フランス共和国 - 外国産業財産権侵害対策等支援事業

フランス共和国
特許庁の所在地:
Institute National de la Propriete Industrielle (INPI)
26bis, rue de St. Petersbourg,
F-75800 Paris Cedex
TEL:( 33 1) 53 04 53 04
FAX:( 33 1) 43 87 74 68
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目
次
(共 通 情 報 )
1.加盟している産業財産権関連の条約
2.現地代理人の必要性有無
3.現地の代理人団体の有無
4.出願言語
5.その他関係団体
(特 許 制 度 )
1.現行法令について
2.特許出願時の必要書類
3.料金表
4.料金減免制度について
5.実体審査の有無
6.出願公開制度の有無
7.審査請求制度の有無
8.出願から登録までの手続の流れ
9.存続期間及びその起算日(権利の発生日)
1 0 . PCT に 加 盟 し て い る 場 合 、 そ の 国 内 段 階 手 続 の 概 要
11.留意事項
(意 匠 制 度 )
1.現行法令について
2.意匠出願時の必要書類
3.料金表
4.料金減免制度について
5.実体審査の有無
6.出願公開制度の有無
7.審査請求制度の有無
8.出願から登録までの手続の流れ
9.存続期間及びその起算日(権利の発生日)
10.部分意匠制度の有無
11.留意事項
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(商 標 制 度 )
1.現行法令について
2.商標出願時の必要書類
3.料金表
4.料金減免制度について
5.実体審査の有無
6.出願公開制度の有無
7.審査請求制度の有無
8.出願から登録までの手続の流れ
9.存続期間及びその起算日(権利の発生日)
10.出願時点での使用義務の有無
11.保護対象
12.留意事項
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共通情報
1.加盟している産業財産権関連の条約
( 1 ) パ リ 条 約 ( Paris Convention)
( 2 ) WIPO 設 立 条 約 ( WIPO 条 約 )
( 3 ) 欧 州 特 許 条 約 ( EPC)
( 4 ) 特 許 協 力 条 約 ( PCT)
( 5 ) 国 際 特 許 分 類 に 関 す る ス ト ラ ス ブ ー ル 協 定 ( IPC 同 盟 )
( 6 ) 微 生 物 の 寄 託 の 国 際 的 承 認 に 関 す る ブ ダ ペ ス ト 条 約 ( Budapest Treaty)
( 7 ) 外 国 公 文 書 領 事 認 証 免 除 に 関 す る ヘ ー グ 協 定 ( Hague Agreement)
( 8 ) 植 物 新 品 種 保 護 の た め の 国 際 条 約 ( UPOV 条 約 )
( 9 ) 標 章 の 国 際 登 録 に 関 す る マ ド リ ッ ド 協 定 ( International Trademark
Registration)
( 10)標 章 の 国 際 登 録 に 関 す る マ ド リ ッ ド 協 定 議 定 書( International Trademark
Registration (Protocol)
( 11) 知 的 所 有 権 の 貿 易 関 連 の 側 面 に 関 す る 協 定 ( Trips 協 定 )
2.現地代理人の必要性有無
欧州連合や欧州経済地域に居所又は事業拠点を有していない出願人は、代理人
を選任しなければなりません。
3.現地の代理人団体の有無
Committee of National Institutes of Intellectual Property Attorneys
92 rue d’ Amsterdam 75009
Paris, FRANCE
Tel: 33 (O)1 53 21 90 89
Email: [email protected]
Fax: 33 (O)1 53 21 95 90
Website: www.concpi.fr
4.出願言語
フランス語
5.その他関係団体
JETRO PARIS CENTER
151 bis, Saint-Honore,
75001 Paris, France
TEL: 33- 1- 42- 61- 27- 27
FAX: 33- 1- 42- 61- 19- 46
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特許制度
1.現行法令について
2 0 0 3 年 8 月 1 日 改 正 に よ る 知 的 所 有 権 法 ( Intellectual Protection Code)
が適用されています。
この法律の施行により、発明、技術知識の保護、意匠、植物新品種や商標、サ
ービスマーク等の知的所有権が一括して規定されるようになりました。
2.特許出願時の必要書類
( 1 ) 願 書 ( Request)
出 願 人 の 名 称・ 住 所 、発 明 者 の 氏 名・ 住 所 、優 先 権 を 主 張 す る 場 合 は 、第
一国に出願した国名、出願年月日及び出願番号等を記載します。
( 2 ) 明 細 書 、 ク レ ー ム 及 び 要 約 ( Specification、 Claims & Abstract)
( 3 ) 必 要 な 図 面 ( Drawings)
( 4 ) 委 任 状 ( Power of Attorney)
提出不要です。
( 5 ) 発 明 者 の 指 定 ( Designation of Inventor-ship)
出願人が法人の場合にこの書面の提出が必要です。
この書面には、出願人の名称及び住所、発明者の氏名及び住所を記載し、
代理人が準備、署名して提出することができます。
( 6 ) 優 先 権 証 明 書 ( Priority Document)
優先権証明書は、優先日から16ヶ月以内に提出することができます。
( 7 ) 優 先 権 証 明 書 の 翻 訳 文 ( Translation of Priority Document)
優先権証明書の翻訳文の提出は不要です。
なお、国内優先権制度も採用されています。
3 . 料 金 表 ( 単 位 : ユ ー ロ (EUR))
出願料金
36
・ ク レ ー ム 加 算 料 金 ( 10 以 上 1 ク レ ー ム 当 た り )
40
調査報告料金
500
特許発行料金
86
年金:
・ 2 年 度 か ら 5 年 度 /各 年 度 当 た り
36
・6年度
72
・7年度
92
・8年度
130
・9年度
170
5
・10年度
210
・11年度
250
・12年度
290
・13年度
330
・14年度
380
・15年度
430
・16年度
490
・17年度
550
・18年度
620
・19年度
690
・20年度
720
4.料金減免制度いついて
料金減免制度の規定が存在するか、不明です。
5.実体審査の有無
実体審査は採用しておりません。
6.出願公開制度の有無
出願公開制度を採用しております。
7.審査請求制度の有無
審査請求制度は採用しておりません。
8.出願から登録までの手続の流れ
① 出願書類が提出された後、まず、出願日を付与するための要件(出願の本
質 的 要 件 )が 満 た さ れ て い る か 否 か に つ い て の「 予 備 審 査 」が 行 わ れ ま す 。
② 上記予備審査の結果、不備を発見した場合には、その旨通知され出願人に
1ヶ月の期間、その不備を訂正する機会が与えられ、当該期間内に不備が
是正された場合には、その是正された日が出願日とされます。
③ 一方、上記予備審査の結果要件を満たしていると判断された場合には、方
式的な要件、発明の単一性や明細書等の記載内容が調査可能か否かについ
て審査されます。
④ 上記方式的要件の審査の結果、不備があると判断された場合には、その旨
出願人に通知され、所定期間内に不備を是正しなかった場合、出願は拒絶
されます。
なお、発明が単一性の要件に違反していると判断された場合には、出願人
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は明細書等の補正をすることができ、また、分割出願を行うこともできま
す。
⑤ 新規性や進歩性自体の実体審査は行われませんが、不特許事由と新規性の
規定がどのようになっているか、簡単に説明します。
(不特許事由について)
以下の発明は、特許を受けることができません。
・ 発見や科学的な原理、算術的方法の場合
・ コンピュータプログラムの場合
・ 単なる情報の提供の場合
・ 遊戯方法や商行為の計画等の場合
・ 人体や動植物の治療的方法や診断方法の場合
・ 公序良俗に反する場合
(新規性について)
絶対的新規性が採用されています。
・ 優 先 日 前 に 、発 明 が 国 内 又 は 外 国 に お い て 、公 知・公 用・刊 行 物 に 公 表
されていないことが必要です。
・ 但し、以下の場合は新規性喪失の例外が適用されます。
出願人の意に反して、出願日前6ヶ月以内に発明が公表された場合
出願日前6ヶ月以内における国際博覧会に発明を出品した場合
⑥ 方式審査を経た後、出願は出願人の請求により新規性調査の対象となり、
「新規性調査報告」が作成されます。
この新規性調査の請求は、調査手数料の納付を条件として出願と同時に行
うことができます。
また、この請求の繰り延べを希望する場合には、出願日(優先権を主張し
て い る 場 合 に は 優 先 日 ) か ら 18 ヶ 月 以 内 に 、 請 求 す る こ と も で き ま す 。
なお、この期間内に請求が行われなかった場合には、特許出願は自動的に
実用証出願(存続期間が出願日から6年の出願をいいます)に変更された
ものとみなされ、出願人にその旨通知されます。
但し、出願人は上記通知の受領日から2ヶ月間追加料金を納付することに
より、新規性の調査を請求することができます。
⑦ 新規性調査は、欧州特許庁が行うとされており、新規性調査報告案は、明
細書及び図面を参酌しクレームに基づいて作成され、フランス特許庁は新
規性や進歩性に関連ある文献を出願人に送付します。
⑧ 出願人は、新規性報告案受領後3ヶ月以内に、意見書の提出又は明細書等
の補正書の提出をすることができます。この3ヶ月の期間は、請求により
延長することができます。
⑨ 上記意見書や補正書が提出された後、発明の単一性や新規性の有無に関し
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て審査が行われます。
なお、フランス特許庁は、明らかに新規性を有していないクレームのみ拒
絶 す る こ と が で き る と さ れ て い ま す ( 進 歩 性 に つ い て は 拒 絶 で き ま せ ん )。
⑩ 新規性調査報告案は、公衆の縦覧に供され、当該報告案の公開日から3ヶ
月間、第三者はその特許出願に対して自己の見解書を提出することができ
ます。
⑪ 上記第三者の見解書は、出願人に送付されその見解書に対して、出願人は
自己の意見書又は補正書を3ヶ月以内に(3ヶ月間延長可能)提出するこ
とができます。
⑫ 上記手続後、最終審査報告書が作成されます。
⑬ 出願公開:
・出 願 日 又 は 優 先 日 か ら 1 8 ヶ 月 経 過 後 、出 願 の 内 容 は 縦 覧 に 供 さ れ ま す 。
⑭ 明細書の補正:
・新規性調査が開始されるまで明細書等の補正をすることができます。
・また、調査報告案が送付された場合、その応答として補正をすることも
できます。
・なお、明細書等の誤記の訂正については、特許発行料金の納付まで、す
ることができます。
⑮ 分割出願:
・特許発行料金納付まで、自発的に分割出願をすることができ、また、発
明の単一性欠如の指摘がされた場合、指定期間内にすることができます。
⑯ 特許の付与:
・特 許 発 行 料 金 が 所 定 期 間 内 に 納 付 さ れ る と 、特 許 付 与 の 通 知 が 発 行 さ れ 、
その旨が公報に公告され、特許証が発行されます。
・特許証には、明細書、クレームまた最終調査報告が含まれます。
⑰ 特許付与後の異議申し立て:
・特許異議申立制度は、採用されていません。
但し、裁判所に対して特許無効を請求することができます。
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9.存続期間及びその起算日
(1) 特許権の存続期間は、出願の日から20年です。
(2) 維持年金は出願日から2年目以降納付する必要があります。
(3) なお、実用証出願の存続期間は、出願日から6年です。
1 0 . PCT に 加 盟 し て い る 場 合 、 そ の 国 内 段 階 手 続 の 概 要
PCT 出 願 経 由 に よ り 、 フ ラ ン ス 国 で 発 明 の 保 護 を 求 め る 場 合 、 直 接 フ ラ ン ス 国
で保護を求めることはできません。必ず、欧州特許出願を経由しフランス国を指
定国として保護を求める必要があります。従いまして、この場合には、欧州特許
庁に移行する規定が適用されます。ちなみに、欧州特許出願の場合は、
(1)国内段階移行期限:優先日から31ヶ月です。
(2)提出すべき書類:英語、独語、又は仏語による次の翻訳文の提出が必要
となります。
・国際出願時の明細書・請求の範囲・図面の説明・要約
・19条補正書及び陳述書
・34条補正書等
11.留意事項
(1)出願の際:
① まず、特許の種類として、特許と実用証の2種類が規定されています。
こ の「 実 用 証 」は 、特 許 の 対 象 と な っ て い る 全 て の 主 題 を 含 み ま す 。特
許との相違点は、
・ 特許の場合には、新規性調査報告の作成の請求が採用されていますが、
「実用証」出願には採用されておりません。
・ 特 許 の 場 合 、新 規 性 調 査 報 告 の 作 成 の 請 求 が 所 定 の 期 間 内 に な さ れ な か
った場合には、自動的に「実用証」出願に変更されたものとみなされ、
特 許 か ら 「 実 用 証 」 出 願 に 出 願 変 更 す る こ と が で き ま す 。 一 方 、「 実 用
証」出願から特許出願への出願変更はすることができません。
・ 権 利 の 存 続 期 間 は 、特 許 の 場 合 は 出 願 日 か ら 2 0 年 間 で す が 、「 実 用 証 」
出願の場合は、出願日から6年間です。
従 い ま し て 、特 許 出 願 と こ の「 実 用 証 」出 願 と は 、権 利 の 内 容 自 体 は 同
様 で す が 、権 利 の 存 続 期 間 の 長 短 等 の 関 係 か ら 、ど ち ら の 出 願 が 出 願 人
にとって有利か十分に検討する必要があります。
② フ ラ ン ス 国 で 早 期 に 特 許 等 の 権 利 化 を 望 む 場 合 に は 、PCT 出 願 に よ る 欧
州 特 許 出 願 を 経 由 し て フ ラ ン ス 国 で 権 利 を 取 得 す る よ り も 、直 接 パ リ ル
ー ト 出 願 に よ る フ ラ ン ス 国 へ の 出 願 を す る こ と を 勧 め ま す 。PCT 出 願 の
場 合 に は 、直 接 フ ラ ン ス 国 を 指 定 す る こ と は で き ま せ ん 。必 ず 欧 州 特 許
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出 願 経 由 し な け れ ば な ら ず 、そ れ だ け 審 査 等 の 期 間 が 長 期 に 必 要 と な る
からです。
③ 一 方 、権 利 の 安 定 性 の 観 点 か ら 見 る と 、フ ラ ン ス 国 は 完 全 な 審 査 主 義 を
採用しておりません。
従 っ て 、瑕 疵 あ る 権 利 の 発 生 も 十 分 考 え ら れ 、特 許 後 に 無 効 と さ れ る 余
地を残しております。
一 方 、 PCT 出 願 欧 州 特 許 出 願 に よ る 場 合 に は 、 権 利 化 ま で に 長 時 間 及 び
費 用 の 点 で 負 担 は 多 く な り ま す が 、完 全 な 審 査 が 行 わ れ ま す の で 、権 利
の 安 定 性 の 観 点 か ら は 、フ ラ ン ス 国 へ の 直 接 出 願 よ り 安 心 で き る と 思 わ
れます。
(2)出願後:
上述しましたように、特許出願後所定の期間内に、新規性調査報告の作
成の請求がなかった場合には、特許出願は存続期間が6年間である「実
用証」出願に変更されたものとみなされてしまいます。
従いまして、特許出願として長期の存続期間を望む場合には、上記新規
性調査報告の作成の請求を、出願と同時にすることを勧めます。
この請求を出願と同時に行わない場合には、この期限管理に十分留意す
る必要があります。
(3)登録後:
特 許 に な っ た 場 合 に は 、現 地 代 理 人 に 対 し て 最 終 的 な ク レ ー ム の 英 訳 文
を作成してもらうことを勧めます。
権 利 侵 害 等 の 問 題 が 発 生 し た と き に 、ク レ ー ム の 解 釈 に ズ レ が 生 じ な い
よう、その内容を十分に把握しておく必要性があるからです。
な お 、欧 州 特 許 出 願 に よ り フ ラ ン ス 国 で 特 許 の 権 利 化 を 図 る 場 合 、従 来
は、欧州特許明細書のフランス語による翻訳文の提出が必要でした。
と こ ろ が 、 数 年 前 の London Agreement の 施 行 に よ り 、 こ の 翻 訳 文 を 提
出は不要となり、自動的にフランス国で権利化が可能となりました。
こ の こ と か ら 、出 願 人 に と っ て 費 用 の 軽 減 が 図 ら れ よ う に な り ま し た の
で、この点も留意する必要があろうかと思われます。
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意匠制度
1.現行法令について
2003年の改正知的財産法が適用されています。
2.意匠出願時の必要書類
(1)願書(出願人、ロカルノ協定の国際分類)
( 2 ) 意 匠 の 表 現 物 ( 写 真 又 は 図 面 ): 表 現 物 は 1 0 0 個 以 下 。
(3)保護対象物品の性質の表示(1行以内)
(4)優先権証明書及びその訳文(出願から3ヶ月以内)
(5)委任状(認証不要)
3.料金表(単位:ユーロ)
(1)出願手数料
38
*表現物の追加手数料(白黒)
22
*表現物の追加手数料(彩色)
45
(2)補正
75
(3)出願の回復
75
(4)更新
50
(5)譲渡・ライセンス
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4.料金減免制度について
料金の減免制度は採用されていません。
5.実体審査の有無
新規性等の実体審査は行われません。登録後に無効請求があった場合に判断さ
れます。
6.出願公開制度の有無
出願公開制度は採用されていません。
7.審査請求制度の有無
無審査ですので審査請求制度は採用されていません。
8.出願から登録までの手続の流れ
意匠出願は、方式要件を充足し、意匠が公序良俗に反しない場合には、新規性
等の実体審査なしで登録されます。方式違反、公序良俗違反がある場合には、出
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願人に意見書又は補正書提出の機会が与えられます。
出
願
方式審査
方式要件、公序良俗違反
登録
出願日から5年
(最長25年)
無効請求
満了
9.存続期間及びその起算日
存続期間は出願日から5年です。5年毎に4回更新できますので、最長25年
になります。
10.部分意匠制度の有無
部分意匠制度は採用されておりません。
11.留意事項
(1)保護対象
意匠とは、製品の外観であって、特にその製品の線、輪郭、色彩、形状、織り
方又は材質の特徴に由来するものとされています。工業製品、工芸品は製品とみ
なされ、複合製品に組み込まれる予定の部品、包装、外装、図柄記号及び印刷活
字も製品とみなされます。但し、コンピュータプログラムは製品には含まれませ
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ん。
(2)簡易手続による意匠登録
通常の意匠登録の他に、出願日から3年間の保護期間が認められる簡易手続に
よる意匠登録制度があります。商品形態が短期間で変更される業種の物品がある
ことを考慮したものです。所定の手続を採ることにより、通常の意匠登録の保護
へ切り替えることも可能となっています。
(3)無効請求
意匠登録は無審査で登録されますので、新規性等の実体要件を意匠登録後に判
断できるようにしています。新規性、独自性は以下のように規定されています。
<新規性>
出願日前(優先日前)に、世界のいずれかで同一意匠・ひな形が公衆に利用可
能な状態になっていない場合には、新規性を有するとされています。創作者、出
願人による意匠の開示によって新規性は喪失しません。
<独自性>
意匠の使用者にとって、先行意匠の全体的印象が出願に係る意匠の全体的印象
が異なる場合には、独自性を有するとされています。
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商標制度
1.現行法令について
2003年の改正知的財産法が適用されています。
2.商標出願時の必要書類
(1)願書
(2)商品又はサービス及びその区分(多区分制を採用しています)
(3)商標表現物及び商標の種類の表示(立体商標、音響商標など)
(4)委任状(認証不要)
(5)優先権証明書及び訳文(出願日から3ヶ月)
(6)使用により識別力を取得した旨の証拠(必要な場合)
3.料金表(単位:ユーロ)
(1)出願手数料
*3区分まで
225
*4区分以降(1区分につき)
40
(2)補正
100
(3)譲渡・ライセンス
26
(4)異議申立
310
(5)更新
*3区分まで
240
*4区分以降(1区分につき)
40
4.料金減免制度について
料金の減免制度は採用されていません。
5.実体審査の有無
商標出願は、識別性の有無等が実体審査の対象となります。
6.出願公開制度の有無
出願公開制度は採用されていません。
7.審査請求制度の有無
商標出願は全件審査されますので、審査請求制度は採用されていません。
8.出願から登録までの手続の流れ
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商標出願、方式要件及び実体的登録要件について審査されます。主な不登録事
由は以下のとおりです。
<不登録事由>
(1)識別力のない商標
(2)品質の誤認を生ずるおそれがある商標
(3)公序良俗に反する商標
(4)著作権又は登録意匠と抵触する商標
商標出願が不登録事由に該当するときは、出願人に4ヶ月間、意見書・補正書
提出の機会が与えられます。審査では先行商標との類否についての判断は行われ
ません。先行商標の所有者から異議申立てがあった場合にのみ審査されます。出
願が登録すべきものと認められる場合には出願公告がなされ、公告日から2ヶ月
間、異議申立てが認められます。
商標出願が最終的に拒絶された場合には、拒絶の査定に対し裁判所に不服申立
てを行うことができます。
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9.存続期間及びその起算日
存続期間は出願日から起算して10年で満了します。存続期間は10年間毎に
更新することができます。更新申請は存続期間の満了前6ヵ月以内に行わなけれ
ばなりません。
10.出願時点での使用義務の有無
出願時点での使用義務はありません。
11.保護対象
商標とは、商品サービスを識別することができる図形的な表示が可能な標識で
あ り 、以 下 の も の が 含 ま れ ま す 。名 称( 語 、文 字 、数 字 、地 名 な ど )、聴 覚 的 標 識
( 音 、樂 句 な ど )、形 象 的 標 識( 図 案 、ホ ロ グ ラ ム 、ロ ゴ 、包 装 、色 彩 の 配 置 な ど )。
12.留意事項
(1)不使用による取消し
登録商標が継続して5年以上使用されていない場合には、請求により登録を取
消されることがあります。
(2)無効審判
登録要件に違反して商標登録がされた場合には、裁判所に登録無効の請求をす
ることができます。
(3)周知商標の保護
未登録商標であってもフランス国内で周知性を有する場合には、後発の登録商
標 の 無 効 を 請 求 す る こ と が で き ま す( 当 該 登 録 日 か ら 5 年 間 )。当 該 後 発 商 標 が 悪
意で登録された場合には、5年経過後も無効請求をすることが可能です。
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