ファーストステップガイド / Web Edition (PDFドキュメント)

ECOSS Solution M3TM : Documentation
M3 ファーストステップガイド
M3 Web Edition
M3 First Step Guide
2007 年 6 月
第1版
株式会社エコス
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i
■M3 ファーストステップガイド 目次
初めに ............................................................................................................... 4
M3 導入のメリット _____________________________________________________
従来の開発作業との比較 ___________________________________________
M3 が提供するもの ____________________________________________________
M3 ランタイムが提供するもの _________________________________________
M3 フレームワークが提供するもの ______________________________________
アプリケーションテンプレートが提供するもの ________________________________
ツールが提供するもの ______________________________________________
M3 の開発フロー______________________________________________________
1.アプリケーションテンプレートのインストール_______________________________
2.データベース定義書の変換 ________________________________________
3.画面定義書から UI 用の ASPX ファイルの雛形を生成 ____________________
4.アプリケーションロジックの実装 ______________________________________
1.
4
4
5
5
5
5
5
6
6
6
6
6
M3 ランタイム................................................................................................ 7
1.1.
1.2.
1.3.
1.4.
1.5.
1.6.
1.7.
コード定義 ___________________________________________________
メッセージ機能 ________________________________________________
データアクセス機能 _____________________________________________
接続設定と SQL 文をプログラムから分離 ________________________________
オブジェクト-リレーショナルマッピング _____________________________________
データアクセッサ(IDataAccessor) _____________________________________
RDBMS の相違点吸収 ____________________________________________
入力規則____________________________________________________
アクセス権管理機能 ____________________________________________
Web 機能 ___________________________________________________
参考:ユーティリティ _____________________________________________
7
7
7
7
7
7
8
8
8
8
9
2.
M3 フレームワーク.......................................................................................... 9
3.
ツール....................................................................................................... 10
3.1.
3.2.
4.
M3 Code Generator __________________________________________
その他のツール _______________________________________________
入力規則マスク値の計算 __________________________________________
XML 整形ツール _________________________________________________
XML スキーマ検証ツール ___________________________________________
10
11
11
11
11
アプリケーションテンプレート............................................................................. 11
ii
初めに
M3 導入のメリット
図 1 従来の開発と M3 を利用した開発の比較
従来の開発
M3 を利用
『M3』とは、当社(株式会社エコス)が長年培ってきた、
システム開発業務のノウハウをもとに、作業効率の向上、
品質の向上、そして保守性の向上を目的として開発され
た、システム開発支援ツールです。
開発資産が共有でき
ない場合、環境に合
わせて再構築
設計フェーズ 過去の資産を有効に利
用可能。プロトタイプ開発
が容易
M3 では、従来のシステム開発において、人的に行って
きた作業の多くをライブラリとして共通化し、ツールによって
自動的に生成をおこなうことによって、開発スピードの向上
とコードの入力およびシンタックスのミスなどを未然に防ぐこ
とができるようになります。
機能追加、修正時に
は設計段階からの見
直しが必要
仕様書からプログラムが
開発フェーズ 生成可能なため変更が
容易。豊富な機能を提
供するライブラリ
また、システム開発に慣れていない初心者でも、付属の
サンプルアプリケーションやチュートリアルでシンプルなアプリ
ケーションを習得することができるよう工夫がされているため、
人材開発にかかる期間を短縮する利点も備えています。
テストでは莫大な時
間が必要。人による
品質のばらつきも大
テスト・運用 信頼できるライブラリ
プログラムの自動生成に
よる一定の品質の維持
もちろん、上級者にとっても,強力で柔軟な使い方を習
得するための API ドキュメントやそのほかの手引書が用意
されているため、より高度なシステム開発を追求することも
可能です。
M3 では、データベース定義書、画面定義書といった各
種定義書からプログラムコードを作成することができるため、
プロトタイプ作成の作業時間を大幅に削減することができ
ます。
M3 を利用した開発をおこなった場合、一定の品質を保
ったアプリケーションを短期間で構築できるだけでなく、運
用後におけるデータベースのスキーマ変更やビジネスロジッ
クの変更といった追加開発やシステム保守が効率的に行
えるようになり、結果として経費の削減に役立ちます。
また M3 を利用したアプリケーションは共通のライブラリを
利用し、共通のプロジェクト構造を持っているために再利
用が容易で、積み重ねた開発資産を無駄にすることもあり
ません。
さまざまな、顧客の要望や環境に柔軟な対応を必要と
するシステム開発業務において、M3 は開発者を強力にサ
ポートいたします。
従来の開発作業との比較
この項では、従来のシステム開発における作業工程と
M3 導入した後の作業工程を比較することによって、M3 の
導入にどのようなメリットがあるのかを簡単に説明いたしま
す。
実装フェーズでの M3 導入メリット
顧客からの要望により機能の追加や修正などが発生し
た場合、従来の手順であれば、設計段階からの見直しが
必要となり、より多くの時間が必要となります。
M3 を利用した開発作業では、仕様書を変更してプログ
ラムを再生成するだけで、変更に対応することが可能です。
開発者は、より重要なビジネスロジックやユーザーユニーク
の部分に集中して作業が行えるようになり、よりクオリティの
高い製品の開発をおこなえるようになります。
設計フェーズでの M3 導入のメリット
従来におけるシステム開発作業では、まず、顧客のクラ
イアントおよびサーバソフトウェア環境に合わせた開発設計
をおこなうことから始めます。この段階で、開発言語の選定
などをおこなうため、過去における開発資産との共有性が
ない場合、データアクセスのためのコンポーネントや共通コ
ンポーネントなどを一から構築しなければなりません。
テスト、運用フェーズでの M3 導入メリット
コーディング後のテストフェーズでは、すべてのモジュール
やクラスにおいて試験を行わなければならず、多くの時間を
必要とします。しかも製品の規模が大きくなるほど、開発に
たずさわる開発者の数も増えることから、製品の品質にば
らつきが生じることも少なくありません。
4
M3 では、データベース定義にあわせたデータアクセスクラ
スの作成、ファイル仕様書にあわせたファイルアクセスクラス
の作成といった定型的な作業では、『M3 Code
Generator』という定義書よりコードを自動生成するツール
によって自動的に生成を行うため、一定の品質を保つこと
が可能です。
M3 のライブラリ、ツールにより生成されたプログラムは既
にテスト済みである程度導入実績があるために、これらの
テストの工数を減らすことができます。
また、データベーススキーマの変更、メッセージの変更、
入力規則の変更といったシステム開発時や運用後の変更
に関しても、定義書から該当箇所のプログラムを再生成す
ることにより対応できるため、追加開発やシステム保守が
効率的に行えるようになります。
M3 ランタイムが提供するもの
M3 のランタイムでは、データアクセス機能、多国語対応
メッセージ機能、入力値の検証機能といった業務アプリケ
ーション開発で汎用的に利用される機能を提供していま
す。
M3 フレームワークが提供するもの
M3 のフレームワークでは、Web アプリケーション構築での
定型的な検索、登録、更新といった処理を自動化するた
めの UI コントローラクラス群などを提供しています。
アプリケーションテンプレートが提供するもの
M3 が提供するもの
M3 で提供する機能は、「図 2 M3 概念図」のようにラン
タイム、フレームワーク、アプリケーションテンプレート、ツール
の4つのブロックで提供されています。
図 2 M3 概念図
ツールを利用してプログラムを生成し、アプリケー
ションテンプレートに業務ロジックを追加する
注文サブ
システム
会員サブ
システム
プログラムを
自動生成
アプリケーションテンプレートでは、M3 を利用した Web ア
プリケーションを開発する際に必要なドキュメント、Visual
Studio .NET のプロジェクトといったプロジェクト開始に必要
な一式を提供しています。
このテンプレートを利用することにより、.NET Framework
を利用した Web アプリケーションの開発に不慣れな開発者
が容易にプロジェクトを開始できます。
その他の利点として、アプリケーションテンプレートを利用
するとプロジェクトの構造が一定の形式を保つために、一
度M3を利用した開発を行うと他の M3 プロジェクトでも、そ
れほど学習コストをかけずに投入可能です。
ツール
アプリケーションテンプレート
利用
利用
M3 フレームワーク
M3 ランタイム
.NET Framework
このように M3 を利用したアプリケーションは、.NET
Framework、M3 ランタイム、M3 フレームワーク、アプリケー
ションテンプレートの上に構築されており、開発ではアプリケ
ーションテンプレートに業務機能を追加してアプリケーション
を構築します。
ツールが提供するもの
M3 では、『M3 Code Generator』という定義書よりコード
を自動生成するツールを提供しています。このツールはデ
ータベース定義書、ログ出力定義書、画面入出力定義書
といった定義書から自動的にプログラム、設定ファイル、
SQL 文を生成するツールです。
M3 を利用したアプリケーション開発では、『M3 Code
Generator』を利用してプログラムの雛形を生成し、生成さ
れたプログラムにアプリケーション固有のロジックを組み込む
といった開発スタイルになります。
業務機能追加の際には、ツールを利用して基礎となる
プログラム、設定ファイル等を自動生成した後にカスタマイ
ズを加える方法をとります。
5
M3 の開発フロー
M3 を利用してアプリケーションを構築する場合には、以
下のようなステップで開発を行います。
1.
アプリケーションテンプレートのインストール
2.
データベース定義書の変換
3.
画面定義書から UI 用の ASPX ファイルを生成
4.
アプリケーションロジックの実装
1.アプリケーションテンプレートのインストール
Visual Studio のプロジェクト テンプレートとして提供され
ている「M3 Webアプリケーション」プロジェクトを利用し、プロ
ジェクトの雛形を作成します。
2.データベース定義書の変換
設計フェーズで作成したデータベース定義書を『M3
Code Generator』を利用して変換します。データベース定
義書からは、以下のファイルが生成されます。
テーブル、インデックス作成用の SQL ファイル
データベースにアクセスするためのプログラム
テーブルスキーマに対応した入力規則定義書
テーブルスキーマに対応した画面定義書
入力規則定義書とは、M3 ランタイムが提供する入力変
換、検証機能が利用する定義ファイルです。
これらのファイルをプロジェクトに配置するのみでデータベ
ースへのアクセスの準備は完了です。
『M3 Code Generator』を利用すると、業務アプリケーション
開発で一般的に利用される以下のような画面を生成する
ことが可能です。
単票形式の検索、登録、更新、削除画面
Wizard 形式での検索、登録、更新、削除画面
検索結果を全件一括で更新するための画面
検索結果を 1 件ずつで更新するための画面
親子関係があるテーブルを更新するための画面
生成されたファイルをプロジェクトに配置するのみで簡単な
マスタメンテ用の Web アプリケーションの実装が完了です。
4.アプリケーションロジックの実装
簡単な機能については、生成された画面表示用の
ASPX ファイルのデザインを修正するのみで実装完了です
が、複雑な画面、複雑なビジネスロジックが伴うような機能
の場合はカスタマイズが必要になります。
この場合でもデータベース定義書、画面定義書といった
定義書に従った雛形をカスタマイズするために、一から開
発するより容易ですし、似たような機能をコピーするといっ
たアプローチより間違いがありません。
独自の画面、ビジネスロジックを開発する場合には、次に
示すような M3 のランタイム、フレームワークが提供する機
能を利用することにより、共通機能作成の工数を抑えるこ
とが可能です。
M3 ランタイムの機能
データアクセス機能
入力規則機能
メッセージ取得機能
3.画面定義書から UI 用の ASPX ファイル
の雛形を生成
権限管理機能
豊富なサーバーコントロール
次にデータベース定義書から生成された画面定義書を
変更して、画面単位で入出力設定を行います。
携帯サポート
『M3 Code Generator』を利用して画面定義書を変換
すると、画面定義書からは、以下のファイルが生成されま
す。
ツールが提供するもの
画面表示用の ASPX ファイル
メッセージ定義書からメッセージ設定の生成
コード定義書からコード設定の生成
ファイル定義書からファイル入出力クラス生成
6
1.3. データアクセス機能
1. M3 ランタイム
このセクションでは、M3 ランタイムが提供する機能につい
て説明します。
M3 では、データベースにアクセスする機能として『データ
マネージャ』を備えています。データマネージャは、XML 形
式で保存された設定ファイルをもとに、データベースにアクセ
スする機能を提供します。M3 のデータマネージャには以下
のような特徴があります。
1.1. コード定義
コード定義とは、データベースの値とアプリケーションで利
用する定数値、表示用の文字列のマッピングを管理する
ための機能です。
例えば、「表 1 コード定義例」のような会員ステータス
を例にすると、データベースの値である 0 は、プログラムから
は Temp という定数でアクセスされ、表示時には「仮登録
中」と表示される必要があります。
表 1 コード定義例(会員ステータス)
DB の値
0
1
2
3
定数名
Temp
Regular
Cancel
Black
表示文字列
仮登録中
通常登録
退会
ブラックリスト会員
M3 ではコード定義書とそれを変換するための『M3 Code
Generator』を提供しており、コード定義書から設定ファイル
とプログラムで利用する列挙クラス、定数定義クラスを生成
可能です。
またコード定義は M3 のサーバーコントロール、基底ペー
ジクラスといった UI コンポーネントとも統合されており、コー
ド定義を元に選択リストを表示することが可能です。
1.2. メッセージ機能
『メッセージ機能』は、XML 形式で保存された設定ファイ
ル(メッセージ内容)から、プログラムから与えられた ID をも
とに、現在のロケールに対応したメッセージを返す機能です。
メッセージを取得する処理とメッセージの内容である設定フ
ァイルが分離されているため、システム稼動後のメッセージ
の変更が容易になります。
接続設定と SQL 文をプログラムから分離
M3 では、データベース接続設定ファイルと SQL 文を記
述したコマンド設定ファイルをもとに、以下のような一連の
作業を実行します。
1.
データベース接続のオープン
2.
RDBMS に応じた SQL 文のフォーマット
3.
パラメータの設定
4.
クエリの実行
この結果、たった1行のコードで、データの取得や更新が
可能になります。
コマンド設定ファイルでは、定義された SQL 文ごとに接
続先を設定することが可能なため、複数のデータベースア
クセス時にもデータマネージャを利用することにより、透過
的にアクセスできます。
オブジェクト-リレーショナルマッピング
リレーショナルデータベースとクラスとのオブジェクト-リレー
ショナルマッピングの問題に対応するためのデータオブジェク
ト(データアクセスオブジェクト、Data Access Object、以降
データオブジェクトと表記します)を提供します。『M3 Code
Generator』を利用することにより、データベース定義書から
データオブジェクトは自動生成することが可能です。
データアクセッサ(IDataAccessor)
M3 では、データにアクセスするクラスはすべてデータアク
セッサ(IDataAccessor)という汎用的なデータアクセス用の
インターフェースを実装しています。
例えば、M3 が提供するデータオブジェクト、ファイル入出
力用のクラス、値オブジェクト、Web の入力コントロールのコ
レクションはこのインターフェースを実装しています。
7
M3 では、データアクセッサを利用したユーティリティを多
数備えており、データアクセッサに対するコピーや入力チェッ
ク、入力変換といった機能を提供しています。
この結果、M3 を利用すると Web の入力値をデータオブ
ジェクトにコピーする作業や、クエリの実行結果をファイルに
書き出す作業は、データアクセッサとユーティリティを利用す
ることにより、たった 1 行のコードで実現可能です。
RDBMS の相違点吸収
M3 では RDBMS の相違を吸収するための次のような機
能を提供しています。
RDBMS の形式に応じたデータオブジェクトを生成す
る『M3 Code Generator』
RDBMS に応じた SQL をフォーマットするフォーマッタ
クラス
SQLClient、OracleClient といった.NET のデータプロ
バイダの差異を吸収するためのアダプタクラス
RDBMS に依存しない検索条件を表す検索条件ク
ラス
これらの機能を内部的に利用することにより、開発者は
RDBMS の差異を意識することなく開発可能です。
たとえば開発時にはSQL Serverを使用し、運用時には
Oracle を使用するといったケースでもコード自体をほとんど
変更することなく、設定の変更およびデータオブジェクトの
再生成のみで実現可能です。
1.5. アクセス権管理機能
M3 では、権限ベースのアクセス権の管理のための機構
を提供しています。例えば特定の処理に対して実行を制
限することや、WEB のページアクセスを制限することが、設
定ベースで可能になります。
権限の組込みは、M3 が提供するサーバーコントロール
に結びついているために、権限がない場合はテキストボック
スを読み取り専用にする処理や、ボタンを非表示にすると
いった処理が可能です。
開発者は、特定のインターフェースを実装することにより
独自の権限ロジックをプラグイン可能です。
1.6. Web 機能
M3 では、ASP.NET を利用した Web アプリケーション開
発を容易にする以下のような機能を提供しています。
共通機能
SSL を考慮した URL フォーマット機能
設定ベースでの SSL、Non-SSL の切り替えをサポートしま
す。
ヒストリ機能
ASP.NET のセッションを利用したヒストリ(ページ訪問履
歴)機能を提供します。
1.4. 入力規則
携帯対応
M3 では、文字列検証、数値検証、日付検証、
Boolean 値検証、コード定義に基づく検証といった豊富な
バリエーションの入力規則を提供します。また、平仮名から
カタカナ変換、全角から半角変換といった日本語固有の
文字処理にも対応しています。
携帯の機種情報の自動判定
定義された入力規則は、データオブジェクトや WEB 入
力検証、ビジネスロジックでの入力値検証といった複数の
ケースで利用できます。 入力規則自体はカスタマイズが
可能となっており、独自の入力規則も定義することができ
るよう設計されています。
ユーザーエージェントを元に携帯の機種情報を自動判
別します。
携帯の絵文字変換
i-mode の絵文字を携帯キャリア固有の絵文字に変換
します。
携帯用の拡張
ASP.NET が提供するサーバーコントロールを拡張し、携
帯の場合は携帯用の HTML を出力します。
8
サーバーコントロール
入力用コントロール
テキストボックスや、ラベル、ボタン等の、HTML フォーム
の入力用コントロールです。アクセス権の制御や、入力値
と登録対象のテーブル列名の自動マッピングなど、M3 独
自の機能を提供しています。
URL エンコード、HTML エンコード、Base64 エンコー
ドといったエンコード、デコードのためのユーティリティ
ファイル操作のためのユーティリティ
XML 操作のためのユーティリティ
データ操作のためのユーティリティ
2. M3 フレームワーク
検索条件入力用コントロール
検索・一覧表示画面において、条件を入力するための
コントロールです。M3 では、このコントロールへの入力値を
元に、SQL 文の WHERE 句を、自動的に生成する機能を
提供しています。
コントロールをグループ化するコントロール
配下の入力用コントロールを、一つのグループとしてみな
し、配下のコントロールに対して、入力値の取得や、共通
のアクセス権制御を行うためのコントロールです。
データを取得するためのコントロール
ASP.NET のデータソースコントロールを拡張し、入力し
た検索条件や ASPX ページのプロパティを元に表示対象
のデータを取得する為のコントロールです。
データリストを表示するコントロール
表示対象のデータを一覧で表示する為のコントロール、
また一覧表示用コントロールに対して、ソートや、ページャ
ー機能を提供するコントロールです。
1.7. 参考:ユーティリティ
これまでに説明してきた機能のほかにも、M3 では以下
のようなユーティリティクラスを提供しております。これらを利
用することによって、コード量を削減し、システム開発の作
業効率を飛躍的に向上させることが可能となります。
M3 のフレームワークでは、Web アプリケーション構築に特
化した機能を提供しています。
本章では、M3 フレームワークが提供する各機能につい
て説明します。
UI コントローラ
UI コントローラとは、Webアプリケーション開発において必
要とされる、登録、更新、検索といった定型的な画面制御
及びイベントハンドリングを自動化するためのサーバーコン
トロールです。
UI コントローラを利用することにより、これらの定型的な
処理のプログラムを記述することなく、カスタマイズ部分の
み変更するというアプローチを取ることができます。この結果
プログラムの量が減り、変更しやすいプログラムが構築可
能です。
フロー制御
ASP.NET のセッションを細分化し、処理毎、ページ毎に
異なるセッションを利用するための機能を提供しています。
この機能により、注文処理、会員登録処理といった処理
単位で異なるセッションを利用することが可能になり、セッ
ションのキーの重複といった問題を防ぐことができます。
また処理単位のセッションと連携したフロー制御機構を
提供しています。フロー制御とは、E-コマースアプリケーショ
ンを例にすると、URL 直接指定を行い、配送情報入力ペ
ージをスキップして、決済入力ページにアクセスした場合に
は、自動的に配送情報入力ページに戻す機能です。
文字列操作のユーティリティ
型変換、リフレクションを使用した動的なインスタンス
作成、メソッド呼び出しのためのユーティリティ
9
3.
ツール
M3 では、『M3 Code Generator』を中心として、開発を
サポートするために必要なツールを豊富に用意しておりま
す。このセクションでは M3 が提供するそれらのツールについ
て説明いたします。
3.1. M3 Code Generator
『M3 Code Generator』は、システム開発工程の設計フ
ェーズに作成される『データベース設計書』や画面の『入力
規則定義書』をもとに、プログラムソースコードや SQL 文、
設定ファイルなどを自動生成するツールです。
M3 では以下に示すような多数の『M3 Code
Generator』を提供しています。
データベース定義書変換
M3 が提供する Excel 形式のデータベース定義書を元に、
SQL 文、入力規則定義書、データオブジェクトを作成しま
す。
入力規則定義書は、後述する「入力規則定義書変
換」コードジェネレータで利用されます。
メッセージ設定ファイル(XML)は、外部ファイルとしてファ
イルシステムに配置可能ですが、.NET のリソースファイルの
場合はアセンブリに埋め込む必要があります。
コード定義書変換
M3 が提供する Excel 形式のコード定義書を元に、M3
のランタイムが利用できる形式のコード定義設定ファイル
(XML)とコードに対応する列挙値、定数を定義したクラス
を生成します。
Wizard 形式マスタメンテ画面生成
M3 が提供する Excel 形式の画面定義書を元に、
ASPX ファイル、画面用の入力規則定義書を生成します。
生成されるASPXファイルは、Wizard形式の登録、更新、
検索機能を提供します。Wizard 形式とは、登録時、更新
時には確認画面を表示した後に実際のデータベースの更
新を行うフローをさしています。
画面定義書は通常「Web アプリケーション画面定義書
生成」コードジェネレータを利用して生成されたものをカスタ
マイズして利用します。
入力規則定義書は「入力規則定義書変換」コードジェ
ネレータを利用して M3 のランタイムが利用できる形式の入
力規則設定ファイル(XML)に変換します。
Web アプリケーション画面定義書生成
M3 が提供する Excel 形式のデータベース定義書を元に、
画面定義書の雛形を生成します。
この定義書は「Wizard形式マスタメンテ画面生成」といっ
たマスタメンテ画面作成で利用されるコードジェネレータの
入力ファイルとして利用されます。
Wizard 形式マスタメンテ画面生成(削除機能付)
「Wizard形式マスタメンテ画面生成」と同様にASPXファ
イル、画面用の入力規則定義書を生成します。
「Wizard 形式マスタメンテ画面生成」との相違点は削除
機能を提供する点です。
入力規則定義書変換
M3 が提供する Excel 形式の入力規則定義書を元に、
M3 のランタイムが利用できる形式の入力規則設定ファイ
ル(XML)に変換します。
メッセージ定義書変換
単一ページのマスタメンテ画面生成
「Wizard形式マスタメンテ画面生成」と同様にASPXファ
イル、画面用の入力規則定義書を生成します。
「Wizard 形式マスタメンテ画面生成」との相違点は削除
機能を提供する点と確認画面を表示せずに単一ページで
更新を行う点です。
M3 が提供する Excel 形式のメッセージ定義書を元に、
M3 のランタイムが利用できる形式のメッセージ設定ファイル
(XML)に変換します。
10
XML 整形ツール
リスト編集(1件)画面生成1
「Wizard形式マスタメンテ画面生成」と同様にASPXファ
イル、画面用の入力規則定義書を生成します。
プログラムが出力した XML ファイルは改行およびインデン
トが入っていないため、表示がわかりにくくなってしまいます。
XML 整形ツールでは、XML に改行やインデントを追加し、
表示を見やすく整えます。
「Wizard 形式マスタメンテ画面生成」とは異なり、検索を
行った結果のリストに対して更新を行います。
XML スキーマ検証ツール
リスト編集(1件)画面生成2
「Wizard形式マスタメンテ画面生成」と同様にASPXファ
イル、画面用の入力規則定義書を生成します。
「リスト編集(1件)画面生成1」とは異なる点は、「リスト
編集(1件)画面生成1」では 1 件単位で編集モードに変
更し更新する形式をとっていますが、「リスト編集(1件)画
面生成2」では全件編集可能になっている点です。
リスト編集(全件)画面生成
「Wizard形式マスタメンテ画面生成」と同様にASPXファ
イル、画面用の入力規則定義書を生成します。
「リスト編集(1件)画面生成1」とは異なる点は、検索
結果が全権編集可能でしかも全件一括で更新する点で
す。
親子関係メンテ画面生成
「Wizard形式マスタメンテ画面生成」と同様にASPXファ
イル、画面用の入力規則定義書を生成します。
M3 では、多くの設定情報を XML として保持しています。
これらの設定ファイルを変更した際に、変更の整合性をチェ
ックするためのツールです。
4.
アプリケーションテンプレート
M3 では、Web アプリケーション構築のためのプロジェクト
の雛形として、アプリケーションテンプレートを提供していま
す。
アプリケーションテンプレートは M3 のランタイム、開発用
のツール群を備え、プログラムやデータベース定義書、メッ
セージ定義書といった各種定義書、及びプログラムの単体
テストのためのプロジェクトが提供されています。
また、アプリケーションテンプレートを雛形として、機能を
追加、カスタマイズすることにより、初心者でも一定の品質
を保った堅牢な Web アプリケーションを構築することができ
ます。
以上
「Wizard 形式マスタメンテ画面生成」とは異なり、親子
関係のあるテーブルに対するマスタメンテ画面を生成しま
す。
3.2. その他のツール
入力規則マスク値の計算
マスク値の計算は、入力規則の「文字種変換」、「全角
半角変換」、「文字種チェック」規則にともなう、マスク値を
計算するためのツールです。このツールを利用することによ
って、文字の変換をおこなったり、チェックのマスク値を求め、
入力規則定義書の項目に設定することができます。
11