平成 28 年度 通関士試験対策 法改正資料

【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
平成 28 年度
通関士試験対策
法改正資料
☆法改正一覧
Ⅰ.不服申立制度についての改正
P2
Ⅱ.延滞税の免除の規定の追加 P7
Ⅲ.保税蔵置場の許可等の地位の承継の規定の改正
P9
Ⅳ.通関業の許可の承継の規定の新設 P10
Ⅴ.輸出してはならない貨物及び輸入してはならない貨物の追加
P11
Ⅵ.郵送等に係る申告書等の提出時期の変更 P14
Ⅶ.相殺関税及び不当廉売関税の規定にある「本邦の産業に利害関係を有する者」についての変更
P15
Ⅷ.経済連携協定(モンゴル協定)の追加 P16
Ⅸ.平成 29 年度の延滞税率 P16
※完全攻略ガイドのページについて
「完全攻略ガイド該当ページ○○」とあるものは、完全攻略ガイドに改正内容の記述があります。
「完全攻略ガイド関連ページ○○」とあるものは、完全攻略ガイドに改正内容に関係する記述がありま
す。
1
【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
☆法改正の内容
Ⅰ.不服申立制度についての改正
改正のポイント:これまでの不服申立て制度は、税関長への異議申立てと財務大臣への審査請求の二つ
であったが、税関長への異議申立てが再調査の請求へ変更となった。また、請求できる期限や関税等不
服審査会へ諮問すべき処分など全体的に法改正がされている。なお、内容が全体的に改正されているた
め、完全攻略ガイドの該当ページの内容は削除し、下記の内容に修正してください。完全攻略ガイド該
当ページ P296~302
不服申立制度の改正(完全攻略ガイド該当ページ:P296~302)
法改正前:P296~P302までの内容
法改正後:下記のように全体的な改正が行われている。
≪法改正内容≫
1
不服申立て
① 関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分について不服があるときは、正
当な理由がある場合を除きこの処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に
限り、税関長に対して再調査の請求をするか、財務大臣に対して審査請求をすることができ
る。ただし、この期間であっても、正当な理由がある場合を除き税関長の処分があった日の
翌日から起算して1年を経過した後は請求をすることができない。(関税法第89条第1項、
行政不服審査法第2条、第18条第1項、第54条)
② 上記①の税関長の処分には、
ⅰ 税関長が税関の名においてする処分
ⅱ 収容及び留置
ⅲ 関税法第118条第5項(犯罪貨物等を没収しない場合の関税を徴収)及び同法第134条第
4項ないし第6項(領置物件又は差押物件についての関税の徴収)の規定により徴収す
る関税の賦課若しくは徴収又は滞納処分
ⅳ
輸出してはならない貨物及び輸入してはならない貨物の規定による児童ポルノ・公安又
は風俗を害すべき書籍等に該当する旨の通知
が含まれるが、行政不服審査法第7条第1項第7号の規定により、関税法第11章(犯則事件
の調査及び処分)の規定に係る処分は含まれない。(関税法基本通達89-1)
③ 関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関職員の処分は、再調査の請求及び審査請
求の規定の適用に関しては、その税関職員の属する税関の税関長がした処分とみなす。(関
税法第89条第2項)
2
【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
④ 税関長が審査請求若しくは再調査の請求(以下「不服申立て」という)をすることができる
処分をする場合には、処分の相手方に対し、その処分につき不服申立てをすることができる
旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示し
なければならない。また、取消訴訟を提起することができる処分する場合にも、処分の相手
方に対し、取消訴訟等の提起に関する事項を書面で教示しなければならない。ただし、いず
れの場合でも処分を口頭でする場合には、教示も書面ではされない。(行政不服審査法第82
条第1項)
⑤ 上記④の書面による教示に関して、税関長又は税関職員が行う処分が法令に基づく申請に係
るものである場合において、その処分の内容が申請どおりのものであるときは教示を行わな
いこととし、その処分の内容が申請どおりのものでないとき(申請どおりの内容のほかに付
款を付した場合を含む。ただし、その処分に係る法令に既に規定されている事項を注意的に
付記する場合を除く。)は教示を行う。(関税法基本通達89-5(1))
⑥ 上記④の書面による教示に関して、税関長又は税関職員が行う処分が法令に基づく申請に係
るものである場合において、その処分の内容がその相手方にいかなる不利益あるいは負担を
課すことにならないものであるときは教示を行わないこととし、その処分の内容がその相手
方に不利益あるいは負担を課すことになるものであるときは教示を行う。(関税法基本通達
89-5(2))
⑦ 税関長は、処分の相手方又は利害関係人から、その処分が不服申立てをすることができる処
分であるかどうか並びにその処分が不服申立てをすることができるものである場合における
不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められた
ときは、その事項を教示しなければならない。なお、その教示について、教示を求めた者が
書面による教示を求めた場合及び書面で教示を求めた場合には、その教示は書面で行う。(関
税法基本通達89-6、行政不服審査法第82条第2項)
2
税関長への再調査の請求
① 関税法又は他の関税に関する法律の規定による税関長の処分に不服がある者は、税関長に対
して再調査の請求をすることができる。
② 再調査の請求の手続は、原則として「再調査の請求書」を提出して行う。なお、再調査の請
求に係る処分が税関支署長又はその属する税関支署の税関職員によってなされた場合におけ
るその処分についての再調査の請求はその税関支署を所轄する税関長に対して行われるもの
であるが、その処分についての再調査の請求書が税関支署長に提出された場合においては、
その提出の時において税関長に提出されたものとみなされる。(関税法基本通達89-2)
③ 税関長は再調査の請求に対して決定をするが、その再調査の請求が期間経過後にされたもの
である場合その他不適法である場合には却下の決定をし、再調査の請求に理由がない場合に
は棄却の決定をし、再調査の請求について理由がある場合には認容の決定をする。なお、税
関長は再調査の請求人の不利益となるようにその処分を変更することはできない。(行政不
服審査法第58条、第59条)
3
【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
3
財務大臣への審査請求
① 税関長の処分について不服があるときは、正当な理由がある場合を除き
ⅰ 処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に限り
ⅱ 再調査の請求に対する税関長の決定を経た後の処分になお不服があるときは、決定があ
ったことを知った日の翌日から起算して1月以内に限り
財務大臣に対して審査請求をすることができる。ただし、正当な理由がある場合を除きこれ
らの日の翌日から起算して1年を経過したときは、審査請求をすることができない。(行政
不服審査法第18条第1項)
② 再調査の請求の申請をした者は、その申請から相当の期間が経過したにもかかわらず、税関
長の不作為(申請に対して何らの処分をもしないこと)がある場合には、その不作為につい
ての審査請求をすることができる。(行政不服審査法第3条)
③ 税関長に対して再調査の請求をしたときは、再調査の請求をした日の翌日から起算して3月
を経過しても税関長が再調査の請求につき決定をしない場合又は再調査の請求についての決
定を経ないことにつき正当な理由がある場合を除き、再調査の請求についての決定を経た後
でなければ、財務大臣に対して審査請求をすることができない。(行政不服審査法第5条第
2項)
④ 関税法又は他の関税に関する法律の規定による財務大臣又は税関長の処分について審査請求
があったときは、財務大臣は、以下のいずれかに該当する場合を除き、関税等不服審査会に
諮問しなければならない。(関税法第91条)
ⅰ
審査請求人から、関税等不服審査会への諮問を希望しない旨の申出がされている場合
ⅱ
審査請求が不適法であり、却下する場合
ⅲ
審査請求に係る処分の全部を取り消し、又は審査請求に係る事実上の行為の全部を撤廃
すべき旨を命じ、若しくは撤廃することとする場合
ⅳ
申請の全部を認容すべき旨を命じ、又は認容することとする場合
ただし上記の場合であっても、利害関係者から諮問をしないことについて反対する旨の申出
がされている場合は諮問する。
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【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
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取り消しの訴え
① 以下に掲げる処分、通知又は決定の取消しの訴えは、その処分、通知又は決定についての財
務大臣への審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない。 ただし、
審査請求がされた日の翌日から起算して3月を経過しても審査請求に対する財務大臣による
裁決がないときや、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の
必要があるとき、その他審査請求についての裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき
は、財務大臣による裁決を経ずに提起することができる。(関税法第93条)
ⅰ
関税の確定若しくは徴収に関する処分又は滞納処分
ⅱ
輸出してはならない貨物及び輸入してはならない貨物の規定による児童ポルノ・公安又
は風俗を害すべき書籍等に該当する旨の通知
② 上記①に掲げる税関長の処分以外の処分又は上記①の税関長の処分以外の処分についての再
調査の請求に係る決定を経た後の処分になお不服があるときは、財務大臣への審査請求につ
いての裁決を経ずに、処分の取消訴訟を提起することができる。
③ 処分、決定又は裁決の取消訴訟は、正当な理由がある場合を除き処分、決定又は裁決があっ
たことを知った日の翌日から起算して6月を経過したとき又は、正当な理由がある場合を除
き処分、決定又は裁決の日の翌日から起算して1年を経過したときは、提起することができ
ない。(行政事件訴訟法第14条)
※ なお、上記関税法の改正に伴い、下記のページの「異議申立て」を「再調査の請求」に変更する。
完全攻略ガイドP538下から3行目、P542下から12行目、P544下から2行目、P574下から6行
目(以上4カ所通関業法)、P750第5問のポイント内上から3行目及び6行目、P780第16問の
1、P793第16問解説⑥(以上3カ所第8編練習問題)
また、下記のページの「異議申立書」を「再調査の請求書」に変更する。完全攻略ガイドP539
下から2行目(通関業法)
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【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
図1
下記①及び②の税関長の処分の場合
① 関税の確定若しくは徴収に関する処分又は滞納処分
② 輸出してはならない貨物及び輸入してはならない貨物の規定による児童ポルノ・公安又は風
俗を害すべき書籍等に該当する旨の通知
選択
3月以内
財務
税関長へ
1月以内 大臣
6月以内
税関長
の再調査
決
への
裁
訴
の処分
の請求
定
審査
決
訟
3月以内
請求
諮問
関税等不服審査会
図2
図1の①及び②以外の処分の場合
選択
3月以内
財務
税関長へ
1月以内 大臣
6月以内
税関長
の再調査
決
への
裁
訴
の処分
の請求
定
審査
決
訟
3月以内
請求
諮問
関税等不服審査会
6月以内
審査請求を経ることなく訴訟を提起できる
6
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Ⅱ.延滞税の免除の規定の追加
改正のポイント:内国消費税については、国税通則法において滞納処分の執行が停止された場合等に延
滞税を免除する規定が設けられているため、関税法にも同様の規定が設けられた。完全攻略ガイド該当
ページ P272~273
延滞税の免除の規定の追加(完全攻略ガイド該当ページ:P272~273)
法改正前:規定なし
法改正後:以下の規定が設けられた。
≪法改正内容≫
① 延滞税が生じる場合において、以下に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その関税に
係る延滞税については、原則として以下に定める金額を免除する。(関税法第12条第7項)
ⅰ
滞納処分の執行の停止をした場合又は滞納処分による財産の換価の猶予をした場合には、
その停止又は猶予をした関税に係る延滞税のうち、その執行の停止をした期間に対応す
る部分の金額に相当する金額又は換価の猶予をした期間(関税の納期限の翌日から2月
を経過する日後の期間に限る。)に対応する部分の金額の2分の1に相当する金額
ⅱ
災害による期限の延長の規定により関税を納付すべき期限を延長した場合には、その関
税に係る延滞税のうち、その延長した期間に対応する部分の金額
ⅲ
行政不服審査法第25条第2項又は第4項(執行停止)の規定により財務大臣又は税関長
が関税の徴収に関する処分の執行を停止した場合には、その停止をした期間のうち関税
の納期限の翌日から2月を経過する日後の期間に対応する部分の金額の2分の1に相当
する金額
② 延滞税が生じる場合において、以下に掲げる場合のいずれかに該当するときは、税関長は、
その関税に係る延滞税につき、以下に定める金額を限度として、免除することができる。(関
税法第12条第8項)
ⅰ
滞納処分による財産の換価の猶予をした場合において、納税義務者が以下のイ又はロの
いずれかに該当するときには、その猶予をした関税に係る延滞税につき、猶予をした期
間(関税を期間内に納付しなかったことについてやむを得ない理由があると税関長が認
める場合には、猶予の期限の翌日からそのやむを得ない理由がやんだ日までの期間を含
む。)に対応する部分の金額でその納付が困難と認められる金額
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イ
納税義務者の財産の状況が著しく不良で、納期又は弁済期の到来した関税以外の公
課又は債務について軽減又は免除をしなければ、その事業の継続又は生活の維持が
著しく困難になると認められる場合において、その軽減又は免除がされたとき
ロ
納税義務者の事業又は生活の状況によりその延滞税の納付を困難とするやむを得な
い理由があると認められるとき
ⅱ
税関長が国税徴収の例により滞納に係る関税の全額を徴収するために必要な財産につき
差押えをし、又は納付すべき税額に相当する担保の提供を受けた場合その差押え又は担
保の提供に係る関税を計算の基礎とする延滞税につき、その差押え又は担保の提供がさ
れている期間のうちその関税の納期限の翌日から2月を経過する日後の期間に対応する
部分の金額の2分の1に相当する金額
ⅲ
以下のイからハまでのいずれかに該当する場合には、イからハまでに規定する関税に係
る延滞税につき、イからハまでに定める金額
イ 国税徴収法に規定する交付要求により交付を受けた金銭をその交付要求に係る関税
に充てた場合には、執行機関が強制換価手続においてその金銭を受領した日の翌日
からその充てた日までの期間に対応する部分の金額
ロ 震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、関税を納付することができ
ない事由が生じた場合には、その事由が生じた日からその事由が消滅した日以後7
日を経過した日までの期間に対応する部分の金額
ハ 上記イ又はロのいずれかに該当する事実に類する事実が生じた場合で、政令で定め
る場合(※)には、政令で定める期間(※)に対応する部分の金額
※火薬類の爆発、交通事故その他の人為による異常な災害又は事故により、納付すべき
税額の全部若しくは一部につき申告をすることができず、又は関税を納付することが
できない場合(その災害又は事故が生じたことにつき納税義務者の責めに帰すべき事
由がある場合を除く。)とし、期間は、その災害又は事故が生じた日からこれらが消
滅した日以後7日を経過した日までの期間とする。(関税法施行令第9条第3項)
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【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
Ⅲ.保税蔵置場の許可等の地位の承継の規定の改正
改正のポイント:保税蔵置場の許可に係る地位の承継の規定に業務の譲渡の規定が追加された。なお、
この規定は保税工場の許可に係る地位の承継の規定などにも準用されている。完全攻略ガイド関連ペー
ジP38、P43、P47、P113、P141、P155、P184
1.保税蔵置場の許可に係る地位の承継の規定に業務の譲渡の規定が追加された(完全攻略ガイド関連
ページ:P141)
法改正前:規定なし
法改正後:① 保税蔵置場の許可を受けた者がその保税蔵置場の業務を譲り渡した場合において、
あらかじめ税関長の地位の承継についての承認を受けたときは、その保税蔵置場
の業務を譲り受けた者は、保税蔵置場の許可の失効の規定にかかわらず、その保
税蔵置場の業務を譲り渡した者の許可に基づく地位を承継することができる。
(関
税法第48条の2第4項)
② 保税蔵置場の許可が失効した場合において、その失効の際、その保税蔵置場に外
国貨物があるときは、その貨物については、税関長が指定する期間、その許可が
失効した場所を保税蔵置場とみなす。この場合において、許可を受けていた者が
その業務を譲り渡した場合においてはその業務を譲り受けた者は、外国貨物を出
し終わるまでは、保税蔵置場についての義務を免れることができない。(関税法
第47条第3項)
2.上記1の規定は保税工場の許可などにも準用される(完全攻略ガイド該当ページ:P38、P43、P47、
P113、P141、P155、P184)
法改正前:規定なし
法改正後:保税工場の許可(関税法第61条の4)、保税展示場の許可(関税法第62条の7)、 総
合保税地域の許可(関税法第62条の15)、特定保税承認者の承認(関税法第55条)、
保税運送の特例(関税法第63条の8の2)、認定通関業者の認定(関税法第79条の6)、
特例輸入者の承認(関税法第7条の13)、特定輸出者の承認(関税法第67条の12)、
認定製造者の認定(関税法第67条の18)の規定においても準用される。
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【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
Ⅳ.通関業の許可の承継の規定の新設
改正のポイント:通関業の許可の譲渡、相続、合併等の取り扱いの規定は通関業法基本通達に規定され
ていたが、通関業法基本通達から削除され、新たに通関業法に許可の承継の規定が新設された。完全攻
略ガイド該当ページ P548~P549
1.通関業法に通関業の許可の承継の規定が新設された(完全攻略ガイド関連ページ:P548~P549)
法改正前:完全攻略ガイドP548~P549
4譲渡、相続、合併等における通関業の許可を参照
法改正後:下記の内容が通関業法に新設された(上記法改正前の完全攻略ガイドの記述は削除)
≪法改正内容≫
通関業法に通関業の許可の承継の規定が新設された。(通関業法第 11 条の2、通関業法施行令第2条の
2)
① 通関業者について相続があったときは、その相続人(相続人が2人以上ある場合において、その
全員の同意により通関業の許可に基づく地位を承継すべき相続人を選定したときは、その者)は、
被相続人の通関業の許可に基づく地位を承継する。
② 上記①の規定により通関業の許可に基づく地位を承継した者(以下、承継人)は、被相続人の死
亡後 60 日以内に、その承継について税関長に承認の申請をすることができる。
③ 上記②の承認を受けようとする者は、被相続人である通関業者の氏名及び住所、相続があった年
月日等を記載した申請書を、承認を受けようとする承継に係る通関業の許可をした税関長に提出
しなければならない。
④ 税関長は、上記②の承継人について通関業法第5条の通関業の許可の基準のいずれかに適合しな
い場合又は通関業法第6条の通関業の許可の欠格事由のいずれかに該当する場合には、許可の承
継の承認をしないものとする。
⑤ 通関業者について合併若しくは分割(通関業を承継させるものに限る。)があった場合又は通関
業者が通関業を譲り渡した場合において、あらかじめ税関長の承認を受けたときは、合併後存続
する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により通関業を承継した法人又は通
関業を譲り受けた者(以下、合併後の法人等)は、合併により消滅した法人若しくは分割をした
法人又は通関業を譲り渡した者の通関業の許可に基づく地位を承継することができる。
10
【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
⑥ 上記⑤の承認を受けようとする者は、下記に掲げる事項を記載した申請書を、承認を受けようと
する承継に係る通関業の許可をした税関長に提出しなければならない。
イ 合併若しくは分割をしようとする通関業者又は通関業を譲り渡そうとする通関業者の名称
又は氏名及び住所
ロ
合併後存続する法人若しくは合併により設立される法人若しくは分割により通関業者の通
関業を承継する法人又は通関業を譲り受ける者の名称又は氏名及び住所
ハ 合併若しくは分割又は通関業者の通関業の譲渡しが予定されている年月日
⑦ 税関長は、上記⑤の合併後の法人等について通関業法第5条の通関業の許可の基準のいずれかに
適合しない場合又は通関業法第6条の通関業の許可の欠格事由のいずれかに該当する場合には、
許可の承継の承認をしないものとする。
⑧ 税関長は、上記②又は⑤の規定により承認をするに際しては、その承認をしようとする承継に係
る通関業の許可について通関業の許可に付された条件(変更され、又は新たに付された条件を含
む。
)を取り消し、変更し、又は新たに条件を付することができる。
⑨ 税関長は、上記②又は⑤の承認をしたときは、直ちにその旨を公告しなければならない。
11
【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
Ⅴ.輸出してはならない貨物及び輸入してはならない貨物の追加
改正のポイント:輸出してはならない貨物と輸入してはならない貨物に営業秘密侵害品が追加された。
完全攻略ガイド該当ページ P53~P62、P83~P95
1.輸出してはならない貨物に営業秘密侵害品が追加された(完全攻略ガイド該当ページ:P53~P62)
法改正前:規定なし
法改正後:輸出してはならない貨物の規定に下記の内容が追加された。(ただし、下記の内容以
外の内容は他の不正競争防止法違反物品と同じ内容である。)
≪法改正内容≫
営業秘密侵害品の輸出してはならない貨物への追加
ⅰ
営業秘密の使用(技術上の秘密(=営業秘密のうち、技術上の情報であるもの)を使用する行
為に限る。
)により生じた貨物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出
し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為(その貨物を譲り受けた時にその貨物が
不正使用行為により生じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がな
い者がその物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又
は電気通信回線を通じて提供する行為を除く。)を組成する物品(営業秘密不正使用物品)は輸
出してはならない。
(関税法第 69 条の2第1項第4号)
ⅱ
営業秘密を保有する者は、自己の営業上の利益を侵害すると認める貨物が輸出されようとする
場合に、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、申立先税関長又は他の税関長
が認定手続を執るべきことを申し立てることができる。この場合においては、その貨物が不正
競争防止法第2条第1項第 10 号に規定する不正使用行為により生じた物であること及びその貨
物を輸出するおそれのある者がその貨物を譲り受けた時に、その貨物が不正使用行為により生
じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者でないことについ
ての認定を経済産業大臣に求め、その認定の内容が記載された書面を申立先税関長に提出しな
ければならない。
(関税法第 69 条の4第1項)
ⅲ
営業秘密を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、その貨物に
係る不正競争差止請求権者又は輸出者は、認定手続の通知を受けた日から起算して原則 10 日を
経過する日までの期間内で、認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、その認定手続
に係る貨物が営業秘密侵害品に該当するか否かについて経済産業大臣の意見を聴くことを求め
ることができる。(関税法第 69 条の7第1項)
ⅳ
税関長は、上記ⅲの求めがあったときは、経済産業大臣に対し、意見を求めるものとする。な
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【2016 年版 通関士完全攻略ガイド】
お、経済産業大臣は、税関長から意見を求められたときは、その求めがあった日から起算して
30 日以内に、書面により意見を述べなければならない。(関税法第 69 条の7第2項、第4項)
ⅴ
税関長は、営業秘密を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、認定をす
るために必要があると認めるときは、経済産業大臣に対し、営業秘密を侵害する貨物に該当す
るか否かについて意見を求めることができる。
(関税法第69条の7第9項)
2.輸入してはならない貨物に営業秘密侵害品が追加された(完全攻略ガイド該当ページ:P83~P95)
法改正前:規定なし
法改正後:輸入してはならない貨物の規定に下記の内容が追加された。(ただし、下記の内容以
外の内容は他の不正競争防止法違反物品と同じ内容である。)
≪法改正内容≫
営業秘密侵害品の輸入してはならない貨物への追加
ⅰ
営業秘密の使用(技術上の秘密(=営業秘密のうち、技術上の情報であるもの)を使用する行
為に限る。
)により生じた貨物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出
し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為(その貨物を譲り受けた時にその貨物が
不正使用行為により生じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がな
い者がその物を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又
は電気通信回線を通じて提供する行為を除く。)を組成する物品(営業秘密不正使用物品)は輸
入してはならない。
(関税法第 69 条の 11 第1項第 10 号)
ⅱ
営業秘密を保有する者は、自己の営業上の利益を侵害すると認める貨物が輸入されようとする
場合に、その侵害の事実を疎明するために必要な証拠を提出し、申立先税関長又は他の税関長
が認定手続を執るべきことを申し立てることができる。この場合においては、その貨物が不正
競争防止法第2条第1項第 10 号に規定する不正使用行為により生じた物であること及びその貨
物を輸入するおそれのある者がその貨物を譲り受けた時に、その貨物が不正使用行為により生
じた物であることを知らず、かつ、知らないことにつき重大な過失がない者でないことについ
ての認定を経済産業大臣に求め、その認定の内容が記載された書面を申立先税関長に提出しな
ければならない。(関税法第 69 条の 13 第1項)
ⅲ
営業秘密を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続が執られたときは、その貨物に
係る不正競争差止請求権者又は輸入者は、認定手続の通知を受けた日から起算して原則 10 日を
経過する日までの期間内で、認定手続が執られている間に限り、税関長に対し、その認定手続
に係る貨物が営業秘密侵害品に該当するか否かについて経済産業大臣の意見を聴くことを求め
ることができる。(関税法第 69 条の 17 第1項)
ⅳ
税関長は、上記ⅲの求めがあったときは、経済産業大臣に対し、意見を求めるものとする。な
お、経済産業大臣は、税関長から意見を求められたときは、その求めがあった日から起算して
30 日以内に、書面により意見を述べなければならない。
(関税法第 69 条の 17 第2項、第4項)
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ⅴ
税関長は、営業秘密を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、認定をす
るために必要があると認めるときは、経済産業大臣に対し、営業秘密を侵害する貨物に該当す
るか否かについて意見を求めることができる。(関税法第69条の17第9項)
Ⅵ.郵送等に係る申告書等の提出時期の変更
改正のポイント:これまでは関税の納税申告書等が郵便等により税関へ提出された場合には、その提出
の時に効力が発生していたが、郵便物等の通信日付印(消印)により表示された日に提出されたものと
みなされることになった。完全攻略ガイド関連ページ P75
納税申告、修正申告、更正の請求、納期限の延長、輸出又は輸入の申告に係る書面その他財務省令で定
める書類(戻し税の申請書、還付請求書等)が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物
又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又はその表示が明瞭でないとき
は、その郵便物又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと
認められる日)にその提出がされたものとみなす。
(関税法第6条の3、国税通則法第22条)
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Ⅶ.相殺関税及び不当廉売関税の規定にある「本邦の産業に利害関係を有する者」についての変更
改正のポイント:相殺関税及び不当廉売関税の課税の求め等にかかる団体の構成員に関する要件が緩和
された。完全攻略ガイド該当ページ P378、P382 欄外
1.相殺関税の規定にある「本邦の産業に利害関係を有する者」についての変更(相殺関税に関する政
令第3条第1項第1号)(完全攻略ガイド該当ページ:P378)
法改正前:輸入貨物と同種の貨物の本邦の生産者又はその団体(その直接又は間接の構成員の過半数
がその貨物の本邦の生産者である団体に限る。)であって生産者又はその団体の構成員の
本邦における生産高の合計がその貨物の本邦における総生産高の4分の1以上の割合を占
めるもの
法改正後:輸入貨物と同種の貨物の本邦の生産者又はその貨物の本邦の生産者を直接若しくは間接の
構成員とする団体(以下、関係生産者等)(団体である関係生産者等にあっては、その直
接又は間接の構成員のうち2以上の者がその貨物の本邦の生産者であるものに限る。)で
あって生産者又はその団体の直接若しくは間接の構成員の本邦における生産高の合計がそ
の貨物の本邦における総生産高の4分の1以上の割合を占めるもの
2.不当廉売関税の規定にある「本邦の産業に利害関係を有する者」についての変更(不当廉売関税に
関する政令第5条第1項第1号)(完全攻略ガイド該当ページ:P382欄外)
法改正前:輸入貨物と同種の貨物の本邦の生産者又はその団体(その直接又は間接の構成員の過半数
がその貨物の本邦の生産者である団体に限る。)であって生産者又はその団体の構成員の
本邦における生産高の合計がその貨物の本邦における総生産高の4分の1以上の割合を占
めるもの
法改正後:輸入貨物と同種の貨物の本邦の生産者又はその貨物の本邦の生産者を直接若しくは間接の
構成員とする団体(以下、関係生産者等)(団体である関係生産者等にあっては、その直
接又は間接の構成員のうち2以上の者がその貨物の本邦の生産者であるものに限る。)で
あって生産者又はその団体の直接若しくは間接の構成員の本邦における生産高の合計がそ
の貨物の本邦における総生産高の4分の1以上の割合を占めるもの
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Ⅷ.経済連携協定(モンゴル協定)の追加
改正のポイント:日・モンゴル経済連携協定が平成28年6月7日に発効し試験範囲に追加された。ただし、
以前に締結された協定を理解していれば、試験には特に影響はない。完全攻略ガイド該当ページP80
1.モンゴル協定の追加(完全攻略ガイド該当ページP80)
法改正後:モンゴル協定が追加されている。
ただし、試験に出題される範囲内で、他の協定との違いは特にない。
Ⅸ.平成 28 年度の延滞税率
改正のポイント:平成 27 年度と平成 28 年度の延滞税率は以下の通りである。完全攻略ガイド該当ペー
ジ P270~274、P654~656
1.延滞税率(完全攻略ガイド該当ページP270~274、P654~656)
納期限の翌日から2月を経過する日
納期限の翌日から2月を経過する日
までの延滞税率
後の延滞税率
関税法第12条第1項
7.3%
14.6%
平成27年度
2.8%(延滞税率の暫定措置を適用)
9.1%(延滞税率の暫定措置を適用)
平成28年度
2.8%(延滞税率の暫定措置を適用)
9.1%(延滞税率の暫定措置を適用)
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