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別紙2
アウトソーシング推進に関する
基本指針
平 成 24 年3 月
い
わ
き
市
目
次
Ⅰ
はじめに
Ⅱ
アウトソーシング推進の考え方
1
アウトソーシングの定義
2
アウトソーシング推進の目的
⑴
新・市総合計画後期基本計画の目標達成
⑵
業務の再構築
⑶
市民と行政の協働の推進
3
アウトソーシング推進の基本的な考え方
効率的な行財政運営に向けた民間活力の活用
⑵
業務執行の効率化に向けた検討
⑶
市民と行政の協働の推進
⑷
適切な行政責任の確保
Ⅲ
⑴
アウトソーシングの推進方法
1
推進の視点
2
検討対象の重点化
3
実施計画の策定
位置付ける内容
⑵
推進期間等
⑶
進行管理
4
⑴
留意事項
⑴
契約等に当たっての留意事項
⑵
定期的な検証・評価体制の検討
Ⅰ
はじめに
この指針は、アウトソーシング推進に当たっての市の基本的な考え方を取りまとめ、
市民の理解と協力を得ながら取組みを進めていくことにより、新・市総合計画後期基本
計画(以下「基本計画」という。)が掲げる「成果を重視した行財政運営」という目的の
達成に資するために策定するものです。
なお、国の指針や方針が新たに示されるなど、アウトソーシングをめぐる状況に変化
が生じた場合には、必要に応じて随時、指針自体を見直すことも視野に入れた運用を図
ります。
Ⅱ
アウトソーシング推進の考え方
1
アウトソーシングの定義
アウトソーシングとは、一般的に外部委託の意味で使われていますが、企業経営に
おいては、組織の中核となる分野以外の分野を外注化することで、限られた自己の経
営資源を最も競争力のある分野(≒中核的業務)に特化することを目的とした手法を
指すものとして用いられています。
このような考え方を踏まえて、本市では、市職員が直接執行している事務・事業及
びこれに付随する業務(以下「事務・事業等」という。)の一部又は全部を外注化する
こと、又は嘱託職員や再任用職員等の活用により業務の再構築を行うことをアウトソ
ーシングと定義します。
2
アウトソーシング推進の目的
⑴
新・市総合計画後期基本計画の目標達成
基本計画に掲げる「成果を重視した行財政運営」の実現に向け、市民満足度の向
上を念頭に置きながら、限られた行政資源を最適に配分し、生産性・効率性を高め
る成果重視型の行政運営を推進すること。
⑵
業務の再構築
市が有する限られた行政資源を最大限に活用するため、業務の効率化はもとより、
可能な限りこれら資源の集中化と業務の外注化を進めることとし、業務の内容や執
行体制等がより効率的で効果的なものとなるよう再構築を図ること。
⑶
市民と行政の協働の推進
事務・事業等の実施主体を市民公益活動団体等に委譲するなど、市民と行政の協
働を推進すること。
1
3
アウトソーシング推進の基本的な考え方
⑴
効率的な行財政運営に向けた民間活力の活用
基本計画においては、厳しい財政状況の下、市民サービスを維持していくため、
限られた行政資源の最適な配分を基本とする市民志向・成果志向の行政運営への転
換を図ることとし、行財政運営の取組みの柱に「民間活力の活用」を位置づけてい
ます。
このことを踏まえ、効率的な行財政運営や民間活力の有効活用等を図るため、民
間委託のほか、嘱託職員や再任用職員等の活用を推進することとします。
⑵
業務執行の効率化に向けた検討
定員管理の一層の推進が求められる中、より少ない職員で市民サービスを確保す
るためには、業務執行の効率化を図ることが基本となることから、アウトソーシン
グを有効に活用するうえでは、
「仕事のしかた」や「仕事のしくみ」等についての検
証を行い、より効率的・効果的な業務執行のあり方について検討することとします。
⑶
市民と行政の協働の推進
基本計画において、「自治のしくみづくり」に向け、「協働によるまちづくりを進
める」こととしていることを踏まえ、公共サービスの実施主体を NPO やまちづくり
団体等の市民公益活動団体等に委譲するなど、市民と行政の協働を推進することと
します。
⑷
適切な行政責任の確保
アウトソーシングを推進することによって、市民サービスの低下、委託費用の硬
直化、早急な事態への対応が遅れるなどの事態を招くことのないよう、民間事業者
等に対する指導力やチェック体制を整備し、適切な行政責任を果たせるよう留意し
ます。
2
Ⅲ
アウトソーシングの推進方法
1
推進の視点
個別の事務・事業等ごとに、次の表に掲げる4つの視点に基づいた検証を行ったう
えでアウトソーシング導入の是非を判断するとともに、可能な限り達成すべき目標(効
果)を指標化していきます。
推進の視点
視点1
視点2
視点3
サービス水準の維持向上
(顧客主義の視点)
及び市場原理の導入等により、現行サービス水準
の維持向上が図られるか。
事務・事業等の執行に係るコスト削減が図られる
(財務の視点)
か。
業務の再構築
(業務プロセスの視点)
(市民と行政の役割分担
の視点)
2
民間事業者や市民団体等が有するノウハウの活用
コスト削減
市民協働の推進
視点4
検討内容
事務・事業等の統廃合、又は職員配置や業務プロ
セス等の見直しにより、業務の効率性・効果性の
向上が図られるか。
事務・事業等の実施主体を市民公益活動団体等に
委ねることにより、その活動の活性化や自立の促
進及び市民と行政の協働によるまちづくりが図ら
れるか。
検討対象の重点化
重点的にアウトソーシングを推進すべき事務・事業等については、基本計画を踏ま
え、次に掲げる項目を基準として抽出し、アウトソーシング導入に向けた検討を行っ
ていくこととします。
○
専門的知識や特別な技術を必要とする業務で人材確保が困難な事務・事業等
○
一定の時間や期間内に処理する業務で恒常的に職員を確保する必要がない事務・
事業等
○
単純な労務による処理が可能な事務・事業等
○
関係団体等に委託することにより自治意識や共同意識が醸成・高揚される事務・
事業等
○
嘱託職員や再任用職員等の活用により業務の再構築が図られる事務・事業等
○
施設の管理運営に係る事務・事業等
3
【参考】新・市総合計画後期基本計画・抜粋
第3章
行財政運営
5
民間活力の活用
効率的な行財政運営や民間活力の有効活用等を図るため、適正な管理監督のも
とに、行政責任の確保や市民サービスの維持向上等が図られることに留意しなが
ら、民間委託を進めるなど、民間活力を活用します。
⑴
事務・事業の民間委託等の推進
あらゆる事務・事業のうち、その内容が次に掲げるものについては、積極的
に民間委託や臨時的任用職員の活用等を推進します。
・ 専門的知識や特別な技術を必要とする業務で人材確保が困難なもの
・
一定の時間や期間内に処理する業務で恒常的に職員を確保する必要がない
もの
・ 単純な労務による処理が可能なもの
・
関係団体等に委託することにより自治意識や共同意識が醸成・高揚される
もの
・ その他、民間に委託した方が効率性や経済性が期待できるもの
⑵
施設の管理運営等への民間活力の活用
施設の維持・管理運営に当たっては、より良いサービスを効果的・効率的に
市民に提供するため、市と委託を受けた者との適切な役割分担や市の適正な管
理・監督のもと、公募による指定管理者制度の拡大、業務委託、臨時的任用職
員の活用等を推進するとともに、地域住民等のボランティアなどによる参画を
図ります。
4
3
実施計画の策定
市民の理解と協力を得ながら、着実にアウトソーシングを推進していくため、本指
針に基づき、市がアウトソーシングを推進するための具体的な取組み内容をとりまと
めたアクション・プログラムとして「実施計画」を策定します。
⑴
位置付ける内容
アウトソーシングを推進すべきものとして抽出した個別の事務・事業等を位置
付けます。あわせて、次に掲げる項目により、その検討の方向性等を明示します。
①
推進の視点
アウトソーシング推進の4つの視点のうち、効果が期待できる視点を明示し
ます。
(例)①サービス水準の維持向上、②コスト削減、③業務の再構築、
④市民協働の推進
②
実施方法
最も有効と考えられる実施方法を明示します。
(例)業務委託(全部・一部)
、民間移譲、指定管理者制度、嘱託職員や再任用
職員等の活用、PFI 等
③
委託先等
最も有効と考えられる委託先等を明示します。
(例)民間企業、市民活動団体、外郭団体、地域づくり団体
④
等
契約形態等
最も有効と考えられる契約形態等を明示します。
(例)競争入札による契約、プロポーザル方式による契約、随意契約、包括
的業務委託契約
⑤
等
年次計画等
アウトソーシング実施に向けたスケジュール及び実施目標年度、その他、所
管部課等を明示します。
⑵
①
推進期間等
推進期間
「実施計画」の推進期間は、「新・市総合計画実施計画」の計画期間との整合
を図るため、平成 24 年度から平成 26 年度までの3年間とし、毎年度ローリン
グ方式により必要な見直しを行うこととします。
②
推進期間以降の検討項目の取扱い
推進期間以降のアウトソーシング実施に向け、検討を進めるものについても、
推進期間にかかわらず、長期的にアウトソーシングを実施するべき項目として
「実施計画」に位置付けることとします。
5
⑶
進行管理
①
進捗状況の把握等
「実施計画」の進行管理については、毎年度その進捗状況等をとりまとめ、
公表することとします。
②
新規項目の取扱い
推進期間中においても、引き続き既存の事務・事業等の検証を行い、新たに
アウトソーシング実施を検討すべき事務・事業等が抽出された場合は、随時「実
施計画」に追加し、進行管理を図っていくものとします。
4
留意事項
⑴
契約等に当たっての留意事項
アウトソーシングを効果的に推進するため、契約や協定を締結するに当たって
は、次の点に留意します。
①
仕様書等において、民間事業者等に求める業務内容やサービス内容を可能な
限り具体的に明記します。
②
アウトソーシングにおける契約に基づく事務・事業等の履行状況について、
市の管理・監督が十分に働くように留意します。
③
個人情報保護をはじめとして守秘義務を課すものについては、契約や協定に
おいて明確に規定します。
④
事務内容や経費の硬直化を未然に防ぐため、可能な限り競争原理を確保する
観点から、現在随意契約で行っている業務について競争入札の導入を進めるほ
か、経費の見直しや業務の改善を図ります。
⑵
定期的な検証・評価体制の検討
新たにアウトソーシングを実施する事務・事業等のほか、現時点で既に民間委
託等を実施している事務・事業等についても、適正な契約内容を確保するととも
に、業務が履行されないなどのリスクを予防する観点から、民間事業者等を指導・
チェックする立場として必要となる知識やスキル等の向上に努めながら、アウト
ソーシングの実施状況を定期的に検証・評価する仕組みの構築を図ります。
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