新刊児童図書リスト (平成 26 年度版) 平成 27 年4月 広島県立図書館 第 26 号 リストについて ・ このリストに掲載した絵本は,平成 26 年1月から同年 12 月までの間に出版されたものです。 また,児童図書は平成 25 年9月から平成 26 年 12 月までの間に,青少年向け図書は,平成 25 年6月から平成 26 年 12 月までの間に出版された読み物です。 ・ このリストの各テーマは,本を紹介しやすいように便宜上設けたものです。他のテーマに分 類できるものもありますが,御了承ください。 ・ 【 】の中は,広島県立図書館の資料分類のための請求記号です。E は絵本,C は知識の絵 本を表します。 ・ このリストで取り上げた本は,全て広島県立図書館で借りることができます。また,お近く の公立図書館を通して借りることもできますので,御利用ください。 絵本 ◆ 動物 『ながいでしょりっぱでしょ』サトシン/作,山村浩二/絵,PHP 『ながいでしょりっぱでしょ』サトシン/作,山村浩二/絵,PHP 研究所【E 研究所【E サ】 ゾウは鼻を,キリンは首を,それぞれの自分の「長い」ところをニワトリに自慢します。でも, ニワトリだって負けていられません。「ながさだったら,ぼくだってまけないぞ。」?! 『どうぶつたちはしっている』イーラ/写真,マーガレット・ワイズ・ブラウン/文,寺村摩耶 子/訳,文遊社【E 子/訳,文遊社【E フ】 『ねむいねむいちいさなライオン』の作者であるイーラとブラウンのコンビによる写真絵本の 第1作です。1944 年にアメリカで出版され,今回初めて日本語に訳されました。 「どうぶつたちは みました!」「なんじゃ あれは?」 さて,動物たちが見たのは何だったでしょうか。 ◆ 自然 『あれあれ?そっくり!』今森光彦/著,ブロンズ新社【E 『あれあれ?そっくり!』今森光彦/著,ブロンズ新社【E イ】 オオコノハムシやハナカマキリなど,葉っぱや花のふりをする(擬態する)昆虫をとらえた写 真絵本です。巻末には昆虫の解説と,なぜこうした昆虫が存在するようになったかについて書か れています。 『はじまりのはな』マイケル・J. 『はじまりのはな』マイケル・J.ローゼン/文,ソーニャ・ J.ローゼン/文,ソーニャ・ダ ローゼン/文,ソーニャ・ダノウスキ/絵,蜂飼耳/訳,くも ん出版【E ん出版【E ロ】 渡り鳥のローザは,自分の頬と同じ色をした,春のはじまりを告げる<ほっぺのはな>が大好 きです。ローザは暖かい場所へ渡る途中,川に落ちて仲間とはぐれてしまい,助けてくれた犬の ミールと飼い主のアンナと一緒に冬を過ごします。まるで絵画を見ているような美しい絵本です。 ◆ 野菜 『ポッダとポッディ』シビル・ウェッタシンハ/作,松岡享子/訳,福音館書店【E 『ポッダとポッディ』シビル・ウェッタシンハ/作,松岡享子/訳,福音館書店【E ウ】 『きつねのホイティ』や『かさどろぼう』で有名なシビル・ウェッタシンハの作品です。のん びりやのだんなのポッダとせっかちなおかみさんポッディが,ひょんなことから赤タマネギを育 てるようになります。月刊「こどものとも」2008 年6月号をハードカバー化したものです。 『ごんごろじゃがいも』いわさゆうこ/さく,童心社【C 『ごんごろじゃがいも』いわさゆうこ/さく,童心社【C 6】 6】 じゃがいもの成長を「ずくずくずんずんめをだして」とリズミカルな言葉で紹介していきます。 一冊まるごと,じゃがいもの科学絵本です。 ―1― ◆ 科学 『はこぶ』鎌田歩/作・絵,教育画劇【C 『はこぶ』鎌田歩/作・絵,教育画劇【C 6】 6】 人は,早くたくさん遠くへ運ぶため,道路を作ったり,運ぶ乗り物を開発したりしました。こ の本は,大昔,物を手で持って運ぶ時代から始まり,宇宙ステーションに物資を運ぶところで終 わっています。 『ちいさなちいさな:めにみえないびせいぶつのせかい』ニコラ・デイビス/文,エミリー・サ ットン/絵,越智典子/訳,出川洋介/監修,ゴブリン書房【C ットン/絵,越智典子/訳,出川洋介/監修,ゴブリン書房【C 4】 4】 微生物にはいろいろな種類があり大きさも形も様々です。自然界での微生物の役割や,人間と の関わりなどを子供向けに書いたイギリスの絵本です。 『わたしはカメムシ』新開孝/写真・文,ポプラ社【C 『わたしはカメムシ』新開孝/写真・文,ポプラ社【C 4】 4】 花が好きなカメムシや顔のような模様のあるカメムシなど,色鮮やかなカメムシを紹介してい ます。いろいろなカメムシの卵が成虫になるまでを追った写真絵本です。 『きせきのお花畑』藤原幸一/著,アリス館【E 『きせきのお花畑』藤原幸一/著,アリス館【E フ】 400 年間一粒の雨も降らない場所もある南米のアタカマ砂漠には,一年に一度,一週間だけ花 畑が現れます。大自然の厳しさと命の営みを伝える写真絵本です。 ◆ つながり 『はじめはタマゴ』ローラ・ヴァッカロ・シーガー/さく,ひさやまたいち/やく,評論社【E 『はじめはタマゴ』ローラ・ヴァッカロ・シーガー/さく,ひさやまたいち/やく,評論社【E シ】 タマゴの形にくりぬかれたページをめくると,タマゴはヒヨコに変身します。穴から見えてい た部分は,実はニワトリの白い羽根でした。オタマジャクシやタネも鮮やかに変身します。2008 年コルデコット賞オナー賞受賞作。 『おかあさんどこいったの?』レベッカ・コッブ/ぶん/ 『おかあさんどこいったの?』レベッカ・コッブ/ぶん/え,おーなり由子/やく,ポプラ社【E え,おーなり由子/やく,ポプラ社【E コ】 男の子は,母親の死が理解できません。「ぼくがいたずらばかりしてたからいっちゃったの?」 と自分を責めますが,お父さんはそんな男の子を抱きしめて,人が「死ぬ」ということについて 話して聞かせます。母親を亡くした子供が,家族や周りの人たちに囲まれながら別れを受け入れ ていく過程を描いています。 『だいすきなおばあちゃん』日野原重明/文,岡田千晶/絵,朝日新聞出版【E 『だいすきなおばあちゃん』日野原重明/文,岡田千晶/絵,朝日新聞出版【E ヒ】 マリちゃんはおばあちゃんが大好きです。二人はいつも一緒でしたが,おばあちゃんは次第に 体調が悪くなっていき寝たきりになってしまいます。そして,お別れの時がやってきました…。 103 歳の現役医師日野原重明さんが,子供が初めて経験する「看取り」を描きました。 ―2― 『しんでくれた』谷川俊太郎/詩,塚本やすし/絵,佼成出版社【E 『しんでくれた』谷川俊太郎/詩,塚本やすし/絵,佼成出版社【E タ】 詩集『ぼくはぼく』(童話館)に収録された1篇の詩が絵本になりました。谷川さんのストレー トな言葉から,「いのち」をい・ た・ だ・ く・ ということを考えさせられる絵本です。 ◆ 社会 『ネルソン・マンデラ』カディール・ネルソン/作・絵,さくまゆみこ/訳,鈴木出版【E 『ネルソン・マンデラ』カディール・ネルソン/作・絵,さくまゆみこ/訳,鈴木出版【E ネ】 南アフリカで行われていた人種隔離政策(アパルトヘイト)をなくすために闘い,2013 年に 95 歳で亡くなったネルソン・マンデラ大統領の生涯を描いた作品です。 『ほうれんそうはないています』鎌田實/文,長谷川義史/絵,ポプラ社【E 『ほうれんそうはないています』鎌田實/文,長谷川義史/絵,ポプラ社【E カ】 この絵本のテーマは,福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染です。事故の影響で放射 性物質が検出されたために食べてもらうことができなかった農作物。その悲しみや,農家の人達 の悔しさを描いています。 ◆ 家族 『やぎや』長野ヒデ子/作,スズキコージ/絵,鈴木出版【E 『やぎや』長野ヒデ子/作,スズキコージ/絵,鈴木出版【E ナ】 町はずれの森の中には,やぎの家族が暮らしています。「いつも げんきに めえー めえー」。 家族で力を合わせて野菜やチーズ,おいしいスープを作ります。どれも「うめえー うめえー」。 スズキコージさんが,にぎやかなやぎの家族の様子をコラージュの技法で描いています。 『パパのところへ』ローレンス・シメル/文,アルバ・マリーナ・リベラ/絵,宇野和美/訳, 岩波書店【E 岩波書店【E シ】 日曜日の朝,「わたし」は早起きします。外国に働きに行っているパパから電話がかかってくる からです。そんなある日,パパから「いっしょにくらさないか?」と誘われます。ラテンアメリ カの風景を描きこんだ壁画のような絵が印象的な絵本です。 ◆ 子供 『大きくなるってこんなこと!』ルース・クラウス/ぶん,ヘレン・オクセンバリー/え,山口 文生/やく,評論社【E 文生/やく,評論社【E ク】 小さな男の子は,子犬や植物が段々大きくなっているのを見て,「ぼくは大きくなるのかな?」 と不安になります。季節が過ぎ一年前の服に袖を通した男の子は,ようやく自分の成長に気付く のでした。美しい季節の移り変わりと男の子が成長していく様子を淡い色使いで描いています。 ―3― 『クリスティーナとおおきなはこ』パトリシア・リー・ゴーチ/作,ドリス・バーン/絵,おび 『クリスティーナとおおきなはこ』パトリシア・リー・ゴーチ/作,ドリス・バーン/絵,おび かゆうこ/訳,偕成社【E かゆうこ/訳,偕成社【E コ】 クリスティーナはものを集めるのが好きな女の子です。特に空き箱が大好き。新しい冷蔵庫の 空き箱をもらい,大喜びで窓や扉を作ってお城に変身させました。お城の次は,秘密基地に変身。 なんでもおもちゃにして遊ぶ子供の発想の豊かさが感じられる絵本です。 『雪のおしろへいったウッレ』エルサ・ベスコフ/作・絵,石井登志子/訳,徳間書店【E 『雪のおしろへいったウッレ』エルサ・ベスコフ/作・絵,石井登志子/訳,徳間書店【E ヘ】 『ペレのあたらしいふく』で知られるスウェーデンの絵本作家エルサ・ベスコフの作品。100 年以上前に描かれました。冬の雪遊びの楽しさや春の訪れの喜びが,美しい絵で表現されていま す。 ◆ 音 『どん!』西村敏雄 『どん!』西村敏雄/作・絵,金 /作・絵,金の星社【E 社【E ニ】 どんとちゃんは太鼓の子供です。お出かけしたどんとちゃんは,「どんぶらこ~」と川を渡った り,どんぶりを3杯も食べたりします。繰り返される“どん”の音と,何があっても陽気などん とちゃんが楽しい絵本です。 『あみだだだ』谷川俊太郎/文,元永定正 『あみだだだ』谷川俊太郎/文,元永定正/絵, 元永定正/絵,中辻悦 /絵,中辻悦子/ 中辻悦子/構 子/構成,福音館書店【E 成,福音館書店【E タ】 画家の元永定正さんが亡くなる前に残した原画とメモの言葉をもとにして作られました。一般 的なあみだくじとは一味違ったあみだくじを,ユーモラスな音で表現しています。 ◆ わくわく 『ピクニック』ジョ クニック』ジョン・バーニンガム/作,谷川俊太郎/訳,BL ン・バーニンガム/作,谷川俊太郎/訳,BL 出版【E 出版【E ハ】 ある日,僕と私はお弁当を作ってピクニックに行くことにしました。途中で出会ったヒツジと 豚とアヒルも誘いますが,雄牛に追われたりヒツジの帽子が風に飛ばされたりとハプニング続き …。 『ちいさなきしゃとおおきなおきゃくさん』クリス・ウォ 『ちいさなきしゃとおおきなおきゃくさん』クリス・ウォーメル/作・絵,小風 ーメル/作・絵,小風さち/訳,徳間 小風さち/訳,徳間 書店【E 書店【E キ】 機関士さんは毎日自分の家から町まで小さな汽車を走らせています。ある日,お客さんとして セイウチとクマとゾウがやってきました。大きな体を押し込んでなんとか汽車に乗り込んだ3匹 は,町に到着すると買い物に出かけていきました。「買いすぎにご注意ください」と機関士さんが 声をかけますが…。 ―4― ◆ 赤ちゃん向け絵本 『いいないいな』かたやまけ 『いいないいな』かたやまけん/さく,福音館書店【E ん/さく,福音館書店【E カ】 ぷぅちゃんは,動物たちとじゃれ合いながら「いいな いいな」を繰り返します。いぬさんの 毛むくじゃらの顔や,うさぎさんの「まあるい せなか」を「いいな いいな」。そして動物たち も,ぷぅちゃんのことを「いいな いいな」と言い合います。 『ねずみがぱくっ!』西村敏 ねずみがぱくっ!』西村敏雄 みがぱくっ!』西村敏雄/さく,白泉 /さく,白泉社【 白泉社【E 社【E ニ】 はらぺこねずみが,猫のしっぽに「ぱくっ!」と噛みつきます。驚いた猫は犬のをしっぽを「ぱ くっ!」。犬は豚の,豚は牛のしっぽを「ぱくっ!」。繰返しのあるリズミカルな絵本です。 『おめんです 2』いしかわこうじ/作・絵,偕成社【E 』いしかわこうじ/作・絵,偕成社【E イ】 お面をめくると動物たちが現れる仕掛け絵本『おめんです』の続刊です。 前作の日本の伝統的なお面とは雰囲気の異なるピエロや孫悟空などのお面がでてきます。 ◆ 冬 『ふゆのむ ゆのむしとり?!』はたこうしろう/作,奥 しとり?!』はたこうしろう/作,奥山英治/作,はたこうしろう/絵,ほる 英治/作,はたこうしろう/絵,ほるぷ /作,はたこうしろう/絵,ほるぷ出版 【E ハ】 冬のある日,兄弟は公園に出かけました。弟は冬に虫がいるのか半信半疑でしたが,お兄ちゃ んは,木に下げてある札の裏に集まるナミテントウを見せてくれました。ほかにも,ミノムシや カマキリの卵を見つけたり,ユキムシが現れたり……。冬でも虫取りが楽しめることを教えてく れる絵本です。 『みまわりこびと』アストリッド・リンドグ 『みまわりこびと』アストリッド・リンドグレーン/文,キティ・クローザ レーン/文,キティ・クローザー/絵,ふ ー/絵,ふしみみさ を/訳,講談 /訳,講談社【 講談社【E 社【E リ】 「長くつ下のピッピ」シリーズのアストリッド・リンドグレーンが 1960 年代に古い詩を元に書 いた物語です。アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞したキティ・クローザーが絵を 描きました。こびとの穏やかな語りと深みのある色で描かれた絵から,雪の降る真夜中の静けさ が伝わってきます。 ◆ 夜 『ムーン・ジャンパー』ジャニス・メイ・ユ 『ムーン・ジャンパー』ジャニス・メイ・ユードリー/文,モ ードリー/文,モーリス・センダック/絵,谷川俊 太郎/訳,偕成社【E 太郎/訳,偕成社【E ユ】 『木はいいなあ』のユードリーと,『かいじゅうたちのいるところ』のセンダックの絵本です。 生き生きと描かれた子供と幻想的な夜の風景が,不思議な雰囲気を醸し出しています。1960 年の コルデコット賞オナー賞受賞作。 ―5― 『ゆうぐ 『ゆうぐれ』ユ れ』ユリ・シュ リ・シュルヴィッツ ルヴィッツ/作,さくまゆみこ/訳,あすなろ書房【E /作,さくまゆみこ/訳,あすなろ書房【E シ】 冬の夕暮れ,おじいさんと男の子が散歩に出かけました。日が暮れて明かりがともると,クリ スマスに彩られた街が現れました。『よあけ』のシュルヴィッツの絵本です。 『おやすみおやすみ』シャーロット・ゾ 『おやすみおやすみ』シャーロット・ゾロトウ/文,ウラジーミル・ボ ロトウ/文,ウラジーミル・ボブリ/絵,ふ ブリ/絵,ふしみみさを しみみさを /訳,岩波書店【E /訳,岩波書店【E ソ】 「ハトはからだをよせあって,ほかほかクウクウねむります。」いろいろな動物の眠る様子が, 優しい言葉と美しい絵で描かれています。 『しきぶとんさんかけ 『しきぶとんさんかけぶとんさんまくら ぶとんさんまくらさん』高 さん』高野文子/作・絵,福音館書店【E 野文子/作・絵,福音館書店【E タ】 男の子は「しきぶとんさん」「かけぶとんさん」「まくらさん」にお願いします。夜中におしっ こが出ませんように。怖い夢を見ませんように…。子供の不安な気持ちを和らげてくれる絵本で す。 ◆ 言葉 『ぞうまうぞ うまうぞ・さるのるさ: ・さるのるさ:うえからよ うえからよんでもしたか らよんでもしたからよ んでもしたからよんでも らよんでも』石 んでも』石津 』石津ちひろ/ことば, 高畠純 /え,ポプラ社【E /え,ポプラ社【E イ】 「ぞうまうぞ」。上から読んでも下から読んでも「ぞうまうぞ」。ぞうとさるの登場する回文が, ユーモアたっぷりに描かれています。 『ねこくんいちばでケーキを こくんいちばでケーキをかった:ロシアのわ かった:ロシアのわらべ :ロシアのわらべうた らべうた』 うた』ユーリー・ワスネツォ ーリー・ワスネツォフ/絵,たな ツォフ/絵,たな かともこ/編 かともこ/編訳,岩波書店【E 訳,岩波書店【E タ】 ロシアのわらべうたの絵本です。絵は,『3びきのくま』のワスネツォフです。リズム感のある 言葉と独特の温かみのある絵に,わらべうたの世界が凝縮されています。 ◆ 昔話 『はちかづ 『はちかづきひめ: きひめ:御伽草子 御伽草子より』長谷川摂 』長谷川摂子/再話 子/再話, 再話,中井智子/絵,福音館書店【E 井智子/絵,福音館書店【E ハ】 子供のいない夫婦が,観音様に祈り続けて女の子を授かりました。夫婦は観音様のお告げどお り,その子の頭に鉢を被せ寝ているときも決して脱がせませんでした。御伽草子を基にした物語。 『こんや,妖怪 『こんや,妖怪がやってくる 妖怪がやってくる・ がやってくる・中国の 中国のむかしばなし』 かしばなし』君島久子/文, 君島久子/文,小 子/文,小野かおる/絵,岩波書店 【E キ】 妖怪に食われてしまうと泣いているおばあさんを助けるため,「たまご」「ぞうきん」「かえる」 せいかい 「こん棒」「火ばさみ」「牛のふん」「石のローラー」が,妖怪退治に出かけます。中国の青海 省に 住む文字を持たない少数民族トゥ族が語り伝えている昔話。 ―6― 児童図書 ◆ 社会 『食べているのは生きものだ』森 食べているのは生きものだ』森枝卓士 ているのは生きものだ』森枝卓士/文・写真,福音館書店【 枝卓士/文・写真,福音館書店【383 /文・写真,福音館書店【383 モ】 人間はいろいろなものを食べます。地域によってはねずみやとかげ,虫を食べることも。食べ るものは違っていても,それらはみんな「生きもの」です。世界各地の料理や原形を残したまま 売られている動物の様子等豊富な写真が載っていて,人間が「生きもの」を食べていることを実 感させてくれます。 『みんな知 『みんな知りたい!ドクターイエローのひみつ』飯 りたい!ドクターイエローのひみつ』飯田守/著,講談 /著,講談社【 講談社【5 社【546 イ】 黄色い車体が目印の「ドクターイエロー」は,新幹線の点検を行う特別列車です。実際の線路 を新幹線と同じスピードで走りながら,電気や軌道(レール)・通信等に悪いところや悪くなりそ うなところがないかを検査・測定しています。次々に発車する新幹線が衝突しない仕組み等も紹 介されています。 ◆ どきどき・わくわく 『こぶたのぶーぷ 『こぶたのぶーぷ』西内 』西内ミナミ/作,真島節 ミナミ/作,真島節子/絵,福音館書店【 島節子/絵,福音館書店【913 子/絵,福音館書店【913 ニ】 「林のなかのいっけんやに,こぶたのぶーぷが,ひとりできちんとくらしていました。」で始ま る7つのおはなしが入っています。散らかり放題の部屋をなんとかしようと,はりきって掃除を 始めたぶーぷでしたが,水をかぶったり出しっぱなしの絵の具で汚れたりして,とうとう着る服 がなくなってしまいます。雑誌「母の友」等に掲載された文章に加筆しています。 『ネコの目 『ネコの目からのぞいたら いたら』シルヴァーナ・ガンドルフィ/作,関 』シルヴァーナ・ガンドルフィ/作,関口英子/訳,ジ 子/訳,ジュリア・オレ ッキア/絵,岩波書店【973 ッキア/絵,岩波書店【973 カ】 イタリアのヴェネチアが舞台の冒険物語。少年ダンテは,家庭教師のコジモ・ドレンテ先生の 家の子猫が初めて目を開けた時に,その瞳をじっと見つめました。すると,子猫の見ている風景 が見えるようになります。ドレンテ先生亡き後,行方不明になった子猫が,どこかの少女の家で 飼われている様子がダンテの目に映りました。しかし,その少女はおそろしい荒くれ者にさらわ れてしまったのでした。 『ディッキーの幸運 『ディッキーの幸運』E・ネズビット/作,井辻朱 ・ネズビット/作,井辻朱美/訳 辻朱美/訳 永島憲江/訳, 永島憲江/訳,東京創元 /訳,東京創元社【 東京創元社【933 社【933 ネ】 今から 100 年以上も前に書かれたイギリスを代表する児童文学作家ネズビットの作品。 ロンドンに住む孤児ディッキーは,貧しく足が不自由でした。流れ者のビールおじさんと旅を 始めたディッキーは,ある日,17 世紀にタイムスリップしてしまい,そこでは,貴族のおぼっち ゃんとして迎えられます。勇気と思いやりに満ちたディッキーが,大切な人のために二つの時代 を行き来します。同じくタイムスリップする『アーデン城の宝物』の続編。 ―7― ◆ 子供と動物 『すてもる』はやみず陽 『すてもる』はやみず陽子/作,鈴木びんこ/絵,佼成出版社【 ず陽子/作,鈴木びんこ/絵,佼成出版社【913 子/作,鈴木びんこ/絵,佼成出版社【913 ハ】 小学生の啓太は動物が大好きで,犬・ハムスター・カメ・金魚・セキセイインコを飼っていま す。ある日,捨てられたモルモット「すてもる」を見つけた啓太は,家で飼うことができないの で,動物愛護センターで預かってもらおうとしますが…。 ペットを飼うということはその命に責任があるということを考えさせられるお話です。 『シャイローがきた 『シャイローがきた夏 ーがきた夏』フィリス・レイノルズ・ネイラー/著,さくまゆみこ/訳, 』フィリス・レイノルズ・ネイラー/著,さくまゆみこ/訳,岡本 さくまゆみこ/訳,岡本順 岡本順/画, あすなろ書房【933 あすなろ書房【933 ネ】 アメリカの片田舎に住む 11 歳の少年マーティは,ある日用心深くてまったくほえない子犬に出 会います。子犬が飼い主に虐待されていることを知ったマーティはいたたまれませんでした。し ばらくすると,子犬は飼い主から逃げて,マーティのところにやってきました。マーティは子犬 をシャイローと名付けて,秘密で飼うことにしました。1993 年に『さびしい犬』というタイトル でも日本語に訳されています。 『おいでフレック,ぼ 『おいでフレック,ぼくのところに』エヴァ・イ くのところに』エヴァ・イボ ところに』エヴァ・イボットソン/著,三辺律 ットソン/著,三辺律子/訳,偕成社【 三辺律子/訳,偕成社【933 子/訳,偕成社【933 イ】 お金持ちの一人息子ハルは,どうしても自分の犬が欲しくてたまりません。根負けした父親は, 「おてがるペット社」で週末だけ犬を借りることを思いつきます。そうとは知らないハルは,犬 にフレックと名前を付けてひとときも離れずかわいがるのですが…。 ◆ 勇気 『影なし山のりん』宇佐 なし山のりん』宇佐美敬子/作,佐竹 子/作,佐竹美 佐竹美保/絵,学 /絵,学研教育出版【913 研教育出版【913 ウ】 10 歳の少女りんは,ばさまと二人暮らし。幼い頃から村人がこわがって近づかない影なし山で 遊んでいました。ある日のこと,山奥のばけもの沼から不思議な歌声が聞こえてきました。「十年 一度の月祭り 月の光に照らされて 小山に宿る三つの光」。りんは,その昔,沼に飲み込まれた という母親を助けるために,三つの光を探して暗い山の中を駆け回ります。 『全員少年探偵団』藤谷 全員少年探偵団』藤谷治 』藤谷治/著,ポプラ社【913 /著,ポプラ社【913 フ】 江戸川乱歩の名作「怪人二十面相」の世界を,『船に乗れ!』等を書いた小説家の藤谷治さんが 場面を現代にして作品化しました。 東京中が霧に覆われた日,一人の少年が気味の悪いこうもりのような男に連れ去られてしまい ました。その男こそ,怪人二十面相です。明智探偵とともに少年探偵団も活躍します。 『かぐ 『かぐやのかご』塩 やのかご』塩野米松/作,はまのゆか/絵,佼成出版社【913 松/作,はまのゆか/絵,佼成出版社【913 シ】 小学校3年生のさやかは,学校の帰り道,誰もいない林の中で思いっきり泣いていました。そ こへ現れたおばあさんは,竹を切り組み合わせてかごを作ってくれました。仲良くなったおばあ さんに,さやかは泣いていたわけを話し始めます。 ―8― ◆ 演劇 『ふたりのエアリエル』ノエル・ストレトフィールド/著,中 りのエアリエル』ノエル・ストレトフィールド/著,中村妙子/訳, 子/訳,教文館【 教文館【933 ス】 シェークスピアの劇「テンペスト」の主役エアリエルを,ダブルキャストで演じることになっ たいとこ同士のミランダとソレル。ソレルは 12 歳になるまで演劇とは全く無縁の生活を送って いましたが,イギリスを代表する女優である祖母の影響もあり,次第に演じることにやりがいを 感じるようになります。 「本人も気付かなかった子供の個性や能力が環境や出会いの刺激を受けて開花し,成長」して いく様子がみごとに描かれています。 『アニー:A 『アニー:A novel based on the beloved musical !』トーマス・ミーハン/著,三辺律 』トーマス・ミーハン/著,三辺律子/ 三辺律子/ 訳,あすなろ書房【933 訳,あすなろ書房【933 ミ】 「すぐ迎えにまいります。」という置手紙と一緒に孤児院に捨てられていた少女アニーのお話。 アニーは,いつも「明日には太陽が顔を出す。」「明日起こるかもしれないいいことについて考え よう。」とする前向きな女の子でした。 ミュージカル「アニー」を手掛けたトーマス・ミーハンが,上演時間の関係でカットしたシー ン等,自分の描きたかったアニーを余すところなく書いた物語。 ―9― 青少年向け図書 『ダイオウイカ,奇跡 『ダイオウイカ,奇跡の 奇跡の遭遇』 遭遇』窪寺恒己/著,新 恒己/著,新潮 /著,新潮社【4 社【484 ク】 ダイオウイカは,最大で全長 18 メートルにもなると言われ,深海に生息しているためその生態 は謎に包まれていました。著者の窪寺さんは世界で初めてダイオウイカの生体映像の撮影に成功 しました。ダイオウイカを追い続けた執念の記録です。 『石を抱 濱野京子/著,偕成社【913 『石を抱くエイリアン』 を抱くエイリアン』濱 くエイリアン』 子/著,偕成社【913 ハ】 いちこ 主人公の市子は,茨城県に住む中学3年生です。市子は,漠然と夢や希望といった言葉に違和 よしお 感を持っていました。市子は,「日本一の鉱物学者になる」と夢を語るクラスメイトの偉生 のこと が「異星人」のように思えてなりません。 卒業式も終わった 2011 年3月 11 日,東日本大震災が起こりました。一人で沿岸部にある祖父 母の家に向かった偉生は,行方不明になってしまいます。 『恋愛合格!太 恋愛合格!太宰治 !太宰治のコトバ 宰治のコトバ 66』 66』高野てるみ/著,マガジンハウス【910 野てるみ/著,マガジンハウス【910. 910.26 タオ 113】 113】 「恋をはじめると,とても○○が身にしみて来ますね。」(『トカトントン』)。 太宰治の小説から文章を引用し,キーワードになる言葉を○○で隠しています。 映画プロデューサーでもある著者が,太宰治の言葉を映画の名作とリンクさせて紹介していま す。 『お父 『お父さんがキモ さんがキモい理由を説明する を説明するね 明するね:父と娘がガチでトークしました』 がガチでトークしました』中山順司/著, 順司/著,泰 /著,泰文堂 【367 ナ】 インターネットの人気コラムを書籍化したものです。著者である 40 代の中山さんと,13 歳の 中学生の娘の三か月にわたる「奮闘記」です。父と娘が,本音で真面目に話し合っています。 『希望名人ゲーテと 希望名人ゲーテと絶望名人 ーテと絶望名人カフカの 絶望名人カフカの対話 カフカの対話』 対話』ヨハン・ヴォ ハン・ヴォルフガング ルフガング・フォ ・フォン・ゲ ン・ゲーテ/著,フ ランツ ランツ・カフカ/著,頭 ・カフカ/著,頭木弘樹/ 弘樹/編訳,飛鳥 訳,飛鳥新社【 飛鳥新社【9 新社【947 114 114 ケ】 生きた時代が異なり,実際には会ったことさえないゲーテとカフカ。 二人を知り尽くした編訳者が,ゲーテとカフカがあたかも同じテーマで名言対決をしているか のように 57 の名言を取り上げて,エピソードとともに紹介します。 ― 10 ― 『ルーシー変奏曲 『ルーシー変奏曲』サラ・ 変奏曲』サラ・ザ 』サラ・ザール/著,西本かおる/訳,小学 ール/著,西本かおる/訳,小学館【 小学館【933 館【933 サ】 15 歳にしてプロのピアニストのルーシーは,睡眠時間4時間で,毎日忙しく世界中を飛び回っ ています。今の生活に疑問を持ち始めたルーシーは,あるコンクールの日とうとう我慢ができな くなり,ピアノの世界から逃げ出してしまいます…。 『サマーと幸運 『サマーと幸運の小麦畑』シンシア・カドハタ/著, 小麦畑』シンシア・カドハタ/著,代 畑』シンシア・カドハタ/著,代田亜香子/訳, 亜香子/訳,金 子/訳,金原瑞人/ 瑞人/選,作品 ,作品社【933 社【933 カ】 主人公サマーは 12 歳,日系三世の女の子です。サマーの両親はコンバインの運転手で,小麦の 刈り入れの時期には,家族揃ってアメリカ各地の農場を転々として暮らしています。 今年は事情があって両親が不在のため,祖父母とサマー,弟の4人で収穫をしなくてはなりま せん。夏,収穫の旅が始まります。 『3年7組食物調理科』 組食物調理科』須藤靖貴/著, 靖貴/著,講談 /著,講談社【 講談社【F 社【F スヤ 114】 卒業後に調理師免許を取ることができる県立高校「食物調理科」を舞台にした小説。 著者は埼玉県で調理実習等に真剣に取り組む高校生の姿に感動して,この物語を書きました。 おいしそうな料理もたくさん出てきます。 ― 11 ―
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