ダイナカル施行マニュアル

施工マニュアル
( 2012 年 11 月作 成)
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東京 ■ トーヨーケム株式会社
ポリマー・ 塗加工販売統括部 塗加工販売部
〒104- 8379 東京都中央区京橋 2丁目3-13
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トーヨーケム 株式会社
〒104-8379 東京都中央区京橋2丁目3-13
は じめ に
本施工マニュアルは、弊社製マーキングフィルム「ダイナカル/ダイナカルサインシリーズ」及び
「ダ イ ナ カ ル エ コ サ イ ン シ リ ー ズ 」 を よ り 良 く ご 使 用 頂 く た め に 作 成 し た も の で あ り ま す 。 基 本 的
な施工及びそれに付随しますポイントや注意事項等も一部掲載しておりますが、併せてダイナカル
カタログ記載の「ダイナカルのご使用にあたって」及び製品同梱帯紙記載の「ダイナカルをより良
く ご 使 用 頂 く た め に 」 を ご 一 読 頂 け れ ば、施工品質向上への一助になります。
準 備ツ ールについて
・スキ ー ジ
・ワイパー
・マス キ ン グ テ ー プ
・ハサミ
・ カ ッターナイフ
・ 水 + 中 性 洗剤
( 霧 吹 き )
・軍手
・定規
・巻尺
・アルコール
(エタノールまたは IPA)
・ウェスまたはタオル
01
・ピン針
・ドライヤー
・リベットブラシ
施 工環 境について
・ 貼 り 付 け 作 業 に つ い て は 、 1 0 ℃ ∼ 30℃の環境が適しております。
・ 冬場10℃を下回る場合には、ドライヤー等で被着体及び粘着層を適温に暖めてから貼付,圧着
し て く だ さ い 。ま た 、ジェットヒ ー タ ー や 赤 外 ラ ン プ 等 で 上 述 温 度 環 境 に な る よ う に 配 慮 し て く
ださい。
・低 温 時 の ウ ェ ッ ト 施 工 に 関 し て は 、充 分 な粘着力が得られず、浮き,剥がれの原因になりますので、
お 奨 め で き ま せ ん 。
・粘 着 層 へ の ゴ ミ や ホ コ リ の 付 着 は 粘 着 力の低下や、仕上がり品質の低下を招きます。ゴミ,ホコリ,
風 等 の な い 環 境 で 作 業 す る よ う に し てください。
・ま た、作 業 は 明 る い 場 所 に て 実 施 し て く だ さ い。気 泡 等 の 仕 上 が り 品 質 が 充 分 に 確 認 で き る 環 境
を 作 る よ う に し て く だ さ い 。
下 地処 理について
【下地材質選択】
次 に 挙 げ る 被 着 体 に は 使 用 し な い で く ださい。
・ 銅 板 , 真 鍮 板 や ポ リ エ チ レ ン , ポ リ プロピレン , シリコン塗装物 , フッソ塗装物などの接着力が
得られない素材。
・ ポ リ カ ー ボ ネ ー ト な ど の ア ウ ト ガ ス を発生ずる素材。
・ 軟 質 塩 化 ビ ニ ル ( タ ー ポ リ ン , テ ン ト地など)やゴムなどの遊離成分が含まれる素材。
・ 布 地,発 泡 体 , ス レ ー ト , ベ ニ ア 板 ,コ ン ク リ ー ト , モ ル タ ル , ヘ ア ラ イ ン 加 工 金 属 板 な ど の 表
面 粗 く 付 き 難 い 素 材 。
【下地表面状態】
・ 被 着 体 の表 面 は 平 滑 で あ る こ と を 確 認し、傷や凹凸のある被着体には貼付しないでください。
ま た 、 被 着 体 を 再 利 用 す る 場 合 は 、 旧意匠フィルムなどは剥がしてから使用してください。
そ の 他 に も 下 地 劣 化 が な い こ と を 十 分に確認してください。
【下地表面洗浄】
・ 被 着 体 表 面 の ゴ ミ , 汚 れ , 油 分 を 中 性 洗剤または
ア ル コ ール を 使 用 し て 取 り 除 き 、中 性洗剤を使用
し た 場 合に は 洗 剤 が 残 ら な い よ う に 再 度、水拭き
を し て くだ さ い 。ペイント 薄 め 液 ,シンナー等は使用
し な い でく だ さ い 。
但 し 、 ア ク リ ル 板 を 洗 浄 す る 場 合 は ア ル コ ー ル ,
帯 電 防 止 液 等 は 使 用 せ ず 、必 ず 中 性 洗 剤 をご使用
く だ さ い 。
02
基 本施 工方法
【ドライ施工】
・ド ラ イ 施 工 の 場 合、施 工 の 位 置 決 め の 際 は 端 部
2c mく ら い 剥 離 紙 を 剥 が し 、 軽 く 貼 り 付 け て 仮
固 定 し てく だ さ い 。
・位置を調整する場合はフィルムが伸びないように
剥 が し て再 度 、 仮 固 定 を し て く だ さ い。
・施工位置を確認後、剥離紙を少しずつ剥がしなが
ら 、ス キ ー ジ (柔 ら か い フ ェ ル ト や 布 を 巻 き つ
け た も の)で エ ア が 残 ら な い よ う に 充 分 圧 着 し
て く だ さい 。
・中央から両端へエアを押し出すようにスキージで
圧 着 す る と 綺 麗 に 施 工 で き ま す 。
・気泡やタルミが生じないようにフィルムを軽く引
張 り な が ら 圧 着 し て く だ さ い 。
【ウェット施工】
・ ウ ェ ッ ト 施 工 の 場 合 、 霧 吹 き に 水 ま た は 0.1 %
以 下 の 中 性 洗 剤 溶 液 ( 水 1 0 0 c c に つ き 中 性 洗
剤を1∼2滴)を入れたものを準備してください。
但 し オ レ ン ジ ピ ー ル 入 り の 洗 剤 は 使 用 し な い で
く だ さ い 。
・粘 着 シ ー ト の 剥 離 紙 を 剥 が し 、 粘 着 シ ー ト の 粘 着
面 と 表 面 お よ び 被 着 体 表 面 に 霧 吹 き で 水 ま た は
0 . 1 % 以 下 の 中 性 洗 剤 溶 液 を 吹 き つ け、被 着 体
に 粘 着 シ ー ト を 載 せ て 位 置 合 わ せ を 行 っ て く だ
さい。
03
・施工位置を確定後、粘着シートの中央部から外方
向 に 向 け て 水 を 押 し 出 す よ う に 施 工 し て く だ さ い。
水分が残らないように完 全 に押し出 してください。
・粘 着 フ ィ ル ム 表 面 に も 水 を 拭 き つ け た ほ う が 滑 り
や す く な り 、 表 面 に キ ズ が 付 き に く くなります。
・洗 剤 の 濃 度 が 濃 い 場 合 や 洗 剤 が 残 っ た 場 合 は 充 分
な 粘 着 力 が 得 ら れ ず 、 剥 離 や 収 縮 の 原 因 に な り
ま す の で ご 注 意 く だ さ い 。
・尚 、 ウ ェ ッ ト 施 工 は 、 冬 季 の 施 工 , 3 次 曲 面 へ の
施 工 , 凹凸 部 へ の 施 工 に は 適 し ま せ ん。
そ の他 施工方法
・被着体に継ぎがある場合は、パーツ毎に施工する
か、 施 工 後 に カ ッ タ ー ナ イ フ 等 で 継 ぎ 部 に 切 り 目
を 入 れ て くだ さ い 。
・スパンドレルに施工する場合もパーツ毎に施工し
た 後 に 組 み 立 て る か、組 み 立 て た 後 に 施 工 す る 場
合 は、接 続 部 に カ ッ タ ー ナ イ フ 等 で 切 り 目 を 入 れ 、
その切り目部分を再度スキージなどで十分に圧着
し て く だ さい 。
・ フ ィ ル ム の 継 ぎ 施 工 を 行 う 場 合 は 、 1 0mm以 上
重 ね て 施 工し て く だ さ い 。
・上下で継ぎ施工をする場合は上部のパーツが上か
ら 重 な る よ う に 継 ぎ 加 工 し て く だ さ い 。継 ぎ 部 の
剥 が れ 、 汚れ 付 着 の 防 止 に な り ま す 。
・フィルムの色によっては重ね部分の色が変わるこ
とがありますので事前に確認してから施工してく
ださい。
・被着体にリベットやネジが付いている場合はその
部 分 は く り抜 い て 施 工 し て く だ さ い 。
04
【コルゲート施工について】
ア プ リ ケ ー シ ョ ン テ ー プ を 使 用 し、形 状 に 沿 っ て
貼 り 付 け て く だ さ い。押 し 込 み 貼 り お よ び ウ ェ ッ
ト 施 工 は し な い よ う に し て く だ さ い 。 ま た、デ ザ
イ ン 上 、 複 層 の 重 ね は 可 能 な 限 り 避 け てください。
①位 置 決 め の 際 は 、 端 部 剥 離 紙 を 少 し 剥 が し 、 軽
く 貼 り 付 け て 仮 固 定 し て く だ さ い。そ の 際 に は 歪
み等がないようにしてください。
②ア プ リ ケ ー シ ョ ン テ ー プ ご と 指 の 腹 で 左 右 に 滑
ら せ な が ら エ ア を 押 し 出 す よ う に 圧 着 さ せ る。こ
のときフィルムは他の部位に貼りつかないように
多少張りながら形状に沿わして貼り込むようにし
て く だ さ い。左 右 に エ ア を 押 し 出 し な が ら 徐 々 に
(細 か く)下 方 へ 貼 り 込 ん で く だ さ い 。 特 に 凹 部 は
充分に圧着してください。
③圧 着 が 終 了 し た ら 、 下 地 フ ィ ル ム が 浮 か な い よ
う に、ア プ リ ケ ー シ ョ ン テ ー プ を ゆ っ く り と 剥 が
してください。
④ も う 一 度 フ ィ ル ム を 充 分 に 圧 着 し て く だ さ い。
特に凹部は力が加え難いのでドライヤー等を用い
な が ら 圧 着 し て く だ さ い。重 ね 段 差 が 生 じ る 場 合
も ド ラ イ ヤ ー 等 で 十 分 に 圧 着 し て く だ さい。
⑤ 気 泡 は ピ ン 針や カ ッ タ ー ナ イ フ で
除 き 、圧 着 す る よ う に し て く だ さ い 。
コルゲート板の継ぎ段差部は必ず
カッターナイフ等で切れ目を入れて
ください。リベット周りはくり抜き、
ス キ ー ジ ・リ ベ ッ ト ブ ラ シ で
念入りに圧着してください。
05
【車輌施工について】
① 平 面,二 次 曲 面 に つ い て は、ア プ リ ケ ー シ ョ ン
テ ー プ を 使 用 し、形 状 に 沿 っ て 貼 り 付 け て く だ さ
い。十 分 に 圧 着 し た 後、ア プ リ ケ ー シ ョ ン テ ー プ
を ゆ っ く り 剥 が し 、 再 度 圧 着 し て く だ さ い。気 泡
が あ る 場 合 は ピ ン 針,カ ッ タ ー ナ イ フ 等 で 穴 を 開
け圧着して抜いてください。
② 三 次 曲 面 に つ い て は 、 ド ラ イ ヤ ー 等 を 使 用 し、
フ ィ ル ム を 暖 め な が ら 貼 り 付 け て く だ さ い。平 面
部 か ら 貼 り 付 け て ゆ き、曲 面 部 で は ド ラ イ ヤ ー で
フィルムを適度に加温しながら形状に沿って少し
ず つ 貼 り 込 ん で く だ さ い。こ の 時 ウ ェ ス や 軍 手 を
使 用 す る と 施 工 し や す く な り ま す 。( ド ラ イ ヤ ー 等
の 熱 に 注 意 し て く だ さ い 。)
フィルムが延びすぎて色が変化するような曲面が
き つ い 部 位 に つ い て は 、 フ ィ ル ム を カ ッ ト し、分
割して貼るようにしてください。
③ ド ア 把 手 や キ ー ホ ー ル 部 分 は 、 凹 凸 を 意 識 せ ず、
通 常 の 平 面 貼 り の 要 領 で 一 度 貼 り 込 ん で く だ さ い。
次 に ド ラ イ ヤ ー 等 を 使 用 し、フ ィ ル ム を 暖 め な が
らドア把手部の形状に沿わせながら圧着してくだ
さ い。 ま た キ ー ホ ー ル 部 に つ い て は 、 浮 い て い る
キーホール周りをドライヤー等でフィルムを暖め
な が ら 圧 着 し て く だ さ い。圧 着 の 後、そ れ ぞ れ 形
状に沿ってカットしてください。
【ステンレス板への施工について】
ス テ ン レ ス 板 に 貼 り 付 け て 屋 外 掲 載 す る 場 合、条
件によっては粘着剤及びフィルムの劣化が生じる
こ と が あ り ま す。以 下 の 施 工 方 法 に よ り こ の 劣 化
を回避することができます。
① ま ず ス テ ン レ ス 板 に 白 色 フ ィ ル ム(DC1001,
D C1020, エ コ サ イ ン を 御 使 用 の 場 合 は 、
DCE1400 ) を 貼 り 付 け ま す 。
② 次 に、そ の 白 色 フ ィ ル ム 上 に 表 示 し た い 色 フ ィ
ルムを貼り付けてください。
③ 事 前 に、 色 フ ィ ル ム / 白 色 フ ィ ル ム を 貼 り 合 せ
たシートを施工することも可能です。
06
施 工仕 上げ処理について
・施工後に気泡が残った場合は、ピン針またはカッ
タ ー ナ イ フ の 刃 先 で 極 小 さ な 穴 を 開 け て、エ ア
を 追 い 出す よ う に 圧 着 し て く だ さ い 。
・施工後に表面を洗浄する場合は、中性洗剤を水に
薄めて使用してください。濡れたウェスやタオル
に 水 で 薄 め た 中 性 洗 剤 を 浸 み 込 ま せ て、施 工 物
の 表 面 を 軽 く 拭 き 、 最 後 に 水 拭 き し て 洗 剤 を 取
り 除 い て く だ さ い 。 ア ル コ ー ル や 帯 電 防 止 剤 を
使 用 す る 場 合 は 、 施 工 物 表 面 を 軽 く 拭 い て 仕 上
げてください。
(※ダ イ ナ カ ル エ コ サ イ ン を ご 使 用 の 場 合 は、ア
ル コ ー ル や 帯 電 防 止 剤 の 使 用 を 避 け 、 中 性 洗 剤 ,
水 拭 き を 行 っ て く だ さ い 。)
そ の他 注意事項について
・ 製 品 保 管 は 、 高 温 多 湿 , 直 射 日 光 を 避 け、風 通 し
の 良 い 場所 に て 保 管 し て く だ さ い 。
・ ま た、 フ ィ ル ム は 紙 管 に 巻 き 取 り 、 宙 吊 り 状 態 で
保 管 し て く だ さ い 。 横 に 寝 か せ て 置 い た 場 合 は、
接 触 面 に 不 当 な 圧 力 が か か り 、 変 形 や 押 し 跡,
フ ィ ル ムの ツ ヤ が 消 え る こ と が あ り ます。
・ 剥 離 紙 は 滑 り や す い の で 放 置 す る 事 な く、早 急 に
廃 棄 し 、転 倒 に は ご 注 意 く だ さ い 。
・ メタリック 色 ま た は マット タ イ プ の フィルム の 継 ぎ
は、
フィルムの流れ方向を合わせてご使用ください。
・工 業 製 品 ゆ え 、製 造 ロ ッ ト に よ っ て は 微妙に色調・
隠 蔽 性 が 異 な る 場 合 が あ り ま す の で フ ィ ル ム を
継 ぎ 合 わ せ る 場 合 に は 同 一 ロ ッ ト の フ ィ ル ム の
仕 様 を 推奨 い た し ま す 。
・シルク印刷に使用する印刷インキについては事前
に 適 合 性を 御 確 認 く だ さ い 。
( よ り 印 刷 適 正 の 高 い DT 1 0 0 3 G Y - 2 もござい
ます)
・使用済みセパレータの使い回しは避けてください。
剥離が重くなる場合があります。
・DC0800 は オ ー バ ー ラ ミ と し て 使 用 し な い で く だ
さい。
07
×
◎
・そ の 他 詳 細 に つ い て は 、ダ イ ナ カ ル カ タ ログの「ダ
イ ナ カ ル の ご 使 用 に あ た っ て」及 び 製 品 同 梱 の
「ダ イ ナ カ ル を よ り 良 く ご 使 用 頂 く た め に 」 を 必
ず お 読 みく だ さ い 。
・ 尚 、 本 製 品 は 工 業 用 粘 着 テ ー プ で す 。以 下 の 用 途
で は 使 用で き ま せ ん 。
- 皮 膚 に直 接 触 れ る 用 途
- 食 品 に直 接 触 れ る 用 途
- 食 品 内 包 装 用 途 等 、 食 品 に 触 れ る 可能性のある
用 途、ま た 食 品 へ 悪 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 の あ る
用途
- 医 薬 用 プ ラ ス チ ッ ク 包 装 材 等 、 医 薬品に触れる
可 能 性 の あ る 用 途 、 ま た 医 薬 品 へ 悪 影 響 を 及
ぼ す 可 能 性 の あ る 用 途
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