ッチのうち、ハイ・ピッチはおよそ a1 = 520Hz 付近であったという。 8

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ッチのうち、ハイ・ピッチはおよそ a1 = 520Hz 付近であったという。
8′ヒッチピン・レール
英)eight-foot hitchpin rail 佛)barre d’accroche / moulure d’accroche de huit-pied
獨)8′ Anhangeleiste / Achatfus-Anhangeleiste
⇒ヒッチピン・レール
8′ブリッジ
英)eight-foot bridge 佛)chevalt de huit-pied 獨)8′ -Steg /
Achtfussteg
響板上におかれた 8′ レジスター用のブリッジ。
8′レジスター
⇒ 8′ストップ
撥弦点
⇒プラッキング・ポイント
バットレス
英)buttress ⇒ニー
バッハクラヴィーア
獨)Bachklavier
メ
ン
デ
ラ
ー
ミュンヘンの工匠 Karl Maendelerが二十世紀初めに創案したモデルで、指先の
タッチにより強弱表現が可能なチェンバロ。1933 年には製作をやめた。
バッハ・ディスポジション / バッハのレジスター配列
英 )Bach-disposition 佛 )disposition de Bach
獨)Bachdisposition
二段鍵盤楽器の上下鍵盤に、それぞれ2クワイ
アを連結するカプラー装置付きのディスポジシ
ョン(右)。シャルロッテンブルク宮蔵の「Bach
上鍵盤: 1×4′ 1×8′ ┐
───────── カプラー
下鍵盤: 1×8′
奏者
1×16′ ┘
▲
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のチェンバロ」と伝えられた楽器(コレクション番号 No.316)が備えるディスポジシ
ョンであったため、二十世紀前半の多くのモダン・メーカーが採用するところとな
ラ ブ レ ッ シ ェ
った(⇒ドイツ様式の楽器)。また、上鍵盤の 4′ は現存楽器(Claude Labrèche?
⇒インターナショナル様式 1693, Nicolas Blanchet 下巻 p.135 /1746, F. E.
ブ
ラ
ン
シ
ェ
Blanchet下巻 p.71 ⇒フランス様式の楽器) にないわけではないが、それらは後補
の説もあり仕様の十分な考証はされていなかった。H.p.331/F. Ernst, “Der Flügel
J. S. Bach”, 1955.
Bach のチェンバロ/バッハフリューゲル
英)Bach Harpsichord 佛)clavecin de Bach 獨)Bachflügel
ミ
ー
ト
ケ
ベルリンの工匠 Michael Mietkeに、Bach 自身の希望の仕様で発注した楽器が完
成し、1719 年、ケーテンからベルリンへ自ら受け取りに行ったという記録(Bach
Dok II, pp.73-4)はあったが、その楽器がどのようなものであったのかについては、
今日まで興味を持たれながらも不明のままであった。Bach の遺品目録で、
「できる
だけ家族のもとに置かれたい」と但し書きされた「化粧板貼りのクラヴサン fournirt
clavecin」についても不明である。
16′ ストップ付楽器のパイプ・オルガンのような響きは、二十世紀前半のチェン
バロ復興期、特にドイツの主導的メーカーによって具現化されていた。その拠り所
となった楽器がシャルロッテンブルグ宮蔵コレクション番号 No.316 楽器で、長年
にわたって Bach の楽器か、ゆかりの楽器とみなされてきた楽器であった。
この楽器は、第二次大戦前から戦後にかけて我国の音楽界に貴重な足跡を残した
エ タ
ハ ー リ ッ ヒ
シ
ュ
ナ
イ
ダ
ー
Eta Harich-Schneider女史も、若い頃、定期的に演奏する機会をもっていた。外見
は、武骨なラウンド・テールを持つ二段鍵盤楽器であるが、下鍵盤のレジスター配
列に 16′ のある、いわゆるバッハ・ディスポジションを備えていた。
No.316 楽器はラウンド・テール、軽量の 4' ヒッチピンレール、c2 =330 mm、筐
体内補強は底板ブレース・斜め支柱・U 字型ブレース・狭い幅の上方ブレース等の
混用で複雑。ブリッジとナットは高く細め、クロスバーのリブ等々特徴がほかの現
存楽器(1x4', 2x8' , F1~f 3。ライプツィッヒ西方約 60km のゾンダーハウゼン
Sonderhausen、
「郷土と城館博物館 Staatlichen Heimat und Schlossmuseum」
蔵、
ハ
ラ
ス
1710, Harrass, Johann Heinrich)と類似し、1980 年代後半の指摘で、Bach と同
時代のチューリンゲン;グロスブライテンバッハの工匠 Harrass ファミリーの作か
とされている。⇒バッハ・ディスポジション ⇒リブ
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第一次大戦後、バロック音楽の復興が特にドイツで盛んとなり、チェンバロの製
造も興隆をみた。1970 年代まで、木質系ではあるがグランド・ピアノのような木骨・
重構造による、いわゆる「モダン・チェンバロ」の生産を先導してきたバンベルク
ノ
イ
ペ
ル
ト
のメーカー Neupertも長年にわたって、最高の仕様なら「Bach ディスポジション
の Bach モデル」という方向付けをしてきた。
Harrass ファミリーの作とされる
無銘の No.316 楽器。リブはクロ
ス・バーとフランドル風の混用。
Ⓝ
このモデルは、16′ の伝承を含め、オルガノロジー研
黒のMietkeを弾く若き日
究が不十分な時代の判断と、Bach 音楽のルーツに迫り
のEta Harich-Schneider
ミ ー ト ケ
エ タ
ハ ー リ ッ ヒ
シ ュ ナ イ ダ ー
たいという願望のギャップがもたらした産物であったと
いえよう。二十世紀前半に量産された No.316 のディス
ポジションによるモダン・メーカーの「Bach モデル」は、
もはや過去のものとなっている。
現在、ベルリンのプロイセン文化財団楽器博物館蔵に
なる無銘の「黒」と「白」2 台の楽器が Mietke 作(下巻
p.40 参照)であり、どちらかをおそらく Bach が演奏し
たとする報告が出て以来、
「ミートケ・モデル」が話題となり、演奏家が使用するド
イツ・モデルのトレンドとなった。(Sheridan Germann, “ The Mietkes, the
Margrave and Bach ”, ed. Peter Williams, Bach Handel Scarlatti Ter-centenary
Essays. 1985)
1719 年のケーテン宮殿のために作られた Mietke 楽器が、この残存楽器と近似の
ものであった可能性は高い。獨語圏のチェンバロの残存数は少なく、残された史料
も乏しい。現今、上記シャルロッテンブルクの Mietke とみられている無銘モデル
をもってジャーマン・スタイルの代表とする風潮がある。しかし、少ないながら現
存楽器にみる獨語圏チェンバロのモデル様式は多様である。
母子ヴァージナル
⇒ダブル・ヴァージナル