水槽ガラス施工法

真空ガラス
複層ガラス
製品のご採用にあたっては、
「ガラスを安全に、
大
切にお使いいただくために」
、
各製品ごとの
「設計
上のご注意」
「
、施工上のご注意」
等を十分にご理
解のうえ、
製品の選定、
施工法をご検討ください。
水槽ガラス施工法
学校用ガラス
お問い合わせ先
日本板硝子ディー・アンド・ジー・システム株式会社
P.259
防火ガラス
P219-1,2,3,4
防犯ガラス
水とガラスを結びつけることは水圧に対する安全
4防水処理
性と防水性の問題を解決することであり、各タイ
防水個所とその標準材料
プの水槽ともこの点を十分に考慮してあります。
ガラス−ガラス/シリコーン系シーリング材
ガラス−取り付け枠/シリコーン系シーリング材
◉特 長
強化・倍強度
ガラス
1用途に応じた各種タイプの施工が可能です。
2ガラスは用途、水圧、その他各種条件を考慮し、
取り付け枠−軀 体/エポキシ樹脂
◉強化合わせガラスの水槽・プール・海中展望塔の構成
●プール用覗窓
強化合わせガラス・合わせガラス(ラミペーン)など
を選定しています。
●大型水槽用単窓
合わせガラス
◉工事範囲
矩形タイプ
1水槽用ガラス・シーリングおよび防水工事など。
特殊
機能ガラス
2工事範囲は打合わせにより、その都度決めること
高透過ガラス
1安全性
円形タイプ
沖縄海洋博 対話プール
ジュゴンプール
矩形タイプ
になります。
◉設計上の留意点
曲面突出タイプ
●海中展望用窓
(
)
円形タイプ
白浜、
串本、沖縄
足摺岬海中展望塔
●大型水槽用連続窓
丸長ワイドタイプ
波止岬海中展望塔
・長期荷重である水圧によるガラスの疲労を考慮し
た耐水圧設計を行います。
熱吸・熱線反射
ガラス
・多数の人が集ったり、大容量の水を遮断している
金属方位タイプ
あべのプール
水族館の水槽、プールの監視窓、海中展望窓などの
ガラススティフナータイプ
串本海中公園マリンパビリオン
金属方位・上部フリータイプ
沖縄海洋博ショープール
場合、ガラス強度が十分あったとしても、万一、他
板ガラス
の外的要因の衝撃物やいたずらなどにより破損した
場合は人的・物的に多大な損害を与える事故となる
おそれがあります。したがって、十分な安全性を確
装飾ガラス
保するために、原則として合わせガラスを用いるこ
とが必要であり、破損の際も残りのガラスで取り替
え時まで水圧を保持できる仕様とします。
鏡・
カラーガラス
2レンズ効果
◉強度設計のポイント
水圧が負荷した状態で最大発生応力および最大発生
P.219-1
たわみをTimoshenkoの微小変形理論式により求
め、さらに用途・条件などを加味して、ガラス品種、
厚さ、および合わせ枚数を決めます。
●用途・規模などによる計算法
用 途・規 模
・ガラスが強度上安全な仕様となっていても、水圧
により、たわみ限度を超すと、不安感を与えたり、
レンズ効果により水槽内が歪んで見えることがあり
板ガラス応用
製品及び施工法
ます。
・水圧によるガラスの発生たわみを計算により求め
ます。たわみ率はガラス短辺見付長さの1/200以
音響・防音・
シールド工事
下とします。
計 算 法
A 水族館・海中展望塔など、
万一の
際、人身への危険性大なもの
最大発生応力σ≦ガラスの長期許容応力σaを満足するガラスを求め、
さらに同厚の単板ガラスを1枚加えた合わせガラスとする
B 中規模の水槽で、万一の際も人身
への危険性の少ないもの
最初から合わせガラスの仕様で、
最大発生応力σ≦ガラスの長期許容応
力σaを満足するガラスを求める
C 容量の小さい水槽で、
万一の際も
人身への危険性のないもの
最大発生応力σ≦ガラスの長期許容応力σaを満足すれば、
単板ガラスの
使用も可能
最終的に求めた仕様のガラスで計算した、
たわみが限度以内のこと
最大発生たわみδ ≦1/200
ガラス短辺見付長さ A B C 共通許容たわみ
3サッシの剛性と精度
ガラスの取り付枠やサッシは剛性が十分でないとガ
設計・施工・
使用上のご注意
ラスのみこみ部までたわみ、計算より危険サイドと
なります。したがって周辺サッシのたわみは水圧負
荷時各辺長の1/500以下とします。
板ガラスの
光学的性能・熱的性能
・製作精度の良好なものを用い、取り付け枠のひず
みをガラスへ伝達させないようにしてください。
製品一覧
156
◉安全率と許容曲げ応力
1 安全率
品 種
安全率
2 許容曲げ応力
S=S1×S2
フロート板ガラス
3∼5
強化ガラス
3
S:総合安全率
S1:バラツキを見込む安全率
S2:疲労を見込む安全率
長 期 許 容 応 力
面内
エッジ
σac
σae
品 種
N/mm2 kgf/cm2 N/mm2 kgf/cm2
∼ 8ミリ
9.8
100
6.9
70
フロート
10∼12ミリ 8.8
90
6.9
70
板ガラス
15∼19ミリ 7.8
80
6.9
70
強化ガラス※
73.5
750
68.6
700
※強化ガラスは水平強化製法の場合の数値
項 目
真空ガラス
1ガラス面の負荷圧力は垂直窓の場合、一定の傾き
●三角荷重
を持つ三角荷重、または台形荷重となり、底面の場
●等分布荷重
水面
水面
水面
H
H
H
学校用ガラス
合は等分布荷重となります。
●台形荷重
複層ガラス
◉水槽ガラス面の負荷圧力
2静的な長期荷重として考えます。
3波浪、潮流、地震その他による動水圧や、魚など
の生体や岩石・流木などの衝撃力は必要に応じ個別
4荷重q
1
q= 10
ρH
q
kgf/cm
H:ガラス下端までの水深 m
2
◉強度計算式
p220-2~4
選定します。
■記号の説明 ※SI単位
{ }
内は従来単位
<曲げ応力>σc:ガラス面中央部の最大発生曲げ応力 MPaまたはN/mm2
σe:ガラス辺中央部の最大発生曲げ応力 MPaまたはN/mm2
{kgf/cm2 }
{kgf/cm2 }
< たわみ> δc:ガラス面中央部の最大のたわみ
δe:ガラス辺中央部の最大のたわみ
mm
mm
{cm}
{cm}
(ガラス下端の水圧)
<荷 重> q :水圧荷重
MPaまたはN/mm2
{kgf/cm2 }
<ガラス構成> n :合わせガラスを構成するガラス枚数
(ただし、
同厚ガラスを用いるものとする。単板時はn=1)
mm
(円の場合は半径)
<寸 法> a :矩形の一辺
mm
b :矩形の他辺
mm
:指定する辺の長さ
mm
t :ガラス厚さ
●最大曲げ応力
q 2
σc=β nt2
q
0.85
1
1.2
2
b/a
0.3
0.5
0.7
4
5
∞
β
0.465
0.330
0.236
0.181 0.156
0.198 0.253
1.5
0.314 0.367
3
0.381
0.385
0.386
α
0.089
0.062
0.043
0.032 0.024
0.033 0.045
0.058 0.070
0.074
0.074
0.075
q 4
δc=α 3
nEt
熱吸・熱線反射
ガラス
縦長・横長とも は短辺をとる
(2)
三角荷重を受ける全周単純支持円形板
水面
●最大曲げ応力
σc=0.643
H
q a2
nt2
●最大たわみ
q a4
nEt3
P.220-2
装飾ガラス
δc=0.384
q
板ガラス
2a
aは半径をとる
●β
・
α係数値
(3)
台形荷重を受ける四辺単純支持矩形板
H
●最大たわみ
b
q
q 4
δc=α 3
nEt
1.2
1.6
2
2.5
縦長・横長とも は短辺をとる
3
H/a>3の場合は水槽底面の計算式(5)による
0.3
3
4
5
β
0.497
0.370 0.269
0.209
0.172 0.223
0.287 0.360
0.422
0.439
0.443
0.5
0.7
0.85
1
1.2
1.5
2
α
0.095
0.070 0.049
0.037
0.028 0.038
0.052 0.068
0.082
0.086
0.087
β
0.538
0.424 0.313
0.244
0.195 0.255
0.332 0.419
0.492
0.512
0.517
α
0.105
0.081 0.058
0.043
0.032 0.045
0.061 0.080
0.096
0.101
0.102
β
0.571
0.458 0.340
0.265
0.209 0.275
0.360 0.455
0.535
0.557
0.563
α
0.112
0.088 0.063
0.047
0.035 0.049
0.066 0.087
0.105
0.110
0.111
β
0.599
0.486 0.362
0.282
0.221 0.292
0.382 0.484
0.571
0.594
0.600
α
0.117
0.093 0.067
0.050
0.037 0.052
0.071 0.093
0.112
0.117
0.118
β
0.618
0.505 0.377
0.294
0.229 0.303
0.398 0.504
0.595
0.619
0.625
α
0.121
0.097 0.069
0.052
0.039 0.054
0.074 0.096
0.116
0.122
0.123
水面
●最大曲げ応力
2
●最大たわみ
q
1.2
1.4
1.6
1.8
2
3
4
6
10
∞
0.645
0.732
0.796
0.845
0.884
0.916
1.013
1.062
1.111
1.151
1.211
α
0.380
0.442
0.487
0.520
0.546
0.567
0.630
0.661
0.693
0.718
0.755
q 4
δc=α a 3
nEt
157
製品一覧
aは半径をとる
1
β
板ガラスの
H
H/2a
光学的性能・熱的性能
2a
qa
σc=β 2
nt
●β
・
α係数値
設計・施工・
使用上のご注意
(4)
台形荷重を受ける全周単純支持円形板
音響・防音・
シールド工事
p221-1~4
q 2
nt2
b/a
板ガラス応用
製品及び施工法
σc=β
a
H/a
●最大曲げ応力
水面
鏡・
カラーガラス
2 窓の上端より上部に水面のある場合
高透過ガラス
b
●最大たわみ
●β
・
α係数値
特殊
機能ガラス
(1)
三角荷重を受ける四辺単純支持矩形板
H
合わせガラス
β:ガラス辺比による応力係数
α:ガラス辺比によるたわみ係数
(板ガラスのポアソン比は0.23とする)
1 窓の上端と水面が一致する場合
a
{cm}
{cm}
{cm}
{cm}
7.16×104 MPaまたはN/mm2 {7.3×105 kgf/cm2 }
<係 数> E :ガラスのヤング率
水面
強化・倍強度
ガラス
ガラス形状、支持条件、荷重形態に応じて計算式を
q
防犯ガラス
※SI単位の数値はkgf/cで
ρ
:液体密度 g/cm3
表示された値に0.0980665
を乗じて3桁目を四捨五入し、
水1.0 海水1.01∼1.05
有効数字2桁としてください。
ガソリン0.66∼0.75 原油0.7∼1.0
防火ガラス
q
に検討します。
p221-1~4
水面
2a
●最大曲げ応力
q a2
σc=β 2
nt
H
●最大たわみ
δc=α
q
aは半径をとる
q a4
nEt3
●サンシャイン水族館(東京)
設計:三菱地所設計、大成建設
施工:大成建設東京支店
3 水槽底面および圧力函の覗窓の場合
(5)等分布荷重を受ける四辺単純支持矩形板
●最大曲げ応力
水面
H
q
σc=β nt2
2
a
q
b
●最大たわみ
●β
・
α係数値
b/a
1
1.2
1.5
2
3
4
5
β
0.272
0.362
0.476
0.603
0.711
0.740
0.748
α
0.047
0.065
0.088
0.116
0.139
0.146
0.148
q 4
δc=α 3
nEt
は短辺をとる
(6)等分布荷重を受ける全周単純支持円形板
●最大曲げ応力
水面
H
σc=1.212
2a
q a2
nt2
●最大たわみ
q
δc=0.756
q a4
nEt3
aは半径をとる
4 窓の上端と水面が一致する場合で上端辺フリー
(7)三角荷重を受ける三辺単純支持矩形板
●最大曲げ応力
q b2
nt2
q b2
σe=β 2
nt
水面
a
σc=β
H
●最大たわみ
b
158
q
qb4
δc=α
nEt3
qb4
δe=α
nEt3
●β
・
α係数値
発生部位
面 最 大 部
フリー辺中央部
b/a
0.5
0.68
1
1.5
2
β
0.336
0.267
0.198
0.157
0.115
α
0.064
0.050
0.040
0.033
0.025
β
0.156
0.187
0.194
0.157
0.115
α
0.032
0.039
0.040
0.033
0.025
真空ガラス
水槽ガラス施工法 DETAIL
サンシャイン水族館
複層ガラス
学校用ガラス
防火ガラス
防犯ガラス
強化・倍強度
ガラス
合わせガラス
▼姿図/断面
85 25
110
1,675
観覧側
160
40
55
M12アンカーボルト
(別途工事)
227
PL9
▼横断面/スティフナー部
100
FB6×50 SUS316
マリンシーラントGX
50
12
シリコーン成形品
10 32
110
35
25
水槽側
強化合わせガラス15+15
15 32
30
水槽側
43
マリンシーラントGX
リブガラス
強化合わせガラス
15+15+15
50
観覧側
20
49
89
20
145
10 32
50
仕上げ材(取り外し可)
200
リブガラス
強化合わせガラス
15+15+15
50
M12アンカーボルト
(別途工事)
12 30
30
60
15 20 20
25
190
250
アクリル板
145
40
90
159
製品一覧
85
板ガラスの
30
光学的性能・熱的性能
10
60
110
50
15 20
充填剤
マリンシーラントGX
エポキシ防水
ライニング
217
20
GW=200
強化合わせガラス15+15
設計・施工・
使用上のご注意
1,800
GH=2,020
マリンシーラントGX
アクリル板
マリンシーラントGX
音響・防音・
シールド工事
50
充填剤
観覧側
板ガラス応用
製品及び施工法
マリンシーラントGX
85
50
φ20
916
15
ガラス押さえ FB SUS316
10
40
鏡・
カラーガラス
エポキシ防水ライニング
6
205
60
60
15
325
145
装飾ガラス
85 145 90
40
85
板ガラス
200 10
110 50
1,520
▼縦断面/ガラス面
水槽側
リブガラス
強化合せガラス
32 t15+t15+t15
リブガラス
強化合わせガラスt15+t15+t15
310
GH=2,080
1,675
GH=2,020
1,800
GH=2,080
強化合せガラス
t15+t15
強化合せガラスt15+t15
熱吸・熱線反射
ガラス
観覧側躯体開口1,900
強化合せガラス
t15+t15
水槽側躯体開口2,120
20
1,520
310
175
高透過ガラス
50 175
25
160
12
10
●サンシャイン水族館(東京)
設計:三菱地所設計、大成建設
施工:大成建設東京支店
325
85145 40 55
特殊
機能ガラス
▼姿図/立面
真空ガラス
複層ガラス
学校用ガラス
防火ガラス
防犯ガラス
強化・倍強度
ガラス
●男鹿水族館GAO(秋田)
設計:
(株)
大建設計
施工:清水建設
合わせガラス
特殊
機能ガラス
高透過ガラス
熱吸・熱線反射
ガラス
板ガラス
装飾ガラス
鏡・
カラーガラス
板ガラス応用
製品及び施工法
音響・防音・
シールド工事
●仙台うみの杜水族館
(宮城)
設計:
(株)
大建設計
施工:大成・橋本店特定建設工事共同企業体
設計・施工・
使用上のご注意
板ガラスの
光学的性能・熱的性能
製品一覧
160