2006 年 11 月 / 12 月号

Japan Translation Journal No.226
Japan Translation Federation
− CONTENTS −
社団法人日本翻訳連盟機関誌
2006 年 11 月 / 12 月号
翻訳業界のポータルサイトを目指して
阿部 淳一 JTF 理事、ホームページ委員長、(株)エイブス代表取締役
Report
翻訳業界のポータルサイトを目指して 1
<特集>第 16 回 JTF 翻訳祭 2
外部から見た日本のランゲージ
サービス業界 6
Take Five (5) 7
Honrenso
ほんれんそう No.118 8
Information
翻訳環境研究会報告 10
JTF <ほんやく検定>合格者発表 11
合格者の声 12
リニューアルの動機:
この度 JTF ウェブサイトの全面リニュー
があるの?」
というご質問を受けます。ウェ
ブサイト上で会員メリットは PR しており
アルを行いました。実に 7 年ぶりの着手と
なります。今回のリニューアルは昨年度会
ますが、まずは JTF 主催のイベントやセ
ミナーに参加いただき、JTF の目的と活動
員向けに実施しましたアンケート調査が大
きな契機となりました。アンケート結果で
は現在のウェブサイトに対する改善のご要
望が強く寄せられました。この会員の皆様
のご要望に対する改善対応です。
を理解していただくことが大事であると考
えます。その意味で当ウェブサイトはイベ
ントやセミナーへの参加促進を強力に推進
し、それによって入会につなげる広報媒体
として機能いたします。
コンセプト:
「翻訳業界のポータルサイト」
主なリニューアル内容:
■ユーザビリティの向上
JTF サイトの主な訪問者は「翻訳会社」
「翻訳者」
「ソースクライアント」です。し
かし、立場の異なる三者の訪問目的は一様
ではありません。そこで三者にとってわか
JTF サイトにアクセスすれば、翻訳業
界情報をいち早く入手できることを念頭に
「翻訳業界のポータルサイト」を目指すこ
とをコンセプトにしています。
書籍紹介 15
JTF ニューフェイス 16
理事会だより 16
社団法人日本翻訳連盟
〒 104-0032
東京都中央区八丁堀 2-8-1 牧野ビル 3F
TEL ■ 03-3555-6365
FAX ■ 03-3552-1784
発行人■東 郁男(会長)
編集人■野上 員生
印刷■創栄印刷工業株式会社
E-mail ■ [email protected]
URL ■ http://www.jtf.jp/
目的:
(1) 既存会員へのサービス強化
会員のビジネス機会を高めるために法
人会員の翻訳会社には「翻訳会社リスト」
、
りやすい構成になるようにトップページを
カテゴリ別に分け、ストレスなく目的ペー
ジまでたどり着けるようにコンテンツを整
理し配置しました。
個人会員の翻訳者には「翻訳者リスト」を
新規コンテンツとして追加しました。これ
により翻訳会社はソースクライアントから
■検定合格者リストの公開(会員限定)
「ほんやく検定」1 級、2 級合格者は自
己プロフィールを会員専用サイトに公開で
の翻訳案件を、翻訳者は翻訳会社からの仕
事依頼を直接獲得する機会を増やすことが
できます。JTF のフィルターを通すことで、
きます(希望者のみ)
。合格者にとって仕
事獲得の可能性が高まり、3級までの方の
さらなる受験動機のアップにもつながりま
会員のブランド価値を上げる効果が期待さ
す。JTF 会員の翻訳会社にとっても優秀
れます。
(2) JTF 活動への参加促進
JTF ホームページの検索性を向上させる
な翻訳者とコンタクトする機会が広がりま
す。
ために、今回 SEO 対策を行いました。こ
の結果、「JTF」
「ほんやく検定」「翻訳祭」
などをネット検索した場合、上位ランクに
今後の制作予定:
■会員専用ページの作成
■会員から情報発信するページの作成
表示されるようになりました。検索の利便
■英語版ページの作成
性向上により、JTF 活動への参加がより一
層促進されるものと期待されます。
(3) 新規会員数の増加
今後も会員の皆様のお声に応えるように
努めてまいります。ご意見、ご要望がござ
ここ数年新規の入会数が横ばい傾向にあ
ります。主因は会員メリットの訴求力不足
が挙げられます。業界関係者に入会依頼を
寄せいただければ幸いです。
E- メールアドレス:[email protected]
いましたら以下のアドレスまでお気軽にお
しますと、
「会員になってどんなメリット
1
Report
Japan Translation Journal No.226
第 16 回 JTF 翻訳祭
翻訳の原点 翻訳業界の共通認識 ∼常識のように言われていることは正しいのか∼
第 16 回 JTF 翻訳祭が 10 月 12 日、
「翻訳の原点 翻訳業界の
ナー、および JTF 法人会員の翻訳会社を中心とする書籍・翻訳
共通認識 ∼常識のように言われていることは正しいのか∼」を
テーマに、東京・八丁堀のマツダホールで開催された。メイン
相談コーナーなどが参加者の注目を集めていた。
講演終了後には交流パーティーが催された。経済産業省の商
会場では、まず最初に、最近の翻訳界で大きい話題になったアー
サー・ゴールデン著「さゆり」の翻訳者である小川高義氏の講
務情報政策局サービス産業課からも企画官・高野芳久様はじめ
3 名のご出席をいただいた。また JTF <ほんやく検定>の 1 級
演、次いで、井口耕二氏の司会により、「翻訳者のアタマの中」
というテーマのもと、様々な分野で活躍するベテラン翻訳者に
合格者 8 名が招待され、記念品が授与された。これら 8 名の翻
訳者には、パーティに参加していた翻訳会社等のコーディネー
小川氏も加わっていただいてパネル・ディスカッションが行わ
ターや営業担当者から熱心な接触があったようである。
れた。最後に、今年から JTF の理事に就任されているマーク・
アタウェイ氏の講演が行われ、日本の翻訳業界でも大きい位置
を占めるようになったローカリゼーション分野について詳しく
昨年の翻訳祭は大阪で行われたため、東京での開催は 2 年ぶ
りであったが、参加者の数は確実に増えており、交流パーティー
も毎回華やかになっている。このような催し物の成功は必ず、
解説していただいた。
会員の増加と連盟の成長をもたらすものとなるであろう。
地下 1 階のサブ会場では翻訳プラザが開催され、各種の企業
が翻訳支援ツールや CD 版辞書などを出展した展示・デモコー
仕事というのは同じやり方をしていてもつまらない。また、
同じやり方ばかりしていると、そこから後退が始まる。翻訳の
仕事も厳しいところが多いと思いますが、その中で少しでも楽
しみを見つけながらやっていくことが必要でしょう。今後も連
盟を拡大していきたいと思っておりますが、課題も多数存在し
ており、これらは一朝一夕に解決できるものではありません。
会員をはじめ色々な方々からご意見をいただきつつ、問題を一
つずつ解決し、連盟の認知度、業界の向上を目指して頑張って
いきたいと思っております。今後とも、皆様方からご協力や、
厳しいご意見を頂きますよう、お願い申し上げます。
(交流パーティでの挨拶より)
東 郁男 JTF 会長
(報告者:野上 員生)
2
Report
Japan Translation Journal No.226
【講演 1】「翻訳は推理ゲームである」
−小川 高義氏−
翻訳はいろいろなものに例えられると思うが、訳者が捜査員となって作品の現場を推理
していく「推理ゲーム」のように捉えることもできる。訳者は、冠詞、単数/複数形といっ
た原文の言語面の情報や、訳出された日本語から見つかる常識的な矛盾点といったさまざ
まな手がかりをもとにしてあらゆる解釈の可能性を探っていくのである。こういった「推
理する」姿勢で臨むと、過去に多くの大家が翻訳したエドガー・アラン・ポーの作品の訳
においても、新しい解釈を見つけることが可能になる。また、実用的にも誤訳が防げると
いうメリットがある。
文学作品においては、作品の世界が構築されているかどうかが一番重要なことである。 【小川氏プロフィール】
文芸ものの翻訳において世界を作るということは、その作品をもう一度語り直すことであ
1982 年、東京大学大学院で修士号を取得し、同
る。作品の現場の状況を映像的に再現し、一つ一つの場面を吟味して作品世界を丁寧に再
定義するような形で日本語を書き起こす、そういった翻訳をしなくてはいけない。訳者の
仕事は、単に「訳す」ということではなく、日本語担当のゴーストライターになったつも
りで、日本語の別バージョンを「作る」ということではないだろうか。
年から横浜市立大学に勤務。現在は準教授。主
な訳書は、ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』
(新
潮文庫)
、アーサー・ゴールデン『さゆり』(文
春文庫)など。最新刊は、エドガー・アラン・ポー
『黒猫・モルグ街の殺人』
(光文社文庫)
。
【講演 2】「進化するグローバルローカリゼーションプロバイダと翻訳者への期待」
−マーク・アタウェイ氏−
グローバルプロバイダとして、顧客の拡大するニーズにこたえていかなくてはならない。業界
のトレンドや顧客の方向性が見えているのに、それに逆らってしまうようではいけない。最近は
Web2.0 や SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)という流れの中、必要なときにネット上
のシステムにアクセスすれば何でもできる、という状況が実現されつつある。顧客からも、部署
単位や製品単位で管理していた翻訳メモリをネット上で一括管理できるシステムや、各プロジェ
クトの詳細、用語集、スタイルガイド、クエリーなどといったさまざまな情報が確認できるポー
タルサイトなどが求められている。
そこで、そのような要望にこたえるべく、Freeway というシステムを開発した。Web サービ
スを利用して、人の手間がかかることをできるだけ自動化し、効率化をはかろうというのがこの
システムの目的である。その特徴的なものとして、翻訳ツール LogoPort がある。LogoPort はオ
ンライン中心の使用を前提にデザインされていて、翻訳者はデスクトップ上に何もダウンロード
する必要がなく、ただネット上のデータセンターにある情報にアクセスしていけばよい。そのた
め、翻訳作業の効率性や翻訳メモリの管理などさまざまな点において利便性がある。
【アタウェイ氏プロフィール】
テキサス州ダラス生まれ。フロリダ大学でコンピュータ・サイエンスの修士号を取得。日米両国の IT 関
連企業でソフトウェア・エンジニアなどとして勤務した後、1997 年に Lionbridge Technologies, Inc に入
社。現在はライオンブリッジ ジャパン(株)代表取締役。本年 6 月、JTF 理事に就任。
(報告者:新江 裕吾)
3
Report
Japan Translation Journal No.226
【パネルディスカッション】「翻訳者の頭の中」
∼翻訳しているとき、何を考えているのか・考えるべきなのか∼
<パネリスト>(五十音順、敬称略)
アンゼ たかし(映像翻訳者)
小川 高義(文芸翻訳家、横浜市立大学国
際総合科学部準教授)
倉橋 純子(
(有)知財工芸 代表取締役)
山田 和子(実務翻訳者、文芸翻訳家)
<司会> 井口 耕二(実務翻訳者、JTF 常
務理事)
●翻訳は楽しいですか。
アンゼ:作業は楽しいです。
(映像翻訳者
は)映画の最初の観客になれるし、声優
や脚本など、様々な分野の仕事や担当者
と関わることができます。
小川:別の世界を作る楽しみや、作家の
世界に自分も入っていく楽しみがありま
す。
倉橋:楽しみより苦しみのほうが多いで
すが、新しい仕事が来ると、
「前の仕事が
評価されたのだ」と、嬉しい気持ちにな
ります。
山田:子供の頃から本が好きで、まず読
者だったんです。その延長上に翻訳の仕
事がある。深く読む機会を与えられたこ
とに感謝しつつ仕事に取り組んでいます。
井口:再依頼が来たときとか、新しい知
識を得たときには、嬉しさを感じますね。
●分からないときどうしますか。
倉橋:新しい技術は分からないし、単語
も訳語の無いものが多い。何とかするの
が大変です。
山田:小説の翻訳は分からないことばか
り。翻訳は調べもの。できる限り突き詰
める。「ここまで読んだのだ」と言えるよ
うな、最も深く読んだ読者になるよう心
がけています。
井口:一般(実務)翻訳のほうが「わか
ること」が多い。ネットなどで調べられ
ることが多いですね。
●どんなときに「分かった」と思いますか。
倉橋:特許でも、文化の違いによってお
国柄がある。そういう違いが分かると面
白い。
小川:訳してみて、その作品が好きになっ
たとき、
「その作品が分かった」と感じま
す。
アンゼ:原作を読んで分かったのと同じ
ように、訳した日本語でも分かったとき。
●その他に気を付けていることは。
小川:何気ないイディオムとか、誤訳の
まま済んでしまう可能性がある。これが
最もこわい。
井口:
「知ってるつもり」がこわいですね。
山田:出版社によって書き方を変えるこ
ともあります。表記も重要ですね。
(報告者:野上 員生)
アンゼ たかし氏(左)
小川 高義氏(右)
倉橋 純子氏(左)
司会:井口 耕二常務理事
4
山田 和子氏(右)
Report
Japan Translation Journal No.226
【高野氏 挨拶】
経済のグローバル化や IT 化の中で翻訳に対する需要が非常に増大してい
ます。皆様は、そのような不可欠なサービスを提供されて、まさに我が国
の産業競争力の一部を強化する役割を果たされておられます。私は、経済
産業省でビジネス支援サービスを担当しておりますが、この分野は今年 7
月に政府が発表した経済成長戦略大綱でも、今後最も発展が期待される分
野と位置付けられており、中でも翻訳は重要なサービスの一つとなってい
ます。皆様方には、改めて敬意を表するとともに、一層ご活躍頂きますよ
うお願い申し上げます。
高野芳久氏 経済産業省 商務情報政策局
サービス産業課 企画官(左)、東郁男 JTF 会長(右)
翻訳プラザ:翻訳相談コーナー
<ほんやく検定> 1 級合格者
後列左から:佐藤禅氏、平崎肇氏
前列左から:多々良順子氏、長田真理子氏、笠井暁子氏、
田口有里恵氏、島津秋氏、堀内麻衣子氏
翻訳祭企画実行委員
翻訳プラザ:展示・デモコーナー
左から:丸山均常務理事(委員長)、長田裕之氏、井口耕二常務理事、
飛田豊彦氏
(報告者:新江 裕吾)
5
Report
Japan Translation Journal No.226
外部から見た日本のランゲージサービス業界
レナート・ベニナート Common Sense Advisory, Inc. COO 兼コンサルティング部門統括責任者
以前、世界の翻訳市場についてイタリア
で講演したとき、ある翻訳会社のオーナー
がこう言いました。
「あなたの話はもっと
もですが、ここイタリアでは事情が異なる
のです」と。不思議なことに、このような
反応は、スペイン、ブラジル、カナダなど、
数え切れないほど多くの国々で見られまし
た。皆、自分の国は他とは違うと思ってい
ますが、注意深く分析してみると、彼らの
抱える課題はまったく同じでした。
2006 年 9 月、GALA の東京イベントにお
いて、世界の翻訳市場についての講演を行
いました。日本の翻訳会社からも同じコメ
ントが聞けるとは考えていませんでしたが、
実は東京を訪れる前から、他国とは異なる
唯一の市場は日本だとわかっていました。
2002 年、翻訳/ローカリゼーション業
界全体をリサーチし、データを収集する
マーケット調査会社として Common Sense
Advisory 社を設立したとき、私は『Beggars
at the Globalization Banquet』というレ
ポートを執筆しました。この日本語版は現
在、Common Sense Advisory 社の Web サ
イト(www.commonsenseadvisory.com/
japanese)から無料でダウンロードできま
す。このレポートでインタビューした企業
の 3 分の 2 が、一番厳しいローカライズ市
場は、お察しのとおり、日本であると回答
しました。このような意見の一致を受けて、
私たちは、ベンダー、同業者、果ては飛行
機で隣に座った人にまで、どこの市場が一
番理解しがたく、ビジネスに苦労するかを
たずねてみたところ、一番多く返ってきた
答えは「日本」でした。
世界各国に広がる、翻訳やローカリゼー
ションのアウトソース市場は、2006 年末
までにおよそ 1 兆 2 千億円に達する見込み
です。このうちの約 6 パーセントは日本が
占めています。ヨーロッパ諸国で翻訳とい
えば大多数の人が英語からの翻訳を思い浮
かべますが、日本での翻訳には、日本語か
ら中国語やその他のヨーロッパ言語への翻
訳も含まれています。また、翻訳センター
やサン・フレアなどの翻訳会社は、来年、
弊社の翻訳会社トップ 20 リスト(www.
commonsenseadvisory.com/top20)に入る
ことが予想されますが、各社のビジネスは
日本国内に限定されている傾向にあります。
日本はなぜ他国と異なるのか
今回の東京滞在中に、翻訳やローカライ
6
ズに携わる 20 人以上の関係者に話を聞く
機会がありました。その顔ぶれは、多国籍
企業のローカライズ責任者、翻訳サービス
の買い手、日本でのみ翻訳ビジネスを行う
株式会社の社長、フリーの翻訳者や編集
・ 組織の効率化:日本は他国と異なるとい
う事実を受け入れ、生産効率の非常に低
い「翻訳−チェック−校正」という業務
モデルを取り止めます。単なる翻訳より
も文化の適合に焦点を当てたサービスを
者、技術者、企業幹部とさまざまでしたが、
確立します。主要都市以外に生産拠点を
皆の話を聞いてみて、
「西洋文化を日本向
置き、固定費を削減します。
けにローカライズするには、文化の壁を乗 ・ 技術:管理プロセスと取引関係に関する
り越える必要がある」というごく当たり前
日本企業の技術レベルは思いのほか低い
のことを改めて思い知りました。誰もがわ
ものです。ベンダー管理、プロジェクト
かっていることですが、その重要性を十分
管理、および販売管理を、優れた技術イ
に理解している人は多くありません。
ンフラストラクチャによって統合できる
日本のエンドユーザーは、他のどの国よ
企業こそが、コストの削減と効率性の向
りも高度なサービスレベルを要求します。
上を実現できます。
他国では、言語に関する基準が多少守られ ・ プロフェッショナルな販売による成長:
ていなくても容認されますが、日本の場合
日本の LSP は、サービスの販売におい
は厳しい注文がつきます。日本では他国の
てプロフェッショナルな手法を採用して
考え方は通用せず、製品の開発期間が短く
いません。売上の大部分は、いまだに言
ても決してミスは許されません。私の知る
語の品質や個人のコネに大きく依存して
かぎり、翻訳の品質やマニュアルの誤字に
います。国内の顧客数を増やし、主要
ついて会社に苦情を言うのは日本のエンド
な海外市場で売上を伸ばすには、販売を
ユーザーだけです。不自然な日本語表現が
1 つの業務プロセスとして捉えることが
見つかっただけでも、すぐに会社に連絡が
必要です。
行きます。
人口 1 億 3 千万人の日本は、世界第 2 位
今 後 数 年 の 間 に、 ア ジ ア の LSP が
の経済大国であり、米国にとっては最大の
Common Sense Advisory 社の提供する翻
海外市場です。仮に日本の顧客が特別な待
訳会社トップ 20 リストの上位にランクイ
遇を受けたいと要求しても、それは不当な
ンすることは間違いありません。それが中
ことではありません。
国企業になるか日本企業になるかは、この
しかし、経済大国の一員であっても、日
記事を読んでくださった皆さんの決断力と
本のランゲージサービスプロバイダ(LSP) 行動力にかかっています。
は必ずしも得をしているわけではありませ
ん。実際、ヨーロッパ、米国、および中国
に拠点を持つ十印を除けば、ほとんどの
LSP が、国内クライアントの要求する高品
質な言語レベルを提供することで手一杯に
なっています。さらにその一方では、欧米
の主要な LSP がこぞって日本市場に進出
し、日本の大手クライアントを獲得しよう
としのぎを削っています。
日本の言語サービス業界は、従来のよう
な翻訳/ローカリゼーション会社ではなく、
ソフトウェア開発会社、Web コンサルタン
ト会社、および法律事務所が大半を占めて
います。このような会社は、他国で導入さ
れているフリーランスモデルではなく、社
内スタッフモデルを好んで採用しています。
これまでの調査の結果、収益力の高い
*************************************
本 稿 は、 ベ ニ ナ ー ト 氏 の 英 文 原 稿 を
日本の LSP が国内外で成長を遂げるには、 (株)テック・インデックス(http://www.
次の 3 つの課題に取り組むことが必要だと
tech-index.jp)の協力によって日本語に翻
確信しました。
訳したものです。
Report
Japan Translation Journal No.226
Take Five (5)
松田 勝 JTF 会員
upshot
物事の結果、結末。The upshot is ・・・、ま
たはコロンを用い The upshot: ・・・のように
使うのが普通。The company says its new
chips allow any modem to connect. The
much hype and so many promises made.
(誇大宣伝とともに、いいこと尽くめが約
束された)。The new multimedia business
has received a lot of hype, but has yet to
deliver.(新マルチメディア事業は大いに
注目を集めたものの、まだ期待に応えてい
ない)。hyperbole は類語。誇張を意味す
をした)
。類語に male chauvinism(男中
心主義、女性蔑視)
。
pizzazz
ピザの一種にあらず、
「魅力と活力にあふ
半導体により、どのモデムでもつながると
している。つまり、モデムユーザーは、特
定の通信規格に縛られないですむことにな
るラテン語が語源という。
れている、見た目がかっこよい」こと。If
your company's line of business lacks a
certain pizzazz, recruiting for key jobs
gung-ho
can be especially irksome.(会社の業務
内容に、ある種の魅力がない場合は、要職
る)
。弓術競技で、最後に放つ矢(納めの一
矢)
から転じた。矢が的を射るごとく、
締まっ
た文章を可能にしてくれるのでは。
熱意ある、積極的な、一心不乱の。Opposition
jury is out
chip.(同社は、半導体チップ一枚でパソコ
ンの機能を果たす技術開発に打ち込んでい
upshot is that users don't have to be locked
into a single standard.(同社は、新開発の
jury は陪審、陪審員団(集合名詞)
。" 陪
審員の面々が法廷の外で、有罪か無罪か
どちらの評決にするか評議中 " というこ
とは、「(問題に関し)結論、答えが出て
い な い 」 状 況 の こ と。Still, the jury is
out on how effective these gun-control
laws are.(依然、これら銃保持制限法が
どれだけ効果があるかについて、意見の
一致はみられていない)。The jury is still
out on whether the president will come
back from the visit to the country with
any real commitments to improve human
rights.(大統領がその国への訪問から、人
権問題の改善のための実質的な約束を取り
つけて帰ることができるか、依然、観測は
分かれている)。全員一致が原則の陪審が、
評議を重ねても合意に達することができな
い状態を hung jury という。
parties are gung-ho about a tax cut.(野
党は減税実現に躍起だ)。The company
is gung-ho on the idea of PCs on a single
る)。the gung-ho stock market は 行け
行けどんどんの株式相場 となる。 一緒に
働く を意味する中国語の表現が語源で、
第二次大戦中、アジア派遣の米海兵隊員が
用いた掛け声 gung-ho(さあ、やろう)に
なったのだいう。
macho culture
男らしさ、勇敢さ(macho、
広辞苑では マッ
チョ )を強調する組織内の文化・雰囲気。
Long hours are macho in many offices.
But some men are bucking the macho
culture and spending more time with
their families.(長時間勤務を勇ましいと
考える職場が多いが、中には、そうした
への人材獲得が特に悩みのタネとなる)。
Personal pizzazz is not the governor's
only problem.(知事の問題は、個人的な魅
力に欠けているだけにとどまらない)
。The
cover letter of your resume lacks pizzazz.
(君の履歴書の、自分を売り込むカバーレ
ターには訴えるものがないね)
。語源はイ
タリア語かと思いがちだが、不明という。
where's the beef?
ビーフはどこにあるの? とは、「
(宣伝す
るほどの)中身はあるのか」という問いか
けの意味で使われる。1980 年代の米国で、
あるハンバーガーチェーンが、ライバルを
意識して TV のコマーシャルで使ったのが
始まり。Broadband: Where's the beef?(ブ
ロードバンドというが、いわれるほど早
いの?)
。一見いいことづくめの提案には
Where's the beef? と質問してみよう。
マッチョ文化 に染まらず、家族と、より
hype
多くの時間を過ごす選択をする男たちもい
る)
。Their encounter with a foreign and
conservative macho culture drove them
興味をかきたてるために行う誇大な宣伝
to leave the town.(異質で保守的な男中心
(映画、演劇などに)。There has been so
の文化に納得できず、彼らは町を出る決心
ᛛⴚ⠡⸶ቇ㒮
․⸵⠡⸶․೎ࠦ࡯ࠬ
ቯຬ 㪈㪇 ฬ䇮㪈 ᦬䊶㪋 ᦬䊶㪎 ᦬䊶㪈㪇 ᦬䈱ฦ᦬䉴䉺䊷䊃㩷
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7
Honrenso
Japan Translation Journal No.226
No.118
私の翻訳体験から(8):問題な訳語 松下 巌
最近は、自分で翻訳するのではなく、和訳されたマニュアル原稿
国立国語研究所編『分類語彙表』の増補改訂版で調べてみても、
をリライトするのが仕事となっています。そういう状態ですから
「判別する」は 2.3063 比較・参考・区別・選択の項にあるのに対
「私の翻訳体験から」でなく、
「私のリライト体験から」とするべ
して、「決定する」は 2.3067 決心・解決・決定・迷いの項にあり
きかもしれません。
リライトを依頼される翻訳の中に、よく現れる気になる訳語があ
ます。
you の「ユーザ」という訳
ります。誤訳というべきでしょうが、ここでは一応「問題な訳語」
としておきます。
「ユーザ」という語が出てきたので思い出しましたが、英文中の
you は、
「あなた」は論外としても、「読者」ではなく「ユーザ」
determine の「判別する」という訳
とするようにという指示がされていることがあります。この指示
は、ユーザ・マニュアルの翻訳では正しいのですが、システム管
英語の determine は、普通は「決定する、特定する、確認する、
理者向けのマニュアルでは適切ではありません。このようなマ
測定する、解決する」と訳されます。
ニュアルでは、読者、つまり管理者に you を使い、システムのサー
ビスを利用するユーザは user と書きます。したがって、you は「管
ところが、この determine をほとんどすべて「判別する」と訳し
理者」とするのが正しい訳語となります。
てくる人があります。それも1人だけではありません。例を示し
ます。
You can run all your contexts in routed mode or transparent mode;
you cannot run some contexts in one mode and others in another.
Informix must be licensed separately from CPC. The following
formula can be used to determine the number of "Informix users"
という英文は、
required to be licensed for a given CPC environment.
ユーザは、自分のすべてのコンテキストをルーテッド・モー
Informix は、CPC とは別にライセンスする必要があります。
ドまたは透過モードで実行することができます。ただし、あ
次の公式を使用して、所定の CPC 環境でライセンスする必要
るコンテキストを一方のモードで実行し、他のコンテキスト
のある「Informix ユーザ」の数を判別することができます。
をもう一方のモードで実行することはできません。
確かに、指定されている用語集には、
「判別する」も入っていま
というように「ユーザ」を使うのではなく、
「管理者」を使って
すが、
「決定する」も一緒に入っていますので、内容を考えて使
次のようにする必要があります。
い分ける必要があります。
管理者は、自分のコンテキストすべてをルーテッド・モード
「判別」を明鏡国語辞典で引くと、
「はっきり見分けること。他と
でも透過モードでも実行できます。この場合、全部を一つの
区別すること」と説明してあります。対象が何であるかを判断す
モードで実行することが必要で、モードを混用することはで
ることであって、対象を決めるという determine とはまったく違
きません。
います。
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Honrenso
Japan Translation Journal No.226
「しかし」と「ただし」の混同
or を「および」と訳す
上の例では、二つの文がセミコロンで接続されています。第二の
英語の or は、普通は「または」と訳されてますが、「および」と
文は、最初の文の条件と考えられるので、
「ただし」で接続する
訳す必要がある場合もあります。
のに問題はありません。ただ、最初の文が can で可能を示し、次
の文が cannot で禁止を示しているので、逆接とも考えられます。
まず例を見てみましょう。
そうすると「ただし」でなく「しかし」を使うことになります。
リライトでは、
「この場合」として、条件か逆接かの決定を避け
Each user account has one of two privilege levels--0 or 15.
ています。
という英文を翻訳者は
翻訳を見ていると、however を「ただし」と訳す人が数多く見ら
れます。however はジーニアス英和大辞典には
各ユーザ・アカウントには、0 または 15 の 2 つの特権レベル
があります。
[接続詞的に;先に述べられたことと対照させて]しかしな
がら,けれども,それにもかかわらず《◆ (1) 対照の感じは
と訳してきました。この訳には「の 1 つ」が抜けていますが、こ
but より弱い.(2) 以下略》
こで取り上げるのは、
「0 または 15」という表現です。先にリラ
イトを示します。
と説明してあり、逆接に近いことを示しています。
「ただし」は
明鏡国語辞典には
ユーザ・アカウントにはそれぞれ、0 および 15 という 2 つの
特権レベルの 1 つが付与されています。
前に述べたことに条件や例外を付け加えるときに使う。「明
朝九時集合。但し雨の場合は中止」
とあります。次の例の however は「ただし」ではなく「しかし」
とするのがよいと考えます。
「0 または 15」を「0 および 15」に修正しました。
英文では、one (of two privilege levels)--0 or 15 という構文で、one
が「0 or 15」であると述べています。これに対して、日本文では、
「(0 および 15 という)2 つの特権レベルの 1 つ」という構文で、
This system does not provide real-time agent state data; however,
特権レベルに「0 および 15」があると述べています。
accumulated times in each state are reported.
語句は近いところに係る(修飾する)と考えるが普通ですから、
このシステムはリアルタイムのエージェント状態データは提
英語と日本語で違いが生じます。
供しません。ただし、それぞれの状態の累積時間はレポート
されます。
ユーザ・アカウントにはそれぞれ、0 または 15 という、2 つ
の特権レベルの 1 つが付与されています。
リライトを示します。
というように、読点を入れて、直後の「2 つの特権レベル」でな
このシステムは、エージェントの状態データをリアルタイム
く、後の「1 つ」に係るようにすれば英語の構文に近づきますが、
に示しません。しかし、各状態の累積時間は報告します。
日本語としては分かりにくくなります。
今回は、問題があると考えられる訳語をとりあげました。
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Information
JTF 翻訳環境研究会報告
**************************************
平成 18 年度第 4 回 JTF 翻訳環境研究会
平成 18 年 9 月 12 日(火)14:00 ∼ 16:40
【開催場所】翻訳会館
【テーマ】人材育成:ローカライズ翻訳者
に必要な要件
【講師】小島 由公香氏(エムアイシイー株
式会社 代表取締役)
**************************************
小島氏は、約 10 年前から自身が設立し
た翻訳会社をローカライズ翻訳専門会社に
移行させ、現在に至るまでローカライズの
現場で指揮を執ってきた。ローカライズ翻
訳会社にとって切実な、いかに利益を出す
かというテーマを中心に、小島氏自ら実践
されてきた具体的な方法を語った。
翻訳会社が翻訳で利益を出すにはどうすれ
ばよいのか?
この切実な問題を考えるにあたり、翻訳
者、ローカライズ翻訳会社での各業務のス
Japan Translation Journal No.226
ピードを具体的に出してみると、次のよう
訳メモリーを残りの半分にかけてやると、
になる。
翻訳者の翻訳スピード:2,000 ∼ 3,000
ワード / 日
翻訳をしなくてもよいワード数が出てく
る。この分が利益となる。(ただし、この
方法が適用不可能な翻訳の場合もある)
翻訳会社の編集スピード:∼ 4,500 ワー
ド/日
上記の各スピードを飛躍的に上げること
ローカライズ翻訳の現状
ローカライズ市場は、全世界で 50 億 US
によって、翻訳会社は利益を出すことがで
きる。この場合、翻訳者の翻訳スピードを
上げることは難しいので、この件は外注す
る翻訳者を増やすことでカバーし、社内
ドル(約 5,750 億円)
、日本国内で約 300
億円と推定される。現在も成長段階にあり、
今後も成長していくことが予想される。
ローカライズ翻訳で必要な実践上のスキ
の編集スピードをいかに上げるかが重要な
鍵となる。編集(エディット)の手間の少
ない翻訳文が入手できれば、編集スピード
ルの中で、翻訳能力以外の重要なノウハウ
としては、ワークフローと、入力指示の厳
守があげられる。クライアントの指示を誰
を上げることが可能である。そこで、A ラ
ンクの翻訳者をいかにたくさん確保するか
が、キーとなる。よい翻訳者をたくさん
確保するには、翻訳者を育成するのが、手
が受け、誰に伝えるか、また、指示変更が
あった場合、どのような命令系統で指示
を出していくかをはっきり決めておかない
と、品質の高い成果物が出来上がらない。
間はかかるが一番手っ取り早い。一つの例
としては、翻訳学校と提携してインターン
シップ制度を活用するという手段があり、
まだ活用されていないが、現在、エムアイ
シイー社も翻訳会社と提携する話を進めて
いる段階である。また、翻訳者を管理する
編集者(エディター)の能力も非常に重要
であり、エディターの育成も必要である。
これら、翻訳者、エディターの人材育成が、
今後、非常に重要だと考えられる。
また、実務的な利益の出し方としては、
Trados の使用方法を工夫することによっ
て、エディターの編集スピードを上げたり、
翻訳者へのオーダーワードを減らす方法
がある。Trados 使用で利益を上げるには、
いろいろな方法があるが、以下はその一部
である。
1. Repetition を摘出し、この部分をまず
翻訳する。その後、この TM を使用して
全文を分析すると、ある割合で翻訳をする
また、クライアントによって、グローサリー
の管理、メモリーの使用方法、UI ターム
の処理などについても細かく決めておく必
要がある。
必要がなくなるワード数が出てくる。この
分が利益となる。
2. 原文を二つに分け、半分だけまず翻訳
者に出し翻訳する。その後、その前半の翻
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信頼関係の重要性
よい仕事を長く続けていくためには、ク
ライアントとローカライズ翻訳会社、翻訳
会社と翻訳者との間の信頼関係が非常に重
要である。そのためには、翻訳者およびク
ライアントと強い信頼関係を結ぶ努力が必
要である。ローカライズ翻訳会社にとって
は、こうした相互の信頼関係や緻密なコミュ
ニケーションをお互いに持つことができる
か否かが非常に重要なポイントとなる。
小島氏は、今回の講演用にたくさんの資
料を提供し、これまでの豊富な経験をすべ
て伝えてくれるようなきめ細かさで一つ一
つ説明し、聴講者は皆たいへん興味深く資
料のページを繰りながら、ローカライズ翻
訳の現状についての説明に耳を傾けていた。
報告者:早舩 由紀見(個人翻訳者)
Information
Japan Translation Journal No.226
第 45 回 JTF <ほんやく検定>合格者発表
平成 18 年 7 月 22 日(土)に実施
された第 45 回 JTF <ほんやく検
定>の結果が 9 月 20 日(水)に
発表された。
【実用レベル・英日翻訳】
■ 1 級(11 名)
吉田 紋子(広島県)
志賀 美由紀(神奈川県)
池田 葉子(京都府)
多々良 順子(愛知県)
田頭 栄子(東京都)
金住 拓馬(滋賀県)
中西 美奈子(千葉県)
関口 佳代(U.S.A.)
堀内 麻衣子(奈良県)
平崎 肇(東京都)
長田 真理子(神奈川県)
■ 2 級(18 名)
加藤 京子(東京都)
篠原 かおる(兵庫県)
佐藤 恵美(東京都)
渡邉 淳子(神奈川県)
浦川 正之(千葉県)
光成 美恵子(広島県)
春日井 正文(東京都)
嶋㦮 由美(東京都)
田口 有里恵(滋賀県)
山形 純子(福岡県)
興津 奈穂子(大阪府)
奈良 健二(東京都)
宮崎 浩一郎(U.S.A)
槇戸 美幸(広島県)
中嶋 由衣(茨城県)
渡邊 梓(新潟県)
竹内 太一郎(岐阜県)
石田尾 美里(千葉県)
■ 3 級(69 名)
池上 卓志(東京都)
小林 修(神奈川県)
佐藤 裕紀(東京都)
佐藤 泰之(神奈川県)
前田 純(東京都)
三苫 達雄(東京都)
非公開(新潟県)
宮本 章夫(神奈川県)
風早 寿子(大阪府)
鈴木 義孝(大阪府)
梶原 恒雄(福岡県)
成田 貴子(東京都)
向井 拓也(愛知県)
池田 真紀(アイルランド)
辻本 双一(マレーシア)
榎田 京輔(埼玉県)
中嶋 匡史(大阪府)
笠井 暁子(東京都)
黒木 淳哉(熊本県)
新崎 誠司(東京都)
藤井 美砂(埼玉県)
池上 隆虎(東京都)
東村 研吾(東京都)
稲田 潤子(東京都)
山下 芳樹(大阪府)
菅 俊二(福岡県)
柏原 絵美(三重県)
榊 隆夫(鹿児島県)
安藤 久美子(愛知県)
村井 邦江(愛知県)
篠原 芳樹(茨城県)
吉川 菜津(U.S.A.)
蓑輪 星使(東京都)
中山 秀之(埼玉県)
下茂 真(大阪府)
小林 靖(埼玉県)
山内 安子(神奈川県)
長谷川 文子(鳥取県)
石川 恵三(広島県)
荻野 裕子(シンガポール)
坂元 佐知枝(広島県)
鮒谷 信子(愛知県)
舌 千香子(大阪府)
八代 明子(東京都)
荒井 昭範(神奈川県)
堤 千栄(千葉県)
山田 祥子(愛知県)
伊藤 則子(茨城県)
吉田 美枝子(京都府)
塩尻 てるみ(京都府)
中井 朋一(北海道)
長谷川 典彦(埼玉県)
井上 純子(東京都)
野口 裕子(神奈川県)
萬田 葉子(オーストラリア)
許 綾香(東京都)
山口 友子(埼玉県)
宮下 茂(長野県)
間庭 直樹(埼玉県)
浅野 義輝(東京都)
塚越 美菜(埼玉県)
網野 勉(神奈川県)
山田 裕子(石川県)
仲松 有奈(カナダ)
山内 康秀(東京都)
田澤 千絵(埼玉県)
矢野 直子(富山県)
石橋 養親(東京都)
皆川 忠義(茨城県)
【実用レベル・日英翻訳】
■ 1 級(9 名)
笠井 暁子(東京都)
田口 有里恵(滋賀県)
桑名 康彦(栃木県)
田嶌 奈々(大阪府)
堀内 麻衣子(奈良県)
平岡 和久(大阪府)
興津 奈穂子(大阪府)
島津 秋(東京都)
佐藤 禅(静岡県)
■ 2 級(12 名)
鈴木 義孝(大阪府)
榎田 京輔(埼玉県)
柏木 由紀子(東京都)
榛葉 禮子(東京都)
中西 美奈子(千葉県)
バレット ディビッド(大阪府)
西岡 謙治(U.S.A.)
有田 真奈美(福岡県)
福田 祐子(東京都)
比舍 博(京都府)
森田 敏之(東京都)
浅野 義輝(東京都)
■ 3 級(33 名)
大山 武志(宮城県)
佐藤 裕紀(東京都)
非公開(東京都)
長田 千恵子(千葉県)
大関 厚央(埼玉県)
長井 良平(大阪府)
池上 素史(大阪府)
梶原 恒雄(福岡県)
グリーン 哲代(沖縄県)
東村 研吾(東京都)
中林 明子(東京都)
榊 隆夫(鹿児島県)
安藤 久美子(愛知県)
吉川 菜津(U.S.A.)
ジョンソン エレノア(東京都)
丸山 裕香(神奈川県)
渡邉 淳子(神奈川県)
朴 貴玉(兵庫県)
渡辺 剛(東京都)
岡本 恭子(神奈川県)
井上 純子(東京都)
塩田 恵子(埼玉県)
コリア 倫子(東京都)
中野 典子(神奈川県)
岸本 昌典(埼玉県)
奈良 健二(東京都)
小平 泰嗣(神奈川県)
中嶋 由衣(茨城県)
渡邊 梓(新潟県)
岡本 義治(神奈川県)
Yeo Tean Lam(シンガポール)
山口 友子(埼玉県)
田澤 千絵(埼玉県)
【基礎レベル】
■ 4 級(43 名)
太田 弥生(宮城県)
元沢 智恵(宮城県)
非公開(埼玉県)
岡本 鷹幸(東京都)
非公開(千葉県)
非公開(神奈川県)
久田 篤史(埼玉県)
非公開(東京都)
非公開(奈良県)
榊 敬裕(千葉県)
木村 順子(神奈川県)
永田 理津子(静岡県)
渡辺 絢子(東京都)
山本 誠(愛媛県)
澤田 真知子(千葉県)
臼井 由里(東京都)
川上 茂孝(茨城県)
福田 朱里(茨城県)
村山 恵子(長野県)
白倉 亜弓(神奈川県)
早川 真由美(愛知県)
小原 進(東京都)
山本 美希(大阪府)
仙田 智子(大阪府)
長原 香織(東京都)
笠原 夏子(東京都)
酒井 健司(栃木県)
仲松 有奈(カナダ)
小泉 幹夫(群馬県)
隅広 万紀(広島県)
植野 伊都子(大阪府)
須賀 真美子(千葉県)
星加 京子(大阪府)
林田 佳奈子(宮崎県)
若杉 英(新潟県)
安田 卓馬(兵庫県)
村木 啓之(山梨県)
杉浦 貴枝(静岡県)
松田 一平(千葉県)
宍戸 麻紀子(東京都)
宮下 由紀(東京都)
トラウトマン 友紀(茨城県)
鮒谷 信子(愛知県)
■ 5 級(39 名)
非公開(宮城県)
非公開(宮城県)
非公開(福島県)
非公開(宮城県)
伊藤 恵理(宮城県)
草彅 綾子(宮城県)
岡本 鷹幸(東京都)
非公開(埼玉県)
非公開(千葉県)
非公開(千葉県)
非公開(東京都)
非公開(大阪府)
山本 優子(奈良県)
非公開(大阪府)
非公開(奈良県)
非公開(広島県)
阿部 信人(東京都)
松井 紀世子(大阪府)
木村 順子(神奈川県)
彌城 枝里子(兵庫県)
澤田 真知子(千葉県)
福田 朱里(茨城県)
藤井 説子(広島県)
中井 貴美子(東京都)
白倉 亜弓(神奈川県)
小原 進(東京都)
仙田 智子(大阪府)
丹澤 里紗(神奈川県)
植野 伊都子(大阪府)
早瀬 実希(奈良県)
星加 京子(大阪府)
太田 歩(東京都)
村木 啓之(山梨県)
布留川 千里(千葉県)
秋山 寿美子(広島県)
松田 一平(千葉県)
宮下 由紀(東京都)
トラウトマン 友紀(茨城県)
大西 麻衣子(大阪府)
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Japan Translation Journal No.226
Information
図書紹介 ∼ JTF 会員による著書・翻訳書∼
■ 特許翻訳の基礎と応用 − 高品質の英文明細書にするために −
著者:倉増 一 発行:講談社 3,500 円+税 ISBN4-06-155610-X
著者は、特許翻訳者として活動する傍ら、青山学院大学で技術英語を教えている。JTF では、ほ
んやく検定委員会の委員としてお世話になっている。本書は、指導の経験を集大成した特許翻訳
者のための実務書。特に明細書の書き方を、記載項目に従って系統的に詳しく解説している。特
許特有の翻訳上の疑問点が、この一冊でほぼ解消できるであろう。豊富な例題を通じて、翻訳に
対する基本的な考え方が身に付くように工夫されており、初心者から中級以上の翻訳者はもちろ
ん、翻訳会社や特許事務所など特許に携わるすべての人に役立つと思われる。
■ ライプツィヒの塔 − 新しい科学への道
著者:J.W. サーボス 翻訳:勝野 憲昭
発行:文芸館 2,400 円+税 ISBN4-7800-4001-9
原題は、"Physical Chemistry from Ostwald to Pauling"。翻訳者は JTF 個人会員。20 世紀到来
前夜の欧州から米国へと物語を展開しつつ、
ドイツに誕生した「物理化学」の創始者、フリードリッ
ヒ・ウイルヘルム・オストワルトと米国人の弟子達の人間ドラマを描く。米国科学史協会「ファ
イザー賞」受賞。天才ノーベル化学賞受賞者 L. ポーリングらオストワルトの後裔達が、故国米
国でそれぞれに発揮したリーダーシップ、第一次世界大戦を挟んで激動する米国社会が示した新
しい科学への反応をドラマチックに描くノンフィション小説。
■ 凡人による凡人のための新解釈『般若心経』
著者:樽井 欣也 発行:文芸社 1,500 円+税 ISBN4-286-02244-7
著者は JTF 個人会員。法律、経済、金融(日英・英日)を専門分野とする実務翻訳者。著者は、
修行僧でも仏教学者でもない。著者によると、現在多くの般若心経解説書が出されているが、
「そ
のほとんどが名僧や高僧によるものだが、その中間部分(無・・・に関する部分)の解釈が曖昧で、
般若心経の趣旨をつかみきれていない」という。そしてその原因は「漢文を直訳」していること
にあると主張する。本書では、
般若心経の新しい「邦訳」を提起し、
さらにその邦訳に基づいた「論
理的英訳」が示されている。
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