第 7 章 ZZZ コネクタ/接続形態/転送速度/ 転送タイプ/信号規格… いまさら聞けない USB のコモンセンス 内藤 竜治 Ryuji Naitou は,従来のシリーズBコネクタと比べて非常に小型な ので,モバイル機器などでよく使われます. USB コネクタの種類 USB のデバイスの中にはコネクタとケーブルを用 ● 三つのシリーズ USB のコネクタには写真 1,図 1 に示すように,シ いて接続するのではなく,A タイプのプラグが直接出 ていてケーブルを使うことなくつなぐことができるも リーズ A,シリーズ B,シリーズ・ミニ B のプラグ/ レセプタクルがあります. のもあります.付録基板もそのような方法を採用して います.ただし,USB の仕様からは外れるので,う まく接続できない場合もあります. ● ホスト側とデバイス側で使い分けられている USB には親と子がある シリーズ A のプラグはホスト,またはハブの下位 ポートで用いられます.シリーズ B とシリーズ・ミニ B のコネクタはデバイス側で用いられます.この A と ● 1 台のホストを中心にしたツリー構造 B の違いは重要です. シリーズ・ミニ B の仕様は 2000 年 10 月にリリース 一つの USB システムは,1 台のホスト(親)と最大 127 台までの USB 機器(ハブ/デバイス)を接続するこ された USB 2.0 Specification Engineering Change とができます.親をホストと呼び,子をデバイスと呼 Notice(ECN)にて追加されました.シリーズ・ミニ B びます. (a)シリーズAプラグ (b)シリーズBプラグ (c)シリーズ・ミニBプラグ (d)シリーズAレセプタクル (e)シリーズBレセプタクル (f)シリーズ・ミニBレセプタクル 写真 1 USB コネクタの外観 2007 年にはマイクロ B,マイクロ AB というシリーズも規格化された 2008 年 8 月号 165 第 7 章 い ま さ ら 聞 け な い U S B の コ モ ン セ ン ス 第 7章 15.7 ZZZ 11.5 7.5 10.5 11.0 85.0 12.0 4ピン GND 27.0 3ピン D+ 2ピン D− 5ピン 12.0 1ピン VBus (b)シリーズAプラグのピン配置 1ピン VBus 20.0 2ピン D− 27.0 32.0 (f)シリーズ・ミニBプラグ のピン番号 ピン番号 名称 1 VBus 2 −Data (D−) 3 +Data (D+) 4 ID (NC) 5 GND 9.0 9.0 (a)シリーズA プラグ 4ピン GND 3ピン D+ (d)シリーズBプラグのピン配置 1ピン 6.80 (c)シリーズB (e)シリーズ・ミニB プラグ プラグ (g)シリーズ・ミニBプラグ のピン配置 図 1(3) USB コネクタの形状 (図中の単位は mm) USB のバス・トポロジは,図 2 のようにホストを 中心とする階段状のスター型構成となります.複数の フラットな構成として見えます. USB デバイスと通信するソフトウェアは各デバイ ホストを持たせたり,通信経路に複数のパスをもたせ たり,ループを構成したりすることはできません.ハ スごとに用意されるので,USB デバイスとデバイ ス・ドライバは 1 対 1 の通信をしているかのように抽 ブは 5 段までチェインすることができます. 象化されます.デバイス同士が直接通信することはで USB の仕様ではケーブルの長さに直接の制限はあ りません.ただし,許容される電圧降下や伝送波形に きません. USB 規格にはいろいろな速度がある 制限があり,ハイ・スピード・モードの場合は遅延時 間も限られるので,無制限に長くすることはできません. ● スピードの異なる三つの規格 ● ソフトウェアからは 1 対 1 通信に見える 図 2 はケーブルやハブをつなぐ際の物理的なバス・ USB の仕様には USB1.0,USB1.1,USB2.0 があり ます.USB1.0 と USB1.1 をまとめて,USB1.x と呼び トポロジですが,ソフトウェアからは階層的ではなく ます. ホスト・コントローラ 1段目 ルート・ハブ 2段目 ハブ#1 ハブ#3 ハブ#2 USBデバイス USBデバイス 3段目 ハブ#4 USBデバイス USBデバイス 4段目 ハブ#5 USBデバイス 5段目 USBデバイス ハブ#6 ハブ#7 USBデバイス 図 2(4) ハブ一体型限定 6段目 7段目 USB の物理的なバス・トポロジ (接続形態) ツリー状に最大 127 個のデバイスを接続できる 166 2008 年 8 月号
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