから急いで強化したの。でも二十四秒
・・・」
僕が砲手だった。
綾波は防御・・・
「綾波・・・EVAに乗るのが怖くない?」
「碇君は怖いの?」
「・・・うん、さすがに死にたくはないからね。でも・・・僕が死んだら世界が破滅する
・・・」
「・・・・・・私は・・・平気・・・」
「・・・・・・そう・・・」
「碇君は私が守るわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「時間よ・・・さようなら」
ビクン!
「綾波!サヨナラじゃない!」
「・・・・・・どうしたの?」
「・・・サヨナラって言うのはもう会わないときに言うんだ・・・綾波は死にに行くの?
」
「・・・ごめんなさい・・・また後で」
「僕も怒鳴ってごめん・・・」
会話的には余り前と変わらない。
でも・・・・少しだけ…変わっているのはわかる・・・
「シンジ君!日本中の電力をあなたに預けるわ!ヤシマ作戦スタート!」
ページ(33)
7.txt
冷却機がフル稼働する。
電力が送られてくる・・・
そして、敵に反応が出た。
僕は、照準がそろうほんの少し前・・・・少し、そろうところに来た所で引き金を引い
た。
「シンジ君!早いわ!」
わかっている・・・でも・・・これくらいしか思いつかない・・・
「敵使徒も発射!」
先に撃てれば・・・・もしかしたら・・・
「コアをかすりました!」
「第二射用意!イジェクトして!」
僕はヒューズを取り替え、待った。
少しかすった・・・もしかたら相手の撃つのが遅くなるかも・・・
「後10!」
もう少しで・・・
「5!」
「4!」
「3!」
「敵に高エネルギー反応!」
「1!」
僕は、今度はちゃんと発射した。
使徒のコアに直撃して、殲滅できた。
当然、ミサトさんとリツコさんに呼ばれた。
ページ(34)
7.txt
「シンジ君、どうして早く撃ったの?」
「・・・・さっき撃たれた恐怖で・・・」
「そう・・・」
一応筋が通ったことなので信じてもらえた。
深夜 ネルフ
「・・・・ミサト」
「ふえ?」
「・・・あの時・・・シンジ君が少し早く撃ってなかったら・・・レイが死んでいたか
も」
「ええ?」
「コアにかすったために、相手の反応がかなり遅れたみたいね・・・計算では23秒は攻
撃を受ける事になる・・・」
「・・・まぁまぐれでしょう」
「・・・・・・怖かったって言ったわね?」
「え?ええ」
「・・・心拍も・・・呼吸も・・・普通と変わらない・・・冷静な状態よ」
「・・・・・どう言う事?」
「・・・わからないわ・・・」
「・・・」
「でも・・・シンジ君なりに分析してやった事かもしれない・・・1度撃たれているし・
・・」
「・・・・・・でも・・・すぐ気を失ったはずよ。あの時は」
「・・・・・・そうよね・・・思い違いかしらね」
ページ(35)
7.txt
自宅
「碇君・・・」
「あ、夜食出来たよ。簡単な物でいいね」
「ええ・・・どうして撃つのを早めたの?」
「・・・・・怖かったからね・・・慌てたんだ・・・ごめん」
「そう・・・・・・」
シンジは、次の使徒の事を考えていた。
アスカとタンデムで一緒に戦う相手・・・
どうすればいいか・・・
翌朝
「おっはよぉ!シンちゃん!」
「あ、ミサトさん・・・今帰りですか?」
「そうよん!お腹減ったわ」
「今作ります」
僕は、綾波を起こしに行ってから台所へ向かった。
「シンちゃん。昨日・・・本当に怖かったの?」
「・・・ミサトさん・・・碇君の言う事を信じられないのですか?」
睨んでいる。
ページ(36)
7.txt
「ええ・・・怖くて・・・」
「嘘ね、心拍も呼吸も正常だったらしいわ」
リツコさんだ・・・
こんな所で気付くなんて・・・
「実際あまり覚えてないんです。怖かったのは確かですが・・・でもやらなきゃいけな
いと思っていたと思います」
「そう・・・わかったわ」
僕は、これ以上ここにいるとさらに突っ込まれそうなので少し早めに学校に向かっ
た。
綾波もついてきた。
-------------------------------------------------------------------------------(update 2000/10/29)
エヴァ
■2ndステージ■
第5話「セカンドと再会?」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- 学校
「おはようさんシンジ」
「シンジおはよう」
ページ(37)
7.txt
「おはようトウジ、ケンスケ」
「また、戦ったらしいなぁ」
「まぁ・・・・ね」
「なんや?また危ない目にあったんか?」
「まぁ・・・・・近いね」
それだけ言うと、自分の席に座った。
「死にかけたんか?」
「まぁ・・・・・・・・ね」
学校に行くと大体こんな会話で始まる。
後少しでアスカが来る・・・・・・
「僕は幸せものだぁぁぁぁぁ!!!!」
「ほんまやな・・・」
「まさか・・・ミルに乗れるなんてぇぇぇぇ!!!」
いちいちうるさいのでミサトさんに怒られていた・・・・
オーバー・ザ・レインボー甲板
「ハローミサト」
「アスカ、ひっさしぶりね」
「で、サードは?」
ページ(38)
7.txt
ビュゥゥ・・・・・・
パン!パン!スカッ!
「よくも避けたわね?」
「アスカったら・・・」
「怖いわぁぁぁ!ほんま変わりもんがパイロットやなぁぁぁ!!!」
「まさか・・・こいつ?サードって」
「いいえ、出てきなさいよシンちゃん」
僕は、獣の前に生贄として出された。
「・・・・・・・・・・気持ち悪い・・・・・・」
僕は一瞬であの状況を思い出してしまった。
LCLの海・・・アスカの死体・・・
「アンタってムカツク・・・・・・シンクロ率高かったからってエースパイロットの私に
な
んて言葉きいているのよ!」
まずった・・・第一印象が・・・最悪だ・・・
「あら?アスカ、シンちゃんはすでに90%超えているわよ」
「はぁ?アンタバカァ?そりゃ高いにこした事はないけど運動能力よ!」
はぁ・・・・・・
そして、使徒が来た。
僕は素体にシンクロは出来るけどコアには出来ない・・・・
操縦はアスカに頑張ってもらうしかないのだ。
「アンタ・・・邪魔しないでよ!」
「しないよ・・・・・・」
ミサトさんが笑っているよ・・・
「じゃあいいわね!使徒が接近しているわ!」
「シンクロ率・・・203%・・・・・・凄いわ」
「あら?効果はあるのねぇ・・・タンデムって」
ページ(39)
7.txt
とにかく出た。
「アスカ!右だ!」
「なれなれしく呼ぶんじゃないわ!」
「いいから!」
使徒が飛びかかってきた。
プラグナイフで切るが、一緒に海へ落ちる。
「ミサトさん!N2魚雷を!」
「わかっているわ!打ち出すからキャッチしなさいよ!」
僕に言わないで・・・
その瞬間使徒が腹部に噛み付いてきた。
「ぐぅ・・・・」
「あら?攻撃を受けても何ともないわね、こんな奴楽勝よ!」
「っつ・・・・・・・・・・」
魚雷が来た。
アスカは、左手を使徒の口に突っ込んで右手で魚雷を捕まえる。
魚雷を口の中に押しこんで急いでその場を離れようとする。
しゅ・・・ドォォーン!
水中なので、一点に集まる力は地上より強い。
衝撃で、弐号機は艦隊の上まで上がってきた。
ガッシューン!
「アスカ!艦を押しつぶす気?」
「違うわよ!」
ページ(40)
7.txt
僕は弐号機下りて、そこから離れた。
通路を歩いて行くと、加持さんがいた。
「やぁシンジ君。君は凄かったよ」
「・・・・・・惣流さんが戦っていましたよ」
「いや・・・これだよ」
そう言うと腹を引っ叩いてきた。
「ぐぁ・・・・つぅぅぅ・・・・・・」
「俺の目は誤魔化せないよ。早く医務室に行こう。スーツは・・・・・何だと?」
僕は、髪を拭いたタイルで腹を抑えていたので加持さんはきずかなかったらしい。僕
の腹は歯形がついて、スーツは破れ、
出血していた。いつ倒れてもおかしくない状態なのだ。
そのころ管制室
「ミサト・・・弐号機の傷・・・見た?」
「ほぇ?」
「アンタって・・・アスカは傷一つ負ってなかったわね?」
「ええ、元気そのものだったわ」
「あのシンクロ率・・・アスカも少しは痛みをわかっていたはずなのに・・・」
「・・・・・・シンちゃんは?」
「・・・・加持の連絡でね・・・・医務室」
「はぁ?」
「シンジ君がダメージをほとんど自分で請け負っていたみたいね・・・どうやったかは
知らないけど・・・・」
ページ(41)
7.txt
医務室
「・・・・・・これは酷いな・・・スーツが赤だから目立たんが・・・筋組織まで穴が・
・・・」
「加持さん、みんなには言わないでくださいね。心配はかけたくないので」
笑っているよ・・・
「いや、もう遅いよ。アスカとレイちゃんには伝わらないだろうが、あの二人には知
らせておいた」
「そんなぁ・・・・また怒られるよ・・・・」
すでに諦めている僕がいる・・・
プシュゥ!
扉が開いた。
「シンちゃん、傷はどう?」
「傷って言うレベルじゃありませんよ」
医務の医師が言った。
「陸に戻ったら縫合しないと・・・・今は止血も追いつかない状態です」
「・・・・・・凄い怪我・・・」
「・・・シンジ君、治ったらどうやったか理由を聞きましょう」
はぁ・・・・・・死にそうだ・・・
麻酔薬もここには無く、当然手術の設備は無い・・・
陸についたらすぐに病院に搬送された。
すぐに、縫合手術を受けた。
1週間の入院で、その後3日はあまり暴れないようにだそうだ。
ページ(42)
7.txt
「ミサトさん・・・・・・碇君は・・・どこに行ったのですか?」
「えっとね、以前お世話になった、おじさん達に会ってくるんだってさ」
「・・・・・・・・・・・・・食事は私が作ります」
この話しを退院後聞いたときに、泣けてきた。
-------------------------------------------------------------------------------(update 2000/10/29)
エヴァ
■2ndステージ■
第6話「ユニゾン、権利争奪戦」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- ネルフ
「今だ仕事の虫かい?」
「・・・・加持君か」
「その様子だと未だに彼氏はいないね」
加持はリツコの首に手をかける。
「あら?加持君だってそうじゃないの?それにね、この手をどかさないと・・・」
「平手打ちかな?」
「いいえ・・・こわ~いお姉さんが睨んでいるからね」
さっと手を引いた加持。
ページ(43)
7.txt
振り向くと、分厚いファイルを持って睨んでいる。
「あんたねぇぇぇ!いい加減にしなさいよ!」
「あら?まだ俺に未練があるのかな?」
ズパン!っとファイルを加持に殴りつけようとするが、かわされる。
「お~こわ・・・それじゃあ葛城も彼氏はいないな」
ドカッシ!
ファイルが壁に張り付いた加持の頭の左側をかするようにぶつかる。
ファイルは半壊している。
ファイルの表紙の破片がリツコの手に刺さった。
「・・・・・・これで勤務時間が長びそうね・・・・どうしてくれるつもり?」
「あ・・・・あ」
「ついでに・・・そのファイル結構高いわよ」
「ふぁぁぁ!ちょっちまった!」
すでに遅い・・・
ファイン!ファイン!っと警報が鳴り響く。
「警報・・・使徒!?」
僕は、緊急収集された。
まだ傷が痛むけど・・・戦える程度にはなっている。
「いいわね!三人であいつを海から出す前に倒しなさい!」
無理なのはわかっている・・・
アスカがソニックグレイブで真っ二つにする。
「アスカ!ちゃんと使徒を見て!」
「はぁ?アンタバカ?」
「いいから!まだ動いている!」
「・・・・・・私が行くわ」
レイがプログナイフをコアに突き刺す。
ページ(44)
7.txt
しかし、効かない。
「二人とも!退却だ!ミサトさん!N2兵器で脚止めしてください!」
「ほえ?あ、ええ!わかったわ!」
このときミサトは「何でシンちゃんに言われにゃならんの?」っと心の中でグチって
いた。
「新型N2爆雷にて、体表の28%を焼却。今は、事故修復中。再度進行は5日後」
「・・・恥さらしだな」
「すみません・・・」
「パイロット三名!」
「「「はい」」」
「お前達の仕事はなんだ?」
「使徒と戦う事です」
「使徒に勝つ事・・・世界を救う事・・・サードインパクトを防ぐ事・・・でしょ?」
「・・・勝つ事・・・」
「そうだ、使徒に勝つ事だ。それ以上は望まん」
そう言うと、ゲンドウは冬月と去っていった。
「綾波、昼食に行こう」
「レイ・・・一緒に来い」
ゲンドウがレイに声を掛けた。
「・・・・・碇君・・・ごめんね・・・また今度ね」
この言葉に、ゲンドウは驚いていた。
その驚きは冬月にしかわからなかった。
「シンジ君、俺と行こうか?レイちゃんに振られちゃったらな」
まったく・・・違いますよぉ。と言って苦笑するが、アスカの表情は暗い。
ページ(45)
7.txt
食堂
「何で私が司令に睨まれなきゃいけないのよ!」
「戦う事って言ったからだよ・・・あの人は僕らを道具としか思っていないよ・・・」
「そのようだね、司令はそう言う人なんだね」
「・・・・・・いいえ、母さんのためなら何でもすると思います・・・・」
「何でそう思うのかい?」
「・・・・・・何となくです」
ははは、と加持さんに笑われてしまった。
「そう言えば・・・ミサトさんは?」
「責任者は責任を取るためにいるのさ」
そして、ミサトのデスク
「・・・・・・・・・請求書は世界が危機から脱した時に出してもらいたいわね・・・」
「今度失敗したら間違い無くクビよ」
にっこり笑いながら言うリツコ。
「そんな事言わないでよぉ!どうしよう・・・」
そう言うと、エビチュを取り出した。
「いい案があるけど・・・飲むのなら渡さない方がいいわね」
「いりますいります!赤木博士の案なら喜んで!」
さっと、仕舞う。
「残念、私じゃないわ」
「え?だれ?」
渡されたフロッピーには、手書きで「マイ・ハニーへ」っと書いている。
「・・・・・・いらないわ」
ページ(46)
7.txt
「クビになってもいいのね」
「うぅぅ・・・加持のバカ・・・」
食堂
「加持さんはわかってくれますわね!」
「え?何がだい?」
「何でサードが睨まれないで私だけにらまれるのか!サードは余計なことを言い過ぎ
だったのに!」
「ははは、シンジ君は今まですごかったからね」
「シンクロ率だったらすぐに抜いてやります!」
「そう言う問題じゃないよ。心と人格だ」
さすがに怒ってしまったようだ。
「何よ!加持さんまで!私がサードに劣っているとでも言うの!?」
「まぁ・・・今はそうかな?きっと抜けるよ」
「もう・・・加持さんだから許して上げるわ!」
<ファースト、セカンド、サードチルドレンは作戦会議室まで・・・>
「お呼びだ」
「はぁ・・・・・・」
「行こうよ・・・呼んでいるんだから・・」
「ミサトさん、お呼びで?」
「ええ、一緒に来なさい」
着いたのは家の前だ。
ページ(47)
7.txt
「へ?」
「ここはどこなのよ!」
「・・・・ミサトさんの家・・・」
ユニゾンか・・・どうなるんだろう?またアスカとかな?
「ここで、ダンスを踊ってもらいます。シンクロ率の一番高いシンジ君は外せない
わ」
「・・・ファーストと争えって?いいわよ!絶対に貰うわ!」
「シンちゃんを?」
「バッかじゃない!使徒と戦う権利をよ!」
「・・・私は・・・碇君と踊ってみたい・・・・」
爆弾発言発動。
ミサトは真っ白になって固まっている。
「ハ、ははは・・・・・とにかく踊ってみましょうか?」
僕の踊りはほとんど完全だった。ミサトさんは驚いていた。
「次はレイね」
「はい・・・」
綾波は、僕の踊りを見て覚えたようで、僕とほとんど変わらない踊りを見せた。
「アスカよ」
・・・・・・綾波より下手だった・・・これには・・・怒るだろう・・・
「これでシンジ君とレイね」
ページ(48)
7.txt
「ミサトさん、僕と綾波は・・・ほとんど同じなんでしょう?」
「そうよん」
「だったら・・・惣流さんと、2日3日練習させてください。それから考えましょう」
「そうね、そうしましょう」
アスカは僕が変な気でも起こしたかと睨みつけていた・・・・怖いよ・・・
「えぇぇぇぇ!三人で住むのぉ?!」
「そうよん!シンちゃんはそんな事しないから大丈夫よん!」
「そう・・・碇君は優しくしていくれる・・・」
アスカの僕に対しての不信感が一気に倍増した。
結局、リビングで雑魚寝で寝る事になった。
朝
気持ちのいい匂いと音が部屋に響いている。
シンジが朝食を作っているのだ。
「二人ともおきてよぉ!」
「・・・・・・・(ガバッ!)サード!あんた・・・何もしていないわよね?」
「ったく・・・僕は変なことしないよ・・・朝食が出来ているよ」
昨日の配置は、アスカ、レイ、シンジの順で川の字になって寝ていた。
起きると、レイがシンジに張りついていた。
シンジは、一瞬で活動を停止した。
再起動まで15分かかった。
ページ(49)
7.txt
「男の手料理?美味しくなかったら出ていくからね!」
勝手にしてよ・・・出ていく事はないと思うから・・・
「・・・・・・・・・・・・・・」
「どう?」
「碇君の料理は美味しい・・・」
「・・・・・・美味しいわ・・・・・凄い・・・・」
驚いていた。
「おっはぁ~・・・眠いわぁぁぁ!!!」
「眠いなら大声出さないでください」
「あら?朝食出来ているわね!いっただきます!」
寝起きすぐに、朝食をたいらげるミサトさんの胃袋は脅威だ。
訓練が始まった。
訓練には、前時代にはやったダンスゲームの改造版をつかって採点した。
「はいはい!ちょっと待ちなさい!」
「なによ!文句あるの?」
「違うの、二人を合わせないと駄目なのよ!シンちゃんは合わせようとしているけど
アスカは協調性が無い!」
「何よ!私は完璧よ!サードがとろいんじゃない!」
こんなやり取りの練習が続いて3日。
加持さんが見に来た。
「加持さん!見ていてください!」
「見て上げるよ、俺が考えた作戦だからね」
「そうですか!頑張ります!」
ページ(50)
7.txt
その1時間前、学校
「ケンスケ、センセがきとらんやろ?」
「あ?うん、4日かな?3日かな?」
「とにかくや!また怪我でもしたかもしれん!お見舞いに行くで!」
「え?いいよ!葛城さんもいるかもしれないし!」
「そや!ワイも実はそれが狙いな・・・」
後ろにたたずむ殺気・・・・
「鈴原!そんな理由でお見舞いに行くな!私も今日行くつもりだったから・・・」
「なんや?センセのお見舞いか?」
「それもだけど・・・アスカもよ」
アスカは、第七使徒が来る直前に転入したばかりだ。
その翌日に使徒戦があり、そのまた翌日から来ていない。
マンションの前
「行くでぇぇ!」
「そうだね!いこう!」
「こんな所に住んでいるんだ。凄いなぁ・・・・」
エレベーターを上がり、部屋の前に来る。
「・・・・・行くで」
「ええ・・・」
何で扉をノックするのにここまで慎重にやるのだろうか?
ページ(51)
7.txt
トントン!
「はぁ~い!どなたぁ~?」
「あ、シンジ君の知り合いの鈴原トウジです!先日はすんません!」
「同じく相田ケンスケです!」
「あ、アスカ・・・も・・・一緒なんですか?」
音楽が流れてきている。
「あれ?音楽なんて・・・」
シンジが出てきた。
「ミサトさん!早くしてください!」
このとき、一瞬で大笑いの渦が巻き起こった。
シンジの格好は、・・・・・・・男物のレオタードと言った所だろうか・・・
「なんやセンセ!変な趣味でも出来たんか?!」
「シンジ!その格好は貰ったぁぁ!」
どんどん撮られていくシンジは奥に消えていった。
「で・・・何の用かしら?」
「あ、シンジが学校を休んでいたから・・・体でも悪くしたのかと思いまして・・・」
三人は部屋に入ってきた。
そこには、二人して踊っている。
レイは、後ろで同じ格好をして立っている。
当然ケンスケに撮られた。
「・・・・駄目だな・・・・」
「え?何がですか加持さん!」
三人が来て、5回ほど踊ったところである。
ページ(52)
7.txt
「・・・・・シンジ君にはわかっているね?」
「ええ・・・・」
「・・・・僕もわかった」
「なんや?ケンスケ」
「シンジ君、どうぞ」
「・・・アスカは協調性が無さ過ぎるんだ・・・自分の殻に閉じこもったまま・・・だか
ら合
わせられないんだ」
「そう、僕も同じ感想・・・・いくら完成度が高くても二人で同じ動きをしないと駄目な
んだな・・・」
「うっさいわね!私はなんにでも完全じゃないと気がすまないの!」
ミサトさんが出てきた。
「レイ・・・シンちゃんと踊ってみて・・・・」
僕は綾波と踊り出した。
目を合わせた瞬間動きが鈍ったみたいだったけど・・・僕の動きにかなり近かった。
「さすがレイね・・・見ているだけでシンちゃんに合わせられるなんて・・・」
「・・・・もういいわよ!あんた達二人で戦えば!」
「アスカ!」
僕は、たまらず前の呼び方で呼んでしまった。
アスカは、そのままの格好で飛び出してしまった。
「シンジ君」
「わかってます加持さん・・・行ってきます」
ページ(53)
7.txt
僕は、上着を持って外に出た。
どこにいただろうか・・・・忘れた・・・
公園を通りかかった時に、ベンチに座ってぶつぶつ言っているアスカを見つけた。
「・・・・・・アスカ・・・・」
「きやすく呼ぶんじゃないわよ・・・・」
「向こうの風習だろ?ファーストネームで呼ぶのは」
「ここは日本よ・・・・それに、それを言うためにここに来たの?バッかじゃない?」
「・・・・・・肩の力を抜きなよ・・・・自分が出来る所まででいいじゃないか・・・・
完璧な人間
はこの世に存在しないよ・・・
誰にも、絶対に欠点はある・・・得意じゃなくても頑張れば出来るかもしれないけど
・・・・気をずっと張っていたら目標達成までに体が壊れちゃうよ・・・・・・・」
「うっさいわね!アンタなんかに私の気持ちが判るもんですか!」
「・・・わかるよ・・・・・・アスカに似ている人を知っているんだ・・・」
アスカは、殴ろうとしていた手を止めた。
「その子はね、絶対に一番じゃなきゃいけなかったんだ・・・・でもね、他の人に抜かれ
て・・・心を壊しちゃったんだ・・・
その後にいろいろあったけど・・・・それが原因で・・・・・・・・その子はアスカによ
く似てい
たよ・・・・日本人とドイツ人の間の子でね」
「なによ!人間で同じ物なんていないわ!」
僕は、泣いていた。
泣き声も上げず、アスカをまっすぐに見て泣いていた。
「・・・・なによ!」
「その子はね・・・僕の・・・すぐ目の前で・・・・・・死んでしまったんだ・・・・・
・僕は・・・・何も
して上げれなかった・・・
ただ見ているだけで・・・彼女が僕を必要としている時に僕はいなかった・・・僕のせい
な
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7.txt
んだ・・・だから・・・
僕はもうそう言う人を放っておけないんだ・・・・・」
アスカは、シンジの真剣な顔と言葉と心に、心を動かされた。
こいつは、私の心を見てくれる・・・私を一人の人間として心から心配してくれている
と・・・
「アスカ・・・EVAがなくなったらどうするの?」
ビクンと体が震えた。
そんな事考えた事無いから・・・
もし・・・無くなったら・・・私の存在理由が無くなる・・・・・・
どうすれば・・・いいのだろうか・・・・・・死ぬのか?
「無くなったら、学校や友達、趣味や恋人を・・・・そうすれば寂しさが和らぐよ・・・
・友
達は存在理由を見出してくれるから・・・
趣味は、やっていれば特技に変わるかもしれない・・・恋人は・・・将来も一緒にいるか
も
しれない・・・
そう言う事を考えておかないと・・・平和になった時に困るよ・・・・・・自殺するかも
しれ
ない・・・それは駄目だよ」
アスカは考えていた。
学校は大学まで出ている・・・・
友達は・・・・・今のところわからない・・・・
恋人は・・・加持さんは・・・私を子供としてみるだけ・・・・
趣味?趣味なんて・・・・・・・無い・・・・
小さいころから訓練ばかりだったから・・・・没頭した事のあるものはEVAしかない
・・・・・・
どうすればいいのだろうか?
私は・・・・・・
ページ(55)
7.txt
アスカは、1時間黙り込んで考えていた。
僕は、持ってきた上着をアスカにかけた。
日はすでに傾いて、涼しくなってきたので持って来た事を思い出したのだ。
「・・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・シンジは・・・・・・・EVAがなくな
ったらどうするの?」
「僕は・・・・わからないよ・・・ただ・・・高校に行って・・・大学に行って・・・・
就職して・・・・・
それから新しく探そうと思う・・・
趣味はあるけど・・・・最近はやってないし・・・・・・恋人もいない・・・いや・・・
好きな人はい
るね・・・・・・」
「だれ?」
「・・・・・・・・教えて上げない・・・・・・・・」
「・・・・・・ファーストね?」
「・・・・・・・・・うん・・・初めは同情だったのかもしれないけど・・・・・・」
アスカは頭に?マークをぶらつかせている。
「綾波はね、僕が来るまで赤城博士や父さんでもないとちゃんとした会話が出来な
かったんだ・・・・
僕が話しかけているうちにだんだん・・・・・・でも、最近結構変わったんだ」
あれでか?っと嘆くアスカ。
「うん・・・・・前はミサトさんが何か行っても、ハイやイイエや、問題有りません、っ
て答えていただけみたいだし・・・・」
「それって人間じゃないわよ・・・・・・・」
「心を硬い氷で固めてしまっていたんだよ・・・・・・それを今、僕が少しずつ溶かして
い
る・・・・・」
結局、そんな会話をしているうちに、日が落ちてしまった。
ページ(56)
7.txt
「シンジ・・・・ファーストが・・・・もしシンジの事が嫌いだって言ったら?」
「・・・・・・新しい人を探す・・・・・事は無いだろうね・・・・・今度は僕が心を閉
ざしてしまう
だろう・・・・・・」
「そう・・・・・・」
「・・・・・・誰か・・・僕の心を溶かしてくれたら今度はその人が好きになるだろうね
・・・・・・自分勝手だね・・・・・ごめん」
「・・・・・・・・帰りましょう」
「そうだね・・・・・・」
僕らは結局3時間半話していた。
三人は帰っていて、綾波はミサトさんの料理を食べたくないらしく自分の部屋に避難
していた。
「すみません遅くなって・・・・・夕飯を食べたら少し練習します。きっと完全に近いで
しょう」
僕は自信満万に言ってやった。
ミサトさんは目を丸くしていた。
夕食を終え、訓練を再開したら、1回目でほとんど一緒になった。
寝るまでに5回やったけど、5回目はほとんど同じ動きになっていた。
綾波は、恨めしそうな目でアスカを見ていた。
ページ(57)
7.txt
-------------------------------------------------------------------------------(update 2000/11/12)
エヴァ
■2ndステージ■
第7話「幸せな生活、レイの心の葛藤」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- どうにか倒せた。
「よくやったわね、シンちゃんがアスカを変えた秘密はどこに?」
予想はしていたけどからかわれた。
「シンジ君、よくやったね。頑固者のアスカをよく変えたよ。君はやはり凄いね」
「まぁ・・・・僕は疲れたのでもう寝ますよ・・・」
「碇君・・・・・」
「なに?綾波」
「ねぇ・・・お腹減ったの・・・」
「あ、じゃあ・・・食堂に行こうか?」
「ええ・・・行きましょう」
僕らは食堂に向かった。
「・・・・・レイから誘うなんて・・・・加持!アンタ何か吹き込んだ?」
「俺は何もしていないよ。あれは・・・・シンジ君が変えたんだな・・・・・・」
「・・・・シンちゃんって何者なの?大怪我を二回負っても動じず、二人の固まった性格
ページ(58)
7.txt
を溶かしている・・・・・」
「さぁな・・・俺達は二人で楽しもうか?」
バッチーン!
「いたいな・・・・まぁ葛城らしいか・・・・」
「私の手のひらの方がいたいわよ」
結局進展が無い二人・・・・・・
食堂
「どうしたの?綾波から言ってくるなんて」
「・・・・・・碇君は私のこと・・・好きなの?」
ブッ!
「あ、ごめん・・・お茶を噴出しちゃって・・・」
「好きなの?」
「えっとね・・・あの・・・・・好きだよ・・・・」
「・・・・・・どう言う風に?」
「・・・・友達や・・・親類とか言う好きじゃなくて・・・・恋人になって欲しい方の・
・・好きだ
よ」
「・・・・・・私も・・・・そう・・・・・・きっと・・・・碇君の事が好きなの・・・
・考えると・・・・胸から
熱いものが込み上げてくる・・・・
顔が熱くなってくる・・・・いないと・・・寂しい・・・・悲しくなる・・・・・」
「・・・・・そう・・・・なんだ・・・ありがとう・・・」
「・・・これは・・・・恋人と言うの?」
「・・・・そうだよ、両思いの二人が認め合う事なんだ・・・・・・・・」
「そう言うと・・・・・碇君が私の上に乗ったときの・・・・あれも・・・・・・」
ページ(59)
7.txt
「あ・・・」
ヤバイ・・・誰だよ変なこと教えたの・・・・・先行き過ぎだよ・・・・・リツコさんか
な?
「碇君・・・・眠いんじゃなかったの?ごめんなさい・・・食事に連れ出して・・・・
・」
「いいよ、僕も綾波と話せてよかったし。帰ろうか?」
「ええ・・・・行きましょう」
綾波に告白されたのかな?
僕にはわからないよ・・・・
「ただいま・・・って言っても誰もいないんだよね・・・・って・・・・・・この荷物・
・・・まさか
・・・・・・」
「あら?わかった?私がミサトと一緒に住むことになったのよ」
「・・・・・・僕は隣に部屋を取るよ。ご飯はちゃんと作ってあげるから安心してね」
この案は、簡単に可決された。
明日には荷物を運ぶ。
僕は、自分の部屋でチェロを見ていた。
前の時間で考えても最近はひいていない・・・・
「アスカ、趣味って・・・あるの話たね?」
「ええ、それが?」
「これだよ」
ページ(60)
7.txt
僕はチェロを持ってきた。
「へ?アンタって・・・楽器やってたの?」
「うん、小学校のときからね・・・・・・所詮趣味のようなもので終わるだろうけどね
・・・・・」
「ねぇ・・・ひいて」
「え?・・・・・・・・・いいけど・・・ちょっと待ってて・・・綾波を呼んできてくれ
る?」
僕は、調弦をしているうちに呼んできてもらった。
そして、ひき始めた。
題名なんて忘れた・・・・でも・・・覚えている・・・・楽譜無しでひける曲・・・・
「・・・・・・上手いわね、ちゃんと音の波がある・・・音程も合っているし・・・」
「ええ・・・・・・碇君のチェロ・・・いい・・・・・」
結局、1時間ほどで覚えている曲を全て弾いた。
「あら?家で楽器弾ける人っていたかしら?」
「いますよ・・・・残念ですが持ち曲は終わりです。楽譜が見つからないので・・・・・
・」
「シンちゃんて凄いわね。家事は出来るし、チェロも出来る!」
「趣味ですよ・・・・・・夕食は出来ています。僕はもう寝ますよ」
僕は、ベッドに横になったらすぐに眠れた。
「ミサトさん・・・・それ・・・」
「あら?レイはビールが飲みたいの?」
「でも・・・碇君が駄目だって・・・・・」
「ファーストも硬いわねぇ・・・・私だってドイツで食前酒や、寝る前に飲んでいたわ
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よ」
「・・・・・・・」
「さぁ!飲みなさい!上司の命令よ!」
「ハイ・・・・いただきます」
朝
「ん・・・朝食作らないと・・・・・お弁当も・・・・・・体が・・・重いかも・・・・
体が疲れているの
かな?」
「ん・・・・・碇君・・・・・・・ぬふぅん・・・・・・・」
ピタッ!
「だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
その瞬間、意識が吹っ飛んだ。
気絶して、倒れてしまった。
20分後
「・・・・・・・今度こそ起きなきゃ・・・・」
シンジはリビングに行った。
「あ?起きているの?」
「あら?どうしたのかしら?慌てちゃって」
「そうよシンジ、何慌てているの?」
「え?あ、その・・・・えっと・・・・・」
「・・・レイがいるんでしょう?隣でかわいい顔して・・・・」
「ファーストも幸せね、シンジの隣で寝ているんだから」
「・・・・・・知っているの?」
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「ええ」
ただ、シンジのさっきの声で起きてしまったのだ。
そして、部屋を覗いたら二人して仲良く寝ているので、レイが昨日酔ってシンジの布
団で寝たと、
二人の意見が一致した。
「なんだぁ・・・まぁいいか・・・パン焼いておいてください・・・僕は綾波を起こして
きま
す」
部屋に戻った。
「綾波・・・起きてよ・・・」
「・・・・・・・・・・碇君・・・・・頭が・・・・・痛い・・・・・・」
「え?どうしたの?大丈夫?」
「揺らさないで・・・・頭が・・・壊れる・・・・・・」
僕は、ミサトさんに相談してみた。
「あら?ビール4本で二日酔い?」
「だらしないわねぇ。私なら8本は行けるわよ」
飽きれた。
いくらなんでも中学生に飲ませるなんて・・・・
「綾波・・・頭痛止めだよ。ネルフの特製品だからすぐに効くよ」
「・・・・・・・なんで・・・頭が痛いの?・・・・・・・約束を破ったから?」
「まぁ・・・・・飲んでよ。そうしないと頭が痛いまんまだよ」
んくんく・・・・・
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ゴックン
「・・・・・・・寝てな。今日は学校を休んだ方がいいね」
「・・・・・・ええ・・・・・」
僕はリビングに戻って椅子に座った。
「完全な二日酔いですね・・・脳が水分不足に陥ってます・・・・・・」
「え?」
「アルコールが蒸発する時に脳の水分を一緒に蒸発させるんです。それで、二日酔い
が起こる・・・・・・」
「あら?博識ねぇ」
「ミサトさん!」
「わかったわよぉ・・・ごめんなさいね」
「・・・・もう・・・・」
僕はパンをかじった。
涙が出てくる・・・・・・・
「ミサトさん・・・・このパンに・・・何かしました?」
「ええ、私特製の味の素よ!」
・・・・・・・・・・・人間の食べられる代物じゃない・・・・・・
僕は朝食抜きで学校に向かった。
向かう途中でアスカに止められた。
ミサトさんは、ネルフに出勤だし、アスカは綾波になれていないので嫌らしい・・・・・
つまりは看病である。
まぁ・・・・・僕はこのときの勉強は一応やっていたわけだし・・・・・家に戻った。
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「綾波・・・ご飯持ってくるね」
「碇君・・・・・・学校は?」
「いいよ、まだ全然余裕だから・・・・」
学校
「あら?センセは?」
「あいつはレイの看病。二人仲良く寝てたりして」
「なんだとぅ!?センセのやつ綾波と・・・・・・ゆるせん!」
「そう言う事か!シンジの奴、綾波と・・・・・・証拠を押さえてくる!」
当然止められた。
ネルフ
「あら?今日シンジ君が学校にいないじゃない」
モニターを見ながら抗議の目でミサトをにらむ。
「アンタ・・・昨日シンジ君に飲ませた?」
「違うわよ。レイに飲ませたら二日酔いで・・・・シンちゃんが看病しているわ」
「・・・・・・・レイはシンジ君と仲がいいの?」
「ええ、恋人みたいよ!見ていてこっちが恥ずかしくなる事も・・・・・・」
「・・・・・そう、まぁ、あなたは報告書ね、請求書も見ないと貯まっていくわよ」
「赤木博士ぇ!手伝って!」
「私は駄目」
司令室
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「碇・・・レイをシンジ君と一緒に住ませたみたいだな・・・」
「いや、隣だ」
「・・・・・・・・・問題は起こらないか?」
「ああ・・・・・・正直あいつを隣に引っ越させてくれと言われた時は困ったがな・・・
・・」
「・・・・・・サードは・・・・何者だ?」
「・・・・・・知らん。3年会わないと人は変わるものだ・・・・・」
「お前がシンジ君をかばうとわな・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・ユイ君と再開したときに・・・・なんといえばいいのか・・・・おまえは
怖いんだな
?」
「・・・・・・・・ああ・・・人は簡単に変わる・・・・・・私のしたことを知っていれ
ば殺されるか
もな・・・・・」
「・・・・・・・・・・・彼女ならやりかねん・・・・・・・・レイが著しく変化してい
るそうだぞ」
「・・・・・・・大丈夫だ、必要になったらネルフ内に住まわせる」
「シンジ君が怒るかもな・・・・」
「所詮は子供だ・・・何も出来まい」
「・・・・・・・・もし・・・初号機の中でユイ君に会っていたら・・・・・・・」
「・・・・・・・・・ユイが手を貸すとでも思っているのか?あのままではにもできん」
「・・・・・・・・・・・母の愛はあなどれんぞ・・・・・・」
「経験者だな?興味がある・・・聞かせろ」
「これで帰る・・・命日でな」
「それは一昨日も言ったぞ?何人の墓参りにいくのだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「まだまだだな・・・・」
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「すまん・・・・・」
午後
ミサト宅
「綾波、昼ご飯だよ」
「・・・ありがとう・・・」
「頭痛は?」
「大分・・・いい・・・」
「そう、薬が効いたね、ここにご飯置いておくよ」
「ええ・・・・・・」
リビング
「はぁ・・・・・・どうしようかな・・・・・・」
今度の使徒は火山にいる・・・・・・D型装備は弐号機にしか装備できないはずだ・・・
そうすると・・・アスカか?
ナイフを早めに落さなきゃ・・・・・・タイミングを見計らって・・・・・・
多分ミサトさんもリツコさんも僕なんか見てないで火口を見ているだろうから・・・気
付かないよな。
「碇君・・・・・もう大丈夫だから・・・・・シャワー浴びるわ」
「どうぞ、僕は部屋にいるから」
部屋に行くと昨日弾いたチェロが目の前にあった。
何となく弾きたくなって、調弦を始める。
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「・・・・・・何だっけな?この曲名・・・・・・」
結局は物忘れが激しい僕・・・使徒が来るタイミング・・・・覚えているかな?
5分ほど弾いていると、心が落ち着いてくる。
これで綾波の心もほぐれてくれればいいのに・・・・・・
カチャ
「あ,あ,あ、あ,あ,あ,あ・・・・綾波!服着なきゃだめじゃないか!」
「・・・・・・着替え・・・・自分の部屋」
「あ、着替えがないんだ・・・・・とりあえず・・・僕のシャツ着てる?」
「・・・・・・ありがとう・・・・」
僕は、シャツをGパンを綾波にわたした。
少しサイズが大きいかな?
でも・・・だぼだぼの服を着ている綾波って・・・・かわいいかも・・・・・・
「ねぇ・・・・碇君はどうやって料理を覚えたの?」
「あ、初めから少しは作れたんだ。ここに来てから毎日作るようになってだんだん上
手くなってきたんだよ」
「・・・・・そう・・・・・・・・・・・私にも・・・教えてくれる?」
「・・・いいよ、夕飯を一緒に作ろうか?」
「・・・・・・ええ・・・今日はハーモニスクがあるわ・・・・」
「そのあとだね」
綾波は、僕のベッドに横になっていたら何時の間にか寝てしまったようだ。
心地いい寝息を立てて寝ている。
僕は、勉強でもやろうかな?
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結局勉強なんてやらないで使徒の事ばかり考えていた。
そんなんで、時間が三時になろうとしていた。
「ん?携帯が・・・・・」
液晶には「ハーモニスク」と出ている。
「・・・・・・遅刻だ!綾波!おきてよ!遅刻だよ!」
「・・・・・・何に?」
「ハーモニスクだよ!リツコさんに怒られる!」
「赤木博士・・・・・・あ、そうね・・・行きましょう」
何やっているんだか・・・・怒られちゃうよ・・・
ネルフ
「あら?遅かったわねお二人さん。まさか一緒にやましい事でもやってた?」
「違うよ、綾波は起きてシャワー浴びたかと思ったらまた寝ちゃうし、僕はボーっと
してたら遅刻だし・・・・・」
「あら?それって・・・シンジの服?」
「ええ・・・・着替えを持ってくるのを忘れたの・・・・・・」
「よかったわねぇ、シンジの匂いがついた服で」
「・・・・・・碇君の匂い・・・・・・いい匂い・・・・・・」
「うっ!・・・・・・・・・・それって・・・・・ある意味変態よ」
側に凄い形相で立っている金髪が・・・
「二人とも・・・時間が押しててるの。早くしてくれない?!」
「あ、すみません・・・・」
結局ミサトさんにも怒られた。
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僕って損だな・・・・・・
「・・・・・・シンジ君のプラグ・・・もう少し下げて」
「・・・・・・ハイ・・・すごいですね」
「ええ・・・二人よりも深く・・・・本当に凄いわね」
「・・・・・・・ええ・・・・専門家として言うと・・・凄過ぎるのよ・・・・いくら素
質があっても1
,2ヶ月でここまで出来ないわ・・・」
「どう言う事?」
「アスカやレイは小さい頃から訓練を受けてあれよ。あの二人も素質は十分にあるの
・・・それでこの結果。シンジ君は超人なのよね・・・・・・第四使徒のときに、自分の
シン
クロ率がどれくらいか言い当てた事があったわね?」
「ええ、90%ぐらい行ったでしょうかってね」
「・・・・・・まだ訓練をはじめて少しだったのに・・・・そんな事わかるわけないわよ
・・・・・・」
「感じゃないの?」
「・・・・・・・・・自分のシンクロ率が上がるのを知っていたかのように・・・しれっ
と言った
のよ・・・・・・」
「・・・・・・あの子はやっぱり謎ね・・・・・・」
「・・・・・・・・・・そうね・・・・・・三人とも!上がっていいわよ!」
僕はシャワーを浴びて更衣室の中で座って考えていた。
次の使徒までは後少し・・・・・
あいつはたいした事無い気がするけど・・・・・・
まぁ・・・・あいつに関しては考えても答えは一緒だね・・・
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更衣室を出ると、綾波が待っていた。
「碇君一緒に行こう・・・・」
「うん、行こうか」
前はこんな事なかった・・・
「今日もシンジ君が一番よ」
「シンちゃん凄いわね、何でそんなに出来るの?」
「さぁ・・・・・・・でも、EVAに乗っている時って結構落ち着くんですよ。なんかこう
・・・・・・母さんに抱かれているような感じで・・・
だから実戦は少しは気が楽なんです。
でも、実験はそう言う感じがなくて・・・・それを探してがんばっている感じです」
「そう・・・・・・・・・・・、じゃあ帰っていいわよ」
「「「はい」」」
僕らは入り口へ向かった。
エレベーターを待っている時に、アスカが質問してきた。
「ねぇ・・・母さんに抱かれている感じって・・・」
「アスカも感じない?実戦に温かい感じが・・・・・」
「・・・・・・ええ、実験中と実戦の違いじゃないの?」
「・・・・・さぁ?わからないよ」
チン!
ガーっと開く。
そこに、一人の男がいた。
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「レイ・・・これから実験をやる。一緒に来なさい」
「・・・・・・・・・・・今日は・・・・碇君に料理を教えてもらうんです・・・・・」
「実験が優先なのはわかっているだろ。命令だ」
「・・・・・・・・・・・・碇君・・・今度教えて・・・・」
綾波は、何時に無いほど悲しい顔をしている。
「・・・・・・父さん、そんなに急ぐ実験なの?綾波を道具にするのはやめてよ」
「お前に何がわかる。黙っていろ」
父さんは、何時もように見下す言い方だ。
「・・・・・・・・・・綾波は人間だよ、それなのに道具と同じ扱いを受けるなんて駄目
だよ」
「・・・・・・・・・碇君・・・・・・」
「シンジ、お前にはわからんことだ、セカンドにでも教えていろ」
「・・・・・・綾波は・・・実験に協力したいの?自分の意思で決められることじゃな
い?」
「・・・・・私は・・・・・・私は・・・・・・・」
「・・・・・レイ・・・自分の立場をわきまえろ・・・・一緒に来い」
「父さん!綾波に決めさせて上げて!」
「これは命令だと言ったはずだ。来い」
「あ・・・あ・あ・・・・わ・・・私は・・・・・・」
目が虚ろになり、僕の顔と父さんの顔を交互に見る綾波・・・
「わかった、自分の身分を考慮して決めろ、今日は帰っていい」
「あ・・・あ・・・わ・・・わ・・・た・・しは・・・・」
「行こう綾波・・・さぁ」
僕は綾波の手を引いて家に帰った。
ミサト宅
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「綾波・・・大丈夫?」
「・・・・・・・うん・・・・・大丈夫・・・・」
「今日は・・・止めておく?」
「いいえ・・・・教えて」
私は・・・・碇君に言わなきゃいけないのに・・・・でも・・・・嫌われるのが怖い・・
・・・
どうすればいいの?
どうすれば・・・・・・
嫌われたくない・・・・・捨てられたくない・・・・絆を・・・・・・・守りたい・・・
・・・
「綾波、どうしたの?」
「いいえ・・・何でもないわ」
「父さんが言っていた・・・綾波の身分って・・・・話してくれる?」
「・・・・・・・今は駄目・・・・今度・・・・時期が来たら・・・・・」
「わかったよ,僕はね、綾波を嫌ったりはしないよ・・・・昔の日本にもそう言う事が
あったんだ・・・・・・
えた、ひにんっていってね、江戸時代からの身分のせいで前世紀まで差別された人が
いるんだよ。
でもね、それは間違った事だし・・・僕は気にしていない。綾波が、誰にも言えない過
去を持っていそうなのは記録が抹消されていることかわかるけど・・・・・・ぼくは、何
が
あっても綾波の味方だよ。
もしかしたら・・・・綾波が人間じゃないかもって思ったことはあったけど・・・もしそ
う
でも僕はいい・・・
ぼくは、綾波レイという個人を好きになったんだから・・・・僕は、何が起きても綾波の
味方だからね・・・・・・気が向いたら話して」
「・・・・・・・・・・・・・ええ・・・・・・いつか・・・必ず・・・・・・・話すわ
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・・・・・・」
碇君!碇君が・・・・私を・・・・私の個人を好きだといってくれた・・・・碇君は・・
・・・何を
知っているの?
いえ・・・知っていてもいい・・・・碇君なら・・・・きっと私を捨てたりなんかしない
・・・・・
私は・・・碇君を死なせない・・・・碇君は・・・・私が守るもの・・・・・・
碇君は優しい・・・・・・大好き・・・・・・
「あら?今日は少し多いいわね、シンちゃんが頑張ったのかな?」
「いいえ、今日はほとんど綾波が作ったんです。僕は手伝っただけですよ」
急に扉が開いた。立っていたのは金髪。
「あら?それは楽しみね・・・・・レイの料理・・・」
「あら?どうしたのリツコ」
「いえね、司令にレイの様子を見て来いっていわれて・・・今まで逆らうことがなかっ
たからじゃない?」
「・・・・・・すみません赤木博士・・・・・・」
「あら?私は怒ってないわよ、レイの料理・・・食べてみようじゃないの」
ただ、シンジ仕込みと言うのがレイの料理を食べる理由らしい。
「・・・・・・美味しいわ・・・シンちゃんの料理と似ている・・・・・・」
「本当ね、美味しい・・・」
「ファーストも料理が得意なのね」
「私は・・・碇君に教えてもらっただけ・・・・・・」
結局は謙虚な綾波だった。
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-------------------------------------------------------------------------------(update 2000/11/12)
エヴァ
■2ndステージ■
第8話「マグマダイバー」
作・専務さま
------------------------------------------------------------------------------- 「浅間山で使徒が見つかったわ」
「で?どんな奴?」
アスカはやる気まんまんだ。
「それがね、まだ孵化してないの。さなぎよ」
「それで・・・どうするんですか?」
「シンジ君ならどうする?」
「・・・・・どう言う意味ですか?」
「なに、ただ意見を聞きたいだけよ」
リツコさん・・・・何かしようとしている。
「そうですね、殲滅します。何時孵化してもおかしくないので、倒した方がいいと思
います。
放っておいたり捕まえたりはしない方がいいと思います」
「それがね、司令命令で捕獲しにいくのよ。アスカに行ってもらうわ」
「え!?僕が行きますよ」
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「それも命令なの」
何考えているんだ?父さんは。
「何これ?普通のプラグスーツと変わらないじゃないの」
「いいえ、ちょっと反対側の手首のボタン押して」
プシュウ!
「いやぁぁぁぁ!ダルマじゃないの!」
「・・・・・・・・・まぁ・・・アスカ似合うわね」
「ミサト!うるさいわね!」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
僕は何も言えなかった。
言ったら殴られる事は判っていたから・・・・・・
「何よこの弐号機は!本当にダルマね!いい加減にしなさいよ!私やらない!」
「そ、じゃあクビね」
「え?」
「司令命令を無視したから当然でしょう?」
「あ、このぉぉぉ・・・・判ったわよ!乗ればいいんでしょう!乗れば!」
「そ、じゃあ行くわよ零号機、初号機は山頂で待機」
どうするものか・・・・・・アスカの援護しかないか・・・・・未来を読んだ援護・・・
・・・
怪しまれないかな?
でも・・・・・・僕にはこれしかできない・・・・・・
アスカも大事だもん。
浅間山
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「リツコさん、プラグナイフのつける場所・・・・変えた方がいいじゃないですか?」
「なんで?」
「だって・・・・」
「脚に括り付けるのが一番安全なのよ。何か不安でも?」
「いいえ・・・・・・」
熱と圧力で落ちるからなのに・・・・・・
リツコさんは直接と父さんと繋がっているから・・・・・言えない・・・・・・
「深度500」
「いないわね・・・」
「600」
「・・・・・・」
僕は精神を集中した。
アスカと使徒が近づいていく・・・・・・
僕は、ここでナイフを抜いて火口に投げた。
「弐号機のプラグナイフがロストしました!」
「シンジ君!アスカにプラグナイフを投げて!」
「初号機が・・・・30秒前にプラグナイフを投げています!」
みんなそろって驚愕の表情だ。
「どう言う事?」
「・・・・・・シンジ君・・・何考えているの?」
「使徒発見しました!」
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「プラグナイフはないわよ!アスカ!逃げて!」
僕のナイフがそろそろ届くはずだ・・・
「アスカ!ナイフを投げた!もう届くからそれを使って!」
「サンキューシンジ!」
アスカはナイフを取って使徒を切りつけようとするが,動きが鈍い。
「アスカ・・・・上に上げるわ!」
「口を開けた・・・・・この高温高圧の中で・・・・・」
「化け物ね・・・・」
僕は、この使徒が頑丈なを知っていた・・・
「アスカ!冷却液のパイプを切って使徒の口に入れろ!熱膨張だ!」
「わかったわよ!」
リツコさんが叫んだ。
「第三冷却パイプに全て回して!」
「・・・・・・・・・・・・・・・使徒・・・・パターン青消えました!」
「そう・・・巻き戻して!」
「・・・・・・ケーブルが・・・切れます!」
「何ですって?」
「使徒の攻撃できれかかっています!」
僕は、飛びこんだ。
これじゃあ前と変わらないよ・・・・・・
「アスカ!つかまって!」
「アンタバカァ?耐熱装備じゃなきゃ・・・・・・」
「いいから!早く!」
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アスカは、僕につかまって吊り上げられた。
ぼくは、体全身を触ると皮が剥けそうなくらいのやけどを負った。
使徒は倒された。
リツコさんに呼ばれるのはわかっていた・・・・・いいわけ・・・出来るかな?
「で?どう言う事?」
「いえ、落としてしまったんです。なんとなく装備したら勢いで飛んでしまって・・・・
そうしたら偶々・・・・・・」
「それを信じろと?」
「ええ、真実を言ったまでですから・・・・」
「そう、じゃあ直前に急激にシンクロ率が上がったのは何故?」
「え?そうだったんですか?気付きませんでしたよ」
「・・・・・・まあいいわ、帰ってよし」
怖いよ・・・睨みつけられて・・・・猫の目みたいに・・・・怖いよ・・・・・
リツコさんって化け猫みたいなんだ・・・・・時々そう言う目で見てくる・・・・・・
ミサトさんも疑りだしたみたいだし・・・・・・
あまり目立つ行動は避けようか?
-------------------------------------------------------------------------------(update 2000/11/12)
2rdステージ 九
~疑惑、困惑~
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「シンジ、アンタの偶然のおかげで助かったわ」
「あ、そうだね・・・・・・リツコさん怖いよ・・・・・・」
「搾られたみたいね。まぁ・・・アンタの偶然は恐ろしいから」
「助かったって言ったくせに・・・・・」
「碇君・・行きましょう」
「あ、行こう」
僕らは、温泉地に行った。
ネルフ 軽井沢仮設基地
「シンジ君・・・おかしいわね」
そう・・・・・・行動も・・・・・・体中火傷しているはずなのに・・・・・・
「・・・・・・考え過ぎじゃあ・・・無いわね・・・」
「私のレベルのIDでも彼の素性は知ってる通り・・・・・・」
「・・・・・アンタのIDって・・・・E計画の開発責任者だからって特別にレベル6なんでしょう?
」
「ええ・・・・司令も副指令も6よ・・・・・・」
「それでわからないなんて・・・・・どう言う事?」
そう・・・おかしいわ・・・司令も知らないなんて・・・・まさか・・・ゼーレが送ってきたの?
「よぉ!お二人さん!どうした暗い顔して!」
「シンジ君・・・・・スパイかも知れない・・・上層部の・・・・・」
「リツコ・・・上層部って司令?」
「違うわよ・・・・複雑だから説明しないけど・・・・さらに上があるの・・・・・・」
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それは違うな・・・だったら俺が情報を得ているはずだ・・・・彼はゼーレじゃない・・・日本政府
でもない・・・・・・
国連か?
そんなわけない・・・・
「もしスパイだったら・・・連絡を取っているはずだ。あの子達は監視がついているはず。
通信手段もMAGIが抑えているし、携帯も全然使ってなんだろ?」
「・・・・・・・・・そうなのよね・・・・・・」
彼には疑惑しか浮かばないわね・・・・・・
保護者のミサトでさえなにも気付いていないなんて・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・二人に聞いて見ましょう」
「アスカとレイか・・・・・・聞いてみよう」
温泉地
「シンジ!アンタは病院に行きなさいよ!」
当然だ。
「え・・・・でも・・・・・・」
「シンちゃん!デモもストライキもないわよ!あなたシンクロ率高いのに飛びこんだでし
ょう!」
「え?ええ・・・・・・でも・・・そっちでカットしてくれるかと思いまして・・・・・」
でも、カットし忘れていたようだ。
「・・・・・・そうね、ごめんなさい。とにかく、救急班に見せなさい!」
「はい」
全治二週間で治るらしい。
それも、ネルフの特製火傷用薬を塗って、打って、飲んでだ・・・・・・
あらためて見ると、体中が赤く水ぶくれみたいになっている。自分でもここまで歩いてき
たのだ不思議なくらいだった。
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「あなた達・・・温泉に来なさい」
「あ,言われなくても行くわよ。ちょっと待って」
二人は浴衣を着に行った。
でも、アスカもレイも着方がわからない。
結局はミサトに頼む始末となった。
温泉
「シンちゃんね、全治二週間だって」
「・・・・・・私のせいよね・・・・・・」
アスカは柄にも似合わず萎れている。
「いいえ、あれが得策よ。アスカが死ぬんだったら火傷してまで助ける方がいいとMAGIに
も出たそうよ」
「・・・・・でも・・・・」
MAGIもなかなか酷い事を出すらしい。
「いいから!それとね・・・・・・シンちゃん・・・・怪しい事してない?」
ミサトが本題に入った。
二人は「なんなのそれ?」っと言った表情でミサトを見る。
「はぁ?どう言う事?」
「っとね、夜中に出かけたり・・・・ネルフ以外の携帯持っていたり・・・・」
「いいえ、まぁ・・・・言うなれば・・・一人で考え事している時間が長いわね」
「一人で考え事?」
そう言えば・・・・・・そう言う事もあったわねぇ・・・・・・
「・・・・・ええ・・・・碇君は・・・前からそうでした・・・・一人でいる時は大体・・・・・・」
「で、ミサト、何でそんな事聞くの?」
「・・・・・・シンちゃんがどこかのスパイの可能性があるの・・・・・・行動がおかしいのよ・・・・戦
闘中が特に・・・」
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「でも・・・今日のは偶然よ」
「いいえ、今までのをまとめてよ・・・・・・第三使徒は、初戦だったから初心者の戦いだった
わ・・・
第四使徒は・・・・・・腹部を相手の鞭状の武器で貫かせ、肉を切らせて骨を絶つで行ったの
・・・
それは、後々考えたら一番いい戦い方だったわ・・・あの時は武器もほとんどなかったし
・・・・・・
第五使徒は、心拍や呼吸が正常だったのに、怖かったので慌てて打ってしまいましたとか
言って結果的には勝ったし・・・・
第六のアスカとのタンデムでも・・・どうやったかは知らないけど・・・全ての痛みを自分に集
めていた・・・
あの後消えたのは、腹部を縫合手術して入院していたの・・・・・・
第七は、撤退のタイミングもばっちりだったし・・・・踊りも始めから知っていたみたいにす
ごかったわ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・碇君・・・・だから・・・あの時いなかったの・・・」
「シンジ・・・私をかばって?入院したの・・・・・・・・・・」
ばらしてしまった。
これでシンジも後で怒られるだろう。
「彼はね、アスカでも痛くて叫びまわりそうな大怪我でも、明るく振舞って私達を心配さ
せないようにしていたわ・・・・・
どう考えても・・・普通の中学2年の行動とは思えない・・・・・・もしかしたら、明日にでも消
えているかもね」
その時、レイの顔色が変わった。
「碇君は私を捨てないと言った・・・・嘘はつかないわ」
「・・・・・・・そうね、そう言うやつじゃないわよ・・・・・・」
「・・・・・私もそう思うけど・・・・・・でもね、怪しい行動が・・・・」
「・・・・・・・・・・・今度の戦いで見ればいいじゃない・・・私はシンジを信じるわ」
「私も・・・・碇君を信じます・・・」
「私も信じたいけど・・・・・・あ、ビールが無くなったわ・・・・・・飲みたい・・・・・・」
怪しいのはお前だ!っと叫びたい気持ちで一杯だった二人は口を噤んだ。
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1週間後
「シンジ!来たわよ」
「碇君・・・大丈夫?」
と、聞くがレイは毎日学校が終わったら時間までシンジの隣に座っている。
しかし、ハーモニスクなどにはちゃんと出ているところがレイらしい。
ここは病院だ。
「あ、ごめんね、何時も何時も・・・・・・」
「で、火傷はどうなの?」
「あ・・・・・・まだ痛い・・・・・・寝返りも打てないもん・・・・・・背中に血がたまっちゃって・・・・・・
」
「どうしているの?」
「看護婦さんが裏返してくれるんだけど・・・・擦れて痛いんだ・・・・」
「私のせいね・・・・・ごめんね」
「いいよ、死んでいるわけじゃないから・・・・・それに慣れたしね」
そう・・・・・・怪我にはなれた・・・・・・いや、ただ事前に覚悟しているだけだ。痛い物は痛い。
「そ、私はこれから用事があるから帰るわ、じゃあね」
「うん、僕は後3日で退院だから・・・ご飯はごめんね」
「平気よ、レイが作ってくれているわ」
教えておいてよかった・・・・・・
そう言えば名前で呼び合っているんだな・・・・・・
3日後
退院した。
まだ皮膚に違和感があるけど・・・・・・
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実際の所、絶対安静と言われているのに動くのが悪いからしょうがないか・・・・・・
「あ、おはようトウジ、ケンスケ」
「お!センセ!火傷はどうや?」
「後、4日くらいで治るけど・・・退屈だから来たんだよ」
僕の皮膚は今も赤みを帯びている。
「でもな、シンジ!お前は幸せものだ!綾波と惣流さんのW看護を受けるなんて!」
最近、綾波の人気も出てきた。
綾波にとっては言い事だろうな・・・・・・
でも・・・・・・・ちょっと嫌かな?
僕は・・・・・・嫉妬しているのか?
「べ、べつに・・・・何をやってもらったってわけでもないし・・・・・・」
「ちっくしょう!カメラでも仕掛けておくんだった!」
ははは・・・ネルフが仕掛けているよ・・・・MAGIにハッキングして取れば?
無理だね・・・・・・
MAGIにハッキング出きるとしたら、各支部にあるMAGIのコピーだ。
それでも、リツコさんにかかれば食い止めてしまうだろう。
ネルフ本部には、凄い人ばかり集まっている気がする・・・・・・
2rdステージ 拾
~停電・害虫・探求
心~
「シンジ、どうして最近早くにネルフにくるの?」
マトリエル・・・・・・・・
甲羅付きクモ・・・・・・
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あいつって気持ち悪いよなぁ・・・
口から溶解液出しちゃってさ。
「別に、ただね・・・早くついて、向こうのやることが無かったら始まるのが早くなるじゃ
ないか。
そうすれば終わるのも早くなる」
「・・・・・・まぁ・・・そうかもね・・・」
アスカはIDカードを通しながら言う。
開かない・・・・・・遅かったか・・・・・・
「他の道を探そう!」
「へ?待ってればいいじゃない」
飽きれた・・・・アスカがそう言うとは・・・・
「アスカ・・・・ネルフが停電と言う事は・・・・・・しかも、少したっても緊急用に切り替わらな
いとしたらおかしくない?」
納得したようだ。
ネルフ
「どうしたの!」
みんながじっとリツコの方を見る。
「なによ!何もやってないわよ!」
確かに怪しいのはリツコだ。
「旧回線しか残っていません!」
「残った電力をドグマの維持にまわせ!他は後回しだ!」
「はい!」
「EVAは手動で準備する!」
電力は、ポジトロンライフルのバッテリーを使い、電力を少し確保してEVAは人力で
・・・・・・
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僕らは、空調ダクトから入った。
そこしか道は無い様だ・・・・・・
ほふく前進というより腹ばいの格好だ。
「まったく!乙女になんて格好させるのよ!シンジ!先に行きなさい!」
「な、何でだよ・・・・・・」
「アンタ・・・・・・もしかして私の・・・・覗く気?」
あ・・・・・・・叩かれる前に急いで潜りこんだ。
狭い・・・・・・
「で・・・・・・道はわかるの?」
「あ・・・・・・」
しまった・・・・・・忘れている・・・・・・
「綾波・・・・わからない?」
「何でレイに聞くのよ!」
「だって・・・・・・僕らより綾波の方がここに詳しいんだよ?」
レイが口を開いた。
「・・・・・・・・・・・右よ、ケージがそっちの方角・・・・・・」
恐ろしい・・・・・・
方向感覚が恐ろしく鋭いようだ・・・・・・
「じゃ、行こう」
そうして、綾波の言う通りに僕らは動いた。
アスカはちょっと不満そうだ。
そして、ケイジの真上に来た時・・・・・・
(落ちない・・・・・前は・・・・重量オーバーで落ちたんだっけな?
前と違うダクトなのかな?
どうしよう・・・・・・・
重量オーバー?)
ページ(87)
7.txt
「ここが真上よ・・・」
「・・・・・・二人とも前に来て・・・・・」
「なによ!何考えているの!」
「・・・・・・ジャンプして・・・・破るんだ」
愕然としていた。
ジャンプといっても、飛べるわけがない・・・・狭すぎるんだ・・・・
何度かベコベコやっていて、急にミシミシ言い出した。
ミシ・・・・・・ミシミシ・・・・・バコン!
がちゃ!ぼちゃん!
アスカと綾波は冷却液へと落ちた。
ぼくは、ギリギリ床にぶつかった。
何てついていないんだろう・・・・・・
「いててて・・・・・・」
「・・・・・シンジ君・・・・何やっているの?」
もはや、痛いと言う状態ではない・・・・・・
高さは、20何mあるのか・・・・・・確実に腕は折れているだろう・・・・・・
肋骨も、結構折れていて、ヒビも入っている。
頭を打たなかっただけいいだろう・・・・・・
打ってたらここにいないよ・・・・・・
今ごろ、あの世いき・・・・・・
外
ページ(88)
7.txt
「え~ただいま選挙活動中ではありますが・・・・化け物が出没しています!危険ですので急
いで逃げましょう!」
シゲルが、ネルフに向かっている所だ。
「あ!ちょっと!車借ります!」
強引過ぎるぞ・・・・・・
「こちらはネルフです!急いで指定のシェルターに移動してください!」
そのまま、ネルフに突っ込んでいった。
中
「で、シンジ君は医務室に運ばないと・・・・・・」
「いえ、乗ります」
驚いているよ・・・・・・
「あなたは・・・頭を打っているかも知れないのよ!」
「だって・・・・日向さんが言っていたじゃないですか、使徒が来たって」
「それでも・・・・二人で押さえればいいわ」
不安なんだ・・・・・・
二人では・・・・・・・殺されるかも知れない・・・・・・
「いいえ、僕の命より二人の命の方が大事です。それに、僕がでれば町の被害も減りま
す」
「あなたね、まず自分を考えなさいよ・・・・・・」
「いいんですよ・・・・脚は動くから自分で乗ります。これじゃあプラグスーツは着れないか
ら・・・・このまま乗ります」
とことん飽きれていた・・・・・・
「シンジ!大丈夫?」
「碇君!」
ページ(89)
7.txt
「大丈夫だよ、僕は先に乗っているから早く着替えてきて」
女子更衣室。
「レイ・・・・シンジ大怪我しているわ」
「ええ・・・・・・着替えられなほど・・・・・・」
「どうして止めなかったの?」
レイにはわかっていた。
シンジは硬い意思があってここまでやっているのだと・・・・・スパイならこんな事はしない
・・・・・・
「・・・・・・私ね、看護の資格を持っているの・・・・・あの腕の曲がり方とか見て・・・・びっくり
したわ・・・・・・
あれじゃあEVAに乗ること事態が自殺行為よ・・・・・・」
「ええ・・・・・・私にはとめられないわ・・・・・・・・・・・・碇君が・・・・・・・決めたことですもの
・・・・・・・」
レイ・・・・・あなたって本当にシンジを信じているのね・・・・・・
EVA内
「シンジ!大丈夫?」
「うん、大丈夫。よじ登って上がろう」
(シンジ君・・・・全然大丈夫じゃないじゃない・・・・・・)
リツコは、シンジの体をスキャンして、怪我の状態を調べていた。
左腕、肘と、手首を骨折。
右腕、肩周辺にヒビ。
助骨五本骨折3本にヒビ。
折れた助骨が肺の方に牙を剥いている。
脚は、左足に4個所のヒビ。
ページ(90)
7.txt
骨盤にもヒビ。
これほどの怪我で、よく気を失わない物だ・・・・・・
普通大人でも大声を上げて叫ぶだろう・・・・・・
シンジは、とてつもないほどの精神力の持ち主なのだろうとリツコは思った。
しかし、中ニで持てる精神力ではない。
余程鍛えた大人か、地獄を痛感し過ぎて鍛えられた物か・・・・・・
地獄を痛感・・・・・どう言う経験だろう?
どうしたらそうなるのだろう?
探求心旺盛に変化していくリツコだった。
地上
「クモ・・・・・・クモクモクモ・・・・・・」
「・・・・・・・・害虫・・・・排除するのが好ましい・・・・・・」
「は、はははは・・・・・・(息が・・・・しにくい・・・・・痛いよ・・・・・・)」
甲羅を背負ったクモだ。
僕が囮になって、二人が後ろから攻撃を仕掛ける。
その瞬間に僕も攻撃をして、コアを破壊。
溶解液も、ほとんど出されなかった。
ネルフ本部はまだ電力が回復していないらしい。
ぼくらは、余った電力で,隣待ちからケーブルをもって来てそれで電力を供給した。
大元の本部の電力は、それから2時間掛かって回復した。
「人為的な事故・・・」
「いえ、それは破壊工作よ」
「わぁっているわよ」
「そ、ならいいわ」
ミサトさんは、加持さんと仲良くキスしているところで救助された。
ページ(91)
7.txt
加持さんは、頬に綺麗に色づいた、今の日本では見られない紅葉を色づかせていた。
破壊工作以上にシンジに興味を抱いているリツコ。
入院するシンジの体組織や、脳内物質の分泌量などを調べる気満々・・・・・・
2rdステージ 拾壱
~悪魔の落下物、深ま
る疑惑~
あれから一ヶ月、衛星軌道上から使徒が現れた。
僕は、まだ完治していないけど・・・・・
あいつは最悪だからね・・・・・・・
倒すよ・・・・・・
ネルフ
「と言う使徒よ」
「最悪ね、ネルフが吹っ飛ぶなんて・・・」
「消えるんだよ」
「わかっているわよ!」
やっぱ怖いかも・・・
「この後シンジ君はちょっと来て」
ページ(92)
7.txt
「・・・・・はい」
なんだろう?
僕に話なんて・・・・・・
僕は、リツコさんに連れられ作戦会議室に入った。
「この使徒・・・シンジ君ならどうする?」
「・・・・・それも・・・意見として・・・ですか?」
「ええ、聞きたいわ」
ぼくは、怪しみながらも答えた。
「ポジトロンライフルも衛星軌道上には使えない・・・・・・届く武器が無いなら・・・・飛んでい
くか、落ちてきた所を、
したから抑えてコアに攻撃・・・・・・これしかないと思います」
「そうね・・・飛ぶって言ったってシャトルが無いわ・・・後者の作戦になるでしょうね・・・」
「意見じゃ・・・・無いんですか?」
リツコは目頭を抑えて言った。
「ええ、でも、MAGIの解答と同じ意見なの」
「そ,そうですか・・・・・・僕はもう行っていいですか?」
「ええ、どうぞ」
すごいわね・・・・・・シンジ君は一体何物なの?何時もいい作戦を立てているみたい・・・・・・
ミサトが言っていた、一人で考えこむって・・・・・・まさかね・・・死海文書を知っているわけ
ないわ・・・
じゃあ何で・・・・・・私の血が騒ぐなんて久しぶりね・・・
いえ、この前から騒ぎっぱなしよ・・・・・・
マッド赤木はシンジに科学的な情熱と探求心を見せた。
配置がすみ、クラウチングスタートの姿勢を取っている。
ページ(93)
7.txt
僕は、集中して直前に猛ダッシュをする体制に入っていた。
私は・・・シンジの事が気になる・・・スパイ?なんなのよ・・・・・・誰か答えてよ・・・・・・
ママがいたら・・・答えてくれるのかな?
ママ・・・・・・どうして死んじゃったの?私は見てもらいたかったのに・・・・・・
碇君・・・・・・私はあなたを信じます・・・スパイなんかじゃない。
私は、あなたを守ります。
私は、あなたを愛します。
私は・・・・・・人間じゃありません・・・・・・碇君・・・・・・私の呪縛を・・・取り除いてくれる?
碇君・・・・・・私の心を作ってくれた碇君・・・・・・
私はあなた無しでは生きていけない・・・あなたが死ぬなら私が変わりに死にます。
「行くわよ!三人とも頼むわ!」
「はい」
僕は走り出した。
一番遠く配置された初号機・・・・・・
父さんは南極にヤリを取りに行っている。
僕は・・・二人を守る・・・絶対に・・・
「アスカ!レイ!早くスタートしなさい!」
「あ、はい!」
「はい」
ふたりは、三秒遅れた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・駄目ね」
「・・・・・ええ・・・」
僕は、本気を出した。
ページ(94)
7.txt
二人が来るまで持たないといけない・・・
「初号機!シンクロ率が300行きます!」
「どう言う事?暴走?」
「いえ、異常はありません!」
「・・・・・・・・・どう言う事?」
ぼくは、目的地に着いた。
ATフィールドを展開して衝撃に備える。
「初号機のATフィールド、今までの最大より上です!三倍・・・4倍・・・・計測できません!
」
「どう言う事!」
「結界ね・・・・・・・恐ろしいわ。」
「初号機が?」
「シンジ君が・・・・・・」
僕一人でなんとか持ちそうだ。
5秒ほどで、二人が来た。
「二機とも侵入できません!」
「そんな!」
「中和していきます・・・・・・入りました!」
アスカが、ナイフを使徒のコアに突き刺す。
使徒は、大爆発して消えた。
電力は切れ、救助隊を待つ。
エントリープラグを外に出し、二人を確認する。
「オォ~イ!大丈夫?」
「大丈夫よ!あんたは!」
「大丈夫だよ!綾波!」
「碇君!」
ページ(95)
7.txt
無事なようだ。
そこに,救助ヘリが来た。
「シンちゃん!生きているわね?」
「勝手に殺さないでください。生きてますよ。怪我はまだ・・・・・・ですが・・・」
「よかった・・・・・・私ね・・・作戦部長なのにね・・・・・諦めちゃったの・・・二人が遅れた時に
・・・・・」
「私もよ・・・ごめんなさい・・・・でも・・・なんで出遅れたの?」
「・・・・・・考え事をしていて・・・すみません」
「すみません・・・わたしもそうです・・・・・」
「私達に謝らないでシンジ君に謝りなさい!」
「「ごめんなさい!」」
「いいよ・・・助かったんだからそれを喜ぼうよ」
つくづく二人は思った。
私達ならこの子達を許さない・・・きっとひどい事をするわよ・・・・
やっぱり・・・・大人びすぎているわ・・・・とても中学2年とは思えない・・・・・・
一体……何者なの?
ミサトはリツコの考えている事なんて知らない・・・・・・
「シンジ君、後で来なさい」
「はい」
「っと。司令から電話ね」
(よくやった・・・サードチルドレンはいるか?)
「はい、かわります!シンちゃん」
「はい?」
(シンジ・・・・・よくやった)
「それは初号機を守ったから?第三新東京市を守ったから?綾波を守ったから?」
(・・・・・・切る)
ページ(96)
7.txt
切れた。
父さんの慌てた顔が・・・目に浮かばないや・・・・・・
ネルフ
「で・・・・なんでしょうか?」
僕は、おどおどしながら聞いた。
「そうね、あなたは今日どれくらいシンクロ率が出てたかわかる?」
「そうですね・・・・いつもより・・・一体化した感じが強かったから・・・200~300でしょ
うか・・・・・・
凄いですね・・・初めてですよ・・・これが何時も出たら・・・」
「じゃあ・・・フィールドは?」
「さぁ・・・・・・わかりません」
「そうでしょうね・・・計器も使えないほどに強かったからね・・・・予想で、いつもの10
倍~20倍よ」
幅が広い・・・っと言ったら計器が使えなかったって言っだでしょ!っと怒られた。
「きょうは、ミサトの家でパーティーやるって言ってたわよ。ネルフを救った人達にね」
「あ・・・・・帰って料理作らないと・・・もういいですか?」
「ええ、いいわよ、シンジ君の料理・・・期待しているわよ」
確かに目が光っていた・・・猫のように・・・・・・
おかしいわね・・・・・・シンジ君は何も変わりない・・・一般中学生とたいして変わらないわ
・・・・・・
分泌量も普通・・・・・・・
怪我の治りも普通・・・・・・
タダ・・・・・・
精神力がずば抜けているのよ・・・・・・・
ページ(97)
7.txt
ミサト宅
みんな・・・リツコさんや、青葉さん、日向さん、マヤさんがきて、僕の作った夕食を食べ
て涙ぐんでいた。
マヤさんは、今度教えてくれと言ったくらいだ。
ミサトさんは,飲みまくって泥酔。
青葉さんと日向さんも、酔いつぶれていた。マヤさんは、酔った二人に迫られ逃げかえっ
た。
「シンジ君、私も帰るわ」
「あ、酔っていて大丈夫ですか?バス停まで送りましょうか?」
「・・・・・・そうね・・・・お願いするわ」
僕は、リツコさんを送りに行った。
「シンジ君、レイの事が好き?」
急に問い掛けて来た。
「え、ええ。大好きですよ」
「レイも好きだってさ・・・いいわよね・・・子供の初恋って・・・」
「リツコさんも・・・冬月副指令や父さんと一緒になっては?」
睨まれた。
「シンジ君、初恋は実らないものよ・・・・・・」
「どう言う事ですか?」
リツコはシンジを見ないで言った。
「それはね、秘密があるから・・・・・」
「加持さんは、女は秘密があるからいいんだって言ってますよ」
「あのバカ・・・・・・レイは特別なの・・・・・・普通の人間じゃないわ」
「人間じゃない・・・でしょう?なんとなくわかります・・・綾波に聞いた事があります。教え
てくれませんけど・・・・・・」
「・・・・・どうしてそう思うの?」
ページ(98)
7.txt
「だって・・・・・・EVAだって人造人間だし・・・ネルフの技術は凄いし、前まで父さんの言う事
は全て聞いていたし・・・・・・
父さんのために作られたって感じが・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・あなたは・・・・そのレイが嫌い?」
「いえ、僕は綾波レイという個人を好きになったんです。もし・・・違くても、僕の気持ち
は変わりません」
「・・・・・・・バスが来たわね・・・・・あなたは何者?」
「え?みんなが思っている通りですけど?」
「そ、じゃあね。夕食美味しかったわよ。今度来るから」
「はい、また明日・・・・・・」
この会話は、どう言う変かをもたらすのだろう?
リツコ宅
「あ、夜分すみません。赤木ですが・・・」
(何だ?問題でも起きたか?)
「いえ、シンジ君がレイの秘密を大体言い当てました。感でしょうが・・・・結構当てはまっ
ています」
(・・・・・・・嫌ったか?)
「いいえ、変わりなく好きだそうです」
(・・・・・・・問題無いだろう。レイもいざとなれば三人目を使う。)
「・・・・・そう・・ですか」
(問題無い)
プツッ!
と切れてしまった。
プー,プー,プー、プー・・・・・・
「司令・・・・・・」
2rdステージ 拾弐
ページ(99)
7.txt
~大暴露とそれに勝る
愛情~
1週間後
「シンジ君、今日は訓練が無いけど・・・ちょっと来て」
「はいわかりました」
学校に行く途中に、リツコさんに車の中から言われた。
「碇君・・・・・なにかやったの?」
「え?なにも?」
「ほんとうぉ?シンジこのとだからわからないわよ」
「何でだよ!僕が問題児と言うの?」
「ネルフではね、アンタはいろんな意味で問題児よ。シンクロ率高いし、強いし」
そう言う意味か・・・っと
自分で納得してしまった。
「センセ!どないした?暗いで!」
「ちょっとね・・・大変な事がね・・・」
「どないした?」
「・・・・・・ちょっと呼び出し食らって・・・」
「だれにや?」
判らないもんな・・・・・・化け猫だって・・・・・・
アスカ達も行くって言い出したけど・・・・・・一応僕だけだったから・・・・・・
午後 ネルフ
ページ(100)
7.txt
「今日は司令も副指令も出かけているの」
「そう・・・ですか。それで・・・・・・」
「ちょっと来て」
ぼくは、リツコさんに連れられターミナルドグマへと下りて行った。
「・・・・・・どこに行くんですか?」
「・・・・・あなたならわかると思うわ・・・」
「・・・・・・僕は何も知りませんよ・・・」
「いえ・・・きっとあなたは何か知っているわ・・・・・・」
リツコの目が妖しく、不気味に光った。
「そんな・・・・・・僕はただ・・・・・・」
「ただの中学生だとでも言うの?嘘おっしゃい!」
そして、綾波の部屋に僕は来た。
いや、培養場とでも言うか・・・・・・
「・・・・・・」
「さすがのシンジ君もショックを隠せないわね」
そうだよ・・・2回目でもさすがに堪える・・・
「・・・・・・で、このスペアを壊すのですか?」
「あら?やっぱり知っているみたいね」
「で?」
「そうね、壊すわ」
・・・・・・それで、また監禁されるのかな?
「・・・・・・三人目は出さないですみましたね・・・・・・よかった・・・」
「!!!!!!!」
さすがに驚いたか・・・・・・
ページ(101)
7.txt
当然だね、ネルフでもトップしか知らない機密だもの。
「僕は絶対にこの世界を救って見せますよ。見ていてください」
そこに、二人現れた。
加持さんは予想できた。
ただ・・・・・・綾波は予想できなかった。
「・・・・・・加持さんが呼んだんですね?これがスパイのやることですか?好奇心でやって言
い事と悪い事がありますよ」
ビクンと肩が震え、微笑を無くした加持さんなんて見たことあったかな?
「・・・・・・君は何者だ?」
「・・・・・・世界を救う者です・・・・・・今はそれしか言えません・・・すみません・・・」
「いかりくん・・・・・・・いかりくん・・・・・・・・」
綾波は、不安なのか僕の名前を口にするだけだ。
「綾波・・・・・・僕は知っていて君を好きになったんだ・・・・安心して」
綾波は、俯いて今までに無いくらい悲しそうな顔をしてたたずんでいた。
僕は、ギュッと抱きしめた。
「・・・・・・僕のことは父さんや副指令に言わないでください・・・僕を敵に回さないように
・・・・・・」
「・・・・・・君の言う事は・・・信じられるのか?」
「・・・・・・・・・・・加持さん・・・僕は、ミサトさんの泣いている姿を見たくありません・・・しっ
かりと・・・・捕まえてください・・・
後は・・・アルバイトも辞めてください・・・・・・言っておきますが,同業者じゃありませんよ。
ただの中学生ですよ」
「葛城?・・・・・・・・・・どう言う事だ?」
「いえ・・・・・・・ただ、加持さんがゼーレに殺されないようにと・・・・・・・人が悲しむのを見た
くないだけです・・・・」
みんな信じられていないようだった。
ページ(102)
7.txt
「信じられませんね・・・・・いいですよ信じなくて。ただね、敵に回すような事はしないで
ください。
僕と綾波だけで世界を壊す事は可能ですから。初号機の力を使えば本部だって・・・・」
「・・・・・・・わかった。俺が誓おう。いいな、誰かに漏らしたら俺がそいつもろとも殺して
やる」
「・・・・わかったわ、司令には言わない・・・MAGIの記録も消しておくわ」
「ありがとうございます」
しっかりとシンジを見据えながらリツコが言った。
「・・・・・・あなたは・・・何者?」
「言えません。全てが終わる時・・・・言います」
僕は、少し計画が早まったが、やることはやった。
これで幾分やりやすくなっただろう。
しかし・・・・・・リツコさんは危険だな・・・・・・・
「綾波・・・ごめんね、今まで黙ってて」
「・・・・・わたしも・・・ごめんなさい・・・」
「いいんだ、綾波は、父さんとの絆が切れないか心配だったから逆らえなかった。
僕との絆が切れるのが怖くて言えなかった・・・・・・大丈夫、僕は君が大好きだよ」
「いかりくん!わたしは死んでも・・・貴方を絶対に殺させない・・・・・・死なせない・・・・」
「・・・・・・ありがとう、綾波はね、スペアが壊れなかったけど・・・・いつリツコさんに壊され
るかわからない・・・・・・
だから・・・体には気をつけて・・・・僕が守ってあげる」
「・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・」
「綾波はね、確かに母さんとリリスのクローンさ、でもね、もう綾波レイと言う人格があ
る。
確かな人間なんだ・・・だから・・・・頑張って生きて欲しい・・・・僕のために・・・・死なないで
・・・・
僕を助けるためにも死なないで・・・・・・お願いだよ」
「・・・・・・・・・・・わかったわ・・・・・」
ページ(103)
7.txt
レイ宅
「綾波の部屋入るのって・・・久しぶりだな・・・」
「上がって・・・」
「お邪魔します」
「ねぇ碇君・・・さっきの話・・・」
「ちょっと待って」
僕は、綾波の耳元に行って話し掛けた。
「ここは監視されているんだよ。目と耳が沢山あるんだ。ここでその話は出来ないよ」
「そう・・・わかったわ。私の部屋に行きましょう」
「いや、今日はアスカもミサトさんも遅いから僕の部屋にしよう」
そうして、僕の部屋に来た。
「一応、個人の部屋は監視されていないんだ。綾波の部屋はわからないけど・・・・・・」
「そう・・・・ね・・・・」
「僕の正体は言えないよ。ただね、僕は父さんを許さない。それだけさ」
「・・・・・・私は・・・私の存在は許してくれるの?」
「うん、僕の人生には君は必要なんだ。僕の大好きな綾波レイは」
綾波は、また僕に抱き着いてきた。
そのまま、綾波に押されたベッドに倒れこんだ。
そのまま,気持ちよくて寝てしまった。
「シンジ!いるなら返事しなさいよ!」
アスカが帰ってきた。
怒鳴り散らしながら部屋に入って来る。
そして、状況を確認してから、奇声とも思える声で怒鳴った。
ページ(104)
7.txt
「レイ!アンタ何やっているのよ!シンジも早く起きなさい!」
僕は、まだ、眼が覚めていないのでよくわからないでアスカを見ている。
「ちょっと!早く起きなさい」
「・・・・・・・・・あ、アスカ・・・・・・・・・・おはよぉ・・・・・ヘブシッ!」
見事な回し蹴りが顔面に決まった。
「あ・・・・・・今日は・・・白・・・・・・」
さらに決まった。
鼻血を垂らしながら、部屋の壁にぶつかって気を失う。
「・・・・・・・・・・・いかりくん・・・・・・・・・」
「レイ!アンタ何やっているのよ!」
「・・・・・・・・・・・いかりくん・・・・・・・・」
すでにアスカの声は聞こえていない。
さらに苛立ってきて、気絶しているシンジに蹴りを入れる。
「シンジ!なんとか言いなさいよ!」
「・・・・・・・・・・いかりくんに・・・・・・何するの?・・・・・・・・・・」
「蹴っているのよ!見ればわかるでしょう!」
目の色が濃くなった。
真っ赤な目でアスカを睨むレイ。
「な、なによ!」
「・・・・・・・・・いかりくんに・・・・・・・・暴力を振らないで・・・・・・・・・・・」
「あ・・・・・・・・」
アスカは、今の状態をようやく把握できた。
今まで、理性を半分失いシンジの腹に蹴りを入れていたのだ。
ページ(105)
7.txt
「いかりくん・・・・・・・大丈夫?」
「う・・・・・・・ぅぅぅ・・・・・・・あ・・・・・・・・アスカが・・・・・・・・・赤鬼に見えた・・・・・・」
追い討ちを2発食らわしアスカはリビングに行った。
「痛いなぁ・・・・・」
「・・・・・・いかりくん・・・・・・・・・いかりくん・・・・・・・・・」
「大丈夫だよ・・・・・痛いけど・・・・・・」
リビングに行って事情を説明したが、火に油を注ぐ形になってしなった。
もし、そこにミサトが帰ってこなかったら恐ろしいことになっていただろう。
「あっれ~?どったの?」
アスカはミサトをにらんでいる。
「シンジが悪いのよ!」
「へ?」
(あらあら・・・・・シンちゃんって鈍感もいい所ね・・・・・・・
シンちゃんはレイが好き。
アスカはシンちゃんが好き、認めてないけど・・・・・・
レイはシンちゃんが好き、
シンちゃんは、恋愛感情は抱いていないけどアスカは結構好きってところかな?)
なかなか鋭いミサトは三人を止めることにした。
「あっらぁ?アスカはシンちゃんが好きだから嫉妬しているのよねぇ」
アスカはテーブルを「ドン!」と叩いてミサトを睨んだ。
「誰がこんな鈍感男を!」
「あら?何に対して鈍感なの?」
「あ・・・・・・・・とにかくいいでしょ!」
ページ(106)
7.txt
説得力がない。
シンジはと言うと、レイとじゃれている。
「うがぁぁぁぁぁぁ!とにかく話しているときは聞きなさい!」
「へ?あ、ああ・・・・そうだよね、で・・・・・・・何の話?」
ミサトとアスカはずっこけた。
シンジはしょうがないので夕食の準備を始めた。
夜のネルフ
「司令・・・・・・すみませんでした」
「・・・・・・・・・あいつは・・・・・・・何者だ?」
リツコとゲンドウ。
怖い組み合わせだ。
「・・・・・・・・・・・別にあれを見せたからと言って何も変わりはせんだろう・・・・・・」
「すみません・・・・・・・しかし・・・・・シンジ君は・・・・・・」
「・・・・・・・・・奴のデータを洗いなおせ・・・・・・学校の行事も全てだ・・・・・・監視カメラに写っ
たものも調べなおせ」
「ハイ・・・・・・」
「レイとは・・・・今度私が話す・・・・・」
ミサト宅
ページ(107)
7.txt
「で・・・・・・・リツコ・・・・今日変だったのよ・・・・・・」
「へ?」
急に話題が180゚変わったので慌てるシンジ。
「それがね、さっき見た時は考え事をしているようにも見えたし・・・・・・思いつめているよ
うにも・・・・・・」
綾波の事だろう・・・・・・
だとしたら・・・・・・父さんに話されるのではないか?
2rdステージ
~不安・逃避~
翌日
(レイ、今日はネルフに来い。話がある)
「・・・・・・・・ハイ・・・・・・」
綾波が父さんに呼ばれてネルフに行った。
僕が付いて行こうかと言ったけど、綾波は自分で話しを付けると言っていた。
実際それは無理だろう・・・・・・
僕は不安だった。
綾波が父さんに壊されないか・・・・・
やっぱり無理にでも付いて行った方がよかったかな?
わからないや・・・・・
いや、わかるけど・・・・・・・・
ページ(108)
7.txt
司令室
「レイ、シンジの事が好きか?」
「・・・・・・・・ハイ・・・・・・」
薄暗い部屋で、副指令がいなく、二人で話している。
「シンジもそうだと言っていたがな・・・・・・あいつは信じられない・・・・」
「いいえ」
即答だった。
「あいつには謎な部分が多過ぎる、信じられる方がおかしい」
「・・・・・・・私は・・・・・・・信じます・・・」
「・・・・・・・・・・本当にシンジがお前のことを好きだと思っているのか?それは上辺だけだ。
あいつは騙しているのだ」
黙りこんでしまった。
「・・・・・・お前には失望した・・・・・・」
ビクンと肩が震えた。
「シンジが、もし本当にお前が好きだといしても、お前は迷惑になるだけだ。
お前は結局クローンなんだ。事実は隠し通せまい・・・・・・お前が社会に出てはいかんのだ。
結局は、ネルフで一生を終える」
黙って下を向いてしまった。
(これがレイか・・・・・余計な事をしてくれたなシンジ・・・・・・)
「レイ、お前は私から離れられないのだ。お前は、時期が来れば、生理も来るかもしれ
ん。
しかし、お前の力は無くならん。世間で、化け物と呼ばれてお前は非難されるだろう。シ
ンジも当然非難される」
私・・・・・・・どうすればいいの?
いかりくん・・・・・・・私は・・・・・邪魔?
私を本当に好きなの?
アスカの方が・・・・・幸せよね・・・・・・普通の人間ですもの・・・・・・
ページ(109)
7.txt
でも・・・・・・寂しい・・・・・・
私は・・・・・もう・・・・かえれない・・・・・・・
私を・・・・・・
私が・・・・帰る場所は・・・・何処?
私は・・・・ネルフの実験動物?
私は・・・・・司令のおもちゃ?
私は・・・・・世界を破滅させるもの・・・・・・
サードインパクトを引き起こすカギ・・・・・・
私がいたら・・・・いかりくんは迷惑・・・・・・
私は・・・・・ネルフに一人でいたくない・・・・・・
私は・・・・・逃げるの?
そう・・・・・逃げるわ・・・・・私には監視がついていない・・・・・・
私には・・・・力が使える・・・・・・逃げられる・・・・・・
逃げて・・・・・いいの?
・・・・・・わからない・・・・・・
碇君が迷惑しないなら・・・・
私は消える・・・・・・
他の私を壊して・・・・自分も死ぬ?
そう・・・・死んだ方がいいわね・・・・・・
そうすれば・・・・・・カギは消える・・・・・
後は・・・いかりくんが・・・・・世界を救ってくれる・・・・・・
いかりくん、私は・・・・迷惑ですか?
私は・・・・・消えます・・・・
私は・・・・死にます・・・・
私は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうすればいいの?
タップリ10分レイは考えこんでいた。
ページ(110)
7.txt
「・・・・・・お前は結果的に人類の敵なのだ。おまえを愛する者など居らん」
「・・・・・・・・・・・・ハイ・・・・・・・・」
「わかったな?」
「・・・・・・・・・・・・・ハイ・・・・・」
(よし・・・・・これで計画が進められる・・・・・10%も遅れているからな・・・・・・)
「これから実験に参加しろ」
「いいえ・・・・いかりくんに迷惑になります・・・・・・参加しません・・・・・・」
「なに!?」
「・・・・失礼します」
レイは外に出た。
培養場に行こうとしたが、自分を見るのが怖い・・・・
自分の本当の姿を醸し出しているように見えるので、見られないのだ。
リニアで、いろいろまわった。
京都、大阪、鹿児島。秋田、北海道・・・・・・・・
「ミサトさん、綾波が帰ってないのですが・・・・・・」
「それがね・・・・どうも、消えたらしいの。何かあったのかしら?リニアに乗ったところま
でしかわからないわ」
リニア?
一体どう言う事だ?
なにか・・・・・・あったのか?
綾波・・・・・・・・
ページ(111)
7.txt
「捜索隊は出てるわ。ただ、かなり多くの場所をまわっているらしくて捕まらないの
・・・・・・」
僕が・・・・一緒に行けばよかった・・・・・・
綾波・・・・・何を言われたんだ?
どうして・・・・・・
「綾波は・・・・父さんに話があると呼ばれたんです・・・・・・きっと・・・・変なことを言われて
・・・・・・」
「・・・・・・・まさか・・・ね・・・・・・」
どうすれば・・・
母さん・・・・・
母さんならどうする?
探す?
何処を?
どうやって?
僕は・・・・・・・
僕は無力だ・・・・・・・
いくら体を張って頑張ってみても・・・・・・無力なんだ・・・・・・
僕は・・・・・・・・・・・・・・どうすればいいの?
タダ・・・・綾波を信じて帰ってくるのを待った方がいいの?
わからない・・・・・
わからないよ・・・・・・
どうすれば・・・・いいの?
「あら?どうしたのシンジ」
「・・・・・・ミサトさんに聞いて・・・・・・」
アスカは、ミサトさんに状況を聞いたみたいだった。
ページ(112)
7.txt
(レイがいない・・・・・シンジを・・・奪うか?・・・・・・気が引けるわ・・・・・・・だめね・・・私・・・・・・
)
翌日
司令室
「そうか、見つかったか・・・・・まさか、沖縄にいるとはな・・・・・・ダミーにいろいろな所で
カードを使って・・・・」
「碇、どうするのだ?」
「そうだな・・・・・やりたくなかったが・・・・記憶を消すか?」
「・・・・・・EVAに乗れなくなるかもしれん、記憶を消すのは・・・・・・・・」
「そうだな・・・・・・とにかく、逃亡の罪で投獄だ。そうすれば逃げられん」
「・・・・・・鬼になったな・・・・・・」
「お褒めの言葉と思っておこう・・・」
特A犯罪者用監獄
「いかりくん・・・・・・・・・・」
もう一度
「いかりくん・・・・・・・・・・」
顔をふせて体育座りのレイ。
シンジには、怒られるだろうか?
悲しまれるだろうか?
捨てられるだろうか・・・・・・
レイは、不安で一杯だった。
自宅
ページ(113)
7.txt
「シンちゃん、見つかったわよ」
「で・・・・何処にいるんですか?」
「・・・・・・・・あなたじゃ入れないわ・・・・・・投獄されているの・・・・・・特A用に・・・・・・」
「父さんだな・・・・・・・・」
「でもなんで・・・・・特Aなの?しかも、予定では1ヶ月以上そこに監禁と言う・・・・・・」
最悪だ・・・・
今日はハーモニスクとシンクロがある。
話してみるか・・・・・・・
でも、よく僕の耳にこの話しが入ったな・・・・・
父さんなら隠すと思っていた・・・・・・
ネルフ
「シンジ君、シンクロテストからね」
「ハイ・・・・・」
ぼくは、見せしめにいつもより集中した。
多分・・・・・・100%を超えるだろう・・・・・・
「・・・・・・・・ついに本気を出したわね・・・・・・」
「どう言う事?リツコ」
「何でも無いわ・・・・・・」
僕は、リツコさんと話してみた。
「リツコさん・・・・嘘吐きですね・・・・・・・」
「何のことかしら?」
「・・・・・・・・怒りましたよ・・・・・・」
ページ(114)
7.txt
さらに、怒りを混ぜて集中した。
「・・・・・シンクロ率・・・・156%で安定・・・・・・・」
「シンちゃん・・・何者?どう言う事リツコ」
「・・・・・・・わからないわ・・・・・・・」
これくらいでいいだろうか?
それとも・・・・もっとか?
今度は確か・・・1週間後ぐらいだったかな?
イロウル・・・・・ナノマシーン・・・・・
よくわからない使徒だ・・・・・・
綾波は・・・・もしかしたらあそこにいたほうが安全かもしれない・・・・・
僕は、テストが終わったてから、司令室に行った。
父さんは、すんなり通してくれた。
「で、綾波に何を言ったの?」
「知らんな」
「そんな嘘が通じると思う?」
「さあな」
こんな会話が続いてしまった・・・・・・
「シンジ、お前は何者だ?」
「さぁ?自分でもわからないんだ・・・・・・でも、これからどうすればいいのか・・・それはわ
かる気がする」
「で、どうする?シンジ君」
ここに来て、初めて副指令が口を開いた。
ページ(115)
7.txt
「・・・・・・・・綾波を・・・・助けたいのですが・・・・・あの状態では無理でしょう・・・・多分・・・1週
間後には出るでしょうが・・・・」
首を傾げていた。
父さんは本当に一ヶ月出さないつもりなのかな?
酷いよ・・・・・人間のやることではない・・・・・・・
もしかして・・・・・もう手に・・・・・・・・・・
カヲル君・・・・・・助けてよ・・・・・・・・・・
僕は・・・・・・・どうすればいいの?
「話しはそれだけだな?では、出ていけ」
むかついた・・・・・
はっきりいってむかついた・・・・・・
僕は・・・・所詮何も出来ないのか?
2rdステージ 拾三
~迫り来る危機~
「シンちゃん、今日の結果はどう言う事なの?」
「さぁ・・・・ちょっと怒ったらああなったんです」
恐ろしいわね・・・・・・・
あれがシンちゃんの実力だとしたら・・・・・・怖いわよ・・・・・・
「あれ?シンジ・・・いたの?」
ページ(116)
7.txt
「うん、どうしたの?」
「いえ・・・・・どうしたらあんな・・・・結果が出るのかなって・・・」
アスカも知りたいのか・・・・・・
「まさか、機体が違うとかは無いだろうし・・・・・」
「・・・・・初号機と弐号機はまったく違うよ・・・・・・基本が違うんだ・・・・・・」
「へ?だから・・・・あんな結果が出るの?ばっかじゃない!だったらテストタイプより
・・・・・・」
「そう言う問題じゃないんだ・・・・・・もし、アスカと僕がシンクロ率同じで戦っても僕は絶
対に勝てるよ・・・・・・」
「どう言う事よ!説明しなさい!」
「・・・・・・・・・今は無理だね・・・・・ごめん・・・・・・」
「え?シンジ!」
僕は、その場で倒れた。
ちょっと体が熱っぽいかと思ったけど・・・・・・
ぼくは、ネルフの病院に運ばれた。
病院
「で!シンジは・・・・」
「過労です」
「え?過労って・・・・・・・」
アスカには、理解できなかった。
自分が見ている限りでは、ちゃんと人並みに休養を取っているように見えたからだ。
そこに、検査結果を調べていたリツコが来た。
「そうね、過労といっても、精神的なものよ」
当たり前ね・・・・・あんな精神力普通じゃないもの・・・・倒れなかったらおかしいわよ・・・・・・
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7.txt
病室
「・・・・・調べたけど・・・・彼は深い眠りをほとんでしていないわ」
「どう言う事?リツコ」
「眠りには、レム睡眠と、ノンレム睡眠と言うのが交互に起こっているの。
これは、眠りの深さなんだけど・・・・・・シンジ君の場合は、浅い眠りが多すぎるのよ。
しかも、大怪我した時もそうだったみたい・・・・・・疲労が取れても頭が起きているから精神
的なものは取れないのね」
三人で愕然としていた。
普通、体のサイクルなので、そうなる事は無いのだ。
「多分・・・・・・よっぽど、酷いショックなんか受けたんじゃない?
それで、サイクルが変わった・・・・・・でも、命に関わる事よ」
「・・・・・・治るの?」
「・・・・・いいえ、これは、精神的な問題。彼が、安心して眠りにつくことが出来たら・・・・
もしかしたら治るかも・・・・・」
「やっぱり・・・・レイかしら?」
ミサトにとっては当然の考え方である。
「いいえ、多分・・・・こっちに来てからずっとよ。よく今まで持ったわよ・・・・・・・もったは
やく倒れてもおかしくないわ」
「・・・・・・・・・・シンちゃんって・・・・何者なのかしら?」
その日に、三人はシンジに今までにない不信感を持った。
1週間後
ページ(118)
7.txt
「アスカ、あなた一人だけど・・・・・・まぁ頑張ってね」
この日は、裸でエントリーしている。
レイは、まだ出てきていない。
シンジは入院中。
実験開始から、10分後。
他の場所
「淡白壁が劣化しています」
「そうか、早急に対処しろ」
「はい」
しかし、劣化は止まらなかった。
どんどん広がっていった。
「・・・・・汚染している?どう言うこと?」
誰かが壁に発砲したけれども、拒まれた。
「ATフィールド・・・・使徒?」
「・・・・わからないわ・・・・・」
メキオールが、ハッキングされた。
すでに、第十一使徒として、認識されている。
「レイを開放!急げ!」
(まさかな・・・・シンジが言った事はこれだったのか?しかし・・・・死海文書にはない・・・・・・
)
ハッキングは、どうにか進行を遅められた。
ページ(119)
7.txt
「・・・・・シンジ君は・・・・病院ね?」
「え、ええ・・・・・」
リツコがシンジの病室に来た。
「起きているわね?」
「ええ、どうしましたか?」
「・・・・・知っているようね、どうすればいいと思う?」
「・・・・・・・・・・アスカがまだ乗っていますね?初号機は地上に出ていると思うし・・・・・・・・・
」
「・・・・・・お見通しね」
「さぁ?知りませんよ」
「・・・・増殖して増えているわ・・・・それに、進化していっているみたい・・・・・・」
結構困っているみたいだ・・・・・
「リツコさん、進化を続けると・・・・どうなりますか?」
「・・・・・最終的には・・・・死よ」
「それが答えです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・進化促進プログラムを・・・・・・・ありがとう・・・・・・」
「・・・・僕の事はほうっておいてください・・・・これから大変になるでしょうし・・・・・・・・・」
ネルフ
「マヤ!内部に行くわよ!」
「はい?どう言う事ですか?」
「内部からMAGIにアクセスするの!その方が早いわ!」
ページ(120)
7.txt
内部
「母さん・・・・バカ・・・恥ずかしいじゃないの・・・・」
<碇のバカ>
確かに恥ずかしい・・・・・・
「これって凄いですね、裏コードが・・・・・・」
「驚いている場合じゃないわ・・・・・早く」
「はい!」
こうして、使徒の進行は止められた。
しかし、本当に殲滅したかは定かではない。
リツコは、シンジに対してさらに興味を抱いた。
あれだけ、判っているなんて・・・・普通じゃないからだ。
シンジは、それから4日後に退院した。
ネルフ
「碇司令、シンジ君ですが・・・・・・これと言って妖しい場面や行動はありません」
前に頼まれた物の結果発表だ。
「・・・・・・場面はあるだろう・・・・・・」
「あ、ネルフではそうですが・・・・・・普通の中学校生活を送っています」
「・・・・・・・おかしいな・・・・・・スパイなら・・・・連絡を取り合うはずだ・・・・・・
しかも、死海文書に無い使徒を予測していた・・・・・・・」
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7.txt
「はい、そこがわからないのです。MAGIで調べても判りませんでした」
「・・・・・・・・・老人達の反応を見てみよう・・・・反応があればゼーレのスパイと思ったほうが
いい」
そこに、もう一人来た。
「加持ですが・・・入りますよぉ」
「・・・・入れ」
いまいち緊張感が無い・・・・・・
「シンジ君ですがね、彼はただの中学生です。やってるとしたら、単独です」
「何故わかる?」
「まぁ・・・司令達ならわかっていると思いますが・・・・私と同じなら私がわかりますから
ね」
「・・・・・・・・・・・そうか、わかった・・・・・・サードの監視を通常の5倍に引き上げる」
「はい」
しかし、シンジは・・・・・・・・何処の組織の者なのだ?
わからん・・・・・
あいつを預けていた所でも怪しい動きは無かったらしいし・・・・・・
私がシンジを恐れているのか?
私は・・・・・
自宅
ページ(122)
7.txt
「ただいま」
「お帰りシンジ」
綾波は帰ってなかった。
「レイはね、ミサトが言うには帰ってきたくないんだって。ネルフで個室を取っている
わ」
「・・・・・・・・そう・・・・・・わかったよ・・・・・・」
ショックだ・・・・・綾波が帰りたくないなんて・・・・・・
どうしてだ?
僕がなにか悪い事でもしたの?
それとも父さんが・・・・・・
わからないよ・・・・・・
わからない・・・・・・
どうして帰りたくないんだよ・・・・・・
綾波の帰ってくるところはここなのに・・・・・・
僕は・・・・・・無力なのか?
今行っても・・・綾波に拒絶されるかな?
わからない・・・・・・・
「・・・・・ネルフに行ってくるよ」
「レイの所?」
「うん・・・・放っておけないよ・・・・・・」
シンジ・・・・・・私じゃだめなの?
レイがいいの?
そりゃ・・・・私はEVAしかないけど・・・・・
家事・・・・教えてもらおうかな・・・・・・
でも・・・・・・・恥ずかしいな・・・・・・
私が好きだと認識し始めて・・・・・・1ヶ月かな?
ページ(123)
7.txt
ふふふ・・・・鈍感シンジだから気付いてないかな?
ミサトは・・・・気付いているわね・・・・・・
あいつがシンジに言ったら・・・・どうしよう・・・・・・
素直に・・・・言おうかな?
誤魔化すかな?
レイなら・・・・・素直にいうだろうな・・・・・・
羨ましいなそんな性格・・・・・・
私には・・・・・真似できないよ・・・・・・
心の中では結構素直になってきたアスカ。
2rdステージ 拾四
~僕の不安~
僕は、ネルフに来た。
入りにくいよ・・・・
いつも普通に入っているのに・・・・・・
綾波・・・・・どうしてあんなこと・・・・・・
父さんが綾波に迷いを作っているのかな?
だとしたら許せないよ・・・・・
でも・・・・何も出来ない・・・・・
今はまだ・・・・・・我慢しか出来ない・・・・・
ネルフ内居住区
「綾波・・・・いる?」
いかりくん・・・・・・
いかりくんだ・・・・・・
ページ(124)
7.txt
でも・・・・会えない・・・・・
私はいかりくんを不幸にする・・・・・・
帰りたい・・・・・
でも・・・・いかりくんが迷惑するのなら・・・・・帰らない・・・・・・
いかりくん・・・・・・・何で来たの?
わたしは・・・・・・いかりくんが・・・・・・幸せになって欲しい・・・・・・
「綾波!開けてよ!」
「・・・・・・・ごめんなさい・・・・・」
「綾波!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「綾波・・・・・・」
僕にはなにも出来なかった。
なにも・・・・・・
これほどまでに無力とは・・・・・・
自分を呪うよ・・・・・・
僕は、泣きたい気持ちを押さえながら家に帰った。
家ではアスカとミサトさんが待っていた。
もう、6時半だった・・・・・・
「シンジ、ご飯・・・・・」
「あ、ごめん・・・今から作るよ・・・・・・」
「シンちゃん・・・・どうだった?」
「・・・・・・・・・・・会ってくれませんでした・・・」
「・・・・・・」
二人は僕を見ている・・・・・・
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7.txt
僕は・・・・我慢していた物が出てきそうになっていた。
でも・・・・ここでは・・・・・・
「僕は・・・・・今日ほど自分の無力を呪った事はありません・・・・・・綾波は・・・・また、心を閉
ざしてしまうかも・・・・・・」
「・・・・・・シンちゃん・・・・・・・・・」
「シンジ・・・・・・・」
「あ、ごめん・・・・夕食だったね・・・・・・」
僕は、泣くのをこらえて夕食を作り始めた。
綾波は・・・・・・・・どうして・・・・・・・・・
心を閉ざす前に・・・・・・もう1度・・・・・会いたいよ・・・・・・
「はい・・・・運んで」
「ええ・・・・・シンジ・・・我慢しないで・・・・・」
「・・・・・・・・・・・うん・・・・・」
アスカの言葉が女神の言葉のように思えた。
そして、その微笑みも・・・・・・
「ごめん・・・・大丈夫・・・・・・」
ぼくは、夕食を食べて、洗ったらすぐに部屋に篭った。
「シンジ・・・・・入るよ」
「・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・」
アスカが入ってきた。
手にはビールを持っている。
「・・・・たまにはアンタも飲みなさい。特にイヤな事があったときは・・・・」
「・・・・・・でも・・・・・」
ページ(126)
7.txt
「アンタね、精神疲労で倒れるほど無理しているんだから、気を抜きなさい」
「・・・・・・・そう・・・だね・・・・」
久しぶりに、エビチュを飲んだ。
500ml缶を三本目に入った。
「よく飲むわね・・・わたしはそれくらいなら平気だけど・・・・・・レイは二日酔いね・・・・あ
・・・・・・」
「・・・・・いいよ、大丈夫・・・・・・・多分・・・・・ック・・・・・うぅぅぅ・・・・・ちぃくしょぉぉぉぉぉ
ぉ!!!!」
「シンジ・・・・・おいで」
僕は、アスカの腕の中で大泣きした。
こんなに泣いたのなんて久しぶりだろう・・・・・・
アスカはずっと頭を撫でていてくれた。
しばらくして、僕は正気に戻った。
「・・・・ごめん・・・・服・・・濡らしちゃったね・・・・・」
「いいのよ、それより・・・・あんたまだシャワー浴びてないでしょ?」
「あ・・・・・ごめん、浴びてくるよ・・・・・・」
ミサトさんは、ネルフから呼び出しが来て、ネルフに向かった。
僕は、シャワーを浴びながら考えていた。
これからどうするのか、
後何週間で使徒が来る・・・・
それ以前に綾波を・・・・・・・
「シンジ!入ってる?」
「うん、もうすぐ出るけど?」
「わたしも一緒に入っちゃおうかなぁ?」
ページ(127)
7.txt
「だ、駄目だよ!」
僕は、顔を真っ赤にして慌てた。
アスカにもその状態がわかったみたいだ。
「いいじゃない、見たって減るもんじゃないし」
「寿命が減るよ・・・・・それに・・・・・・駄目だよ・・・・」
「そ、わたしには見せられないと言うの?」
「え、あ、そう言う事じゃ・・・・・」
「じゃあいいじゃない」
そう言いながらアスカは少しずつ扉を開けてきた。
ぼくは、風呂桶に逃げこんだ。
そして、ふたを閉めて閉じ篭った。
「あら?逃げる事無いじゃない」
「だって・・・・・アスカがこう言う事するなんて変だよ・・・・」
そう、前のアスカなら・・・・・・
今のアスカの心なんてわからないよ・・・・・・
「ほら!開けなさい!」
無理やり持ち上げてきた。
今日はシャワーなのでお湯は張ってない。
開けられたら全て見られてしまう。
必死に抵抗した。
「駄目だって!止めてよ!」
駄目だった、無理やり開かれた。
この騒ぎを聞きつけて、ペンペンが扉を開けたが、アスカに投げられて気絶した。
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7.txt
「ご開帳!」
「わぁぁぁぁ!駄目だってば!」
「あら?手で隠す事無いじゃない。今に隠せなくなるわよ」
アスカの格好は・・・・・18禁・・・・・・
僕は意思と関係無く分身が膨張して行くのがわかった。
とっさに、風呂場から逃走した。
もし、少し狭い風呂場だったら逃げられなかっただろう・・・・・・
「ペンペン・・・大丈夫?」
「クワァァァ・・・・・・・」
泡を吹いていた。
僕は、着替えてリビングのソファーに腰掛けた。
しばらくして、アスカが上がってきた。
「全く意気地なしねぇ」
「意気地なしって・・・」
僕は、後ろを振り向いて気絶しそこなった。
気絶した方がよかったかも知れない。
ただ、タオルを巻いたままのアスカがいた。
「だぁぁぁぁぁめぇぇぇぇぇぇ!!」
「おかたいわねぇ、いいじゃない、一つ屋根の下なんだから」
「・・・・・・・・・・・寝よっと・・・・・」
「シンジ、私の部屋にチェロを持ってきなさい!」
赤鬼出現・・・・・・・
「わ、わかったよ・・・・・」
ページ(129)
7.txt
アスカ・・・もしかして酔っ払っているの?
僕でも酔ってないのに・・・・・
僕は、チェロをアスカの部屋に持っていった。
「さ、聞かせて」
「え?」
「演奏聞かせて」
ため息を付きながら僕は音を合わせ始めた。
結構久しぶりかも知れない・・・・
ユニゾンの後が最後だったかな?
そして、始めた。
私は、演奏が終わりそうになった時にシンジの後ろに回った。
シンジは演奏している時は必ず目を瞑っている。
簡単にまわりこめた。
「・・・・・はい、終わり・・・・あれ?」
ダキッ!
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7.txt
ムニュ!
「あの・・・アスカさん?」
「シンジ・・・・」
「ちょっと・・・・(胸が当たっているよぉぉぉぉ!)」
「ねぇ・・・あなた・・・・レイが好き?」
「・・・・うん」
「私は?」
以外だった。
アスカからそう言う事を言って来るなんて・・・
「レイと同じくらい好きだよ・・・・・・」
「ありがとう、ご褒美あげる」
そう言うと、急にキスをされた。
そのまま、ベッドに倒れこみながら・・・・・・・・
ケンスケとトウジがいたら僕はどやされていただろうな・・・・・・
「ねぇ・・・・私・・・前に言ったわよね・・・・・レイがシンジを捨てたらって・・・・・」
「・・・・・・・うん、ユニゾンの時だったね・・・・でも・・・・まだ・・・・・」
「違うの・・・・・ただ・・・私もレイと同じように愛してくれればいいの・・・・・」
「・・・・・・・うん・・・・・・・・」
その後は、キスの嵐だった。
僕にはもう、逃げる術が無かった。
「ア、アスカ・・・・止めてよ・・・・」
「何で?」
「だって・・・・・こう言う事はするもんじゃ・・・・・」
「いいじゃない・・・・私とじゃ・・・・嫌?」
ページ(131)
7.txt
上目遣いに見られてしまった・・・・・・
僕が押しに弱いって知っているな?
でも・・・・今回も負けそう・・・・・・
「あ!」
アスカが僕の手を・・・・自分の胸に押しつけてきた。
「駄目だって!」
「いいのよ・・・私・・・・・シンジとなら・・・・・・さぁ・・・・」
「駄目だって・・・・・駄目だよ・・・・・・・」
「いいのよ・・・・一つになりましょう・・・・・」
「アスカじゃないよ・・・・こんなの・・・・・・やめてよ・・・・・」
「私の・・・・・・・雌の部分・・・・・・・ちゃんと見て・・・・・・」
「僕は・・・・こんなアスカなんて嫌いだよ・・・・普通に戻ってよ・・・・・」
「シンジ?」
「嫌いだよ!もとのアスカのほうがいいよ!元気で明るくて・・・・でも・・・心が傷ついてい
るアスカ・・・・・・」
アスカもはっとした様だ。
僕の手を離して・・・・座った。
「ごめんなさいシンジ・・・・」
「いいよ・・・・・まだ中学生なんだから・・・・ゆっくり行こうよ・・・・」
「・・・・・そうね・・・・ごめんなさい・・・・・」
「・・・・・これは・・・・・忘れるよ・・・・これからも・・・普通に・・・・」
「・・・・・・・忘れなくてもいいのに・・・・・わかったわ・・・・」
アスカがこんなに大胆に来るなんて思っても見なかった。
ある意味・・・・強情なアスカのほうがいいかもしれない・・・・・・・
ページ(132)
7.txt
僕って・・・・・幸せ者なのか?
2rdステージ拾五
~レイの心の内~
翌日
「あら?目覚めがいいわねアスカ」
「そうかしら?」
「昨日・・・いい事でもあった?」
中途半端に感がいい・・・・・・
「早くご飯食べちゃってくださいよ!」
「はいはい!シンジ様の言う事なら」
「アスカ・・・・何があったの?言いなさい!」
「嫌よ」
うがぁぁ!っと暴れ出したミサトさん。
結局押さえるのは僕だ・・・・・・
今日は久しぶりに学校に行った。
通学路
「おはようさんセンセ」
「おはよう、トウジ、ケンスケ」
「おはようシンジ、今日は暗いなぁ・・・って言うか最近来ていなかったけど・・・・どうした
の?」
ページ(133)
7.txt
「あ・・・・・・ちょっと入院していて・・・・・・」
その後は、訳を説明して終えたら学校に着いた。
「・・・・綾波は・・・・来ていないか・・・・・・」
「喧嘩でもしたんか?」
「あ、いや・・・・・」
「鈴原!あんた今日週番でしょう!」
「あ・・・・・・すまんわ!いいんちょ!」
逃げ・・・・・・
トウジの逃げ足は結構速い・・・・
結局綾波は来なかった。
昼休み
「センセ、綾波はこんなぁ」
「うん・・・・」
「シンジ・・・・・帰りに行くの?」
「うん、行くよ・・・・・・どうせテストもあるし・・・・・・」
僕とアスカしか理解でき無い様だ。
ネルフ
「綾波・・・・開けて」
「・・・・・・・・・・」
「レイ!開けなさい!」
「・・・・・・・・・・・」
ページ(134)
7.txt
結局、その日も開く事は無かった。
「シンジ君・・・・落ちているわね・・・・・」
「レイの事が気になるんでしょう・・・・・・」
「・・・・・・・」
アスカが口を開いた。
「レイ・・・・どうしたの?」
「・・・・知らないわ」
「嘘ね・・・・あんたは知っているわ!」
「いいえ・・・・・・」
実際は知っているのだが・・・・言える訳は無い。
そして、二人は帰った。
「・・・・・私ですね?」
「レイ・・・・・」
「着替えてきます・・・・・・」
レイは、二人が帰った後にテストを受けている。
「・・・・レイが?・・・・起動指数ぎりぎりね・・・・・」
「こんな事今まで無かったのに・・・・・・」
ページ(135)
7.txt
そして、戻ってきた。
「レイ、あなた・・・・何で帰ってこないの?」
「・・・・・・・・・言えません・・・・・・」
「あなたの帰る家は、家しかないはずよ」
「・・・・・・・・すみません・・・・・・・」
「シンちゃんなんて泣いているのよ」
「・・・・・・・・・すみません・・・・・・」
「あなたは・・・・それでいいの?」
「・・・・・・・・・・・・」
「どうなの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・シンちゃんは苦しんでいるのよ」
「・・・・・・・・・・・」
私がいるから・・・・
いなくなれば苦しまない・・・・
泣かない・・・・・
いかりくんには・・・・・アスカがいるわ・・・・
私無しで・・・・・大丈夫・・・・・・・
でも・・・・・寂しい・・・・・・
帰りたい・・・・・
でも・・・・・私はあそこにいたらいけない・・・・・
「レイ・・・・帰りたかったら帰って来ていいのよ・・・・誰もあなたを拒絶しないわ・・・・・・」
「無駄よミサト・・・・・」
「・・・・・・・・・・・そうみたいね・・・・・・」
「・・・・・・・すみません・・・ミサトさん・・・・・・すみません・・・・・・」
ページ(136)
7.txt
ミサトは、複雑な思いで家路についた。
何が、レイを帰さないのか。
何が、レイを苦しめているのか。
何が、レイを縛っているのか。
結局はわからない。
「ただいまぁ!シンちゃんご飯!」
シンジは、アスカに絡まれていた。
喧嘩とかの絡むではない。
ソファーで、押し倒されていた。
「アスカ!駄目だってば!」
「なんでよ、つまんなぁい!」
「夕飯作らなきゃいけないんだから!ちょっと!」
「ハイハイ、お堅いシンジ様ね」
「ったく・・・・ミサトさんに見つかっても僕は知らないよ。アスカが悪いんだ」
います。
「あら?アスカに責任を押し付けるなんてかわいそうじゃない?」
「あ・・・・・・・・・・・僕じゃありませんよ!アスカが・・・・・」
「ええ、私がやりましたよ」
自白・・・・・
ページ(137)
7.txt
「強引ねぇアスカも」
「えへ!」
「僕の気持ちにもなってよ・・・・・」
「(アスカ!シンちゃんを奪う気ね?)」
「(レイがあの状態じゃあ、シンジが腐るわよ!少しでも明るくなってもらわなきゃ!
)」
「(本心は・・・・)」
「(えへへへへ・・・・・・)」
「アスカ・・・・涎たれているよ?お腹減ったの?」
「いいえ、何でも無いわ」
でも・・・・・何でも無くも無い・・・
今日で何回目かしら?
シンジとのキス。
まぁ・・・・私が一方的にやっているんだけど・・・・・・
「シンちゃん、レイはね、帰って来たいみたいよ・・・・」
「じゃあなんで・・・・・・」
「・・・・なにか・・・あるのよ・・・・自分で整理しきれていないことが・・・・」
・・・・・・綾波自身のことだろう・・・・・
これに関しては・・・・・綾波自身が自分で解決してほしいよ・・・・・・
でも・・・・・・
もし・・・・駄目だったら・・・・・・・
今度の使徒で・・・・綾波が変わらなかったら・・・・・・・
僕がこう1度話してみよう・・・・・
そう言えば・・・・次の使徒は・・・・・・・
母さんが目覚めていないからな・・・・・僕が本気を出しても駄目だろうし・・・・・
僕が死にそうになったら目覚めるかな?
ページ(138)
7.txt
それとも・・・・溶け込むの覚悟で・・・・・・
2rdステージ 壱六
~消える自分・生まれる生活~
そして、使徒が来た。
パターンオレンジ・・・
よくわからない使徒だ。
EVAに乗る時も、綾波は僕を極力避けるようにしていた。
「ミサトさん・・・・・何があっても・・・・心配しないでください」
「え?」
そう言って僕は出た。
「シンジ!あの球体・・・・なによ!」
「知らないよ・・・・」
アスカはライフルを打ち込んだ。
途端に、球体が他の場所に現れ、影が迫り来る。
「アスカ!綾波!近づくな!」
「なんでよ!」
「いいから!」
僕は、自らそのディラックの海へと沈んでいった。
そこで、ATフィールドを強力に展開した。
しかし、効かない・・・・・・
ページ(139)
7.txt
過剰シンクロか・・・・目覚めるしか無いようだ・・・・・・
「信じてください・・・・ミサトさん」
そして、消えた。
「いかりくん!碇君!碇君!」
「シンジ!どうしたのよ!なんで消えたのよ!」
そこに、通信が来た。
「二人とも戻りなさい」
「でも!」
「いいから戻りなさい!命令よ!」
ネルフ
「リツコ!あれはなんなのよ!シンジが・・・・・・」
「碇君・・・・・・」
「あれは・・・・・ディラックの海と呼ばれる虚数空間よ多分ね・・・・・・他の宇宙と繋がってい
るかも・・・・・・」
「どうするのよ・・・・・」
「・・・・・・・・・・シンジ君がああ言ったんだから・・・・初号機の活動限界になったらN2兵器を
現存するだけ撃ち込むわ。
使徒のATフィールドはあなた達が中和」
「・・・・・・・・・・・」
「碇君・・・・・・・どうして・・・・・・・・」
「レイ・・・ちょっと来なさい!」
アスカはレイを無理やり引っ張っていった。
「あんた・・・・何でシンジを苦しめるの?」
ページ(140)
7.txt
「・・・・・私がいるから・・・・存在するから碇君を苦しめる・・・・・・」
「違うわよ!」
「・・・・・私の存在は迷惑なのよ・・・・・世界を破滅させられるから・・・・・サードインパクトの
カギだから・・・・」
「なに言っているのよ!」
「・・・・・・・・・・・私は・・・・人間ではない・・・・・使徒と人間のクローン・・・・・」
絶句している。
口をパクパク動かして・・・・レイを見つめている。
「・・・・第二使徒リリスと、碇君のお母さん・・・碇ユイから作られたクローン・・・・・ユイさん
は初号機に取りこまれているわ・・・
そのサルベージに失敗して私が出てきた・・・・・・遺伝子上は・・・・・使徒・・・・・・・ATフィール
ドもつかえる・・・・・・」
目が点になり、あたふたと・・・・・・
「・・・・碇君は・・・・すべてを・・・」
「あんた!それでシンジを!・・・・・・許さないわ・・・・化け物!」
「そう・・・だから・・・碇君に迷惑をかける・・・・・・私はいたらいけない・・・・・でも・・・・スペア
はたくさんある・・・死んでも・・・・
死ね無い・・・・・・化け物よ・・・・・・」
「あ,あ,あ,あ,あ・・・・・・シンジは・・・・知っているの?」
「ええ・・・・・・全てを知っているわ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・それなのに・・・・あなたのことを・・・・・・・」
「・・・・・・私はわかったわ・・・・スペアを壊して・・・・私も死ぬ・・・・碇司令の人形ではなくなる
・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
アスカは複雑な気持ちだった。
使徒なのに、シンジはレイを好いている。
使徒なのに・・・・・・
ページ(141)
7.txt
ディラックの海 内部
「電力を落して・・・・・・15時間は持つな・・・・・・」
これからどうしよう?
母さん・・・・目覚めてくれない?
母さん・・・・・・起きてよ・・・
起きてよ・・・・・・
起きろよ糞婆ぁぁぁぁ!
<シンジ!親に糞婆ぁは無いでしょう!>
「あ、起きたんだ。よかった・・・・・・」
<全く・・・・・・あの人も酷いわね・・・・・・>
「で・・・・・助けてくれない?」
<そうねぇ・・・シンジはアスカちゃんとレイちゃんどっちが好きなの?>
思いっきり関係ない事だ。
「二人ともだよ!」
<あらあら・・・あの人そっくり。キョウコと私とで二股かけたから・・・・・>
「・・・・・とにかく・・・・助けてくれない?」
<じゃ、あなたに負担が無いように暴走するわね。シンジは制御できると思うわよ>
「暴走じゃないか・・・・・」
<いいから!集中しなさい!>
母さんってこんな性格だったのかな?
怖いな・・・・
ページ(142)
7.txt
父さんがああなるのも無理は無い・・・・・・
<聞こえているわよ。ここは何処だと思っている?>
「あ・・・・・ご免なさい・・・・・・」
<まぁ・・・・・いいわ>
よくわからないよ・・・・・・
綾波・・・・・大丈夫かな?
アスカはどうかな?
帰ったら殴られるだろうな・・・・・・
どうしよう?
逃げちゃ駄目だ・・・・・・
初号機が唸った。
シンジも、体が重くなるのを感じた。
「凄いや」
<まぁ・・・・助けるわよ>
結局、制御は僕の元にあった。
ATフィールドを展開する。
いつもより簡単に強力な物が展開された。
ネルフ
「使徒に亀裂が!」
「パターン青消滅!」
「初号機発見しました!」
リツコが、モニターを見ながら嘆いた。
「・・・・・・悪魔ね・・・・・」
ページ(143)
7.txt
はねを6つ生やした悪魔の姿・・・・
黒い地が初号機を包む。
初号機
<暴走っていってもS2機関を作動させただけよ>
「え?だってあれは・・・・・・」
<ゲンちゃんがリリスから内緒で抜きとって入れたの>
「ゲンちゃん・・・・か・・・・・・」
<これからは、考えるだけでS2機関を作動させられるわよ。頑張ってね、未来を変える
為に>
「え?知っているの?僕が未来から帰って来た事・・・・・・」
<私を舐めているわね?あなたのお母さんは感が鋭いんだから>
「そうみたいだね・・・・ありがとう母さん」
<ええ、これからも困ったら起こしてね>
「うん、頑張るよ、でも、始めから母さんを起こしておくんだったなぁ・・・・・・かなり楽に
なったのに・・・・・・」
<楽はいけないわよ、二人を幸せにして上げてね>
「二人を…か・・・僕は人類を救うんだけどなぁ・・・あんな世界もうみたくないもん」
<救助隊が来たわよ>
同じ頃 ネルフ
「初号機との通信、不完全ですが多少生きてます!」
「聞かせて!」
「え?知っているの?ぼくが・・・・・・・来た事」
「そうみたいだね、ありがとう母さん」
ページ(144)
7.txt
「・・・・・・・初めから母さんを起こしておくんだったなぁ・・・・・かなり楽だったのに・・・・・・・
」
「・・・・どう言う事です?」
「・・・・・・司令!」
「うむ、わかった」
ヘリ
「あ、アスカ、綾波」
「なに暢気なのよ!」
「あ、ご免ね」
バッティーン!
っと心地よい音が響いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「綾波?どう?心の整理は出来た?」
「・・・・・・・・・・私は・・・・・スペアを壊して・・・・死ぬわ」
はっきり言って驚いた。
綾波がここまで考えているなんて・・・・・・
「綾波・・・・父さんに何を言われたの?」
「・・・・・・・・碇君を不幸にする・・・・・・災いのもとだって・・・・・・」
父さんらしいね・・・・綾波を潰そうとするなんて・・・・・・
「で?」
ページ(145)
7.txt
「・・・・・・・私は・・・・・いかりくんを愛する権利はない・・・・・いかりくんを不幸にするなら
・・・・・私は死を選ぶわ・・・・」
ここまで言うなんて・・・・
よっぽど父さんの言う事が効いたらしいな・・・・・・
「僕は、綾波がいて迷惑だなんて思わないよ?不幸にもならない」
「・・・・・本当?」
「本当さ、それに、人を愛するのに、権利は要らないよ」
「・・・・私は・・・いかりくんを(ヒック)愛して・・・(ヒック)いいですか?(ヒック)いか
りくんの事を・・・・
見ていたいと思って・・・(うぐっ)いいですか?ずっと・・・・一緒にいたいと(えぐ・・)思
っていいですか?」
それは、とても素直な言葉だった。
「いかりくんに(ヒック)迷惑が・・・かかるかも知れないけど・・・(ぁぐ)一緒にいて・・・・
いいですか?
で、でもっ!・・・・(ぇぐ!)うぅぅぅぅ・・・・・ご、ごめっ・・・・んな・・・さい・・・・・・人間じゃ
ないのに・・・
(ヒック)・・・・あなたを・・・・あ、あ・・・愛して・・・・い・・・ですか?」
泣き声をあげながら、必死でシンジに言うレイ。
レイの視界はすでにぼやけている。
僕は、綾波をキツク抱きしめた。
「あ・・・・アグッ・・・・・いかり・・・・・くん・・・・・」
「大丈夫だよ・・・・少なくても・・・・僕は迷惑しない・・・・不幸にならない・・・・」
目の下も、鼻の下も、頬も真っ赤にしてシンジの胸の中で大きな声で泣いている。
髪をそっと撫でて、頬にキスをする。
「いかりく・・・ん・・・・ずっと・・・・こうして・・・・いた・・い・・・」
「いいよ、さぁ、もう着くからね・・・・・・こうしてって言うなら・・・抱っこして帰るの?」
ページ(146)
7.txt
「わ、私・・・は・・・・・・・・帰って・・・・・い・・いの?」
「うん、あそこが僕らの家じゃないか」
「う、うぐっ・・・・・・ヒック・・・・・いかりくん・・・・暖かい・・・・・」
僕は、抱っこじゃきついから、綾波をおんぶして帰ろうとした。
でも、父さんとリツコさんに止められた。
「帰るよ、体におかしなところは無いから」
「いや、お前はこれから監禁だ」
「罪状は?」
「命令違反」
「まぁ・・・・3日がいいところだね」
「いや、無期限だ」
「知らないよ?前から言おうと思っていたけど・・・・母さんは全部見ているよ?」
「なに?」
「母さんは、僕の思考を通して全て知っているんだ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「それにね、母さんが1回で完全に目覚めちゃったからね、今は僕が合図するだけで動く
んじゃない?」
カマかけてやった。
上手く乗るだろうか?
「電力は供給されて無いぞ?」
「S2機関さ、母さんも協力するだろうから・・・・初号機だけで世界を破滅させられるよ?
」
「・・・・・・帰っていいぞ・・・・」
「後・・・・ダミーシステムは完成させないよ。綾波を利用されてたまるかってんだ」
「お前は・・・・・何を知っている?」
「さぁ?綾波は寝ちゃったし・・・もう帰るよ」
二人は僕を睨んでいた。
ページ(147)
7.txt
その場には、ミサトさんもいなかったので助かった。
ただ、アスカがいた。
外
「シンジ、重くないの?」
「あ、まぁ・・・・軽い方じゃない?気持ちよさそうに寝ちゃって・・・・・不安で寝れなかった
んだろうね・・・・」
「シンジ・・・・あんた・・・・何を知っているの?」
「そうだね・・・・・・簡単に言うと・・・・全部かな?」
「たとえば?」
「そうだね・・・・使徒が来るタイミング、どう言うやつか、あとは・・・・今度弐号機に乗ると
きは、ママに話しかけてみな」
「はあ?アンタってぇ、ば」
「ばかじゃないよ、初号機には僕の母さん、弐号機にはアスカのママの魂が入っているん
だ。
弐号機は体だけサルベージされたから、体を持っている方はおかしくなったんだ」
歩みを止めてしまった。
アスカは、ただビックリしている。
「大丈夫だよ、アスカのママは、ちゃんとアスカを見ていてくれたんだ」
僕は、いつもの微笑でアスカをフォローした。
顔が赤くなっているアスカは、俯いてしまった。
「反則よ・・・あんたの微笑み・・・・・それに・・・・・・・私もレイみたいにしたいのに・・・・ずるい
わ・・・・」
「あ・・・・・・・・・・アスカは・・・・・綾波がいない間に・・・・・・」
ページ(148)
7.txt
そして、家に着いた。
「おんぶしながら料理って言うのもね、起きて、綾波」
「・・・・・・・・・ハイ・・・・・」
「あ、起きていた?」
「いいえ・・・・今起きたの・・・・ごめんなさい・・・・」
「誤る事無いよ、僕はこれから夕食を作るからね」
「・・・・・・・・手伝うわ・・・・・いえ、手伝わせて・・・・・・お願い」
「どうぞ」
ヤバイわ・・・・レイにシンジを取られる・・・・
私も・・・・・
無理ね・・・・・料理だけは駄目・・・・・・
強敵ね・・・・レイって・・・・・・
「アスカ!綾波から大体聞いているんだろ?これから教育係になってあげてよ!」
「嫌だといったら?」
「頼むよぉ!」
「キス1回で1日分」
「うぅぅ・・・・・・じゃあミサトさんに頼むよ、強引な性格になっても知らないよ」
不味いわね・・・・ミサトみたいになったら・・・・・・
「わかったわよ!明日からね!」
「ご飯食べてから!」
「はいはい!」
これも・・・・幸せなのかな?
私は・・・・どうなんだろう?
ページ(149)
7.txt
「たっだいっま!ご飯は?」
「もう出来ますよ、ちょっと待ってください!」
「ハイハイ、シンちゃんの料理なら待ちますよ」
綾波は、僕の言う事を聞いて、ちゃんと手伝ってくれた。
でも・・・言う事を聞くだけって・・・ロボットと同じなんだよな・・・・・
「あら?レイも手伝ったの?いただきます!」
「いただきます!」
「・・・・・いただきます・・・・」
「はぁ・・・・食器洗いはアスカにやってもらおうかな?」
「嫌よ」
「私がやるわ・・・碇君・・・・」
不味い・・・
「私がやる!あんた達にばっかりだったからね!」
「・・・・・アスカも素直じゃないわねぇ、シンちゃん手伝わせて!って言えばいいのに」
このやろう・・・・・
殺気がこの空間を包んだ。
しかし、
「美味しい・・・・久しぶりの・・・碇君の・・・ご飯・・・・」
と言う言葉で、笑いの渦が巻き起こった。
「で?今日のシンちゃんはどうやて助かったの?」
「リツコさんに聞いてください」
口をへの字に曲げて抗議している。
「リツコさんが教えてくれないなら、機密なんですよ」
眉が釣り上がった。
ページ(150)
7.txt
「早く食べてくださいよ、アスカに食器の洗い方を教えないと・・・・」
「うっさいわね!洗い方くらいわかるわよ!」
結局、その日に五枚の皿が割れた。
理由は、洗剤で滑っておっこどしたからだ。
当然、食器洗い用の洗剤だ。
「アスカ、片付けは僕がやるから、綾波とお風呂に入ってきて」
「えぇ~?なんで二人で?」
「先生だからだよ、隅々教えてあげて」
「???わかったわ?」
わかってないだろう・・・・・
2rdステージ壱七
~平和な一瞬~
「あたし・・・・いかりくんと入る・・・・一緒にお風呂に・・・・・」
ペシっとアスカの指先がレイのおでこに決まる。
「あんたね、シンジも男なんだからね」
「・・・・・・・ずっと一緒・・・・・」
どうしよう?
ミサトさんに助けてという眼差しで見たけど・・・・
「海パンでも履いて、一緒に入ったら?」
だってさ・・・・・・
三人で、水着を着て一緒にお風呂に入る事になった。
ページ(151)
7.txt
当然、僕は最後まで暴れて抗議したけど・・・・
綾波にああ言ってしまった手前、もはや逃げ道は無い。
「さすがに洗う時は後ろ向くからね?」
「見なさいよ、どうせ兄弟のようなものでしょう?」
「ま、まぁ・・・・・・親近感的に・・・・従兄妹くらいかな?」
冷静に判断してしまった自分が情けない・・・・
綾波に見られてしまった・・・・
「いかりくん・・・・私と・・・兄妹なのが嫌なの?」
「チ、ちがうよ!そう言うんじゃなくて・・・・・」
「じゃあどうなのよ?シンジ」
「だから・・・遺伝子上はそうかも知れないけど・・・・感覚的に・・・・」
僕は、墓穴を自ら掘っていた。
「なに?私と・・・・・感覚的には・・・・従兄妹なの?」
「・・・・うん・・・」
その穴へと飛びこんで砂をかぶった・・・・・
もはや、いい訳は聞かない・・・・
「だぁぁぁぁ!わけわからなくなってきた!」
「ったく・・・・レイ、体洗うわよ」
「・・・・・・・・洗った事無い・・・・・いつもシャワー・・・・・・」
「えぇぇぇぇぇ!」
「まぁ・・・テストのときに嫌ってほど洗うから・・・・いいんじゃない?」
男の考え方はアスカに却下された。
「まさか、洗いかたから教えるとは・・・・・・レイ!ちゃんと見ておきなさい!」
ページ(152)
7.txt
「・・・・いかりくん・・・・教えて・・・・」
僕は逃走していた。
「ミサトさん、酷いですよぉ!」
「あら?そうかしらん?」
「だぁぁぁ・・・・・僕の気にもなってください・・・・・二人を襲うわけにはいかないんですから
・・・・・・」
また墓穴を掘った気がした。
「じゃ、私なら襲うのね?楽しみだわぁ」
「ちょっと!」
「ささ、ベッドへ・・・・」
冗談は、休み休み言ってもらいたいものだ。
「もう疲れました・・・・おやすみなさい・・・・・・」
僕は寝室に行った。
「やっぱり普通の男の子よね?」
風呂場
「ヒック・・・・ヒック・・・・エグッ・・・・いかりくん・・・・・・」
「あんたね!いつまでもシンジを独り占めさせないわよ!」
「・・・・・あなたも私と同じなのね?クスクス・・・・」
すっごい変わりかたね・・・・
「リンスして・・・・はい!湯船に浸かって!」
「・・・・・いかりくんが居ない・・・・・」
ページ(153)
7.txt
「とっくに逃げたわよ!」
「・・・・・上がる・・・・」
「だぁぁぁぁ!早く浸かりなさい!」
「怖い」
ショートコントである・・・・・・
ガラッ!っと風呂から上がり、拭いて、服を着る。
「いかりくん・・・・・・」
「さっさと寝るわよ!」
「・・・・・・ずっと一緒・・・・・・一緒に寝る・・・・・・」
ミサトは、まだ起きていた。
「あらん、いいじゃない?レイとシンちゃんが一緒に寝ても」
「駄目に決まっているでしょ!」
「あら?アスカがシンちゃんにやった事・・・・・・教えちゃおうかな?」
「う・・・・・・鬼・・・・・」
「決定ね?レイ!一緒に寝てきなさい!」
「ありがとうございます」
小走りにシンジの部屋へ向かった。
キィ・・・・・
パタン
トコトコ
パサッ
スルスル
ページ(154)
7.txt
シンジは、寝ていた。
レイも、シンジの左横に入った。
「いかりくんの匂い・・・・・いかりくんの寝顔・・・・・」
この日のシンジは、何ヶ月振りかに熟睡できた。
ただ、レイが添い寝していたからではない。
レイが帰ってきて、安心したのである。
体の疲れはシンジの睡眠時間に関係しない・・・・・・
翌朝
「ん・・・・・いい匂いが・・・・柔らかい?」
ユサユサ
ゴロン!
ユサユサユサ
ん・・・・・フン・・・・・・
ユサユサユサユサ
アフン・・・・・・・・
ページ(155)
7.txt
ユサユサユサユサユサ
「あぁぁぁあ」
「あぁぁぁあ?・・・・・・・・これって・・・・・・・」
ゴロン!っと左側を向く。
蒼い髪がシャンプーの匂いで鼻をくすぐる。
完全に安心し切った安らかな寝顔がそこにある。
そして、手を動かすと、表情が少し変わる・・・・・
「・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁああああ・・・・・アスカので一回体験してなかったらパニックだ
よ・・・・」
珍しく平気なシンジ
「綾波、起きてよ」
「ん・・・・・・・・」
「起きないの?」
「ふ・・・・・・・ん・・・・・・・」
「ははは、かわいい寝顔です事・・・・・・」
「いか・・・・り・・・・くん・・・・・・・私・・・を・・・・・捨て・・・・ない・・・・で・・・・・・」
そんな夢見ないでよ・・・・
「綾波、捨てないから・・・・起きてくれない?」
「ん!・・・・・・・いかりくんだ・・・・・」
「おはよう綾波」
「いかりくん!」
ダキッ!
っと、昨日に増した強さで抱きついてきた。
僕も、ちゃんとキツク抱きしめていた。
ページ(156)
7.txt
「どう?落ち着いた?」
「いい匂い・・・・いかりくんの匂い・・・・・・」
「綾波もいい匂いがするよ?」
「んふ・・・・・おはよう・・・・」
「でさ・・・・起きない?」
「起きない・・・・ずっとこのまま・・・・・暖かい・・・・・・」
綾波とこうして寝たのって初めてだけど・・・・僕も安心する・・・・
消えないで、ここにしっかりと綾波がいるから・・・・
綾波って柔らかい・・・・あの時のアスカは体が強張っていたから・・・・かたかった・・・・
そんな事言ったら怒られるな?
「さ、起きよう。一緒に朝食を作ろうよ」
「・・・・一緒に?」
「そ、一緒に」
「うん・・・・起きる・・・・・・」
こうして、起きる事に成功。
まだ、アスカもミサトさんも起きていなかった。
ただし、ペンペンは起きていた。
「おはようペンペン」
「くわぁぁ!」
「お腹減ったかい?」
「ギャワ!」
どう考えてもペンギンの泣き声と思えない・・・・・・
朝食を作り、二人を起こしに行く。
ページ(157)
7.txt
「ミサトさん!起きてください!起こしましたよ!」
「はぁ~いよ~・・・・・・」
「アスカ!起きて!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「アスカ?」
「・・・・・・・・・・・」
僕はアスカのベッドへ歩み寄った。
「アスカ?寝てるの?」
ガバッ!
ガチッ!
ズルズル
引きこまれた・・・・・
「あいつにばっかりシンジを独り占めさせるわけないじゃない」
「・・・やっぱりそんな事か・・・・・・朝食出来ているよ」
「いいから・・・・ちょっとこのままで・・・・」
綾波と同じように抱きついてきた。
「アスカはいつから甘えん坊に?」
「・・・・・・違うのよ・・・・ただ・・・あんたが・・・・いつか消えちゃいそうで・・・・・・昨日みたいに
・・・・」
そうかも知れない。
ページ(158)
7.txt
全てが終わったら・・・・僕の存在が消えるかも知れないし、量産型との戦いでも・・・・・
決して僕は安全な事をしているわけではない。
「アスカも・・・綾波と同じ匂いがするね」
「シャンプーでしょう?」
「うん・・・・優しいにおい・・・・」
(シンジの匂い・・・・レイが言っていたけど・・・・いい匂いね・・・・・・)
ガチャ
「あら?シンちゃんもなかなかやるわね?」
「うっさいわね、私が引きこんだのよ」
「まぁ、私はALL OKよん!勝手にして」
僕は、本当にこの保護者でいいのか心配になった。
今日は、戦闘の次の日と言う事と、綾波が帰ってきたので出かけることにした。
「二人とも布団干して!僕はミサトさんのやるから!」
「はい」
「わかったわぁ~」
本当にわかっているのだろうか?
シンジの部屋
「いかりくんの匂い・・・・」
ガバッ!
トテトテ・・・・
ページ(159)
7.txt
コロン!
ガバ!
トテトテ・・・・
コロン!
持ち上げて歩くが、いい匂いで力が抜ける。
「レイ!早くしなさい!」
「いい匂い・・・」
最終的に、シンジの布団にもう一回包まってお休みモード突入していた。
「こら!」
アスカはレイに飛び乗った。
(ヤバイ・・・・・本当に・・・シンジの匂いだ・・・・力が抜ける・・・・・・)
「あのさぁ!まだ?終わらない??」
シンジ登場
「なにやってんの?」
「・・・・・シンジの匂い・・・・・」
「いかりくんの匂い・・・・」
一歩間違えれば変態だ。
「そんなに僕の体って汗臭いかな?」
「違うわよ・・・あんたの匂い・・・・」
ページ(160)
7.txt
訳がわからないのでリビングの掃除に向かったシンジ・・・・
「レイの言った事もわかるわ・・・・・シンジがここにいる感じがする・・・・・・」
「いかりくん・・・・・」
結局、シンジの布団は他の布団より1時間干すのが遅くなった。
「今日は・・・・何処に行く?」
「そうねぇ・・・・町を三人でブラブラしましょう」
「ええ・・・・・一緒なら何処でもいい・・・・」
もしかして・・・・今は、「絆」より、「一緒」がキーワードなのかな?
よくわからないよぉ・・・・
そうして、商店街を回ったりして時間を潰した。
左には綾波、右にはアスカがくっついて・・・・・
ケンスケに見つかったら証拠写真を買わされるだろう・・・・
そして、学校の前を通った時。
「センセ!サボるなんてせこいで!」
「シャッターチャンス!」
「碇君!あなたはそう言う人だと思ってなかった!」
どう言う人だ?
「はぁ・・・・昼休みだったんだ・・・・・・」
僕は、明日なに言われるかわかった気がする・・・・
「今日は昨日戦闘があったら休暇もらったんだ!明日は行くよぉぉぉ!」
ページ(161)
7.txt
最後は絶叫だったかも・・・・・
そして、走って逃走。
喫茶店で、昼食を軽く採り、公園で休憩した。
「まさか見つかるとはね・・・」
「これからどうする?」
「・・・・・・・・一緒・・・・・」
はぁ・・・・・・帰ろうかな?
結局、公園で日向ぼっこをしていた。
その夜も、綾波は僕の布団にもぐりこもうとしたが、アスカに拒まれて泣きながら出てい
った・・・・・・
「まぁ・・・いじゃない。シンちゃんは襲うような事しないし!」
するかもしれませんよぉ・・・
僕だって男ですよぉ!
前の時間だって・・・・アスカと・・・・・
あぁぁぁぁ!
思い出したら体が動くから・・・・・
苦悩の末、やっと眠りについた。
2rdステージ 拾九
~前と変わった~
ページ(162)
7.txt
それから数週間後。
「四号機がアメリカ第二支部から空輸されてくるわ」
「え?」
第二支部は・・・・・S2機関の暴走で消えたはずでは?
どう言うことだろう?
「四号機は、S2機関が搭載されているわ。パイロットはまだ連絡無し」
参号機の時はトウジだった・・・・
「ミサト!参号機は無いの?」
「まだ未完成よ、第二支部が頑張っちゃったから、早く出来たの」
なんと言う・・・・アバウトな・・・・・
「で・・・・いつ・・・・届くのですか?」
「1週間以内ね」
多分・・・・四号機に使徒が寄生しているだろう・・・・
パイロットは・・・・・・・未完成すぎる、ダミー・・・・・・・
「連絡はおしまい、帰っていいわよ」
「シンジ、これで私達の負担も軽くなるわね」
ページ(163)
7.txt
「でも・・・・まだ発表されていないんでしょう?素人だよ」
僕ももともとそうだけど・・・・
「でも、いないよりは、いた方がいいわ」
「そうだね・・・・」
そして、家の前まで来た。
「今気付いたけど・・・・僕の部屋ってほとんど使って無い気がする・・・・・」
「私も・・・・・・使っていないわ・・・・」
僕と綾波の意思が一致した。
これは、アスカとミサトさんの要望で、僕が寝泊りもほとんどミサトさんの家で行ってい
るからだ。
置いているのは、チェロ以外の荷物だけだ。
着替えはすでに置いている・・・・・・
綾波も、アスカと僕の部屋を大体交互に使っている。
僕の部屋といっても、ミサトさんの家のほうの部屋だ。
「今日は・・・・・自分の家で寝ようかな?」
「駄目よ」
駄目って・・・・
どうせ、今日はアスカが僕の布団に潜りこむんだろう?
止めてよ・・・・・
だってさ、アスカが潜り込む時は、脱いでいるんだもん・・・・
1回目は気絶しちゃったよ・・・・綾波がはじめて僕の隣に寝ていた時も、そうだったな・・・・
「シンジ、どうしたの?ニヤニヤしちゃって」
「いやね、綾波が二日酔いして僕の隣で寝ていた時の事だよ・・・・」
ページ(164)
7.txt
楽しい思い出が出来ている・・・・・
前はこんなの無かったな?
「いかりくん・・・・・・・」
今日もずっと隣に居た綾波は、「一人にしないで」と言う目で僕を見ている・・・・・・負けた
・・・・
「わかったよ・・・・でも、僕の家って本当に使ってないなぁ・・・・」
「いかりくん・・・・・・・優しい・・・・・・・」
アスカが今更何言っているのよ!っと怒っていたが・・・・とにかく、夕食を作らないと・・・・
プシュ!
「ただいまぁ」
「お腹減ったわね」
「いかりくん・・・一緒に作ろう?」
上目遣い・・・・・・
K.Oです。
「わかったよ、じゃあ・・・作ろう」
「うん!」
アスカは自分の部屋に行った。
「レイったら・・・・言った通りに、上目遣いでシンジにお願いしちゃって・・・・・・・・」
そう、吹き込んだのは、アスカだ。
シンジがいろいろ教えてあげてくれと言ったのは、
生活にかんする事のはずだ・・・・
アスカは、面白半分でレイに吹きこんでいるのだ。
シンジはただ迷惑だ。
ページ(165)
7.txt
しかし、気付くことは無いだろう・・・・・・
「ふふふ、これじゃあ、私がレイに負けちゃうじゃない・・・・」
それでも、面白がっている事には変わりない・・・・
「出来たよ!アスカ!」
「ハイハイ」
そして、リビングに向かった。
シンジのベッドは、ミサトが大きなダブルベッドに変えたので、恐ろしいことになってい
る。
それも、昨日変わったばっかりなのだ。
夜十一時
シンジは半分夢の中。
リビング
「レイ・・・・やるわよ」
「いかりくん・・・・・・」
夜十一時半
シンジは熟睡。
カチャ・・・・
キィ・・・・
パタン
ソロ~リ、ソロ~リ・・・・・・
ページ(166)
7.txt
ズルズル・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝
「・・・・・・・・朝だ・・・・」
起きあがろうとする。
しかし、体が重い。
今まで、片方が重いと言う記憶はある。
しかし、今日は体が起こせない。
くるっと、左を向く。
「・・・・・・・綾波か・・・・・・」
普通の一般中学生は、ビックリして大声を上げるだろう。
「綾波・・・・おきてよ」
今度は、右側を見る。
「アスカ?」
今日は、二人にしっかりと両側を固められている。
「はぁああああああああああああ・・・・・・・」
魂から出るような深いため息。
「どうしよう?学校に遅刻するよ・・・・・」
実際は遅刻するような時間ではない。
ページ(167)
7.txt
ただ、家事が待っているシンジにとって、七時という時間はギリギリだ。
この部屋は、完全防音。
やろう・・・・
「二人とも!起きなさい!」
普通には、出す事の無い大声・・・・・
「ひゃい!」
「いかり・・・・くん・・・・・・・・・・」
「起きた?二人して僕を固めないでよ・・・」
羨ましい状態。
第一中のトップ美少女二人が添い寝をしている。
「シンジィ・・・・・おはよう・・・・」
「いかりくん・・・・・朝食ね・・・・・」
そして、二人は起動した。
学校
「で、センセはいい状態なんやな?」
ページ(168)
7.txt
「許せない・・・・・学校一の美女二人を・・・・」
ケンスケ・・・・数がおかしいぞ。
アスカ達は、女子に囲まれている。
「それでね、シンジの寝顔って結構かわいいのよ。表情がいちいち変わって・・・・・」
それは、熟睡していない事だ・・・・
「いかりくんの匂い・・・・・いい匂い」
「力が抜けちゃうの・・・・もう好きにしてって感じで・・・・・・」
女子が真剣になる。
その先は?
そう言う事だろう・・・・
「でもね、私がちょっと行動に出てもあいつは何もやらないの。逃げているんじゃ無くて
・・・・・」
「ええ・・・・私達を傷つけないようにしているわ・・・・・・」
女子達の関心がシンジに向いた。
「碇君!なんで襲わないの?」
中学生らしからぬ言葉だ。
「え?ええ?」
「どうして二人を襲わなかったの?」
「・・・・・襲うなんて・・・出来ないよ・・・・・二人を傷つけそうだから・・・・」
いつ、頭のヒューズが飛んでもおかしくない状態である。
「センセ・・・・その自制心は好意に値するで・・・・・」
「シンジは我慢強いね・・・・」
ページ(169)
7.txt
そのいい方・・・・聞いた事あるな・・・・・
「碇君は鈴原みたいに野蛮じゃないの!」
「いいんちょ!酷いで!」
「ったく・・・・週番サボって・・・・・だから毎週、週番なのよ!」
「まぁ・・・・否定できん・・・・・」
そして、4日後のネルフ
「届いたわね」
「そうね、パイロットは無しよ」
「え?どう言うこと?」
「ダミーシステムって言ってね、いろいろあるのよ・・・・・」
「ほえ?」
「まぁ・・・いろいろあるのよ・・・・私と指令が松代へテストに行くから・・・・・ミサトは請求書
でも眺めていて」
そう、未だに請求書に目を通していない。
ただいま、ミサトのデスクの隣には、紙の山がいくつか出来ている。
「赤木博士」
「手伝いません」
「ひっど~い!親友じゃない!」
「仕事に関しては自分の分をこなしなさい。なんならプログラミング変わる?」
「拒否」
当然の答えだ。
リツコが1日かかるプログラムは、ミサトには一ヶ月かかる。
ページ(170)
7.txt
「じゃあね、午後から実験だから」
「作戦部長を置いていくなぁぁぁ!」
「フッ、無様ね」
いや~んな感じ?
っとミサトは誤魔化したが、リツコは消えていた。
「本当に猫みたいね・・・」
午後
「え?今日届くの?」
「ええ、どうしたの?」
「・・・・・・もしかしたら・・・・・いや、そうだな・・・・・」
シンジはぶつぶつ言い出した。
「ネルフに行こう」
「早退して?」
「当然」
「一緒に行くわ・・・・・いかりくん・・・・」
そして、ネルフ
ページ(171)
7.txt
「あら?どうしたの?早退なんかしちゃって」
「まぁ・・・・・」
警報
「使徒?」
「多分・・・・四号機の暴走ですね・・・・・・」
「何でシンちゃんが知っているの?」
「まぁ・・・・行って来ます」
国道に、そいつはいた。
「シンジ!EVAなんでしょう?パイロットは?」
「いないよ・・・・いるけどいないんだ・・・・ダミープラグだよ」
「なにそれ?」
綾波は反応している。
「二人とも下がって、S2機関搭載だからね・・・使徒と変わらないよ」
「ダミープラグって?」
「・・・・・アスカは綾波の事聞いたろ?」
「ええ」
話していいものかな?
アスカなら・・・いいか・・・
僕は、アスカにだけ回線を開いた。
「綾波のスペアのパーソナルデータを使って、スペアを乗せているんだ・・・・・魂は無いよ
・・・」
ページ(172)
7.txt
「嘘!」
「本当さ・・・ただ・・・・戦うだけの適格者・・・・でもね、今制御しているのは使徒だよ」
「ほえ?」
「寄生しているのさ・・・・来た!」
飛びかかっていた。
左手で吹き飛ばし、右手に装備したプログナイフでコアを攻撃する。
しかし、かわされた。
さらに飛びかかっている。
アスカと綾波が、パレットライフルで援護する。
着弾の煙を利用して、使徒の後ろに回りこみ押さえる。
二人が、一斉にコアを攻撃するが、僕を振りほどき回避する。
僕は、S2機関を始動させ、通常の最大戦速の3倍くらいの早さで使徒に回り込む。
「早いわ・・・・」
「私達じゃ無理ね・・・・」
そして、二人をどかして、使徒に対して強大なATフィールドを展開する。
使徒は中和仕切れずに潰れていく。
しかし、脱出して回り込んで来る。
「この!」
ニードルを発射して、プラグナイフでコアを捕らえる。
深く刺さっていく。
コアの色が変わっていき、活動が停止する。
これまでに、20分の時間を有した。
この戦いを、ミサトさんも父さんもリツコさんも見ていた。
「シンちゃん・・・・どうしてあんな動きが出来るの?」
ページ(173)
7.txt
「シンジめ・・・・・一体何者だ?」
「シンジ君・・・・・興味の尽きない子ね」
そして、本部に帰った。
「シンちゃん、凄かったわよ」
「いいえ・・・・帰っていいですね?」
「ええ、いいわよ」
実際は帰したくなかったミサト。
シンジの真相を知りたいのだ。
しかし、シンジを追求しようとすると、両隣にいる守護神に睨まれて、家に入れてもらえ
ないので何も言わない。
帰り道
「いかりくん・・・・私のせいで迷惑をかけてごめんなさい・・・・」
「いいや、綾波のせいじゃないよ。父さんたちが悪いのさ」
「・・・・・・でも・・・・・・」
ブルーになっていく綾波。
もともと青かも知れない・・・・
「綾波は、利用されているだけだよ。笑ってよ、綾波は笑顔が似合うよ」
「いかりくん・・・・」
「アスカもね?」
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7.txt
怖いので付け加えておいた。
「で・・・・・あんたは今日の事を予測していたのね?」
「・・・・・・うん・・・・」
「次は・・・いつ?」
「時が来たら教えるよ」
あいつは・・・・強引なやつだからな・・・・・
アスカなんかランチャーぶっ放すし・・・・・・
「センセやないけ!」
トウジは、逃げの体制に入った。
一緒にいるのはヒカリ。
「あれ?なんでトウジが洞木さんと一緒にいるの?」
「あ、はは、ははははははははははは」
笑いながら逃走した。
「シンジ知らなかったの?あいつら、実は最近付き合い始めたのよ」
「うそ!」
前に比べて早いなぁ・・・・
僕の影響かな?
いい影響なのかな?
そして、いつもと変わらない?日常を送った。
あいつが来る予想日まで・・・・あと数日のはずだ・・・・
2rdステージ 弐拾
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~強引な侵入者~
そして、そいつが来る日が来た。
「で、シンちゃんはどうする?」
「何がですか?」
「いえ、今度の使徒よ」
まだ、来ていないが・・・・
後1時間もすれば来るだろう。
「あ、僕が出ますよ、二人は待機」
「ざっけんじゃ無いわよ!」
「いかりくん・・・・・・お手伝い・・・・・・」
なんだかん言って付いて来ようとするんだろうな・・・・
「いいよ、使徒もだんだん強くなるからね」
「いやよ、指咥えて見ているだけなんていや」
「お手伝い・・・・・」
結局バックアップと言う事だ・・・・
「で?いつ来るのかしら?」
「もう、来ますよ。僕は準備してきますので」
呆気に取られていた。
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7.txt
言うなら前もって言え!
だそうだ・・・・
警報が鳴り響く。
父さんから、総員第一種戦闘配備が発令され、慌しくなる。
「パターン青!ジオフロントの装甲板を潜ってます!」
「ATフィールドで潜っているようです!強力です!」
「でも・・・・シンジ君のよりは低そうね」
使徒が聞いたら怒るだろう・・・・・・
そして、ジオフロント内で戦闘が始まろうとしている。
アスカは、ロケットランチャーを2つ構えて、使徒に向ける。
綾波は、遠くからシンジに状況を説明する。
装甲を全て突き破り降り立った。
「始めようか?」
どうも、緊張感が無い。
ただ、敵の強力なATフィールドを中和して、攻撃しただけで片がついた。
「・・・・・・シンジ君・・・・・呆気ないわよ」
「まぁ・・・・ぼやかないでください。ATフィールドが強力なだけですから・・・・」
ミサトさんにも、リツコさんにも、アスカにも怒られた。
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7.txt
綾波は、ただ見ていた・・・・・
僕をジット・・・・
だんだん怖い目になっていって・・・・
「帰ろう?」
と言われた。
その夜は、隣でいつも寝ているはずの綾波はいなかった。
「どうしたの?」
「・・・・・・心配をかけないで・・・・・・」
「綾波に言われるとはな・・・・・・・ご免ね」
「許さない・・・・」
何をするの?
っと、目で聞いたら、今度こそ綾波は部屋に入っていった。
「どうしたの?」
しかし、返事は返ってこない。
しょうがないので、僕も部屋に向かった。
「綾波?」
そこには、月光に輝く裸体の綾波がいた。
幸い、アスカは洞木さんの家に泊まりに行っている。
幸い?
幸いという言葉は、このような時に使うものだろうか?
綾波と、僕の関係・・・・・・・・・・・・・・
ヤバイ・・・・・
「あの・・・・綾波さん?」
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7.txt
「いかりくん・・・・・・・どうして、いかりくんは、ここを使わないの?」
そう言って、綾波は僕の腹から、下腹部に手を伸ばした。
指が心地よく動いている。
「あの・・・綾波・・・・・・さん?どうなさいましたか?」
「いかりくんに・・・・・・捧げるもの・・・・・・私・・・・・じゃ・・・駄目?」
「さ、捧げるって・・・・・・・・」
「アスカが言っていた・・・・・・・・・好きな人には・・・・・・・」
その先は言わなかった。
僕の下は、反応してしまっている。
「どうして・・・・いかりくんは・・・・・私を抱いてくれないの?」
「だ、駄目だよ!僕らはまだ、14歳だよ!」
「世界には・・・・・12で子供を産む人もいるわ・・・・・・」
アスカ・・・・・変な事を吹き込むなよ・・・・
「いかりくん!」
思いっきり抱きついてきた。
そして、ベッドに倒れこむ。
「綾波?」
「いかりくん・・・・暖かい・・・・・温もり・・・教えてくれたのは・・・いかりくん・・・・・」
綾波は、この状況に酔いしれているようだ。
「いかりくんは・・・・私の・・・全て・・・・」
綾波に身包みはがされていく。
「いかりくんが・・・・・いなくなったら・・・・・私は・・・・・」
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7.txt
「僕はいなくならないよ・・・・」
「・・・・・だったら・・・・私にも・・・・お手伝い・・・・させて・・・・・・」
そう言いながらキスの嵐を浴びせるレイ。
シンジは、EVAのように拘束されている気持ちになる。
動けないのだ。
「あ・・・・・ふ・・・・ぅ・・・・・・・いかりくん・・・・・・」
「あ、あやなみぃぃぃ!こう言う事は・・・・やったら駄目だよぉ!」
「駄目・・・・・一つになりましょう・・・・それは・・・・とても気持ちの良い事・・・・・・」
ヤバイよ・・・・駄目だよ・・・・綾波が・・・・・
綾波を・・・・・・傷つけちゃうよ・・・・・・・
「・・・・綾波・・・・・こう言うことを・・・・やるのが・・・・僕にとって・・・迷惑なことなんだ・・・・・
」
ビクン!と、レイの体がはねた。
そして、寂寥を感じさせる顔色になってきた。
「・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・私・・・・・いかりくんに・・・・・迷惑かけた・・・・・・」
「綾波・・・・・いいんだ・・・・綾波は良かれと思ってやったことなんだよね?」
「いかりくん・・・・・いかりくん・・・・・・・私・・・・・・・消えるわ・・・・・・迷惑かけた・・・・・」
「違うんだ・・・・綾波のやった事は・・・・確かに、間違っていたよ?でもね、心の問題なんだ
・・・・・さぁ、おいで」
僕はベッドの上で綾波を抱き寄せた。
恍惚の表情に変わっていく綾波・・・・・・
大好きな人に抱かれるって・・・・こう言う風になるんだね・・・・・
「綾波は・・・僕の前から消えないでね・・・・人間は消えないんだよ?」
僕もそれはわからないけど・・・・
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7.txt
「綾波はね、一般常識を覚えた方がいいんだね?」
「・・・・・・・わからない・・・・でも・・・・・碇君が言うなら・・・・・・」
「自分の意思で選ばないと人形と同じだよ」
「・・・・・ごめんなさい・・・・・」
「で?どうする?」
「学びたい・・・・・いろいろな知識を・・・・・・常識を・・・・・
そうして・・・・・人間に・・・・・なりたい・・・・・・」
「よく出来ました。服を着てくれるかな?」
そうして、服を着てもらい、向かい合って、抱きながら寝た。
綾波は落ち着いてすぐに寝てしまったようだ。
まるで、温もりに辿りついたかのように・・・・・
僕は、ただ興奮してすぐに寝られなかった。
「綾波・・・・・これで・・・・我慢してね・・・」
そういって、唇に軽くキスして、僕も眠りについた・・・・・・・・
その間中、ずっと抱いていた。
翌朝
「腕の感覚が・・・・・無い・・・・・」
夜中ずっと抱いていたので、血行不良に陥ってしびれてしまったのである。
「いかりくん?」
「あ、おはよう」
「・・・・・腕が・・・・紫・・・・・・・ごめんなさい・・・」
そう言いながら、左腕をマッサージしてくれた。
生物学とかでは、かなりの知識を持っているのだろう。
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7.txt
「さ、朝食作らないと・・・・」
「いかり君・・・・・・」
「何?」
「・・・・・・・・キスしてくれた・・・・・・・・ありがとう・・・・・」
起きていたようだ。
そして、目を瞑って唇を上に向けてきた。
「・・・・・・おまけだよ?毎日は・・・・・やらないからね・・・・」
そう言って、もう一度・・・・・夜の時より長い時間、キスをしていた。
「んふ・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・」
「いいんだよ、アスカには黙っていてね?」
「ええ・・・・・」
ミサトさんは、戦闘後処理で残業のため、まだ帰ってきていない。
アスカも、朝食はヒカリの家で食べてくるだろう。
しかし、誤算が生じた。
「ただいまぁ!シンジ!ご飯!」
「あれ?向こうで食べてこなかったの?」
「あら?なんでレイ・・・・・パジャマのボタンが段違いなの?下も・・・・逆に着ている・・・・・」
不味い・・・・・
「レイィ?正直に話しましょうねぇ」
「なにが?」
簡潔な答え。
「なにが?じゃないわよ!」
「ただ・・・・いつもと同じ・・・・一緒に寝ていただけ・・・・」
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7.txt
「あ、そう。じゃあ何で・・・・・着方が変なの?」
「着替えを忘れて暗いいかりくんの部屋で着たから・・・・・・」
「シンジは、その時何をしていた?」
「・・・・お風呂」
一応・・・・・辻褄は通っているように思える。
「そ、で・・・・・・・・・ご飯まだ!?」
「出来たよ」
アスカと結婚したら・・・・・恐妻家になるだろう・・・・・・・
綾波も・・・・・嫉妬したとしたら・・・・・・殺されるかな?
先行き不安なシンジは、先を読み過ぎて困っている・・・・・・・
「シンジィ!昨日の夜・・・・抱き合ったでしょう?」
ギクッ!
・・・・・・・・・
ツツーっと冷や汗が額から流れ落ちる。
アスカが、ニヤリと笑みを浮かべた。
シンジは・・・・・自分の「家」へと逃げこんだ。
アスカ達には、暗証コードを教えていない。
ドンドン!
「シンジ!出てきなさい!」
部屋に篭って寝たふり・・・・・・
「レイ、何があったの?」
「・・・・・私が・・・・碇君に迷惑をかけた・・・・いかり君・・・・・抱きしめて・・・・・慰めてくれた
・・・・・・」
「なんだ、そんな事か」
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7.txt
肝心の場面を教えていなかったので、間一髪のシンジだった。
昼には、主夫の血が騒いで昼食を作りに来たシンジは、
アスカの一喝によって・・・・言葉だけで、リビングのソファーに沈んだ。
「いかり君・・・・・大丈夫?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
反応拒否。
むしろ、気絶している。
「あら?よっぽど隠したい事でもあったのかしらね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ポッ!)」
プッツン!
「言いなさい!何をやったの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「答えないと・・・・・シンジのお昼ご飯あげない!」
ピクン!
「・・・・キス・・・・してくれたの・・・・・・抱きしめて・・・・・・触れるだけだったけど・・・・・・」
「あら?それくらいなら・・・・・・」
言葉に詰まった。
レイが冷たい目でこちらを見ているからだ。
「そう・・・・じゃあ私ももっとやっていいのね?クスクス・・・・・」
異世界へ意識が飛んでいるようにも見える。
「いえ、何でも無いわ!」
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7.txt
「ふふふ・・・・・いかりくんと・・・・・・」
「さっきのは嘘よ!信じないで!」
「ふふふ・・・・・・・楽しみね・・・・・・」
さらに、隣の銀河へ意識が飛んでいる。
「ちょっと!」
「あぁん・・・・いかりくん・・・・・・」
1系光年先に意識が飛んでいる。
「レイ!シンジが来たわよ!」
「え?いかりくん?」
0.1秒で戻ってきた。
「あれ?いない・・・・・・・」
こいつは危険人物だ・・・・
アスカは悟ってしまった。
「あのねぇ・・・・・・床で再起動をしようと頑張っているわよ」
「あ・・・・・気絶していたんだ・・・・・・」
レイの実際の性格は、ボケボケなのかも知れない。
「ん・・・・・・・あ・・・・昼食・・・・・・あぁぁぁぁ!焦げてる!」
主夫シンジ復活。
そして、午後。
「さぁって・・・・どうしようかしら?」
「・・・・・・・一緒・・・・・・」
「はぁ・・・・・僕は・・・・・何なんだろう?」
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7.txt
いい加減自分がわからないシンジ。
結局、家でごろごろしている事になった。
2rほん生活は合わないのだ。
「でもね、大変になるよ・・・・・もうすぐね・・・・・」
「え?」
RRRRRR----RRRRRRR
「非常呼集・・・・・・まさか・・・」
「そ、そのまさかだよ。行こうか?」
「いかり君と一緒・・・・・」
昔、「お母さんと一緒」っと言う感じの番組が・・・・・・・・
余談である・・・
「じゃ、早退しますね」
「センセ!頑張るんやぞ!」
「うん、簡単に殺されてたまるかって」
このクラスは、シンジ達のこの行動にはなれている。
誰も不思議に思わないのだ。
助けらえて当然と思っているのが現状だ。
ネルフ
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7.txt
「シンジ君が先に行って敵を調べてきて」
「リツコさん・・・・・」
「どうしたの?行きなさいよ」
僕は、綾波を呼んで、ケイジに入っていった。
「どうしたの?」
「・・・・・・・使徒から光が発せられたときに・・・・ドグマに降りてくれないか?」
「え?」
「・・・・・・ヤリを・・・・使うんだ・・・」
「・・・・・・わかったわ・・・・」
そして、外に出た。
使徒から光りが注ぐ・・・・・・
「いかり君・・・・・約束・・・・守ります・・・」
「レイ?」
「ドグマに降ります・・・」
「・・・・・許さん。命令していないぞ」
凄みを利かせて言ったつもりらしい。
「命令より、いかり君との約束が大事・・・・・・」
「レイ!命令だぞ!」
「・・・・・そんな拘束具・・・・・私には無い・・・・すみません碇司令」
「レイ!」
零号機に入っていった。
「プラグを入れるな!起動させてはならん!」
「しかし!」
「命令だ!」
「・・・・・・・わかり・・・・ました・・・・・・」
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7.txt
このままでは、起動できない。
いかり君・・・・・私は・・・・・人間で有ると言う約束を破ります・・・・
「零号機起動!」
「何で?プラグは挿入されていないのよ!」
「わかりません!」
「・・・・・レイ・・・・・・」
レイは、リリスの力を使って起動させた。
拘束具を切り外し、零号機の手でプラグを挿入する。
固定は、力を使ってした。
「レイ・・・・・お前は・・・・・」
「レイ!シンジを助けなさい!」
「セカンド!レイを止めろ!」
「・・・・・・・・ハイ・・・・」
どうも、辻褄が合わない・・・・
「弐号機起動しました」
「え?!地上まで・・・・・よじ登っていきます!」
「シンクロカットだ!」
「信号拒絶!」
「何だと?・・・・・・どう言うことだ?」
ママ・・・・・ありがとう・・・・・
私に協力してくれるのね?
地上
僕の心を覗いて面白い?
・・・・・・・。
僕の過去を知って面白い?
・・・・・・・・・。
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7.txt
だって・・・・・。
・・・・・・・。
君も殺されちゃうんだよ?
・・・・・・・・・。
ごめんね・・・・・・僕が前より強くなっちゃったから・・・・。
・・・・・・・。
僕にはね、守るべき物があるんだ・・・・・・。
それは・・・・何?
口をきいてくれたね。よかった・・・・。
何?
それはね、第十八使徒・・・・リリンさ。
仲間・・・・。
そう・・・・でもね、リリンは本能を無くしてしまったからね・・・・もう仲間じゃないんだ
・・・・・ごめん。
・・・・・・・・一人・・・・・。
そう・・・・君は一人なんだ・・・・・でも使徒の魂は・・・・巡り、そして、戻って来るんだろ?
・・・・・・・・・
人間で言うとね、生まれ変わるって言うのかな?
・・・・・・・・。
生まれ変わったら・・・・・仲のいい、友達になろうね・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
どうしたの?精神汚染しないの?
・・・・・・・・・・・・友達・・・・・なってくれるの?
・・・・・うん・・・・。きっと・・・・友達になれるよ・・・・・。
今は?
そうだね・・・・・・今の君は・・・・敵と見られてしまう・・・・・せめて・・・・人間の体にならないと
ね・・・・・
・・・・・・・生まれ変わる・・・・人間に?
そう、人間に・・・・・きっと楽しいよ・・・・。
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そう・・・・・。
ごめん。そろそろだね・・・・。
さようなら・・・・・・また・・・・・生まれ変わったらね?
そうだね・・・・・こう言う場合はさようなら・・・・なんだね・・・・・。
「シンジ!レイからヤリが届いたわよ!」
レイが、ドグマからヤリを地上のアスカのもとへ投げたのだ。
「てぇいりゃぁぁぁぁぁぁ!」
ATフィールドに干渉する。
そして、侵食。
突き破り、コアを捕らえる。
さらに、コアに吸い込まれるように刺さっていく。
「さようなら・・・・また・・・・会おうね・・・・」
「シンジ?無事なの?」
「無事だよ・・・・・」
シンジは誰も拒まない。
使徒でさえも、心を開く。
戦闘中は不利かも知れない。
しかし、だからこそ心が強くなるのだ。
だから、今度の使徒も見るだけ、覗くだけ・・・・
だから、使徒でも友達になれる・・・・
だから、優しい・・・・
「回収しろ・・・・早く!」
「は、はい!」
緊急回収された。
司令室。
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「何故・・・・・・命令を破った?」
「シンジがいなければ私はEVAに乗れなくなるからです」
「いかり君との・・・・・約束だから・・・・・命令より重い・・・・約束・・・・」
「レイには失望した・・・・」
決定打の言葉を放つゲンドウ。
しかし、裏切られた。
「私は・・・・あなたの人形ではない・・・・・あなたは・・・・・私の中のユイさんを見ようとしてい
る・・・・・」
「・・・・・・歯向かうのか?」
はぁ・・・・と、ため息を吐きながら言うシンジ。
「諦めな・・・・・・綾波は意思を持って生きている・・・・操り人形にはならないよ」
「・・・・・・・・・・余計な事を・・・・・しかし!」
「スペアだろ?無駄だよ。綾波は人としての自我を確立した・・・・・・スペアの肉体に、魂は
宿らないよ」
「・・・・・・・・・・・計算済みか・・・・」
「うん、最近やっと自我を確立できたからね・・・・・・・もう取り替えられない・・・・ダミーも
終わりさ」
そう、これで・・・・・・量産型も・・・・来ないかな?
「・・・・・・・・約束の時は・・・・必ず訪れる・・・・・・覚悟しておくんだな・・・」
「覚えておくよ」
そう言って、承諾も無しに三人で部屋を出ていく。
入れ替わりに、リツコが入っていった。
「司令・・・・壊しますか?」
「・・・・・・・いや・・・・・パーツの予備だ・・・・壊すな」
「わかりました」
自宅
「いかり君・・・・・・さっきの話・・・・・・私は・・・・計算されて・・・・一緒にいたの?」
「半分はね・・・・・でも・・・・好きだよ・・・・一緒にいてね?」
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「・・・・・・うん・・・・・私も・・・・一緒にいたい・・・・」
パンパン
手が叩かれた。
「お熱い事は、寒波に襲われた所でやって!こっちは一年中真夏で暑苦しいのよ!」
「あ、ごめん。アスカも・・・・好きだよ?」
「付け加えみたい・・・・・・むかつくわ」
「え?あ・・・・ごめん」
結局謝るシンジ。
「・・・・・・内罰的・・・・・」
「心の弱さを隠す手段さ・・・・・」
「何よ・・・・・」
「アスカも・・・・・気張る事で弱さを隠しているからね」
「な、何よ!」
今になってばれたと思っているアスカ。
もともとばれている。
「で、夕食は?」
「今から作るよ。待っててね」
「手伝う・・・・・・・・」
仲良くお料理。
アスカはソファーでテレビ鑑賞。
(何よ・・・・何がわかるって言うのよ・・・・・・私がばかみたいじゃない・・・・・)
「ふんふんふ~ん!ふんふんふんふ~ん!(運命)」
「どうしたの?いかりくん」
「歌はいいね」
「そう?」
「そうだよ」
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カヲル君とキャラ被って来たかも・・・・・
「シンジィ!鼻歌なんて歌ってないで、早く作りなさい!」
「もう出来たよ」
「あ、っそう」
次は最後の使徒・・・・
僕にとってね・・・・
カヲル君を使徒だと思いたくないもんね。
そして、その使徒はあまり時間がたたないで来た。
2rdステージ 弐拾弐
~包みこむように・・・・~
学校
「センセ、最近性格かわったわなぁ」
「そうかい?」
「そうだね、変わったよ」
「自覚が無いからわからないよ」
いや、気付いている。
「敵さんはどうなんや?」
「まだ来るよ。多分、近いうちにね」
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7.txt
「そら、難儀やなぁ」
「そうかなぁ?」
「緊張感無いなぁ。やっぱり僕がシンジの変わりに・・・」
スッパーン!
心地いい音が屋上に木霊する。
アスカだ。
「トイレ用スリッパ・・・・女子トイレ用・・・・」
「僕は、アスカのやりたいことがわからないよっ!」
「わかるでしょ?」
「うん」
矛盾している。
「で?いつ来るの?次は」
「さぁ?僕は知らないよぉ」
「いかり君・・・・・見つけた・・・」
ヒシッ!
「センセ!裏切りは死にあたいするで!」
「シンジ!僕はお前を許さない!」
「いかりくんを苦しめる因子は・・・・排除する・・・・」
怖い・・・・・
ただ、二人は震えた。
シンジはそばで眺めているだけだ。
「授業始まるわよ」
「はいはい」
そして、教室に戻っていった。
ページ(194)
7.txt
「退屈・・・」
「大学出ているからねぇ」
「暇」
「我慢」
「暇よ。一発芸やって」
「拒否」
当然、普通の声だ。
「おほん、そこの二人・・・・私語は慎みなさい」
「はぁ~い!でさぁ、シンジィ」
「矛盾しているよ・・・」
周りでは笑っている・・・
「こら、2年A組の漫才コンビだわな」
「でも、売れないね・・・・・写真は・・・・」
評価をしている二人は、後でアスカに絞められた。
1週間後
「でさぁ・・・・シンちゃん」
「すみません。僕だけで行きます」
「理由を述べよぉ!」
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7.txt
拍子抜けしている。
「戦闘が終わればわかりますよ」
「ほぇ?」
「文句は言わせませんよ」
ニコッと笑って誤魔化し、とっととケイジに向かう。
「一緒に・・・・・・」
「シンジ?」
「まかせましょう・・・・・・シンちゃんの考えている事はわからないわ」
地上。
「ミサトさん、ダミーのバルーンを出してください。使徒の目の前に」
「いいわよ?」
ウイィィィィンっと出された。
急に、使徒のATフィールドで包みこまれ、
密着していく。
「取りこんでいきます・・・・あ!はがしました!」
「・・・・・・・EVAと・・・・融合する気?」
「不味いな・・・・碇、どうする?」
「・・・・・初号機は戻ってこんだろうな・・・・・放っておく。シンジにまかせる」
「お前らしくも無い」
「・・・・・・・・・・・・・」
ページ(196)
7.txt
また、地上。
「ごめんね、一つになる気は無いんだ・・・・・許してね・・・・」
S2機関をフル稼働させ、取りこまれないように、素体に直接シンクロする。
「シンクロ率0%!」
「どう言うこと?」
リツコも理解でき無い様だ。
時速を簡単に超えるスピードと、結界になるほどのATフィールドを展開する。
そのATフィールドを右手に集中する。
「具現化しているわ・・・・不可能よ・・・・」
「でも・・・・シンちゃんは可能にしているわよ」
「シンジ君がおかしいのよ」
当然の意見だろう。
「ごめんね・・・・君は・・・・・死んで」
そう嘆きながら、コアに突き刺す。
コアが裂け、色が急変する。
断末魔の悲鳴を上げながら、活動停止・・・・・・
「シンジ君、後でしっかりと・・・話してくれないわね・・・・」
「すみません・・・・・」
実際に、レイが出たら前と同じ結果になっていただろ。
アスカが出ても・・・・・・・・・
だったら、力的に倒せる初号機で行った方がいいのだ。
まえなら、ゲンドウが全力で止めただろう・・・・
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7.txt
そいうえば、加持は生きている。
ただ、ひっそりと、ネルフ内で過ごしているが・・・・・
シンジには不信を抱いているようだ。
それは、リツコもゲンドウも・・・ミサトも同じである。
アスカと、レイは、完全にシンジを信じこんでいるので疑うよちはない。
シンジは不安だった。
ダブリス・・・・・・
渚カヲルが来るからだ。
なんて顔をして会えばいいのだろうか?
どうやって・・・・・説得しようか?
また・・・殺すのだろうか?
それだけは・・・・避けたいのだ・・・
しかし、運命は裏切るだろう・・・・
その運命を、シンジは全てを受け入れて・・・・
全てを、包みこんでこの世界を生きてきた。
運命を受け入れて・・・・・
サードインパクトも起こるのか?
また・・・・始めの時間に戻るのか?
わからない・・・・・
わからないから・・・・迷う。
迷うから・・・・苦しむ。
前は、受け流してきた。
あまり考えないで・・・・
しかし、今回は違う。
全てを知っている。
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7.txt
だから・・・・変えられるはずだ。
殺さないですむ・・・・
起こさないですむ・・・・・
人類を・・・・・・破滅させないですむ・・・・・・
わからない?
何が?
全てが?
人類が?
父さんが?
使徒が?
EVAが?
自分が?
そう・・・・・
自分がわからない。
シンジは、自分の部屋で考えていた。
あまり深追いしないで受け流してきた事・・・・・
今になって、気になったのだ。
しかし、地上で誰も答えを知らないだろう。
2が元気無いと、僕らも沈んじゃうよ」
「そう・・・・だね・・・ごめん」
タッタッタッタッタっと足音が近づいてくる。
「シンジ!ニュースよ!フォースチルドレンが見つかったわ!」
「そう・・・」
そうなんだね・・・・トウジが乗らなかったから・・・・
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7.txt
「今日学校が終わったら来なさいってさ」
「うん・・・・・・」
「どうしたの?」
「ちょっとね・・・」
アスカの目線が二人に注ぐ。
「わ、ワイはなんもしてないで!」
「僕もだよ!」
「怪しいわね・・・・・レイ!」
「なに?」
何時の間にか・・・・
「懲らしめなさい」
「了解」
「いややぁぁぁぁぁ!」
「なんもしとらんでぇぇぇぇぇ!!!」
「言わないと・・・・ヒカリに報告するわよ!」
「なにをぉぉぉ?」
二つの意味があるらしい。
トウジの言葉はよくわからないよ・・・・
「アスカ、ただ僕の元気が無いだけだよ。二人には何もされてないよ」
「口止め?」
「かんちがいやぁぁぁぁ!!!」
「逃げの1手!」
戦線離脱のケンスケ。
遅れてトウジも。
「どうしたの?シンジ」
「何でもないよ・・・・」
「嘘おっしゃい」
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7.txt
結局言わなかった。
言っても理解できないから・・・
二人を苦しめるから・・・・
ネルフ
「この子がフォースチルドレンの、渚カヲル君よ」
「よろしくぅ(にやり)」
あ、怪しい・・・・
アスカは直感した。
「やぁ、シンジ君。後で話しがしたいな」
「へ?」
「じゃあ解散!」
ミサトさんの一言で、カヲル君がそばにきた。
「やぁ、シンジ君。僕も君に引かれて戻ってきたよ」
「・・・・・・は?」
「また・・・・殺してくれるかい?」
「・・・・・・・・・まさか・・・・・」
「そのまさかだよ」
「・・・・・・・・嫌だよ」
「その弱い心・・・・好意にあたいするね」
この言葉に二人がサッと駆け寄ってきた。
「あんたねぇ・・・・ホモ?」
「・・・・・・・・・・・・殲滅・・・・・するわよ」
「怖いねぇ、穏やかではないよぉ」
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当然である。
「カヲル君・・・・・散歩しようか?」
「そうだね」
「二人は・・・・来ないで」
ジオフロント内
「人口の陽光でもあまり変わりないね」
「そうだね」
遊歩道を歩いていく二人。
そして、隠れてついてくる二人。
「ねずみ小僧みたいだね」
「あの二人だからね・・・・・」
「僕は君に殺されるために来たのさ」
「そんなんで来ないでよ・・・・・・・」
笑って誤魔化すカヲル。
「まぁ・・・・短い時間を楽しまないかい?」
「そうだね・・・・友達だもんね・・・・・」
「最愛の・・・だろ?」
「・・・・・・僕はそういう趣味・・・・無いよ?」
「男なら誰でも、そう言う気を起こすものさ」
恐ろしい事をさらっと言うカヲル。
「しかしねぇ・・・・今度も弐号機を使わせてもらうか」
「僕は知らないよ・・・・アスカに殺されても」
「シンジ君の方がいいなぁ」
ベンチに腰掛ける。
「リリンが作り出した最高傑作を知っているかい?」
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「歌・・・だろ?」
笑い飛ばすカヲル。
「違うよ、君さ・・・碇ユイ博士と言うリリンが作り出した、最高のリリン・・・・・心優しく、
もろいシンジ君」
「僕は・・・・君を殺さなくてはいけないの?他に道は・・・・・」
「わからないよ。全てはリリンの道筋通りに・・・・・繰り返す命・・・・・・いつか、殺さないで
すむさ」
「僕は・・・死んだら、またあの時間に戻るのかな?」
「君は、自分の道を決めるがいいよ・・・・君がリリンの道を決めるのさ・・・・・君しか決めら
れない」
にやけている。
「僕が適任か・・・・・前も父さんに言われたな・・・・・本当に始めて乗った日・・・・・・」
「適任じゃないよ。君しか決められない・・・・運命なのさ」
「僕の人生は・・・・・何処で狂ったんだろう?」
「引き取られている時に、自分の殻に閉じ篭ったのがいけないね・・・・・」
「そうだね・・・・・・・」
かさかさ・・・・
「しかしね・・・・・ねずみは・・・・・」
かさかさかさ・・・・・
「そうだね・・・・」
かさかさかさかさ・・・・
「どうしようか?(ニヤリ)」
「その表情の時は・・・・何か思いついたね?」
「察しがいいね・・・・好意にあたいするよ」
「それで?」
カヲルは、おもむろに立ち上がり、草むらに走っていった。
「お嬢さん、シンジ君が気になるにはわかるけど、覗き見はいけないよ」
「そうだね、いけない事だよ」
ビックリして、腰を抜かしている。
「ド、鈍感シンジが・・・・」
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「いかり君・・・・」
はぁ・・・・
「シンジ君はね、鈍感なんかじゃないよ・・・・前はそうだったけどね」
「今はね、変わったんだ・・・・君達二人を守るためにね・・・・・・」
「どう言うこと?」
「後もう少しで教えるよ。楽しみに待っていてね」
「それとね、シンジ君は1週間ほど借りるよ」
二人が震えた。
(シンジが汚される!)
(いかりくん!守ってあげる!)
「僕はね、1週間だけカヲル君と一緒に生活するよ」
「なんですって?」
「いかりくん!」
「シンジ君はもてるね」
「ははは・・・・・結構大変だよ・・・・・」
引っ叩かれた。
カヲル君は、ネルフの近くに部屋を借りた。
僕も、1週間そこに住む。
ミサトさんに言ったら、「夕食だけは作ってく!」だってさ。
断ったら、血の涙を流していたよ・・・・・
部屋
「しかしね・・・・ここは監視カメラとマイクの巣だね」
「しょうがないよ、カヲル君の過去は誰も知らないんだもん」
「そうだね、じゃあ・・・・使用不能にしようか?」
「やってくれる?」
「喜んで」
ページ(204)
7.txt
ネルフ
「なんですってぇぇぇぇ!」
「シンジ君が知っている?」
「使用不能だぁ?」
「何者?」
「シンちゃん!ご飯!」
「ネルフにはいないわよ・・・・」
暴走中の二人を止められるものはいない・・・・
部屋
「さ、夜遊びに行こうか」
「そうだね、僕もカヲル君と遊びたいよ」
「短い時間・・・・有意義にね」
「・・・・・・長く出来るかもよ?」
「まぁ・・・・最悪のパターンから考えないとね」
嫌な考え方しないでよ・・・・・
考え方一つで世界は違く見えてくるのに・・・・・
ぼくらは、バーに行って、軽くアルコールを飲み、
ゲームセンターで遊んで、公園に来た。
「諜報部も大変だね」
「ごくろうさまぁ!」
ビクッとして、視界から消えたサラリーマン風の男二人。
ぼく等二人は笑っていた。
「シンジ君はあの二人のうち、どっちが好きなんだい?」
「さぁ?わからないよ」
「二人は、君の温もりを求めているよ」
「そうだね・・・・答えてあげたいけど・・・・・全てが終わってからじゃないと・・・・」
ページ(205)
7.txt
「だね、君は優しいね」
「前も言われた気がするよ・・・・・」
「ぼくは言った気がするよ?」
カオル君を、また殺すのだろうか?
わからないよ。
もし、殺すのだとしたら・・・・
ぼくは、どうするんだろう?
わからないよ・・・・・
「さぁ、帰ろうか?」
「そうだね、寝よう」
「二人でかい?」
「綾波達に知られたら、殺されるよ・・・・・」
「それも人生さ」
「最低だね・・・・・」
「そうかな?」
「そうだよ・・・・」
布団が無かったので、一緒に寝た。
本当に殺されちゃうよ・・・・・
知られなきゃいいか・・・・
翌日 ネルフ
「渚君のシンクロテストね」
「はい(シンジ君、どうしようか?)」
「(ん~・・・・・まずは・・・・40%くらいでいいんじゃない?)」
「じゃ、行きます」
カヲルは、エントリープラグに乗り込んだ。
「・・・・・・40%・・・」
「始めてとしては、落ち着いているし・・・・・結構高いわね」
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7.txt
「カヲル君、60%は?」
目を閉じた。
「・・・・・60%に上がりました」
「どう言うこと?」
「じゃ、100%ね」
「いいのかい?シンジ君」
僕は笑って答えた。
「100%ピッタリです!」
「マヤ!おかしなところは?」
「無いです。正常そのもの・・・・」
「シンちゃん!どう言うこと?」
また、笑って誤魔化した。
「200%行ける?」
「行けるよ」
「上がっていきます・・・・・200%です」
ミサトさんも、リツコさんも、マヤさんも・・・・あげくの果てに、父さんも驚いていた。
当然かな?
自由に操作できるなんて・・・・」
「400%は危険だから・・・・390%に出来る?」
「出来るよ、やっていいものなのかい?」
「平気だよ」
どうだか?
「390%・・・・・・・・・・・」
後ろの方で慌てている。
「碇・・・・やはり老人からの・・・・」
「・・・・・ああ、最後のだ・・・・」
カヲル君は、父さんに答えた。
「そうですよ司令。まぁ・・・・・覚悟しておいてください」
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7.txt
ミサトさんと、リツコさんとマヤさんは父さんの言葉が、聞こえなかったようだ。
「じゃ、テスト終わりですねミサトさん」
「・・・・・・シンちゃん・・・カヲル君の事を知っているようね?」
「ええ、知ってますよ。友達です」
ふに落ちないようだ。
「過去の記録が無い事も知ってますよ」
「何ですって?!」
「また明日!」
早足に、シャワールームに向かった。
「カヲル君、凄いね」
「そうかい?シンジ君も・・・・」
「いいんだよ」
「そうかい?十分強いのに」
弱いよ、心は特に・・・・・・
「これからどうするんだい?」
「カヲル君が決めてよ」
「じゃ・・・・・・シンジ君が今まで住んでいた家に行こう」
「え!」
二人に・・・・殺される・・・・・
本気で・・・・・
そして、嫌々ながらも、ついについた。
「ただいまぁ・・・・・」
いない事を祈って小声で言った。
ページ(208)
7.txt
しかし、期待は裏切られるだろう。
「シンジ!こっちに来なさい!」
「いかり君・・・・・許さないわ・・・・・・」
ははは…
目がすわってるよ・・・・
僕の生涯はここで終えるのか・・・・
悲観的なシンジだった。
「シンジ君も大変だねぇ」
楽観的な人もいた。
「来なさい!」
「一緒にいたかったのに・・・・・」
涙を流しながらシンジは自分の部屋へと入っていった。
カヲルもついて行く。
「さぁ!説明しなさい!」
「何をだよぉ・・・・・・」
「全てよ!」
「・・・・・・・・いかりくん・・・・・・」
「大変だねぇ」
もういや・・・・・
「カヲル君とは前から知りあいだったんだよ」
「で?昨日は何で向こうに泊まったの?」
「あ、約束だったんだ」
そうなのかい?とカヲルはシンジを見る。
「昨日は夜遊びしたから面白かったよぉ!シンジ君は好意にあたいする人物だね」
「どう言う意味よ!」
「好きって事さ」
N2爆雷がアスカとレイの真上に落ちた。
「ぬわんですってぇぇぇ!」
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「いかり君・・・・・・・・」
慌てて弁解する。
「違うよ!友達としてさ!」
「そうなのかい?さみしいなぁ」
「シンジ!」
「はい!」
つい、驚きながら反応してしまう。
「あんたって・・・・ホモだったの?」
「え?」
「いかり君・・・・・」
ホモじゃなぁぁぁい!
と、抵抗するが二人の力には勝てない。
勝てるが、あえて勝たないのだ。
「綾波レイ、君は僕と同じだね?」
「カヲル君・・・・いちいち同じ事言わないでも・・・・・」
「僕のさだめさ」
そうなの?
カヲル君の事はよくわからないや・・・・
「渚・・・・あなた・・・・何?」
「いやぁ!シンジ君!」
さらっと受け流す。
レイの目には、怒りの赤い炎が見えているようだ。
「シンジ君!睨んで来るよ!」
「僕は何も出来ないよ!自分で対処してぇぇぇ!」
逃亡。
リビング
「はぁ・・・・・カヲル君は変わってないな・・・・・」
今更ながら、疲れている。
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「使徒でも、綾波みたいに普通に生活出来ているのに・・・・」
俯く。
「また・・・・・殺さなきゃいけないのかな?いやだな・・・・・」
「いかり君・・・」
「あ、綾波・・・・アスカとカヲル君は?」
「殲滅しあっているわ・・・・」
恐ろしい・・・・
「渚・・・・・私と同じと言ったわ・・・・」
「まぁ・・・・・いつかわかるさ」
「そうなの?」
「そうだよ」
断末魔の叫び声がこだまする。
ガタガタと音を立てながら、這いずり近づく背の高いカヲル。
通った所は、血の線がついている。
「シンジ君・・・・君はあんなのと住んでいて、今までよく死ななかったね」
「消毒する?」
「必要無いよ。端末の角で叩かれただけだから」
どう考えても必要あるよ・・・・・
「シンジ!このナルシスホモを捨ててきなさい!」
「ひどいなぁ、僕のシンジ君はそんな事しないよ」
「僕の?あんた!もう一度痛い目にあいたいようね!」
リビングを逃げまとう。
グルグルグルグル・・・・・
よく目が回らないものだ。
「助けてくれよシンジ君」
「助けてくれと言っている割には、顔が笑っているよ?」
「こう言うのも楽しいね!」
「ははは・・・・・・・」
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7.txt
苦笑するしかない状況だ。
アスカは、青筋をこめかみに立てて角が2本たっている。
「だぁぁぁぁぁ!殴らせなさい!」
「はははは!」
「笑うなぁぁ!」
「いいねぇ!楽しいよ!」
アスカ・・・・遊ばれているよ・・・・
口が裂けても絶対に言ってはならないと確信した。
「僕は・・・・昼食でも作ろうかな・・・・・・」
「お手伝い・・・・・」
「お願いするよ」
昨日のご飯は綾波が作ってくれたようだ。
ミサトカレーだけは、食べさせたくない・・・・・
「シンジ君!この料理を作る君は好意にあたいするよ!」
「勝手にしてよ・・・・・・・」
諦めモード作動中・・・・・
「あんたに食わせるシンジの料理は無いわよ!」
「いやぁ!美味しいね!」
アスカの事は無視らしい。
「シンジィィィ!こいつを追い出しなさい!」
「知らないよ・・・・・」
「こらぁぁぁ!」
カヲル君は、アスカとじゃれ合って楽しいようだ。
綾波は、僕がいるだけでいいらしい・・・・
僕は?
僕は・・・・・なんなんだろう?
夕方
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「ただいまぁぁ!」
「おかえりなさい」
「あら?いたの?」
全く・・・・
「監視カメラでとっくに見ているでしょう?今更嘘つくことなんてありませんよ」
「あっちゃぁ?ばれちゃっている?」
「ええ、始めから」
「ええ?」
驚いていた・・・・
「全く・・・・部屋までは監視していないから黙ってましたけど・・・・」
「いつ調べたの?」
「始めから知っていただけですよ」
なんで?
と言う質問が、20回ほど続いた。
「夕食を作りますよ。待っていてください」
何者よぉぉぉ!
シンちゃんは味方なのぉぉぉ?
敵だったらとっくに殺されているわね・・・・・
誰か教えてよぉぉぉぉ!
誰も教えないだろう、今は・・・・・
そんなこんなで1週間。
ネルフ
「フォースチルドレンがロストしました!」
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7.txt
「早く探して!」
「あら?どうしたのシンジ君」
ついにこの時が来たか・・・・
「リツコさん・・・・初号機を準備してください・・・」
「何を言っているの?」
「・・・・・・カヲル君は、きっとケイジにいるでしょう・・・・」
「・・・・・・発見しました!・・・・・・浮いています・・・・・・」
「何ですって?」
「浮いています!体が・・・・!」
カヲル君・・・・・
「僕は着替えてきます」
「弐号機!起動しました!」
「乗っていないのに?」
「拘束具を無理やり外しています!」
「どう言うこと?」
司令室
「動いたな・・・・」
「ああ・・・・・」
「碇・・・・どうするのだ?」
「・・・・・・・・シンジが対処するだろう。私は知らん」
「・・・・・・蹴ったな?」
「・・・・・冬月先生・・・・・」
「ほう、久しい呼び方だ」
「・・・・・・私は・・・・・シンジが信じられません!」
「私もだ」
「殺しておくんだったな・・・・・・・」
「ヲイヲイ・・・・息子をか?」
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「ああ、計画に邪魔なやつは消えてもらう」
「今は不可能だな・・・・」
「弐号機!ターミナルドグマに降りていきます!」
「進行を止めて!」
「はい!」
「ミサトさん、僕が行きます・・・・・・・」
「早く!」
はぁ・・・・・
ドグマ
リリス前
「やぁ・・・・結局殺すの?」
「そうさ、今までの楽しい生活をありがとう。
カヲルは、弐号機の横でフヨフヨ浮いている。
「僕はね・・・・・同じ種族を殺せないよ」
「そうだね、リリン」
「・・・・・・・何で、僕の魂だけ補完されたんだろう?」
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「君だけが、世界を救えるからだよ」
「・・・・・・第十八使徒・・・・リリン、人類だけど・・・・・魂がかけている・・・・」
「君は、補われたから完全なリリンだよ・・・・心の壁も使える・・・・」
「知っているよ・・・・・精神も普通より頑丈だし・・・・体力も常人の何10倍もある・・・・人間じ
ゃないよ僕は・・・・」
「人間さ、リリンだからね」
「・・・・・・・・・カヲル君、僕を殺してくれないか?」
これには、笑っている顔が強張った。
「駄目だよ、僕は死に、君は生きなきゃいけないんだ」
「・・・・・・・・」
「まえはね、生と死は同価値と言ったけど・・・・・」
「だから!・・・・・・」
「だからね、君は生きなきゃいけない・・・・使徒はまた巡る・・・・魂でね」
「僕もそうさ・・・・使徒だからね・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「カヲル君、一緒に生きないかな?いきれないかな?」
「さぁ?」
「行きようよ・・・・僕達リリンと共に・・・・」
「・・・・・使徒の共存は無理だよ?危険が生じる」
「それでもいいんだ・・・・また・・・殺したと悔やむから・・・・・」
そこに、もう一人来た。
「いかり君・・・・・・」
「やぁ、リリス」
「綾波・・・・来ないで欲しかったな・・・・・これは、前の時間からの決着だから・・・・・」
ページ(216)
7.txt
「前の時間?」
「そうさ・・・・この時間は僕にとってもカヲル君にとっても・・・・二回目なんだ・・・・」
頭をひねっている。
「だから、綾波の秘密も、使徒のことも知っていたんだよ」
「そうさ、僕ら三人は同じ仲間さ」
「仲間?」
「そうなんだ・・・カヲル君がアダム、綾波がリリス、僕は補完されて、完全になったリリ
ン・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さぁ!シンジ君!今一度・・・・握りつぶしておくれ!」
「・・・・・いかりくん・・・・・生きた使徒の捕獲・・・・・・」
「あ・・・・・・・」
その手があった・・・・
そうすれば・・・・
「カヲル君、君を、連行する」
「優しいね・・・・・・・・好意にあたいするよ・・・・・・」
「最愛の友達を殺す奴は最低さ・・・・・・この世界では殺したくないんだ・・・・」
「でもシンジ君、ここでやることがあるね?」
「ああ、十字にかかったリリス・・・・・殲滅する」
「そして、アダムも・・・・」
「言っておくけど・・・・カヲル君も綾波も殺さないよ?いいね?」
だって・・・・
二人は使徒であって使徒に有らず・・・・
「アスカは・・・・・来たね」
「あんた達!何やっているのよ!」
「アスカ!弐号機に乗って!」
「え?」
「いいから!」
僕は、変わりに下りた。
ページ(217)
7.txt
出来るだけ、アダムとリリスをEVAに近づけたくなかったから・・・・
一機でも減れば・・・・危険は減少する。
ここでサードインパクトが起こったらたまったもんじゃないよ・・・・
「シンジ?」
「いかりくん?」
「いいのかい?シンジ君」
「いいんだ、初号機とアダムは近づけたくないからね」
「そうだね」
リリスの前に立った。
抜け殻のリリス・・・・・
コピーされた挙句、エネルギー源のS2機関も外されたリリス・・・・
破壊すれば、すむ事だ。
「心の壁・・・・・ATフィールド・・・・・始めて生身で使うよ・・・・」
「大丈夫さ、シンジ君の心なら、僕でも侵せない」
「行くよ」
僕の体が光り出す。
そして、簡単に結界クラスのフィールドが展開された。
「リリス・・・・・破壊させてもらうよ」
「いかり君・・・・壊してあげて・・・・・かわいそうだから・・・・」
綾波にはそう感じるようだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕の右手にフィールドが収束する。
光りが回転しながら集まり、金色に輝いている。
手のひらに、球体の物が出来あがった。
「行くよ」
「うん、さすがだねシンジ君」
体の中心部に投げつける。
ゆっくりと、体内に入っていく光の球体・・・
ページ(218)
7.txt
体内に入った瞬間、破裂した。
シンジが操作して、破裂させたのだ。
当然、リリスも消し飛ぶ。
「さぁ、後は父さんの手にあるアダムだ」
「行こうか?」
僕は、遠隔操作で初号機を動かしてケイジに戻った。
「シンジ、どうして黙っていたの?」
「知られるのが怖かったんだよ、二人には人間として接していたかったからね・・・」
「そ、私は、どんな事があっても驚かないわよ?あんたの事だから」
「アスカは・・・ミサトさんの所にいて・・・」
「?」
僕は、アスカを除いた三人で司令室へと来た。
部屋の扉を吹き飛ばし、父さんの目の前に来る。
「やぁ、前の時間で補完されたリリンが来たよ・・・・・補完計画の産物さ」
「・・・・・・・・なんのようだ?」
「聞いていたくせに、アダムを殺させてもらうよ」
「・・・・・・・・無理だな・・・・・」
「可能だよ、シンジ君には、どの使徒でも勝てない・・・・」
「碇・・・・・」
「冬月・・・・・」
「さぁ・・・・融合を解除してあげるよ・・・・」
ゲンドウの手が光る。
アダムが、人の子供くらいの大きさで出てくる。
「ここまで大きくなっていたんだ」
「僕のもと・・・・アダム・・・・」
「行くよ」
ページ(219)
7.txt
さっきの様に右手が光る。
1回やった事なので慣れた。
準備に要する時間がかなり縮小されていた。
五秒足らずで撃ち出した。
「さぁ・・・」
綾波とカヲル君は、父さんと副指令にATフィールドを展開して守っている。
そして、アダムが破裂して蒸発した。
ヤシマ作戦に使用したポジトロンライフルより強力だ。
初号機が暴走した時よりも強いだろう。
「これで・・・・計画は破棄だね・・・・老人になんて言うんだい?」
「カヲル君・・・・・・・父さん、委員会を召集して」
「・・・・・・普段は・・・・向こうから召集するのだがな・・・・こちらからとは・・・・・」
すでに、ゲンドウは諦めているようだ。
いや、新たな希望が生まれているように思える。
そして、サウンドオンリーのモノリス・・・・・
「碇・・・・どう言うことだ?」
「それに、ダブリス、どうして・・・・・・・・」
説明するべきだな・・・・
「僕は、前の時間であな達の計画で魂を補完され、完全なリリンとなりこの時間に戻って
きました」
「なに?」
議長が声をあげた。
「ダブリス」
「全てはリリンのために・・・・シンジ君とは友達だよ」
「・・・・・・・碇、計画の実行は?」
「不可能となりました。アダムもリリスも存在しません」
ページ(220)
7.txt
「いや・・・・いるではないか・・・・そこに」
カヲル君と綾波の事だろう。
「この二人は協力しないでしょう。無理やりやろうとすれば、計画どころではありませ
ん」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「人類補完計画は、本日を持って破棄します」
「裏切り行為は死罪に値するぞ」
「その通りだ、九つの贈り物・・・・・覚悟しろ」
え?
「そうか・・・カヲル君でダミーを完成させたね?また戦うのか・・・・・今度は殺されたくない
な」
そう、アスカを・・・・・
「あの、白いボディーと爬虫類の顔・・・最低だよね」
「そうだね、僕は、魂になってはたから見ていたけど・・・・最低だね」
「僕は生身で戦える・・・・」
「シンジ君はそうさ、僕はどうなるんだ?」
ごく一般的な考えのカヲル。
「アメリカに参号機があるよ、それに乗ればいいんだ」
「そうだね」
完成しているかな?
「シンジ・・・・一つ言っていいか?」
「なに?」
「・・・・・老人達がキれている」
「あ・・・・・・」
どうも、緊張感が無い・・・・
そう言えば・・・初号機でも起こせるんだよな・・・・カヲル君と初号機を融合させれば・・・・
「じゃあね、1世紀も生きたのに無駄だったみたいだね」
「僕を作っておいて、様ぁ無いね、老人の頭はカチカチに凍っているようだ」
よくわからないが、ひどい事を言っているよ・・・・カヲル君は・・・・
ページ(221)
7.txt
「それでは失礼します」
「碇!万死をもって購え!」
「すでに、ネルフは私の指揮を脱してますよ・・・・シンジが指揮を取る事になるだろう
・・・・・」
「うそ!?」
「マジだ・・・・バックアップはせんぞ?」
信じられないよ・・・・
司令室
「シンジ、全てが終わったら・・・お前の力でユイを・・・・サルベージしてくれ」
僕に全権をわたして、しかも計画を破棄した理由はここにあったらしい。
「いいけど?母さんはカンカンだよ?」
「・・・・・・・・・問題無い」
「碇・・・・・震えているぞ」
「問題無い・・・・」
誰がどう見ても問題あるだろう・・・・
冬月副指令が、こちらを向いた。
「シンジ君、一気に性格がかわったな」
「そうですね、今まで我慢してきた事を爆発させただけですけど・・・・」
「フォースの渚君、副指令は君にする」
「どうして僕なんだい?(ニヤリ)」
「・・・・・・新世紀は・・・・子供達に作らせたい・・・・・」
「どう考えても・・・・老人の屁理屈だねぇ(ニヤリ)」
「・・・・・・私は年を取りすぎた・・・これからの世界は・・・・君達チルドレンが作るものなん
だ」
「わかりましたよ、頑張りますよぉ」
カヲル君は、終始にやけていて軽かった。
ページ(222)
7.txt
僕も同じかな?
綾波は・・・・黙っていた。
何で・・・・僕が司令なんだ?
今更・・・・・
ミサトさんが聞いたら腰を抜かすだろうな・・・・・
まぁ・・・敵って言われるかも知れないけど・・・・・
なんせ、使徒だからね・・・・
リツコさんは・・・・実験材料に僕を使おうとするかな?
マヤさんは・・・・潔癖症爆発?
わかんないや・・・・・
「ただいま、後は時を待つだけだよ」
「シンちゃん、説明しなさい」
「聞いていたでしょう?見ていたでしょう?あれが全てです」
「あんら・・・・・っそう、わかったわ」
ははは、っと笑って見せた。
「あ、後ですね、僕が司令、カヲル君が、副指令に任命されました。多分・・・・全てが終わ
ったら交代ですけど」
「えぇぇぇぇぇえええええ?」
驚くのも無理は無い・・・・
「後一ヶ月ちょっと・・・・二ヶ月くらいかな?ゆっくり・・・平和に過ごしましょうよ・・・・」
「そうだよねシンジ君、大人達は、ゼーレを暴露する資料を集めていればいいんだよね」
「子供は遊ぶ!」
大人達はあきれていた。
しかし、何故かみんなの心が和らいでいる・・・・
「安心したわ。シンちゃんなら・・・・少なくても三月まで司令が適任だから」
「帰りますね、寝不足ですので」
昨日は、今日の事を考えていて一睡もしていないのだ。
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7.txt
僕って・・・・ばかだ・・・・
今更ながら感じるね。
はぁ・・・・・・
2rdステージ 弐拾四
~準備の数週間~
自宅
「お腹減ったの!」
「たまには作ってくれてもいいじゃないか・・・・・」
「作れないもの」
実際は作れるだろうなぁ・・・・・
面倒なんだな?
僕だって・・・・・・
料理は嫌いじゃないけど・・・・・・・・・
「シンジ君、これからどうするんだい?」
「そうだね・・・・・ご飯作らないと・・・・」
「そうじゃなくてさ」
ページ(224)
7.txt
「・・・・・・・・人材の補充と、武器の補充・・・・・ゼーレを捕まえるための資料を集める事だね
・・・」
「僕もお腹減ったかな?」
カヲル君・・・・・君が質問したのに聞かないなんて酷いよ・・・・
「それと、1ヶ月以内に市民を疎開させないとね」
「シンジ君、ご飯は何かな?」
「・・・・・・・・人の話しは聞こうよ?」
「夕食・・・・・・お手伝い・・・・・」
「ハイハイ・・・・」
僕は・・・・・家政夫なのだろうか?
今更言っても無駄か・・・・
アスカは自分の部屋に、カヲルはリビング、レイはシンジと共に料理を作っている。
「テレビというものは面白いねぇ(ニヤリ)」
「できたよ!アスカ!おいで!」
「渚・・・・・はこびなさい」
「やだなぁ、綾波さんまで命令口調かい?」
まで・・・と言うことは、もう一人はアスカだろう。
そのもう一人が出てきた。
「カヲル・・・・あんたが食べる食事は無いわ」
「嫌だなぁ、シンジ君はちゃんと作ってくれているよ?」
「私は二人分食べるの!」
太るよ?
といったら、デリカシー0ね・・・・
と睨まれた。
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「アスカ・・・・いかりくんを睨まないで・・・・・」
「はいはい!食べましょう!」
みんな元気よくパク付いている。
翌日ネルフ
「あら?どうしたの?碇司令」
「リツコさぁん!その呼び方は辞めてくださいよ!」
「あ、シンちゃん来たの?」
「あれでいいんです」
「いいのかしら?上司よ?一応ね」
そのいい方も十分酷いです・・・・
一応・・・・・・
僕は要らない人間なんだ・・・・・・
「で、何の用かしら?」
「ゼーレの資料を集めておいてください。ネルフの機密も、使徒とEVAを、チルドレン
の事は出さないでいいです」
「ちゃんと役をこなしているわねぇ」
「後は・・・戦自が攻めてくるので・・・接近戦ができる人と武器の補充をお願いします」
「わかったわ」
「それと、1ヶ月以内にネルフから半径100kmの住民を疎開させてください」
「広いわね?」
「その方が安全です」
ページ(226)
7.txt
「わかったわよ、やっておくわ」
「じゃ、僕は学校に行きますよ」
ただいまの時刻は、10時半。
カヲル君が転入しているはずだ。
アスカと綾波も行っている。
僕は遅刻だ・・・・・
学校
「センセ、おそぉなったな」
「ちょっとネルフに行っていたんだよ」
「今日、転校生が来で」
カヲル君が、夢見る乙女のような素振りと目でこちらに走ってくる。
「カ、カヲル君・・・・怖いよ君は・・・・・・」
「やぁ、ネルフから直接来たのかい?」
「うん、二人は?」
「屋上に呼び出されているよ。四人くらいの男だったかな?」
トウジが不振そうな目でこちらを見ている。
「なんや?知り合いか?」
「うん、仕事仲間」
「そうなのかい?恋人じゃなく?」
「カ、カヲル君!みんなが誤解するだろう?!」
「いいじゃないか、些細なことだ」
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君にとって些細でなくても、僕にとっては大問題なんだよ・・・・・
みんなの冷たい視線をかいくぐり、屋上に行った。
「なぁ、俺と付き合ってくれ!」
「嫌よ」
「何でだよ!」
「好きな人がいるもの」
「・・・・・碇だな?」
「そうよ、悪い?」
アスカは鼻をフンと鳴らして相手の男に言った。
「どうせ、碇以外にも中年親父から金巻き上げているんだろ!エンコーなんかして!」
「してないわよ!この変態!」
「綾波さん、僕とお付き合いしていたたけませんか?」
「却下」
「そ、そんな・・・・」
「ふ、無様ね」
丁度間が悪かったらしい・・・・
一部始終を見てしまった・・・・
「あの・・・・」
「あら?やっと来たのシンジ」
「いかりくん」
「あのさ・・・・・何の騒ぎ?」
二人は見物、一人はアスカに、もう一人は綾波に告白をしている。
ページ(228)
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見物人は、笑って見ていた。
「シンジ!こいつったら・・・・」
「聞いていたよ、放っておきな、阿保には何を言っても無駄だから」
昨日怒ったのがまだ残ってるなぁ・・・・
「何だと?どうせ家でやりまくっているんだろ!」
「そうだ!二人を家で・・・・」
「何言っているのよ!」
「そう・・・・・いかりくんは・・・・何があっても襲わない・・・・・・」
二人して顔を見合わせている。
はっきり言って、男二人は間抜けだ。
「お前は・・・・・ぶっ飛ばす!」
二人して殴りかかってきた。
「やぁ!シンジ君!学校生活の喧嘩もいい物だね!」
「そうだね、こんなに伸び伸びして遊べるなんてね」
「おい!ちゃんとこっち見ろ!」
「シンジ・・・・やっちゃってよ」
「駄目だよ・・・・・・・殺しちゃうもん・・・・・」
「そ、じゃあ身を守るだけ」
「それでいいね」
かくして、二対一で喧嘩が始まった。
僕はただ微弱なATフィールドを張っているだけ。
これは、ネルフの計器にも引っかからない強さだ。
「どう?気がすんだ?」
「あんた達なんてシンジに勝てないわよ!」
ページ(229)
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「そうだね、シンジ君に喧嘩を売ろうなんて僕でもしないよ」
シンジとカヲルが喧嘩を始めたら世界は滅びるだろう。
キーンコーンカーンコーン
「授業だね、行こう」
疲れきった二人を置いて僕らは教室に行った。
「なぁ・・・惣流さんは諦めようぜ」
「畜生・・・・・化け物だ・・・・」
「綾波さんもね」
「碇・・・・・何もんだよ・・・・・・」
教室
「おはよう洞木さん」
「あ、来たんだ。無断で遅刻はいけないわよ」
「アスカとカヲル君に言っておいたんだけどなぁ・・・・綾波にも言った方がよかったな」
「何で遅刻したの?」
「ネルフに行っていたんだ、用があってね」
そして、授業が始まった。
ここらへんまでなら・・・勉強がわかるんだよな・・・・・
三年になったら成績一気に落ちるだろうなぁ・・・・・
ページ(230)
7.txt
午後 ネルフ
「2度目のご出勤ね」
「参号機はいつ届きますか?」
「もうすぐ届くわよ、もと指令が手を回してくれたから」
バックアップしないんじゃなかったの?
「僕らはシミュレートで訓練ですね」
「あ、シンジ君用に生身でのデータも入れておいたからね」
「ありがとうございます」
生身で・・・・・・・僕のデータって完全に入っているのかな?
怪しいなぁ・・・・・
「シンジ!生身でいいの?」
「うん、こっちの戦闘にもなれないとね」
「シンジ君、君の根性は好意にあたいするよ」
「リツコさん!始めてください!」
「スタート!」
リツコさんに教えた量産型のデータ・・・・
「なにあれぁ!」
「EVAだよ」
「なんで敵なのよ!」
「今度戦う相手だよ」
生身の攻撃が効果あるのだろうか?
アダムにも効いたし・・・
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大丈夫かな?
「何で再生するのよ!それにあの武器は何?」
「グングンニルのヤリのコピーだよ。ATフィールドを中和する力があるんだ」
「不利じゃない!」
「だからこうして訓練しているんだろ?」
むくれている。
僕も、ATフィールドを利用した攻撃をいろいろと試してみた。
遠距離からの射撃、白兵戦・・・・・・
射撃は、昨日使った収束したものをぶつけて破裂させるのと、
弾丸のように連射・・・・・
一対一なら収束したのを破裂させた方が効果的なようだ。
連射は、中和する程度なら効果大だった。
白兵戦は、右手に剣状にして、コアを切る。
危険なので本番ではやらない事にした。
再生するので、倒すのは困難だった。
コアの中心から破裂させても少しずつ再生していく。
二回連続でやれば破壊できる事がわかった。
しかし、一気にやるとかなり疲れるのだ。
「アスカ!あなたは実戦ではもう動けないわよ!」
「わかっているわよ!」
アスカは戦線離脱だ。
確かに、使徒の力を持つ僕らについてくるのだけで凄い。
同じ成績を得ようなんて不可能なのだ。
しかし、アスカはよくやってくれている。
素質はかなりの物なのだ。
これで、弐号機にS2機関を乗せればさらにいい。
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実際、零、弐号機にS2機関を乗せる事になっている。
しかし、多少危険が発生するのだ。
コアの魂が、S2機関によってエネルギーを得たアダムのコピーを押さえる事ができるの
か?だ。
2週間後、整備が始まり同時にシャムシェルから取ったS2機関のコピーが乗せられた。
結果は、成功だった。
ちゃんと起動し、戦闘にも耐えられるだろうと言う結論だった。
一般市民は大体避難した。
一部の情報機関はネルフの管轄下になり、最終決戦まで待機になった。
人員の補充も完了し、武器も集まった。
これで、来るべき日に備えて準備はそろった。
ゼーレ告発の資料も、すでに世界中に回っている。
FBIが動くのは時間の問題だろう。
そして、FBIに触発されCIAも動き出すだろう。
そして、人類審判の日。
ゼーレが約束の日と言った日が来た。
2rdステージ 弐拾五
~最終決戦・人類試練の日と犠牲~
ネルフ
今、各メディアの記者がオペレーションルームに集まっている。
モニターに映るのは見た事の無い汎用兵器・・・・・
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興味の尽きない場所だと感じている記者達だった。
「ミサトさん、敵はまだ来ませんか?」
「ええ、戦自もバカね、ネルフを敵だと思うなんて・・・・」
「しょうがありませんよ、上の命令には絶対なんですから」
「その点ネルフはノビノビね」
それは、シンジが司令だからだ。
「あの少年はなんなんですか?」
「パイロットよ、彼らについてはトップシークレットなので放送したらネルフの権限で潰
すから」
「は・・・はははは・・・・して・・・・今日われわれが呼ばれた理由は?」
「・・・・・人類最悪の日の記録よ・・・・・」
「セカンドインパクトより?」
「ええ・・・・サードインパクトが起こる可能性があるわ」
記者全員驚いている。
「ここは何なんですか?」
「国連直属非公式特務機関ネルフよ、使徒と呼ばれる化け物から人類を救うための機関
・・・・」
「使徒?」
「今まで何度も非難命令が出たでしょう?その時に使徒が来ていたのよ」
「さっきのロボットは?」
「ロボットではないわ。人造人間エヴァンゲリオンよ、人造人間と言っても元は人間では
ないわ・・・・使徒がベースなの」
「それで・・・・・人造人間なんですか?どうして?」
「・・・・人間も、第十八使徒なのよ」
「・・・・・・・」
記者沈黙
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「もうすぐ戦闘が始まるわ・・・・・各社にCD-ROMを渡すから見ておいて」
午前10時20分
「ミサトさん!戦自が動きました!どうします?」
「そうね・・・・・侵入を拒んでおいて」
「はい」
僕はフィールドを薄く広く張った。
地上からの攻撃には耐えられるだろう。
ただ、地下からの通路は押さえられない。
「地下の方はそっちに任せますよ」
「ハイハイ」
「葛城三佐!戦自がN2兵器を持ち出しました!」
「N2兵器の雨あられです!ドンドン撃ち出してくる・・・・」
「シンちゃん!守ってね!」
「はい!」
少し強めに張った。
N2兵器の起爆装置は接触の衝激で簡単に作動するはず。
思惑通り、フィールドに接触するだけで空中爆破した。
「電波障害!吹き飛ばして!」
「はい!」
一気にフィールドを展開する。
その力で、爆発の粉塵などが全て吹き飛ぶ。
「オーケーよ!」
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「敵影一つ発見!量産型と思われます!」
「アスカ!レイ!カヲル!行くわよ!」
すでにスタンバイオーケーの三人。
「ミサト!帰ったらおごりなさいよ!」
「シンちゃんにおごってもらいなさい!私より給料高いんだから!」
「司令だから当然でしょう!」
こんな所で喧嘩を始める。
止めるのはカヲルだ。
「葛城さん、さっさと行かないとシンジ君が大変ですよ?」
「あ!ごめんシンちゃん!」
「給料30%カットです。ついでに2週間禁酒!」
緊張感が無い・・・・・・
「零、弐、参号機発進!」
地上
「いやぁ・・・久しぶりだな・・・・」
「見たくないでしょう?」
「そう・・・だね・・・・爬虫類系の顔・・・・気持ち悪くなるね・・・・」
「シンジ、前から聞きたかったんだけど・・・・・あんたが前に言った私似の知り合いって
・・・・・私でしょう?」
「そうだよ、この戦いで死んでしまったんだ・・・・・・今度はさせないけどね」
「そ、じゃあ戦いましょう!」
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まだ一機しか来ていない。
今のうちに叩いておかないと後々大変だ。
「母さん・・・・・・行くよ」
右手に神経を集中させる。
初号機でこれをやると、装甲が持たないがいざとなれば機体を捨てて生身でいくつもり
だ。
「いっけぇ!」
量産型のコアで破裂する。
木っ端微塵になるが、再生していく。
「もういっちょ!」
これで、再生機能も消えた。
しかし、まだ安全と確信していないのでフィールドで残骸を包みこみ、押しつぶしてい
く。
最終的に、存在自体消えた。
「シンちゃん!N2よ!量産型も2体来たわ!後・・・・大きいものが・・・・」
「残り八体すべてきましたか・・・・・N2は消し飛ばします!」
1度は収束させたフィールドを広げる。
今回は数が多いい。
戦自の全てのN2兵器と原子爆弾も使ったらしい。
震度10以上の振動が第三新東京市に広がる。
ネルフも、大きな揺れに混乱していた。
防ぎ切った後、電波障害を吹き飛ばし残りを迎え撃つ準備に入る。
時間があるので、両手に少しずつ意識を集中する。
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フィールドが集まっていき、手のひら大の球体が出来あがる。
輸送機が来た。
輸送機から投下される前に左手の球体を投げつける。
空中爆破・・・・・
しかし、EVAは簡単に壊れない。
下降中に2体微塵にし、残りはアスカ達が戦闘をしかける。
僕は、また集中して収束させる。
一機が僕に近づいてきた。
撃ち出し破裂させる。
全てを戦闘不能にした時、七機が再生した。
「何で生きてるのよ!」
「しょうがないよ、もう一度倒そう・・・・・」
収束されている時は、攻撃を直に食らう。
そのせいで、左腕と右足を消し飛ばされた。
空を飛び始めた量産型・・・・・
初号機はもう動かない。
シンクロは母さんがカットしてくれたからフィードバックが無いので、体は動く。
「ミサトさん!初号機を回収してください!最終手段で行きます!」
「わかったわ!きをつけてね!」
実際のところ、EVAで人間を直接攻撃しようなんて無理なのだ。
簡単に外れてしまう。
逆に、小さいので使徒を捕らえる事は簡単な僕。
やはり、初号機を通さないで生身でやった方が力は強いらしい。
試しに、一体に撃ち出してみたらその周辺も一緒に消え去った。
僕の力は恐ろしい・・・・
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その調子で残り一体。
学習能力があるのか、簡単には当たらない。
逃げながらも攻撃をしてくる。
攻防が続き、1時間・・・・・・
「ゼーレなんて消えてしまえばいいんだ!」
「そうよ!」
「・・・・いかりくん・・・・・援護するわ」
「僕も援護するよ」
綾波とカヲル君で使徒を押さえてくれている。
僕はためらいもなく使徒のコアに撃った。
当たる直前に開放し逃げる二機。
同じに今までいた場所が消し飛ぶ。
「パターン青消滅しました!」
「パイロットは?」
「無事です!・・・・いえ、シンジ君の心音が・・・・消えています!」
「カヲル!シンちゃんを回収して!急いで!」
回収終了
ネルフ病院
「やぁ・・・・・みんな」
「シンジ君、恐れていた事が起こったね?」
「そうだね」
アスカとレイ、ミサト達は頭をひねっている。
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「最後の一撃・・・・・・心の壁を開放して使ったんだね?」
「そうだよ・・・・・そろそろ持たなくなっている・・・・・」
「・・・・・・赤木博士、急いで密閉の大きな容器を持って来てください」
「どう言うこと?渚君」
「いそいで!」
いつも笑っているカヲルが怖い顔をして急がせている。
とんでもない事態が起こるのは目に見えてわかった。
「カヲル!何が起きたの?」
「これから起こるんだよアスカ・・・・」
「いかりくん?」
「持ってきたわ」
「さぁ・・・動かすよ」
「頼むよカヲル君」
シンジはカヲルに持ち上げられて、容器に移った。
大きさは、2m四方くらいだろうか?
「しばらくお別れだよ」
「どう言うことよ!」
「渚君、どう言うこと?」
「心の壁を完全に解き放ってしまったのです」
「え?」
「まさかね・・・・・自分が溶けるとは思っても・・・・みなかった・・・・よ・・・」
バジャン!
と言う音と共に、シンジが赤い血の匂いのする液体に代わった。
「ド、どう言うことよ!シンジが消えた!」
「いかりくん!」
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「シンちゃん?」
「・・・・・・これは・・・・L.C.Lね?」
「そう・・・・・・サードインパクトの被害者はみんなこの液体にかわった・・・・・・心の壁を取り
払われたからね。
シンジ君も同じ状態さ・・・・・・
EVAのコアに記憶されないだけ、戻るのに時間がかかるのさ・・・・・機械的な処理は行え
ないからね」
また頭をひねるリツコ以外のみんな。
「つまり・・・・・・シンジ君自身で自我境界線を再構築しなければいけないのね?」
「そうです、短いと一瞬で帰ってきますが・・・・長いと一生もとに戻れません」
気絶して倒れるアスカとレイ。
ショックと言う次元ではない。
ミサトも、絶句して目が点になっている。
「シンジ君・・・・・僕は一生待つからね」
「渚君はどれくらいの寿命があるの?」
「自分が望むまでです。綾波さんは、僕と製作方法が異なるので・・・・人間と同じくらいで
すね」
「あなたが微笑を忘れて言うなんて・・・・本当なのね全て・・・・・」
「・・・・・・・完全なるリリン・・・・・シンジ君・・・・・・・」
「正直に言ってくれない?シンジ君はどれくらいで戻ってくると思う?」
しばし考えこむカヲル。
「そうだね・・・・短くて・・・・1年・・・・長くて5年くらいかな?」
「どうしてわかるの?」
「感と・・・・・・・・・・ATフィールドの使用量だね」
「そう・・・・・どう保管すればいいのかしら?」
「・・・・この容器のまま・・・・ネルフで監視が出来る場所に保管してください。一適でもなく
なれば、もとに戻れませんよ」
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「・・・・・・わかったわ・・・・・」
2rdステージ 最終話
~青空に浮かぶほほえみ~
「アスカ!お願い!」
「ヒカリィ!またぁ?」
「そう!お願い!」
「デートでしょ?いやよぉ」
「私に免じて!」
「・・・・・・・わかったわよぉ・・・・・」
あれから四年後、2019年6月。
惣流=アスカ=ラングレーは高校三年になった。
国際科に入学し、各学年の男子の目を引きつつ今まで誰も付き合っていない。
学部は違うが、同じ高校の普通科に進学した、中学からの親友洞木ヒカリのたのみでデー
トだけは行く。
綾波レイと渚カヲルは、進学せずネルフに籍を置いて研究などをしている。
最終決戦の映像を放送され、世界は震撼した。
同時期、ゼーレも告発され、大規模な「ゼーレ狩り」が始まった。
アメリカ国防庁長官までもが捕まる大事件へと発展していった。
碇シンジは英雄として崇められ、死亡したと放送された。
ネルフは、国連直属の公開組織として、地球規模の大災害や、戦争が勃発したときは出動
する。
しかし、そんな事はまず起きないので、大体はEVAや、使徒の研究を中心として活動を
している。
ネルフ司令は碇ゲンドウ、副指令は渚カヲル。
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ゲンドウは、あくまでもシンジが帰ってくるまでの補欠として就任している。
初号機は、シンジの指示で戻されたとたん、コアが急変しユイを生み出した。
今は、ゲンドウを主として、ユイ、アスカ、レイ、カヲルが一緒に住んでいる。
「アスカ・・・・まだ碇君の事を?もう死んじゃったのに・・・・・」
「そろそろ戻ってくるわよ・・・・・・・本当は死んでいないもの・・・・・・」
「え?」
「・・・・・・・・肉体が無くなっただけ・・・・その、もとがあるから・・・・」
「よくわからないわ・・・・・とにかく明日お願いね」
「ハイハイ」
ネルフ
「シンジ君・・・・まだ戻れないのかい?」
「カヲル・・・・・後少しよ・・・・・・」
「そうだね、1年以内に・・・・きっと戻ってくるよ・・・・・四年前のまま・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・きっとね・・・・・」
「レイ、まだ安定せんのか?」
ゲンドウだ。
「はい、いかりくんは、まだ安定していません」
「安定すれば・・・・・すぐなのだがな・・・・・」
「コアに取り込まれたほうがかなり楽にサルベージ出来たのにね・・・・シンジたら私を戻し
て自分を溶かすなんて」
ユイも来た。
年は・・・・40前半だろうか?
「シンジ・・・・戻ってきたら甘えさせてあげないと」
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「ユイ・・・・私は・・・・・」
「駄目よ、あなたは酷い人ですから」
家では会話をするが、冷めた夫婦になっている碇夫婦。
「ユイ・・・・私は確かにひどい事をしたが・・・・・」
「わかっているならいいでしょう?サッさと仕事をしなさい!」
「・・・・・・・わかった・・・・」
恐妻家かも知れない。
「シンジ君はこんなに幸せなのになんで帰ってこないんだろうね・・・・」
「しょうがないじゃない・・・・・・・」
自宅
「ただいまぁ!」
「おかえりなさいアスカちゃん」
「ユイお母さん、いたんですか」
「おやつあるけど?」
「いただきます!」
太るよ?
シンジの声が聞こえて気そうだとアスカは思った。
「ただいま・・・・」
「レイちゃんも帰ってきたわね、カヲル君は?」
「まだ・・・・仕事です」
「そう、おやつあるわ」
「いただきます・・・」
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せい反対ね?
ユイは、つい二人の性格を比べてしまった。
「アスカちゃん学校どう?」
「男の汚い目が狙ってます」
「そうでしょうねぇ?アスカちゃん美人だから」
「レイもですよ、研究ばっかしてないで外でなさいよ」
「・・・・・いかりくんが戻ってきたら・・・・一緒に行く・・・・・」
「だぁぁぁぁぁあああ!あんたはそれだけか!?」
「そうよ、悪い?」
「悪い!」
考えている事は似ているアスカとレイだった・・・・・
6月終頃
朝九時
「ほう、安定したか急に」
「・・・・・ええ・・・・・」
「戻ってくるね」
「ああ、楽しみだ」
6時間前
学校
「アスカ、今日は昼からネルフに来て」
「ミサト?担任は休みなの?」
「悪い?私が副担で」
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ミサトは、国際科の英語教師としてネルフから出向している。
そして、アスカのクラスの副担任だ。
「何でいくのよ」
「いいから来なさいよ!」
「ハイハイ!」
3時間前
ネルフ
「で?来たけどなんなの?」
「シンちゃんが帰ってきそうなのよ」
「またぁ?前もそれで帰ってこなかったじゃない!」
「今度はわからないわ!前より安定しているの!」
「まぁ、あんまり信用しないでおくわ」
「信じろってぇ~の!」
2時間前
「過去最高まで安定しています!」
「容器を移送させろ!バイパス通せ!」
「排出準備して!」
「はい!」
1時間前
「一致率99%突破!」
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「具現化します!」
1分前
「容器を開けろ!」
「はい!」
「たんかを用意しておいて!」
白い煙が回りから立ち昇っている。
煙から何かかげが出てきた。
「久しぶりだね、服・・・・・・ないかな?」
「ないわよ!このバカシンジ!」
「いかりくん!」
裸のシンジにもろに抱きつくレイ。
それをはがして抱きつくアスカ。
カヲルは一緒に抱きつこうとしたがユイに止められた。
「ごめんね、お腹減ったなぁ・・・・・あ!母さん!」
「おかえりなさいシンジ、検査が終わったら家に帰ってご飯食べましょう」
「うん、検査って?」
「おかしなところがあるのよ、見た目でね」
「へ?」
シンジは15歳のはずだが、体格的に18歳だ。
ユイがかえって来た時は年老いていなかったのにだ。
「そうかぁ・・・・じゃあ・・・・ネルフの力で高校生になろうかな?」
「学力が足りないわ」
「甘いよ、過去に戻る前に知識だけは得たから」
「そ、じゃあこれから同じ高校ね」
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「私もよいかり君・・・・・」
「じゃあ僕も!」
学力があるのか?
と突っ込みたかったが、二人の目は輝いているので・・・・何もいえない。
そして、僕は高校に特待生で入学した。
綾波もカヲル君も・・・・
無敵で不死の英雄とうわさされてしまった。
でも・・・・・・
普通に生活できるから楽しいかな?
実際溶け込んでいる時は、何も感じないで暇だったから・・・・・
5年後
僕とアスカとレイ。
法の穴を潜り抜け、一夫多妻制を無理やり適用させて、結婚した。
カヲルは、大学で知り合った少々ぶりっ子が入っている子と結婚した。
トウジはヒカリと、
ケンスケは山岸さんと・・・・・
子供もいる。
子供には僕過去を教えないつもりだ。
もし、知りたかったら言うけど・・・・・自分からは教えない。
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今は、ネルフと国連の最高責任者を掛け持ちしている。
1回は断ったが、ゲンドウにはめられて就任したのだ。
最後までゲンドウに遊ばれているシンジだった。
碇シンジ享年89歳
碇アスカ享年90歳
碇レイ享年88歳
子供達は、父親の過去を作文にまとめると言う宿題が出たときに親の過去を知った。
父親は休日しかいないので不思議がっていたが、ここまでBIGな人とは思っていなかっ
たらしい。
しかも、世界を救った英雄だから、余計だ。
親の死後、子供達は、遺産の半分をセカンドインパクトの後遺症などで苦しんでいる人々
に寄付した。
シンジの遺言だったからである。
この行為によって、今度は子供達に視線が集まった。
長男は、シンジの仕事を継いだ。
長女は永久就職。
次女は長男の手伝いをしてた。
備考だが、長男はシンジ似、
長女はアスカ似、
次女はレイ似だ。
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それは、うんだ母親に似たからだろう。
長男を産んだのは・・・・レイだ。
レイの娘はブラコンが激しく、未だに結婚していない。
ここまでレイに似ているのでシンジは死ぬまで心配していた。
結局、シンジは死ぬまで人の事を考えて生きてきたのである。
当然、アスカとレイに死ぬまでこき使われたことは言うまでもない・・・・・・
終局
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