アウトドア真盛り!! ファミリーで行く夏の アウトドア・キャンプ 収納性

アウトドア真盛り!!
ファミリーで行く夏の アウトドア・キャンプ
収納性・取り出し性能にも 優れた国産ミニバンはどれ?
☆3ナンバーLクラスでは三菱グランディスと 日産プレサージュが実力伯仲で互角の勝負!
☆5ナンバー2リッタークラスではホンダ・ス トリームを凌駕したウィッシュが頭一つリード!
深大寺 梅麻呂
家族でアウトドアレジャーを楽しむ
にスポットを当てて比較解説していく。
ユーザーにとってミニバンは人気が高
ただし今回は国産ミニバンの全車種の
い。その理由は、多くの人間が乗車で
中から選び出すのではあまりに焦点が
き、しかもシートのアレンジによって
ボケてしまうので、2000㏄クラス
アウトドアグッズなどを大量に積み込
とそれ以上のクラスに分け、解説する。
機能性と使い勝手のよさは互
角!『三菱グランディス』と
『日産プレサージュ』
折り畳むことができる。また、収納後は
ラゲッジのフロアがフラットになるた
め、荷物の分量に応じて従来以上に柔
軟に使いこなせるようになった。
もちろん、セカンドシートの分割機
まずL(ラージ)クラスのミニバンか
現行Lクラスミニバンの中で最も魅
能と組み合わせれば色々な用途に対応
ら話しを進めて行こう。エンジン排気
力的に見えるのが三菱の「グランディ
できる。無理なく多彩なシートアレン
ならないほど広い。だから遠距離の目
量で言うと、2001㏄以上3500
ス」と日産の新型「プレサージュ」であ
ジを使い分けることができる点が最大
的地に到着するまで疲れないですむ。
㏄以下の中に入るクルマである。
る。両車種とも今年の5月と6月に新
の特徴である。
めるからだ。
室内空間も4ドアセダンとは比較に
そこで今回は、国産ミニバンの中か
登場したばかりだからライバル他車に
細かい収納機能も見逃せない。フロ
ら広い居住スペースを持ち、「楽に積め
対する研究が行き届いているが、機能
ントシートには上下2段式のグローブ
るシートアレンジ」に優れた主力モデ
面での本当の優劣は実際に使ってみな
ボックスやセンターテーブルが装備さ
ルをピックアップして、順列を付けて
ければ判りっこない。
れる。全3列シートにはそれぞれドリ
みた。外観デザインやエンジンの動力
「グランディス」だが、積載の時に大
性能、あるいは足回りのハイテク機構
きなメリットになるのが3列目シート
には言及せずにあくまで居住スペース
の左右分割床下収納機構だ。左右を2
また、コルトで好評の助手席ユース
と「楽に積めるシートアレンジ」の部分
分割することで荷物の収納時に軽々と
フルシートが採用され、買い物袋や手
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ンク&カップホルダーが標準装備され
ている。
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積み荷の時には魅力的。
う。室内長はこのク
三菱グランディス
多彩なシートアレンジが楽しめるだけでなく重たい荷物の収納にも便利な
左右分割床下格納機構はグランディス独自のもの。
荷物の分量と乗車人数
に最適なシートアレンジを創りだせる。
ラストップの299
このガラスハッチを開けたま
5mm。前述した通
まの状態でバックドアを閉める
りボディ全長が「グ
こともできるというから便利で
ランディス」と違う
ある。
ので単純に比較はで
上記2車は優劣付け難い魅力
きないが、広いラ
を持ち順列を決めかねる。ただ
ゲッジスペースを確
シートアレンジの操作が若干簡
保しながら開放感の
単で力が不要という点では「プ
ある頭上空間と足元
レサージュ」が優位にあるとい
空間を拡大し、大人
えるだろう。
6人がゆったりと座
一方、
「グランディス」の優位
れる空間を実現して
点は左右分割床下収納機構にあ
いる。
る。積載する荷物量に適応した
一番魅力的に感じ
サードシートのアレンジは魅力
たのはセカンドシー
的だ。どちらを重視するかは
トの横スライド機構
ユーザーの判断に任せるが、一
だ。用途に応じて
律に優劣を決めることはできな
キャプテンシート
い。
モードから3人掛け
さて、対抗馬としてはホンダ
のベンチシートモー
の「オデッセイ」とトヨタの「イ
ドにできるセカンド
プサム」はラゲッジスペースと
シートは便利である。
いう点では負けてはいない。特
提げバッグを安定して置くことができ
さらに驚いたのはラゲッジ左側のリ
にサードシートを折り畳んだ状
る。ユースフルシートは、シートの着座
ングを1回引くだけでサードシートを
態での荷物スペースの長さは
面を前方へ持ち上げることで大きな収
床下に格納でき、簡単に広い荷物ス
「イプサム」が最も長い。ただし
納ボックスが出現する。嬉しいのはさ
ペースにを創り出せる点。簡単に言え
フロアが完全にフラットにはな
らにその下にコンパクトなボックスも
ば、ワンタッチサードシート床下格納
らないため軽い荷物では積載は
備えられている点だ。使い勝手に優れ
機構である。
可能でも運搬時に荷物が安定し
た収納機能といっていい。操作する時
ラゲッジスペースも荷物の積み降
ない可能性が高い。スワリが悪
の力もそれほどいらないので女性でも
ろしが楽にできる。それはクラス最
い状態になるということだ。速
容易に操作できるはずだ。
高水準の荷室開口幅と低い荷室地上
「プレサージュ」はどうだろうか。特
徴の第一番目に「らくらくシートアレ
高によるメリットが好影響を与えて
いる。
ンジ」を掲げているほどだからさぞ積
細かい点では、バックドアのガラス
載や収納に関しては自信があるのだろ
ハッチが単独で開閉できる点も積載や
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度によっては緩いコーナリング
日産プレサージュ
ラゲッジルーム左端にあるリングを手前に引くとサードシー
トと一度に倒れフラットなフロアを造り出すことができる。
これがサードシートワンタッチ床下格納機構である。小学生
の子供でも力を入れずに操作できる。
でも荷物が転がることも予想さ
れる。
その点、
「オデッセイ」は「グ
ランディス」同様サードシート
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を折り畳んだ状態でもフロアがフラッ
るラゲッジに仕上がっているかを判断
述した4車に絞られただけで決して性
トになっていて積載した荷物は安定す
するのは実際に各車を借りて比較試乗
能や機能面で見劣りする車種ではない。
るだろう。
するしか手はないだろう。
つまり、荷物スペースがたとえ長く
ら「グランディス」と「プレサージュ」
ならないのであれば、積載した荷物は
は今年5月以降に新登場したばかりで、
すわりが悪く走行中に揺れ動きやすく、
デサイン的な新鮮味もある。
品物によっては傷付けてしまうことも
一方、「オデッセイ」は昨年10月に
考えられる。安心して荷物を積載でき
マイナーチェンジを受けているが、今
せない。
外観デザインから見ても「ウィッ
シュ」と「ストリーム」は見事に対抗意
購入ガイドという観点を加味するな
て広くても実際にフロアがフラットに
「ノア」&「ボクシィ」の連合軍も見逃
ホンダストリームを一歩リード
するトヨタのウィッシュが最も
魅力的だ!
識剥き出しの姿形である。後発となっ
た「ウィッシュ」は「ストリーム」の弱
点を改善して設計、開発しているだけ
に販売台数は凄い勢いである。月平均
次にエンジン排気量が2000
㏄以
で1万3300台以上を記録している
年の10月にはフル
内のミドルクラスのミニバンから積載
モデルチェンジが予
と収納に優れた魅力的な車種を調べる
ではどこが魅力的なのか。「ストリー
定されている。
「イプ
と、トヨタ対ホンダという対決図式が
ム」と比較して明確なのはサードシー
サム」も今年6月に
見えてくる。
トの居住性とスペースの広さ。さらに
という。
マイナーチェンジを
具体的には今年1月に新発売された
2750mmというクラス最長のロン
受けたばかり。つま
トヨタの「ウィッシュ」対ホンダの「ス
グホイールベースも注目に値する。居
り2年後にはフル
トリーム」。デザイン的な新鮮味は薄れ
住スペースの広さはラゲッジスペースの
チェンジされる可能
たが総合的な実用性で安定した人気の
広さに直結するからだ。参考までに室内
性が高いのだ。
ということは、基
トヨタ・イプサム
サードシートの後方、
ラゲッジルームの床下にサブトランクを装備するの
が特徴。
セカンドシートのシートバックは倒すとテーブルとして使えるの
も嬉しい。シートをフルフラットにすると室内長はかなり長くブレサー
ジュ以上。
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本設計が新しい「グ
トヨタ・ウィッシュ
ランディス」か「プレ
ラゲッジスペー
サージュ」が最も新
スは荷室高925
鮮味があるという点
mmを確保。7名乗
ではお薦めモデルと
車時の荷室長は4
いえる。
15mmとなって
この他にも今年6
いる。
VDA法によ
月にマイナーチェン
るラゲッジ容量は
ジを受けたばかりの
144リットル。
ゴ
ホンダ「ステップワ
ルフバッグなら2
ゴン」や5月にマイ
個は確実に収納で
ナーチェンジされた
きる。
「エスティマ」もライ
バル車として候補に
は上がったが、
「楽に
積めるシートアレン
ジ」という点では前
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長は2670mm、室内幅は1460m
m、室内高は1310mmである。
全長が4550mmという寸法を考
えれば十分長い室内長といえる。
シートの機能面では、まずセカンド
シートが6対4の分割可倒式を採用し、
う点では注目に値する。
「ノア&ボクシィ」がある。
よってシートをアレンジすれば自由に
セカンドシートは分割可倒式を採用
発売時期が2001年11月だから
決められるから不便は感じない。要す
し、大型センターアームレストを倒せば
デザイン的な新鮮味はないが、使い勝
るに欠点が見当たらない優等生ミニバ
スノーボードなど長尺物も積み込める。
手の良さや実用性の高さから幅広い
ンといったクルマである。
片方を倒せば乗車人数は3名となるが、
ファミリー層に支持されているという。
ただ現行モデルが登場したのが昨年
月平均の販売台数は約8600台。
11月のマイナーチェンジ後。次のマ
荷物の積み込み量はぐっと拡大する。
ダブルフォールディング、リクライニ
とにかく、サードシートもセカンド
安定した人気を確保している。開発す
イナーチェンジは今年の冬頃だと噂さ
ング機構を装備する。さらに、195m
シートのフロアもフラットな状態で荷物
るに当たって「ステップワゴン」と「セ
れている。つまり、そろそろ新鮮味が薄
mの前後スライド機構も備えている。
を積載できるという点は使い勝手に優れ
レナ」を研究したという。
れてきたということだ。
サードシートでは、ワンタッチでチ
ていると思う。荷物の積載量と乗車人数
最大の特徴はリアの両側スライドド
「楽に積めるシートアレンジ」には関
ルトダウン格納機構と簡単に引き起こ
に応じたシートアレンジが自由に展開で
アという点。それでいて車体の重量増
係ない要素ではあるが、購入を考えてい
せる5対5の分割可倒式を採用。もち
きるのは両車ほぼ互角といえる。
加を極力抑えているのは高く評価でき
るユーザーにはフルモデルチェンジ時期
ただホイールベースの長さが30m
る。また、乗車定員は全車 8 人乗りだか
ぐらいの情報はチェックしておいたほう
mウィッシュよりも短いストリームは
ら上記2車の7人乗りに対して若干優
が良いだろう。
サードシートは後方へスライドさせて
その分のマイナス面を抱えているはず。
位にある。
クッションと背もたれを反転させるだ
大差はないがラゲッジスペースのわず
けで簡単に収納できるリバーシブル機
かな余裕に差が出てくる。
ろんリクライニグ機構も装備する。
一方、
「ストリーム」の機能はどうか。
構が最大の特徴だ。予想以上に広々と
もしもう1台このクラスで比較検討
したラゲッジフロアが確保できるとい
の引き合いに引っ張り出すとすれば、
買ってから数カ月で新型車が登場し
シートの機能面では、セカンドシー
トのワンタッチタンブルシート機構が
標準装備される点がウリ。
たのではあまり気分の良いものではな
いからだ。
結論として、「楽に積めるシートアレ
マルチ回転シートは全車オプション
ンジ」に重点をおけば「グランディス」
設定となっている。フロアは低くてフ
と「プレサージュ」が両車互角でトップ。
ラットだから室内に座っても頭上空間
5ナンバーサイズの2リッターエンジン
に余裕があり、長距離でも疲れない。
クラスではトヨタの「ウィッシュ」が頭
もちろん、積載の分量は乗車人数に
一つストリームを抜いている感じ。
ホンダ・オデッセイ
ザードシートの折りたたみ方によって、ラゲッジスペースの拡大と乗車人数が大きく変わる。
グランディス
ホンダ・ストリーム
3列シートを持つ5ナンバーサイズの7人乗り
ミニバンだが、プラットフォームはシビックと
同じである。フロアがフラットで室内も広いか
ら積載能力は高水準だ。しかし、ライバルのウ
イッシュには太刀打ちできない。
ウイッシュ
プレサージュ
36
ストリーム
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