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請求項1 - Questel

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JP 3602844 B2 2004.12.15
(57) 【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【請求項1】
ワクシニアウイルスゲノムの非必須領域である、J2R、B13R+B14R、A26L
、A56R、C7L−K1L、およびI4Lが不活化または欠失されて弱毒化されたワク
シニアウイルスを含む組換えワクシニアウイルス。
【請求項2】
ワクシニアウイルスゲノムの非必須領域である、チミジンキナーゼ遺伝子、出血性領域、
A型封入体領域、血球凝集素遺伝子、宿主域遺伝子領域、および巨大サブユニットリボヌ
クレオチドレダクターゼの読取り枠が欠失されて弱毒化されたワクシニアウイルスを含む
組換えワクシニアウイルス。
10
【請求項3】
前記ワクシニアウイルスゲノムの非必須領域中に、非ワクシニア源からの外因性DNAを
さらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項4】
前記ワクシニアウイルスが、ワクシニアコペンハーゲン株であることを特徴とする請求項
1から3何れか1項記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項5】
前記非必須領域が、毒性因子をコードする読取り枠の挿入不活化により不活化されること
を特徴とする請求項1記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項6】
20
(2)
JP 3602844 B2 2004.12.15
前記弱毒化されたワクシニアウイルスがvP866であることを特徴とする請求項1記載
の組換えワクシニアウイルス。
【請求項7】
前記弱毒化されたワクシニアウイルスがNYVACであることを特徴とする請求項1記載
の組換えワクシニアウイルス。
【請求項8】
前記非ワクシニア源が、狂犬病ウイルス、B型肝炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、黄熱病
ウイルス、デング熱ウイルス、麻疹ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、エプスタインバーウ
イルス、単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルス、ウマヘ
ルペスウイルス、ウシへルペスウイルス、ウシウイルス性下痢性ウイルス、ヒトサイトメ
10
ガロウイルス、イヌパルボウイルス、ウマインフルエンザウイルス、ネコ白血病ウイルス
、ネコヘルペスウイルス、ハンターンウイルス、C.tetani、鳥類インフルエンザ
ウイルス、ムンプスウイルスおよびニューカッスル病ウイルスからなる群より選択される
ことを特徴とする請求項3記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項9】
前記非ワクシニア源が狂犬病ウイルスであるところの、vP879またはvP999であ
ることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項10】
前記非ワクシニア源がB型肝炎ウイルスであるところの、vP896、vP897、vP
891、vP932、vP975、vP930、vP919またはvP941であること
20
を特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項11】
前記非ワクシニア源からの外因性DNAが、日本脳炎ウイルスタンパク質のCのC末端1
5アミノ酸、PreMおよびEをコードすることを特徴とする請求項8記載の組換えワク
シニアウイルス。
【請求項12】
前記非ワクシニア源からの外因性DNAが、日本脳炎ウイルスタンパク質のNS1および
NS2Aをさらにコードすることを特徴とする請求項11記載の組換えワクシニアウイル
ス。
【請求項13】
30
前記非ワクシニア源からの外因性DNAが、日本脳炎ウイルスタンパク質のCの残りの配
列をさらにコードすることを特徴とする請求項12記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項14】
vP923であることを特徴とする請求項11記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項15】
vP908であることを特徴とする請求項12記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項16】
前記非ワクシニア源からの外因性DNAが、日本脳炎ウイルスタンパク質のEのC末端3
0アミノ酸、NS1およびNS2Aをコードすることを特徴とする請求項8記載の組換え
ワクシニアウイルス。
40
【請求項17】
前記非ワクシニア源からの外因性DNAが、日本脳炎ウイルスタンパク質のNS2Bをさ
らにコードすることを特徴とする請求項16記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項18】
前記非ワクシニア源が日本脳炎ウイルスであるところの、vP908またはvP923で
あることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項19】
前記非ワクシニア源からの外来DNAが、黄熱病ウイルスタンパク質のPreMのN末端
に先行する21アミノ酸シグナル配列、PreM、E、NS1およびNS2Aをコードす
ることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
50
(3)
JP 3602844 B2 2004.12.15
【請求項20】
前記非ワクシニア源が黄熱病ウイルスであるところの、vP997またはvP984であ
ることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項21】
前記非ワクシニア源が麻疹ウイルスであるところの、vP913またはvP997である
ことを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項22】
前記非ワクシニア源が仮性狂犬病ウイルスであるところの、vP881、vP883、v
P900、vP912、vP925、vP915またはvP916であることを特徴とす
る請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
10
【請求項23】
前記非ワクシニア源がエプスタインバーウイルスであるところの、vP941またはvP
944であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項24】
前記非ワクシニア源が単純ヘルペスウイルスであるところのvP914であることを特徴
とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項25】
前記非ワクシニア源がヒト免疫不全ウイルスであるところの、vP911、vP921、
vP878、vP939、vP940、vP920、vP922、vP1008、vP1
004、vP1020、vP1078、vP994、vP1036、vP1035、vP
20
969、vP989、vP991、vP990、vP970、vP973、vP971、
vP979、vP978、vP988、vP1009、vP1062、vP1061、v
P1060、vP1084、vP1045、vP1047またはvP1044であること
を特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項26】
前記非ワクシニア源がサル免疫不全ウイルスであるところの、vP873、vP948、
vP943、vP942、vP952、vP1042、vP1071またはvP1050
であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項27】
前記非ワクシニア源がウマヘルペスウイルスであるところの、vP1043、vP102
30
5またはvP956であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項28】
前記非ワクシニア源がウシヘルペスウイルスであるところの、vP1051、vP107
4、vP1073、vP1083、vP1087、vP1079であることを特徴とする
請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項29】
前記非ワクシニア源がウシウイルス性下痢性ウイルスであるところの、vP972、vP
1017またはvP1097であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウ
イルス。
【請求項30】
40
前記非ワクシニア源がヒトサイトメガロウイルスであるところのvP1001であること
を特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項31】
前記非ワクシニア源がイヌパルボウイルスであるところの、vP998またはvP999
であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項32】
前記非ワクシニア源がウマインフルエンザウイルスであるところの、vP961またはv
P1063であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項33】
前記非ワクシニア源がネコ白血病ウイルスであるvP1011であることを特徴とする請
50
(4)
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求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項34】
前記非ワクシニア源がハンターンウイルスであるところの、vP882、vP950また
はvP951であることを特徴とする請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【請求項35】
前記非ワクシニア源がC.tetaniであるところのvP1075であることを特徴と
する請求項8記載の組換えワクシニアウイルス。
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
10
この出願は、1991年 3月 7日に出願した出願番号第07/666,056号の一
部継続出願である、1991年 6月11日に出願した出願番号第07/713,967
号のさらなる一部継続出願であり、その出願の両方をここに参照文献として含む。また、
米国特許継続出願である、1991年 6月14日に出願した出願番号第715,921
号、1991年 7月26日に出願した出願番号第736,254 号、1991年1
0月22日に出願した出願番号第776,867 号、および1992年 1月13日に
出願した出願番号第820,077 号についても言及し、これら全てをここに参照文献
として含む。
【0002】
産業上の利用分野
20
本発明は改変ポックスウイルス、およびその産生方法、並びにその使用方法に関するもの
である。さらに詳しくは、本発明は、様々な病原体に対して防御する安全免疫運搬体とし
て使用する異種遺伝子の挿入と発現のための改良ベクターに関するものである。
【0003】
この出願においていくつかの刊行物を参照する。請求の範囲の直前で明細書の後に、また
は刊行物と記載されているところに、これらの参照文献を完全に列挙する;これら刊行物
のそれぞれをここに参照文献として含む。これらの刊行物は、本発明が属する従来技術に
関する。
【0004】
発 明 の 背 景
30
ワクシニアウイルスおよびさらに近年の他のポックスウイルスは、異種遺伝子の挿入と発
現に用いられている。異種遺伝子の生感染ポックスウイルスへの挿入の基礎技術は、供与
体プラスミド中の異種遺伝子要素を側腹に有するポックスDNA配列と救助(rescu
ing)ポックスウイルス中に存在する相同配列との間の組換えを含む(ピッチーニら、
1987)。
【0005】
具体的には、組換えポックスウイルスは従来技術において知られ、米国特許第4,769
,330 号、第4,772,848 号、および第4,603,112 号、並びに1
990年 6月14日に出願された継続出願第07/537,882号に記載されたワク
シニアウイルスの合成組換え体の産生方法と類似した2工程で構築され、これらの開示を
40
ここに参照文献として含む。この点において、1990年 6月14日に出願された米国
特許継続出願第537,890 号についても言及し、ここに参照文献として含む。
【0006】
第一に、ウイルス、特に非ポックス源からの読取り枠に挿入されるDNA遺伝子配列は、
ポックスウイルスのDNA部分に相同なDNAが挿入されるE.coliプラスミド構成
中に配される。それとは別に、挿入されるDNA遺伝子配列は、プロモーターに繋げられ
る。プロモーター遺伝子連結は、非必須座を含有するポックスDNAの領域を側腹に有す
るDNA配列と相同なDNAにより両端の側腹にあるように、プラスミド構築体中に位置
せしめられる。生成したプラスミド構築体を次いでE.coli細菌において増殖により
増幅させ(クレウェル、1972)、単離する(クレウェルら、1969;マニアチスら
50
(5)
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、1982)。
【0007】
第二に、挿入されるDNA遺伝子配列を含有する単離プラスミドを、培養細胞、例えば鶏
胚繊維芽細胞中にポックスウイルスとともにトランスフェクションせしめる。プラスミド
中の相同ポックスDNAとウイルスのゲノムとの間の組換えにより、ゲノムの非必須領域
中の異種DNA配列の存在により改変されたポックスウイルスが得られる。「異種」DN
Aという用語は、外因性のDNA、特に非ポックス源からのDNAを示し、これは、外因
性DNAが配されるゲノムにより通常は産生されない遺伝子産生物をコードする。
【0008】
遺伝子組換えは一般的に、DNAの2つの鎖の間の相同切片の交換である。あるウイルス
10
においてはRNAがDNAを置換する。核酸の相同切片は、ヌクレオチド塩基の同一配列
を有する核酸(DNAまたはRNA)の切片である。
【0009】
遺伝子組換えは、感染宿主細胞内の新たなウイルスゲノムの複製中または製造中に自然に
行なわれる。それゆえ、ウイルス遺伝子間の遺伝子組換えは、2つ以上の異なるウイルス
または他の遺伝子構造に共感染せしめられる宿主細胞中に生じるウイルス複製周期中で行
なわれる。第1のゲノムからのDNAの切片は、DNAが第1のウイルスゲノムの切片と
相同である第2の共感染ウイルスのゲノムの切片を交換可能に構築する際に用いられる。
【0010】
しかしながら、組換えはまた、完全には相同ではない異なるゲノム中のDNAの切片間に
20
も行なわれる。そのような切片の1つが、例えば、相同DNAの部分中に挿入される抗原
決定因子をコードする遺伝子または遺伝子マーカーの第1の切片内の存在を除いた別のゲ
ノムの切片と相同な第1のゲノムからのものである場合、組換えがまた行なわれ、次いで
その組換えの産生物は組換えウイルスゲノム中の遺伝子または遺伝子マーカーの存在によ
り検知できる。
【0011】
改変感染ウイルスによる挿入DNA遺伝子配列の一連の発現には2つの条件が必要である
。第1に、改変ウイルスが生存可能であるように、挿入はウイルスの非必須領域中で行な
わなければならない。挿入DNAの発現の第2の条件は、挿入DNAに対して適切な関係
二にあるプロモーターの存在である。プロモーターは発現されるDNAは配列から上流に
30
位置するように配されなければならない。
【0012】
ワクシニアウイルスは、1980年に天然痘の世界規模での撲滅となった天然痘に対する
免疫にうまく用いられた。その歴史において、多くのワクシニアの菌株が生じた。これら
の異なる菌株は、変化する免疫抗原性を示し、潜在的な複雑さとともに変化する程度に関
係し、その最も重大なのは、ワクチン後の脳炎と全身性痘疱である(ベーベハニ、198
3)。
【0013】
天然痘の撲滅に関して、異種遺伝子を発現する遺伝子操作したベクターという、ワクシニ
アの新たな役割が重要となった。非常に多くの非相同抗原をコードする遺伝子は、ワクシ
40
ニア中に発現され、しばしば対応病原による抗原投与に対する防御免疫となってきた(タ
ータグリアら、1990aに記載されている)。
【0014】
ワクシニアベクターの遺伝子の背景は、発現された異種免疫原の防御効果に影響すること
が示されている。例えば、ワクシニアウイルスのイエスワクチン菌株内のエプステインバ
ーウイルス(EBV)gp340の発現は、EBVウイルス誘発リンパ種に対するコット
ントップタマリンス(cottontop tamarins)を防御せず、一方ワクシ
ニアウイルスのWR研究所菌株中の同一の遺伝子の発現は防御性であった(モルガンら、
1988)。
【0015】
50
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ワクシニアウイルスベースの組換えワクチン候補の効能と安全性との間の優れたバランス
が特に重要である。組換えウイルスは、ワクチン接種した動物中で棒業免疫応答を引き出
すが、いかなる著しい病原特性も欠如するように免疫原を提供しなければならない。それ
ゆえ、ベクター菌株の弱毒化は技術の現在の状態では非常に望ましい進歩である。
【0016】
組織培養におけるウイルス増殖に非必須であり、その欠損または不活性化が様々な動物系
における毒性を低減する多くのワクシニア遺伝子が同定されている。
【0017】
ワクシニアウイルスチミジンキナーゼ(TK)をコードする遺伝子が、地図作成され(フ
ルビーら、1982)、配列せしめられている(フルビーら、1983;ウィアーら、1
10
983)。チミジンキナーゼ遺伝子の不活性化または完全な欠損は、組織培養中の様々な
細胞中のワクシニアウイルスの増殖を妨げない。TK
− ワクシニアウイルスはまた、様
々な経路により様々な宿主中の接種部位で生体内複製を行なうことができる。
【0018】
2型単純ヘルペスウイルスに関して、モルモットのTK
+ − ウイルスの腟内接種は、TK
ウイルスを接種したよりも、脊髄中で著しく低いウイルス力価となったことが示され
た(スタンベリーら、1985)。生体外でTK活性をコードしたヘルペスウイルスは、
活性で代謝している細胞におけるウイルスの増殖には重要ではないが、静止状態の細胞中
のウイルスの増殖には必要であったことが説明されている(ジェイミーソンら、1974
)。
20
【0019】
TK
− ワクシニアの弱毒化が、大脳内経路と腹腔内経路により接種したマウス中に示さ
れた(ブラーら、1985)。WR神経毒性研究所菌株とイエスワクチン菌株の両者に関
して弱毒化が観察された。皮内経路により接種したマウス中で、TK
アは、親のTK
+ − 組換えワクシニ
ワクシニアウイルスと比較して等量の抗ワクシニア中和抗体を産生し
、この試験系において、TK機能の損失によりワクシニアウイルスベクターの免疫抗原性
を著しくは減少しないことを示した。マウスにTK
− とTK
+ 組換えワクシニアウイ
ルス(WR菌株)を鼻腔内接種することに続いて、脳を含む、他の位置へのウイルスの内
転移はそれほど著しくは発見されなかった(テイラーら、1991a)。
【0020】
30
ヌクレオチドの代謝に関わる別の酵素は、リボヌクレオチドレダクターゼである。巨大サ
ブユニットをコードする遺伝子の欠損により単純ヘルペスウイルス(HSV)中のウイル
ス性にコードしたリボヌクレオチドレダクターゼ活性の損失は、生体外の細胞の分裂にお
けるDNA合成とウイルスの増殖には効果がないことが示され、ウイルスの血清欠乏細胞
での増殖能力を著しく損なった(ゴールドスタインら、1988)。眼の急性HSV感染
と三又神経節内の再活性化可能潜伏感染のマウスモデルを使用した場合、野生型HSVに
より示された毒性と比較して、リボヌクレオチドレダクターゼの巨大サブユニットの欠損
したHSVに関して、毒性が減少したことが示された(ジェイコブソンら、1989)。
【0021】
リボヌクレオチドレダクターゼの小さなサブユニット(スラボーグら、1988)と巨大
40
ユニット(シュミットら、1988)の両方は、ワクシニアウイルス中で同定される。ワ
クシニアウイルスのWR菌株中のリボヌクレオチドレダクターゼの巨大サブユニットの挿
入不活性化により、マウスの頭蓋内接種により測定されたようなウイルスの弱毒化となる
(チャイルドら、1990)。
【0022】
ワクシニアウイルス血球凝集素遺伝子(HA)を遺伝子地図作成し、配列した(シダ、1
986)。ワクシニア憂いするのHA遺伝子は、組織培養中の増殖に非必須である(イチ
ハシら、1971)。ワクシニアウイルスのHA遺伝子を不活性化することにより、頭蓋
内経路により接種した家ウサギ中の神経毒性を減少せしめ、皮内接種の部位での家ウサギ
の病巣をより小さくする(シダら、1988)。WR菌株中の異種遺伝子の挿入(シダら
50
(7)
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、1987)、ワクシニアウイルスのコペンハーゲン菌株(グオら、1989)とリスタ
ー菌株(シダら、1988)の誘導にHA座を用いた。異種遺伝子を発現する組換えHA
− ワクシニアウイルスは、免疫抗原性であり(グオら、1989;イタムラら、199
0;シダら、1988;シダら、1987)、関連病原による抗原投与に対して防御性で
ある(グオら、1989;シダら、1987)ことが示された。
【0023】
牛痘(ブリントンレッド菌株)は、鶏の卵の絨毛尿膜上に赤い(出血性)痘疹を生じる。
牛痘ゲノム内の自発的な欠損により、白色痘疹を生じる変異体を産生する(ピカップら、
1984)。出血性機能(u)は、初期遺伝子によりコードされた38kDaタンパク質
まで遺伝子地図を作成した(ピカップら、1986)。セリンプロテアーゼ抑制因子に対
10
して相同性を有するこの遺伝子は、牛痘に対する宿主炎症反応を抑制することが示され(
パランボら、1989)、血液凝固の抑制因子である。
【0024】
u遺伝子はワクシニアウイルスのWR菌株中に存在する(コトワルら、1989b)。u
領域が異種遺伝子の挿入により不活性化せしめられたWRワクシニアウイルス組換え体を
接種したマウスは、u遺伝子が完全である同様の組換えワクシニアウイルスを接種したマ
ウスと比較して、異種遺伝子産生物に対して高い水準で抗体を産生する(ゾーら、199
0)。u領域はワクシニアウイルスのコペンハーゲン菌株中に欠損可欠形状で存在する(
ゲーベルら、1990a、bに報告されている用語法による読取り枠B13とB14)。
【0025】
20
牛痘ウイルスは、細胞質A型封入体(ATI)中の感染細胞内に制限される(カトウら、
1959)。ATIの機能は、動物から動物への内転移中の牛痘ウイルスビリオンの防御
であると考えられる(バーゴインら、1971)。牛痘ゲノムのATI領域は、ATIボ
ディのマトリックスを形成する160kDaタンパク質をコードする(フナハシら、19
88;パテルら、1987)。ゲノム中に相同領域を含有するけれどもワクシニアウイル
スは一般的にATIを産生しない。ワクシニアのWR菌株において、ゲノムのATO領域
は94kDaタンパク質として翻訳される(パテルら、1988)。ワクシニアウイルス
のコンハーゲン菌株において、ATI領域に対応するDNA配列のほとんどは欠損し、A
TI領域から上流の配列と融合した領域の残りの3′末端は読取り枠(ORF)A26L
を形成する(ゴーベルら、1990a、b)。
30
【0026】
様々な自発的で(アルテンバーガーら、1989;ドリリアンら、1981;ライら、1
989;モスら、1981;パエズら、1985;パニカリら、1981)操作された(
パーカスら、1991;パーカスら、1991;パーカスら、1986)欠損がワクシニ
アウイルスゲノムの左末端に近くに報告されている。10kb自発欠損したワクシニアウ
イルスのWR菌株(モスら、1981;パニカリら、1981)が、マウスの頭蓋内接種
により弱毒化されたことが示された(ブラーら、1985)。この欠損は後に17の潜在
的なORFを含むことが示された(コトワルら、1988b)。欠損領域内の特異的遺伝
子は、ビロキンN1Lおよび35kDaタンパク質を含有する(ゲーベルら、1990a
、bに報告された用語法によるC3L)。N1Lの挿入不活性化は、通常のマウスと裸の
40
マウスの両方の頭蓋内接種により毒性を低減せしめる(コトワルら、1989a)。35
kDaタンパク質は、N1Lのようにワクシニアウイルス感染細胞の培地中に分泌される
。このタンパク質は、補体対照タンパク質、特に補体4B結合タンパク質(C4bp)の
類に対する相同性を含有する(コトワルら、1988a)。細胞C4bpのように、ワク
シニア35kDaタンパク質は補体の4番目の成分と結合し、典型的な補体カスケードを
抑制する(コトワルら、1990)。それゆえ、ワクシニア35kDaタンパク質は、ウ
イルスが宿主防御機構を避けるのを助けるのに巻き込まれると思われる。
【0027】
ワクシニアゲノムの左末端は、宿主域遺伝子、K1L(ギラードら、1986)およびC
7L(パーカスら、1990)と同定された2つの遺伝子を含有する。これらの遺伝子の
50
(8)
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両方を欠損すると、ワクシニアウイルスの様々なヒト細胞株において増殖する能力を低減
せしめる(パーカスら、1990)。
【0028】
鶏痘ウイルス(FPV)は、ポックスウイルス類のアビポックス属の基本型ウイルスであ
る。ウイルスは、弱毒化ワクチンの使用により1920年台から良好に制御されているか
きんの経済的に重要な病気を生じる。アビポックスウイルスの複製は、アビアン種に制限
されており(マチュース、1982b)、人類を含む非アビアン種における生産的な感染
を生じるウイルスの文献には報告されていない。この宿主制限は、ウイルスの他の種への
伝染に対する固有の安全バリアを提供し、かきんにおけるワクチンベクターとしてFPV
を使用して魅力的な提案とする。
10
【0029】
FPVは好ましくはかきん病原からの抗原を発現するベクターとして用いられている。毒
性アビアンインフルエンザウイルスの血球凝集素タンパク質はFPV組換え体中で発現さ
れた(テイラーら、1988a)。組換え体の鶏と七面鳥への接種後、相同または非相同
毒性インフルエンザウイルス抗原投与のいずれかに対して防御的である免疫応答が誘発さ
れた(テイラーら、1988a)。ニューカッスル病ウイルスの表面糖タンパク質を発現
するFPV組換え体もまた発達せしめられた(テイラーら、1990;エドバウアーら、
1990)。
【0030】
弱毒化ベクターワクチンの使用は、多くの潜在的な長所を示す。ワクチンは製造するのに
20
高価ではなく、多くのかきん病原は潜在的には1つのベクター中に含まれる。免疫原は、
液性および細胞性免疫応答が引き起こせるような確実な方法で免疫システムに提供される
。病気剤は複製していないので、ワクチン接種の側面効果は最小限であり、病気剤の環境
への連続的な再導入は除かれる。
【0031】
安全性が高められた新たなワクチン菌株を提供することが現在の技術状態よりも非常に望
ましい進歩であることが理解できる。例えば、ウイルスによる遺伝子の発現からのより安
全なワクチンまたはより安全な産生物を提供するためである。
【0032】
発 明 の 目 的
30
それゆえ本発明の目的は、安全性が高められた改変組換えウイルスを提供することにあり
、さらにそのような組換えウイルスを製造する方法を提供することにある。
【0033】
本発明のさらなる目的は、既知の組換えポックスウイルスワクチンと比較して安全性の水
準が高められた組換えポックスウイルスワクチンを提供することにある。
【0034】
さらに本発明の目的は、宿主中に遺伝子産生物を発現する改変ベクターであって、宿主中
で毒性が弱毒化されるように改変されているベクターを提供することにある。
【0035】
本発明のもう一つの目的は、安全性の水準が高められた改変ベクターまたは改変組換えウ
40
イルスを用いて生体外培養細胞において遺伝子産生物を発現する方法を提供することにあ
る。本発明のこれらと他の目的並びに利点は、以下の検討後には容易に明確となる。
【0036】
発 明 の 記 載
本発明は、組換えウイルスの毒性が弱毒化され、安全性が高められるようにウイルスコー
ド遺伝子機能が不活性化された改変組換えウイルスに関するものである。この機能は、非
必須であっても、または毒性に関連であってもよい。ウイルスは好ましくは、ポックスウ
イルス、特に鶏痘ウイルスおよびカナリヤポックスウイルスのようなアビポックスウイル
スまたはワクシニアウイルスである。
【0037】
50
(9)
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本発明は、ワクチン接種した宿主動物中に免疫応答を誘発するワクチンに関し、このワク
チンは組換えウイルスが毒性が弱毒化され、安全性が高められるように非必須ウイルスコ
ード遺伝子機能が不活性化された改変組換えウイルスおよび担体を含む。本発明によるワ
クチンに用いられるウイルスは好ましくは、ポックスウイルス、特に鶏痘ウイルスおよび
カナリヤポックスウイルスのようなアビポックスウイルスまたはワクシニアウイルスであ
る。
【0038】
本発明は、組換えウイルスの毒性が弱毒化され安全性が高められるように非必須ウイルス
コード遺伝子機能が不活性化された改変組換えウイルスを含有する免疫原組成物に関する
ものである。改変組換えウイルスは、ウイルスゲノムの非必須領域内に、病原から誘導さ
10
れた抗原タンパク質をコードする非相同DNA配列を含有する。このとき組成物は、宿主
に施された場合、病原によりコードされたタンパク質に特異的な免疫応答を誘発できる。
【0039】
さらに本発明は、毒性が弱毒化され安全性が高められた改変組換えウイルスを細胞中に導
入することにより生体外培養細胞において遺伝子産生物を発現する方法に関するものであ
る。
【0040】
さらに本発明は、ウイルスの毒性が弱毒化されるように非必須ウイルスコード遺伝子機能
が不活性化された改変組換えウイルスに関し、この改変組換えウイルスはさらに、ウイル
スゲノムの非必須領域中に非相同源からのDNAを含有する。特に、遺伝子機能は、毒性
20
因子をコードする読取り枠を欠損せしめることにより、または宿主制限ウイルスを自然に
用いることにより不活性化せしめられる。本発明により用いられるウイルスは、好ましく
は、ポックスウイルス、特に鶏痘ウイルスおよびカナリヤポックスウイルスのようなアビ
ポックスウイルスまたはワクシニアウイルスである。好ましくは、その読取り枠は、J2
R、B13R+B14R、A26L、A56R、C7L−K1L、およびI4Lからなる
群より選択される(ゲーベルら、1990a、bに報告された用語法による)。この点に
関して、読取り枠は、チミジンキナーゼ遺伝子、出血性領域、A型封入体領域、血球凝集
素遺伝子、宿主域遺伝子領域または巨大サブユニット、リボヌクレオチドレダクターゼか
らなる。
【0041】
30
図面の簡単な説明
以下の詳細な記載は、実施例として与えられたものであり、本発明を記載した特定の実施
態様に制限するものではなく、添付した図面とともに理解されよう。
【0042】
第1図は、チミジンキナーゼ遺伝子の欠損したプラスミドpSD460の構築方法と組換
えワクシニアウイルスvP410の産生方法を模式的に示すものである。
【0043】
第2図は、出血性領域の欠損したプラスミドpSD486の構築方法と組換えワクシニア
ウイルスvP553の産生方法を模式的に示すものである。
【0044】
40
第3図は、ATI領域の欠損したプラスミドpSD494Δの構築方法と組換えワクシニ
アウイルスvP618の産生方法を模式的に示すものである。
【0045】
第4図は、血球凝集素の欠損したプラスミドpSD467の構築方法と組換えワクシニア
ウイルスvP723の産生方法を模式的に示すものである。
【0046】
第5図は、遺伝子クラスター[C7L−K1L]の欠損したプラスミドpMPCSK1Δ
の構築方法と組換えワクシニアウイルスvP804の産生方法を模式的に示すものである
。
【0047】
50
(10)
JP 3602844 B2 2004.12.15
第6図は、巨大サブユニット、リボヌクレオチドレダクターゼの欠損したプラスミドpS
D548の構築方法と組換えワクシニアウイルスvP886(NYVAC)の産生方法を
模式的に示すものである。
【0048】
第7図は、狂犬病糖タンパク質G遺伝子をTK欠損座中に挿入したプラスミドpRW84
2の構築方法と組換えワクシニアウイルスvP879の産生方法を模式的に示すものであ
る。
【0049】
第8図は、EBVトリプル1プラスミド中に挿入されたEBVコード領域の遺伝子地図で
ある。
10
【0050】
第9図は、予測アミノ酸配列(配列認識番号214)を有する改変合成ワクシニアウイル
スH6初期/晩期プロモーターおよび合成spsAg遺伝子のDNA配列(配列認識番号
213)を示すものである。
【0051】
第10図は、組換えワクシニアウイルスvP856の構築方法を模式的に示すものである
。
【0052】
第11図は、予測アミノ酸配列(配列認識番号216)を有するuプロモーター/lps
Ag遺伝子のDNA配列(配列認識番号215)を示すものである。
20
【0053】
第12図は、組換えワクシニアウイルスvP896の構築方法を模式的に示すものである
。
【0054】
第13図は、予測アミノ酸配列(配列認識番号217)を有するI3Lプロモーター/S
12/コア遺伝子のDNA配列(配列認識番号87)を示すものである。
【0055】
第14図は、組換えワクシニアウイルスvP919の構築方法を模式的に示すものである
。
【0056】
30
第15図は、予測アミノ酸配列(配列認識番号219)を有するEPV42kDaプロモ
ーター/lpsAg遺伝子のDNA配列(配列認識番号218)を示すものである。
【0057】
第16図は、C5 ORFを含有するカナリヤポックスPvuII断片のDNA配列(配
列認識番号217)を示すものである。
【0058】
第17図は、組換えカナリヤポックスウイルスvCP65(ALVAC−RG)の構築方
法を模式的に示すものである。
【0059】
第18図は、ワクシニアウイルスvP555、vP825、vP908、vP923、v
40
P857およびvP864に挿入されるJEVコード領域の模式図である。
【0060】
第19図は、ワクシニアウイルスvP766、vP764、vP869、vP729およ
びvP725に挿入されるYFコード領域の模式図である。
【0061】
第20図は、ワクシニアウイルスvP867、vP962およびvP955に挿入される
DENコード領域の模式図である。
【0062】
第21図は、F8 ORFを含有するTROVAC DNAの3661塩基対断片のヌク
レオチド配列(配列認識番号221)を示すものである。
50
(11)
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【0063】
第22図は、F7 ORFを含有するTROVAC DNAの2356塩基対断片のDN
A配列(配列認識番号222)を示すものである。
【0064】
第23図は、EIV HA(A1/プラハ/56)のヌクレオチド配列(配列認識番号2
79)を示すものである。
【0065】
第24図は、EIV HA(A2/フォンテンブルー/79)のヌクレオチド配列(配列
認識番号284)を示すものである。
【0066】
10
第25図は、EIV HA(A2/サフォーク/89)のヌクレオチド配列(配列認識番
号300)を示すものである。
【0067】
第26図は、FeLV−Bエンベロープ遺伝子のヌクレオチド配列(配列認識番号310
)を示すものである。
【0068】
第27図は、FeLV−Aqaqおよび部分的pol遺伝子のヌクレオチド配列(配列認
識番号324)を示すものである。
【0069】
第28図は、FHV−1CO菌株gSホモログ遺伝子のヌクレオチド配列(配列認識番号
20
290)を示すものである。
【0070】
第29図は、pURF3により表されるコンセンサスFヌクレオチド配列(おたふくかぜ
)(配列認識番号370)を示すものである。
【0071】
第30図は、pUHN5により表されるコンセンサスHNヌクレオチド配列(おたふくか
ぜ)(配列認識番号371)を示すものである。
【0072】
第31図は、ワクシニアウイルスまたはカナリヤポックスウイルスベクター(NYVAC
、ALVAC)もしくはHIV III B envを発現するワクシニアウイルスまた
30
はカナリヤポックスウイルス(vP911、vDP112)で免疫した、マウスの脾臓細
胞の細胞傷害性応答を示すものである。
【0073】
第32図は、細胞傷害性Tリンパ球細胞表面抗原Thy1.2およびLyt2.2に対す
る抗体に対してのvCP112で免疫したマウスの脾臓からの細胞傷害性作動体細胞の感
度を示すものである。
【0074】
第33図は、gp120のHIV III B超可変V3ループのであって、HIV M
NまたはSF2のV3ループのではない細胞傷害性Tリンパ球抗原受容体の特異性を示す
ものである。
40
【0075】
第34図は、ベクター(NYVAC、ALVAC)またはワクシニアウイルス組換え体v
P911またはHIV−1 envを発現するカナリヤポックス組換え体vCP12で免
疫したマウスのHIV III B gp120に対する抗体応答を示すものである(逆
三角は、2回目の接種を施した時間を示す)。
【0076】
第35図は、狂犬病中和抗体力価(RFFIT、IU/ml)のグラフであって、同一の
ワクチンまたは交互のワクチンで事前に免疫した志願者にHDCおよびvCP65を追加
抗原投与した効果(10
5 . 5 TCID50)を示すものである(ワクチンは0、28
および180日目に与え、抗体力価は0、7、28、35、56、173、187および
50
(12)
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208日に測定した)。
【0077】
第36図は、vP908、vP555、vP923およびvP829中に含有せしめられ
たJEV cDNA配列を示すものである。
【0078】
第37図は、0日と28日にvP908、vP923、vP866およびPBSで免疫し
たブタに観察されたNEUTおよびHAI活性を示すものである(矢印は接種の日を示す
)。
【0079】
第38図は、PBS、vP866、vP908またはvP923で免疫し、JEVのB−
10
2358/84菌株で抗原投与した各群の個々のブタに検出したウイルス血症の時間の経
過を示すものである。
【0080】
第39図は、NYVACを産生するのに欠損したORFを模式的に示したものである。
【0081】
発明の詳細な説明
新たなワクシニアワクチン菌株、NYVAC(vP866)を開発するために、ワクシニ
アウイルスのコペンハーゲンワクチン菌株を、既知のまたは潜在的な毒性因子をコードす
るゲノムの6つの非必須領域を欠損せしめることにより改変した。この配列欠損は以下に
詳細に示す。ワクシニア制限断片、読取り枠およびヌクレオチド位置の全ての名称は、ゲ
20
ーベルら、1990a、bに報告された用語法に基づくものである。
【0082】
欠損座はまた、異種遺伝子の挿入の受容体座として作成された。
【0083】
NYVAC中の欠損領域を以下に示す。また、短縮型および欠損領域の読取り枠の名称(
ゲーベルら、1990a、b)並びに下記に特性される全ての欠損を含むワクシニア組換
え体(vP)の名称も記載する:
(1) チミジンキナーゼ遺伝子(TK;J2R)vP410;
(2) 出血性領域(u;B13R+B14R)vP553;
(3) A型封入体領域(ATI;A26L)vP618;
30
(4) 血球凝集素遺伝子(HA;A56R)vP723;
(5) 宿主域遺伝子領域(C7L−K1L)vP804;
(6) 巨大サブユニット、リボヌクレオチドレダクターゼ(I4L)vP866(NY
VAC)。
【0084】
DNAクローニングおよび合成
プラスミドを構築し、スクリーニングして、標準方法により増殖せしめた(マニアチスら
、1982;パーカスら、1985;ピッチーニら、1987)。制限エンドグルカナー
ゼを、MD、ゲセルスバーグ、ベセスダリサーチラボラトリーズ;MA、ビバーリー、ニ
ューイングランドバイオラボ;およびIN、インディアナポリス、ベーリンガーマンハイ
40
ムバイオケミカルスから得た。E.coliポリメラーゼのクレノウ断片を、ベーリンガ
ーマンハイムバイオケミカルスから得た。BAL−31エキソヌクレアーゼおよびファー
ジT4 DNAリガーゼをニューイングランドバイオラボから得た。様々な供給者により
明示された試薬を用いた。
【0085】
合成オリゴデオキシリボヌクレオチドを、前述のようにバイオサーチ8750または応用
バイオシステム380B
DNAシンセサイザーで調製した(パーカスら、1989)。前述したように(グオら、
1989)シーケナーゼを用いて(タボアら、1987)、ジデオキシ鎖終了法(サンガ
ーら、1977)によりDNA塩基配列決定を行なった。自動パーキンエルマーセタスD
50
(13)
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NAサーマルサイクラー中で、注文合成オリゴヌクレオチドプライマーとジェネアンプD
NA増幅試薬キット(CT、ノルウォーク、パーキンエルマーセタス)を用いて、配列確
認のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅(エンゲルケら、1988
)を行なった。制限エンドヌクレアーゼ切断および続いてのBAL−13エキソヌクレア
ーゼによる制限切断並びに合成オリゴヌクレオチドを用いた突然変異誘発(マンデッキ、
1986)によりプラスミドから過剰のDNA配列を欠損せしめた。
【0086】
細胞、ウイルス、およびトランスフェクション
ワクシニアウイルスのコペンハーゲン菌株の培養の起源と条件は以前に記載した(グオら
、1989)。ニトロセルロースフィルターの現場での雑種形成、組換え、およびB−ガ
10
ラクトシダーゼ活性のスクリーニングによる組換えウイルスの産生は以前に記載している
(パニカリら、1982;パーカスら、1989)。
【0087】
説明のために示した以下の実施例により、本発明および多くの利点がよりよく理解される
であろう。
【0088】
実施例1−チミジンキナーゼ遺伝子(J2R)の欠損したプラスミドpSD460の構築
ここで第1図を参照する。プラスミドpSD406はpUC8中にクローンされたワクシ
ニアHindIII J(位置83359−88377)を含有している。pSD406
をHindIIIとPvuIIで切断し、pUC8中にクローンされたHindIII 20
Jの左側からの1.7kb断片をHind/SmaIで切断し、pSD447を形成した
。pSD447はJ2Rの完全な遺伝子を含有している(位置83855−84385)
。開始コドンはNlaIII部位内に含有され、終止コドンはSspI部位内に含有され
る。第1図の矢印により転写の方向を示す。
【0089】
左側フランキングアームを得るために、0.8kb HindIII/EcoRI断片を
pSD447から単離し、次いでNlaIIIで切断し、0.5kbHindIII/N
laIII断片を単離した。アニールした合成オリゴヌクレオチドMPSYN43/MP
SYN44(配列認識番号1/配列認識番号2)
【化1】
30
をHindIII/EcoRIで切断したpUC18ベクタープラスミド中で0.5kb
HindIII/NlaIII断片と連結し、プラスミドpSD449を産生した。
【0090】
ワクシニア右側フランキングアームとpUCベクター配列を含有する制限断片を得るため
に、ワクシニア配列内のSspI(部分的)とpUC/ワクシニア接合部でのHindI
IIでpSD447を切断し、2.9kbベクター断片を単離した。このベクター断片を
アニールした合成オリゴヌクレオチドMPSYN45/MPSYN46(配列認識番号3
/配列認識番号4)
【化2】
40
(14)
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と連結し、pSD459を産生した。
【0091】
左側と右側フランキングアームを1つのプラスミド中に結合させるために、0.5kb 10
HindIII/SmaI断片をpSD449から単離し、HindIII/SmaIで
切断したpSD459ベクタープラスミドと連結し、プラスミドpSD460を産生した
。pSD460は、野生型親ワクシニアウイルスコペンハーゲン菌株VC−2との組換え
の供与体プラスミドとして用いた。テンプレートととしてのMPSYN45(配列認識番
号3)とプライマーとしての相補的20merオリゴヌクレオチドMPSYN47(配列
認識番号5)(5′TTAGTTAATTAGGCGGCCGC3′)を用いたプライマ
ー延長により
3 2
P標識プローブを合成した。組換えウイルスvP410をプラークハイ
ブリダイゼーションにより同定した。
【0092】
実施例2−出血性領域の欠損したプラスミドpSD486の構築(B13R+B14)
20
ここで第2図を参照する。プラスミドpSD419はpUC8中にクローンされたワクシ
ニアSalI G(位置160,744−173,351)を含有している。pSD42
2はpUC8中にクローンされた、右側への隣接ワクシニアSalI断片、SalI J
(位置173,351−182,746)を含有している。出血性領域、u、B13R−
B14R(位置172,549−173,552)の欠損したプラスミドを構築するため
に、左側フランキングアームの供給源としてpSD419を用い、右側フランキングアー
ムの供給源としてpSD422を用いた。u領域の転写方向を第2図の矢印で示す。
【0093】
pSD419からの不必要な配列を除去するために、NcoI/SmaIによりpSD4
19の切断によりNcoI部位(位置172,253)の左側までの配列を除去し、続い
30
てE.coliポリメラーゼのクレノウ断片によるブラントエンド並びに連結を行ないプ
ラスミドpSD476を産生した。B14Rの終止コドンでのHpaIでのpSD422
の切断と右側の0.3kbのNruIでの切断によりワクシニア右側フランキングアーム
を得た。この0.3kb断片を単離して、pSD476から単離した3.4kb Hin
cIIベクター断片と連結し、プラスミドpSD477を産生した。pSD477のワク
シニアu領域の部分的な欠損位置を三角形により示す。ClaI/HpaIでの切断によ
り、pSD477中の残りのB13Rコード配列を除去し、生成したベクター断片をアニ
ールした合成オリゴヌクレオチドSD22mer/SD20mer(配列認識番号6/配
列認識番号7)
【化3】
40
と連結し、pSD479を産生した。pSD479は開始コドン(下線)と続いてBam
HI部位を含有している。uプロモーターの制御下でB13−B14(u)欠損座中にE
.coliベータガラクトシダーゼを配するために、ベータガラクトシダーゼを含有する
3.2kb BamHI断片をpSD479のBamHI部位中に挿入し、pSD479
BGを生成した。pSD479BGは、ワクシニアウイルスvP410による組換えの供
与体プラスミドとして用いた。組換えワクシニアウイルスvP533を、色素基体X−g
alの存在下でブループラークとして単離した。vP533において、B13R−B14
50
(15)
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R領域は欠損しており、ベータガラクトシダーゼにより置換されている。
【0094】
vP533からベータガラクトシダーゼ配列を除去するために、ポリリンカー領域を含有
するがu欠損接合部には開始コドンを含有しないpSD477の誘導体、プラスミドpS
D486を用いた。最初に上述したpSD477からのClaI/HpaIベクター断片
をアニールした合成オリゴヌクレオチドSD42mer/SD40mer(配列認識番号
8/配列認識番号9)
【化4】
10
と連結し、プラスミドpSD478を産生した。次に、pSD478をEcoRIでの切
断によりpUC/ワクシニア接合でのEcoRI部位を破壊し、続いてE.coliポリ
メラーゼのクレノウ断片でのブラントエンド並びに連結を行ないプラスミドpSD478
E
− を産生した。pSD478E
− をBamHIとHpaIで切断し、アニールした
合成オリゴヌクレオチドHEM5/HEM6(配列認識番号10/配列認識番号11)
【化5】
20
と連結し、プラスミドpSD486を産生した。pSD486を、組換えワクシニアウイ
ルスvP533との組換えのための供与体プラスミドとして用い、vP553を産生し、
これをX−galの存在下で透明プラークとして単離した。
【0095】
実施例3−ATI領域(A26L)の欠損したプラスミドpMP494Δの構築ここで第
3図を参照する。pSD414はpUC8中にクローニングされたSalI Bを含有し
ている。A26L領域の左側の不必要なDNA配列を除去するために、pSD414を、
ワクシニア配列内のXbaI(位置173,079)およびpUC/ワクシニア接合部で
30
のHindIIIで切断し、次いでE.coliポリメラーゼのクレノウ断片でブラント
エンドして連結し、プラスミドpSD483を産生した。A26L領域の右側の不必要な
DNA配列を除去するために、pSD483をEcoRI(位置140,665およびp
UC/ワクシニア接合部)で切断して連結し、プラスミドpSD484を形成した。A2
6Lコード領域を除去するために、A26L ORFからや上流のNdeI(部分的)(
位置139,004)およびA26L ORFのやや下流のHpaI(位置137,88
9)で切断した。5.2kbベクター断片を単離して、アニールした合成オリゴヌクレオ
チドATI3/ATI4(配列認識番号12/配列認識番号13)
【化6】
40
と連結し、A26Lから上流の領域を再構築し、上記したようにA26L ORFを、制
限部位BglII、EcoRIおよびHpaIを含有する短いポリリンカー領域と置換し
た。生成したプラスミドをpSD485と称した。pSD485のポリリンカー領域中の
BglIIおよびEcoRI部位は特有ではないので、BglII(位置140,136
50
(16)
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)およびpUC/ワクシニア接合部でのEcoRIで切断により望ましくないBglII
およびEcoRI部位をプラスミドpSD483(上述)から除去し、続いてE.col
iポリメラーゼのクレノウ断片でブラントエンド並びに連結した。産生したプラスミドを
pSD489と称した。A26L ORFを含有するpSD489からの1.8kb C
laI(位置137,198)/EcoRV(位置139,048)断片を、pSD48
5からの対応0.7kbポリリンカー含有ClaI/EcoRV断片と置換してpSD4
92を産生した。pSD492のポリリンカー領域中のBglIIおよびEcoRI部位
は特有である。
【0096】
ワクシニア11kDaプロモーターの制御下で(バートレットら、1985;パーカスら
10
、1990)E.coliベータガラクトシダーゼ遺伝子(シャピラら、1983)を含
有する3.3kb BglIIカセットをpSD492のBglII部位に挿入し、pS
D493KBGを形成した。プラスミドpSD493KBGは救助(rescuing)
ウイルスvP553との組換えに用いた。A26L欠損領域中にベータガラクトシダーゼ
を含有する組換えワクシニアウイルス、vP581を、X−galの存在下でブループラ
ークとして単離した。
【0097】
ワクシニア組換えウイルスvP581からのベータガラクトシダーゼを除去したプラスミ
ドを産生するために、合成オリゴヌクレオチドMPSYN177(配列認識番号14)
【化7】
20
を用いた突然変異誘発(マンデッキ、1986)によりプラスミドpSD492のポリリ
ンカー領域を欠損した。産生したプラスミド、pMP494Δにおいて、完全なA26L
ORFを含有し、位置[137,889−138,937]を包含するワクシニアDN
Aは欠損している。pMP494Δとワクシニア組換え体、vP581を含有するベータ
ガラクトシダーゼとの間の組換えによりワクシニア欠損変異体vP618を産生し、これ
はX−galの存在下で透明プラークとして単離した。
【0098】
実施例4−血球凝集素遺伝子(A56R)の欠損したプラスミドpSD467の構築
30
ここで第4図を参照する。ワクシニアSalI G制限断片(位置160,744−17
3,351)はHindIII A/B接合部(位置162,539)と交差している。
pSD419はpUC8中にクローニングされたワクシニアSalI Gを含有している
。血球凝集素(HA)遺伝子の転写方向を第4図に矢印で示す。pSD419をワクシニ
ア配列内とpUC/ワクシニア接合部でのHindIIIで切断することにより、Hin
dIII Bから誘導したワクシニア配列を除去し、続いて連結した。産生したプラスミ
ドpSD456は、左側の0.4kbのワクシニア配列と右側の0.4kbのワクシニア
配列を側腹に有するHA遺伝子、A56Rを含有している。pSD456を、A56Rコ
ード配列から上流のRsaI(部分的;位置161,090)、および遺伝子の末端近く
のEaqI(位置162,954)で切断することによりA56Rコード配列を除去した
。pSD456からの3.6kb RsaI/EaqIベクター断片を単離し、アニール
した合成オリゴヌクレオチドMPSYN59(配列認識番号15)、MPSYN62(配
列認識番号16)、MPSYN60(配列認識番号17)、およびMPSYN61(配列
認識番号18)
【化8】
40
(17)
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10
と連結し、A56R ORFから上流のDNA配列を再構築し、上記のごとく示したよう
にA56R ORFをポリリランカー領域で置換した。産生したプラスミドはpSD46
6である。pSD466中のワクシニア欠損は、位置[161,185−162,053
]を包含する。pSD466中の欠損部位を第4図に三角形で示す。
【0099】
ワクシニア11kDaプロモーターの制御下で(バートレットら、1985;グオら、1
989)E.coliベータガラクトシダーゼ遺伝子(シャピラら、1983)を含有す
る3.2kb BglII/BamHI(部分的)カセットを、pSD466のBglI
20
I部位に挿入し、pSD466KBGを形成した。プラスミドpSD466KBGは、救
助ウイルスvP618との組換えに用いた。A56R欠損中にベーカダラクトシダーゼを
含有する組換えワクシニアウイルス、vP708を、X−galの存在下でブループラー
クとして単離した。
【0100】
供与体プラスミドpSD467を用いてベータガラクトシダーゼ配列をvP708から欠
損した。pSD466をEcoRI/BamGIで切断することにより、pUC/ワクシ
ニア接合部からEcoRI、SmaIおよびBamHI部位を除去し、続いてE.col
iポリメラーゼのクレノウ断片でブラントエンドし、連結したことを除いては、pSD4
67はpSD466と同一である。vP708とpSD467との間の組換えにより、組
30
換えワクシニア欠損変異体、vP723を産生し、これはX−galの存在下で透明プラ
ークとし単離した。
【0101】
実施例5−読取り枠[C7L−K1L]の欠損したプラスミドpMPCSK1Δの構築
ここで第5図を参照する。pMPCSK1Δの構築に、以下のワクシニアクローンを用い
た。pSD420はpUC8中にクローニングされたSalI Hである。pSD435
はpUC18中にクローニングされたKpnI Fである。pSD435をSphIで切
断し、再連結し、pSD451を形成した。pSD451において、HindIII M
中のSphI部位(位置27,416)の左側のDNA配列を除去する(パーカスら、1
990)。pSD409はpUC8中にクローニングされたHindIII Mである。
【0102】
ワクシニアからの[C7L−K1L]遺伝子クラスターの欠損した基体を提供するために
、E.coliベータガラクトシダーゼを以下のようにワクシニアM2L欠損座(グオら
、1990)中に最初に挿入した。pSD409のBglII部位を除去するために、ワ
クシニア配列のBglII(位置28,212)およびpUC/ワクシニア接合部でのB
amHIで切断し、次いで連結し、プラスミドpMP409Bを形成した。pMP409
Bを特有SphI部位(位置27,416)で切断した。合成オリゴヌクレオチドMPS
YN82(配列認識番号19)
【化9】
40
(18)
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を用いた突然変異誘発(グオら、1990;マンデッキ、1986)によりM2Lコード
配列を除去した。産生したプラスミド、pMP409Dは、上記のようにM2L欠損座中
に挿入された特有BglII部位を含有した。11kDaプロモーターの制御下で(バー
トレットら、1985)E.coliベータガラクトシダーゼ遺伝子(シャピラら、19
83)を含有する3.2kb BamHI(部分的)/BglIIカセットをBglII
で切断したpMP409D中に挿入した。産生したプラスミドpMP409DBG(グオ
ら、1990)を救助ワクシニアウイルスvP723により組換えの供与体プラスミドと
10
して用いた。M2L欠損座中に挿入されたベータガラクトシダーゼを含有する組換えワク
シニアウイルス、vP784を、X−galの存在下でブループラークとして単離した。
【0103】
ワクシニア遺伝子[C7L−K1L]の欠損したプラスミドを、SmaI、HindII
Iで切断したpUC8中に組み入れ、E.coliポリメラーゼのクレノウ断片でブラン
トエンドした。ワクシニアHindIII C配列からなる左側フランキングアームを、
pSD420をXbaI(位置18,628)で切断することにより得て、E.coli
ポリメラーゼのクレノウ断片でブラントエンドしてBglII(位置19,706)で切
断した。pSD451をBglII(位置29,062)とEcoRV(位置29,77
8)で切断することにより、ワクシニアHindIII K配列からなる右側フランキン
20
グアームを得た。産生したプラスミド、pMP581CKは、HindIII C中のB
glII部位(位置19,706)とHindIII K中のBglII部位(位置29
,062)の間のワクシニア配列が欠損している。プラスミドpMP581CK中のワク
シニア配列の欠損部位を第5図に三角形で示す。
【0104】
ワクシニア欠損接合部の過剰のDNAを除去するために、プラスミドpMP581CKを
ワクシニア配列内のNcoI部位(位置18,811;19,655)で切断し、Bal
−31エキソクレアーゼで処理し、合成オリゴヌクレオチドMPSYN233(配列認識
番号20)
【化10】
30
を用いて突然変異誘発(マンデッキ、1986)を行なった。産生したプラスミド、pM
PCSK1Δは、12ワクシニア読取り枠[C7L−K1L]を包含する、ワクシニア配
列位置18,805−29,108が欠損している。pMPCSK1Δとワクシニア組換
え体、vP784を含有するベーダラクトシダーゼとの間の組換えによりワクシニア欠損
変異体、vP804が産生し、これはX−galの存在下で透明プラークとして単離した
。
【0105】
実施例6−巨大サブユニット、リボヌクレオチドレダクターゼ(I4L)の欠損したプラ
40
スミドpSD548の構築
ここで第6図を参照する。プラスミドpSD405は、pUC8中にクローンされたワク
シニアHindIII I(位置63,875−70,367)を含有している。pSD
405をワクシニア配列(位置67,933)内のEcoRVおよびpUC/ワクシニア
接合部でのSmaIで切断し、連結し、プラスミドpSD518を形成した。pSD51
8は、pSD548の構築に用いる全てのワクシニア制限断片の供給源として用いた。
【0106】
ワクシニアI4L遺伝子は、位置67,371−65,059に亘り延びる。I4Lの転
写方向を第6図の矢印で示した。I4Lコード配列の部分が欠損したベクタープラスミド
断片を得るために、pSD518をBamHI(位置65,381)とHpaI(位置6
50
(19)
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7,001)で切断し、E.coliポリメラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエン
ドした。この4.8kbベクター断片を、ワクシニア11kDaプロモーターの制御下で
(バートレット、1985;パーカスら、1990)E.coliベータガラクトシダー
ゼ遺伝子(シャピラら、1983)を含有する3.2kb SmaIカセットと連結し、
プラスミドpSD524KBGを産生した。pSD524KBGは、ワクシニアウイルス
vP804との組換えの供与体プラスミドとして用いた。I4L遺伝子の部分的欠損中に
ベータガラクトシダーゼを含有する組換えワクシニアウイルス、vP855を、X−ga
lの存在下でブループラークとして単離した。
【0107】
vP855からのI4L ORFの残りとベータガラクトシダーゼを欠損するために、欠
10
損プラスミドpSD548を構築した。以下に示すように左側と右側のワクシニアフラン
キングアームをpUC8中で別々に組み立て、これを第6図に模式的に示した。
【0108】
左側ワクシニアフランキングアームを受け入れるベクタープラスミドを構築するために、
pUC8をBamHI/EcoRIで切断し、アニールした合成オリゴヌクレオチド51
8A1/518A2(配列認識番号21/配列認識番号22)
【化11】
20
と連結し、プラスミドpSD531を形成した。pSD531をRsaI(部分的)とB
amHIで切断し、2.7kbベクター断片を単離した。pSD518をBglII(位
置64,459)/RsaI(位置64,994)で切断し、0.5kb断片を単離した
。2つの断片をともに連結し、pSD537を形成した。このpSD537はI4Lコー
ド配列の左側の完全なワクシニアフランキングアームを含有する。
【0109】
30
右側のワクシニアフランキングアームを受け入れるベクタープラスミドを構築するために
、pUC8をBamHI/EcoRIで切断し、アニールした合成オリゴヌクレオチド5
18B1/518B2(配列認識番号23/配列認識番号24)
【化12】
40
と連結し、プラスミドpSD532を形成した。pSD532をRsaI(部分的)/E
coRIで切断し、2.7kbベクター断片を単離した。pSD518を、ワクシニア配
列内のRsaI(位置67,436)およびワクシニア/pUC接合部のEcoRIで切
断し、0.6kb断片を単離した。2つの断片をともに連結し、pSD538を形成した
。このpSD538はI4Lコード配列の右側の完全なワクシニアフランキングアームを
含有する。
【0110】
pSD538からの0.6kb EcoRI/BglII断片として右側ワクシニアフラ
ンキングアームを単離して、EcoRI/BglIIで切断したpSD537ベクタープ
50
(20)
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ラスミド中に連結した。産生したプラスミド、pSD539において、I4L ORF(
位置65,047−67,386)は、全てpUCバックグラウンドにおいて左側の0.
6kbのワクシニアDNAと右側に0.6kbのワクシニアDNAを側腹に有するポリリ
ンカー領域により置換される。ワクシニア配列内の欠損部位を第6図に三角形で示す。p
SD539のpUC誘導部分中のベータガラクトシダーゼ配列と組換えワクシニアウイル
スvP855内のベータガラクトシダーゼ配列との潜在的な組換えを避けるために、ワク
シニアI4L欠損カセットをpSD539から、全てのベータガラクトシダーゼ配列が除
去されポリリンカー領域と置換されたpUC誘導体である、pRC11中にトランスフェ
クションした(コリナスら、1990)。pSD539をEcoRI/PstIで切断し
、1.2kb断片を単離した。この断片をEcoRI/PstIで切断したpRC11(
10
2.35kb)中に連結し、pSD548を形成した。pSD548とワクシニア組換え
体、vP855を含有するベータガラクトシダーゼとの間の組換えにより、ワクシニア欠
損変異体vP866を産生し、これはX−galの存在下で透明プラークとして単離した
。
【0111】
組換えワクシニアウイルスvP866からのDNAを、制限切断と、続いてアガロースゲ
ルでの電気泳動により分析した。制限模様は予期した通りであった。テンプレートとして
のvP866と上述した6つの欠損座を側腹に有するプライマーを用いたポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)(エンゲルケら、1988)により、予期したサイズのDNA断片が産
生された。欠損接合部の区域辺りのPCR産生断片の配列分析により、接合部が予期した
20
ものであることが確認された。上述したような6つの作成した欠損を含有する組換えワク
シニアウイルスvP866はワクシニアワクチン菌株「NYVAC」と称した。
【0112】
実施例7−狂犬病糖タンパク質G遺伝子のNYVACへの挿入
ワクシニアH6プロモーター(テイラーら、1988a、b)の制御下で遺伝子コード狂
犬病糖タンパク質GをTK欠損プラスミドpSD513中に挿入した。pSD513は、
ポリリンカー領域の存在を除いてはプラスミドpSD460(第1図)と同一である。
【0113】
ここで第7図を参照する。pSD460をSmaIで切断し、プラスミドベクターをアニ
ールした合成オリゴヌクレオチドVQ1A/VQ1B(配列認識番号25/配列認識番号
30
26)
【化13】
と連結することによりポリリンカー領域を挿入し、ベクタープラスミドpSD513を形
成した。pSD513をSmaIで切断し、ワクシニアH6プロモーターの制御下で狂犬
病糖タンパク質G遺伝子をコードする遺伝子を含有するSmaI末端1.8kbカセット
と連結した(テイラーら、1988a、b)。産生したプラスミドをpRW842と称す
40
る。pRW842を、NYVAC救助ウイルス(vP866)との組換えの供与体プラス
ミドとして用いた。狂犬病糖タンパク質Gコード配列に対する
3 2
P標識DNAプローブ
を用いてプラークハイブリダイゼーションにより同定した。
【0114】
本発明の改変組換えウイルスは、組換えワクチンベクターとしての利点を提供する。ベク
ターの毒性が弱毒化したことにより、ワクチン接種した個体のワクチン接種により手に負
えない(runaway)感染の可能な機会が減少し、またワクチン接種した個体からワ
クチン接種していない個体への伝染または環境の汚染が減少する。
【0115】
改変組換えウイルスはまた好ましくは、細胞中の遺伝子産生物をコードし発現する異種D
50
(21)
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NAを有する改変組換えウイルスを細胞中に導入することにより、生体外で培養した細胞
中に遺伝子産生物を発現する方法に用いられる。
【0116】
実施例8−ニューカッスル病ウイルスの血球凝集素ノイラミニターゼ糖タンパク質と融合
を発現するTROVAC−NDVの構築
毒性NDV菌株テキサスのFおよびHN遺伝子の両方を発現する鶏痘ウイルス(FPV)
ベクターを構築した。産生した組換え体はTROVAC−NDVと称した。TROVAC
−NDVは組換えウイルスに感染したアビアン細胞中の確実に処理したNDV糖タンパク
質を発現し、生後1日のひなに接種することにより続いての毒性NDV抗原投与に対して
防御を与える。
10
【0117】
細胞およびウイルス
NDVのテキサス菌株は短潜伏期性菌株である。FおよびHN遺伝子のcDNAクローン
の調製は前に記載してある(テイラーら、1990;エドバウアーら、1990)。FP
V選定FP−1の菌株は前に記載してある(テイラーら、1988a)。生後1日のひな
のワクチン接種に有用なのは弱毒化ワクチン菌株である。親ウイルス菌株デュベッティは
、鶏からの鶏痘かさぶたとしてフランスで得られた。ふ化鶏卵での約50連続の継代接種
と続いての鶏繊維芽細胞での約25回の継代接種によりウイルスは弱毒化された。ウイル
スに4連続のプラーク精製を施した。1つのプラーク単離体をさらに初代CEF細胞中で
増幅し、TROVACと称する同種菌を作成した。TROVAC−NDVを産生する生体
20
内組換え試験に用いられる同種ウイルスに、プラーク単離体からの初代CEF細胞中で1
2回継代接種を施した。
【0118】
NDV−Fのカセットの構築
Fタンパク質コード配列の5′末端からの22ヌクレオチド以外の全てを含有する1.8
kbp BamHI断片をpNDV81(テイラーら、1990)から切除し、pUC1
8のBamHI部位で挿入し、pCE13を形成した。pCE13をSalIで切断し、
付着末端をE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片で充填し、HindIII
で切断することにより、上述したワクシニアウイルスH6プロモーター(テイラーら、1
988a、b;グオら、1989;パーカスら、1989)をpCE13中に挿入した。
30
H6プロモーター配列を含有するHindIII−EcoRV断片をpCE13中に挿入
し、pCE38を形成した。pCE38をKpnIとNruIで切断し、アニールしキナ
ーゼした(kinased)オリゴヌクレオチドCE75(配列認識番号27)とCE7
6(配列認識番号28)を挿入することにより完全な5′末端を産生し、pCE47を産
生した。
【0119】
【化14】
40
NDV−Fの3′末端から非コード配列を除去するために、pCE13からのSmaIか
らPstI断片をpUC18のSmaIとPstI部位に挿入し、pCE23を形成した
。pCE23のSacI、BamHI、エキソクレアーゼIII、SIヌクレアーゼおよ
びEcoRIでの配列切断により、非コード配列を除去した。次いで、アニールし、キナ
ーゼしたオリゴヌクレオチドCE42(配列認識番号29)およびCE42(配列認識番
号30)を挿入し、pCE29を形成した。
【0120】
50
(22)
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【化15】
次いで、pCE29からのPstI−SacI断片をpCE20のPstIとSacI部
位にクローニングすることにより、NDV−F配列の3′末端を、すでにNDV−Fの5
′末端を含有するプラスミドpCE20に挿入し、pCE32を形成した。pCE20の
産生は以前にテイラーら、1990に記載されている。
【0121】
pCE47中に含有されるNDV−F 5′配列とH6プロモーターをpCE32中に含
10
有される3′NDV−F配列と配列させるために、pCE47のHindIII−Pst
I断片を、pCE32のHindIIIおよびPstI部位に挿入し、pCE49を形成
した。次いで、pCE49からのHindIII−NruI断片まをpJCA002のH
indIIIとSmaI部位(上述)中にクローニングすることにより、H6プロモート
したNDV−F配列を脱ORFした(de−ORFed)F8座に転移せしめ、pCE5
4を形成した。pCE54をSacIで、部分的にBamHIで切断し、アニールしキナ
ーゼしたオリゴヌクレオチドCE166(配列認識番号31)およびCE167(配列認
識番号32)を挿入することにより、転写終止シグナルをpCE54に挿入し、pCE5
8を産生した。
【0122】
20
【化16】
テンプレートとしてのpCE54およびプライマーとしてのオリゴヌクレオチドCE18
2(配列認識番号33)とCE183(配列認識番号34)によるポリメラーゼ連鎖反応
(PCR)を用いることにより、NDV−Fの完全3′末端を得た。
【0123】
【化17】
30
PCR断片をPvuIIとHpaIIで切断し、HpaIと部分的にPvuIIで切断し
たpCE58中にクローニングした。産生したプラスミドをpCE64と称した。完全H
6プロモーターとpCE64からのFコード配列を含有するHindIII−HpaI断
片を、pRW846のHindIIIおよびHpaI部位にクローニングすることにより
、翻訳終止シグナルを挿入し、NDV−Fの最終カセットであるpCE71を産生した。
プラスミドpRW846は実質的にプラスミドpJCA002(以下に記載)と等しいが
、H6プロモーターおよび転写ならびに翻訳終止シグナルを含有する。pRW846をH
indIIIとHpaIで切断することによりH6プロモーターを除去するが、終止シグ
40
ナルは完全に残す。
【0124】
NDV−HNのカセットの構築
プラスミドpRW802の構築はエドバウアーら、1990に記載している。このプラス
ミドはpUC9ベクター中にワクシニアウイルスH6プロモーターの3′末端に連結した
NDV−HN配列を含有している。ワクシニアウイルスH6プロモーターの5′末端を包
含するHindIII−EcoRV断片を、pRW802のHindIIIおよびEco
RV部位に挿入し、pRW830を形成した。アニールしキナーゼしたオリゴヌクレオチ
ドCE162(配列認識番号35)およびCE163(配列認識番号36)をpRW83
0のEcoRI部位中に挿入することによりNDV−HNの3′末端を得て、NDV−H
50
(23)
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Nの最終カセットであるpCE59を形成した。
【0125】
【化18】
10
FPV挿入ベクターの構築
プラスミドpRW731−15はゲノムDNAからクローニングされた10kb Pvu
II−PvuII断片を含有している。3660bp PvuII−EcoRV断片の両
鎖についてヌクレオチド配列を決定した。ここにF8として示した読取り枠の制限を決定
した。プラスミドpRW761は2430bp EcoRV断片を含有するpRW731
−15のサブクローンである。F8 ORFはpRW761中のXbaI部位とSspI
部位との間に完全に含まれた。TROVACとの組換えに関してゲノムDNAがF8 O
RFを除去する挿入プラスミドを産生するために、以下の工程を行なった。プラスミドp
RW761をXbaIで完全に切断し、SspIで部分的に切断した。3700bp X
20
baI−SspI帯をゲルから単離して、アニールした二重鎖オリゴヌクレオチドJCA
017(配列認識番号37)およびJCA018(配列認識番号38)と連結した。
【0126】
【化19】
30
この連結により産生したプラスミドをpJCA002と称した。
【0127】
NDV FとHNの二重挿入ベクターの構築
E.coli DNAポリメラーゼが充填されたpCE59からのHindIII断片を
pCE71のHpaI部位にクローニングすることにより、H6プロモートしたNDV−
HN配列をH6プロモートしたNDV−Fカセットに挿入し、pCE80を形成した。プ
ラスミドpCE80をNdeIで完全に切断し、BglIIで部分的に切断して、H6プ
ロモーターによりドライブされF8フランキングアームに連結したNDV FおよびHN
40
遺伝子を含有するNeeI−BglII4760bp断片を産生した。pRW731−1
5からの4900bp PvuII−HindII断片をpBSSK+のSmaIおよび
HindII部位に挿入することによりプラスミドpJCA021を得た。次いでプラス
ミドpJCA021をNdeIとBgkIIで切断し、pCE80の4760bpNde
I−BglII断片に連結し、pJCA024を形成した。それゆえ、プラスミドpJC
A024はFPVフランキングアーム間に隣接する3′末端と反対の配向で挿入されたN
DV−FおよびHN遺伝子を含有している。両方の遺伝子をワクシニアウイルスH6プロ
モーターに連結する。NDV−F配列に隣接した右側フランキングアームは2350bp
のFPV配列からなる。NDV−HN配列に隣接した左側フランキングアームは1700
bpのFPV配列からなる。
50
(24)
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【0128】
TROVAC−NDVの発達
前述したリン酸カルシウム沈殿法を用いてTROVAC感染初代CEF細胞中にプラスミ
ドpJCA024をトランスフェクションした(パニカリら、1982;ピッチーニら、
1987)。特異的NDV−FおよびHN放射線標識プローブに関するハイブリダイゼー
ションに基づいて陽性プラークを選択し、これらのプラークに、純粋な固体群となるまで
5回のプラーク精製を行なった。1つの典型的なプラークを増幅せしめ、産生したTRO
VAC組換え体をTROVAC−NDV(vFP96)と称した。
【0129】
蛍光抗体法
10
多クローン性抗NDV血清と、単特異的試薬として、NDV−FまたはNDV−HNを発
現するワクシニアウイルス組換え体に対して家ウサギ中で産生された血清を用いて、間接
蛍光免疫法を記載したように行なった(テイラーら、1990)。
【0130】
免疫沈降
CN、ストース、SPAFAS社から得た多クローン性抗NDV血清を用いて記載したよ
うに免疫沈降反応を行なった。
【0131】
株ウイルスを現場でのプラークハイブリダイゼーションによりスクリーニングしてF8 ORFが欠損していることを確認した。サザンブロットハイブリダイゼーションにより、
20
NDV遺伝子のTROVACゲノム中への正確な挿入とF8
ORFの欠損もまた確認した。
【0132】
NDV感染細胞において、F糖タンパク質を、カルボキシル末端に近い疎水性膜貫通領域
により膜中に固定し、これは前駆体、F0 の、2つのジスルフィド連結ポリペプチドF
1 およびF2 への翻訳後切断を必要とする。F0の切断は、所定のNDV菌株の病原
性を決定するのに重要であり(ホンマおよびオーウチ、1973;ナガイら、1976;
ナガイら、1980)、切断部位でのアミノ酸配列はそれゆえウイルスの毒性を決定する
のに重要である。FPV中に挿入され、組換え体vFP29を形成するNDV−F配列中
の切断部位でのアミノ酸は、毒性NDV菌株(チャクバーら、1986;エスピオンら、
30
1987;リーら、1988;マックギネスおよびモリソン、1986;トヤダら、19
87)に必要条件であることが分かった配列に一致する配列Arg−Arg−Gln−A
rg−Arg(配列認識番号39)(テイラーら、1990)。NDVの毒性菌株に感染
した細胞中に合成されたHN糖タンパク質は74kDaの未切断糖タンパク質である。ア
ルスターおよびクイーンズランドのようなきわめて無毒性の菌株は、活性化に切断を必要
とするHN前駆体(HNo)をコードする(ガーテンら、1980)。
【0133】
TROVAC−NDV中のFおよびHN遺伝子の発現を分析して、遺伝子産生物が自発的
に処理され存在することを確認した。多クローン性抗NDV鶏血清を用いた間接蛍光抗体
法により、免疫半の失せてタンパク質が感染細胞表面に存在したことが確認できた。両方
40
のタンパク質が血漿膜上に存在することを確定するために、FまたはHN糖タンパク質の
いずれかを発現するワクシニア組換え体に対する単特異的家ウサギ血清を産生した。これ
らの血清を用いた間接蛍光抗体法により、両方のタンパク質が表面に存在することを確認
した。
【0134】
親および組換えウイルスに感染したCEF細胞の(
3 5
S)メチオニン標識溶解産物を用
いて免疫沈降実験を行なった。F1 とF2 の糖溶解産物形状のみかけの分子量の予測
値はそれぞれ54.7と10.3kDaである(チャンバースら、1986)。多クロー
ン性抗NDV血清を用いた免疫沈降実験において、適切なサイズの融合特異的産生物をN
DV−F単一組換え体vFP29(テイラーら、1990)およびTROVAC−NDV
50
(25)
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二重組換え体vFP96から欠損せしめた。また適切なサイズのHN糖タンパク質を、N
DV−HNタンパク質組換え体VFP−47(エドバウアーら、1990)およびTRO
VAC−NDVから欠損せしめた。どのNDV特異的産生物も、未感染および親TROV
AC感染CEF細胞から欠損されなかった。
【0135】
CEF細胞において、FおよびHN糖タンパク質は、NDV免疫血清により認識される感
染細胞表面に適切に存在する。免疫沈降分析により、F0 タンパク質が毒性菌株中に必
要とされるF1 およびF2 成分に関して確実に切断せしめられることが示された。同
様に、HN糖タンパク質も組換え体TROVA−NDVに感染したCEF細胞中で確実に
処理された。
10
【0136】
以前の報告によると(テイラーら、1990;エドバウアーら、1990;ボースネルら
、1990a、b、c;オガワら、1990)、HNまたはFのいずれかのみの発現はN
DV抗原投与に対する防御免疫を誘発するのに十分であることが分かっている。しかしな
がら、他のパラミクソウイルスへの作業により、両方のタンパク質への抗体には十分な防
御免疫を必要とすることが示されている。F糖タンパク質に対してではなくHN糖タンパ
ク質に対する抗体の存在下で組織培養中にSV5ウイルスが拡散することが示されている
(マーツら、1980)。加えて、死菌麻疹ウイルスワクチンを伴うワクチンの失敗は、
融合成分の不活性化によるものであることが示唆されている(ノルビーら、1975)。
両方のNDV糖タンパク質がウイルス中和抗体(アベリーら、1979)を誘発すること
20
が示され、両方の糖タンパク質が個々に鶏痘ベクター中に発現される場合に防御免疫応答
を誘発することができるので、最も有効なNDVワクチンは両方の糖タンパク質を発現す
べきである。
【0137】
実施例9−NYVAC−MV組換え発現麻疹融合および血球凝集素糖タンパク質の構築
麻疹ウイルスMV(エドモンストン菌株)のHAおよびFタンパク質をコードする配列の
cDNAコピーをNYVAC中に挿入してNYVAC−MVと称する二重組換え体を産生
した。この組換え体は、感染細胞の表面上に両方の糖タンパク質を確実に発現した。免疫
沈降分析は、両方のFおよびHN糖タンパク質の正確な加工を示した。この組換え体はま
た融合細胞の形成も誘発することが示された。
30
【0138】
細胞およびウイルス
NYVAC−MVの産生に使用した救助ウイルスは、NYVACと称するワクシニアウイ
ルスの改変コペンハーゲン菌株であった。全てのウイルスを増殖せしめ、ベロ細胞単層に
おいて滴定した。
【0139】
プラスミドの構築
プラスミドpSPM2LHA(テイラーら、1991c)は、前述したワクシニアウイル
スH6プロモーター(テイラーら、1988a、b;グオら、1989;パーカスら、1
989)と正確なAG対ATGの配置に連結された完全な麻疹HA遺伝子を含有している
40
。3′側の26bpを欠如したHA遺伝子と正確なATG:ATG配置に融合したH6プ
ロモーターの3′側の24bpを含有する1.8kpb EcoRV/SmaI断片をp
SPM2LHAから単離した。この断片を、pSPMHHA11の1.8kbp Eco
RV/SmaI断片(テイラーら、1991c)を置換するのに用い、pRW803を産
生した。プラスミドpRW803は、完全麻疹HA遺伝子に正確に連結した完全H6プロ
モーターを含有している。
【0140】
麻疹HA遺伝子に関する以前の構築を確認するに当たって、コドン18(CCC)の配列
を公表した配列と比較して欠損せしめた(アルハチブら、1986)。オリゴヌクレオチ
ドRW117(配列認識番号40)
50
(26)
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【化20】
を用いたクンケル法(クンケル、1985)によりCCC配列をオリゴヌクレオチド突然
変異誘発で置換した。一本鎖テンプレートを、pIBI25中のpRW803からのH6
/HAカセットを含有するプラスミドpRW819から誘導した(CT、ニューヘブン、
インターナショナルバイオテクノロジー社)。コドン18でのプロリン残留物をコードす
る挿入された(CCC)を含有する突然変異誘発したプラスミドをpRW820と称した
。pRW820のHindIIIおよびXbaI部位の間の配列を、ヌクレオチド配列分
10
析により確認した。HindIII部位はH6プロモーターの5′へりに位置し、一方X
baI部位はHA遺伝子の開始コドンから230bp下流に位置する。XbaI(上述)
から下流のHAコード配列を含有し、終止コドンを含むpRW803からの1.6kbp
XbaI/EcoRI断片を用い、等量のpRW820の断片を置換してpRW837
を産生した。HindIIIおよびEcoRIで切断し、2mM cNTPの存在下でE
.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用いたブラントエンドを行ない、pS
D513のSmaI部位に挿入することによりpRW837内に含有された突然変異誘発
した発現カセットを誘導し、pRW843を産生した。ポリリンカー配列を添加すること
によりプラスミドpSD460からプラスミドpSD513を誘導した。プラスミドpS
D460は、ワクシニアウイルスからのチミジンキナーゼ遺伝子を欠損できるように誘導
20
した。
【0141】
HA挿入プラスミド中に麻疹ウイルスF遺伝子を挿入するために、pSPHMF7におい
て操作を行なった。プラスミドpSDHMF7(テイラーら、1991c)は、以前に記
載したワクシニアウイルスH6プロモーターに近位の麻疹F遺伝子3′を含有している。
ATG配置のための完全なATGを達成し、プロモーターの3′末端と麻疹ウイルスF遺
伝子のATGとの間の介在配列を除去するために、オリゴヌクレオチドSPMAD(配列
認識番号41)
【化21】
30
を用いてオリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発を行なった。産生したプラスミドをpS
PMF75M20と称した。
【0142】
H6プロモーターと正確なATG:ATG配置に連結した麻疹F遺伝子を含有するプラス
ミドpSDMF75M20をNruIおよびEagIで切断した。H6プロモーターの3
′側の27bpと完全な融合遺伝子を含有する、産生した1.7kbp平滑末端断片を単
離し、NruIとXbaIで切断し、平滑末端とした中間プラスミドpRW823に挿入
した。産生したプラスミドpRW841は、pIBI25プラスミドベクター中の麻疹F
40
遺伝子に連結したH6プロモーターを含有している(CT、ニューハブン、インターナシ
ョナルバイオテクノロジー社)。SmaIで切断することにより、H6/麻疹Fカセット
をpRW841から切除して産生した1.8kb断片をpRW843(麻疹HA遺伝子を
含有する)に挿入した。プラスミドpRW843を、最初にNotIで切断し、2mMc
NTPの存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片で平滑末端とした。
それゆえ、産生したプラスミド、pRW857は、尾対尾の配置に連結した麻疹ウイルス
FおよびHA遺伝子を含有する。両方の遺伝子はワクシニアウイルスH6プロモーターに
連結している。
【0143】
NYVAC−MVの開発
50
(27)
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前述したリン酸カルシウム沈殿法(パニカリら、1982;ピッチーニら、1987)を
用いて、プラスミドpRW857をNYVAC感染ベロ細胞にトランスフェクションした
。特異的MV FおよびHA放射線標識プローブに関して現場でのプラークハイブリダイ
ゼーションに基づいて陽性プラークを選択し、純粋な固体群となるまで、6回のプラーク
精製を行なった。1つの代表的なプラークを増幅し、産生した組換え体をNYVAC−M
Vと称した(vP913)。
【0144】
蛍光抗体法
前述したように間接蛍光抗体法を行なった(テイラーら、1990)。使用した単特異的
試薬は、家ウサギに麻疹FまたはHA遺伝子のいずれかを発現するカナリヤポックス組換
10
え体を接種することにより産生した血清であった。
【0145】
免疫沈降
モルモット抗麻疹血清(MD、ウォーカースビル、ウィタッカーM.A.バイオプロダク
ツ)を用いて前述したように免疫沈降反応を行なった。
【0146】
細胞融合実験
60mmのディッシュ中のベロ細胞単層に、細胞当たり1pfuの多重度で親または組換
えウイルスを接種した。37℃で1時間の吸収後、接種物を除去し、培地を上に載せ、デ
ィッシュを37℃で一晩接種した。20時間後の感染で、ディッシュを試験した。
20
【0147】
麻疹FおよびHA遺伝子の両方の発現産生物が感染細胞表面上に存在することを確定する
ために、麻疹FまたはHA遺伝子のいずれかを発現するカナリヤポックス組換え体に対し
て家ウサギ中に産生した単特異的血清を用いて間接蛍光抗体法を行なった。その結果によ
り、両方の単特異的血清に関して強い表面蛍光によって示されたように、FおよびHA遺
伝子産生物の両方が感染細胞表面上に発現されたことが分かった。親NYVAC菌株を接
種した細胞のいずれの細胞にもバックグラウンドの染色はなく、また単特異的血清をHA
またはF遺伝子のいずれかを発現するワクシニア単一組換え体に対して試験した場合にも
交差反応染色は見られなかった。
【0148】
30
NYVAC−MVにより発現されたタンパク質が、麻疹ウイルス特異的血清と免疫活性で
あり、感染細胞中で確実に加工されたことを確定するために、免疫沈降分析を行なった。
ベロ細胞単層を、
3 5
Sメチオニンの存在下で親または組換えウイルスの10pfu/細
胞の多重度で接種した。免疫沈降分析は、約76kDaのHA糖タンパク質およびそれぞ
れ分子量が44kDaおよび33kDaの切断融合産生物F1 とF2 を示した。麻疹
特異的産生物は、未感染細胞または親MYVACウイルスに感染したベロ細胞中には全く
検出されなかった。
【0149】
MV細胞病理学の特性は、周辺の感染または未感染細胞と感染細胞の融合と続いての融合
細胞の中心への核の移動により生じた融合細胞の形成である(ノービーら、1982)。
40
これはパラミクソウルイスに関して、HA特異的ウイルス中和抗体の存在により生じ得る
ウイルスの拡散の重要な方法であることが示された(マーツら、1980)。ワクシニア
ウイルス中で発現されたMVタンパク質が機能的に活性であることを確定するために、ベ
ロ細胞単層にMYVACとNYVAC−MVを接種し、細胞病理効果を観察した。強い細
胞融合活性が、感染から約18時間後にNYVAC−MV感染ベロ細胞中で明確であった
。親NYVACに感染した細胞中には細胞融合活性は見られなかった。
【0150】
実施例10−仮性狂犬病の糖タンパク質を発現するMYVAC組換え体の構築
PRV gpII、gpIII、およびgp50糖タンパク質を、個々または組合せのい
ずれかで発現するワクシニアウイルス組換え体が有効なワクチン候補であること、すなわ
50
(28)
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ち、生PRVの毒性抗原投与からブタを防御することが示された。MYVACベクターが
培養ブタ細胞中で生産的に複製できないこと、および既知の潜在的な毒性遺伝子の欠損に
よるベクター固有の安全性を考慮して、PRV gpII、gpIII、およびgp50
を単体または様々な組合せで含有するNYVACベースの組換え体を産生した。これらの
組換え体は、ブタに安全であり、環境への伝染を減少または著しく制限したPRVに対し
て効果的なワクチン候補を提供するために産生した。
【0151】
ウイルスおよび細胞
NYVACの操作と分子クローニングを標準技術により行なった(ピッチーニら、198
7;マニアチスら、1982)。NYVACおよびMYVACベースの組換え体の培養は
10
以前に記載した(ピッチーニら、1987)。
【0152】
PRV gpII、gpIII、およびgp50遺伝子のクローニング
PRVの増殖、PRVゲノムDNAの抽出、およびPRV gpII、gpIII、およ
びgp50遺伝子の同定は以前に記載した。
【0153】
仮性狂犬病ウイルス(PRV)遺伝子のNYVAC(vP866)へのクローニングおよ
び発現
ヒトおよびブタ宿主域遺伝子(C7LおよびK1L)を法含有する領域が欠如したNYV
AC欠損変異体、vP866は、PRV遺伝子を挿入するのに用いたベースベクターであ
20
った。このベクターはまた、ワクシニアウイルスtk遺伝子、血球凝集素遺伝子、出血性
遺伝子、リボヌクレオチドレダクターゼ(巨大サブユニット)遺伝子、およびA型封入体
遺伝子が欠如している。重要なことは、vP866は、ヒトまたはブタ肝臓(LLC−P
K1)細胞については少しも効果的には複製しない。単純ヘルペスウイルスgB(ロビン
ソンら、1987)、gC(ロビンソンら、1986b)、およびgD(ワッソンおよび
ワッソン、1984)にそれぞれ相同なPRV遺伝子gpII、gpIII、およびgp
50を下記に概略示したようにvP866に挿入した。
【0154】
PRV gpII遺伝子をvP866の血球凝集素座に挿入
PRV gpII遺伝子をコードするDNA配列はPRVゲノムのBmaHI断片にある
30
(メッテンライターら、1986)。
【0155】
pBR322のBamHI部位に挿入されたPRV BamHI断片1を含有する、pP
R9.25と称するプラスミドをNcoIで切断した。産生した制限断片を9.8%のア
ガロースゲルで分画し、ジェネクリーン(CA、ラジョラ、バイオ101社)を用いて6
.2kb NcoI DNA断片を精製し、続いてCiAPで処理したpBR328(I
N、インディアナポリス、ベーリンガーマンハイムバイオケミカルス)のNcoI部位に
挿入した。精製したプラスミド、pPR2.15をSphIで切断し、アガロースゲルで
分画した。2.7kbと1.8kb断片を精製して、pUC18のSphI部位に挿入し
、pPR1およびpPR2をそれぞれ産生した。
40
【0156】
pPR1からの1060bp PRV SphI/NheI断片をアガロースゲルから単
離して、アニールしたオリゴヌクレオチドMRSYN1(配列認識番号42)
【化22】
およびMRSYN2(配列認識番号43)
【化23】
50
(29)
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によりpIBI25のBamHI/SphI部位に挿入し、pPR6を産生した。pPR
6をHindIIIおよびApaIで切断した。ApaI部位は、PRV gpIIのA
TG開始コドンから32bp下流に位置する。この3920bp断片をアニールしたオリ
ゴヌクレオチドMRSYN3(配列認識番号44)
【化24】
およびMRSYN4(配列認識番号45)
10
【化25】
と連結し、pPR9を産生した。これらのアニールしたオリゴヌクレオチドは、EcoR
V部位からATGを通じてPRV gpIIコード配列に続くワクシニアウイルスH6プ
ロモーターを特定するDNA配列を提供する。プラスミドpPR9をBamHIとNhe
Iで切断し、子牛の腸のアルカリ性ホスファターゼ(CiAP)で処理し、アニールした
オリゴヌクレオチドMRSYN7(配列認識番号46)
【化26】
20
およびMRSYN8(配列認識番号47)
【化27】
並びにpPR1から得た1640bp SphI/NheI断片と連結し、プラスミドp
PR12を産生した。
【0157】
pPR2からの1030bp HindII/SphI断片をアガロースゲルから単離し
、HincII/SphI pUC18ベクターに挿入した。産生したプラスミド、pP
30
R10をHindIIIとNaeIで切断し、CiAPで処理した。NaeI部位は終止
コドン(TAG)の44bp上流である。アニールしたオリゴヌクレオチドMRSYN9
(配列認識番号48)
【化28】
およびMRSYN10(配列認識番号49)
40
【化29】
をpPR10からの3720bp NaeI/HindIII断片と連結し、プラスミド
pPR11を産生した。pPR2からの770bp SphI/HincII断片をアガ
ロースゲルから精製し、BamHI/SphIリン酸化リンカーMRSYN7(配列認識
番号46)およびMRSYN8(配列認識番号47)を用いてCiAP処理したpPR1
1のBamHI/HincII部位に挿入し、pPR13を産生した。EcoRIおよび
50
(30)
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SphIで切断したプラスミドpPR12を、MRSYN19(配列認識番号50)
【化30】
およびMRSYN20(配列認識番号51)
【化31】
を用いてpPR13からの990bp HindIII/SphI断片と連結し、プラス
ミドpPR15を産生した。プラスミド、pPR15をHindIII/EcoRVで切
10
断し、2780bp断片を産生した。この断片を、XmaIIIおよびEcoRVで切断
したpTP15(グオら、1989)に挿入し、pPR18を産生した。pPR18にお
いて、pRVgpIIをHA欠損プラスミド中のワクシニアウイルスH6プロモーターと
連結する。救助ウイルスとしてvP866による生体外組換え実験にpPR18を用いて
vP881を産生した。
【0158】
PRV gpIII遺伝子をNYVACのTK座に挿入
PRV gpIII遺伝子をコードする配列がPRVゲノムのBamHI2および9断片
に遺伝子地図を作成する(ロビンスら、1986b)。プラスミドpPR9.9およびp
PR7.35は、それぞれpBR322のBamHI部位に挿入されるPRV BamH
20
I断片2および9を含有する。PRV gpIII遺伝子の5′末端を含有するSphI
/BamHI断片をpPR9.9から単離した。gpIII遺伝子の残りを含有するNc
oI/BamHI断片をpPR7.35から単離した。完全なPRV gpIII遺伝子
は、これら2つの断片をpIBI25に連結することにより組み立て、pPR17を産生
した。
【0159】
PRV gpIII遺伝子を、HindIII B領域に位置する初期ワクシニアウイル
ス出血性プロモーターの制御下で発現されるように操作した(ゲーベルら、1990a、
b)。部位定方向突然変異誘発を用いて、PRV gpIII中の配列CGC(塩基19
2−194)をATGに変化せしめることによりNsiI部位を導入し、配列GTCAC
30
GTをTTCTAGA(塩基1632−1638)に変化せしめることによりXbaI部
位を導入した。突然変異誘発反応を行なうために、ヘルパーファージR408(CA、ラ
ジョラ、ストラタジェネ)を用いることにより一本鎖DNAをプラスミドpPR17から
産生した。MRSYN5(配列認識番号52)
【化32】
およびMRSYN6(配列認識番号53)
【化33】
40
並びにE.coli dur
− ung
− 菌株CJ236(CT、ニューハブン、バ
イオテクノロジー社)を用いて部位定方向突然変異誘発を行なった。クンケルの実験記録
(1985)にしたがって突然変異誘発を行なった。これらの突然変異誘発により、プラ
スミドpPR28が産生した。
【0160】
プラスミドpPR28をNsiIおよびXbaIで切断して、マング豆ヌクレアーゼで処
理した。1440bp断片を精製して、マング豆ヌクレアーゼと子牛腸あるか理性ホスフ
ァターゼで処理し多後にpSD478VCで切断したBglII/HpaIに挿入した。
産生したプラスミドをpPR24と称した。
50
(31)
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【0161】
プラスミドpPR24をSnaB1とDraIで切断し、uプロモーターとPRV gp
III遺伝子をが有する1500bp平滑末端断片を離生した。この断片をpSD513
VCで切断したSmaIに連結し、pPRVIIIVCTKを産生した。救助ウイルスと
してのvP866およびpPRVIIIVCTKに関して、生体外組換え実験を行なって
vP883を産生した。vP883において、ゲノムに関して、120bpワクシニアu
プロモーター要素の制御下で右から左の方向に挿入したPRV gpIII遺伝子により
ワクシニアtkコード配列を置き換えた。
【0162】
PRV gp50遺伝子をNYVACのATI座へ挿入
10
PRV糖タンパク質gp50の遺伝子をコードするDNAはPRVゲノムのBamHI断
片7に位置している(ペトロフスキスら、1986a、b)。プラスミドpPR7.1は
pBR322のBanHI部位に挿入されたPRV BamHI断片7を含有している。
完全なgp50遺伝子を含有するpPR7.1のStuI/NdeIサブ断片はpIBI
25にサブクローニングされてプラスミド#856を産生した。
【0163】
初期/中間ワクシニアプロモーター、I3Lの制御下でPRV gp50のコード配列を
配した(シュミットおよびスタネンベルグ、1988;ボスおよびスタネンベルグ、19
88)。このプロモーター要素は、以前にワクシニア組換え体中の異種遺伝子を発現する
のに用いた(パーカスら、1985;バッチャーら、1989)。合成オリゴヌクレオチ
20
ドP50PPBAM(配列認識番号54)
【化34】
およびP50PPATG(配列認識番号55)
【化35】
並びにテンプレートとしてのコペンハーゲンHindIII I領域のサブクローンであ
るpMPIVCを用いてPCR(ササキら、1988)により、I3L読取り枠から上流
30
のプロモーター配列に対応するDNA(シュミットおよびスタネンベルグ、1988)を
誘導した。産生した126bp断片をBamHIで切断し、プロモーター配列の5′末端
でのBamHI付着末端を産生した。3′末端は平滑末端のままであった。
【0164】
PRV gp50コード領域をプラスミド#856から切除した。プラスミド#856を
、ATGから7bp上流を切断し、3′懸垂となるNsiIで最初に切断した。3′懸垂
を、2mM dNTPの存在下でT4 DNAポリメラーゼで平滑末端とした。産生した
DNAを部分的にBglIIで切断し、PRV gp50遺伝子を含有する1.3kbブ
ラント/BglII断片を単離した。
【0165】
40
126bp I3Lプロモーター断片(BamHI/ブラント)および1.3kb gp
50遺伝子含有断片(ブラント/BglII)をBamHIで切断したpBS−SK(C
A、ラジョラ、ストラタジェネ)に連結した。産生したプラスミドをpBSPRV50I
3と称した。PRV gp50遺伝子に連結したI3Lプロモーターを含有する発現カセ
ットをBamHI/部分的SmaI切断により切除した。I3Lプロモーター/PRV gp50遺伝子を含有する1.4kb断片を単離して、2mM dNTPの存在下でE.
coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエンドした。
【0166】
I3Lプロモーター/PRV gp50遺伝子を含有する1.4kb平滑末端断片をAT
I挿入プラスミドpSD541に挿入した。ATI領域のフランキングアームを、テンプ
50
(32)
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レートとしてのコペンハーゲンHindIII A領域のサブクローンを用いたPCRに
より産生した。オリゴヌクレオチドMPSYN267(配列認識番号56)
【化36】
およびMPSYN268(配列認識番号57)
【化37】
10
を用いてATI欠損の右側に420bpワクシニアアームを誘導した。合成オリゴヌクレ
オチドMPSYN269(配列認識番号58)
【化38】
およびMPSYN270(配列認識番号59)
【化39】
20
を用いて欠損の左側に420bpワクシニアアームを誘導した。左右のアームPCRによ
りともに融合して、BglII、SmaI、およびXhoIの制限部位を特定するポリリ
ンカー領域により分離した。PCR産生断片をHindIIIおよびEcoRIで切断し
て付着末端を産生し、HindIIIおよびEcoRIで切断したpUC8に連結してp
SD541を産生した。
【0167】
I3L/PRV gp50遺伝子を含有するpSD541プラスミドをpATIgp50
と称した。このプラスミドを生体外組換え実験に用いてvP900を産生した。vP90
30
0はATI遺伝子の位置にPRV gp50遺伝子を含有している。
【0168】
NYVAC内の二重および三重PRV組換え体の産生
生体外組換え実験を行なって、多重PRV遺伝子を含有するNYVACベース組換え体を
産生した。供与体プラスミド、pATIP50を用いた生体外組換え実験を、vP881
、vP883、およびvP915に行なって、それぞれvP912、vP916、および
vP925を産生した(表1)。実験は救助ウイルスとしてのvP883およびプラスミ
ドpPR18に関して行なってvP915を産生した(表1)。
【0169】
NYVAC/PRV組換え体感染細胞からの免疫沈降
40
ベロ細胞について、細胞当たり10pfuのm.o.i.で、個々の組換えウイルス、N
YVAC親ウイルスを感染せしめるか、または疑似(mock)感染せしめた。1時間の
吸収期間の後、接種物を除去して、感染細胞に
3 5
Sメチオニン(20uCi/ml)を
含有するメチオニン不含有培地を添加した。全ての試料を感染8時間後に収集した。ヒツ
ジ抗gpII血清で分析した試料に関して、遠心分離により細胞を収集し、RIPA緩衝
液(1%NP−40、1%Na−デオキシクロレート、0.1%SDS、0.01Mメチ
オニン、5mM EDTA、5mM 2−メルカプト−エタノール、1m/ml BSA
、および100u/mlアプロチニン)で分離した。ヒツジ抗gpIIIで分析した試料
およびgp50に特異的な単クローンを1X緩衝液A(1%NP40、10mMトリス(
pH7.4)、150mM NaCl、1mM EDTA、0.0%Naアジド、0.2
50
(33)
JP 3602844 B2 2004.12.15
mg/mlPMSF)中に溶解せしめた。全ての血清をvP866感染ベロ細胞で前吸着
し、全ての溶解産物を通常の血清(ヒツジまたはマウス)および第2抗体に連結したタン
パク質Aセファロースで前吸着した。
【0170】
感染細胞からの溶解産物を、ヒツジ抗gpII血清を用いたPRV gpII発現に関し
て分析した。この第1抗血清を、家ウサギ抗ヒツジIgG(ベーリンガーマンハイム)に
接合したタンパク質Aセファロースと共にインキュベートした。4℃での一晩のインキュ
ベート後、試料を1×RIPA緩衝液で4回、LiCl−尿素(0.2M LiCl、2
M尿素、10mMトリス、pH8.0)で2回洗浄した。マイクロ遠心分離により沈殿物
を収集した。2Xラエムリの緩衝液(125mMトリス(pH6.8)、4%(SDS)
10
、20%グリセロール、10% 2−メルカプト−エタノール)を添加し、5分間沸騰せ
しめることにより、免疫複合体から沈殿したタンパク質を分離した。タンパク質を10%
のドレイファスゲルシステム(ドレイフィスら、1984)で分画し、固定し、フルオロ
グラフィーのために1M Na−サリチル酸塩で処理した。
【0171】
ヒツジ抗gpII血清を用いたPRV gpII発現に関して溶解産物を分析した。この
第1抗血清を家ウサギ抗ヒツジIgGに接合したタンパク質Aセファロース(ベーリンガ
ーマンハイム)と共にインキュベートした。4℃での一晩のインキュベート後、試料を1
X緩衝液Aで4回、LiCl−尿素緩衝液で2回洗浄した。沈殿物を処理し、上述したよ
うにフルオログラフィーにより分析した。
20
【0172】
溶解産物を、単クローン性抗体、22M4(フランス、リヨン、ローンメリオクスにより
供給された)を用いたPRV gp50発現に関して分析した。この第1抗体を、山羊抗
マウスIgGおよびIgM(ベーリンガーマンハイム)に接合したタンパク質Aセファロ
ースと共にインキュベートした。沈殿物を回収し、上述したようにPRV gpIII免
疫沈降に関して分析した。
【0173】
NYVAC/PRV組換え体に感染した細胞中のPRV糖タンパク質の発現
PRV gpII、gpIII、およびgp50産生物は、PRV感染細胞中の膜構造に
関連した典型的な糖タンパク質である。抗gpII、抗gpIIIおよび抗gp50特異
30
的体クローン性抗体および続いてのフルオロセイン接合ヒツジ抗マウスIgGを用いて、
組み得たい感染ベロ細胞の表面上のPRV糖タンパク質発現を分析した。gpII、gp
III、またはgp50の表面発現はいずれも、疑似感染細胞またはNYVAC(vP8
66)親ウイルスに感染した細胞の表面には検知できなかった。PRV gpII発現が
vP881、vP912、およびvP925感染細胞の表面に観察された。PRV gp
III表面発現が、vP883、vP915、vP916、およびvP925感染細胞中
に観察された。PRV gp50表面発現が、vP900、vP912、vP916、お
よびvP925感染細胞中に観察された。要約すると、特定のPRV糖タンパク質の表面
発現は、適切なPRV遺伝子を含有するNYVAC/PRV組換え体に感染した細胞中の
みに検知可能であった。
40
【0174】
NYVAC/PRV組換え体に感染した細胞からのPRV糖タンパク質の免疫沈降
NYVAC/PRV組換え体に感染したベロ細胞中の発現PRV gpII、gpIII
、およびgp50糖タンパク質の確実性を免疫沈降により分析した。PRV gpII遺
伝子産生物は、PRV感染細胞中でコードされた主要糖タンパク質の1つである。熟成タ
ンパク質は、ジスルヒド結合により連結した糖タンパク質の複合体からなる(ハンペルら
、1984;ルーカスら、1985)。還元条件下で、3つの種がこの複合体から分解し
た。これら3つの種(IIa−c)は、SDS−ポリアクリルアミドゲルにおいて、それ
ぞれ120kDa、74−67kDa、および58kDaの適切なサイズで移動した(ハ
ンプルら、1984)。
50
(34)
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【0175】
抗PRVgpII特異的血清を用いた免疫沈降分析において、どのPRV特異的タンパク
質種も、疑似感染細胞またはNYVAC(vP866)親細胞に感染した細胞からは沈殿
しなかった。PRV gpIIもまた、NYVAC/PRV組換え体vP916、vP8
83、およびvP900を含有する非gpIIに感染した細胞中では検知できなかった。
PRV gpIIがPRV gpII遺伝子をハーバーする全てのNYVAC/PRV組
換え体中で発現されたことが明確である。これらはvP925、vP912、vP915
、およびvP881である。組換え体を含有するPRV gpIIに感染したベロ細胞か
らの溶解産物は、適切な発現に調和し、gpIIをgpIIa(120kDa)、gpI
Ib(74−67kDa)、およびgIIc(58kDa)に加工するタンパク質種を含
10
有した。45kDaと10kDaの2つの追加のタンパク質種を抗gpII血清により特
異的に沈殿せしめた。これらのタンパク質種は、組換え感染細胞中の晩期にPRV gp
IIの変型のタンパク質分解工程により現れるように思われる。
【0176】
PRV gpIII産生物は、もう1つの主要PRV糖タンパク質である。gpIIIは
、92kDaの明確な分子量で移動する他のウイルスタンパク質とは複合体をなさない単
量体単位として存在する(ハンプルら、1984;ロビンスら、1986b)。gpII
Iに特異的な抗血清を用いたNYVAC/PRV組換え体感染細胞からの免疫沈降分析に
おいて、抗gpIII特異的タンパク質種は、疑似感染細胞、非組換え体感染細胞、また
はgpIIIを含有しないNYVAC/PRV組換え体(それぞれ、vP912、vP8
20
81、およびvP900)に感染した細胞からの溶解産物中には全く存在しなかった。v
P925、vP915、vP916,およびvP883感染細胞からの溶解産物は全て9
2kDa PRV gpIII遺伝子産生物を含有した。
【0177】
熟成PRV gp50遺伝子産生物は、約50から60kDa(ペトロフスキスら、19
86a;ワッセンら、1984)であり、そのほとんどはO連結炭化水素を含有しそうで
ある(ペトロフスキスら、1986b)。PRV gp50遺伝子産生物に特異的な抗血
清を用いた、NYVAC/PRV組換え体に感染した細胞の溶解産物からの免疫沈降にお
いて、gp50は、疑似感染細胞、非組換え体感染細胞、またはgp50遺伝子を含有し
ない組換え体(それぞれ、vP915、vP881、およびvP883)に感染した細胞
からの溶解産物中には全く存在しなかった。PRV gp50遺伝子を含有する組換えN
YVACウイルス(それぞれ、vP925、vP912、vP916、およびvP900
)に感染した細胞からの溶解産物は全て、抗PRV gp50血清により特異的に沈殿し
た50−60kDaタンパク質種を発現した。
【0178】
【表1】
30
(35)
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10
実施例11−エプステイン−バーウイルスのgp340、gBおよびgH遺伝子を発現す
るNYVAC組換え体の構築
EBV gp340、gB、およびgH遺伝子を含有するNYVAC供与体プラスミドを
構築した。この供与体プラスミドを用いて2つの組換え体、vP941およびvP944
を産生した。
20
【0179】
制限酵素は、ベセスダリサーチラボラトリーズ社(MD、ゲイサースブルグ)、ニューイ
ングランドバイオラボ社(MA、ビバーリー)、またはベーリンガーマンハイム(IN、
インディアナポリス)から得た。T4 DNAリガーゼおよびDNAポリメラーゼIクレ
ノウ断片を、ニューイングランドバイオラボ社から得た。クローニング、スクリーニング
およびプラスミド精製の少しの修飾には、標準組換えDNA技術を用いた(マニアチスら
、1982)。アルカリ性変性二本鎖プラスミドテンプレートに標準ジデオキソ鎖−終止
反応(サンガー、1977)を用いて核酸配列を確認した。M13mp18ファージ、p
IBI24およびpIBI25プラスミドをCT、インターナショナルバイオテクノロジ
ー社から得た。
30
【0180】
細胞株およびウイルス菌株
救助ウイルスとしてNYVACを用いて組換え体を産生した。5−10%の新生子牛血清
を補給したタカのMEM培地中のベロ(ATCC CCL81)細胞(VI、マクリーン
、フローラボラトリーズ)において、全てのワクシニアウイルス株を産生した。
【0181】
オリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発
突然変異誘発反応に用いたウラシル置換一本鎖DNAテンプレートはCJ236転換細胞
からのものであった。変異は、クンケルらの(1987)プロトコルを用いて行なわれた
。標準化学物質を用いて様々なオリゴヌクレオチドを合成した(CA、サンラファエル、
40
バイオリサーチ8700;CA、フォスターシティー、アプライドバイオシステム380
B)。
【0182】
ワクシニアウイルス組換え体の構築
救助ワクシニアウイルスに感染した組織培養細胞への組換え供与体プラスミドのトランス
フェクションおよび現場でのニトロセルロースフィルター上でのハイブリダイゼーション
による組換え体の同定の工程は前述したようなものであった(パニカリら、1982;ピ
ッチーニら、1987)。
【0183】
EBV遺伝子gp340、gB、およびgHのワクシニア組換え体における改変および発
50
(36)
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現
gp340遺伝子は、完全EBV配列の読取り枠BLLF1aに対応する(ベアーら、1
984)。gp220遺伝子は、内部スプライシングイベント(読取り枠BLLF1b)
によりgp340 mRNAから由来する。gp340およびgp220遺伝子を、Dr
.ペリコーデット(Centre de Recherche sur le Canc
er−IRSG,7 rue Guy Mocquet,94802 Villejui
f,France )により提供されたcDNAクローン(それぞれ、プラスミドpML
Pgp340、pMLPgp220)から単離した。
【0184】
pMLPgp220の2100bp XmaI/ClaI断片をXmaI/ClaI M
10
13 mp18に挿入し、産生したプラスミドをmp18gp220と称した。オリゴヌ
クレオチドCM4およびCM5を用いた生体外突然変異誘発により、gp220遺伝子の
5′および3′端を、ワクシニアH6プロモーターの制御下で発現に関して改変した。改
変gp220遺伝子を含有するプラスミドをmp18gp220(4+5)と称した。C
M4(配列認識番号60)およびCM5(配列認識番号61)のヌクレオチド組成は以下
の通りであった。
【0185】
【化40】
20
mp18gp220(4+5)の2300bp NarI/EcoRV断片を、NarI
/EcoRVプラスミドSP131NotI中にクローニングした。SP131NotI
は、前に定義したように完全なH6ワクシニアプロモーターを含有している(テイラーら
、1988a、b)。産生したプラスミドをSD131gp220と称した。
【0186】
pMLPgp340の2360bp ScaI/XhoI断片を、ScaI/XhoI 30
SP131gp220プラスミド中にクローニングした。産生したプラスミドをSP13
1gp340と称した。
【0187】
SP131gp340の2800bp NotI/NotI断片を、SmaI切断ワクシ
ニア供与体プラスミドpSD486中にクローニングした。産生したプラスミドを486
H6340と称した。EBV gB遺伝子は、完全EBV配列の読取り枠BALF4に対
応する(ベアーら、1984)。3500bp EcoRI/XmnI断片を、EBV BamHI A断片から単離して、HincII/EcoRIプラスミドpIBI25中
にクローニングした。産生したプラスミドをp25gBと称した。
【0188】
生体外突然変異誘発により、オリゴヌクレオチドEBV
M5(配列認識番号62)およびEBVM3(配列認識番号63)を用いて、ワクシニア
H6プロモーターの制御下でEBV gB遺伝子を発現に適用した。EBVM5(配列認
識番号62)およびEBVM3(配列認識番号63)のヌクレオチド組成は以下の通りで
ある。
【0189】
【化41】
40
(37)
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産生したプラスミドをp25gB(5+3)と称した。
【0190】
p25gb(5+3)の2600bp EcoRV/EcoRI断片を、EcoRV/E
coRI Sp131プラスミド中にクローニングした。産生したプラスミドをSP13
1gBと称した。
10
【0191】
EBV gH遺伝子は、完全EBV配列のBXLF2読取り枠に対応する(ベアーら、1
984)。完全BXLF2読取り枠は、2つのBamHI EBV断片、BamHI X
およびBamHI Tに含有される。EBV BamHI T断片の830bp Sma
I/BamHI断片をSmaI/BamHIpIBI24プラスミド中にクローニングす
ることにより、完全BXLF2読取り枠を再構築した。産生したプラスミドを24gH5
と称した。EBX BamHI X断片の1850bp BamHI/HindIII断
片を、BamHI/HindIII 24gH5プラスミド中にクローニングした。産生
したプラスミドを24gHと称した。
【0192】
20
オリゴヌクレオチドHM5、HM4、およびHM3を用いた生体外突然変異誘発により、
EBV gH遺伝子を改変して、ワクシニアB13R出血性プロモーターの制御下で発現
した(ゲーベルら、1990a、b)。オリゴヌクレオチドHM4を用いて、ワクシニア
初期転写終止シグナルに対応する配列を改変した。HM5(配列認識番号64)、HM4
(配列認識番号65)、およびHM3(配列認識番号66)のヌクレオチド組成は以下の
通りである。
【0193】
【化42】
30
改変gHを含有する産生したプラスミドを24gH(5+4+3)と称した。
【0194】
ワクシニア出血性プロモーターは、他のポックスプロモーターと比較して強力なプロモー
ターであるとは思われない。42kDaエントモポックスプロモーターの制御下でEBV
gH遺伝子を配した。これは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、特異的オリゴヌクレ
オチド42gH(配列認識番号67)およびBAMgH(配列認識番号68)並びにテン
プレートとしてのプラスミド24gH(5+4+3)を用いることにより行なわれた。
40
【0195】
【化43】
(最初のA残留物は、gHコード配列の位置292に対応する)
PCR反応は、サーマルサイクラー(CT、ノルウォーク、パーキンエルマーセタス)中
において、94℃で1分間、42℃で1.5分間、および72℃で3分間の36サイクル
を行ない、最後に72℃で5分間の延長工程を行なった。PCR産生物を精製し、Bam
50
(38)
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HIで切断し、24gH(5+4+3)の4550bp SmaI/BamHI断片中に
クローニングした。産生したプラスミドを24BXLF2.42Kと称した。
【0196】
EBV gp340、gB、およびgH遺伝子のワクシニア供与体プラスミドpSD54
2への挿入およびvP941とvP944の単離
ワクシニア供与体プラスミドpSD542は、延長ポリリンカー領域を有するpSD46
0の誘導体であり、異種遺伝子をワクシニアTK座に組換えるのに用いる。486H63
40プラスミドの2820bp BamHI/BglII断片を、BamHI/BglI
I pSD542プラスミド中にクローニングした。産生したプラスミドを542.34
0と称した。
10
【0197】
24BXLF2.42の2150bp SmaI/BglII断片を、SmaI/Bgl
II542.340プラスミド中にクローニングした。産生したプラスミドを542.3
40gHと称した。
【0198】
SP131gBプラスミドの2700bp HindIII/HindIII断片を、B
glII542.340gHプラスミド中にクローニングした。産生したプラスミドをE
BVトリプル1と称した。EBVトリプル1中に挿入されたEBVコード領域の遺伝地図
を第8図に示す。第8図の矢印により、転写方向を示す。
【0199】
20
EBVトリプル1プラスミドをNotIにより切断し、NYVACまたは3つのHBV遺
伝子を含有するNYVACベースのワクシニア組換え体に感染したベロ細胞中にトランス
フェクションせしめた。対応する組換えワクシニアウイルスvP944およびvP941
を単離した。
【0200】
実施例12−2型単純ヘルペスウイルスのgB、gCおよびgD遺伝子を発現するNYV
AC組換え体の構築
HSV2 gB、gCおよびgD遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルスを構築した
。
【0201】
30
細胞およびウイルス
HSV 2(菌株G)をベロ細胞(ATCC CCL81)中で増殖せしめ、スクロース
勾配での遠心分離により精製した(ポウエルら、1975)。
【0202】
ワクシニアウイルス(コペンハーゲン)およびそれから誘導された組換え体を前述したよ
うにベロ細胞(ATCC CCL81)中で増殖せしめた(パニカリら、1982;グオ
ら、1989)。
【0203】
HSV2 gB遺伝子の単離
HSV2 gB遺伝子を含有する12kb BglII断片を、HSV2ゲノムDNAか
40
ら単離し、pSD48 pUC19のBamHI部位に挿入した。産生したプラスミドを
pJ4と称した。
【0204】
次いでgB遺伝子をワクシニアウイルスのフランキングアーム間にクローニングした。こ
れは、pJ4の2,700bp SstII−SacI(部分的)断片をpMP409D
VCのSstII−SacI断片中にクローニングすることにより達成された(グオら、
1989)。これはM2L遺伝子を側腹に有するワクシニアウイルス配列間にgB遺伝子
を配した。この操作により産生されたプラスミドをpGB1と称した。
【0205】
次いでインフレーム(in−frame)終止コドンをgB遺伝子の3′末端に加えた。
50
(39)
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これは、オリゴヌクレオチド、GBL3(配列認識番号69)5′−CTAATAG−3
′およびGBL4(配列認識番号70)5′−GATCCTATTAGAGCT−3′を
pGB1の6,300bp BamHI−SacI(部分的)断片中にクローニングする
ことにより達成された。この操作により産生したプラスミドをpGB2と称した。
【0206】
次いでワクシニアウイルスH6プロモーター(テイラーら、1988a;パーカスら、1
989)をgB遺伝子の上流にクローニングした。これは、H6プロモーターを含有する
、pBLVH14の370bp BglII断片(ポーテテレら、1991)をpGB2
のBglII中にクローニングすることにより達成された。この操作により産生したプラ
スミドをpGB3と称する。
10
【0207】
次いでH6プロモーターの開始コドンをgB遺伝子の開始コドンと配列せしめた。これは
、オリゴヌクレオチド、GBL1(配列認識番号71)
【化44】
およびGBL1(配列認識番号72)
【化45】
20
をpGB3の6,300bp SstII−EcoRV(部分的)断片中にクローニング
することにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpGB5と称した。
【0208】
次いでH6プロモートしたgB遺伝子を異なるワクシニアウイルス供与体プラスミド中に
クローニングした。これは、H6プロモートしたgB遺伝子を含有する、pGB5の2,
800bp BglII−BamHI断片をpSD513VCVQのBglII部位中に
30
クローニングすることにより行なった。(pSD513VCVQは、チミジンキナーゼ(
tk)遺伝子がポリリンカー領域により置換されたワクシニアウイルスHindIII J断片のサブクローンである。)これにより、H6プロモートしたgB遺伝子をtk遺伝
子を側腹に有するワクシニアウイルス配列間に配した。この操作により産生したプラスミ
ドをpGB6と称した。
【0209】
HSV2 gC遺伝子の単離
HSV2 gC遺伝子を含有する、2,900bp SalI断片を、HSV2ゲノムD
NAから単離し、pIBI25のSalI部位に挿入した。産生したプラスミドをpGC
3と称した。
40
【0210】
次いでgC遺伝子をワクシニアウイルスフランキングアーム間にクローニングした。これ
は、pGC3の2,900bp XhoI−BamHI断片をpGC2のXhoI−Ba
mHI部位にクローニングすることにより達成された。H6プロモーターを含有する、p
BLVH14の370bp BglII断片(ポーテテレら、1991)を、pSD48
6のBglII部位にクローニングすることによりpGC2を産生した(第2図)。これ
により、u遺伝子を側腹に有するワクシニアウイルス配列間にgC遺伝子を配した。この
操作により産生したプラスミドをpGC5と称した。
【0211】
次いでH6プロモーターの開始コドンをgC遺伝子の開始コドンと配列せしめた。これは
50
(40)
JP 3602844 B2 2004.12.15
、オリゴヌクレオチド、GCL1(配列認識番号73)
【化46】
およびGCL2(配列認識番号74)
【化47】
10
を、pGC5の5,400bp NruI−SfiI断片中にクローニングすることによ
り行なった。この操作により産生したプラスミドをpGC10と称した。
【0212】
次いでpGC10から、外来の3′−非コード配列を除去した。これは、pGC10の4
,900bp SalI−SmaI(部分的)断片が満たされたE.coli DNAポ
リメラーゼI(クレノウ断片)を再び環状とすることにより行なわれた。この操作により
産生したプラスミドをpGC11と称した。
【0213】
20
次いでさらに3′−非コード配列をpGC11から除去した。これは、オリゴヌクレオチ
ド、GCL3 5′−CTAGGGCC−3′をpGC11の4,900bp XbaI
−ApaI(部分的)断片中にクローニングすることにより行なった。この操作により産
生したプラスミドをpGC12と称した。
【0214】
HSV2 gD遺伝子の単離
HSV2 gD遺伝子を含有する、7.5kb XbaI断片を、HSV2ゲノムDNA
から単離し、pIBI25のXbaI部位に挿入した。産生したプラスミドをpGD1と
称した。
【0215】
30
次いでgD遺伝子をH6プロモーターの下流とワクシニアウイルスフランキングアームの
間にクローニングした。これは、pGD1の1,500bp DraI−PstI断片を
pTP15の3,700bp SmaI−PstI断片中にクローニングすることにより
行なった(グオら、1989)。これにより、gD遺伝子をH6プロモーターの下流とH
A遺伝子を側腹に有するワクシニアウイルス配列間に配した。この操作により産生したプ
ラスミドをpGD2と称した。
【0216】
次いでH6プロモーターの開始コドンをgD遺伝子の開始コドンと配列せしめた。これは
、オリゴヌクレオチド、GDL1(配列認識番号75)
【化48】
40
およびGDL2(配列認識番号76)
【化49】
を、pGD2の5,100bp EcoRV−AhaII(部分的)断片中にクローニン
グすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpGD5と称した。
【0217】
次いで外来の3′−非コード配列を除去した。これは、オリゴヌクレオチド、GDL3(
50
(41)
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配列認識番号77)
【化50】
およびGDL4(配列認識番号78)
【化51】
10
をpGD5の4,800bp NaeI−PstI断片中にクローニングすることにより
行なった。この操作により産生したプラスミドをpGD7と称した。
【0218】
次いで追加の配列をH6プロモーターの上流に加えた。これは、pGB6の150bp BglII−EcoRV断片(上記参照)をpGD7の4,800bp BglII−E
20
coRV断片中にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラス
ミドをpGD8と称した。
【0219】
HSV2 gB、gCおよびgD遺伝子を含有するワクシニアウイルス供与体プラスミド
の構築
gCおよびgD遺伝子を含有するプラスミドを構築した。これは、H6プロモートしたg
C遺伝子を含有する、1,850bp PstI断片を、pGD8のPstI部位にクロ
ーニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpGCD1と称
した。
【0220】
30
次いでgB、gCおよびgD遺伝子を含有するプラスミドを構築した。これは、H6プロ
モートしたgB遺伝子を含有する、pGB6の2,800bp BglII−BamHI
断片を、pGCD1の6,800bp BamHI(部分的)断片中にクローニングする
ことにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpGBCD1と称した。
【0221】
次いで外来のDNAを除去した。これは、H6プロモートしたgB、gCおよびgD遺伝
子を含有する、jpGBCD1の6,000bp HindIII−BamHI(部分的
)断片が満たされたE.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)を、pMP8
31のSmaI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプ
ラスミドをpGBCDC1と称した。
40
【0222】
次いでH6プロモートしたgB、gCおよびgD遺伝子をワクシニアウイルスフランキン
グアーム間にクローニングした。これは、オリゴヌクレオチド、HSVL1(配列認識番
号79)5′−TCGATCTAGA−3′およびHSVL2(配列認識番号80)5′
−AGCTTCTAGA−3′、並びにH6プロモートしたgB、gCおよびgD遺伝子
を含有する、pGBCDC1の5,700bp HindIII−BamHI(部分的)
断片を、pSD541の3,600bp XhoI−BglII断片中にクローニングす
ることにより行なった。これにより、H6プロモートしたgB、gCおよびgD遺伝子を
、ATI遺伝子を側腹に有するワクシニアウイルス配列間に配した。この操作により産生
されたプラスミドをpGBCD4と称した。
50
(42)
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【0223】
vP914の構築
HSV2 gB、gCおよびgD遺伝子を含有する、ワクシニアウイルス組換え体、vP
914を構築した。ワクシニアウイルス組換え体を構築するのに用いた工程は以前に記載
している(パニカリら、1982;グオら、1989;グオら1990)。pGBCD4
をvP866(NYVAC)感染細胞中にトランスフェクションすることにより、ワクシ
ニアウイルス組換え体、vP914を産生した。この組換え体のHSB2遺伝子は、ワク
シニアウイルスH6プロモーターの転写制御下にある。
【0224】
vP914感染細胞の蛍光抗体法および免疫沈降
10
前述したように、蛍光抗体法および免疫沈降を行なった(グオら、1989)。HSV2
に対する家ウサギ抗血清をダコ社(コード番号B116)から得た。HSV2 gB(H
233)およびHSV2 gD(HD1)に対する単クローン性抗体(メイグニアら、1
987)を、B.メイグニア(フランス、リヨン、インスティテュートメリオクス)から
得た。
【0225】
HSV2感染細胞において、gB、gCおよびgD(他のHSV2糖タンパク質と同様に
)は細胞表面上に発現される。HSV2 gB(H233)およびHSV2 gD(HD
1)に特異的な単クローン性抗体を使用した、vP914感染細胞に関する蛍光抗体法に
より、これらの細胞中で産生されたHSV2 gBおよびgD糖タンパク質はまた細胞表
20
面に発現されることが示された。
【0226】
HSV2感染細胞において、gB、gCおよびgDは、それぞれ約117kDa、63k
Daおよび51kDaの分子量を有する(マースデンら、1987;マースデンら、19
84;ツウェイグら、1983)。vP914感染細胞のgB特異的単クローン性抗体(
H233)による免疫沈降により、約117kDa、110kDaおよび100kDaの
分子量を有する3つの主要なタンパク質、並びに他の少量のタンパク質が沈殿した。gD
特異的単クローン性抗体(HD1)による免疫沈降により、約51kDaの分子量を有す
る主要なタンパク質および約55kDaと46kDaの分子量を有する少量のタンパク質
が沈殿した。加えて、vP914感染細胞のHSV2に対する多クローン性抗血清による
30
免疫沈降により、gCに同様の63kDaの分子量を有するタンパク質(85kDaタン
パク質と同様)およびサイズでgBとgDに対応するタンパク質が沈殿した。それゆえ、
vP914に感染した細胞は、gB、gCおよびgDと同一の分子量を有するHSV2タ
ンパク質を発現するように思われた。
【0227】
実施例13−B型肝炎ウイルス遺伝子を発現するNYVAC組換え体の構築
DNAクローニングおよび合成
プラスミドを構築し、スクリーニングし、標準方法により増殖せしめた(マニアチスら、
1982;パーカスら、1985;ピッチーニら、1987)。制限エンドヌクレアーゼ
を、ベセスダリサーチラボラトリーズ(MD、ゲイサースブルグ)、ニューイングランド
40
バイオラボ(MA、ビバーリー)、およびベーリンガーマンハイムバイオケミカルス(I
N、インディアナポリス)から得た。T4 DNAリガーゼをニューイングランドバイオ
ラボから得た。T4ポリヌクレオチドキナーゼをベセスダリサーチラボラトリーズから得
た。プラスミドpGEM−3Zをプロメガ(WI、マジソン)から得た。pBR322中
にクローニングされたHBVゲノムを含有するプラスミドpTHBVの起源は以前に記載
されている(パオレッティら、1984)。
【0228】
合成オリゴブオキシリボヌクレオチドを、前述したようにバイオサーチ8750またはア
プライドバイオシステム380B DNAシンセサイザーにより調製した(パーカスら、
1989)。前述したように(グオら、1989)、シーケナーゼ(タバーおよびリチャ
50
(43)
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ードソン、1987)を用いたジデオキシ鎖終止法(サンガーら、1977)により、D
NA塩基配列決定を行なった。自動パーキンエルマーセタスDNAサーマルサイクラー中
で注文合成オリゴヌクレオチドプライマーおよびジェネアンプDNA増幅試薬キット(C
T、ノルウォーク、パーキンエルマーセタス)を用いて、クローニングと配列確認(エン
ゲルケら、1988)のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅を行な
った。
【0229】
ウイルスおよびトランスフェクション
ワクシニアウイルスのNYVAC菌株およびその中間祖先、vP804(第5図)を用い
た。組換えウイルスの産生と加工は前述したようなものである(パニカリら、1982)
10
。
【0230】
免疫沈降
ベロ細胞を、細胞当たり10pfuのm.o.i.で、組換えワクシニアウイルス、NY
VAC親ウイルス(vP866)に感染せしめたか、または疑似感染せしめた。1時間の
吸着期間後、接種物を除去して、感染細胞に
3 5
Sメチオニン(20uCi/ml)を含
有するメチオニン不含有培地を添加した。全ての試料を感染8時間後に収集した。試料を
、トリトンを含有する3×緩衝液Aおよび50ulのアプロチニン(MO、セントルイス
、シグマケミカル社、#A6279)を含有するDOC(3% NP−40、3% トリ
トン、3% DOC、30mM トリスpH7.4、450mM NaCl、3mM E
20
DTA、0.03% NaAzide、0.6mg/ml PMSF)中に溶解せしめた
。全ての溶解産物を、タンパク質Aセファロースに連結した通常の家ウサギ血清に対して
前浄化した。
【0231】
HBVコア抗原とHBV S2ペプチド(aa120−153)に対して生じた家ウサギ
抗血清をR.ニューラスから得た(ニューヨーク血液センターのリンドスレーFキンボー
ルリサーチインスティテュート)。抗S2抗血清をvP866感染ベロ細胞で前吸着せし
めた。電気泳動と続いてのオートラジオグラフィーのために、HBVタンパク質を、抗コ
アまたは抗S2抗血清を用いて免疫沈降を行ない、2×ラエムリ試料緩衝液(ラエムリ、
1970)中で再懸濁せしめた。
30
【0232】
血清学
家ウサギおよびモルモットに、皮内、皮下または筋肉内の経路により、2つずつ10
8 pfuの組換えワクシニアウイルスvP919を接種せしめた。最初の接種から6週間後
、同じ経路と接種量で家ウサギに追加抗原投与した。最初の接種から7週間後、同じ経路
と接種量でモルモットに追加抗原投与した。12匹のマウスの群に、皮内、皮下または筋
肉内の経路により、10
7 pfuの組換えワクシニアウイルスvP919を接種せしめ
た。最初の接種から7週間後、同じ経路と接種量でマウスに追加抗原投与した。1週間ご
とに血清を採取した。マウスの各群から毎週採血した。AUSABラジオイムノアッセイ
キット(IL、北シカゴ、アボット)を用いて全ての血清をHBV表面抗原に対する抗体
40
に関して分析した。標準技術を利用したCORABコンペティティブラジオイムノアッセ
イキット(アボット)を用いてHBVコア抗原に対する抗体に関して分析した。
【0233】
vP919の構築
ワクシニア組換え体vP919は、NYVACワクシニアウイルスベクターに挿入された
B型肝炎からの3つの遺伝子を含有している。この遺伝子は、ウイルスの3つの異なった
部位に個々に挿入された。3つのHBV遺伝子は以下のタンパク質産生物をコードする:
(1)HBV Mタンパク質、(ここではスモールプレS抗原、またはspsAgと称し
た)、(2)HBV Lタンパク質(ここではラージプレS抗原、またはlspAgと称
した)、(3)コア抗原のアミノ末端に連結した完全なプレS領域(S1+S2)からな
50
(44)
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る融合タンパク質、(ここではS12/コアと称した)。
【0234】
ワクシニアウイルスは、単一ワクシニアゲノム中に連続して挿入された同一の非相同DN
A配列の多重コピーを保持しない(パニカリら、1982)。spsAgのコード配列は
lpsAgのコード配列内に含有されるので、単一ワクシニアゲノムへの両方の遺伝子の
挿入によりゲノムが不安定となると思われる。同様に、ハイブリッドS12/コア遺伝子
中に存在するS1+S2 DNA領域lpsAgの等量のS1+S2領域との組換えを経
る。潜在的な問題は2つの方法で防いだ。(1)3つの遺伝子は、必須遺伝子を含有する
ワクシニアDNAの大きな領域により互いに離れたワクシニアゲノム中の3つの異なる座
に挿入した。それゆえ、HBV遺伝子間のいかなる組換えによっても、生存可能なワクシ
10
ニア後代を産生しない不完全なワクシニアゲノムとなる。(2)spsAg遺伝子とS1
2/コアハイブリッド遺伝子のS1+S2領域をコードするDNAを、lpsAgをコー
ドする原生HBV遺伝子と互いとのDNA相同性を最小限とする異なるコドンの用法で化
学的に合成した。lpsAgをコードする原生HBV遺伝子とspsAgをコードする合
成遺伝子は、ayw亜型である;融合S12/コア遺伝子のS1+S2領域をadw2亜
型に対応するように合成した(バレンズエラら、1979)。
【0235】
ポックスウイルスプロモーターの制御下で3つのここのHBV遺伝子を含有するカセット
を、異なるワクシニア供与体プラスミド中で組み立てて続いて以下に記載するようにワク
シニアウイルスに挿入した。
20
【0236】
HBV spsAgをコードする遺伝子の合成型を、以下の改変によるワクシニアに好ま
しいコドンを用いて合成した。(1)sAg(HBV Sタンパク質)のアミノ酸19か
ら21に生じたT5NT初期転写終止TTTTTCTをTTCTTTCに改変し、他のT
5NT終止シグナルを産生しないようにコドンの用法を調整した(ユエンら、1987)
。(2)潜在的な変型翻訳産生物を避けるために、いずれの方向にもフレームATG開始
コドンからの産生を防ぐようにコドンの用法を調整した。合成spsAg遺伝子を、改変
ワクシニアウイルスH6初期/晩期プロモーターに正確に連結した(パーカスら、198
9)。プロモーターと遺伝子の完全な配列を第9図に示す。アミノ酸配列は、プラスミド
pTHBV中に配列に基づき、これはS2領域の2つのアミノ酸位置:ガリバート、aa
30
31thr;aa 36 leu;pTHBV、aa 31 ala;aa 36
proで発表されているayw配列とは異なる(ガリバートら、1979)。
【0237】
プラスミドpGJ15は、ワクシニアATI挿入座にH6プロモーター/合成spsAg
遺伝子を含有している(パーカスら、1990)。pGEM−3Z中の合成spsAg遺
伝子の部分を組み立て、組み立てた遺伝子を、ATI欠損座に合成H6プロモーターを含
有するpSD492の誘導体である、挿入プラスミドpMP494Hに運搬することによ
りpGJ15を構築した。
【0238】
ここで第10図を参照する。合成HBV spsAgを3つの部分で組み立てた。プラス
40
ミドpGJ5、pGJ3、およびpGJ7を、以下のようにそれぞれ相補オリゴヌクレオ
チドの6、5、および8対からそれぞれ産生した。標準化学物質により合成した相補オリ
ゴヌクレオチド対を、標準条件下で、65℃に加熱し、アニーリンクに効果のあるように
室温までゆっくりと冷却することによりキナーゼした。各断片からなるアニールした対の
アリコートを、適切に切断したpGEM−3Z(プロメガ)と組み合わせ、標準条件下で
連結した。SphIおよびXbaI制限部位により制限された断片SX(黒塗りの四角で
示す)を、プラスミドpGJ5を産生するそれらの酵素で切断したpGEM−3Zベクタ
ープラスミドと連結した。ベクタープラスミド配列を開いた領域で示す。同様に、断片X
B(斜線)とBH(横線)を、それぞれXbaIとBamHI、またはBamHIとHi
ndIIIのいずれかで切断したプラスミドpGEM−3Z中で組み立て、プラスミドp
50
(45)
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GJ3およびpGJ7を産生した。各プラスミド中の挿入の完全性を、DNA配列の決定
により確認した。
【0239】
SX、XBおよびBH遺伝子断片を側腹に有する適切な制限酵素でプラスミドpGJ5、
pGJ3およびpGJ7を切断することにより合成HBV遺伝子断片を単離し、続いてS
phIとHindIIIで切断したpGEM−3Zに連結し、連続HBV合成spsAg
配列を含有するプラスミドpGH9を産生した。開始メチオニンから最初のコドンより9
bp下流のEcoRI部位で合成pspAgに付加されたH6プロモーターの3′28b
p(斜線)を含有するオリゴヌクレオチドH6LINK(配列認識番号81)
【化52】
10
およびH6LINK2(配列認識番号82)
【化53】
を、KpnI(pGEM−3Zから誘導された多重クローニング領域内の5′からSph
I部位)とEcoRIで切断したpGJ9と連結し、プラスミドpGJ12を産生した。
NruI/HpaI断片をpGH12から単離して、同様に切断したpMP494Hに連
20
結し、プラスミドpGJ15を産生した。pMP494Hは、ATI欠損領域にワクシニ
アH6プロモーターを含有するATI挿入プラスミドである。pGJ15は、ATI座を
囲うワクシニア配列(点領域)によりフランクされたH6プロモータードリブンHBV合
成spsAg遺伝子を含有している。
【0240】
ワクシニア組換え体vP804との組換えの供与体プラスミドとしてpGJ15を用いて
組換え体ワクシニアウイルスvP856を産生した。vP804は、TK、HA、uおよ
び[C7L−K1L]のNYVAC欠損を含有する。組換えウイルスvP856は、AT
I領域を置換したHBV合成spsAg遺伝子を挿入した上述欠損を含有する。以下に記
載するI4L領域中に挿入を含有する後代ウイルス組換え体は、欠損に関してNYVAC
30
と等量である(TK、HA、ATI、I4L、u、[C7L−K1L])。
【0241】
HBV lpsAgをコードする遺伝子をプラスミドpTHBVから誘導した。上述した
S2領域のアミノ酸変化に加えて、pTHBVは、S1領域の1つのアミノ酸位置での発
表されたayw亜型とは異なる:ガリバートら、1979、aa90 ser;pTHB
V aa90 thr。上述したsAg中の初期翻訳終止シグナルを、TTTTTCTか
らTTCTTCTに改変した。105bp 牛痘uプロモーターの制御下で、完全なlp
sAg遺伝子を配した(ピカップら、1986)。uプロモーター/lpsAg遺伝子カ
セットを第11図に示す。
【0242】
40
プラスミドpMP550ulpsは、ワクシニアI4L欠損座にuプロモーター/lps
Ag遺伝子を含有している。pMP550ulpsの構築を第12図に模式的に示す。p
MP550ulps中のI4L欠損は、NYVAC中のI4L欠損と等量である。
【0243】
ここで第12図の(A)を参照する。合成オリゴヌクレオチドプライマーMPSYN32
2(配列認識番号83)、MPSYN323(配列認識番号84)およびテンプレートプ
ラスミドpBScowを使用するPCRにより、HBV lpsAg遺伝子の5′末端を
牛痘uプロモーター(矢印で示した方向)に加え、pMPuS1を産生した。(黒い四角
がuプロモーターを示し、線の四角がHBV配列を示す。)pSD550は、I4L欠損
領域のワクシニア挿入プラスミドである。(三角形は欠損の部位を示し、四角はワクシニ
50
(46)
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ア配列を示す。)uプロモーター/HBV接合部を含有するSnaBI/BamHI断片
を単離し、SmaI/BamHIで切断したpSD550に挿入して、pMP550uを
産生した。
【0244】
ここで第12図(B)を参照する。完全HBV lpsAgを含有する1.1kb Dr
aI断片をpTHBVから単離し、pUC8中に挿入し、pMP8Sを形成した。翻訳開
始コドンおよび終止コドンを示す。(*)はT5NT転写終止シグナルの部位を示す(ユ
エンら、1987)。示したようにPCR突然変異誘発により転写終止シグナルをpMP
8Sから除去し、pMP8STを産生した。lpsAgのバルクを含有する1.1kb BamHI(部分的)断片をpMP8STから単離して、BamHIで切断したプラスミ
10
ドpMP550uに挿入し、pMP550ulpsを産生した。pMP550ulpsは
ワクシニア組換え体vP856との組換えに用いて、vP896を産生した。合成オリゴ
ヌクレオチド配列は以下の通りである:
MPSYN322(配列認識番号83)
【化54】
MPSYN323(配列認識番号84)
【化55】
20
MPSYN330(配列認識番号85)
【化56】
MPSYN331(配列認識番号86)
【化57】
30
MPSYN322(配列認識番号83)のHBV開始コドンに下線を引き、MPSYN3
31(配列認識番号86)の変異した塩基にも下線を引き、制限部位を表示した。
【0245】
上述したように救助ウイルスvP856により組換えの供与体プラスミドとしてpMP5
50ulpsを用いて組換えウイルスvP896を産生した。vP896は、NYVAC
のバックグラウンド(TK、HA、ATI、I4L、u、[C7L−K1L]が欠損)に
HBV spsAgおよびHBV lpsAgの両方の遺伝子を含有している。多価HB
Vワクシニア組換え体との比較目的のためにHBV lpsAg遺伝子のみを含有する組
換え体を産生するために、vP866(NYVAC)との組換えにpMP550ulps
40
を用いて、組換えウイルスvP897を産生した。
【0246】
ワクシニアウイルスに挿入された3番目のGBV遺伝子は融合タンパク質をコードする。
HBV S1およびS2領域を特定する合成DNAを、HBVコア抗原を特定する遺伝子
の5′末端にクローニングした。adw亜型のS1+S2領域をコードし(バレンズエラ
ら、1979)、aa位置12のmet(ayw亜型の位置1に等しい)により開始する
ように合成DNAを設計した(ガリバートら、1979)。S1+S2の合計翻訳領域は
163コドンである。多価HBVワクシニア組換えウイルス中のHBV遺伝子の中で望ま
しくない分子内組換えを防ぐために、pTHBV中に存在する原生aywS1+S2領域
を有する合成S1+S2領域、並びにpGJ15中の合成S2領域のDNA相同性を最小
50
(47)
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限にするためにコドンの用法を調整した。
【0247】
コア抗原をコードする全縁遺伝子をpTHBVから得た。pTHBVによりコードされた
コア抗原のアミノ酸配列は発表されたayw配列と一致する(ガリバートら、1979)
。ワクシニアI3L初期/中間プロモーターの制御下でS12/コアをコードする肝炎融
合遺伝子を配した(フォスら、1988;ゲーベルら、1990b位置64,973−6
5,074)。I3Lプロモーター/S12/コア遺伝子カセットの全縁配列を第13図
に示す(配列認識番号87)。
【0248】
プラスミドpMP544I3S12Cは、HA欠損座にI3Lプロモーター/S1+S2
10
/コア遺伝子を含有している(グオら、1989)。pMP544I3S12Cの構築を
第14図に模式的に示す。
【0249】
ここで第14図を参照する。プラスミドpMPCA−Bは、pUC9のSmaI部位に挿
入されたpTHBVからの1kb HhaI断片を含有している。pMP9CA−Bは、
HBVコア抗原、並びに遺伝子の上流と下流のフランキングHBV DNAの全縁コード
配列を含有している。pMP9CA−Bを、遺伝子の3′末端から30bp上流のBgl
II(部分的)およびHBV/pUC接合部でのポリリンカー領域のEcoRIで切断し
た。HBV遺伝子のバルクを含有する3.4kbベクター断片を単離し、アニールした合
成オリゴヌクレオチドMPSYN275(配列認識番号88)
20
【化58】
およびMPSYN276(配列認識番号89)
【化59】
30
と連結し、pMP9CA−Cを産生した。制限部位を表示し、翻訳終止コドンに下線を引
き、初期ワクシニア転写ターミネーターには上に線を引いた。
【0250】
pMP9CA−Cは、HBVコア抗原の全縁コード配列を含有し、上述したように遺伝子
のバルクの供給源として用いた。
【0251】
以下に示すように、合成オリゴヌクレオチド、MPSYN290からMPSYN308(
配列認識番号90)−(配列認識番号99)を用いて上述したような5つの二本鎖セクシ
ョンAからEにおいて合成S1+S2領域を組み立てた。オリゴヌクレオチドは、4から
8bpの付着末端とともに、46merから71merのサイズに亘った。セクション内
の内部位置にあるオリゴヌクレオチドの5′末端は、セクションをアニールする前にキナ
ーゼした。セクションAからEを構築するのに用いた合成オリゴヌクレオチドの配列を以
下に示す。コード鎖のみを示す。関連制限部位を示す。S1(セクションA)、S2(セ
クションC)およびコア(セクションE)の開始コドンに下線を引いた。
【0252】
【化60】
40
(48)
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【化61】
10
(49)
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10
20
30
テンプレートとして、HindIII Iのサブクローンである、pMP1、およびPC
Rプライマーとして合成オリゴヌクレオチドMPSYN310(配列認識番号100)、
MPSYN311(配列認識番号101)を用いて、ワクシニアI3Lプロモーターを合
成した。制限部位を示す。
【0253】
【化62】
40
(50)
JP 3602844 B2 2004.12.15
I3プロモーター/HBV S1+S2/コア発現カセットを上述した中間プラスミドク
ローンを用いて段階でpUC8とpUC9において組み立て、pMP9I3S12コアを
産生した。関連する場合のみに制限部位を示す。プラスミドpMP9I3S12コアをS
10
maIで切断し、全縁プロモーター/遺伝子カセットを含有する1.2kb断片を単離し
た。ワクシニアHA欠損プラスミドpSD544をSmaIで切断し、1.2kb断片と
連結してプラスミドpMP544I3S12Cを産生した。
【0254】
pMP544I3S12Cを、上述したワクシニア組換え体vP896との組換えの供与
体プラスミドとして用いて、組換えワクシニアウイルスvP919を産生した。vP91
9は、NYVACバックグラウンド中に全て3つのHBV挿入物:spsAg、lpsA
gおよびS12コア融合を含有する。vP919中の全てのHBV挿入物の配列は、テン
プレートとしてvP919を用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と、続いてのPCR
産生物質のジデオキシ配列決定により確認した。加えて、上述したようにvP804との
20
組換えにおいて、pMP544I3S12Cを用いて、HBV S12/コア融合のみを
含有する組換えワクシニアウイルスvP858を産生した。また組換えワクシニアウイル
スvP856との組換えにpMP544I3S12Cを用いて組換えワクシニアウイルス
vP891を産生した。vP891は、2つのHBV遺伝子挿入物、spsAgおよびS
12/コアを含有している。
【0255】
vP919によるHBVタンパク質の発現
三重HBV組換え体により合成された様々なHBVタンパク質をアッセイするために、v
P91に感染した代謝標識した溶解産物および一重と二重HBV遺伝子挿入物を含有する
適切なワクシニア組換え体に、免疫沈降を施し、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
30
と続いてのラジオオートグラフィーにより分析した。未感染細胞と、vP866(NYV
AC)、vP856(spsAg)、vP896(spsAg+lpsAg)またはvP
919(spsAg、lpsAg、S12/コア)に感染した細胞中のタンパク質を家ウ
サギ抗S2抗血清を用いて免疫沈降した。さらに未感染細胞と、vP919(spsAg
、lpsAg、S12/コア)、vP858(S12/コア)またはvP866(NYV
AC)に感染した細胞中のタンパク質を家ウサギ抗コア抗血清を用いて免疫沈降した。抗
S2血清は、spsAgの遺伝子を含有するワクシニア単一組換え体vP856からの3
3kDaの主要タンパク質を沈殿せしめた。これは、HBV spsAgの単独にグリコ
シル化した形状に予期したサイズに対応する。spsAgの二重にグリコシル化した形状
に予期されるサイズに対応するタンパク質36kDaは少量沈殿した。抗S2血清は、s
40
psAgとlpsAgの遺伝子を含有するワクシニア二重組換え体vP896からの同一
のタンパク質を沈殿せしめる。加えて、lpsAgの予期したサイズに良好に対応する(
39kDa未グリコシル化および42kDaグリコシル化)38と41kDaの2つの大
きなタンパク質が沈殿する。vP856とvP896からの抗S2血清により沈殿した全
てのタンパク質はまた、ワクシニアHBV三重組換え体vP919からも沈殿する。
【0256】
HBV S12/コア融合タンパク質の予期したサイズは38kDaである。家ウサギ抗
コア抗血清は、予期したサイズのタンパク質、並びに、HBV融合遺伝子S12/コアを
含有するワクシニア単独組換え体である、vP858からの様々な小さなタンパク質を沈
殿せしめた。抗コア血清によりvP858から沈殿した最も豊富なタンパク質は、27k
50
(51)
JP 3602844 B2 2004.12.15
Daのサイズを有した。これは、融合タンパク質遺伝子が2番目の(S2)ATGまで開
始する場合に予期される翻訳産生物にサイズで対応する。vP858から沈殿した29k
Daタンパク質は、27kDaタンパク質のグリコシル化された形状である。コアタンパ
ク質のみの翻訳産生物にサイズで対応する20kDaの小さなタンパク質もまた、少量v
P858から沈殿した。3つのHBV遺伝子全て(spsAg、lpsAgおよびS12
/コア融合)を含有するワクシニア組換え体vP919は、抗コア抗血清による免疫沈降
によりvP858に観察された模様と同一の模様を与えた。抗コア抗血清によりvP85
8とvP919から沈殿した27kDaおよび29kDaタンパク質もまた予期したよう
に、抗S2抗血清によりvP919から沈殿した。
【0257】
10
vP919に対する抗体応答
vP919により産生されたHBVタンパク質に対する血清学的応答を試験するために、
ウイルスを家ウサギ、モルモットおよびマウスに接種した。家ウサギとモルモットには皮
内、皮下および筋内経路により、10
8 pfuで2セットの組換えワクシニアウイルス
vP919を接種した。最初の接種から6週間後、家ウサギに同一経路と摂取量でもう一
度追加抗原投与した。最初の接種から7週間後、モルモットに同一経路と摂取量でもう一
度追加抗原投与した。12匹のマウスの群に皮内、皮下および筋内経路により、10
7 pfuで組換えワクシニアウイルスvP919を接種した。最初の接種から7週間後、マ
ウスに同一経路と摂取量でもう一度追加抗原投与した。血清を1週間ごとに採取した。マ
ウスの群のそれぞれから1週間の出血を集積した。AUSABラジオイムノアッセイキッ
20
ト(アボット)を用いてHBV表面抗原に対する抗体について、全ての血清を分析した。
CORAB比較ラジンイムノアッセイキット(アボット)を用いてHBVコア抗原に対す
る抗体に関して、全ての血清を分析した。標準技術を用いてアッセイを行なった。これら
の分析の結果を表2(家ウサギ)、3(モルモット)および4(マウス)に示す。
【0258】
表2に示した結果を要約すると、6匹の家ウサギは全て、1度のvP919の接種の後に
抗コア抗体応答を示した。6匹のうち5匹の家ウサギにおいて、抗コア抗体応答は、vP
919の2度の接種により追加抗原投与された。6匹のうち4匹の家ウサギは、1度のv
P919の接種の後に抗sAg応答を示した。これらの4匹の家ウサギと追加の1匹のウ
サギは、2度の接種の後に抗sAg応答の増大を示した。
30
【0259】
表3に示した結果を要約すると、1匹のモルモットは、最初のvP919の接種後に抗コ
ア応答を示し、7週間後の追加抗原投与後には合計3匹のモルモットが抗コア応答を示し
た。3匹のうち1匹が8週間後に抗sAg抗体応答を示した。
【0260】
表4の結果を要約すると、マウスの3つの群は全てvP919の接種後様々な時期に抗コ
ア抗体応答を示、3つの群のうち2つの群が抗sAg応答を示した。
【0261】
AUSRIAアッセイ
HBV含有ポックスウイルス組換え体に感染した細胞からの微粒子HBV表面抗体の発現
40
を、市販されているAUSRIA II−125キット(IL、ノースシカゴ、アボット
ラボラトリーズ)を用いてアッセイした。2×10
6 のベロ細胞を含有するディッシュ
に、2pfu/細胞で3重に組換えワクシニアウイルスで感染せしめた。24時間後、培
養培地を除去し、細胞を2mlのPBSで洗浄し、洗浄物を培地と組合せ、1000rp
mで10分間遠心分離した。上澄みを培地分画と称した。2mlのPVSをディッシュに
加え、細胞を削り取り、上記からの細胞ペレットと組み合わせることにより細胞分画を調
製した。培地と細胞分画の両方の最終容積をPBSで4mlに調節した。細胞分画をアッ
セイの前に2分間音波処理した。細胞分画と培地分画を、AUSRIAキットを用いて1
:5に希釈したHBV表面抗体の存在下でアッセイした。キットにより供給された負の対
照の2.1倍のカットオフ値より低い試料を負であると考えた。全てのディッシュからの
50
(52)
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細胞分画と培値分画の出力ウイルスをベロ細胞において滴定した。結果を表5に示す。
【0262】
EPV42kDaプロモーターの制御下でHBV lpsAgを発現するワクシニア組換
え体の構築
ワクシニア組換えvP919は、感染後の初期に機能する3つの異なるポックスウイルス
プロモーターの制御下で3つの異なるHBV遺伝子を含有している。同一のワクシニアバ
ックグラウンドで感染後初期に異種遺伝子を発現する様々なポックスウイルスプロモータ
ーの相対強度を比較するために、試験遺伝子として狂犬病糖タンパク質G遺伝子を用いて
、サンドイッチELISAアッセイを行なった。この試験システムを用いると、ワクシニ
アH6プロモーターおよびワクシニアI3Lプロモーターは、牛痘uプロモーターよりも
10
強いプロモーターであることが分かった。vP919において、H6プロモーターはHB
V spsAgの発現を指示し、I3LプロモーターはHBV S12/コア融合の発現
を指示し、UプロモーターはHBVlpsAgの発現を指示する。lpsAgの共発現は
粒子の形成とsAgまたはspsAgの分泌を妨害することが示されたので、相対的に弱
いuプロモーターはHBV lpsAgの発現のために故意に選択される(オウら、19
87;チェンら、1986;マックラクランら、1987;チサリら、1986)。
【0263】
HBV遺伝子を発現する組換えワクシニアウイルスによりsAgまたはspsAgを含有
する粒子の生体外での産生を測定するためにAUSRIAラジオイムノアッセイキットを
用いた。予備実験により、AUSRIA反応性粒子の形成と分泌はvP856(spsA
20
gを含有)、vP896(spsAg+lpsAgを含有)およびvP919(spsA
g+lpsAg+S12/コアを含有)中に生じたことが示された。vP896およびv
P919において、AUSRIA反応性粒子の相対水準は、vP856に観察された水準
よりも低かった。
【0264】
AUSRIA反応性粒子の形成と分泌が高水準のlpsAg発現の存在下で観察されるこ
とを決定するために、エトモポックス(EPV)42kDaプロモーターの制御下でlp
sAgを配した。上述した比較ELISA試験により、ワクシニア組換えウイルス中のE
PV 42kDaプロモーターは、ワクシニアH6プロモーターまたはワクシニアI3L
プロモーターに観察された水準と等しい水準で異種遺伝子の発現を指示した。
30
【0265】
プラスミドpMP550ulpsは、ワクシニアI4L欠損座に牛痘uプロモーターの制
御下でlpsAg遺伝子を含有している(第12図)。プラスミドpMP550ulps
中に存在する牛痘uプロモーターを以下のようにしてEPV42kDaプロモーターによ
り置換した:相補オリゴヌクレオチドMPSYN371−374を内部5′末端でキナー
ゼして(MPSYN372;MPSYN373)、アニールして、EcoRI/BamH
Iで切断したpUC8中にクローニングし、プラスミドpMP371/374を形成した
。MPSYN371(配列認識番号102)、MPSYN373(配列認識番号103)
、MPSYN372(配列認識番号104)、およびMPSYN374(配列認識番号1
05)
【化63】
40
(53)
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10
は、HBV S1領域(ATG下線)からBamHI部位の後に31bp EPV 42
kDaプロモーター要素を含有している。DNA配列の確認に続いて、挿入物をBamH
I/BglIIでの切断によりpMP371/374から単離し、以下のようにpMP5
50ulps中の対応uプロモーター/HBV配列を置換するのに用いた:pMP550
ulpsをBamHI(部分的)/BglIIで切断し、適切な5kbベクター断片を単
20
離して、pMP371/374からのBamHI/BglII断片と連結した。産生した
プラスミド、pMP550E31lpsにおいて、HBV lpsAgは、EPV 42
kDaプロモーターの制御下にある。EPV42kDaプロモーター/lpsAg遺伝子
カセットの全縁配列を第15図に示す。
【0266】
spsAg遺伝子を含有するワクシニア組換え体vP856に関する供与体プラスミドと
してpMP550E31lpsを用いて、二重HBV組換えワクシニアウイルスvP93
2を産生した。S12/コア融合を含有する供与体プラスミドpMP544I3S12C
に関する救助ウイルスとしてvP932を用いて、三重HBV組換えワクシニアウイルス
vP975を産生した。EPV 42kDaプロモーター/lpsAgのみを含有するワ
30
クシニア組換え体を産生するために、vP866に関する供与体プラスミドとしてpMP
550E31lpsを用いて組換えワクシニアウイルスvP930を産生した。
【0267】
組換えワクシニアウイルスによる生体外HBV表面抗原の分泌
ベロ細胞を含有するディッシュに、NYVAC(vP866)またはHBV spsAg
および/またはHBV lpsAgを発現する組換えワクシニアウイルスを三重に感染せ
しめた。感染細胞に関連するHBV表面抗原粒子の相対量を、AUSRIA II−12
5キットを用いて培地に分泌された量と比較した(表5)。培地中のHBV表面抗原の存
在は、ウイルス感染度の99.8%以上が細胞関連にとどまっていたので、感染細胞の溶
解によるものではなかった。細胞ペレットと培地の容積は、直接の比較のために等しくし
40
た。spsAgを発現する組換えワクシニアウイルスvP856に感染した細胞において
、AUSRIA反応性表面抗原の42%が培地に分泌された。比較的弱いuプロモーター
(vP896)の制御下でのlpsAgの共発現は、細胞関連AUSRIA反応性材料の
量を著しくは変化せしめなかったが、分泌した材料の相対量を合計の24%まで減少せし
めた。比較的強いEPV 42kDaプロモーター(vP932)の制御下でのlpsA
gの共発現は、分泌された材料の相対量を合計の6%まで低下せしめた。vP896に関
しては、vP932中のspsAgによるlpsAgの共発現は、AUSRIA反応性細
胞関連材料の量を低下せしめなかった。興味をひくことに、EPV42kDaプロモータ
ー(vP930)の制御下でlpsAgのみの発現は、アッセイのためのバックグラウン
ドより著しく高い細胞関連AUSRIA反応性材料の水準の産生となり、一方でuプロモ
50
(54)
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ーター(vP897)の制御下でのlpsAgの発現はそうならなかった。これは、内部
(S2またはS)開始コドンでの開始によるvP930感染細胞中に産生された高水準の
spsAgまたはsAgによるようである。
【0268】
【表2】
10
20
30
【表3】
40
(55)
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10
20
【表4】
30
(56)
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10
20
【表5】
30
(57)
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10
20
30
実施例14−B型肝炎ウイルスおよびエプステイン−バーウイルスを発現するNYVAC
組換え体の構築
40
エプステイン−バーウイルス(EBV)およびB型肝炎ウイルス(HBV)は、アフリカ
を含む類似の地理的区域に亘る地方特有のものであるので、両方の病原の免疫原を発現す
る組換えワクシニアウイルスを産生することが好ましい。この目的に関して、NYVAC
バックグラウンドで3つのEBV遺伝子と3つのHBV遺伝子を含有する組換えワクシニ
アウイルス、vP941を産生した。
【0269】
HBVタンパク質の免疫沈降
HBVタンパク質の免疫沈降と代謝標識付けは、実施例13のvP919に記載したもの
に以下の改変を行なったものであった。組換えワクシニアウイルス、親NYVACウイル
ス(vP866)による感染および疑似感染を、ベロ細胞ではなくRK−13細胞に行な
50
(58)
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った。抗S2と抗コア抗血清の両方に、vP866感染RK−13細胞を吸着せしめた。
【0270】
組換えワクシニアウイルスvP914の産生
ワクシニアウイルス組換え体EBVトリプレットvP944を産生するのに用いた3つの
EBV遺伝子を含有する供与体プラスミドであるプラスミドEBVトリプル1を、救助ウ
イルスとして、ワクシニアウイルス組換え体HBVトリプレットである、vP919によ
る組換えに用いた。産生したウイルス、vP941を、
3 2
P標識EBV DNAにより
同定した。vP944のように、vP941は、エントモポックスウイルス42kDaプ
ロモーターの制御下でEBV遺伝子を、ワクシニアH6プロモーターの制御下でgBを、
そしてワクシニアH6プロモーターの制御下でgp340を含有し、全てをワクシニアT
10
K欠損座に挿入した。vP919のように、vP941は、ATI欠損座に挿入されたワ
クシニアH6プロモーターの制御下で合成HBV spsAgを、I4L欠損座に挿入さ
れた牛痘uプロモーターの制御下でHBV lpsAgを、そしてHA欠損座に挿入され
たI3Lプロモーターの制御下でHBV S12/コア融合を含有した。組換えワクシニ
アウイルスvP941のゲノムの完全性は、DNAの制限分析により確認された。
【0271】
vP941によりHBVタンパク質の発現
6組のHBV/EBVワクシニア組換え体vP941により合成された様々なHBVタン
パク質をアッセイするために、vP941に感染したRK−13細胞中で合成された代謝
的標識タンパク質および適切な単一、二重および三重のHBV組換え体に、イムノプレシ
20
テーションを行なった。未感染細胞と、vP866(NYVAC)、vP856(sps
Ag)、vP896(spsAg+lpsAg)、vP919(spsAg+lpsAg
+S12/コア)、またはvP941に感染した細胞中のタンパク質を、家ウサギ抗S2
抗血清を用いて免疫沈降を行なった。さらに未感染細胞およびさらにvP941、vP9
19、vP858(S12/コア)、またはvP866に感染した細胞中のタンパク質を
、抗コア抗血清を用いて免疫沈降を行なった。
【0272】
抗S2血清により、spsAgの遺伝子を含有するワクシニア単一組換え体vP856か
ら33kDaと36kDaの2つのタンパク質が沈殿する。これらはHBV pspAg
の単一と二重にグリコシル化された形状の予期サイズに対応している。抗S2血清により
30
、spsAgとlpsAgの遺伝子を含有するワクシニア二重組換え体vP896が沈殿
する。加えて、lpsAgの単一グリコシル化形状に対応する42kDaのタンパク質が
、45kDaと48kDaの大きなタンパク質と同様に沈殿する。lpsAgの未グリコ
シル化形状に対応する39kDaのタンパク質は、グリコシル化形状と比較して少量で沈
殿する。抗S2血清によりvP856とvP896から沈殿した全てのタンパク質はまた
、HBV三重組換え体vP919およびHBV/EBV6重vP941から沈殿する。ラ
ジオオートグラムにおいて、HBVタンパク質は、ワクシニア組換え体に感染したRK−
13細胞からの抗S2により免疫沈降せしめられる。HBVタンパク質が、同一のワクシ
ニア組換え体(vP856、vP896およびvP919)に感染したベロ細胞から免疫
沈降せしめられる場合、同一のタンパク質が観察されたが、異なる相対量であった。一般
40
的に、これらの組換えワクシニアウイルスにより発現されたspsAgとlpsAgの両
者は、ベロ細胞中よりもRK−13細胞中でより完全にグリコシル化せしめられているよ
うに思われる。
【0273】
vP858に感染したベロ細胞に見られるように、vP858に感染したRK−13細胞
から抗コア血清により沈殿せしめられた最も豊富なタンパク質は、27kDaのサイズを
有する。これは、S12/コア融合遺伝子が第2の(S2)ATGで始まる場合に予期さ
れる翻訳産生物のサイズに対応する。ベロ細胞のvP858感染後に観察された状況とは
異なって、抗コア血清による免疫沈降後のRK−13細胞のvP858感染は、完全S1
2/コア翻訳産生物に予期される38kDaのサイズに対応する可視帯とはならない。H
50
(59)
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BV単一組換え体vP858から抗コア血清により沈殿せしめられた全てのタンパク質は
また、HBV三重組換え体vP919とHBV/EBV6重vP941からも沈殿せしめ
られる。
【0274】
実施例15−狂犬病ウイルス糖タンパク質Gを発現するALVACの構築
この実施例は、ALVAC−RG(vCP65)と称するカナリヤポックス狂犬病組換え
体の開発およびその安全性並びに効果を記載するものである。
【0275】
細胞およびウイルス
親カナリヤポックスウイルス(レントシュラー菌株)はカナリヤのワクチン菌株である。
10
ワクチン菌株を野生型単離体から得て、鶏胚繊維芽細胞での200連続以上の継代により
弱毒化した。マスターウイルス種子についてアガーで4連続のプラーク精製を行ない、1
つのプラーククローンを、株ウイルスが後に生体外組換え試験の親ウイルスとして用いら
れる5連続の追加の継代により増幅せしめた。プラーク精製カナリヤポックス単離体をA
LVACと称する。
【0276】
カナリヤポックス挿入ベクターの構築
880bpのカナリヤポックスPvuII断片をpUC9のPvuII部位の間にクロー
ニングしてpRW764.5を形成した。この断片の配列を第16図の位置1372と2
251の間に示す。C5と称する読取り枠の制限を規定した。読取り枠は、断片内の位置
20
166で開始し、位置487で終止することを決定した。読取り枠を妨害することなく、
C5欠損を行なった。位置167から位置455の塩基を、配列(配列認識番号106)
GCTTCCCGGGAATTCTAGCTAGCTAGTTTと置換した。この置換配
列は、HindIII、SmaIおよびEcoRI挿入部位を含有し、この後にワクシニ
アウイルスRNAポリメラーゼにより認識される翻訳停止および転写終止シグナルが続く
(ユエンら、1987)。C5 ORFの欠損を以下に記載するように行なった。プラス
ミドpRW764.5を部分的にRsaIで切断し、線状産生物を単離した。RsaI線
状断片をBgkIIで再切断し、今では位置156から位置462ままでのRsaIから
BglIIが欠損したpRW764.5断片を単離して、以下の合成オリゴヌクレオチド
のベクターとして用いた:
30
RW145(配列認識番号107)
【化64】
RW146(配列認識番号108)
【化65】
オリゴヌクレオチドRW145およびRW146をアニールして、上述したpRW764
.5RsaIおよびBglIIベクターに挿入した。産生したプラスミドをpRW831
40
と称する。
【0277】
狂犬病G遺伝子を含有する挿入ベクターの構築
pRW838の構築を以下に説明する。狂犬病GのATGを有するH6プロモーターの翻
訳開始コドンと重複するオリゴヌクレオチドAからEをpRW737としてpUC9中に
クローニングした。オリゴヌクレオチドAからEは、NruIで始まり、BglIIが後
に続く狂犬病GのHindIII部位までのH6プロモーターを含有する。オリゴヌクレ
オチドAからE(配列認識番号109)から(配列認識番号113)の配列を以下に示す
:
【化66】
50
(60)
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10
アニールしたオリゴヌクレオチドAからEのダニアグラムは以下の通りである:
【化67】
20
オリゴヌクレオチドAからEをキナーゼして、アニールし(5分間95℃で加熱し、次い
で室温まで冷却せしめる)、pUC9のPvuII部位の間に挿入した。産生したプラス
ミド、pRW737をHindIIIおよびBglIIで切断し、ptg155PROの
1.6kbp HindIII−BglII断片のベクター(キニーら、1984)とし
て用い、pRW739を産生した。ptg155PRO HindIII部位は、狂犬病
G翻訳開始コドンの86bp下流にある。BglIIはptg155PRO中の狂犬病G
30
翻訳停止コドンの下流にある。pRW739を部分的にNruIで切断し、BglIIで
完全に切断し、前述したH6プロモーターの3′末端(テイラーら、1988a、b;グ
オら、1989;パーカスら、1989)から全縁狂犬病G遺伝子を含有する1.7kb
p NruI−BglII断片をpRW824のNruI部位とBamHI部位の間に挿
入した。産生したプラスミドをpRW832と称する。pRW824への挿入は、Nru
IのH6プロモーター5′を加えた。SmaIが後に続くBamHIのpRW824配列
は:GGATCCCCGGGである。pRW824は、ワクシニアウイルスH6プロモー
ターに正確に連結した非関連遺伝子を含有する。NruIとBamHIによる切断は完全
にこの非関連遺伝子を切除した。H6プロモートした狂犬病Gを含有する1.8kbp pRW832 SmaI断片をpRW831のSmaIに挿入して、プラスミドpRW8
40
38を形成した。
【0278】
ALVAC−RGの開発
前述したリン酸カルシウム沈殿法を用いて、プラスミドpRW838をALVAC感染初
代CEF細胞にトランスフェクションした(パニカリら、1982;ピッチーニら、19
87)。特異的狂犬病Gプローブに対するハイブリダイゼーションに基づいて陽性プラー
クを選択し、純粋な固体群となるまで6連続のプラーク精製を行なった。次いで1つの典
型的なプラークを増幅し、産生したALVAC組換え体をALVAC−RG(vCP65
)と称した。続いて突然変異しない狂犬病G遺伝子のALVACゲノムへの正確な挿入を
配列分析により確認した。
50
(61)
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【0279】
蛍光抗体法
熟成狂犬病ウイルス粒子のアッセンブリの最終段階中に、糖タンパク質成分はゴルジ体か
ら血漿膜に運搬され、そこで、細胞膜の外面のタンパク質のバルクと細胞質中に延びるカ
ルボキシ末端により蓄積する。ALVAC−RG中で発現された狂犬病糖タンパク質が正
確に存在することを確認するために、ALVACまたはALVAC−RGに感染した初代
CEF細胞に、蛍光抗体法を行なった。前述したように(テイラーら、1990)狂犬病
G単クローン性抗体を用いて蛍光抗体法を行なった。強い表面蛍光がALVAC−RGに
感染したCEF細胞に検出されたが、親ALVACには検出されなかった。
【0280】
10
免疫沈降
初代CEF細胞、ベロ細胞(アフリカ緑猿肝臓細胞ATCC#CCL81の系統)および
MRC−5細胞(通常のヒトの胎児の肺組織ATCC#CCL17Iから誘導した繊維芽
細胞状細胞形状)の前形成単層に、放射線標識した
3 5
メチオニンの存在下で親ウイルス
ALVACおよび組換えウイルスALVAC−RGを細胞あたり10pfuで接種し、前
述したように処理した(テイラーら、1990)。免疫沈降反応を、狂犬病G特異的単ク
ローン性抗体を用いて行なった。約67kDaの分子量を有する狂犬病特異的糖タンパク
質の効果的な発現を組換えALVAC−RGに関して検出した。未感染細胞または親AL
VACウイルスに感染した細胞中には、狂犬病特異的産生物は検出されなかった。
【0281】
20
連続継代実験
非アビアン種の範囲のALVACウイルスに関する研究において、増殖性感染または顕著
な病気はなにも観察されなかった(テイラーら、1991b)。しかしながら、非アビア
ン細胞中の増殖には親または組換えウイルスのいずれも適応できないことを確証するため
に、連続継代実験を行なった。
【0282】
2つのウイルス、ALVACおよびALVAC−RGを、3つの細胞株における10連続
のブラインド継代に接種した:
(1)生後11日の白のレグホン種のひなから産生された初代鶏胚繊維芽細胞(CEF)
;
30
(2)ベロ細胞−アフリカ緑猿肝臓細胞の連続継代細胞株(ATCC#CCL81);お
よび
(3)MRC−5細胞−ヒトの胎児肺組織から誘導した二倍体細胞株(ATCC#CCL
171)各ディッシュ2×10
6 の細胞を含有する各細胞株の3つの60mmディッシ
ュを用いて、細胞当たり0.1pfuのm.o.i.で最初の接種を行なった。DNA複
製の阻害因子であるシトシンアラビノシド(Ara C)40μg/mlの存在下で1つ
のディッシュを接種せしめた。37℃の1時間の吸着期間後、接種物を取り出して、単層
を洗浄して未吸着ウイルスを除去した。この時点で、培地を、2つのディッシュの5ml
のEMEM+2%のNBCS(試料t0およびt7)および第3の40μg/mlのAr
a Cを含有する5mlのEMEM+2%のNBCS(試料t7A)と置換した。試料t
40
0を−70℃で凍結せしめ、残留入力ウイルスの徴候を与えた。試料t7およびt7Aを
37℃で7日間インキュベートし、その後成分を収集して感染音波処理により細胞を破壊
した。
【0283】
各細胞株の試料t7の1mlを希釈せずに、同一の細胞株の3つのディッシュ(試料t0
、t7およびt7Aを提供する)および初代CEF細胞の1つのディッシュに接種した。
試料t0、t7およびt7Aを、継代1としての処理を施した。非アビアン細胞中に存在
するウイルスのより敏感な検出のための増幅工程を提供するために、CEF細胞への追加
の接種を行なった。
【0284】
50
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この方法を、10回(CEGおよびMRC−5)または8回(ベロ)の連続したブライン
ド継代について行なった。次いで試料を凍結せしめ、3回溶かし、初代CEF単層での滴
定によりアッセイした。
【0285】
次いで各試料のウイルス産生を、アガロースでのCEG単層でのプラーク滴定により測定
した。実験の要約結果を表6と7に示す。
【0286】
その結果により、親ALVACと組換えALVAC−RGの両者は、力価を損失すること
なくCEF単層で一様の複製ができることが示されている。ベロ細胞において、ウイルス
の水準は、ALVACの2回の継代およびALVAC−RGの1回の継代の後に検出水準
10
より低下した。MRC−5細胞において、同様の結果が明確であり、1回の継代後にはウ
イルスは検出されなかった。表6と7において、4回の継代の結果のみを示しているが、
一連の結果は、8回(ベロ)および10回(MRC−5)の継代に関して、いずれのウイ
ルスも非アビアン細胞での増殖への適応は検出不可能であった。
【0287】
継代1において、MRV−5細胞とべロ細胞のt7試料では比較的高い水準のウイルスが
存在した。しかしながら、この水準のウイルスは、ウイルスの複製が生じないシトシンア
ラビノシドの存在下でインキュベートされたt0試料とt7A試料に見られる水準と等し
かった。これにより、非アビアン細胞中の7日で見られるウイルスの水準は、残留ウイル
スを表し、新たに複製されたウイルスは表さないことが示された。
20
【0288】
アッセイをより敏感に行なうために、各細胞株から収集した7日の部分を任意のCEF単
層に接種し、細胞変性効果(CPE)となったときに、またはCPEが不明確な場合は7
日後に収集した。この実験の結果を表8に示す。任意の細胞株により増幅後でさえも、ウ
イルスは2回の追加の継代のMRC−5とベロ細胞に検出されたのみであった。これらの
結果により、使用した条件下では、ベロ細胞とMRC−5細胞にはいずれのウイルス増殖
も適応しないことが示された。
【0289】
マカクの接種
表9に記載したように、4つのHIV漿陽性(seropositive)マカクに最初
30
にALVAC−RGを接種した。100日後、これらの動物に再接種し、追加抗原投与効
果を測定し、追加の7匹の動物に供給量を変えて接種した。適切な間隔で血液を採取し、
56℃で30分間の熱不活性化後、急速蛍光焦点抑制アッセイ(Rapid Fluor
escent Focus Inhibition Assay)を用いた抗狂犬病抗体
の存在について血清を分析した(スミスら、1973)。
【0290】
チンパンジーの接種
2匹の大人のメスのチンパンジー(50から65kgの範囲)に、1×10
7 pfuの
vCP65を筋内または皮下に接種した。反応に関して動物を監視し、RFFI試験によ
る抗狂犬病抗体の存在の分析のために規則的な間隔で採血した(スミスら、1973)。
40
最初の接種から13週間後に等量の供給量で動物を再接種せしめた。
【0291】
マウスの接種
マウスの群に、50から100μlの範囲のvCP65の異なるバッチの希釈物を接種し
た。マウスは足蹠で接種した。14日目に、狂犬病ウイルスの毒性CVS菌株の15から
43マウスLD50をマウスに皮内接種で抗原投与した。マウスの生存を監視し、接種後
28日での防御量50%(PD50)を計算した。
【0292】
イヌとネコの接種
生後4か月の10匹のビーグル犬と生後4か月の10匹のネコに、ALVAC−RGを6
50
(63)
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.7または7.7log10TCID50で頭蓋内に接種した。接種後14日と28日に
動物の採血を行ない、RFFI試験において抗狂犬病抗体を評価した。6.7log10
TCID50のALVAC−RGを接種した動物に、ワクチン接種後29日目に、3.7
log10マウスLD50(イヌ)または4.3log10マウスLD50(ネコ)のN
YGS狂犬病ウイルス抗原投与菌株を抗原投与した。
【0293】
リスサル(squirrel monkey)の接種
4匹のリスサル(Saimiri sciureus)の3つの群には、(a)ALVA
C、親カナリヤポックスウイルス、(b)ALVAC−RG、狂犬病G糖タンパク質を発
現する組換え体、または(c)vCP37、ネコ白血病ウイルスのエンベロープを発現す
10
るカナリヤポックスウイルス組換え体の3つのウイルスのうちの1つを接種した。接種は
ケタミン(ketamine)麻酔により行なった。各動物に同時に:(1)乱切するこ
となく右目の表面に20μlを;(2)口に数滴として100μlを;(3)右腕の外面
の毛を剃った皮膚の2か所の皮内注射部位のそれぞれに100μlを;(4)右腿の前部
筋肉に100μlを与えた。
【0294】
4匹のサルに各ウイルスを接種した。2匹には合計5.0log10pfuを、他の2匹
には合計7.0log10pfuを接種した。動物から規則的な間隔で採血し、RFFI
試験を用いて抗狂犬病抗体の存在に付いて血清を分析した(スミスら、1973)。ワク
チン接種に対する反応について動物を毎日観察した。最初の接種から6か月後、LAVA
20
C−RGを受けた4匹のサル、vCP37を受けた2匹のサル、および最初にALVAC
を受けた2匹のサル、並びに1匹の未接種のサルに、6.5log10pfuのALVA
C−RGを皮下に接種した。RFFI試験において、狂犬病中和抗体の存在について血清
をモニタした(スミスら、1973)。
【0295】
ヒト細胞株へのALVAC−RGの接種
異種遺伝子の効果的な発現が、ウイルスが生産的に複製する非アビアン細胞中に得られる
か否かを決定するために、1つのアビアンと4つの非アビアンの5つの細胞型を、ウイル
ス産生、異種狂犬病G遺伝子の発現およびウイルス特異的DNA蓄積に関して分析した。
接種した細胞は:
30
(a)ベロ、アフリカ緑サルの肝臓細胞、ATCC#CCL81;
(b)MRC−5、ヒトの胎児の肺、ATCC#CCL171;
(c)WISHヒト羊膜、ATCC#CCL25;
(d)デトロイト−532、ヒト包皮、ダウン症候群、ATCC#CCL54;および
(e)初代CEF細胞であった。
【0296】
生後11日の白レグホンの胚から産生された鶏胚繊維芽細胞を陽性対照として含む。全て
の接種は、以下に記載するように2×10
6 細胞の前形成単層上で行なった。
【0297】
A.DNA分析の方法
40
各細胞株の3つのディッシュに、5pfu/細胞のウイルスを接種し、未接種の各細胞株
の余分の1つのディッシュを容易した。1つのディッシュを、40μg/mlのシトシン
アラビノシド(Ara C)の存在下でインキュベーションした。37℃での60分間の
吸着期間の後、接種物を除去し、単層を2回洗浄して未吸着ウイルスを除去した。次いで
培地(Ara Cの有無に関わらず)を置き換えた。ディッシュからの細胞(Ara C
のない)を時間ゼロ試料として収集した。残りのディッシュを37℃で72時間インキュ
ベーションし、その後細胞を収集し、DNA蓄積を分析するのに用いた。各試料の2×1
0
6 細胞を、40mMのEDTAを含有する0.5mlの食塩加リン酸緩衝液(PBS
)中に再懸濁せしめ、5分間37℃でインキュベーションした。42℃に予熱し、120
mMのEDTAを含有する等容積の1.5%アガロースを細胞懸濁液に加え、穏やかに混
50
(64)
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合した。懸濁をアガロースプラグモールドに運搬し、少なくとも15分間硬化せしめた。
次いでアガロースプラグを取り出し、そのプラグを完全に覆う容積の溶菌緩衝液(1%サ
ーコシル、100μg/mlのプロテイナーゼK、10mMのトリスHCl pH 7.
5、200mMのEDTA)中において50℃で12−16時間に亘りインキュベーショ
ンした。次いで溶菌緩衝液を5.0mlのステリル0.5× TBE(44.5mMのト
リスホウ酸塩、0.5mMのEDTA)と置き換え、TBE緩衝液の3回の交換により4
℃で6時間平衡せしめた。パルスフィールド電気泳動システムを用いて細胞RNAとDN
Aからプラグ内のウイルスDNAを分画せしめた。0.5× TBE中で15℃の50−
90秒のランプでの180Vで20時間に亘り電気泳動を行なった。DNAは、ラムダD
NA分子量標準で展開せしめた。電気泳動後、ウイルスDNA帯を、臭化エチジウムで染
10
色することにより視覚化した。次いでDNAをニトロセルロース膜に運搬し、精製ALV
ACゲノムDNAから調製した放射線標識プローブでプローブした。
【0298】
B.ウイルス産生の評価
入力多重度が0.1pfu/細胞であることを除いて、上述したようにディッシュを正確
に接種した。感染の72時間後、凍結と解凍の3連続のサイクルにより細胞を溶解せしめ
た。CEF単層のプラーク滴定により、ウイルス産生を評価した。
【0299】
C.狂犬病G遺伝子の発現分析
ディッシュに10pfu/細胞の多重度で組換えウイルスまたは親ウイルスを接種し、未
20
感染ウイルス対照としての追加のディッシュを用意した。1時間の吸着時間後、培地を除
去し、メチオニン不含有培地と置き換えた。30秒後、この培地を、25uCi/mlの
3 5
S−メチオニンを含有するメチオニン不含有培地と尾個か得た。感染細胞を1晩標識
し(約161間)、次いで緩衝液A溶菌緩衝液の添加により溶解せしめた。狂犬病G特異
的単クローン性抗体を用いて、前述したように免疫沈降を行なった。
【0300】
結果:ウイルス産生の評価
細胞当たり0.1pfuの接種72時間後の産生の滴定の評価を表10に示す。この結果
により、生産的な感染がアビアン細胞においては達成されるが、4つの非アビアン細胞株
においてはこの方法によりウイルスの産生の増大は検出されなかった。
30
【0301】
ウイルスDNA蓄積の分析
非アビアン細胞中の生産的ウイルス複製に対するブロックが、DNA複製の前または後に
生じるか否かを決定するために、細胞溶解産物からのDNAを、電気泳動により分画し、
ニトロセルロースに運搬し、ウイルス特異的DNAの存在下でプローブした。おそらくは
放射線標識した+VAC DNAプローブ調製におけるCEF細胞DNAの汚染のために
、未感染CEF細胞、時間ゼロでのALVAC−RG感染CEF細胞、感染から72時間
後のALVAC−RG感染CEF細胞および40μg/mlのシトシンアラビノシドの存
在下での感染から72時間後のALVAC−RG感染CEF細胞からのDNAは全て、バ
ックグラウンド活性を示した。しかしながら、感染から72時間後のALVAC−RG感
40
染CEF細胞は、ALVAC特異的ウイルスDNA蓄積を示す約350kbpの領域に強
い帯を示した。培地がDNA合成抑制因子、シトシンアラビノシドの存在下でインキュベ
ーションされる場合には、そのような帯は検知不可能である。ベロ細胞中で産生された等
量の試料は、時間ゼロでのALVAC−RG感染ベロ細胞において約350kbpでは非
常にわずかな帯を示した。この水準は、残留ウイルスを示す。ウイルス後代の増大とはな
らないベロ細胞に生じたウイルス特異的DNA複製の水準を示す帯の強度は、感染72時
間後に増幅された。MRC−5細胞中に産生された等量の試料により、この細胞株におけ
るこれらの条件下ではウイルス特異的DNA蓄積が検出されないことが示された。次いで
この実験を、追加のヒト細胞株、特にWISHおよびデトロイト−532細胞を含むまで
に広げた。ALVAC感染CEF細胞は、陽性対照として作用した。ALVACを接種し
50
(65)
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たWISHまたはデトロイト細胞においてはウイルス特異的DNA蓄積は生じなかった。
この方法の検出限界は完全に確認され、ういるくDNA蓄積が生じるが、方法の感度より
低い水準である。ウイルスDNA複製が
3 チミジン含有により測定された他の実験は、
ベロ細胞とMRV−5細胞に得られた結果を支持する。
【0302】
狂犬病遺伝子発現の分析
ウイルス遺伝子発現、特に挿入された異種遺伝子の発現が、ウイルスDNA複製のないヒ
ト細胞株でさえ生じるか否かを決定するために、ALVACとALVAC−RGに感染し
たアビアンと非アビアン細胞の
3 5
メチオニン標識溶解産物に免疫沈降を行なった。狂犬
病G特異的単クローン性抗体を用いた免疫沈降の結果は、ALVAC−RGに感染したW
10
ISHおよびデトロイト細胞、CEF、ベロおよびMRV−5細胞中の67kDa糖タン
パク質の特異的免疫沈降を説明した。未感染、および親感染細胞溶解産物のいずれにもそ
のような特異的狂犬病遺伝子産生物を検出されなかった。
【0303】
この実験の結果により、分析したヒト細胞株において、ALVAC−RG組換え体は感染
を開始し、H6初期/晩期ワクシニアウイルスプロモーターの転写制御下で異種遺伝子産
生物を発現できるけれども、複製はDNA複製をとはならず、または検出可能なウイルス
後代は産生されなかった。ベロ細胞において、ある水準のALVAC−RG特異的DNA
蓄積が観察されたが、これらの方法によってはウイルス後代は検出されなかった。これら
の結果により、分析したヒト細胞株において、ウイルス複製に対するブロックは、DNA
20
複製の着手の前に生じ、一方ベロ細胞においてブロックはウイルスDNA複製の着手の後
に生じる。
【0304】
ALVAC−RGに発現された狂犬病糖タンパク質が免疫原性であるか否かを決定するた
めに、多くの動物種を組換え体の接種により試験した。現在の狂犬病ワクチンの硬化は、
マウスモデルシステムにおいて評価される。それゆえ、同様の試験をALVAC−RGを
用いて行なった。1ml当たり6.7から8.4log10TCID50の範囲に亘る感
染力価を有する9つの異なるウイルスの調製物(種子ウイルスの10連続の組織培地継代
後に産生された1つのワクチンバッチ(J)を含む)を連続的に希釈し、生後4から6週
間のマウスの足蹠に50から100μlの希釈物を接種した。14日後に、対照マウス群
30
の致死率滴定により決定されるような15から43マウスLD50を含有する狂犬病ウイ
ルスのCVS菌株300μlをマウスに頭蓋内経路により抗原投与した。PD50(防御
量50%)として表される効力は、抗原投与14日後に計算した。実験結果を表11に示
す。結果により、ALVAC−RGは、平均値が3.73(STD0.48)である3.
33から4.56に亘るPD50値での狂犬病ウイルス抗原投与に対して矛盾なくマウス
を防御することができたことが示された。この研究の延長として、おすのマウスに、6.
0log10TCID50のALVAC−RGを含有する50μlのウイルスまたは等容
積の未感染細胞懸濁液を頭蓋内で接種した。マウスを接種から1、3および6日後に乱切
し、マウスの脳を取り出し固定して切り分けた。組織病理学的実験により、マウスのAL
VAC−RGの神経毒性の証拠は見られなかった。
40
【0305】
イヌとネコのALVAC−RGの安全性と効果を評価するために、生後14,5か月のビ
ーグル犬と生後14,4ネコの群を分析した。各種において4匹をワクチン接種しなかっ
た。5匹の動物に6.7log10TCID50を皮下に接種し、5匹の動物に7.7の
log10TCID50を同一経路で接種した。抗狂犬病抗体についての分析のために、
動物から採血した。接種しなかった、または6.7log10TCID50のALVAC
−RGを接種した動物に、ワクチン接種から29日後に、3.7log10マウスLD5
0(イヌ、こめかみの筋肉に)または4.3log10マウスLD50(ネコ、首に)の
NYGS狂犬病ウイルス抗原投与菌株を抗原投与した。この実験結果を表12に示す。
【0306】
50
(66)
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いずれの接種ウイルスの供与量のネコまたはイヌにも接種に対して副作用は見られなかっ
た。6.7log10TCID50で免疫した5匹のうち4匹のイヌがワクチン接種から
14日後に抗体力価を有し、全てのイヌが29日後には力価を有した。全てのイヌは、4
匹のうち3匹の対照を殺した抗原投与から防御された。ネコにおいて、6.7log10
TCID50で免疫した5匹のうち3匹のネコは、14日後に特異的抗体力価を有し、全
てのネコが29日後には陽性であったが、平均抗体力価は2.9IUと低かった。5匹の
うち3匹のネコが、全ての対照を殺した抗原投与にも生き残った。7.7log10TC
ID50で免疫した全てのネコが14日後に抗体力価を有し、29日後の幾何学平均力価
は8.1国際単位として計算された。
【0307】
10
ALVAC、ALVAC−RGおよび未関連カナリヤポックスウイルス組換え体による接
種に対するリスサル(Saimiri sciureus)の免疫応答を実験した。サル
の群に上述したように接種を行ない、狂犬病特異的抗体の存在に関して血清を分析した。
皮内経路による接種に対するわずかな典型的な皮膚反応を別にして、どのサルにも副作用
は見られなかった。皮内接種から2および4日後のみに、少量の残留ウイルスを皮膚の傷
から単離した。全ての種が7日後以降に陰性であった。筋内注射に対する局部的な反応は
見られなかった。ALVAC−RGを接種した4匹全てのサルは、RFFI試験に測定さ
れた抗狂犬病血清中和抗体を発達せしめた。最初の接種から約6か月後に、全てのサルと
1匹の追加の純粋なサルに、皮下経路により、6.5log10TCID50のALVA
C−RGを左腿の外面に再接種した。抗狂犬病抗体の存在について血清を分析した。結果
20
を表13に示す。
【0308】
狂犬病を未経験な5匹のサルのうち4匹が、ALVAC−RGの感染から7日後に免疫応
答を発達せしめた。接種から11日後には5匹全てのサルが検知可能な抗体を有した。狂
犬病等タンパク質に以前に露出した4匹のサルのうち全てが、ワクチン接種後3から7日
の間に血清中和力価に著しい増大を示した。その結果により、ALVACpRGによるリ
スサルのワクチン接種は、簡単の側面効果を与えず、一次抗体応答が誘発せしめられたこ
とが示される。アムナネスティック(amnanestic)応答もまた再ワクチン接種
により誘発せしめられる。ALVACまたは未関連異種遺伝子を発現するカナリヤポック
ス組換え体への事前の露出は、再ワクチン接種により抗狂犬病免疫応答の誘発を妨害しな
30
い。
【0309】
ALVAC−RGの接種に対するHIV−2漿陽性マカクの免疫応答を評価した。上述し
たように動物を接種し、RFFI試験において抗狂犬病血清中和抗体の存在を評価した。
表14に示した結果により、皮下経路により接種したHIV−2陽性動物は、1回の接種
から11日後に抗狂犬病抗体を発達せしめた。最初の接種から約3か月後に与えられた追
加抗原投与の接種後に既往反応が検知された。口頭経路により組換え体を接種した動物に
はどのような反応も検知されなかった。加えて、一連の6匹の動物に、筋内または皮下経
路のいずれかにより与えたALVAC−RGの減少した供給量を接種した。接種した6匹
のうち5匹の動物は、ワクチン接種間から14日後にそれほど違わない抗体力価で反応し
40
た。
【0310】
HIVに事前に露出した2匹のチンパンジーに、皮下または筋内経路により7.0log
10pfuのALVAC−RGを接種した。接種から3か月後、両方の動物は各様式で再
ワクチン接種した。結果を表15に示す。
【0311】
皮下または筋内経路のいずれの経路によっても、接種に対して副作用は示されなかった。
両方のチンパンジーは、14日後に最初の接種に反応し、強く上昇する反応が再ワクチン
接種後に検知された。
【0312】
50
(67)
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【表6】
10
20
30
【表7】
40
(68)
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10
20
30
【表8】
40
(69)
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10
20
【表9】
30
(70)
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10
20
30
【表10】
40
(71)
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10
20
【表11】
30
(72)
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10
20
30
【表12】
40
【表13】
50
(73)
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10
20
【表14】
30
(74)
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10
20
【表15】
30
(75)
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10
20
30
実施例16−フラビウイルスタンパク質を発現するNYVAC組換え体の構築
この実施例は、日本脳炎ウイルス(JEV)、黄熱病ウイルス(YV)および1型デング
熱からの遺伝子を含有するNYVAC供与体プラスミドの構築、対応NYVACフラビウ
イルス組換え体の単離、および相同ウイルスによる致死抗原投与に対してマウスを防御す
るJEVまたはYFのゲノムの部分を発現するワクシニア組換え体の能力を記載している
。
40
【0313】
細胞株およびウイルス菌株
ワクシニアウイルスvP410のコペンハーゲン菌株のチミジンキナーゼ変異体(グオら
、1989)を用いて組換え体vP825、vP829、vP857およびvP864を
産生した(下記参照)。vP555の産生は以前に記載している(メイソンら、1991
)。FBSと抗生物質を補給したイーグルス最小限基礎培地中に37℃で増殖せしめられ
たヘラ(HeLa)細胞を用いて生合成研究を行なった。全ての生体外実験で用いたJE
Vウイルスは、JEVのナカヤマ菌株の継代55哺乳マウス脳懸濁液に感染したC6/3
6から調製した浄化培養液であった(メイソン、1989)。JEVの高度病原P3菌株
を用いて動物抗原投与実験を行なった(下記参照)。
50
(76)
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【0314】
JEV遺伝子のワクシニアウイルス供与体プラスミド中へのクローニング
JRVワクシニア組換えウイルスを構築するのに用いたJEV cDNAは、JEVのナ
カヤマ菌株から誘導した(マックアダら、1987)。
【0315】
pUC8のSmaIとEcoRI部位にJEV cDNA(ヌクレオチド−28から10
00)を含有するプラスミドpDr20をBamHIとEcoRIで切断し、JEV c
DNA挿入物をpIBI25(CT、ニューハブン、インターナショナルバイオテクノロ
ジーズ社)中にクローニングしてプラスミドJEV18を産生した。JEV18をJE配
列(ヌクレオチド23)内のApaIとpIBI25内のXhoIで切断し、アニールし
10
たオリゴヌクレオチドJ90(配列認識番号114)およびJ91(配列認識番号115
)(XhoI付着末端、SmaI部位、およびJEヌクレオチド1から23を含有する)
と連結し、プラスミドJEV19を産生した。JEV19をpIBI25内のXhoIと
JE配列(ヌクレオチド602)内のAccIで切断し、産生した613bp断片を、プ
ラスミド起点と、カルボキシ末端40%prMおよびEの3分の2のアミノ末端(ヌクレ
オチド602から2124)をコードするJEV cDNAとを含有するJEV2のXh
oIとAccI断片(メイソンら、1991)中にクローニングし、CのATGからEの
最後の3分の1に発見されたSacI部位(ヌクレオチド2124)のJE配列を含有す
るプラスミドJEV20を産生した。
【0316】
20
TTTTTGTヌクレオチド1304から1310がTCTTTGTに改変せしめられ、
Eの最後の3分の1からNS2Bの最初の2つのアミノ酸(ヌクレオチド2124から4
126)までのJE配列、プラスミド起点およびワクシニア配列を含有するJEV8から
のSmaI−SacI断片をJEV20からの精製SmaI−SacI挿入物に連結し、
JEV22−1を産生した。オリゴヌクレオチド定方向二本鎖切断突然変異誘発(マンデ
ッキ、1986)を用いて、JEV22−1を構築するのに用いたユニークSmaI部位
に対応する6bpを除去し、H6プロモーターが直接ATG開始コドンに先立つJEV2
4を産生した。
【0317】
プラスミドJEV7(メイソンら、1991)をJE配列内のSphI(ヌクレオチド2
30
180)とIBI24内のHindIIIで切断した。アニールしたオリゴヌクレオチド
J94とJ95[SphI付着末端、翻訳停止、ワクシニア初期転写終止シグナル(TT
TTTAT;ユエンら、1987)翻訳停止、EagI部位およびHindIII付着末
端を含有する]への連結により、Eの最後の3分の1のSacI部位(ヌクレオチド21
24)からEのカルボキシ末端に亘るJEcDNAを含有するプラスミドJEV25が産
生された。JEV25からのSacI−EagI断片をJEV8のSacI−EagI断
片(15aaC、prMおよびEヌクレオチド337から2124の3分の2のアミノ末
端をコードするJE cDNA、プラスミド起点およびワクシニア配列を含有する)に連
結し、プラスミドJEV26を産生した。ATG開始コドンを先行するユニークSmaI
部位を上述したように除去し、H6プロモーターが直接ATG開始コドンを先行するJE
40
V27を産生した。
【0318】
オリゴヌクレオチドJ96、J97、J98およびJ99(SphI付着末端を有するJ
Eヌクレオチド2243から2380を含有する)をキナーゼし、アニールし、SmaI
−SphI切断してアルカリ性ホスファターゼ処理したpIBI25に連結し、プラスミ
ドJEV28を産生した。JEV28をJE配列内のHpaI(ヌクレオチド2301)
とpIBI25配列内のHindIIIで切断し、アルカリ性ホスファターゼ処理した。
JEV1からのHpaI−HindIII断片またはJEV7からのHpaI−Hind
III断片(メイソンら、1991)への連結により、JEV29(SmaI部位とそれ
に続く、30aaE、NS1、NS2A、ヌクレオチド2293から4126をコードす
50
(77)
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るJE cDNAを含有する)およびjev30(SmaI部位とそれに続く30aaE
、NS1、NS2A、NS2B、ヌクレオチド2293から4512をコードするJE cDNAを含有する)を産生した。
【0319】
JEV29からのSmaI−EagI断片をSmaI−EagI切断したpTP15(メ
イソンら、1991)に連結してJEV31を産生した。JEV31を産生するのに用い
たユニークSmaI部位に対応する6bpを上述したように除去して、H6プロモーター
が直接ATG開始コドンを先行するJEV33を産生した。
【0320】
JEV30からのSmaI−EagI断片をSmaI−EagI切断したpTP15と連
10
結してJEV32を産生した。JEV32を産生するのに用いたユニークSmaI部位に
対応する6bpを上述したように除去して、H6プロモーターが直接ATG開始コドンを
先行するJEV34を産生した。オリゴヌクレオチドJ90(配列認識番号114)、J
91(配列認識番号115)、J94(配列認識番号116)、J95(配列認識番号1
17)、J96とJ97(配列認識番号118)およびJ99とJ98(配列認識番号1
19)を以下に示す:
【化68】
20
ワクシニアウイルスJEV組換え体の構築
30
プラスミドJEV24、JEV27、JEV33およびJEV34をvP410感染細胞
にトランスフェクションして、それぞれワクシニア組換え体vP825、vP829、v
P857およびvP864を産生した(第18図)。
【0321】
生体外ウイルス感染および標識付け
ヘラ細胞単層を35mmの直径のディッシュに調製し、放射線標識付けの前にワクシニア
ウイルス(細胞当たり2pfuのm.o.i.)またはJEV(細胞当たり5pfuのm
.o.i.)に感染せしめた。細胞を
3 5
S−Metを含有する培地で瞬間標識し、メイ
ソンらに記載されたように(1991)正確に過剰の未標識Metの存在下で6時間追跡
した。
40
【0322】
放射性免疫沈降、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、およびエンドグリコシダーゼ処理
放射線標識細胞溶解産物と培地液体を収集し、ウイルスタンパク質を免疫沈降し、エンド
グリコシダーゼで切断し、メイソンにより記載されているように(1989)SDS含有
ポリアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)中で分離した。
【0323】
動物防御実験
メイソンらにより記載されているように(1991)、マウス防御実験を正確に行なった
。手短に言うと、生後3週間のマウスの群を、10
7 pfuのワクシニアウイルス組換
え体で腹腔内(ip)注射により免疫せしめ、3週間後に選択したマウスから血清を集め
50
(78)
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た。次いでマウスに組換えウイルスを再接種せしめるか、またはJEVのP3菌株に感染
した哺乳マウス脳の懸濁液を腹腔内により1.3×10
3 LD50で抗原投与した。3
週間後、追加免疫した動物をレブル(rebled)し、4.9×10
5 LD50のJ
EVのP3菌株で抗原投与した。抗原投与に続いて、3週間に亘り毎日マウスを観察し、
実験動物の同腹兄弟を用いて各抗原投与実験において致死救急量滴定を行なった。加えて
、抗原投与後4週間後の全ての生存動物から血清を採取した。
【0324】
組換えウイルスの免疫応答
メイソンらに記載されたよう(1991)に正確に、
3 5
S−Met標識JEV感染細胞
から得た培養液または洗浄剤処理細胞溶解産物からのJEVタンパク質を沈殿せしめる能
10
力に関して血清を試験した。NEUT試験においてカルボキシメチルセルロースを培地に
用いたことを除いてメイソンらに記載されたよう(1991)に、血球凝集素阻害(HA
I)および中和(NEUT)試験を行なった。
【0325】
組換えワクシニアウイルスの構造
CからNS2Bに亘るJEVコード領域の部分を発現した4つの異なるワクシニア組換え
体(HA座における)を構築した。これらの組換えウイルス中に含有されたJEV cD
NA配列を第18図に示す。4つの組換えウイルス全てにおいて、JEV cDNAの感
覚鎖はワクシニアウイルス初期/晩期H6プロモーターの背後に位置し、翻訳はウイルス
cDNA配列の5′末端に位置する自然発生JEV Metコドンから開始されると予期
20
された。
【0326】
組換え体vP825は、カプシドタンパク質、構造タンパク質前駆体prM、構造糖タン
パク質E、非構造糖タンパク質NS1、および非構造タンパク質NS2Aをコード下(マ
ックエイダら、1987)。組換え体vP829は、prMのアミノ末端に先行する推定
15aaシグナル配列、prMおよびEをコードした(マックエイダら、1987)。組
換え体vP857は、Eの30aa疎水性カルボキシ末端、続いてNS1およびNS2A
をコードするcDNAを含有した。組換え体vP864は、vP857と同様のタンパク
質と追加にNS2BをコードするcDNAを含有した。組換え体vP825とvP829
において、E中の潜在的なワクシニアウイルス初期転写終止シグナル(TTTTTGT;
30
ヌクレオチド1304−1310)を、aa配列を改変することなくTCTTTGTに改
変した。この配列は生体外転写アッセイにおける転写終止を増大するのが示されているの
で、Eの発現の水準を高めるためにこの改変を行なった(ユエンら、1987)。
【0327】
組換えワクシニアウイルスにより発現される場合には、EおよびprMは正確に処理され
る
瞬間標識実験により、Eとサイズが同一のタンパク質が、E遺伝子を含有する全ての組換
えワクシニアウイルスに感染した細胞中で合成されたことが示された(表16)。JEV
、vP555およびvP829に感染した細胞において、SDS−PAGE中で遅く移動
したEタンパク質はまた、感染細胞から収集された培養液中にも観察された(表16)。
40
JEVおよびvP555感染細胞により産生されたEの細胞外形状は、vP829感染細
胞により産生されたEの細胞外形状に確認されるように、熟成したN連結グリカンを含有
した(メイソン、1989;メイソンら、1991)。興味のあることに、prMとEに
加えてCコード領域を含有したvP825は、細胞外液体中に放出されない形状のEの合
成を特定した(表16)。M(およびprM)に特有なMAbを用いた放射線標識組換え
ワクシニア感染細胞から調製した免疫沈降により、prMはvP555、vP825、お
よびvP829に感染した細胞中で合成され、MはvP555またはvP829に感染し
た細胞の培養液中に検出されたことが分かった(表16)。
【0328】
vP555およびvP829に感染した細胞から収集した細胞外液体は、vP410、v
50
(79)
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P825、vP857またはvP864に感染した細胞の培養液には検出されなかったH
A活性を含有した。このHAは、抗JEV抗体とそのpH最適条件によるその阻害に基づ
いてJEV感染細胞中に産生されたHAと同一であるように思われた(メイソンら、19
91)。ワクシニアウイルスJEV組換え体vP829、vP825、vP857および
vP864に感染した細胞からの培養液に関してショ糖密度勾配を調製した。勾配の分析
により、JEV培養液に見られた遅い沈降血球凝集素(SHA)のピークとともに移動し
たvP829感染試料のHA活性のピークを同定した(データは示さず)。この結果によ
り、vP829感染細胞は、vP555感染細胞から収集された培養液中に観察されたE
およびMを含有する空のウイルスエンベロープに同一の細胞外粒子を産生することが示さ
れた(表16およびメイソンら、1991)。
10
【0329】
組換えワクシニアウイルスにより発現される場合、NS1は正確に処理され分泌される
瞬間標識実験により、真正NS1およびNS1′とサイズが同一なタンパク質がvP55
5、vP825、vP857およびvP864に感染した細胞中で合成されることが示さ
れた。vP555感染細胞により産生されたNS1は、高分子量形状の感染細胞の培養液
中に放出された。NS1はまた、vP857およびvP864感染細胞の培養液中に放出
されるが、一方でNS1は、vP825に感染した細胞からは放出されなかった(表16
)。NS2A(vP857)コード領域またはNS2AおよびNS2Bコード領域を含有
する組換えワクシニアウイルスからのNS1の合成の比較により、NS2Bコード領域の
存在または不在は、NS1の発現には影響せず、NS2A遺伝子のみがNS1の真正処理
20
に必要であることを示す以前のデータと首尾一貫していることが分かった(ファルゴート
ら、1989;メイソンら、1991)。
【0330】
組換えワクシニアウイルスはJEV抗原に対する免疫応答を誘発した
各群から選択した動物から採取した前抗原投与した血清を、放射線標識したEとNS1を
イムノプレイピテーションする能力に関して試験した。これらの研究の結果により以下の
ことが示された(表16):(1)Eに対して誘発せしめられた免疫応答の大きさは、v
P829>vP555>vP825であった、(2)NS1およびNS2Aをコードする
全てのウイルスはNS1に対する抗体を誘発した、(3)全ての免疫応答は、組換えウイ
ルスの2回目の接種により増大せしめられた。これらの動物から採取した血清に関する中
30
和とHAIデータの分析により(表17)、免疫沈降分析の結果が確認でき、RIPによ
り示されたようにEに対する免疫応答は、他の血清学的試験と良好に相関関係にあること
を示す(表17)。
【0331】
組換えウイルスによるワクチン接種は致死JEV感染からの防御を提供した
全ての組換えワクシニアウイルスは、JEVの末梢病原P3菌株による致死感染からの防
御をマウスに与えることができた(ハング、1982)(表17)。これらの研究により
vP555の防御潜在能力が確認され(メイソンら、1991)vP825とvP829
に感染した動物において同様の防御を示した。NS1に対する強い免疫応答を誘発した組
換えウイルスvP857およびvP864は、低水準の防御を示したが、これらの組換え
40
体を接種したマウスは、対照ウイルス、vP410を接種したマウスと比較してまだ十分
に防御された(表17)。
【0332】
後抗原投与免疫応答はJEV複製の水準を示す
これらの組換えウイルスを接種した動物の致死抗原投与からの防御の機構をよりよく理解
するために、後抗原投与血清における抗体のJEVを認識する能力を評価した。これらの
研究に関して、放射線標識したJEV感染細胞の溶解産物に存在する抗原を用い、高度免
疫したマウス(メイソンら、1987a)中の高水準の抗体を誘発するNS3タンパク質
に対する応答を試験した。これらの研究結果(表18)は、高水準の防御を誘発した組換
えウイルス(vP829、vP555、およびvP825)でワクチン接種した動物の群
50
(80)
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がNS3に対する低い後抗原投与応答を示したが、一方でNS1のみを発現した組換え体
(vP857およびvP864)でワクチン接種した群の生存者からの血清はNS3に対
して高い後抗原応答を示したという生存データと相関性がある。
【0333】
【表16】
10
20
【表17】
30
(81)
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10
20
30
【表18】
40
(82)
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10
20
30
JEV遺伝子のワクシニア(NYVAC)供与体プラスミド中へのクローニング
プラスミドpMP2VCL(K1L宿主域遺伝子の上流のワクシニア配列内にポリリンカ
ー領域を含有する)をポリリンカー内のHindIIIとXhoIで切断し、アニールし
たオリゴヌクレオチドSPHPRHA AからDと連結し、HindIII部位、H6プ
ロモーター−124から−1(パーカスら、1989)、並びにXhoI、KpnI、S
maI、SacIおよびEcoRI部位を含有するSP126を産生した。
40
【0334】
プラスミドpSD544VC(ポリリンカー領域と置換されたHA遺伝子の部位を包囲す
るワクシニア配列および6つの読取り枠中の翻訳終止コドンを含有する)をポリリンカー
領域内のXhoIで切断し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片を充填し、アルカリ性
ホスファターゼで処理した。SP126をHindIIIで切断し、クレノウで処理し、
SmaIの切断によりH6プロモーターを単離した。H6プロモーター断片のpSD54
4VCへの連結により、ポリリンカー領域(HA転写方向内)にH6プロモーターを含有
したSPHA−H6を産生した。
【0335】
プラスミドJEVL14VCをH6プロモーター内のEcoRVとJEV配列内のSac
50
(83)
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I(ヌクレオチド2124)で切断し、1789bp断片を単離した。JEVL14VC
(メイソンら、1991)をT5NT後のEagI部位でのEclXIで切断し、DNA
ポリメラーゼIのクレノウ断片で充填し、JEV配列内のSacI(ヌクレオチド212
4)で切断し、2005bp断片を産生した。1789bp EcoRV−SacIおよ
び2005bp(SacI充填EclXI)断片をEcoRV(H6内)に連結し、Sm
aI(ポリリンカー内)で切断し、SPHA−H6をアルカリ性ホスファターゼ処理しJ
EV35を産生した。JEV35をvP866(NYVAC)感染細胞中にトランスフェ
クションし、ワクシニア組換え体vP908を産生した(第18図)。
【0336】
JEV35をSacI(JE配列ヌクレオチド2124内)とEclXI(T5NTの後
10
)で切断し、5497bp断片を単離し、JEV25のSacI(JEVヌクレオチド2
124)からEagI断片(Eの残りの3分の2、翻訳終止およびT5NTを含有する)
に連結し、JEV36を産生した。JEV36をvP866(NYVAC)感染細胞中に
トランスフェクションし、ワクシニア組換え体vP923を産生した(第18図)。SP
HPRHA AからDオリゴヌクレオチドSPHPRHA:A+B(配列認識番号120
)およびSPHPRHA:C+D(配列認識番号121)を以下に示す
【化69】
20
YFワクシニア組換えウイルス(クローン10IIIおよびクローン28III)を構築
するのに用いたYF17D cDNAクローンをチャールスライス(MO、セントルイス
、ワシントン大学スクールオブメディスン)から得た。全てのヌクレオチド座標はライス
30
ら1985に存在した配列データから誘導した。
【0337】
カルボキシ末端80%prM、Eおよびアミノ末端80%NS1(ヌクレオチド537−
1659)をコードするYF cDNAを含有するプラスミドYF0を、YF cDNA
のAvaIからNsiI断片(ヌクレオチド537−1659)とYF cDNAのNs
iIからKpnI断片(ヌクレオチド1660−3266)をAvaIとKpnIで切断
したIBI25(CT、ニューハブン、インターナショナルバイオテクノロジー社)中に
クローニングすることにより誘導した。Cおよびアミノ末端20%prMをコードするY
F cDNAを含有するプラスミドYF1を、YF cDNAのRsaIからAvaI断
片(ヌクレオチド166−536)とアニールしたオリゴヌクレオチドSP46とSP4
40
7(不能HindIII付着末端、XhoIとClaI部位およびYFヌクレオチド11
9−165を含有する)をAvaIとHindIIIで切断したIBI25中にクローニ
ングすることにより誘導した。Eのカルボキシ末端60%とNS1のアミノ末端25%を
コードするYF cDNAを含有するプラスミドYF3を、YF cDNAのApaIか
らBamHI断片(ヌクレオチド1604−2725)をApaIとBamHIで切断し
たIBI25中にクローニングすることにより産生した。カルボキシ末端20%NS1、
NS2a、NS2Bおよびアミノ末端20%NS3をコードするYF cDNAを含有す
るプラスミドYF8を、YF cDNAのKpnIからXbnI断片(ヌクレオチド32
67−4940)をKpnIとXbaIで切断したIBI25中にクローニングすること
により誘導した。カルボキシ末端60%NS2Bおよびアミノ末端20%NS3をコード
50
(84)
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するYF cDNAを含有するプラスミドYF9を、YF cDNAのSacIからXb
aI断片(ヌクレオチド4339−4940)をSacIとXbaIで切断したIBI2
5中にクローニングすることにより産生した。Cのカルボキシ末端25%、prMおよび
Eのアミノ末端40%をコードするYF cDNAを含有するプラスミドYF13を、Y
F cDNAのBalIからApaI断片(ヌクレオチド384−1603)をApaI
とSmaIで切断したIBI25中にクローニングすることにより誘導した。
【0338】
オリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発(クンケル、1985)を用いて、以下の潜在的
なワクシニアウイルス初期転写終止シグナル(ユエンら、1987)(1)YF1中のC
遺伝子のアミノ末端からの49aa(TTTTTCTヌクレオチド263−269および
10
TTTTTGTヌレオチド269−275)を(配列認識番号122)TTCTTCTT
CTTGTに改変してプラスミドYF1Bを産生し、YF3中のE遺伝子において(ヌク
レオチド1886−1893TTTTTTGTからカルボキシ末端からのTTCTTTG
T189aaおよびヌクレオチド2429−235TTTTTGTをカルボキシ末端から
のTTCTTGT8aa)に改変することにより、それぞれYF3BとYF3Cを産生し
た。YF3CからのPstIからBamHI断片(ヌクレオチド1965−2725)を
YF3Bの対応断片と交換し、両者とも突然変異誘発転写終止シグナルを有するカルボキ
シ末端60%Eとアミノ末端25%NS1をコードするYF cDNAを含有するYF4
(ヌクレオチド1604−2725)を産生した。YF4からのApaIからBamHI
断片(ヌクレオチド1604−2725)をYF0中の相当領域と置換して、両者とも突
20
然変異誘発転写終止シグナルを有するカルボキシ末端80%prM、Eとアミノ末端80
%NS1をコードするYF cDNAを含有するYF6(ヌクレオチド537−3266
)を産生した。プラスミドYF6をIBI25内のEcoRVとヌクレオチド537での
AvaIで切断し、YF1BからのEcoRVからAvaI断片(IBI25内のEco
RVからヌクレオチド536でのAvaI)と連結し、119にXhoIおよびClaI
部位並びに4つの突然変異誘発終止シグナルを有するCからNS1のアミノ末端80%を
コードするYF cDNAを含有するYF2(ヌクレオチド119−3266)を産生し
た。
【0339】
上述したオリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発を用いて、(1)Eのカルボキシ末端か
30
らのATG17aaに先行するXhoIおよびClaI部位(ヌクレオチド2402−2
404)をプラスミドYF3Cに挿入してYF5を産生し、(2)prMのカルボキシ末
端からのATG19aaに先行するXhoIおよびClaI部位(ヌクレオチド917−
919)をプラスミドYF13に挿入してYF14を産生し、(3)Eのカルボキシ末端
からのATG23aaに先行するXhoI部位(ヌクレオチド2384−2386)をプ
ラスミドYF3Cに挿入してYF25を産生し、(4)Cのカルボキシ末端からのATG
21aaおよびXhoI部位(ヌクレオチド419)をプラスミドYF1に挿入してYF
45を産生した。
【0340】
YF5からのApaIからBamHI断片(ヌクレオチド1604−2725)をYF0
40
の対応領域と交換して、2402でXhoIおよびClaI部位(Eのカルボキシ末端か
らの17aa)並びに2429−2435での突然変異誘発転写終止シグナル(Eのカル
ボキシ末端からの8aa)を有するカルボキシ末端80%prM、Eおよびアミノ末端8
0%NS1をコードするYF cDNAを含有するYF7(ヌクレオチド537−326
6)を産生した。YF25からのApaIからBamHI断片(ヌクレオチド1604−
2725)をYF0の対応領域と交換して、2384でXhoI部位(Eのカルボキシ末
端からの23aa)および2428−2435での突然変異誘発転写終止シグナル(Eの
カルボキシ末端からの8aa)を有するカルボキシ末端80%prM、Eおよびアミノ末
端80%NS1をコードするYF cDNAを含有するYF26(ヌクレオチド537−
3266)を産生した。
50
(85)
JP 3602844 B2 2004.12.15
【0341】
YF14からのAvaIからApaI断片(ヌクレオチド537−1603)をYF6の
対応領域と交換して、ヌクレオチド917でXhoIおよびClaI部位(prMのカル
ボキシ末端からの19aa)および2つの突然変異誘発転写終止シグナルを有するカルボ
キシ末端80%prM、Eおよびアミノ末端80%NS1をコードするYF cDNAを
含有するYF26(ヌクレオチド537−3266)を産生した。YF6をIBI25内
のEcoRVとYF内のヌクレオチド537でのAvaIで切断し、YF45のEcoR
V(IBI25内)からAvaI断片に連結して419でXhoI部位(Cのカルボキシ
末端からの21aa)および除去し2つの転写終止シグナルを有するCからアミノ末端8
0%NS1をコードするYF cDNAを含有するYF46(ヌクレオチド119−32
10
66)を産生した。
【0342】
上述したオリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発を用いて、NS2Bのカルボキシ末端で
のSmaI部位(ヌクレオチド4569)をプラスミドYF9に挿入してYF11を産生
し、NS2Aのカルボキシ末端のSmaI部位(ヌクレオチド4180)をプラスミドY
F8に挿入してYF10を産生した。YF11からのSacIからXbaI断片(ヌクレ
オチド4339−4940)およびYF8からのAsp718からSacI断片(ヌクレ
オチド3262−4338)をAsp718とXbaIで切断したIBI25に連結して
、NS2Bのカルボキシ末端の後にあるSmaI部位(ヌクレオチド4569)を有する
カルボキシ末端20%NS1、NS2A、NS2Bおよびアミノ末端20%NS2Bまを
20
コードするYF cDNAを含有するYF12(ヌクレオチド3262−4940)を産
生した。
【0343】
YF遺伝子のpHESシステムワクシニアウイルス供与体プラスミドへのクローニング
YFクローニング配列のNYVAC供与体プラスミドへの挿入の前に、YFコード配列を
ワクシニアプラスミドpHES4に挿入した(パーカスら、1989)。カルボキシ末端
20%NS1、NS2AおよびNS2BをコードするYF12からのKpnIからSma
I断片(ヌレオチド3267−4569)、19aaprM、Eおよびアミノ末端80%
NS1をコードするYF15からのXhoIからKpnI断片(ヌクレオチド917−3
266)およびXhoI−SmaIで切断したpHES4を連結してYF23を産生した
30
。23aaE、アミノ末端25%NS1をコードするYF26からのXhoIからBam
HI断片(ヌクレオチド2384−2725)をYF23(カルボキシ末端75%NS1
、NS2AおよびNS2B、複製の起点並びにワクシニア配列を含有する)からのXho
IからBamHI断片と連結してYF28を産生した。
【0344】
XhoI−SmaI切断したpHES4を、17aaEおよびアミノ末端80%NS1を
コードするYF7からのXhoIからKpnI断片(ヌクレオチド2402−3266)
およびカルボキシ末端20%NS1およびNS2AをコードするYF10からのKpnか
らSmaI(ヌクレオチド3267−4180)を連結することにより、YF18を産生
した。C、prM、Eおよびアミノ末端25%NS1をコードするYF2からのXhoI
40
からBamHI断片をYF18のXhoIからBamHI断片(カルボキシ末端75%N
S1およびNS1A、不正の起点並びにワクシニア配列を含有する)に連結し、YF19
を産生した。YF2からの同一のXhoIからBamHI断片をYF28からのXhoI
からBamHI断片(カルボキシ末端75%NS1およびNS2A、複製の起点並びにワ
クシニア配列を含有する)に連結し、YF20を産生した。21aaC、prM、Eおよ
びアミノ末端25%NS1をコードするYF46からのXhoIからBamHI断片(ヌ
クレオチド419−2725)をYF18からのXhoIからBamHI断片と連結し、
YF47を産生した。オリゴヌクレオチドSP46(配列認識番号123)およびSP(
配列認識番号124)は以下の通りである:
【化70】
50
(86)
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組換え体YFワクシニアウイルスの構築
CからNS2Bに亘るYFコード領域の部分を発現した5つの異なるワクシニアウイルス
組換え体を、宿主範囲選択システムを用いて構築した(パーカスら、1989)。プラス
ミドYF18、YF23、YF20、YF19およびYF47をvP293感染細胞中に
10
トランスフェクションし、ワクシニア組換え体vP725、vP729、vP764、v
P766およびvP869を産生した。これらの組換え体中に含まれたYF cDNA配
列を第19図に示す。5つの組換えウイルス全てにおいて、YF cDNAの間隔鎖は、
ワクシニアウイルス初期/晩期H6プロモーターの背後に位置し、翻訳は、ウイルスcD
NA配列の5′末端に位置するMetコドンから開始すると予期された(第19図)。
【0345】
組換え体vP725は、非構造タンパク質NS1のN末端に先行する推定17−aaシグ
ナル配列および非構造タンパク質NS1とNS2Aをコードした(ライスら、1985)
。組換え体vP729は、EのN末端に先行する推定19−aaシグナル配列、E、NS
1、NS2AおよびNS2Bをコードした(ライスら、1985)。組換え体vP764
20
は、C、prM、E、NS1、NS2AおよびNS2Bをコードした(ライスら、198
5)。組換え体vP766は、C、prM、E、NS1およびNS2Aをコードした(ラ
イスら、1985) 。組換え体vP869は、prM構造タンパク質前駆体のN末端に
先行する推定21−aaシグナル配列、並びにprM、E、NS1、およびNS2Aをコ
ードした(ライスら、1985)。
【0346】
致死YF抗原投与からの防御
vP869は、他の組換え体に感染した培養液中に見られなかったHA活性を分泌した。
このHAは、抗YF抗体により抑制とpH最適条件に基づいてYF感染細胞中に産生され
たHAと同一であるように思われた。
【0347】
生後3週間のマウスに、10
7 pfuのvP869、vP764、またはYF−17D
を腹腔内に接種し、3週間後に100LD50のYFのフレンチ神経親和性菌株を抗原投
与した。vP869は著しい防御を提供したが(表19)、一方でvP764は、YF遺
伝子を欠如した対照ワクシニアウイルスよりも良好な防御を提供しなかった(vP457
)。
【0348】
【表19】
30
(87)
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10
YF遺伝子のNYVAC供与体プラスミド中へのクローニング
21アミノ酸C、prM、E、NS1、NS2A(NS1が掛けたヌクレオチド2962
を有する)をコードするYF cDNAを含有するYF47からのXhoIからSmaI
断片(ヌクレオチド419−4180)をXhoI−SmaIで切断したSPHA−H6
(HA領域供与体プラスミド)と連結し、YF48を産生した。YF48をSacI(ヌ
クレオチド2490)で切断し、Asp718(ヌクレオチド3262)で部分的に切断
し、6700bp断片を単離し、(複製のプラスミド起点、ワクシニア配列、21アミノ
20
酸C、prM、E、アミノ末端3.5%NS1、カルボキシ末端23%NS1、NS2A
を含有する)、YF18からのSacI−Asp718断片(2962に存在する塩基と
ともにNS1の残りを含有する)に連結し、YF51を産生した。オリゴヌクレオチド定
方向二本鎖切断突然変異誘発(マンデッキ、1986)を用いて、YF51中の特有のX
hoI部位に対応する6bpを除去し、HA座供与体プラスミド中にYF21アミノ酸C
、prM、E、NS1、NS2Aをコードするプラスミドを産生した。供与体プラスミド
YF50をvP866(NYVAC)感染細胞中にトランスフェクションしてワクシニア
組換え体vP984を産生した。
【0349】
オリゴヌクレオチド定方向二本鎖切断突然変異誘発を用いて、YF48中の特有のXho
30
I部位に対応する6bpを除去してYF49を産生した。オリゴヌクレオチド定方向突然
変異誘発を用いて、Eのカルボキシ末端でのSmaI部位をYF4中に挿入し、YF16
を産生した。YF49のApaI−SmaI断片(21アミノ酸C、prMおよびアミノ
末端43%EをコードするYF cDNA、並びに複製のプラスミド起点、ワクシニア配
列を含有する)をYF16からのApaI−SmaI断片(カルボキシ末端57%Eを含
有するヌクレオチド1604−2453)に連結し、HA座にE、prM、Cの21アミ
ノ酸を含有するYF53を産生した。供与体プラスミドYF53をvP913(NYVA
C−MV)に感染した細胞中にトランスフェクションしてワクシニア組換え体vP997
を産生した。
【0350】
40
1型デング熱のワクシニアウイルス供与体プラスミド中へのクローニング
カルボキシ末端84%NS1およびアミノ末端45%NS2AをコードするDEN cD
NAを含有するプラスミドDEN1(ヌクレオチド2559−3745、メイソンら、1
987b)を、DEN cDNAのEcoRI−XbaI断片(ヌクレオチド2559−
3740)およびアニールしたオリゴヌクレオチドDEN1(配列認識番号125)とD
EN2(配列認識番号126)(XbaI付着末端、翻訳終止コドン、T5ATワクシニ
アウイルス初期転写終止シグナル(ユエンら、1987)、EagI部位およびHind
III付着末端を含有する)をHindIII−EcoRIで切断したpUC8中にクロ
ーニングすることにより誘導した。DEN1からのEcoRI−HindIII断片(ヌ
クレオチド2559−3745)およびEのカルボキシ末端36%とアミノ末端16%N
50
(88)
JP 3602844 B2 2004.12.15
S1をコードするDEN cDNAのSacI−EcoRI断片をHindIII−Sa
cIで切断したIBI24(CT、ニューハブン、インターナショナルバイオテクノロジ
ー社)に連結し、カルボキシ末端64%Eからアミノ末端45%NS2Aをコードし、N
S1に塩基の欠けた(ヌクレオチド2467)DEN3を産生した。
【0351】
HindIII−XbaIで切断したIBI24をアニールしたオリゴヌクレオチドDE
N9(配列認識番号127)およびDEN10(配列認識番号128)[HindIII
付着末端、SmaI部位、DENヌクレオチド377−428(メイソンら、1987b
)およびXbaI付着末端を含有する]に連結し、SPD910を産生した。SPD91
0をSacI(IBI24内)とAvaI(ヌクレオチド423のDEN内)で切断し、
10
DEN cDNAのAvaI−SacI断片(ヌクレオチド424−1447メイソンら
、1987)に連結し、カルボキシ末端11aaC、prMおよびアミノ末端36%Eを
コードするDEN4を産生した。
【0352】
カルボキシ末端64%Eおよびアミノ末端18%NS1をコードするDEN cDNAを
含有するプラスミドDEN6(ヌクレオチド2467が存在するヌクレオチド1447−
2579、メイソンら、1987b)を、DEN cDNAのSacI−XhoI断片を
IBI25(CT、ニューハブン、インターナショナルバイオテクノロジー社)中にクロ
ーニングすることにより誘導した。DEN5′未翻訳領域の51塩基、C、prMおよび
アミノ末端36%EをコードするDEN cDNAを含有するプラスミドDEN15を、
20
DEN cDNAのHindIII−SacI断片(ヌクレオチド20−1447、メイ
ソンら、1987b)をHindIII−SacIで切断したIBI25中にクローニン
グすることにより誘導した。カルボキシ末端55%NS2Aおよびアミノ末端28%NS
2BをコードするDEN cDNAを含有するプラスミドDEN23を、DEN cDN
AのXbaI−SphI断片をXbai−SphIで切断したIBI25中にクローニン
グすることにより誘導した。カルボキシ末端55%NS2A、NS2Bおよびアミノ酸N
S3をコードするDEN cDNAを含有するプラスミドDEN20(ヌクレオチド37
45−4563)を、DEN cDNAのXbaIからEcoRI断片をXbaI−Ec
oRIで切断したIBI25中にクローニングすることにより誘導した。
【0353】
30
オリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発(クンケル、1985)を用いて以下の潜在的な
ワクシニアウイルス初期転写終止シグナルを改変せしめた(ユエンら、1987)。DE
N4中のprM遺伝子における2つのT5NT配列、(1)カルボキシ末端からの29a
a(ヌクレオチド822−828TTTTTCTをTATTTCTに)および(2)カル
ボキシ末端からの13aa(ヌクレオチド870−875TTTTTATからTATTT
ATに)を突然変異誘発せしめてプラスミドDEN47を産生した。DEN6中のNS1
遺伝子における単一のT5NT配列、アミノ末端からの17aaを突然変異誘発せしめて
(ヌクレオチド2448−2454TTTTTGTからTATTTGTに)プラスミドD
EN7を産生した。
【0354】
40
上述したようにオリゴヌクレオチド定方向突然変異誘発を用いて、(1)NS2Aのカル
ボキシ末端でのEagIとEcoRI部位(ヌクレオチド4102)をプラスミドDEN
23に挿入してDEN24を産生し、(2)Eのカルボキシ末端らのATG15aaとS
maI部位をDEN7(ヌクレオチド2348)に挿入してDEN10を産生し、(3)
NS2Bのカルボキシ末端でのEagIとHindIII部位(ヌクレオチド4492)
をプラスミドDEN20に挿入してプラスミドDEN21を産生し、そして(4)プラス
ミドDEN15中のフクレオチド63−67をワクシニアウイルス初期/晩期H6プロモ
ーター(位置−1から−21、パーカスら、1989)と置換してDEN16(DENヌ
クレオチド20−59、EcoRV部位からH6プロモーターの−1およびDENヌクレ
オチド68−1447を含有する)を産生した。
50
(89)
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【0355】
DEN7からのSacI−XhoI断片(ヌクレオチド1447−2579)を、DEN
13中の対応領域と置換して、カルボキシ末端64%Eとアミノ末端45%NS2Aをコ
ードするDEN cDNAを含有し(ヌクレオチド1447−3745)、ヌクレオチド
2467が存在し改変転写終止シグナル(ヌクレオチド2448−2454)を有するD
EN19を産生した。DEN19からのXhoI−Xbai断片(ヌクレオチド2579
−3745)およびDEN24からのXbaI−HindIII断片(XbaIヌクレオ
チド3745DENからIBI24中のHindIII)をXhoI−HindIIIで
切断したIBI25に連結して、カルボキシ末端82%NS1、NS2Aおよびアミノ末
端28%NS2BをコードするDEN cDNAを含有し(ヌクレオチド2579−42
10
13)、4102でのEagI部位、ヌクレオチド2467が存在し、突然変異誘発転写
終止シグナルを有する(ヌクレオチド2448−2454)DEN25を産生した。DE
N19からのXhoI−XbaI断片(ヌクレオチド2579−3745)をXhoI(
IBI25内)とXbaI(DENヌクレオチド3745)で切断したDEN21に連結
し、カルボキシル末端82%NS1、NS2A、NS2Bおよびアミノ末端24aaNS
3をコードし(ヌクレオチド2579−4564)、ヌクレオチド2467が存在し、改
変転写終止シグナル(ヌクレオチド2448−2454)および4492でのEagI部
位を有するDEN22を産生した。
【0356】
DEN16からのHindIII−PstI断片(ヌクレオチド20−494)をDEN
20
47からのHindIII−PstI断片(Eのカルボキシ末端83%prMとアミノ末
端36%ヌクレオチド494−1447および複製のプラスミド起点をコードする)と連
結し、C、prMおよびアミノ末端36%E並びにCのアミノ末端に先行するEcoRV
部位とH6プロモーターの部分をコードするDEN17を産生した。
【0357】
カルボキシ末端13aaC、prMおよびアミノ末端36%EをコードするDEN17か
らのHindIII−BglII断片(ヌクレオチド370−1447)をアニールした
オリゴヌクレオチドSP111およびSP112(不能HindIII付着末端、Eco
RV部位からH6プロモーターの−1、およびBglII付着末端を有するDENヌクレ
オチド350−369)に連結し、EcoRV部位からH6プロモーターの−1、カルボ
30
キシ末端20aaC、prMおよびアミノ末端36%EをコードするDEN33を産生し
た。
【0358】
SmaI−EagIで切断したpTP15(メイソンら、1991)を、カルボキシ末端
11aaC、prMおよびアミノ末端36%EをコードするDEN4からのSmaI−S
acI断片(ヌクレオチド377−1447)と、カルボキシ末端64%E、NS1およ
びアミノ末端45%NS2AをコードするDEN3からのSacI−EagI断片とに連
結し、DENLを産生した。カルボキシ末端64%Eおよびアミノ末端18%NS1をコ
ードするDEN7からのSacI−XhoI断片(ヌクレオチド1447−2579)を
、DEN47からのBstEII−SacI断片(カルボキシ末端55%prMおよびア
40
ミノ末端36%Eヌクレオチド631−1447をコードする)とDENLからのBst
EII−XhoI断片(カルボキシ末端11aaC、アミノ末端45%prM、カルボキ
シ末端82%NS1、カルボキシ末端NS2A、複製の起点およびワクシニア配列をコー
ドする)とに連結し、DEN8を産生した。オリゴヌクレオチド定方向二本鎖切断突然変
異誘発(マンデッキ、1986)を用いて特有のSmaI部位(H6プロモーターとAT
Gの間に位置する)を除去し、H6プロモーターが直接ATG開始コドンに先行するDE
N8VCを産生した。
【0359】
DEN17からのEcoRV−SacI断片(位置−21から−1H6プロモーターDE
Nヌクレオチド68−1447)をDEN8VCのEcoRV−SacI断片(ワクシニ
50
(90)
JP 3602844 B2 2004.12.15
ア配列、−21から−124のH6プロモーター、複製の起点およびアミノ末端64%E
、NS1、アミノ末端45%NS2Aヌクレオチド1447−3745)に連結し、DE
N18を産生した。DEN25からのXhoI−EagI断片(ヌクレオチド2579−
4102)をDEN18のXhoI−EagI断片(複製の起点、ワクシニア配列および
DEN C、prM、Eおよびアミノ末端18%NS1を含有する、ヌクレオチド68−
2579)に連結し、DEN26を産生した。DEN8VCからのEcoRV−SacI
断片(位置−21から−1H6プロモーター、ヌクレオチド377−1447)をDEN
26からのEcoRV−SacI断片(カルボキシル末端64%E、NS1およびNS2
Aをコードしヌクレオチド2894でNS1に塩基の欠けたDEN領域、複製の起点およ
びワクシニア配列を含有する)に連結し、DEN32を産生した。DEN32をvP41
10
0に感染した細胞中にトランスフェクションして組換え体vP867を産生した(第20
図)。
【0360】
DEN10からのSacI−XhoI断片(ヌクレオチド1447−2579)をDEN
3中の対応領域と置換して、カルボキシ末端64%E、NS1およびアミノ末端45%N
S2Aをコードし、Eのカルボキシ末端からのATG15aaとSmaI部位を有するD
EN cDNAを含有するDEN11を産生した。DEN11からのSmaI−EagI
断片(カルボキシ末端15aaE、NS1およびアミノ末端45%NS2Aをコードする
、ヌクレオチド2348−3745)をSmaI−EagIで切断したpTP15に連結
し、DEN12を産生した。
20
【0361】
DEN22からのXhoI−EagI断片(ヌクレオチド2579−44929を上述し
たDEN18からのXhoI−EagI断片に連結して、DEN27を産生した。DEN
12からのEcoRV−PstI断片(位置−21から−1H6プロモーターDEN、ヌ
クレオチド2348−3447)を、DEN27からのEcoRV−PstI断片(複製
の起点、ワクシニア配列、H6プロモーター−21から−124およびNS2AとNS2
BをコードするDEN cDNAを含有する)に連結し、DEN31を産生した。
【0362】
DEN8VCからのEcoRV−XhoI断片(カルボキシ末端11aaC、prM E
、アミノ末端18%NS1をコードする位置−21から−1H6プロモーターDENヌク
30
レオチド)をDEN31らのEcoRV−XhoI断片(カルボキシ末端82%NS1、
NS2A、NS2Bをコードし、位置2894でNS1に塩基が存在するDEN cDN
A、ワクシニア配列および複製の起点を含有する)に連結し、DEN35を産生した。D
EN35をvP410感染細胞中にトランスフェクションして組換え体vP955を産生
した(第20図)。DEN33からのEcoRV−SacI断片(カルボキシ末端20a
aC、prMおよびアミノ末端36%Eをコードする位置−21から−1H6プロモータ
ーDENヌクレオチド350−1447)およびDEN32からのSacI−XhoI断
片(カルボキシ末端64%Eおよびアミノ末端18%NS1ヌクレオチドをコードする)
を上述したDEN31からのEcoRV−SacI断片に連結し、DEN34を産生した
。DEN34をvP410に感染した細胞中にトランスフェクションして、組換え体vP
962を産生した(第20図)。オリゴヌクレオチドDEN1(配列認識番号125)、
DEN2(配列認識番号126)、DEN9(配列認識番号127)、DEN10(配列
認識番号128)、SP111(配列認識番号129)、およびSP(配列認識番号13
0)を以下に示す:
【化71】
40
(91)
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10
実施例17−改変NYVACウイルスの構築
ワクシニアの左側末端に近い[C7L−K1L]欠損のサイズを異なる程度に増大せしめ
、右側末端に近い欠損を導入することにより、NYVACを改変した。全ての欠損は、E
.coliグアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子とミコフェノール酸を一過
20
性選択システムで使用することにより行なった。
【0363】
一過性優性選択
環状供与体プラスミドを用いて、リン酸カルシウム沈殿プラスミドDNAをワクシニア感
染ベロ細胞へトランスフェクションする標準方法によりワクシニアウイルスの組換えを行
なった。24時間後、感染細胞を収集して、溶解産物を1マイクログラム/mlのミコフ
ェノール酸(MPA)の存在下で平板培養した。個々のプラークを採取してMPAの存在
下においてベロ細胞で増幅した。ウイルスを収集して、MPAが存在しない条件でプラー
クの採取を2回行なってプラークを精製した。MPAなくして各回で採取したプラークを
ベロ細胞において平板培養し、適切な遺伝子の存在下でフィルターをハイブリダイゼーシ
30
ョンした。
【0364】
NYVAC.1.
vP866(NYVAC)中に存在する[C7L−K1L]欠損を、隣の2つのORFか
ら右側のK2LおよびK3Lを含有するように拡張せしめた。K2LORFに関する推定
の翻訳産生物は、セリンプロテアーゼ阻害剤の類に対する相同性を示す(ボースネル、1
988)。しかしながら、ワクシニアゲノムのこの領域の転写地図作成は発現されない(
マルガンら、1984)。
【0365】
K3Lの翻訳産生物は、セリン(アミノ酸51)ホスホリル化部位に亘り重複する87ア
40
ミノ酸に亘る真核性阻害因子2アルファ(eIF−2アルファ)に対して28%の相同性
を示す。eIF−2アルファのホスホリル化は、インターフェロンにより誘発された抗ウ
イルス状態における段階であり、ワクシニアがインターフェロンの効果を回避する機構に
は、ワクシニアK3L遺伝子産生物が必要であることを示す。ワクシニアのコペンハーゲ
ン菌株からのK3L遺伝子を欠損せしめた(ビーティーら、1991)。産生したウイル
スは、タンパク質合成のウイルス誘発の阻害とウイルス複製の阻害により測定されるよう
な生体外インターフェロンに対して増大した感度を示した。これにより、ワクシニアウイ
ルスからのK3Lの欠損は、ワクチン接種の合併症の場合にはインターフェロンにより制
御されるより安全なワクチン菌株となることが示される。
【0366】
50
(92)
JP 3602844 B2 2004.12.15
C7LからK3Lが欠損したプラスミドpMPC7K3GPTの構築
[C7L−K3L]欠損を側腹に有する左右ワクシニアアームを別々に組み立てた。左ア
ームをpSD420から誘導し(パーカスら、1990)、中間欠損プラスミドpMP2
56/257中に組み立てた(パーカスら、1991)。合成オリゴヌクレオチドNPS
YN379(配列認識番号131)、MPSYN380(配列認識番号132)
【化72】
10
を、テンプレートとしてプラスミドpSD420を用いたPCR反応におけるプライマー
として用いた。差錬成した0.14kb断片をHindIII/BglIIで切断し、p
MP256/257に挿入して、プラスミドの左アームを置換した。産生したプラスミド
をpMP379/380と称した。0.7kb SalI/BamHI断片をpSD42
0から単離して、SalI/BamHIで切断したpMP379/380に連結し、プラ
スミドpMPC7F4を形成した。
【0367】
K3Lの右側の配列を含有する右側欠損接合部を構築するために、合成オリゴヌクレオチ
ドMPSYN381/MPSYN382(配列認識番号133/配列認識番号134)
20
【化73】
をアニールしてBamHI/EcoRIで切断したpUC8に連結し、プラスミドpMP
381/382を形成した。1.0kb HpaI(部分的)/EcoRV断片をクロー
ニングしたワクシニアHindIII Kから単離して、pP381/382に連結し、
全縁右側ワクシニアフランキングアームを含有するプラスミドpMPK3Rを形成した。
左側ワクシニアフランキングアームを0.8kb BglII(部分的)/HindII
I断片としてのpMPC7F4から単離して、BamHI/HindIIIで切断したp
30
MPK3Rに挿入した。産生したプラスミド、pMPC7K3は、14遺伝子[C7L−
K3L]が欠損している。
【0368】
選択可能なマーカーとしての使用のために、グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ
(Ecogpt)をコードするE.coli遺伝子(プラットら、1983)を、ポック
スウイルスプロモーターの制御下で配した。昆虫ポックス42kDaタンパク質をコード
する遺伝子から直接上流の31bpプロモーター要素は、感染後の初期に組換えワクシニ
アウイルスの強力な真プロモーターとして機能できる。31bp EPV42kDaプロ
モーターを含有するアニールした合成オリゴヌクレオチドMPSYN369/370(配
列認識番号135/配列認識番号136)
40
【化74】
を、pBS−SKバックグラウンドのEcogpt遺伝子ら上流に連結し、プラスミドp
50
(93)
JP 3602844 B2 2004.12.15
MP42GPTを産生した。42kDaプロモーター/Ecogpt遺伝子発現カセット
を含有するSmaI断片をpNP42GPTから単離して、pUC/ワクシニア接合部で
のSmaI部位のワクシニア欠損プラスミドpMPC7K3に挿入した。産生したプラス
ミド、pMPC7K3GPTをvP866(NYVAC)中にトランスフェクションした
。一過性優性選択システムにおける組換えの中間産生物の選択に関して培養培地にミコフ
ェノール酸を用いた(フォークナーら、1990)。選択的な圧力の除去後に、K2L DNA配列の損失したプラークハイブリダイゼーションとK4Lの保持により、後代ウイ
ルスをスクリーニングした。欠損接合部の適合度をPCRおよびDNA制限および配列分
析により確認した。組換えワクシニアウイルスvP954(NYVAC.1.)は、[C
7L−K3L]欠損、並びにNYVACに存在する他の欠損(TK、HA、ATI、I4
10
L、[B13−B14])も含有する。
【0369】
NYVAC.2.
NYVACに存在する[C7L−K1L]欠損を、38のORF、[C23L−F4L]
の合計を含有するように両方向に拡張した。これは以前にワクシニア欠損変異体vP79
6に報告した同一の欠損である(パーカスら、1991)。拡張した欠損領域で除去した
著しいORFは、NYVAC欠損の左側に位置するワクシニア増殖因子(VGF;C11
R)を含有する。VGFの2つのコピーを含有するワクシニアのWR菌株と対称的に、C
11Rは、ワクシニアのコペンハーゲン菌株中のVGFをコードする唯一のORFである
。WRからのワクシニア増殖因子の両方のコピーの欠損は、家ウサギの皮内接種で皮膚の
20
外傷の酷さを除去し、マウスのウイルスの神経毒性を減少することが示されている(バラ
ーら、1988)。[C23L−F4L]欠損における右側のORF、F4Lは、リボヌ
クレオチドレダクターゼの小さなサブユニットの遺伝子をコードする(スラボーら、19
88)。この欠損にはORF F2Lが含まれ、これは、E.coli dUTPase
、ヌクレオチド配列に必要な別の酵素に対する相同性を示す(ゲーベルら、1990a、
b)。F2Lはまたレトロウイルスプロテアーゼに対する相同性を示す(スラボーら、1
989)。
【0370】
C23LからF4Lの欠損したプラスミドpMPTRF4GPTの構築
ワクシニア欠損変異体vP796の産生に中間体として使用したプラスミドpMPLEN
30
DΔ(パーカスら、1991)を、pUC/ワクシニア接合部でEPV42kDaプロモ
ーター/Ecogpt遺伝子を含有するSmaI発現カセットを添加することにより改変
した。産生したプラスミド、pMPTRF4GPTをNYVAC中にトランスフェクショ
ンした。MPAを用いた選択後に、F4L DNA配列の損失のためのプラークハイブリ
ダイゼーションとF5Lの保持によりスクリーニングした。PCRおよびDNA制限分析
により、欠損接合部の適合度を確認した。組換えウイルスvP938(NYVAC.2.
)は、[C23L−F4L]欠損並びにNYVAC中に存在する他の欠損を含有する。
【0371】
ORF B13R−B29Rの欠損
NYVAC中に存在するu欠損[B13R−B14R]を、右側の全てのORF、17の
40
ORF[B13R−B29R]の合計を含有するように拡張せしめた。これは、以前に報
告したワクシニア欠損変異体vP759中の同一の欠損である(パーカスら、1991)
。拡張欠損領域は、その産生物が互いに20%のアミノ酸同一性を示す2つの遺伝子を含
有する(スミスら、1991)。これらの遺伝子産生物をコードするORFは、コペンハ
ーゲンのB16RとB19Rを示し(ゲーベルら、1990a、b)、これらはそれぞれ
WR菌株中のORF B15RとB18Rに対応する(スミスら、1991)。両方の遺
伝子産生物が典型的なシグナル配列を含有するワクシニアのWR菌株とは違って、コペン
ハーゲンORF B16の予期した翻訳産生物をアミノ末端で切断されている。B19R
は、感染後初期に発現されたワクシニア表面タンパク質(S抗原)をコードした(ウエダ
ら、1990)。B16RとB19Rの両者は、免疫グロブリン上科、特にIL−1受容
50
(94)
JP 3602844 B2 2004.12.15
体に対する相同性を示す。ワクシニア遺伝子産生物の1つまたは両方は、ワクシニアが、
シトキン(cytokines)を結合せしめ、それゆえ宿主炎症応答を減少せしめるこ
とにより免疫システムを避けるのを助けることが示唆されている(スミスら、1991)
。
【0372】
B13RからB29Rの欠損したプラスミドpNPTRB13GPTの構築
ワクシニア欠損変異体vP759およびvP811の産生に中間体として用いたプラスミ
ドpMPRENDΔ(パーカスら、1991)を、pUC/ワクシニア接合部でEPV4
2kDaプロモーター/Ecogot遺伝子を含有するSmaI発現カセットの添加によ
り改変した。産生したプラスミド、pMPTRB13GPTをNYVAC中にトランスフ
10
ェクションした。MPAを用いた選択の後に、B15DNA配列の損失したプラークハイ
ブリダイゼーションとB12の保持により、後代ウイルスをスクリーニングした。PCR
とDNA制限分析により欠損接合部の適合度を確認した。組換えウイルスvP953は、
[B13R−B29R]欠損並びにNYVAC中に存在する他の欠損を含有する。
【0373】
左側[C23L−F4L]欠損と右側[B13R−B29R]欠損の結合
ワクシニアウイルスの左側[C23L−F4L]と右側[B13R−B29R]末端の両
方で欠損を含有する、真ワクシニア欠損変異体vP811の産生を記載した(パーカスら
、1991)。vP811は、ワクシニア宿主域遺伝子、C7Lおよび選択可能マーカー
Ecogptの両者を含有する。NYVACバックグラウンド中にC7LまたはEcog
20
ptを有さない巨大末端欠損を含有するウイルスを産生するために、vP953による組
換えの供与体プラスミドとしてpMPTRF4GPTを用いた。後代ウイルスは上述した
一過性優性選択システムにおいてMPAにより選択され、F4L DNA配列の損失した
プラークハイブリダイゼーションとF5Lの保持によりスクリーニングされている。組換
えウイルスvP977は、[B13R−B29R]および[C23R−F4L]の欠損並
びにNYAVC中に存在する他の欠損を含有する。vP811のように、vP977は、
ワクシニア末端反復のコピーの両方からの全ての遺伝子が欠損している。
【0374】
実施例18−宿主制限ポックスウイルスによるHIV遺伝子産生物の発現
この実施例は、HIV−1遺伝子産生物を発現する宿主制限ポックスウイルスの産生を記
30
載するものである。使用したベクターはNYVACとALVACである。
【0375】
細胞およびウイルス
NYVACとALVACウイルスベクターおよびそれらの誘導体を前述したように繁殖せ
しめた(ピッチーニら、1989;テイラーら、1988a、b)。ベロ細胞と初代鶏胚
繊維芽細胞(CEF)を前述したように増殖せしめた(テイラーら、1988a、b)。
P815マウスの肥満細胞種(H−2
d )をATCC(#TIB64)から得て、10
%のウシ胎仔血清CFBSおよび100Iu/mlペニシリンおよび1ml当たり100
μgのストレプトマイシンを補給したイーグルMEM中に保持した。
【0376】
40
マウス
メスBALB/cJ(H−2
d )マウスをジャクソン研究所(ME、バーハーバー)か
ら購入し、不断給餌で保持した。全てのマウスは、生後6から15週間のものを用いた。
【0377】
培地
免疫学的アッセイのアッセイ培地は、10%のFBS、4mMのL−グルタミン、20m
MのHEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタンスルホネート
)、5×10
− 5
Mの2−メルカプトエタノール、1ml当たり100IUのペニシリン
、および100μg/mlのストレプトマイシンを補給したRPMI1640培地からな
るものであった。スチム(stim)は、4mMのL−グルタミン、10
− 4
Mの2−メ
50
(95)
JP 3602844 B2 2004.12.15
ルカプトエタノール、1ml当たり100IUのペニシリン、および1ml当たり100
μgのストレプトマイシンを補給したイーグル最小必須培地からなる。
【0378】
HIV−1(IIIB)エンベロープのエピトープおよびV3ループを含有するALVA
CおよびNYVAC組換え体
HIV−1(IIIB)のV3ループを包含する150bp(アミノ酸299−344;
ジャブヘリアンら、1989)を、テンプレートとしてのpHXB.2D(III)を有
するオリゴヌクレオチドHIV3BL5(配列認識番号137)
【化75】
10
およびHIV3BL3(配列認識番号138)
【化76】
(MD.ベセスダ、NCI−NIH、Dr.R.C.ガロにより供給された)を用いたP
CRにより誘導した。オリゴヌクレオチドHIV88A(配列認識番号139)
【化77】
20
およびHIV88B(配列認識番号140)
【化78】
をともにアニールして、HIV−1エピトープ88を含有する二本鎖断片を産生した(ア
ミノ酸95−105、シャファーマンら、1989)。相補性配列の存在によるPCRに
より、エピトープを含有する150bp V3含有PCR断片および88エピトープ配列
を含有する42bp断片をともに融合せしめた。この反応はオリゴヌクレオチドHIV8
30
8C(配列認識番号141)(5′−AGTAATGTGACAGAAAATTTTAA
C−3′)およびHIV3BL3(配列認識番号138)を用いて行なった。192bp
PCR誘導断片は、V3ループ配列の上流で融合したエピトープ88配列を含有する。
終止コドン(TAA)をオリゴヌクレオチドHIV3BL3Pに含有せしめ、読取り枠の
翻訳を終止し、開始コドンを翻訳の開始として機能するオリゴヌクレオチドHIV88C
に含有せしめ、エピトープ88/V3ループ融合タンパク質を発現した。加えて、オリゴ
ヌクレオチドHIV3BL3を、EcoRI部位が192bp PCR断片の3′末端に
存在するように合成した。テンプレートとしてプラスミド、pAM12とともに、オリゴ
ヌクレオチドRG273(配列認識番号142)(5′−AGGCAAGCTTTCAA
AAAAATATAAATGATTC−3′)およびRG274(配列認識番号143)
40
(5′−TTTATATTGTAATTATATATTTTC−3′)を用いたPCRに
より、昆虫ポックスウイルス42kDa(初期)プロモーターを産生した。42kDaプ
ロモーターを含有する108bp断片を、5′末端にHindIII部位を含有するよう
に合成した。断片を含有する42kDaをキナーゼして、EcoRIで切断したエピトー
プ88/V3断片とHindIIIとEcoRIで切断したpRW831に連結する前に
HindIIIで切断した。産生したプラスミドをpC5HIVL88と称した。このプ
ラスミドを、治療ウイルスとしてのCPppとともに生体外組換えアッセイにおいてvC
P95を産生した。ALVAC組換え体、vCP95は、CPppのde−ORFed C5座にエピトープ88/V3ループを含有する。
【0379】
50
(96)
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プラスミドpC5HIVL88をHindIIIとEcoRIで切断して、叙述したエピ
トープ88/V3発現カセットを含有する300bp断片を離生した。この断片をLMP
−アガロースゲルから切除して、フェノール抽出(2×)とエーテル抽出(1×)により
単離した。2mMのdNTPの存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断
片を用いて、単離した断片をブラントエンドした。断片をpSD550に連結し、pSD
548からの誘導体(第6図)をSmaIで切断してプラスミドpHIVL88VCを産
生した。このプラスミドを治療ウイルスとしてのvP866とともに用いてvP878を
産生した。vP878は、NYVACのde−ORFed I4L座にエピトープ88/
V3ループカセットを含有する。
【0380】
10
HIV−1(IIIB)エンベロープ糖タンパク質を発現するALVACおよびNYVA
Cベースの組換え体
ワクシニアウイルスH6プロモーターに3′が隣接したHIV−1(IIIB)env遺
伝子からなる発現カセット(グオら、1989;テイラーら、1988a、b)を、AL
VACおよびNYVACベクターによりHIV−1からgp160の発現に関して操作し
た。オリゴヌクレオチドHIV3B1(配列認識番号144)
【化79】
およびHIV3B5(配列認識番号145)
20
【化80】
を用いて1.4kb断片をpHXB.2D(III)(MD、ベセスダ、NCI−NIH
、Dr.R.C.ガロにより供給された)から増幅せしめた。この断片は、env遺伝子
の3′部分を含有する。これらのプライマーによるPCR増幅は、コード配列の後にワク
シニアウイルス初期転写終止T5NT配列モチーフを配し、アミノ酸配列を改変すること
なく位置6146から6152に位置したT5NTモチーフ(ラトナー、1985)を除
去した。この変化(TからC)は、この位置にEcoRI(GAATTC)を産生する。
この1.4kb断片をEcoRI(5′末端)とXbaI(3′末端)で切断し、Eco
30
RIとXbaIで切断したpBS−SK(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に挿入した
。産生したプラスミドをpBSHIVENV1、5と称した。この断片のヌクレオチド配
列分析により、配列は位置7848でのTからCの塩基転移を除いて完全に正確であるこ
とが示された。この塩基転移は以下のように正確であった:テンプレートとしてのpHX
B.2D(III)とともにオリゴヌクレオチドHIV3B1(配列認識番号144)
【化81】
およびHIV3B17(配列認識番号146)
【化82】
40
を用いてPCRにより250bp断片を誘導した。この断片をBglIIとEcoRIで
切断した。この断片を、GglIIとEcoRIで切断したpBSHIV3B1、5に挿
入し、それゆえ不正確なヌクレオチドノ領域と置換してプラスミドpBSHIV3BBP
を産生した。
【0381】
テンプレートとしてのpHXB.2D(III)とともにオリゴヌクレオチドHIV3B
9(配列認識番号147)
【化83】
50
(97)
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およびHIV3B10(配列認識番号148)
【化84】
を用いたPCRにより、env遺伝子の5′部分を含有する150bp断片を誘導した。
オリゴヌクレオチドVVH65P(配列認識番号149)
【化85】
10
およびVVH63P(配列認識番号150)
【化86】
を用いたPCRによりpC3FGAGからのワクシニアウイルスH6プロモーターを含有
する128bp断片を産生した。両方の断片をKpnIで切断し、これらの断片をKpn
Iで切断したpBS−SKに挿入する前に、150bp断片をキナーゼした。産生したプ
ラスミドをpBSH6HIV3B5Pと称した。
【0382】
20
オリゴヌクレオチドHIV3B2(配列認識番号151)
【化87】
およびHIV3B7(配列認識番号152)
【化88】
を用いたPCRにより、pHXB.2D(III)からの600bp断片を産生した。こ
の断片をEcoRIで切断し、キナーゼした。同一のテンプレートであるが、オリゴヌク
30
レオチドHIV3B6(配列認識番号153)
【化89】
およびHIV3B8(配列認識番号154)
【化90】
を用いたPCRにより、500bp断片を誘導した。この断片をKpnIで切断した。こ
れらの断片は、ヌクレオチド5878から6368にともに対応するものである(ラトナ
40
ーら、1985)。これらのプライマーによりこれらの断片の操作はまた、アミノ酸配列
を改変することなく、ヌクレオチド6332から6328に位置するT5NT配列を除去
する。これらの2つの断片をKpnIとEcoRIで切断したpBSHIV3B3Pに挿
入した。このプラスミドをpBSHIV3BP2768と称した。
【0383】
プラスミドpBSH6HIV3B5PをKpnIで切断し、HIV−1 env遺伝子の
5′部分(150bp)およびH6プロモーターを含有する360bp断片を離生した。
このKpnI断片をKpnIで切断したpBSHIV3BP2768に連結し、プラスミ
ドpBSHIV3BEAIIを産生した。XbaIの切断と続いての部分的なKpnIの
切断により2.8kb断片をpBSHIV3BEAIIから誘導した。この断片をブラン
50
(98)
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トエンドし、SmaIで切断したpSD550に挿入した。プラスミドpI4LH4HI
V3Bを産生し、治療ウイルスとしてのvP866とともに生体外組換え実験に用いた。
これにより、NYVACゲノムのI4L座にHIV−1 env遺伝子を含有するvP9
11が産生せしめられた。
【0384】
HIV−1 evn遺伝子をALVACベクターに挿入するために、pBSHIV3BE
AIIをNruIとXbaIで切断した。2mMのdNTPの存在下でE.coli D
NAポリメラーゼのクレノウ断片で誘導した2.7kb断片をブラントエンドした。この
断片は、ワクシニアH6プロモーターの3′末端側の21bp(NruI部位に対して)
に3′が隣接した全縁HIV−1 env遺伝子を含有する。pRW838のNruIと
10
EcoRIによる切断と続いてのクレノウによるブラントエンドにより誘導した3.1k
b断片に、この断片を連結した。pRW838誘導断片は、カナリヤポックスから誘導し
た相同アームを含有し、異種遺伝子をC5座に向ける。この断片はまた、H6プロモータ
ーの5′末端側の100bpを含有する。それゆえ、これらの断片の連結により、HIV
−1 env遺伝子の発現カセットを含有する挿入プラスミドが産生され、これをpC5
HIV3BEと称した。治療ウイルスとしてとALVACによる生体外組換え実験にこの
プラスミドを用いてvCP112を産生した。
【0385】
HIV−1(IIIB)gp120を発現するNYVACベースの組換え体
プラスミドpBSHIV3BEAIIをEcoRIとXbaIで切断し、4.3kb断片
20
を離生した。この断片は、HIV−1 env遺伝子に連結したワクシニアウイルスH6
プロモーターからヌクレオチド6946を含有する(ラトナーら、1985)。4.3k
b断片を、gp120コード配列の3′部分に対応する300bpのEcoRI/Xba
I切断PCR誘導断片に連結した。テンプレートとしてのpHXB.2Dとともにオリゴ
ヌクレオチドHIV1−120A(配列認識番号155)
【化91】
30
およびHIV1−120B(配列認識番号156)
【化92】
を用いて300bp PCR断片を誘導した。4.3kb XbaI/EcoRI断片と
300bp XbaI/EcoRI断片の連結により、プラスミドpBSHIVB120
を産生した。
【0386】
最初にプラスミドをXbaIで線状化して続いて部分的にKpnI切断により1.6kb
のKpnI/XbaI断片をpBSHIVB120から誘導した。2mMのdNTPの存
40
在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片による処理でブラントエンドし
た。この断片をSmaIで切断したpSD54IVCに挿入し、pATIHIVB120
を産生した。このプラスミドを生体外組換え実験に用いてvP921を産生した。この組
換え体は、NYVACのATI座においてgp120をコードするHIV−1 env遺
伝子の部分を含有する。
【0387】
免疫沈降
vP911、vP921およびvCP112により発現されたHIV−1遺伝子産生物の
真正を決定するために、免疫沈降分析を行なった。ベロ細胞単層を、10PFU/細胞の
m.o.i.で、疑似感染、親ウイルスvP866、または組換えウイルスに感染せしめ
50
(99)
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た。1時間の吸着期間後、接種物を吸引して、細胞に2mlのMEM(2%のFBSおよ
び[
3 5
S]−メチオニン(20uCi/ml)を含有するマイナスメチオニン)を添加
した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス pH7.4、15
0mMのNaCl、3mMのEDTA、0.03%のNa Azide、および0.6m
g/mlのPMSF)を添加して続いて細胞単層を書き取ることにより、感染から18時
間後に細胞を収集した。
【0388】
感染細胞から誘導した溶解産物を、HIV−1血清陽性個体(MD、NCI−NIH、D
r.ゲノベファフランチーニから得た)から採取した血清を用いてHIV−1 env遺
伝子発現に関して分析した。この血清をvP感染ベロ細胞で前に吸着せしめた。前に吸着
10
せしめたヒトの血清を4℃の1晩のインキュベーションによりタンパク質Aプロテアーゼ
に結合せしめた。ある場合には、gp120に特異的な単クローン性抗血清(デュポン)
を第1血清として用い、第2抗体としてラット抗マウスを用いた。このインキュベーショ
ン期間の後に、物質を1×の緩衝液Aで4回洗浄した。次いでタンパク質Aセファロース
に結合した血清陽性の個体からのヒトの血清とともに、通常のヒト血清とタンパク質Aセ
ファロースにより前に浄化した溶解産物を4℃でインキュベーションした。1晩のインキ
ュベーション期間の後に、試料を、1×緩衝液Aと2×LiCl2 /尿素緩衝液で4回
洗浄した。2×のラエムリス緩衝液(125mMのとリス(pH6.8)、4%のSDS
、20%のグリセロール;10%の2−メルカプトエタノール)を添加し、5分間沸騰せ
しめることにより、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離した。タンパク質を10%
20
のドリファスゲルシステム(ドリファスら、1984)で分画し、固定し、蛍光光度法の
ために1MのNa−サリチル酸
塩で処理した。
【0389】
HIV−1血清陽性個体から採取した血清を用いた免疫沈降の結果により、vP911巻
戦災房溶解産物からのgp160エンベロープ糖タンパク質のgp120およびgp41
熟成形状の特異的な沈殿が示された。親(NYVAC;vP866)感染細胞溶解産物に
はそのような特異的遺伝子産物を検出されなかった。gp120の特異的沈殿はまたvP
921感染細胞溶解産物にも見られた。
【0390】
30
同一の血清による免疫沈降分析により、それぞれvP911およびvP921により発現
されたgp160およびgp120種は、感染細胞の表面に存在したことが示された。
【0391】
免疫沈降を、vCP112感染細胞に関しても行なった。ALVAC親ウイルスに感染し
た細胞および未感染細胞からのgp120細胞外部分に対して向けられた単クローン性抗
体に関しては、HIV−特異的ポリペプチドは沈殿しなかった。しかしながら、2つのH
IV特異的ポリペプチド種は、vCP112感染細胞からは沈殿した。これらの種は、そ
れぞれ前駆体env遺伝子産生物および熟成細胞外形状に対応する160kDaおよび1
20kDaの明確な移動度で移動した。
【0392】
40
接種
外側の尾の静脈により、0.1mlの食塩加リン酸緩衝液中5×10
7 プラーク形成単
位(PFU)をマウスに静脈接種せしめた。
【0393】
脾臓細胞調製
頸部の脱臼による安楽死の後に、ハンクス平衡塩溶液を含有する無菌のプラスチックバッ
グに、マウスの脾臓を移した。単一の実験群からの個々の脾臓または採取した脾臓を、ス
トマッチャーブレンダー中での1分間のサイクルにより1つの細胞懸濁液に処理した。脾
臓細胞懸濁液を、アッセイ培地またはスチム培地のいずれかで適切に数回洗浄した。血球
計算盤および顕微鏡を用いて、トリパンブルー染料排除により、またはカトラーカウンタ
50
(100)
JP 3602844 B2 2004.12.15
ーの使用により脾臓細胞を枚挙した。
【0394】
血清
マウスにエーテルで軽く麻酔をかけ、血液をレトロオービタル集網から採取した。実験群
からなるマウスからの血液を採取し、凝固せしめた。血清を採取し、使用まで−70℃で
貯蔵した。
【0395】
二次細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の産生のための生体外刺激
様々な実験群(応答細胞)から採取した脾臓細胞をスチム培地中で5×10
6 細胞/m
lまで希釈した。同系の未経験のマウス(スティミュレーター)からの脾臓細胞を、1m
l当たり1×10
7 10
まで希釈して、細胞当たり25pfuのm.o.i.で適切なワク
シニアウイルスにより37℃で2%のFBSを含有する組織培養培地中において1時間、
感染せしめた。感染後、スティミュレーター細胞をスチム培地中で数回洗浄し、スチム培
地により1ml当たり1×10
6 と5mlの反応細胞を、25cm
細胞まで希釈した。5mlのスティミュレーター細胞
3 の組織培養フラスコに加え、5%のCO2 中で3
7℃、直立して5日間インキュベーションした。アッセイの日に、脾臓細胞をアッセイ培
地中で数回洗浄し、顕微鏡を使用したトリパンブルーの血球計算盤で数えた。
【0396】
標的細胞の調製
ワクシニア特異的CTL活性に関して、組織培養細胞を、37℃で1時間に細胞当たり2
20
5pfuのm.o.i.での2%のFBSを含有する組織培養培地中に1ml当たり1×
10
7 細胞でのインキュベーションにより一晩感染せしめる。インキュベーション後、
細胞を、10%のFBSを含有する組織培養培地により1ml当たり1−2×10
6 細
胞の間に希釈し、使用するまでさらに5%のCO2 中でインキュベーションした。HI
V特異的CTL活性に関して、組織培養細胞を、それぞれHIV−1単離体IIIB 、
SF2、およびMNのgp120のV3ループ領域に対応する20μg/mlのペプチド
HBX2(MA、ケンブリッジ、アメリカンバイオテクノロジーズ)、SF2(MA、ケ
ンブリッジ、アメリカンバイオテクノロジーズ)、またはMN(MA、ケンブリッジ、ア
メリカンバイオテクノロジーズ)で一晩インキュベーションした。アッセイの日に、アッ
セイ培地中での遠心分離により標的を数回洗浄した。最後の洗浄後、約100μCiのN
a2 5 1
CrO4 (
5 1
30
Cr)中で再懸濁せしめた。37℃での1時間のシンキュベ
ーション後、遠心分離によりアッセイ培地中で少なくとも3回洗浄し、血球計算盤上で計
測し、アッセイ培地中で1×10
5 /mlに希釈した。
【0397】
細胞傷害性アッセイ
一次CTLアッセイに関して、新鮮に調製した脾臓細胞を1ml当たり1×10
7 細胞
までアッセイ培地で希釈した。二次CTLアッセイに関して(生体内接種または生体外刺
激のいずれかの後の)、脾臓細胞をアッセイ培地中で2×10
6 /mlまで希釈した。
0.1mlの脾臓細胞懸濁液を、96ウェル(well)の丸底マイクロタイタ板(EX
P)のウェル中で
5 1
Cr標識標的細胞に加えた。ほとんどの場合、第1のCTL活性に
40
関してアッセイされる脾臓細胞は、標的細胞の添加の前に、マイクロタイタ板のウェル中
でさらに2倍に希釈した。
5 1
Cr(SR)の自発的放出の測定の場合、標的細胞をアッ
セイ培地のみでインキュベーションした。
5 1
Cr(MAX)の最大放出を測定するため
に、アッセイの初めに、0.1mlの10%ナトリウムドデシル硫酸塩を適切なウェルに
加えることにより、標的細胞を慎重に溶解せしめた。アッセイを開始するために、マイク
ロタイタ板を2分間200×gで遠心分離し、5%のCO2 中、37℃で4、5時間イ
ンキュベーションした。インキュベーション後、各ウェルの培養上澄みを、スカトロン上
澄み採取システムを用いて採取した。ベックマン5500Bガンマカウンターにより放出
した
5 1
Crを測定した。特異的細胞傷害性のパーセントは、以下の式によるカウントか
ら決定した:
50
(101)
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細胞傷害性%=(EXP−SR)/(MAX−SR)×100
単クローン性抗CD4と単クローン性抗CD8を用いたTヘルパー細胞と細胞傷害性Tリ
ンパ球の欠損
抗CD4(単クローン性抗体172.4)の1:5の希釈物または抗CD8(単クローン
性抗体抗Lyt2.2)の1:200の希釈物およびセダーレインロー−トックス家ウサ
ギ補体の1:16の希釈物を含有する細胞傷害性培地(0.2%のBSAおよび5mMの
HEPESを含有するRPMI1640)中で10
7 /mlの密度に脾臓細胞懸濁液を
希釈した。単一成分の適切な対照(補体、抗CD4、抗CD8)を含有した。
【0398】
抗HIV−1 gp160 ELISA
10
ELISA板のウェル(イムロンII)を、炭酸塩緩衝液、pH9.6中で100ngの
精製HIV−1 gp160(NC、ダーハム、デューク大学、Dr.D.ボログネシー
により提供された)により4℃で一晩被膜した。次いでその板を、0.05%トイーン2
0を含有する食塩加リン酸緩衝液(PBST)により洗浄した。次いでその板を、1%の
子牛血清アルブミン(BSA)を含有するPBSTで37℃で2時間ブロックした。PB
STによる洗浄後、0.1%のBSAを含有するPBST(希釈緩衝液)で血清を最初に
1:20に希釈した。ELISA板のウェル中で血清をさらに2倍に希釈した。板を37
℃で2時間インキュベーションし、PBSTで洗浄した。ウサギ抗マウスムノグロブリン
(DAKO)に接合したホースラディッシュペルオキシダーゼを、希釈緩衝液出1:20
00に希釈史、ELSA板のウェルに加え、37℃で1時間シンキュベーションした。P
20
BSTでの洗浄後、基質緩衝液中のOPD(o−フェニレンジアミンジヒドロクロライド
)を加え、約20分間周囲温度で色を呈させた。2.5MのH2 SO4 の添加により
、反応を終わらせた。バイオテックEL−309ELISAリーダーで490nmでの吸
収を測定した。血清の終端は、1.0の吸収値を与えた希釈の逆数として定義した。
【0399】
リンパ球増殖反応測定
各マウスからの脾臓細胞の単一の細胞懸濁液をアッセイ培地で2×10
6 /mlまで希
釈し、アッセイ培地のみ、1、5、または10μgのHIV−1ペプチドT1、1、5、
または10μgのHIV−1ペプチドT2、および1、または10μgの精製HIV−1
gp160(イムノ)を含有する96ウェル、平底マイクロタイタ板のウェルに加えた
30
。細胞を5%のCO2 中、37℃で5日間インキュベーションした。最終の6時間のイ
ンキュベーションのために、1.0はμCiの[
3 H]−チミジンまを各ウェルに加え
、ケンブリッジPHD細胞収集器を用いてベックマンレディーフィルターに収集した。フ
ィルターディスクを液体シンチレーションカウンター中でドライカウントした。
【0400】
刺激指数=CPMEXP /CPMMEDIUM
結果:HIV gp120を発現する組換えワクシニアウイルスは、一次HIV特異的細
胞傷害性Tリンパ球活性を誘発する
5×10
7 PFUのワクシニアウイルス組換え体vP878、vP911、またはvP
921、または、対照としてのNYVACベクターでのiv投与の後に、ペプチドHBX
40
2で一晩インキュベーションした有性生殖P815細胞に対して、BALB/cマウスの
脾臓CTL活性を評価した(表20)。HIV gp120を発現するvP921を投与
したマウスの脾臓において、適度であるが、著しい(P<0.05)の一次CTL活性が
産生された。どの法の組換えワクシニアウイルスまたはNYVAC親ベクターも、一次H
IV特異的CTL活性を誘発できなかった。これは、一次ワクシニア特異的CTL活性に
応答したワクシニアウイルスをマウスの各群に投与したときの不適切な感染のためではな
かった。対照である、免疫しなかったマウスも標的には応答しなかった。
【0401】
HIV envペプチドを発現する組換えポックスウイルスは、HIV特異的記憶細胞傷
害性Tリンパ球を産生する
50
(102)
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組換えワクシニアウイルスの1つを1回接種してから少なくとも1か月後、マウス脾臓細
胞を、NYVACまたは各HIV組換えワクシニアウイルスに事前に感染した有性生殖未
経験脾臓細胞で生体外刺激した(表21)。vP878、vP911、またはvP921
で免疫したマウスの脾臓細胞培養においてのみ強いHIV特異的CTL活性検出され、こ
の培養細胞は、同一のワクシニアウイルスHIV組換え体(vP878、vP911、ま
たはvP921)のうちの1つに感染した細胞で生体外で再刺激された。HIV gp1
20またはgp160を発現するワクシニアウイルス組換え体は、88エピトープに融合
されるV3ループのみを発現するワクシニアウイルス組換え体よりも良好に記憶CTLを
産生できた。HIV特異的記憶CTL活性は、免疫しなかった対照またはNYVAC免疫
脾臓細胞からは誘発できなかった。使用したいかなるワクシニアウイルスに感染した脾臓
10
細胞での生体外刺激の後に明確であったので、ワクシニア特異的記憶CTL活性がベクタ
ー免疫したマウスにはないことは乏しい免疫のためではなかった。
【0402】
同様の研究において、88エピトープ(vCP95)に融合されるV3ループ領域を発現
するカナリヤポックス組換え体のHIV特異的記憶CTLを産生する能力を試験した(表
22)。10
8 PFUのvCP95またはALVACベクターの1回の接種から3週間
後、HIV特異的記憶CTL応答、CPppを、組換えワクシニアウイルスアナログ、v
P878により誘発された応答と比較した。ワクシニアおよびカナリヤポックスCTL応
答は、適切な免疫の対照として含んだ。vP878およびvCP95面液化マウスからの
脾臓細胞のみが、vP878により刺激されたHIV特異的記憶CTL活性を示した。機
20
能的な細胞溶解性CTLに対して、存在する記憶CTLを刺激するvCP95の不能は、
ワクシニアウイルス組換え体の使用に基づいて最大にせしめられた生体外条件に関連する
。いうまでもなく、vCP95は、免疫マウスの脾臓中に著しいHIV特異的記憶CTL
を産生することができた。
【0403】
生体外刺激細胞傷害性細胞の特徴付け
HIVペプチド瞬間標的細胞に対して細胞傷害性を介在する細胞が、ナチュラルキラー細
胞のようなCTLに関連のない非特異的エフェクター細胞の個体群を表すことが考えられ
る。このことを試験するために、vP921で免疫し、vP921感染脾臓細胞で生体外
刺激したマウスの脾臓細胞は、Tヘルパーリンパ球(CD4)または細胞傷害性リンパ球
30
(CD8)のTリンパ球結果表面抗原特性が枯渇しており、V3ループペプチド瞬間標的
細胞に対してアッセイした(表23)。前述したように、vP911面液化したマウスの
みが、vP921感染有性生殖脾臓細胞で生体外刺激できる記憶HIV特異的CTL活性
を示した。補体調製(C′)および単クローン性抗CD4および抗CD8はある程度毒性
効果を示したが、CD8結果細胞(抗CD8+C′)が枯渇した培養のみがHIV特異的
細胞傷害性エフェクター細胞が枯渇している。それゆえ、HIVペプチド瞬間標的細胞に
対する細胞介在細胞傷害性活性は、その細胞膜上に、MHC科I制限CTLの特性である
、CD8抗原を有した。
【0404】
HIV gp120のV3ループ領域のCTL抗原受容体認識の特異性
40
Tリンパ球抗原受容体は、エピトープ断片の主要アミノ酸配列における小さな改変に対し
て鋭敏に感度を有する。HIV gp120のV3領域は、超可変性であり、免疫学的に
HIV単離体の中でも異なる。この超可変性は、いくつかのアミノ酸の置換および添加に
ある。HIVワクシニアウイルス組換え体により産生された細胞傷害性細胞の特異性を試
験するために、HIV単離体IIIB 、SF2、およびMNのV3ループ領域に対応す
るペプチドをパルスしたP815標的細胞の中でCTL活性に対する感受性を比較した。
vP911およびvP921による免疫のみがHIV特異的一次CTL活性を誘発した(
表24)。さらに、HIV特異的CTL活性は、HIV単離体IIIB のV3ループに
対応するペプチドでパルスしたP815標的細胞のみに限られた。ワクシニアウイルス組
換え体vP8787、vP911およびvP921による免疫により誘発された生体外刺
50
(103)
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激したHIV特異的二次CTL活性に関して同様の結果が得られた(表25)。それゆえ
、HIV単離体IIIB のenv遺伝子の様々な部分を発現する組換えワクシニアウイ
ルスにより誘発されたHIV特異的CTLは、同一の抗原単離体から誘導された標的エピ
トープのみを認識する。
【0405】
ワクシニアウイルスHIV組換え体により免疫後のHIVエピトープに対するリンパ球増
殖応答
抗原に対するリンパ球増殖は、細胞性免疫の生体外体件(correlate)である。
適切な抗原の提示は、抗原の受容体を発現する細胞の免疫個体群において細胞増殖を誘発
する。増殖の開始と継続には、溶性媒介物によるTヘルパーリンパ球の介在が必要である
10
。HIV抗原を発現する組換えワクシニアウイルスで免疫したマウス中のHIV抗原に対
する細胞性免疫を評価するために、27日前に免疫したマウスからの脾臓細胞を、T1 およびT2 と称するTヘルパーリンパ球エピトープに関連するペプチド、並びに精製H
IV gp160で5日間インキュベーションした(表26)。脾臓細胞培養では、Tヘ
ルパー細胞エピトープT1 およびT2 に対する増殖応答は観察されなかった。しかし
ながら、vP921で事前に免疫したマウスの脾臓細胞は、[
3 H]−チミジンの包含
により測定されるように、HIV gp160に活発に応答した。2.0より大きな刺激
指数(SI)は免疫性を示すと考えられる。それゆえ、vP921によるマウスの接種は
、HIV gp160に対する細胞性免疫を誘発した。
【0406】
20
ワクシニアウイルスHIV組換え体を接種したマウスの抗体応答
HIVに対する液性免疫応答を評価するために、マウスを0日にワクシニアウイルスHI
V組換え体の1つで免疫し、第5週に2回目の免疫を行なった。マウスを最初の免疫から
9週間に亘り様々な間隔で採血した。各処理群から採取した血清を、抗原として精製gp
160を用いたELISAによりHIVに対する抗体についてアッセイした(表27)。
一次抗体応答は、一般的に適度であったが、vP911により誘発された最高水準は、検
出可能であった。二次免疫後に、vP911およびvP921で免疫したマウスの抗体力
価は増大し、第9週にやや減少するまで、それぞれ4,600と3,200を越えた力価
で第7週にピークとなった。それゆえ、2つのワクシニアウイルスHIV組換え体、vP
911およびvP921は、著しい抗体応答を誘発することができた。
【0407】
【表20】
30
(104)
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10
20
【表21】
30
(105)
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10
20
30
【表22】
40
(106)
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10
20
30
40
【表23】
50
(107)
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10
20
【表24】
30
(108)
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10
20
【表25】
30
(109)
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10
20
30
【表26】
40
(110)
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10
20
【表27】
30
(111)
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10
20
30
実施例19−ALVAC、TROVACおよびNYVAC中のHIV−1(ARV−2ま
たはSF−2菌株)env遺伝子の発現
プラスミドの構築
全縁HIV−1(ARV−2またはSF−2菌株)ゲノムを含有するラムダクローンを、
J.レビーにより得て、これは前述したものである(サンチェス−ペスカドールら、19
85)。env配列をpUC13中にサブクローニングし、プラスミドpMP7MX37
3を産生した。このプラスミドは、env遺伝子産生物の開始コドン(ATG)に対して
−1からenv遺伝子の終止コドン(TAA)の715bp下流までの配列を含有してい
40
る。これらのenv配列をEcoRIとHindIIIによる切断によりpMP7MX3
73から切除し、プラスミドベクター、pIBI25(CT、ニューハブン、インターナ
ショナルバイオテクノロジー社)に挿入し、プラスミドpIBI25envを産生した。
【0408】
組換え体プラスミドpOBO25envは、応答能のあるE.coli CJ236(d
ut
−
ung
−
)細胞を転換するのに用いた。一本鎖DNAを、転換E.coli C
J236細胞のヘルパーファージ、MG408による感染により誘導したファージから単
離した。この一本鎖テンプレートは、オリゴヌクレオチドMUENVT12(配列認識番
号157)
【化93】
50
(112)
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により生体外突然変異誘発反応(クンケルら、1985)に用いた。このオリゴヌクレオ
チドによる突然変異誘発により、TからC転移が行なわれ、ARV−2ゲノムのヌクレオ
チド位置6929−6935でT5CTモチーフを分断する(サンチェス−ペスカドール
ら、1985)。この突然変異は、env遺伝子のアミノ酸配列を改変せず、突然変異誘
発したプラスミドクローンのスクリーニングに用いられるEcoRI部位を産生する。ジ
デオキシヌクレオチド鎖終止法により配列の確認を行なった(サンガーら、1977)。
産生した突然変異誘発プラスミドをpIBI25mutenv11と称した。
【0409】
10
1.45kbのBglII断片をpIBI25mutenv11から誘導した。この断片
は、突然変異したenv配列を含有した。この断片をpIBIenv中の対応未突然変異
断片を置換するのに用いた。産生したプラスミドをpIBI25mutenv8と称した
。さらに改変をpIBI25mutenv8に行なった。レックスタンパク質とLTR配
列(LTR領域)をコードする配列を遺伝子の3′末端から除去し、アミノ酸583から
599の推定免疫抑制(IS)領域(配列認識番号158)
【化94】
20
を欠損するために、生体外突然変異誘発を行なった(クラッセら、1988)。オリゴヌ
クレオチドLTR2(配列認識番号159)
【化95】
およびMUENSVISR(配列認識番号160)
【化96】
30
によりpIBImutenv8から誘導した単一標準テンプレートに関してこれらの反応
を行なった。ハイブリダイーションと制限分析により突然変異誘発したクローンを認識し
た。IS領域とLTR領域の両方が欠損し、またはLTRが欠損するように突然変異誘発
せしめられたクローンをヌクレオチド配列により確認し、それぞれpIBI25mut3
env40およびpIBI25mut2env22と称した。
【0410】
全縁env遺伝子を含有する3.4kbのSmaI/HindIII断片をpIBI25
mut3env40とpIBImut2env22から誘導し、pCPCV1に挿入し、
SmaI/HindIIIで切断した。プラスミドpCPCV1は、CP組換え体の産生
を可能にする挿入プラスミドである。異種遺伝子は、C3挿入座に向いていた。プラスミ
40
ドpCPCV1とpFPCV2は、1989年4月20日に発行されたPCT国際出願第
WO89/03429号に記載され、ここに参照文献として包含する。
【0411】
VVH6プロモーターとenv配列により正確なATG:ATG構造を構築するために、
マンデッキの方法(1986)による生体外突然変異誘発反応に、オリゴヌクレオチドP
ROVECNS(配列認識番号161)
【化97】
を用いた。潜在的な変異体を、SmaI部位の損失に関してスクリーニングした。Sma
50
(113)
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I部位の欠如したプラスミドクローンを認識し、ヌクレオチド配列分析により確認した。
適切に突然変異誘発したプラスミドクローンを認識し、pCPenvIS+またはpCV
envIS−およびpFPenvIS+またはpFPenvIS−と称した。
【0412】
NruIとHindIIIでの切断により、HIV−1
env遺伝子をpCPenvIS−から切除した。それぞれ2.5kb(envIS+)
および2.4kb(envIS−)の2つのenv断片を単離し、2mMのdNTPの存
在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片との反応によりブラントエンド
した。これらの断片を、NruIとPstIによるpSIVenvVVの切断と続いての
2mMのdNTPの存在下でのE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片による
10
ブランティング工程により誘導した3.5kbの断片に連結せしめた。プラスミドpSI
VenvVVは、ATI挿入座のワクシニアウイルスH6プロモーターにより規制される
SIV env遺伝子発現カセットを含有する。pSIV envVVのNruIとPs
tIによる切断は、全縁SIV envコード配列とプロモーター要素の3′末端側の2
0bpを切除する。env IS−とenv IS+断片との連結により、H6プロモー
ターの20bpが保存され、HIV−1 env遺伝子をATI挿入プラスミドに挿入す
る。産生したプラスミドをそれぞれ、env IS+とenv IS−に関してpATR
5VV+とpAR6VVと称した。
【0413】
生体外組換えと組換え体の精製
20
前述したように(ピッチーニら、1987)、CP(ALVAC)とFP(TROVAC
)組換え体の両者のリン酸カルシウム沈殿により、プラスミドDNAを感染細胞に導入す
ることにより組換えを行なった。それぞれ組換え体vCP61とvCP60を産生するた
めにプラスミドpSPenvIS+とpCPenvIS−(C5座、第16図)を用いた
。それぞれ組換え体vFP63とvFP62を産生するために、プラスミドpFPenv
IS+とpF+envIS−(F7座、第22図)を用いた。治療としてvP866(N
YVAC)により生体外組換え実験にプラスミドpAR5VV+とpAR6VVを用いて
、それぞれvP939とvP940を産生した。前述したように、
3 2
P−標識したen
v特異的プローブによるハイブリダイゼーション後のオートラジオグラフィーにより組換
えプラークを選択し、純度を確認するために連続して3回継代を行なった(ピッチーニら
30
、1987)。
【0414】
放射性免疫沈降分析
細胞単層に、10pfu/細胞を修飾イーグルメチオニン不含有培地(MEMmet−)
で感染せしめた。感染から2時間後、20uCi/mlの[
3 5
S]−メチオニンを2%
の透析したウシ胎仔血清(フロー)を含有するMEM(−met)中に加えた。それらを
溶解緩衝液(150mMのNaCl、1mMのEDTA pH8、10mMのトリス−H
Cl pH7.4、0.2mg/mlのPMSF、1%のNP40、0.01%のNa Azide)と50μlのアプロチニン中に再懸濁せしめ、エッペンドルフ管に集めるこ
とにより細胞を感染から15時間後に収集し、溶解産物を4℃で20分間回転せしめるこ
40
とにより精製した。60mmの直径のペトリディッシュの上澄み液の3分の1を、1μl
の通常のヒトの血清と100μlのタンパク質A−セファロースCL−4B(SPA)(
ファーマシア)とともに室温で2時間インキュベーションした。1分間の回転後、上澄み
液を、2μlの、HIV血清陽性の個体(熱不活性化した)からの前吸着したヒト血清と
100μlのSPAとともに4℃で1時間と30分間インキュベーションした。
【0415】
ペレットを、溶解緩衝液で4回、塩化リチウム/尿素緩衝液(0.2M LiCl、2M
尿素、10mM トリス−HCl pH8)で2回洗浄し、沈殿したタンパク質を60
μlのセエムリ緩衝液中に溶解せしめた(ラエムリ、1970)。100℃での5分間の
加熱と1分間の回転を行ないセファロースを除去した後、上澄み中のタンパク質をSDS
50
(114)
JP 3602844 B2 2004.12.15
10%ポリアクリルアミドゲル上で再溶解せしめ、間接撮影を行なった。
【0416】
HIV−1 env遺伝子の発現
ARV−2またはSF−2菌株のHIV env遺伝子がワクシニア初期−晩期プロモー
ター、H6の下流に挿入された6つの異なる組換えウイルスを調製した。簡単にするため
に、2つのALVACベースの組換えウイルス、vCP61およびvCP60をCPIS
+およびCPIS−と称し、2つのTROVACベースの組換え体、vFP63およびv
FP62をFPIS+およびFPIS−と称し、2つのNYVACベースの組換え体、v
P939およびvP940をVV−とVV+と称した。
【0417】
10
HIV−1 env遺伝子の開始コドンがワクシニアH6プロモーターのATGと重複し
ている点で、全ての構成が正確であった。さらに、3′から終止コドンまでの異種の遺伝
子情報は除去されていた。gp41遺伝子産生物の5′部分の近くに位置したアミノ酸5
83−599に対応する51bp領域を欠損せしめることにより、CPIS−、FPIS
−、およびVV−を得た。この領域は、他のレトロウイルス糖タンパク質の膜貫通ポリペ
プチド(チアンチオロ、1985;ルーグら、1989a、b)に生じる推定の免疫抑制
領域(クラッセら、1988;ルーグら、1989b)との相同性を有する。
【0418】
6つの組換えウイルスの発現分析は、CEF、ベロ、およびMRC−5細胞単層中で行な
った。HIV血清陽性の個体から採取した血清を用いた免疫沈降実験は、材料と方法に記
20
載したように行なった。6つの全ての組換え体は、HIV−1 gp161エンベロープ
前駆体の合成を指示した。しかしながら、gp160からgp120およびgp41への
処理の効果は、細胞の種類により異なり、また免疫抑制領域の欠損の影響を受けた。HI
V血清陽性個体から採取した血清によるgp41の認識はまた、ウイルスバックグラウン
ドと細胞の種類により変化した。
【0419】
実施例20−NYVAC中のHIV−2(ISSY菌株)env遺伝子の発現
gp160の発現
オリゴヌクレオチドHIV25PA(配列認識番号162)
【化98】
30
およびHIV25PB(配列認識番号163)
【化99】
40
をアニールして、HIV−2 SBL/ISY単離体(フランチーニら、1989)en
vコード配列の最初の54bpを構築した。この断片は、テンプレートとしてpTP15
を用いてオリゴヌクレオチドH65PH(配列認識番号164)
【化100】
およびH63PHIV2(配列認識番号165)
【化101】
50
(115)
JP 3602844 B2 2004.12.15
によるPCRにより誘導した融合3′から129bp断片である。オリゴヌクレオチドH
IV25PC(配列認識番号166)
【化102】
およびH65PH(配列認識番号164)を用いたPCRによりこれら2つの断片の融合
を行なった。174bp PCR誘導断片をHindIIIとSacIで切断し、Hin
dIIIとSacIで切断したpBS−SKに挿入した(ストラタジェネ、ラジョラ、C
A)。産生したプラスミドをpBSH6HIV2と称した。挿入はヌクレオチド配列分析
により確認した。
10
【0420】
HIV−2 env遺伝子の3′部分をPCRにより誘導した。この反応において、テン
プレートとしてpISSY−KPN(MD、ベセスダ、NCI−NIH、Dr.ジェノベ
ファフランチーニにより提供された)を用いてオリゴヌクレオチドHIV2B1(配列認
識番号167)
【化103】
およびHIV2B2(配列認識番号168)
【化104】
20
に関して増幅した。この断片をBamHIとXbaIで切断した。この切断により誘導し
た150bp断片は、5′BamHIおよび3′XbaI付着末端を含有した。ワクシニ
アウイルス初期転写終止シグナルとして認識されることが知られているT5NT配列モチ
ーフを、終止コドンの後に含有するようにこの断片を操作した。
【0421】
HIV−2 env遺伝子の大部分は、SacIとBamHIの切断によりpISSY−
KPNから得た。この切断により産生された2.7kb断片を、遺伝子の3′末端に対応
する150bp BamHI/XbaI断片とともにSacIとXbaIで切断したpB
30
S−SKに挿入した。産生したプラスミドをpBSHIV2ENVと称した。
【0422】
pBSH6HIV1からの174bp SpeI/HindIII断片とpBSHIV2
ENVからの2.5kb SpeI/XbaI断片を、HindIIIとXbaIで切断
したpBS−SKに連結し、pBSH6HIV2ENVを産生した。pBSH6HIV3
ENVからの2.7kb HindIII/XbaI挿入物を単離し、2mMのdNTP
の存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片でブラントエンドした。こ
のブラントエンドした断片をSmaI切断pSD5HIVC挿入ベクターに挿入した。産
生したプラスミドをpATIHIV2ENVと称した。このプラスミドを、治療ウイルス
としてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実験に用いてvP920を産生
40
した。
【0423】
免疫沈降分析を行なって、vP920が真正のHIV−2 gp160を発現するか否か
を確認した。ベロ細胞単層を、疑似感染か、10PFU/細胞のm.o.i.で親ウイル
スvP866に感染せしめるか、またはvP920に感染せしめた。1時間の吸着期間後
、接種物を吸引し、その細胞に、2%のウシ胎仔血清と[
3 5
S]−メチオニン(20μ
Ci/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地(メチオニンのない)を添加した。1
mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリスpH7.4、150mMのN
aCl、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlのP
MSF)の添加と続いての細胞単層のひきかきにより感染から18時間後に細胞を収集し
50
(116)
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た。
【0424】
感染細胞からの溶解産物を、HIV−2血清陽性個体(Dr.ジェノベッフェフランチー
ニから供給された)からの採取した血清を用いてHIV−2 env遺伝子発現に関して
分析した。血清をvP866感染ベロ細胞で前吸着した。前吸着したヒト血清を、4℃の
一晩のインキュベーションによりタンパク質Aセファロースに結合せしめた。このインキ
ュベーション期間の後に、この物質を1×緩衝液Aで4回洗浄した。次いで通常ヒト血清
とタンパク質Aセファロースで前浄化したした溶解産物を、タンパク質Aセファロースに
結合した血清陽性個体からのヒト血清と、4℃で一晩インキュベーションした。一晩のイ
ンキュベーション期間後、試料を1×緩衝液で4回と、LiCl2 /尿素緩衝液で2回
10
洗浄した。2×のラエムリス緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4%のSDS
、20%のグリセロール、10%の2−メルカプトエタノール)の添加と5分間の沸騰に
より沈殿タンパク質を免疫複合体から分離した。タンパク質を10%のドリファスゲルシ
ステム(ドリファスら、1984)で分画し、固定して蛍光光度法のために1MのNa−
サリチル酸塩で処理した。
【0425】
HIV−2血清陽性個体からのヒト血清は、vP920感染細胞からのHIV−2 gp
160エンベロープ糖タンパク質を特異的に沈殿せしめた。さらに、gp160ポリタン
パク質を熟成gp120およびgp41タンパク質種に処理されるので、発現HIV−2
env遺伝子産生物の真正が確認された。疑似感染細胞またはNYVAC親ウイルスに
20
感染した細胞からはHIV特異的タンパク質種は全く沈殿しなかった。また、vP920
によるHIV−2 envの適切な発現の平衡は、遺伝子産生物はvP920感染細胞の
表面上に発現されるということである。
【0426】
gp120の発現
HIV−2 env遺伝子の5′末端に融合されたワクシニアウイルスH6プロモーター
を含有するプラスミドpBSH6HIV2を、SpeIとHindIIIで切断し、これ
らの配列を含有する180bp断片を離生した。この断片をHindIIIとXbaIで
切断したpBS−SKに、pBSHIV2120Aの1.4kb SpeI/XbaI断
片とともに連結し、pSHIV2120Bを産生した。
30
【0427】
最初にgp120コード配列の3′部分をPCRにより誘導することにより、プラスミド
pBSHIV2120Aを誘導した。PCRは、テンプレートとしてのpISSY−KP
NとともにオリゴヌクレオチドHIV2120A(配列認識番号169)
【化105】
およびHIV2120B(配列認識番号170)
【化106】
40
を用いて行なった。PCR誘導断片をEcoRIとXbaIで切断し、5′EcoRI付
着末端と3′XbaI付着末端を含有する300bp断片を産生した。この断片を、翻訳
終止配列(TAA)と5′からXbaI部位のT5NT配列モチーフについて操作した。
300bpのXbaI/EcoRI PCR断片を、pISSY−KPNから誘導された
1.4kbのSacI/EcoRI断片とともにSacI/XbaIで切断したpBS−
SKに連結した。
【0428】
プラスミドpBSHIV2120BをHindIIIとXbaIで切断し、3′に隣接し
たHIV−2 gp120コード配列からワクシニアウイルスH6プロモーターを含有す
50
(117)
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る1.8kb断片を産生した。この断片を、2mMのdNTPの存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片とブラントエンドした。ブラントエンドした断片をS
maIで切断したpSDSHIVCに連結し、pATI HIV2120を産生した。こ
のプラスミドを生体外組換え実験に用いてvP922を産生した。
【0429】
vP922感染細胞の免疫沈降実験を、全縁HIV−2 env遺伝子の発現に関して上
述したように行なった。疑似感染細胞またはvP866感染ベロ細胞からはHIV特異的
種は沈殿しなかった。しかしながら、120kDaのタンパク質種が、vP922に感染
した細胞から誘導した溶解産物から沈殿した。vP922により発現されたHIV−2 gp120は、vP920感染ベロ細胞の細胞表面上に存在することが分かった。
10
【0430】
実施例21−NYVAC中のSIV遺伝子の発現
NYVAC/SIV gp140組換え体の産生
SIV(Mac142 )env遺伝子を含有するプラスミドpSSIIEをDr.ジェ
ノバフランチーニ(MD、ベセスダ、NCI−NIH)から得た。このプラスミドをHi
ndIIIとPstIで切断し、SIV env遺伝子のヌクレオチド220から翻訳終
止コドンから160bp下流の領域を含有する2.2kbの断片を離生した。この断片を
が有する発現カセットは、gp160の種よりもgp140タンパク質種の発現となる。
膜貫通領域の40%欠損は、ゲノムのヌクレオチド7,934での成熟前終止から生じる
(フランチーニら、1987)。env遺伝子産生物のそのような成熟前終止は、培養中
20
のSIVの繁殖後には観察されない(コダマら、1989)。
【0431】
テンプレートとしてのpSSIIEおよびオリゴヌクレオチドSIVENV1(配列認識
番号171)
【化107】
とSIVENV2(配列認識番号172)
【化108】
30
を用いたPCRにより遺伝子のアミノ部分を誘導した。産生した250bp断片は、ワク
シニアウイルスH6プロモーターの3′側の20bp(NruI部位の3′末端)から下
流に隣接したSIV env遺伝子の5′側の230pbを含有する。SIV env遺
伝子配列の80bpを除去するHindIIIの断片の切断により170bpの断片を得
た。
【0432】
成熟前終止シグナルの後のSIV env遺伝子の残りを含有する配列をPCRによりp
SS35E(Dr.ジェノベファフランチーニから得た)から誘導した。このプラスミド
は、SIV env遺伝子のC末端部分からenv遺伝子から下流のLTR領域を含有す
る配列を含有している。360bp断片を誘導するのに用いたオリゴヌクレオチドは、S
IVENV3(配列認識番号173)
【化109】
とSIVENV4A(配列認識番号174)
【化110】
40
(118)
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であった。この断片をPstIとEcoRIで切断し、5′PstI付着末端と3′Ec
oRI付着末端を有する260bp断片を産生した。
【0433】
pSSIIEからの2.2kb HindIII/PstI断片、遺伝子の5′末端を含
有する170bpのNruI/HindIII断片および遺伝子の3′末端を含有する2
60bp PstI/EcoRIを、pRW838から誘導した3.1kbのNruI/
10
EcoRIと連結した。pRW838は、遺伝子のC5座への挿入を可能にするカナリヤ
ポックスウイルス配列により側腹に位置する狂犬病G遺伝子に連結したワクシニアウイル
スH6プロモーターを含有している。NruIとEcoRIの切断により、狂犬病G遺伝
子を離生し、H6プロモーターの3′側20bpを除去する。ワクシニアH6プロモータ
ーに連結したSIV env遺伝子を含有する産生したC5挿入プラスミドをpC5SI
VENVと称した。
【0434】
プラスミドpC5SIVENVをHindIIIとEcoRIで切断し、SIV env
遺伝子のヌクレオチド150から全縁遺伝子の末端までを含有する2.2kb断片を離生
した。PCRを用いてpC5SIVENVからのワクシニアH6プロモーター/SIV 20
env結合を、オリゴヌクレオチドMPSYN286(配列認識番号175)
【化111】
とSIVENV2(配列認識番号176)
【化112】
により誘導した。320bp断片をHindIIIで切断し、240bp断片を誘導した
。2.2kb HindIII/EcoRIと240bp HindIII断片をHin
30
dIIIとEcoRIで切断したpC3Iにともに連結した。SIVenvコード配列に
関して適切な配向のHindIII断片を含有する産生したプラスミドをpC3SINE
Mと称した。プラスミドpC3Iは以下のようにして誘導した。2.5kbのBglII
カナリヤポックスウイルスゲノム断片のヌクレオチド配列分析により、全縁C3読取り枠
と5′および3′非コード領域が明確となった。C3読取り枠が完全に切除された、異種
遺伝子のC3座への挿入のための供与体プラスミドを構築するために、PCRプライマー
を用いてC3に対する5′および3′配列を増幅した。5′配列のプライマーは、RG2
77(配列認識番号177)
【化113】
40
およびRG278(配列認識番号178)
【化114】
であった。
【0435】
3′配列のプライマーは、RG279(配列認識番号179)
50
(119)
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【化115】
およびRG280(配列認識番号180)
【化116】
であった。ワクシニア転写および翻訳終止シグナルにより側腹にある多重クローニング部
10
位を含有するようにプライマーを設計した。また、左側アームと右側アームの5′末端と
3′末端には、2つのアームをAsp718/SacIで切断したpBP−SKプラスミ
ドベクターに連結せしめる適切な制限部位(左側アームにはAsp718とEcoRI、
そして右側アームにはEcoRIとSacI)を含有した。産生したプラスミドをpC3
Iと称した。
【0436】
EcoRIでの切断により、プラスミドpC3SIVEMを線状とした。続いての部分的
なHindIIIでの切断により、2.7kbのHindIII/EcoRI断片を離生
した。この断片を、2mMのdNTPの存在下でE.coli DNAポリメラーゼのク
レノウ断片での処理によりブラントエンドした。この断片をSmaIで切断したpSD5
20
50VCに連結した。産生したプラスミドをpSIVEMVCと称した。このプラスミド
を、治療ウイルスとしてのvP866により生体外組換え実験に用いて、vP873を産
生した。vP873はI4L座にSIV env遺伝子を含有した。
【0437】
NYVAC/gag/polおよびgag組換え体の産生
gagおよびpol遺伝子を包含するSIV cDNA配列を含有するプラスミド、pS
IVAGSSIIGをDr.ジェノベファフランチーニ(MD、ベセスダ、NCI−NI
H)から得た。このプラスミドからのgagおよびpol遺伝子を、ワクシニアtkフラ
ンキングアームの間のワクシニアI3Lプロモーターに対して3′に隣接せしめた。これ
は、gagおよびI3Lプロモーターに対応するオリゴヌクレオチドSIVL1(配列認
30
識番号181)
【化117】
とSIVL2(配列認識番号182)
【化118】
を含有するpSIVGAGSSIIGの4,800bp CfoI/TagI断片をpS
D460の誘導体であるpSD542の4,070bp XhoI/AccI断片中にク
ローニングすることにより行なった(第1図)。この操作により産生したプラスミドをp
SIVG1と称した。
【0438】
pol遺伝子を除去するために、オリゴヌクレオチドSIVP5(配列認識番号183)
【化119】
40
(120)
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およびSIVP6(配列認識番号184)
【化120】
を用いて、215bpのPCT断片をpSIVGAGSSIIGから誘導した。PCR誘
導断片をBamHIとStuIで切断し、SIVG1の5,370bpの部分的なBam
HI/StuI断片に連結した。これにより、pSIVG2が産生した。pSIVG2を
、治療ウイルスとしてのvP873と生体外組換え実験に用いてvP948を産生した。
10
【0439】
gafとpolの両者をNYVACベースのベクターに挿入するプラスミドを以下のよう
にして操作した。上述したpSIVG1は、1kbのPCR断片を用いて除去した異種3
′非コード配列を含有する。この断片を、オリゴヌクレオチドSIVP5とSIVP6に
よりプラスミドpSIVGAGSSIIGから産生した。pol遺伝子の3′末端を含有
するこのPCR誘導断片をBamHIとHpaIで切断した。1kbのBamHI/Hp
aI断片をpSIVG1の7,400bpの部分的なBamHI/HpaI断片に連結し
、pSIV4を産生した。
【0440】
pSIV4の配列分析により、pol遺伝子内に1つの塩基対欠損が発見された。このエ
20
ラーを修正するために、pSIVG1からの2,300bpのBglI/StuI断片を
pSIVG4の6,100bpの部分的なBglI/StuI断片に挿入し、pSIVG
5を産生した。プラスミド、pSIVG5を、治療としてのvP873とともに生体外組
換え実験に用いてvP943を産生した。
【0441】
NYVAC/SIV p16およびp28組換え体の産生
p28、p2、p8、p1およびp6をコードするgag遺伝子の部分とpol遺伝子を
pSIVG1から除去した。これは、オリゴヌクレオチドSIVL10(配列認識番号1
85)
【化121】
30
およびSIVL11(配列認識番号186)
【化122】
40
をpSIVG1の4,430bp AccI/BamHI断片中にクローニングすること
により行ないpSIVG3を産生した。このプラスミドは、ワクシニアI3Lプロモータ
ーにより発現されたSIV p17遺伝子産生物の発現カセットを含有する。
【0442】
昆虫ポックスウイルス42kDaプロモートしたSIV p28遺伝子(5′末端のみ)
をI3Lプロモートしたp17遺伝子から下流に挿入した。これは、p28遺伝子の5′
末端を含有するpSIVGIの360bp BspMI/BamHI断片、昆虫ポックス
42kDaプロモーターを含有するオリゴヌクレオチドpSIVL14(配列認識番号1
87)
【化123】
50
(121)
JP 3602844 B2 2004.12.15
およびSIVL15(配列認識番号188)
【化124】
10
を、pSIVG3の4,470bpの部分的なXbaI/BamHI断片中にクローニン
グすることにより行なった。産生したプラスミドをpSIVG6と称した。
【0443】
次いでp28遺伝子の3′部分をpSIVG6中に挿入した。SIV p28遺伝子の3
′末端を含有する290bp PCR断片を、オリゴヌクレオチドSIVP12(配列認
識番号189)
【化125】
20
およびSIVP13(配列認識番号190)
【化126】
を用いてpSIVGIから誘導した。この断片をBamHIで切断し、pSIVG7の4
,830bpの断片に連結し、治療ウイルスとしてのvP866とvP873とともに生
体外組換え実験に用いて、それぞれvP942およびvP952を産生した。
【0444】
発現アッセイ
SIV gp140 env遺伝子産生物は、感染細胞の形質膜と関連した典型的な糖タ
30
ンパク質である。これは112kDaの細胞外種と28kDaの膜貫通領域に対してタン
パク質分解的に切断された140kDaのポリタンパク質として発現される(フランチー
ニら、1987)。SIVに血清陽性のアカゲサルマカクからの血清と続いてウサギ抗サ
ルIgGに接合したフルオレセインを用いた免疫発光分析により、組換え体感染ベロ細胞
の表面にenv遺伝子産生物の発現が示された。表面発現は、疑似感染細胞またNYVA
C(vP866)親ウイルスに感染した細胞の表面には観察されなかった。さらに、ga
g遺伝子のみを含有する組換え体に感染した細胞は、表面にSIV成分を発現したことを
示さなかった。vP873、vP943、vP948およびvP952に感染した細胞中
の表面発現はすべて表面発現を示し、SIV env遺伝子を著しく含有する。
【0445】
40
NYVAC/HIV組換え体に感染したベロ細胞中の発現SIV遺伝子産生物(envお
よびenv)の真正をイムノプレシピテーショにより分析した。10のm.o.i.でベ
ロ細胞を個々の組換えウイルス、NYVAC親ウイルスに感染せしめ、または疑似感染せ
しめた。吸着期間の1時間後、接種物を除去し、感染細胞に、[
3 5
S]−メチオニン(
20μCi/ml)を含有する2mlのメチオニン不含有培地を添加した。1mlの3×
緩衝液Aの添加により、感染から17時間後に全ての試料を収集した。感染細胞からの溶
解産物を、SIV血清陽性アカゲサルマカクから採取した血清、またはgag p24遺
伝子産生物に特異的な単クローン性抗体(両者ともMD、ベセスダ、NIC−NIH、D
r.ジェノベファフランチーニから得た)に関して分析した。
【0446】
50
(122)
JP 3602844 B2 2004.12.15
SIV血清陽性のマカクの血清に関して免疫沈降を以下のようにして行なった。マカク血
清を、タンパク質Aセファロースとともに4℃で16時間に亘りインキュベーションした
。緩衝液Aによる洗浄後、タンパク質Aセファロースに結合した血清を、通常のサル血清
とタンパク質Aセファロースで前浄化した溶解産物に加えた。4℃での一晩のインキュベ
ーション後、沈殿物を緩衝液Aで4回とLiCl/尿素緩衝液で2回洗浄した。沈殿した
タンパク質を抗体から分離するために、試料を80μlの2×ラエムリ緩衝液中で5分間
沸騰せしめた。ドリファスゲルシステムを用いて12.5%のゲルで試料を分画した(ド
リファスら、1984)。ゲルを固定して、蛍光光度法のために1MのNa−サリチル酸
塩で処理した。SIV遺伝子を含有する全ての組換え体を適切な遺伝子産生物を発現して
いた。SIV env遺伝子を含有するNYVAC組換え体vP873、vP943、v
10
P948およびvP952は全て真正のgp140を発現した。しかしながら、gp14
0タンパク質の112kDaおよび28kDa熟成形状への処理を評価するのは困難であ
る。疑似感染ベロ細胞、vP866感染ベロ細胞およびSIV env遺伝子を含有しな
いNYVAC/SIV組換え体に感染した細胞からのマカク抗SIV血清によっては、1
40kDaのみかけ分子量を有する種は沈殿しなかった。SIVに感染したマカクから採
取した血清およびp28 gag成分に特異てきな単クローン性抗体を用いて、vP94
2、vP943、vP948、およびvp952によるSIVgagコード遺伝子産生物
の発現が示された。ベロ細胞中のNYVAC(vP948)によりプロテアーゼ機能を含
むpol領域のない全縁p55 gagタンパク質の発現は明確である。これらの結果に
より、SIVプロテアーゼ発現の欠如はp55の熟成形状への完全なタンパク質分解を妨
20
げることが示された。p28に特異的な単クローン性抗体を用いてgag特異的遺伝子産
生物をvP948感染ベロ細胞から沈殿させる場合、このことはより明確に示される。こ
の結果に対して、vP943感染ベロ細胞中にpol遺伝子(プロテアーゼを含む)を有
するSIV gagの発現により、発現されたp55 gag前駆体ポリペプチドがその
熟成形状にタンパク質分解的に切断させることができた。
【0447】
SIVに感染したマカクから採取した血清を用いて、vP942およびvP952感染ベ
ロ細胞中のp16とp28 SIV遺伝子産生物の両方の発現が示された。p28に特異
的な単クローン性抗体は明らかにp28発現成分のみを認識した。
【0448】
30
実施例22−アビアンインフルエンザウイルスの血球凝集素糖タンパク質を発現するTR
OVAC組換え体の構築
この実施例は、アビアンインフルエンザウイルスの3つの血清型の血球凝集素遺伝子を発
現する鶏痘ウイルス組換え体の開発を記載するものである。
【0449】
細胞およびウイルス
H4、H5およびH7血球凝集素遺伝子のcDNAクローンを含有するプラスミドを、テ
ネシー州、メンフィスのセントジュード小児科研究病院のDr.ロバートウェブスターか
ら得た。FP−1と称するFPVの菌株は以前に記載した(テイラーら、1988a、b
)。これは生後1日の鶏のワクチン接種に有用な弱毒化ワクチン菌株である。親ウイルス
40
菌株デュベッティを、鶏からの鶏痘かいせんとしてフランスから得た。鶏の感染幼虫包蔵
卵での50回の継代と続いての鶏胚繊維芽細胞(CEF)での25回の継代によりウイル
スを弱毒化した。このウイルスを、フランス、リヨン、ローンメリクスにより1980年
の9月に得て、マスターウイルス種を設立した。1989年の9月にウイルスをバイロジ
ェネティックスが受けとり、ここで4連続のプラーク精製を行なった。初代CEF細胞中
で1つのプラーク単離体をさらに増幅し、TROVACと称する株ウイルスを設立した。
TROVAC−AIH5(vFP89)およびTROVAC−AIH4(vFP92)を
産生する生体外組換え試験に用いた株ウイルスをさらに初代CEF細胞中で8回の継代に
より増幅した。TROVAC−AIH7(vFP100)を産生するのに用いた株ウイル
スはさらに初代CEF細胞中で12回の継代により増幅した。
50
(123)
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【0450】
F8座での鶏痘挿入プラスミドの構築
プラスミドpRW731.15は、TROVACゲノムDNAからクローニングされた1
0kbpのPvuII−PvuII断片を含有する。ヌクレオチド配列を、3661bp
PvuII−EcoRV断片の両鎖に決定した。この配列を第21図に示す。F8とし
てこの研究所で称する読取り枠をこの配列内に決定した。読取り枠は位置704で開始し
、位置888で終止する。隣接する読取り枠を妨害しないように、以下に記載するように
、位置781から位置1928に欠損を作った。
【0451】
プラスミドpRW761は、2430bp EcoRV−EcoRV断片を含有するpR
10
W731.15のサブクローンである。F8 ORFは完全に、PRW761のXbaI
部位とSspI部位の間に含有された。TROVACゲノムDNAによる組換えにおいて
F8 ORFを除去する挿入プラスミドを産生するために、以下の工程を行なった。プラ
スミドpRW761をXbaIで完全に、SspIで部分的に切断した。3700bpの
XbaI−SspI帯を単離して、アニールした二本鎖オリゴヌクレオチドJCA019
(配列認識番号191)およびJCA018(配列認識番号129)
【化127】
20
と連結した。
【0452】
この連結により産生したプラスミドをpJCA002と称した。プラスミドpJCA00
4は、プラスミドpJCA002中のワクシニアウイルスH6プロモーターに連結した非
関連遺伝子を含有する。ワクシニアウイルスH6プロモーターの配列は以前に記載した(
テイラーら、1988a、b;グオら、1989;パーカスら、1989)。プラスミド
pJAC004を、非関連遺伝子とH6プロモーターの3′末端の部分を欠損せしめるE
30
coRVとBamHIで切断した。アニールしたオリゴヌクレオチドRW178(配列認
識番号193)およびRW179(配列認識番号194)をEcoRVとBamHIで切
断し、JCA004のEcoRVとBamHI部位の間に挿入し、pRW846を形成し
た。
【0453】
【化128】
40
それゆえ、プラスミドpRW846は、de−ORFed F8座にEcoRVのH6プ
ロモーター5′を含有する。pRW846中のH6プロモーターには、終止コドン、ワク
シニアウイルス初期プロモーターにより認識される転写終止配列(ユエンら、1987)
およびSmaI部位が続いている。
【0454】
F7座での鶏痘挿入プラスミドの構築
起源F7非de−ORFed挿入プラスミド、pRW731.13は、pUC9のPvu
II部位に5.5kbのFPゲノムPvuII断片を含有した。挿入部位は、これらの配
50
(124)
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列内の特有のHincII部位であった。第22図に示したヌクレオチド配列は、特有の
HincII部位を包含する2356bp領域に関して決定した。この配列の分析により
、特有のHinc部位(第22図での下線)が90アミノ酸のポリペプチドをコードする
ORF内に位置することが示された。ORFは、位置1531でのATGで開始し、位置
898で終止する(第22図の矢印により示した位置)。
【0455】
de−ORFed挿入プラスミドのアームを、テンプレートとしてのpRW731.13
を用いたPCRにより誘導した。ORFから上流の領域に対応する596bpアーム(H
Bと称する)を、オリゴヌクレオチドF73PH2(配列認識番号195)
【化129】
10
およびF73PB(配列認識番号196)
【化130】
で増幅した。ORFから下流の領域に対応する270bpアーム(EHと称する)を、オ
リゴヌクレオチドF75PE(配列認識番号197)
【化131】
20
およびF73PH1(配列認識番号198)
【化132】
で増幅した。
【0456】
断片EHをEcoRVで切断し、126bp断片を産生した。EcoRV部位は3′末端
であり、5′末端はHincII部位の3′末端を含有するようにPCRにより形成した
。この断片を、HincIIで切断したpBS−SK(CA、ラジョラ、ストラタジェネ
30
)に挿入し、プラスミドpF7D1を形成した。配列を、ジデオキシヌクレオチド配列分
析により確認した。プラスミドpF7D1をApaIで線状化し、T4 DNAポリメラ
ーゼを用いてブラントエンドし、596bp HB断片に連結した。産生したプラスミド
をpF7D2と称した。全縁配列と包囲をヌクレオチド配列分析により確認した。
【0457】
プラスミドpF7D2をEcoRVとBglIIで切断し、600bp断片を産生した。
この断片を、ApaIで切断されたpBS−SKに挿入し、T4 DNAポリメラーゼで
ブラントエンドし、続いてBamHIで切断した。産生したプラスミドをpF7D3と称
した。このプラスミドは、404bpのHBアームと126bpのEHアームを含有する
。
40
【0458】
プラスミドpF7D3をXhoIで線状化し、2mMのdNTPの存在下で、E.col
i DNAポリメラーゼのクレノウ断片によりブラントエンドした。この線状化したプラ
スミドを、アニールしたオリゴヌクレオチドF7MCSB(配列認識番号199)
【化133】
およびF7MCSA(配列認識番号200)
50
(125)
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【化134】
に連結した。これを行なって、HindIII、PstIおよびSmaIの制限部位を含
有する多重クローニング領域をEHとHBアームの間に挿入した。産生したプラスミドを
pF7DOと称した。
【0459】
F8座でのH4血球凝集素の挿入プラスミドの構築
10
プラスミドpTM4H833中に、A/Ty/Min/833/80から誘導したアビア
ンインフルエンザH4をコードするcDNAコピーをDr.R.ウェブスターから得た。
このプラスミドをHindIIIとNruIで切断し、dNTPの存在下でDNAポリメ
ラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエンドした。H4コード領域を含有するブラント
エンドした2.5kbpのHindIII−NruI断片をpIBI25(CT、ニュー
ハブン、インターナショナルバイオテクノロジー社)のHincII部位に挿入した。産
生したプラスミドpRW828を部分的にBanIIで切断し、線状産生物を単離し、H
indIIIで再度切断した。100bp HindIII−BanIが欠損したプラス
ミドpRW828を、合成オリゴヌクレオチドRW152(配列認識番号201)および
RW153(配列認識番号202)のベクターとして用いた。これらのオリゴヌクレオチ
20
ドは、EcoRV部位からのH6プロモーターの3′部分を表し、プロモーターのATG
をH4 cDNAのATGと配列させる。
【0460】
【化135】
30
オリゴヌクレオチドをアニールし、BanIIとHindIIIで切断し、上述したHi
ndIII−BanIIが欠損したpRW828ベクターに挿入する。産生したプラスミ
ドpRW844をEcoRVとDraIで切断し、3′H6プロモートしたH4コード配
列を含有する1.7kbp断片をpRW846(前出)のEcoRVとHincII部位
の間に挿入し、プラスミドpRW848を形成した。それゆえ、プラスミドpRW848
は、鶏痘ウイルスのde−ORFedF8座のワクシニアウイルスH6プロモーターに連
結したH4コード配列を含有する。
【0461】
F8座でのH5血球凝集素の挿入プラスミドの構築
プラスミドpTH29中に、A/ターキー/アイルランド/1378/83から誘導した
アビアンインフルエンザH5のcDNAクローンをDr.R.ウェブスターから得た。合
成オリゴヌクレオチドRW10(配列認識番号203)からRW13(配列認識番号20
6)を、前述したワクシニアウイルスH6プロモーターの翻訳開始コドンとH5遺伝子の
ATGが重複するように設計した。配列はH5遺伝子の5′SalI部位を通じて継続し
、H5終止コドンを含有する3′H5 DraI部位で再度開始する。
【0462】
【化136】
40
(126)
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10
オリゴヌクレオチドを95℃で3分間アニールし、続いて室温で徐冷した。これにより、
表示した末端を有する以下の二本鎖構造となる。
【0463】
【化137】
20
pRW742BのEcoRVおよびPstI部位の間のオリゴヌクレオチドのクローニン
グによりpRW744が産生した。プラスミドpRW742Bは、前述したpRW731
.15のHincII部位に挿入された非関連遺伝子に連結したワクシニアウイルスH6
プロモーターを含有する。PstIとEcoRVの切断により、H6プロモーターの3′
末端と非関連遺伝子が除去される。プラスミドpRW744はここで、アビアンインフル
エンザH5のATGと重複するH6プロモーターの3′部分を含有する。このプラスミド
30
はまた、H5配列から5′SalI部位までとH5終止コドン(DraI部位を含有する
)からの3′配列を含有する。DraI部位を使用するとH5 3′非コード末端が除去
される。オリゴヌクレオチドは、初期ワクシニアウイルスRNAポリメラーゼにより認識
される転写終止シグナルを加える(ユエンら;1987)。H6プロモートしたH5構造
を完成するために、H5コード領域をpTH29から1.6kbp SalI−DraI
断片として単離した。プラスミドpRW744を部分的にDraIで切断し、線状断片を
単離し、SalIで再度切断した。ここでSalIとDraIの間の8つの塩基が欠損し
たプラスミドを、1.6kbpのpTH29 SalIおよびDraI断片のベクターと
して用いた。産生したプラスミドをEcoRVとDraIで切断した。3′H6プロモー
ターおよびH5遺伝子を含有する1.7kbp PRW759 EcoRV−DraI断
40
片をpRW846(前出)のEcoRVとHincII部位の間に挿入した。産生したプ
ラスミドpRW849は、de−ORFdeF8座にH6プロモートしたアビアンインフ
ルエンザウイルスH5遺伝子を含有する。
【0464】
F7座でのH7血球凝集素の挿入ベクターの構築
A/CK/VIC/1/85からのH7血球凝集素を含有するプラスミドpCVH71を
Dr.R.ウェブスターから得た。H7遺伝子を含有するEcoRI−BamHI断片を
DNAポリメラーゼのクレノウ断片でブラントエンドし、PRW827としてpIBI2
5のHincII部位に挿入した。合成オリゴヌクレオチドRW165(配列認識番号2
07)およびRW166(配列認識番号208)をアニールし、HincIIとStyI
50
(127)
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で切断し、pRW827のEcoRVとStyI部位の間に挿入してpRW845を産生
した。
【0465】
【化138】
10
オリゴヌクレオチドRW165(配列認識番号207)およびRW166(配列認識番号
208)は、H6プロモーターの3′部分をH7遺伝子に連結させる。pRW845のA
paLI切断の線状産生物を単離し、これをEcoRIで再度切断し、最大の断片を単離
して合成オリゴヌクレオチドRW227(配列認識番号209)およびRW228(配列
認識番号210)でアニールすることにより、H7遺伝子の3′非コード末端を除去した
20
。産生したプラスミドはpRW854であった。
【0466】
【化139】
PRW854中のH7の終止コドンの次にはHpaI部位が続いている。de−ORFe
30
d F7座中の中間H6プロモートしたH7構造(以下に記載する)を、EcoRVで切
断し、そのPstI部位でブラントエンドしたpRW858中にpRW854 EcoR
V−HpaI断片を移動せしめることにより産生した。プラスミドpRW858(以下に
記載する)はF7 de−ORFed挿入プラスミド中にH6プロモーターを含有する。
非関連遺伝子に連結したH6プロモーターを含有する850bp SmaI/HpaI断
片を前述したpF7DOのSmaI部位に挿入することによりプラスミドpRW858を
構築した。pRW858をEcoRV(H6プロモーターの3′末端の24bp上流の部
位)とPstIでの切断により非関連配列を切除した。産生した3.5kb断片を単離し
、2mMのdNTPの存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用い
てブラントエンドした。このブラントエンドした断片を、pRW854(前出)から誘導
40
した1700bpのEcoRV/HpaI断片に連結した。このEcoRV/HpaI断
片は、VV H6プロモーターの3′側の24bpに隣接した3′の全縁AIV HA(
H7)遺伝子を含有する。産生したプラスミドをpRW861と称した。
【0467】
126bp EHアーム(以前に規定した)をpRW861中で延長せしめ、組換え頻度
をゲノムTROVAC DNAで増大せしめた。このことを達成するために、575bp
AccI/SnaBI断片をpRW731.13(前に規定した)から誘導した。この
断片を単離し、pRW861のAccIとNaeI部位の間に挿入した。725bpのE
HアームとAIV H7を側腹に有する404bpのHBアームを含有する、産生したプ
ラスミドをpRW869と称した。それゆえ、プラスミドpRW869は、5′末端でワ
50
(128)
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クシニアウイルスH6プロモーターに連結したH7コード配列からなる。左側のフランキ
ングアームは、404bpのTROVAC配列からなり、右側フランキングアームは、d
e−ORFed F7座への挿入を指向する725bpのTRVAC配列からなる。
【0468】
TROVACアビアンインフルエンザウイルスの開発
アビアンインフルエンザウイルスHAコード配列を含有する挿入プラスミドを、前述した
リン酸カルシウム沈殿法を用いてTROVAC感染初代CEF細胞に個々にトランスフェ
クションした(パニカリら、1982;ピッチーニら、1987)。HA特異的放射線標
識プローブに対するハイブリダイゼーションに基づいて陽性プラークを選択し、純粋な個
体群となるまで、連続したプラーク精製を行なった。次いで1つの代表的なプラークを増
10
幅して株ウイルスを産生した。プラスミドpRW849を生体外組換え試験に用いてH5
血球凝集素を発現する組換え体TROVAC−AIH5(vFP89)を産生した。プラ
スミドpRW848を用いてH4血球凝集素を発現する組換え体TROVAC−AIH4
(vFP92)を産生した。プラスミドpRW869を用いて、H7血球凝集素を発現す
る組換え体TROVAC−AIH7(vFP100)を産生した。
【0469】
蛍光光度法
インフルエンザウイルス感染細胞において、HA分子を合成し、粗い小胞体での前駆体分
子としてグリコシル化する。形質膜に通過中に、ジスルヒド連結HA1 およびHA2 サブユニットへのタンパク質分解切断となる広範囲の翻訳後修飾と、続いて熟成ウイルス
20
エンベロープに含まれる宿主細胞膜への挿入を経る。TROVAC−AIV組換えウイル
スに感染した細胞中に産生されたHA分子が細胞表面上に発現されたか否かを測定するた
めに、蛍光光度法を行なった。間接蛍光光度法を記載したように行なった(テイラーら、
1990)。間接蛍光光度法により、TROVAC−AIH5のH5血球凝集素、TRO
VAC−AIH4のH4血球凝集素、およびTROVAC−AIH7のH7血球凝集素の
表面発現を確認した。H5HAに特異的な単クローン性抗体の貯留を用いて、H5血球凝
集素の発現を検出した。ヒツジ単特異的抗H4血清を用いてH4HAの発現を分析した。
H7特異的単クローン性抗体標品を用いてH7HAの発現を分析した。
【0470】
免疫沈降
30
血球凝集素ポリペプチドの切断はウイルス粒子が感染性であるために必要であるので、血
球凝集素分子の切断部位がウイルスの毒性を決定するのに重要な役割を果たすことが分か
っている。毒性H5およびH7ウイルスの血球凝集素タンパク質はHA1のカルボキシ末
端に1つより多くの塩基アミノ酸を有している。これにより、一連の塩基アミノ酸を認識
する細胞プロテアーゼが血球凝集素を切断でき、感染ウイルスが生体外と体内の両方に広
がる。H4無毒性菌株の血球凝集素分子は、異種トリプシンが加えられるまで、組織培養
中で切断されない。
【0471】
TROVAC組換え体により発現された血球凝集素分子が確実に処理されたことを測定す
るために、上述した特異的試薬を用いて記載したように(テイラーら、1990)免疫沈
40
降を行なった。
【0472】
TROVAC−AIH5(vFP89)により発現されたH5血球凝集素の免疫沈降分析
により、糖タンパク質は、それぞれ約44および23kDaの分子量を有する2つの切断
産生物HA1 およびHA2 として明確であることが示された。未感染細胞または親T
ROVACに感染した細胞からはそのようなタンパク質は沈殿しなかった。TROVAC
−AIH7(vFP100)により発現された血球凝集素の同様の免疫沈降分析により、
HA2 切断産生物の特異的な沈殿が示された。HA1 切断産生物は確認されなかった
。未感染CEF細胞またはTROVAC感染CEF細胞からはタンパク質は特異的には沈
殿しなかった。これに対して、TROVAC−AIH4(vFP92)の発現産生物の免
50
(129)
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疫沈降分析により、前駆体タンパク質HA0 のみの発現が示された。これは、組織培養
中の無毒性亜種の血球凝集素に切断のないことと一致する。未感染CEF細胞またはTR
OVACに感染した細胞にはH4特異的タンパク質は検出されなかった。
【0473】
実施例23−3つのアビアンインフルエンザ遺伝子を発現する3重組換え体の発生
プラスミドの構築
プラスミドpRW849は以前に記載しており、H6プロモートしたアビアンインフルエ
ンザH5遺伝子を含有する。このプラスミドをvFP89の発生に用いた。プラスミドp
RW861は、vFP100の発生に用いた以前に記載した中間プラスミドであった。こ
のプラスミドは、H6プロモートしたアビアンインフルエンザH7遺伝子を含有する。プ
10
ラスミドpRW849をSmaIで切断し、H6プロモーターの5′末端からH5遺伝子
までの産生した1.9kbpの断片をpRW861のSmaI部位に挿入し、pRW86
5を産生した。H4コード配列を挿入するために、プラスミドpRW848を用いた。プ
ラスミドpRW848をvFP92の発生に用いた。このプラスミドをH6プロモートし
たH4遺伝子を含有する(前述)。プラスミドpRW848をSmaIで切断し、H6プ
ロモートしたH4コード配列を含有する1.9kbpの断片をH6プロモートしたH5配
列のSmaI部位5′でpRW865に挿入した。それゆえ、産生したプラスミドpRW
872は、F7 de−ORFed挿入プラスミド中にH4、H5およびH7コード配列
を含有する。
【0474】
20
遺伝子のde−ORFed F8座への挿入を指向するために、pRW872を部分的に
SmaIで切断し、線状断片を単離し、HindIIIで再度切断した。3つのH6プロ
モートしたアビアンインフルエンザ遺伝子を含有する5.7kbpのSmaIからHin
dIII pRW872断片をブラントエンドし、HincIIで切断されたpCEN1
00に挿入した。プラスミドpCEN100は、転写および翻訳終止シグナルおよび多重
挿入部位を含有するde−ORFed F8挿入ベクターである。プラスミドpCEN1
00を以下のように産生した。合成オリゴヌクレオチドCE205(配列認識番号211
)およびCE206(配列認識番号212)をアニールし、ホスホリル化し、pJCA0
02(前述)のBamHIおよびHindIII部位に挿入し、pCE72を形成した。
pCE72からのBglIIからEcoRI断片をpJCA021のBglIIおよびE
30
coRI部位に挿入し、pCEN100を形成した。
【0475】
【化140】
40
pRW731−15(前述)からの4900bp PvuII−HindII断片をpB
SSKTのSmaIおよびHindII部位に挿入することにより、プラスミドpJCA
021を得た。
【0476】
最終の挿入プラスミドpRW874は、欠損F8 ORFと同一の方向に転写した3つの
アビアンインフルエンザHA遺伝子を有した。H4遺伝子に隣接したプラスミドの左側フ
ランキングアームは、2350bpの鶏痘配列からなるものであった。H7遺伝子に隣接
する右側フランキングアームは1700bpの鶏痘配列からなるものであった。このプラ
スミドの線状表示を以下に示す。
50
(130)
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【0477】
【化141】
組換え体vFP122の発生
前述したリン酸カルシウム沈殿法(パニカリら、1982;ピッチーニら、1987)を
用いて、プラスミドpRW874をTROVAC感染初代CEF細胞中にトランスフェク
ションした。特異的H4、H5およびH6放射線標識プローブに対するハイブリダイゼー
10
ションに基づいて陽性プラークを選択し、純粋な個体群となるまで、5連続のプラーク精
製を行なった。前述した特定の試薬を用いたプラークイムノスクリーンにより、3つの糖
タンパク質の全ての表面発現を確認した。2回の増幅後に、挿入遺伝子の安定性を確認し
、組換え体をvFP122と称した。
【0478】
実施例24−ALVACおよびNYVACのLD50の様々なワクシニアウイルス菌株と
の比較
マウス
オスの非近交スイスウェブスターマウスをタコニック農場(NY、ジャーマンタウン)か
ら購入し、生後3週間までマウスに任意に餌と水を与え続けた(「通常の」マウス)。新
20
生の非近交スイスウェブスターマウスは両方の性であり、タコニック農場により行なわれ
た妊娠により得た。使用した全ての新生マウスは2日間で生まれたものであった。
【0479】
ウイルス
カナリヤポックス個体群のプラーク精製によりALVACを誘導し、初代鶏胚繊維芽細胞
(CEF)において調製した。ショ糖密度勾配の遠心分離により精製に続いて、CEF細
胞中でユニットを形成するプラークに関してALVACを列挙した。WRの巨大なプラー
ク表現型の選択により、ワクシニアウイルスのWR(L)変形を誘導した。ワクシニアウ
イルスのエス(Wyeth)ニューヨーク州保健局ワクチン菌株を、対照番号30200
1Bとして、製薬牛リンパ型ワクチンドライバックスから得た。コペンハーゲン菌株ワク
30
シニアウイルスVC−2を、フランスのインスティテュートメリクスから得た。ワクシニ
アウイルス菌株NYVACをコペンハーゲンVC−2から誘導した。エス菌株を除いて全
てのワクシニアウイルス菌株はベロアフリカグリーンサル肝臓細胞中で培養し、ショ糖勾
配密度遠心分離により精製し、ベロ細胞上のユニットを形成するプラークに関して列挙し
た。エス菌株をCEF細胞中で増殖せしめ、CEF細胞中で列挙した。
【0480】
接種
10匹の通常のマウスの群に、無菌の食塩加リン酸緩衝液中で株標品を10倍に希釈する
ことにより調製したウイルスいくつかの希釈物の1つの0.05mlを頭蓋内(ic)に
より接種した。ある例においては、未希釈の株ウイルス標品を接種に用いた。
40
【0481】
0.03mlの接種容量を用いたことを除いて、生後1または2日の10匹の新生マウス
の群に頭蓋内に通常のマウスと同様に接種した。
【0482】
接種後、全てのマウスを14日間(新生マウス)または21日間(通常のねすみ)に亘り
、死亡率を毎日観察した。接種後の翌朝に死亡したマウスは、外傷による潜在的な死のた
めに除外した。
【0483】
実験個体群の50%の死亡率となるのに必要な致死量(LD50)を、リードとミュンヒ
の比例法により決定した。
50
(131)
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【0484】
ic経路による通常、若い非近交マウスに関するALVACおよびNYVACのLD50
と様々なワクシニアウイルス菌株との比較
若い通常のマウスにおいて、NYVACおよびALVACの毒性は、試験した他のワクシ
ニアウイルス菌株よりも数桁低い大きさであった(表28)。NYVACおよびALVA
Cは、通常のマウスにおいてエス菌株よりも3,000倍も毒性が弱く;親VC−2菌株
よりも12,500倍も毒性が弱く;WR(L)変形よりも63,000,000倍も毒
性が弱いことが分かった。これらの結果により、NYVACは他のワクシニア菌株と比較
して非常に弱毒化されており、ALVACは頭蓋内に施されたときに若いマウスにとって
は一般的に無毒性であるが、両者とも、この経路による接種の未決定の機構による非常に
高い接種量(3.85×10
8 PFU、ALVACおよび3×10
8 10
PFU、NYV
AC)ではマウスを死に至らせる。
【0485】
ic経路による新生非近交マウスに関するALVACおよびNYVACのLD50と様々
なワクシニアウイルス菌株との比較
頭蓋内(ic)抗原投与モデルシステムの滴定により、通常の新生マウスに関して5ポッ
クスウイルス菌株の相対毒性を試験した(表29)。最終点での死亡率に関して、LD5
0値は、ALVACは、ワクシニアウイルスのエスワクチン菌株よりも100,000倍
も毒性が弱く;ワクシニアウイルスのコペンハーゲンVC−2菌株よりも200,000
倍も毒性が弱く;ワクシニアウイルスWR−L変形よりも25,000,000倍も毒性
が弱いことが示された。言うまでもなく、試験した最高の接種量、6.3×10
Uでは、100%の死亡率となった。33.3%の死亡率は、6.3×10
6 7 20
PF
PFUで
観察された。最高接種群のマウスの平均生存時間(MST)(約6.3LD50)は6.
7±1.5日であるので、死亡の原因は、実際には決定されないが、毒性学的性質または
外傷性質によるものではないようである。MSTが4.8±0.6日である5LD50の
抗原投与量でのWR(L)と比較した場合、ALVACを抗原投与したマウスのMSTは
著しく長い(P=0.001)。
【0486】
NYVACと比較して、エスは、15,000倍も毒性が強く;VC−2は35,000
倍も毒性が強く;WR(L)は3,000,000倍も毒性が強いことが分かった。AL
VACと同様に、NYVACの2つの最高接種量、6×10
8 および6×10
7 PF
Uでは100%の死亡率となった。しかしながら、380LD50に対応する、最高接種
量を抗原投与したマウスのMSTは、2日のみであった(2日目に9匹死に、4日目に1
匹死んだ)。対称的に、500LD50と等量の、WR−Lの最高接種量を抗原投与した
全てのマウスは4日目まで生存した。
【0487】
【表28】
30
(132)
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10
20
【表29】
30
40
実施例25−EHV−1 gB、gCおよびgD糖タンパク質相同物を発現するNYVA
Cベースの組換え体の産生
ワクシニアウイルスI3Lプロモーターの制御下にEHV−1 gB相同物遺伝子を配す
ることにより、EHV−1 gB糖タンパク質の発現を行なった。ワクシニアウイルスH
6プロモーターの制御下にEHV−1 gC相同物遺伝子を配することによりEHV−1
gC糖タンパク質の発現を行なった。昆虫ポックスウイルス42K遺伝子プロモーター
の制御下にEHV−1 gD相同物遺伝子を配することによりEHV−1 gD糖タンパ
50
(133)
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ク質の発現を行なった。
【0488】
vP1025の産生(ATI座におけるgBおよびgC;HA座におけるgD)
供与体プラスミドpJCA042の産生
EHV−1 gBコード配列の430bpの5′側領域を、テンプレートとしてのプラス
ミドpJCA011(ATI座カセットH6−EHV−1 gB)およびオリゴヌクレオ
チドJCA156(配列認識番号223)
【化142】
10
とJCA157(配列認識番号224)
【化143】
を用いてPCT誘導し、BamHIで切断してキナーゼした。この430bpの断片を、
テンプレートとしてのプラスミドpMP691(I3L101RAB)およびオリゴヌク
レオチドJCA158(配列認識番号225)
【化144】
20
とMP287(配列認識番号226)
【化145】
を用いて得られたI3Lプロモーター要素を含有する120bpのPCT誘導断片に融合
した。この120bp断片をXbaIで切断し、EHV−1 gB断片の430bp 5
′側領域と連結する前にキナーゼした。産生したプラスミドをpJCA034と称した。
pJCA034の直接の塩基配列決定法により、接合I3L−ATGおよびEHV−1 5′側領域のI3Lプロモーターの配列を確認した。プラスミドpJCA034をSma
IとBamHIで切断して550bpのSmaI−I3L−EHV−1 gB 5′−B
30
amHI断片(A)を切除した。プラスミドpMP665(COPCSシステム中のカセ
ットH6−HEV−1 gB)をBamHIとXhoIで切断し、2530bpのBam
HI−EHV−1 gB 3′断片(B)を切除した。次いで断片AおよびBをともに、
SmaIとXhoIで切断したベクターpSD541VC(ATI deorfed座)
に連結し、pJCA037を産生した。プラスミドpJCA037は、ATI deor
fed座にカセットI3L−EHV−1 gBを含有する供与体プラスミドである。プラ
スミドpJCA037をSmaIとXhoIで切断し、3050bpのSmaI−I3L
−EHV−1 gB−XhoI断片(C)を単離した。225bpのKpnI−EHV−
1 gC 3′末端浄化HindIII断片を、プラスミドpVHAH6g13(HAd
eorfed座のカセットH6−EHV−1 gC)およびオリゴヌクレオチドJCA1
40
54(配列認識番号227)
【化146】
とJCA163(配列認識番号228)
【化147】
を用いてPCR誘導し、KpnIとHindIIIで切断し、KpnIとHindIII
で切断したベクターpBS−SK
+ 中に連結し、pJCA033を産生した。pJCA
50
(134)
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033の直接の配列塩基決定方により確認した。プラスミドpJCA033をKpbIと
EcoRVで切断し、22bpKpnI−EHV−1 gC′末端EcoRV断片(D)
を単離した。プラスミドpVHAH6g13をBglIIとKpnIで切断し、1330
bpのBglII−H6−EHV−1gC 5′KpnI断片(E)を単離した。
【0489】
断片C、DおよびEを最終的に、BglIIとXhoIで切断したベクターpSD541
VC中にともに連結し、プラスミドpJCA042を産生した。プラスミドpJCA04
2は、NYVAC ATI deorfed座にI3L−EHV−1 gB−−H6−E
HV−1 gC二重構造を挿入する供与体プラスミドである。プラスミドpJCA042
はIVRの前にNotIを用いて線状化した。
10
【0490】
供与体プラスミドとしてのpJCA042および治療ウイルスとしてのvP866(NY
VAC)を用いてベロ細胞において生体外組換え実験を行なった。標準プロトコルを用い
て組換えウイルスを同定し精製した(ピッチーニら、1987)。ATI deorfe
d座にEHV−1 gBおよびgC遺伝子を含有するNYVACベースの組換え体をvP
956と称した。
【0491】
供与体プラスミドpJCA064の産生
プラスミドpEHV1BamHID(EHV−1 BamHI D断片を含有する)をH
indIIIで切断し、全縁EHV−1 gDコード配列を含有するが15 5′側bp
20
を含有しない1240bpのHindIII−HindIIIを切除した。1240bp
のHindIII−HindIII断片をクレノウポリメラーゼでブラントエンドし、S
maIで切断したベクターpCOPCS657に連結し、ホスファターゼした。産生した
プラスミドはpJCA006と称した。プラスミドpJCA006をBglIIとHin
dIIIで切断し、1500bpのHindIII−H6−−EHV−1 gD−Bgl
II断片を切除した。この断片を、BamHIとHindIIIで切断したベクターpI
BI24に連結し、プラスミドpEHV1gp50aを産生した。プラスミドpEHV1
gp50aを、両者とも特有部位であるEcoRVとNcoIで切断し、4100bp断
片を切除した。この断片を、オリゴヌクレオチドJCA052(配列認識番号229)
【化148】
30
およびJCA053(配列認識番号230)
【化149】
との間のハイブリダイゼーションにより得た合成二本鎖オリゴヌクレオチドに連結した。
産生したプラスミドをpgp50a3−2と称した。490bp EcoRI−EHV−
1 gD 3′末端浄化−HpaIを、テンプレートとしてのプラスミドpJCA005
およびオリゴヌクレオチドJCA041(配列認識番号231)
【化150】
とJCA099(配列認識番号232)
【化151】
40
(135)
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を用いてPCT誘導した。プラスミドpgp50a3−2をEcoRIで切断し、Hin
dIIIで部分的に切断し、850bp HindIII−H6−EHV−1 gD 5
′−EcoRI断片を切除した。この断片を490bpのEcoRI−HpaI断片とと
もにHindIIIとSmaIで切断したベクターpBS−SK
+ に連結し、プラスミ
ドpJCA020を産生した。プラスミドpJCA020はカセットH6−EHV−1 gDを含有する。
【0492】
EHV−1 gDコード配列の720bpの5′側領域を、テンプレートとしてのプラス
10
ミドpJCA020およびオリゴヌクレオチドJCA044(配列認識番号233)
【化152】
とJCA165(配列認識番号234)
【化153】
を用いてPCT誘導した。この断片をEcoRIで切断し、キナーゼした。107bp 42Kプロモーター要素を、テンプレートとしてのプラスミドpAM12およびオリゴヌ
20
クレオチドRG286(配列認識番号235)
【化154】
とJCA164(配列認識番号236)
【化155】
を用いてPCR誘導した。この断片をBamHIで切断し、キナーゼし、720bpのA
TG−EHV−1 gD 5′−EcoRI断片とともにBamHIとEcoRIで切断
したベクターpBS−SK
+ 30
に連結し、プラスミドpJCA035を産生した。接合4
2K−EHV−1 gDおよびEHV−1 gD 5′部分の42Kプロモーターの配列
をpJCA035の直接の塩基配列決定法により確認した。
【0493】
プラスミドpJCA035をBamHIとEcoRIで切断し、830bpのBamHI
−42K−EHV−1 gD 5′部分−EcoRI断片(F)を単離した。プラスミド
pJCA020をEcoRIとXbaIで切断し、500bpのEcoRI−EHV−1
gD 3′末端浄化−XbaI断片(G)を単離した。次いで断片FおよびGを、Ba
mHIとXbaIで切断したベクターpBS−SK
+ にともに連結し、プラスミドpJ
CA038を産生した。プラスミドpJCA038は、ベクターpBS−SK
+ 中にカ
40
セット42K−EHV−1 gDを含有している。プラスミドpJCA038をBamH
IとHpaIで切断し、1340bpのHpaI−42K−EHV−1 gD−BamH
I断片を単離した。この断片を、BamHIとSmaIで切断したプラスミドpSD54
4(HA deorfed座)に連結し、プラスミドpJCA064を産生した。プラス
ミドpJCA064は、カセット42K−EHV−1 gDをNYVACHA deor
fed座に挿入する供与体プラスミドである。IVRの前にNtIを用いてプラスミドp
JCA064を線状化した。
【0494】
供与体プラスミドとしてのpJCA064および治療ウイルスとしての組換えワクシニア
ウイルスvP956(NYVACバックグラウンド)を用いてベロ細胞において生体外実
50
(136)
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験を行なった。これは標準方法に関して行なった(ピッチーニら、1987)。ATI deorfed座にEHV−1 gBおよびgC遺伝子を、HA deorfed座にE
HV−1 gD遺伝子を含有するNYVACベースの組換え体をvP1025と称した。
【0495】
供与体プラスミドpJCA043の産生
プラスミドpJCA011およびオリゴヌクレオチドJCA159(配列認識番号237
)
【化156】
10
とJCA160(配列認識番号238)
【化157】
を用いて220bpのHindIII−EHV−1 gB 3′側領域をPCR誘導した
。この断片をBamHIとHindIIIで切断し、BamHIとHindIIIで切断
したベクターpBS−SK
+ に連結し、プラスミドpJCA036を産生した。pJC
A036の直接の塩基配列決定法により、EHV−1 gB 3′側領域PCR断片の配
列を確認した。
【0496】
20
プラスミドpJCA033をEcoRVとKpnIで切断し、KpnI−EHV−1 g
C 3′側領域−EcoRV断片(H)を単離した。プラスミドpJCA038をBam
HIとHpaIで切断し、1360bpのHpaI−42K−EHV−1 gD−Bam
HI断片(I)を単離した。プラスミドpVHAH6g13をKpnIとXhoIで切断
し、900bpのXhoI−EHV−1 gC中央部分−KpnI断片(J)を単離した
。次いで断片H、IおよびJを、BamHIとXhoIで切断したベクターpBS−SK
+ にともに連結し、プラスミドpJCA041を産生した。
【0497】
プラスミドpJCA034をHindIIIとXhoIで切断し、5900bpの線状化
ベクターXhoI−pBS−SK
+ −I3L−EHV−1 gB−HindIII断片
30
(K)を単離した。プラスミドpJCA036をBamHIとHindIIIで切断し、
220bpのHindIII−EHV−1 gB 3−−側領域−BamHI断片(L)
を単離した。プラスミドpVHAH6g13をBglIIとXhoIで切断し、440b
pのBglII−H6−EHV−1gC 5′部分−XhoI断片(M)を単離した。次
いで断片K、Lおよびmをともに連結し、プラスミドpJCA040を産生した。
【0498】
プラスミドpJCA040をSmaIとXhoIで切断し、3550bpのSmaI−I
3L−EHV−1 gB−−EHV−1 gC 5′部分−XhoI断片(N)を単離し
た。プラスミドpJCA041をBamHIとXhoIで切断し、2460bpのXho
I−EHV−1 gC 3′部分−−42K−EHV−1 gD−BamHI断片(O)
40
を単離した。断片NおよびOを最終的に、BglIIとSmaIで切断したプラスミドp
SD541VC(NYVAC ATI deorfed座)にともに連結し、プラスミド
pJCA043を産生した。プラスミドpJCA043は、I3L−EHV−1 gB−
−H6−EHV−1 gC−−42K−EHV−1 gD三重構造をNYVAC ATI
deorfed座に挿入する供与体プラスミドである。IVRの前にNotIを用いて
プラスミドpJCA043を線状化した。
【0499】
供与体プラスミドとしてpJCA043および治療ウイルスとしてvP866(NYVA
C)を用いて初代鶏胚繊維芽細胞において生体外実験を行なった。標準方法を用いて産生
した組換え体を同定し、精製した(ピッチーニら、1987)。ATI deorfed
50
(137)
JP 3602844 B2 2004.12.15
座にEHV−1 gB、gCおよびgD遺伝子を含有するNYVACベースの組換え体を
vP1043と称した。
【0500】
実施例26−EHV−1 gB、gCおよびgD糖タンパク質相同物を発現するALVA
Cベースの組換え体の産生
供与体プラスミドpJCA049の産生
プラスミドpJCA040をSmaIとXhoIで切断し、3550bpのSmaI−I
3L−EHV−1 gB−−H6−EHV−1 gC 5′部分−XhoI断片(A)を
単離した。プラスミドpJCA041をBamHIとXhoIで切断し、2460bpの
XhoI−EHV−1 gC 3′部分−−42K−EHV−1 gD−BamHI断片
10
(B)を単離した。断片AおよびBを、BamHIとSmaIで切断したプラスミドpS
PVQC3Lにともに連結し、プラスミドpJCA049を産生した。pJCA049は
、I3L−EHV−1 gB−−H6−EHV1 gC−−42K−EHV−1 gD三
重構造をALVAC C3 deorfed座に挿入するプラスミドである。IVRの前
に、NotIを用いてプラスミドpJCA049を線状化した。
【0501】
供与体プラスミドとしてのpJCA049および治療ウイルスとしてのCPpp(ALV
AC)を用いて、初代鶏胚繊維芽細胞において生体外実験を行なった。標準方法を用いて
産生した組換え体を同定し精製した(ピッチーニら、1987)。C3 deorfed
座にEHV−1 gB、gCおよびgD遺伝子を含有するALVACベースの組換え体を
20
vCP132と称した。
【0502】
実施例27−NYVAC−およびALVAC−ベースのウマヘルペスウイルス1型三重組
換え体の発現分析
EHV−1 gB(16G5または3F6)、EHV−1 gC(14H7)およびEH
V−1 gD(20C4)に特異的な単クローン性抗体を用いて、前述したように(テイ
ラーら、1990)蛍光抗体法アッセイを行なった。全ての抗EHV−1単クローンをジ
ョージアレン(40546−0076、ケンタッキー州、レキシントン、ケンタッキー大
学、獣医科学科)から得た。3つのEHV−1特異的産生物全ての発現は、vP1025
、vP1043まはvCP132のいずれに感染した細胞内部に検出可能であった。EH
30
V−1 gC糖タンパク質のみが、感染細胞の表面上に良好に発現された。EHV−1 gB糖タンパク質の表面発現は非常に弱く、EHV−1 gD糖タンパク質の表面発現は
疑わしいものであった。
【0503】
同一の単クローン性抗体を用いて免疫沈降を行ない、発現されたEHV−1 gB、gC
およびgD遺伝子産生物の真正を測定した。EHV−1 gB糖タンパク質に特異的な単
クローン性3F6は、組換えウイルスvP956、vP1025、vP1043またはv
CP132に感染した細胞から誘導された溶解産物からの138kDa、70kDaおよ
び54kDaのSDS−PAGEゲルシステム上の見かけ分子質量を有するタンパク質を
沈殿せしめた。未感染細胞またはいずれの親ウイルス(NYVACおよびALVAC)感
40
染細胞から誘導された溶解産物からはどのタンパク質も沈殿しなかった。EHV−1 g
C糖タンパク質に特異的な単クローン性14H7は、vP956、vP1025またはv
P1043のいずれかに感染した細胞から誘導された溶解産物からは90kDaの見かけ
分子質量を有する糖タンパク質を沈殿せしめた。組換え体vCP132により発現された
EHV−1 gC糖タンパク質は、組換え体vP956、vP1025またはvP104
3により発現された糖タンパク質よりもやや小さな(約2kDa小さい)見かけ分子質量
を有する。EHV−1 gD糖タンパク質に特異てきな単クローン性抗体20C4は、v
P1025、vP1043またはvCP132に感染した細胞から誘導された溶解産物か
らは55kDaの見かけ分子質量を有する糖タンパク質を沈殿せしめた。
【0504】
50
(138)
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またはG.アレンから得たウサギ抗−EHV−1高度免疫血清を用いて免疫沈降を行なっ
た。この血清は、vP1025、vP1043またはvCP132のいずれかに感染した
細胞から誘導された溶解産物から3つのEHV−1産生物全てを沈殿せしめた。
【0505】
実施例28−ハムスター抗原投与モデルを用いて得られた防御データ
抗原投与実験(ハムスターモデル)をローンメリクス(フランス、リヨン)で行ない、ポ
ックスウイルスEHV−1組換え体vP956、vP1025およびvCP132により
誘発した防御の相対水準を評価した。ハムスターを0日にワクチン接種し、14日にEH
V−1組換え体の様々な希釈物を追加抗原投与した。全て免疫し、対照の動物に、28日
にハムスター適用EHV−1抗原投与気株を抗原投与した。死亡した動物の最終的な数は
10
35日(抗原投与後7日)に数えた。抗原投与実験の結果を表30に示す。
【0506】
【表30】
20
30
実施例29−イヌの免疫持続期間の研究
この研究の目的は、ALVAC−RG(vCP65)の1回の接種後のイヌに防御免疫応
答が保持される期間を測定することにある。抗狂犬病抗体を有さない生後8か月の、41
匹のビーグル犬に、皮下経路により6.7log10TCID50のALVAC−RGの
1回の接種量を接種した。ワクチン接種後、0日と1、2、3、6および12か月でイヌ
を採血し、RFFI試験を用いて抗狂犬病抗体の存在について血清をアッセイした。全て
40
の動物を、ワクチン接種の副作用について監視した。
【0507】
ワクチン接種から6か月後、5匹のイヌに、狂犬病ウイルスの毒性NYGS菌株を筋内接
種により抗原投与した。その動物には側頭筋に10
3 . 4 50%マウス致死量を投与し
た。3匹の未接種対照動物にも同一の接種を行なった。11匹のワクチン接種したイヌと
3匹の未接種対し卯よイヌには、ワクチン接種から12か月後に同一の方法で抗原投与し
た。血清学的結果と6および12か月での抗原投与の結果を表31に示す。
【0508】
ALVAC−RG(vCP65)でワクチン接種したどのイヌもワクチン接種に対する副
作用は示さなかった。ALVAC−RG(vCP65)を接種した全てのイヌは、ワクチ
50
(139)
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ン接種から7日後に狂犬病ウイルス中和抗体の誘発を示した。最大の力価は、ワクチン接
種後14から28日の間に達成され、その後減少した。ワクチン接種から6または12か
月後での抗原投与の時に、力価は低く、ある動物においてはゼロに近かった。低い力価に
もかかわらず、全ての動物は、ワクチン接種をしなかった対照イヌが死んだ致死狂犬病抗
原投与にも生存した。ワクチン接種から6か月後の抗原投与に生存した動物のRFFI力
価を8か月目(抗原投与から2か月後)に評価した。これらの動物の血清力価は、7.4
、7.4、2.3、1.8、および7.4国際単位であった。狂犬病中和抗体のこれらの
上昇し保持された水準は、動物が最初の1回の接種により効果的に備えられたことを示す
。実験は進行中であり、残りの動物は、ワクチン接種から2または3年後に抗原投与する
。しかしながら、データに関して、実験を成功であり、本発明の効用を説明している。
【0509】
【表31】
10
(140)
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10
20
30
40
(141)
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10
20
30
40
実施例30−NYVAC中のウシヘルペスウイルス1型BHV1遺伝子の発現
NYVAC/BHV1 gIV組換え体の産生
プラスミドpBHVgIVをローンメリクスから得た。このプラスミドは、3.9kb PstI断片上にコードされ、pBS−SK
+ のPstI部位にクローニングされるB
HV1 gIV遺伝子(ストローブ菌株)を含有する。このプラスミドからのgIV遺伝
子(チコーら、J.ビロル(1990)64:5132)をワクシニアウイルスフランキ
50
(142)
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ングアームの間にクローニングした。gIV遺伝子をが有するpBHVgIVの2,00
0bp PstI−XhoI断片を、pSD542のPstI−XhoI部位(実施例3
2に定義)にクローニングすることによりこのことを行なった。この操作により産生され
たプラスミドをpBHV1と称する。
【0510】
次いでπプロモーターの3′末端をgIV遺伝子の上流にクローニングした。これは、π
プロモーターの3′末端とgIV遺伝子の5′末端をコードするオリゴヌクレオチドBH
VL7(配列認識番号239)
【化158】
10
およびBHVL8(配列認識番号240)
【化159】
20
をpBHV1の5,500bpの部分的SstII−XhoI断片にクローニングするこ
とにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV3と称する。
【0511】
次いで異種3′非コード配列を除去した。これは、オリゴヌクレオチドBHVL5(配列
認識番号241)(5′−GGGTGACTGCA−3′)およびBHVL6(配列認識
番号242)(5′−GTCACCC−3′)をpBHV3の5,200bpの部分的S
maI−PstI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生した
プラスミドをpBVH4と称する。
【0512】
30
次いで異種リンカー配列を除去した。これはpBHV4の5,200bp PstI断片
を連結することにより行なった。この操作により産生されたプラスミドをpBHV5と称
する。
【0513】
次いでπプロモーターの5′末端をpBHV5にクローニングした。これは、πプロモー
ターの5′末端を含有するpPI4の130bp AflII−XhoI断片をpBHV
5の5,200bp AflII−XhoI断片にクローニングすることにより行なった
。この操作により産生したプラスミドをpBHV6と称する。
【0514】
pBHV6を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実験
40
に用いてvP1051を産生した。
【0515】
免疫沈降を行なって、vP1051が真正BHV1 gIV糖タンパク質を発現するか否
かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染せしめたか、10PFU/細胞のm.o.i.でN
YVACに感染せしめたか、またはvP1051に感染せしめた。1時間の吸着期間後、
接種物を吸引して、2%のウシ胎仔血清と[
3 5
S]−メチオニン(20μCi/ml)
を含有する2mlの修飾イーグル培地(メチオニンのない)を細胞に添加した。1mlの
3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(pH7.4)、3mMのEDTA
、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlのPMSF)および50mlの
アプロチニンの添加と続いての細胞単層のかきとりにより細胞を感染から7時間後に収集
50
(143)
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した。
【0516】
次いでBHV1 gIV特異的単クローン性抗体3402(WI、マジソン、ウィスコン
シン大学、Dr.ジオフリーリッチワースから得た)を用いて溶解産物を、BHV1 g
IV発現に関して分析した。これは以下の方法によって行なった。ラット抗マウス血清を
室温で4時間に亘りタンパク質Aセファロースに結合せしめた。1×緩衝液Aで物質を5
回洗浄した後、タンパク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体をgIV特異的単クロ
ーン性抗体3402に結合せしめた。一方で、通常のマウス血清およびタンパク質Aセフ
ァロース結合ラット抗マウス抗体を4℃で一晩に亘りインキュベーションすることにより
、溶解産物を前浄化した。この物質を1×の緩衝液Aで5回洗浄した後、BHV1セファ
10
ロース単クローン性抗体、ラット抗マウス、タンパク質Aセファロース複合体を溶解産物
に加え、4℃で一晩に亘りインキュベーションした。その試料を、1×緩衝液Aで5回、
LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した後、2×ラエムリ緩衝液(125mMのトリス
(pH6.8)、4%のSDS、20%のグリセロール、10%の2−メルカプトエタノ
ール)を添加し、5分間沸騰せしめることにより、沈殿したタンパク質を免疫複合体から
分離した。次いでタンパク質を10%のドリファスゲルシステムで分画し(ドリファスら
、1984)、固定し、蛍光光度法のために1MのNa−サリチル酸塩で処理した。
【0517】
BHV1 gIV特異的単クローン性抗体3402は、vP1051感染細胞からBHV
1 gIV糖タンパク質を特異的に沈殿せしめたが、NYVACまたは疑似感染細胞から
20
はBHV1−特異的タンパク質を沈殿せしめなかった。
【0518】
NYVAC/BHV1 gIおよびgIV組換え体の産生
BHV1 gIV遺伝子を含有するプラスミドpBHVgIVは、ローンメリクスから得
た。このプラスミドからのgIV遺伝子をワクシニアウイルスフランキングアームの間に
クローニングした。これは、gIV遺伝子を含有するpBHV1gIVの2,000bp
のPstI−XhoI断片を、pSD542のPstI−XhoI部位にクローニングす
ることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV1と称する。
【0519】
次いでπプロモーターの3′末端をgIV遺伝子の上流にクローニングした。これは、π
30
プロモーターの3′末端とgIV遺伝子の5′末端をコードするオリゴヌクレオチドBH
VL7(配列認識番号239)およびBHVL8(配列認識番号240)をpBHV1の
5,500bpの部分的SstII−XhoI断片にクローニングすることにより行なっ
た。この操作により産生したプラスミドをpBHV3と称する。
【0520】
次いで異種3′非コード配列を除去した。これは、オリゴヌクレオチドBHVL5(配列
認識番号241)およびBHVL6(配列認識番号242)をpBHV3の5,200b
p部分的SmaI−PstI断片にクローニングすることにより行なった。この操作によ
り産生したプラスミドをpBHV4と称する。
【0521】
40
次いで異種リンカー配列を除去した。これし、pBHV4の5,200bpのPstI断
片を連結することにより行なった。この操作により産生されたプラスミドをpBHV5と
称する。
【0522】
次いでπプロモーターの5′末端をpBHV5にクローニングした。これは、πプロモー
ターの5′末端を含有するpPI4の130bpのAflII−XhoI断片をpBHV
5の5,200bpのAflII−XhoI断片にクローニングすることにより行なった
。この操作により産生したプラスミドをpBHV6と称する。
【0523】
次いでBHV1 gI遺伝子をpBHV6にクローニングした。これは、H6プロモート
50
(144)
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したgI遺伝子を含有するpBHV8の2,900bpのBglII断片をpBHV6の
BglII部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラス
ミドをpBHV9と称する。
【0524】
pBHV8を以下の方法により産生した。プラスミドpIBRS6をローンメリクスから
得た。このプラスミドは、BHV1gI遺伝子を含有する6.6kbのSalI断片(ス
トローブ菌株)を含有する。gI遺伝子の5′末端(ホワイトベックら、J.ビロル(1
988)62:3319)をH6プロモーターの下流と、ワクシニアウイルスHAフラン
キングアームの間にクローニングした。これは、pIBRS6の54bpのSalI−P
stI断片をpGD5の4,400bpのSalI−PstI断片にクローニングするこ
10
とにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpIBR2と称する。
【0525】
次いでH6プロモーターの開始コドンを、オリゴヌクレオチドIBRL1(配列認識番号
243)
【化160】
およびIBRL2(配列認識番号244)
20
【化161】
を、pIBR2の3,800bpのNruI−SstI断片にクローニングすることによ
り行なった。この操作により産生したプラスミドをpIBR4と称する。
【0526】
次いで将来の操作に必要なNcoI部位をgI配列の下流に産生した。これは、オリゴヌ
クレオチドIBRL3(配列認識番号245)
30
【化162】
およびIBRL4(配列認識番号246)
【化163】
をpIBR4のPstI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産
生したプラスミドをpIBR5と称する。
【0527】
40
次いで追加のgI配列をpIBR5にクローニングした。これは、pIBRS6の1,7
40bpのTth111I−NcoI断片をpIBR5の3,700bpのTth111
I−NcoI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラ
スミドをpIBR7と称した。
【0528】
次いで将来の操作に必要なBglII部位をgI配列の下流に産生した。これは、オリゴ
ヌクレオチドIBRL5(配列認識番号247)
【化164】
50
(145)
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およびIBRL6(配列認識番号248)
【化165】
をpIBR7のNcoI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産
生したプラスミドをpIBR8と称する。
【0529】
次いでgI遺伝子の3′末端をpIBR8にクローニングした。これは、pIBRS6の
2,285bp StuI断片をE.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)
が充填されたpIBR8の4,300bp StuI−BglII(部分的)断片にクロ
10
ーニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpIBR20と
称する。
【0530】
次いでH6プロモートしたBHV1 gI遺伝子をワクシニアウイルス供与体プラスミド
に移動せしめた。これは、E.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)が充填
されたpIBR20の2,900bp BglI−NcoI(部分的)断片をpSD54
2のSmaI部位にクローニングすることにより行なった。これによりH6プロモートし
たgI遺伝子をtkフランキングアームの間に配する。この操作により産生したプラスミ
ドをpIBR22と称する。
【0531】
20
次いでBglII部位をH6プロモーターの下流に産生した。これは、pIBR22の2
,800bp HindIII−EcoRV断片をpGD3の3,500bp Hind
III−EcoRV断片にクローニングすることにより行なった。(pGD3は、H6プ
ロモートした2型単純ヘルペスウイルス(HSV2)gD遺伝子から下流のGglII部
位を含有する。この操作により、HSV2gD配列をBHVIgI遺伝子が置換され、そ
れゆえH6プロモートしたgI遺伝子から下流にBglII部位を産生する)。この操作
により産生したプラスミドをpBHV8と称する。
【0532】
pBHV9を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実験
に用いてvP1074を産生した。
30
【0533】
免疫沈降分析を行ない、vP1074が真正BHV1 gIおよびgIV糖タンパク質を
発現するか否かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染したか、10PFU/細胞のm.o.
i.でNYVACに感染せしめたか、またはvP1074に感染せしめた。1時間の吸着
期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S]−メチオニン(
20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグルス培地(メチオニンを含まない)を
添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(pH7.4)
、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlのPMSF
)および50mlのアプロチニンを添加し、続いて細胞単層をかきとることにより、感染
から7時間後に細胞を収集した。
40
【0534】
次いでBHV1 gI特異的単クローン性抗体5106、およびgIV特異的単クローン
性抗体3402(WI、マジソン、ウィスコンシン大学、Dr.ジオフェリーリッチワー
スから得た)を用いて、溶解産物をBHV1 gIおよびgIV発現に関して分析した。
これは以下の方法により行なった。ラット抗マウス血清を室温で4時間に亘りタンパク質
Aセファロースに結合せしめた。1×緩衝液Aで物質を5回洗浄した後、タンパク質Aセ
ファロース結合ラット抗マウス抗体をgI特異的単クローン性抗体とgIV特異的単クロ
ーン性抗体に結合せしめた。一方で、通常マウス血清とタンパク質Aセファロース結合ラ
ット抗マウス抗体を4℃で一晩インキュベーションすることにより溶解産物を前浄化した
。この物質を1×緩衝液Aで5回洗浄した後に、gIまたはgIV特異的単クローン性抗
50
(146)
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体、ラット抗マウス、タンパク質Aセファロース複合体を溶解産物に加え、4℃で一晩イ
ンキュベーションした。この試料を1×緩衝液で4回、LiCl2 /尿素緩衝液で2回
洗浄した後に、2×のラエムリ緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4%のSD
S、20%のグリセロール、10%の2−メルカプトエタノール)を添加し、5分間の沸
騰により、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離した。次いでタンパク質を10%の
ドリファスゲルシステムで分画し(ドリファスら、1984)、固定し、蛍光光度法のた
めに1MのNa−サリチル酸塩で処理した。
【0535】
BHV1 gIおよびgIV特異的単クローン性抗体、5106および3402は、vP
1074感染細胞からBHV1 gIおよびgIV糖タンパク質を特異的に沈殿せしめた
10
が、疑似感染細胞またはNYVAC感染細胞からのBHV1−特異的タンパク質は沈殿し
なかった。
【0536】
NYVAC/BHV1 gIII組換え体の産生
プラスミドpBHVgIIIをローンメリクスから得た。このプラスミドは、pBSK
+
のBamHI/HindIII部位にクローニングされた3.4kbのBamHI/H
indIII断片上にコードされたBHV1 gIII遺伝子(ストローブ菌株)を含有
する。このプラスミドからのgIII遺伝子(フィッツパトリックら、ウイルス学、(1
989)173 :146 )をワクシニアウイルスフランキングアームの間にクローニ
ングした。これは、gIII遺伝子の5′末端を含有するpBHVgIIIの1,000
20
bpのNcoI−XhoI断片、およびI3Lプロモーターをコードするオリゴヌクレオ
チドBHVL1(配列認識番号249)
【化166】
とBHVL2(配列認識番号250)
【化167】
30
をpSD544のBamHI−XhoI部位にクローニングすることにより行なった。こ
の操作により産生したプラスミドをpBHV2と称する。
【0537】
次いでgIII遺伝子の3′末端をpBHV2にクローニングした。これは、gIII遺
伝子の3′末端をコードする、オリゴヌクレオチドBHVL15(配列認識番号251)
【化168】
40
およびBHVL16(配列認識番号252)
【化169】
をpBHV2の4,700bp XhoI−Asp718断片にクローニングすることに
50
(147)
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より行なった。この操作により産生したフラクションをpBHV7と称する。
【0538】
次いでgIII遺伝子の残りをpBHV7にクローニングした。これは、gIII遺伝子
の内側部分を含有するpBHVgIIIの500bp 部分的SmaI−XhoI断片を
pBHV7の4,750bpの部分的SmaI−XhoI断片にクローニングすることに
より行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV10と称する。
【0539】
pBHV10を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1073を産生した。
【0540】
10
免疫沈降分析を行なって、vP1073が真正BHV1 gIII糖タンパク質を発現す
るか否かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染せしめたか、10PFU/細胞のm.o.i
.でNYVACに感染せしめたか、またはvP1073に感染せしめた。1時間の吸着期
間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S]−メチオニン(2
0μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグルス培地(メチオニンを含まない)を添
加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(pH7.4)、
3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlのPMSF)
および50mlのアプロチニンを添加し、続いて細胞単層をかきとることにより、感染か
ら7時間後に細胞を収集した。
【0541】
20
次いでBHV1 gIII特異的単クローン性抗体1507(WI、マジソン、ウィスコ
ンシン大学、Dr.ジオフェリーリッチワースから得た)を用いて、溶解産物をBHV1
gIII発現に関して分析した。これは以下の方法により行なった。ラット抗マウス血
清を室温で4時間に亘りタンパク質Aセファロースに結合せしめた。1×緩衝液Aで物質
を5回洗浄した後、タンパク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体をgIII特異的
単クローン性抗体、1507に結合せしめた。一方で、通常マウス血清とタンパク質Aセ
ファロース結合ラット抗マウス抗体を4℃で一晩インキュベーションすることにより溶解
産物を前浄化した。この物質を1×緩衝液Aで5回洗浄した後に、gIII特異的単クロ
ーン性抗体、ラット抗マウス、タンパク質Aセファロース複合体を溶解産物に加え、4℃
で一晩インキュベーションした。この試料を1×緩衝液で4回、LiCl2 /尿素緩衝
30
液で2回洗浄した後に、2×のラエムリ緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4
%のSDS、20%のグリセロール、10%の2−メルカプトエタノール)を添加し、5
分間の沸騰により、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離した。次いでタンパク質を
10%のドリファスゲルシステムで分画し(ドリファスら、1984)、固定し、蛍光光
度法のために1MのNa−サリチル酸塩で処理した。
【0542】
BHV1 gIII特異的単クローン性抗体、1507は、vP1073感染細胞からの
BHV1 gIII糖タンパク質を特異的に沈殿せしめたが、疑似感染細胞またはNYV
AC感染細胞からのBHV1−特異的タンパク質は沈殿せしめなかった。
【0543】
40
NYVAC/BHV1 gIIIおよびgIV組換え体の産生
BHV1 gIV遺伝子を含有するプラスミドpBHVgIVをローンメリクスから得た
。このプラスミドからのgIV遺伝子をワクシニアウイルスフランキングアームの間にク
ローニングした。これは、gIV遺伝子を含有するpBHVgIVの2,000bp P
stI−XhoI断片をpSD542のPstI−XhoI部位にクローニングすること
により行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV1と称する。
【0544】
次いでπプロモーターの3′末端をgIV遺伝子の上流にクローニングした。これは、π
プロモーターの3′末端およびgIV遺伝子の5′末端をコードするオリゴヌクレオチド
BHVL7(配列認識番号239)およびBHVL8(配列認識番号240)をpBHV
50
(148)
JP 3602844 B2 2004.12.15
1の5,500bp 部分的SstII−XhoI断片にクローニングすることにより行
なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV3と称する。
【0545】
次いで異種3′非コード配列を除去した。これは、オリゴヌクレオチドBHVL5(配列
認識番号241)およびBHVL6(配列認識番号242)をpBHV3の5,200b
pの部分的SmaI−PstI断片にクローニングすることにより行なった。この操作に
より産生したプラスミドをpBHV4と称する。
【0546】
次いで異種リンカー配列を除去した。これは、pBHV4の5,200bp PstI断
片を連結することにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV5と称
10
する。
【0547】
次いでπプロモーターの5′末端をpBHV5にクローニングした。これは、πプロモー
ターの5′末端を含有するpPI4の130bp AflII−XhoI断片をpBHV
5の5,200bp AflII−XhoI断片にクローニングすることにより行なった
。この操作により産生したプラスミドをpBHV6と称する。
【0548】
次いでBHV1 gIII遺伝子をpBHV6にクローニングした。これは、I3Lプロ
モートしたgIII遺伝子を含有するpBHV10の1,600bpAsp718−Ba
mHI断片をpBHV6の5,300bp 部分的BamHI−Asp718断片にクロ
20
ーニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV11と
称する。
【0549】
pBHV11を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1083を産生した。
【0550】
免疫沈降分析を行なって、vP1083が真正BHV1 gIIIおよびgIV糖タンパ
ク質を発現するか否かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染せしめたか、10PFU/細胞
のm.o.i.でNYVACに感染せしめたか、またはvP1083に感染せしめた。1
時間の吸着期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S]−メ
30
チオニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグルス培地(メチオニンを含
まない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(p
H7.4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/ml
のPMSF)および50mlのアプロチニンを添加し、続いて細胞単層をかきとることに
より、感染から7時間後に細胞を収集した。
【0551】
次いでBHV1 gIII特異的単クローン性抗体1507、およびgIV特異的単クロ
ーン性抗体3402(WI、マジソン、ウィスコンシン大学、Dr.ジオフェリーリッチ
ワースから得た)を用いて、溶解産物をBHV1 gIIIおよびgIV発現に関して分
析した。これは以下の方法により行なった。ラット抗マウス血清を室温で4時間に亘りタ
40
ンパク質Aセファロースに結合せしめた。1×緩衝液Aで物質を5回洗浄した後、タンパ
ク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体をgIII特異的単クローン性抗体およびg
IV特異的単クローン性抗体に結合せしめた。一方で、通常マウス血清とタンパク質Aセ
ファロース結合ラット抗マウス抗体を4℃で一晩インキュベーションすることにより溶解
産物を前浄化した。この物質を1×緩衝液Aで5回洗浄した後に、BHV1 gIIIま
たはgIV特異的単クローン性抗体、ラット抗マウス、タンパク質Aセファロース複合体
を溶解産物に加え、4℃で一晩インキュベーションした。この試料を1×緩衝液で4回、
LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した後に、2×のラエムリ緩衝液(125mMのト
リス(pH6.8)、4%のSDS、20%のグリセロール、10%の2−メルカプトエ
タノール)を添加し、5分間の沸騰により、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離し
50
(149)
JP 3602844 B2 2004.12.15
た。次いでタンパク質を10%のドリファスゲルシステムで分画し(ドリファスら、19
84)、固定し、蛍光光度法のために1MのNa−サリチル酸塩で処理した。
【0552】
BHV1 gIIIおよびgIV特異的単クローン性抗体、1507および3402は、
vP1083感染細胞からのBHV1 gIIIおよびgIV糖タンパク質を特異的に沈
殿せしめたが、疑似感染細胞またはNYVAC感染細胞からのBHV1特異的タンパク質
は沈殿せしめなかった。
【0553】
NYVAC/BHV1 gIおよびgIII組換え体の産生
BHV1 gIII遺伝子を含有するプラスミドpBHVgIIIをローンメリクスから
10
得た。このプラスミドからのgIII遺伝子を、ワクシニアウイルスフランキングアーム
の間にクローニングした。これは、gIII遺伝子の5′末端を含有するpBHVgII
Iの1,000bp NcoI−XhoI断片、およびI3Lプロモーターをコードする
オリゴヌクレオチドBHVL1(配列認識番号249)とBHVL2(配列認識番号25
0)をpSD544VCのBamHI−XhoI部位にクローニングすることにより行な
った。この操作により産生したプラスミドをpBHV2と称する。
【0554】
次いでgIII遺伝子の3′末端をpBHV2にクローニングした。これは、gIII遺
伝子の3′末端をコードするオリゴヌクレオチドBHVL15(配列認識番号251)お
よびBHVL16(配列認識番号252)をpBHV2の4,700bp XhoI−A
20
sp718断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラス
ミドをpBHV7と称する。
【0555】
次いでgIII遺伝子の残りをpBHV7にクローニングした。これは、gIII遺伝子
の内側部分を含有するpBHVgIIIの500bp 部分的SmaI−XhoI断片を
pBHV7の4,750bp部分的SmaI−XhoI断片にクローニングすることによ
り行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV10と称する。
【0556】
次いでBHV1 gI遺伝子をpBHV10にクローニングした。これは、H6プロモー
トしたgI遺伝子を含有するpBHV8の2,900bp BglII断片をpBHV1
30
0のBamHI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプ
ラスミドをpBHV12と称する。
【0557】
pBHV12を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1087を産生した。
【0558】
免疫沈降分析を行なって、vP1087が真正BHV1 gIおよびgIII糖タンパク
質を発現するか否かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染せしめたか、10PFU/細胞の
m.o.i.でNYVACに感染せしめたか、またはvP1087に感染せしめた。1時
間の吸着期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S]−メチ
40
オニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグルス培地(メチオニンを含ま
ない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(pH
7.4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlの
PMSF)および50mlのアプロチニンを添加し、続いて細胞単層をかきとることによ
り、感染から7時間後に細胞を収集した。
【0559】
次いでBHV1 gI特異的単クローン性抗体5106、およびBHV1 gIII特異
的単クローン性抗体1507(WI、マジソン、ウィスコンシン大学、Dr.ジオフェリ
ーリッチワースから得た)を用いて、溶解産物をBHV1 gIおよびgIII発現に関
して分析した。これは以下の方法により行なった。ラット抗マウス血清を室温で4時間に
50
(150)
JP 3602844 B2 2004.12.15
亘りタンパク質Aセファロースに結合せしめた。1×緩衝液Aで物質を5回洗浄した後、
タンパク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体をgI特異的単クローン性抗体および
gIII特異的単クローン性抗体に結合せしめた。一方で、通常マウス血清とタンパク質
Aセファロース結合ラット抗マウス抗体を4℃で一晩インキュベーションすることにより
溶解産物を前浄化した。この物質を1×緩衝液Aで5回洗浄した後に、BHV1 gIま
たはgIII特異的単クローン性抗体、ラット抗マウス、タンパク質Aセファロース複合
体を溶解産物に加え、4℃で一晩インキュベーションした。この試料を1×緩衝液で4回
、LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した後に、2×のラエムリ緩衝液(125mMの
トリス(pH6.8)、4%のSDS、20%のグリセロール、10%の2−メルカプト
エタノール)を添加し、5分間の沸騰により、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離
10
した。次いでタンパク質を10%のドリファスゲルシステムで分画し(ドリファスら、1
984)、固定し、蛍光光度法のために1MのNa−サリチル酸塩で処理した。
【0560】
BHV1 gIおよびgIII特異的単クローン性抗体、5106および1507は、v
P1087感染細胞からBHV1 gIおよびgIII糖タンパク質を特異的に沈殿せし
めたが、疑似感染細胞またはNYVAC感染細胞からBHV1特異的タンパク質は沈殿せ
しめなかった。
【0561】
NYVAC/BHV1 gI、gIIIおよびgIV組換え体の産生
BHV1 gIV遺伝子を含有するプラスミド、pBHVgIVをローンメリクスから得
20
た。このプラスミドからのgIV遺伝子をワクシニアウイルスフランキングアームの間に
クローニングした。これは、gIV遺伝子を含有する2,00bp PstI−XhoI
断片をpSD542VCVQのPstI−XhoI部位にクローニングすることにより行
なった。この操作により産生されたプラスミドをpBHV1と称する。
【0562】
次いでπプロモーターの3′末端をgIV遺伝子の上流にクローニングした。これは、π
プロモーターの3′末端およびgIV遺伝子の5′末端をコードするオリゴヌクレオチド
、BHVL7およびBHVL8を、pBHV1の5,500bp 部分的SstI−Xh
oI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生されたプラスミド
をpBHV3と称する。
30
【0563】
次いで異種3′非コード配列を除去した。これは、オリゴヌクレオチド、BHVL5(配
列認識番号241)およびBHVL6(配列認識番号242)をpBHV3の5,200
bpの部分的SmaI−PstI断片にクローニングすることにより行なった。この操作
により産生したプラスミドをpBHV4と称する。
【0564】
次いで異種リンカー配列を除去した。これは、pBHV4の5,200bp PstI断
片を連結することにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV5と称
する。
【0565】
40
次いでπプロモーターの5′末端をpBHV5にクローニングした。これは、πプロモー
ターの5′末端を含有するpPI4の130bp AflII−XhoI断片をpBHV
5の5,200bp AflII−XhoI断片にクローニングすることにより行なった
。この操作により産生したプラスミドをpBHV6と称する。
【0566】
次いでBHV1 gIII遺伝子をpBHV6にクローニングした。これは、I3Lプロ
モートしたgIII遺伝子を含有するpBHV10の1,600bpAsp718−Ba
mHI断片をpBHV6の5,300bp 部分的BamHI−Asp718断片にクロ
ーニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBHV11と
称する。
50
(151)
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【0567】
次いでBHV1 gI遺伝子をpBHV11にクローニングした。これは、H6プロモー
トしたgI遺伝子を含有するpBHV8の2,900bp BglII断片をpBHV1
1のBglII部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプ
ラスミドをpBHV13と称する。
【0568】
pBHV13を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1079を産生した。
【0569】
免疫沈降分析を行なって、vP1079が真正BHV1 gI、gIIIおよびgIV糖
10
タンパク質を発現するか否かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染せしめたか、10PFU
/細胞のm.o.i.でNYVACに感染せしめたか、またはvP1079に感染せしめ
た。1時間の吸着期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S
]−メチオニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグルス培地(メチオニ
ンを含まない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリ
ス(pH7.4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg
/mlのPMSF)および50mlのアプロチニンを添加し、続いて細胞単層をかきとる
ことにより、感染から7時間後に細胞を収集した。
【0570】
次いでBHV1 gI特異的単クローン性抗体5106、BHV1 gIII特異的単ク
20
ローン性抗体1507、およびgIV特異的単クローン性抗体、3402(WI、マジソ
ン、ウィスコンシン大学、Dr.ジオフェリーリッチワースから得た)を用いて、溶解産
物をBHV1 gI、gIIIおよびgIV発現に関して分析した。これは以下の方法に
より行なった。ラット抗マウス血清を室温で4時間に亘りタンパク質Aセファロースに結
合せしめた。1×緩衝液Aで物質を5回洗浄した後、タンパク質Aセファロース結合ラッ
ト抗マウス抗体をgI、gIIIおよびgIV特異的単クローン性抗体に結合せしめた。
一方で、通常マウス血清とタンパク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体を4℃で一
晩インキュベーションすることにより溶解産物を前浄化した。この物質を1×緩衝液Aで
5回洗浄した後に、BHV1 gI、gIIIおよびgIV特異的単クローン性抗体、ラ
ット抗マウス、タンパク質Aセファロース複合体を溶解産物に加え、4℃で一晩インキュ
30
ベーションした。この試料を1×緩衝液で4回、LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄し
た後に、2×のラエムリ緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4%のSDS、2
0%のグリセロール、10%の2−メルカプトエタノール)を添加し、5分間の沸騰によ
り、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離した。次いでタンパク質を10%のドリフ
ァスゲルシステムで分画し(ドリファスら、1984)、固定し、蛍光光度法のために1
MのNa−サリチル酸塩で処理した。
【0571】
BHV1 gI、gIIIおよびgIV特異的単クローン性抗体、5106、1507お
よび3402は、vP1079に感染した細胞から、BHV1 gI、gIIIおよびg
IV糖タンパク質を特異的に沈殿せしめたが、疑似感染細胞またはMYVAC感染差異簿
40
からはBHV1特異的タンパク質を沈殿せしめなかった。
【0572】
実施例31−NYVAC中のウシウイルス性下痢性ウイルス(BVDV)の発現
NYVAC/BVDV gE1/gE2組換え体の産生
BVDV gE1(gp48/gp25)「遺伝子」(オスロス菌株)をpIBI25に
クローニングした。これは、pSP65−gE1の1,370bp EcoRI−Bam
HI断片(ベルギー、リージ、ユーロジェネティックから得た;レナードら、欧州特許第
86870095号)をE.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)でブラン
トエンドし、その末端にXhoIリンカーを連結し、産生したプラスミドをpIBI25
のXhoI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラス
50
(152)
JP 3602844 B2 2004.12.15
ミドをpBDV1と称する。
【0573】
次いでH6プロモーターの開始コドンをgE1「遺伝子」の「開始コドン」に配列した。
これは、H6プロモーターの3′末端およびgE1「遺伝子」の5′末端をコードする、
オリゴヌクレオチド、BDVM4(配列認識番号253)
【化170】
10
およびBDVM5(配列認識番号254)
【化171】
を、pBDV1の4,250bp HindIII−BhglI(部分的)断片にクロー
ニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV6と称す
る。
【0574】
次いでgE1「遺伝子」を、H6+ATI+HA三重プロモーター(ポーテテレら、ワク
チン(1991)9 :194 )の下流およびHAフランキングアームの間にクローニ
20
ングした。これは、gE1「遺伝子」を含有するpBDV6の1,380bp EcoR
V−PstI(部分的)断片を、pATI25の3,700bp EcoRV−PstI
断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpB
DV7と称する。
【0575】
次いで、将来の操作に必要なBamHI部位をBVDV配列の下流に産生した。これは、
オリゴヌクレオチド、BDVM6(配列認識番号255)
【化172】
30
を、pBDV7のXhoI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により
産生したプラスミドをpBDV8と称する。
【0576】
次いでgE2(gp53)配列(オスロス菌株)の約830bpをgE1配列の下流にク
ローニングした。これは、gE2配列を含有する、p7F2の980bp BglII−
BamHI断片(ベルギー、リージ、ユーロジェネティックから得た;レナードら、欧州
特許第86870095号)を、pBDV8の5,100bp BamHI−BglII
(部分的)断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラス
ミドをpBDV9と称する。
【0577】
40
次いでH6プロモートしたgE1/gE2配列をATIフランキングアームの間にクロー
ニングした。これは、gE1/gE2配列を含有する、pBDV9の2,200bp N
ruI−BamHI断片をpPGI7の4,900bp NruI−BamHI断片にク
ローニングすることにより行なった。これにより、gE1/gE2配列がH6プロモータ
ーの転写制御下に置かれ、挿入ベクターに配される。この操作により産生したプラスミド
をpBDV23と称する。
【0578】
次いで約270bpの追加のgE2配列(オスロス菌株)を存在するBVDV配列の下流
にクローニングした。これは、gE2配列を含有する、pSP65E1+E2−1の1,
260bp BglII−BamHI断片(ベルギー、リージ、ユーロジェネティックか
50
(153)
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ら得た;レナードら、欧州特許第86870095号)を、pVDV23の6,100b
p断片にクローニングすることにより行なわれた。この操作により産生されたプラスミド
をpBDV24と称する。
【0579】
pBDV24を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いて、vP972を産生した。
【0580】
免疫沈降分析を行なって、vP972が真正BVDV gE1およびgE2糖タンパク質
を発現するか否かを測定した。ベロ細胞を、疑似感染せしめたか、10PFU/細胞のm
.o.i.でNYVACに感染せしめたか、またはvP972に感染せしめた。1時間の
吸着期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
10
S]−メチオニ
ン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグルス培地(メチオニンを含まない
)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(pH7.
4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlのPM
SF)および50mlのアプロチニンを添加し、続いて細胞単層をかきとることにより、
感染から18時間後に細胞を収集した。
【0581】
次いでBVDV gp48特異的単クローン性抗体、NYC16およびNY12B1、お
よびBVDV gp53特異的単クローン性抗体、209D3(フランス、リヨン、ロー
ンメリクスから得た)を用いて、溶解産物をBVDV gE1およびgE2発現に関して
20
分析した。これは以下の方法により行なった。ラット抗マウス血清を室温で4時間に亘り
タンパク質Aセファロースに結合せしめた。1×緩衝液Aで物質を5回洗浄した後、タン
パク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体をgE1特異的単クローン性抗体、NYC
16およびNY12B1、およびgE2特異的単クローン性抗体、209D3に結合せし
めた。一方で、通常マウス血清とタンパク質Aセファロース結合ラット抗マウス抗体を4
℃で一晩インキュベーションすることにより溶解産物を前浄化した。この物質を1×緩衝
液Aで5回洗浄した後に、BVDV gE1またはgE2特異的単クローン性抗体、ラッ
ト抗マウス、タンパク質Aセファロース複合体を溶解産物に加え、4℃で一晩インキュベ
ーションした。この試料を1×緩衝液で4回、LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した
後に、2×のラエムリ緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4%のSDS、20
30
%のグリセロール、10%の2−メルカプトエタノール)を添加し、5分間の沸騰により
、沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離した。次いでタンパク質を10%のドリファ
スゲルシステムで分画し(ドリファスら、1984)、固定し、蛍光光度法のために1M
のNa−サリチル酸塩で処理した。
【0582】
BVDV gE1またはgE2特異的単クローン性抗体は、vP972感染細胞からBV
DV特異的糖タンパク質を沈殿せしめたが、NYVAC感染細胞または疑似感染細胞から
はBVDV特異的タンパク質は沈殿せしめなかった。
【0583】
NYVAC/BVDV カプシド/gE1/gE2組換え体の産生
40
BVDVgE1「遺伝子」をpIBI25にクローニングした。これは、gE1「遺伝子
」を含有する、pSP65−gE1の1,370bp EcoRI−BamHI断片をE
.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)でブラントエンドし、その末端にX
hoIリンカーを連結し、産生したプラスミドをpIBI25のXhoI部位にクローニ
ングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV1と称する
。
【0584】
次いでgE1「遺伝子」をuフランキングアームの間にクローニングした。これは、gE
1配列を含有する、pBDV1の1,400bp XhoI断片をpSD486のXho
I部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生されたプラスミドを
50
(154)
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pBDV11と称する。
【0585】
次いでgE1「遺伝子」の「開始コドン」をuプロモーターの開始コドンに配列した。こ
れは、uプロモーターの3′末端およびgE1配列の5′末端をコードする、オリゴヌク
レオチド、BDVM7(配列認識番号256)
【化173】
およびBDVM8(配列認識番号257)
【化174】
10
を、pBDV11の4,800bp 部分的BglI−ClaI断片にクローニングする
ことにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV12と称する。
【0586】
次いでBVDV gE2「遺伝子」の一部をgE1配列から下流のpBDV12にクロー
ニングした。これは、gE2配列を含有する、p7F2の1,000bp BglII−
BamHI断片をpBDV12の4,650bp BglII−BamHI断片にクロー
ニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV14と称
する。
20
【0587】
次いでgE2「遺伝子」の残りをpBDV14にクローニングした。これは、gE2「遺
伝子」を含有する、pSP65E1+E2−1の1,260bp BglII−BamH
I断片をpBDV14の4,650bp BglII−BamHI断片にクローニングす
ることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV17と称する。
【0588】
次いでカプシド「遺伝子」(オスロス菌株)をgE1配列の上流のpBDV17にクロー
ニングした。これは2工程で行なった。最初の工程では、uプロモーターの開始コドンを
カプシド「遺伝子」の「開始コドン」と配列せしめた。これは、uプロモーターの3′末
端およびカプシド配列の5′末端をコードする、オリゴヌクレオチド、VDVL12(配
30
列認識番号258)
【化175】
およびBDVL13(配列認識番号259)
【化176】
40
を、pBDV17の5,200bp ClaI−XbaI断片にクローニングすることに
より行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV25と称する。第2の工程
で、カプシド「遺伝子」の残りをpBDV25にクローニングした。これは、カプシド「
遺伝子」を含有する、pSP65C−E1−E2の1,870bp BstEII−Bg
lII断片(ベルギー、リージ、ユーロジェネティックから得た;レナードら、欧州特許
第86870095号)を、pBDV25の4,700bp BstEII−BglII
断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpB
DV26と称する。
【0589】
50
(155)
JP 3602844 B2 2004.12.15
次いでuプロモートしたカプシド/gE1/gE2配列をtkフランキングアームの間に
クローニングした。これは、uプロモートしたカプシド/gE1/gE2配列を含有する
、pBDV26の3,200bp SnaBI−BamHI断片を、pSD542の4,
000bp SmaI−BamHI断片にクローニングすることにより行なった。この操
作により産生したプラスミドをpBDV27と称する。
【0590】
pBDV27を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1017を産生した。vP972の発現に関して、vP1017感染細胞
の免疫沈降実験を上述したように行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ
細胞からはBVDV特異的タンパク質は沈殿しなかった。しかしながら、vP1017の
10
溶解産物からは、BVDV特異的タンパク質が沈殿した。
【0591】
NYVAC/BVDV gE2組換え体の産生
BVDV gE1「遺伝子」をpIBI25にクローニングした。これは、gE1「遺伝
子」を含有するpSP65−gE1の1,370bp EcoRI−BamHI断片をE
.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)でブラントエンドし、その末端にX
hoIリンカーを連結し、産生したプラスミドをpIBI25のXhoI部位にクローニ
ングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV1と称する
。
【0592】
20
次いでH6プロモーターの開始コドンをgE1「遺伝子」の推定「開始コドン」と配列せ
しめた。これは、H6プロモーターの3′末端およびgE1「遺伝子」の5′末端をコー
ドする、オリゴヌクレオチド、BDVM4(配列認識番号253)およびBDVM5(配
列認識番号254)を、pBDV1の4,250bp HindIII−BglI(部分
的)断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドを
pBDV6と称する。
【0593】
次いでgE1「遺伝子」をH6+ATI+HA三重プロモーターの下流とHAフランキン
グアームの間にクローニングした。これは、gE1「遺伝子」を含有する、pBDV6の
1,380bp EcoRV−PstI(部分的)断片を、pATI25の3,700b
30
p EcoRV−PstI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により
産生したプラスミドをpBDV7と称する。
【0594】
次いで、将来の操作に必要なBamHI部位をBVDV配列の下流に産生した。これは、
オリゴヌクレオチドBDVM6(配列認識番号255)をpBDV7のXhoI部位にク
ローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV8と
称する。
【0595】
次いでBVDV gE2配列の約830bpをgE1「遺伝子」の下流にクローニングし
た。これは、gE2配列を含有する、p7F2の980bp BglII−BamHI断
40
片をpBDV8の5,100bp BamHI−BglII(部分的)断片にクローニン
グすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV9と称する。
【0596】
次いでgE1/gE2配列をATIフランキングアームの間にクローニングした。これは
、H6プロモートしたgE1/gE2「遺伝子」を含有するpBDV9の2,200bp
NruI−BamHI断片をpPGI7の4,900bpNruI−BamHI断片に
クローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpBDV2
3と称する。
【0597】
次いで、約270bpの追加のgE2配列を存在するBVDV配列の下流にクローニング
50
(156)
JP 3602844 B2 2004.12.15
した。これは、追加のgE2配列を含有する、pSP65E1+E2−1の1,260b
p BglII−BamHI断片をpBDV23の6,100bp BamHI−Bgl
II(部分的)断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプ
ラスミドをpBDV24と称する。
【0598】
次いでgE1配列をBDV24から欠損せしめた。これは、H6プロモーターの3′末端
およびgE2「遺伝子」の5′末端を含有する、130bp NruI−PstI PC
R断片をpBDV24の5,900bp NruI−PstI断片にクローニングするこ
とにより行なった。このPCR断片は、オリゴヌクレオチド、BDVP14(配列認識番
号260)
10
【化177】
およびBDVP15(配列認識番号261)
【化178】
によりプラスミド、pBDV17から産生した。この操作により産生されたプラスミドを
pBDV28と称する。
【0599】
20
配列分析により、pBDV28中のH6プロモーターは2bp挿入物を含有することが分
かった。この誤りを直すために、H6プロモーターの3′末端およびgE2「遺伝子」の
5′末端を含有する、pBDV28の130bp NruI−PstI断片をpBDV2
4の5,900bp NruI−PstI断片にクローニングした。この操作荷より産生
したプラスミドをpBDV29と称する。
【0600】
pBDV29を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1097を産生した。
【0601】
上述したようにvP1097感染細胞に関する免疫沈降を行なって、細胞または溶解産物
30
からBVDVタンパク質を産生した。
【0602】
実施例32−ポックスウイルスベクター中のヒトサイトメガロウイルス(HCMV)糖タ
ンパク質抗原のクローニングおよび発現
HCMV gB遺伝子のNYVAC供与体プラスミド,pSD542へのクローニング
HCMV DNAのHindDプラスミド4,800bp Hind−BamHI断片を
プラスミドpIBI24の2800bp HindIII−BamHI断片にクローニン
グした。オリゴヌクレオチドCMVM5(配列認識番号262)
【化179】
40
およびCMVM3(配列認識番号263)
【化180】
を用いた生体外突然変異誘発(クンケル、1985;ラッセルら、1986)により、ワ
クシニアH6プロモーターの制御下でgB遺伝子を改変して発現せしめた(テイラーら、
50
(157)
JP 3602844 B2 2004.12.15
1988a、b;パーカスら、1989)。改変gBを含有するプラスミドを24CMV
gB(5+3)と称した。
【0603】
24CMVgB(5+3)の2900bp EcoRV−BamHI断片をpSP131
の3100bp EcoRV−BglII断片にクローニングした。このクローニング工
程により、gB遺伝子がH6プロモーターの制御下におかれた。産生したプラスミドをS
P131gBと称した。
【0604】
SP131gB中のH6プロモートしたgBを側腹に有する制限部位を改変するために、
以下の工程を行なった。プラスミドpMP22BHPは、BamHI部位でのポリリンカ
10
ー領域にHBV sAgの部分を含有するワクシニアのHindIII F断片(WR菌
株)のサブクローンを含有する。pMP22BHPをポリリンカー内でHindIIIに
より切断し、SP131CMVgBからのHindIII断片(H6プロモートしたgB
遺伝子を含有する)に連結し、プラスミドSAg22CMVgBを産生した。SAg22
CMVgBをBamHIで切断し、部分的にHindIIIで切断し、BamHIとHi
ndIIIの切断によりpIBI24から誘導したポリリンカーに連結し、H6プロモー
トしたgB遺伝子を含有するがHBV sAgを有さないプラスミド22CMVgBを産
生した。
【0605】
実施例7に記載したようにベクタープラスミドpSD513を形成することにより、プラ
20
スミドpSD460からプラスミドpSD542(NYVAC TK座供与体プラスミド
)を誘導した(タータグリアら、1992)。pSD513のポリリンカー領域を、Ps
tI/BamHIで切断し、アニールした合成オリゴヌクレオチドMPSYN288(配
列認識番号264)
【化181】
およびMPSYN289(配列認識番号265)
【化182】
30
に連結することにより改変し、プラスミドpSD542を産生した。
【0606】
22CMVgBを、BamHIとNsiIで切断してH6プロモーターおよびgB遺伝子
の一部を含有する断片を産生し、NsiIとPstIで切断してgB遺伝子の残りを含有
する断片を産生した。これら2つの断片を、ポリリンカー内のBamHIとPstIで切
断したpSD542と連結し、NYVAC供与体プラスミド542CMVgBを産生した
。
【0607】
HCMV gBサイズのALVAC供与体プラスミドCP3LVQH6へのクローニング
40
8.5kbのカナリヤポックスBglII断片をpBS−SKプラスミドベクターのBa
mHI部位にクローニングしてpWW5を形成した。ヌクレオチド配列分析により、C3
と称する読取り枠が示された。異種遺伝子を、C3読取り枠を完全切除したC3座に挿入
するための供与体プラスミドを構築するために、PCRプライマーを用いてC3に関連し
た5′および3′配列を増幅した。5′配列のプライマーは、RG277(配列認識番号
177)およびRG278(配列認識番号178)であった。
【0608】
3′配列のプライマーは、RG279(配列認識番号179)およびRG280(配列認
識番号180)であった。ワクシニア転写および翻訳終止シグナルを側腹に有する多重ク
ローニング部位を含有するようにプライマーを設計した。また、左側アームおよび右側ア
50
(158)
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ームの5′末端および3′末端に、2つのアームをAsp718/SacI切断したpB
S−SKプラスミドベクターに連結させる適切な制限部位(左側アームにはAsp718
とEcoRI、右側アームにはEcoRIとSacI)を含んだ。産生したプラスミドを
pC3Iと称した。
【0609】
プラスミドpWW5のNsiIとSspIの切断によりC3座から直接上流のカナリヤポ
ックスの908bpの断片を得た。テンプレートとしてのプラスミドpWW5およびオリ
ゴヌクレオチドCP16(配列認識番号266)
【化183】
10
とCP17(配列認識番号267)
【化184】
を用いたPCR(エンゲルケら、1988)によりカナリヤポックスとDNAの604b
p断片を得た。604bpの断片をAsp718とXhoI(それぞれオリゴヌクレオチ
ドCP16とCP17の5′末端に存在する部位)で切断し、Asp718−XhoIで
切断しアルカリ性ホスファターゼ処理したIBI25(CT、ニューハブン、インターナ
ショナルバイオテクノロジー社)にクローニングしてプラスミドSPC3LAを産生した
20
。SPC3LAを、IBI25内のEcoRVとカナリヤポックスDNA内のNsiIで
切断し、908bpのNsiI−SspI断片に連結し、C3座の上流の1444bpの
カナリヤポックスDNAを含有するSPCPLAXを産生した。
【0610】
カナリヤポックスDNAの2178bp BglII−StyI断片をプラスミドpXX
4(pBS−SKのPstI部位にクローニングされたカナリヤポックスDNAの6.5
kb NsiI断片を含有する)から単離した。テンプレートとしてのプラスミドpXX
4およびオリゴヌクレオチドCP19(配列認識番号268)
【化185】
30
とCP20(配列認識番号269)
【化186】
を用いたPCR(エンゲルケら、1988)によりカナリヤポックスDNAの279bp
断片を単離した。279bp断片をXhoIとSacI(それぞれオリゴヌクレオチドC
P19とCP20の5′末端に存在する部位)で切断し、SacI−XhoIで切断しア
ルカリ性ホスファターゼ処理したIBI25にクローニングして、プラスミドSPC3R
Aを産生した。
【0611】
ポリリンカーに追加の特有の部位を加えるために、pC3Iをポリリンカー領域内のEc
oRIとClaIで切断し、アルカリ性ホスファターゼで処理し、キナーゼしてアニール
したオリゴヌクレオチドCP12(配列認識番号272)とCP13(配列認識番号27
3)(EcoRI付着末端、XhoI部位、BamHI部位およびClaIに一致する付
着末端を含有する)に連結し、プラスミドSPCP3Sを産生した。
【0612】
【化187】
40
(159)
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SPCP3Sを、C3座の下流のカナリヤポックス配列内のStyIとSacI(pBS
−SK)で切断し、SPC3RAからの261bp BglII−SacI断片とpXX
4からの2178bp BglII−StyI断片に連結し、C3座の下流の2572b
pのカナリヤポックスDNAを含有するプラスミドCPRALを産生した。SPCP3S
を、C3座の上流のカナリヤポックス配列内のAsp718(pBS−SK内)とAcc
Iで切断し、SPCPLAXからの1436bp Asp718−AccI断片に連結し
10
、C3座の下流の1457bpのカナリヤポックスDNAを含有するプラスミドCPLA
Lを産生した。CPLALを、C3座の下流のカナリヤポックス配列内のStyIとSa
cI(pBS−SK内)で切断し、CPRALからの2438bp StyI−SacI
断片に連結し、C3座の上流の1457bpのカナリヤポックスDNA、6つの読取り枠
の終止コドン、初期転写終止シグナル、ポリリンカー領域、初期転写終止シグナル、6つ
の読取り枠の終止コドン、およびC3座の下流の2572bpのカナリヤポックスDNA
を含有するプラスミドCP3Lを産生した。産生したプラスミドをSPCP3Lと称した
。
【0613】
テンプレートとしてのpRW838およびオリゴヌクレオチドCP21(配列認識番号2
20
70)
【化188】
とCP22(配列認識番号271)
【化189】
を用いたPCR(エンゲルケら、1988)により、初期/晩期H6ワクシニアウイルス
プロモーター(グオら、1989;パーカスら、1989)を誘導した。PCR産生物を
30
、BamHIとEcoRI(それぞれオリゴヌクレオチドCP21とCP22の5′末端
に存在する部位)で切断し、ポリリンカー内のBamHIとEcoRIで切断されたCP
3Lに連結し、プラスミドVQH6CP3Lを産生した。ALVAC供与体プラスミドV
QH6CP3Lを、ポリリンカー内のXhoIとH6プロモーター内のNruIで切断し
、H6プロモーターとgB遺伝子を含有する22CMgBからのNruI/HindII
I断片並びにXhoIとHindIIIの切断によりpIBI24から誘導したポリリン
カーに連結し、ALVAC供与体プラスミドCP3LCMVgBを産生した。
【0614】
実施例33−組換えウイルス:サイトメガロウイルスの構築
CMV(サイトメガロウイルス) gB遺伝子をNYVACのTK部位に挿入した。組換
40
えウイルスをvP1001と称した。CMV gB遺伝子をALVACのC3座に挿入し
た。組換え体をvCP139と称した。
【0615】
実施例34−組換えウイルス感染細胞中のCMV GBタンパク質の蛍光抗体法モルモッ
ト多クローン性血清と続いてフルオレセインイソチオシアネートヒツジ抗モルモットを用
いて、蛍光抗体法研究を前述したように行なった(テイラーら、1990)。vP100
1に感染した細胞は、形質膜上に発現されたgBを示した。vCP139に感染した細胞
内では弱い内側発現が検出された。
【0616】
実施例35−組換え体感染細胞中にCMV GBの免疫沈降
50
(160)
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前述したように免疫沈降実験を行なった(テイラーら、1990)。CMV感染細胞中で
産生されたCMV gB糖タンパク質は、130kDaの前駆体形状とともに55kDa
の分子量を有する(グレッチら、1988)。vP1001とvCP139に感染した細
胞は、約116kDaと約55kDaの2つのCMV gBコードタンパク質を産生する
。
【0617】
実施例36−中和抗体
vP1001(NYVAC−HCNV gB)によるCBAマウスの免疫の後で、接種し
たマウスの血清の中和抗体力価を評価した(ゴンクゾル、1986)。ヒトサイテメガロ
ウイルスを中和できる抗体をマウスの血清中に、免疫後14−21日(1:16の幾何学
10
平均力価(gmt))および28と60日の間(gmt=1:26)で検出した。CBA
マウスのALVAC−HCMV gBによる免疫により、1:64gmt(14−21日
のpi、21と28日のpiでは1:91gmt)および28と60日の間のpiでは1
:111のHCMV中和抗体力価を示した。それゆえ、HCMV gBを発現するカナリ
ヤポックスウイルス組換え体またはワクシニアウイルスでのマウスの免疫は、HCMVの
感染性を中和できる抗体を誘発した。
【0618】
実施例37−細胞性免疫
HCMV中和抗体力価以外にも、vCP139はまた、HCMV gBを発現する組換え
ワクシニアウイルス(ワクシニアWR−gB)に感染したマウスL929細胞を殺すこと
のできる細胞傷害性Tリンパ球を誘発できる。CBAマウスに、2.5×10
8 20
pfu
のvCP139を腹腔内により免疫した。16から30日後、マウスの脾臓細胞の懸濁液
を2:1の比率でvP1001に事前に感染せしめた同系脾臓細胞とともにコインキュベ
ーションすることにより生体外で再刺激した。5日後、脾臓細胞を数え、
5 1
Cr−放出
アッセイ(ジンカーナゲルら、1984)を用いて、未感染L929細胞またはアデノウ
イルスAd5dlE3、HCMV gBを発現する組換えアデノウルイス(Ad−gB)
、ワクシニアウイルス、およびHCMV gBを発現する組換えワクシニアウイルスに感
染したL929細胞に対する細胞傷害性を評価した。未感染標的並びにAd5dlE3に
感染した標的に対して、反応性のバックグラウンド水準のみが測定された。これに反して
、生体外刺激脾臓細胞は、HCMV gBを発現するAd−gBに感染したL929細胞
30
を容易に殺した。ワクシニアウイルスベクターに感染した標的に対して溶菌がある程度観
察されたが、gBを発現する組換えワクシニアウイルスに感染した標的に対してはより高
い細胞溶解が測定された。これにより、HCMV gB内に位置するエピトープに特異的
な細胞傷害性Tリンパ球は、HCMV gBを発現する組換えカナリヤポックスウイルス
(vCP139)の接種により産生されることが明確に示された。
【0619】
実施例38−NYVACおよびALVAC供与体プラスミド構築:イヌパルボウイルス
イヌパルボウイルスVP2カプシド遺伝子を発現するポックスウイルス組換え体を産生す
るために、VP2遺伝子がCPV−d単離体のゲノム(CPV−2抗原型)から増幅され
、ワクシニアH6プロモーターに結合せしめられ(パーカスら、1989)、NYVAC
40
まはALVAC挿入ベクターに挿入された供与体プラスミドを構築した。NYVAC挿入
部位はdeorfedATI座であり、ALVAC挿入部位はdeorfedC3座であ
る。
【0620】
VP2遺伝子配列は、プラスミドpBI265(1)からPCRにより得た。NY、イタ
カ、コーネル大学、ジェームズA.ベーカー研究所、Dr.コリンR.パリッシュ、から
得たこのプラスミドは、CPV−d単離体のゲノムを含有する(コーネル790320)
(抗原型CPV−2)。この単離体からのVP2遺伝子のDNA配列は公表されている(
パリッシュら、1988)。
【0621】
50
(161)
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テンプレートとしてのpBI265(1)およびプライマーとしてのオリゴヌクレオチド
RG451(配列認識番号274)
【化190】
とRG452(配列認識番号275)
【化191】
10
を用いて、PCRにより完全VP2読取り枠(ORF)を増幅した。精製したDNA断片
をAsp718とEcoRIで切断し、pBluescript SK+中のAsp71
8およびEcoRI部位にクローニングし、pDT4を産生した。DNA配列分析により
VP2遺伝子を確認した。
【0622】
VP2遺伝子は、初期転写終止シグナルとして機能できるORF内に2つのTTTTTN
T配列を含有する(ユエンら、1987)。これらのシグナルを除去するために、PCR
部位定方向突然変異誘発を用いて、正確なアミノ酸配列を保持しながら、ヌクレオチド配
列を改変した。合成オリゴヌクレオチドRG453(配列認識番号276)
20
【化192】
およびRG454(配列認識番号277)
【化193】
を用いてpBI265(1)から250bpの断片を増幅せしめた。精製した断片をBg
lIIとAccIで切断し、BglII/AccI VP2断片をpDT4に配するのに
用いた。産生したプラスミドpED3は、TTTTTNT配列がTTTCTATおよびT
30
TCTTCTに改変された改変VP2遺伝子を含有した。
【0623】
pMPATIH6HSVTKは、H6プロモーターの制御下でHSV−1チミジンキナー
ゼ遺伝子のコード配列を含有する発現カセットがポリリンカー領域のHpaIとXhoI
部位の間に挿入されたpSD552(この明細書の別の箇所に記載されている)の誘導体
である。このプラスミドをNruIとXhoI部位で切断してtk遺伝子を切除するがH
6プロモーターの5′末端を保持する。上述したこのベクターへの改変VP2遺伝子の挿
入によりpATI−VP2が産生される。このNYVAC供与体プラスミドは、ATI挿
入アームを側腹に有するH6プロモートしたVP2遺伝子である。
【0624】
40
CPV VP2カプシド遺伝子を含有するALVAC供与体プラスミドを以下のように構
築した。改変VP2遺伝子をNruIとXhoIによりpED3から切除し、精製したプ
ラスミドをNruIとXhoIで切断したpVQH6CP3L(フラビウイルスのセクシ
ョンに記載されたプラスミド)にクローニングした。産生したプラスミド、pC3−VP
2は、C3挿入アームを側腹に有するH6プロモートしたVP2遺伝子を含有する。
【0625】
実施例39−NYVACおよびALVAC組換え体:イヌパルボウイルス(CPV)の構
築
供与体プラスミドpATI−VP2を、治療ウイルスとしてのNYVAC(vP866)
とNYVAC−RG(vP879)とともにベロ細胞において生体外組換え実験に用いて
50
(162)
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、それぞれvP998とvP999を産生した(タータグリアら、1992)。放射線標
識したVP2特異的DNAプローブを用いて現場でのハイブリダイゼーション方法(ピッ
チーニら、1987)により組換えウイルスを同定した。3回のプラーク精製により組換
えプラークを精製し、さらなる分析のために増幅した。
【0626】
供与体プラスミドpC3−VP2を、治療ウイルスとしてのALVAC(CPpp)とA
LVAC−RG(vCP65A)をCEF細胞において生体外組換え実験に用いて、それ
ぞれvCP123とvCP136を産生した。放射線標識したVP2特異的プローブ(陽
性信号)とC3 ORF特異的プローブ(陰性信号)を用いた現場でのハイブリダイゼー
ション方法により組換えウイルスを同定した。3回のプラーク精製により組換えプラーク
10
を精製し、さらなる分析のために増幅した。
【0627】
実施例40−NYVAC−およびALVAC−ベースのCPV VP2組換え体の発現分
析
多クローン性CPVイヌ血清またはVP2エピトープに特異的な単クローン性抗体を用い
る前述したような蛍光抗体法(テイラーら、1990)により、CPV VP2遺伝子を
含有する全ての組換え体を発現に関して試験した。全ての血清は、NY、イサカ、コーネ
ル大学、ジェームズA.ベーカー研究所、Dr.コリンR.パリッシュから得た。NYV
ACベースの組換え体をベロ細胞において試験し、一方ALVACベースの組換え体はC
EF細胞において試験した。組換え体vP998、vP999、vCP123、およびv
20
CP136は全て、核内に局在した内部蛍光を示した。表面には蛍光は検出されなかった
。加えて、狂犬病G遺伝子を含有する2つの組換え体(vP999およびcCP136)
は、狂犬病Gエピトープに特異的な単クローン性抗体でスクリーニングした。両者とも細
胞の表面に強い蛍光を示した。
【0628】
上述した組換え体中の真正VP2遺伝子産生物の発現をさらに特徴付けるために、同一の
抗血清を用いて免疫沈降を行なった(テイラーら、1990)。NYAVCベースの組換
え体をベロ細胞において試験し、一方ALVACベースの組換え体はCEF細胞において
試験した。全ての組換え体(vP998、vP999、vCP123、およびvCP13
6)において、抗血清は65kDaのタンパク質を沈殿せしめ、これは天然VP2遺伝子
30
のサイズと一致する。このサイズのタンパク質は、細胞溶解産物またはいずれの親ウイル
ス(NYVACまたはALVAC)からは検出されなかった。
【0629】
実施例41−エプスタインバーウイルス(EBV)遺伝子のALVACへの挿入
供与体プラスミドEBVトリプル2の構築
プラスミドEBVトリプル(Triple)1(実施例11)は、全てワクシニアTK座
挿入プラスミドに挿入されたEBV遺伝子gH、gBおよびgp340の発現カセットを
含有する。プラスミドEBVトリプル1をSmaI/BamHIで切断し、42kDa昆
虫ポックスウイルスプロモーターとEBV gH遺伝子の5′末端を含有する0.3kb
断片を単離した。またEBVトリプルプラスミドをBamHIで切断し、EBV gH遺
40
伝子の3′末端、EBV gB発現カセット、およびEBV gp340発現カセットを
含有する7.3kbの断片を単離した。次いでこれら2つの断片を、SmaI/BamH
Iで切断したALVAC C4座挿入プラスミドpNVQC5LSP7(テタナスの実施
例参照)に連結した。産生したプラスミドをEBVトリプル2と称した。
【0630】
EBV遺伝子のALVACへの挿入
C5挿入座に、3つのEBV遺伝子、gH、gBおよびgp340の発現カセットを含有
するプラスミドEBVトリプル2をALVACによる組換えの供与体プラスミドとして用
いてALVAC組換え体vCP167を産生した。
【0631】
50
(163)
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vP944およびvCP157によるEBVタンパク質の発現
ALVAC組換え体vCP167とvP944、同一の3つの遺伝子を含有するNYVA
Cベースの組換え体(実施例11)に感染した細胞からの代謝標識した溶解産物に、EB
Vに対してはヒト多クローン性血清、並びにEBV gBとgp340に対してはマウス
単クローン性抗体を用いた免疫沈降を行なった。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
と続いてのラジオオートグラフィーにより沈殿物を分析した。NYVACベースの組換え
体vP944およびALVACベースの組換え体vCP167について、正確な分子量の
タンパク質とEBV gB、gHおよびgp340の特異性を観察した。
【0632】
実施例42−ウマインフルエンザHA(A1/プラハ/56)のNYVACおよびALV
10
ACへの挿入のための発現カセットの構築
産生したEIV(A1/プラハ/56)ゲノムRNAをローンメリクス(フランス、リヨ
ン)から得た。ガブラーとホフマンにより記載されたように(1983)、EIV−特異
的cDNAを調製した。オリゴヌクレオチドEIVSIP(配列認識番号278)
【化194】
を用いて第1の鎖cDNAを合成した。このオリゴヌクレオチド(配列認識番号278)
は、各ゲノムRNA断片の3′末端に相補的である。ガブラーとホフマン(1983)に
よると、cDNAはdGテイルされ(tailed)、EcoRVで切断されたpMG5
20
に挿入され、dCテイルされる。この方法によるcDNAのpMG5への挿入により、両
方のプラスミド/cDNA配列縁にBamHI部位が産生される。
【0633】
このEIV cDNAライブラリーからの500のコロニーを、アンピシリン(50μg
/ml)を含有するLB−アガープレートに二通りに運搬した。コロニーを放射線標識し
たEIV HA特異的プローブとともにハイブリダイゼーションのためにニトロセルロー
スに運搬した。オリゴヌクレオチドEIVSIP(配列認識番号278)により合成した
放射線標識した第1の鎖cDNAおよびテンプレートとしての精製HAゲノムRNAを用
いてこのプローブを誘導した。HAゲノム断片を1.2%の低融点アガロースゲル(MD
、ゲイサルスバーグ、ベセスダリサーチラボラトリーズ)から精製した。このゲルシステ
30
ムにおいて1×のTBEの2ボルト/cmで展開して合計ゲノムRNAを分画した。HA
帯を切除し、アガロースを75℃で融合し、続いて2回のフェノール抽出と1回のエーテ
ル抽出とETOH沈殿によりHA RNAを収集した。
【0634】
標準方法(マニアチスら、1991)にしたがってコロニーハイブリダイゼーションを行
ない、1.4kb HA cDNA挿入物を含有するcDNAクローンを同定した。その
クローンは、ゲノムRNAに対するノーザンブロット分析とヌクレオチド配列分析により
、HA特異的であることが分かった。この1.4kbの断片を用いて、続いてのcDNA
ライブラリースクリーニングのための放射線標識したHA特異的DNAプローブを産生し
た。
40
【0635】
このプローブを用いて、他のHA特異的cDNAクローンを同定した。最大のものは、1
.0kb、1.2kb、および1.4kbであり、それぞれ、pEIVAIPHA−1、
−10、および−8と称した。集団的に、これらのコロニーは、ヌクレオチド配列分析に
より決定される全縁EIV HAコード配列を含有する。これらの分析により決定された
EIV HAの全縁配列(A1/プラハ/56)を第23図に示す(配列認識番号279
)。
【0636】
次に、異なるcDNAクローンからの断片をスプライシングすることによりEIV HA
の全長のcDNAクローンを産生した。HAコード配列の5′側の1200bpを、テン
50
(164)
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プレートとしてのこのプラスミドおよびオリゴヌクレオチドEIVSIP(配列認識番号
278)とEIVAIP7A(配列認識番号280)
【化195】
を用いたPCRによりpEIVAIPHA−8から誘導した。この1200bpの断片を
PstIで切断し、5′と3′の両末端にPstI付着末端を産生した。HAコード配列
の3′側の600bpを、BamHIとPstIでの切断によりpEIVAIPHA−1
0から誘導した。これら2つの断片を、PstIとBamHIで切断したpBS−SK(
CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に挿入した。全縁EIV HA(A1/プラハ/56
10
)コード配列を含有する産生したプラスミドをpBSEIVAIPHAと称した。
【0637】
オリゴヌクレオチドEIVAIPHA5P(配列認識番号281)
【化196】
およびEIVAIPHA3P(配列認識番号282)
【化197】
20
を用いて、pBSEIVAIPHAからPCRによりEIV HAコード配列(ATGか
らTAA)を誘導した。オリゴヌクレオチドEIVAIPHA5P(配列認識番号281
)は、枠ウイルスH6プロモーター(ゲーベルら、1990a、b)の3′側26bp(
NruI部位)を提供した。1.7kbのPCR誘導断片をNruI切断pCPCV1に
挿入し、pC3EIVAIPHAを産生した。pCPCV1は、H6プロモーターを含有
する挿入ベクターである。適切な方向で1.7kbのブラントエンドした断片を挿入する
ことにより、H6プロモーターに対してEIV HA3′を配した。プラスミドpCPC
V1を以下のようにして誘導した。pTP15(グオら、1989)のPstI部位にF
30
eLV env遺伝子(ギルホットら、1987)を含有する2.4kbの断片を含有す
るプラスミドpFeLV1AをPstIで切断して、FeLV配列を切除し、再結合せし
めてプラスミドpFeLVFを産生した。ポリリンカー領域の次のワクシニアウイルスH
6プロモーター要素は、KpnIとHpaIの切断によりpFeLVF4から離生した。
T4 DNAポリメラーゼを用いて150bpの断片をブラントエンドし、カナリヤポッ
クスDNAの3.3kb PvuIIゲノム断片を含有するプラスミド、pRW764.
2に挿入した。pRW764.2を、カナリヤポックス配列内の特有のEcoRI部位を
認識するEcoRIで線状化し、E.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用
いてブラントエンドした。産生したプラスミドをpCPCV1と称した。このプラスミド
は、ポリリンカー領域が続き、カナヤポックスウイルス相同配列を側腹に有するワクシニ
40
アウイルスH6プロモーターを含有する。
【0638】
実施例43−EIV HA(A2/フォンテインブルー(FONTAINEBLEAU)
/79)をNYVACとALVACに挿入するための発現カセットの構築
精製EIV(A2/フォンテインブルー/79)ゲノムRNAをローンメリクス(フラン
ス、リヨン)から得た。ガブラーとホフマン(1983)により記載され、EIV(A1
/プラハ/56)cDNA調製に記載されたように、EIV特異的cDNAを調製した。
第1の鎖cDNA合成には、オリゴヌクレオチドEIVSIP(配列認識番号278)を
用いた。
【0639】
50
(165)
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HA遺伝子の全長cDNAクローンを含有する細菌コロニーをスクリーニングするために
、転換したコロニーの8つのプールを500mlの培養中で増幅し、標準方法により(サ
ムブルックら、1989)プラスミドDNA標品を得た。オリゴヌクレオチドEIVSI
P(配列認識番号278)およびEIVSIP(配列認識番号283)
【化198】
による標準PCR反応において全プラスミドDNAをテンプレートとして用いた。これら
のプライマーはこれらの8つの断片の5′および3′末端での保存した(conserv
ed)配列に相補的であったので、そのような反応は、潜在的に8つのEIVゲノム断片
10
の全長cDNA配列のみを増幅する。
【0640】
テンプレートとしてのプラスミド標品、pPEIVA2F−05は、全長HA特異的断片
のサイズと一致する1.8kbのPCR誘導断片を産生した。このPCR誘導断片を、c
DNAライブラリーの残りに対するプローブとしての使用のために、PCRにより再度増
幅した。このプローブを用いて、クローンpEIVA2FHA−7および−8を同定し、
注文合成したオリゴヌクレオチド(ゲーベルら、1990a)を用いたヌクレオチド配列
分析によりcDNA挿入物を分析した。
【0641】
ヌクレオチド配列分析により、クローン#7および#8は、EIV(A2/フォンテイン
20
ブルー/79)HAコード配列(第24図)(配列認識番号284)の3′側1200b
pを表すことが分かった。
【0642】
オリゴヌクレオチドA2F3P(配列認識番号285)
【化199】
およびA2FBAM2(配列認識番号286)
【化200】
30
を用いたPCRにより、1200bp EIV(配列認識番号をクローン#7から増幅し
た。BamHIによる切断後のこの1200bpの断片の5′末端は、第24図の完全E
IV(A2/フォンテインブルー/79)HAコード配列(配列認識番号284)のヌク
レオチド617に対応する。またこの断片を、オリゴヌクレオチドA2F3P(配列認識
番号285)を用いてコード配列に対して操作した3′であるSpeIで切断した。この
1200bp断片を、5′側616bpを含有する断片(以下に定義する)とともにSm
aI/SpeIで切断したpBS−SK(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)にともに挿
入した。しかしながら、潜在的な転換体のスクリーニングは、1200bpの断片が挿入
されたことのみを示した。ヌクレオチド配列分析のために多くのクローンを選択した。
40
【0643】
多くのクローンのヌクレオチド配列分析後、さらなる操作のために、pBSEIVA2F
HA−19を選択した。このクローンは、ヌクレオチド617(第24図)(配列認識番
号284)およびヌクレオチド1570(第24図)(配列認識番号284)でのBam
HI部位の近くにエラーを含有する。これらのエラーを訂正するために、以下の操作を行
なった。プラスミドpBSEIVA2FHA−19をBamHIとSphIで切断し、切
除した900bpの断片を単離した。この断片を、HAコード配列の3′側領域を包含す
る250bp SphI/SpeI断片とともにSpeI/BamHIで切断したpBS
−SKにともに挿入した。テンプレートとしてのクローン#7(上記)およびオリゴヌク
レオチドA2F3P(配列認識番号285)とA2F6(配列認識番号287)
50
(166)
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【化201】
を用いて、この250bp PCR断片を誘導した。産生したプラスミドをpEIVH3
3Pと称する。
【0644】
EIV HAのHAコード配列の5′側616bpを以下の方法により産生した。最初に
、第1の鎖cDNAを上述したように産生した。次いでこの第1の鎖cDNA標品をテン
プレートとして用い、オリゴヌクレオチドA2F5P(配列認識番号288)
【化202】
10
とA2FBAM1(配列認識番号289)
【化203】
を用いたPCRによりこれらの配列を増幅した。この断片をHincII切断したpBS
−SK(CA、ラジョラ、シスラタジェネ)に挿入し、産生したプラスミドをpEIVH
35Pと称した。
【0645】
20
ワクシニアウイルスH6プロモーター配列(ゲーベルら、1990a、b)およびHAコ
ード配列の5′側領域を、以下のように増幅し、融合せしめた。pBSH6IIIBEと
称するH6プロモーターに正確に連結したHIV−1(IIIB)env遺伝子を含有す
るpBSベースのプラスミドからH6配列を誘導した。これらの配列を、オリゴヌクレオ
チドH65PH(配列認識番号164)
【化204】
およびH63P(配列認識番号291)
【化205】
30
を用いたPCRにより増幅した。オリゴヌクレオチドH65PH(配列認識番号164)
およびEIV5PACC(配列認識番号292)
【化206】
40
とともに120bpのH6断片をテンプレートとして用い、H6プロモーターおよびHA
コード配列の最初の41bpからAccI制限部位を含有する161bp断片を産生した
。この断片をHindIIIとAccIで切断し、pEIVH35Pからの550bp AccI/BamHI断片とともにHind/BamHIで切断したpBS−SKにとも
に挿入した。産生したプラスミドをpH6EIVH35Pと称した。
【0646】
pH6EIVH35Pからの710bp HindIII/BamHI断片およびpEI
VH33Pからの1200bp BamHI/SpeI断片をHindとSpeIで切断
したpBS−SKにともに挿入することにより、全縁HA発現カセットを誘導した。誘導
50
(167)
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プラスミドをpBSA2FHABと称した。
【0647】
ヌクレオチド位置617でのBamHI部位の近くの上述した塩基変化を訂正するために
、マンデッキ方法(マンデッキ、1986)を用いた。pBSA2FHABをBamHI
で線状化し、オリゴヌクレオチドA2F7(配列認識番号293)
【化207】
10
を用いて突然変異誘発方法を行なった。HAの訂正変形を含有するプラスミドをpBSA
2FHAと称した。
【0648】
実施例44−それぞれvCP128およびvP961を産生するのに使用する挿入プラス
ミドpEIVC5LおよびpEIVHAVQVVの構築
プラスミドpC3EIVAIPHAをNruIとHindIIIで切断し、H6プロモー
ターの3′側26bpおよび全縁EIV(A1/プラハ/56)HAコード配列を含有す
る1.7kbの断片を切除した。クレノウによるブラントエンドの後に、この断片を、N
ruI/EcoRIで切断しクレノウでブラントエンドしたプラスミドpRW838に挿
入してプラスミドpC5AIPHAを産生した。プラスミドpRW838は、カナリヤポ
20
ックス挿入プラスミド(C5座)中のワクシニアH6プロモーターに融合された狂犬病G
遺伝子(キエニーら、1984)を含有する。NruIとEcoRIによる切断により、
H6プロモーターの5′側100bpとC5フランキングアームを残して狂犬病G遺伝子
を切除した。
【0649】
プラスミドpC5AIPHAをSmaIとSacIで切断し、H6プロモーターとEIV
(A1/プラハ/56)コード配列の5′側645bpを含有する820bp断片を切除
した。この断片を、HAコード配列の残りを含有するpC3EIVAIPHAらの1.1
kb SacI/HindIII断片とともに、HindIIIとSmaIで切断したp
BS−SKに挿入した。産生したプラスミドをpBSAIPHAVQと称した。
30
【0650】
次いでプラスミドpBSAIPHAVQを、SpeIとSmaIで線状化した。この4.
7kbの断片をpBSA2FHAから誘導した1.8kb SpeI/部分的HincI
I断片に連結した。EIV(A1/プラハ/56)および(A2/フォンテインブルー/
79)HA遺伝子を頭対頭の配置で含有する、産生したpBSベースのプラスミドを、p
BSAIPA2FHAQと称した。
【0651】
2つのHA遺伝子を含有するpBSAIP2FHAVQから誘導したNorI/XhoI
断片(3.5kb)を単離し、pSD542(EIV(A2/サフォーク/89)に関し
て以下に記載する)とpC5Lに挿入し、それぞれ挿入プラスミドpEIVHAVQVV
40
およびpEIVC5Lを産生した。
【0652】
C5L挿入プラスミドは以下のように誘導した。コスミドベクターpVK102(ノフお
よびネスター、1982)を用いて、vCP65のゲノムライブラリー(C5座に狂犬病
を有するALVACベースの狂犬病G組換え体)を構築した。このライブラリーに、pR
W764.5(C5座)内に含有される0.9kbのPvuIIカナリヤポックスウイル
スゲノム断片をプローブした。これらのカナリヤポックスDNA配列は、起点挿入座を含
有している。28kbの挿入物を含有するクローンが増殖せしめられ、pHCOS1と称
した。C5配列を含有するこのコスミドから3.3kbのCla断片をサブクローンした
。このClaI断片らの配列分析を用いて、1−1372のC5座の遺伝子地図を延長し
50
(168)
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た。
【0653】
C5挿入ベクター、pC5Lを、2段階で構築した。オリゴヌクレオチドC5A(配列認
識番号294)
【化208】
およびC5B(配列認識番号295)
【化209】
10
を用いたPCR増幅により、1535bpの左側アームを産生した。テンプレートDNA
はvCP65ゲノムDNAであった。この断片をEcoRI/SmaI切断pUC8にク
ローニングした。標準塩基配列決定プロトコルにより配列を確認した。オリゴヌクレオチ
ドC5C(配列認識番号296)
【化210】
およびC5DA(配列認識番号297)
【化211】
20
を用いたPCR増幅により、404bpの右側アームを産生した。次いでこの断片を、以
前に産生し、SmaI/PstIで切断した左側アームを含有するベクターにクローニン
グした。全縁構成を、標準配列分析により確認し、pC5Lと称した。この挿入プラスミ
ドは異種遺伝子のC5座への挿入を可能にする。
【0654】
実施例45−インフルエンザウイルス(A2/サフォーク/89)血球凝集素遺伝子を発
現するALVAC−およびNYVACベースの組換え体を産生する挿入プラスミドの構築
30
ウマインフルエンザウイルス(A2/サフォーク/89)からの血球凝集素(HA)遺伝
子を過含有するM13クローンをDr.M.ビンス(イギリス、CB8 7DW、サフォ
ーク、ニューマーケット、P.O.Box5、アニマルヘルストラスト)から得た。この
クローンは、HindIII部位によりM13ベクターに挿入されたこのHAS遺伝子を
含有する全長1.7kb cDNA断片を含有する。
【0655】
最初に、オリゴヌクレオチドEIVS1(配列認識番号298)
【化212】
40
およびEIVS2(配列認識番号299)
【化213】
を用いたPCRにより上述したM13クローンからウマインフルエンザウイルス(EIV
)HA遺伝子を増幅した。この1.7kbの断片を、SmaIで切断したpBS−SK(
CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に連結した。2つの陽性クローンを誘導し、ヌクレオ
チド配列分析により分析した(ゲーベルら、1990a)。クローンAは1つの非保存塩
基変化を含有し、一方クローンBは、第25図に示した配列と比較した3つの変化を含有
した(配列認識番号300)。EIVHA遺伝子の全長訂正変形を産生するために、クロ
50
(169)
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ーンBをSacIとMscIで切断し、390bpの断片を切除した。この断片をクロー
ンAから誘導した4.3kbのMscI/部分的SacI断片に連結した。これにより訂
正されたEIVHAが得られ、pBSEIVHSと称した。
【0656】
EIVHAコード配列の5′側360bpを、オリゴヌクレオチドI3L5EIV(配列
認識番号301)
【化214】
およびEIVPVU(配列認識番号302)
10
【化215】
を用いたPCRにより、pBSEIVHSから誘導した。オリゴヌクレオチドI3L5B
5(配列認識番号303)
【化216】
およびEIV5I3L(配列認識番号304)
【化217】
20
を用いたPCRにより全縁I3Lプロモーター領域(ゲーベルら、1990a、b)をp
MPI3L101から誘導した。オリゴヌクレオチドI3L5B5(配列認識番号303
)およびEIVPVU(配列認識番号302)によるPCRによって、オリゴヌクレオチ
ドI3L5EIV(配列認識番号301)およびEIV5I3L(配列認識番号304)
による操作により協議された相補にしたがってこれらの断片を融合し、480bpの断片
を産生した。
【0657】
プラスミドpMPI3L101は、I3Lプロモーターの制御下で狂犬病糖タンパク質を
30
コードする遺伝子からなる発現カセットを含有し、全てはORF C6L−K1Lが欠損
したワクシニア挿入プラスミドに挿入された(ゲーベルら、1990a、b)。I3Lプ
ロモーターは、ORF I3Lの開始コドンから直ちに上流の101塩基(nt 64,
973−65,074 ゲーベルら、1990a、b)からなる。
【0658】
I3LプロモーターをEIVHAコード配列の5′領域に正確に連結せしめる上述のよう
に誘導した融合断片をBamHI(5′末端)とAccI(3′末端)で切断し、400
bpの断片を単離した。この断片をpBSEIVHSから誘導した4.6kbのBamH
I/部分的AccI断片に連結し、産生したプラスミドをpBSEIVHSI3Lと称し
た。
40
【0659】
EIVHA発現カセットを含有する1.8kb SmaI/XhoI断片をpBSEIV
HSI3Lから誘導した。この断片をSmaI/XhoI切断pSD542(実施例32
に記載した)挿入ベクターに挿入し、pTKEIVHSI3Lを産生した。
【0660】
pBSEIVHEI3L(上記)からの1.8kb SmaI/XhoI断片を、Sma
I/XhoIで切断した、CPpp(ALVAC)挿入プラスミド、VQCP3Lに挿入
した。産生したプラスミドをpC3EIVHSI3Lと称した。
【0661】
挿入プラスミドVQCP3Lを以下のように誘導した。XmaIによる切断と、線状化し
50
(170)
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たプラスミドのホスファターゼ処理と、アニールし、キナーゼしたオリゴヌクレオチドC
P23(配列認識番号305)
【化218】
およびCP24(配列認識番号306)
【化219】
10
に連結することにより、VQCPCP3LをpSPCP3Lから誘導した。
【0662】
実施例46−ALVACウマインフルエンザウイルス組換え体の発生
プラスミドpEIVC5Lは、ウマ−1、A1/プラハ/56(H7)およびウマ−2、
A2/フォンテインブルー/79(H3)の血球凝集素コード配列を含有する。両方の遺
伝子をワクシニアウイルスH6プロモーターに連結し、de−orfed C5座に挿入
する。ALVACウイルスは、生体外組換えにおいて治療ウイルスとして用い、挿入され
20
たDNAを治療した。H7およびH3コード配列に対するハイブリダイゼーションに基づ
いて陽性プラークを選択した。両方の異種遺伝子を含有する純粋な個体群が得られるまで
、組換え体プラークにプラーク精製した。この時点で組換え体はvCP128と判明し、
株ウイルスを設立した。ウマからの多クローン性抗H7血清およびH3血球凝集素に特異
的な単クローン性抗体を用いて、蛍光抗体法を行なった。両方の試薬を用いてvCP12
8感染ベロ細胞に表面蛍光が検出され、両方の抗原が感染細胞表面に適切に存在すること
が示された。
【0663】
H3特異的単クローン性抗体を用いた免疫沈降分析により、vCP128感染CEF細胞
中に約75kdのタンパク質の存在が示された。これは潜在的にHA前駆体糖タンパク質
30
を表すものである。切断産生物は検出されなかった。H7特異的多クローン性血清を用い
た免疫沈降分析により、約75kdの前駆体糖タンパク質の存在が示された。それぞれ約
45および30kdの分子量を有するHA1 およびHA2 切断産生物もまた視覚化さ
れた。
【0664】
プラスミドpC3EIVHS13Lは、ウマ−2 A2/サフォーク/89亜型の血球凝
集素コード配列を含有する。遺伝子は、ワクシニアウイルスI3Lプロモーターに連結さ
れ、de−orfedC3挿入部位に挿入される。生体外組換えにおいて、ALVACウ
イルスは治療ウイルスとして用いられ、異種遺伝子を治療する。H3特異的放射線標識プ
ローブに対するハイブリダイゼーションに基づいて組換え体プラークを選択した。純粋な
40
組換え体個体群となるまで、陽性プラークをプラーク精製した。この時点で、組換え体は
vCP159であると判明し、ウイルス株を設立した。鶏からのH3特異的血清多クロー
ンを用いたvCP159感染CEF細胞への蛍光抗体法により、免疫学的に認識したタン
パク質が感染細胞表面に発現されたことが示された。
【0665】
実施例47−ウマインフルエンザウイルス亜型の血球凝集素糖タンパク質を含有するNY
VAC組換え体の発生
プラスミドpEIVHAVQVVは、ウマ−1、A1/プラハ/56(H7)およびウマ
−2、A2/フォンテインブルー/79(H3)をコードする配列を含有する。両方の遺
伝子をワクシニアウイルスH6プロモーターに連結し、TK部位に挿入する。NYVAC
50
(171)
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(vP866)を生体外組換えにおいて治療ウイルスとして用い、異種遺伝子を治療する
。放射線標識したH3およびH7特異的タンパク質に対するハイブリダイゼーションに基
づいて組換えプラークを選択した。純粋な個体群が得られるまで、組換え後代ウイルスを
プラーク精製した。この時点で組換え体はvP961であると判明し、ウイルス株を設立
した。H3特異的単クローン性行為およご多クローン性抗H7血清を用いた蛍光抗体法に
より、両方の糖タンパク質が感染細胞表面に発現されたことが分かった。同一の試薬によ
る免疫沈降分析により、H3糖タンパク質は、約75kdの分子量を有する前駆体糖タン
パク質として発現されたことが示された。切断産生物は証明されなかった。H7糖タンパ
ク質は、約75kdの前駆体糖タンパク質として証明され、HA1 およびHA2 切断
産生物はそれぞれ約45および30kdの分子量を有した。
10
【0666】
プラスミドpTKEIVHSI3Lは、ウマ−2 A2/サフォーク/89血球凝集素糖
タンパク質のコード配列を含有する。コード配列を、I3Lプロモーターに連結し、TK
部位に挿入する。NYAVC(vP866)を治療ウイルスとして用い、組換え体プラー
クは、H3特異的放射線標識したプローブに対するハイブリダイゼーションに基づいて選
択した。純粋な個体群が得られるまで、組換え体プラーク後代をプラーク精製した。この
時点で組換え体はvP1063であることが判明し、ウイルス株を設立した。鶏からの多
クローン性抗H3を用いた蛍光抗体法により、免疫的に認識されたタンパク質が感染細胞
表面に発現された子とが分かった。
【0667】
20
実施例48−ワクシニアウイルス/FELV挿入プラスミドの構築
FeLV(ネコ白血病ウイルス)env DNA配列を、M13mp(ベクターに挿入さ
れた2.4kbp FeSV−SM DNA(ギルホットら、1987)の形状でDr.
F.ゲイルバート(フランス、パリ、セントルイス、血液実験病院の研究所)から得た(
メシング、1983)。全縁読取り枠を含有するこの2.4bp PstI/KpnI断
片(FeLV p70+p13E)を単離し、都合よくpUC18に挿入した(メシング
、1983)。env配列の3′末端でのKpnI部位をPstI部位に変換し、2.4
kbp PstI断片を単離してPstI切断したpTp15に連結した(グオら、19
89)。産生したプラスミドをpFeLV1Aと称した。
【0668】
30
生体外突然変異誘発を用いて(マンデッキら、1986)、pFeLV1AをpFeLV
1Bに変換した。これは、オリゴヌクレオチドSPBGLD(配列認識番号307)
【化220】
を用いて行なった。このオリゴヌクレオチドにより突然変異誘発により、H6プロモータ
ーの境界でのBglII部位およびHA配列を除去することができた。これにより、ウイ
ルス中に発見されたこれらのDNA断片の実際の配列が提供される。
40
【0669】
次いでプラスミドpFeLV1Bを、オリゴヌクレオチドFeLV5P(配列認識番号3
08)
【化221】
で突然変異誘発せしめ、pFeLV1Cを産生した。以下の改変に関して、生体外突然変
異誘発をマンデッキ(1986)に記載されたように行なった。特有のSmaI部位での
50
(172)
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pFeLV1Bの切断後、DNAをBal31で切断した。5秒、10秒、20秒、40
秒および80秒の時間に、アリコートを採取し、EGTAを20mMの最終濃度に加える
ことにより、反応を終了せしめた。アリコートを採取し、突然変異誘発反応に用いた。産
生したプラスミド、pFeLV1Cは、ワクシニアウイルスH6プロモーターの3′で隣
接したFeLV env遺伝子およびATG:ATG置換を含有した。プラスミドpFe
LV1Cを、治療ウイルスとしてのvP425とともに生体外組換え試験に用い、全縁F
eLVエンベロープ糖タンパク質を発現する組換えワクシニアウイルス(vP453)を
産生した。
【0670】
プラスミドpFeLV1Cを試薬として用いてpFeLV1Dを産生した。この組換えプ
10
ラスミドは、推定免疫抑制領域を欠如することを除いては全縁FeLV env遺伝子を
含有する(シアンシオロら、1985;マセスら、1978)。免疫抑制領域をコードす
る配列(ギホットら、1987におけるヌクレオチド2252−2332の配列)を以下
の方法により生体外突然変異誘発により欠損せしめた(マンデッキ、1986)。プラス
ミドpFeLV1CをBsmIで線状化した。線状化したプラスミドをBal31で処理
し、1分、2分、4分および8分でアリコートを採取し、突然変異誘発反応の使用のため
に採取した。オリゴヌクレオチドFeLV1SD(配列認識番号309)
【化222】
20
を用いて生体外突然変異誘発を行なった。産生したプラスミド、pFeLV1Dを、治療
ウイルスとしてのvP410とともに生体外組換え試験に用いて、vP456を産生した
。このワクシニアウイルス組換え体は、推定免疫抑制領域が欠如した全縁エンベロープ糖
タンパク質を発現するように産生された。
【0671】
実施例49−アビポックスウイルス/FeLV挿入プラスミドの形成
FP−1組換え体の構築のために、2.4kbpのH6/FeLV env配列を、Bg
lIIの切断とPstIの部分的な切断により、pFELV1A(上記)から切除した。
30
BglII部位は、H6プロモーター配列の5′境界にある。PstI部位は、エンベロ
ープ糖タンパク質読取り枠の翻訳終止シグナルから420bp下流に位置する。
【0672】
2.4kbp H6/FeLV env配列をBamHIとPstIで切断したpCE1
1に挿入した。多重クローニング部位を不可欠HindII部位に挿入することにより、
FP−1挿入ベクターpCE11をpRW731.13から誘導した。この挿入ベクター
により、FP−1ゲノムが産生される。次いで組換え体FP−1/FeLV挿入プラスミ
ドをpFeLVF1で切断した。この構成では、ATG置換のための正確なATGが提供
されない。
【0673】
40
正確なATG:ATG構成を達成するために、約1.4kbpのNruI/SstII断
片をワクシニアウイルス挿入ベクターpFeLV1C(上述)から誘導した。NruI部
位は、ATGから24bp下流の位置にあるH6プロモーター内に生じる。SstII部
位は、ATGから1.4kbp下流で、翻訳終止コドンから1kbp上流に位置する。p
FeLVF1のSstIIによる切断とNruIによる部分的な切断によって産生された
9.9kbpの断片に、NruI/SstII断片を連結した。この9.9kbpの断片
は、5.5kbp FP−1フランキングアーム、pUCベクター配列、env遺伝子の
下流部分に対応する1.4kbpのFeLV配列、およびH6プロモーターの5′側部分
(約100bp)を含有する。産生したプラスミドをpFeLVF2と称した。ヌクレオ
チド配列分析により、正確なATG:ATG構成が確認された。
50
(173)
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【0674】
推定免疫抑制領域(上述)に対応するFeLV env配列を序供することにより、Fe
LVF2からさらなるFP−1挿入ベクター、pFeLVF3を誘導した。これは、ワク
シニアウイルス挿入ベクター、pFeLV1D(上述)から得た約1kbpのPstI/
SstII断片を単離し、この断片を、pFeLVF2のPstIとSstIIによる切
断によって誘導された残りのH6/FeLV env遺伝子を含有する10.4kbp PstI/SstII断片に挿入することにより行なった。
【0675】
挿入プラスミド、pFeLVF2およびpFeLVF3を、治療ウイルスとしてのFP−
1とともに、生体外組換え試験に用いた。後代ウイルスを、生後10日の感染幼虫包蔵卵
10
から得た初代鶏胚繊維芽細胞(CEF)単層に塗布し、CEF単層のプラークハイブリダ
イゼーションにより組換えウイルスをスクリーニングした。ハイブリダイゼーションによ
り同定した組換え体後代を選択し、4回のプラーク精製を行なって均質な個体群を得た。
全縁FeLV env遺伝子をハーバリング(harboring)するFP−1組換え
体は、vFP25と称し、それを含有するFP−1組換え体は、vFP32と称した。
【0676】
CP組換え体を構築するために、H6/FeLV env遺伝子配列を含有する2.2b
p断片を、KpnIとHpaIでの切断によりpFeLVF2とpFeLVF3から切除
した。KpnI部位は、H6プロモーター配列の5′境界にある。HpaI部位は、エン
ベロープ糖タンパク質読取り枠の翻訳終止シグナルから180bp下流にある。これらの
20
単離した断片をブラントエンドした。これらの2.2kbp H6/FeLV env配
列を挿入プラスミドpRW764.2の不可欠EcoRI部位に挿入し、次いでEcoR
I部位でブラントエンドした。これらの挿入ベクターにより、CPゲノムのC3座におい
て異種遺伝子をハーバリングするCP組換え体が産生できる。次いで組換え体CP挿入プ
ラスミドをそれぞれpFeLVCP2とpFeLVCP3と称した。
【0677】
挿入プラスミド、pFeLVCP2とpFeLVCP3を、治療ウイルスとしてのCPと
ともに生体外組換え試験に用いた。組換え体の後代を、生後10日の感染幼虫包蔵卵(C
T、ストー、SPAFAS)から得た初代鶏胚繊維芽細胞(CEF)単層に塗布し、プロ
ーブとしての放射線標識したFeLV DNAを用いてハイブリダイゼーションにより組
30
換えウイルスを選択した。陽性雑種形成プラークを選択し、4回のプラーク精製を施し、
均質な個体群を得た。全縁FeLV env遺伝子を発現する組換え体をvCP35と称
し、免疫抑制領域を欠いて全縁env遺伝子を発現する組換え体をvCP37と称した。
【0678】
実施例50−FeLV−B env遺伝子を含有するALVACベースの組換え体の産生
プラスミドpFeLV env24は、ローンメリクス(フランス、リヨン)から得て、
これはFeLV−B env遺伝子を含有する。このプラスミドは、NCE161 Fe
LV菌株から誘導した4.2kbのcDNA誘導断片を含有する。プラスミドpFeLV
env34は、pBS−SK(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)のSmaI部位に4.
2kbのFeLV−B特異的挿入物を含有する。FeLV−B env遺伝子の配列を第
40
26図に示す(配列認識番号310)。この配列において、開始コドン(ATG)と終止
コドン(TGA)に下線が引いてある。
【0679】
FeLV−B envの発現カセットは、以下のようにして構築した。オリゴヌクレオチ
ドH65PH(配列認識番号164)
【化223】
およびH63PFB(配列認識番号311)
【化224】
50
(174)
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を用いたPCRによりプラスミドpI4LH6HIV3B(HIVに関して上述した)か
ら、ワクシニアウイルスH6プロモーターを誘導した。これらのオリゴヌクレオチドによ
るこれらの配列の増幅は、最初の20bpのFeLV−B envコード配列を含有する
3′末端と5′HindIII部位を有するH6プロモーターを産生した。
【0680】
オリゴヌクレオチドFB5P(配列認識番号312)
【化225】
10
およびFB5PA(配列認識番号313)
【化226】
を用いたPCRによりpFeLV−B env34からFeLV−B env遺伝子の5
′部分を誘導した。このPCR誘導断片は、H6プロモーターの3′側23bpの相同性
(5′末端)および位置546での特有のApaI部位を含有する。テンプレートとして
上記のように定義した2つのPCR断片と、オリゴヌクレオチドFB5PA(配列認識番
号313)およびH65PH(配列認識番号164)を用いたPCRにより、H6プロモ
20
ーターをFeLV−B env遺伝子に融合した。PCR融合断片をHindIIIとA
paIで切断し、680bp断片を産生した。
【0681】
プラスミドpFeLV−B env34をApaIとNcoIで切断し、env遺伝子の
中間部分を含有する740bpの断片を離生した。テンプレートとしてpFeLV−b env34およびオリゴヌクレオチド(配列認識番号314)
【化227】
30
とFB3PX(配列認識番号315)
【化228】
を用いたPCRにより、遺伝子の3′末端を誘導した。これらのオリゴヌクレオチドによ
るenv遺伝子の3′末端のPCR増幅により、位置1326−1332でのT5NT要
素を除去した。位置1329でのTからCの置換を行なうことにより、この配列を改変し
た(第26図)。このPCR誘導断片の5′末端はまた、特有のNcoI部位を含有する
(位置1298での部位に一致する;第26図)。この断片をNcoIとXbaIで切断
40
し、707bpの断片を産生した。
【0682】
740bpのNcoI/ApaI断片と707bpのNcoI/XbaI断片をともに、
ApaIとXbaIで切断したpBS−SKに挿入した。産生したプラスミドをpBSF
B3Pと称した。次いでpBSFB3Pからの1.5kbのApaI/XbaI断片を、
FeLV−B env遺伝子(上述)のH6プロモートした5′末端を含有する680b
pのPCR断片とともに、HindIIIとXbaIで切断したpBS−SKに挿入した
。産生したプラスミドをpB5FEBと称した。
【0683】
H6プロモートしたFeLV−B env遺伝子を含有する、pB5FEBからの2.2
50
(175)
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kb HindIII/XbaI断片を単離し、クレノウ断片でブラントエンドした。こ
のブラントエンドした断片を、SmaIで切断したpC5L(ここのHIVに関する議論
を参照)に挿入し、pC5LFEBを産生した。
【0684】
プラスミドpC5LFEBを、治療ウイルスとしてのALVAC(CPpp)とともに、
標準生体外組換えアッセイに用いた。FeLV−B env特異的DNAプローブを用い
て、組換え体プラークを同定した。3回のプラーク精製後、ウイルスを繁殖せしめ、vC
P177と称した。
【0685】
実施例51−ALVAC−FeLV−A ENV組換えウイルスの産生
10
FeLV−A env配列を誘導したプラスミドpFGA−5はDr.J.ネイル(グラ
スゴー大学)から得て、以前に記載したものである(スチュワートら、1986)。最初
に、ヌクレオチド1から531bpに対応する531bp PstI/HindIII断
片(スチュワートら、1986)を切除して、PstIとHindIIIで切断したpC
PCV1に連結し、pC3FA−1と称した。このプラスミドpCPCV1は以下のよう
に誘導した。プラスミドpFeLV1AをPstIで切断し、FeLV配列を切除して再
度連結し、プラスミドpFeLVF4を産生した。ワクシニアウイルスH6プロモーター
要素(テイラーら、1988)と続くポリリンカー領域を、KpnIとHpaIでの切断
により、pFeLVF4から離生した。T4 DNAポリメラーゼを用いて150bpの
断片をブラントエンドし、カナリヤポックスDNAの3.3kb PvuIIゲノム断片
20
を含有するプラスミド、pRW764.2に挿入した。カナリヤポックス配列内で特有の
EcoRI部位を認識するEcoRIでpRW764.2を線状化し、E.coli D
NAポリメラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエンドした。産生したプラスミドは、
pCPCV1と称した。このプラスミドは、ポリリンカー領域が続き、側腹にカナリヤポ
ックスウイルス相同配列を有する、ワクシニアウイルスH6プロモーターを含有する。
【0686】
プラスミドpC3FA−1を、PstIで線状化し、オリゴヌクレオチドFENVAH6
−1(配列認識番号316)
【化229】
30
を用いたマンデッキ法(1986)により生体外組換えにおいて突然変異誘発を行なった
。生体外突然変異誘発により、ワクシニアH6プロモーター要素の正確なATG:ATG
配列となる異種5′非コード配列およびFeLV−A env配列を除去した。産生した
プラスミドをpH6FA−1と称した。
【0687】
注文合成したオリゴヌクレオチド(CA、サンラファエル、アプライドバイオシステムス
)を用いた標準PCRによりFeLV−A env遺伝子の残りをpFGA−5から誘導
した。テンプレートとしてのpFGA−5およびオリゴヌクレオチドFENVA−2(配
列認識番号317)
40
【化230】
とFENVAH(配列認識番号231)
【化231】
を用いて、836bp PCR断片を誘導した。この断片は、FeLV−A env遺伝
子のヌクレオチド488から1327と一致する(スチュワートら、1986)。オリゴ
50
(176)
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ヌクレオチドFENVA−2(配列認識番号317)の使用により、位置1301から1
309でのヌクレオチド配列をGAT5 GTをGAATTCTGTに改変する。この改
変により、ポックスウイルス初期転写終止シグナル(ユエンとモス、1987)として認
識されるT5NT配列モチーフを除去し、この位置でのEcoRI制限部位を導入する。
これらのヌクレオチド操作は、グルタミン酸からアミノ酸414を保存アミノ酸アスパラ
ギン酸に変化せしめる(スチュワートら、1986)。これらのヌクレオチド変化により
アミノ酸415は改変されない。この836bpの断片をHindIIIとEcoRIで
切断し、FeLV−A env遺伝子のヌクレオチド532から1302に対応する77
0bpの断片を産生した。テンプレートとしてのpFGA−5およびオリゴヌクレオチド
FENVA−3(配列認識番号319)
10
【化232】
とFENVA−4(配列認識番号320)
【化233】
を用いて、709bpのPCR断片を誘導した。この断片は、FeLV−A env遺伝
子のヌクレオチド1281から1990と一致する(スチュワートら、1986)。この
断片を増幅するためにオリゴヌクレオチドFENVA−3(配列認識番号319)を用い
20
て、T5NT要素を改変し、上述したように、836bpPCR誘導断片のためにEco
RI部位を導入する。709bpの断片をEcoRI/HindIIIで切断し、産生し
たプラスミドを、836bp断片(上記)から誘導した770bp HindIII/E
coRI断片とともに、HindIIIで切断したpBS−SK(CA、ラジョラ、スト
ラタジェネ)に挿入した。産生したプラスミドをpF3BS1−Bと称し、FeLV e
nv配列をヌクレオチド配列分析により確認した。
【0688】
ワクシニアウイルスH6プロモーターに正確に連結した全縁FeLV−A env遺伝子
を再構築するために、1.5kb HindIII断片をpF3BA1−Bから単離した
。この断片は、FeLV−A envのヌクレオチド532から1990と一致する(ス
30
チュワートら、1986)。1.5kb HindIII断片をHindIIIで切断し
たpH6FA−1に連結した。1.5kb HindIII断片を含有するプラスミド構
築物を、制限分析により適切な配向でスクリーニングし、H6プロモーターに連結した全
縁無傷FeLV−A env遺伝子を含有するプラスミドクローンをpH6HA−3と称
した。
【0689】
2.2kb H6/FeLV−A env発現カセットを、EcoRIでの部分的な切断
と、HindIIIでの部分的な切断によりpH6FA−3から切除した。この断片を、
HindIIIとEcoRIで切断したpRW831に挿入した。産生したプラスミドを
pC5FAと称した。
40
【0690】
pRW831は、異種遺伝子をC5読取り枠に挿入させるALVAC(CPpp)挿入プ
ラスミドを指す。この領域への挿入工程において、pRW831の使用により、C5読取
り枠のほとんどが欠損せしめられる。pRW831を産生するために、以下の操作を行な
った。カナリヤポックスウイルスゲノムからの880bp PvuIIゲノム断片をpU
C9のPvuII部位の間に挿入した。産生したプラスミド、pRW764.5内に含有
されたカナリヤポックスウイルス配列をヌクレオチド配列分析により分析し、C5読取り
枠を定義した。この座で組換え体を操作するために、事前に、C5 ORF内に位置する
1対のBglII部位の間の挿入を用いた(テイラーら、1992)。全縁領域の配列を
第16図に示す(配列認識番号220)。ヌクレオチド配列(配列認識番号220)はP
50
(177)
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vuII部位で開始する。C5 ORFは位置166で開始し、ヌクレオチド487で終
止する。これらの配列の正確な操作により、ヌクレオチド167から455の欠損をする
ことができる。そのような欠損は、他のウイルス遺伝子の発現を妨害しないように行なっ
た。
【0691】
pRW831を誘導する方法を以下のように行なう。pRW764.5をRsaIで部分
的に切断し、線状化された断片を単離する。RsaI線状断片をBglIIIで再切断し
た。産生した2.9kb RsaI/BglII断片(ヌクレオチド156から462が
欠損した)を単離し、アニールしたオリゴヌクレオチドRW145(配列認識番号107
)およびRW146(配列認識番号108)に連結した。産生したプラスミドはpRW8
10
31と称し、C5配列の場所に、特有のHindIII、SmaI、およびEcoRI部
位を有する配列を含有する。
【0692】
プラスミドpC5FAを、治療ウイルスとしてのALVAC(CPpp)とともに生体外
組換え実験に用いた。放射線標識したFeLV−A env特異的プローブを用いた現場
でのプラークハイブリダイゼーションにより組換えウイルスを同定した。3回のプラーク
精製と続いてのハイブリダイゼーション確認後、組換え体をvCP83と称した。
【0693】
実施例52−p15Eの推定免疫抑制領域が欠如したALVAC−FeLV−A
ENV組換えウイルスの産生
20
推定免疫抑制領域は、FeLVエンベロープ糖タンパク質のp15E膜貫通領域内に位置
する(シアンシオロら、1986;マセスら、1978)。この領域は以下の方法により
欠損せしめた。ヌクレオチド1282から1602のFeLV−A env配列(スチュ
ワートら、1986)は、オリゴヌクレオチドFENVA−3(配列認識番号320)お
よびIS−A(配列認識番号468)
【化234】
を用いたPCRによりpFGA−5から増幅した。ヌクレオチド1684から1990の
env配列(スチュワートら、1986)は、オリゴヌクレオチドFENVA−4(配列
30
認識番号320)およびIS−B(配列認識番号323)
【化235】
を用いたPCRによりpFGA−5から増幅した。前者のPCR誘導断片は、EcoRI
で切断し、後者はHindIIIで切断し、続いてATPとT4キナーゼでキナーゼした
。これらの断片を、HindIIIとEcoRIで切断したpBS−SKにともに連結し
た。産生したプラスミドは、ヌクレオチド配列分析により確認し、pBSFAIS
− と
称した。上述した断片の連結は、配列5′および3′を、推定免疫抑制領域をコードする
81bpのDNA断片に結合させ、それゆえ、免疫抑制ペプチドをコードする配列を欠損
40
せしめる。
【0694】
免疫抑制領域をコードする領域が欠如したFeLV−A配列をSstII/ApaIでの
切断によりpC5FAから切除した。この381bpの断片をpBSFAIS
− からの
300bp SstII/ApaI断片により置換した。行なった連結は、pC5FAか
らの4.8kb SstII/ApaI断片と上述した300bp断片によるものであっ
た。産生したプラスミドをpC5FAISDと称した。
【0695】
プラスミドpC5FAISDは、治療ウイルスとしてのALVAC(CPpp)とともに
組換え実験に用いた。放射線標識したFeLV−A env特異的プローブを用いた現場
50
(178)
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でのハイブリダイゼーションにより組換えウイルスを同定した。3回のプラーク精製後、
組換え体をvCP87と称した。この組換え体は、推定27アミノ酸免疫抑制領域をコー
ドする領域が欠如したFeLV−A env遺伝子を含有する。この遺伝子をC5座に挿
入した。
【0696】
実施例53−ALVAC−FeLV−A gag組換えウイルスの産生
FeLV−A gag/pol配列をプラスミドpFGA−2 gagから誘導した。こ
のプラスミドは、LTR(651bp)配列の部分、全縁gag遺伝子、およびpol遺
伝子の1272bpを含有する3.5kb PstIサブ断片をサブクローニングするこ
とによりFeLV−A感染クローンpFGA−2(スチュワートら、1986)から誘導
10
した。3.5kb断片をPstIで切断したpUC8(MD、ゲイサースブルグ、ベセス
ダリサーチラボラトリーズ)に挿入した。最初にこの3.5kb PstI FeLV−
A DNA断片を単離し、pBS−SK(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に挿入した
。産生したプラスミドをpBSGAGと称した。ヌクレオチド配列(配列認識番号324
)(第27図)分析により全縁3.5kb挿入物を分析し、開始コドン(第27図に下線
を引いたヌクレオチド652から654)およびFeLV−B(レプロベッテら、198
4)に関して以前に記載したgag領域のヌクレオチド配列内に定義された関連制限部位
の位置を確認した。
【0697】
プラスミドpFGA−2 gagをBglIIとPstIで切断し、2.5kb断片を離
20
生した。BglIIは、ヌクレオチド位置1076(配列認識番号324)での部位を認
識し、一方PstIは、FeLV−A挿入物の末端での部位を認識する。2.5kb団便
を単離し、共移動プラスミド配列内の部位を認識するPstIとHindIIIで再切断
した。これにより、プラスミド配列の続いての連結反応を競合する能力が除去された。
【0698】
PCRを用いてFeLV−A gagコード配列の5′末端を誘導した。プラスミドpF
GA2 gagは、オリゴヌクレオチドFGAGBGL(配列認識番号325)
【化236】
30
およびFGAGATG(配列認識番号326)
【化237】
とともにテンプレートとして用いた。オリゴヌクレオチドFGAGATG(配列認識番号
326)は、ワクシニアウイルスH6プロモーターの3′側の25ヌクレオチドを含有し
、その5′末端でのNruI部位の3′側3bpを含有する。これらのH6配列は、AT
G(開始コドン)で正確に結合し、ヌクレオチドはgagコード配列の最初の16ヌクレ
オチドに一致する。オリゴヌクレオチドFGAGBGL(配列認識番号325)は、ga
g配列中の特有のBglII部位から59bp下流の配列の逆補体と一致する(レプレボ
40
ッテら、1984)。これらの試薬を用いたPCRにより、続いてBglIIで切断され
て450bp断片を産生する500bp断片を産生した。
【0699】
450bp BglII切断PCR誘導断片を、gag遺伝子の残りとpol遺伝子の部
分を含有する2.5kb BglII/PstI断片、およびNruIとPstIで切断
したpCPCV1(上記env構造)と共連結した。pCPCV1(NruI/PstI
)は、NruI認識シグナルの5′側の3bpを含有するワクシニアウイルスH6プロモ
ーターの5′部分を含有する。産生したプラスミドをpC3FGAGと称した。
【0700】
プラスミドpC3FGAGを、PstIで線状化し、T4 DNAポリメラーゼでブラン
50
(179)
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トエンドし、pSD513(実施例7に定義した)から切除した100bp SspI/
SmaI断片に連結した。100bpのSspI/SmaI断片により、FeLV−A gag/pol配列の3′末端で終止コドンが提供される。産生したプラスミドをpC3
FGAGVQと称した。
【0701】
FeLV−A gag/pol発現カセットを、EcoRIとHindIIIでの切断に
よりpC3FGAGVQから切除した。産生した3.4kb断片を単離し、EcoRIと
HindIIIで切断したpC3I(実施例32に定義した)に連結し、pC3D0FG
AFVQを産生した。
【0702】
10
プラスミドpC3D0FGAGVQを、治療ウイルスとしてのvCP83とvCP87と
ともに生体外組換え実験に用いた。FeLV−A gag/pol配列および全縁FeL
V−A env遺伝子を含有する組換え体はvCP97と称し、一方同一のgag/po
l配列および免疫抑制領域が欠如した全縁FeLV−A envを含有する組換え体をv
CP93と称した。
【0703】
実施例54−FeLV−A gagのワクシニアウイルスバックグラウンドへの挿入
pC3FGAG(上記)からの3.3kb EcoRI/HindIII断片をpSD5
53のSmaI部位にクローニングすることにより、挿入プラスミドpCEN151を産
生した。2mMのdNTPの存在下でのE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断
20
片によりその断片をブラントエンドした後に、この挿入を行なった。
【0704】
プラスミドpSD553は、COPAKシリーズのワクシニア欠損/挿入プラスミドであ
る。このプラスミドは、フランキングコペンハーゲンワクシニアアーム内のワクシニアK
1L宿主域遺伝子(ギラードら、1986;パーカスら、1990)を含有し、ATI領
域(ORF A25L、A26L;ゲーベルら、1990a、b)を置換する。pSD5
53は以下のようにして構築した。プラスミドpSD541のワクシニアATI欠損座に
位置するポリリンカー領域(実施例10に定義した)を以下のように拡張した。pSD5
41をBglII/XhoIで切断し、アニールした相補合成デオキシオリゴヌクレオチ
ドMPSYN333(配列認識番号329)
30
【化238】
およびMPSYN334(配列認識番号330)
【化239】
に連結し、プラスミドpSD552を産生した。K1L宿主域遺伝子を、プラスミドpS
40
D452からの1kb BglII(部分的)/HpaI断片として単離した(パーカス
ら、1990) 。pSD552を、BglII/HpaIで切断し、断片を含有するK
1Lに連結し、pSD553を産生した。
【0705】
プラスミドpCEN151を、治療ウイルスとしてのvP866とともに生体外組換え実
験に用いてvP1011を産生した。
【0706】
実施例55−ALVAC組換えウイルスにおけるFeLV ENVおよびgag遺伝子の
蛍光抗体法および免疫沈降分析
免疫沈降
50
(180)
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ベロ細胞単層を、10pfu/細胞に等しいm.o.i.で親または組換えウイルスに感
染せしめた。感染から1時間後、接種物を吸引し、(
3 5
S)−メチオニン(MA、ボス
トン、デュポン;1000 Ci/mモル)、20μCi/mlを補給したメチオニン不
含有培地を加え、さらに感染から18時間後までインキュベーションした。ウシ抗FeL
V血清(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)またはp27コアタンパク質に特異的な単ク
ローン性抗体(GA、アテネ、ローンメリクスから得た)を用いて、免疫沈降および蛍光
抗体法分析を前述したように行なった。
【0707】
FeLVウイルスの単離
1日目に、3×10
4 QN10細胞/ウェルを、HEFPES緩衝液(DFB)、10
10
%のFBS、および4μg/mlのポリブレン(polybrene)を含有する1ml
のダルベッコMEM中の12ウェル板に展開した。細胞を37℃で一晩インキュベーショ
ンした。培地を取り除くことなく、200μlの試料(ネコ血漿)を各ウェルに加えた。
37℃の2時間のインキュベーション後、培地を1.5ml新鮮なのDFBと置き換えて
、さらに37℃でシンキュベーションした。5日目に、板を転換に関して検査した。陰性
の場合には、培地を1.5mlの新鮮なDFBと置き換えて、さらに37℃でシンキュベ
ーションした。8日目に、板を転換に関して再検査した。陰性の場合には、トリプシン−
EDTAでの2回の洗浄により細胞を分散せしめ、5cmの板への接種のための4mlの
DFB中に配することにより、細胞を5cmの板に継代培養せしめた。転換の検査の前に
、細胞を37℃で4時間に亘りインキュベーションせしめた。
20
【0708】
蛍光抗体法によるFeLV抗原の検出
血液スミアを−20℃で5分間MeOH中に固定し、dH2 O中で洗浄し、次いで空気
乾燥せしめた。24μlのウサギ抗FeLV抗体を、ダイアモンドペンでスミア上に記し
た円内に血液スミアを施した。PBSで3回、dH2 Oで1回の洗浄の前に、抗体の存
在下で加湿器中、1時間、37℃でスミアをインキュベーションした。次いでスミアを空
気感想せしめた。25μlのヒツジ抗ネコIgG−FITCを円に施し、第1抗血清とと
もに上述したようにインキュベーションした。紫外線光源での顕微鏡による蛍光抗体法の
検査の前に、試料を洗浄し、第1抗血清について上述したように乾燥せしめた。
【0709】
30
FeLV抗体中和アッセイ
1日目に、5×10
4 QN10細胞/ウェルを、1mlのDFBと4μg/mlのポリ
ブレン中の12ウェル板に展開した。細胞を37℃でインキュベーションした。50μl
のレイボウィッツ培地を用いて、1:2から1:256までの血清希釈物を丸底96ウェ
ル板中に調製した。1ml当たり4×10
5 フォーカス形成単位(ffu)での50μ
lのFeLV−Aを加えた。2つのウェルをウイルス対照として血清のない培地とともに
インキュベーションした。板を37℃で2時間インキュベーションした。2時間の吸着期
間後、25μlの各希釈物をQN10細胞のウェル中に配した。QN10細胞への25μ
lの接種の前に、96ウェル板中のレイボウィッツ培地の50μl中で1:2、1:4、
1:8および1:6で希釈することによりウイルス対照を滴定した。3日間、37℃で板
40
をインキュベーションした。1日目に培地を1mlのDFB/ウェルと置き換えた。2日
後に、フォーカスを顕微鏡で数えた。ウイルス対照と比較したフォーカスの数が75%減
少した血清の希釈物として、中和抗体抗体滴定を評価した。
【0710】
vCP83およびcCP87により発現されたenv遺伝子産生物が感染細胞の形質膜に
運搬されたか否かを決定するために、前述したように蛍光抗体法実験を行なった(テイラ
ーら、1990)。初代CEF単層を、親(ALVAC)または組換えウイルス、vCP
83およびvCP87に感染せしめ、感染から24時間後に、ウシ抗FeLV血清を用い
て蛍光抗体法を行なった。結果により、vCP83に感染した細胞は、強い表面蛍光着色
を示し、vCP87または親ALVACに感染した細胞は著しい表面着色は示さなかった
50
(181)
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ことが分かった。
【0711】
ウシ抗FeLV血清を用いて、免疫沈降分析により、FeLV env遺伝子産生物の発
現もまた分析した。未感染CEFまたは親ALVACウイルスに感染したCEFから誘導
した溶解産物からはFeLV特異的タンパク質種は沈殿しなかった。vCP83感染細胞
からは、85kDa、70kDa、および15kDaの見かけの分子量を有する3つのF
eLV特異的タンパク質が沈殿した。この結果は、前駆体env遺伝子産生物(85kD
a)および熟成切断産生物p70およびp15Eの発現と一致するものである。vCP8
8感染細胞から誘導した溶解産物からの免疫沈降により、83kDaの見かけの分子量を
有する1つのFeLV特異的タンパク質種が示された。これは、推定免疫抑制領域の欠損
10
後に予期されたサイズの非タンパク質分解加工env遺伝子産生物の発現に一致するもの
である。手短にいうと、免疫抑制領域の欠如したenvの発現は、感染細胞の表面には明
らかに適切には運搬されず、または熟成env特異的タンパク質形状にはタンパク質分解
的に切断されない。
【0712】
p27コアタンパク質(D5)内のエピトープに特異的な単クローン性抗体およびウシ抗
FeLV血清を用いた免疫沈降により、FeLV gag特異的遺伝子産生物の発現を分
析した。未感染細胞または親ウイルスに感染した細胞から誘導した溶解産物からは、Fe
LV特異的タンパク質は沈殿しなかった。D5およびウシ抗FeLV血清により、vP1
011、cCP93、およびvCP97に感染した細胞からは、55kDaのFeLV特
20
異的タンパク質種が沈殿した。これらの見かけの分子量のタンパク質種は、gag特異的
前駆体形状と一致する。熟成p27コアタンパク質のサイズに一致する低水準の27kD
aタンパク質種もまた明確であった。
【0713】
実施例56−vCP93およびvCP97の体内評価
組換えウイルスの2回の接種後のネコの生FeLV抗原投与によりvCP93およびvC
P97の防御効果を評価した。0日と28日の皮下経路の10
8 PFUにより、ALV
ACベースのFeLV組換え体を投与した。追加抗原投与接種後から7日目に、相同Fe
LV−A菌株(グラスゴー1)を口鼻投与によりネコに抗原投与した。FeLV抗原血症
(p27検出)、FeLV単離、蛍光抗体法による白血球(WBC)スミア中のFeLV
30
抗原の存在、およびFeLV中和活性の誘発の評価のために、抗原投与の前と後に、血液
試料を得た。
【0714】
ALVAC(カナリヤポックスウイルス)ベースの組換えウイルス、vCP93およびv
CP97によるワクチン接種後には、副作用は観察されなかった。6つの非ワクチン接種
対照の全ては、FeLV抗原投与のために死亡し、抗原投与の露出後3週間で持続性のウ
イルス血症を発達せしめた。これは、血液中のp27抗原の検出、FeLVの単離および
WBCスミアの蛍光抗体法によるFeLV抗原の検出により証拠付けられた(表32)。
非ワクチン接種の対照は、研究の残りの期間に亘り感染し続けた(抗原投与後12週間ま
で)。
40
【0715】
持続性のウイルス血症は、抗原投与から3週間後にvCP93をワクチン接種した6匹の
ネコのうち3匹に発達した。この時点で、これらの3匹のネコからの血液のサンプリング
により、p27抗原および/または生FeLVを含有することが示された(表32)。こ
れらのネコのうち1匹(2番)は、感染から6週間後にこの感染から解放され、抗原投与
から12週間後までウイルス血症のないままでいた。他の2匹のネコ(1番と5番)は、
3つの分類基準、p27抗原血症、FeLVの単離、およびWBC中のFeLV抗原検出
により持続的に感染したままであった。vCP93をワクチン接種した6匹のネコのうち
3匹(3番、4番、および6番)は、抗原投与から9週間に亘り持続性ウイルス血症には
感染しないままでいた(表32)。これらのネコのうち2匹(3番と6番)は、抗原投与
50
(182)
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後から12週間に亘り循環ウイルスのないままであったが、一方で1匹のネコ(4番)は
、12週間目に突然感染した。vCP93でのワクチン接種により、持続性ウイルス血症
に対して部分的な防御(6匹のネコのうち3匹)が与えられた。
【0716】
最も印象的なことには、vCP97をワクチン接種した6匹のネコ全てが、FeLV−A
(グラスゴー1)による相同抗原投与に対して完全に防御された。これらのネコのうち1
匹のみ(12番)が、持続性ウイルス血症の様子を示した。p27抗原が血液試料中に検
出された(表32)抗原投与から3週間後に生じた。抗原投与後に、このネコの血液から
は生FeLVは決して単離されなかった。他のネコは、抗原投与露出から12週間に亘り
、p27抗原血症がなく、生FeLVがなく、WBCスミア中にFeLV抗原を決して示
10
さなかった(表32)。
【0717】
FeLV中和抗体の進化
FeLV感染に対する防御における中和抗体の潜在的な役割のために(ラッセルおよびジ
ャレット、1978;ラッツら、1980)、そのような応答の発生は抗原投与の前後に
監視された。vCP93またはvCP97のいずれかでワクチン接種された研究における
ネコは、FeLV抗原投与前には、中和抗体力価を示さなかった(表33)。抗原投与後
に、持続性ウイルス血症を発達せしめたどのネコも、検出可能な中和抗体力価を示したも
のはいなかった。驚くべきことに、持続性感染に対して防御されたネコは、FeLV特異
的血清中和力価を発達せしめた(表33)。これらの力価は、抗原投与後に防御された全
てのネコにおいて著しく増大し、研究の終止時点である抗原投与から12週間後に、高水
準であることが観察された(表33)。
【0718】
【表32】
20
(183)
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10
20
30
(184)
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10
20
【表33】
30
(185)
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10
20
30
実施例57−FHV−1 gD糖タンパク質を発現するALVACベースの組換え体の産
40
生
ワクシニアウイルスI3Lプロモーターの制御下で、FHV−1 gD相同遺伝子のAL
VACベクターへの挿入により、1型ネコヘルペスウイルス(FHV−1) gD糖タン
パク質の発現を行なった。カセットI3L−FHV−1 gDをALVACに挿入するの
に必要とされる供与体プラスミドを以下のように産生した。
【0719】
FHV−1 C0菌株ゲノムDNAをEcoRIで完全に切断し、断片M(4480bp
)をアガロースゲルから切除し(遺伝子洗浄方法)、EcoRIで切断してホスファター
ゼしたベクターpBS−SK
+ にクローニングした。FHV−1 EcoRI M断片
を含有する、産生したプラスミドをpHFeM2と称した。修飾T7酵素シーケナーゼ(
50
(186)
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米国バイオケミカル社)を用いて、両鎖のFHV−1 EcoRI M断片完全ヌクレオ
チド配列を、ベクターpBS−SK
+ に挿入されたFHV−1 EcoRI M断片の
いくつかのサブクローンから得た(テイバーおよびリチャードソン、1987)。0.4
M−NaOH中で変性せしめられた二本鎖テンプレートを用いて、標準ジデオキシヌクレ
オチド鎖終止反応(サンガーら、1977)を行なった(ハットリおよびササキ、198
6)。M13順および逆プライマーを用いて、各クローンの最初の配列を得た。標準化学
種(バイオリサーチ8700およびアプライドバイオシステム380B)を用いて合成し
た、注文プライマー(18mer)を続いての配列反応に用いた。続発性断片間の接合の
配列を、最初のクローン、pHFeM2で確認した。全ての配列データ分析に、PC\G
ENE(インテリジェネティックス)およびIBIパステルソフトウェアーパッケージを
10
用いた。スイスプロトリリース18.0(インテリジェネティックス)に対するPAST
Pプログラム(リップマンおよびペアーソン、1985)に関して、相同探求を行なった
。FHV−1 C0菌株gD相同遺伝子の全配列を第28図に示す(配列認識番号290
)。
【0720】
テンプレートとしてのプラスミドpHFeM2およびオリゴヌクレオチドJCA234(
配列認識番号331)
【化240】
20
とJCA235(配列認識番号332)
【化241】
を用いて、FHV−1 gDコード配列の185bp 5′側領域を誘導し、BamHI
で切断した。この185bp断片を、プラスミドpMP691(I3L101RAB)お
よびオリゴヌクレオチドMP287(配列認識番号226)
【化242】
30
とJCA158(配列認識番号225)
【化243】
を用いて得たI3Lプロモーター要素を含有する120bpのPCR誘導断片に融合し、
XbaIで切断した。185bpおよび120bp断片を、XbaIとBamHIで切断
したベクターpBS−SK
+ 中にともに連結し、プラスミドpJCA071を産生した
。接合部I3L−ATGおよびFHV−1 gD 5′側領域のI3Lプロモーターの配
列を、pJCA071の直接塩基配列決定法により確認した。プラスミドpJCA067
は、FHV−1 EcoRI M断片のサブクローンである。以下のようにしてそのプラ
スミドは産生された。プラスミドpHFeM2をBamHIで切断し、1850bp B
amHI−BamHI断片をアガロースゲルから切除し、BamHIで切断したpBS−
SK
+ に連結した。このクローンは、FHV−1 gDの3′領域およびさらなる下流
の配列を含有する。プラスミドpJCA067をBamHIとXhoIで切断し、127
0bpのBamHI−FHV−1 gD 3′−領域−gI 5′領域−XhoI断片を
切除した。この断片をBamHIとXhoIで切断したベクターpBS−SK
+ に連結
し、pJCA072を産生した。テンプレートとしてのプラスミドpHFeM2およびオ
リゴヌクレオチドJCA237(配列認識番号333)
【化244】
40
(187)
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とJCA242(配列認識番号334)
【化245】
を用いたPCRにより3′側290bpのFHV−01 gDコード配列を誘導した。こ
れら注文合成したオリゴヌクレオチドによるこの断片の合成は、1)FHV−1 gDの
3′側の配列および5′末端でのXbaI部位を含有し、2)FHV−1 gDコード配
10
列の3′末端に、T5 NT要素および特有のHpaI、HindIII並びにXhoI
部位を加える。この断片をXbaIとXhoIで切断し、XbaIとXhoIで切断した
プラスミドpJCA072から得た3575bp XbaI−XhoI断片により連結し
た。産生したプラスミドをpJCA073と称した。
【0721】
FHV−1 gDの290bp XbaI−−>XhoI部分の配列を、pJCA073
の直接塩基配列決定法により確認した。プラスミドpJCA071をSmaIとBamH
Iで切断し、305bp SmaI−I3L−FHV−1 gD 5′側領域−BamH
I断片を切除した。プラスミドpJCA073をBamHIとXhoIで切断し、970
bpのBamHI−FHV−1 gD 3′領域−XhoI断片を切除した。SmaI−
20
BamHI 305bp断片とBamHI−XhoI 970bp断片を最終的にベクタ
ーpCPC6L(C6 deorfed座;pCPC6Lの産生の他のALVAC C6
供与体プラスミドを参照)中にともに連結し、SamIとXhoIで切断した。この連結
により産生したプラスミドをpJCA084と称した。
【0722】
プラスミドpJCA084を、治療ウイルスとしてのCPppとともに初代鶏胚繊維芽細
胞での生体外組換え実験に用いてvCP162を産生した。放射線標識FHV−1 gD
特異的プローブを用いた標準方法(ピッチーニら、1987)にしたがった現場でのハイ
ブリダイゼーションにより組換えウイルスを同定した。組換え体プラークを3回のプラー
ク精製により精製し、さらなる分析のために増幅した。組換えウイルスvCP162は、
30
カナリヤポックスウイルスのC6座にFHV−1 gDコード配列を含有する。
【0723】
実施例58−vCP162の発現分析
フランス、ローンメリクス、D.ファーギュードから得たヒツジ抗FHV−1gD多クロ
ーン性血清を用いて前述したように(テイラーら、1990)、蛍光抗体法アッセイを行
なった。組換え体vCP162は、強烈な内部並びに表面蛍光を示し、感染細胞の表面に
FHV−1 gD糖タンパク質の発現を示した。
【0724】
同一の抗血清を用いて免疫沈降を行ない、発現されたFHV−1 gD産生物の真正を決
定した。この方法は、前述した方法にしたがって行なった(テイラーら、1990)。ヒ
40
ツジ抗FHV−1 gD血清は、組換えウイルスvCP162に感染した細胞から誘導し
た溶解産物から、SDS−PAGEゲルシステム上で60kDaの見かけの分子質量を有
する産生物を沈殿せしめた(ドリファスら、1984)。未感染細胞または親カナリヤポ
ックスウイルス(CPpp)に感染した細胞からはタンパク質はまったく沈殿しなかった
。
【0725】
実施例59−HANTAANウイルスG1およびG2糖タンパク質を発現するNYVAC
およびALVACベースの組換え体の産生
昆虫ポックスウイルス42kDaプロモーターの制御下で、M断片をNYVACとALV
ACベクターに挿入することにより、ハンターン(Hantaan)ウイルスG1および
50
(188)
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G2糖タンパク質の発現を行なった。これらのウイルスベクターに挿入するポックスウイ
ルス発現カセットは以下のようにして産生した。
【0726】
ハンターンウイルスM断片のcDNAクローンをシュマルジョンらにより記載されたよう
に(1987)誘導し、Dr.J.ダルリンプル(MD、フレデリック、感染病の米国陸
軍医療研究所、ウイルス学部門)から得て、プラスミドベクターpTZ19R(NJ、ピ
スキャタウェイ、ファーマシア)に挿入した。cDNAの全配列は、以前にシュマルジョ
ンらにより示した(1987)。テンプレートとしてM断片cDNAを含有するプラスミ
ドpTZ19RおよびオリゴヌクレオチドHM5P(配列認識番号335)
【化246】
10
とHM3P(配列認識番号336)
【化247】
を用いて、M断片コード配列の326bp 5′側領域を誘導した。この326bp断片
を、テンプレートとしてのpAM12およびオリゴヌクレオチドRG273(配列認識番
号142)
【化248】
20
とRG274(配列認識番号143)
【化249】
を用いて得た42kDaプロモーター要素を含有する107bp PCR誘導断片に融合
した。テンプレートとしての107bpと326bpの断片およびオリゴヌクレオチドR
G273(配列認識番号142)とHM3P(配列認識番号336)の等モル混合物を用
いて、PCR融合を行なった。融合断片をHindIII(5′末端)とBclI(3′
30
末端)で切断し、343bp断片を産生した。
【0727】
プラスミドpAM12を以下のように誘導した。Amsacta moorei昆虫ポッ
クスウイルス(AmIPV)から単離したゲノムDNAをClaIで切断し、アガロース
ゲル電気泳動により断片を分離した。高度に転写されたAmEPV遺伝子を含有すること
が以前に同定された2.6kb断片をゲルから精製し、pBS−SK
+ のClaI部位
にクローニングし、pAM12を産生した。この断片のDNA配列分析により、42kD
aの完全ORFが明らかになった。この遺伝子からの5′未翻訳配列(AmEPV 42
kDaプロモーター)は、ワクシニアとアビポックスウイルスにおける強い、初期プロモ
ーターとして機能することが続いて示された。
【0728】
M断片コード配列の3′側748bpを、テンプレートとしてpTZ19R中に得られた
cDNAクローンおよびオリゴヌクレオチドHMTS−5(配列認識番号337)
【化250】
とHMTS−3(配列認識番号338)
【化251】
40
(189)
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を用いたPCRにより誘導した。これらの注文合成オリゴヌクレオチドによるこの断片の
合成は、1)5′末端でのEcoRV部位と3′側配列を含有し、2)ヌクレオチド位置
2678−2693でT5 NT配列モチーフを分断し(ユエンおよびモス、1987)
、3)コード配列の3′末端部位でEoRI部位およびT5 NT要素を加える。この断
片をEcoRIで切断し、741bp EcoRV/EcoRI断片を産生した。741
bp EcoRV/EcoRI断片をpBS−SK(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)
に挿入し、プラスミドpBSHVM3Pを産生した。
10
【0729】
pTZ19R中にM特異的cDNAクローンを含有するプラスミドを用いて、GM48(
Dam
− )細菌細胞(MD、ゲイサースブルグ、BRL)を転換した。この細菌菌株か
ら誘導したプラスミドDNAをBclIとEcoRVで切断し、2362bp断片を産生
した。この2362bp断片を、コード配列の5′側領域に融合された42kDaプロモ
ーターを含有する343bp HindIII/BclI断片とともに、HindIII
とEcoRVで切断したpBSHVM3Pに挿入した。全縁M断片発現カセットを含有す
る産生したプラスミドをpBSHVMと称した。制限エンドヌクレアーゼHindIII
およびEcoRIを用いて、pBSHVMから全縁M断片カセットを切除した。3508
bp誘導断片を、2mMのdNTPの存在下でE.coliのクレノウ断片でブラントエ
20
ンドした。ブラントエンドした断片をpSD550に挿入して、pHVMVCを産生した
。
【0730】
プラスミドpSD550を以下のように誘導した。プラスミドpSD548(タータグリ
アら、1992)は、I4L ORF(ゲーベルら、1990a、b)がBglIIとS
maI部位からなるクローニング領域により置換されたワクシニアベクタープラスミドで
ある。多重クローニング領域を延長するために、pSD548をBglIIとSmaIで
切断し、アニールした補体合成オリゴヌクレオチド539A(配列認識番号339)
【化252】
30
および539B(配列認識番号340)
【化253】
40
に連結した。産生したプラスミド、pSD550において、多重クローニング領域は、B
glII、SmaI、XhoI、KpnIおよびBamHI制限部位を含有する。
【0731】
プラスミドpHVMVCを治療ウイルスとしてのvP804(タータグリアら、1992
)とともにベロ細胞において生体外組換え実験に用いて、vP882を産生した。放射線
標識したM特異的DNAプローブを用いた標準方法(ピッチーニら、1987)にしたが
って、現場でのハイブリダイゼーションにより、組換えウイルスを同定した。3回のプラ
ーク精製により、組換えプラークを精製し、さらなる分析のために増幅した。組換えウイ
ルス、vP882は、ワクシニアウイルスのI4L座にハンターンM断片を含有する。I
4L読取り枠とvP804バックグラウンド中のM断片カセットとの置換により、NYV
50
(190)
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AC−等量ウイルスバックグラウンドが作られる(タータグリアら、1992)。
【0732】
M断片カセット(上述)を含有する、pBSHVMから誘導した3508bpHindI
II/EcoRI断片を、HindIIIとEcoRIで切断したpC4Iに挿入した。
プラスミドpC4Iを以下のように誘導した。CPppからの6.5kb NsiI断片
をpBS−SK
+ のBamHI部位にクローニングし、pXX−4を産生した。DNA
配列分析により、座中のC4挿入物を含有した完全読取り枠ORFを同定した。C4 O
RFが欠損した供与体プラスミドを構築するために、オリゴヌクレオチドRG287(配
列認識番号341)
【化254】
10
RG293(配列認識番号342)
【化255】
RG289(配列認識番号343)
【化256】
20
およびRG290(配列認識番号344)
【化257】
をプライマーとして用い、pXX4からのC4 ORFの5′および3′未翻訳領域を増
幅した。精製したPCR断片をKpnI−SacI部位でのpBS−SK
+ に挿入した
。産生したプラスミド、pC4Iは、完全ORFが翻訳およびワクシニア初期転写終止シ
グナルを側腹に有する多重クローニング部位と置換されたC4の5′および3′未翻訳領
30
域(各201bp)を含有する(ユエンおよびモス、1987)。
【0733】
M断片カセットのpC4Iへの挿入により、プラスミドpC4HVMが産生した。pSD
513から誘導した100bpのSspI/SmaI断片の挿入のために、プラスミドp
C4HVMをSmaIで線状化した(実施例7に定義した)。産生したプラスミドをpC
4HVMVQと称した。プラスミドpC4HVMVQをSmaIで切断し、続いて部分的
なHindIIIでの切断により、M断片カセットを含有する3.6kb断片を回収した
。この断片を、2mMのdNTPの存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノ
ウ断片を用いてブラントエンドした。このブラントエンドした断片を、SmaI切断した
pSPCPC3Lに挿入し、pC3HVMVQ(実施例32に定義した)を産生した。
40
【0734】
供与体プラスミドとしてpC3HVMVQおよび治療ウイルスとしてCPpp(ALVA
C)を用いて、初代鶏胚繊維芽細胞に、生体外組換え実験を行なった。標準プロトコルを
用いて組換えウイルスを同定し、精製した(上述;ピッチーニら、1987)。ハンター
ンウイルスM断片を含有するALVACベースの組換え体をvCP114と称した。
【0735】
実施例60−ハンターンウイルスSコード配列を含有するNYVAC−およびALVAC
−ベースの組換え体の産生
ワクシニアウイルスH6プロモーターの制御下で、S断片をNYVACおよびALVAC
ベクターに挿入することにより、ハンターンウイルス核タンパク質の発現を行なった(ゲ
50
(191)
JP 3602844 B2 2004.12.15
ーベルら、1990a、b)。これらのウイルスベクター中に挿入したポックスウイルス
発現カセットは以下のように構築した。
【0736】
ハンターンウイルスS断片のcDNAクローンをシュマルジョンらにより記載されたよう
に(1987)誘導し、Dr.ジョエル ダルリンプル(MD、フレデリック、Ft、デ
トリック、感染病の米国陸軍医療研究所、ウイルス学部門)から得て、プラスミドベクタ
ーpGEM−1(WI、マジソン、プロメガバイオテック)に挿入した。S断片の全縁配
列は以前に記載している(シュマルジョンら、1986)。
【0737】
テンプレートとしてプラスミドpI4LH6HIV3BおよびオリゴヌクレオチドH65
10
PH(配列認識番号164)
【化258】
とHTH63P(配列認識番号346)
【化259】
20
を用いたPCRにより、H6プロモーター要素を増幅した。この150bp PCR誘導
断片は、5′末端にHindIII部位を含有し、S断片コード配列の5′側領域を含有
する3′末端での28bpの延長部を有する。
【0738】
オリゴヌクレオチドHTS5P(配列認識番号347)
【化260】
およびGPS5PNCI(配列認識番号348)
【化261】
30
並びにテンプレートとしてのS特異的cDNAクローンでのPCRにより、S断片コード
配列の5′末端を合成した。560bpのPCR誘導断片を、オリゴヌクレオチドH65
PH(配列認識番号164)およびHTS5PNCI(配列認識番号348)を用いたP
CRにより融合した。PCR誘導融合産生物をHindIIIとNciIで切断した。
【0739】
オリゴヌクレオチドT5HT3PPS(配列認識番号349)
【化262】
40
およびHPS55PN(配列認識番号350)
【化263】
並びにテンプレートとしてのS特異的cDNAクローンを用いたPCRにより、ハンター
ンウイルスS断片の中央領域を産生した。581bp断片は、その3′末端でPstI部
位を含有し、5′末端はS断片の位置499のNciI部位を含有する(シュマルジョン
ら、1986)。さらに、オリゴヌクレオチドT5HT3PPS(配列認識番号349)
を使用することにより、アミノ酸配列を改変することなく、位置1029から1035ま
50
(192)
JP 3602844 B2 2004.12.15
でのT5 NT要素を除去する。次いでこの断片をNciIとPstIで切断した。H6
プロモーターに融合されたコード配列の5′末端を含有するPCR断片(上述のようにH
indIII/NciI切断した)を、S断片の中央領域を含有する581bp Nci
I/PstI断片とともにHindIIIとPstIで切断したpBS−SKに連結した
。産生したプラスミドをpBSHTSH65Pと称した。
【0740】
オリゴヌクレオチドHTS3PXBA(配列認識番号351)
【化264】
10
およびT5HT5PSP(配列認識番号352)
【化265】
並びにテンプレートとしてのS特異的cDNAクローンを用いたPCRによりS断片の3
′側438bpを誘導した。この断片の5′末端は、S断片コード配列の位置1039に
位置するPstI部位を含有し(シュマルジョンら、1986)、3′末端は、T5 N
T配列モチーフおよび特有XbaI部位を含有する。PstI/XbaIで切断したpB
S−SKへの挿入の前に、この断片をPstIとXbaIで切断し、pBSHTS3Pを
産生した。
20
【0741】
全縁S断片発現カセットを産生するために、1122bp PstI/部分的HindI
II断片をpBSHTSH65Pから誘導した。この断片を、pBSHTS3Pからの2
90bp PstI/XbaI断片とともにHindIII/XbaI切断pBS−SK
に挿入した。産生したプラスミドを、XbaIで線状化し、続いて部分的なHindII
Iでの切断し、pBSHVSと称した。この断片を、2mMのdNTPの存在下でE.c
oli DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエンドし、次いでpSD5
41のSmaI部位に挿入して、pATIHVSを産生した。
【0742】
プラスミドpATIHVSを、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とvP8
30
82とともにベロ細胞での生体外組換え実験に用いた。これは、標準プロトコルにより行
なった(ピッチーニら、1987)。放射線標識したS断片特異的DNAプローブを用い
た前述したプラークハイブリダイゼーション方法(ピッチーニら、1987)により組換
えウイルスから誘導したプラークを同定した。それぞれ治療ウイルスvP866およびv
P882を用いて回収したウイルスに関して、産生した組換え体をvP950およびvP
951と称した。組換えウイルス、vP950は、ATI部位にS断片発現カセットを含
有し、vP951は、同一の座にこのカセットを含有するが、vP882を含有するM断
片による治療のために、I4L座にもM断片を含有する。
【0743】
プラスミドpBSHVMをSalIで線状化し、2mMのdNTPの存在下でE.col
40
i DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエンドした。このプラスミドを
、ハンターンS断片発現カセットを含有するpBSHVSから誘導した1.4kb Xb
aI/部分的HindIII(上述したようにクレノウでブラントエンドした)断片に連
結した。誘導したプラスミドをpBSHVMSと称した。このプラスミドは、頭対頭(h
ead to head)の配置でMおよびSカセットを含有した。プラスミドpBSH
VMSをXhoIで線状化し、クレノウでブラントし(上述したように)、pSD513
(実施例7で定義した)からの100bp SspI/SmaI断片に連結し、pBSH
VMSVQを産生した。
【0744】
プラスミドpBSHVMSVQをSlaI/Asp718で切断し、S断片発現カセット
50
(193)
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を含有する1.5kbの断片を離生した。この断片を2mMのdNTPの存在下でE.c
oli DNAポリメラーゼのクレノウ断片を用いてブラントエンドし、pSPCP3L
(実施例32に定義した)のSmaI部位に挿入し、pC3HVSVQを産生した。
【0745】
プラスミドpC3HVSVQを、治療ウイルスとしてのCPpp(ALVAC)とともに
初代鶏胚繊維芽細胞での生体外組換え実験に用いた。これは、プラーク同定、プラーク精
製、およびウイルス増幅のような標準方法を用いて行なった(ピッチーニら、1987)
。産生した組換え体をvCP119と称した。この組換え体は、ALVACのC3座にS
断片を含有する。
【0746】
10
実施例61−NYVAC−およびALVAC−ベースのハンターンウイルスMおよびS断
片組換え体の発現分析
G1、G2、またはウサギ抗ハンターン多クローン性血清に特異的な単クローン性抗体の
プールのいずれかを用いて、前述したように蛍光抗体法アッセイを行なった(テイラーら
、1990)。全ての血清は、Dr.C.シュマルジョン(MD、フレデリック、Ft.
デトリック、感染病の米国陸軍医療研究所、ウイルス学部門)から得た。M断片のみ(v
P882、およびvCP114)またはS断片との組合せ(vP951)を含有する組換
えウイルスは、上述した抗血清のいずれを用いても強い表面蛍光を示し、感染細胞の表面
にG1およびG2の糖タンパク質の両方の発現を示した。核タンパク質が感染細胞の表面
には現れないので、S断片のみを含有する組換え体(vP950およびvCP119)を
20
用いては、表面蛍光は観察されなかった。しかしながら、ウサギ抗ハンターン血清を用い
ての組換え体、vP950およびvCP119に関しては、内部蛍光が観察された。
【0747】
同一の抗血清を用いて免疫沈降を行なって、発現したG1、G2、およびS遺伝子産生物
の真正を測定した。この方法は、前述した方法にしたがって行なった(テイラーら、19
90)。G1に特異的な単クローン性抗体プールは、SDS−PAGEゲルシステム上で
、組換えウイルスvP882、vP951、およびvCP1154に感染した細胞から誘
導した溶解産物から64kDaの見かけの分子質量を有するタンパク質を沈殿せしめた(
ドリファスら、1984)。未感染細胞、または親(NYVACおよびALVAC)に感
染した細胞もしくはS断片のみを含有する組換えウイルス(vP950およびvCP11
30
9)に感染した細胞から誘導した溶解産物からはタンパク質は沈殿しなかった。沈殿した
ポリペプチドが約50−55kDaの分子質量を有したことを除いては、G2に特異的な
単クローン性抗体プールを用いては同様の結果が得られた。これらのサイズのタンパク質
(64kDaおよび50−55kDa)は、それぞれG1およびG2タンパク質のサイズ
と一致する(シュマルジョンら、1990)。
【0748】
ウサギ抗ハンターンは、vP951に感染した細胞から誘導した溶解産物から、G1、G
2および核タンパク質の発現と一致する64kDa、50−55kDa、および48kD
aの見かけの分子量を有する3つのタンパク質種を沈殿せしめた。同一の血清は特異的に
、vP882およびvCP114感染細胞溶解産物からはG1およびG2(64kDa、
40
50−55kDa)種を、vP950およびvCP119感染細胞溶解産物からは核タン
パク質(48kDa)を沈殿せしめた。未感染細胞またはNYVACまたはALVAC親
ウイルスに感染した細胞から誘導した溶解産物からはそのようなタンパク質は沈殿しなか
った。
【0749】
実施例62−B型肝炎ウイルス(HBV)遺伝子のALVAC挿入プラスミドへの挿入
ALVAC C5挿入プラスミドpNVQH6C5LSP18(実施例44に定義した)
をBamHIで切断し、キナーゼしてアニールした合成オリゴヌクレオチドMPSYN4
38/MPSYN439(配列認識番号353/354)に連結した。
【0750】
50
(194)
JP 3602844 B2 2004.12.15
【化266】
産生したプラスミド、pMPC5Smaは、リンカー領域のBamHI部位の隣にSma
I部位を含有する。
【0751】
pMP550E311ps(ここの他のHBVの実施例に定義した)をBglII/Ba
mHI(部分的)で切断し、EPV42kDaプロモーターの制御下でHBV lpsA
gを含有する1.2kbの断片を単離し、BamHIで切断したpMPC5Smaに連結
10
し、プラスミドpMPC5Lを産生した。pMPC5LをSmaI(部分的)で切断し、
単位長さ(4kb)断片を単離した。この断片をNruIで切断し、最大の帯(4kb)
を単離した。
【0752】
pGJ15(実施例13で定義した)をSmaI(部分的)とNruIで切断し、HBV
spsAgおよびH6プロモーターの24bpを含有する0.9kb断片を単離し、p
MPC5Lからの4kb SmaI/NruIベクター断片に連結し、プラスミドpMP
C5LSを産生した。
【0753】
実施例63−SPSAGおよびLPSAGをコードするHBV遺伝子のALVACへの挿
20
入
C5挿入座にHBV lpsAgおよびspsAgの両方を含有するpMPC5LSを、
ALVACに関する組換え体の供与体プラスミドとして用い、ALVAC組換え体vCP
157を産生した。
【0754】
vCP157のHBVタンパク質の発現
ALVAC−HBV二重組換え体vCP157に感染した細胞からの代謝的に標識した溶
解産物に、ウサギ抗S2血清を用いて免疫沈降を行ない、SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動と続いてのラジオオートグラフにより分析した。lpsAg(41kDa、3
8kDa)およびspsAg(36kDa、33kDa)の正確なサイズのタンパク質を
30
観察した。これらのタンパク質は、対照として用いたspsAgまたはlpsAgを発現
するNYVAC単体HBV組換え体により産生された同一のタンパク質とともに移動した
。
【0755】
実施例64−SPSAG、LPSAGおよびS12/コア融合をコードするHBV遺伝子
のALVACへの挿入
C5挿入座にHBV lpsAgおよびspsAg遺伝子並びにS12/コア融合を特定
する遺伝子の両方を含有するpMPC5LSCをALVACに関する組換えの供与体プラ
スミドとして用い、ALVAC組換え体vCP169を産生した。
【0756】
40
実施例65−HBV遺伝子を発現するNYVACベースの組換え体:ウサギ、マウスおよ
びモルモットからの免疫学的データ
ウサギ、マウスおよびモルモットに、NYVACベースのB型肝炎ウイルス(HBV)組
換え体vP856、vP930、vP932およびvP975を接種した(実施例13)
。vP856は、表面抗原の中間(M)形状であるspsAgを発現する。vP930は
、表面抗原の大型(L)形状であるlpsAgを発現する。vP932は、spsAgと
lpsAgの両方を発現する。vP975は、spsAg、lpsAgおよびコア抗原に
融合される表面抗原preS1+preS2領域からなる融合タンパク質を発現する。A
USAB試験(アボット)を用いて、HBV表面抗原に対する抗体について、およびCO
RAB競合ラジオイムノアッセイキット(アボット)を用いて、HBVコア抗原に対する
50
(195)
JP 3602844 B2 2004.12.15
抗体について、血清を分析した。HBV preS1およびpreS2領域に対する抗体
をELISAによりアッセイした。結果を表34から40に示す。
【0757】
【表34】
10
20
30
【表35】
40
(196)
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10
20
30
【表36】
40
(197)
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10
20
【表37】
30
(198)
JP 3602844 B2 2004.12.15
10
20
30
【表38】
40
(199)
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10
20
【表39】
30
(200)
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10
20
【表40】
30
(201)
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10
20
30
実施例66−ポックスウイルス中の細菌遺伝子の発現:ポックスウイルス中の破傷風毒素
断片C(C.TETANI)
C.tetaniは、クロストリジウム属、胞子形成嫌気菌の細菌である;C.botu
linumもまたその属に含まれる。C.Tetaniは、感染に観察される麻痺効果に
主に原因となる毒素、テタノスパスミン(tetanospasmin)(TT)を産生
40
する。TTは、1本の150kDaの軽鎖および細菌から放出された100kDaの重鎖
である。重鎖は、穏やかなタンパク質分解処理により2つの断片、BおよびC(45kD
aおよび55kDa)を産生する。この実施例は、本発明のウイルスが、C.tetan
iの断片Cのような免疫原細菌遺伝子産生物を発現するのに用いられることを示す。
【0758】
発現カセットは、一連のポリメラーゼ連鎖反応により産生される。この方法は、天然破傷
風毒素配列に存在するTTTTTAT初期転写終止シグナル(ユエンおよびモス、198
7)を除去するのに必要であった(イーゼルら、1986;フェアウェザーおよびリネス
、1986)。
【0759】
50
(202)
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プライマーH6TETC(配列認識番号355)
【化267】
およびTETFIX2(配列認識番号356)
【化268】
を用いてプラスミドpSS1261(ハルパーンら、1990)からPCRによりH6プ
10
ロモーター連結した断片Cを誘導した。構成の残りのコード領域は、プライマーTETF
IX1(配列認識番号357)
【化269】
およびTETEND(配列認識番号358)
【化270】
を用いて、プラスミドpSS1261のPCR増幅により、構成のコード領域の残りを産
20
生される。これらのコード配列は、プライマーH6TETC(配列認識番号355)およ
びTETND(配列認識番号358)を用いた、これら553bpおよび881bp P
CR誘導産生物のPCR増幅により行なわれた。産生した1.4kbのPCR誘導産生物
をEcoRIとXhoIで切断した。1.4kbの断片をアガロースゲルから単離して、
同様に単離したpBS−SK+(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に連結した。ヌクレ
オチド配列分析を行なって、産生したプラスミドpBSTETC中に挿入物を確認した。
TからCのサイレント置換がこのプラスミド中に発見され、これはイーゼルら(1986
)の配列における位置3535に対応する。
【0760】
pC5L(実施例44に定義した)をポリリンカー内のAsp718とNruIで切断し
30
、アルカリ性ホスファターゼで処理し、キナーゼしてアニールしたオリゴヌクレオチドC
P26(配列認識番号359)
【化271】
およびCP27(配列認識番号360)
【化272】
(不能Asp718部位、6つの読取り枠中の翻訳終止コドン、ワクシニア初期転写終止
シグナル(ユエンおよびモス、1987)、BamHI、KpnI、XhoI、XbaI
、ClaI、およびSmaI制限部位、ワクシニア初期転写終止シグナル、6つの読取り
枠中の翻訳終止コドン、および不能NotI部位を含有する)に連結し、プラスミドpC
5LSPを産生した。オリゴヌクレオチドCP30(配列認識番号361)
【化273】
40
(203)
JP 3602844 B2 2004.12.15
およびCP31(配列認識番号362)
【化274】
を用いて、プロモーターを含有するプラスミドからPCRにより初期/晩期H6ワクシニ
アウイルスプロモーター(パーカスら、1989)を誘導した。このPCR産生物をBa
mHIとXhoI(PCRにより5′および3′末端で産生した部位)で切断し、同様に
10
切断したpC5LSPに連結し、pVQH6C5LSPを産生した。pVQH6C5LS
PをEcoRIで切断し、アルカリ性ホスファターゼで処理し、自己アニールしたオリゴ
ヌクレオチドCP29(配列認識番号363)
【化275】
に連結し、NotIで切断し、線状精製して自己連結した。この方法によりpVQH6C
5LSPにNotI部位を導入し、pNVQH6C5LSP18を産生した。pBSTE
TCからの1.4kb EcoRV/XhoI断片を単離し、同様に切断したpNVQH
6C5LSP18に連結し、pC5TETCを産生した。
20
【0761】
PCRとプライマーH6PCR1(配列認識番号364)
【化276】
およびH6PCR2(配列認識番号365)
【化277】
を用いて、合成H6プロモーター(パーカスら、1989)を含有するプラスミドからE
30
coRVにつながったH6プロモーターを誘導し、5′HindIII部位を産生した。
この122bp PCR誘導断片をHindIIIとEcoRVで切断し、同様に切断し
たpBS−SK+(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に連結し、プラスミドpBSH6
を産生した。ヌクレオチド配列分析により挿入物を確認した。pC5TETCからの1.
4kb EcoRV/XbaI断片を切除して、同様に切断したpBSH6に連結し、p
H6TETCを産生した。
【0762】
次いで全縁H6断片Cカセットを含有するpH6TETCからの1.5kb XhoI断
片をpSD542(実施例32に定義した)に連結し、pTKTETCを産生した。
【0763】
40
免疫沈降分析を行なって、vCP161およびvP1075が真正断片Cを発現するか否
かを測定した。ベロ細胞単層を、親ウイルス、CPpp(ALVAC)またはvP866
(NYVAC)に感染せしめたか、または10pfu/細胞のm.o.i.でvCP16
61またはvP1075に感染せしめた。細胞を、感染せしめ、[
3 5
S]−メチオニン
(20μCi/ml)を含有する修飾イーグル培地(メチオニンを含まない)中でインキ
ュベーションし、溶解せしめ、テイラーらにより記載された(1990)ように、マウス
単クローン性抗体(IN、インディアナポリス、ベーリンガーマンハイム、クローン49
.4)および第2抗体としてのヤギ抗マウス抗血清を用いて沈殿せしめた。溶解産物を通
常のマウス血清およびタンパク質Aセファロースで前浄化した。
【0764】
50
(204)
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単クローン性抗体は特異的に、約47kDaに対応する種をvCP161およびvP10
75感染細胞から沈殿せしめた。CPpp(ALVAC)またはvP866(NYVAC
)感染細胞からは類似のタンパク質種は沈殿しなかった。47kDaサイズは、天然破傷
風毒素のパパイン切断により産生された断片C並びにvCP161およびvP1075に
よりコードされたものと同一のE.coli産生組換え断片CI関してマコフら(198
9)による観察と一致する。
【0765】
実施例67−ブタ中のNYVACベースの仮性狂犬病ウイルス(PRV)組換え体の効果
4匹の子豚の6つの群に、NYVACベースのgII組換え体(vP881)、gIII
組換え体(vP883)、gp50組換え体(vP900)、NYVAC親ウイルス(v
10
P866)、市販の不活性化仮性狂犬病ウイルスワクチン、または仮性ワクチンとしてウ
シ胎仔血清を含有するイーグルMEMのいずれかに感染せしめた。全てのブタに、筋内経
路により28日の間隔で2回投与した。親または組換えNYVACウイルスを投与された
ブタに、接種当たり約10
6 TCID50で接種した。感染から12日間に亘り、全て
のブタを体温と臨床の徴候について監視した。組換え体または親NYVACウイルスでの
ワクチン接種に対しては部分的なまたは全身的な副作用は観察されなかった。
【0766】
仮性狂犬病ウイルスに対する血清中和抗体を、接種から1、2、および4週間後に監視し
た。表41から明確なように、不活化ワクチン標品のみが1回の接種後に著しい仮性狂犬
病ウイルス血清中和力価を誘発できた。しかしながら、2回の接種後では、全ての3つの
20
NYVACベースの組換え体が識別できる仮性狂犬病ウイルス血清中和力価を誘発するこ
とができた(表42)。力価は、仮性狂犬病ウイルスgp50糖タンパク質を発現するN
YVAC組換え体について最も著しかった。実際、NYVAC組換え体を発現するgp5
0により誘発された力価は、市販されている不活化ワクチンの2回の接種に得られた水準
に相当した(表42)。
【0767】
2回の免疫から4週間後、鼻腔内点滴注入により、全てのブタに約10
5 PFUの毒性
仮性狂犬病ウイルス菌株を抗原投与した。予期したように、仮性および親NYVACワク
チン接種対照は全て、最も厳しい臨床症候を示し、鼻と口咽頭スワブにより単離した仮性
狂犬病ウイルスの最高水準は、抗原投与から14日後までであった。NYVACベースの
30
仮性狂犬病ウイルス組換えウイルスは、対照と比較して、毒性仮性狂犬病ウイルス抗原投
与の効果(すなわち、臨床症候およびウイルス単離)を減少し、組換えウイルスを発現す
るgp50が最も有効であった。実際、この組換え体は、市販の不活化仮性狂犬病ウイル
スワクチンと同程度に効果的である。
【0768】
他のヘルペスウイルスのようにPRVは、ストレスまたはコルチコステロイドの投与によ
り再活性化される潜伏性感染を発達せしめる可能性を有するので(ホイットマンおよびジ
ハ、1989)、そのような感染に対するNYVAC組換え体の防御効果を評価するため
に、2匹のブタの群に関して実験を行なった。プロトコルには、以下のスケジュールにお
いてブタにデキサメタゾンを投与することが必要であった:1日目に静脈経路により1.
25mg/ポンドおよび静脈経路により0.25mg/ポンド。以後、4日間に亘り約1
2時間ごとにデキサメタゾンの投与(0.5mg/ポンド)を行なった。鼻(N)と喉(
T)のスワブを用いてデキサメタゾン処理後0日から10日まで、ウイルスの放出(sh
edding)を評価した。結果を表43に示す。これらの結果は明らかに、潜伏性PR
V感染の成立に対する防御におけるNYVACベースのPRV組換えウイルスの効果を示
した。この基準により、NYAVC−gII(vP881)は十分に最も有効である。
【0769】
【表41】
40
(205)
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10
20
【表42】
30
(206)
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10
20
【表43】
30
(207)
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10
20
30
40
(208)
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10
20
30
40
実施例68−ベクターとしてのNYVAC.1(vP954)の使用
NYVAC.1(vP954)(実施例17)において、NYVAC(vP866)中の
[C7L−K1L]欠損は、K3Lを通じて、その右側の、欠損がインターフェロンに対
する感度を高める遺伝子まで拡張せしめられる(ビーティーら、1991)。狂犬病糖タ
ンパク質の免疫ベクター並びに以下に記載するような麻疹HAおよびF遺伝子の免疫ベク
ターとしてNYVAC.1を試験した。
50
(209)
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【0770】
狂犬病糖タンパク質遺伝子のvP954への挿入;ワクシニア組換え体cP1006の産
生
TK欠損座に挿入された狂犬病糖タンパク質の発現カセットを含有する、供与体プラスミ
ドpRW842(実施例7)を、治療ウイルスとしてのvP954とともに組換えに用い
た。狂犬病糖タンパク質Gコード配列に対する
3 2
P−標識DNAプローブを用いたプラ
ークハイブリダイゼーションにより組換えワクシニアウイルスvP1006を同定した。
【0771】
麻疹HA、Fをコードする遺伝子のvP954への挿入;ワクシニア組換え体vP101
5の産生
10
TK挿入座に麻疹Fおよび麻疹HAの両方の発現カセットを含有する、pRW857(実
施例9)を、vP954治療ウイルスとともに組換えのための供与体プラスミドとして用
いた。麻疹HAおよび麻疹Fのコード配列の両方に対する
3 2
P標識プローブを用いたプ
ラークハイブリダイゼーションにより組換えウイルスvP1015を同定した。
【0772】
免疫ビヒクルとしてのK3LのないNYVAC.1ベースのベクターの効能;狂犬病G組
換え体vP1006
生後4から6週間のマウス(ウイルスごとで希釈ごとに10匹)に、vP1006、vP
954(vP1006の親)、vP879(NYVACベースの狂犬病G、実施例7)、
またはワクシニア狂犬病187 XP1
− 6
2 の未希釈、10
− 2
、10
− 4
、または10
20
のいずれかを接種した。接種は、足のパッドによりマウスごとに50−100μlで
行なった。接種から14日後に、全てのマウスに、20LD50のCVS菌株(0.03
ml中)を大脳半球間接種により抗原投与した。生存したマウスを数え、防御投与量50
%(PD50)を計算した。
【0773】
表44に示すように、vP1006の親ウイルス、vP954は、最高量の接種物でさえ
も生狂犬病抗原投与からマウスを防御しなかった。組換えウイルス187 XP12(キ
ーニーら、1984)、vP879、およびvP1006は全て、生狂犬病抗原投与から
マウスを防御する能力を示した。しかしながら、この能力におけるこれらのウイルスの相
対的な効能は、PD50値により示したように(表44)異なる。
30
【0774】
麻疹ウイルス組換え体vP1015
2匹のウサギに、0日と28日に皮下経路により8.0log10PFUのvP1015
を接種した。0、14、21、28、35、42および49日目に、連続の採血を行なっ
た。アルブレヒトら(1981)により記載されたプラーク退行(reduction)
中和法を用いたウイルス中和抗体の存在に関して血清を分析した。
【0775】
この分析により結果を表45に示す。両方の動物は、1回のvP1015の接種後に血清
転化し、動物A169は、接種から2週間後に防御水準の抗体を示した。抗体水準におけ
る著しい増加が2回目の接種後に観察された。等しいプロトコルにおける、2匹のウサギ
のNYVAC−MV(vP913;実施例9)による接種の結果を表45に示す。この結
果により、K2LとK3Lの欠損は、効果的な免疫ビヒクルとして機能するウイルスの能
力には影響しないことが示される。
【0776】
【表44】
40
(210)
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10
20
【表45】
30
(211)
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10
20
30
実施例69−ベクターとしてのNYVAC.2(vP938)の使用;狂犬病糖タンパク
質G遺伝子を含有するワクシニア組換え体VP996の産生
NYVAC.2(vP938)において(実施例17)、NYVAC(vP866)中の
[C7L−K1L]欠損が、38 ORF[C23L−F4L]の合計を含むように両方
向に拡張される。TK欠損座に挿入された狂犬病糖タンパク質の発現カセットを含有する
40
、供与体プラスミドpRW842(実施例7)を、vP938治療ウイルスとともに組換
えに用いた。狂犬病糖タンパク質Gコード配列に対する
3 2
P標識DNAプローブを用い
たプラークハイブリダイゼーションにより組換えワクシニアウイルスvP996を同定し
た。
【0777】
ベロ細胞およびMRC−5細胞での改変NYVACウイルスの増殖
ワクシニアの左側[C23L−F4L]および右側[B13R−B29R]末端に近い大
型欠損の、組織培養での増殖への効果を実験するために、MRC−5細胞とベロ細胞での
複製に関してNYVAC(vP866)、vP938、vP996および以下の追加のN
YVACベースのウイルスを試験した。
50
(212)
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【0778】
vP879(実施例7)は、NYVACのTK座に挿入された狂犬病糖タンパク質遺伝子
を含有する。
【0779】
vP953(実施例17)は、NYVAC欠損およびゲノムの右側末端に近い追加の欠損
[B13R−B29R]を含有する。
【0780】
vP997(実施例17)は、NYVAC欠損に加えゲノムの左右の末端の両方に近い追
加の欠損を含有する。
【0781】
1.5×10
10
6 での60mmディッシュ中の感染の2日前に、ベロ細胞(アフリカグリ
ーンサルの肝臓細胞株、ATCC CCL 81)およびMRC−5細胞(ヒトの胎児の
肺、ATCC CCL 171)に接種した。感染時に、全ての細胞は融合性であり、デ
ィッシュは2×10
6 の細胞を含有した。細胞を、ara Cの有無にかかわらずME
M+2%新生ウシ血清(NCS)で希釈された(最終濃度40μg/ml)、細胞当たり
0.1pfuの多重度でのウイルス(表46)に感染せしめた。ときどきロッキング(r
ocking)しながら、感染単層を37℃で60分間インキュベーションせしめた。1
時間の吸着期間後、細胞をMEM+2% NCSで2回洗浄し、次いで3mlの、ara
Cの有無にかかわらずMEM+2%を添加し、37℃でインキュベーションした。3回
の凍結と解凍により、感染から1時間後と72時間後に感染細胞を収集した。各試料を、
20
ベロ細胞において2重に滴定した。
【0782】
表46に示すように、NYVAC(vP866)は、ヒトMRC−5細胞において制限さ
れた増殖を行なうことができる。ここに試験した条件下で(0.1pfu/細胞のmoi
、72時間のインキュベーション)、NYVACは、約2logの力価の増大を示した。
これらの同一の条件下で、ゲノムの左側(vP938)および右側(vP953)末端の
近くに欠損を含む改変NYVACウイルスは、約1logの力価の増大を示した。両末端
の近くに欠損を含有する改変NYVAC(vP977)からの収集は、入力ウイルスと比
較して減少し、MRC−5細胞では増幅を示さなかった。これに対して、これらの条件下
では、ベロ細胞で試験した全てのウイルスはほぼ同程度増幅した。表46に示すように、
様々な改変NYVACウイルス欠損変異体に関するベロ細胞での収集と比較したMRC−
5細胞でのワクシニアウイルス収集の百分率は、以下の通りである:vP866(NYV
AC)3.5%;vP938(NYVAC.2、左末端欠損)1.42%;vP953(
右末端欠損)0.5%;vP977(左右末端欠損)0.06%。MRC−5細胞でのN
YVACベースの狂犬病組換え体vP879およびNYVAC.2ベースの狂犬病組換え
体vP996の収集は、それぞれの親ウイルスに関して実質的に同一であり、異種遺伝子
の発現は、組織培養中の組換えウイルスの増殖には影響しないことを示す。
【0783】
【表46】
30
(213)
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10
20
30
実施例70−マンプスFおよびHN遺伝子のcDNAクローニング
マンプスウイルスのウラベAM−9菌株は、欧州と日本においてワクチンとしての使用が
認可されている生、弱得化ウイルスである。このウイルスは、フランス、マーシールエト
イル、メリクス研究所からワクチン標品(イモバクス オレイロンス)として得た。ウイ
ルスをベロ細胞で増幅させ(2継代)、全RNAを単離して感染細胞から精製した(チャ
ーグウィンら、1979)。AMV逆トランスクリプターゼと任意のプライマーを用いて
40
、このRNAから第1の鎖cDNAを調製した(ワトソンおよびジャクソン、1985)
。RWマンプス菌株からの公表された配列を用いて(ワキサムら、1987;ワキサムら
、1988)、FおよびHN遺伝子の5′および3′未翻訳領域から一連の特異的なプラ
イマーを合成した。これらのプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によ
り第1の鎖cDNAからウラベAM−9 FおよびHN遺伝子を増幅した。合成オリゴヌ
クレオチドRG503(配列認識番号366)
【化278】
およびRG494(配列認識番号367)
50
(214)
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【化279】
を用いてF遺伝子を増幅した。RG500(配列認識番号368)
【化280】
およびRG501(配列認識番号369)
【化281】
10
を用いてHN遺伝子を増幅した。5′プライマー(RG503およびRG500)をSa
cI部位で、3′プライマー(RG494およびRG501)をAsp718部位で切断
した。増幅したFおよびHN断片をSacIとAsp718で切断し、多重クローニング
部位のSacIとAsp718でのpBluescript SK+にクローニングした
。6つのF遺伝子クローンと5つのHN遺伝子クローンをDNA配列していかなる逆トラ
ンスクリプターゼまたはPCRのエラーも除去した。第29図はpURF3(配列認識番
号370)により示されるコンセンサスF配列を提供し、第30図はpURHN5(配列
認識番号371)により示されるコンセンサスHN配列を提供する。
【0784】
20
実施例71−ALVAC供与体プラスミドの構築:マンプスFおよびHN遺伝子マンプス
FおよびHN遺伝子を発現するALVAC組換え体の産生のためのALVAC供与体プラ
スミドの全体的な設計を以下に示す。マンプスF遺伝子は、昆虫ポックス42Kプロモー
ター(実施例59に記載した)に結合せしめられ、マンプスHN遺伝子はワクシニアH6
プロモーターに結合せしめられている(パーカスら、1989)。2つのプロモートされ
た遺伝子を5′対5′配向に配置し、ALVAC C3座挿入プラスミドに挿入した。構
成の特定の詳細を以下の段落に示す。
【0785】
pSPCP3Lの多重クローニング領域(実施例32に記載した)を、EcoRV、Rs
rII、SmaIおよびPstI制限部位を含有する31bpリンカー断片を加えること
30
により改変した。アニーリング合成オリゴヌクレオチドRG560(配列認識番号372
)
【化282】
およびRG561(配列認識番号373)
【化283】
によりリンカーを産生し、次いでEcoRVとPstIで切断した。リンカーをpSPC
40
P3LのEcoRVとPstI部位にクローニングし、pC3LRを産生した。
【0786】
合成オリゴヌクレオチドRG562(配列認識番号374)
【化284】
およびRG563(配列認識番号375)
【化285】
50
(215)
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を用いたPCRによりpRW823からH6プロモーターを増幅した。pRW823は、
パーカスら、1989により記載したように、H6プロモーター配列を含有する。精製し
た断片をEcoRIとSmaIで切断し、pC3LR中のEcoRIとSmaI部位に連
結し、pC3LRVQH6を産生した。
【0787】
マンプスF遺伝子を、HindIII/Asp718断片(N末端から約50コドンを欠
如したF遺伝子ORF)としてpURF3から切除した。この断片の末端をクレノウポリ
メラーゼを用いて修復し、EcoRIで切断されクレノウポリメラーゼにより修復された
pC3LRVQH6に連結した。正確な配向のスクリーニングにより、pC3LRFVQ
H6を産生した。
10
【0788】
合成オリゴヌクレオチドRG564(配列認識番号376)
【化286】
およびRG565(配列認識番号377)
【化287】
20
を用いたPCRによりpURF3から、F遺伝子のN末端pURF3および42Kプロモ
ーター配列を含有する断片を増幅した。精製した断片をNcoIとPstIで切断し、N
coIとPstIで切断したpC3LRFVQH6に連結した。産生したプラスミドpC
3LRF42KVQH6を、挿入断片のDNA配列分析により確認した。
【0789】
マンプスHN遺伝子を、SspI/Asp718断片(N末端から約35コドンの欠如し
たHN遺伝子)としてpURHN5から切除した。この断片の末端をクレノウポリメラー
ゼを用いて修復し、SmaIで切断したpC3LRF42KVQH6に結合した。正確な
配向のスクリーニングによりpFR2A−30を産生した。H6プロモーターの3′部分
30
およびHN遺伝子のN末端配列を含有する断片を、合成オリゴヌクレオチドRG566(
配列認識番号378)
【化288】
およびRG567(配列認識番号379)
【化289】
40
を用いたPCRによりpURHN5から増幅した。精製した断片をNruIとBsu36
Iで切断し、NruIとBsu36Iで切断したpFR2A−30に連結した。産生した
ALVAC供与体プラスミド、pC3URFHNを、挿入プラスミドのDNA配列分析に
より確認した。
【0790】
実施例72−ALVAC組換え体の産生
供与体プラスミドpC3URFHNを、ALVAC(CPpp)とともにCEF細胞中の
生体外組換え実験に用いてvCP171を産生した(テイラーら、1992)。放射線標
識したFおよびHN特異的プローブを用いた現場でのハイブリダイゼーション方法(ピッ
チーニら、1987)により、組換えウイルスを同定した。3回のプラーク精製により組
50
(216)
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換えプラークを精製し、発現分析により増幅した。発現分析により、FおよびHNを発現
した。
【0791】
実施例73−日本脳炎ウイルス(JEV)15aaC、prM、E、NS21、NS2A
を含有する挿入ベクターの構築
pRW838の構築は前述している(実施例15参照)。
【0792】
pRW838を、狂犬病糖タンパク質遺伝子の3′末端での、H6プロモーター内のEc
oRVで切断されたDNAポリメラーゼIのクレノウ断片が充填されたEcoRIで切断
し、アルカリ性ホスファーゼで処理し、H6プロモーターの5′の103bp、複製のプ
10
ラスミド起点およびC5フランキングアームを含有する3203bp断片を単離した。ワ
クシニアウイルス供与体プラスミド中で15アミノ酸C、prM、E、NS1、NS2A
をコードするJEV cDNAを含有するプラスミドJEVL14VC(メイソンら、1
991)(ヌクレオチド337−4125、コニシら、1991)をH6プロモーター中
のEcoRIとJEV配列中のSacI(ヌクレオチド2124)で切断し、1809b
p断片を単離した。JEVL14VCを、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片が充填さ
れ、T5ATの後のEagI部位でのEclXIで切断し、JEV配列内のSacI(ヌ
クレオチド2124)で切断し、2011bp断片を産生した。1809bpEcoRV
−SacI、2011bp SacI充填EclXIおよび3202bp EcpRV充
填EcoRI断片を連結し、JEVCP1を産生した。
20
【0793】
実施例74−JRV 15aaC、prM、Eを含有するC5挿入ベクターの構築
プラスミドJEV36を、H6プロモーター内のEcoRVとJEV配列内のSphI(
ヌクレオチド2380)で切断し、2065bpの断片を単離した。プラスミドVQH6
C5LSP(実施例44で定義した)を、H6プロモーター内のEcoRVとポリリンカ
ー内のXbaIで切断し、2065bp断片とアニールしたオリゴヌクレオチドSP13
1(配列認識番号382)およびSP123(配列認識番号383)(SphI付着末端
、Eコード領域を補充したTヌクレオチド、翻訳終止、ワクシニア初期転写終止シグナル
(AT5AT;ユエンおよびモス、1987)、第2の翻訳終止、およびXbaI付着末
端)に連結し、C5フランキングアームの間のH6プロモーターの制御下で15アミノ酸
30
C、prMおよびEをコードするプラスミドJEVCP5を産生した。
【0794】
実施例75−ALVACベースのJEV組換え対の構築
JEVCP1をALVAC感染初代CEF細胞にトランスフェクションし、15アミノ酸
C、prM、E、NS1、NS2Aをコードするカナリヤポックス組換え体vCP107
を産生した。JEVCP5をALVAC感染初代CEF細胞にトランスフェクションし、
JEV15 aaC、prMおよびEをコードするカナリヤポックス組換え体vCP14
0を産生した。
【0795】
【化290】
40
実施例76−組換え体感染細胞中のJEVタンパク質の免疫沈降
前述したように免疫沈降実験を行なった(コニシら、1991)。vCP107およびv
CP140感染細胞中に産生したEタンパク質を、真正Eタンパク質を産生することが示
されているJEV−ワクシニア組換え体により産生されたEタンパク質とともに移動する
(コニシら、1991)。vCP107は、真正NS1タンパク質を産生することが示さ
れているJEV−ワクシニア組換え体により産生されたNS1タンパク質とともに移動す
50
(217)
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る(コニシら、1991)。
【0796】
実施例77−マウスのcCP107による免疫
腹腔注射により、生後3週間のスイスマウスを10
7 PFUのvCP107で免疫し、
3週間後に選択したマウスから血清を採取した。マウスの半分にvCP107を再接種せ
しめ、3週間後に血清を採取した。前述したように、中和(Neut)および血球凝集阻
害抗体(HAI)について血清をアッセイした(コニシら、1991)。vCP107で
1度または2度免疫したマウスは、高い力価のNeutおよびHAI抗体を発達せしめ、
両方の力価は2度目の免疫により増大した。親ALVACを投与したマウスは抗体力価を
発達せしめなかった。vCP107免疫マウスに得た抗体水準は、JEV−ワクシニア組
10
換え体での免疫により達成された水準と匹敵した(コニシら、1991)。
【0797】
実施例78−TROVAC−NDV(vFP96)への効能研究
特定病原体感染防止条件(SPF)の鶏と市販のブロイラーの鶏におけるTROVAC−
NDV(vFP96)(実施例8)のNDV(ニューカッスル病ウイルス)に対する防御
効能を測定するために、数多くの研究を行なった。
【0798】
研究A.
生後1日のSPF鶏の4つの群に、0.3から6.3log10TCID50の投与量の
範囲のTROVAC−NDV(vFP96)または親TROVACウイルスを足に筋内経
20
路により接種した。接種部位での反応について鳥を監視し、抗NDV血清中和抗体および
血球凝集素抑制抗体の存在の分析のために、接種から14日後に血清試料を採取した。接
種から21日後に、鳥に5.0log1050%卵感染量の短潜伏期性NDV菌株テキサ
スGBを筋内接種により抗原投与した。健康な鳥が防御されたと考えられる抗原投与から
14日間に亘り鳥を保持した。6.3または2.6log10TCID50のTROVA
C−NDV(vFP96)またはTROVAC親ウイルスの筋内接種により、接種の時点
で、ある場合には死亡する皮膚の病害となることが分かった。病害の酷さには特定の投与
量効果があり、これは、1.1から1.4log10TCID50の投与量で、接種の時
点でのわずかな炎症反応に限られる。全ての場合において、病害は接種の点に限定され、
鶏の他の部分には広がらない。効果はTROVAC−NDV中のNDV FおよびHN遺
30
伝子の発現によるものではなく、同様の効果が親ウイルスにも観察された。他の接種経路
が用いられた場合に、高い投与量のTROVACまたはTROVACベースの組換え体の
接種では有害な副作用が見られるので、反応はこの接種経路に特異的である。
【0799】
血清学分析と防御効能の結果を表47に示す。TROVAC親ウイルスを接種した全ての
鳥は、致死量抗原投与のために死亡した。1.1および2.6log10TCID50の
TROVAC−NDV(vFP96)をワクチン接種した全ての鳥は、抗原投与に生き残
り、一方0.3log10TCID50を投与した鳥の82%が生存した。これにより、
この経路によるこの組換え体の50%の防御投与量(PD50)は0.3TCID50で
あることが分かった。
【0800】
【表47】
40
(218)
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10
20
30
40
研究B.
市販のブロイラー鶏の2つの供給源とSPF鶏におけるTROVAC−NDV(vFP9
6)の防御効能を評価した。生後1日の鳥の3つの群について研究した。群1:鶏痘ウイ
ルスによりワクチン接種した経験のないふ化場から得た卵から鶏をふ化させた。群2:鶏
痘ウイルスによりワクチン接種した経験のあるふ化場から得た卵から鶏をふ化させた。群
3:特定病原体感染防止条件鶏を得た。
【0801】
50
(219)
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2.0または4.0log10EID50のいずれかのTROVAC−NDVを皮下で鳥
にワクチン接種した。ワクチン接種から21および28日後に鳥から採血し、NDV H
I抗体の存在を評価した。また、アガーゲル沈降試験を用いてワクチン接種後の鶏痘抗体
の存在について血清を評価した。ワクチン接種から28日後、各群の10匹の鳥と10匹
の対照に、4.2log10EID50の短潜伏期性のNDV菌株テキサスGBを筋内接
種により抗原投与し、生存した鳥を評価した。また、各群の10匹の鳥と10匹の対照に
、鶏痘ウイルスのNVSL菌株を翼に刺す接種により抗原投与した。鶏痘抗原投与からの
防御を、接種部位での病害または生着(take)の欠如に基づいて評価した。この実験
結果を表48に示す。
【0802】
10
この結果により、市販のブロイラー鶏はTROVAC−NDVにより発現されたNDV抗
原に対する検出可能な免疫応答を発達させず、一方SPF鶏は免疫応答を示したことが分
かる。市販の鳥には特異的抗NDV抗体の欠如にもかかわらず、短潜伏期性NDV抗原投
与後に見られた防御水準には差はなかった。アガーゲル沈降試験により検出可能な鶏痘ワ
クチン接種に対する免疫応答は、どの鳥も示さなかった。検出可能な抗鶏痘抗体の欠如に
もかかわらず、全てのワクチン接種した鳥は、鶏痘抗原投与から防御され、一方ワクチン
未接種の鳥は死亡した。これらの結果により、雄鳥の鶏痘ウイルスへの先の露出では、鶏
痘ベースのNDV組換え体をワクチン接種した鶏におけるNDVまたは鶏痘に対する防御
免疫の誘発を妨げないことが分かる。
【0803】
【表48】
20
(220)
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10
20
30
ヒト組換え体免疫不全ウイルス−NYVACまたは−ALVACウイルス;細胞株に関す
る以下の実施例79から81のための材料および方法
P815マウス肥満細胞種細胞(H−2
d )をアメリカ型培養コレクションから得て、
10%のウシ胎仔血清(FBS)および100IU/mlのペニシリン並びに100μg
/mlのストレプトマイシンを補給したイーグルMEM中に保持した。
【0804】
マウス
雌BALB/cJ(H−2
d )マウスをジャクソン研究所(ME、バーハーバー)から
40
購入し、任意に餌と水を与え続けた。全て生後6から15週間のマウスを用いた。
【0805】
接種
外側尾静脈により0.1mlの食塩加リン酸緩衝液中の5×10
7 プラーク形成単位(
pfu)を、マウスに静脈接種した。
【0806】
血清
マウスをエーテルで軽く麻酔して、レトロオービタル(retroorbital)叢か
ら採血した。実験群よりなるマウスから採血し、凝固せしめた。血清を採取し、使用まで
−70℃で貯蔵した。
50
(221)
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【0807】
細胞傷害性Tリンパ球のアッセイおよび細胞傷害性Tリンパ球の記憶前駆体の生体外刺激
生後6週間の雌BALB/cマウスに、5×10
7 pfuのワクシニアウイルス(NY
VAC)、HIV−1(IIIB) envを発現する組換えワクシニアウイルス(vP
911)、カナリヤポックスウイルス(ALVAC)、またはHIV−1(IIIB) envを発現する組換えカナリヤポックスウイルス(vCP112)を静脈接種した。7
日後、HIV−1(IIIB)gp120の超可変V3ループ領域に対応するペプチドで
一晩インキュベーションしたP815細胞または非改変P815細胞に対する一次CTL
活性に関して、脾臓細胞をアッセイした。最初の免疫から22日後、実験マウスの脾臓細
胞をポックスウイルス感染スティミュレーター脾臓細胞でインキュベーションし、前述の
10
ようにペプチド瞬間標識した標的に対する記憶CTL活性に関してアッセイした。二次C
TL活性を測定するために、最初の接種から29日後、初回免疫マウスに最初と同量で同
成分の2回目の接種を行なった。5日後、ペプチド瞬間標識標的に対する細胞傷害性活性
に関して脾臓細胞をアッセイした。細胞傷害性アッセイに関して、H−2
d P815マ
ウス肥満細胞種細胞を、20μg/mlのV3ペプチド(CNTRKRIRIQRGPG
RAFVTGK、アメリカンバイオテクノロジー社)(配列認識番号457)の有無のか
かわらず培地中(アール塩を含有し、10%のウシ胎仔血清、2mMのLグルタミン、1
00U/mlのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシンを補給した)
で一晩インキュベーションした。次の朝、遠心分離によりP815細胞を洗浄し、2×1
0
6 の細胞当たり100μCiのNa2 5 1
CrO4 中37℃で1時間標識した。
20
無傷脾臓を、安楽死させたマウスから除去して、氷冷したハンクス平衡塩溶液中に入れ、
ストマッチャーブレンダーを用いて1つの細胞懸濁液に粉砕した。脾臓細胞懸濁液を低速
遠心分離により数回洗浄し、アッセイ培地(10%のウシ胎仔血清、20mMのHEPE
S、2mMのLグルタミン、5×10
− 5
Mの2−メルカプトエタノール、100U/m
lのペニシリン、および100μg/mlのストレプトマイシンを含有するRPMI16
40)中に再懸濁せしめた。記憶CTL活性に関して、免疫したマウスからの脾臓細胞を
刺激培地中に再懸濁せしめ(10%のウシ胎仔血清、2mMのLグルタミン、10
− 4
M
の2−メルカプトエタノール、100U/mlのペニシリン、および100μg/mlの
ストレプトマイシンを含有するアール塩を有するMEM)、ポックスウイルスまたはポッ
クスウイルス組換え体の1つに感染した未経験同系スティミュレーター脾臓細胞により、
直立させた25cm
2 細胞を洗浄し、数え、アッセイ培地中に再懸濁した。
の
5 1
30
組織培養フラスコ中で生体外刺激した。37℃での5日間の後、
5 1
クロム標識標的細胞を、4時間
Cr放出アッセイのための96ウェルマイクロタイタ板中の滴定したエフェクター
細胞に加えた。3つのアッセイに見られた標的細胞に対するエフェクターの比率(E:T
)は、100:1(一次)、20:1(記憶)、および50:1(二次)であった。細胞
傷害性のパーセントは、(実験
出−自発的
5 1
5 1
Cr放出−自発的
5 1
Cr放出)/(最大
5 1
Cr放
Cr放出)×100により計算した。最大放出は、5%のドデシル硫酸ナ
トリウムを標的細胞に加えることにより測定し、一方自発的放出は、エフェクター細胞の
不在下で標的細胞をインキュベーションすることにより測定した。どの実験においても、
最大
5 1
Cr放出の20%を超える標的細胞からの
5 1
Crの自発的な放出は存在しなか
40
った。誤差のバーは、平均からの1標準偏差を示す。(*)P<0.05、スチューデン
トt検定を適切なワクシニアまたはカナリヤワクシニア免疫マウスと比較した。
【0808】
細胞傷害性エフェクター細胞の細胞表面発現型
方法は実質的に、ワクシニアウイルス、カナリヤポックスウイルスベクター(NYVAC
、ALVAC)またはHIV IIIB envを発現するワクシニアウイルスまたはカ
ナリヤポックスウイルス組換え体(vP911、vCP112)で免疫したマウス脾臓細
胞に関して行なった。2回目の接種は、最初の接種から30日後に行なった。V3ペプチ
ド瞬間標識した標的に添加する前に、脾臓細胞を、2段階プロトコルにおいてマウスTリ
ンパ球表面抗原に対する単クローン性抗体または同種異系抗血清で処理した。手短にいう
50
(222)
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と、脾臓細胞を、同種異系Thy1.2(セダーレーン)、単クローン性抗CD−4(1
72.4、デューク大学医療センター、K.J.ワインホールドからのギフト)、または
単クローン性抗Lyt2.2(セダーレーン)が加えられる細胞傷害性培地(0.2%の
BSAおよび5mMのHEPESを含有するRPMI1640)に1ml当たり10
7 の生存可能細胞で再懸濁せしめた。5℃での30分後、細胞を洗浄し、補体(セダーレー
ン、ウサギ ロートクスM)の有無にかかわらず2つの等しい部分に分けた細胞傷害性培
地の元の容積に再懸濁せしめ、37℃で45分間インキュベーションした。次いで細胞を
アッセイ培地中で洗浄し、前処理細胞密度に基づいて、5時間の
5 1
Cr放出アッセイに
添加する前に、100:1(一次)、10:1(記憶)、または80:1(二次)の標的
細胞に対するエフェクターの比率を近似するアッセイ培地の容積中に再懸濁した。誤差の
10
バーは平均からの1標準偏差を示す。
【0809】
HIV IIIB gp120のV3ループ領域のCTL抗原受容体認識の特異性
細胞傷害性Tリンパ球および細胞傷害性Tリンパ球の記憶前駆体を、前述したようにマウ
スのvCP112による接種により産生した。P815標的細胞を、HIV−1 III
B(CNTRKRIRIQRGPGRAFVTGK)(配列認識番号384)、MN(C
NKRKRIHIGPGRAFYTTKN)(配列認識番号385)、またはSF2(C
NTRKSIYIGPGRAFHTTGR)(配列認識番号386)からのV3ペプチド
で一晩瞬間標識したことを除いては、上述したように、細胞傷害性Tリンパ球のアッセイ
を行なった。標的細胞に対するエフェクターの比率は、100:1(一次)、20:1(
20
記憶)、および50:1(二次)であった。
【0810】
HIV−1(IIIB) gp120に対する抗体応答
ELISA板のウェル(イムロンII)を、炭酸塩緩衝液、pH9.6中の0.5μgの
部分的に精製したHIV−1(IIIB) gp120(NCI−NIH、Dr.G.フ
ランチーニ)により4℃で一晩被膜した。次いでその板を0.05%のトイーン20(P
BST)を含有する食塩加リン酸緩衝液で洗浄した。次いで板を、1%のウシ血清アルブ
ミン(BSA)を含有するPBSTにより37℃で2時間遮断した。PBSTにより洗浄
後、最初に血清を、0.1%のBSAを含有するPBST(希釈緩衝液)で1:20に希
釈した。さらに血清をELISA板のウェル中で2倍に連続的に希釈した。この板を37
30
℃で2時間インキュベーションし、PBSTで洗浄した。ウサギ抗マウスムノグロブリン
(ダコ)に接合されたホースラディッシュペルオキシダーゼを希釈緩衝液中で1:200
0に希釈して、ELISA板のウェルに加え、37℃で1時間インキュベーションした。
PBSTでの洗浄後、基体緩衝液中のOPD(o−フェニレンジアミンジヒドロクロライ
ド)を加え、周囲温度で約20分間に亘り呈色せしめた。反応を、2.5MのH2 SO
4 の添加により停止せしめた。490nmでの吸収を、バイオテックEL−309EL
ISAリーダーで測定した。0.4の吸収値を与えた希釈の逆数として血清の終点を定義
した。
【0811】
実施例79−HIV envを発現する組換え体カナリヤポックスウイルスはHIV特異
40
的細胞傷害性Tリンパ球活性を誘発する
HIVカナリヤポックスウイルス組換え体(vCP112;実施例18で定義した)での
最初の接種から7日後、HIV V3ペプチド瞬間標識標的細胞に対する脾臓細胞の細胞
傷害性応答を、同一の投与量、5×10
7 pfuの同一のHIV env遺伝子を発現
するワクシニアウイルス組換え体(vP911)(実施例18)により誘発した細胞傷害
性応答に粗く等しくした(第31図)。適切な生体外刺激または2回目の接種後に、カナ
リヤポックスウイルス組換え体を与えたマウスの脾臓細胞の細胞傷害性の水準は増大し、
同様にワクシニアウイルス組換え体を投与したマウスからの脾臓細胞と一致した。それぞ
れ、非組換えワクシニアウイルスまたはカナリヤポックスウイルスベクター、NYVAC
およびALVACを接種したマウスの脾臓細胞からはそのような細胞傷害性応答は検出さ
50
(223)
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れず、HIV env遺伝子を発現するポックスウイルス組換え体での免疫の必要性を確
認した。さらに、接種養生にもかかわらず、どのようなマウスからの脾臓細胞からの非改
変P815細胞に対しては細胞傷害性反応性は検出されなかった。それゆえ、組換えワク
シニアウイルスまたは、より著しくは、HIV−1からのenvコード配列を発現する組
換えカナリヤポックスウイルスを接種したマウスのみが、V3特異的細胞傷害性応答を示
した。
【0812】
実施例80−細胞傷害性エフェクター細胞の特徴付け
HIV−1 V3ペプチド瞬間標識標的の溶菌に関する脾臓細胞の同一性を測定するため
に、マウスをvCP112で免疫した。それぞれを免疫した後に、または最初の接種から
10
21日後に生体外刺激したときに、2段階枯渇方法を行ない、脾臓細胞を、V3ペプチド
瞬間標識P815細胞に対する細胞傷害性に関して評価した。カナリヤポックスベクター
ALVACを接種したマウスは、ペプチド瞬間標識標的を殺すことのできる脾臓細胞を産
生しなかった。1回の免疫後、vCP112は、V3ペプチド瞬間標識標的を殺すことの
できる脾臓細胞を誘発した。溶菌エフェクター細胞は、抗マウスThy1.2またはLy
t2.2および補体による処理に感度があり、第32図に示すように抗CD4に対して抵
抗があった。この図は、細胞傷害性Tリンパ球細胞表面抗原Thy1.2およびLyt2
.2に対する抗体に対しての、vCP112で免疫した脾臓細胞からの細胞傷害性エフェ
クター細胞の感度を示す。補体またはいずれの単クローン性抗体または同種異系抗血清の
みのどれもこれらの細胞の細胞溶解性作用に影響しなかった。30日目に投与した2回目
20
の免疫から5日後にも同様の結果が得られた。1回目の接種から21日後、vCP112
感染同系脾臓細胞による生体外刺激により、抗Thy1.2に部分的に感度があるが、抗
Lyt2.2に完全に感度があり。抗CD4には抵抗がある溶菌エフェクター細胞となる
。vCP112を接種したマウスからの脾臓細胞のvP911による生体外刺激後には、
これらのThy1.2−、CD4−、Lyt2.2+エフェクター細胞は見られない。い
うまでもなく、HIV V3ループ特異的細胞傷害性は、CD4ではなくThy1.2お
よびLyt2.2を発現するTリンパ球の個体群により媒介されたことが明確である。
【0813】
実施例81−HIV gp120のV3ループ領域のCTL抗原受容体の特異性Tリンパ
球抗原受容体は、エピトープ断片の主要アミノ酸配列中の小さな改変に対して精巧に感度
30
がある。HIV gp120のV3ループ領域は超可変性であり、HIV単離体の中で免
疫学的に異なる。超可変性は、置換といくつかのアミノ酸の添加にある。HIVカンリヤ
ポックスウイルス組換え体により産生された細胞傷害性細胞の特異性を試験するために、
CTL活性に対する感受性は、HIV単離体IIIB、MN、またはSF2のgp120
のV3ループ領域に対応するペプチドで瞬間標識したP815標的細胞の中で比較した。
HIV特異的一次CTL活性は、第33図に示したように、HIV単離体MNまたはSF
2のgp120のV3ループ領域に対応するペプチドで瞬間標識した標的細胞ではなく、
HIV単離体IIIBのV3ループに対応するペプチドで瞬間標識したP815標的細胞
のみに限定された。第33図は、HIV MNまたはSF2のV3ループのではなく、g
p120のHIV IIIB超可変V3ループの細胞傷害性Tリンパ球抗原受容体の特異
40
性を説明するものである。生体外刺激された、HIV特異的記憶CTL活性およびカナリ
ヤポックスウイルス組換え体vCP112による免疫により誘発された二次CTL活性に
関して、同様の結果が得られた。それゆえ、HIV単離体IIIBのenv遺伝子を発現
する組換えカナリヤポックスウイルスにより誘発されたHIV特異的CTLは、同一の抗
原単離体から誘導された標的エピトープのみを認識する。これらの結果は明確に、HIV
カナリヤポックスウイルス組換え体により産生されたリンパ球エフェクター細胞の精巧な
特異性を示し、ナチュラルキラー(NK)細胞活性としての非特異的エフェクター機構を
除外する。これらの結果は、HIV V3特異的マウス細胞傷害性Tリンパ球によるエピ
トープ認識の正確さを特徴付ける他の報告と完全に一致する。
【0814】
50
(224)
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実施例82−NYVAC−およびALVACベースのHIV組換え体を接種したマウスの
抗体応答
HIVに対する液性免疫応答を評価するために、0日にワクシニアウイルスHIV組換え
体またはカナリヤポックスウイルス組換え体でマウスを免疫し、4週間目に2回目の免疫
を行なった。最初の免疫から20週間に亘り、様々な間隔でマウスを採血した。各処理群
から採取した血清を、抗原として精製したgp120を使用したELISAによりHIV
に対する抗体に関してアッセイした;ベクター(NYVAC、ALVAC)またはワクシ
ニアウイルス組換え体vP911またはHIV−1 envを発現するカナリヤポックス
組換え体(vCP112)で免疫したマウスのHIV III B gp120に対する
抗体応答を提供する第34図に結果を示す。ここで逆三角形は、2回目の接種の投与時間
10
を示す。一次抗体応答は、一般的に穏やかであったが検出可能であった。2回目の接種後
に、vP911およびvCP112の両方で免疫したマウスの抗体力価は増大し、6週目
に10,000を超える力価でピークとなった。これらの抗体力価は、研究の期間に亘り
ほぼ同一の水準で保持された。それゆえ、カナリヤポックスウイルスHIV組換え体、v
P112は、著しい抗体応答を誘発することができた。
【0815】
HIV−1のenv遺伝子を発現するカナリヤポックスウイルスによるマウスの接種によ
り、細胞傷害性Tリンパ球の特徴:免疫の必要条件、細胞表面発現型、記憶、および簡潔
なエピトープ特異性を有する脾臓細胞活性を誘発する。さらに、この組換えカナリヤポッ
クスウイルスの接種によりHIV−1 gp120にいする抗体応答が誘発される。
20
【0816】
実施例83−ALVACおよびNYVACによるHIV−1(MN) envを発現する
NYVAC−およびALVACベースHIV−1組換え体の誘導
HIV−1(MN) env配列を、それぞれ、HIV−1(MN)のゲノムcDNAか
らの1774bpおよび1803bpサブ断片を含有するプラスミドpMN1.8−9お
よびpMN1.8−10から誘導した。これらのプラスミドは、Dr.R.C.ガロ(N
CI−NIH)の研究所から得た。オリゴヌクレオチドHIVMN6(配列認識番号38
7)
【化291】
30
およびHIV3B2(配列認識番号151)を用いたPCRによりpMN1.8−9から
のこれらの配列を増幅し、続いてKpnI/EcoRIによる切断により、1,026b
p KpnI/EcoRI断片を誘導した。この断片をKpnIで切断したpBS−SK
に挿入し、pBSMIDMNを産生した。
【0817】
オリゴヌクレオチドHIVMN5(配列認識番号388)
【化292】
40
およびHIVMN3P(配列認識番号389)
【化293】
を用いたPCRと、続いてのSacIとXbaIによる切断により、pMN1.8−10
から1,028bp SalI/XbaI断片を誘導した。この断片を、404bp E
coRI/SacI断片とともに、EcoRIとXbaIで切断したpBS−SKに連結
した。テンプレートとしてのpMN1.8−9およびオリゴヌクレオチドHIV3B1(
配列認識番号144)並びにHIVMN4(配列認識番号390)
【化294】
50
(225)
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を用いたPCRにより、404bp断片を誘導した。産生したプラスミドをpBS3MN
と称した。
【0818】
pBSMIDMNからの1,026bp EcoRI/KpnI断片を、EcoRI/K
pnIで切断した4,315bp pBS3MNに挿入した。このプラスミドは、5′側
領域を除いたenv遺伝子のほとんどを含有する。pH6HIIIBE(実施例18に定
義した)から318bp KpnI断片を単離することにより、ワクシニアウイルスH6
プロモーター(ゲーベルら、1990a、b)およびenv遺伝子の5′側領域を得た。
10
この断片を、pBSMID3MNからの2.9bp KpnI/XbaI断片とともに、
KpnI/XbaI切断pBS−SKに連結した。産生したプラスミドをpH6HMNE
と称した。
【0819】
H6プロモーターの3′側の26bpに3′が隣接した全縁HIV−1(MN) env
遺伝子を含有する、pH6HMNEからの2.7bp NruI/XbaI断片をブラン
トエンドし、NruI/SmaI切断pSPHAH6に挿入した。これによりプラスミド
pHAHIVMNEを産生した。プラスミドpSPHAH6を以下のように誘導した。
【0820】
プラスミドpMP2VCL(K1L宿主域遺伝子の上流のワクシニア配列内にポリリンカ
20
ー領域を含有する)を、ポリリンカー内のHindIIIとXhoIで切断し、アニール
したオリゴヌクレオチドSPHPRHA AからDまでに連結し、
【化295】
30
HindIII部位、H6プロモーター−124から−1(パーカスら、19889 )
およびXhoI、KpnI、SmaI、SacI並びにEcoRI部位を含有するpSP
126を産生した。
【0821】
プラスミドpSD544(ポリリンカー領域で置換したHA遺伝子の部位を囲むワクシニ
ア配列および6つの読取りワクシニア中の翻訳終止コドンを含有する)をポリリンカー内
のXhoIで切断し、DNAポリメラーゼ Iのクレノウ断片で充填し、アルカリホスフ
40
ァターゼで処理した。SP126をHindIIIで切断し、クレノウで処理し、Sma
Iでの切断によりH6プロモーターを単離した。pSD554へのH6プロモーター断片
の連結により、ポリリンカー領域(HA転写の方向)内にH6プロモーターを含有したp
SPHAH6を産生した。この挿入プラスミドにより、ワクシニアHA遺伝子(A56;
ゲーベルら、1990a、b)の異種遺伝子材料による置換が可能になった。
【0822】
pH6HMNEからの2.8kb XbaI/部分的KpnI断片を単離し、XbaIと
KpnIで切断したpC5L(実施例44に定義した)に挿入した。産生したプラスミド
をpC5HIVMNEと称した。
【0823】
50
(226)
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プラスミドpHAHIVMNEおよびpC5HIVMNEを、治療ウイルスとしての、そ
れぞれNYVAC(vP866)およびALVAC(CPpp)とともに生体外組換え実
験に用いた。これらは、標準方法により行なった(ピッチーニら、1987)。組換えウ
イルスから誘導したプラークを、放射線標識したenv特異的DNAプローブを用いたハ
イブリダイゼーションにより同定した(ピッチーニら、1987)。3回のプラーク精製
後、組換えウイルスを増幅した。NYVAC−ベースのHIV−1(MN) env組換
え体をvP1008と称し、ALVACベースの組換え体vCP125と称した。
【0824】
組換えウイルス、vCP125およびvP1008を、前述した方法を用いて蛍光抗体法
および免疫沈降によりHIV−1(MN) env遺伝子の発現に関して分析した(テイ
10
ラーら、1990)。HIV血清陽性個体から採取したヒトの血清(CA、エメリービル
、シロン社、Dr.K.ステイマーから得た)をこれらのアッセイに用いた。蛍光抗体法
からの結果により、vCP125またはvP1008に感染した細胞は、その表面にHI
V−1(MN)遺伝子産生物を発現することが示された。vP1008およびvCP12
5感染細胞から調製した溶解産物からの免疫沈降は、それぞれ約160kDa、120k
Da、および41kDaの見かけの分子質量を有する3つの主要HIV−1−特異的タン
パク質を示した。これらは、前駆体エンベロープ糖タンパク質(160kDa)およびタ
ンパク質分解により誘導した熟成形状(120kDaおよび41kDa)の発現と一致す
る。
【0825】
20
実施例84−NYVACおよびALVACによるりHIV−1(MN) gp120の発
現
オリゴヌクレオチドT7(配列認識番号395)
【化296】
およびHIVMN120(配列認識番号396)
【化297】
30
を用いてpBS3MNから391bp EcoRI/XbaI断片を増幅し、続いてEc
oRIとXbaIで切断した。この断片をpH6HMNE(実施例83で定義した)から
誘導した4.2kb EcoRI/XbaI断片に連結した。産生したプラスミドは、p
BS−SK中のHIV−1(MN) gp120のポックスウイルス発現カセットを含有
し、pBSHIVMN120と称した。
【0826】
1.7kb XbaI/部分的KpnI断片を単離し、KpnI/XbaIで切断したp
C5Lに挿入した。産生したプラスミドをpC5HIVMN120と称した。HIV−1
(MN) gp120をNYVACへ組み込む挿入プラスミドは、最初にpBSHIVM
40
N120から1.6kb NruI/SmaI断片を単離することにより得た。この断片
をNruIとSmaIで切断したpSPHAH6に挿入し、pHAHIVMN120を得
た。
【0827】
挿入プラスミド、pC5HIVMN120およびpHAHIVMN120を、治療ウイル
スとしてのALVAC(CPpp)およびNYVAC(vP866)とともに組換え実験
に用いた。これらのアッセイおよびプラーク同定と精製は標準方法により行なった(ピッ
チーニら、1987)。放射線標識したHIV−1(MN) gp120特異的プローブ
に関してハイブリダイゼーション分析を行なった。ALVACベースのHIV−1(MN
) gp120組換え体をvCP124と称し、NYVACベースのHIV−1(MN)
50
(227)
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gp120組換え体をvP1004と称した。
【0828】
vCP124およびvP1004に感染した細胞を、蛍光抗体法および免疫沈降により、
HIV−1(MN) gp120を発現した組換え体の存在に関して分析した。これらの
アッセイは、前述したように(テイラーら、1990)、HIV−血清陽性個体から採取
したヒトの血清(CA、エメリービル、シロン社、K.ステイマーから得た)を用いて行
なった。これらの研究からの結果により、vCP124およびvP1004のいずれかに
感染した細胞は、HIV−1(MN)gp120を含有したことが分かり、一方gp12
0は、親ウイルス、ALVACおよびNYVACに感染した細胞および未感染細胞には観
察されなかった。
10
【0829】
実施例85−ALVACおよびNYVACによるHIV−1 gp160の非切断形状の
発現
HIV−1(IIIB) gp160の非切断形状を発現するために、スレオニン突然変
異に対するアルギニンをグオらにより示されたように(1990)、アミノ酸511で操
作した(ラトナーら、1985)。感染細胞の表面からのgp120の放出を減少するた
めにこれらの改変を行なった。これらの操作を以下のように行なった。オリゴヌクレオチ
ド(配列認識番号397)
【化298】
20
およびHIVECB(配列認識番号398)
【化299】
を用いてpH6HIIIBEからの配列を増幅し、続いてPstIとXbaIでの切断に
より376bp PstI/XbaI断片を得た。この断片を、pH6HIIIBEから
の4.5kb EcoRI/XbaI断片と1,061bp PstI/XbaI断片に
連結し、pBSHIV3BEECを産生した。
【0830】
30
gp160カセットに連結したH6プロモーターの3′側26bpを含有する、pBSH
IV3BEECからの2.6kb NruI/XbaI断片を単離し、pBSHVS(実
施例60で定義した)の3.0kb NruI/XbaI断片に連結し、pBSHIV3
BEECMを産生した。NruIとXbaIでの切断により、H6プロモーターの3′側
26bpおよびハンターンウイルスS配列を切除した。3.0kb NruI/XbaI
断片は、pBS−SKプラスミド中にH6プロモーターの5′側100bpを含有する。
【0831】
pBSHIV3BEECMからの2.8kb XbaI/部分的KpnI断片をXbaI
/KpnIで切断したpC5Lに連結し、pC5HIV3BEECを産生した。pBSH
IV3BEECMからの2.7kb NruI/XbaI断片をE.coli DNAポ
40
リメラーゼのクレノウ断片でブラントエンドし、NruI/SmaIで切断したpSPH
AH6に挿入し、pHAHIV3BEECを産生した。
【0832】
治療ウイルスとしての、それぞれALVAC(CPpp)およびNYVAC(vP866
)を用いた標準方法(ピッチーら、1987)により、挿入プラスミド、pC5HIV3
BEECおよびpHAHIV3BEECを生体外組換え実験に用いた。HIV−1 en
v遺伝子に特異的な放射線標識プローブを用いた標準プラークハイブリダイゼーション分
析(ピッチーニら、1987)により組換えプラークを同定した。3回の精製後に、組換
えウイルスを増幅した。ALVACベースのHIV−1(IIIB) gp160(非切
断可能)をvCP126と称し、NYVACベースのものをvP1020と称した。
50
(228)
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【0833】
HIV血清陽性個体から採取したヒトの血清(CA、エメリービル、シロン社、K.ステ
イマーから得た)を用いてvP1020およびvCP126感染細胞について、前述した
方法(テイラーら、1990)により、蛍光抗体法および免疫沈降分析を行なった。蛍光
抗体法の結果により、vCP126またはvP1020のいずれからに感染した細胞の表
面上のHIV−1(IIIB) gp160(非切断可能形状)の表面発現が示された。
さらに、免疫沈降の結果により、熟成gp120およびgp41フレームにタンパク質分
解的に切断されなかったこれらの感染細胞中にHIV−1(IIIB) gp160の存
在が示された。
【0834】
10
HIV−1(IIIB) gp160の非切断可能形状を追跡し、組換えウイルスを以下
のようにして得た。
【0835】
オリゴヌクレオチドHIVMN3P(配列認識番号389)
【化300】
およびHIVECA(配列認識番号399)
【化301】
20
を用いたpH6HMNEからのPCR増幅と続いてのPstIとXbaIでの切断により
、PstI/XbaI断片を得た。1061bp断片を、pBSHIVNNTからの39
1bp EcoRI/PstI形状(下記)およびpH6HMNEからの4.2kb E
coRI/XbaI断片(実施例83に記載した)に連結した。産生したプラスミドをp
BSHIVMNEEC1と称した。HIV env挿入物の配列分析により、1つのヌク
レオチドが失われたことが示された。これを訂正するために、以下の操作を行なった。p
H6HMNEからの4.6kb SacI/XbaIによりpBSHIVMNEECが形
成された。
【0836】
30
pBSHIVMNEECからの2.6 NruI/XbaI断片を挿入し、クレノウでブ
ラントエンドし、NruI/SmaIで切断したpSPHAH6(実施例83で定義した
)に挿入した。産生したプラスミドをpHAHIVMNEECと称した。pBSHIVM
NEECからの2.6kb NruI/XbaAI断片もNruI/XbaIで切断した
pVQH6C5LSP6(下記)に挿入し、pC5HIVMNEECを産生した。
【0837】
挿入プラスミド、pHAHIVMNEECおよびpC5HIVMNEECを、治療ウイル
スとしての、それぞれNYVAC(vP866)およびALVAC(CPpp)とともに
、標準組換え実験(ピッチーニら、1987)に用いた。放射線標識したHIV env
特異的DNAプローブを用いた標準プラークハイブリダイゼーション(ピッチーニら、1
40
987)より、組換えウイルスを同定し、プラーク精製した。次いで精製した組換えウイ
ルスを増幅した。HIV−1(MN)非切断可能gp160を含有するNYVACベース
の組換え体をvP1078と称し、ALVACのものをvCP144と称した。
【0838】
vCP126およびvP1078の発現分析を上述したように行なった。これらの結果に
より、発現は、質的にHIV−1(IIIB)対照物、vP1020およびvCP126
と等しいことが分かった。
【0839】
実施例86−ALVACおよびNYVACによるHIV−1 envの非切断可能分泌形
状の発現
50
(229)
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タンパク質分解的に切断されず、遺伝子産生物のカルボキシ末端の近くの膜貫通配列の除
去により分泌されるHIV−1(MN) envを発現するALVAC−およびNYVA
Cベースの組換えウイルスを産生した。最初にpH6HMNE(実施例83に定義した)
からのこれらの配列をオリゴヌクレオチドHIVECA(配列認識番号399)およびH
IVMNT1(配列認識番号400)
【化302】
を用いて増幅し、続いてPstI(5′末端)およびXbaI(3′末端)での切断によ
10
り502bp PstI/XbaI断片を得た。この断片は、ヌクレオチド7219から
7808に対応する(ラトナーら、1985)。この断片は、env発現カセットの3′
末端として作用する。それ自体、env遺伝子産生物は、膜貫通領域が欠如し、オリゴヌ
クレオチド(配列認識番号400)により提供される終止コドンにより終止せしめられ、
オリゴヌクレオチドHIVECA(配列認識番号399)を用いて提供された511(上
記)でのアミノ酸変化により切断されない。この502bp断片を、オリゴヌクレオチド
HIV3B1(配列認識番号144)およびHIVECB(配列認識番号398)、並び
にpH6HMNEに対する4.2kb EcoRI/XbaI断片を用いたPCRにより
pH6HMNEから誘導した391bp EcoRI/PstI断片に、この502bp
断片を連結した。産生したプラスミドをpBSHIVMNTと称した。
20
【0840】
pBSHIVMNTからの2.2kb XbaI/部分的KpnI断片を単離し、Xba
IとKpnIで切断したpC5Lに挿入した。産生したプラスミドをpC5HIVMNT
と称した。pBSHIVMNTから2.1kb NruI/XbaI断片を単離すること
により、NYVAC挿入プラスミドを誘導した。次いで、この断片を2mMのdNTPの
存在下でE.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片によりブラントエンドし、N
ruIとSmaIで切断したpSPHAH6に挿入し、pHAHIVMNTを産生した。
【0841】
挿入プラスミド、pC5HIVMNTおよびpHAHIVMNTを、治療ウイルスとして
の、それぞれALVAC(CPpp)およびNYVAC(vP866)とともに標準組換
30
え実験(ピッチーニら、1987)に用いた。放射線標識したHIV env特異的プロ
ーブを用いた標準プラークハイブリダイゼーション(ピッチーニら、1987)により組
換えウイルスを同定した。増幅の前に、組換えウイルスに3回の精製を行なった。ALV
ACベースのHIV−1(MN) env(非切断可能;分泌)をvCP120と称し、
NYVACのものをvP944と称した。
【0842】
前述した方法により(テイラーら、1990)、HIV血清陽性個体から採取したヒト血
清を用いて、vCP120およびvP994感染細胞に関して免疫沈降を行なった。vC
P120およびvP994の両者は、非切断可能、切形遺伝子産生物と一致する分子量を
有するHIV−1(MN)env特異的遺伝子産生物を発現した。さらに、vCP120
およびvP994感染細胞培養からの細胞不含有培地の免疫沈降により、このenv遺伝
子産生物の分泌が示された。
【0843】
HIV−1(IIIB) envに関して同様の構成を操作した。これを行なうために、
以下の操作を行なった。最初にpH6HIIIBE(実施例18に定義した)からのこれ
らの配列を、オリゴヌクレオチドHIVECA(配列認識番号399)およびHIV3B
T(配列認識番号401)
【化303】
40
(230)
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を用いて増幅し、続いてPstIとXbaIでの切断により487bp PstI/Xb
aI断片を得た。pBSHIV3BEECから397bp EcoRI/PstI断片を
単離して、pH6HIIIBEMから4.2kb EcoRI/XbaI断片を単離した
。これの3つの断片をともに連結し、pBSHIV3BT1を産生した。
【0844】
pBSHIV3BEECMのHindIII/XbaI切断により誘導した2.1kbお
よび2.9kb断片をpBSHIV3BT1からの105bp HindIII/Xba
10
I断片に連結し、pBSHIV3BTを産生した。このプラスミドをNruIとXbaI
で切断し、2.1kb断片を切除した。この断片をブラントエンドし、NruIとSma
Iで切断したpSPHAH6に挿入し、pHAHIV3BTを産生した。
【0845】
プラスミドpHAHIV3BTを、治療ウイルスとしてのNYVAC(vP866)とと
もに、上述したように組換え実験に用いた。組換えウイルスを同定し、上述したように精
製し、産生した組換え体をvP1036と称した。この組換え体はvCP120およびv
P994に関して上述した発現特徴全てを有した。
【0846】
実施例87−NYVACおよびALVACにより膜貫通配列により固定されたHIV−1
20
(MN)の発現
gp120をコードするenv領域を親水性膜貫通配列をコードする領域に融合するため
に、以下の操作を行なった。オリゴヌクレオチドHIV3B1(配列認識番号144)お
よびHIVMN18(配列認識番号402)
【化304】
を用いてpH6HMNEからPCRにより、gp120コード配列の3′側領域に対応す
る200bp断片を誘導した。オリゴヌクレオチドHIV3B1(配列認識番号144)
30
およびHIVTM3(配列認識番号405)
【化305】
をも用いて、PCRによりこの断片を、アニールしたオリゴヌクレオチドHIVTM1(
配列認識番号403)
【化306】
40
およびHIVTM2(配列認識番号404)
【化307】
に融合した。オリゴヌクレオチドHIVTM1(配列認識番号403)およびHIVTM
2(配列認識番号404)は、ヌクレオチド7850から7934に対応し(ラトナーら
、1985)、HIV env親水性固定配列をコードする領域を示す。HIVTM3(
50
(231)
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配列認識番号405)による融合は、終止コドンおよび3′XbaI部位を有する最後の
カセットの3′末端を操作する。誘導断片をEcoRI/XbaIで切断し、EcoRI
とXbaIで切断したpH6HMNEに連結し、pBSHIVMN120Tを産生した。
【0847】
H6プロモーターの3′側の26bpおよび全縁HIV−1カセットを含有する、1.7
kb NruI/XbaI断片を単離し、pVQH6C5LSP6からの5.1kb N
ruI/XbaI断片に挿入し、pC5HIVMN120Tを単離した。pVQH6C5
LSP6を以下のように誘導した。
【0848】
pC5LSP(実施例66で定義した)をBamHIで切断し、アニールしたオリゴヌク
10
レオチドCP32(配列認識番号406)
【化308】
およびCP33(配列認識番号407)
【化309】
20
に連結してpVQC5LSP6を産生した。
【0849】
pBSHINMN120Tからの1.7kb NruI/XbaI断片もまたブラントエ
ンドし、NruIとSmaIで切断したpSPHAH6に挿入した。産生したプラスミド
をpHAHIVMN120Tと称した。
【0850】
挿入プラスミド、pC5HIVMN120TおよびpHAHIVMN120Tを、治療ウ
イルスとして、それぞれALVACおよびNYVACとともに、標準組換え実験(ピッチ
ーニら、1987)に用いた。放射線標識したHIV−1 gp120特異的DNAプロ
ーブを用いた標準プラークハイブリダイゼーション(ピッチーニら、1987)により、
30
組換えウイルスを同定し、精製した。純粋な個体群を増幅し、ALVACベースの固定し
た(anchored)HIV−1(MN) gp120組換え体をvCP138と称し
た。NYVACベースのものをvP1035と称した。
【0851】
標準方法により(テイラーら、1990)、蛍光抗体法および免疫沈降分析を行ない、v
P138およびvP1035感染細胞中のHIV−1(MN)固定gp120の発現を評
価した。HIV血清陽性個体から採取したヒト血清(CA、エメリービル、シロン社、D
r.K.ステイマーから得た)を用いて、アッセイを行なった。
【0852】
表面蛍光抗体法の探求により、vCP138およびvP1035感染細胞が形質膜中にH
40
IV−1(MN) gp120を含有したことが分かった。特に、vCP138およびv
P1035感染細胞の表面染色は、gp160または非固定gp120を発現する組換え
ウイルス(すなわち、vCP125、vCP124、vP1004、およびvP1008
)に感染した細胞と比較して、著しく増大した。免疫沈降分析からの結果により、vCP
138およびvP1035感染細胞の発現、および発現された産生物が予期した分子質量
であったことが確認された。
【0853】
実施例88−NYVAC/HIV−1 GAG(プロテアーゼ
− )組換え体の産生
1型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)cDNA配列を含有するプラスミド、pHXB
2DはDr.R.C.ガロ(NCI−NIH)(NCI−NIH)から得た。gag遺伝
50
(232)
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子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアームの間にクロ
ーニングした。これは、gag遺伝子の5′末端を含有する、pHXB2Dの1,625
bp BglII断片をpSD542(実施例32に定義した)の4,075bp Bg
lII断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生されたプラスミ
ドをpHIVG2と称した。
【0854】
次いでgag遺伝子の3′末端をgag遺伝子の残りの下流にクローニングした。これは
、gag遺伝子の3′末端を含有する280bp ApaI−BamHI PCR断片を
、pHIVG2の5,620bp ApaI−BamHI断片にクローニングすることに
より行なった。このPCR断片は、オリゴヌクレオチドHIVP5(配列認識番号408
10
)
【化310】
およびHIVP6(配列認識番号409)
【化311】
を有するプラスミド、pHXB2Dから産生した。この操作により産生したプラスミドを
pHIVG3と称した。
20
【0855】
次いでI3Lプロモーターをgag遺伝子の上流にクローニングした。これは、ワクシニ
アウイルスI3Lプロモーターおよびgag遺伝子の5′末端をコードするオリゴヌクレ
オチド、HIVL17(配列認識番号410)
【化312】
およびHIVL18(配列認識番号411)
30
【化313】
を、pHIVG3の5,540bp部分的BglII−ClaI断片にクローニングする
ことにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVG4と称した。
【0856】
pHIVG4を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実験に
用いてvP969を産生した。免疫沈降分析を行なって、vP969が真正HIV−1 40
gag前駆体タンパク質を発現するか否かを測定した。ベロ細胞単層を、疑似感染したか
、10PFU/細胞のm.o.i.で親ウイルスに感染せしめたか、またはvP969に
感染せしめた。1時間の吸着期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清およ
び[
3 5
S]−メチオニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地(
メチオニンを含まない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30m
Mのトリス(pH7.4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0
.6mg/mlのPMSF)の添加と続いて細胞単層の削り取りにより、細胞を感染から
18時間後に収集した。
【0857】
HIV−1血清陽性個体から採取した血清(CA、エメリービル、シロンから得た)を用
50
(233)
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いて、感染細胞からの溶解産物をHIV−1 gag前駆体発現について分析した。血清
を、vP866感染ベロ細胞で前吸着した。前吸着した血清を、4℃での一晩のインキュ
ベーションによりタンパク質Aセファロースに結合せしめた。このインキュベーション期
間後、材料を4回1×の緩衝液Aで洗浄した。次いで、通常ヒト血清およびタンパク質A
セファロースで前洗浄した溶解産物を、タンパク質Aセファロースに結合したHIV−1
血清陽性ヒト血清とともに4℃で一晩インキュベーションした。一晩のインキュベーショ
ン期間後、試料を1×緩衝液Aで4回、LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した。2×
のラエムリ緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4%のSDS、20%のグリセ
ロール、10%の2−メルカプトエタノール)の添加と5分間の沸騰により、沈殿したタ
ンパク質を免疫複合体から分離した。タンパク質を10%のドリファスゲルシステム(ド
10
リファスら、1984)で分画し、固定し、フルオログラフィーのために1MのNa−サ
リチル酸塩で処理した。
【0858】
HIV−1血清陽性個体からのヒト血清は、vP969感染細胞からのHIV−1 ga
g前駆体タンパク質を特異的に沈殿せしめたが、疑似感染細胞またはNYVAC感染細胞
からはHIV−1特異的タンパク質を沈殿せしめなかった。
【0859】
実施例89−NYVAC/HIV−1 gag/pol組換え体の産生
gag遺伝子の5′末端をコードする配列を、ワクシニアウイルスtkフランキングアー
ムの間にクローニングした。このは、gag遺伝子の5′末端を含有する、pHXB2D
20
の1,625bp BglII断片をpSD542(実施例32に定義した)の4,07
5bp BglII断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生し
たプラスミドをpHIVG2と称する。
【0860】
次いでgag遺伝子の3′末端をpHIVG2にクローニングした。これは、gag遺伝
子の3′末端を含有する、280bp ApaI−BamHI PCR断片をpHIVG
2の5,620bp ApaI−BamHI断片にクローニングすることにより行なった
。このPCR断片は、オリゴヌクレオチド、HIVP5(配列認識番号408)およびH
IVP6(配列認識番号409)を有するプラスミド、pHXB2Dから産生した。この
操作により産生したプラスミドをpHIVG3と称する。
30
【0861】
次いでI3Lプロモーターをgag遺伝子の上流にクローニングした。これは、ワクシニ
アウイルスI3Lプロモーターおよびgag遺伝子の5′末端をコードする、オリゴヌク
レオチド、HIVL17(配列認識番号410)およびHIVL18(配列認識番号41
1)をpHIVG3の5,540bp部分的BglII−ClaI断片にクローニングす
ることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVG4と称する。
【0862】
次いでp24、p2、p7およびp6をコードするgag遺伝子の部分を除去した。これ
は、オリゴヌクレオチド、HIVL19(配列認識番号412)
【化314】
40
およびHIVL20(配列認識番号413)
【化315】
をpHIVG4の4,450bp部分的PvuII−BamHI断片にクローニングする
ことにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVG5と称した。
50
(234)
JP 3602844 B2 2004.12.15
【0863】
pol遺伝子と同様に、gag遺伝子の残りをp17「遺伝子」の下流にクローニングし
た。これは、gag遺伝子のほとんどおよびpol遺伝子の全てのを含有する、pHXB
2Dの4,955bp ClaI−SalI断片をpHIVG5の4,150bp Cl
aI−SacI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプ
ラスミドをpHIVG6と称する。
【0864】
次いで外来3′非コード配列を除去した。これは、pol遺伝子の3′末端を含有する、
360bp AflII−BamHI PCR断片を、pHIVG6の8,030bp AflII−BamHI断片にクローニングすることにより行なった。このPCR断片は
10
、オリゴヌクレオチド、HIVP7(配列認識番号414)
【化316】
およびHIVP8(配列認識番号415)
【化317】
を有するプラスミドpHXB2Dから産生した。この操作により産生したプラスミドをp
HIVG7と称する。
20
【0865】
pHIVG7を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実験に
用いてvP989を産生した。
【0866】
上述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP989感染
細胞に免疫沈降を行なった。疑似感染細胞またはNYVAC感染ベロ細胞からはHIV−
1特異的種は沈殿しなかった。しかしながら、vP989感染細胞からの溶解産物からは
、gag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間帯と熟成gag切
断産生物が沈殿した。
【0867】
30
実施例90−NYVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(gp120)組換
え体の産生
gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアーム
の間にクローニングした。これは、最初に、前述したようにプラスミドpHIVG7を調
製することにより行なった(実施例89参照)。
【0868】
pHIVG7を、治療ウイルスとしてのvP921とともに組換え実験に用いて、vP9
91を産生した。
【0869】
HIV gag前駆体タンパク質の発現に関して、前述したように、vP991感染細胞
40
の免疫沈降を行なった。疑似感染ベロ細胞からはHIV特異的種は沈殿しなかった。しか
しながら、vP991感染細胞の溶解産物からは、envおよびgag前駆体タンパク質
に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切断産生物が沈殿した。
【0870】
実施例91−NYVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(gp160)組換
え体の産生
gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアーム
の間にクローニングした。これは、最初に、前述したように、プラスミドpHIVG7を
産生することにより行なった(実施例89参照)。
【0871】
50
(235)
JP 3602844 B2 2004.12.15
pHIVG7を治療ウイルスとしてのvP911(上記)とともに組換え実験に用いてv
P990を産生した。
【0872】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP990感染
細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞からはHIV01特異種は沈殿しなか
った。しかしながら、vP990感染細胞の溶解産物からは、envおよびgag前駆体
タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切断産生物が沈殿
した。
【0873】
実施例92−NYVAC/HIV−1 p17、p24組換え体の産生
10
HIV−1 cDNA配列を含有するプラスミドpHXB2DをDr.R.C.ガロ(N
CI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列を、ワクシニアウイ
ルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、最初に、前述したように
pHIVG5を調製することにより行なった(実施例89参照)。
【0874】
次いでp24「遺伝子」の3′末端をpHIVG5にクローニングした。これは、p24
「遺伝子」の3′末端を含有する、660bpのSalI−BamHI PCR断片をp
HIVG5の4,450bp SalI−BamHI断片にクローニングすることにより
行なった。このPCR断片は、オリゴヌクレオチド、HIVP25(配列認識番号416
)
20
【化318】
およびHIVP26(配列認識番号417)
【化319】
を有する、プラスミドpHXB2Dから産生した。この操作により産生したプラスミドを
pHIVG8と称した。
【0875】
30
次いで昆虫ポックス42kdプロモーターをp24「遺伝子」の上流にクローニングした
。これは、昆虫ポックス42kdプロモーターおよびp24「遺伝子」の5′末端をコー
ドする、オリゴヌクレオチド、HIVL21(配列認識番号418)
【化320】
およびHIVL22(配列認識番号419)
【化321】
40
をpHIVG8の5,070bp XhoI−NsiI断片に挿入した。この操作により
産生したプラスミドをpHIVG9と称する。
【0876】
pHIVG9を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実験に
用いてvP970を産生した。
【0877】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP970感染
50
(236)
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細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細胞からは
、HIV−1特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP970感染細胞の溶解産物か
らはp24に対応するタンパク質種が沈殿した。
【0878】
実施例93−NYVAC/HIV−1 p17、p24およびenv(gp120)組換
え体の産生
HIV−1 cDNA配列を含有する、プラスミドpHXB2DをDr.R.C.ガロ(
NCI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列を、ワクシニアウ
イルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、最初に、前述したよう
にpHIVG9を調製することにより行なった(実施例92参照)。
10
【0879】
pHIVG9を、治療ウイルスとしてのvP921とともに組換え実験に用いてvP97
3を産生した。
【0880】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP973感染
細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞からは、HIV−1特異種は沈殿しな
かった。しかしながら、vP973感染細胞の溶解産物からはp24に対応するタンパク
質種が沈殿した。
【0881】
実施例94−NYVAC/HIV−1 p17、p24およびenv(gp160)組換
20
え体の産生
HIV−1 cDNA配列を含有する、プラスミドpHXB2DをDr.R.C.ガロ(
NCI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列を、ワクシニアウ
イルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、最初に、前述したよう
にpHIVG9を調製することにより行なった(実施例92参照)。
【0882】
pHIVG9を、治療ウイルスとしてのvP911とともに組換え実験に用いてvP97
1を産生した。
【0883】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP971感染
30
細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞からは、HIV−1特異種は沈殿しな
かった。しかしながら、vP971感染細胞の溶解産物からはenvおよびp24に対応
するタンパク質種が沈殿した。
【0884】
実施例95−NYVAC/HIV−1 gag(プロテアーゼ
− )およびenv(切形
の)組換え体の産生
HIV−1 cDNA配列を含有するプラスミドpHXB2DをDr.R.C.ガロ(N
CI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列を、ワクシニアウイ
ルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、最初に、前述したように
pHIVG9を調製することにより行なった(実施例89参照)。
40
【0885】
次いでH6プロモートした切形HIV−1エンベロープ遺伝子をpHIVG4に挿入した
。これは、H6プロモートした切形HIV−1エンベロープ遺伝子を含有する、pHIV
E10のE.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片)充填1,600bp X
hoI−NotI断片を、pHIVG4の充填BamHI部位にクローニングすることに
より行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVGE11と称する。
【0886】
pBSHIV3BCDT1からのSacI/部分的KpnI断片をpIBI25(CT、
ニューハブン、IBI)の多重クローニング領域に挿入することとによりプラスミドpH
IVE10を誘導した。プラスミドpBSHIV3BCDT1は、HIV−1(IIIB
50
(237)
JP 3602844 B2 2004.12.15
)エンベロープ(アミノ酸1から447;ラトナーら、1985)の著しく切形された形
状を発現するH6プロモートされたカセットを含有する。V3ループ領域とT1エピトー
プを保持しながらCD4結合を除去するために、このカセットの発現を評価した。
【0887】
pBSHIV3BCDT1を構築するために、以下の操作を行なった。オリゴヌクレオチ
ドHIV3B2A(配列認識番号397)およびHIVCD4A(配列認識番号420)
【化322】
を用いてpH6HIIIBE(実施例18で定義した)から200bpのPCR誘導断片
10
を増幅した。オリゴヌクレオチドHIV3B2A(配列認識番号397)およびHIVT
M3(配列認識番号405)を用いてPCRにより、この断片を、アニールしたオリゴヌ
クレオチドHIVTM1(配列認識番号403)およびHIVTM2(配列認識番号40
4)に融合した。HIV−1 env膜貫通アンカー(アミノ酸691から718;ラト
ナーら、1985)、翻訳終止コドン(TAA)、および3′XbaI部位をコードする
配列を配することにより、これらの操作で切形envカセットの3′末端を産生した。こ
のPCR融合産生物をEcoRIとXbaIで切断し、243bpの断片を産生した。こ
の断片をpH6HIIIBEの4.5bp EcoRI/XbaI断片に連結し、pBS
HIV3BCDT1を産生した。
【0888】
20
pHIVGE11を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実
験に用いてvP979を産生した。
【0889】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP979感染
細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細胞からは
、HIV−1特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP979感染細胞の溶解産物か
らはenvおよびgag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種が沈殿した。
【0890】
実施例96−NYVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(切形)組換え体の
産生
30
gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアーム
の間に挿入した。これは、前述したように最初にプラスミドpHIVG7を調製すること
により行なった(実施例89参照)。
【0891】
次いでH6プロモートした切形HIV−1エンベロープ遺伝子をpHIVG7に挿入した
。これは、H6プロモートした切形HIV−1エンベロープ遺伝子を含有する、pHIV
E10(実施例95に定義した)のE.coli DNAポリメラーゼI(クレノウ断片
)充填1,600bp XhoI−NotI断片を、pHIVG7の充填BamHI部位
にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIV
GE12と称する。
40
【0892】
pHIVGE12を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実
験に用いてvP978を産生した。
【0893】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP978感染
細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細胞からは
、HIV−1特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP978感染細胞の溶解産物か
らはenvおよびgag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体
と熟成gag切断産生物が沈殿した。
【0894】
50
(238)
JP 3602844 B2 2004.12.15
実施例97−NYVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(gp120)組換
え体の産生
gag遺伝子をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアームの間に挿入
した。これは、前述したように最初にプラスミドpHIVG7を調製することにより行な
った(実施例89参照)。
【0895】
次いでI3Lプロモートしたgagおよびpol遺伝子をカナリヤポックス挿入ベクター
に挿入した。これは、I3Lプロモートしたgagおよびpol遺伝子を含有する、pH
IVG7の4,360bp 部分的BglII−BamHI断片をpVQH6CP3Lの
BamHI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラス
10
ミドをpHIVGE14と称する。
【0896】
次いでH6プロモートしたHIV−1(MN)エンベロープ(gp120)遺伝子をpH
IVGE14に挿入した。これは、オリゴヌクレオチド、HIVL29(配列認識番号4
21)
【化323】
およびHIVL30(配列認識番号422)
【化324】
20
並びにH6プロモートしたgp120遺伝子を含有する、pBSHIVMN120の1,
600bp NruI−NotI断片を、pHIVGE14の11,500bp Nru
I−NhoI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラ
スミドをpHIVGE15と称する。
【0897】
次いで、H6プロモートしたエンベロープ(gp120)遺伝子およびI3Lプロモート
したgagとpol遺伝子をワクシニアウイルス挿入ベクターに挿入した。これは、H6
プロモートしたgp120遺伝子およびI3Lプロモートしたgagとpol遺伝子を含
30
有する、pHIVGE15の6,400bp NotI−BamHI断片をpSD542
VCVQの4,000bp NotI−BglII断片にクローニングすることにより行
なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVGE16と称する。
【0898】
pHIVGE16を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実
験に用いてvP988を産生した。
【0899】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP988感染
細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細胞からは
、HIV−1特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP988感染細胞の溶解産物か
40
らはenvおよびgag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体
と熟成gag切断産生物が沈殿した。
【0900】
実施例98−NYVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(gp160)組換
え体の産生
gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアーム
の間にクローニングした。これは、前述したように最初にプラスミドpHIVGE16を
調製することにより行なった(実施例97参照)。
【0901】
次いでgp160遺伝子により、gp120遺伝子を置換した。これは、全縁HIV−1
50
(239)
JP 3602844 B2 2004.12.15
(MN)エンベロープ(gp160)遺伝子を含有する、pH6HMNEの2,600b
p NruI−NotI断片をpHIVGE16の8,000bp 部分的NruI−N
otI断片にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミド
をpHIVGE19と称する。
【0902】
pHIVGE19を、治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組
換え実験に用いてvP1009を産生した。
【0903】
前述したように、HIV−1 gag前駆体タンパク質の発現に関して、vP1009感
染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細胞から
10
はHIV−1特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP1009感染細胞からは、e
nvおよびgag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成
gag切断産生物が沈殿した。
【0904】
実施例99−ALVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(GP120)組換
え体の産生
gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアーム
の間にクローニングした。これは、前述したように最初にプラスミドpHIVGE15を
調製することにより行なった(実施例97参照)。
【0905】
20
pHIVGE15を治療ウイルスとしてのCPpp(ALVAC)とともに組換え実験に
用いてvCP117を産生した。
【0906】
免疫沈降分析を行なって、vCP117が真正HIV−1 gagおよびenv遺伝子産
生物を発現するか否かを測定した。CEF細胞単層を、疑似感染せしめたか、10PFU
/細胞のm.o.i.で親ウイルスに感染せしめたか、またはvCP117に感染せしめ
た。1時間の吸着期間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S
]−メチオニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地(メチオニン
を含まない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス
(pH7.4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/
30
mlのPMSF)と続いての細胞単層の削り取りにより、細胞を感染から18時間後に収
集した。
【0907】
HIV−1血清陽性個体からの血清(ニューヨーク州保険省から得た)を用いてHIV gagおよびenv遺伝子発現に関して感染細胞から溶解産物を分析した。血清をCPp
p感染CEF細胞で前吸着せしめた。前吸着した血清を4℃で一晩のインキュベーション
によりタンパク質Aセファロースに結合せしめた。このインキュベーション期間後、材料
を1×緩衝液Aで4回洗浄した。次いで通常のヒト血清とタンパク質Aセファロースで前
浄化した溶解産物を、タンパク質Aセファロースに結合したHIV−1血清陽性ヒト血清
により4℃で一晩インキュベーションした。一晩のインキュベーション後、試料を1×緩
40
衝液Aで4回、LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した。2×ラエムリ緩衝液(125
mMのトリス(pH6.8)、4%のSDS、20%のグリセロール、10%の2−メル
カプトエタノール)の添加と5分間の沸騰により免疫複合体から沈殿したタンパク質を分
離した。タンパク質を10%のドリファスゲルシステム(ドリファスら、1984)で分
画し、固定し、フルオログラフィーのために1M Na−サリチル酸塩で処理した。
【0908】
HIV−1血清陽性個体からのヒト血清は、vCP117感染細胞からはHIV−1 g
agおよびenvタンパク質を特異的に沈殿せしめたが、疑似感染細胞またはCPpp感
染細胞からはHIV−1特異的タンパク質は沈殿せしめなかった。
【0909】
50
(240)
JP 3602844 B2 2004.12.15
実施例100−ALVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(gp160)組
換え体の産生
gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウイルスtkフランキングアーム
の間にクローニングした。これは、前述したように最初にプラスミドpHIBGE15を
調製することにより行なった(実施例97参照)。
【0910】
次いでgp120をgp160で置換した。これは、全縁HIV−1(MN)エンベロー
プ(gp160)遺伝子を含有する、pH6HMNEの2,600bp NruI−No
tI断片をpHIVGE15の9,800bp NruI−NotI断片にクローニング
することにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVGE18と称す
10
る。
【0911】
次いで前の工程で欠損したカナリヤポックスフランキングアームをpHIVGE18にク
ローニングした。これは、C3フランキングアームを含有する、pHIVGE15の1,
500bp NotI断片を、pHIVGE18の12,400bp NotI断片にク
ローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpHIVGE
20と称する。
【0912】
pHIVGE20を治療ウイルスとしてのCPpp(ALVAC)とともに組換え実験に
用いてvCP130を産生した。
20
【0913】
免疫沈降分析を行なって、vCP130がHIV−1 gagおよびenv遺伝子産生物
を発現するか否かを測定した。CEF細胞単層を、疑似感染せしめたか、10PFU/細
胞のm.o.i.で親ウイルスに感染せしめたか、またはvCP130に感染せしめた。
1時間の吸着時間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清と[
3 5
S]−メチ
オニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地(メチオニンを含まな
い)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3%のNP−40、30mMのトリス(pH7
.4)、3mMのEDTA、0.03%のNa Azideおよび0.6mg/mlのP
MSF)の添加と続いての細胞単層の削り取りにより、細胞を感染から18時間後に収集
した。
30
【0914】
HIV−1血清陽性個体から採取した血清(CA、エメリービル、シロンから得た)を用
いて、感染細胞からの溶解産物を、HIV−1 gagおよびenv遺伝子発現に関して
分析した。血清をCPpp感染CEF細胞で前吸着せしめた。前吸着した血清を4℃での
一晩のインキュベーションによりタンパク質Aセファロースに結合せしめた。このインキ
ュベーション期間後、物質を1×緩衝液Aで4回洗浄した。次いで、通常のヒト血清とタ
ンパク質Aセファロースで前浄化した溶解産物を、タンパク質Aセファロースに結合した
HIV−1血清陽性ヒト血清により4℃で一晩インキュベーションした。一晩のインキュ
ベーション期間後、試料を1×緩衝液Aで4回、LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄し
た。2×ラエムリ緩衝液(125mMのトリス(pH6.8)、4%のSDS、20%の
40
グリセロール、10%の2−メルカプトエタノール)の添加および5分間の沸騰により、
沈殿したタンパク質を免疫複合体から分離した。10%のドリファスゲルシステム(ドリ
ファスら、1984)で分画し、固定し、フルオログラフィーのために1MのNa−サリ
チル酸塩で処理した。HIV−1血清陽性個体からのヒト血清は、vCP130感染細胞
からHIV−1 gagおよびenvタンパク質を沈殿せしめたが、疑似感染細胞または
CPpp感染細胞からはHIV−1特異的タンパク質を沈殿せしめなかった。
【0915】
実施例101−ALVAC/HIV−1 gag/pol組換え体の産生
HIV−1 cDNA配列を含有する、プラスミドpHXB2Dを、Dr.R.C.ガロ
(NCI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウ
50
(241)
JP 3602844 B2 2004.12.15
イルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、前述したように最初に
プラスミドpHIVG7を調製することにより行なった(実施例89参照)。
【0916】
次いで、gagおよびpol遺伝子をカナリヤポックスフランキングアームの間にクロー
ニングした。これは、I3Lプロモートしたgagおよびpol遺伝子、並びにオリゴヌ
クレオチド、HIV2L6(配列認識番号423)
【化325】
とHIV2L7(配列認識番号424)
10
【化326】
を含有する、pHIVG7の4,400bp SmaI−NotI断片をpSPCP3L
のSmaI−XhoI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生
したプラスミドをpHIVG24と称する。
【0917】
pHIVG24を、治療ウイルスとしてのCPpp(ALVAC)とともに組換え実験に
用いてvCP152を産生した。
【0918】
20
前述したようにHIV−1 gagおよびenvタンパク質の発現に関して、vCP15
2感染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染またはALVAC感染細胞からは、HI
V−1特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vCP152感染細胞の溶解産物からは
、gag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切
断産生物が沈殿した。
【0919】
実施例102−ALVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(切形)組換え体
の産生
HIV−1 cDNA配列を含有する、プラスミドpHXB2Dを、Dr.R.C.ガロ
(NCI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウ
30
イルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、前述したように、最初
にプラスミドpHIVG24を調製することにより行なった(実施例101参照)。
【0920】
pHIVG24を、治療ウイルスとしてのvCP120とともに組換え実験に用いてvC
P155を産生した。
【0921】
前述したようにHIV−1 gagおよびenvタンパク質の発現に関して、vCP15
5感染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染細胞からは、HIV−1特異種は沈殿し
なかった。しかしながら、vCP155感染細胞の溶解産物からは、envおよびgag
前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切断産生物
40
が沈殿した。
【0922】
実施例103−ALVAC/HIV−1 gag/polおよびenv(膜貫通アンカー
を有するgp120)組換え体の産生
HIV−1 cDNA配列を含有する、プラスミドpHXB2Dを、Dr.R.C.ガロ
(NCI−NIH)から得た。gag遺伝子の5′末端をコードする配列をワクシニアウ
イルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、前述したように、最初
にプラスミドpHIVG24を調製することにより行なった(実施例101参照)。
【0923】
pHIVG24を、治療ウイルスとしてのvCP138とともに組換え実験に用いてvC
50
(242)
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P156を産生した。
【0924】
前述したようにHIV−1 gagおよびenvタンパク質の発現に関して、vCP15
6感染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染細胞からは、HIV−1特異種は沈殿し
なかった。しかしながら、vCP156感染細胞の溶解産物からは、envおよびgag
前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切断産生物
が沈殿した。
【0925】
HIV−1 gag特異的遺伝子産生物単体またはワクシニアウイルスによりenvとの
組合せのいずれかの発現は、非感染ウイルス状粒子の産生となることが示されている(ハ
10
ッファーら、1990;フーら、1990)。このバックグラウンドに関して、HIV−
1 gag−polおよびenv遺伝子を発現するALVACベースの組換え体に感染し
た細胞もまたそのような粒子を産生するか否かを探求した。さらにこれらのALVACベ
ース組換え体から非アビアン細胞(すなわち、ベロ、MRC−5、等)を感染せしめるの
に用いられる場合、いかなるHIV−1ウイルス状粒子がポックスウイルスビリオン不純
物もなく精製できた。
【0926】
vCP156に感染したベロ細胞を用いた粒子形成を評価するために、以下の実験を行な
った。ベロ細胞を約5pfu/細胞のm.o.i.で感染せしめた。24感染期間後、上
澄みを収集し、2000rpmでの10分間の遠心分離により浄化した。次いで上澄みを
20
、30,000kDaの分子量をカットオフするフィルターを通じて回転せしめた。それ
ゆえ、小さな分子はこれらのフィルターを通過する。HIV血清陽性個体から採取したヒ
ト血清(ニューヨーク州、保険省、Dr.J.コーニーから得た)を用いて、標準ウエス
タンブロット分析により、フィルターに保持された物質を分析した。ウエスタンブロット
分析の結果により、フィルターに保持された物質中に主要コアタンパク質p24およびH
IV−1(MN)固定gp120の存在が示された。上述したサイズ排除に関して、p2
4が高等構造立体配置(すなわち、ウイルス状粒子)になければ、p24はそのフィルタ
ーを通過する。それゆえ、これらの結果は強く、gp120エンベロープ成分を含有する
HIV−1ウイルス状粒子はvCP156感染細胞中で産生されることを示唆している。
【0927】
30
実施例104−ALVACおよびNYVAC中のHIV−1 env遺伝子のT1、T2
,、およびTH4.1エピトープの発現
組換えポックスウイルスvP1062およびvCP146を産生して、個々のペプチドと
してHIV−1 envのT1、T2、およびTH4.1エピトープを発現した(ホスマ
リンら、1991)。
【0928】
プラスミドp731T1の構築
プラスミドpMPI3Hは、pUC8バックグラウンド中にワクシニアI3L初期/中間
プロモーター要素(シュミットおよびスタネンベルグ、1988;ホスおよびスタネルベ
ルグ、1988)を含有する。テンプレートとしてのpMPVC1、ワクシニアHind
40
III Iのサブクローンおよびプライマーとして、合成オリゴヌクレオチドMPSYN
283(配列認識番号425)
【化327】
とMPSYN287(配列認識番号426)
【化328】
を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、プロモーター要素を合成した。この反
50
(243)
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応からのDNAをHindIIIとRsaIで切断し、プロモーター要素を含有する0.
1kb断片を精製した。補体合成オリゴヌクレオチドMPSYN398(配列認識番号4
27)
【化329】
とMPSYN399(配列認識番号428)
【化330】
10
をアニーリングすることにより、リンカー領域を組み立てた。PCR誘導プロモーター要
素およびポリリンカー領域を、HindIIIとPstIで切断したベクタープラスミド
pUC8と連結した。産生したプラスミド、pMPI3Hは、開始コドンに対して位置−
100から−6までのI3Lプロモーター領域と続いての、HpaI、PstI、Sal
I、BamHI、SmaIおよびEcoRI部位を含有するポリリンカー領域を含有する
。HpaIでの切断により、プロモーター中の位置−6で線状化されたブラントエンドの
DNAが産生される。
【0929】
補体オリゴヌクレオチドT1C(配列認識番号429)
【化331】
20
およびT1N(配列認識番号430)
【化332】
をHpaIとBamHIで切断したプラスミドpMPI3Hに連結することにより、ワク
シニアI3Lプロモーターに誘導されたT1ペプチドを含有するカセットを産生した。こ
30
の連結は、プロモーターの最後の5塩基対を再構築し、T1ペプチドの完全コード配列を
提供し、終止コドンとBamHI部位の間にXhoI部位を産生する。これがプラスミド
p731T1である。ヌクレオチド配列分析により断片の配列を確認した。
【0930】
プラスミドpH6T2の構築
ワクシニアH6プロモーターによりドライブされたT2ペプチドを含有するカセットを2
工程で産生した:PCRおよびプライマーH6PCR1(配列認識番号364)とH6P
CR2(配列認識番号365)を用いて、合成H6プロモーター(パーカスら、1989
)を含有するプラスミドからEcoRV部位を通じるH6プロモーターを誘導し、5′H
indIII部位を産生した。この122bpPCR誘導断片をHindIIIとEco
40
RVで切断し、続いて同様に切断したpBS−SK+(CA、ラジョラ、ストラタジェネ
)に連結し、プラスミドpBSH6を産生した。EcoRV部位からのH6プロモーター
の3′末端を完全にし、T2ペプチドをコードし、遺伝子の3′末端にBamHI部位を
産生する補体オリゴヌクレオチドT2C(配列認識番号431)
【化333】
およびT2N(配列認識番号432)
【化334】
50
(244)
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をアニールし、EcoRVとBamHIで切断したpBSH6に連結した。このプラスミ
ドをpH6T2と称し、ヌクレオチド配列分析により断片を確認した。
【0931】
プラスミドpVQ42KTH4.1の産生
持続性PCR反応により、AmEPV 42KプロモーターによりドライブされたTH4
.1ペプチドを含有するカセットを産生した:プライマー42KVQ1(配列認識番号4
10
33)
【化335】
および42KVQ2(配列認識番号434)
【化336】
20
を用いて、42Kプロモーターの制御下で狂犬病糖タンパク質の遺伝子を含有するプラス
ミドである、プラスミドp42KRABIからPCRにより5′PstIとSmaI部位
を有する107bp 42Kプロモーターを誘導した。このPCR誘導断片の107bp
プロモーター領域の配列は(配列認識番号435)
【化337】
30
である。この断片と、テンプレートとしての、TH4.1ペプチドTH41C(配列認識
番号436)
【化338】
およびTH41N(配列認識番号437)
【化339】
40
をコードする合成オリゴヌクレオチドと、プライマー42KTH41(配列認識番号43
8)
【化340】
および42KVQ1(配列認識番号433)とを用いて159bp PCR誘導断片を、
第2のPCRでTH4.1のコード配列に融合した。プライマー42KTH41(配列認
50
(245)
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識番号438)およびBAMVQ(配列認識番号441)
【化341】
を用いた第3のPCRのためにテンプレートとして合成オリゴヌクレオチドVQC(配列
認識番号439)
【化342】
10
およびVQN(配列認識番号440)
【化343】
並びに断片を用いて、5′末端でBamHI部位を包含して、この210bp PCR誘
導断片を5′末端に伸長した。続いてのヌクレオチド配列分析により、42KTH41の
上記配列の下線により示したような位置24後に外来の塩基(A)が挿入されているよう
20
なオリゴヌクレオチド42KTH41(配列認識番号438)の配列中のエラーが示され
た。これは、テンプレートとしてのBAMVQ入れ441)および42KTH41A(配
列認識番号442)
【化344】
による第3のPCRから誘導した272bp断片を用いて最終PCで訂正した。最終PC
R後、カセットは、XhoIとBamHI部位3′を有する42K−TH4.1に対して
BamHI、PstI、およびSmaI部位5′を含有した。この271bp PCR誘
導断片をBamHIで切断し、pBS−SK+(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)のB
30
amHI部位にクローニングし、プラスミドpVQ42KTH4.1を産生した。このプ
ラスミドのヌクレオチド配列分析により、プロモーターとコード領域の配列を正確であっ
たことが確認された。しかしながら、3bpの欠損が生じ、3′BamHI部位の損失と
なった。
【0932】
プラスミドpT1T2TH4.1の構築
これらの3つのカセットを、I3L−T1が以下の方法の他の2つの遺伝子に対して反対
方向となるように特異プラスミドpT1T2TH4.1に結合した:170bp Hin
dIII/XhoI断片をp731T1から単離し、同様に切断したpH6T2に連結し
、pT1T2を産生した。pVQ42KTH4.1からの290bp BamHI/Sa
40
cI断片を同様に切断したpT1T2に連結し、pT1T2TH4.1を産生した。挿入
物の配列をヌクレオチド配列分析により確認した。
【0933】
pC5LSP(実施例66に定義した)をEcoRIで切断し、アルカリホスファターゼ
で処理し、NotIで切断し線状精製して自己連結した自己アニールしたオリゴヌクレオ
チドCP29(配列認識番号363)
【化345】
に連結した。この方法によりNotI部位をpC5LSPに導入し、pNC5LSP5を
50
(246)
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産生した。
【0934】
それぞれのプロモーターによりドライブされたエピトープの遺伝子を含有されるpT1T
2TH4.1からの602bp XhoI断片を、供与体プラスミドpNC5LSP5お
よびpSD550(実施例59で定義した)のXhoI部位にクローニングした。ヌクレ
オチド配列分析を用いて挿入物の配列と配置を確認した。産生したプラスミドpC5T1
T2TH4.1およびpI4T1T2TH4.1を、ALVACおよびNYVACととも
に生体外組換え実験に用いて、それぞれ組換えウイルスvCP146およびvP1062
を産生した。これらの組換えウイルスは、ウイルスプラークに対する特異的DNAプロー
ブのハイブリダイゼーションにより所望の遺伝子を含有することが示された。
10
【0935】
実施例105−HIV−1 envからの形質膜アンカードメイン有するものと有さない
HIV−1 envのT1、T2、およびTH4.1エピトープを含有する2つの融合ペ
プチドの発現
組換えポックスウイルスvP1060、vP1061、vCP154およびvCP148
を産生し、切断可能リンカー領域によるHIV−1 envのT1、T2、およびTH4
.1に対応する配列に結合したHIV−1 envからのシグナル配列からなる融合ペプ
チドを発現した。vP1060およびvCP154は、vP1061およびvCP148
とは異なり、これは前者の組換えウイルスがHIV−1 envの形質膜領域に対応する
配列とともに融合ペプチドを発現する点からである。
20
【0936】
両方の融合ペプチドは、HIV−1(IIIB)envの51アミノ酸N末端部分、ラト
ナーら(1985)に基づく残留物1−50(開始Metを加える)を含有する。このシ
グナル領域(配列認識番号443)のアミノ酸配列は、
【化346】
である。これには、互いにシグナルから離れたT1、T2、およびTH4.1エピトープ
(ホスマリンら、1991)、および存在する場合にはアンカー配列が続き、長さで5の
アミノ酸までの切断可能リンカー領域が続く。ペプチド(配列認識番号444)のこの領
30
域のアミノ酸配列は、
【化347】
である。アンカードメインは、HIV−1(IIIB)envの28アミノ酸形質膜領域
、残留物691−718である。この領域(配列認識番号445)のアミノ酸配列は、
【化348】
40
である。
【0937】
融合ペプチドの両方のバージョンに関して、プライマーH6PCR1(配列認識番号36
4)およびPCRSIGT1(配列認識番号446)
【化349】
を用いてプラスミドpH6HIIIBEM(実施例18で定義した)からPCRによりH
6プロモーターおよびHIV−1 envシグナル配列を誘導した。この314bp P
50
(247)
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CR誘導断片は、5′HindIII部位と続くH6プロモーターおよびシグナル、リン
カー、並びにT1ペプチドの最初の6アミノ酸のコード配列からなる。
【0938】
プライマーPCRT1T2(配列認識番号449)
【化350】
およびPCRT4END(配列認識番号450)
【化351】
10
を用いてオリゴヌクレオチドT2T4A(配列認識番号447)
【化352】
およびT2T4TB(配列認識番号448)
【化353】
20
のPCR増幅により、形質膜領域のない構成のコード領域の残りを産生した。この177
bp PCR誘導断片は、T1ペプチド、リンカー領域、T2ペプチド、別のリンカー領
域、およびTH4.1ペプチド、それに続く3′XbaI部位をコードする。この断片を
、プライマーH6PCR1(配列認識番号364)およびPCRT4END(配列認識番
号450)のPCRによりプロモーターおよびシグナル配列を含有する314bp PC
R誘導断片と融合した。この473bp PCR誘導断片のHindIIIとXbaIで
の切断の後、455bpの断片をアガロースゲルから単離し、同様に切断したpBS−S
30
Kに連結し、ヌクレオチド配列分析により挿入物の配列を確認した。産生したプラスミド
をpBST1T2TH4.1と称した。
【0939】
プライマーPCRT1T2(配列認識番号449)およびPCRT4TM(配列認識番号
451)
【化354】
を用いてオリゴヌクレオチド、T2T4A(配列認識番号447)およびT2T4TB(
40
配列認識番号448)のPCR増幅により、形質膜アンカーを有するバージョンのコード
領域の残りを産生し、3′末端を改変して形質膜領域を収容した。この195bp PC
R誘導断片を、プライマーPCRT1T2(配列認識番号449)およびPCRTMEN
D(配列認識番号450)を用いてアンカーからなるオリゴヌクレオチド、HIVTM1
(配列認識番号403)およびHIVTM2(配列認識番号404)のPCRにより融合
した。この276bp PCR誘導断片を、プライマーH6PCR1(配列認識番号36
4)およびPCRTMEND(配列認識番号450)のPCRによりプロモーターおよび
シグナル配列を含有する314bp PCR誘導断片と融合した。この572bp PC
R誘導断片のHindIIIおよびXbaIでの切断後、554bpの断片をアガロース
ゲルから単離し、同様に切断したpBSに連結し、ヌクレオチド配列分析により挿入物の
50
(248)
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配列を確認した。産生したプラスミドをpBST1T2TH4.1Aと称した。
【0940】
pC5LSP(実施例66に定義した)をBamHIで切断し、アニールしたオリゴヌク
レオチドCP32(配列認識番号406)およびCP33(配列認識番号407)に連結
し、pVQC5LSP6を産生した。pVQC5LSP6をEcoRIで切断し、アルカ
リホスファターゼで処理し、NotIで切断し線状精製して自己連結した自己アニールし
たオリゴヌクレオチドCP29(配列認識番号363)に連結した。この方法によりNo
tI部位をpVQC5LSP6に導入し、pNVQC5LSP7を産生した。
【0941】
両カセットを挿入プラスミドpNVQC5LSP7のXhoIとXbaI部位の間にそれ
10
ぞれ配した。これらのプラスミドpC5ST1T1TH4.1およびpC5ST1T2T
H4.1Aを用いて、それぞれC5座中にカナリヤポックスウイルス組換え体、vCP1
48およびvCP154を産生した。BamHI−SmaI断片をpC5ST1T1TH
4.1およびpC5ST1T2TH4.1Aから切除し、同様に切断したpSD550(
実施例59に定義した)に連結し、それぞれプラスミドpI4ST1T2TH4.1およ
びpI4ST1T1TH4.1Aを産生した。これらのプラスミドをNYVACのI4座
のIVRに用いて、それぞれ組換え体vP1061およびvP1060を産生した。これ
らの組換え体は、ウイルスプラークに対する特異的DNAプローブのハイブリダイゼーシ
ョンにより所望の遺伝子を含有することが示された。
【0942】
20
実施例106−ALVAC、TROVAC、およびNYVAC中のHIV−1 nefの
発現
HIV−1 nef(MN)を発現する、組換えポックスウイルスvP1084、vFP
174、およびvCP168を以下のように産生した:
プライマーI3PCR1(配列認識番号452)
【化355】
およびPI3NEF2(配列認識番号453)
【化356】
30
を用いて、プラスミドpMPI3HからPCRによりI3Lプロモーターを誘導した。プ
ライマーPI3NEF1(配列認識番号454)
【化357】
およびPNEFBAM(配列認識番号455)
【化358】
40
を用いて、pMN1.8−10(7792と9595でのSstI部位の間のMNゲノム
のその部分のクローン)のPCR増幅により、nefのコード領域を産生した。コード領
域とプロモーターとの融合は、プライマー(配列認識番号452)およびPNEFBAM
(配列認識番号455)を用いて、以前のPCR産生物の増幅により行なった。この産生
物のBamHIでの切断後に、0.7kbの断片をアガロースゲルから単離し、同様に切
断したpBS−SK+(CA、ラジョラ、ストラタジェネ)に連結し、プラスミドpI3
NEFを産生した。配列異常が最初に観察されたのがこの時点であった。プラスミドpM
N1.8−10における異常のために、カセットの配列は公表された配列(ガーゴら、1
50
(249)
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988、ゲンバンク承認番号M17449)とは異なると決定した。これらの違いは、公
表された配列と比較して以下のように要約する。
【0943】
【化359】
10
カセット中の2つのサイレント突然変異(位置8834と9127で)はPCR中で明確
な誤差である。コードしたタンパク質には効果がないので、これらは存続し続けた。99
30でのフレームシフトにより、他のHIV−1単離体をより密接に組み立てる伸長した
読取り枠が生じる。NM単離体からのnefの公表されたサイズのままでいるには、この
カセットにはコード領域の切形3′末端を産生する第4のPCRが必要である。
【0944】
位置9930での余分な塩基の除去は、プライマーI3PCR1(配列認識番号452)
およびPNEFFIX1(配列認識番号456)
20
【化360】
によるpI3NEF中の挿入物のPCR増幅により行なった。この678bp PCR誘
導断片のBamHIでの切断後、660bpの断片をアガロースゲルから単離して、同様
に切断したpBSに連結し、プラスミドpBSI3NEFを産生した。この挿入物をヌク
レオチド配列分析により確認した。
【0945】
nef遺伝子を含有するpBSI3NEFからの660bp BamHI断片を、挿入プ
30
ラスミドpNVQC5LSP7(実施例105で定義した)のBamHI部位に配した。
産生したプラスミドpC5I3NEFを、ALVACのC5座へのIVRに用いて、組換
え体vCP168を産生した。また同一の660bp BamHI断片を、挿入プラスミ
ドpSD550VC(実施例59で定義した)のBamHI部位に配し、プラスミドpI
4I3NEFを産生した。NYVACを有するこのプラスミドに関するIVRにより組換
え体vP1084を産生した。
【0946】
TROVACのF16座の挿入プラスミドを以下のように誘導した。7.3kb Nae
I/NdeI断片を、タータグリアら(1990)により記載された鶏痘ウイルスの10
.5kb HindIII断片を含有するプラスミドから単離し、同様に切断したpUC
40
9に連結し、プラスミドpRW866を産生した。
【0947】
pUC9をPvuIIで切断し、EcoRIリンカーをPvuII部位の間に連結し、プ
ラスミドpRW715を産生した。鶏痘配列を側腹に有するクローニング部位を、プライ
マーRW264(配列認識番号457)
【化361】
およびRW267(配列認識番号458)
50
(250)
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【化362】
を有する10.5kb断片の部分のPCR増幅により産生した。隣接した領域もまた、プ
ライマーRW266(配列認識番号459)
【化363】
およびRW265(配列認識番号460)
【化364】
10
を用いたPCRにより増幅した。これらのPCR誘導断片を、プライマーRW266(配
列認識番号459)およびRW267(配列認識番号458)を用いた第3のPCRによ
り融合した。産生したPCR誘導断片は、5′EcoRI部位および3′NdeI部位を
側腹に有する鶏痘配列からなる。この断片の中央は、NotI部位および6つの読取り枠
中の翻訳終止コドンを側腹に有し、SmaI、BamHI、およびHindIII部位を
含有するポリクローニング領域である。初期転写終止シグナル(ユエンおよびモス、19
87)は3′NotI部位に隣接している。EcoRIとNdeIで切断した、このPC
20
R誘導断片を、同様に切断したpRW715に連結し、プラスミドpRW864を産生し
た。11kプロモートしたlac Z遺伝子を、部分的なBamHIの切断と全体的なP
stIの切断によりpAM1から切除した。この断片をクレノウポリメラーゼでブラント
エンドし、SmaI切断したpRW864に連結し、pRW867Aを産生した。Not
I部位が、FspI部位に連結される場合に再産生されるように、pRW867Aからの
NotI断片を、dNTPの存在下でクレノウポリメラーゼでブラントエンドし、挿入が
タータグリアら(1990)により記載された位置1955に対応して行なわれるように
部分的にFspIで切断されたpRW866に連結した。次いで産生したプラスミドpR
W868をNotIで切断し、lac Zカセットを除去し、NotI切断により切除さ
れたpRW864からの66bp ポリリンカーに連結した。産生したプラスミドをpR
30
W673と称した。81bp SmaI断片をpVQ42KTH4.1(実施例104で
定義した)から誘導し、SmaI切断したpRW873に挿入し、プラスミドpVQ87
3を産生した。
【0948】
nefカセットを、pVQ873および続いてIVRによるTROVACのF16座への
挿入のための684bp HindIII断片としてpBSI3NEFから切除し、vF
P174を産生した。
【0949】
実施例107−NYVAC中のHIV−2遺伝子の発現
NYVAC/HIV2 gag/pol組換え体の産生
2型ヒト免疫不全ウイルス(HIV2)gagおよびpol遺伝子を含有する、プラスミ
ド、pISSYEGPをDr.G.フランチーニ(NCI−NIH)から得た。このプラ
スミドからのgagおよびpol遺伝子を、I3Lプロモーターの下流とワクシニアウイ
ルスtkフランキングアームの間に挿入した。これは、HIV2 gagおよびpol遺
伝子を含有するpISSYEGPの4,440bp BstUI−BglII断片、およ
びI3Lプロモーターを含有するオリゴヌクレオチドHIV2L1(配列認識番号461
)
【化365】
40
(251)
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とSIVL1(配列認識番号181)を、pSD542(実施例32に定義した)の4,
070bp XhoI−BglII断片にクローニングすることにより行なった。この操
作により産生したプラスミドをpHIV21と称する。
【0950】
次いで外来3′非コード配列を除去した。これは、pol遺伝子の3′末端を含有する2
80bp BclI−SmaI PCR断片をpHIV21の8,100bp BclI
−SmaI断片にクローニングすることにより行なった。このPCR断片を、オリゴヌク
10
レオチド、HIV2P2(配列認識番号462)
【化366】
およびHIV2P3(配列認識番号463)
【化367】
を有する、プラスミドpISSYEGPから産生した。この操作により産生したプラスミ
ドをpHIV22と称する。
20
【0951】
pHIV22を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実験に用
いてvP1045を産生した。
【0952】
免疫沈降分析を行なって、vP1045が真正HIV2 gag遺伝子産生物を発現する
か否かを測定した。ベロ細胞単層を、疑似感染せしめたか、10PFU/細胞のm.o.
i.で親ウイルスに感染せしめたか、またはvP1045に感染せしめた。1時間の吸着
時間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S]−メチオニン(
20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地(メチオニンを含まない)を添
加した。1mlの3×緩衝液A(3% NP−40、30mM トリス(pH7.4)、
30
3mM EDTA、0.03% Na Azideおよび0.6mg/ml PMSF)
の添加と続いての細胞単層の削取りにより感染から18時間後に細胞を収集した。
【0953】
HIV2血清陽性個体から採取した血清(MD、ベセスダ、NCI−NIH、Dr.G.
フランチーニ(NCI−NIH)から得た)を用いて、感染細胞からの溶解産物をHIV
2 gag発現に関して分析した。血清をvP866感染ベロ細胞で前吸着した。前吸着
した血清を4℃で一晩タンパク質Aセファロースに結合せしめた。このインキュベーショ
ン期間後、物質を1×緩衝液Aで4回洗浄した。次いで通常ヒト血清とタンパク質AAセ
ファロースで前浄化した溶解産物をタンパク質Aセファロースに結合したHIV2血清陽
性での4℃で一晩インキュベーションした。一晩のインキュベーション期間後、試料を1
40
×緩衝液Aで4回、2×LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した。2×のラエムリ緩衝
液(125mM トリス(pH6.8)、4% SDS、20% グリセロール、10%
2−メルカプトエタノール)の添加と5分間の沸騰により、免疫複合体から沈殿したタン
パク質を分離した。タンパク質を10%ドリファスゲルシステム(ドリファスら、198
4)で分画し、固定し、フルオログラフィーのために1MのNa−サリチル酸塩で処理し
た。
【0954】
HIV2血清陽性個体からのヒト血清は、vP1045感染細胞からHIV2gag前駆
体タンパク質、並びに様々な中間体および熟成gag切断タンパク質産生物を特異的に沈
殿せしめたが、疑似感染細胞またはNYVAC感染細胞からはHIV2特異的タンパク質
50
(252)
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を沈殿せしめなかった。
【0955】
実施例108−NYVAC/HIV2 gag/polおよびenv(gp160)組換
え体の産生
HIV2 gagおよびpol遺伝子を含有するプラスミド、pISSYEGPをDr.
G.フランチーニ(NCI−NIH)から得た。このプラスミドからのgagおよびpo
l遺伝子をI3Lプロモーターの下流とワクシニアウイルスtkフランキングアームの間
にクローニングした。これは、上述したように最初にプラスミドpHIV22を調製する
ことにより行なった(実施例107参照)。
【0956】
10
pHIV22を治療ウイルスとしてのvP920とともに組換え実験に用いて、vP10
47を産生した。
【0957】
上述したように、HIV2 gagタンパク質の発現に関してvP1047感染細胞の免
疫沈降実験を行なった。疑似感染細胞からはHIV2特異種は沈殿しなかった。しかしな
がら、vP1047感染細胞の溶解産物からは、HIV2 envおよびgag前駆体タ
ンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切断産生物が沈殿し
た。
【0958】
実施例109−NYVAC/HIV2 gag/polおよびenv(gp120)組換
20
え体の産生
HIV2 gagおよびpol遺伝子を含有するプラス
ミド、pISSYEGPをDr.G.フランチーニ(NCI−NIH)から得た。このプ
ラスミドからのgagおよびpol遺伝子をI3Lプロモーターの下流とワクシニアウイ
ルスtkフランキングアームの間にクローニングした。これは、上述したように最初にプ
ラスミドpHIV22を調製することにより行なった(実施例107参照)。
【0959】
pHIV22を治療ウイルスとしてのvP922とともに組換え実験に用いて、vP10
44を産生した。
【0960】
30
上述したように、HIV2 gagタンパク質の発現に関してvP1044感染細胞の免
疫沈降実験を行なった。疑似感染細胞からはHIV2特異種は沈殿しなかった。しかしな
がら、vP1044感染細胞の溶解産物からは、HIV2 envおよびgag前駆体タ
ンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag切断産生物が沈殿し
た。
【0961】
実施例110−ALVAC中のHIV2遺伝子の発現
ALVAC/HIV2 gag/polおよびenv(gp160)組換え体の産生
プラスミド、pBSH6HIV2ENVはH6プロモートしたHIV2 env(gp1
60)遺伝子を含有する。このプラスミドからのH6プロモートしたenv遺伝子をカナ
40
リヤポックスフランキングアームの間にクローニングした。これは、H6プロモートした
env遺伝子を含有する、pBSH6HIV3ENVの2,700bp XhoI−Sa
cII断片、およびオリゴヌクレオチド、HIV2L4(配列認識番号464)
【化368】
とHIV2L5(配列認識番号465)
【化369】
50
(253)
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を、pC6LのXhoI−EcoRI部位にクローニングすることにより行なった。この
操作により産生したプラスミドをpHIV23と称する。
【0962】
次いでHIV2 gagおよびpol遺伝子をpHIV23にクローニングした。これは
、I3LプロモートしたHIV2 gagおよびpol遺伝子を含有する、pHIV22
の4,450bp XmaI−NotI断片、およびオリゴヌクレオチド、HIV2L6
(配列認識番号423)とHIV2L7(配列認識番号424)を、pHIV23の7,
000bp XmaI−XhoI断片にクローニングすることにより行なった。この操作
により産生したプラスミドをpHIV25と称する。
【0963】
10
pHIV25を治療ウイルスとしてのCPpp(ALVAC)とともに組換え実験に用い
てvCP153を産生した。
【0964】
免疫沈降分析を行なって、vCP153が真正HIV2 gagおよびenv遺伝子産生
物を発現するか否かを測定した。CEF細胞単層を、疑似感染せしめたか、10PFU/
細胞のm.o.i.で親ウイルスに感染せしめたか、またはvCP153に感染せしめた
。1時間の吸着時間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清および[
3 5
S]
−メチオニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地(メチオニンを
含まない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3% NP−40、30mM トリス(
pH7.4)、3mM EDTA、0.03% Na Azideおよび0.6mg/m
20
l PMSF)の添加と続いての細胞単層の削取りにより感染から18時間後に細胞を収
集した。
【0965】
HIV2血清陽性個体から採取した血清(MD、ベセスダ、NCI−NIH、Dr.G.
フランチーニ(NCI−NIH)から得た)を用いて、感染細胞からの溶解産物をHIV
2 gagおよびenv遺伝子発現に関して分析した。血清をCPpp感染CEF細胞で
前吸着した。前吸着した血清を4℃で一晩タンパク質Aセファロースに結合せしめた。こ
のインキュベーション期間後、物質を1×緩衝液Aで4回洗浄した。次いで通常ヒト血清
とタンパク質AAセファロースで前浄化した溶解産物をタンパク質Aセファロースに結合
したHIV2血清陽性での4℃で一晩インキュベーションした。一晩のインキュベーショ
30
ン期間後、試料を1×緩衝液Aで4回、2×LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した。
2×のラエムリ緩衝液(125mM トリス(pH6.8)、4% SDS、20% グ
リセロール、10% 2−メルカプトエタノール)の添加と5分間の沸騰により、免疫複
合体から沈殿したタンパク質を分離した。タンパク質を10%ドリファスゲルシステム(
ドリファスら、1984)で分画し、固定し、フルオログラフィーのために1MのNa−
サリチル酸塩で処理した。
【0966】
HIV2血清陽性個体からのヒト血清は、vCP153感染細胞からHIV2envおよ
びgag前駆体タンパク質、並びに様々な中間体および熟成gag切断タンパク質産生物
を特異的に沈殿せしめたが、疑似感染細胞またはCPpp感染細胞からはHIV2特異的
40
タンパク質を沈殿せしめなかった。
【0967】
実施例111−NYVAC/SIV env(gp120−gp28)およびgag(プ
ロテアーゼ
− )組換え体のNYVAC産生におけるSIV 遺伝子の発現
免疫沈降分析を行なって、vP948(実施例21で定義した)が真正SIVgagおよ
びenv遺伝子産生物を発現するか否かを測定した。ベロ細胞単層を、疑似感染せしめた
か、10PFU/細胞のm.o.i.で親ウイルスに感染せしめたか、またはvP948
に感染せしめた。1時間の吸着時間後、接種物を吸引し、細胞に、2%のウシ胎仔血清お
よび[
3 5
S]−メチオニン(20μCi/ml)を含有する2mlの修飾イーグル培地
(メチオニンを含まない)を添加した。1mlの3×緩衝液A(3% NP−40、30
50
(254)
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mM トリス(pH7.4)、3mM EDTA、0.03% Na Azideおよび
0.6mg/mlPMSF)の添加と続いての細胞単層の削取りにより感染から18時間
後に細胞を収集した。
【0968】
SIV血清陽性マカク(MD、ベセスダ、NCI−NIH、Dr.G.フランチーニ(N
CI−NIH)から得た)を用いて、感染細胞からの溶解産物をSIVgagおよびen
v前駆体発現に関して分析した。血清をvP866´NYVAC)感染ベロ細胞で前吸着
した。前吸着した血清を4℃で一晩タンパク質Aセファロースに結合せしめた。このイン
キュベーション期間後、物質を1×緩衝液Aで4回洗浄した。次いで通常ヒト血清とタン
パク質AAセファロースで前浄化した溶解産物をタンパク質Aセファロースに結合したS
10
IV血清陽性マカクでの4℃で一晩インキュベーションした。一晩のインキュベーション
期間後、試料を1×緩衝液Aで4回、2×LiCl2 /尿素緩衝液で2回洗浄した。2
×のラエムリ緩衝液(125mM トリス(pH6.8)、4% SDS、20% グリ
セロール、10% 2−メルカプトエタノール)の添加と5分間の沸騰により、免疫複合
体から沈殿したタンパク質を分離した。タンパク質を10%ドリファスゲルシステム(ド
リファスら、1984)で分画し、固定し、フルオログラフィーのために1MのNa−サ
リチル酸塩で処理した。
【0969】
SIV血清陽性個体からのカマクは、vP948感染細胞からはSIV gag前駆体タ
ンパク質およびエンベロープ糖タンパク質を特異的に沈殿せしめたが、疑似感染細胞から
20
はSIV特異的タンパク質を沈殿せしめなかった。
【0970】
実施例112−NYVAC/SIV gag/pol組換え体の産生
SIVMAC142cDNA配列を含有するプラスミド、pSIVGAGSS11GをD
r.G.フランチーニ(NCI−NIH)から得た。このプラスミドからのgagおよび
pol遺伝子をI3Lプロモーターの下流およびワクシニアウイルスtkフランキングア
ームの間にクローニングした。これは前述したようにプラスミドpSIVG5を調製する
ことにより行なった(実施例21参照)。
【0971】
次いで外来の3′非コード配列を除去した。これは、pol遺伝子の3′末端を含有する
30
、1,000bp BamHI−HpaI PCR断片を、pSIVG1の7,400b
p 部分的BamHI−HpaI断片にクローニングすることにより行なった。このPC
R断片を、オリゴヌクレオチド、SIVP5(配列認識番号183)およびSOVP6(
配列認識番号184)を有するプラスミド、pSIVGAGSS11Gから産生した。こ
の操作により産生したプラスミドをpSIVG4と称する。
【0972】
配列分析により、pSIVG4がpol遺伝子内に単一の塩基対欠損を含有することが分
かった。この誤差を訂正するために、pSIVG1の2,320bpBglII−Stu
I断片をpSIVG4の6,100bp 部分的BglII−StuI断片にクローニン
グした。この操作により産生したプラスミドをpSIVG5と称する。
40
【0973】
pSIVG5を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに組換え実験に用
いてvP1042を産生した。
【0974】
SIV envおよびgag前駆体タンパク質に関して前述したように、vP1042感
染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細胞から
はSIV特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP1042感染細胞の溶解産物から
は、gag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成gag
切断産生物が沈殿した。
【0975】
50
(255)
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実施例113−NYVAC/SIV gag/polおよびenv(gp120−gp4
1)組換え体の産生
pSIVG5(実施例21)を治療ウイルスとしてのvP1050とともに組換え実験に
用いてvP1071を産生した。
【0976】
vP1071感染細胞の免疫沈降実験によりSIV遺伝子の発現が示される。
【0977】
実施例114−NYVAC/SIV gag/polおよびenv(gp120−gp2
8)組換え体の産生
pSIVG5(実施例21)を治療ウイルスとしてのvP874とともに組換え実験に用
10
いてvP943を産生した。SIV envおよびgag前駆体タンパク質の発現に関し
て、前述したようにvP943感染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞か
らはSIV特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP943感染細胞からは、env
およびgag前駆体タンパク質に対応するタンパク質種、並びに様々な中間体と熟成ga
g切断産生物が沈殿した。
【0978】
実施例115−NYVAC/SIV p16、p28組換え体の産生
SIV envおよびgag前駆体タンパク質の発現に関して、上述したようにvP94
2(実施例21)感染細胞の免疫沈降実験を行なった。しかしながら、vP942感染細
胞の溶解産物からは、p16およびp28に対応するタンパク質種が沈殿した。
20
【0979】
実施例116−NYVAC/SIV p16、p28およびenv(gp120−gp2
8)組換え体の産生
SIV envおよびgag前駆体タンパク質の発現に関して、上述したようにvP95
2(実施例21)感染細胞の免疫沈降実験を行なった。しかしながら、vP952感染細
胞の溶解産物からは、env、p16およびp28に対応するタンパク質種が沈殿した。
【0980】
実施例117−NYVAC/SIV env(gp120−gp41)組換え体の産生
プラスミド、pSIVEMVCは、H6プロモートしたSIVMAC142エンベロープ
遺伝子(生体外選択切形バージョン)を含有する。未熟終止コドンを含有するエンベロー
30
プ遺伝子の領域をpBSK+にクローニングした。これは、pSIVEMVCの1,12
0bp ClaI−BamHI断片をpBSK+のClaI−BamHI部位にクローニ
ングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドをpSIV10と称す
る。
【0981】
次いで上流の終止コドン、TAGを起点CAGコドンに改変した。これは、オリゴヌクレ
オチド、SIVL20(配列認識番号466)
【化370】
40
およびSIVL21(配列認識番号467)
【化371】
を、pSIV10の4,000bp NheI−PpuMI断片にクローニングすること
により行なった。この操作により産生したプラスミドをpSIV11と称する。
【0982】
次いで改変コドンを含有する領域をpSIVEMVCにクローニングした。これは、終止
50
(256)
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コドンを含有する、pSIV11の380bp BglII−NheI断片をpSIVE
MVCの5,600bp 部分的BglII−NkheI断片にクローニングすることに
より行なった。この操作により産生したプラスミドをpSIV12と称する。
【0983】
pSIV12を治療ウイルスとしてのvP866(NYVAC)とともに生体外組換え実
験に用いてvP1050を産生した。
【0984】
SIV envおよびgag前駆体タンパク質の発現に関して、前述したようにvP10
50感染細胞の免疫沈降実験を行なった。疑似感染ベロ細胞またはNYVAC感染ベロ細
胞からはSIV特異種は沈殿しなかった。しかしながら、vP1050感染細胞の溶解産
10
物からは、envに対応するタンパク質種が沈殿した。
【0985】
実施例118−ALVAC中のSIV遺伝子の発現
ALVAC/SIV gag/pol組換え体の産生
SIVMAC142cDNA配列を含有する、プラスミド、pSIVGAGSS11Gは
、Dr.G.フランチーニ(NCI−NIH)から得た。このプラスミドからのgagお
よびpol遺伝子を、I3Lプロモーターの下流とワクシニアウイルスフランキングアー
ムの間にクローニングした。これは、前述したように最初にプラスミドpSIVG5を調
製することにより行なった(実施例21参照)。
【0986】
20
次いでgag/pol遺伝子をカナリヤポックスフランキングアームの間にクローニング
した。I3Lプロモートしたgag/pol遺伝子を含有する、pSIVG5の4,50
0bp SmaI−NotI断片をpC5L(実施例44で定義した)のSmaI−No
tI部位にクローニングすることにより行なった。この操作により産生したプラスミドを
pSIVGC13と称する。
【0987】
pSIVGC13を治療ウイルスとしてのCPpp(ALVAC)とともに組換え実験に
用いてvCP172を産生した。
【0988】
vCP172感染細胞の免疫沈降実験によりSIV遺伝子の発現が示される。
30
【0989】
実施例119−狂犬病糖タンパク質を発現するカナリヤポックスを用いてヒトの免疫(A
LVAC−RG;vCP65)
実施例15および第17図に記載したように、ALVAC−RG(VCP65)を産生し
た。拡張とワクチン製造のために、特定病原体感染防止条件卵から誘導した初代CEFに
おいてALVAC−EG(vCP65)を増殖させた。0.01の多重度で細胞を感染せ
しめ、37℃で3日間インキュベーションした。
【0990】
感染細胞の血清不含有培地中の超音波分裂により、ワクチンウイルス懸濁液を得た;次い
で細胞デブリを遠心分離と濾過により除去した。産生した浄化懸濁液に、1回の投与量の
40
ガラスびんに分配され凍結乾燥せしめられた凍結乾燥安定剤(アミノ酸の混合物)を補給
した。凍結乾燥の前に、血清不含有培地と凍結乾燥安定剤の混合物中のウイルス懸濁液を
連続の10倍希釈により、力価を減少させる3つのバッチを調製した。
【0991】
細胞基質、培地およびウイルス種並びに、外来剤の探求と研究所のげっ歯動物の無害性に
重点を置いた最終産生物に品質管理試験を施した。所望の特徴は見られなかった。
【0992】
前臨床データ
生体外研究により、VEROまたはMRC−5細胞はALVAC−RG(vCP65)の
増殖を指示しないこと;一連の8(VERO)および10(MRC)ブラインド血清継代
50
(257)
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ではこれらの非アビアン系において増殖するウイルスの適応は検出可能とはならなかった
ことが示された。ヒト細胞株の分析(MCR−5、WISH デトロイト532、HEL
、HNKまたはEBC転換リンパ球幼若化ALVAC−RG(vCP65))は、これら
の細胞中で複製のブロックがDNA合成の前に生じることを示唆するウイルス特異的DN
Aの蓄積を示さなかった。しかしながら、試験した全ての細胞株の狂犬病ウイルス糖タン
パク質遺伝子の発現は、カナリヤポックス複製サイクルの不完全工程がウイルスDNA複
製の前に生じることを明らかに示している。
【0993】
ALVAC−RG(vCP65)の安全性および効能を動物の一連の実験に報告した。カ
ナリヤ、鶏、アヒル、ガチョウ、研究所のげっ歯動物(乳獣と成長したマウス)、ハムス
10
ター、モルモット、ウサギ、ネコおよびイヌ、リスサル、アカゲサルマカク、およびチン
パンジーを含む多くの種に10
5 から10
8 pfuの範囲の投与量で接種した。様々
な経路を用いたが、通常は皮下、筋内および皮内であるが、または口頭(サルとマウス)
および大脳内(マウス)もまた用いた。
【0994】
カナリヤにおいて、ALVAC−RG(vCP65)は、病気または死の徴候を示さず乱
切の部位で「生着」外傷を生じた。ウサギの皮内接種は、広がらず7日から10日で直っ
た典型的なポックスウイルス接種反応となった。どの動物試験においても、カナリヤポッ
クスのための副作用は生じなかった。急速蛍光焦点阻害試験(Rapid Fluore
scent Focus Inhibition Test;RFFIT)により測定し
20
たように、げっ歯動物、イヌ、ネコ、および霊長目動物へのALVAC−RG(vCP6
5)の接種後、抗狂犬病抗体の発達により、免疫抗原性を証明した。また、ALVAC−
RG(vCP65)で免疫したマウス、イヌ、およびネコにおける狂犬病ウイルス抗原投
与実験により防御を証明した。
【0995】
志願者
狂犬病免疫の前歴のない20−45才の25人の大人を登録した。志願者の健康状態を、
完全な医学経歴、物理試験、血液学的および血液化学分析により評価した。除外基準は、
妊娠、アレルギー、あらゆる種類の免疫低下、慢性衰弱病、癌、過去3か月の免疫グロブ
リンの注射、およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)またはB型肝炎ウイルス表面抗原に
30
対する血清陽性を含んだ。
【0996】
研究設計
標準ディプロイド細胞狂犬病ワクチン(HDC)バッチE0751番(フランス、リヨン
、パスチュアーメリクス血清&ワクチン)または研究ワクチンALVAC−RG(vCP
65)のいずれかを接種するように、参加者を任意に分配した。
【0997】
その試みを投与量段階的拡大研究と称した。実験ALVAC−RG(vCP65)の3つ
のバッチを、各段階の間が2週間の間隔で、志願者の3つの群(A、B、およびC群)に
連続的に使用した。3つのバッチの濃度は、投与量当たり、それぞれ10
4 . 5 、10
5 . 5 3 . 5 、10
40
組織培養感染投与量(TCID50)であった。
【0998】
各志願者に、4週間の間隔で三角領域に皮内に同一のワクチンを2回接種した。注射した
ワクチンの性質は、最初の注射のときには参加者には知られていないが、試験者は知って
いた。
【0999】
2回目の注射の時に即座の超感受性の危険を最小限にするために、中間投与量の実験ワク
チンを分配したB群の志願者に、1時間前に低い投与量を注射し、高い投与量(C群)を
分配した志願者には、1時間の間隔で低い投与量と中間の投与量を連続して接種した。
【1000】
50
(258)
JP 3602844 B2 2004.12.15
6か月後、ALVAC−RG(vCP65)(C群)とHDCワクチンの最高の投与量を
接種した者は、3回目のワクチン投与を受けた;次いでその参加者には前と同一のワクチ
ンたまは改変ワクチンのいずれかを任意に接種した。結果として、以下の免疫計画に対応
して、4つの群を形成した:1.HDC、HDC−HDC;2.HDC、HDC−ALV
AC−RG(vCP65);3.ALVAC−RG(vCP65)、ALVAC−RG(
vCP65)−HDC;4.ALVAC−RG(vCP65)、ALVAC−RG(vC
P65)、ALVAC−RG(vCP65)。
【1001】
副作用の監視
注射後1時間に亘り全ての被実験者を監視し、次の5日間毎日再検査した。被実験者は、
10
次の3週間に亘り局部的および全身的反応を記録するように求められ、週に2回電話で質
問された。
【1002】
研究所の研究者
登録の前と、各注射の2、4、および6日後に血液を採取した。分析は、完全血球細胞算
定、肝臓酵素およびクレアチニンキナーゼアッセイを含んだ。
【1003】
抗体アッセイ
最初の注射の7日前と、研究の7、28、35、56、173、187、および208日
後に、抗体アッセイを行なった。
20
【1004】
急速蛍光焦点抑制試験(RFFIT)(スミス&イエーガー、狂犬病の研究所技術)を用
いて、狂犬病に対する中和抗体の水準を測定した。直接ELISAによりカナリヤポック
ス抗体を測定した。抗原である、0.1%のトリトンX100により分断された精製カナ
リヤポックスウイルスの懸濁液をマイクロ板に被膜した。固定化した血清の希釈物を室温
で2時間反応せしめ、反応抗体は抗ヒトIgGヤギ血清を標識したとが示された。結果を
490mnでの光学密度リードとして示した。
【1005】
分析
25人の対象を登録し、研究を完了した。この対象は、10人の男性と15人の女性であ
30
り、平均年齢は31.9(21から48)才であった。3人を除いた全ての対象は、前の
天然痘ワクチン接種の形跡があった;残りの3人は典型的な跡およびワクチン接種の経歴
がなかった。3人の対象に、低い投与量(10
3 . 5 )の実験ワクチンを投与し、9人の対象には10
および10
5 . 5 4 . 5 TCID50
TCID50を投与し、10人
の対象にHDCワクチンを投与した。
【1006】
安全性(表49)
最初の一連の免疫中、注射から24時間以内に、1人のHDC接種者(37.8℃)およ
び1人のvCP65 10
5 . 5 TCID50接種者(38℃)では37.7℃より高
い熱が測定された。ワクチン接種に帰する他の全身的な反応はどの参加者にも見られなか
40
った。
【1007】
皮内にHDCを注射した接種者の9/10と、それぞれvCP65 10
4 . 5 、10
5 . 5 3 . 5 、10
TCID50の接種者の0/3、1/3および9/9に局部的な
反応が見られた。
【1008】
テンダネス(tenderness)が最も一般的な症状であり、通常は軽かった。他の
局部的な症状は、赤味(redness)および軽く一時的な硬化(induratio
n)を含んだ。全ての症状は、通常24時間以内にやわらぎ、72以上は持続しなかった
。
50
(259)
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【1009】
血球細胞算定、肝臓酵素またはクレアチニンキナーゼ値には、著しい変化はなかった。
【1010】
免疫応答;狂犬病に対する中和抗体(表50)
最初の注射から28日後、全てのHDC接種者が防御力価(≧0.5IU/ml)を有し
た。これに対して、AおよびB群(10
誰もその値に達せず、C群(10
3 . 5 5 . 5 および10
4 . 5 TCID50)では
TCID50)における2/9のALVAC−
RG(vCP65)接種者のみがこの防御力価に達した。
【1011】
56日目に(すなわち、2回目の接種から28日後)、ALVAC−RG(vCP65)
10
ワクチンの接種者のA群の0/3、B群の2/3およびC群の9/9において、防御力価
が達成され、10人のHDC接種者全てに保持された。
【1012】
56日での幾何学的平均力価は、A、B、CおよびHDC群においてそれぞれ0.05、
0.47、4.4および11.5 IU/mlであった。180日目には、狂犬病抗体力
価は全ての対象において実質的に減少したが、5/10のHCD接種者と5/9のALV
AC−RG(vCP56)接種者においては0.5IU/mlの最小防御力価より上の値
を保持した;HCDおよびC群における幾何学平均力価は、それぞれ0.51および0.
45 IU/mlであった。
【1013】
20
カナリヤポックスウイルスに対する抗体(表51)
高い力価を有するそれらの対象におけるカナリヤ鳥との前の接触の欠如にもかかわらず、
観察された前免疫力価は、0.22から1.23 O.D.単位に変化する力価とともに
大きく変化した。前免疫と2回目の注射力価の間で2倍より大きい増加と定義した場合、
血清転化はB群の1/3およびC群の9/9に達成されたが、AまたはHDC群において
は血清転化された対象はいなかった。
【1014】
追加抗原投与注射
追加抗原投与注射のときに、ワクチンは6か月後に同様に良好に耐性があった:2/9の
HDC追加抗原投与接種者および1/10のALVAC/RG(vCP65)追加抗原投
30
与接種者が熱を生じた。5/9のHDC追加抗原投与接種者と6/10のALVAC−R
G(vCP65)追加抗原投与接種者には、局部的反応が存在した。
【1015】
観察
第35図は、狂犬病中和抗体力価のグラフを示すものである(急速蛍光焦点抑制試験また
はRFFIT、IU/ml):同一または改変ワクチンのいずれかで以前に免疫した志願
者におけるHDCおよびvCP65(10
5 . 5 TCID50)の追加抗原投与効果。
ワクチンは0、28および180日に与えた。抗体力価は、0、7、28、35、56、
173、および187と208日に測定した。
【1016】
40
第35図に示すように、与えられた追加抗原投与量により、どのような免疫計画の対象全
てにおいても、狂犬病抗体力価がさらに増大することとなった。しかしながら、ALVA
C−RG(vCP65)追加抗原投与は全体的に、HDC追加抗原投与およびALVAC
−RG(vCP65)より低い免疫応答を誘発し、ALVAC−RG(vCP65)−A
LVAC−RG(vCP65)群は他の3つの群よりも著しく低い力価を有した。同様に
、ALVAC−RG(vCP65)追加抗原投与注射により、3/5の以前にHDCワク
チンを接種した対象、および以前にALVAC−RG(vCP65)で免疫した5人全て
の対象において、カナリヤポックス抗体力価の増大となった。
【1017】
一般的に、vCP65の投与からの局部的などの副作用も、ウイルスの局部的な複製を示
50
(260)
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さなかった。特に、ワクチンの注射後に観察されたような皮膚の外傷はなかった。ウイル
スの複製の明確な欠如にもかかわらず、注射により志願者に、カナリヤポックスベクター
および発現された狂犬病糖タンパク質の両方に対する著しい量の抗体を産生させた。
【1018】
マウスにおける血清中和化試験と良好に相関することが知られている急速蛍光焦点抑制試
験(RFFIT)により、狂犬病中和抗体をアッセイした。10
5 . 5 TCID50の
9人の接種者のうち、5人は最初の投与の後に低水準の応答を有した。試験した最高投与
量の接種者全て、および中間の投与量の3人のうち2人の接種者において、2回目の注射
後には、狂犬病抗体の防御力価が得られた。この研究において、両方のワクチンは、生ワ
クチンに通常推奨されているが、不活化HDCワクチンに推奨されない皮内に与えられた
10
。注射のこの経路は、注射部位の注意深い実験となるように選択されたが、これは、HD
C接種者における抗体の遅い発生となる:実際、どのHDC接種者も7日目荷は抗体の増
加とはならず、一方HDCワクチンが筋内に与えられる研究のほとんどの場合、対象の著
しい比率が抗体を増加させる(クレイトマンら、Int′l グリーンクロス−ジェネバ
、1981;クワートら、Int′l グリーンクロス−ジェネバ、1991)。しかし
ながら、本発明は必ずしも皮下経路の接種に限られたものではない。
【1019】
狂犬病中和抗体のGMT(幾何学的平均力価)は、HDC対照ワクチンによるものよりも
、本発明のワクチンによるもののほうが低いが、防御に要する最小力価よりはまだ十分に
高い。本研究に用いた3回の投与により得られた明確な投与量効果応答は、より高い投与
20
量はより強い応答を誘発することを示唆する。この開示から、当業者は所定の患者に適切
な投与量を選択することができる。
【1020】
抗体応答を増加せしめる能力はこの実施例の別の重要な結果である;実際、狂犬病抗体力
価の増大は、免疫計画がどのようなものであろうとも、投与から6か月後に全ての対照に
達成され、カナリヤポックスベクターまたは狂犬病糖タンパク質のいずれかにより誘発さ
れた前から存在する免疫性が、組換えワクチン候補または従来のHDC狂犬病ワクチンで
の追加免疫への遮断効果を有さないことが示された。これは、免疫応答が前から存在する
免疫性により遮断されるというヒトのワクシニア組換え体に関する他者の発見と対照的で
ある(コーニーら、ランセット1991、337:567−72;エトリンガーら、ワク
チン1991、9:470−72)。
【1021】
それゆえ、この実施例は明確に、非複製ポックスウイルスは、複製剤が免疫応答に与える
全ての長所を有するが、完全許容ウイルスにより生じた安全性問題なく、ヒトにおいて免
疫ベクターとして機能できることを示している。
【1022】
【表49】
30
(261)
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【表50】
10
(262)
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10
20
30
40
【表51】
50
(263)
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10
実施例120−NYVAC−JEV組換え体(vP908、vP923)による日本脳炎
ウイルスに対する防御
NYVAC−JEV組換え体を用いて、日本脳炎ウイルスに対する防御を提供した。NY
VAC vP866、NYVAC組換え体vP908とvP923、およびワクシニア組
20
換え体vP555とvP829をここに記載したように産生した。
【1023】
マウス防御実験
マウス防御実験を前述したように行なった(メイソンら、1991)。手短にいうと、生
後4週間の非近交スイスマウスの10から12匹の群を、10
7 PFUのvP829、
vP866、vP908またはvP923で腹腔(i.p.)注射により免疫し、血清を
3週間後に採取した。マウスに、JEVのベイジン(Beijing)P3菌株をi.p
.注射により抗原投与した。抗原投与後、3週間後に実験が完了するまで毎日観察した。
実験動物の同腹子を用いて致死量滴定を行なった。
【1024】
30
ブタの防御実験
約25kgの体重のランドレース交雑去勢ブタを用いた。5匹のブタの群を、食塩加リン
酸緩衝液(PBS)、または2mlのPBSで希釈された1×10
8 PFUのvP86
6、vP908またはvP923で皮下(s.c.)注射により免疫した。接種から28
日後、上述したのと同じ方法で注射により追加抗原投与し、最初の接種から56日後に、
2×10
5 PFUのJEVのB−2358/84菌株をs.c.注射により抗原投与し
た。0(免疫前)、7、14、28(追加抗原投与前)、31、35、42、56(抗原
投与前)、57、58、59、60、61、62、63、64および76(抗原投与後)
日に、全ての群の動物から血清を採取した。
【1025】
40
免疫応答の評価
抗ブタイムノグロブリン(Ig)Gで被膜した固定Staphylococcus au
reus細菌(カリフォルニア、カーピンテリア、ダコー社)を使用したことを除いては
、ボニシら(1991)に記載されているように、[
3 5
S]Met−標識JEV感染細
胞から得た培養液または洗浄剤処理細胞溶解産物から、JEVタンパク質を沈殿せしめる
能力に関して、ブタの血清を検定した。クラーケおよびカサルス(1958)の方法の修
正方法により、ブタとマウスの前抗原投与血清のHAI検定を行なった。ブタの血清を検
定するのに新鮮に解凍したヒトの血清を使用しなかったことを除いては、実質的にメイソ
ンら(1991)に記載されたように、NEUT検定を行なった。
【1026】
50
(264)
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ウイルス血症
JEV抗原投与から8日後に採取した脊椎血清の新鮮に解凍したアリコートを、6ウェル
マイクロ板中のVERO単層細胞上の感染JEVに関してプラーク滴定した。ウイルス吸
着後、細胞単層に、1%のカルボキシメチルセルロースを含有する培地を添加し、20%
エタノール中に溶解せしめた0.1%のクリスタル紫の染色により感染から5日後にプラ
ークを視覚化した。3つ以下のプラークが300μlの血清でインキュベーションしたウ
ェル中に観察された場合には、力価は<10PFU/mlと記録した。
【1027】
組換えワクシニアウイルスの構造
本研究において構築したワクシニア組換え体に含有されたJEV cDNA配列を第36
10
図に示す。これらの組換えウイルスにおいて、JEV cDNAの血清ストランドを初期
/晩期H6プロモーターの後ろに配した。組換え体vP908(およびvP555;メイ
ソンら、1991)は、prM、prM、E、NS1およびNS2AのN末端に選考する
推定15アミノ酸シグナル配列を含有する。組換え体vP923(およびvP828;コ
ニシら、1991)は、prM、prM、およびEの推定シグナル配列をコードする。
【1028】
組換えワクシニアウイルスによるEおよびNS1の合成
EまたはNS1遺伝子の免疫沈降を、EまたはNS1に特異的な単クローン性抗体を用い
て行なった。vP555、vP908およびvP923に感染した細胞中でE MAbに
反応性のあるタンパク質を合成し、vP923に感染した細胞中ではなくvP555およ
20
びvP908に感染した細胞中で、NS1 MAbに反応性のあるタンパク質を合成した
。vP555感染細胞は、細胞の内側と外側でEおよびNS1の正確な形状を産生した。
vP908およびvP923により産生されたタンパク質は、vP555により産生され
たタンパク質のサイズと等しかった。EおよびNS1に関して、細胞外形状は、SDS−
PAGE中の細胞内形状より遅く移動し、これは、細胞からの放出に直ちに先行するN連
結グリカンの成熟と一致する。加えて、vP908感染細胞は、NS1、NS1′の高分
子量形状を産生し、これはJEVゲノムのNS2A領域によりコードされた配列のプロセ
シングにより誘導される(メイソンら、1987)。M(およびprM)に特異的なMA
bを用いて放射線標識ワクシニア組換え体感染細胞から調製した免疫沈殿物(immun
oprecipitates)により、vP908およびvP923に感染した細胞中で
30
prMが合成されたことが分かった。
【1029】
vP908およびvP923感染HeLa細胞の細胞外液体は、vP866感染細胞の培
養液中では検出不可能なHA活性を示した。データにより、vP829はvP555より
も約8倍多い細胞外血球凝集素の合成を誘発したことが分かった。その差異に対応して、
vP923に感染した細胞は、vP908に感染した細胞よりも約8倍のHA活性を産生
した。これらの結果により、vP980およびvP923により産生されたJEVタンパ
ク質の組換え体形状は、それぞれvP555およびvP829により産生されたものと等
しいことが示された。
【1030】
40
マウスの免疫および抗原投与
NYVACベースの組換えウイルスの防御免疫を誘発する能力をマウスで実験した。前抗
原投与血清のNEUTおよびHAIデータにより、vP908およびvP923は、vP
829と同水準の抗体を産生した(コニシら、1991)(表52)。これらの血清学的
データと一致して、vP908およびvP923は、JEVの病原体P3菌株による致死
量JEV感染からの防御をマウスに提供することができた(表52)。防御の水準は、v
P829での免疫により達成された水準と同様であった(表52)(コニシら、1991
)。これらの研究により、vP908およびvP923の2つのNYVACベースの組換
え体は、前述した水準(コニシら、1991)と同様の水準でマウスに免疫原性であった
ことが確認された。
50
(265)
JP 3602844 B2 2004.12.15
【1031】
組換えワクシニアウイルスによるブタのJEV抗原に対する免疫応答の導入
7日ごとに収集した各群の全てのブタから採取した前抗原投与血清を、抗JEV NEU
TおよびHAI活性に関して検定した。第37図に示すように、vP908およびvP9
23で免疫したブタ中にはNEUTとHAI活性の両者が観察されたが、PBSまたはv
P866を接種したブタには観察されなかった。vP908およびvP923免疫ブタの
両者には、1回目と2回目の接種から7日後に比較的高水準のNEUT抗体が観察された
が、21日後にわずかに検出可能な水準まで減少した。第1の接種と追加抗原投与の両方
に関して、HAIは、NEUT抗体よりもゆっくりと減少した(第37図)。vP908
は、vP923よりもやや高い水準のHAIおよびNEUT抗体を提供した。両方の組換
10
え体のHAI力価は、1回の接種後に達成されたものよりも、2回目の接種後に達成され
たほうが大きかった。vP923は、1回の接種よりも2回目の接種後のほうが高いNE
UT力価を提供し、一方vP908は、1回または2回目の接種後には等量のNEUT力
価を誘発した。
【1032】
ブタを0日と28日に免疫し、PBSまたはvP866で免疫したブタから56日目に血
清を採取し、vP908またはvP923で免疫したブタからは0、7、28、35およ
び56日目に血清を採取した。5の各群の全ての動物から採取した血清を、JEV感染細
胞の培養液から収集した放射線標識したタンパク質を免疫沈降する能力に関して検定した
。
20
【1033】
Eに対する免疫応答は、NEUTおよびHAI検定の結果と良好に相関性があった。vP
923で免疫したブタに観察された35日目のEに対するRIP応答は、vP908で免
疫したブタ中のEに対するRIP応答よりも高かったが、35日目のHAI力価は、2つ
の群と等しかった。しかしながら、vP923で免疫したブタにおける35日目のNEU
T力価は、vP908で免疫したブタよりも高かった。NEUTまたはHAIに関わる抗
体以外の抗体が誘発されるが、RIP分析の量に関する面はさらには確認できなかった。
比較的高いNEUT抗体力価にもかかわらず、7日目にEに対する血清の弱いRIP応答
が、免疫後の初期のIgM抗体により説明できた。JEV特異的IgMの水準はさらには
分析しなかった。どの採取した血清もNS1に対する免疫応答を示さなかった。
30
【1034】
組換えワクシニアウイルスで免疫したブタ中のウイルス血症
対照ブタ[PBS(4/5)またはvP866(5/5)]からの抗原投与後の血清中に
、>10PFU/mlのJEウイルス力価が検出され、一方vP923を接種した5匹の
ブタのうち2匹のみが>10PFU/mlのウイルス血症を示した(第38図)。目だっ
たことには、vP908で免疫した5匹のブタのうちどれも、>10PFU/mlの測定
可能なウイルス血症を示さなかった。PBSおよびvP866(1.2×10
3 PFU
/ml)で免疫した群の個々のブタの最大ウイルス力価の幾何学平均は、vP908およ
びvP923(1.9×10
1 PFU/ml;スチューデントt検定によりP<0.0
01;<10PFU/mlのウイルス血症を有する全てのブタに関して、10PFU/m
40
lの力価であると推定する)で免疫した群の平均より著しく高かった。さらに、>10P
FU/mlの細胞を示すブタのウイルス血症の平均期間は、PBSおよびvP866に関
しては2.7日であり、>10PFU/mlの力価を有する2つのvP923免疫ブタで
は2.0日であった。これらの結果により、vP908およびvP923の免疫は、抗原
投与後にJEVウイルス血症を著しく減少したことが示される。
【1035】
JEV抗原投与に対する免疫応答を評価するために、抗原投与後20日目に硝石した個々
の血清をJEVに対する抗体に関して検定した。vP908またはvP923をワクチン
接種したブタは、PBSまたはvP866を接種したブタよりも高いEに対する応答を有
し、抗原投与前に存在したEに対する抗体活性をJEV感染により追加抗原投与したこと
50
(266)
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が示された。組換えワクシニアウイルス中で発現されなかったJEVタンパク質、NS3
およびNS5に対する応答が抗原投与後の血清全ての検出され、ある水準のJEV複製が
、<10PFU/mlのウイルス血症を有したブタでさえも生じたことを示した。それゆ
え、NS3に対する抗原投与後の血清の反応性と血清JEV力価により測定された感染の
欠乏との間の予期された逆数の関係は観察されなかった。これは、抗原投与後のNS3に
対する採取しマウスの血清の反応性の欠乏が防御と相関するという、マウスに得られた以
前のデータと対照的である(コニシら、1991)。
【1036】
防御実験中、抗原投与から12日後に親ワクシニア(vP866)群の1匹のブタが死亡
した。この動物は、抗原投与後の期間に亘り、他のブタより高い体温を示し、3日間に亘
り>1,000PFUのJEV血清力価を有する唯一の動物であった。検死時にサンプリ
ングした脳検体からはJEVは検出されなかったけれども、JEC感染により生じた病気
により動物は死亡した。
【1037】
観察
実施例は、NYVAC−JEVがJEVウイルス血升対する効果的な防御を提供すること
を示し;それゆえ、NYAVC−JEVは有用であり、獣医用途に安全である。
【1038】
【表52】
10
(267)
JP 3602844 B2 2004.12.15
10
20
30
実施例121−NYVAC(vP866)およびNYVAC−RG(vP879)の評価
免疫沈降
アビアンまたは非アビアン細胞の前形成した単層に、細胞当たり10pfuの親NYVA
C(vP866)まはNYVAC−RG(vP879)ウイルスを接種した。接種は、メ
チオニンを含まず、2%の透析ウシ胎仔血清を補給したEMEM中で行なった。1時間の
インキュベーション後、接種物を除去して、培地を20μCi/mlの
3 5
S−メチオニ
ンを含有するEMEM(メチオニンを含まない)と置き換えた。約16時間の一晩のイン
キュベーション後、緩衝液A(1%ノニデットP−40、10mM トリス pH7.4
40
、150mM NaCl、1mM EDTA、0.01% アジ化ナトリウム、1ml当
たり500単位のアプロチニン、および0.02% フェニルメチルスルホニルフッ化物
)の添加により、細胞を溶解せしめた。ニューヨーク州、アルバニー、ニューヨーク州保
険省、グリフィス研究所、Dr.C.トリナーチにより提供された24−3F10と称す
る狂犬病糖タンパク質特異的単クローン性抗体、およびベーリンガーマンハイム社(ネコ
.605−500)から得たラット抗マウス複合体を用いて、免疫沈降を行なった。ニュ
ージャージー州、ピスキャタウェイ、ファーマシアLKBバイオテクノロジー社から得た
タンパク質AセファロースCL−48を、支持マトリックスとして用いた。免疫沈殿物を
、ドリファスら(1984)の方法にしたがって、10%のポリアクリルアミドゲルで分
画した。ゲルを固定し、フルオログラフィーのために1MのNa−サリチル酸塩で1時間
50
(268)
JP 3602844 B2 2004.12.15
処理し、コダックXAR−2フイルムに露出して免疫沈殿したタンパク質種を視覚化した
。
【1039】
動物の供給源
ニュージーランド白ウサギをヘアマーランド(ニュージャージー、ヘウィット)から得た
。生後3週間の雄のスイスウェブスター非近交マウス、妊娠時期の雌のスイスウェブスタ
ー非近交マウス、および生後4週間のスイスウェブスターヌード(nu
+ nu
+ )マ
ウスをタコニックファーム社(ニューヨーク、ジャーマンタウン)から得た。NIHガイ
ドラインにしたがって、全ての動物を保持した。全ての動物のプロトコルは、IACUC
協会により認可された。必要と思われる場合、明らかに末期の病気であるマウスを安楽死
10
させた。
【1040】
ウサギの病害の評価
2匹のウサギのそれぞれに、様々な部位に、10
または10
8 4 、10
5 、10
6 、10
7 、
pfuの各試験ウイルスを含有する0.1mlのPBSまたPBS単体を
皮内に接種した。病害が解決されるまで、4日目から毎日ウサギを観察した。硬結および
潰瘍を測定し、記録した。
【1041】
接種部位からのウイルスの回収
1匹のウサギに、様々な部位に、10
6 、10
7 、または10
8 pfuの各試験ウ
20
イルスを含有する0.1mlのPBSまたPBS単体を皮内に接種した。11日後、ウサ
ギを安楽死させ、ウイルス回収のために機械的な分断と間接超音波処理により、各接種部
位から採取した皮膚の生検材料を無菌の状態に調製した。CEF単層のプラーク滴定によ
り感染ウイルスをアッセイした。
【1042】
マウスの毒性
10匹のマウスの群または5匹のヌードマウスの群に、0.5mlの無菌PBS中のウイ
ルスのいくつかの希釈の1つをipにより接種した。実施例24を参照のこと。
【1043】
シクロホスファミド(CY)処理
30
ip経路により、2日前に4ml(0.2ml)のCY(シグマ)をマウスに注射し、0
日にウイルスを注射した。感染から以下の日に、マウスにCYをipにより注射した:1
日目に4mg;4、7および11日に2mg;14、18、21、25および28日に3
mg。11日目にカルターカウンターで白血球を数えることにより免疫抑制を間接的にモ
ニタした。平均の白血球数は、未処理マウスでは1μl当たり13,500細胞(n=4
)であり、CY処理対照マウスでは1μl当たり4,220細胞(n=5)であった。
【1044】
LD50の計算
50%の死亡率(LD50)となるのに必要な致死量を、リードおよびミュンヒ(リード
およびミュンヒ、1938)の比率方法により測定した。
40
【1045】
マウスのNYVAC−RGの効能検定
生後4から6週間のマウスには、50から100μlの希釈範囲(2.0−8.0 lo
g10組織培養感染投与量50%(TCID50))のVV−RG(キーニーら、198
4)、ALVAC−RG(テイラーら、1991b)、またはNYVAC−RGのいずれ
かをフットパッドで接種した。各群は8匹のマウスからなる。ワクチン接種から14日後
、頭蓋内接種により、15LD50の狂犬病ウイルスCVS菌株(0.03ml)をマウ
スに抗原投与した。28日目に、生存したマウスを数え、防御投与量50%(PD50)
を計算した。
【1046】
50
(269)
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NYVAC(vP866)の誘導
コペンハーゲンワクチン菌株のプラーククローン単離体である、VC−2から、ワクシニ
アウイルスのNYVAC菌株を産生した。VC−2からNYVACを産生するために、毒
性に関連する多くのウイルス機能を含む、18のワクシニアORFは、この開示の最初の
ほうに記載したような一連の配列操作で正確に欠損せしめた。新たな望ましくない読取り
枠の状況を避けるために設計した方法で、これらの欠損を構築した。第39図は、NYV
ACを産生するために欠損したORFを模式的に描いたものである。第39図の上部には
、ワクシニアウイルスゲノムのHindIII制限地図(VC−2プラーク単離体、コペ
ンハーゲン菌株)が描かれている。NYVACの産生において続発的に欠損せしめられた
VC−2の6つの領域が伸長している。欠損は、この開示の最初のほうに記載した(実施
10
例1から6)。その座から欠損され、その遺伝子産生物の分子量および機能または相同性
を伴ってORFがそのような欠損座の下に列記されている。
【1047】
ヒト組織細胞株のNYVACおよびALVACの複製研究
ヒト起源の細胞中のワクシニアウイルス(vP866)のNYVAC菌株の複製水準を測
定するために、6つの細胞株を、液体培養下で細胞当たり0.1pfuの入力多重度で接
種し、72時間インキュベーションした。コペンハーゲン親クローン(VC−2)を平行
して接種した。全てのウイルスの許容細胞基質を代表するために、初代鶏胚繊維芽細胞(
CEF)(CT、スパラス社、SPF期限の生後10−11日の感染細胞包蔵卵から得た
)を含む。2つの基準に基づいて培養を分析した:生産的ウイルス複製の発生および外因
20
性抗原の発現。
【1048】
多くのヒト誘導細胞中のNYVACの複製能力を表53に示す。VC−2およびNYVA
Cの両者は、CEF細胞中で生産的な複製ができるが、NYVACは、やや減少した産生
となる。VC−2はまた、EBV転換リンパブラストイド(lymphoblastoi
d)細胞株JT−1(エプスタインバーウイルスで転換したヒトリンパブライトイド細胞
株、リキンソンら、1984参照)を除いて、匹敵する産生物で処理した6つのヒト誘導
細胞株において生産的複製ができる。これに対して、NYVACは、検定したヒト誘導細
胞株のいずれにでも生産的複製能力においては高度に弱毒化されている。NYVAC感染
MRC−5(ATCC #CCL171、ヒト胚肺起源)、デトロイト532(ATCC
30
#CCL54、ヒト包皮、ダウン症候群)、HEL 299(ATCC #CCL13
7、ヒト胚肺起源)、およびHNK(ヒト新生児腎臓、MD、ウォーカースビル、ウィチ
カーバイオプロダクツ社、ネコ#70−151)細胞から、残留ウイルス水準より高い感
染細胞の少量の増加が達成された。NYVAC感染CEF細胞または親VC−2感染CE
F細胞から得られたウイルス産生物と比較した場合、これらの細胞株の複製は著しく少な
い(表53)。NYVACおよびVC−2両者のCEF細胞中の24時間での産生は、7
2時間の産生と等しい。それゆえ、ヒト細胞株培養を追加に48時間に亘りインキュベー
ションすると(さらなる2つのウイルス増殖サイクル)、達成された相対ウイルス産生を
増幅させる。
【1049】
40
ヒト誘導細胞株、MRC−5およびデトロイト532に得られた低水準のウイルス産生と
一致して、検出可能であるがわずかな水準のNYVAC特異的DNA蓄積が認められた。
NYVAC感染CEF細胞中に観察されたDNA蓄積の水準と相対的なMRC−5および
デトロイト532NYVAC感染細胞株中のDNA蓄積の水準は、相対的なウイルス産生
と匹敵する。NYVAC特異的ウイルスDNA蓄積は、いずれの他のヒト誘導細胞にも観
察されなかった。
【1050】
アビポックスウイルス、ALVACを用いて、同様の実験を行なった。ウイルス複製の結
果を表53に示す。どの後代ウイルスも、アビアン種に対するカナリヤポックスウイルス
の宿主範囲制限と一致してヒト細胞株のいずれにも検出不可能であった。いずれのヒト誘
50
(270)
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導細胞株にもALVAC特異的DNA蓄積が検出不可能であったことは、これらのヒト誘
導細胞中のALVACの生産的複製の欠如と一致する。
【1051】
ヒト細胞におけるNYVAC−RG(vP879)による狂犬病糖タンパク質の発現
異種遺伝子の能率的な発現が、生産的ウイルス複製水準が著しく欠如した状態で得られる
か否かを決定するために、同一の細胞株に、
3 5
S−メチオニンの存在下で狂犬病ウイル
ス糖タンパク質を発現するNYVAC組換え体(vP879、実施例7)を接種した。狂
犬病糖タンパク質に特異的な単クローン性抗体を用いて放射線標識した培養溶解産物から
、狂犬病糖タンパク質の免疫沈降を行なった。狂犬病糖タンパク質の完全グリコシル化形
状と一致する67kDaタンパク質の免疫沈降が検出された。どの血清学的交差反応性産
10
生物も、未感染または親NYVAC感染細胞溶解産物中には検出されなかった。分析した
全ての他のヒト細胞株にも同様の結果が得られた。
【1052】
ウサギの皮膚への接種
皮内接種後のウサギへの皮膚の外傷の性質と誘発を、枠ウイルス菌株の病原性の尺度とし
て以前から用いている(バラーら、1988;チルドら、1990;フェナーら、195
8;フレクスナーら、1987;ゲンドンおよびチャーノス、1964)。それゆえ、ワ
クシニア菌株WR(パニカリら、(1981)に記載されたような、ATCC#VR11
9 CV−1細胞において精製したプラーク、ATCC #CCL70、およびLバリア
ントと称するプラーク単離体、選択したATCC #VR2035)、WYETH(PA
20
、マリエッタ、エスラボラトリーズによりDRYVACとして市販されているATCC #VR325)、コペンハーゲン(VC−2)、およびNYVACによるid接種に関連
する外傷の性質を、2匹のウサギの接種により評価した(A069およびA128)。2
匹のウサギは、ウイルスに対して全体的に異なる感度を示した。すなわち、ウサギA12
8は、ウサギA069よりも強烈ではない反応を示した。ウサギA128において、外傷
は比較的小さく、接種から27日後に消散した。ウサギA069では、外傷は酷く、WR
接種部位では特に酷く、49日後に消散した。外傷の酷さはまた、リンパ液排液網に関連
する接種部位の位置に依存した。特に、背の脊椎(backspine)より上に位置す
る全ての部位は、より酷い外傷を示し、側腹部に位置する外傷を消散するのにより長い時
間が必要であった。全ての外傷を、4日目から最後の外傷が消えるまで毎日測定し、最大
30
外傷サイズと消散までの日数の平均を計算した(表54)。対照PBSを注射した部位か
らは局部的な反応は観察されなかった。WR、VC−2、およびWYETHワクシニアウ
イルス菌株を注射した部位では潰瘍外傷が観察された。特に、NYVACを接種した部位
では、硬結または潰瘍外傷は観察されなかった。
【1053】
接種部位での感染細胞の残存率
接種部位でのこれらのウイルスの相対的残存率を評価するために、ウサギに、10
10
7 または10
8 6 、
pfuのVC−2、WR、WYRTHまたはNYVACを含有す
る0.1mlのPBSを様々な部位に皮内に接種した。各ウイルスに関して、背の脊椎の
上の位置に10
7 pfuの投与量と、その側腹に10
6 および10
8 の投与量を与
40
えた。11日間に亘り、接種部位を毎日観察した。WRは、最も強烈な応答を誘発し、次
にはVC−2とWYETHが続いた(表55)。WRとWYETHに関しては、9日目に
、VC−2に関しては10日目に、潰瘍が観察された。NYVACまたは対照PBSを接
種した部位は、硬結また潰瘍を示さなかった。接種から11日目に、接種の部位から皮膚
の試料を切除し、機械的に分断し、ウイルスをCEF細胞において滴定した。その結果を
表55に示す。この時点で、投与したよりも回収したウイルスが多いことはなかった。投
与したウイルスの量にかかわりなく、カーワクシニア菌株WRの回収は、各部位で約10
6 pfuであった。ワクシニア菌株WYETHおよびVC−2の回収は、投与量にかか
わらず10
3 から10
4 イルスは回収されなかった。
pfuであった。NYVACを接種した部位からは、感染ウ
50
(271)
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【1054】
遺伝子的または化学的免疫不全マウスの接種
多量の投与量のNYVAC(5×10
8 pfu)またはALVAC(10
9 pfu)
のヌードマウスへの腹腔内接種では、100日間の観察期間に亘り、死亡、外傷、およ明
らかな疾病とはならなかった。これに対して、WR(103から104pfu)、WYE
TH(5×107または5×108pfu)またはVC−2(104から109pfu)
を接種したマウスは、最初に爪先、次いで尾のポックスウイルスに典型的な広がった外傷
を示し、続いてある動物ではこう丸炎を示した。WRまたはWYETHに感染したマウス
において、広がった外傷は一般的に、最終的には死亡を導き、一方ほとんどのVC−2に
感染したマウスは最終的には回復した。計算したLD50値を表56に示す。
10
【1055】
特に、VC−2を接種したマウスは、爪先に外傷を示し始め(赤い丘疹)、1から2日後
、10
7 および
pfu)を与えたマウスでは接種後(pi)11と13日の間、10
5 pfu
には尾に示した。これらの外傷は、最高の投与量(10
10
6 を与えたマウスではpi16日目、そして10
目に生じた。10
3 および10
2 は、外傷は観察されなかった。10
察された。こう丸炎は、10
、10
8 pfuを与えたマウスではpi21日
pfuを接種したマウスには100日の観察期間中
9 から10
日目に、こう丸炎が観察され、他の群(10
9 4 9 と10
8 7 8 pfuを与えたマウスにはpi23
から10
4 pfu)では約7日後に観
pfuの群に特に強烈であったが、100日
の観察期間の終りには、減退が観察された。数匹のマウスの皮膚には、痘状の外傷がいく
20
つか観察され、これはpi30−35日辺りに生じた。ほとんどの痘外傷は、通常pi6
0−90日の間に直った。109pfuを接種した群では1匹のマウスが死亡し(pi3
4日)、108pfuを接種した群では1匹のマウスが死亡した(pi94日)。VC−
2接種マウスでは他には死亡は観察されなかった。
【1056】
10
4 pfuのワクシニアのWR菌株を接種したマウスをpi17日目に痘外傷を示し
始めた。これらの外傷は、VC−2注射マウス(膨れた爪先、尾)により示された外傷と
同一であった。10
3 pfuのWR菌株を接種したマウスは、pi34日目まで外傷を
示さなかった。WRの最高投与量(10
4 pfu)を接種したマウスのみにこう丸炎が
観察された。観察期間の後半の段階に亘り、外傷が口の回りに発生し、マウスは餌を食べ
るのをやめた。10
4 30
pfuのWRを接種した全てのマウスは死亡したか、またはpi
21と31日の間に必要な場合には安楽死させた。10
3 pfuのWRを接種した5匹
のマウスのうち4匹は死亡したか、またはpi35と57日の間に必要な場合には安楽死
させた。低い投与量(1から100pfu)のWRを接種したマウスには死亡したものは
なかった。
【1057】
より多量(5×10
7 および5×10
8 pfu)の投与量のワクシニアウイルスのW
YETH菌株を接種したマウスは、爪先と尾に外傷を示し、こう丸炎を発達させ、死亡し
た。5×106pfuまたはそれ未満のWYETHを接種したマウスは、疾病または外傷
の徴候を示さなかった。
40
【1058】
表56に示すように、CY処理マウスは、ヌードマウスよりもポックスウイルスの毒性を
アッセイするのにより感度のあるモデルを提供した。このモデル系において、WR、WY
ETH、およびVC−2ワクシニアウイルス菌株のLD50値は、ヌードマウスモデルよ
りも著しく低かった。加えて、以下に記載するように、WYETH、WRおよびVC−2
ワクシニアウイルスを接種したマウスには外傷が発達し、各ウイルスの投与量が多ければ
多いほど、外傷の形成が急速であった。ヌードマウスに見られるように、NYVACまた
はALVACを接種したCY処理マウスは外傷を発達せしめなかった。しかしながら、ヌ
ードマウスのようではなく、投与量にかかわらず、NYVACまたはALVACを抗原投
与したCY処理マウスはその何匹かが死亡した。これらの偶発的な発生は、死因に関して
50
(272)
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は、疑わしい。
【1059】
全ての投与量のWYETH(9.5×10
4 から9.5×10
8 pfu)を接種した
マウスは、尾におよび/または爪先にpi7と15日の間に痘外傷を示した。加えて、尾
と爪先は膨れた。尾の外傷の展開は、丘疹、潰瘍および最終的にかさぶたの形成とともに
痘外傷の典型であった。全ての投与量のVC−2(1.65×10
0
9 5 から1.65×1
)を接種したマウスもまた、尾および/または爪先に、WYETH接種マウスの外
傷と相同な痘外傷を発達させた。これらの外傷は、接種から7−12日後に観察された。
低い投与量のWRウイルスを接種したマウスには外傷は観察されなかったが、これらの群
には死亡したマウスがいた。
10
【1060】
NYVAC−RGの効力検定
産生したNYVAC菌株が有用なベクターとなる能力を著しく変更することなく、ワクシ
ニアウイルスのコペンハーゲン菌株の弱毒化が行なわれたことを決定するために、比較効
力検定を行なった。ウイルスを弱毒化するために行なった連続遺伝子操作に間にベクター
の免疫原をモニターするために、レポーター外因抗原として狂犬病ウイルス糖タンパク質
を用いた。狂犬病糖タンパク質遺伝子を発現するベクターの防御効能を狂犬病の標準NI
Hマウス効力検定により評価した(セリグマン、1973)。表57は、高度に弱毒化さ
れたNYVACベクターに得られたPD50値は、tk座に狂犬病糖タンパク質遺伝子を
含有するコペンハーゲンベースの組換え体を用いて得られたものと同一であり(キーニー
20
ら、1984)、アビアン種への複製に制限されたカナリヤポックスベースのベクター、
ALVAC−RGに得られたPD50値と同様である。
【1061】
観察
既知の毒性遺伝子が欠損し、制限された生体外増殖特性を有する、NYVACを、動物モ
デル系で分析し、その弱毒化特性を評価した。神経毒性ワクシニアウイルス研究所菌株、
WR、2つのワクシニアウイルスワクチン菌株、WYETH(ニューヨーク市保険局)お
よびコペンハーゲン(VC−2)、並びにカナリヤポックスウイルス菌株、ALVACと
の比較で、これらの研究を行なった(実施例24参照)。これらのウイルスは、マウス抗
原投与モデルとウサギ皮膚モデルにおける相対病原能力の範囲を提供し、WRは最も毒性
30
のある菌株であり、WYETHおよびコペンハーゲン(VC−2)は報告した特性を有す
る、以前に使用した弱毒化したワクシニア菌株を提供し、ALVACは複製がアビアン種
に制限されるポックスウイルスの実施例を提供した。これらの体内分析からの結果は、ワ
クシニアウイルス菌株、WR、WYETHおよびコペンハーゲン(VC−2)に関連する
NYVACの高度に弱毒化された特性を明確に示す(表28−29、53−57)。特に
、NYVACのLD50値は、アビアン宿主制限アビポックスウイルス、ALVACに観
察された値と一致した。NYVAC、並びにALVACにより死亡は、頭蓋内経路により
非常に多量の投与量のウイルスが投与されたときのみに、観察された(実施例24、表2
8、29、56)。それでも、これらの死亡が高いタンパク質質量の接種の非特異的な結
果によるものであるかどうかは分かっていない。免疫無防備状態のマウスモデル(ヌード
40
およびCY処理)の分析結果は、WR、WYETHおよびコペンハーゲン菌株と比較して
、NYVACの比較的高度に弱毒化された特性を示す(表54および55)。著しくは、
NYVAC接種動物またはALVAC接種動物には、観察期間に亘り、広がったワクシニ
ア感染または接種の疾病の証拠は観察されなかった。NYVACの多重毒性感染遺伝子の
欠損は、病原性に関して相乗効果を示す。ウサギの皮膚への皮膚内投与により、NYVA
Cの無害性の別の測定を提供した(表54および55)。非アビアン種中では複製できな
いウイルスであるALVACに関する結果を考慮すると、接種部位での複製能力は、AL
VACの皮内接種が投与量依存方法において硬結の領域を生じるので(未公表の観察)、
反応性に相関する唯一のものではない。それゆえ、ウイルスの複製容量以外の要因が外傷
の形成に帰すると言えそうである。NYVAC中の遺伝子の欠損は、外傷の発生を妨げる
50
(273)
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。
【1062】
これとともに、この実施例と、実施例24を含む前述した実施例の結果は、WR、および
以前に用いたワクシニアウイルスワクチン菌株、WYETHとコペンハーゲンに対するN
YVACの高度に弱毒化された性質を示す。実際、検定した動物モデル系における、NY
VACの病原プロファイルは、アビアン種のみにおいて生産的複製をすることが知られて
いるポックスウイルス、ALVACのプロファイルと同様であった。ヒトおよび、マウス
、ブタ、イヌおよびウマを含む他の種から誘導した細胞において生産的に複製するNYV
ACの明確に制限された容量により、ワクチン未接種接触または一般的な環境への潜在的
な伝染を制限または妨げる重要なバリアを提供し、加えて、ワクチン接種した個体内の減
10
少した繁殖の可能性を有するベクターを提供する。
【1063】
特に、NYVACベースのワクチン候補は、有効であることが分かった。多くの病原から
異種遺伝子産生物を発現するNYVAC組換え体は、霊長類を含むいくつかの動物種中の
異種遺伝子産生物に対する免疫応答を誘発した。特に、狂犬病糖タンパク質を発現するN
YVACベースの組換え体は、致死量狂犬病抗原投与に対してマウスを防御することがで
きた。NYVACベースの狂犬病糖タンパク質組換え体の効力は、tk座に狂犬病糖タン
パク質を過含有するコペンハーゲンベースの組換え体のPD50値に匹敵した(表57)
。NYVACベースの組換え体はまた、ウサギの麻疹ウイルス中和抗体およびブタの仮性
狂犬病ウイルスと日本脳炎ウイルス抗原投与に対する防御を誘発することが示された。高
20
度に弱毒化されたNYVAC菌株には、ヒトと獣医用途について安全性の利点がある(タ
ータグリアら、1990)。さらに、一般的な研究所発現ベクター系としてのNYVAC
の使用は、ワクシニアウイルスのしように関する生物学的危険を著しく減少する。
【1064】
以下の基準により、この実施例および実施例24を含む、前述した実施例の結果により、
NYVACが高度に弱毒化されていることが分かる:a)接種部位に硬結または潰瘍が検
出不可能(ウサギの皮膚);b)接種の皮内部位からの感染ウイルスの急速な除去(ウサ
ギの皮膚);c)精巣炎症がない(ヌードマウス);d)著しく低減した毒性(頭蓋内抗
原投与、生後3週間と新生マウスの両者);e)著しく提言した病原性および免疫不全対
象で伝染しないこと(ヌードおよびシクロホスファミド処理したマウス);およびf)著
しく低減した様々なヒト組織培養細胞での複製能力。それでも、高度に弱毒化されている
にもかかわらず、ベクターとしてのNYVACは、外因抗原に対して強い免疫応答を誘発
する能力を保持している。
【1065】
【表53】
30
(274)
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【表54】
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【表55】
40
(276)
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【表56】
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20
【表57】
30
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それゆえ、本発明の好ましい実施態様を詳細に記載したが、添付した請求の範囲により定
義された本発明は、多くの様々な変更が本発明の意図と範囲から逸脱することなく可能で
あるので、上記記載に述べた特定の詳細に限定されるものではないことが理解されよう。
【1066】
50
(278)
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【参考文献】
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【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、チミジンキナーゼ遺伝子の欠損したプラスミドpSD460の構築方法
と組換えワクシニアウイルスvP410の産生方法を模式的に示すものである
【図2】図2は、出血性領域の欠損したプラスミドpSD486の構築方法と組換えワク
シニアウイルスvP553の産生方法を模式的に示すものである
【図3】図3は、ATI領域の欠損したプラスミドpSD494Δの構築方法と組換えワ
クシニアウイルスvP618の産生方法を模式的に示すものである
【図4】図4は、血球凝集素の欠損したプラスミドpSD467の構築方法と組換えワク
シニアウイルスvP723の産生方法を模式的に示すものである
【図5】図5は、遺伝子クラスター[C7L−K1L]の欠損したプラスミドpMPCS
40
K1Δの構築方法と組換えワクシニアウイルスvP804の産生方法を模式的に示すもの
である
【図6】図6は、巨大サブユニット、リボヌクレオチドレダクターゼの欠損したプラスミ
ドpSD548の構築方法と組換えワクシニアウイルスvP886(NYVAC)の産生
方法を模式的に示すものである
【図7】図7は、狂犬病糖タンパク質G遺伝子をTK欠損座中に挿入したプラスミドpR
W842の構築方法と組換えワクシニアウイルスvP879の産生方法を模式的に示すも
のである
【図8】図8は、EBVトリプル1プラスミド中に挿入されたEBVコード領域の遺伝子
地図である
50
(305)
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【図9A】図9Aは、予測アミノ酸配列(配列認識番号214)を有する改変合成ワクシ
ニアウイルスH6初期/晩期プロモーターおよび合成spsAg遺伝子のDNA配列(配
列認識番号213)を示すものである
【図9B】図9Bは図9Aの続きである
【図10A】図10Aは、組換えワクシニアウイルスvP856の構築方法を模式的に示
すものである
【図10B】図10Bは図10Aの続きである
【図11A】図11Aは、予測アミノ酸配列(配列認識番号216)を有するuプロモー
ター/lpsAg遺伝子のDNA配列(配列認識番号215)を示すものである
【図11B】図11Bは図11Aの続きである
10
【図12A】図12Aは、組換えワクシニアウイルスvP896の構築方法を模式的に示
すものである
【図12B】図12Bは図12Aの続きである
【図13A】図13Aは、予測アミノ酸配列(配列認識番号217)を有するI3Lプロ
モーター/S12/コア遺伝子のDNA配列(配列認識番号87)を示すものである
【図13B】図13Bは図13Aの続きである
【図14】図14は、組換えワクシニアウイルスvP919の構築方法を模式的に示すも
のである
【図15A】図15Aは、予測アミノ酸配列(配列認識番号219)を有するEPV42
kDaプロモーター/lpsAg遺伝子のDNA配列(配列認識番号218)を示すもの
20
である
【図15B】図15Bは図15Aの続きである
【図16】図16は、C5 ORFを含有するカナリヤポックスPvuII断片のDNA
配列(配列認識番号217)を示すものである
【図17A】図17Aは、組換えカナリヤポックスウイルスvCP65(ALVAC−R
G)の構築方法を模式的に示すものである
【図17B】図17Bは図17Aの続きである
【図18】図18は、ワクシニアウイルスvP555、vP825、vP908、vP9
23、vP857およびvP864に挿入されるJEVコード領域の模式図である
【図19】図19は、ワクシニアウイルスvP766、vP764、vP869、vP7
30
29およびvP725に挿入されるYFコード領域の模式図である
【図20】図20は、ワクシニアウイルスvP867、vP962およびvP955に挿
入されるDENコード領域の模式図である
【図21】図21は、F8 ORFを含有するTROVAC DNAの3661塩基対断
片のヌクレオチド配列(配列認識番号221)を示すものである
【図22】図22は、F7 ORFを含有するTROVAC DNAの2356塩基対断
片のDNA配列(配列認識番号222)を示すものである
【図23】図23は、EIV HA(A1/プラハ/56)のヌクレオチド配列(配列認
識番号279)を示すものである
【図24】図24は、EIV HA(A2/フォンテンブルー/79)のヌクレオチド配
40
列(配列認識番号284)を示すものである
【図25】図25は、EIV HA(A2/サフォーク/89)のヌクレオチド配列(配
列認識番号300)を示すものである
【図26】図26は、FeLV−Bエンベロープ遺伝子のヌクレオチド配列(配列認識番
号310)を示すものである
【図27】図27は、FeLV−Aqaqおよび部分的pol遺伝子のヌクレオチド配列
(配列認識番号324)を示すものである
【図28】図28は、FHV−1CO菌株gSホモログ遺伝子のヌクレオチド配列(配列
認識番号290)を示すものである
【図29】図29は、pURF3により表されるコンセンサスFヌクレオチド配列(おた
50
(306)
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ふくかぜ)(配列認識番号370)を示すものである
【図30】図30は、pUHN5により表されるコンセンサスHNヌクレオチド配列(お
たふくかぜ)(配列認識番号371)を示すものである
【図31】図31は、免疫したマウスの脾臓細胞の細胞傷害性応答を示すものである
【図32】図32は、免疫したマウスの脾臓からの細胞傷害性作動体細胞の感度を示すも
のである
【図33】図33は細胞傷害性Tリンパ球抗原受容体の特異性を示すものである
【図34】図34は免疫したマウスのHIV III B gp120に対する抗体応答
を示すものである
【図35A】図35Aは、狂犬病中和抗体力価(RFFIT、IU/ml)のグラフであ
10
る
【図35B】図35Bは、狂犬病中和抗体力価(RFFIT、IU/ml)のグラフであ
る
【図35C】図35Cは、狂犬病中和抗体力価(RFFIT、IU/ml)のグラフであ
る
【図35D】図35Dは、狂犬病中和抗体力価(RFFIT、IU/ml)のグラフであ
る
【図36】図36はJEV cDNA配列を示すものである
【図37】図37はNEUTおよびHAI活性を示すものである
【図38A】図38Aはウイルス血症の時間の経過を示すものである
【図38B】図38Bはウイルス血症の時間の経過を示すものである
【図38C】図38Cはウイルス血症の時間の経過を示すものである
【図38D】図38Dはウイルス血症の時間の経過を示すものである
【図39】図39は、NYVACを産生するのに欠損したORFを模式的に示したもので
ある
【図1】
【図2】
20
(307)
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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(308)
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
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(309)
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
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(310)
【図12A】
【図13A】
【図12B】
【図13B】
【図14】
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(311)
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17A】
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(312)
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
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(313)
【図21】
【図22】
【図23】
【図25】
【図24】
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(314)
【図26】
【図27】
【図28】
【図30】
【図29】
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(315)
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
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(316)
【図35B】
【図35D】
【図35C】
【図36】
【図37】
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(317)
【図38A】
【図38C】
【図38B】
【図38D】
【図39】
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(318)
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フロントページの続き
(72)発明者 マリオン イー パーカス
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12009 オルタモント ウェスタン ターンパイク 49
71 アールディー ナンバー2 ボックス 267エイ
(72)発明者 ジル テイラー
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12203 オルバニー コロニアル アヴェニュー 33
(72)発明者 ジェームズ タータグリア
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12303 シェネクタディ クリスティーナ ドライヴ 7
(72)発明者 エリザベス ケイ ノートン
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12110 ラサム サリー ヒル ドライヴ 54
(72)発明者 ミッシェル リヴィエール
フランス国 エフ−69130 エカリー シュマン ド チャンスリー 11
(72)発明者 シャルル ド テーヌ
フランス国 エフ−69005 リヨン リュ デュ コマンダン−シャルコ 48ビス
(72)発明者 キース ジェイ リンバッハ
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12180 トロイ ハンプトン プレイス 324
(72)発明者 ジェラルド ピー ジョンソン
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12188 ウォーターフォード デヴィット ロード 10
0
(72)発明者 スティーヴン イー ピンカス
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12061 イースト グリーンブッシュ トロイ ロード 78
(72)発明者 ウィリアム アイ コックス
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12180 トロイ ワシントン プレイス 1
(72)発明者 ジャン−クリストフ フランシス
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12202 オルバニー アパートメント ナンバー6 ウォ
ーレン ストリート 596
(72)発明者 ラッセル ロバート ゲティング
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 12018 エイヴリル パーク ボックス 421シー ア
ールディー 2
審査官 田村 明照
(56)参考文献 特表平2−500879(JP,A)
Nature, Vol.317, pp.813-815 (1985)
J.Virology, Vol.62, No.12, pp.4474-4480 (1988)
J.Virology, Vol.63, No.9, pp.3829-3836 (1989)
Virology, Vol.152, pp.285-297 (1986)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA, Vol.86, pp.1287-1291 (1989)
Critical Reviews in Immunology, Vol.10,No.1,pp.13-30 (1990)
Vaccine, Vol.6, pp.466-467 (1988)
Vaccine, Vol.6, pp.497-503 (1988)
7
(58)調査した分野(Int.Cl. ,DB名)
C12N 15/00
C12N 7/00
BIOSIS/WPI(DIALOG)
MEDLINE(STN)
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