ハリソン・オーディオ・エンジン概要

ハリソン・コンソール
全機能ネイティブ DSP システムの紹介
全機能デジタル信号処理
入手の容易な汎用ハードウェア部品
将来の拡張性
オープンソース・コンピューティング
X レンジの概要
業界でよく知られたデジタル及びアナログ・コンソールメーカーであるハリソンコンソールは、デジタル・
コンソールの包括的な製品群をサポートするため、X レンジ・デジタル信号処理 (DSP) システムを導入し
ました。
X レンジ製品群はネイティブ・ベース信号処理とオーディオ・オーバー・イーサネット (AoE) 技術を応用
した、レコーディング、放送、ライブ拡声、映画音声制作用の総合的に拡張可能な DSP ソリューションです。
システムは 2 つのテクノロジーを統合して、最高のオーディオパフォーマンスを従来より低い顧客投資で
もたらします。X レンジ・システムはプロフェッショナル・オーディオの舞台に感動的なコスト削減と、
パー
フォマンス、拡張性の恩恵をもたらします。
X レンジ・システムの導入は、小、中、大規模コンソールの DSP バックエンド設計のパラダイム・シフ
トを意味します。X レンジ・システムは最高のコンソール DSP を実現するため、オープンソースのリ
ナックス OS 上で走っている市販の工業用コンピューター・ハードのモジュール部品で成り立ってます。
X レンジは純粋なサウンドと真の 64 ビット浮動小数点音声演算処理、そしてまたオーディオ・オーバー・
イーサネットの接続のしやすさにより、多くの利便性を提供します。さらに、コスト削減型システム用と
して、X レンジ製品群は 32 ビット・オーディオ・パスで動作させることも可能です。
ネイティブ・ベース・プラットホームの導入により、ハリソンコンソールは今日のコンピューティング・ハー
ドウェア、データ処理、ネットワーク通信市場において、精力的に価格競争力を拡大することができました。
付け加るならば、顧客は、より強力な DSP チップの市場への到来による再設計を待つ必要がありません。
背景
コンソール・デザインへの伝統的なアプローチは、高速、独占的でソースコードの公開されていないカス
タム IC application-specific integrated circuit (ASIC)、またはもっと一般的なプログラム・ゲートア
レイ (FPGA)、そして専門的なデジタル演算素子 (DSP) たとえばモトローラ 5600 等のような素子類に基
づいていました。近年、アナログデバイスの SHARC(シャーク)プロセッサーはデジタル音声の音質を
改善する浮動小数点演算能力を備えました。
市場へのハリソンのアプローチは、小規模システムと大規模システムの両方のニーズに対応させるもので
した。大規模なフィルムプロダクションなどで新しいサラウンド・フォーマットを扱うためには多数のオー
ディオ・チャンネルの大規模な DSP システムへの要求に合わせるため、ハリソンは、1999 年に SHARC
(シャーク)ベースのデジタル・エンジン・DSP システムを導入しました。そのデジタル・エンジンは、各々
のチャンネルが 40 ビットの分解能を持ち、768 チャンネルまで拡張可能な十分な音声処理能力を持った
システムを提供しました。
デジタル・エンジンは、よりすぐれた音質を提供するための大規模な拡張システムを、
「ビルディング・
ブロック」モジュラー部品を使って構成していました。
ハリソンがネイティブ(ホスト・プロセッサー・ベース)へ移行しだしたとき、同じ「ビルディング・ブロッ
ク」の手法が X レンジ DSP システムに使われました。さらに、ハリソンは X シリーズ製品群の技術開発
で数多くの重要な設計目標を達成することができました。
• 専用のハードウェア素子の数量の最小化
• 非カードタイプ・ハードの採用で、システム・コストの最適化と拡張性の向上
• アップグレードや次の製品のリリース待ち不要で、性能の拡大を可能とするリナックス OS と
ハリソン DSP ソフトウェアの採用
• さらなる高音質とダイナミックレンジのために 64 ビット浮動小数点分解能の採用
• コストと簡便さの利点から、単一の転送プロトコルとしてオーディオ・オーバー・イーサネット
(AoE) の採用
X レンジ・システムの概要
ハリソンはあらゆる顧客の機能の要求に合致した、カスタマイズされたデジタル・バックエンドを構築す
るための製品群のフル・ラインナップを提供します。ハリソン X レンジ・システムは以下の製品群から構
成されます。
• 1 台あるいは複数台のハリソン X エンジン・プロセシング・コンピューター
• ハリソンの以前のルーター・コアやルーター・マスターによって供給される機能を統合するハリソ
ン X ルーター
• ハリソン X リンク・イーサネット・コネクション、プロトコル
• オプションのハリソン標準またはプレミアムの I/O インターフェースは、AES/EBU やアナログを
含む複数のオーディオ・フォーマットに適応させることも可能です。
DSP シグナル・パスの各パート ― 全機能チャンネル・プロセシング(EQ、ダイナミクス、フェーダー、
トリム、ディレイ、フェイズ、パン、バス・アサイン)から音楽やフィルム用途での完全なサラウンド
モニタリング機能、ディエッサーやマルチバンド・コンプレッサーのような特化した音声編集ツールまで
― は、高速のマルチコア AMD オプテロン CPU を実装した標準的な(ただし、特別にデザインされた)X
エンジン・プロセシング・コンピューターで処理されます。
X シリーズ製品群の各機器はカテゴリー 6 で接続されます。ハリソン X リンク・オーディオ・オーバー・イー
サネット変換プロトコルを使って、ハリソン・コンソールはデジタル音声信号をコンソール内のいかなる
場所へも送ることが可能です。
なぜ 64 ビット音声パスが必要か?
まあこれはひとつの状況で、単純ではありませんが。16 ビット・システムにおいて、もし多すぎる操
作を行うと ― 基本機能である、レベル操作を行ったとしても ― 16 ビット・システムの限界のきつい
数値ダイナミック・レンジに対しても、丸め誤差を発生させてしまいます。繰り返された丸め誤差でサ
ウンド・クオリティーは損なわれてしまいます。32 ビット浮動小数点は代表的な解決策ですが、64 ビッ
トはさらなるヘッドルームとダイナミックレンジをもたらします。この 64 ビット化による解決策は、
無音域近くまで減衰するリバーブ・テイルでボリュームを上げて聴いたときに、特に目立って聞き分け
ることが可能です。このジャリジャリとした低分解能減衰音とは永遠におさらばとなります。
もうひとつの大きな違いは、多数のトラックでプラグイン・ソフトやソフト・シンセを使用したプロジェ
クトを走らせている時に現れます。
同時に多数の演算が進行している時も、64 ビットの分解能なら、計算能力の不足からくるクリッピン
グやその他の問題に悩まされることなく処理を行うことが可能です。それでは、64 ビット化は大きな
前進と言えるのでしょうか?音声の点から言えば、64 ビット化によって、もともとそんなに限界のな
かったとされる 32 ビット浮動小数点フォーマットの限界が取り去られることは間違いありません。
充分なボックス内ミックスで満足の行く音声成果をもたらすかどうか熱心な議論の余地はありますが、
64 ビット分解能はデジタルドメインに生息する人々の助けになるでしょう。
64 ビットのハードウェアとオペレーティングシステムについては、64 ビットは必ずしも 32 ビットの
2 倍高速ということにはなりませんが、私の意見では確かに早いと言えます。早ければ早いほど良いの
です。結局、音楽の再生と録音は、リアルタイムに経験すること(もしくは少なくともそうであるべき)
であり、ツールはそれを促進する手助けのために存在するのです。
クレイグ・アンダーソン「64 ビットバズワールドは深化への速記である」
米国プロサウンドニュース 2005 年 12 月 30 日
www.prosoundnews.com/articles/article_2979.shtml
X ルーターは標準 MADI 信号(最大 8 インプット X8 アウトプット)を受け入れ、他の標準 MADI 機器へ
信号を受け渡します。X ルーターはマイクロフォン、ラインまたは AES3 入力を任意のチャンネルにルー
ティングすることを可能とします。X ルーターは最大 4 個のギガビット・イーサネット・ポートを最大
4 台までの X エンジン・プロセシング・コンピューターへ接続します。
X リンクのイーサネット接続性
ハリソン独自の X リンク接続プロトコルは、
64 ビット 48KHz で 256 シグナル(96KHz なら 128 シグナル)
もの持続したバンド幅をもたらします。X リンクは標準のギガビット・イーサネットと既製のネットワーク・
アダプター・カードを使用します。しかしながらこの方法はコンピューター基盤にたくさんのことを要求
しますが、ハリソンは市場性を拡大するため民生品を使いました。
最近の全能力の持続したスルー・プットは困難な挑戦です。しかしハリソンは、完全に基準に合致した
ギガビット・イーサネット・カードで最大のパケット・スループットを得ることに成功しました。
X エンジン・プロセッサー
ハリソンの公約は音質です。それゆえ、64 ビットの業界最高の処理深度を提供するため、ネイティブ・プ
ロセシングを使用します。各々の X エンジンは、複数個の AMD オプテロン 64 ビットプロセッサーで駆
動された X レンジシステムを採用しています。各 X エンジンは 48 のリソース・チャンネルを 48KHz 64 ビッ
トで処理することができます。このパフォーマンスは適当な速度グレードのデュアル・プロセッサー構成
により達成され、今後より早く大容量のプロセッサーが市場に登場した際には、パフォーマンスのさらな
る向上が期待されます。
AMD のオプテロン・プロセッサーが 64 ビット幅であるため、多くのオーディオ・チャンネルの 64 ビッ
トでの処理を簡単に行うことができます。各オーディオ・チャンネルの機能には、8 バンド EQ(各バン
ドはカーブ選択機能 EQ 付き)
、コンプレッサーとゲートを含んだフル・ダイナミクス・セクション、包
括的なバス送りとパンが含まれます。標準の 64 ビット幅はハリソン独自で、浮動小数点の仮数を 23 ビッ
トから 52 ビットまで変更することができます。べき指数は 8 ビットから 11 ビットまで動きます。64 ビッ
トでの音声信号のダイナミックレンジと分解能は言うまでもありません。
ハリソン
X エンジンプロセッサー
1 個の X レンジ・プロセッサーで得られるサンプリング・レートとビット分解能それにチャンネル数は互
いにトレード・オフの関係にあります。48kHz の場合の最大のチャンネル数は 96kHz の場合のおよそ 2
倍です。32 ビットの場合の最大チャンネル数は 64 ビットの場合のおよそ 2 倍です。
ハード・リアルタイム・リナックス・カーネルは、
短いレイテンシー(10 サンプル)と高信頼性を提供します。
X リンクは最大 256 の信号入力と最大 256 の信号出力を各 X エンジンに供給します。
各 X エンジンは 2 つのイーサネット・ポートを持っています。制御ポートはハリソン IKIS コントロール
とオートメーション・プラットホーム PC からの制御信号の受け取りに使われます。X リンク・オーディ
オ・ポート(銅線接続または光接続)は 256 もの 64 ビット双方向オーディオ I/O を提供します。各々のチャ
ンネルは A/B インプット、フレキシブルなシグナル・フロー内のいかなる場所にも配置できるパッチ、ダ
イレクト・アウト、バスアウトを持っています。
各 X エンジンは X リンク・イーサネット接続経由で 1 台の X ルーターに接続されます。X エンジンにはワー
ド・クロックの入力は必要ありません。X エンジンはスレーブ機器として動作し、クロック情報は X ルーター
から受け取ります。
各 X エンジンは銘板のついた頑丈な 4U アルミ・シャーシーに組み込まれています。オプションでリダン
ダント電源も利用可能です。
X エンジン 仕様
構成
X エンジン・コンピューター 1 台あたり 48 チャンネル(標準)
すべてのチャンネルを 96kHz にて全処理
バスの構成
メインバス 48 本まで、Aux 16 本まで
Mix バス / リアサイン・バス 16 本まで
デジタル信号処理
ネイティブ、デュアル AMD オプテロン・プロセッサー
チャンネル機能
コンプレッサー、サイド・チェイン付きリミッター、
エキスパンダー / ゲート、入力セレクト、
ノッチ ベル ハイパス ローパス 付きフレキシブル 8 バンド EQ、
チャンネル・ディレイ、16Aux Sends、
8 ワイドパンニング(オプションで 16 ワイド・パンニング)
、
プログラマブル・インサート・ポイント、メインフェーダー
内部処理
64 ビット浮動小数点(オプションで 32 ビット可能)
サンプリング周波数
48kHz、96kHz、192kHz
バリ・スピード・
サンプリング周波数
+/- 12.5%(38.5kHz-54kHz、77.2KHz-108kHz、154.4-216kHz)
音声入出力
X リンク - 標準ギガビット・イーサネット
サイズ
4U(オプションで 2U 可能)
電源
内部組み込み電源(オプションでリダンダント電源可能)
入出力接続ケーブル
カテゴリー 6 LAN ケーブル
X ルーター
X ルーターはハリソンの新しい MADI とイーサネット・ルーターで、
1536 x 1536 のルーティング能力を持っ
ています。ハリソンはコンソール操作部分を 48 チャンネルから 500 チャンネル以上にまで容易に対応さ
せることが可能です。これらの巨大なシステムは複数の X ルーターを大規模な構成でストライピングして
いくことで達成されます。各 X ルーター間の接続はハリソン 64 ビット超高分解能を維持され、音声品質
を損なうことはありません。
ハリソン
X ルーター
X ルーターは 8MADI 出力と 8MADI 入力を備えており、ハリソンの高精度 I/O や MADI 機器との接続を可
能にしています。ちなみに、X ルーターは4つの X リンク・イーサネット・ポートを持っており、他の X ルー
ターもしくはハリソン X エンジンとの接続が可能になっています。各 X ルーターは巨大なチャンネル数に
接続可能とするために、ツリー構造上にカスケード接続できます。MADI 信号が MADI 出力にルーティン
グされた場合、信号は変換されずに通過します。MADI 信号が X リンクにルーティングされた場合は、
64 ビッ
ト浮動小数点に変換されます。X リンクから X リンクへのルーティングの場合は 64 ビットが維持されます。
X リンクが MADI にルーティングされた場合は、ディザーされて丸められます。独立した出力のディザリ
ングは、16,20,24 ビットが用意されています。
ハリソンは「何処からでも、何処へでも」哲学を貫徹しています。コンソールのすべてのポイント(パッ
チポイント、ダイレクト・アウト、チャンネル A & B インプット、バス・アウトプット、ハリソン・デ
ジタル・オーディオ・ツールの入出力)が、X ルーターそしてシステム全体に用意されています。1 対 1、
1 対多、多対多のルートが、IKIS ルーター・コントロール画面で視覚的に簡単に素早くアサインすること
が可能です。X ルーターは分割可能なサミング(ミックス)
・ノード(結節点)も備えており、システムは
マルチ・ユーザー・バスとシングル・ユーザー・バスの両方を持つことが可能です。マルチ・ルーター・
バスは複数の X レンジ・システムに渡ってサミングが可能で、多数の X エンジンを含むシステムでさえ結
合可能です。
X レンジは「N + 1 ホット・スペア」を組み込んで冗長性を備えています。このシステムは機能停止した
X エンジン・プロセッサーを自動的に感知します。プロセッサーが機能停止した場合、システムがリダン
ダント(ホットスペア)X エンジンに合致すると、X ルーターは自動的にホットスペア X エンジンに切り
替わります。オプションでリダンダント電源も利用可能です。
X ルーター 仕様
入力 / 出力
MADI 入力 8 系統、MADI 出力 8 系統
X リンク・イーサネット・ポート 64 ビット 256 チャンネル
サンプリング周波数
48kHz、96kHz、192kHz
バリ・スピード・
サンプリング周波数
+/- 12%(56ch MADI)
最大 -12%(64ch MADI)
最大容量
1536 入力 x1536 出力
電源
内部組み込み電源(オプションでリダンダント電源可能)
入出力コネクター
MADI/ カッパー : 75 Ω BNC コネクター
MADI/ ファイバー : 62.5/125 μ m マルチモード SC コネクター
イーサネット / ファイバー : 62.5/125 μ m マルチモード SC コネクター
イーサネット / カッパー : Cat5e または Cat6/RJ45 コネクター
ワードクロック入力
AES3 または TTL レベル
サイズ
2U
レイテンシー
10 サンプル
ハリソンのオープンソース、工業用コンピューター・ベース、
オーディオ・オーバー・イーサネット DSP の利便性
トータルで考えたとき、DSP バックエンド設計へのハリソンのユニークなアプローチは以下のように
多数あり、非常に説得力があります。
• 工業用コンピューターは汎用品です。高い市場競争、高需要、高生産量により、アップグレー
ドと修理コストが低減されています。
• アップグレードは新しいコンピューターをインストールするのと同じように簡単です。
ハードウェア業界が新しい技術を発表するごとに、ハリソンもそれらを DSP に逐一取り入れて
いきます。
• コンピューター・プロブレムの診断と修理は、地方のプロフェッショナルの手でリーズナブル
なコストで行なうことができます。
• 多くのハードウェアの限界が取り除かれて、ソフトウェアがシステム設計と最大構成能力を
決定する支配的なファクターとなりました。
• DSO システムとサポートされるチャンネル数は、コンピューターとルーターを増やすだけで
簡単に拡張されます。
• 設置スペースとファン騒音は小型高性能コンピューターにより低減されます。
• オーディオ・オーバー・イーサネットの利便性のおかげで、設置時の見苦しく膨大なケーブル
処理が低減されます。
• プロセシング・ユニット間の全浮動小数点接続は、情報の切り捨てもクリッピングによる歪も
発生させません。他社製品のプロセッサー間では必要であったクリッピング・インジケーター
も不必要となり、結果的にシンプル化に貢献しました。
• 64 ビット浮動小数点演算は 48 ビット固定小数点システム以上の分解能を実現しました。
しかも従来の固定小数点システムのダイナミックレンジを大幅に改善しました。
• 来るべき 10 ギガビット・イーサネットの利用と、結果としての高帯域幅処理により、将来に
向けての拡張性が保証されます。
X レンジの作業適応性
3 つの X レンジ適応ダイアグラムが次のページに示されています。3 つのダイヤグラムは、作業適応性、
オプション構成、X レンジシステムの最大構成能力を表しています。
アプリケーション# 1:
X ルーターと 3 台の X エンジン、X レコーダーをを使用した単一 X レンジ・システム
• 64 ビットで全機能リソースされた 48 チャンネル
• 最適化されたコスト・パフォーマンス
• X ルーターや X レンジを追加しての拡張が可能
アプリケーション# 2:
プロダクション設備でのルーティングと分配機能
• 全設備ルータ接続
• オーディオ・オーバー・イーサネットによる全長距離間接続
• プロダクション環境の集中監視と分散監視
アプリケーション# 3:X ルーターを多段構成とした大規模多チャンネル構成
• 448x448 入出力
• 64 ビットでの 396 全機能リソース・チャンネル
• コンソールでの多チャンネル・バス・ミックス
• フィルム / ポスト・プロダクションや多目的のための大容量チャンネル
IKIS オートメーションとコントロール
構成された各 X エンジンと X ルーターは、ハリソン IKIS コントロールとオートメーション・プラットホー
ムで、ひとつのシステムネットワークとして制御されます。IKIS はコンソールの全構成と機能のセットアッ
プを管理し、放送、劇場用途のためにスナップ・ショットとシーン・リスト・リコール機能を提供し、ポスト・
プロダクションと音楽ミキシング用途のために動的でダイナミックなミキシング・オートメーションを提
供します。
IKIS は、ハリソン・コンソール・サーフェースの情報を補完する TFT モニター経由で、オペレーターが
利用可能なカスタマイズされた高精細グラフィック・ディスプレイを管理運営します。システム内のすべ
ての信号処理とルーティング・パラメーター、信号レベル、各チャンネルのメーターは専用の IKIS TFT ディ
スプレイで監視することができます。また、IKIS はコンソールの多くのレベルを供給し、リアルタイム操
作では使用されないすべてのコンソールパラメーターを表示します。
ハリソン・コンソール・サーフェースの統合
X レンジは、幅広いハリソン・コンソール・サーフェースの製品群を補完する、完全に拡大可能な音声処
理バック・エンドです。
それらは、
• MPC4D コンソール
大規模なフィルムやポストプロダクション用途
• Trion コンソール
音楽 / スコアリング、放送、ポストプロダクション、劇場またはライブ
用途
• Air24/7 局用コンソール 放送局スタジオおよび音声中継車用途
を含みます。
ハリソン・コンソールは、X レンジ・DSP システムの規模と多様性を完全に補完するいくつかの機能を供
給します。すべてのハリソン・コンソールは 8 フェーダー・セクションごとに拡張可能で、各フェーダー・
グループは、それ専用のフェーダー・セクションの上部に配置された TFT モニター上に表示されるチャン
ネル・ストリップ・ディスプレイによって、サポートされています。
まとめ
ハリソン・コンソールは、様々な顧客の作業の要求に適合する、カスタマイズされた DSP のバック・エ
ンドを構築するために必要な製品群となる X レンジ・シリーズを提供します。大、小、中、どんなサイズ
のコンソールでも、X レンジ・プロセシング・エレメントを使えば構築可能です。
実行速度、信頼性、音声品質は、いつもハリソン・コンソールがシステム上で最も重要視した課題でした。
X レンジ DSP システムは、デジタルコンソール上でこれらの課題を録音分野用にまさに実現し、さらに
将来に渡るチャンネル数や最大処理能能力の拡張性をも確保しています。
超最高の分解能、低いレイテンシーそして限界のない拡張性を達成し、X レンジ DSP システムは、すべ
てのユーザーとすべてのプロフェッショナル・オーディオ用途に、感動的な価格満足度をもたらします。