デジタルサイネージ( Digital Signage)

デジタル サイネージ(Digital Signage)
最良のビデオ配信技術の選択
ピアコム株式会社
www.peercom.jp
Rev. 1.2
DIGITAL SIGNAGE
デジタルサイネージ(電子看板)システムでの配信技術
1.概要
デジタルサイネージは、典型的な広告メディアの置き換えまたは強化のために電源供給す
る表示媒体(例えばプラズマディスプレイ、LCD 表示パネル、コンピュータモニター、テ
レビモニターなど)を使います。このデジタルサイネージは、1 箇所でコンテンツを更新
し、特別な場所の特定の人々に対して直ぐに配信するため、メディア業界と情報業界にお
いて変革を起こしています。
1.1 構成要素
デジタルサイネージシステムは、以下の装置から構成されます。
(1) オーサリングコンソール:コンテンツ管理ソフトウェアを装備し、様々なフォーマ
ットでのコンテンツの再生が可能
(2) サーバ:ネットワーク内の様々な表示装置へ配信するコンテンツを格納
(3) 配信インフラ:サーバから表示部へコンテンツを配信するためのデータ、光ファイ
バ、CAT5 ケーブルネットワークシステム
(4) デジタルサイネージ表示装置:プラズマディスプレイ、LED ディスプレイ、LCD
モニター、CRT モニター、キオスクステーションなどの表示装置
1.2 デジタルサイネージの利点
デジタルサイネージは、すでに以下のようにビジネスおよびメディアベンダーにとって様々
な利点を与えています。
注意を引き付ける広告が可能
デジタルサインは、以前の看板広告に対して変革を起こしており、顧客の注意を引き付
ける力を持っており、広告に特に有効です。
リアルタイムな広告と情報
デジタルサイネージは、リモートのオーサリングステーションからコンテンツを直ぐに
更新し、場所に関係なく観衆に直ちに配信できます。
適切な観衆
デジタルサイネージで、広告を最良の潜在顧客、既存顧客に焦点をあてることができま
す。スーパーマーケットは、顧客がデジタルサインで広告した商品を購入する傾向があ
ることを既に知っています。
コストの節約
デジタルサイネージユーザは、いつでもメッセージやキャンペーンを変更でき、印刷コ
ストや処理時間の節約ができます。
プロフィットセンターの機会
顧客やサプライヤーに対してデジタルサインでの広告時間を販売することにより、ビジ
ネスを起こすことができます。
1.3 デジタルサイネージの使用
以下のように様々な分野での使用が可能です。
・ 広告ネットワーク
・ 店内での広告
・ インタラクティブ キオスク
・ 展示会における表示
・ 会社のブランド広告
・ 電子メニューとロビーでの表示
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・
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・
・
・
支店事務所との通信
コミュニティにおける告知板
離発着スケジュール表示
フランチャイズ間通信
緊急通信
社内通信
社員教育
2.デジタルサイネージでの配信技術
2.1 デジタルサイネージでの配信方法
配信技術には、主要な以下の 3 種類があります。
・データネットワーク
・光ファイバケーブル
・CAT5 ケーブル
3.デジタルサイネージの配信方法オプション
3.1 データネットワークでの配信
データネットワークでは、管理ステーションからセントラルサーバそして CPU 内臓の表示デ
バイスへ圧縮したマルチメディアファイル(MPEG ファイルなど)でコンテンツ配信のため
にコンピュータのネットワークインフラを使います。
セントラルサーバ(ホストコンピュータ)は、複数表示デバイスへの配信を行い、表示デバ
イス内の CPU は、受信ファイルを解凍し、表示します。もし表示デバイスが 1 台だけの場合
は、管理ステーションから直接表示デバイスへ配信されます
3.1.1 データネットワーク配信での利点と欠点
データネットワークを採用するかどうかは、既存インフラに大きく依存します。もしデータ
ネットワークに使用する既存のコンピュータネットワークがあれば、デジタルサイネージの
ための投資コストは大きく削減できます。しかし、もしコンピュータネットワークがなけれ
ば、インフラ構築価格は、比較的に高いです。
また表示デバイスに接続するコンピュータまたは組み込み CPU が追加コストとして考えられ
ます。更に性能の点から、データネットワークは以下のようないくつかのマイナス要因があ
ります。
・ マルチメディア伝送のため、LAN 上のその他の機器の性能に影響を与える。
・ 圧縮技術に依存してコンテンツの品質の低下
・ 表示デバイスの種類の制限
・ ダウンタイムが大きい可能性
3.2 光ファイバケーブル配信システム
光ファイバケーブルは、高バンド幅での長距離伝送や電気ノイズを回避するために使われま
す。ネットワークプラットフォームと異なり、光ファイバーケーブルシステムは、表示側で
CPU や特別なソフトウェアを必要としません。各表示装置に対してトランスミッタとレシー
バが必要なだけです。
光ファイバには、シングルモードファイバとマルチモードファイバの 2 種類があります。シ
ングルモードファイバはマルチモードファイバと比較して約 50 倍の長い距離を伝送できます
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が、価格が高いです。一般的にマルチモードファイバは2Km までの距離で、それを超える
距離の場合はシングルモードファイバを使用します。どちらのファイバを使うかは、配信距
離と価格により決定されます。
3.2.1 光ファイバケーブル配信での利点と欠点
光ファイバケーブルは、高解像度マルチメディアを長距離伝送するのに最適です。特にデジ
タルサイネージに対して最適です。光ファイバケーブルは、ダウンタイムや伝送遅延無しに、
ネットワークに依存しない性能を提供します。光ファイバケーブルにて 40Km 以上伝送でき
ます。更に表示装置側で CPU やソフトウェアといった特別なインフラが必要ありません。
しかし、光ファイバは 1 対 1 の通信技術であり、1 つのビデオソースから複数のディスプレ
イ端末に伝送できません。このことは空港やモールなどでの複数ディスプレイでのデジタル
サイネージには大きな障害となります。
更に、光ファイバケーブルは、その他のケーブルと比較して高価です。従って大規模なデジ
タルサイネージを計画するとき、この光ファイバ ケーブルコストがネックとなる傾向があり
ます。この解決策は、以下で説明するように光ファイバとその他の技術と組み合わせて使用
し、トータルコストを抑えることができます。
3.3
CAT5 ケーブル配信システム
CAT ケーブルは、既存のネットワークインフラ無しに高解像度で高バンド幅が必要な場合の
ための伝送メディアです。CAT5 ケーブルは、光ファイバケーブルに比較すると、コストが
安価です。CAT5 ケーブル技術は、リアルタイムマルチメディア伝送をサポートし、低コス
トなツイストペアケーブルを使用します。
3.3.1 CAT ケーブル配信での利点と欠点
CAT5 技術は、ある意味では光ファイバとデータネットワーク配信技術の良い点を結合させ
た技術です。光ファイバ技術のように、ディスプレイ側に CPU や特別なソフトウェアの必要
が無く、ハードウェアベースで、ネットワークに依存しません。トランスミッタとレシーバ
ユニットのみが必要です。CAT5 ケーブルは、光ファイバより短い 100〜300mの距離をカバ
ーし、ケーブルコストは、光ファイバケーブルより安価です。光ファイバとの組み合わせは、
CAT5 ケーブル長での制限をなくしコストを抑える最適オプションとなります。
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更に、CAT5 技術は1対n接続のアプリケーションに使え、1台のビデオソースから数百台
の表示ステーションへコンテンツを配信できます。結果として、CAT5 技術単独または光フ
ァイバ技術との組み合わせは、マルチディスプレイのデジタルサイネージンストレーション
に対して理想的な解決策です。
ネットワークに依存しないため、CAT5 ケーブル使用の配信は、低速またはダウンタイム無
しに、高解像度マルチメディアのリアルタイム伝送ができます。もし CAT5 技術が、(例え
ば IP エクステンダーのような)IP を介したリモートアクセスのために BIOS レベルのハード
ウェアソリューションと結合されると、コンテンツサーバに対するリモートからのメンテナ
ンスやトラブルシューティングが可能となり、ダウンタイムと投資の損失を最小限に抑える
ことができます。
3.4 各配信技術の優劣の要約
上記 3 種類の配信技術の要約を以下の表に示す。
配信技術
利点
データネットワーク
・既存インフラを利用できる
・
・
・
光ファイバ
・ 高解像度&高性能
・ 特別なインフラは不必要
・ 表示端末側で特別な CPU や
ソフトウェアが不要
・ ネットワークに依存しない
・ 高解像度&高性能
・ 特別なインフラは不必要
・ 表示端末側で特別な CPU
やソフトウェアが不要
・ ネットワークに依存しない
・ 1 対nの配信
・ 低価格
・
・
CAT5
欠点
各表示デバイスに CPU が必要
ネットワークインフラが必要
バンド幅制限と大きなダウン
タイムの可能性
1 対1の配信
装置及びケーブル価格が高い
・配信距離に制限がある
4. 結合技術
上記の各技術の利点と欠点のため、可能な限りの低コストで、最適なパフォーマンスを得る
ために、技術の組み合わせを推奨します。
4.1 光ファイバと CAT5 ケーブル
高解像度メディアを長距離離れた複数の表示端末に配信する必要がある場合、光ファイバと
CAT5 技術の組み合わせは、最適な解決策です。この場合光ケーブルは長距離延長するため
に使われ、CAT5 ケーブルは複数の表示装置にビデオを分配して配信するために使われます。
CAT5 ビデオブロードキャスターを持つ光ファイバレシーバを接続することだけが必要なため設
置が非常に簡単です。そして最後の 50〜150mに対して、光ファイバの代わりに CAT5 ケーブル
を使用するため大きなコストの節約になります。
光ファイバケーブルだけを使ったシステムと比較して、この組み合わせ技術では、全体で約
17%のコスト低減が図れると試算されています。
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4.2 データネットワークと CAT5 ケーブル
遠隔地から複数のデジタルサイネージ表示を管理するとき、データネットワークと CAT5 ケーブ
ルの組み合わせにより、ユーザは IP を介したリモート管理と低コストでネットワークと独立し
たインフラの両面で利点を得られます。ラスト1マイルでの CAT5 ケーブルの使用は、各ディス
プレイに対するコンピュータ(又は組み込み CPU)のコストを削減できます。必要な物は、デ
ータネットワークを介してリモートから管理されるローカルのセントラルサーバ(下図のビデオ
サーバ)だけです。
ローカルサーバは、CAT5 技術を介して複数の表示デバイスに接続され、ネットワークには依存
しません。各ロケーションでのデジタルサイネージは、ネットワークに依存せず、各インストレ
ーションコストはあまり高くないです。バンド幅の問題も事前にホストコンピュータからローカ
ルコンピュータにコンテンツを送信することで克服することができます。ビデオ配信のときは、
CAT5 ケーブルにてローカルで配信されるため、ネットワークに依存せず、バンド幅による制限
もありません。
4.3 結合技術の要約
上述の組み合わせ技術の特徴を以下に要約します。
組み合わせ技術
特徴
・ 高解像度&高性能
光ファイバ+CAT5
・ ハードウェア ソリューション
・ 1 対nの配信
・ 表示端末側で特別な CPU やソフトウェアが不要
・ ネットワークに依存しない
データネットワーク+CAT5
・
・
・
・
・
・
・
・
40Km を超える長距離配信が可能
グループ表示デバイスへの配信が可能
光ファイバだけのシステムと比較して安価
高解像度&高性能
1 対nの配信
表示端末側で特別な CPU やソフトウェアが不要
ローカル側はネットワークに依存しない
低コスト
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5. 結論
配信インフラは、デジタルサイネージシステムでの重要な部分です。そして正しい配信技術を選
択することは、どのデジタルサイネージプロジェクトにおいても重要な要素です。各配信技術は、
利点と欠点を持っていますが、技術の組み合わせにより、プロジェクトの規模や複雑さに関係な
く、低コストで高性能な配信が可能となります。
6. MINICOM 社のビデオ配信システム
CAT5 技術を使用したビデオ配信(Video Over CAT5)でのマーケットリーダである MINICOM
社は、デジタルサイネージのための以下のような CAT5 製品群を提供しています。
これら製品は、高解像度ビデオ信号を CAT5 ケーブルにて 110m~600m延長し、複数の表示装
置にリアルタイムで配信できます。
(1) DS Vision 3000
CAT5 ケーブルにてフルハイビジョンビデオ(1080p)、ステレオ オーディオ、双方向フル
RS232 を最大 600m 離れた数千台のリモート端末に配信できます。
(2) DS OpticVision
光ファイバケーブルにて WXGA 高解像度ビデオ、ハイビジョンビデオ(1080i)とステレオ
オーディオを 1 対 1 で最大 30Km 延長できます。DS Vision 3000 や AVDS と接続可能。
(3) DS Vision HDMI
CAT5 ケーブルにて HDMI/DVI デジタルビデオを最大 70m延長できます。またリピータ
をカスケード接続して、最大 250m延長することができます。
(4) CAT5 オーディオ・ビデオ表示システム(AVDS)
1600x1200 高解像度ビデオとオーディオを最大 110m離れた数百台のリモート端末に配信
(5) CAT5 ビデオ表示システム(VDS)
1600x1200 高解像度ビデオを最大 110m離れた数百台のリモート端末に配信
(6) CAT5 ビデオデータ伝送システム(VDT)
1600x1200 高解像度ビデオと RS232 信号を 1 本の CAT5 STP ケーブルで最大 110m延長
(7) CAT5 オーディオ・ビデオ エクステンダー
1600x1200 高解像度ビデオとオーディオを CAT5 UTP ケーブルで最大 110m延長
(8) VGA エクステンダー
1600x1200 のビデオを CAT5 ケーブルにて最大 110m延長し、隣接する 2 台のモニタに
表示できます。
(9) UTP VGA スプリッター
1280x1024 解像度ビデオを 110mまたは 250m離れた 2〜4 台のリモート端末に配信
(10) KVMS エクステンダー
1600x1200 の高解像度ビデオ、KB&マウス、双方向フル RS232 を CAT5 ケーブルにて 300m
延長可能
(11) RS232 エクステンダー
CAT5 ケーブルにて RS232 信号を最大 1kmまで延長
(12) IP コントロール
KVM(キーボード、ビデオ、マウス)信号を Ethernet LAN を介して延長。
リモートから BIOS レベルでコンピュータを制御可能。プレイヤ PC のリモート保守に最適。
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(13) USB エクステンダー
CAT5 ケーブルにて USB 1.1 信号を最大 45mまで延長
各製品の詳細は、それぞれのカタログを参照してください。または以下の WEB サイトを参照し
て下さい。
http://www.peercom.jp/avproduct.html
http://www.minicomdigitalsignage.com
MINICOM Advanced Systems とは
MINICOM 社は、ビデオ延長と配信システムのリーディング会社でデジタルサイネージネットワーク
におけるプレイヤから表示装置までの Digital Signage Last MileTM ビデオ配信機器を開発・販売して
います。また MINICOM は、グローバル IT 環境下でのサーバ、シリアルデバイスを管理する装置も
開発販売しています。
MINICOM は、Intel Capital 資本が入った会社で近年新しい技術で急成長を続ける会社としてヨーロッ
パの Deloitte Technology Fast 500 Company の中に選出されています。MINICOM は 1988 年に設立
され、HQ はイスラエルにあり、世界 70 カ国での販売展開をしています。
2009 年にデジタルサイネージディビジョンを発足させ、HQ はスイスで、Digital Signage Last
MileTM ビジネスを中核としてデジタルサイネージ関連ビジネスを強化しています。
ピアコム株式会社
www.peercom.jp
電話:03-5645-3040
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