close

Enter

Log in using OpenID

公文書管理検定

embedDownload
Ⅰ
公文書管理の理解
◆4ページ
章名の変更
第1章 公文書とは(文書・公文書等の定義・行政文書/文書/記録の概念)
◆5 ページ
図表1-1の修正 民事訴訟法・刑法による文書の定義
民事訴訟法・刑法での定義
文書
文字その他の記号を用いて
思想的意味を可視的に
表現している有形物
準文書
電磁的記録
◆6ページの節の修正
1-1-2 情報公開法公文書管理法による文書の定義(行政文書公文書等)
◆9∼10ページに新規挿入
○特定歴史公文書等の定義
公文書管理法において「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、次に掲げるもの
をいいます。
一 国立公文書館等に移管された行政文書ファイル等(行政文書で歴史公文書等に該当す
るもの)
二 国立公文書館等に移管された「法人文書」(歴史公文書等に該当するもの)
三
国立公文書館等に移管された「行政機関以外の歴史公文書等」
四
法人その他の団体(国及び独立行政法人等を除く。以下「法人等」という。)又は
個人から国立公文書館等に寄贈され、又は寄託されたもの
○歴史公文書等の定義
公文書管理法において「歴史公文書等」とは、歴史資料として重要な公文書その他の文書
をいいます。
◆13ページに新規挿入
レコードマネジメント(現用文書)からアーカイブズ(非現用文書)へ
(1)アーカイブズとは
アーカイブズ(ARCHIVES)とは、ICA(国際公文書館会議)が監修した用語集では、
1
非現用の記録
1
2
非現用記録を収集・保存・提供する責任のある機関
3
非現用記録を保存し、利用に供する建物またはその一部
のように定義されています。
また、米国アーキビスト協会(SAA)の用語集では、個人または組織・団体が作成し、収受し、
ものであって、永続的な価値(continuing value)により保存されたものと定義されています。
いいかえれば、歴史的公文書等とは、発生した時点から永続的な価値(continuing value)を保
有しているともいえることからも、公文書管理法での、「行政文書ファイル等」について、保存
期間の満了前のできる限り早い時期に保存期間が満了したときの措置として、歴史公文書等に該
当するものにあっては、国立公文書館等への移管の措置を、それ以外のものにあっては廃棄の措
置をとるべきことを定めなければならない。 と同等のことともいえます。
◆17 ページに新規挿入
2 -1
公文書管理法の法律の目的
公文書管理法における法律の目的は、以下の通りです。
公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)
(目的)
第一条 この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等
が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主
体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の
管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書
等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにす
るとともに国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明す
る責務が全うされるようにすることを目的とする。
◆18ページに新規挿入
2 -4
公文書管理の基本的考え方
公文書管理法は、次の3つの視点から公文書管理を行うことを求めています。
1 適正な業務遂行のための文書管理
・業務の継続性と正確性を担保
2 国民への適切なかつ円滑な説明責任を果たすための文書管理
・情報公開法(行政機関・独立行政法人)と情報保護法への対応
3 歴史的資料等を適切に保存するための文書管理
2
・保存期間満了時の国立公文書館等への移管対象と廃棄対象の区分管理
◆20 ページに図を新規挿入
(図表2−2)公文書管理法と情報公開法は車の両輪
公文書管理法と情報公開法は車の両輪
管
理
公文書管理法
∼現用・非現用を通じた公文書管理∼
説明責任
︵公開︶
情報公開法
∼現用の公開制度∼
∼非現用の公開制度∼
(行政文書・法人文書)
現用(行政機関等)
(特定歴史公文書等)
非現用(国立公文書館等)
◆23∼25 ページ 文章の全面変更
2-5-4 特定歴史公文書等による説明責任(国立公文書館等における移管後
の文書の公開)
公文書管理法は、公文書管理の在り方等に関する有識者会議「最終報告」を踏まえて策定され
ています。特定歴史公文書等による説明責任(国立公文書館等における移管後の文書の公開につ
いて、次の6つの事項が定められています。
(1)利用請求権の明確化(公文書管理法第16条)
●特定歴史公文書等に対する「利用請求権」として明確に位置づけ
●利用請求に対する処分等への適用法令
・標準処理期間の設定等(行政手続法)
・異議申し立て(行政不服審査法)
・処分取り消し(行政事件訴訟法)
(2)異議申し立て及び公文書管理委員会への諮問の明確化(公文書管理法第21条)
●利用請求に対する処分等に不服がある者は行政不服審査法に基づく異議申し立てが可
能
●国立公文書館等の長は異議申し立てを公文書管理委員会へ諮問する義務
(3)利用情報制限情報の追加(公文書管理法第16条)
●これまでの国立公文書館での利用制限3情報(「個人情報」、
「法人情報」、
「国の安全等
に関する情報」に、新たに2情報「公共の安全等に関する情報」と「事務事業に関する
情報の一部」を追加(図表2−3)
3
●その他に、行政機関以外の国の機関との合意において利用の制限を行うこととされてい
る場合や一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託さ
れたものであって、当該期間が経過していない場合も利用制限
(4)
「時の経過」による公開(公文書管理法第16条)
●公開・非公開は国立公文書館等の長が判断
●公開・非公開の判断に当たっては、作成取得されてからの「時の経過」を考慮するとと
もに、「移管元機関の意見」を参酌
*参議院付帯決議では、
「九、国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利
用制限については、利用制限は原則として三十年を超えないものとすべきとする「三十
年原則」等の国際的動向・慣行を踏まえ、必要最小限のものとすること。
」と決議され
ている
(5)本人情報の取り扱いの明確化(公文書管理法第17条)
●本人情報の利用請求権を明確化
●訂正請求権、利用停止権については制度化していない
(6)第三者に対する意見書提出の機会の付与等に関する手続きの明確化(公文書管理法第1
8条)
●第三者に関する情報がある場合は、第三者に通知し意見書等の提出の機会を与えること
が可能
●ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要とみとめ
られる情報、国の安全等に関する情報、公共の安全に関する情報であって、移管元から
利用制限すべしと意見が付された情報については、第三者に通知し意見書等の提出の機
会を与えることを義務づける
(図表2−3)特定歴史公文書等の利用情報制限情報(公文書管理法第16条)
・情報公開法の第1号情報(個人に関する情報)
・情報公開法の第2号情報(法人その他の団体に関する情報)
・情報公開法の第3号情報(国の安全や他国との信頼関係が害されるおそれ等がある情報)
・情報公開法の第4号情報(公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ等がある情報)
・情報公開法の第6号情報(監査、検査、取締り、試験又は租税の賦課・徴収及び国又は地方公
共団体が経営する企業又は独立行政法人等に係る事務・事業の適正な遂行に支障を及ぼすお
それがある情報)
(注)情報公開法の第5号情報(意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ等がある情報)が
ある審議・検討に関する情報)および第6号情報(契約、交渉、調査研究、人事管理等に
関する情報)は、利用制限はない。また、上記の不開示情報を除去することにより 部分
開示
や個人情報であっても 本人開示 が、認められることになる。
4
◆34 ページ 図の差し替え
図表3-2 公文書管理のあるべき姿イメージ
公文書管理のあるべき姿イメージ
行政機関
内閣総理大臣
行政機関の長の義務
行政文書の適正管理
行政文書管理規則
(行政文書の作成・整理・保存・
移管又は廃棄・管理状況報告
その他の管理に関する定め)
一元的な文書管理システムの活用
︵電子決裁の促進・電子文書保存︶
作成・取得
文書作成義務
公文書
整理・保存
・ライフサイクル全体を所管
同意 ・毎年度報告徴収・改善勧告
勧告
(必要時実施調査)
・廃棄の同意
・行政文書管理規則への同意
諮問
レコードスケジュール付与
行政文書ファイル
管理簿の作成
保存期間満了時の
措置(移管、廃棄)
を事前設定・記載
整理方法の工夫
公文書管理委員会
・政令制定・勧告等に関して
諮問を受ける
・行政文書管理規則等への
同意に際しての諮問
国立公文書館
・特定歴史公文書等
の保存・一般利用
・内閣総理大臣の委任
を受けて実施調査
・中間書庫業務
・利用請求処分に
諮問 対する異議申立て
への諮問
集中管理(各省書庫)
中間書庫
保存期間延長
廃棄には
内閣総理大臣
の同意
保存期間満了
移
管
特定歴史
公文書等
・特定歴史公文書等
の保存・一般利用
廃
棄
その他
●立法府・司法府からの移管文書の受入れ
● 地方公共団体に対し地方公文書館の運営に関する技術的指導・助言 等
◆40∼41 ページ 文章の削除
「3-3-4 公文書管理のしくみの整備」は(図表を含む)削除し、次の内容に
差し替え
3-3-4
電子決裁運用のしくみづくりの方策例
電子決裁運用のしくみづくりの方策の主なものには、次の3つがあります。
●決裁方式の選択(電子決裁と紙決裁の運用ルール)
●決裁・合議と供覧の適切な運用の徹底
●決裁の運用ルールの工夫(市長・決裁、簡易決裁)
(1)決裁方式の選択(電子決裁と紙決裁の運用ルール)
二つの決裁方式から適切な決裁方式(電子決裁と紙決裁)を選択します。
【電子決裁】 起案文書の決裁処理をすべてシステムで進捗管理する方式
【紙決裁】
起案時と決裁終了時のみシステムに登録する方式
(2)決裁・合議と供覧の適切な運用の徹底
本来は周知だけのものでも、念のため合議しているケースもあり、本来の決裁と周知の機能
を適切に使い分けることが大切です。
5
(3)決裁の運用ルールの工夫(市長・決裁、簡易決裁)
・決裁の運用ルールの工夫として、回議は紙と電子の併用方式として、決裁自体は電子決
裁で行い、紙で審査・審議を行い、電子で承認を行うことになりますが、決裁の記録が文
書管理システムに記録され、決裁文書を一元管理することができます。
◆42 ページ 図の削除、(2)公文書の保存管理の方策例は削除しない
◆43 ページ <参考 3-3>の削除
◆43∼49 ページ 「3-3-5 文書管理システム運用のしくみの整備」は(図表
を含む)削除し、次の内容(図表含む)に差し替え
3-3-6 文書管理システム運用のしくみづくりの方策例
(1)文書管理システムの整備と運用のしくみづくり
公文書管理には、紙文書と電子文書を文書管理システムで一元的に管理することが、前
提となります。その際、利用者である職員の文書管理システムの運用のしくみに要望や事
務の実態を取り入れなければ、使われることのないシステムとなるばかりか、職員の行政
事務に不必要な負担をかけることになります。特に電子決裁に関わる事項に関しては重要
な職員の関心事です。
従って、実態に即した 文書管理システムの整備と運用のしくみづくり には、
(図3−
8)のように、現状確認調査の一環として文書管理システム運用への要望調査を行い、そ
の結果を文書管理改善方策策定において、文書事務フローや文書管理システムの要求要件、
文書管理システムの運用のしくみづくりに反映させる方法をとります。
(図表3−8)文書管理システム整備と運用のしくみづくり
現状確認調査
●現行の文書管理関連規程の調査
●文書管理現状確認調査(実地調査)
●文書管理システム運用への要望調査
文書管理システム
運用のしくみづくり
文書管理システム
要求仕様策定
文書管理改善実施
●文書事務フローの見直し
●文書(紙・サーバ)整理
●文書分類基準表の改善
●公文書管理条例整備 等
維持管理
継続改善
文書管理改善方策策定
●文書事務フロー見直し(含電子決裁)
(文書管理システムの利用を前提)
●文書管理改善課題と改善方策
●文書管理システムへの要求要件
システム調達
システム運用
(2)文書管理システム運用への要望調査結果例
6
現状確認調査の一環としての文書管理システム運用要望調査の例を以下に例示します。
<調査結果例>
■起案時の運用
・起案文書内容に記載ミス等の場合に、起案者による引き戻しが可能であり、取消処理
などを簡単にできること
・前年度文書のデータを複写して利用できる機能があれば便利
■不開示情報の表示
・ 庁内ではタイトル(文書・ファイル名)への不開示情報を表示し、情報公開時には不
開示情報を除去して公開することができる
(事業者名等の固有名詞を件名に含むフォルダがある)
→決裁の際には、固有名詞は外して件名を記入している
→内部管理の上では固有名詞を件名に使っていたほうが使いやすい
■年度切り替え時の運用
・年度切り替え時の日付と決裁者を実情にあわせられる
→前年度の文書を4月に決裁する場合に決裁者が変わってしまう等の日付の問題
についても考えなければならない
■決裁の処理
・決裁区分の選定操作が簡単にできる(決裁ルートの初期設定を自動化等)
・代決・後閲が可能である
(決裁者等が不在などにより、決裁に時間がかからないように)
・件名だけで決裁できること
(定期的な内容の決裁の場合、件名だけで決裁できる機能がほしい)
・担当者不在等で決裁が遅れる場合があるので、決裁期限を知らせる機能がほしい
・パソコンの画面上で決裁者が確認してくれるかどうか、約4割の職員が不安に思って
いる
■供覧の処理
・供覧文書を同時に供覧先に送付できる
■操作研修
・職員への十分な操作研修やできるだけ詳しいマニュアルを要望
■システムでの管理対象
・専門的な文書は個別システムで管理したほうがよいかもしれない
■その他
・文書管理上、日付のさかのぼりもできるようにして欲しい
◆50 ページ
どおり
「文書管理システムの円滑な運用のための課題」については現状
7
◆51 ページ 3 行目∼ 15 行目までを以下の内容に差し替え
オープンフォーマットの例としては、ODF(Open Document Format for Office Applications:
オフィスソフト用共通フォーマットで無償のOpenOffice.org ISO/IEC 26300)、OOXML(Office
Open XML:Microsoft Office 2007で採用、OpenOffice.org3.0も対応 ISO/IEC 29500)
、TXT(フ
ォーマットされていないテキスト)
、HTML/XHTML、XML(マークアップ言語)があり、ファイルフ
ォーマットが公表されているPDF (文書フォーマット)等があります。
特に、ODF形式の無償オフィスソフトウェア(「OpenOffice.org3.0(オープンオフィス)」)は、
今後電子文書の長期保存への対応策として、有望なものといえます。
このODF形式の導入・活用事例として会津若松市の事例があります。会津若松市では電子文書
形式の標準化とパソコン更新導入・維持経費の削減を図るため、この無償オフィスソフトウェア
を全庁導入し、入札参加資格登録業者など企業と市役所とのやり取りに、このODF形式の使用を
要請する通知を出しています。
また、民間企業でもこのOpen Documentファイルフォーマット(OpenOffice.org)を社内(1
万3000台のPCを対象)のPCに採用したとの発表もあります。海外においても、ベルギー政府が公
式ファイルフォーマットに採用したことにより、Anderlecht市, Charleroi市, Vorst市などが、
MS OfficeをOpenOffice.orgに完全移行を進めています(OpenOffice.org 日本語プロジェクト
ニュースレター 第1巻 - 第2号 - 2009年5月より)。
このOpen Documentファイルフォーマットの日本版ソフト(「OpenOffice.org3.0(オープンオ
フィス)
」)は、Microsoft Office 2007を含めすべてのMS-officeとの相互互換のあるもので、OS
もリナックス他オープンなものを選択でき、かつ無料でダウンロードできます。
(http://ja.openoffice.org/)
◆53 ページ 4 行目以下∼54 ページの図表を削除
◆56 ページ 「4-1-2 我が国の公文書管理の歴史と諸外国の状況」1 行目∼5 行
目を以下の内容に差し替え
我が国の公文書管理の歴史を振り返ってみると、
律令制度の時代からそれぞれ特徴を持ちなが
ら、同時代の記録を管理し保存するシステムが作られ機能していました。現存する律令である養
老律令の「公式令(くしきれい):公文書管理規程」では、詔勅や符(律令制において上級の官
司より下級の官司に対して命令を下す公文書)や印章などの公文書の作成に関するとり決めのほ
かに、公文書の施行、保存期間などが定められています。また、保存庫に関しては、
「倉庫令」
が定められていました。
平安時代以降になると「文殿」
(ふどの/ふみどの)が置かれ、公文書の作成や保存の場とし
て機能しました。公文書の作成や保存を司った「史(ふみと)
」は代々世襲されました。これは
8
いわば公文書管理の専門職ともいえます。この「文殿」は、鎌倉幕府の公文書保管所が「文庫」
(金沢文庫や上杉文書が有名)であり、図書を保管する機能もあわせもっていました。
また、江戸幕府では、主として八代将軍徳川吉宗の時代に、法令の編纂や幕政の改革(享保の
改革)と併せて、公文書作成の指針や文書管理の体制が整備されました。
◆86 ページ∼88 ページ 「第 6 章 公文書管理法とは」全面差し替え
6 -1
6-1-1
公文書管理法(公文書等の管理に関する法律)とは
公文書管理法とは
公文書は、国の活動や歴史的事実の正確な記録であり、過去・歴史から教訓を学ぶとと
もに、未来に生きる国民に対する説明責任を果たすために必要不可欠な国民の貴重な共有
財産です。こうした公文書を十全に管理・保存し、後世に伝えることは、過去・現在・未
来をつなぐ国の重要な責務です。また、公文書は「知恵の宝庫」であり、国民の知的資源
でもあります(公文書管理の在り方等に関する有識者会議最終報告より)。
しかしながら、年金記録を巡る問題を初めとして、保存期間満了前の誤廃棄や重要会議
の議事録不作成などの不適切な公文書の管理実態が明らかになったことから、福田康夫首
相(当時)が平成20年2月末に有識者会議を設置しました。
その結果、政府はその有
識者会議の報告書を基に平成21年3月に法案を国会に提出後、参議院内閣委員会にて、
6月23日、政府が提出していた公文書管理法案と衆議院の与野党議員で提出した修正案
を審議し、全会一致で修正可決しました。また、政府が国民に説明責任を果たすため、「外
交・安全保障分野も含む各般の政策形成過程の各段階における意思決定に関わる記録を作
成し、その透明化を図ること」などの21項目の附帯決議も全会一致で採択され、6月2
4日に成立しました。
その公文書管理法の概要は、次の通りです。
1
公文書等とは、行政文書・法人文書・特定歴史公文書等
2「歴史公文書等」とは、歴史資料として重要な公文書その他の文書
3「特定歴史公文書等」とは、歴史公文書等のうち、国立公文書館等に移管されたもの
4
行政機関の経緯も含めた意思決定や事務事業の実績について文書を作成すること
5
行政文書・法人文書には、分類、名称付与、保存期間及び保存期間の満了日設定
6
統一的な管理ルール(作成、整理・保存、管理簿、移管等)の規則整備とその徹底
7
保存期間満了前のできるだけ早い時期に、歴史公文書等の措置の計画(国立公文書館等への
移管または廃棄)を定める(行政機関・独立行政法人等)
8
保存する行政文書ファイル等の集中管理の推進
9
毎年度文書の管理状況を内閣総理大臣に報告(概要公表、改善勧告)(行政機関・独立行政
法人等)
10
行政文書ファイル管理簿・法人文書ファイル管理簿の公表
9
11
行政文書ファイル等の廃棄についての内閣総理大臣の協議・同意等が必要
12
「特定歴史公文書等」への利用制限(非現用の公開制度)
13
公文書管理委員会の設置
・(国立公文書館等の長):利用制限への異議申立ての公文書管理委員会への諮問
・(内閣総理大臣):管理規則等の制定・変更の同意に、公文書管理委員会への諮問
14
行政機関・独立行政法人等の職員に対し、公文書等の管理の必要な研修を行う
15
組織の見直しに伴う行政文書等の適正な管理の措置(行政機関、独立行政法人等)
16
地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、文書の適正管理施策策定・実施に努めること
17
施行期日は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内で、政令で定める日
18 本法律の施行後五年を目途として、見直し
6-1-2
公文書管理法の構成内容
公文書管理法は、 第一章 総則 、 第二章 行政文書の管理 、 第三章 法人文書
の管理 、 第四章 歴史公文書等の保存、利用等 、 第五章
公文書管理委員会 、
第六章 雑則 、 附則 の7つから構成されています。
具体的な構成内容は、以下の通りです。
(1)第一章 総則:(第一条−第三条)
・(目的)、(定義)、(他の法令との関係)
(2)第二章 行政文書の管理:(第四条−第十条)
・第一節 文書の作成:(作成)
・第二節 行政文書の整理等:(整理)(保存)(行政文書ファイル管理簿)(移
管又は廃棄)(管理状況の報告等)(行政文書管理規則)
(3)第三章 法人文書の管理:(第十一条−第十三条)
・(法人文書の管理に関する原則)、(管理状況の報告等)、(法人文書管理規則)
(4)第四章 歴史公文書等の保存、利用等:(第十四条−第二十七条)
・(行政機関以外の国の機関が保有する歴史公文書等の保存及び移管)(特定
歴史公文書等の保存等)(特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱い)(本
人情報の取扱い)(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)(利用の方
法)(手数料)(独立行政法人等情報公開法及び情報公開・個人情報保護審
査会設置法の準用)(利用の促進)(移管元行政機関等による利用の特例)
(特定歴史公文書等の廃棄)(保存及び利用の状況の報告等) (利用等規則)
(5)第五章 公文書管理委員会:(第二十八条−第三十条)
・(委員会の設置)(委員会への諮問)(資料の提出等の求め)
(6)第六章 雑則:(第三十一条・第三十四条)
・(内閣総理大臣の勧告)(研修)(組織の見直しに伴う行政文書等の適正
な管理のための措置)(地方公共団体の文書管理)
10
(7)附則:(第一条−第十三条)
・(施行期日)(特定歴史公文書等に関する経過措置) (行政機関以外の
国の機関が保有する歴史公文書等の保存及び移管に関する経過措置)(国
立公文書館法の一部改正)(行政機関の保有する情報の公開に関する法律
の一部改正)(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の一部
改正)(刑事訴訟法の一部改正)(独立行政法人等の保有する個人情報の
保護に関する法律の一部改正)(行政不服審査法の施行に伴う関係法律の
整備等に関する法律の一部改正) (内閣府設置法の一部改正)(内閣府設
置法の一部改正に伴う調整規定)(総務省設置法の一部改正)(検討)
6 -2
公文書管理法の概要
6-2-1
目的・定義
(1)目的
・行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行
政が適正かつ効率的に運営されるようにすること
・国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が
全うされるようにすること
1
公文書等は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である
2
公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、
主権者である国民が主体的に利用し得るものであること
(2)定義
・「行政文書」「法人文書」「歴史公文書等」「特定歴史公文書等」「公文書等」の
定義は、テキスト前述に同じ
6-2-2
行政文書の管理
(1)文書の作成
・行政機関の職員は、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並び
に当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができ
るよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の
事項について、文書を作成しなければならない。
一 法令の制定又は改廃及びその経緯
二 前号に定めるもののほか、閣議、関係行政機関の長で構成される会議又は
省議(これらに準ずるものを含む。)の決定又は了解及びその経緯
三 複数の行政機関による申合せ又は他の行政機関若しくは地方公共団体に対
して示す基準の設定及びその経緯
11
四 個人又は法人の権利義務の得喪及びその経緯
五 職員の人事に関する事項
(2)行政文書の整理等
■行政文書ファイル
・単独で管理することが適当であると認める行政文書を除き、適時に、相互に密接
な関連を有する行政文書(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)
を一の集合物(以下「行政文書ファイル」という。)にまとめなければならない
■行政文書ファイル等
・行政文書ファイル及び単独で管理している行政文書を「行政文書ファイル等」
という
■分類・名称付与、保存期間及び期間満了日設定
・行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、
政令で定めるところにより、当該行政文書・行政文書ファイルについて分類し、
名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければな
らない。
・政令で定めるところにより、保存期間及び保存期間の満了日を延長することがで
きる。
■「行政文書ファイル等」は事前に移管、廃棄の措置の定め
・「行政文書ファイル等」について、保存期間(延長された場合は、延長後の保存
期間)の満了前にできる限り早い時期に、保存期間が満了時の措置として、歴史
公文書等に該当するものは政令で定めにより国立公文書館等への移管の措置を、
それ以外のものは廃棄の措置をとることを定めなければならない
■保存
・行政文書ファイル等について、保存期間の満了する日までの間、その内容、時の
経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所に
おいて、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存
・行政機関の長は、当該行政文書ファイル等の集中管理の推進に努めなければなら
ない。
■行政文書ファイル管理簿
・行政文書ファイル等の分類、名称、保存期間、保存期間の満了日・保存期間時の
措置及び保存場所その他の必要事項(不開示情報を除く)を「行政文書ファイル
管理簿」に記載しなければならない。(保存期間1年未満は除く)
・行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿について、政令で定めるところにより、
当該行政機関の事務所に備えて一般の閲覧に供するとともに、電子情報処理組
織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により公表しなけれ
ばならない。
12
■移管又は廃棄
・保存期間満了行政文書ファイル等について、国立公文書館等に移管又は廃棄しな
ければならない。
・行政機関の長は、保存期間が満了した行政文書ファイル等を廃棄しようとすると
きは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。
→内閣総理大臣の同意が得られないときは、当該行政機関の長は、当該行政文
書ファイル等について、新たに保存期間及び保存期間の満了する日を設定し
なければならない。
・国立公文書館等に移管する行政文書ファイル等について、国立公文書館等におい
て利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さな
ければならない。(利用制限が適切と認められる不開示情報のあるもの)
・内閣総理大臣は、行政文書ファイル等について特に保存の必要があると認める場
合には、当該行政文書ファイル等を保有する行政機関の長に対し、当該行政文書
ファイル等について、廃棄の措置をとらないように求めることができる。
■管理状況の報告等
・行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況を毎年度、内
閣総理大臣に報告しなければならない。
・内閣総理大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表する
・内閣総理大臣は、行政文書の適正な管理を確保するために必要があると認める場
合には、行政機関(会計検査院を除く。)の長に対し、行政文書の管理について、
その状況に関する報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に実地調査をさ
せることができる。
・内閣総理大臣は、歴史公文書等の適切な移管を確保するために必要があると認め
るときは、国立公文書館に、当該報告若しくは資料の提出を求めさせ、又は実地
調査をさせることができる。
■行政文書管理規則
・行政機関の長は、行政文書管理規則を設けなければならない
・行政文書の管理規則には、行政文書に関する記載事項
一
作成に関する事項
二
整理に関する事項
三
保存に関する事項
四
行政文書ファイル管理簿に関する事項
五
移管又は廃棄に関する事項
六
管理状況の報告に関する事項
七
その他政令で定める事項
13
・行政文書管理規則を設けようとするとき、変更しようと するとき内閣総理大臣に
協議し、その同意を得なければならない。(遅滞なく、これを公表しなければなら
ない)
・行政機関の長は、行政文書管理規則を設けたとき、これを変更したときは、遅滞な
く、これを公表しなければならない。
6-2-3
法人文書の管理
(1)法人文書の管理
・独立行政法人等は、行政文書管理の規定に準じて、法人文書を適正に管理しなけれ
ばならない。
→保存期間が満了した法人文書ファイル等の廃棄には、内閣総理大臣の同意は必要としない。
6-2-4
歴史公文書等の保存、利用等
(1)行政機関以外の国の機関が保有する歴史公文書等の保存及び移管
・内閣総理大臣は、行政機関以外の国の機関との協議による定めに基づき、歴史公文
書等について、国立公文書館において保存する必要があると認める場合には、当該
歴史公文書等を保有する国の機関との合意により、その移管を受けることができる。
(2)特定歴史公文書等の保存等
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等について、廃棄されるに至る場合(内閣
総理大臣の同意により、歴史資料として重要でなくなったと認める場合) を除き、
永久に保存しなければならない。
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等について、その内容、保存状態、時の経
過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所におい
て、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなけ
ればならない。
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等に個人情報が記録されている場合には、
当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等の分類、名称、移管又は寄贈若しくは寄
託をした者の名称又は氏名、移管又は寄贈若しくは寄託を受けた時期及び保存場所
その他の特定歴史公文書等の適切な保存を行い、及び適切な利用に資するために必
要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない。
(3)特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱い
■特定歴史公文書等の利用制限
国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等に以下情報が、記録されている場合を除
き、利用請求があった場合は、これを利用させねばならない。
①行政文書・法人文書
14
国立公文書館等の長は、行政機関及び独立行政法人等から移管された行政文書・法人
文書に以下情報が、記録されている場合を除き、利用請求があった場合は、これを利用
させねばならない。(除く、法人文書の場合は、国の安全情報)
イ 個人情報:個人識別情報、公により権利・利益害する情報(識別不可)
ロ ・法人その他団体情報:(法人の正当な利益を害する情報)
・国・自治体の事務情報:(監査・検査・取り締まり、試験の事務)
・国・自治体が経営する企業の事業情報:(正当な利益を害するもの)
ハ 国の安全情報:(公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他
国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは
国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあるもの)
ニ 公共の安全と秩序維持情報:(公にすることにより、犯罪の予防、鎮圧
又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他)
②行政機関・独立行政法人等以外から移管されたもの
・行政機関以外の国の機関との合意において利用の制限を行うこととされている
場合
・一定の期間公にしないことを条件に法人等又は個人から寄贈され、又は寄託さ
れたものであって、当該期間が経過していない場合
③その他
・原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそ
れがある場合又は当該特定歴史公文書等を保存する国立公文書館等において当
該原本が現に使用されている場合
■時間経過等による開示決定の判断
・国立公文書館等の長は、利用の請求に係る特定歴史公文書等が利用制限に該当する
か否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が行政文書又は法人
文書として作成又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史
公文書等に利用制限の意見が付されている場合には、当該意見を参酌しなければな
らない。
■部分開示
・国立公文書館等の長は、利用制限の条件に係る情報が記録されている部分を容易に
区分して除くことができるときは、利用請求をした者に対し、当該部分を除いた部
分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記
録されていないと認められるときは、この限りでない。
(4)本人情報の取扱い
・国立公文書館等の長は、個人情報であっても特定の個人(「本人」)から、当該情
報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において、政
令で定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは、
15
本人の生命、健康、生活又は財産を害するおそれがある情報が記録されている場合
を除き、当該特定歴史公文書等につきこれらの規定に掲げる情報が記録されている
部分についても、利用させなければならない。
(5)第三者に対する意見書提出の機会の付与等
・利用請求に係る特定歴史公文書等に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行
政法人及び利用請求をした者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に
関する情報が記録されている場合には、国立公文書館等の長は、当該特定歴史公文書
等を利用させるか否かについての決定をするに当たって、当該情報に係る第三者に対
し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他政令で定める事項を通知して、意
見書を提出する機会を与えることができる。
(6)利用の方法
・国立公文書館等の長が特定歴史公文書等を利用させる場合には、文書又は図画につい
ては閲覧又は写しの交付の方法により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進
展状況等を勘案して政令で定める方法により行う。
・ただし、閲覧の方法により特定歴史公文書等を利用させる場合にあっては、当該特定
歴史公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があ
るときに限り、その写しを閲覧させる方法により、これを利用させることができる。
(7)手数料
・写しの交付により特定歴史公文書等を利用する者は、政令で定めるところにより、手
数料を納めなければならない。
(8)異議申立て及び公文書管理委員会への諮問
・利用請求に対する処分又は利用請求に係る不作為について不服がある者は、国立公文
書館等の長に対し、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による異議申立
てをすることができる。
・異議申立てがあったときは、当該異議申立てを受けた国立公文書館等の長は、次のい
ずれかに該当する場合を除き、公文書管理委員会に諮問しなければならない。
一 異議申立てが不適法であり、却下するとき。
二 決定で、異議申立てに係る利用請求に対する処分を取り消し又は変更し、当該
異議申立てに係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとするとき。ただ
し、当該異議申立てに係る特定歴史公文書等の利用について反対意見書が提出
されているときを除く
(9)独立行政法人等情報公開法及び情報公開・個人情報保護審査会設置法の準用
・独立行政法人等情報公開法並びに情報公開・個人情報保護審査会設置法の規定は、
異議申立てについて準用する。
(10)利用の促進
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等(利用制限のないものに限る)について、
16
展示その他の方法により積極的に一般の利用に供するよう努めなければならない。
(11)移管元行政機関等による利用の特例
・特定歴史公文書等を移管した行政機関の長又は独立行政法人等が国立公文書館等の
長に対してそれぞれその所掌事務又は業務を遂行するために必要であるとして当該
特定歴史公文書等について利用請求をした場合には、利用制限の規定は適用しない。
(12)特定歴史公文書等の廃棄
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等として保存されている文書が歴史資料と
して重要でなくなったと認める場合には、内閣総理大臣に協議し、その同意を得て、
当該文書を廃棄することができる。
(13)保存及び利用の状況の報告等
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等の保存及び利用の状況について、毎年度、
内閣総理大臣に報告しなければならない。
・内閣総理大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表しなければな
らない。
(14)利用等規則
・国立公文書館等の長は、特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄が規定に基づき適切
に行われることを確保するため、特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関する定め
(以下「利用等規則」という。)を設けなければならない。
6-2-5
公文書管理委員会
(1)委員会の設置
・内閣府に、公文書管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。
・委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
・委員会の委員は、公文書等の管理に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総
理大臣が任命する。
・この法律に規定するもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で
定める。
(2)委員会への諮問
・内閣総理大臣は、次に掲げる場合には、委員会に諮問しなければならない。
一
公文書等に関する政令の制定又は改廃の立案をしようとするとき。
二
行政文書管理規則の制定、特定歴史公文書等の廃棄又は特定歴史公文書等の利
用等規則の規定による同意をしようとするとき。
三
内閣総理大臣の勧告の規定による勧告をしようとするとき。
(3)資料の提出等の求め
・委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認める場合には、関係行政機関の
長又は国立公文書館等の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を
17
求めることができる。
6-2-6
その他
(1)内閣総理大臣の勧告
・内閣総理大臣は、この法律を実施するため特に必要があると認める場合には、行政機関
の長に対し、公文書等の管理について改善すべき旨の勧告をし、当該勧告の結果とられ
た措置について報告を求めることができる。
(2)研修
・行政機関の長及び独立行政法人等は、それぞれ、当該行政機関又は当該独立行政法人
等の職員に対し、公文書等の管理を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能
を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行うものとする。
・国立公文書館は、行政機関及び独立行政法人等の職員に対し、歴史公文書等の適切な
保存及び移管を確保するために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるため
に必要な研修を行うものとする。
(3)組織の見直しに伴う行政文書等の適正な管理のための措置
・行政機関の長は、当該行政機関について統合、廃止等の組織の見直しが行われる場合
には、その管理する行政文書について、統合、廃止等の組織の見直しの後においてこ
の法律の規定に準じた適正な管理が行われることが確保されるよう必要な措置を講じ
なければならない。
・独立行政法人等は、当該独立行政法人等について民営化等の組織の見直しが行われる
場合には、その管理する法人文書について、民営化等の組織の見直しの後においてこ
の法律の規定に準じた適正な管理が行われることが確保されるよう必要な措置を講じ
なければならない。
(4)地方公共団体の文書管理
・地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関し
て必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。
(5)その他
■検討
・政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案しつつ、
行政文書及び法人文書の範囲その他の事項について検討を加え、必要があると認め
るときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
・ 国会及び裁判所の文書管理の在り方については、この法律の趣旨、国会及び裁判所の
地位及び権能等を踏まえ、検討が行われるものとする。
6 -3
公文書管理法律に対する参議院附帯決議
参議院内閣委員会は6月23日、政府が提出していた公文書管理法案と衆議院の与野党議員
18
で提出した修正案を審議し、全会一致で修正可決しました。
また、政府が国民に説明責任を果たすため、「外交・安全保障分野も含む各般の政策形
成過程の各段階における意思決定に関わる記録を作成し、その透明化を図ること」などの2
1項目の附帯決議も全会一致で採択しました。以下は、その内容です。
公文書等の管理に関する法律案に対する附帯決議
平成二十一年六月二十三日 参議院内閣委員会
政府は、公文書等が、国民共有の知的資源であり、その適切な管理、体系的な保存及び利
用制度の整備が、国の基本的な責務・機能であるとともに、将来の発展への基盤であること
を深く認識して、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一、公文書管理の改革は究極の行政改革であるとの認識のもと、公文書管理の適正な運用を着実
に実施していくこと。
二、国民に対する説明責任を果たすため、行政の文書主義の徹底を図るという本法の趣旨にかん
がみ、外交・安全保障分野も含む各般の政策形成過程の各段階における意思決定に関わる記
録を作成し、その透明化を図ること。また、軽微性を理由とした文書の不作成が恣意的に行
われないようにするとともに、文書の組織共用性の解釈を柔軟なものとし、作成後、時間を
経過した文書が不必要に廃棄されないようにすること。
三、行政機関の政策決定並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証することができ
るようにするため、行政機関による委託事業に係る元データが確実に取得される仕組みを検
討すること。
四、行政文書の管理が適正に行われることを確保するため、作成から一定期間が経過した行政文
書をその保存期間満了前に一括して保管等の管理を行う制度(いわゆる中間書庫の制度)の
各行政機関への導入について検討を行うこと。
五、保存期間の満了により廃棄される行政文書の量が膨大なものであることを踏まえ、廃棄に係
る行政文書の内容の審査等に要する内閣総理大臣の補佐体制を強化すること。
六、公文書の管理・利活用に関する情報を十分に公開し、その在り方について多角的な専門的知
見及び幅広い国民の意見が取り入れられる機会を設けること。
七、特定歴史公文書等の適切なデジタルアーカイブ化を推進し、一般の利用を促進すること。
八、公文書の電子化の在り方を含め、セキュリティーのガイドラインの策定、フォーマットの標
準化及び原本性確保等の技術的研究を推進し、電子公文書の長期保存のための十分な検討を
行うこと。
九、国立公文書館等へ移管された特定歴史公文書等に対する利用制限については、利用制限は原
則として三十年を超えないものとすべきとする「三十年原則」等の国際的動向・慣行を踏ま
え、必要最小限のものとすること。
十、特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱いにおける除外規定である本法第十六条に規定す
19
る「行政機関の長が認めることにつき相当の理由」の有無の判断に関しては、恣意性を排し、
客観性と透明性を担保する方策を検討すること。
十一、宮内庁書陵部及び外務省外交史料館においても、公文書等について国立公文書館と共通の
ルールで適切な保存、利活用が行われるよう本法の趣旨を徹底すること。
十二、本法に基づく政令等の制定・改廃に際しては、十分に情報を公開し、多角的な専門的知見
及び幅広い国民の意見が取り入れられる機会を設けること。
十三、公文書の適正な管理が、国民主権の観点から極めて重要であることにかんがみ、職員の公
文書管理に関する意識改革及び能力向上のための研修並びに専門職員の育成を計画的に実
施するとともに、専門職員の資格制度の確立について検討を行うこと。また、諸外国におけ
る公文書管理体制の在り方を踏まえ、必要な人員、施設及び予算を適正に確保すること。
十四、既に民営化された行政機関や独立行政法人等が保有する歴史資料として重要な文書につい
て、適切に国立公文書館等に移管されるよう積極的に対応すること。また、国民共有の知的
資源を永く後世に伝えるため、特定歴史公文書等の保存・修復に万全を期することができる
体制を整備すること。
十五、本法の趣旨を踏まえて地方公共団体における公文書管理の在り方の見直しを支援し、また、
国立公文書館と地方公文書館との連携強化を図ること。
十六、一部の地方公共団体において公文書館と公立図書館との併設を行っていることを考慮しつ
つ、より多くの公文書館が設置されることを可能とする環境の整備について検討すること。
十七、刑事訴訟に関する書類については、本法の規定の適用の在り方を引き続き検討すること。
十八、附則第十三条第一項に基づく検討については、行政文書の範囲をより広げる方向で行うと
ともに、各行政機関における公文書管理の状況を踏まえ、統一的な公文書管理がなされるよ
う、公文書管理法制における内閣総理大臣の権限及び公文書管理委員会の在り方についても
十分検討すること。
十九、公文書等の管理に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための司令塔として公文書管
理に係る政策の企画・立案及び実施を担当する部局及び機構の在り方について検討を行うこ
と。
二十、行政機関のみならず三権の歴史公文書等の総合的かつ一体的な管理を推進するため、国立
公文書館の組織の在り方について、独立行政法人組織であることの適否を含めて、検討を行
うこと。
二十一、公文書管理と情報公開が車の両輪関係にあるものであることを踏まえ、両者が適正かつ
円滑に実施されるよう万全を期すること。
右決議する。
20
Ⅱ
公文書管理の実務
◆20ページに以下の内容を追加
保有期間と保存年限
1.文書の発生(作成、収集など)から廃棄までの期間を「保有期間」と呼びます。保有期間
には、事務室内の「保管期間」と文書庫内の「保存期間」があります(下図参照)。
移管
歴史公文書を公文書館へ
2.
「期間」は時間の経過による長さを、
「年限」あるいは「期限」は最終時点を表す言葉です。
3.我が国では、戦後タテ型キャビネット(4段引き出し)を使い、今年度分は上2段、前年
度分は下2段に移動し、さらに廃棄されずに残った文書を保存箱に収納し文書庫に格納(移
管)するといった方式が紹介されました(下図参照)
。
この際、事務室内の年数はカウントしないで、文書庫に移された時から計算したので、「保
存年限」あるいは「保存期間」と呼ぶようになりました。
今年度文書
今年度文書
前年度文書
前年度文書
保存箱
文書庫へ
事務室内
4.公文書管理法第2章、第3章に記載されている「保存期間」は、ここで説明している「保
有期間」を指します。
5.「移管」という用語は、保有期間が満了した後、公文書館へ歴史公文書を移す場合と、事
務室から文書庫へ保管文書を移す場合(置換え、または引継ぎとも呼ぶ)に使われます。
21
◆33 ページ 12 行目を以下の内容に差し替え
これらについては、今まで行政機関の文書管理規程などに明記されていました。公文書管理法
(平成21年7月1日法律第66号)の成立によって、明確な法的根拠が示されたことになります。
同法は、国及び独立行政法人等における公文書管理を対象としたものですが、地方公共団体にお
いても、
この法律にならった行政文書の適正かつ効率的な管理が求められることは言うまでもあ
りません。
公文書管理法では、公文書等を「国民共有の知的財産として、主権者である国民が主体的に利
用しうるものである」ことと定義し、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び
利用を図ることで、行政が適正かつ効率的に運営されることを目的に掲げています。
◆35 ページ「3-3 公文書の主な種類と形式」を以下の内容に全面差し替え
3 -3
公文書管理法における文書の作成義務
公文書管理法では、文書の作成については、第4条で次のように規定されています。
「行政機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた
意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、
または検証す
ることができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、次に掲げる事項その他の
事項について、文書を作成しなければならない」
第1条の「目的」とは、国民に対する説明責任を全うするための適正な管理のことであり、意
思決定や事務、事業の経過が明確に追跡でき、後から検証できるような文書の作成を求めている
わけです。
この法律で、文書を作成する必要があると具体的に示されているのは、以下の事項です。
第1分冊でも学びましたが、再度復習します。
1
法令の制定または改廃及びその経緯
2
前号に定めるもののほか、閣議、関係行政機関の長で構成される会議または省議(これ
らに準ずるものを含む)の決定または了解及びその経緯
3
複数の行政機関による申し合わせまたは他の行政機関もしくは地方公共団体に対して
示す基準の設定及びその経緯
4
個人または法人の権利義務の得喪及びその経緯
5
職員の人事に関する事項
法令はあらゆる公文書の中でも最も重要度が高いものです。これに加えて、閣議や、各省庁内
部での重要な意思決定事項、省庁間の申し合わせ事項や、地方公共団体に対して示した基準など
のほか、個人や法人の権利にかかわる事項、行政機関の職員の人事記録などについて、文書を作
成することを義務付けているのです。
22
前述のように同法は、国及び独立行政法人を対象としたものですが、その主旨に鑑みれば、地
方公共団体においても同様のことが求められるといえます。
◆47ページに以下の内容を追加
第1分冊でも学習したように、公文書管理法では、第5条で公文書の整理に、第6条でその保
存について規定しています。
「(整理)
第5条 行政機関の職員が行政文書を作成し、または取得したときは、当該行政機関の長は、
政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保
存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。
2
行政機関の長は、能率的な事務または事業の処理及び行政文書の適切な保存に資する
よう、単独で管理することが適当であると認める行政文書を除き、適時に、相互に密接
な関連を有する行政文書(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る)を一の
集合物(以下「行政文書ファイル」という)にまとめなければならない。
3
前項の場合において、行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書フ
ァイルについて分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を
設定しなければならない。
4
行政機関の長は、第一項及び前項の規定により設定した保存期間及び保存期間の満了
する日を、政令で定めるところにより延長することができる。
5
行政機関の長は、行政文書ファイル及び単独で管理している行政文書(以下「行政文
書ファイル等」という)について、保存期間(延長された場合にあっては、延長後の保存
期間。以下同じ)の満了前のできる限り早い時期に、保存期間が満了した時の措置とし
て、歴史公文書等に該当するものにあっては政令で定めるところにより国立公文書館の
等への移管の措置を、それ以外のものにあっては、廃棄の措置をとるべきことを定めな
ければならない。
(保存)
第6条 行政機関の長は、行政文書ファイル等について、当該行政文書ファイル等の保存期間
の満了する日までの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利
用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするた
めの措置を講じた上で保存しなければならない。
2
前項の場合において、行政機関の長は、当該行政文書ファイル等の集中管理の推進に
努めなければならない。
23
同法の第5条・6条は、トータル・ファイリングシステムの流れに当てはめると、保管・保存・
廃棄のステップに該当する事項です。法として明文化されたプロセスのポイントを要約すると、
①
行政文書は単独で管理するもの以外は、関連性でファイルにまとめる
②
ファイルは名称をつけ、分類する
③
保存期間を明確にする(延長は可能である)
④
保存期間中は、その形態や所在が分かるように集中管理する
⑤
保存期間が満了した場合、廃棄か国立公文書館等への移管かのどちらかの措置をとる
の5点となります。
◆49ページ「4-2」は以下の内容に差し替え、
「4-2→4-3 公文書管理におけるフ
ァイリングシステムの意義」とする
4 -2
行政文書管理規則の作成義務
同法に基づいて行政機関における文書管理の具体的な運用管理方法については、それぞれ行
政機関で文書管理規則を設けて実施運営することになります。これについては、同法の第10条
で次のように定められています。
(行政文書管理規則)
第10条 行政機関の長は、行政文書の管理が第四条から前条までの規定に基づき適正におこな
われることを確保するため、行政文書の管理に関する定め(以下「行政文書管理規則」
という)を設けなければならない。
2 行政文書管理規則には、行政文書に関する次に掲げる事項を記載しなければならない。
1)作成に関する事項
2)整理に関する事項
3)保存に関する事項
4)行政文書ファイル管理簿に関する事項
5)移管または廃棄に関する事項
6)管理状況の報告に関する事項
7)その他政令で定める事項
3
行政機関の長は、行政文書管理規則を設けようとするときは、あらかじめ、内閣総理
大臣に協議し、その同意を得なければならない。これを変更しようとするときも、同様
とする。
4
行政機関の長は、行政文書管理規則を設けたときは、遅滞なく、これを公表しなけれ
ばならない。これを変更したときも同様とする。
一方、地方公共団体においては、同法第34条で、
「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっと
り、その保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努め
24
なければならない」と定められています。
具体的には、同法の主旨に沿った文書管理条例及び施行規則等の制定をおこない、それに基づ
いた、適正な行政文書管理の運用に努める義務が明記されています。
いくつかの地方公共団体においては、同法に先行するかたちで文書管理条例を制定・施行して
いるところもあります。しかし、全体から見るときわめて少なく、公文書管理法の成立によって、
今後、次々と地方公共団体において公文書管理条例化の動きが活発になるものと予想されます。
また、すでに制定済みのところにおいても、同法律の成立によって、内容の見直しなどがおこな
われることになります。
◆52ページ7行目として以下の内容を追加
これは、ファイリングシステムの世界では従来からおこなわれてきた考え方であり、公文書管
理法においても、管理対象となる公文書を、
「行政機関の職員が職務上作成し、または取得した
文書(図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することが
できない方式で作られた記録をいう。以下同じ)を含む。第十九条を除き、以下同じ)であって、
当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものをいう」と
第2条4項で示しており、以下のものを除外しています。
・官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行さ
れるもの
・特定歴史公文書等
・政令で定める研究所その他の施設において、政令で定めるところにより、歴史的もしくは
文化的な資料または学術研究用の資料として特別の管理がされているもの(前号に掲げる
ものを除く)
◆52ページ「現用文書のファイリング方法」最初の4行を以下の内容に差し替え
4-4-3
現用文書のファイリング方法
公文書管理法では第5条2項で、
「相互に密接な関連を有する行政文書を一の集合物にまとめ
る」と定めています。これは、一部の例外を除いて公文書は一の集合物、つまりファイルにまと
めて管理することを明記したものです。
ここでは、公文書をまとめる際に基本となるふたつのファイル方法についてみていきます。
(1)バーティカル・ファイリング
現用文書をファイルする目的は、業務で使う公文書を、関連性や共通性からひとつにまとめて
整理し、あとで活用しやすくするためです。そのため、最も小さなまとまり(ファイル)をどう作
るかが大切です。
公文書管理法では、
「単独で管理することが適当であると認める行政文書を除き、適時に、相
25
互に密接な関連を有する行政文書(保存期間を同じくすることが適当であるものに限る)を一の
集合物(以下「行政文書ファイル」という)にまとめなければならない」(第5条2項)としてい
ます。例外を除いて、公文書はファイル化して管理することが法的に求められているのです。
◆57ページ図表4-9を以下の内容に差し替え
図表4-9
ファイルの整理方法
整理方法
概
要
名前別(相手先別) 文書の提供者や提出先など、特定の相手ごとにファイルをまとめる。そ
のため、ファイルのタイトルは団体・企業名、委員会名、地区名などに
なる。具体例として「法人台帳」
「国会提出・説明資料」などのファイル
名になる。
主題別(内容別)
文書に書かれている内容(テーマ)ごとにファイルをまとめていく。具体例
として「○○制度各国調査結果」
「○○審議会議事録」などのファイル名
になる。
形式別
文書に書かれている内容や、相手先などには関係なく、文書の形式によ
ってまとめていく。具体例として「○○課例規」
「○○照会/回答」など
のファイル名になる。
標題別・様式別
帳票類や伝票類のように、文書の様式や標題が定められたものをまとめ
てファイルする。そのため、文書の標題がそのままファイルのタイトル
となる。具体例として「○○申請書」
「○○届出書」などのファイル名に
なる。
一件別(案件別)
契約の始めから完結まで、申請の受付から認可まで、プロジェクトの始
めから終了までなど、独立した案件ごとに順序だててまとめていく。具
体例として「○○認可」
「○○訴訟」などのファイル名になる。
数字別(時期別)
月別や日別、コード番号順など、一連の数字を順序だててまとめていく。
具体例として「平成 21 年9月相談案件」
「平成 21 年9月支払書」などの
ファイル名になる。
◆59 ページに図表 4-11 執務スペース内のキャビネット配置例を追加
書籍
物品
様式
キャビネット
キャビネット
キャビネット
キャビネット
書籍
物品
様式
キャビネット
キャビネット
キャビネット
キャビネット
26
◆62ページ現用文書の目録管理(ファイル管理簿の作成)最初の5行を以下の内
容に差し替え
行政機関として、どのようなファイルを何年間保存しているかということをすべて記録したリ
ストがファイル管理簿です。なにごとも管理するには、目録が必要です。
公文書管理法では、このファイル目録を「行政文書ファイル管理簿」と呼んでいます。
「(行政文書ファイル管理簿)
第7条 行政機関の長は、行政文書ファイル等の管理を適切におこなうため、政令で定めると
ころにより、行政文書ファイル等の分類、名称、保存期間、保存期間の満了する日、保
存期間が満了したときの措置及び保存場所その他の必要な事項(行政機関の保有する情
報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「行政機関情報公開法」という。第
5条に規定する不開示情報に該当するものを除く)を帳簿(以下「行政文書ファイル管
理簿」という。)に記載しなければならない。ただし、政令で定める期間未満の保存期
間が設定された行政文書ファイル等については、この限りでない。
2
行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿について、政令で定めるところにより、当
該行政機関の事務所に備えて一般の閲覧に供するとともに、電子情報処理組織を使用す
る方法その他の情報通信の技術を利用する方法により公表しなければならない。
ファイル管理簿とは、行政機関が保有する文書目録であり、この管理簿に基づいて文書の検索
や、情報公開請求への開示対応などをおこなうことになります。ファイル管理簿は、同法によっ
て原則公開とされています。
◆63 ページ 12 行以降を以下の内容に差し替え
行政文書ファイル管理簿は、前述のように広く公開することが原則ですから、不開示情報(特
定の個人や法人名)がファイル名として搭載されないような配慮が必要不可欠となります。
現在では、ファイル管理簿はパソコンで作成されるのが一般的であり、そのためのアプリケー
ションソフトも提供されています。これら情報機器を大いに活用して、保有しているファイルの
リストを常に最新の状態に保つことを心掛けましょう。
先に示したガイドラインでは、保存年限が1年未満の文書以外はすべて管理簿に搭載し、管理
簿の更新は随時または年1回以上としています。理想的なのは、ファイルを作成するたびに担当
者が、管理簿にファイル名を記載し登録することでしょう。
行政文書ファイル管理簿へのファイル名の記載方法については、文書庫へ引き継いだ後も、こ
のファイル管理簿が検索の第一の手がかりとなるので、
実態が把握できるようなファイル名で記
載する必要があります。よく見受けられるのが「平成○年度○○台帳」と記載されたもので、実
際に文書庫へ行って現物にあたってみると、簿冊が何分冊も保存されていることがあります。た
とえば、5分冊でひとつの台帳を構成しているのなら、管理簿へのファイル名も「平成○年度○
27
○台帳(5分冊)」または「「平成○年度○○台帳1∼5」というように、実態を正確に反映した
表記方法を徹底しなければ、管理簿としての意味をなさなくなるので注意が必要です。
どのくらい客観的に書くべきかの基準として、人事異動があって担当者が交替しても、ファイ
ル管理簿を見れば即座に、かつ、正確に実際のファイルを探しだすことができるかを判断のもの
さしとするとよいでしょう。
そのため、文書のまとまりを曖昧にするような語句をファイルのタイトルに用いることは避け
ます。
「∼関係」
「∼雑件」
「∼他」
「∼等」などの語句は、ファイルタイトルには用いません。ま
た、「会議文書」
、
「別件ファイル」というように、タイトルそのものが何を指しているのか分か
らないようなファイル名のつけ方も避けます。
行政文書ファイル管理簿は、各行政機関において公文書が適切に管理されていることを裏付け
る帳簿となります。
行政文書ファイル管理簿の記載内容と実態の整合性については、公文書管理法第9条で、各行
政機関に対し、毎年度、内閣総理大臣に管理状況を報告することを義務付けています。
(管理状況の報告等)
第9条 行政機関の長は、行政文書ファイル管理簿の記載状況その他の行政文書の管理の状況
について、毎年度、内閣総理大臣に報告しなければならない。
2
内閣総理大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、その概要を公表しなければなら
ない。
3
内閣総理大臣は、第1項に定めるもののほか、行政文書の適正な管理を確保するため
に必要があると認める場合には、行政機関(会計検査院を除く。次条第3項、第30条及
び第31条において同じ)の長に対し、行政文書の管理について、その状況に関する報告
もしくは資料の提出を求め、または当該職員に実地調査をさせることができる。
4
内閣総理大臣は、前項の場合において歴史公文書等の適切な移管を確保するために必
要があると認めるときは、国立公文書館に、当該報告もしくは資料の提出を求めさせ、
または実地調査をさせることができる。
28
Ⅲ
公文書管理の情報技術
◆38 ページ最終行に以下の内容を追加
3-6-2 電子決裁システムの長所
グループウェアの中でも中核をなす機能がワークフローシステムで、
その代表的な利用例が電
子決裁です。これは、庁内におけるさまざまな申請書類などを、定められた作業手順や決裁の流
れに沿って電子的に処理するものです。これらの作業に伴う文書は、ペーパーレス化されること
になります。
電子決裁システムの活用は、行政事務のスピードの向上だけでなく、決裁の透明化が図られ、
決裁に至る意思決定のプロセスを自動的に電磁的記録で残せる、などの長所があります。グルー
プウェアを活用する以上は、たんに内部情報の共有や交換にとどまらず、電子決裁を業務に取り
込むことで、行政事務全体の効率アップと透明化を図ることを目標とするべきです。
しかし、実際に行政事務の現場において電子決裁システムの導入が進んでいるかといえば、民
間企業などに比べると立ち遅れているのが現状です。その理由として、たとえば起案・決裁など
の手続には添付する書類が多いこと、その多くが外部から紙で到来した文書であることが挙げら
れます。
そもそも内部の事務手続きに大量の紙の書類がついてまわるという、
従来の行政機関特有の業
務の進め方そのものが、電子決裁システムの導入を遅らせている原因のひとつと言えます。しか
し前述のように電子決裁システムにはさまざまな長所がありますので、今後は行政機関において
も段階的に導入が進んでいくものと予想されます。
たとえば、時間外勤務や休暇の申請、研修の申請や報告など、添付書類を伴わない軽易な内部
事務から導入していく方法が考えられます。実際に電子決裁規程などを制定している地方公共団
体の例を見ると、休暇の取得や時間外勤務の申請など職員の勤務に関する決裁事項から適用して
いくケースが多いようです。
また、民間から行政機関への提出書類のペーパーレス化を促進することも、大きな解決要因
になります。内部事務の電子化を進めるには、外部との文書のやりとりの電子化も同時に視野に
入れる必要があるということです。
いずれにしても、効率的な公文書管理のために情報技術を活用していくことは、今後ますます
避けられない流れになると予想されます。地方公共団体も含めて各行政機関においては、業務の
見直しをおこなうとともに、業務手続の標準化や簡素化を進め、あわせてそれらにかかわる規程
類の改定を通じ、電子決裁システムを適用しやすい下地を作り上げる必要があります。
29
◆65 ページに以下の図表を追加
図表5-4
HTML の記述例とその Web 表示例
<A name="od">
<div class="midashi01">
公文書管理検定</A></div>
<table
width="100%"
border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">
<tr valign="top">
<td width="120"><img src="images/pbook_b.jpg" alt="公文書管理検定" width="150"
height="150" ></td>
<td rowspan="2">公文書管理検定は、フ
ァイリング・デザイナー検定の専科として位置付
けられ、官公庁・自治体職員、及び公文書管理の
推進に携わる一般企業社員を対象としています。
<BR><登録商標:5218285 号><BR>
◆86 ページ∼89 ページを以下の内容に差し替え
7 -1
電子文書管理の現状と方向性
官公庁であれ、民間企業であれ、ほとんどの組織の人は、事務室に行くとまずパソコンの前に
座り、1日の仕事を開始するのが原風景となっています。それだけ仕事をするということがパソ
コンとは切っても切れない関係になってきています。会議や体を動かすような仕事をする時を除
いて、ほとんどの時間はパソコンの前に座って仕事をしているのです。仕事をするということは、
考える時間を除き、すなわち、文書を作ることやメモを書くことから始まるのです。
現在のほとんどの電子文書管理システムは、文書管理と起案決裁という2つの基盤ユニットか
ら成り立ち、文書の取得・収受、作成、起案、決裁、施行、保管、保存及び移管・廃棄に係る業
務並びにこれらの業務を処理しているのです。そして電子文書管理システムは各種の個別業務シ
ステムとも連携して、組織の各種の業務をこなすと共に、外部機関や企業、個人とも専用回線や
電子メールを通じ、さまざまな仕事をする共通基盤システムとして位置づけられています。もは
や単なる文書の管理だけをするシステムではないのです。それだけに電子文書管理システムを考
える時に、多くのさまざまな問題や課題が存在していることを認識しなくてはならないのです。
こうした中で、平成21年6月24日に永年の懸案事項であった公文書管理法が参議院で全会一致
で可決成立し、7月1日に公布されました。
この法律の制定過程では、平成20年11月4日に、
「時を貫く記録としての公文書管理の在り方」
副題として「∼今、国家事業として取り組む」と題した公文書管理の在り方等に関する有識者会
議の最終報告(以下:有識者会議最終報告)がまとめられ、公文書管理のあり方について、その
意義や改革目標、そしてゴールドモデルに示されたIT化を含めた具体的なあるべき仕組み等、大
変示唆に富んだ内容となっています。さらには、第1分冊で学習しましたが、平成21年3月3日
閣議決定以降の衆参両院の内閣委員会での審議は、当初法律案の修正を全会一致で可決するとと
30
もに21項目からなる附帯決議をまとめています。
特にこの附帯決議の内容は公文書の電子化に関
係した多くのあり方(今後の方向性)を示している点で注目されます。
7 -2
公文書管理の取り組みについての課題
国や地方公共団体における公文書の管理の現状と方向性については、
第1章∼第2章で述べた
ように、文書管理業務の業務・システム最適化計画や共同化・標準化施策が掲げられ、現在進行
中です。国においては、従来から府省が個別に構築したシステムを2009年度から全省庁を対象に
新たな公文書管理システム(一元的な文書管理システム)に移行すべく準備を進めてきており、
その概要が見えてきました。また、各地の地方公共団体においても新しい文書管理システムが稼
働を開始し始めています。そして今回の公文書管理法が成立したことで、さらに新たな方向性と
課題が見えてきました。
7-2-1
公文書管理法にみる電子文書に関する項目と課題
ここで特筆すべき点のひとつ目は、第1章総則第2条4項の「行政文書」の定義の中で、行政
文書とは行政機関の職員が職務上作成し、または取得した文書で電磁的記録(電子的方式でつく
られた記録をいう)を含むとした点です。このことはあらためて法律で行政文書の電子化を認め
たことになります。
ふたつ目は、第2章行政文書の管理第2節行政文書の整理等の第7条2項で、行政文書ファイ
ル管理簿に関して ∼電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法
により公表しなければならない としており、さらに第11条の法人文書の管理においても同様の
ことを定めている点です。
その他、第2章行政文書の管理第2節文書作成に関する第4条の ∼経緯も含めた意思決定に
至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業を合理的に跡付け、または検証できるように∼ は
公文書の作成プロセスにおける記録の確保を要求し、さらに、真正性、見読性、保存性等の要求
を満たさなければならないことになります。また、中間書庫等の保存スペースの問題等を考える
と電子技術の利用は必須条件といえましょう。以上のように、今回の法律の中での電子文書に関
する表現は多くありませんが、これからの文書事務が実質的に電子空間でおこなわれることを想
定すると電子文書特有の課題に対する対応策が必要になってきます。
特にこの法律が公布の日から2年を超えない範囲内に施行されることを考えると、
法制度上の
各論を詰めることと同様に、大切なのが電子文書に関する技術的な課題への早急な対応策です。
電子文書管理が本格的に普及し定着するためには、法制度を考慮に入れた電子文書ガイドライン
作りが急務といえます。
7-2-2
公文書管理法に対する附帯決議に見る電子文書に関係する決議事項
第1分冊でみたように、この附帯決議(平成21年6月23日参議院内閣委員会)は、公文書管理
31
法の施行にあたって適切な処置を講ずべきであるとして21の項目を決議しています。その中から
電子文書に関する項目を抜粋してみましょう。
③行政機関の政策決定並びに事務事業の実績を合理的に跡付け、または検証することができる
ようにするため、行政機関による委託事業に係る元データが確実に取得されるしくみを検討する
こと。
④いわゆる中間書庫の制度の導入について検討をおこなうこと。
⑦特定歴史公文書等の適切なデジタルアーカイブ化を推進し、一般の利用を促進すること。
⑧公文書の電子化のあり方を含め、セキュイリティのガイドラインの策定、フォーマットの標
準化及び原本性確保等の技術的研究を推進し、電子公文書の長期保存のための十分な検討をおこ
なうこと。
以上のような決議事項は法案ではありませんが、
今後2年以内の施行に向けて定められる予定
の各種法制度、規則やガイドライン等策定の重要なポイントになるでしょう。
◆92ページ以降に以下の内容を追加
7 -4
地方公共団体における取り組みでの課題
公文書管理法では第34条で地方公共団体の文書管理について次のように定めています。
「地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する文書の適正な管理に関して必要
な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない」
いわゆる努力義務として地方公共団体が自主的に公文書管理をおこなうとの立場で表現され
ています。これは地方公共団体の公文書管理は自治事務としておこなわれていることを受けて法
律を直接適用することを取っていません。しかし、今後この法律の施行を受けてさまざまな形で
国に準じた管理のあり方を追求しなければならないでしょう。
従来の条例等で定めた文書管理規
則等の改定は必然的な課題となると思われます。
地方公共団体の文書管理については、国と共通する課題と、地方固有の課題が存在しています。
共通課題は、文書管理業務の業務・システム最適化であり、標準化、共同化、効率化など関する
課題があげられます。また、セキュリティ対応やIT技術の活用等も共通的課題といえます。地方
固有の課題としては、先行して制定されてきた情報公開条例等との整合性をとることや、文書主
義に基づくシステムの見直しなどがあがってくることになるでしょう。
7-4-1
課題の背景
地方公共団体の文書管理に関する課題の背景には、2つの大きな環境変化があります。
(1) 財政事情の悪化
地方交付税の大幅な削減や不況等による税収の減少は自治体経営に対し、コストの削減を要求
してきています。IT経費削減もそのひとつであり、少ない経費での庁内業務の効率化が求められ
32
ています。IT化への需要と期待が高まる一方でこうした課題を同時に解決しなければならないの
です。
(2) 多様化する住民ニーズ
もうひとつのテーマは、多様化する住民ニーズにどう対処するかです。住民は地方公共団体に
対し、各種サービスの利便性向上を求め、そのサービスの充実を求めています。庁内業務の共通
基盤的なシステムである文書管理システムは、庁内個別業務システムと連携するとともに、電子
メールや電子申請を通じ、様々な市民要求(高付加価値サービス)に速やかに、そして適切に対
応しなければならない共通基盤システムとしても位置づけられています。こうしたニーズは新し
い文書管理に対し新たな課題を投げかけています。
7-4-2
新しい導入方式:共同利用と自治体クラウド
こうした環境変化に対応したシステム構築が始まってきています。前記でふれた環境の変化に
対応するための答えのひとつは、単独でのシステム構築ではなく「共同利用(共同アウトソーシ
ング)」であり、そしてもうひとつの新しい動きは、「自治体クラウド」です。
1.共同利用によるシステム構築や運用のメリット
①
共同利用により、システム構築コスト及び運用経費の削減が期待できる。
②
単独団体では困難な技術者の確保が期待できる。
③
共同利用参加団体内でのサービス格差が抑えられ、
広域での共通の行政サービスが実現で
きる。
④
文書管理システムだけでなく個別業務システムと連携することにより、さらには、電子メ
ールや電子申請等外部との連携により、地域を巻き込んだ電子自治体システムが構築でき
る、従って住民満足度の向上とともに、高い業務改善効果が期待できるようになる。
しかし、一方で以下のようないくつかの課題も立ちはだかっています。
共同利用を進めるためには、参加する地域の合意が必要です。地域をまとめるためには、高
い見識を持ち、リーダーシップに優れた指導者が必要です。CIOやCIO補佐官の役割がそこにあ
ります。また、国や関連団体が持つITアドバイザー派遣を求めることも一考でしょう。すでに、
都道府県が主導権を取り、地域をまとめ、共同導入の実現を図った事例も出てきています。
さらに、LGWAN-ASPの利用も有効です。LGWAN-ASPは、LGWANというセキュアなネットワーク
を介し、アプリケーションやリソースを共同利用することにより、システム導入・運用のコス
トダウンを図ることができます。
2.「クラウドコンピューティング」とは
一般的には、ASP・SaaS技術、グリットコンピューティング(注1)、仮想化技術(注2)等
を用いて構築された情報システムを利用者が対価を払ってインターネットを通じサービスと
して利用する利用形態を指します。現在多くの自治体は自主導入や共同利用の形でコンピュー
33
タを利用している場合が多いのですが、クラウドコンピューティングを利用すると小規模団体
でも情報化の推進が可能になるといわれています。
(注1)グリットコンピューティング:複数のコンピュータを接続させることで情報処理量の
増減に柔軟に対応する技術
(注2)仮想化技術:1台のコンピュータ上に論理的に複数の業務アプリを稼働させる技術
3.共同アウトソーシングと自治体クラウドの関係
共同アウトソーシングは、自治体の業務の共同化をおこなうことにより各自治体のシステム
構築・運用コストを低廉化するシステムです。自治体クラウドは、共同化をおこなったシステ
ムをLGWAN上で連携運用させるための取り組みです。この両者の関係により、より高度な電子
自治体(社会)の構築のためのバックオフイス連携が実現することになります。公文書管理シ
ステムもこうしたコンピュータ環境の枠組みの中で、より標準化されたシステム流通が可能と
なるでしょう。
4.自治体クラウドの開発実証
総務省の約20億円の平成21年度補正予算で開発実証が始まった自治体クラウドは、各都道府
県のリーダーシップのもと、都道府県単位で市町村の業務システムの共同化を推進したうえ
で、全国にバランスよく配置したデータセンターに集約し、それを各市町村が低廉かつ効率的
に利用できる基盤システムを開発実証しようというものです。総務省では当面3ヵ所のデータ
センターを設置し、LGWANを通じ、ASP-SaaS事業者(LGWAN-ASP事業者)と結び、さらにはイン
ターネットを介し住民や民間企業ともつなげようとするものです。
7-4-3
地方公共団体における文書管理システムの構築について
文書管理システムの目的及びシステム化要件については、その内容はほぼ固まったかに見えま
す。しかし、地方公共団体がおかれた状況を考えるとシステムの作りこみに対しては以下のよう
な課題があります。
<システムの構築に関して>
地方公共団体のおかれた状況を考えると、共同アウトソーシングや自治体クラウドの利用な
ど、新しい導入方式がこれからの潮流ですが、システムの構築や導入に関しては各種標準仕様に
基づいたアプリケーションシステムの作りこみや標準仕様に準拠した製品の導入がポイントに
なります。
さらに、公文書管理法の新たな要求事項も満たさなければなりません。文書管理システムが庁
内の共通基盤的な位置づけにあり、各種業務システムや外部システムとの連携により、電子自治
体システムを作り上げていくことを考えるとSOAに基づく作りこみや製品導入が前提となり、そ
のためには、「地域情報プラットフォーム標準仕様」や「地域情報プラットフォームガイドライ
ン」等に基づく作りこみや準拠した製品導入が必要となります。さらに、共同アウトソーシング
34
や自治体クラウドなどの導入のための新たな枠組みの検討も必要です。
すなわち、文書管理システム単独ではなく庁内外との連携を考えたシステムづくりが必要なの
です。このことにより、ベンダーロックインから逃れることができ、アプリケーションユニット
の差し替え(製品業者を変えること)が容易になることにより、経費削減効果や、新しい業務ア
プリケーションの導入も容易になることが期待でき、住民に喜ばれる高度な電子行政サービスの
提供が実現できるようになるでしょう。
35
Author
Document
Category
Uncategorized
Views
3
File Size
361 KB
Tags
1/--pages
Report inappropriate content