ディベート【入門編】 ※ディベートに関する以下の記述は、I.T.C.の活動の一環としてディベートを行う時に該当するもの です。ESS などが行う公式なディベートとは異なる場合がありますので注意してください(I.T.C 用に アレンジしたものですから)。 (1)ディベートって何よ? 一つの論題(プロポジション)をめぐって、肯定側と否定側に分かれて主張をぶつけ合うゲームで す。チーム分けは無作為に行われ、個々人のプロポジションに関する考えとは何ら関係がありま せん。両サイドはジャッジ(審判)に向かって自らの主張の論理性や独自性などをアピールします。 ジャッジをより説得できたサイドが勝ちとなります。 (2)プロポジション(論題) プロポジションの内容は以下の三種に大別できます。 1.政策論題・・・政策の有効性を議論の対象とする論題 (例)日本は死刑制度を廃止すべき 日本は首相公選制を導入すべき 筑波大学は学群・学類制を廃止すべき 2.事実論題・・・ある事実が過去に存在したか、現在において存在するか、または未来 の出来事を議論の対象とする論題 (例)邪馬台国は九州に存在した 現在の日本は不平等社会だ 朝鮮半島は今後 10 年以内に統一される 3.価値論題・・・価値判断を議論の対象とする論題 (例)ペットにするなら犬か猫か 平井堅が日本最高の歌手だ きつねうどんよりも月見蕎麦の方が美味しい また、プロポジションの提示の仕方は以下の三種に大別できます。 1.正否・・・定番の形式。「∼すべきだ」という提示の仕方 2.比較・・・「∼なら A か B か」という提示の仕方 (例)普通免許を取るなら合宿か通いか 3.選択・・・両サイドが事前に複数の選択肢から主張を選択する (例)無人島に行くなら何を持っていくか (3) ジャッジングクライテリア ジャッジ(審判)は以下のジャッジングクライテリアに基いて勝敗を決定します。常に全て を用いる訳ではなく、どのクライテリオンを採用するかを、重視するクライテリオンと併せてジ ャッジが事前に発表します。 Judging criteria Logic 主張や一つ一つの話に論理的一貫性があるかどうか Rebuttal 相手方の攻撃に対して反論をしているか Uniqueness Example 意見に独自性があるか 主張に沿った客観的で効果的な例示ができているか Team work チーム内で意思疎通ができているか、助け合えているか Rules&Manner Englishness ディベートのルールとマナーを守れているか Englishness のような妙なものではなく適切な英語を用いているか (4)各セクションの内容 ・Constructive speech(立論)・・・・自分たちの主張の概要(論点・論拠)を述べる。ここで述べられ なかった主張を後で追加することは出来ない。 <禁止事項>相手側に対する攻撃 ・Cross examination(尋問)・・・相手側のコンストに対する質問(言葉の定義など)。ディベートにお いて、唯一相手方と直接会話できる。 <禁止事項>相手方への攻撃 ・Rebuttal(論駁)・・・相手側への攻撃。(相手側の攻撃に対する)弁護。自らの主張のサポート。 攻撃された場合、弁護は必ず行わなくてはならない。 <禁止事項>新たな論点・論拠の追加 ・Summary(要約)・・・主張の要約。コンストと 3 回のリバタルの内容をまとめあげる。 <禁止事項>・・・相手側への攻撃。新たな論点・論拠の追加。 ※ディベートを通して、一人称は We、相手方は(代名詞の場合)They (5)ディベートの基本ルール ・ジャッジの判定には従う。 たとえ判定に不服があったとしても異議を唱えてはいけません。ジャッジの判定は絶対的なもので す。 ・非礼行為は慎まなければならない ・主張をジャッジに伝えなければならない ディベーターは自らの主張をジャッジに伝える義務を負います。ジャッジが、ディベーターの主張を 聞き取れない、聞こえない場合、その責任はディベーターにあり、その主張は述べられなかったも のとジャッジされます。 ・時間を守らなければならない ディベーターは与えられた時間を厳しく守らなければなりません。ただし、話している途中に時間 が来た場合は、話している途中の文は最後まで言い切ってよいのが普通です。 それを越えて話 した内容はジャッジによって無視されます。 ・主張には根拠がなければならない ディベーターは、すべての論点において、根拠を伴って主張しなければなりません。ディベーター が、根拠を伴わない主張をしたときは、ジャッジはその主張が述べられなかったものと判断するこ とがあります。 ・相手の主張に反論しなければならない ディベーターは、相手側が述べた主張に対し、何らかの反論しなければなりません。反論がない 場合は、ジャッジはそのディベーターが相手の主張を認めたものと判断します。ただし、本ルール より、『主張には根拠がなければならない』のルールが優先します。(根拠なき主張には反論しなく ても認めたものと見なさない) ・反論は主張の直後になされなければならない ディベーターは相手の主張に対して、可能な限り早い段階で反論しなければなりません。これは、 反論の機会の均等化を図り、公平性を維持するためと、論点をより深くまで議論するためです。具 体的には反論の機会は以下に示すようになります。 肯定側コンスト 否定側コンストもしくは否定側ファーストリバタル 否定側コンスト 肯定側ファーストリバタル 否定側ファーストリバタル 肯定側ファーストリバタル 上記の機会を逸した場合、セカンドリバタルで反論しても、ジャッジはその主張は述べられなかっ たものとして判断します。ただし本ルールより、『主張には根拠がなければならない』のルールが 優先します。(根拠なき主張には反論しなくても良い) ・相手の議論を意図的に曲解してはならない ディベーターは相手の議論を、自己の有利なように意図的に曲解してはなりません。このようなこ とが認められた場合、ジャッジは曲解した側の議論を無視します。 ・リバタルで新しい議論を持ち出してはならない 論点と論拠はすべて、コンストの中で出し尽くされていなければなりません。これは、リバタルの機 会を均等に与えるためです。リバタルに入ってから、新しい議論が出てきた場合、ジャッジはその 議論を無視します。 By Takayuki <参考> 松本道弘 監修『これがディベートだ。史上最強の英語』1986 年、アルク 『USEFUL EXPRESSIONS 2003 年度版』 Debate Open Spacehttp://www2u.biglobe.ne.jp/ kurapy/debate.html HTU UTH
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