AutoCAD LT のアドオンアプリケーションに関するFAQ

2009 年 8 月
お客様各位
オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション
AutoCAD LT のアドオンアプリケーションに関する FAQ
いつもオートデスク製品をご愛用賜りありがとうございます。
オートデスク製品ユーザの皆様にはすでにご理解いただいていることと存じますが、各方面
よりお問い合わせをいただくことがありますので、FAQ にまとめさせていただきました。
AutoCAD LT は AutoCAD と異なり、ObjectARX、.NET API、AutoLISP、または VBA
をベースにしたアドオンアプリケーションの利用を意図されていません。AutoCAD LT では提
供されていない AutoLISP や3D コマンドのような機能を有効にすると称するアプリケーショ
ン、あるいはアドオンアプリケーションの広告をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
AutoCAD LT はアプリケーション開発プラットフォームではなく、アプリケーション開発環境を
アドオンすることを意図されていません。オートデスクはそのようなアプリケーションまたは拡張
をサポートしておりません。
AutoCAD LT のユーザは、製品に添付されているソフトウェア使用許諾契約の条項に準拠
していただかなくてはなりません。この使用許諾契約には、オートデスクの設定する制限の迂
回等を行い製品利用できないことを記述しています。さらに、このようなアプリケーションの中
には、AutoCAD LT の安定性、安全性、互換性に影響を及ぼす AutoCAD LT のコード置換
または修正する可能性があるものも存在します。
ユーザインタフェースのカスタマイズ（CUI）、Diesel マクロやダイナミックブロックの提供、ま
たは他のドキュメントに記された特性や利用可能な機能を使う行為は、製品の使用許諾契約
の範囲内であり、その使用は許容されます。
サードパーティのデベロッパーによる、不正でサポートされていない AutoCAD LT のアプリ
ケーションの使用リスクからお客様を保護するために、そしてオートデスク自身のイメージと信
頼を守るために、弊社はそのような不正使用を防ぐ、または妨げるための措置を講じることが
あります。
本文書により、問題点が明らかになり、AutoCAD LT の適切な使用を示す明確な指針とな
ることを願っております。
オートデスク株式会社〒104-6024 東京都中央区晴海1-8-10 晴海アイランドトリトンスクエアオフィスタワーX24F
www.autodesk.co.jp
AutoCAD LT®の
アドオンアプリケーションに関する
FAQ
AutoCAD LT の初期バージョンのリリース以来、オートデスクは、AutoCAD LT のアドオンアプリケーションを開発する機
能や環境を提供していません。このため、AutoCAD LT をアドオンアプリケーションの開発プラットフォームとして活用し
たり、AutoCAD LT 上でアドオンアプリケーションを運用したりすることはできません。また、オートデスクは、AutoCAD
LT にアドオンアプリケーションをロードして実行させるようなツールやソフトウェアを一切サポートしていません。
AutoCAD LT が持つユーザインタフェースのカスタマイズ機能を使って、リボン、メニュー、ツールバー、ツールパレット等
を作成したり変更したりすることは、AutoCAD LT がサポートする機能の範囲内であれば、運用上問題はありません。
AutoCAD LT のアドオンアプリケーションに関する FAQ
FAQ（よくある質問）
Q1.アドオンアプリケーションとは何ですか？
A1.一般的に、起動中のソフトウェアにロードすることで、そのソフトウェア本体にはない機能を実現する後付けモジ
ュールを指します。ソフトウェアによっては、プラグインと呼んだり、アドオンと呼んだり場合もあります。
Q2.アドオンアプリケーションはどのように作成するのですか？
A2.アドオンアプリケーションもソフトウェアの一部であるため、コンピュータプログラムを記述して作成します。この
作業を「開発」とも呼びます。通常、アドオンアプリケーションの開発には、アドオンをロードさせるソフトウェア本
体が、開発のための仕様や API (Application Programming Interface) と呼ばれるプログラミング用のイン
タフェースを公開しているので、この仕様に基づいてアドオンアプリケーションを開発します。
Q3.AutoCAD LT は API を公開していないのでしょうか？
A3.はい。AutoCAD LT はアドオンアプリケーションを開発するための仕様や API を公開していません。一方、
AutoCAD はアドオンアプリケーションを開発するための仕様や API を公開しています。もちろん、オートデス
クは、AutoCAD 上でのアドオンの運用をサポートしています。
Q4.AutoCAD の API にはどのようなものがありますか？
A4.AutoCAD は、プログラムスキルや利用目的に応じて、4 つの API を公開しています。ここでは名称だけに
とどめますが、AutoLISP、ActiveX オートメーション(COM)、ObjectARX、.NET API がこれに該当します。
それぞれの API の詳細は、http://www.autodesk.co.jp/developautocad を参照してください。
Q5.AutoCAD LT 用のアプリケーションパッケージを見かけましたが、不正なものなのでしょうか？
A5.一概に不正とは言いきれません。Windows が持つ API を使って、AutoCAD LT を外部からコントロール
するようなアプリケーションも存在しているようです。この場合、アドオンアプリケーションをロードするような処理
ではなく、AutoCAD LT にメッセージを送信するような手法を使っているようです。
ただし、AutoCAD LT に、AutoCAD 用に開発したアドオンアプリケーションをロードさせるようなものは、不
正である可能性があります。
いずれの場合も、オートデスクはそのようなアプリケーションの開発行為や運用をサポートしていません。
Q6.AutoCAD LT 上でスクリプト機能を使って自動作図をしています。この行為は不正、違法なものでしょうか？
A6.いいえ。AutoCAD LT の機能には、SCRIPT コマンドを使ってスクリプトを実行する機能が含まれています。
Q7.AutoCAD LT アプリケーションの不正行為について、どこかに文章で制限されているのでしょうか？
A7.はい。AutoCAD LT に付随するソフトウェア使用許諾契約書によって制限されています。ソフトウェア使用許
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AutoCAD LT のアドオンアプリケーションに関する FAQ
諾契約書は、AutoCAD LT のインストールに表示されます。また、インストールメディア（DVD-ROM または
CD-ROM）にも格納されているので、後から参照することもできます。たとえば、AutoCAD LT 2009 のソフト
ウェア使用許諾契約書は、x86 または x64 フォルダ直下の EULA フォルダに、Japanese.rtf ファイルとし
て保存されています。
Q8. AutoCAD LT アプリケーションの不正行為について、具体的にソフトウェア使用許諾契約書のどの部分に記
載されているのでしょうか？
A8.ソフトウェア使用許諾契約書の 2.1、3.2.2、3.2.6、3.2.7 の条項が該当します。逆コンパイル、リバースエン
ジニアリング、ソースコードの解読などの解析行為を行って、AutoCAD LT に本来ない機能、ここでは API や
アプリケーション動作環境を利用する環境を提供したり、その環境を利用したりする、の運用を禁止しています。
これらの機能は、AutoCAD LT の制限事項として考えることができます。
--------- AutoCAD LT ソフトウェア使用許諾契約書抜粋ここから
2.1
使用権の許諾オートデスクは、お客様に対し、ライセンスパラメータの範囲内で、適切な
ユーザドキュメントに従い、お客様の国または地域における、再使用許諾不可、非独占的、譲渡不可、
制限付きの機械読取り式オブジェクトコード版の本ソフトウェアおよびユーザドキュメントをインストー
ルして使用する権利を許諾します。お客様が本契約に記載されるすべての使用の制限および制約に
継続的に従うことを条件に、オートデスクは使用権を許諾します。お客様が上記の制限または制約に
違反する場合、使用許諾は自動的にかつ直ちに失効します。お客様に対して許諾される権利の範囲
は、本契約第 2 条(本ソフトウェアの使用権許諾)の使用権の許諾に関する記述にて定義されていま
す。適切な使用許諾の範囲を逸脱して本ソフトウェアまたはユーザドキュメントを使用することは、オ
ートデスクの知的財産権の侵害および本契約の重大な違反となります。本契約の条項は、その他のマ
テリアル(存在する場合)に対していかなるライセンスも許諾するものではありません。本ソフトウェアが
合法的に取得されていない場合、本契約の条項によりいかなるライセンスも許諾されません。
3.2.2
リバースエンジニアリング
お客様は、本ソフトウェアまたはその他のマテリアルをリバースエンジニアリング、逆コンパイルまたは逆アセンブす
ることはできません(サードパーティに許可することもできません)。
3.2.6
修正
お客様は、目的を問わず、オートデスクのマテリアルを改変、翻訳、修正、もしくは改作することはできず、または
これらに基づき派生物を作成することはできません。
3.2.7
(a)
迂回
お客様は、オートデスクが本ソフトウェアに関連して使用するコピープロテクトの方式を迂回もしく
は除去するための器具、装置、ソフトウェア、またはその他の手段を使用することはできません。また、お客様は、
オートデスクまたはオートデスク認定リセラーを通じて提供されたものではないオーソライゼーションコード、シリア
ル番号、またはその他のコピープロテクト装置と一緒に、本ソフトウェアを使用することはできません。ネットワーク
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AutoCAD LT のアドオンアプリケーションに関する FAQ
版の場合、お客様は、オートデスクライセンスマネージャを迂回もしくは除去するための器具、装置、ソフトウェ
ア、またはその他の手段を使用することはできません。
(b)
お客様は、オートデスクがその他のマテリアルに関連して設定する使用制限または無効にされてい
る機能を迂回もしくは除去するための器具、装置、ソフトウェア、またはその他の手段を使用することはできませ
ん。お客様は、その他のマテリアルに対する許可されていないコピーまたは使用を防止または阻害する、オートデ
スクのマテリアルのいかなる機能または技術的な制限も迂回または削除することはできません。
--------- AutoCAD LT ソフトウェア使用許諾契約書抜粋1 ここまで
Q9.AutoCAD LT に付随するソフトウェア使用許諾契約書のほかに、AutoCAD LT で動作するアドオンアプリ
ケーションを制約するドキュメントは存在しますか？
A9.AutoCAD LT 上で、AutoCAD 用の ObjectARX のアドオンアプリケーションのロードファイル(.arx ファイ
ル、.dbx ファイル) を利用するような場合は、ObjectARX SDK のソフトウェア使用許諾契約書に抵触する
可能性があります。AutoCAD のアドオンアプリケーション用の API の 1 つである ObjectARX では、アド
オンアプリケーションの開発に、オートデスクが無償提供している ObjectARX SDK を使用する必要があり
ます。ObjectARX SDK は、http://www.autodesk.com/objectarx から無償でダウンロードすることができ
ます。同ページの License and Download リンクをクリックすると、ObjectARX SDK のソフトウェア使用許
諾契約書（Autodesk, Inc. License Agreement for ObjectARX® for AutoCAD® 2010, AutoCAD® 2009,
AutoCAD® 2008, AutoCAD® 2007 software）を参照することができます。
--------- ObjectARX SDK のソフトウェア使用許諾契約書抜粋ここから
1. Use of the Software
You may install the Software in a single location on a single hard disk or other storage device,
install and use the Software on a file server for use on a network for the purpose of installation onto
hard disks or other storage devices or use the Software over such network, and make backup
copies of the Software. You may make unlimited copies of the Software and give copies to other
persons or entities so long as (i) all such copies are used to develop applications for Autodesk
products based on the AutoCAD® platform and excluding AutoCAD LT®, DWG TrueConvert™, and
DWG TrueView™ and (ii) all such copies contain this Agreement and the same copyright and other
proprietary notices that appear on or in the Software. As set forth above, You may not use the
Software to develop applications for AutoCAD LT®, DWG TrueConvert™, and DWG TrueView™, as
the aforementioned products are nonextensible applications and the use of the Software to develop
applications for these products is expressly prohibited by this Agreement.
--------- ObjectARX SDK のソフトウェア使用許諾契約書抜粋1 ここまで
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本文中に記載の使用許諾書の条項は、使用許諾書の一部抜粋になっています。アドオンアプリケーションを開発される場合、アドオンアプリケ
ーションをご利用される場合には、必ず使用許諾書全文をご確認の上、製品の利用をお願いします。
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AutoCAD LT のアドオンアプリケーションに関する FAQ
Q10.不正と思われる AutoCAD LT アプリケーションを利用しているユーザは、どのような対応をすべきでしょう
か？
A10.API を公式にサポートしている AutoCAD への移行を強くお勧めします。詳細は、アドオンアプリケーション
を開発元に問い合わせてください。
Q11.不正と思われる AutoCAD LT アプリケーションを AutoCAD LT 上で利用している場合、オートデスクは
AutoCAD LT が持つ標準コマンドのサポートもしないのでしょうか？
A11.残念ながら、サポートできません。アドオンアプリケーションが AutoCAD 用の API を用いて不正な拡張
行為を行っている場合、新しいコマンドを追加して機能を拡張するだけでなく、既存の標準コマンドを置き換
えたり、拡張したりすることも出来てしまいます。このような状態の AutoCAD LT では、もはや、オートデスク
は動作保障することが難しい状態と言えます。
Q12.不正と思われる AutoCAD LT アプリケーションを見つけた場合、オートデスクがどのようなアクションをとりま
すか？
A12.オートデスクの知的財産権を侵害する行為が明らかな場合や、オートデスク製品の価値、信用性などを損
なうと認められる製品やツールに対しては、一定の対応をとる可能性があります。
Q13.不正と思われる AutoCAD LT アプリケーションを見つけた場合、オートデスクは不正か否かの判定を行い
ますか？
A13.オートデスクは、個々のお客様が持つ事案を詳しく調査して、不正か否かの判定を行うような行為はしてい
ません。
Autodesk 、AutoCAD、 AutoCAD LT 、DWG TrueConvert 、DWG TrueView および ObjectARX は、米国および／またはその他の国々
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